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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】ビデオ資料の動作部分への削減
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/765 20060101AFI20240510BHJP
   H04N 5/915 20060101ALI20240510BHJP
   G06T 7/254 20170101ALN20240510BHJP
【FI】
H04N5/765
H04N5/915
G06T7/254 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021556447
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2020056688
(87)【国際公開番号】W WO2020187695
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2022-05-31
(31)【優先権主張番号】19163648.9
(32)【優先日】2019-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508270727
【氏名又は名称】エランコ アニマル ヘルス ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Elanco Animal Health GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ、ギリッセン
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-101987(JP,A)
【文献】特開平10-289321(JP,A)
【文献】特開2008-250674(JP,A)
【文献】特開平08-055234(JP,A)
【文献】特開平07-160891(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T1/00-1/40
3/00-7/90
G06V10/00-20/90
30/418
40/16
40/20
G08B19/00-31/00
H04N5/76-5/775
5/80-5/956
7/10
7/14-7/56
21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ記録を、動作閾値を超える対象の1つ以上の動作が記録される時間部分に縮小する方法であって、下記の工程:
a)時間的に連続する画像を受信する工程、
b)前記時間的に連続する画像における隣接する画像の各ペアに対してそれぞれの差分画像を生成することにより、前記連続する画像から一連の差分画像を生成する工程、
c)規定数の差分画像を含む連続する差分画像のすべての群について、群に関連付けられた差分画像がそれぞれにおいて平均化される手順によって、前記一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成する工程、
d)前記一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成する工程、
e)各二値画像における隣接するピクセルの群を特定する工程、
f)前記隣接するピクセルの群のサイズを決定し、群のそれぞれのサイズと閾値とを比較する工程、
g)前記閾値に等しいサイズまたは前記閾値より大きいサイズの群を少なくとも1つ有する二値画像を特定する工程、
h)工程g)で特定された二値画像の生成に影響を与えなかった前記時間的に連続する画像のすべての画像を消去する工程
を含み、
-前記一連の画像の各画像が複数のピクセルを有し、各ピクセルが色調値によって特徴付けられ、
-前記一連の差分画像の各差分画像が、それぞれが色調値を有する複数のピクセルによって特徴付けられ、前記各差分画像の各ピクセルの色調値が、時間的に直接的に連続する2つの画像の対応するピクセルの色調値間の差の絶対値を表し、
-時間枠が、前記一連の平均値差分画像を生成するために定義され、該時間枠は、時間的に直接的に連続する規定数の差分画像を収容することができ、時間枠は、前記一連の差分画像の初めから、前記一連の差分画像の終わりまで、画像ごとにシフトされ、かつ、画像ごとの各シフトの間、前記時間枠により網羅される差分画像に基づいて各平均値差分画像が生成され、各平均値差分画像の各ピクセルの前記色調値が、前記時間枠により網羅される前記差分画像の対応するピクセルの前記色調値の平均値を表し、
-前記一連の平均値差分画像から前記一連の二値画像を生成するために、規定された色調値閾値を下回る、各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値が第1の色調値に設定され、かつ規定された色調値閾値を上回るか、または規定された色調値閾値に対応する、(コントラストが低減された)各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値が第2の色調値に設定される、方法。
【請求項2】
前記工程c)の後、かつ前記工程d)の前に、以下の工程:
前記一連の平均値差分画像のすべての平均値差分画像にガウシアンぼかしを適用することにより、コントラストが低減された一連の平均値差分画像を生成する工程
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程d)の後、かつ前記工程e)の前に、以下の工程:
前記第2の色調値を有する各二値画像のピクセルが、規定された構造化要素の形状に単独でまたは複合的に拡張される手順によって、前記一連の二値画像から拡張された一連の二値画像を生成する工程
をさらに含む、請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記工程f)における各群のサイズが、各群に属する第2の色調値を有するピクセルの数として設定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記二値画像における隣接するピクセルの群のサイズを確認するために、以下の基準:
-境界が長方形であり、
-その端部が前記二値画像の端部と平行であり、
-前記第2の色調値を有し、隣接するピクセルの群に属するすべてのピクセルが前記境界内にあり、
-前記境界が、前記2番目の色調値を有する隣接するピクセルの群に属さない、可能な限り少ないピクセルで構成される
を満たす群の周囲の境界が考慮され、
前記境界内にあるピクセルの総数が前記群のサイズとして設定される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記対象が生物である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記生物が動物形態の生物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記生物が実験動物である、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記生物がイヌである、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの前記動作が、前記生物の体または前記生物の体の一部の揺れ、前記生物自体の身体のケアに関する前記生物の活動、および/または、生物によるなめる、噛む、引っ掻くおよび/またはこするである、請求項6~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
-入力ユニット、
-制御ユニット、
-演算ユニット、および
-出力ユニットおよび/またはデータ記憶ユニット
を含む装置であって、
前記制御ユニットが前記入力ユニットに一連の画像を受信させるように構成され、
前記制御ユニットが前記演算ユニットに以下の工程:
a)連続する画像における隣接する画像の各ペアに対してそれぞれの差分画像を生成することにより、連続する画像から一連の差分画像を生成する工程、
b)規定数の差分画像を含む連続する差分画像のすべての群について、群に関連付けられた差分画像がそれぞれにおいて平均化される手順によって、前記一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成する工程、
c)前記一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成する工程、
d)各二値画像における隣接するピクセルの群を特定する工程、
e)前記隣接するピクセルの群のサイズを決定し、それぞれのサイズと閾値とを比較する工程、
f)前記閾値に等しいサイズまたは前記閾値より大きいサイズの群を少なくとも1つ有する二値画像を特定する工程、
g)工程f)で特定された二値画像の生成に影響を与えなかった連続する画像のすべての画像を消去し、削減された一連の画像を生成する工程
を実行させるように構成され、
-前記一連の画像の各画像が複数のピクセルを有し、各ピクセルが色調値によって特徴付けられ、
-前記一連の差分画像の各差分画像が、それぞれが色調値を有する複数のピクセルによって特徴付けられ、前記各差分画像の各ピクセルの色調値が、時間的に直接的に連続する2つの画像の対応するピクセルの色調値間の差の絶対値を表し、
-時間枠が、前記一連の平均値差分画像を生成するために定義され、該時間枠は、時間的に直接的に連続する規定数の差分画像を収容することができ、時間枠は、前記一連の差分画像の初めから、前記一連の差分画像の終わりまで、画像ごとにシフトされ、かつ、画像ごとの各シフトの間、前記時間枠により網羅される差分画像に基づいて各平均値差分画像が生成され、各平均値差分画像の各ピクセルの前記色調値が、前記時間枠により網羅される前記差分画像の対応するピクセルの前記色調値の平均値を表し、
-前記一連の平均値差分画像から前記一連の二値画像を生成するために、規定された色調値閾値を下回る、各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値が第1の色調値に設定され、かつ規定された色調値閾値を上回るか、または規定された色調値閾値に対応する、(コントラストが低減された)各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値が第2の色調値に設定され、
前記制御ユニットは、前記削減された一連の画像を前記データ記憶ユニットに記憶し、かつ/または前記出力ユニットが前記削減された一連の画像を出力するように構成される、装置。
【請求項12】
前記制御ユニットが、前記演算ユニットに、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法の1つ以上の工程を実行させるように構成される、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
動物の観察における、請求項11および12のいずれかに記載の装置の使用。
【請求項14】
前記動物が実験動物である、請求項13に記載の装置の使用。
【請求項15】
前記動物がイヌである、請求項13に記載の装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオ資料の処理に関する。本発明の主題は、ビデオ資料を、物体の有意な動作が記録される時間部分に縮小するための方法、装置およびコンピュータプログラム製品である。本発明のさらなる主題は、動物の観察における本発明の装置の使用である。
【0002】
ビデオ資料が自動化された方法で生成され、後で分析される状況は数多く存在する。一例は、野生動物が人間の存在によって怖がり逃げるのを避けるために、自動化された方法で(人間の補助なしに)ビデオ記録を生成するカメラを設置することを含む、自然界の動物の記録に関する。ビデオ資料は、後の時点で人間によって見られ、評価される。さらなる例は、資産または技術設備の監視に関する。カメラは、不動産(property)または技術設備等に向けられ、継続的にビデオ記録を生成する。許可されていない人物が不動産に侵入したり、技術設備で損傷が発生した場合、その許可されていない人物を特定したり、損傷の原因を特定したりするために、ビデオ資料を後で見ることができる。
【0003】
多くの場合、生成されたビデオ資料は、例えば、対応するカメラによって観察された領域の変化がある時間部分で発生しないため、関心のない時間部分を含む。
【0004】
本発明により解決される技術的課題は、物体のビデオ記録を、物体の有意な動作が記録される時間部分に減らすことにある。
【0005】
この課題は、独立特許請求項の主題によって解決される。好ましい実施形態は、従属特許請求項、本明細書および図面に見出される。
【0006】
本発明の第1の主題は、ビデオ記録を、動作閾値を超える対象の1つ以上の動作が記録される時間部分に縮小する方法であって、以下の工程:
a)時間的に連続する画像を受信する工程、
b)前記時間的に連続する画像における隣接する画像の各ペアに対してそれぞれの差分画像を生成することにより、前記連続する画像から一連の差分画像を生成する工程、
c)規定数の差分画像を含む連続する差分画像のすべての群について、群に関連付けられた差分画像がそれぞれにおいて平均化される手順によって、前記一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成する工程、
d)前記一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成する工程、
e)各二値画像における隣接するピクセルの群を特定する工程、
f)各二値画像における隣接するピクセルの各群のサイズを決定し、群のそれぞれのサイズと閾値とを比較する工程、
g)前記閾値に等しいサイズまたは前記閾値より大きいサイズの群を少なくとも1つ有する二値画像を特定する工程、
h)工程g)で特定された二値画像の生成に影響を与えなかった前記時間的に連続する画像のすべての画像を消去する工程
を含む。
【0007】
本発明のさらなる主題は、
-入力ユニット、
-制御ユニット、
-演算ユニット、および
-出力ユニットおよび/またはデータ記憶ユニット
を含む装置であって、
前記制御ユニットが前記入力ユニットに一連の画像を受信させるように構成され、
前記制御ユニットが前記演算ユニットに以下の工程:
a)前記時間的に連続する画像における隣接する画像の各ペアに対してそれぞれの差分画像を生成することにより、連続する画像から一連の差分画像を生成する工程、
b)規定数の差分画像を含む連続する差分画像のすべての群について、群に関連付けられた差分画像がそれぞれにおいて平均化される手順によって、前記一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成する工程、
c)前記一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成する工程、
d)各二値画像における隣接するピクセルの群を特定する工程、
e)前記群のサイズを決定し、それぞれのサイズと閾値とを比較する工程、
f)前記閾値に等しいサイズまたは前記閾値より大きいサイズの群を少なくとも1つ有する二値画像を特定する工程、
g)工程f)で特定された二値画像の生成に影響を与えなかった前記時間的に連続する画像のすべての画像を消去し、削減された一連の画像を生成する工程
を実行させるように構成され、
前記制御ユニットは、前記削減された一連の画像を前記データ記憶ユニットに記憶し、かつ/または前記出力ユニットが前記削減された一連の画像を出力するように構成される装置である。
【0008】
本発明のさらなる主題は、動物の観察における本発明の装置の使用である。
【0009】
本発明のさらなる主題は、コンピュータプログラムが格納され、コンピュータのメインメモリにロードすることができ、そこでコンピュータに以下の工程:
a)時間的に連続する画像を受信する工程、
b)前記時間的に連続する画像における隣接する画像の各ペアに対してそれぞれの差分画像を生成することにより、連続する画像から一連の差分画像を生成する工程、
c)規定数の差分画像を含む連続する差分画像のすべての群について、群に関連付けられた差分画像がそれぞれにおいて平均化される手順によって、前記一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成する工程、
d)前記一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成する工程、
e)各二値画像における隣接するピクセルの群を特定する工程、
f)前記隣接するピクセルの群のサイズを決定し、群のそれぞれのサイズと閾値とを比較する工程、
g)前記閾値に等しいサイズまたは前記閾値より大きいサイズの群を少なくとも1つ有する二値画像を特定する工程、
h)工程g)で特定された二値画像の生成に影響を与えなかった前記時間的に連続する画像のすべての画像を消去し、それによって削減された一連の画像を生成する工程、
i)前記削減された一連の画像をデータ記憶ユニットに保存し、かつ/または前記削減された一連の画像をモニターに出力する工程
を実行させるデータキャリアを含むコンピュータプログラム製品である。
【0010】
本発明は、本発明の主題(方法、装置、コンピュータプログラム製品、使用)を区別することなく、以下により詳細に説明される。むしろ、以下の説明は、それらが与えられる文脈に関係なく、類似の方法で本発明のすべての主題に適用されることを意図している。
【0011】
本発明は、自動化された方法で、ビデオ記録を、自由に定義可能な動作閾値を超える物体の動作が記録される時間部分に縮小することを可能にする。
【0012】
本発明が意図する範囲内の対象は、(自律的に)動くことができる任意の物品または任意の生物である。好ましくは、対象は、動物、好ましくは実験動物、最も好ましくは犬の形態の生物である。
【0013】
動作とは、対象または対象の部分の位置またはサイズの経時変化である。動作は、ある場所から別の場所への対象の移動であってもよい。動作は、例えば、生物の四肢の上昇または下降または横方向の動き等の、対象の部分の上昇または下降または横方向の動きであってもよい。一つの好ましい実施形態では、動作は、生物の体または生物の体の部分の揺れ、生物自体の身体のケアに関する生物の活動、および/または、生物によるなめる、噛む、引っ掻くおよび/またはこするである。
【0014】
本発明の適用の出発点は、所定の期間にわたって対象を表示するビデオ資料である。ビデオ資料が複数の対象を表示することも考えられる。さらに、ビデオ資料は、少なくとも部分的に、対象をまったく表示しないことも考えられる。
【0015】
通常、ビデオ資料は連続するフレームで構成されるか、またはそのような連続するフレームに変換することができる。本明細書では、ビデオ資料または連続するフレームは、(時間的に)連続する画像と呼ばれる。画像はイベントのスナップショットである。連続する画像におけるそれらの画像は、本発明の実施において一連の処理に供される。連続する画像におけるそれらの画像は、本発明の実施の出発点であるため、本明細書では元の画像とも呼ばれる。
【0016】
本発明の手段によって縮小可能なビデオ資料は、通常、デジタル形式で存在するか、またはそのようなデジタル形式にすることができる。したがって、フレーム(画像)は瞬間のデジタル画像記録である。
【0017】
デジタルビデオ資料は、所定のフレーム周波数(フレームレートとも呼ばれる)を有する。フレーム周波数は、期間ごとに記録または再生されるフレーム数を示し、通常、単位fps(「フレーム/秒」を表す)またはHzで規定される。通常の範囲は10Hz~240Hzである。フレーム周波数は、好ましくは20~40Hzである。
【0018】
ある時点が各画像に割り当てられるか、またはある時点が各画像に割り当てられ得る。通常、この時点は、画像が生成された時点(絶対時間)である。画像記録の生成には一定の時間を要することが当業者に公知である。画像は、例えば、画像の記録が開始された時点、または画像の記録が完了した時点に割り当てられ得る。しかしながら、時間的に連続する画像に任意の時点(例えば、相対的な時点)が割り当てられることも考えられる。
【0019】
ある時点を基準として、ある画像を別の画像との関係で時間的に分類することができ;ある画像の時点を基準として、画像に表示される瞬間が別の画像に表示される瞬間の時間的に前に発生したのか、時間的に後に発生したのかを確認することができる。この明細書では、画像に割り当てられた時点は、タイムスタンプとも呼ばれる。タイムスタンプには、表示される瞬間が発生した年、月、日、時、分、秒、10分の1秒および/または100分の1秒に関する情報を含めることができる。
【0020】
しかしながら、時間的に連続する画像の最初の画像が時点0の時点を任意に割り当てられ、時間的に後続する画像が時点0から経過した期間を割り当てられることも考えられる。最初の画像に最初の時点に割り当てられ、時間的に最初の画像の直後にある2番目の画像に2番目の時点が割り当てられる場合、最初の時点と2番目の時点の間の期間の逆数は、通常、そのビデオ資料のフレーム周波数に対応する。
【0021】
ある時点に加えて、またはその代わりに、各画像に一意の識別子を提供することができ、これに基づいて、画像を特定し、他の画像と区別することができる。例えば、連続する画像における各画像に(追加で)連続して番号を付けることが考えられる。連続する画像の最初の画像には、例えば、数字1、最初の画像の時間的に直後の画像には数字2をつけ、以下同様に続ける。
【0022】
デジタル画像は様々な形式で表示することができる。例えば、デジタル画像はラスターグラフィックスとしてコード化することができる。ラスターグラフィックスは、いわゆるピクセルのラスタータイプの配置で構成され、各ピクセルには色が割り当てられている。したがって、ラスターグラフィックスの主な特徴は、画像サイズ(ピクセル単位で測定される幅と高さ、通称、画像解像度とも呼ばれる)と色深度である。
【0023】
通常、デジタル画像のピクセルには色が割り当てられる。ピクセルに使用される色のコーディングは、とりわけ、色空間と色深度によって定義される。最も単純なケースは、ピクセルが白黒の値を有する二値画像である。いわゆるRGB色空間(RGBは、赤、緑および青の原色を表す)によって色が定義される画像の場合、各ピクセルは3つのサブピクセルで構成され、1つは赤色のサブピクセル、1つは緑色のサブピクセル、そして1つは青色のサブピクセルである。ピクセルの色は、サブピクセルの色値の重ね合わせ(加法混合)により生じる。サブピクセルの色値は、256のカラーシェードに分割され、これは色調値と呼ばれ、0~255まで変動する。各カラーチャネルのカラーシェード「0」が最も暗い。3つのすべてのチャネルの色調値が0の場合、対応するピクセルは黒で表示され;3つのすべてのチャネルの色調値が255の場合、対応するピクセルは白で表示される。
【0024】
本発明の実施において、デジタル画像記録は、特定の処理に供される。この場合、処理は主にピクセルまたは個々のピクセルの色調値に関係する。可能なデジタル画像フォーマットとカラーコーディングが多数存在する。簡略化のために、本明細書では、存在する画像は、特定のピクセル数を有するグレースケールラスターグラフィックスであると仮定し、各ピクセルには、画像のグレースケール値を示す色調値が割り当てられる。しかしながら、この仮定は、決して制限として理解されるべきではない。画像処理の当業者には、本明細書の教示を、他の画像フォーマットとして存在する画像、および/または色値が異なってコード化されている画像にどのように適用できるかは明らかである。
【0025】
第1の工程では、存在する連続する画像から一連の差分画像が生成される。隣接する画像の各ペアにたいしてそれぞれの差分画像が生成される。存在する連続する画像において、2つの画像の間に時間的に介在する画像がなく、時間的に直接的に連続している場合、2つの画像は隣接している。例えば、5つの連続する画像が存在する場合、
-1番目の差分画像は1番目と2番目の画像から生成され、
-2番目の差分画像は2番目と3番目の画像から生成され、
-3番目の差分画像は3番目と4番目の画像から生成され、かつ
-4番目の差分画像は4番目と5番目の画像から生成される。
【0026】
通常、差分画像は、それが生成された各画像とまったく同じピクセル数を有する。
【0027】
差分画像は、画像の各ピクセルについて、隣接する画像の対応するピクセルの色調値からそのピクセルの色調値を減算し、負の色調値を避けるために、減算した結果から絶対値を生成する手順によって生成される。
【0028】
2つのピクセルが同じ座標(ラスターグラフィックスとしての表現)を有する場合、それらは互いに対応する。
【0029】
結果は、一連の差分画像であり、各差分画像はいくつかのピクセルを含み、色調値が各ピクセルに割り当てられる。1つの画像から隣接する画像への変化がない場合、該1つの画像のピクセルの色調値は、隣接する画像のピクセルの色調値に対応する。上記減算により、差分画像の各ピクセルについて色調値0(ゼロ)(ノイズが存在しない場合)が得られる。グレースケール描写では、差分画像は黒である。黒の差分画像は、1つの画像から隣接する画像への記録シーンに変化がなかったことを示す。
【0030】
対照的に、記録されたシーンにおいてある画像から隣接する画像に変化が生じた場合、これらの変化は、ゼロ以外の色調値を有するピクセルで明らかになる。
【0031】
好ましくは、差分画像は、差分画像の生成に影響を与えた画像について結論を引き出すことを可能にする識別子を備えている。画像に連続した番号が付けられ、例えば、番号が1、2、3等である場合、差分画像には、関連する画像の数字を含む識別子を付けることができる。例えば、数字1を有する画像と数字2を有する画像とから生成された差分画像は、識別子1~2を含み得る。
【0032】
2番目の画像から1番目の画像を差し引いて生成された差分画像が、1番目の画像に割り当てられた時点に割り当てられ、かつ/または2番目の画像に割り当てられた時点に割り当てられ、かつ/または、1番目の画像に割り当てられた時点と2番目の画像に割り当てられた時点との間に時間的に介在する時点が割り当てられる。差分画像に割り当てられた時点は、好ましくは、2つの直接的に連続する差分画像の時点間の期間の逆数が、存在するビデオ資料のフレーム周波数に対応するように定義される。
【0033】
次の工程では、一連の平均値差分画像が一連の差分画像から生成される。各平均値差分画像の生成は、規定数の差分画像の影響を受け、ここではNと指定する。Nは、1より大きい自整数である。各平均値差分画像は、数Nの時間的に直接的に連続する差分画像から生成される。この目的のために、最初に時間枠が定義される。時間枠は仮想時間枠である。規定された長さの期間が定義される。期間の長さは、2つの直接的に連続する差分画像間の期間のN倍である。したがって、時間枠は正確にN個の差分画像に対応し得る。平均化するために、時間窓は、一連の差分画像に沿って画像ごとにシフトされ、時間枠の各位置において、時間枠に含まれる差分画像から平均値画像が生成される。平均化の開始時に、時間枠は一連の差分画像の開始時に配置される。この位置において、時間枠には第1のN個の差分画像(1~N)が含まれる。これらの第1のN個の差分画像から平均値画像が生成される。次いで、時間枠はさらに1つの差分画像にシフトされる。これにより、差分画像2ビス(N+1)が含まれる。平均値画像は、差分画像2ビス(N+1)から生成される。次いで、時間枠が1つの差分画像だけ進められる。これにより、差分画像3ビス(N+2)が含まれる。平均値画像は、差分画像3ビス(N+2)から生成される。最後に、時間枠が1つの差分画像分もう一度進められ、これが繰り返される。
【0034】
通常、平均値画像は、それが生成された各差分画像とまったく同じピクセル数を有する。
【0035】
各平均値画像の生成中に、差分画像の対応するピクセルの色調値の平均値が形成され、平均値画像のピクセルの色調値として設定される。平均値は、算術平均、幾何平均、二乗平均平方根またはその他の平均値であり得る。好ましくは算術平均が形成される。結果は、いくつかのピクセルを有する一連の平均値画像であり、各ピクセルには色調値が割り当てられ、色調値は、N個の差分画像の色調値の平均値である。平均値画像は差分画像から生成されるため、本明細書では平均値差分画像とも呼ばれる。
【0036】
平均化が行われ、それぞれの場合において平均値差分画像が生成される差分画像の数Nは、例えば、2~1000の範囲、または5~1000の範囲、または10~100の範囲等であり得る。この数は、対象、フレームレート、解像度、シーン等に依存し得る。様々な数値を試して結果を比較することにより、特定の適用に最適な結果が得られる数値を経験的に決定することができる。結果が良好な場合、存在するビデオ資料において、関心のある動作が含まれない時間部分が削減され、それぞれの関心のある動作がキャプチャされる時間部分に縮小される。結果が良好でない場合、関心のあるセグメントが削減され、かつ/または縮小されたビデオ資料が関心のない部分を含む。
【0037】
各平均値差分画像には、好ましくは時点が割り当てられる。これは、例えば、それぞれの時間枠の開始を形成するその差分画像に割り当てられた時点であり得る(平均化が行われる時間枠の一連のN個の差分画像の最初の差分画像)。それはまた、それぞれの時間枠の終わりを形成するその差分画像に割り当てられた時点であり得る(平均化が行われる時間枠の一連のN個の差分画像の最後の差分画像)。それはまた、平均的な(例えば、算術的に平均化された)時点であり得る。
【0038】
好ましくは、各平均値差分画像は、差分画像および/または平均値差分画像の形成に影響を与えた画像について結論を引き出すことを可能にする識別子を備えている。画像に連続した番号が付けられ、例えば、番号が1、2、3、4等である場合、および差分画像に対応する識別子(例えば、1-2、2-3、3-4等)が付けられる場合、および差分画像1-2、2-3および3-4から平均値差分画像が生成されている場合、平均値差分画像は識別子1-2-3-4を有し得る。
【0039】
一つの好ましい実施形態では、平均値差分画像のノイズを抑制するための次の工程で、平均値差分画像のコントラストが低減される。コントラストは、好ましくはぼかし、例えばガウシアンぼかしを適用することによって低減される。
【0040】
ガウシアンぼかしは、ガウシアンフィルターを使用して画像の内容を滑らかにする。このフィルターにより、画像ノイズが低減し、より小さな構造が消え、より粗い領域を得られる。ガウシアンぼかしは、平均値差分画像の各ピクセルに作用し、その色調値を、検討中のピクセルに対して規定された半径内にあるすべてのピクセルの色調値の加重平均値に設定する。加重は、ガウス正規分布に基づいて行われる。ガウシアンぼかしは、デジタル画像処理の当業者に公知であり(例えば、William K. Pratt: Introduction to Digital Image Processing, CRC Press, 2013, ISBN: 978-1-4822-1670-7を参照)、多くの画像処理ソフトウェアプログラムに実装されている。ガウシアンぼかしを適用するために予め規定する必要のあるパラメータは、ガウス関数(sigma)の標準偏差、および加重平均(kernel)で考慮されることを意図した半径のサイズまたはピクセルのマトリックスのサイズである。適切なパラメータ値は、経験的に決定することができる。例としては、パラメータ値がsigma=0.5またはsigma=1およびkernel=3×3またはkernel=5×5である。
【0041】
コントラスト低減により、コントラストが低減された一連の平均値差分画像がもたらされる。
【0042】
コントラストが低減された各平均値差分画像には、好ましくは、それが生成された対応する平均値差分画像の時点が割り当てられる。
【0043】
平均値差分画像が一意の識別子を有する場合、コントラストが低減された平均値差分画像は、好ましくは、同様に一意の識別子を有する。コントラストが低減された平均値差分画像の一意の識別子は、例えば、それらが生成された対応する平均値差分画像の一意の識別子を含み得る。
【0044】
通常、コントラストが低減された平均値差分画像は、それが生成された平均値差分画像とまったく同じピクセル数を有する。
【0045】
さらなる工程において、平均値差分画像またはコントラストが低減された平均値差分画像が二値化される。すなわち、平均値差分画像の各ピクセルには、2つの色調値(第1の色調値または第2の色調値)のいずれかが割り当てられる。第1の色調値は、例えば値0(黒)を有し得、2番目の色調値は、例えば値255(白)を有し得る。割り当ては、ピクセルの既存の色調値および色調値の閾値に基づいて行われる。ピクセルの色調値が色調値の閾値よりも小さい場合、ピクセルの色調値は第1の色調値に設定され;ピクセルの色調値が色調値の閾値より大きい場合、またはピクセルの色調値が色調値の閾値に対応する場合、ピクセルの色調値は第2の色調値に設定される。
【0046】
適切な色調値の閾値は、経験的に決定することができる。色調値の閾値の例(0~255の色調値の範囲の場合)は、10または20または30または50である。
【0047】
二値化により、二値化された一連の平均値差分画像がもたらされ、本明細書では二値画像とも呼ばれる。
【0048】
各二値画像には、好ましくはある時点が割り当てられる。二値画像の時点は、好ましくは、二値画像が生成されたその(コントラストが低減された)平均値差分画像に割り当てられた時点に対応する。
【0049】
平均値差分画像が一意の識別子を有する場合、二値画像は、好ましくは、同様に一意の識別子を有する。二値画像の一意の識別子は、例えば、対応する(コントラストが低減された)平均値差分画像の一意の識別子を含み得る。
【0050】
通常、二値画像は、それが生成された(コントラストが低減された)平均値差分画像とまったく同じピクセル数を有する。
【0051】
一つの好ましい実施形態では、さらなる工程において、第2の色調値を有する二値画像のそれらのピクセルは、規定の構造化要素の形状に単回または複数回展開(拡張)される。
【0052】
一つの好ましい実施形態では、構造化要素は、第2の色調値を有するピクセルの(n×m)マトリックスである。これは、第2の色調値を有するピクセルが、第2の色調値を有するピクセルの(n×m)マトリックスに展開されることを意味する。
【0053】
一つの特に好ましい実施形態では、(3×3)-マトリックスが含まれる。特に好ましくは、そのような拡張演算子は、連続して2回適用される。
【0054】
このような単回または複数回の拡張の結果により、拡張された一連の二値画像がもたらされる。
【0055】
拡張された各二値画像には、このましくはある時点が割り当てられる。拡張された二値画像の時点は、好ましくは、拡張された二値画像が生成されたその二値画像に割り当てられた時点に対応する。
【0056】
二値画像が一意の識別子を有する場合、拡張された二値画像は、好ましくは、同様に一意の識別子を有する。拡張された二値画像の一意の識別子は、例えば、対応する二値画像の一意の識別子を含み得る。
【0057】
通常、拡張された二値画像は、それが生成された二値画像とまったく同じピクセル数を有する。
【0058】
次の工程において、一連の二値画像の各(拡張された)二値画像で、2番目の色調値を有する連続するピクセルの群が特定され、これらの群のそれぞれのサイズが確認される。
【0059】
ラスターグラフィックスでは、ラスターグラフィックスの四隅のピクセルは、それぞれ3つの直接的に隣接するピクセルを有し、ラスターグラフィックスの端部のピクセルは、それぞれ5つの直接的に隣接するピクセルを有し、ラスターグラフィックの残りのピクセルは、それぞれ8つの直接的に隣接するピクセルを有する。第2の色調値を有する隣接するピクセルは、色調値が第2の色調値に対応し、色調値が同様に第2の色調値に対応する少なくとも1つの直接的に隣接するピクセルを有するすべてのピクセルである。
【0060】
群のサイズは、群に属する第2の色調値を有するピクセルの数によって確認および特定することができる。
【0061】
群のサイズは、その群が占める面積によって確認および特定することも考えられる。
【0062】
一つの好ましい実施形態では、群のサイズは、第2の色調値を有する隣接するピクセルの群を境界付ける境界内のピクセルの数によって確認される。
【0063】
この好ましい実施形態では、第2の色調値を有する隣接するピクセルの群は、境界によって境界が定められ、境界は、以下のすべての基準を満たすように選択される:
-境界が長方形であり、
-その端部が前記二値画像の端部と平行であり、
-同じ色調値を有し、隣接するピクセルの群に属するすべてのピクセルが境界内にあり、
-境界が、2番目の色調値を有する隣接するピクセルの群に属さない、可能な限り少ないピクセルで構成される。
【0064】
第2の色調値を有する隣接するピクセルの群のサイズは、それぞれの場合において群の閾値と比較される。二値画像が第1の色調値を有するピクセルのみを有する場合、対応する群は存在しない。二値画像が、群の閾値と正確に等しいサイズを有するか、または群の閾値より大きいサイズを有する少なくとも1つの群を含む場合、対応する二値画像は動作閾値を超える動きを示す。二値画像が群の閾値よりも小さい1つ以上の群のみを含む場合、対応する二値画像は動作閾値を超える動きがないことを示す。動作閾値を超える動きがないことを示す二値画像については、さらに評価する必要はない。
【0065】
したがって、群の閾値に等しいか、または該閾値より大きいサイズの少なくとも1つの群を有するそれらの(拡張された)二値画像を特定し、時間的に連続する画像において、そのような特定された(拡張された)二値画像の生成に影響を与えないそれらの画像を消去する必要がある。
【0066】
一連の画像において(拡張された)二値画像の生成に影響を与える画像は、例えば、一意の識別子が元の画像について結論を引き出すことを可能にする場合、(拡張された)二値画像の一意の識別子に基づいて特定することができる(例えば、二値画像の一意の識別子は、元の画像の一意の識別子を含むためである)。
【0067】
一連の画像において(拡張された)二値画像の生成に影響を与えるそれらの画像は、例えば、(拡張された)二値画像に割り当てられた時点に基づいて特定することもできる。
【0068】
本発明は、装置の補助を用いて実施することができる。本発明におけるこの装置は、入力ユニット、制御ユニット、演算ユニット、出力ユニットおよび/またはデータ記憶ユニットを含む。
【0069】
好ましくは、本発明の装置はコンピュータであり;本発明の装置は複数のコンピュータを含むことも考えられる。
【0070】
「コンピュータ」は、プログラム可能な計算規則によってデータを処理する電子データ処理のための装置である。通常、このような装置は、論理演算を実行するためのプロセッサを含むユニットであるマザーボード、および周辺機器を備えている。
【0071】
コンピュータ技術において、「周辺機器」とは、コンピュータに接続され、コンピュータの制御に役立ち、かつ/または入力および出力ユニットとして機能するすべての装置を意味する。例としては、モニター(画面)、プリンター、スキャナー、マウス、キーボード、ドライブ、カメラ、マイク、スピーカー等がある。内部接続および拡張カードも、コンピュータ技術の周辺機器と見なされる。
【0072】
現在のコンピュータは、デスクトップPC、ポータブルPC、ラップトップ、ノートブック、ネットブックおよびタブレットPC、およびいわゆるハンドヘルド(例えば、スマートフォン)に細分化されることがよくある。本発明は、これらすべてのコンピュータで実施することができる。
【0073】
本発明の装置の制御ユニットおよび演算ユニットは、例えば、1つ以上のメインメモリを伴う1つ以上のプロセッサであり得る。入力ユニットは、ネットワークへの(無線および/または有線)接続、またはシリアル接続(例えば、USB)等であり得、これらを介して、ビデオ資料をカメラから装置に送信することができる。通常、ビデオ資料は、データ記憶ユニット(例えば、ハードディスク)に保存される。入力ユニットはまた、キーボード、マウス、マイクロフォン、タッチスクリーン等を介して入力を行うために、本発明の装置のユーザによって使用され得る(例えば、1つ以上の閾値、数N等の入力)。
【0074】
本発明によるビデオ資料の処理の結果(削減された連続する画像)は、データ記憶ユニット(例えば、ハードディスク)に記憶するか、またはモニターに出力することができる。
【0075】
本発明を、図に示される特徴および特徴の組み合わせに限定されることを意図することなく、図を使用して以下により詳細に説明する。
【0076】
図1は、連続する画像を概略的に例示的に示したものである。連続する画像(10)は、10個の画像で構成されている。これらの画像は一意の識別子有し;これらは1から10まで連続した番号が付けられている。連続する画像(10)における各画像には、特定の時点が割り当てられる。一意の識別子1を有する画像には、時点0が割り当てられる。一意の識別子2を有する画像には、時点20ms(ミリ秒)が割り当てられる。一意の識別子3を有する画像には、40msの時点が割り当てられる。一意の識別子4を有する画像には、60msの時点が割り当てられ、さらに同様に続く。したがって、2つの画像間の時間的分離は20msである。したがって、この例では、フレーム周波数は毎秒50フレームである。
【0077】
図2は、グレースケールラスターグラフィックスの形式の画像を概略的に例示的に示したものである。ラスターグラフィックスは、10×10=100ピクセルで構成される。各ピクセルは、x座標とy座標とに基づいて一意にアドレスが指定され得る。各ピクセルには色調値が割り当てられる。例えば、色調値でグレースケールレベルを指定することができる。これに関して、図2の各ピクセルに256のグレースケールレベルのうちの1つが割り当てられることが考えられ、色調値0は色調(グレースケールレベル)「黒」を示し、色調値255は色調(グレースケールレベル)「白」を示し、残りの色調値は、「黒」と「白」との間のグレースケールレベルを指定する。これに関して、本例では、例えば、x,y座標4,3を有するピクセルが17の色調値を有し、x,y座標6,7を有するピクセルが198の色調値を有する。
【0078】
図3は、一意の識別子1-2、2-3、3-4、4-5、5-6、6-7、7-8、8-9および9-10を有する9個の連続する差分画像(20)が、一意の識別子1、2、3、4、5、6、7、8、9および10を有する10個の連続する画像(10)からどのように生成されるのかを概略的に例示的に示したものである。
【0079】
差分画像は、時間的に直接的に連続する画像のペアから生成され:1番目の差分画像1-2は、識別子1を有する画像および識別子2を有する画像から生成され、2番目の差分画像2-3は、識別子2を有する画像および識別子3を有する画像から生成され、さらに同様に続く。したがって、差分画像の一意の識別子は、それが生成された画像から引き出された結論をもたらす。
【0080】
各差分画像には、時点が割り当てられる。識別子1-2を有する差分画像には、時点20msが割り当てられ、識別子2-3を有する差分画像には、時点40msが割り当てられ、さらに同様に続く。一連の差分画像(20)のフレーム周波数は、一連の差分画像(10)のフレーム周波数に対応し;毎秒50フレームである。
【0081】
図4は、識別子1を有する画像と識別子2を有する画像とから、識別子1を有する画像に時間的に直接的に連続する、識別子1-2を有する差分画像がどのように生成されるかを概略的に例示的に示したものである。
【0082】
識別子1を有する画像、識別子2を有する画像、および識別子1-2を有する差分画像は、それぞれ5×5=25ピクセルからなる。各ピクセルは、座標によって一意にアドレス指定され得る。各ピクセルには色調値が割り当てられる。差分画像の生成中に、あるピクセルの色調値とその直後の画像の対応するピクセルの色調値との差の絶対値が計算され、差分画像の対応するピクセルの色調値として設定される。ピクセルが同じ座標を有する場合、ピクセルは互いに対応する。差分画像1-2の座標4,3を有するピクセルの色調値T1-2(4,3)は、例えば、識別子1を有する画像の座標4,3を有するピクセルの色調値T(4,3)と、識別子2を有する画像の座標4,3を有するピクセルの色調値T(4,3)とから生じる:
1-2(4,3)=|T(4,3)-T(4,3)|=|17-255|=|-238|=238。
【0083】
一般に、次のことが当てはまる:
n-(n+1)(x,y)=|T(x,y)-T(n+1)(x,y)|
式中、nおよび(n+1)は2つの直接的に連続する画像の一意の識別子を表し、n-(n+1)は差分画像の一意の識別子を表し、x,yは互いに対応するピクセルの座標を表す。
【0084】
図5は、一意の識別子1-2-3-4、2-3-4-5、3-4-5-6、4-5-6-7、5-6-7-8、6-7-8-9および7-8-9-10を有する一連の平均値差分画像(30)が、一意の識別子1-2、2-3、3-4、4-5、5-6、6-7、7-8、8-9および9-10を有する一連の差分画像(20)からどのように生成されるかを概略的に例示的に示したものである。
【0085】
各平均値差分画像には、ある時点が割り当てられる。識別子1-2-3-4を有する平均値差分画像には40msの時点が割り当てられ、識別子2-3-4-5を有する差分画像には60msの時点が割り当てられ、さらに同様に続く。一連の平均値差分画像(30)のフレーム周波数は、一連の差分画像(20)のフレーム周波数に対応し;毎秒50フレームである。
【0086】
括弧のペアで表される時間枠Tは、図5に示されている。時間枠Tの長さは60ミリ秒である。したがって、3つの直接的に連続する差分画像に対応し得る。
【0087】
開始時に、時間枠Tは、一連の差分画像(20)の開始に設定される。1番目の平均値差分画像は、時間枠に含まれる差分画像から生成され;これらは、識別子1-2、2-3および3-4を有する差分画像である。次の工程では、時間枠Tが1つの差分画像だけ右にシフトされる。ここで(括弧の破線のペアを参照)、時間枠には、識別子2-3、3-4および4-5を有する差分画像が含まれる。2番目の平均値差分画像が、これらの差分画像から生成される。その後、時間枠が再び1つの差分画像だけ右にシフトされ、3番目の平均値差分画像が、時間枠に含まれる差分画像から生成される。すべての差分画像が平均値差分画像の生成に少なくとも1回影響を与えるまで、この処理が継続される(時間枠画像を画像ごとにシフトし、時間枠に含まれる差分画像から平均値差分画像を生成する)。
【0088】
図6は、識別子1-2を有する差分画像、識別子1-2を有する該差分画像に直接的に連続する識別子2-3を有する差分画像、および識別子2-3を有する差分画像に直接的に連続する識別子3-4の差分画像から、識別子1-2-3-4を有する平均値差分画像がどのように生成されるかを概略的に例示的に示したものである。
【0089】
識別子1-2を有する差分画像、識別子2-3を有する差分画像、識別子3-4を有する差分画像、および識別子1-2-3-4を有する平均値差分画像は、それぞれ5×5=25ピクセルからなる。各ピクセルは、座標によって一意にアドレス指定され得る。各ピクセルには色調値が割り当てられる。生成中に、平均値差分画像の各ピクセルについて、差分画像の対応するピクセルの色調値の算術平均(整数に四捨五入される)が計算され、平均値差分画像のピクセルの色調値として設定される。ピクセルが同じ座標を有する場合、ピクセルは互いに対応する。四捨五入には、常に最も近い整数に切り上げるか、常に最も近い整数に切り下げるか、切り上げまたは切り下げを開始する閾値を定義することが含まれる。
【0090】
この例では、平均値差分画像1-2-3-4の座標3,5を有するピクセルの色調値T1-2-3-4(3,5)は、識別子1-2を有する差分画像の座標3,5を有するピクセルの色調値T1-2(3,5)、および識別子2-3を有する差分画像の座標3,5を有するピクセルの色調値T2-3(3,5)、および識別子3-4を有する差分画像の座標3,5を有するピクセルの色調値T3-4(3,5)から得られる:
1-2-3-4(3,5)=INT[(T1-2(3,5)+T2-3(3,5)+T3-4(3,5))/3]=INT[(192+190+190)/3]=INT[190.6]=191。
【0091】
関数INT[]では、非整数を最も近い整数に切り上げられるか、または切り下げられ(より近い値がどちらであるかによる);切り上げは中央(0.5)で行われる。
【0092】
一般に、次のことが当てはまる:
n-(n+1)-(n+2)-(n+3)(x,y)=INT[(T(x,y)+T(n+1)(x,y)+T(n+2)(x,y))/3]。
【0093】
図5および6に示す例では、平均値差分画像は、それぞれの場合において3つの直接的に連続する差分画像から生成される。もちろん、異なる数の直接的に連続する差分画像から平均値差分画像を生成することも考えられる。平均化が行われる差分画像の数Nは、通常3より大きくなる。
【0094】
図7は、一意の識別子K-1-2-3-4、K-2-3-4-5、K-3-4-5-6、K-4-5-6-7、K-5-6-7-8、K-6-7-8-9およびK-7-8-9-10を有するコントラストが低減された一連の平均値差分画像(30’)が、一意の識別子1-2-3-4、2-3-4-5、3-4-5-6、4-5-6-7、5-6-7-8、6-7-8-9および7-8-9-10を有する一連の平均値差分画像(30)からどのように生成されるかを概略的に例示的に示したものである。
【0095】
コントラストが低減された各平均値差分画像には、ある時点が割り当てられる。識別子K-1-2-3-4を有するコントラストが低減された平均値差分画像には、40msの時点が割り当てられ、識別子K-2-3-4-5を有するコントラストが低減された平均値差分画像には、60msの時点が割り当てられる、さらに同様に続く。コントラストが低減された一連の平均値差分画像の(30’)のフレーム周波数は、一連の平均値差分画像(30)のフレーム周波数に対応し;毎秒50フレームである。
【0096】
図8は、一意の識別子B-1-2-3-4、B-2-3-4-5、B-3-4-5-6、B-4-5-6-7、B-5-6-7-8、B-6-7-8-9およびB-7-8-9-10を有する一連の二値画像(40)が、一意の識別子1-2-3-4、2-3-4-5、3-4-5-6、4-5-6-7、5-6-7-8、6-7-8-9および7-8-9-10を有する一連の平均値差分画像(30)からどのように生成されるかを例示的に概略的に示したものである。
【0097】
各二値画像には、特定の時点が割り当てられる。識別子B-1-2-3-4を有する二値画像には40msの時点が割り当てられ、識別子B-2-3-4-5を有する二値画像には60msの時点が割り当てられ、さらに同様に続く。一連の二値画像(40)のフレーム周波数は、一連の平均値差分画像(30)のフレーム周波数に対応し;毎秒50フレームである。
【0098】
同様に、一意の識別子B-1-2-3-4、B-2-3-4-5、B-3-4-5-6、B-4-5-6-7、B-5-6-7-8、B-6-7-8-9およびB-7-8-9-10を有する一連の二値画像は、一意の識別子K-1-2-3-4、K-2-3-4-5、K-3-4-5-6、K-4-5-6-7、K-5-6-7-8、K-6-7-8-9およびK-7-8-9-10を有するコントラストが低減された一連の平均値差分画像から生成されると考えられる。
【0099】
図9は、一意の識別子B-1-2-3-4を有する二値画像が、一意の識別子1-2-3-4を有する平均値差分画像からどのように生成されるかを例示的に概略的に示したものである。
【0100】
識別子1-2-3-4を有する平均値差分画像および識別子B-1-2-3-4を有する二値画像は、それぞれ5×5=25ピクセルからなる。各ピクセルは、座標によって一意にアドレス指定され得る。各ピクセルには色調値が割り当てられる。二値画像の生成中に、平均値差分画像の各ピクセルの色調値が、色調値閾値TSと比較される。ピクセルの色調値が色調値閾値TSより小さい場合、ピクセルの色調値は第1の色調値に設定され;ピクセルの色調値が色調値閾値TSより大きい場合、またはピクセルの色調値が色調値閾値TSに対応する場合、ピクセルの色調値は第2の色調値に設定される。この例では、色調値の閾値はTS=60であり、第1の色調値の閾値は0であり、第2の色調値の閾値は255である。
【0101】
平均値差分画像の座標4,1を有するピクセルの色調値は63である。この値は、色調値閾値TS=60よりも大きい。したがって、二値画像の座標4,1を有するピクセルの色調値は255に設定される。
【0102】
図10は、拡張された二値画像が、二値画像からどのように生成されるかを例示的に概略的に示すものである。
【0103】
開始点は、図10(a)の二値画像Bである。二値画像Bは、10×10=100ピクセルからなる。各ピクセルは、座標によって一意にアドレス指定され得る。各ピクセルには色調値が割り当てられる。色調値は、色調値0(「黒」)および1(「白」)の2つのみである。
【0104】
拡張演算子DOは、二値画像Bに適用される。前記拡張演算子は、色調値「白」を有するすべてのピクセルを、色調値「白」を有する3×3ピクセルを有するマトリックスに拡張する。その結果、座標2,9を有する白色のピクセルは9つの白色のピクセルのマトリックスとなり;同様に、座標2,9を有するピクセルに直接的に隣接するピクセル(座標1,10;2,10;3,10;1,9;3,9;1,8;2,8;3,8)は、以前の色調値に関係なく白色となる(図10(b)を参照)。
【0105】
白色のピクセルが(3×3)マトリックスとは異なる構造化要素に拡張されることが考えられる。このような拡張演算子を複合的に適用することが考えられる。
【0106】
図11は、二値画像内の隣接するピクセルの群を特定し、それらのサイズを確認することがどのように可能であるかを例示的に概略的に示すものである。
【0107】
開始点は、図11(a)の二値画像Bである。二値画像Bは、10×10=100ピクセルからなる。各ピクセルは、座標によって一意にアドレス指定され得る。各ピクセルには色調値が割り当てられる。色調値は、色調値0(「黒」)および1(「白」)の2つのみである。
【0108】
第1の工程では、「白」の色調値を有する隣接するピクセルの群を特定する必要がある。色調値「白」を有する隣接するピクセルの2つの群は、二値画像Bにおいて特定されるべきである。各ピクセルが同じ色調値(ここでは「白」)を有する少なくとも1つの直接的に隣接するピクセルを有する場合、2つ以上のピクセルは隣接する。特定された2つの群には、それぞれ図11(b)の白い長方形の境界が表示される。
【0109】
さらなる工程では、群のサイズを確認する必要がある。考えられる方法の1つを例として図10に示す。この場合、隣接するピクセルの各群には境界がある(図11(b)を参照)。境界は、下記のすべての基準を満たす:
-境界は長方形であり、
-その端部は二値画像の端部と平行であり、
-「白」の色調値を有し、隣接するピクセルの群に属するすべてのピクセルは境界内にあり、
-境界は、「白」の色調値を有する隣接するピクセルの群に属さない、可能な限り少ないピクセルで構成される。
【0110】
群のサイズは、境界で囲まれたすべてのピクセルの数として特定され得る。この場合、一方の境界は4個のピクセルを含み、もう一方の境界は20個のピクセルを含む。
【0111】
さらなる工程では、領域のサイズが群の閾値FSと比較される。この例では、群の閾値FS=15ピクセルである。したがって、4個のピクセルの群は群の閾値FSよりも小さく、20個のピクセルの群は群の閾値FSよりも大きい。
【0112】
そして、群の閾値FSと少なくとも正確に等しいサイズの群が関心の対象になる。すなわち、図11(c)の20個のピクセルを有する群である。
【0113】
図12は、群の閾値よりも大きい第2の色調値を有する隣接するピクセルの単一の群が存在しない一連の二値画像におけるそれらの二値画像の特定を例示的に概略的に示したものである。
【0114】
一連の二値画像(40)における各二値画像は、一意の識別子を有する:B-1-2-3-4、B-2-3-4-5、B-3-4-5-6、B-4-5-6-7、B-5-6-7-8、B-6-7-8-9およびB-7-8-9-10。
【0115】
各二値画像には、特定の時点が割り当てられる。識別子B-1-2-3-4を有する二値画像には40msの時点が割り当てられ、識別子B-2-3-4-5を有する二値画像には60msの時点が割り当てられ、さらに同様に続く。
【0116】
各二値画像について、前の工程でチェックが行われ、定義された群の閾値に等しいサイズ、または定義された群の閾値より大きい第2の色調値を有する少なくとも1つの近接するピクセルの群を含むかどうかが確認される。この例では、識別子B-1-2-3-4、B-2-3-4-5およびB-3-4-5-6を有する二値画像は、定義された群の閾値に等しいサイズ、または定義された群の閾値より大きい第2の色調値を有する少なくとも1つの近接するピクセルの群を有する。この例では、一意の識別子B-4-5-6-7、B-5-6-7-8、B-6-7-8-9およびB-7-8-9-10を有する二値画像は、定義された群の閾値に等しいサイズ、または定義された群の閾値より大きい第2の色調値を有する近接するピクセルの単一の領域を有さない。
【0117】
二値画像が、定義された群の閾値に少なくとも等しいサイズの第2の色調値を有する少なくとも1つの近接するピクセルの群を有する場合にのみ、二値画像は、動作閾値を超える動きを示し、したがって、より詳細な分析に関心が向けられる。動作閾値を超える動きがないことを示す二値画像については、さらに評価する必要はない。したがって、動作閾値を超える動きがないことを示す二値画像の生成に影響を与える一連の画像における画像は、さらなる工程で消去される。
【0118】
この例では、一意の識別子1、2、3、4、5および6を有する画像が、一意の識別子B-1-2-3-4、B-2-3-4-5およびB-3-4-5-6を有する二値画像の生成に影響を与える。したがって、これらの画像は同様に、動作閾値を超える動きを示し、したがって、より詳細な分析に関心が向けられる。一意の識別子7、8、9および10を有する画像は、一意の識別子B-1-2-3-4、B-2-3-4-5およびB-3-4-5-6を有する二値画像の生成に影響を与えない。代わりに、それらは一意の識別子B-4-5-6-7、B-5-6-7-8、B-6-7-8-9およびB-7-8-9-10を有する二値画像の生成に影響を与える。しかしながら、一意の識別子B-4-5-6-7、B-5-6-7-8、B-6-7-8-9およびB-7-8-9-10を有する二値画像は、動作閾値を超える上記の動きを示していない。したがって、識別子7、8、9および10を有する画像についても、動作閾値を超える動きを示さず、より詳細な分析には関心が向けられない。したがって、識別子7、8、9および10を有する画像は消去される。
【0119】
これにより、削減された画像(50)が生成され、それらのすべてが動作閾値を超える動きを示す。
【0120】
図13は、本発明の方法の1つの好ましい実施形態を、フローチャートの形式で示したものである。方法(100)は、下記の工程を含む:
a)時間的に連続する画像を受信する工程であって、各画像が複数のピクセルを有し、各ピクセルが色調値によって特徴付けられる工程、
b)前記時間的に連続する画像における隣接する画像の各ペアに対してそれぞれの差分画像を生成することにより、前記連続する画像から一連の差分画像を生成する工程であって、各差分画像が、それぞれが色調値を有する複数のピクセルによって特徴付けられ、各差分画像の各ピクセルの色調値が、隣接する画像の対応するピクセルの色調値間の差の絶対値を表す工程、
c)規定数の隣接する差分画像を収容できる時間枠が定義され、該時間枠が、前記一連の差分画像の初めから、前記一連の差分画像の終わりまで、画像ごとにシフトされ、かつ、画像ごとの各シフトの間、それぞれの平均値差分画像を、時間枠に含まれる差分画像に基づいて生成する手順によって、一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成する工程であって、各平均値差分画像の各ピクセルの色調値は、時間枠に含まれる差分画像の対応するピクセルの色調値の平均値を表す工程、
d)定義された色調値の閾値に満たない各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値を第1の色調値に設定し、かつ定義された色調値の閾値を超えるか、または定義された色調値の閾値に対応する各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値を第2の色調値に設定する手順によって、前記一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成する工程、
e)前記一連の二値画像の各二値画像における第2の色調値を有する隣接するピクセルの群を特定する工程、
f)前記各二値画像の群のサイズを決定し、それぞれのサイズを群の閾値と比較する工程、
g)群の閾値に等しいサイズまたは群の閾値より大きいサイズの群を少なくとも1つ有する二値画像を特定する工程、
h)工程g)で特定された二値画像の生成に影響を与えない時間的に連続する画像のすべての画像を消去する工程。
【0121】
図14は、本発明の方法のさらに好ましい実施形態を、フローチャートの形式で示したものである。方法(200)は、下記の工程を含む:
a)時間的に連続する画像を受信する工程であって、各画像が複数のピクセルを有し、各ピクセルが色調値によって特徴付けられる工程、
b)前記時間的に連続する画像における隣接する画像の各ペアに対してそれぞれの差分画像を生成することにより、前記連続する画像から一連の差分画像を生成する工程であって、各差分画像が、それぞれが色調値を有する複数のピクセルによって特徴付けられ、各差分画像の各ピクセルの色調値が、隣接する画像の対応するピクセルの色調値間の差の絶対値を表す工程、
c)規定数の隣接する差分画像を収容できる時間枠が定義され、該時間枠が、前記一連の差分画像の初めから、前記一連の差分画像の終わりまで、画像ごとにシフトされ、かつ、画像ごとの各シフトの間、それぞれの平均値差分画像を、時間枠に含まれる差分画像に基づいて生成する手順によって、一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成する工程であって、各平均値差分画像の各ピクセルの色調値は、時間枠に含まれる差分画像の対応するピクセルの色調値の平均値を表す工程、
d)前記一連の平均値差分画像のすべての平均値差分画像にガウシアンぼかしを適用することにより、前記一連の平均値差分画像からコントラストが低減された一連の平均値差分画像を生成する工程、
e)定義された色調値の閾値に満たないコントラストが低減された各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値を第1の色調値に設定し、定義された色調値の閾値を超えるか、または定義された色調値の閾値に対応するコントラストが低減された各平均値差分画像のすべてのピクセルの色調値を第2の色調値に設定する手順により、コントラストが低減された一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成する工程、
f)前記第2の色調値を有する各二値画像のそれらのピクセルが、規定された構造化要素の形状に単独でまたは複合的に拡張される手順により、前記一連の二値画像から拡張された一連の二値画像を生成する工程、
g)前記拡張された一連の二値画像の拡張された各二値画像において第2の色調値を有する隣接するピクセルの群を特定する工程、
h)前記拡張された各二値画像の群のサイズを決定し、それぞれのサイズを群の閾値と比較する工程、
i)前記群の閾値に等しいサイズまたは群の閾値より大きいサイズの群を少なくとも1つ有する、拡張された二値画像を特定する工程、
j)工程i)で特定された拡張された二値画像の生成に影響を与えない時間的に連続する画像のすべての画像を消去する工程。
【0122】
図15は、本発明の装置の一つの好ましい実施形態を例示的に概略的に示したものである。
【0123】
装置(300)は、入力ユニット(302)、制御ユニット(302)、演算ユニット(303)、出力ユニット(304)およびデータ記憶ユニット(305)を備える。
【0124】
制御ユニット(302)は、入力ユニット(302)に一連の画像を受信させるように構成される。
【0125】
制御ユニット(302)は、演算ユニットが
-一連の画像から一連の差分画像を生成し、
-前記一連の差分画像から一連の平均値差分画像を生成し、
-前記一連の平均値差分画像からコントラストが低減された一連の平均値差分画像を生成し、
-前記一連の平均値差分画像またはコントラストが低減された一連の平均値差分画像から一連の二値画像を生成し、
-前記一連の二値画像から拡張された一連の二値画像を生成し、
-前記一連の二値画像の二値画像、または前記拡張された一連の二値画像の拡張された二値画像における隣接するピクセルの群を特定し、
-前記一連の二値画像の二値画像、または前記拡張された一連の二値画像の拡張された二値画像において特定された各群のサイズを決定し、
-前記特定された各群の決定されたサイズを閾値と比較し、閾値と等しいサイズまたは閾値より大きい少なくとも1つの群を有する二値画像または拡張された二値画像を特定し、
-少なくとも閾値に等しいサイズの単一の群を有さない時間的に連続する画像のすべての画像を消去して、削減された一連の画像を生成する
ように構成される。
【0126】
制御ユニット(302)は、削減された一連の画像をデータ記憶ユニット(305)に記憶するように、および/または削減された一連の画像を出力ユニット(304)に出力させるように構成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15