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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】絶縁バリアを越えた電力供給構成
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20240510BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20240510BHJP
   H05B 45/325 20200101ALI20240510BHJP
   H05B 45/375 20200101ALI20240510BHJP
【FI】
H02M3/155 H
H05B47/18
H05B45/325
H05B45/375
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021557503
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-25
(86)【国際出願番号】 EP2020058394
(87)【国際公開番号】W WO2020193643
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2023-03-22
(31)【優先権主張番号】62/825,115
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19169592.3
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】クラウベルフ ベレント
(72)【発明者】
【氏名】ファン ユーホン
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/041687(WO,A1)
【文献】特表2019-528554(JP,A)
【文献】特開2018-152274(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0212140(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0303351(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/155
H05B 47/18
H05B 45/325
H05B 45/375
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源によって給電されるべき負荷に接続されるDALIと、
前記DALIに接続されるオプトアイソレータと、
前記オプトアイソレータの一次側に配置されるコントローラであって、前記コントローラが、前記オプトアイソレータが導通状態にある又は導通状態にないように前記オプトアイソレータに電力を供給するべきか否かを選択するための第1信号を生成するよう構成され、前記オプトアイソレータが導通状態にある場合には、前記DALIが最大電流値を有し、前記オプトアイソレータが導通状態にない場合には、前記DALIがゼロ電流値にあり、前記コントローラが、更に、前記オプトアイソレータがデューティサイクル及び周波数で導通状態にあるように前記オプトアイソレータに電力を供給するための変調された第2信号を生成するよう構成され、前記DALIが、前記変調された第2信号に基づいて、前記ゼロ電流値と前記最大電流値との間の選択された電流値を有するコントローラと、
前記第2信号に基づく電圧基準に基づく電流基準を受け取るバックコンバータであって、前記DALIに固定電圧を出力するよう構成されるバックコンバータとを有するパワードデバイス。
【請求項2】
前記電源が、変圧器の二次巻線からのDC電力供給部である請求項1に記載のパワードデバイス。
【請求項3】
前記変調された第2信号が、前記選択された電流値に対応する周波数を有するPWM信号である請求項1に記載のパワードデバイス。
【請求項4】
第1抵抗値を持つ第1抵抗器と、
前記第1抵抗値に対して所定の差よりも大きい第2抵抗値を持つ第2抵抗器とを更に有し、
前記第1抵抗器と前記第2抵抗器との間の電圧が、前記選択された電流値に対応する変調に対応する請求項に記載のパワードデバイス。
【請求項5】
前記第2抵抗器の入力を、前記第2抵抗器と共にフィルタリングするよう構成されるコンデンサを更に有する請求項に記載のパワードデバイス。
【請求項6】
前記最大電流値が110mAである請求項1に記載のパワードデバイス。
【請求項7】
前記負荷が発光ダイオードである請求項1に記載のパワードデバイス。
【請求項8】
オプトアイソレータが導通状態にある又は導通状態にないように前記オプトアイソレータに電力を供給するべきか否かを選択するための第1信号を生成するステップであって、前記オプトアイソレータが導通状態にある場合には、電源によって給電されるべき負荷及び前記オプトアイソレータに接続されるDALIが最大電流値を有し、前記オプトアイソレータが導通状態にない場合には、前記DALIがゼロ電流値にあるステップと、
前記オプトアイソレータがデューティサイクル及び周波数で導通状態にあるように前記オプトアイソレータに電力を供給することを選択するための変調された第2信号を生成するステップであって、前記DALIが、前記変調された第2信号に基づいて、前記ゼロ電流値と前記最大電流値との間にある選択された電流値を有するステップと
バックコンバータにおいて、前記第2信号に基づく電圧基準に基づく電流基準を受け取るステップと、
前記バックコンバータによって、前記DALIに固定電圧を出力するステップとを有する方法。
【請求項9】
前記変調された第2信号が、前記選択された電流値に対応する周波数を有するPWM信号である請求項に記載の方法。
【請求項10】
第1抵抗値を持つ第1抵抗器と、前記第1抵抗値に対して所定の差よりも大きい第2抵抗値を持つ第2抵抗器との間の電圧が、前記選択された電流値に対応する変調に対応する請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2抵抗器の入力を、コンデンサ及び前記第2抵抗器によってフィルタリングするステップを更に有する請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルアドレス可能な照明インターフェース(DALI)を利用する電子デバイスにおいてDALI電流源のための電流設定を動的に選択するためのデバイス、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電源は、電子デバイスの様々な構成要素にエネルギを供給し得る。例えば、電子デバイスは、照明デバイスを形成するための照明構成要素(例えば、発光ダイオード(LED))を含み得る。照明デバイスは、様々な異なるやり方で構成され得る。例えば、照明デバイスは、コネクテッド照明システムとして構成され得る。コネクテッド照明システムは、信号を解釈するセンサを含む様々な照明負荷に信号を供給するスマートドライバデバイスなどの様々なタイプのドライバデバイスを利用し得る。このようなコネクテッド照明システムは、セルフパワード(self-powered)デジタルアドレス可能な照明インターフェース(DALI)を利用し得る。DALIは、ネットワークベースのシステムを使用した照明の自動制御に関し得る。DALIにより、1つ以上の受動DALI負荷が、各照明負荷のための個別の制御構成要素を必要とせずに、このインターフェースを介して接続され得る。複数の異なるタイプの照明デバイスが、DALI、及びDALIを介して供給される自動制御を利用し得る。
【0003】
従来の照明デバイスにおいては、DALIインターフェースを備える或る特定のLEDドライバが、オンボード電流供給部(例えば、DALI電力供給部)を含む。これらのLEDドライバにおける電流源のための従来の電流設定は約55mAである。しかしながら、LEDドライバとDALIインターフェースとを備える照明デバイスの実施例は、より高い電流を使用し得る。例えば、約110mA以上の電流設定が、これらの実施例において使用され得る。異なる電流設定に対応するための或るアプローチは、異なるバージョンの電力供給部を備える同じ製品を作成するものである。しかしながら、このアプローチは、よりコストがかかるかもしれず、予め選択される電流設定が唯一の選択肢となるので、制限が多くなるかもしれない。例えば、より低い電流は、標準的な実施例のためには使用されるかもしれないが、より高い電流を必要とする実施例のためには使用されないかもしれない。別の例においては、より高い電流は、後方互換性に関する問題を引き起こすかもしれない。より高い電流を選択することは、250mAという最大電流を規定するDALI規格への準拠に関する問題も引き起こすかもしれない。複数のLEDドライバが同じDALIバスワイヤに接続される場合、電力供給部が、追加式のものになり、250mAのDALIの制限を超えることをもたらし得る(例えば、110mAで動作する3つ以上のLEDドライバは、250mAのDALIの制限を超えるだろう)。
【0004】
更に、電流供給部をオン又はオフにする従来のアプローチは、いつ電流が供給されるべきであるかを示す信号を生成するマイクロプロセッサ又はコントローラを利用するものである。或るやり方においては、従来のアプローチは、マイクロプロセッサが、絶縁インターフェースの、信号が絶縁インターフェースの絶縁バリアを越えて行かなければならない側に配置される絶縁インターフェースを必要とし得る。例えば、絶縁インターフェースは、オプトアイソレータ(opto isolator)であってもよい。オプトアイソレータは、オプトアイソレータのオプトダイオード(opto diode)が、導通状態にあり、電流供給部がオンであることをもたらす、又は導通状態になく、電流供給部がオフであることをもたらすように、オン及びオフされ得る。しかしながら、これは、単一の電流設定の使用しか可能にせず、上記の不利な点に直面する。電流設定が可変及び選択可能である場合、この動作を達成するアプローチは、第2オプトアイソレータを導入するものである。従って、第1オプトアイソレータは、電流供給部をオン又はオフにするために使用され得る一方で、第2オプトアイソレータは、オンにされている電流供給部によって供給される電流の値を選択するために使用され得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
個々の規模から考えられる場合、第2オプトアイソレータの導入は、DALI電流源のために可変電流設定を選択する問題に対する解決策として、コスト効率が良いように見えるかもしれない。しかしながら、大量(例えば、数百万単位)に製造及び販売される製造規模で考えられる場合、追加のオプトアイソレータの導入は大きなコストになる。従って、回路の、簡素化され得る又はコストが下げられ得るあらゆる部分が、非常に重要である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例示的な実施形態は、電力供給部を構成するパワードデバイス(powered device)を対象にする。前記パワードデバイスは、電源によって給電されるべき負荷に接続されるデジタルアドレス可能な照明インターフェース(DALI)を有する。前記パワードデバイスはアイソレータを有する。前記パワードデバイスは、前記アイソレータの一次側に配置されるコントローラを有する。前記コントローラは、前記DALIに電力を、ゼロ電流値で供給するべきか、又は最大電流値で供給するべきかを選択するための第1信号を生成するよう構成される。前記コントローラは、更に、前記ゼロ電流値と前記最大電流値との間の選択された電流値で前記DALIに電力を供給するための第2信号を生成するよう構成される。
【0007】
例示的な実施形態は、電力供給部を構成するための方法を対象にする。前記方法は、電源によって給電されるべき負荷に接続されるデジタルアドレス可能な照明インターフェース(DALI)に電力を、ゼロ電流値で供給するべきか、又は最大電流値で供給するべきかを選択するための第1信号を生成するステップを有する。前記方法は、前記ゼロ電流値と前記最大電流値との間の選択された電流値で前記DALIに電力を供給するための第2信号を生成するステップを有する。
【0008】
例示的な実施形態は、電力供給部を構成するパワードデバイスを対象にする。前記パワードデバイスは、電力供給部と、補助電力供給部によって給電されるべき負荷に接続されるデジタルアドレス可能な照明インターフェース(DALI)と、オプトアイソレータとを有する。前記パワードデバイスは、前記オプトアイソレータの一次側に配置されるマイクロプロセッサを有する。前記マイクロプロセッサは、前記DALIに電力を、ゼロ電流値で供給するべきか、又は最大電流値で供給するべきかを選択するための起動駆動信号(activation drive signal)を生成するよう構成される。前記マイクロプロセッサは、更に、前記ゼロ電流値と前記最大電流値との間の選択された電流値で前記DALIに電力を供給することを選択するためのパルス幅変調(PWM)信号を生成するよう構成される。前記パワードデバイスは、前記DALIに供給される前記選択された電流値に対応する固定電圧を生成するために前記PWM信号に基づく基準電流を受け取るバックコンバータを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な実施形態による例示的なパワードデバイスを示す。
図2】例示的な実施形態によるパワードデバイスの例示的な実施例を示す。
図3】例示的な実施形態による、電流を動的に選択するための例示的な方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
例示的な実施形態は、以下の説明及び関連する添付の図面を参照して更に理解されることができ、同様の要素には同じ参照符号が付与されている。例示的な実施形態は、デジタルアドレス可能な照明インターフェース(DALI)を利用する電子デバイスにおいてDALI電流源のための電流設定を動的に選択するためのデバイス、システム、及び方法に関する。例示的な実施形態は、いつ電流がDALIに供給されるべきかと、電流設定とを選択するためのコンパクトなアプローチを提供する。例示的な実施形態は、最小限の数の構成要素しか含まない一方で、一次側のマイクロプロセッサから様々な電流設定にコンフィギュレーション可能である電流源を対象にする。以下で詳細に説明するように、例示的な実施形態は、単一のオプトアイソレータで複数のコンフィギュレーションパラメータを設定する絶縁バリアを越えるパルス幅変調(PWM)信号を利用するメカニズムを提供する。
【0011】
例示的な実施形態は、電子デバイスの電力制御メカニズム内で相互接続される特定の回路構成要素に関して説明されている。例示的な実施形態はまた、特定の構成で配設されているこれらの特定の回路構成要素に関して説明されている。しかしながら、前記回路構成要素のタイプ及び前記特定の構成は、説明目的のためのものでしかない。異なるタイプの回路構成要素及び異なる構成も、例示的な実施形態の範囲内で、アイソレータを越えて電流設定を動的に選択する実質的に同様のやり方を達成するために使用され得る。第1例においては、電子デバイスの負荷は、発光ダイオード(LED)などのダイオードとして説明されている。しかしながら、負荷は、サブ構成要素を作動させるために電力を引き出す、又はサブ構成要素を動作停止させるために電力の引き出しを停止する任意のサブ構成要素を含んでもよい。第2例においては、電子デバイスは、オプトアイソレータのようなアイソレータを含むものとして説明されている。しかしながら、オプトアイソレータは、コントローラ(例えば、マイクロプロセッサ)とDALIとの間の任意のアイソレータ回路構成要素であってもよい。
【0012】
例示的な実施形態は、更に、パワードデバイス全体に関連する、又はパワードデバイスの個々の構成要素のための或る特定の値に関して説明されている。例えば、前記値は、選択可能な電流設定であってもよい。別の例においては、前記値は、PWM信号のパラメータであってもよい。しかしながら、これらの例示的な値は、例示的な実施形態の特定の実施例に関する。従って、例示的な実施形態による電流設定選択メカニズムを説明するために使用されている如何なる値も、説明目的のためのものでしかなく、例示的な実施形態の範囲内で他の値が使用され得る。
【0013】
例示的な実施形態は、DALIに電流を選択的に供給することを可能にするだけでなく、その電流に対する複数の異なる電流設定も可能にする電流設定選択メカニズムを提供する。コントローラとDALIとの間の単一のオプトアイソレータを介して、コントローラは、電流を特定の電流設定で供給することを可能にする対応する信号を生成し得る。このやり方においては、単一のオプトアイソレータが、電流供給部をオン又はオフにするためと、供給されるべき電流量を選択するためとの両方のために、使用され得る。
【0014】
図1は、例示的な実施形態による例示的なパワードデバイス100を示している。パワードデバイス100は、DALI110を通して負荷115に電力を供給する電源105を含む。負荷115は、電力を引き出す任意のタイプの構成要素(例えば、LED、電球、オーディオ出力構成要素など)であってもよい。パワードデバイス100は、負荷115がDALI110を通して電流を供給されるべきであるか否かを制御するための信号を生成するコントローラ120と、コントローラ120からの信号が横切るアイソレータ125とを含み得る。
【0015】
例示的な実施形態による電流設定選択メカニズムは、入力を受け取るために、又はDALI110に供給されるべき電流設定を決定するためにコントローラ120を利用し得る。電流設定に基づいて、コントローラ120は、アイソレータ125の絶縁バリアを横切り、電源105からの選択された値を有する対応する電流がDALI110及び負荷115へ流れることをもたらす起動駆動信号又は変調された駆動信号を生成し得る。
【0016】
第1動作においては、コントローラ120は、DALI110への電流をオン又はオフにするよう構成され得る。コントローラ120は、起動駆動信号を生成し得る。起動駆動信号がオフであるとき、DALI110への電流供給はオフ(例えば、0mA)である。起動駆動信号がオンであるとき、DALI110への電流供給はオン(例えば、110mAのような最大電流値)である。
【0017】
例示的な実施形態による、第2動作においては、コントローラ120は、電流が選択された値でDALI110へ流れることを可能にするよう構成され得る。コントローラ120は、変調された駆動信号を生成し得る。使用されるべき電流設定が0又は最大電流ではない場合、コントローラ120は、電流設定の電流値を識別し得る。コントローラ120は、その場合、DALI110に供給されるべき電流設定をもたらす対応するパルス幅変調(PWM)信号を決定し得る。従って、DALI110に供給されるべき電流が、オフ値とオン値との間の値(例えば、0mA乃至最大電流)である場合、コントローラ120は、変調された駆動信号を利用し得る。
【0018】
変調された駆動信号は、アイソレータ125のダイオードが、選択されたPWMに対応するデューティサイクル及び周波数で導通するよう駆動され得るようなPWM信号として生成されてもよい。変調された駆動信号は、電流がアイソレータ125のPWMデューティサイクルに比例した電流でDALI110に供給されることを可能にし得る。例示的な実施形態によれば、単一のアイソレータ125が、変調された駆動信号のデューティサイクルを0%から100%まで変更することによって、0mAと所定の最大電流との間でDALI110のための任意の電流レベルを設定するために使用されることができ、デューティサイクルは電流設定点に正比例する。当業者は、比例のための論理は逆にされ得ることを理解するだろう。
【0019】
構成要素が1つの全てを含む電子デバイスに組み込まれるパワードデバイス100が図示されている。しかしながら、別の実施例においては、パワードデバイス100の構成要素は、通信機能を有しながら、少なくとも部分的に互いに分離されてもよく、モジュール式構成要素(例えば、互いに接続される別々の構成要素)であってもよく、1つ以上のデバイスに組み込まれてもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。パワードデバイス100は、構成要素間の有線接続も利用し得る。しかしながら、当業者は、パワードデバイス100の構成要素間では、信号、電力、又は他の指示/コマンドの任意の伝達方法が使用され得ることを理解するだろう。例えば、有線接続、無線接続、ネットワーク接続、又はそれらの組み合わせが使用され得る。
【0020】
図2は、例示的な実施形態によるパワードデバイス200の例示的な実施例を示している。デバイス200は、例示的な実施形態による図1のパワードデバイス100の特定の構成であり得る。図2において図示されているパワードデバイス100の実施例は、起動駆動信号が、ゼロ電流から最大電流まで電流をオン又はオフし得る、又は変調された駆動信号が、ゼロ電流と最大電流との間の選択された電流に電流をオンにし得る特定のやり方で構成されている電流設定選択メカニズムに関する。パワードデバイス200は、マイクロプロセッサ205、抵抗器210、オプトアイソレータ215、電圧基準220、抵抗器225、抵抗器230、コンデンサ235、バックコンバータ240、負のDALIポート245、正のDALIポート250、及び補助電力供給部255を含み得る。
【0021】
図2のパワードデバイス200の実施例は、様々な回路経路に沿って、信号が交換されるために、及び電力が供給されるために、構成要素が互いに相互接続される任意の回路実施例であってもよい。これらの構成要素は、1つ以上の集積回路に含まれてもよく、1つ以上のプリント回路基板に含まれていてもよく、又は必要に応じて個別に実装されてもよい。本明細書において記載されているパワードデバイス200の例示的な実施例は、回路構成要素のセットであるパワードデバイス200に関する。しかしながら、パワードデバイス200は、様々な他のやり方でも実施され得る。
【0022】
パワードデバイス200の実施例において、選択構成要素は、パワードデバイス100に対応してもよい。例えば、マイクロプロセッサ205はコントローラ120に対応してもよく、オプトアイソレータ215はアイソレータ125に対応してもよく、補助電力供給部255は電源105に対応してもよく、負のDALIポート245及び正のDALIポート250はDALI110のポートであってもよい。パワードデバイス200は、パワードデバイス100の特定の実施例を図示していることから、パワードデバイス200に含まれる構成要素は、例示に過ぎない。例えば、アイソレータ125がオプトアイソレータ215であることは例示に過ぎず、任意のアイソレータ回路が使用され得る。別の例においては、コントローラ110がマイクロプロセッサ205であることは例示に過ぎず、任意の制御回路が使用され得る。
【0023】
パワードデバイス200の例示的な実施例によれば、マイクロプロセッサ205は、オプトアイソレータ215の一次側にあってもよい。起動駆動信号を利用する第1動作においては、マイクロプロセッサ205は、負のDALIポート245及び正のDALIポート250を介してDALI110に供給されるべき電流が0電流又は最大電流のいずれかである場合に、オン起動駆動信号又はオフ起動駆動信号を生成し得る。マイクロプロセッサ205は、オプトアイソレータ215を、ゼロ電流又は最大電流をもたらすオン又はオフにさせる、任意の起動駆動信号を利用し得る。
【0024】
変調された駆動信号を利用する第2動作においては、一次側絶縁上のマイクロプロセッサ205は、抵抗器210を介してオプトアイソレータ215のダイオードを駆動するPWM信号を生成し得る。オプトアイソレータ215の出力は、電流制限抵抗器225を介して基準電圧220(Vref)に接続される。この回路経路は、(例えば、抵抗器230は、抵抗器225に比べて、方形波信号を生成する所定の差を超えるような非常に大きいものであると仮定して、)抵抗器225及び抵抗器230の接合部において方形波信号を生成する。抵抗器230は、コンデンサ235と共に、PWMに基づいている抵抗器230への入力(例えば、抵抗器225の出力)を変換するフィルタとして使用され得る。抵抗器230の入力は、デューティサイクルに基づく約0又はVrefであり得る。抵抗器230及びコンデンサ235は、バックコンバータ240のための電流基準(Iref)を設定するために使用されるDC電圧基準を生成するようPWM信号を平均化するために使用され得る。
【0025】
PWMが、抵抗器225、230間の電圧(例えば、マイクロプロセッサ205のPWMの反転信号)と規定される場合、PWMのデューティサイクルは、DALI110の電流源のための電流設定点に比例し得る。図示されているように、DALI110のための電流源は、バックコンバータ240であってもよい。バックコンバータ240の入力端子は、通常、高インピーダンスのものであることから、コンデンサ235の後の更なるバッファリングは必要ない。バックコンバータ240の出力は、負のDALIポート245への固定電圧であってもよい。
【0026】
更に、電流設定選択メカニズムが、DALI110の供給電流のためのコンフィギュレーション設定点であることから、電流供給が所定の設置に対して固定されていてもよく、動的な基準電流の変更が必要とされないので、非常に速い反応速度は必要ない。従って、例示的な実施形態は、電流設定選択メカニズムが、(如何なる変更もない標準的なオプトアイソレータであってもよい)オプトアイソレータ215にとって十分にゆっくりであるようPWM周波数を自由に選択することを可能にして、パワードデバイス200を非常に低コストにすることを可能にする。例えば、オプトアイソレータ215の立ち上がり及び立ち下がりの時間遅延を無視できるようにすると共に、バックコンバータ240のIsourceのためのかなり正確な電流設定を可能にする100HzのPWM周波数が選択され得る。マイクロコントローラ205は、周波数がそれほど正確ではないかもしれない場合でも、PWMデューティサイクルが正確であることを可能にし得る。
【0027】
図3は、例示的な実施形態による、電流を動的に選択するための例示的な方法300を示している。方法300は、マイクロプロセッサ205が、いつ電流が(例えば、DALIポート245、255を含む)DALIインターフェース110に供給されるべきかと、(例えば、利用可能な電流の0%から100%までの)供給されるべき電流の量とを決定するよう構成される例示的な実施形態のメカニズムに関し得る。図1のパワードデバイス100だけでなく、図2において図示されているようなパワードデバイス200の実施例に関しても、方法300を説明する。パワードデバイス100、及びパワードデバイス200の例示的な実施例の実質的に同様の構成要素は、交換可能に使用されるだろう。
【0028】
305においては、パワードデバイス100が、DALIに供給されるべき電流を決定する。上記のように、マイクロコントローラ205が、電流設定に対応する入力を受け取ってもよく、又はパワードデバイス200において使用されるべき電流設定を決定してもよい。310においては、パワードデバイス100が、DALI110に電流が供給されるべきであるか否かを決定する。DALI110に電流が供給されるべきではない場合には、パワードデバイス100は、起動駆動信号がオプトアイソレータ215のダイオードを導通させず、DALI110に電流が供給されないことをもたらす315に進む。例えば、マイクロプロセッサ205が、オフ起動駆動信号を生成し得る。DALI110に電流が供給されるべきである場合には、パワードデバイス100は320に進む。
【0029】
DALI110に電流が供給されるべきであるか否かは、パワードデバイス100のデューティサイクルにも基づいていてもよい。例えば、デューティサイクルは、特定の負荷115がいつ電力を受け取るべきであるかを示し得る。デューティサイクルは、方形波のような波形も有し得る。従って、方形波に基づいて、供給されるべき電流は、0又は選択された電流値であってもよい。選択された電流値は、305において実施される決定又は入力に対応してもよい。
【0030】
320においては、パワードデバイス100が、供給されるべき電流が最大電流(例えば、オンデューティサイクル中)であるか否かを決定する。供給されるべき電流が最大電流である場合には、パワードデバイスは、起動駆動信号がオプトアイソレータ215のダイオードを導通させ、DALI110に最大電流が供給されることをもたらす325に進む。例えば、マイクロプロセッサ205が、オン起動駆動信号を生成し得る。電流が、0と最大値との間の値に設定されるべきである場合には、パワードデバイス100は330に進む。
【0031】
330においては、パワードデバイス100が、DALI110に供給されるべき電流のための選択された電流設定に対応するデューティサイクル及び周波数を有する変調された駆動信号を決定する。例えば、マイクロプロセッサ205が、変調された駆動信号をPWM信号として生成し得る。335においては、PWM信号が、オプトアイソレータ215のダイオードを、対応するデューティサイクル及び周波数で導通するよう駆動させる。電流は、電圧基準220、抵抗器225、230、コンデンサ235、及びバックコンバータ240を通して、0よりも大きいが、最大電流値よりも小さい選択された電流値で、(例えば、負のDALIポート245を介して)DALI110に供給され得る。
【0032】
例示的な実施形態は、DALIを介して負荷に供給されるべき電力のための電流設定を動的に選択するデバイス、システム、及び方法を提供する。例示的な実施形態による電流設定選択メカニズムは、起動駆動信号を使用してDALIへの電流をオン又はオフにする第1動作、又は変調された駆動信号を使用して選択された電流値でDALIに電流を供給する第2動作のいずれかを実施する。変調された駆動信号は、選択された電流値に対応するデューティサイクル及び周波数を有するPWMとして構成されてもよい。
【0033】
当業者は、上記の例示的な実施形態は、任意の適切なソフトウェア若しくはハードウェア構成、又はそれらの組み合わせで実施され得ることを理解するだろう。更なる例においては、上記の方法の例示的な実施形態は、プロセッサ又はマイクロプロセッサにおいて実行され得る、コンピュータ可読記憶媒体に記憶された命令行を含むコンピュータプログラム製品として実施されてもよい。記憶媒体は、例えば、任意の記憶動作を使用する上記のオペレーティングシステムで使用するために互換性のある又はフォーマットされるローカル又はリモートのデータリポジトリであってもよい。
【0034】
本開示において、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、様々な修正がなされ得ることは、当業者には明らかであるだろう。従って、本開示は、添付の特許請求の範囲及びそれと同等のものの範囲内に入ることを条件に、本開示の修正及び変形をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3