(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】表示基板及びその製造方法、表示装置
(51)【国際特許分類】
H10K 50/88 20230101AFI20240510BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240510BHJP
H10K 59/124 20230101ALI20240510BHJP
H10K 71/00 20230101ALI20240510BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H10K50/88
H10K59/131
H10K59/124
H10K71/00
G09F9/30 348A
G09F9/30 330
G09F9/30 309
(21)【出願番号】P 2021566042
(86)(22)【出願日】2020-04-21
(86)【国際出願番号】 CN2020085889
(87)【国際公開番号】W WO2021212313
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2023-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】于 ▲鵬▼▲飛▼
(72)【発明者】
【氏名】万 晨星
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0083306(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0305072(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10K 50/10 - 50/88
H10K 59/10 - 59/95
H10K 71/00
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
表示領域と、表示領域の片側に位置するボンディング領域とを備え、前記表示領域は駆動構造層と、前記駆動構造層に設置される有機絶縁層と、前記有機絶縁層に設置される発光素子とを備え、前記駆動構造層は画素駆動回路を備え、前記発光素子は前記画素駆動回路に接続され、前記ボンディング領域はボンディング構造層と、前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層
と、前記有機絶縁層に設置されるアイソレーション溝及びアイソレーション領域と、前記有機絶縁層及び
アイソレーション領域に設置される無機パッケージ層とを備え、
前記アイソレーション領域はアイソレーションダムを備え、前記アイソレーション溝の前記アイソレーション領域に近接する側の縁部と前記アイソレーション領域の前記アイソレーション溝に近接する側の縁部との間に距離があり、又は、前記アイソレーション溝と前記有機絶縁層とはオーバーラップせず、前記ボンディング構造層は前記画素駆動回路に接続される電源コードを備え、前記ボンディング領域の有機絶縁層に少なくとも1つのアイソレーション溝が設置され、前記無機パッケージ層は前記アイソレーション溝を被覆し、前記アイソレーションダムを包み、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離は前記アイソレーションダム
のうちの任意のアイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さい、表示基板。
【請求項2】
前記アイソレーションダムは第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムを含み、前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離は前記第2アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さく、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離は前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さい、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記発光素子は陽極、画素定義層、有機発光層及び陰極を備え、前記画素定義層及び陰極は前記ボンディング領域まで延在し、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記ボンディング領域において陰極の縁部と表示領域の縁部との距離は前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離より小さい、請求項2に記載の表示基板。
【請求項4】
前記表示領域を離れる方向に沿って、前記アイソレーション溝の幅は20μm~70μmである、請求項1に記載の表示基板。
【請求項5】
前記電源コードは第1電源コード及び第2電源コードを含み、前記アイソレーション溝は前記第1電源コードに設置され、又は前記第2電源コードに設置され、又は前記第1電源コードと第2電源コードとの間に設置される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
前記表示領域の縁部方向に沿って、前記アイソレーション溝の基板での正投影は前記第1電源コードの基板での正投影を含む、請求項5に記載の表示基板。
【請求項7】
前記表示基板は更に縁部領域を備え、前記縁部領域は回路構造層と、前記回路構造層に設置される有機絶縁層とを備え、前記有機絶縁層に隙間が設置され、前記ボンディング領域のアイソレーション溝と縁部領域の隙間とは連通する、請求項5に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第1電源コードは第1棒状ブロック及び第2棒状ブロックを備え、前記第1棒状ブロックは前記表示領域の縁部方向に沿って延在し、前記第2棒状ブロックは前記表示領域を離れる方向に沿って延在し、前記第2棒状ブロックの前記表示領域に近接する端は前記第1棒状ブロックに接続されてT型構造を形成し、前記第2
電源コードは前記第1棒状ブロックの前記表示領域から離れる側に位置し、前記アイソレーションダムは前記第2棒状ブロック及び第2電源コードに設置され、前記アイソレーション溝は前記第1棒状ブロックに設置される、請求項5に記載の表示基板。
【請求項9】
前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層とを備え、
前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第1平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える、請求項5に記載の表示基板。
【請求項10】
前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層とを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第2接続電極及び第3接続電極と、前記第2接続電極及び第3接続電極を被覆する第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、前記第1電源コードはビアによって第2接続電極に接続され、前記第2電源コードはビアによって第3接続電極に接続され、
前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第2平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える、請求項5に記載の表示基板。
【請求項11】
前記電源コードの縁部に波状構造が設置され、前記波状構造は前記アイソレーション溝の前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記アイソレーションダムの前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記電源コードと前記アイソレーションダムとの重複領域の電源コードの縁部に設置される、請求項1~10のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項12】
前記波状構造は間隔を置いて設置される複数の突起を備え、前記突起の突起高さは30μm~60μmである、請求項11に記載の表示基板。
【請求項13】
表示領域と、表示領域の片側に位置するボンディング領域とを備える表示基板の製造方法であって、
前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ駆動構造層及びボンディング構造層を形成し、前記駆動構造層は画素駆動回路を備え、前記ボンディング構造層は前記画素駆動回路に接続される電源コードを備えることと、
前記駆動構造層及びボンディング構造層に有機絶縁層を形成し、前記ボンディング構造層での有機絶縁層に少なくとも1つのアイソレーション溝
及びアイソレーション領域が形成され
、前記少なくとも1つのアイソレーション溝の前記アイソレーション領域に近接する側の縁部と前記アイソレーション領域の前記少なくとも1つのアイソレーション溝に近接する側の縁部との間に距離があり、又は、前記アイソレーション溝と前記有機絶縁層とはオーバーラップしないことと、
前記表示領域及び
前記アイソレーション領域にそれぞれ発光素子及びアイソレーションダムを形成し、前記発光素子は前記画素駆動回路に接続され、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離は前記アイソレーションダム
のうちの任意のアイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さいことと、
前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ複合パッケージ層及び無機パッケージ層を形成し、前記無機パッケージ層は前記アイソレーション溝を被覆し、前記アイソレーションダムを包むことと、を含む表示基板の製造方法。
【請求項14】
前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ発光素子及びアイソレーションダムを形成することは、前記表示領域に発光素子を形成し、前記発光素子が前記画素駆動回路に接続されることと、前記ボンディング領域に第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムを形成し、前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離が前記第2アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さく、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離が前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さいことと、を含む請求項13に記載の製造方法。
【請求項15】
前記表示領域に発光素子を形成することは、前記有機絶縁層に陽極、画素定義層、有機発光層及び陰極を順次形成し、前記陽極が前記画素駆動回路に接続され、前記画素定義層及び陰極が前記ボンディング領域まで延在することと、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記ボンディング領域において陰極の縁部と表示領域の縁部との距離が前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離より小さいことと、を含む請求項14に記載の製造方法。
【請求項16】
前記電源コードは第1電源コード及び第2電源コードを含み、前記アイソレーション溝は前記第1電源コードに設置され、又は前記第2電源コードに設置され、又は前記第1電源コードと第2電源コードとの間に設置され、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記アイソレーション溝の幅は20μm~70μmである、請求項13に記載の製造方法。
【請求項17】
前記表示基板は更に縁部領域を備え、前記製造方法は、前記縁部領域に回路構造層を形成し、前記回路構造層に有機絶縁層を形成し、前記有機絶縁層に少なくとも1つの隙間が形成され、前記ボンディング領域のアイソレーション溝と縁部領域の隙間とが連通し、且つ同一プロセスにより形成されることを更に含む、請求項13に記載の製造方法。
【請求項18】
前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層とを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層とを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第2接続電極及び第3接続電極と、前記第2接続電極及び第3接続電極を被覆する第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、前記第1電源コードはビアによって第2接続電極に接続され、前記第2電源コードはビアによって第3接続電極に接続され、
前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第1平坦層又は第2平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える、請求項13に記載の製造方法。
【請求項19】
前記電源コードの縁部に波状構造が設置され、前記波状構造は前記アイソレーション溝の前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記アイソレーションダムの前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記電源コードとアイソレーションダムとの重複領域の電源コードの縁部に設置され、前記波状構造は間隔を置いて設置される複数の突起を備え、前記突起の突起高さは30μm~60μmである、請求項13~18のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項20】
請求項1~12のいずれか1項に記載の表示基板を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は表示技術分野に関するが、それに限らず、特に表示基板及びその製造方法、表示装置を指す。
【背景技術】
【0002】
有機発光ダイオード(Organic Light Emitting Diode、OLEDと略称)は能動的に発光する表示デバイスであり、能動的に発光し、視角が広く、コントラストが高く、電力消費が少なく、反応速度が極めて高いという利点を有する。表示技術の継続的な発展に伴い、OLEDを発光デバイスとし、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、TFTと略称)により信号制御を行うフレキシブルディスプレイ(Flexible Display)は表示分野の現在の主流製品となっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
以下は本明細書に詳しく説明される主題の概説である。本概説は特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0004】
一態様では、本開示は表示基板を提供し、表示領域と、表示領域の片側に位置するボンディング領域とを備え、前記表示領域は駆動構造層と、前記駆動構造層に設置される有機絶縁層と、前記有機絶縁層に設置される発光素子と、前記発光素子に設置される複合パッケージ層とを備え、前記駆動構造層は画素駆動回路を備え、前記発光素子は前記画素駆動回路に接続され、前記ボンディング領域はボンディング構造層と、前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層及びアイソレーションダムと、前記有機絶縁層及びアイソレーションダムに設置される無機パッケージ層とを備え、前記ボンディング構造層は前記画素駆動回路に接続される電源コードを備え、前記ボンディング領域の有機絶縁層に少なくとも1つのアイソレーション溝が設置され、前記無機パッケージ層は前記アイソレーション溝を被覆し、前記アイソレーションダムを包み、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離は前記アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さい。
【0005】
いくつかの可能な実現方式では、前記アイソレーションダムは第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムを含み、前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離は前記第2アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さく、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離は前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さい。
【0006】
いくつかの可能な実現方式では、前記発光素子は陽極、画素定義層、有機発光層及び陰極を備え、前記画素定義層及び陰極は前記ボンディング領域まで延在し、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記ボンディング領域において陰極の縁部と表示領域の縁部との距離は前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離より小さい。
【0007】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記アイソレーション溝の幅は20μm~70μmである。
【0008】
いくつかの可能な実現方式では、前記電源コードは第1電源コード及び第2電源コードを含み、前記アイソレーション溝は前記第1電源コードに設置され、又は前記第2電源コードに設置され、又は前記第1電源コードと第2電源コードとの間に設置される。
【0009】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示領域の縁部方向に沿って、前記アイソレーション溝の基板での正投影は前記第1電源コードの基板での正投影を含む。
【0010】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示基板は更に縁部領域を備え、前記縁部領域は回路構造層と、前記回路構造層に設置される有機絶縁層とを備え、前記有機絶縁層に隙間が設置され、前記ボンディング領域のアイソレーション溝と縁部領域の隙間とは連通する。
【0011】
いくつかの可能な実現方式では、前記第1電源コードは第1棒状ブロック及び第2棒状ブロックを備え、前記第1棒状ブロックは前記表示領域の縁部方向に沿って延在し、前記第2棒状ブロックは前記表示領域を離れる方向に沿って延在し、前記第2棒状ブロックの前記表示領域に近接する端は前記第1棒状ブロックに接続されてT型構造を形成し、前記第2電源コードは前記第1棒状ブロックの前記表示領域から離れる側に位置し、前記アイソレーションダムは前記第2棒状ブロック及び第2電源コードに設置され、前記アイソレーション溝は前記第1棒状ブロックに設置される。
【0012】
いくつかの可能な実現方式では、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層とを備える。前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第1平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える。
【0013】
いくつかの可能な実現方式では、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層とを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第2接続電極及び第3接続電極と、前記第2接続電極及び第3接続電極を被覆する第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、前記第1電源コードはビアによって第2接続電極に接続され、前記第2電源コードはビアによって第3接続電極に接続される。前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第2平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える。
【0014】
いくつかの可能な実現方式では、前記電源コードの縁部に波状構造が設置され、前記波状構造は前記アイソレーション溝の前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記アイソレーションダムの前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記電源コードと前記アイソレーションダムとの重複領域の電源コードの縁部に設置される。
【0015】
いくつかの可能な実現方式では、前記波状構造は間隔を置いて設置される複数の突起を備え、前記突起の突起高さは30μm~60μmである。
【0016】
他の態様では、本開示は更に表示基板の製造方法を提供し、表示基板は表示領域と、表示領域の片側に位置するボンディング領域とを備え、前記製造方法は、
前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ駆動構造層及びボンディング構造層を形成し、前記駆動構造層が画素駆動回路を備え、前記ボンディング構造層が前記画素駆動回路に接続される電源コードを備えることと、
前記駆動構造層及びボンディング構造層に有機絶縁層を形成し、前記ボンディング構造層での有機絶縁層に少なくとも1つのアイソレーション溝が形成されることと、
前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ発光素子及びアイソレーションダムを形成し、前記発光素子が前記画素駆動回路に接続され、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離が前記アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さいことと、
前記ボンディング領域に無機パッケージ層を形成し、前記無機パッケージ層が前記アイソレーション溝を被覆し、前記アイソレーションダムを包むことと、を含む。
【0017】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ発光素子及びアイソレーションダムを形成することは、前記表示領域に発光素子を形成し、前記発光素子が前記画素駆動回路に接続されることと、前記ボンディング領域に第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムを形成し、前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離が前記第2アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さく、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離が前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さいことと、を含む。
【0018】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示領域に発光素子を形成することは、前記有機絶縁層に陽極、画素定義層、有機発光層及び陰極を順次形成し、前記陽極が前記画素駆動回路に接続され、前記画素定義層及び陰極が前記ボンディング領域まで延在することと、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記ボンディング領域において陰極の縁部と表示領域の縁部との距離が前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離より小さいことと、を含む。
【0019】
いくつかの可能な実現方式では、前記電源コードは第1電源コード及び第2電源コードを含み、前記アイソレーション溝は前記第1電源コードに設置され、又は前記第2電源コードに設置され、又は前記第1電源コードと第2電源コードとの間に設置され、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記アイソレーション溝の幅は20μm~70μmである。
【0020】
いくつかの可能な実現方式では、前記表示基板は更に縁部領域を備える。前記製造方法は、前記縁部領域に回路構造層を形成し、前記回路構造層に有機絶縁層を形成し、前記有機絶縁層に少なくとも1つの隙間が形成され、前記ボンディング領域のアイソレーション溝と縁部領域の隙間とが連通し、且つ同一プロセスにより形成されることを更に含む。
【0021】
いくつかの可能な実現方式では、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層とを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層とを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第2接続電極及び第3接続電極と、前記第2接続電極及び第3接続電極を被覆する第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、前記第1電源コードはビアによって第2接続電極に接続され、前記第2電源コードはビアによって第3接続電極に接続される。前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第1平坦層又は第2平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える。
【0022】
いくつかの可能な実現方式では、前記電源コードの縁部に波状構造が設置され、前記波状構造は前記アイソレーション溝の前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記アイソレーションダムの前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記電源コードとアイソレーションダムとの重複領域の電源コードの縁部に設置され、前記波状構造は間隔を置いて設置される複数の突起を備え、前記突起の突起高さは30μm~60μmである。
【0023】
他の態様では、本開示は上記表示基板を備える表示装置を更に提供する。
【0024】
図面及び詳細な説明を閲読して理解した後、他の態様を分かることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面は本開示の技術案に対する更なる理解を提供するためのものであって、明細書の一部となり、本開示の実施例とともに本開示の技術案を解釈することに用いられ、本開示の技術案を制限するものではない。図面における各部材の形状及びサイズは実際の比率を反映せず、本開示の内容を模式的に説明するように意図される。
【
図1】
図1は本開示の表示基板の構造模式図である。
【
図2】
図2は本開示の表示基板のボンディング領域の構造模式図である。
【
図3】
図3は本開示の第1ファンアウト領域の構造模式図である。
【
図5】
図5は本開示の表示基板の構造模式図である。
【
図6】
図6は本開示のフレキシブル基板のパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図7】
図7は本開示の駆動構造層及びボンディング構造層のパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図8】
図8は本開示のアイソレーション溝のパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図9】
図9は本開示の陽極のパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図10】
図10は本開示の画素定義層のパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図11】
図11は本開示のスペーサコラムのパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図12】
図12は本開示の有機発光層及び陰極のパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図13】
図13は本開示のパッケージ層のパターンを形成した後の
表示基板の構造模式図である。
【
図14】
図14は本開示のボンディング領域の縁部の構造模式図である。
【
図16】
図16は本開示の表示基板の更なる構造模式図である。
【
図17】
図17は本開示の表示基板の更なる構造模式図である。
【
図18】
図18は本開示の表示基板の更なる構造模式図である。
【
図19】
図19は本開示の表示基板の更なる構造模式図である。
【
図20】
図20は本開示の表示基板の更なる構造模式図である。
【
図21】
図21は本開示の表示基板の更なる構造模式図である。
【
図22】
図22は本開示の第1ファンアウト領域の他の構造模式図である。
【
図23】
図23は本開示の2SD構造の表示領域及び縁部領域の断面構造模式図である。
【
図24】
図24は本開示の1SD構造の表示領域及び縁部領域の断面構造模式図である。
【
図25】
図25は本開示の第1ファンアウト領域の他の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に図面を参照しながら本開示の実施例を詳しく説明する。なお、実施形態は複数の異なる形式で実施されてもよい。当業者が容易に理解し得る事実は、本開示の趣旨及びその範囲を逸脱せずに方式及び内容を様々な形式に変換することができることである。従って、本開示は下記実施形態に記載される内容のみに限定されると解釈されるべきではない。衝突しない限り、本開示の実施例及び実施例の特徴は互いに任意に組み合わせられることができる。
【0027】
図面では、明確にするために、各構成要素のサイズ、層の厚さ又は領域を拡大して示す場合がある。従って、本開示の一態様は該サイズに限定されるとは限らず、図面における各部材の形状及びサイズは実際の比率を反映しない。また、図面に理想的な例を模式的に示すが、本開示の一態様は図面に示される形状又は数値等に限らない。
【0028】
本明細書における「第1」、「第2」、「第3」等の序数用語は構成要素の混同を回避するために設定されたものであり、数の方面で限定するものではない。
【0029】
本明細書において、便宜上、図面を参照して構成要素の位置関係を説明するように「中央部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「鉛直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」等を使用して方位又は位置関係を示す言葉は、本明細書を説明しやすく及び説明を簡素化するためのものに過ぎず、指す装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作しなければならないことを指示又は暗示するものではなく、従って、本開示を制限するものであると理解されるべきではない。構成要素の位置関係は各構成要素を説明する方向に基づいて適切に変化する。従って、明細書に説明される言葉に限らず、状況に応じて適切に置換することができる。
【0030】
本明細書において、特に明確に規定及び限定しない限り、用語の「取り付け」、「連結」、「接続」は広義的に理解されるべきである。例えば、固定接続、又は取り外し可能接続、又は一体接続であってもよく、機械的接続又は電気的接続であってもよく、直接接続、又は中間部材による間接的接続、又は2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本開示での具体的な意味を理解することができる。
【0031】
本明細書において、トランジスタとは少なくともゲート電極、ドレイン電極及びソース電極の3つの端子を備える素子を指す。トランジスタはドレイン電極(ドレイン電極端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース電極(ソース電極端子、ソース領域又はソース電極)との間にチャネル領域を有し、且つ電流はドレイン電極、チャネル領域及びソース電極を流れることができる。なお、本明細書において、チャネル領域とは電流が主に流れる領域を指す。
【0032】
本明細書において、第1極はドレイン電極であってもよく、第2極はソース電極であってもよく、又は、第1極はソース電極であってもよく、第2極はドレイン電極であってもよい。極性が反対であるトランジスタを使用する場合又は回路動作中の電流方向が変化する場合等に、「ソース電極」及び「ドレイン電極」の機能は互いに交換される場合がある。従って、本明細書において、「ソース電極」及び「ドレイン電極」は互いに交換されることができる。
【0033】
本明細書において、「電気的接続」は構成要素が、ある電気的作用を有する素子により一体に接続される状況を含む。「ある電気的作用を有する素子」は接続される構成要素間の電気信号の授受を行うことができる限り、特に制限しない。「ある電気的作用を有する素子」の例は電極及び配線のほか、更にトランジスタ等のスイッチング素子、抵抗器、インダクタ、コンデンサ、様々な機能を持つ他の素子等を含む。
【0034】
本明細書において、「平行」とは2つの直線がなす角度が-10°以上且つ10°以下である状態を指し、従って、該角度が-5°以上且つ5°以下である状態も含む。また、「垂直」とは2つの直線がなす角度が80°以上且つ100°以下である状態を指し、従って、85°以上且つ95°以下の角度の状態も含む。
【0035】
本明細書において、「フィルム」及び「層」は互いに交換されることができる。例えば、「導電層」を「導電フィルム」に置換できる場合がある。それと同様に、「絶縁フィルム」を「絶縁層」に置換できる場合がある。
【0036】
本開示の「約」とは、限界を厳しく限定せず、プロセス及び測定誤差範囲内の数値が許容されることを意味する。
【0037】
フレキシブルディスプレイであって、フレキシブル基板に設置される駆動回路層と、駆動回路層に設置される発光デバイスと、発光デバイスに設置されるパッケージ層とを備え、パッケージ層は発光デバイスを保護することに用いられる。研究によると、パッケージ層のパッケージ効果のフレキシブルディスプレイの表示性能への影響が大きい。パッケージ層にパッケージが故障し、例えばパッケージ層に隙間又は断裂が発生すると、大気中の水蒸気は隙間に沿って発光デバイスに入って、発光デバイスにおける有機材料を酸化して失効させ、発光できない失効領域を形成してしまう。水蒸気が隙間に沿って絶えずに発光デバイスに侵入するにつれて、失効領域は徐々に広がって、フレキシブルディスプレイには絶えずに広がるダークスポット(Growing Dark Spot、GDSと略称)と称される表示不良が発生することをもたらしてしまう。
【0038】
本開示は表示基板を提供し、表示領域と、表示領域の片側に位置するボンディング領域とを備え、前記表示領域は駆動構造層と、前記駆動構造層に設置される有機絶縁層と、前記有機絶縁層に設置される発光素子と、前記発光素子に設置される複合パッケージ層とを備え、前記駆動構造層は画素駆動回路を備え、前記発光素子は前記画素駆動回路に接続され、前記ボンディング領域はボンディング構造層と、前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層及びアイソレーションダムと、前記有機絶縁層及びアイソレーションダムに設置される無機パッケージ層とを備え、前記ボンディング構造層は前記画素駆動回路に接続される電源コードを備え、前記ボンディング領域の有機絶縁層に少なくとも1つのアイソレーション溝が設置され、前記無機パッケージ層は前記アイソレーション溝を被覆し、前記アイソレーションダムを包み、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離は前記アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さい。
【0039】
例示的な実施形態では、前記アイソレーションダムは第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムを含み、前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離は前記第2アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さく、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離は前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さい。
【0040】
例示的な実施形態では、前記発光素子は陽極、画素定義層、有機発光層及び陰極を備え、前記画素定義層及び陰極は前記ボンディング領域まで延在し、前記表示領域を離れる方向に沿って、陰極の縁部と表示領域の縁部との距離は前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離より小さい。
【0041】
例示的な実施形態では、前記電源コードは第1電源コード及び第2電源コードを含み、前記アイソレーション溝は前記第1電源コードに設置され、又は前記第2電源コードに設置され、又は前記第1電源コードと第2電源コードとの間に設置される。前記表示領域を離れる方向に沿って、前記アイソレーション溝の幅は20μm~70μmである。前記表示領域の縁部方向に沿って、前記アイソレーション溝の基板での正投影は前記第1電源コードの基板での正投影を含む。
【0042】
例示的な実施形態では、前記表示基板は更に縁部領域を備え、前記縁部領域は回路構造層と、前記回路構造層に設置される有機絶縁層とを備え、前記有機絶縁層に隙間が設置され、前記ボンディング領域のアイソレーション溝と縁部領域の隙間とは連通し、且つ同一プロセスにより形成される。
【0043】
例示的な実施形態では、前記第1電源コードは第1棒状ブロック及び第2棒状ブロックを備え、前記第1棒状ブロックは前記表示領域の縁部方向に沿って延在し、前記第2棒状ブロックは前記表示領域を離れる方向に沿って延在し、前記第2棒状ブロックの前記表示領域に近接する端は前記第1棒状ブロックに接続されてT型構造を形成し、前記第2電源コードは前記第1棒状ブロックの前記表示領域から離れる側に位置し、前記アイソレーションダムは前記第2棒状ブロック及び第2電源コードに設置され、前記アイソレーション溝は前記第1棒状ブロックに設置される。
【0044】
例示的な実施形態では、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層とを備える。前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第1平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える。
【0045】
例示的な実施形態では、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層とを備え、又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第2接続電極及び第3接続電極と、前記第2接続電極及び第3接続電極を被覆する第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備え、前記第1電源コードはビアによって第2接続電極に接続され、前記第2電源コードはビアによって第3接続電極に接続される。前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第2平坦層を備え、前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える。
【0046】
例示的な実施形態では、前記電源コードの縁部に波状構造が設置され、前記波状構造は前記アイソレーション溝の前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記アイソレーションダムの前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記電源コードと前記アイソレーションダムとの重複領域の電源コードの縁部に設置される。
【0047】
図1は本開示の表示基板の構造模式図である。
図1に示すように、本開示の表示基板は表示領域100と、表示領域100の周囲に位置する非表示領域とを備える。非表示領域は表示領域100の片側に位置するボンディング領域200と、表示領域100の他の側に位置する縁部領域300とを備える。表示領域100は少なくとも規則的に配列される複数の表示ユニットを備える。ボンディング領域200は少なくともアイソレーションダムと、複数の表示ユニットの信号線を外部駆動装置に接続するボンディング回路とを備える。縁部領域300は少なくともアイソレーションダムと、複数の表示ユニットに電圧信号を伝送する電源コードとを備える。ボンディング領域200及び縁部領域300のアイソレーションダムは表示領域100を取り囲む環状構造を形成する。
【0048】
図2は本開示の表示基板のボンディング領域の構造模式図である。
図2に示すように、表示基板に平行する平面内に、本開示のボンディング領域200は表示領域100の片側に位置する。ボンディング領域200は表示領域100を離れる方向に沿って順次設置される第1ファンアウト領域201、曲げ領域202、第2ファンアウト領域203、帯電防止領域204、駆動チップ領域205及びボンディング電極領域206を備える。第1ファンアウト領域201はデータファンアウトライン、第1電源コード及び第2電源コードを備える。データファンアウトラインは第1ファンアウト領域201の中央部に位置し、複数のデータ接続線を備える。複数のデータ接続線はファンアウト(Fanout)配線方式で表示領域100のデータ線(Data Line)に接続するように構成される。第1電源コードはデータファンアウトラインの両側に位置し、表示領域100の高電圧電源コード(VDD)に接続するように構成される。第2電源コードもデータファンアウトラインの両側に位置し、縁部領域300の低電圧電源コード(VSS)に接続するように構成される。曲げ領域202は凹溝が設置される複合絶縁層を備え、ボンディング領域200を表示領域100の裏面に曲げさせるように構成される。第2ファンアウト領域203はファンアウト配線方式で引き出された複数のデータ接続線を備える。帯電防止領域204は帯電防止回路を備え、静電気を除去することにより表示基板の静電損傷を防止するように構成される。駆動チップ領域205は集積回路(Integrated Circuit、ICと略称)を備え、複数のデータ接続線に接続するように構成される。ボンディング電極領域206は複数のボンディングパッド(Bonding Pad)を備え、外部のフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit、FPCと略称)にボンディング接続するように構成される。
【0049】
図3は本開示の第1ファンアウト領域の構造模式図であって、
図2におけるC領域の拡大図であり、
図4は
図3におけるA-A方向の断面図である。
図3に示すように、表示基板に平行する平面内に、ボンディング領域200は表示領域100の片側に位置し、ボンディング領域200の第1ファンアウト領域は表示領域の縁部110に近接する。第1ファンアウト領域は第1電源コード210、第2電源コード220及びデータファンアウトライン(図示せず)を備える。第1電源コード210は表示領域100の高電圧電源コードに接続され、表示領域100の複数の表示ユニットに高電圧信号を伝送するように構成される。第2電源コード220は縁部領域300の低電圧電源コードに接続され、表示領域100の複数の表示ユニットに低電圧信号を伝送するように構成される。第1ファンアウト領域は更に第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及びアイソレーション溝500を備え、水蒸気が表示領域100に入ることを阻止するように構成される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は、ボンディング領域200及び縁部領域300に設置され、ボンディング領域200及び縁部領域300で表示領域100を取り囲む環状構造を形成する。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は、表示領域100の外周から表示領域100に入る水蒸気を阻止するように構成される。ボンディング領域200において、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は、表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在し、第1アイソレーションダム410と表示領域の縁部110との距離は第2アイソレーションダム420と表示領域の縁部110との距離より小さく、即ち第2アイソレーションダム420は、第1アイソレーションダム410の表示領域100から離れる側に設置される。アイソレーション溝500はボンディング領域200に設置され、第1電源コード210の縁部及び第2電源コード220の縁部に沿って表示領域100に入る水蒸気を阻止するように構成される。アイソレーション溝500は表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在し、アイソレーション溝500と表示領域の縁部110との距離は第1アイソレーションダム410と表示領域の縁部110との距離より小さく、即ちアイソレーション溝500は表示領域の縁部110と第1アイソレーションダム410との間に設置される。
【0050】
図4に示すように、表示基板に垂直する平面において、ボンディング領域200の第1ファンアウト領域は基板10に設置される複合絶縁層と、複合絶縁層に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220と、第1電源コード210及び第2電源コード220に設置される第1平坦層15、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420と、第1平坦層15に設置される画素定義層22と、画素定義層22に設置される陰極24と、上記構造を被覆する第1パッケージ層25とを備える。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は第2電源コード220に設置され、且つ第1パッケージ層25により包まれる。第1アイソレーションダム410は第1ダムベースとスペーサコラムにより構成され、第2アイソレーションダム420は平坦ダムベース、第2ダムベース及びスペーサコラムにより構成される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420の近傍の領域の第1平坦層15が除去されて、第2電源コード220を露出させ、パッケージ層25は該領域で露出する第2電源コード220を被覆する。第1電源コード210の縁部及び第2電源コード220の縁部から侵入する水蒸気を阻止するために、第1電源コード210上の第1平坦層15にアイソレーション溝500が設置され、アイソレーション溝500における第1平坦層15が除去されて、第1電源コード210の表面を露出させ、パッケージ層25にアイソレーション溝500内に露出する第1電源コード210の表面を被覆させる。アイソレーション溝500に露出する第1電源コード210が陰極24に接触することを回避するよう、アイソレーション溝500を陰極24の表示領域から離れる縁部と第1アイソレーションダム410との間に設置する。いくつかの実施例では、アイソレーション溝500の位置はボンディング領域のサイズ、第1電源コード210のコード幅及び第2電源コード220のコード幅に基づいて設計されてもよい。アイソレーション溝500が陰極24を離れるように確保する上で、アイソレーション溝500を第1平坦層15及び画素定義層22に設置してもよく、本開示はここで具体的に制限しない。
【0051】
図2及び
図3に示すように、第1電源コード210は第1棒状ブロック2101及び第2棒状ブロック2102を備える。第1棒状ブロック2101は表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在し、第2棒状ブロック2102は表示領域100を離れる方向に沿って延在し、第2棒状ブロック2102の表示領域100に近接する端は第1棒状ブロック2101に接続されてT型構造を形成する。第2電源コード220は第3棒状ブロック2201及び第4棒状ブロック2202を備える。第3棒状ブロック2201は表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在し、第4棒状ブロック2202は表示領域100を離れる方向に沿って延在し、第4棒状ブロック2202の表示領域100に近接する端は第3棒状ブロック2201に接続されてコーナー構造を形成する。第2電源コード220は、第1棒状ブロック2101の表示領域100から離れる側に位置し、第2棒状ブロック2102のデータファンアウトラインから離れる側に位置する。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は、第1電源コード210の第2棒状ブロック2102及び第2電源コード220の第3棒状ブロック2201に設置され、アイソレーション溝500は第1電源コード210の第1棒状ブロック2101に設置される。
【0052】
図5は本開示の表示基板の構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図であり、単層のソースドレイン金属層(1SD)構造の表示領域及びボンディング領域の断面構造を模式的に示す。表示基板に平行する平面方向において、表示基板は表示領域100及びボンディング領域200を備え、ボンディング領域200は表示領域100の片側に位置する。表示基板に垂直する平面方向において、表示領域100はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される駆動構造層と、駆動構造層に設置される発光素子と、発光素子を被覆する複合パッケージ層とを備える。ボンディング領域200はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置されるボンディング構造層と、ボンディング構造層に設置されるアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600とを備える。アイソレーション領域600内には、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420と、アイソレーション溝500、第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及びアイソレーション領域600を被覆する無機パッケージ層とが設置される。
【0053】
例示的な実施形態では、表示領域100の駆動構造層は、画素駆動回路を形成する複数のトランジスタ及び蓄電コンデンサを備える。
図5には1つの第1トランジスタ101及び1つの第1蓄電コンデンサ102を例として模式的に示し、第1トランジスタ101は駆動トランジスタであってもよい。表示領域100の駆動構造層は、フレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設置される活性層と、活性層を被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層と、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層と、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置されるソースドレイン金属層とを備える。活性層は少なくとも第1活性層を備える。第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極及び第1コンデンサ電極を備える。第2ゲート金属層は少なくとも第2コンデンサ電極を備える。ソースドレイン金属層は少なくとも第1ソース電極及び第1ドレイン電極を備える。第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極により第1トランジスタ101が構成される。第1コンデンサ電極と第2コンデンサ電極により第1蓄電コンデンサ102が構成される。ソースドレイン金属層は第1ソースドレイン金属層(SD1)とも称される。表示領域100の駆動構造層に第1平坦層15が設置され、発光素子は第1平坦層15に設置される。発光素子は陽極21、画素定義層22、有機発光層23及び陰極24を備える。陽極21は、第1平坦層15に開設された第1ビアによって第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続される。複合パッケージ層は、積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備える。有機材料の第2パッケージ層26は、無機材料の第1パッケージ層25と第3パッケージ層27との間に設置される。
【0054】
ボンディング領域200のボンディング構造層は、複数の無機絶縁層からなる複合絶縁層と、複合絶縁層に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220とを備える。複合絶縁層は、フレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14を備える。上記絶縁層はいずれも無機絶縁層である。第1電源コード210及び第2電源コード220は、第4絶縁層14に設置され、表示領域の第1ソース電極及び第1ドレイン電極と同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。ボンディング領域200のボンディング構造層に第1平坦層15が設置され、第1平坦層15にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が設置される。アイソレーション溝500は第1電源コード210の位置する領域に設置され、アイソレーション溝500は第1電源コード210の表面を露出させる。アイソレーション領域600は第2電源コード220の表示領域100から離れる側に設置され、アイソレーション領域600内に第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は第2電源コード220に設置される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420の位置する箇所を除き、アイソレーション領域600の他の位置に第2電源コード220及び複合絶縁層の表面が露出する。無機パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を備える。無機材料の第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27は、アイソレーション溝500及びアイソレーション領域600を被覆し、且つ第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む。また、表示領域100に近接する第1平坦層15に画素定義層22が設置され、画素定義層22には間隔を置いて設置される複数のスペーサコラム33が設置され、陰極24は複数のスペーサコラム33を包む。
【0055】
例示的な実施形態では、アイソレーション溝500は1つ又は複数であってもよい。アイソレーション溝500の幅は約20μm~約50μmである。アイソレーション溝500と表示領域の縁部110との距離は第1アイソレーションダム410と表示領域の縁部110との距離より小さく、アイソレーション溝500と表示領域の縁部110との距離は陰極24の縁部と表示領域の縁部110との距離より大きい。
【0056】
以下、表示基板の製造過程の例によって本開示の表示基板の構造を説明する。本開示に言及した「パターニングプロセス」はフィルム層の堆積、フォトレジストのコーティング、マスクの露出、現像、エッチング及びフォトレジストの剥離等の処理を含む。堆積はスパッタリング、蒸着及び化学気相堆積から選ばれるいずれか1つ又は複数を用いてもよい。コーティングはスプレー及びスピンコートから選ばれるいずれか1つ又は複数を用いてもよい。エッチングはドライエッチング及びウェットエッチングから選ばれるいずれか1つ又は複数を用いてもよい。「薄膜」とはある材料を基板で堆積又はコーティングプロセスにより製造した1層の薄膜を指す。製造過程全体において該「薄膜」がパターニングプロセスを実行する必要がない場合、該「薄膜」は更に「層」と称されてもよい。製造過程全体において該「薄膜」がパターニングプロセスを実行する必要がある場合、パターニングプロセスの前に「薄膜」と称され、パターニングプロセスの後で「層」と称される。パターニングプロセスを実行した後の「層」に少なくとも1つの「パターン」が含まれる。本開示に言及した「AとBが同一層に設置される」とは、AとBが同一パターニングプロセスにより同時に形成されることを意味する。「Aの正投影がBの正投影を含む」とは、Bの正投影がAの正投影の範囲内に位置し、又はAの正投影がBの正投影を被覆することを意味する。
【0057】
(1)ガラス基板1にフレキシブル基板10を製造する。本開示では、フレキシブル基板10はガラス基板1に積層設置される第1可撓性材料層、第1無機材料層、半導体層、第2可撓性材料層及び第2無機材料層を備える。第1、第2可撓性材料層の材料はポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は表面処理後の軟質ポリマーフィルム等の材料を用いてもよく、第1、第2無機材料層の材料は窒化ケイ素(SiNx)又は酸化ケイ素(SiOx)等を用いてもよく、基板の耐水性・耐酸素性を向上させることに用いられる。第1、第2無機材料層はバリア(Barrier)層とも称され、半導体層の材料はアモルファスシリコン(a-si)を用いてもよい。1つの例示的な実施形態では、積層構造PI1/Barrier1/a-si/PI2/Barrier2を例とし、
図6に示されるように、その製造過程は、まず、ガラス基板1に1層のポリイミドを塗布し、硬化成膜後に第1可撓性(PI1)層を形成することと、その後、第1可撓性層に1層のバリア薄膜を堆積して、第1可撓性層を被覆する第1バリア(Barrier1)層を形成することと、次に、第1バリア層に1層のアモルファスシリコン薄膜を堆積して、第1バリア層を被覆するアモルファスシリコン(a-si)層を形成することと、次に、アモルファスシリコン層に1層のポリイミドを塗布し、硬化成膜後に第2可撓性(PI2)層を形成することと、次に、第2可撓性層に1層のバリア薄膜を堆積して、第2可撓性層を被覆する第2バリア(Barrier2)層を形成し、フレキシブル基板10の製造を完了することと、を含んでもよい。今回のプロセスの後で、表示領域100及びボンディング領域200はいずれもフレキシブル基板10を備える。
【0058】
(2)フレキシブル基板10において駆動構造層及びボンディング構造層パターンを製造する。表示領域100の駆動構造層は画素駆動回路を構成する第1トランジスタ101及び第1蓄電コンデンサ102を備え、ボンディング領域200のボンディング構造層は第1電源コード210及び第2電源コード220を備える。例示的な実施形態では、駆動構造層の製造過程は以下を含んでもよい。
【0059】
フレキシブル基板10に第1絶縁薄膜及び活性層薄膜を順次堆積し、パターニングプロセスにより活性層薄膜をパターニングして、フレキシブル基板10全体を被覆する第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設置される活性層パターンとを形成し、活性層パターンは少なくとも第1活性層を備える。今回のパターニングプロセスの後で、ボンディング領域200はフレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11を備える。
【0060】
その後、第2絶縁薄膜及び第1金属薄膜を順次堆積し、パターニングプロセスにより第1金属薄膜をパターニングして、活性層パターンを被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層パターンとを形成し、第1ゲート金属層パターンは少なくとも第1ゲート電極及び第1コンデンサ電極を備える。今回のパターニングプロセスの後で、ボンディング領域200はフレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11及び第2絶縁層12を備える。
【0061】
その後、第3絶縁薄膜及び第2金属薄膜を順次堆積し、パターニングプロセスにより第2金属薄膜をパターニングして、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層パターンとを形成し、第2ゲート金属層パターンは少なくとも第2コンデンサ電極を備え、第2コンデンサ電極の位置は第1コンデンサ電極の位置に対応する。今回のパターニングプロセスの後で、ボンディング領域200はフレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層12及び第3絶縁層13を備える。
【0062】
その後、第4絶縁薄膜を堆積し、パターニングプロセスにより第4絶縁薄膜をパターニングして、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14のパターンを形成し、第4絶縁層14に少なくとも2つの第1ビアが開設され、2つの第1ビア内の第4絶縁層14、第3絶縁層13及び第2絶縁層12がエッチングされて、第1活性層の表面を露出させる。今回のパターニングプロセスの後で、ボンディング領域200はフレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14を備える。
【0063】
その後、第3金属薄膜を堆積し、パターニングプロセスにより第3金属薄膜をパターニングして、第4絶縁層14にソースドレイン金属層のパターンを形成し、ソースドレイン金属層は少なくとも表示領域100に位置する第1ソース電極及び第1ドレイン電極と、ボンディング領域200に位置する第1電源コード210及び第2電源コード220とを備え、第1ソース電極及び第1ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第1活性層に接続される。
【0064】
これにより、
図7に示されるように、フレキシブル基板10に表示領域100の駆動構造層及びボンディング領域200のボンディング構造層のパターンが製造された。表示領域100の駆動構造層において、第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極により第1トランジスタ101が構成され、第1コンデンサ電極と第2コンデンサ電極により第1蓄電コンデンサ102が構成される。ボンディング領域200のボンディング構造層はフレキシブル基板10に設置される複合絶縁層と、複合絶縁層に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220とを備える。複合絶縁層は積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14を備える。例示的な実施形態では、第1電源コード210と第2電源コード220との距離は約50μm~約100μmである。
【0065】
例示的な実施形態では、第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層は酸化シリコン(SiOx)、窒化シリコン(SiNx)及び酸窒化ケイ素(SiON)のうちのいずれか1つ又は複数を用いてもよく、単層、多層又は複合層であってもよい。第1絶縁層はバッファ(Buffer)層とも称され、基板の耐水性・耐酸素性を向上させることに用いられ、第2絶縁層及び第3絶縁層はゲート絶縁(GI)層とも称され、第4絶縁層は層間絶縁(ILD)層とも称される。第1金属薄膜、第2金属薄膜及び第3金属薄膜は金属材料、例えば銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)及びモリブデン(Mo)のうちのいずれか1つ又は複数のもの、又は上記金属の合金材料、例えばアルミニウムネオジム合金(AlNd)又はモリブデンニオブ合金(MoNb)を用いてもよく、単層構造、又は多層複合構造例えばTi/Al/Ti等であってもよい。活性層薄膜はアモルファス酸化インジウムガリウム亜鉛材料(a-IGZO)、酸窒化亜鉛(ZnON)、酸化インジウム亜鉛スズ(IZTO)、アモルファスシリコン(a-Si)、多結晶シリコン(p-Si)、セキシチオフェン、ポリチオフェン等の様々な材料を用いてもよい。即ち本開示は酸化物(Oxide)技術、シリコン技術及び有機物技術により製造されたトランジスタに適用される。
【0066】
(3)
図8に示されるように、上記パターンを形成したフレキシブル基板に有機材料の平坦薄膜をコーティングして、フレキシブル基板10全体を被覆する第1平坦(PLN)層15を形成し、マスク、露出、現像プロセスにより第1平坦層15に第2ビアK2、アイソレーション溝500、アイソレーション領域600及び平坦ダムベース30のパターンを形成し、第1平坦層15は本開示の有機絶縁層とされる。第2ビアK2は表示領域100に形成され、第2ビア内の第1平坦層15が現像されて、第1トランジスタ101の第1ドレイン電極の表面を露出させる。アイソレーション溝500はボンディング領域200における第1電源コード210の位置する箇所に形成され、アイソレーション溝500における第1平坦層15が現像されて、第1電源コード210の表面を露出させる。アイソレーション領域600はボンディング領域200における第2電源コード220の表示領域100から離れる側に形成され、アイソレーション領域600における第2電源コード220に平坦ダムベース30が設置される。平坦ダムベース30を除き、アイソレーション領域600の他の箇所での第1平坦層15が現像されて、第2電源コード220の表面及び第4絶縁層14の表面を露出させる。例示的な実施形態では、ボンディング領域200のアイソレーション溝500は、第1電源コード210の縁部及び第2電源コード220の縁部に沿って表示領域100に入る水蒸気を阻止することに用いられる。アイソレーション領域600は第2電源コード220に2つのアイソレーションダムを形成することに用いられ、平坦ダムベース30は第2アイソレーションダムのダムベースである。いくつかの実施例では、アイソレーション溝500の幅は約20μm~約50μmであり、1つであってもよく、2つであってもよく、3つ以上であってもよく、平坦ダムベース30の幅は約20μm~約60μmである。
【0067】
いくつかの実施例では、アイソレーション溝500とアイソレーション領域600との間の領域の第1平坦層15が落ちるリスクを低減するよう、アイソレーション溝500のアイソレーション領域600に近接する側の縁部とアイソレーション領域600のアイソレーション溝500に近接する側の縁部との距離L0を約40μm~約100μmにする。例示的な実施形態では、表示領域の縁部に平行する方向において、アイソレーション溝500の長さは、アイソレーション溝500の位置する箇所での第1電源コード210の長さに等しく、即ちアイソレーション溝500のフレキシブル基板10での正投影の長さは、第1電源コード210のフレキシブル基板10での正投影の長さに等しく、アイソレーション溝500において、第1電源コード210の表面が露出する。いくつかの実施例では、表示領域の縁部に平行する方向において、アイソレーション溝500の長さは、アイソレーション溝500の位置する箇所での第1電源コード210の長さより大きくてもよい。アイソレーション溝500のフレキシブル基板10での正投影の長さは、第1電源コード210のフレキシブル基板10での正投影の長さを含む。第1電源コード210の位置する領域において、アイソレーション溝500において、第1電源コード210の表面が露出し、第1電源コード210以外の領域において、アイソレーション溝500において、複合絶縁層の表面が露出する。複合絶縁層の表面が露出するアイソレーション溝500については、アイソレーション溝500は連続するものであってもよく、間隔を置いて設置されるものであってもよい。
【0068】
今回のパターニングプロセスの後で、ボンディング領域200は、フレキシブル基板10に設置される複合絶縁層と、複合絶縁層に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220と、第1電源コード210及び第2電源コード220に設置される第1平坦層15とを備え、第1平坦層15にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が形成され、アイソレーション領域600内に平坦ダムベース30が形成される。本開示では、「長さ」とは表示領域の縁部方向に沿う特徴サイズを指し、「幅」とは表示領域を離れる方向に沿う特徴サイズを指す。
【0069】
(4)
図9に示されるように、上記パターンを形成したフレキシブル基板に透明導電薄膜を堆積し、パターニングプロセスにより透明導電薄膜をパターニングして、陽極21のパターンを形成し、陽極21は表示領域100の第1平坦層15に形成され、第2ビアK2によって第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続される。
【0070】
今回のパターニングプロセスの後で、ボンディング領域200のフィルム層構造は変化しない。例示的な実施形態では、透明導電薄膜は酸化インジウムスズ(ITO)又は酸化インジウム亜鉛(IZO)を用いてもよい。
【0071】
(5)上記パターンを形成した基板に画素定義薄膜をコーティングし、マスク、露出、現像プロセスにより画素定義(PDL)層22、第1ダムベース31及び第2ダムベース32のパターンを形成し、画素定義層22は表示領域100及びボンディング領域200の表示領域100に近接する部分領域に形成され、表示領域100の画素定義層22に画素開口が開設され、画素開口内の画素定義層22が現像されて、陽極21の表面を露出させる。
図10に示されるように、第1ダムベース31及び第2ダムベース32はボンディング領域200のアイソレーション領域600に形成され、第1ダムベース31はアイソレーション領域600における第2電源コード220に形成され、第2ダムベース32は平坦ダムベース30に形成され、第1ダムベース31と表示領域100との距離は、第2ダムベース32と表示領域100との距離より小さい。本開示では、第1ダムベース31は第1アイソレーションダムを形成することに用いられ、平坦ダムベース30及び第2ダムベース32は第2アイソレーションダムを形成することに用いられる。例示的な実施形態では、画素定義層はポリイミド、アクリル又はポリエチレンテレフタレート等を用いてもよい。
【0072】
(6)
図11に示されるように、上記パターンを形成したフレキシブル基板に有機材料薄膜をコーティングし、マスク、露出、現像プロセスにより複数のスペーサコラム(PS)33のパターンを形成し、複数のスペーサコラム33はそれぞれボンディング領域200の画素定義層22、第1ダムベース31及び第2ダムベース32に形成される。例示的な実施形態では、フレキシブル基板10に垂直する方向において、平坦ダムベース30、第1ダムベース31、第2ダムベース32及びスペーサコラム33の断面形状は台形であり、第1ダムベース31とその上のスペーサコラム33により第1支持ダム410が構成され、平坦ダムベース30、第2ダムベース32及びその上のスペーサコラム33により第2支持ダム420が構成され、第1支持ダム410の上端面とフレキシブル基板10との距離は、第2支持ダム420の上端面とフレキシブル基板10との距離より小さく、第1支持ダム410と表示領域100との距離は、第2支持ダム420と表示領域100との距離より小さい。例示的な実施形態では、第1支持ダム410及び第2支持ダム420のフレキシブル基板10での正投影の幅は約20μm~約60μmであり、第1支持ダム410と第2支持ダム420との距離は約20μm~約60μmである。いくつかの実施例では、第1支持ダム410及び第2支持ダム420のフレキシブル基板10での正投影の幅は約40μmであり、第1支持ダム410と第2支持ダム420との距離は約40μmである。
【0073】
(7)
図12に示されるように、上記パターンを形成したフレキシブル基板に有機発光層23及び陰極24を順次形成する。有機発光層23は積層設置される正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層及び電子注入層を備え、表示領域100の画素開口内に形成され、有機発光層23と陽極21との接続を実現し、陰極24は画素定義層22に形成され、有機発光層23に接続され、画素定義層22における複数のスペーサコラム33を包む。今回のパターニングプロセスにおいて、アイソレーション溝500において第1電源コード210が露出するため、陰極24のボンディング領域200での幅(陰極24の縁部と表示領域の縁部との距離)L1をアイソレーション溝500と表示領域100との距離L2より小さくすることにより、アイソレーション溝500における第1電源コード210が陰極24にオーバーラップされることを回避する。いくつかの実施例では、陰極24の縁部とアイソレーション溝500との距離(L2-L1)は約50μm~約150μmとして設定されてもよく、オープンマスク(Open Mask、OPMと略称)を用いて、陰極の開口縁部とアイソレーション溝との距離を陰極のシャドウマスク(Shadow)の距離より大きく設定することにより実現されてもよい。例示的な実施形態では、陰極はマグネシウム(Mg)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)及びリチウム(Li)のうちのいずれか1つ又は複数を用いてもよく、又は上記金属のうちのいずれか1つ又は複数により製造された合金を用いる。
【0074】
(8)
図13に示されるように、上記パターンを形成した上でパッケージ層を形成し、パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備える。第1パッケージ層25は無機材料を用い、表示領域100において陰極24を被覆し、ボンディング領域200においてそれぞれ複数のスペーサコラム33を包み、アイソレーション溝500を被覆し、アイソレーション領域600を被覆し、アイソレーション領域600における第1支持ダム410及び第2支持ダム420を包む。第2パッケージ層26は有機材料を用い、表示領域100及びボンディング領域200のスペーサコラム33の位置する領域に設置される。第3パッケージ層27は無機材料を用い、第1パッケージ層25及び第2パッケージ層26を被覆する。本開示では、アイソレーション溝500には第1電源コード210を露出させる表面が形成されるため、無機材料の第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27は直接に第1電源コード210を被覆し、有機材料の第1平坦層15において無機材料の隔離構造を形成し、水蒸気の有機材料層に沿う伝送経路を阻止する。アイソレーション領域600には第2電源コード220及び第4絶縁層14を露出させる表面が形成されるため、無機材料の第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27は直接に第2電源コード220及び第4絶縁層14を被覆し、外部の水蒸気が表示領域100に入ることを不能にするように確保することができ、パッケージ効果及びプロセス品質を向上させる。
【0075】
図14は本開示のボンディング領域の縁部の構造模式図であって、
図13におけるD領域の拡大図である。
図14に示すように、ボンディング領域200に第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムを形成するために、第1平坦層の形成プロセスにおいて、第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムの位置する領域及びその近傍の領域(アイソレーション領域600)の第1平坦層を除去する。従って、第1平坦層の形成プロセスの後で、該領域の第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部が露出する。Ti/Al/Ti多層複合構造を用いる第1電源コード210及び第2電源コード220については、後続の陽極のエッチングプロセスにおいて、第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部が陽極エッチング液で浸食される。エッチング液でAlをエッチングする速度はTiをエッチングする速度より大きいため、浸食された第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部に側面凹みが形成され、Al層の上方のTi層はAl層よりある高さ突起し、1つの「軒」構造が形成される。後続の化学気相堆積(CVD)により第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を形成するプロセスにおいて、該「軒」構造は気相堆積された粒子を遮って、側面凹み内にパッケージ材料を充填できないようにして、空洞501を形成する。そうすると、第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27にクラック502が生じる場合、外部の水蒸気はクラック502から空洞501に入ることができ、水蒸気が第1電源コード210の縁部及び第2電源コード220の縁部を流れることをもたらしてしまう。第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部の空洞501は、第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムの位置する領域及びその近傍の領域のみに存在するが、他の領域の第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部が第1平坦層で被覆され、このような空洞を形成することがない。しかしながら、有機材料の第1平坦層自体が水蒸気を伝導するため、水蒸気は表示領域に拡散するまで、空洞501からの放散から第1平坦層からの放散になることができ、水蒸気・酸素の浸食により表示領域にダークスポット不良が生じることをもたらしてしまう。
【0076】
単層のソースドレイン金属層(1SD)構造の表示基板については、本開示は第1平坦層にアイソレーション溝を設置することにより、アイソレーションダムを通る電源コードの縁部に出現する水蒸気侵入経路を隔離する。水蒸気が電源コードの縁部に沿って第1平坦層まで流れた後、水蒸気は第1平坦層において表示領域へ伝導拡散する。第1平坦層にアイソレーション溝が設置されるため、水蒸気はアイソレーション溝により阻止され、水蒸気はアイソレーション溝を迂回しなければ表示領域に入ることができず、侵入経路が大幅に延長され、GDSが発生するリスクを低減し、表示基板に表示不良が生じることを回避し、表示品質を向上させる。本開示の製造プロセスは従来の成熟している製造装置を利用して実現されることができ、従来のプロセスに対する改良が比較的少なく、従来の製造プロセスと良く両立でき、プロセスを容易に実現でき、実施しやすく、生産効率が高く、生産コストが低く、歩留まりが高い。電源コードがアイソレーションダムを通る構造及びプロセス経路は比較的普通であり、電源コードの縁部に水蒸気侵入経路が出現する可能性は高いため、本開示の解決案は広い利用可能性を有する。
【0077】
図3~
図14に示すように、本開示に係る表示基板は、
フレキシブル基板10と、
フレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11と、
第1絶縁層11に設置される第1活性層と、
第1活性層を被覆する第2絶縁層12と、
第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層(第1ゲート金属層は表示領域100に設置され、第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極及び第1コンデンサ電極を備える)と、
第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、
第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層(第2ゲート金属層は表示領域100に設置され、第2ゲート金属層は少なくとも第2コンデンサ電極を備える)と、
第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14(表示領域100の第4絶縁層14に第1ビアが開設され、第1ビアに第1活性層が露出する)と、
第4絶縁層14に設置されるソースドレイン金属層(ソースドレイン金属層は少なくとも表示領域100の第1ソース電極及び第1ドレイン電極と、ボンディング領域200の第1電源コード210及び第2電源コード220とを備え、第1ソース電極及び第1ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第1活性層に接続される)と、
上記構造を被覆する第1平坦層15(表示領域100において、第1平坦層15には第1ドレイン電極を露出させる第2ビアK2が設置され、ボンディング領域200において、第1平坦層15にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が設置され、アイソレーション溝500に第1電源コード210の表面が露出し、アイソレーション領域600における第2電源コード220に平坦ダムベース30が設置され、平坦ダムベース30以外の位置に第2電源コード220及び第4絶縁層14が露出する)と、
表示領域100に形成される陽極21(陽極21は第2ビアによって第1ドレイン電極に接続される)と、
画素定義層22、第1ダムベース31及び第2ダムベース32(画素定義層22に画素開口が設置され、画素開口に陽極21が露出し、第1ダムベース31はアイソレーション領域600における第2電源コード220に設置され、第2ダムベース32は平坦ダムベース30に設置される)と、
画素定義層22、第1ダムベース31及び第2ダムベース32に設置される複数のスペーサコラム33と、
陽極21に接続される有機発光層23と、
有機発光層23に接続される陰極24(ボンディング領域200において陰極の縁部と表示領域100との距離は、アイソレーション溝500と表示領域100との距離より小さい)と、
上記構造を被覆するパッケージ層と、を備える。
【0078】
本開示の表示基板の構造及びその製造過程は例示的な説明に過ぎない。例示的な実施形態では、実際の必要に応じて対応の構造を変更し、及びパターニングプロセスを追加又は削除することができる。例えば、表示基板に平行する平面において、アイソレーション溝は円弧形又は折れ線形であってもよい。更に例えば、表示基板に垂直する平面において、アイソレーション溝の断面形状は矩形又は台形であってもよく、本開示はここで具体的に制限しない。
【0079】
図15は本開示の表示基板の他の構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図である。
図15に示すように、表示基板は表示領域100及びボンディング領域200を備え、ボンディング領域200は表示領域100の片側に位置し、表示領域100はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される駆動構造層と、駆動構造層に設置される発光素子と、発光素子を被覆する複合パッケージ層とを備える。ボンディング領域200はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置されるボンディング構造層と、ボンディング構造層に設置されるアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600とを備える。アイソレーション領域600には第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420と、アイソレーション溝500、第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及びアイソレーション領域600を被覆する無機パッケージ層とが設置される。例示的な実施形態では、表示領域100及びボンディング領域200のボンディング構造層の構造は上記実施例に説明される対応構造と類似し、ボンディング領域200のボンディング構造層に第1平坦層15が設置され、第1平坦層15にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が設置され、アイソレーション溝500は第2電源コード220の位置する領域に設置され、アイソレーション溝500に第2電源コード220の表面が露出し、アイソレーション領域600の第2電源コード220に第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置され、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420以外の領域に第2電源コード220及び複合絶縁層の表面が露出する。無機パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を備え、無機材料の第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27はアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600を被覆し、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む。いくつかの実施例では、アイソレーション溝500の第1アイソレーションダム410に近接する側の縁部と第1アイソレーションダム410のアイソレーション溝500に近接する側の縁部との距離は約40μm~約60μmである。
【0080】
図16は本開示の表示基板の更なる構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図である。
図16に示すように、表示基板は表示領域100及びボンディング領域200を備え、ボンディング領域200は表示領域100の片側に位置し、表示領域100はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される駆動構造層と、駆動構造層に設置される発光素子と、発光素子を被覆する複合パッケージ層とを備える。ボンディング領域200はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置されるボンディング構造層と、ボンディング構造層に設置されるアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600とを備える。アイソレーション領域600には第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420と、アイソレーション溝500、第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及びアイソレーション領域600を被覆する無機パッケージ層とが設置される。例示的な実施形態では、表示領域100及びボンディング領域200のボンディング構造層の構造は上記実施例に説明される対応構造と類似し、ボンディング領域200のボンディング構造層に第1平坦層15が設置され、第1平坦層15にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が設置され、アイソレーション溝500は第1電源コード210と第2電源コード220との間の領域に設置され、アイソレーション溝500に第1電源コード210と第2電源コード220との間の領域の第4絶縁層14の表面が露出し、アイソレーション領域600の第2電源コード220に第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置され、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420以外の領域に第2電源コード220及び複合絶縁層の表面が露出する。無機パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を備え、無機材料の第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27はアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600を被覆し、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む。いくつかの実施例では、アイソレーション溝500の第1アイソレーションダム410に近接する側の縁部と第1アイソレーションダム410のアイソレーション溝500に近接する側の縁部との距離は約40μm~約60μmである。
【0081】
図17は本開示の表示基板の更なる構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図である。表示領域100における発光素子及び複合パッケージ層、ボンディング領域200におけるアイソレーション溝、アイソレーション領域、第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムの構造は上記実施例に説明される対応構造と類似する。上記実施例に説明される構造との相違点は、表示基板が更に第5絶縁層16を備えることである。
図17に示すように、表示領域100の駆動構造層は、フレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設置される活性層と、第1活性層を被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層と、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層と、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置されるソースドレイン金属層と、ソースドレイン金属層を被覆する第5絶縁層16とを備える。第1平坦層15は駆動構造層に設置され、発光素子は第1平坦層15に設置され、発光素子の陽極21は第5絶縁層16と第1平坦層15とを貫通するビアによって、第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続される。ボンディング領域200のボンディング構造層は、フレキシブル基板10に積層設置される無機材料の第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220と、第1電源コード210及び第2電源コード220に設置される第5絶縁層16とを備える。第1平坦層15はボンディング構造層に設置され、第1平坦層15にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が設置される。アイソレーション溝500は第1電源コード210の位置する領域に設置され、アイソレーション溝500に第5絶縁層16の表面が露出する。アイソレーション領域600において第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420の位置する領域の第5絶縁層16が除去されて、第2電源コード220の表面を露出させる。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は第2電源コード220に設置される。無機パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を備える。無機材料の第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27は、アイソレーション溝500及びアイソレーション領域600を被覆し、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む。
【0082】
例示的な実施形態では、第1電源コード210が第5絶縁層16で被覆されるため、アイソレーション溝500に第5絶縁層16の表面が露出し、後続に形成された陰極が第1電源コード210にオーバーラップされる可能性がない。従って、アイソレーション溝500と表示領域100との距離L2は大幅に短縮されることができ、後続に形成された陰極の縁部とアイソレーション溝500との距離は50μmより小さくてもよい。これは、アイソレーション溝500の位置分布に役立ち、アイソレーション溝500が表示領域100に近接することができ、水蒸気侵入経路の距離を延長させ、水蒸気隔離効果を向上させるだけではなく、アイソレーション溝及び陰極の製造プロセスを簡素化し、生産効率を向上させることにも役立つ。例示的な実施形態では、第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部が第5絶縁層16で被覆されるため、後続の陽極のエッチングプロセスにおいて、第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部がエッチング液で浸食されず、側面凹みを形成することがない。従って、第1電源コード210の縁部及び第2電源コード220の縁部に水蒸気流通経路を形成することを回避し、水蒸気侵入経路の数を減少させる。
【0083】
いくつかの可能な実現方式では、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420の位置する領域の第5絶縁層16が保持されることができ、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は第5絶縁層16の表面に設置されてもよい。いくつかの可能な実現方式では、アイソレーション溝500は第2電源コード220の位置する領域に設置されてもよく、又は、アイソレーション溝500は第1電源コード210と第2電源コード220との間の領域に設置されてもよく、本開示はここで具体的に制限しない。
【0084】
図18は本開示の表示基板の更なる構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図であり、二層のソースドレイン金属層(2SD)構造の表示領域及びボンディング領域の断面構造を模式的に示す。表示基板に平行する平面方向において、表示基板は表示領域100及びボンディング領域200を備え、ボンディング領域200は表示領域100の片側に位置する。表示基板に垂直する平面方向において、表示領域100はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される駆動構造層と、駆動構造層に設置される発光素子と、発光素子を被覆する複合パッケージ層とを備える。ボンディング領域200はフレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置されるボンディング構造層と、ボンディング構造層に設置されるアイソレーション溝500と、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置されるアイソレーション領域600と、アイソレーション溝500、第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及びアイソレーション領域600を被覆する無機パッケージ層とを備える。
【0085】
例示的な実施形態では、表示領域100の駆動構造層は画素駆動回路を形成する複数のトランジスタ及び蓄電コンデンサを備え、
図18には1つの第1トランジスタ101及び1つの第1蓄電コンデンサ102を例として模式的に示す。表示領域100の駆動構造層は、フレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設置される活性層と、第1活性層を被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層と、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層と、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置されるソースドレイン金属層と、ソースドレイン金属層を被覆する第5絶縁層16と、第5絶縁層16に設置される第1平坦層15と、第1平坦層15に設置される金属導電層とを備える。活性層は少なくとも第1活性層を備え、第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極及び第1コンデンサ電極を備え、第2ゲート金属層は少なくとも第2コンデンサ電極を備え、ソースドレイン金属層は少なくとも第1ソース電極及び第1ドレイン電極を備え、金属導電層は少なくとも第1接続電極801を備え、第1接続電極801はビアによって第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続され、第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極により第1トランジスタ101が構成され、第1コンデンサ電極と第2コンデンサ電極により第1蓄電コンデンサ102が構成される。いくつかの実施例では、ソースドレイン金属層は第1ソースドレイン金属層(SD1)とも称され、金属導電層は第2ソースドレイン金属層(SD2)とも称される。表示領域100の駆動構造層に第2平坦層17が設置され、第2平坦層17は金属導電層を被覆し、発光素子は第2平坦層17に設置され、発光素子は陽極21、画素定義層22、有機発光層23及び陰極24を備え、陽極21は第2平坦層17に開設されたビアによって接続電極801に接続され、これにより、陽極21と第1トランジスタ101の第1ドレイン電極との接続を実現する。複合パッケージ層は、積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備え、有機材料の第2パッケージ層26は無機材料の第1パッケージ層25と第3パッケージ層27との間に設置される。
【0086】
ボンディング領域200のボンディング構造層はフレキシブル基板10に積層設置される無機材料の第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13、第4絶縁層14及び第5絶縁層16と、第5絶縁層16に設置される有機材料の第1平坦層15と、第1平坦層15に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220とを備え、第2電源コード220の表示領域100から離れる縁部は、第1平坦層15の表示領域100から離れる縁部を被覆する。第1電源コード210及び第2電源コード220は表示領域100の金属導電層と同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。ボンディング領域200のボンディング構造層に第2平坦層17が設置され、第2平坦層17は本開示の有機絶縁層とされ、第2平坦層17にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が設置される。アイソレーション溝500は第1電源コード210の位置する領域に設置され、アイソレーション溝500に第1電源コード210の表面が露出する。アイソレーション領域600は第2電源コード220の表示領域100から離れる側に設置され、アイソレーション領域600に第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は第2電源コード220に設置される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420の位置する箇所を除き、アイソレーション領域600の他の位置に第2電源コード220及び第5絶縁層16の表面が露出する。無機パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を備え、無機材料の第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27は、アイソレーション溝500及びアイソレーション領域600を被覆し、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む。また、表示領域100に近接する第2平坦層17に画素定義層22が設置され、画素定義層22には間隔を置いて設置される複数のスペーサコラム33が設置され、陰極24は複数のスペーサコラム33を包む。
【0087】
例示的な実施形態では、アイソレーション溝500は1つ又は複数であってもよい。アイソレーション溝500の幅は約20μm~約50μmであり、アイソレーション溝500と表示領域の縁部110との距離は第1アイソレーションダム410と表示領域の縁部110との距離より小さく、アイソレーション溝500と表示領域の縁部110との距離は陰極24の縁部と表示領域の縁部110との距離より大きい。アイソレーション溝500は第2電源コード220の位置する領域に設置されてもよく、アイソレーション溝500に第2電源コード220の表面が露出する。又は、アイソレーション溝500は第1電源コード210と第2電源コード220との間の領域に設置されてもよく、アイソレーション溝500における第1平坦層15及び第2平坦層17が除去されて、第1電源コード210と第2電源コード220との間の領域の第5絶縁層16の表面を露出させる。
【0088】
いくつかの可能な実現方式では、第1電源コード210及び第2電源コード220は第4絶縁層14に形成されてもよく、表示領域100のソースドレイン金属層と同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。第5絶縁層16、第1平坦層15及び第2平坦層17を形成した後、アイソレーション溝500における第1平坦層15及び第2平坦層17が除去されて、アイソレーション溝500に第5絶縁層16の表面を露出させる。第2電源コード220の位置する箇所で、一部の領域の第5絶縁層16、第1平坦層15及び第2平坦層17を除去することにより、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を第2電源コード220に設置する。いくつかの可能な実現方式では、アイソレーション溝500は第2電源コード220の位置する箇所に設置されてもよく、又は第1電源コード210と第2電源コード220との間の領域に設置され、本開示はここで具体的に制限しない。
【0089】
二層のソースドレイン金属層(2SD)構造の表示基板については、本開示は第2平坦層にアイソレーション溝を設置することにより、第1電源コード210の縁部及び第2電源コード220の縁部に出現する水蒸気侵入経路を隔離する。水蒸気が第1電源コード210の縁部及び第2電源コード220の縁部に沿って第2平坦層まで流れた後、水蒸気は第2平坦層において表示領域へ伝導拡散する。第2平坦層にアイソレーション溝が設置されるため、水蒸気はアイソレーション溝により阻止され、水蒸気はアイソレーション溝を迂回しなければ表示領域に入ることができず、侵入経路が大幅に延長され、GDSが発生するリスクを低減し、表示基板に表示不良が生じることを回避し、表示品質を向上させる。
【0090】
図19は本開示の表示基板の更なる構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図である。表示領域100における構造、ボンディング領域200におけるアイソレーション溝、アイソレーション領域、第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムの構造は
図18に示される実施例に説明される対応構造と類似し、
図18に示される実施例に説明される構造との相違点は、ボンディング領域200のボンディング構造層が更に第2接続電極802及び第3接続電極803を備えることである。
図19に示すように、ボンディング領域200のボンディング構造層は、フレキシブル基板10に積層設置される無機材料の第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置される第2接続電極802及び第3接続電極803と、第2接続電極802及び第3接続電極803に設置される第5絶縁層16と、第5絶縁層16に設置される第1平坦層15と、第1平坦層15に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220とを備える。第1電源コード210は第1平坦層15と第5絶縁層16とを貫通するビアによって、第2接続電極802に接続される。第2電源コード220は第1平坦層15と第5絶縁層16とを貫通するビアによって、第3接続電極803に接続される。第2電源コード220の表示領域100から離れる縁部は第1平坦層15の表示領域100から離れる縁部を被覆する。第2接続電極802及び第3接続電極803は、表示領域100のソースドレイン金属層と同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。第1電源コード210及び第2電源コード220は、表示領域100の金属導電層と同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。
【0091】
例示的な実施形態では、ボンディング領域200において第2接続電極802及び第3接続電極803を製造することにより、第1電源コード210と第2接続電極802とをビアにより接続し、第2電源コード220と第3接続電極803とをビアにより接続し、第1電源コード210及び第2電源コード220の分布柔軟性を向上させ、ボンディング領域200のフィルム層構造を最適化することに役立つ。
【0092】
図20は本開示の表示基板の更なる構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図である。表示領域100における構造、ボンディング領域200におけるアイソレーション溝、アイソレーション領域、第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムの構造は
図19に示される実施例に説明される対応構造と類似し、
図19に示される実施例に説明される構造との相違点は、ボンディング領域200のボンディング構造層に第5絶縁層が設置されていないことである。
図20に示すように、ボンディング領域200のボンディング構造層は、フレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置される第2接続電極802及び第3接続電極803と、第2接続電極802及び第3接続電極803に設置される第1平坦層15と、第1平坦層15に設置される第1電源コード210及び第2電源コード220とを備える。第1電源コード210はビアによって第2接続電極802に接続され、第2電源コード220はビアによって第3接続電極803に接続される。例示的な実施形態では、第5絶縁層16を形成しないため、製造プロセスの回数を減少させ、プロセスの複雑度を低減する。
【0093】
図21は本開示の表示基板の更なる構造模式図であって、
図3におけるB-B方向の断面図である。表示領域100における構造、ボンディング領域200におけるアイソレーション溝、アイソレーション領域、第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムの構造は
図20に示される実施例に説明される対応構造と類似し、
図20に示される実施例に説明される構造との相違点は、ボンディング領域200の第1平坦層15が除去されることである。
図21に示すように、ボンディング領域200のボンディング構造層は、フレキシブル基板10に積層設置される第1絶縁層11、第2絶縁層12、第3絶縁層13及び第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置される第2接続電極802及び第3接続電極803と、第2接続電極802に設置される第1電源コード210と、第3接続電極803に設置される第2電源コード220とを備える。例示的な実施形態では、ボンディング領域200の第1平坦層15が除去されるため、第1電源コード210を第2接続電極802に直接接続し、第2電源コード220を第3接続電極803に直接接続し、接触面積を増加させ、接続信頼性を向上させるだけではなく、第1平坦層15の製造過程に発生したガスを減少させ、プロセス品質を向上させる。
【0094】
いくつかの可能な実現方式では、ボンディング領域200の一部の第1平坦層15を除去してもよく、例えば第1電源コード210及び第2電源コード220の位置する箇所での第1平坦層15のみを除去し、他の領域に第1平坦層15を保持すれば、第1電源コード210を第2接続電極802に直接接続し、第2電源コード220を第3接続電極803に直接接続する。いくつかの可能な実現方式では、表示基板に第5絶縁層が設置される場合、ボンディング領域200の第1平坦層及び第5絶縁層を一緒に除去してもよく、ボンディング領域200の一部の第1平坦層及び第5絶縁層を除去してもよく、ボンディング領域200の一部の第5絶縁層及びボンディング領域200の全部の第1平坦層を除去してもよく、本開示はここで具体的に制限しない。
【0095】
図22は本開示の第1ファンアウト領域の他の構造模式図である。
図22に示すように、表示基板は表示領域100、ボンディング領域200及び縁部領域300を備え、ボンディング領域200は表示領域100の片側に位置し、縁部領域300は表示領域100の他の側に位置する。ボンディング領域200は、少なくとも第1ファンアウト領域と、第1ファンアウト領域に位置する第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及びアイソレーション溝500とを備える。縁部領域300は、少なくとも第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及び隙間700を備える。ボンディング領域200の第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420と縁部領域300の第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は、同一層に設置され且つ同一パターニングプロセスにより同時に製造された一体構造であり、表示領域100を取り囲む環状構造を形成する。例示的な実施形態では、ボンディング領域200のアイソレーション溝500と縁部領域300の隙間700は、同一パターニングプロセスにより同時に製造され、ボンディング領域200と縁部領域300との境界で互いに連通する。
【0096】
図23は本開示の二層のソースドレイン金属層(2SD)構造の表示領域及び縁部領域の断面構造模式図であって、
図22におけるC-C方向の断面図である。
図23に示すように、表示基板に垂直する平面において、表示領域100は、フレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される駆動構造層と、駆動構造層に設置される発光素子と、発光素子を被覆する複合パッケージ層とを備える。縁部領域300は、フレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される回路構造層と、回路構造層に設置される隙間700、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420と、隙間700を被覆する複合パッケージ層と、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む無機パッケージ層とを備える。
【0097】
例示的な実施形態では、表示領域100の駆動構造層は画素駆動回路を形成する複数のトランジスタ及び蓄電コンデンサを備え、
図23には1つの第1トランジスタ101及び1つの第1蓄電コンデンサ102を例として模式的に示す。表示領域100の駆動構造層は、フレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設置される活性層と、活性層を被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層と、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層と、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置されるソースドレイン金属層と、ソースドレイン金属層を被覆する第5絶縁層16及び第1平坦層15と、第1平坦層15に設置される金属導電層とを備える。活性層は少なくとも第1活性層を備える。第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極及び第1コンデンサ電極を備える。第2ゲート金属層は少なくとも第2コンデンサ電極を備える。ソースドレイン金属層は少なくとも第1ソース電極及び第1ドレイン電極を備える。金属導電層は少なくとも第1接続電極801を備え、第1接続電極801はビアによって第1ドレイン電極に接続される。第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極により第1トランジスタ101が構成される。第1コンデンサ電極と第2コンデンサ電極により第1蓄電コンデンサ102が構成される。いくつかの実施例では、ソースドレイン金属層は第1ソースドレイン金属層(SD1)と称され、金属導電層は第2ソースドレイン金属層(SD2)と称される。表示領域100の駆動構造層に第2平坦層17が設置され、第2平坦層17は金属導電層を被覆する。発光素子は第2平坦層17に設置され、発光素子は陽極21、画素定義層22、有機発光層23及び陰極24を備える。陽極21は第2平坦層17に開設されたビアによって接続電極801に接続され、これにより、陽極21と第1トランジスタ101の第1ドレイン電極との接続を実現する。複合パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備える。有機材料の第2パッケージ層26は無機材料の第1パッケージ層25と第3パッケージ層27との間に設置される。
【0098】
例示的な実施形態では、縁部領域300の回路構造層はGOA回路を形成する複数のトランジスタ及び蓄電コンデンサを備え、
図23には2つのトランジスタ及び2つの蓄電コンデンサを例として模式的に示す。縁部領域300の回路構造層は、フレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設置される活性層と、活性層を被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層と、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層と、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置されるソースドレイン金属層と、ソースドレイン金属層を被覆する第5絶縁層16及び第1平坦層15と、第1平坦層15に設置される金属導電層とを備える。活性層は少なくとも第2活性層及び第3活性層を備える。第1ゲート金属層は少なくとも第2ゲート電極、第3ゲート電極、第3コンデンサ電極及び第4コンデンサ電極を備える。第2ゲート金属層は少なくとも第5コンデンサ電極及び第6コンデンサ電極を備える。ソースドレイン金属層は少なくとも第2ソース電極、第2ドレイン電極、第3ソース電極、第3ドレイン電極及び第3接続電極803を備える。金属導電層は少なくとも第2電源コード220を備える。第2活性層、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極により第2トランジスタ103が構成される。第3活性層、第3ゲート電極、第3ソース電極及び第3ドレイン電極により第3トランジスタ104が構成される。第3コンデンサ電極と第5コンデンサ電極により第2蓄電コンデンサ105が構成される。第4コンデンサ電極と第6コンデンサ電極により第3蓄電コンデンサ106が構成される。いくつかの実施例では、第1トランジスタ101は駆動トランジスタであってもよく、第2トランジスタ103はGOAにおける走査(SCAN)信号を出力する走査トランジスタであってもよく、第3トランジスタ104はGOAにおけるイネーブル(EM)信号を出力するイネーブルトランジスタであってもよい。いくつかの実施例では、駆動トランジスタ、走査トランジスタ及びイネーブルトランジスタは薄膜トランジスタであってもよい。
【0099】
縁部領域300の回路構造層に第2平坦層17が設置され、第2平坦層17に隙間700、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置される。隙間700は第2電源コード220と表示領域100との間に設置される。隙間700における第1平坦層15及び第2平坦層17が除去されて、第5絶縁層16の表面を露出させる。第1アイソレーションダム410は第2電源コード220の位置する箇所に設置され、第2アイソレーションダム420は第1アイソレーションダム410の表示領域100から離れる側に設置される。複合パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備え、複合パッケージ層は隙間700を被覆する。無機パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を備え、無機パッケージ層は第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む。例示的な実施形態では、縁部領域300の表示領域100に近接する第2平坦層17に複数のスペーサコラム33が設置される。
【0100】
例示的な実施形態では、表示領域100の駆動構造層、ボンディング領域200のボンディング構造層と縁部領域300の回路構造層は、同一プロセスにより同時に形成される。駆動構造層における第1活性層と回路構造層における第2活性層及び第3活性層とは、同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。駆動構造層における第1ゲート電極及び第1コンデンサ電極と回路構造層における第2ゲート電極、第3ゲート電極、第3コンデンサ電極及び第4コンデンサ電極とは、同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。駆動構造層における第2コンデンサ電極と回路構造層における第5コンデンサ電極及び第6コンデンサ電極は同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。駆動構造層における第1ソース電極及び第1ドレイン電極と、ボンディング構造層における第2接続電極及び第3接続電極と、回路構造層における第2ソース電極、第2ドレイン電極、第3ソース電極、第3ドレイン電極及び第3接続電極とは、同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。駆動構造層における第1接続電極と、ボンディング構造層における第1電源コード及び第2電源コードと、回路構造層における第2電源コードとは、同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。
【0101】
縁部領域300における第2平坦層17及び第2平坦層17に設置される隙間700とボンディング領域200における第2平坦層17及び第2平坦層17に設置されるアイソレーション溝500とは、同一プロセスにより形成される。縁部領域300における第1アイソレーションダム、第2アイソレーションダム、第1パッケージ層及び第3パッケージ層とボンディング領域200における第1アイソレーションダム、第2アイソレーションダム、第1パッケージ層及び第3パッケージ層とは、同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。そうすると、第2平坦層17の形成プロセスにおいて、ボンディング領域200のアイソレーション溝500と縁部領域300の隙間700とは同時に形成され、それらはボンディング領域200と縁部領域300との境界で連通して一体構造に形成される。連通するアイソレーション溝500及び隙間700は水蒸気分離範囲を広げ、水蒸気侵入経路を延長させ、GDSが発生するリスクを低減し、表示基板に表示不良が生じることを回避し、表示品質を向上させる。
【0102】
図19及び
図23を参照して、表示基板の製造過程は以下を含む。
【0103】
(11)ガラス基板1においてフレキシブル基板10を製造する。
【0104】
(12)表示領域100、ボンディング領域200及び縁部領域300にそれぞれ駆動構造層、ボンディング構造層及び回路構造層のパターンを形成する。表示領域100の駆動構造層は第1トランジスタ101、第1コンデンサ電極102及び第1接続電極801を備える。ボンディング領域200のボンディング構造層は第2接続電極802及び第3接続電極803を備える。縁部領域300の回路構造層は第2トランジスタ103、第3トランジスタ104、第2蓄電コンデンサ105、第3蓄電コンデンサ106及び第3接続電極803を備える。例示的な実施形態では、駆動構造層、ボンディング構造層及び回路構造層の製造過程は以下を含んでもよい。
【0105】
フレキシブル基板10には第1絶縁層11及び第1絶縁層11に設置される活性層のパターンを形成し、活性層は少なくとも第1活性層、第2活性層及び第3活性層を備える。
【0106】
活性層パターンを被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層のパターンを形成し、第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極、第2ゲート電極、第3ゲート電極、第1コンデンサ電極、第3コンデンサ電極及び第4コンデンサ電極を備える。
【0107】
第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層のパターンを形成し、第2ゲート金属層は少なくとも第2コンデンサ電極、第5コンデンサ電極及び第6コンデンサ電極を備える。
【0108】
第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14のパターンを形成し、第4絶縁層14に複数の第1ビアが開設される。第4絶縁層14にソースドレイン金属層のパターンを形成し、ソースドレイン金属層は少なくとも第1ソース電極、第1ドレイン電極、第2ソース電極、第2ドレイン電極、第3ソース電極、第3ドレイン電極、第2接続電極802及び第3接続電極803を備え、第1ソース電極及び第1ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第1活性層に接続され、第2ソース電極及び第2ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第2活性層に接続され、第3ソース電極及び第3ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第3活性層に接続される。
【0109】
ソースドレイン金属層を被覆する第5絶縁層16及び第1平坦層15のパターンを形成し、第1平坦層15に複数の第2ビアを形成し、表示領域100の第2ビアに第1トランジスタ101の第1ドレイン電極の表面が露出し、ボンディング領域200の第2ビアに第2接続電極802及び第3接続電極803の表面がそれぞれ露出し、縁部領域の第2ビアに第3接続電極803の表面が露出する。
【0110】
第1平坦層15に金属導電層のパターンを形成する。金属導電層は少なくとも第1接続電極801、第1電源コード210及び第2電源コード220を備える。表示領域100の第1接続電極801は第2ビアによって第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続される。ボンディング領域200の第1電源コード210及び第2電源コード220はそれぞれ第2ビアによって第2接続電極802及び第3接続電極803に接続される。縁部領域の第2電源コード220は第2ビアによって第3接続電極803に接続され、第2電源コード220の表示領域100から離れる縁部は第1平坦層15の表示領域100から離れる縁部を被覆する。
【0111】
(13)第2平坦層17のパターンを形成し、表示領域100の第2平坦層17に第3ビアが開設され、第3ビアに第1接続電極801の表面が露出する。ボンディング領域200の第2平坦層17にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が設置され、アイソレーション溝500は第1電源コード210の位置する領域に設置され、アイソレーション溝500に第1電源コード210の表面が露出し、アイソレーション領域600は第2電源コード220の表示領域100から離れる側に設置され、アイソレーション領域600における第2電源コード220に平坦ダムベースが設置される。平坦ダムベースを除き、アイソレーション領域600の他の位置での第2平坦層17が現像されて、第2電源コード220の表面及び第5絶縁層16の表面を露出させる。縁部領域300の第2平坦層17に第4ビア及び隙間700が開設され、第4ビア内に平坦ダムベースが設置される。平坦ダムベースを除き、第4ビアにおける第2平坦層17が現像されて、第2電源コード220の表面を露出させる。隙間700は第2電源コード220と表示領域100との間に設置され、隙間700における第1平坦層15及び第2平坦層17が現像されて、第5絶縁層16の表面を露出させる。隙間700の位置する領域において、第2平坦層17の開口のフレキシブル基板10での正投影は第1平坦層15の開口を含み、即ち第2平坦層17の開口幅は第1平坦層15の開口幅より大きい。第1平坦層15の開口に第5絶縁層16が露出し、第2平坦層17の開口に第1平坦層15の開口が露出し、隙間700の側壁に階段状を形成し、これにより後続に形成された陰極も階段状を有する。これにより、陰極と第4接続電極との確実な接続を確保する。
【0112】
(14)上記パターンを形成した基板に陽極21及び第4接続電極804のパターンを形成する。陽極21は表示領域100の第2平坦層17に形成され、第3ビアによって第1接続電極801に接続される。第4接続電極804は縁部領域300の第2平坦層17に形成される。第4接続電極804の一部は第4ビアによって第2電源コード220に接続され、残りは隙間700内に設置される。第4ビアと隙間700との間の第4接続電極804に複数のビアが開設される。隙間700の側壁が階段状であるため、隙間700に設置される第4接続電極804も階段状である。
【0113】
(15)上記パターンを形成した基板に画素定義層22、第1ダムベース及び第2ダムベースのパターンを形成し、表示領域100の画素定義層22に画素開口が開設され、画素開口に陽極21の表面が露出する。第1ダムベース及び第2ダムベースはボンディング領域200及び縁部領域300に形成され、ボンディング領域200の第1ダムベースは第2電源コード220に形成され、第2ダムベースは平坦ダムベースに形成される。縁部領域300の第1ダムベースは第4ビア内に設置され、第2ダムベースは第1ダムベースの表示領域100から離れる側の第2平坦層17に設置される。
【0114】
(16)ボンディング領域200及び縁部領域300に複数のスペーサコラム33のパターンを形成し、複数のスペーサコラム33はそれぞれ画素定義層22、第1ダムベース、第2ダムベース及び隙間700の両側の位置に設置される。ボンディング領域200及び縁部領域300に第1支持ダム410及び第2支持ダム420を同時に形成する。ボンディング領域200及び縁部領域300の第1支持ダム410は一体構造であり、ボンディング領域200及び縁部領域300の第2支持ダム420は一体構造である。
【0115】
(17)上記パターンを形成した基板に有機発光層23及び陰極24を順次形成する。有機発光層23は画素開口内に形成される。陽極21は第1接続電極801に接続され、第1接続電極801は第1トランジスタ101のドレイン電極に接続されるため、有機発光層23の発光制御を実現する。陰極24の一部は表示領域100の有機発光層23に形成され、残りはボンディング領域200及び縁部領域300に形成される。ボンディング領域200の陰極24は画素定義層22における複数のスペーサコラム33を包み、縁部領域300の陰極24は隙間700及び第4ビアによって第4接続電極804に接続される。第4接続電極804は第2電源コード220に接続されるため、陰極24と第2電源コード220との接続が実現される。隙間700の位置での第4接続電極804は階段状であるため、形成された陰極24も階段状を有し、異なる階段で第4接続電極804に接触し、陰極と第4接続電極804との確実な接続を確保する。
【0116】
(18)上記パターンを形成した上でパッケージ層を形成する。パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備える。第1パッケージ層25は無機材料を用い、表示領域100において陰極24を被覆し、ボンディング領域200においてそれぞれ複数のスペーサコラム33を包み、アイソレーション溝500を被覆し、アイソレーション領域600を被覆し、第1支持ダム410及び第2支持ダム420を包み、縁部領域300において複数のスペーサコラム33を包み、隙間700を被覆し、第1支持ダム410及び第2支持ダム420を包む。第2パッケージ層26は有機材料を用い、表示領域100、ボンディング領域200のスペーサコラム33の位置する領域及び縁部領域300のスペーサコラム33の位置する領域に設置される。第3パッケージ層27は無機材料を用い、第1パッケージ層25及び第2パッケージ層26を被覆する。
【0117】
図24は本開示の単層のソースドレイン金属層(1SD)構造の表示領域及び縁部領域の断面構造模式図であって、
図22におけるC-C方向の断面図である。
図24に示すように、表示基板に垂直する平面において、表示領域100は、フレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される駆動構造層と、駆動構造層に設置される発光素子と、発光素子を被覆する複合パッケージ層とを備える。縁部領域300は、フレキシブル基板10と、フレキシブル基板10に設置される回路構造層と、回路構造層に設置される隙間700、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420と、隙間700を被覆する複合パッケージ層と、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む無機パッケージ層とを備える。
【0118】
例示的な実施形態では、表示領域100の駆動構造層は画素駆動回路を形成する複数のトランジスタ及び蓄電コンデンサを備える。縁部領域300の回路構造層はGOA回路を形成する複数のトランジスタ及び蓄電コンデンサを備える。
図24には3つのトランジスタ及び3つの蓄電コンデンサを例として模式的に示す。駆動構造層及び回路構造層は、フレキシブル基板10に設置される第1絶縁層11と、第1絶縁層11に設置される活性層と、活性層を被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層と、第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層と、第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14と、第4絶縁層14に設置されるソースドレイン金属層と、ソースドレイン金属層を被覆する第5絶縁層16とを備える。活性層は少なくとも第1活性層、第2活性層及び第3活性層を備える。第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極、第2ゲート電極、第3ゲート電極、第1コンデンサ電極、第3コンデンサ電極及び第4コンデンサ電極を備える。第2ゲート金属層は少なくとも第2コンデンサ電極、第5コンデンサ電極及び第6コンデンサ電極を備える。ソースドレイン金属層は少なくとも第1ソース電極、第1ドレイン電極、第2ソース電極、第2ドレイン電極、第3ソース電極、第3ドレイン電極及び第2電源コード220を備える。第1活性層、第1ゲート電極、第1ソース電極及び第1ドレイン電極により第1トランジスタ101が構成される。第2活性層、第2ゲート電極、第2ソース電極及び第2ドレイン電極により第2トランジスタ103が構成される。第3活性層、第3ゲート電極、第3ソース電極及び第3ドレイン電極により第3トランジスタ104が構成される。第1コンデンサ電極と第2コンデンサ電極により第1蓄電コンデンサ102が構成される。第3コンデンサ電極と第5コンデンサ電極により第2蓄電コンデンサ105が構成される。第4コンデンサ電極と第6コンデンサ電極により第3蓄電コンデンサ106が構成される。
【0119】
駆動構造層及び回路構造層に第1平坦層15が設置され、表示領域100の発光素子は第1平坦層15に設置される。発光素子は陽極21、画素定義層22、有機発光層23及び陰極24を備える。陽極21は第1平坦層15に開設されたビアによって第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続される。縁部領域300の第1平坦層15に隙間700、スペーサコラム33、第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420が設置される。隙間700は第2電源コード220と表示領域100との間に設置される。隙間700における第1平坦層15が除去されて、第5絶縁層16の表面を露出させる。複数のスペーサコラム33は縁部領域300の表示領域100に近接する第1平坦層15に位置する。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は第2電源コード220の位置する箇所に設置され、第2アイソレーションダム420は第1アイソレーションダム410の表示領域100から離れる側に設置される。複合パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備え、複合パッケージ層は表示領域100及び縁部領域300の隙間700と、複数のスペーサコラム33とを被覆する。無機パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25及び第3パッケージ層27を備え、無機パッケージ層は第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420を包む。
【0120】
例示的な実施形態では、表示領域100の駆動構造層、ボンディング領域200のボンディング構造層及び縁部領域300の回路構造層は同一プロセスにより同時に形成される。縁部領域300における第1平坦層15及び第1平坦層15に設置される隙間700とボンディング領域200における第1平坦層15及び第1平坦層15に設置されるアイソレーション溝500とは、同一プロセスにより形成される。縁部領域300における第1アイソレーションダム、第2アイソレーションダム、第1パッケージ層及び第3パッケージ層とボンディング領域200における第1アイソレーションダム、第2アイソレーションダム、第1パッケージ層及び第3パッケージ層とは、同一層に設置され、且つ同一パターニングプロセスにより形成される。そうすると、第1平坦層15の形成プロセスにおいて、ボンディング領域200のアイソレーション溝500と縁部領域300の隙間700とは同時に形成され、それらはボンディング領域200と縁部領域300との境界で連通して一体構造に形成される。連通するアイソレーション溝500及び隙間700は水蒸気分離範囲を広げ、水蒸気侵入経路を延長させ、GDSが発生するリスクを低減し、表示基板に表示不良が生じることを回避し、表示品質を向上させる。
【0121】
図17及び
図24を参照して、表示基板の製造過程は以下を含む。
【0122】
(21)ガラス基板1においてフレキシブル基板10を製造する。
【0123】
(22)表示領域100、ボンディング領域200及び縁部領域300にそれぞれ駆動構造層、ボンディング構造層及び回路構造層のパターンを形成する。例示的な実施形態では、駆動構造層、ボンディング構造層及び回路構造層の製造過程は以下を含んでもよい。
【0124】
フレキシブル基板10には第1絶縁層11及び第1絶縁層11に設置される活性層のパターンを形成し、活性層は少なくとも第1活性層、第2活性層及び第3活性層を備える。
【0125】
活性層のパターンを被覆する第2絶縁層12と、第2絶縁層12に設置される第1ゲート金属層のパターンを形成し、第1ゲート金属層は少なくとも第1ゲート電極、第2ゲート電極、第3ゲート電極、第1コンデンサ電極、第3コンデンサ電極及び第4コンデンサ電極を備える。
【0126】
第1ゲート金属層を被覆する第3絶縁層13と、第3絶縁層13に設置される第2ゲート金属層のパターンを形成し、第2ゲート金属層パターンは少なくとも第2コンデンサ電極、第5コンデンサ電極及び第6コンデンサ電極を備える。
【0127】
第2ゲート金属層を被覆する第4絶縁層14のパターンを形成し、第4絶縁層14に複数の第1ビアが開設される。第4絶縁層14にソースドレイン金属層のパターンを形成し、ソースドレイン金属層は少なくとも第1ソース電極、第1ドレイン電極、第2ソース電極、第2ドレイン電極、第3ソース電極、第3ドレイン電極及び第2電源コード220を備える。第1ソース電極及び第1ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第1活性層に接続され、第2ソース電極及び第2ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第2活性層に接続され、第3ソース電極及び第3ドレイン電極はそれぞれ第1ビアによって第3活性層に接続される。
【0128】
ソースドレイン金属層を被覆する第5絶縁層16を形成する。
【0129】
(23)第1平坦層15のパターンを形成し、表示領域100の第1平坦層15にビアが開設し、ビアに第1トランジスタ101の第1ドレイン電極が露出する。ボンディング領域200の第1平坦層15にアイソレーション溝500及びアイソレーション領域600が形成される。アイソレーション溝500は第1電源コード210の位置する領域に設置され、アイソレーション溝500に第1電源コード210の表面が露出する。アイソレーション領域600は第2電源コード220の表示領域100から離れる側に設置され、アイソレーション領域600における第2電源コード220に平坦ダムベースが設置される。縁部領域300の第1平坦層15に第4ビア及び隙間700が開設され、第4ビアに第2電源コード220の表面が露出し、隙間700は第2電源コード220と表示領域100との間に設置され、隙間700に第5絶縁層16の表面が露出し、平坦ダムベースは第4ビアの表示領域100から離れる側に設置される。
【0130】
(24)上記パターンを形成した基板に陽極21及び第4接続電極804のパターンを形成する。陽極21は表示領域100の第1平坦層15に形成され、ビアによって第1トランジスタ101の第1ドレイン電極に接続される。第4接続電極804は縁部領域300の第1平坦層15に形成され、第4接続電極804の一部は第4ビアによって第2電源コード220に接続され、残りは隙間700内に設置され、第4ビアと隙間700との間の第4接続電極804に複数のビアが開設される。
【0131】
(25)上記パターンを形成した基板に画素定義層22、第1ダムベース及び第2ダムベースのパターンを形成し、表示領域100の画素定義層22に画素開口が開設され、画素開口に陽極21の表面が露出する。第1ダムベース及び第2ダムベースはボンディング領域200及び縁部領域300に形成され、ボンディング領域200の第1ダムベースは第2電源コード220に形成され、第2ダムベースは平坦ダムベースに形成され、縁部領域300の第1ダムベースは第4ビア内に設置され、第2ダムベースは平坦ダムベースに設置される。
【0132】
(26)ボンディング領域200及び縁部領域300に複数のスペーサコラム33のパターンを形成し、複数のスペーサコラム33はそれぞれ画素定義層22、第1ダムベース、第2ダムベース及び隙間700の両側の位置に設置される。ボンディング領域200及び縁部領域300に第1支持ダム410及び第2支持ダム420を同時に形成する。ボンディング領域200及び縁部領域300の第1支持ダム410は一体構造であり、ボンディング領域200及び縁部領域300の第2支持ダム420は一体構造である。
【0133】
(27)上記パターンを形成した基板に有機発光層23及び陰極24を順次形成する。有機発光層23は画素開口内に形成され、陰極24の一部は表示領域100の有機発光層23に形成され、残りはボンディング領域200及び縁部領域300に形成される。ボンディング領域200の陰極24は画素定義層22における複数のスペーサコラム33を包み、縁部領域300の陰極24は隙間700及び第4ビアによって第4接続電極804に接続される。第4接続電極804は第2電源コード220に接続されるため、陰極24と第2電源コード220との接続が実現される。
【0134】
(28)上記パターンを形成した上でパッケージ層を形成し、パッケージ層は積層設置される第1パッケージ層25、第2パッケージ層26及び第3パッケージ層27を備える。第1パッケージ層25は無機材料を用い、表示領域100に陰極24を被覆し、ボンディング領域200にそれぞれ複数のスペーサコラム33を包み、アイソレーション溝500を被覆し、アイソレーション領域600を被覆し、第1支持ダム410及び第2支持ダム420を包み、縁部領域300に複数のスペーサコラム33を包み、隙間700を被覆し、第1支持ダム410及び第2支持ダム420を包む。第2パッケージ層26は有機材料を用い、表示領域100、ボンディング領域200のスペーサコラム33の位置する領域及び縁部領域300のスペーサコラム33の位置する領域に設置される。第3パッケージ層27は無機材料を用い、第1パッケージ層25及び第2パッケージ層26を被覆する。
【0135】
図23及び
図24に示される縁部領域の構造は例示的な説明に過ぎない。例示的な実施形態では、実際の必要に応じて第2電源コード220、第1支持ダム410及び第2支持ダム420等の縁部構造を変更することができる。例えば、駆動構造層、ボンディング構造層及び回路構造層に第5絶縁層16を設置しなくてもよい。更に例えば、第2電源コード220は表示領域100を離れる側へ延在してもよい。更に例えば、複数の隙間700を設置してもよく、本開示はここで具体的に制限しない。
【0136】
図25及び
図26は本開示の第1ファンアウト領域の他の構造模式図であり、
図26は
図25におけるE領域の拡大図である。
図25に示すように、表示基板に平行する平面内に、ボンディング領域200は表示領域100の片側に位置し、ボンディング領域200の第1ファンアウト領域は表示領域の縁部110に近接する。第1ファンアウト領域は第1電源コード210、第2電源コード220、第1アイソレーションダム410、第2アイソレーションダム420及び少なくとも1つのアイソレーション溝500を備える。第1電源コード210は表示領域100の高電圧電源コードVDDに接続され、第2電源コード220は縁部領域300の低電圧電源コードVSSに接続される。第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420は表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在し、少なくとも1つのアイソレーション溝500は表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在し、アイソレーション溝500と表示領域の縁部110との距離は第1アイソレーションダム410と表示領域の縁部110との距離より小さい。第1電源コード210は、表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在する第1棒状ブロック2101と、表示領域100を離れる方向に沿って延在する第2棒状ブロック2102とを備える。第2棒状ブロック2102の表示領域100に近接する端は、第1棒状ブロック2101に接続されてT型構造を形成する。第2電源コード220は、表示領域の縁部110に平行する方向に沿って延在する第3棒状ブロック2201と、表示領域100を離れる方向に沿って延在する第4棒状ブロック2202とを備える。第4棒状ブロック2202の表示領域100に近接する端は、第3棒状ブロック2201に接続されてコーナー構造を形成する。例示的な実施形態では、第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部に波状構造230が設置される。表示領域100を離れる方向に沿って、波状構造230は第1電源コード210における第2棒状ブロック2102の両側の縁部に設置されてもよく、第2電源コード220の両側の縁部に設置されてもよい。いくつかの実施例では、波状構造230はアイソレーション溝500の表示領域100から離れる側の第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部に設置されてもよく、又は、波状構造230は第1アイソレーションダム410の表示領域100から離れる側の第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部に設置されてもよく、又は、波状構造230は第2アイソレーションダム420の表示領域100から離れる側の第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部に設置されてもよく、又は、波状構造230は第1電源コード210及び第2電源コード220と第1アイソレーションダム410及び第2アイソレーションダム420との重複領域の第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部に設置されてもよい。
【0137】
図26に示すように、波状構造230は間隔を置いて設置される複数の突起と、複数の突起の間の凹みとを備え、第1電源コード210及び第2電源コード220の波状縁部を形成する。第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部に出現する水蒸気伝送経路については、第1電源コード210及び第2電源コード220の縁部を波状に設置することにより、水蒸気伝送経路の長さを増加させ、水蒸気の拡散を遅延して緩和することができる。例示的な実施形態では、波状構造230における外側最高点と内側最低点との間の突起高さT1は約30μm~約60μmであり、隣接する突起の間の距離T2は約20μm~約50μmである。
【0138】
図25及び
図26に示される波状構造は例示的な説明に過ぎない。例示的な実施形態では、実際の必要に応じて波状構造230の設置位置及び形状を変更することができる。例えば、表示領域100を離れる方向に沿って、波状構造230は第1アイソレーションダム410と第2アイソレーションダム420との間の領域の電源コードの両側の縁部のみに設置されてもよい。更に例えば、表示領域100を離れる方向に沿って、波状構造230は第2アイソレーションダム420の表示領域100から離れる側の領域の電源コードの両側の縁部のみに設置されてもよい。更に例えば、波状構造230は、第2電源コード220の第2棒状ブロック2102に向かう側の縁部、及び第2棒状ブロック2102の第2電源コード220に向かう側の縁部のみに設置されてもよい。更に例えば、波状構造230は、第2電源コード220の第2棒状ブロック2102から離れる側の縁部、及び第2棒状ブロック2102の第2電源コード220から離れる側の縁部のみに設置されてもよい。更に例えば、波状構造における突起及び凹みは、複数の円弧線により構成されてもよく、複数の直線により構成されてもよく、複数の円弧線と複数の直線により構成されてもよく、本開示はここで具体的に制限しない。
【0139】
本開示は更に表示基板の製造方法を提供し、表示基板は表示領域と、表示領域の片側に位置するボンディング領域とを備え、前記製造方法は、
前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ駆動構造層及びボンディング構造層を形成し、前記駆動構造層が画素駆動回路を備え、前記ボンディング構造層が前記画素駆動回路に接続される電源コードを備えるステップS1と、
前記駆動構造層及びボンディング構造層に有機絶縁層を形成し、前記ボンディング構造層での有機絶縁層に少なくとも1つのアイソレーション溝が形成されるステップS2と、
前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ発光素子及びアイソレーションダムを形成し、前記発光素子が前記画素駆動回路に接続され、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離が前記アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さいステップS3と、
前記ボンディング領域に無機パッケージ層を形成し、前記無機パッケージ層が前記アイソレーション溝を被覆し、前記アイソレーションダムを包むステップS4と、を含む。
【0140】
例示的な実施形態では、前記表示領域及びボンディング領域にそれぞれ発光素子及びアイソレーションダムを形成することは、前記表示領域に発光素子を形成し、前記発光素子が前記画素駆動回路に接続されることと、前記ボンディング領域に第1アイソレーションダム及び第2アイソレーションダムを形成し、前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離が前記第2アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さく、前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離が前記第1アイソレーションダムと表示領域の縁部との距離より小さいことと、を含む。
【0141】
例示的な実施形態では、前記表示領域に発光素子を形成することは、前記有機絶縁層に陽極、画素定義層、有機発光層及び陰極を順次形成し、前記陽極が前記画素駆動回路に接続され、前記画素定義層及び陰極が前記ボンディング領域まで延在することと、前記表示領域を離れる方向に沿って、前記ボンディング領域において陰極の幅が前記アイソレーション溝と表示領域の縁部との距離より小さいことと、を含む。
【0142】
例示的な実施形態では、前記電源コードは第1電源コード及び第2電源コードを含み、前記アイソレーション溝は前記第1電源コードに設置され、又は前記第2電源コードに設置され、又は前記第1電源コードと第2電源コードとの間に設置される。前記表示領域を離れる方向に沿って、前記アイソレーション溝の幅は約20μm~約70μmである。
【0143】
例示的な実施形態では、前記表示基板は更に縁部領域を備える。前記製造方法は、前記縁部領域に回路構造層を形成し、前記回路構造層に有機絶縁層を形成し、前記有機絶縁層に少なくとも1つの隙間が形成され、前記ボンディング領域のアイソレーション溝と縁部領域の隙間とが連通し、且つ同一プロセスにより形成されることを更に含む。
【0144】
例示的な実施形態では、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備える。又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層とを備える。又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備える。又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第1電源コード及び第2電源コードと、前記第1電源コード及び第2電源コードに設置される第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層とを備える。又は、前記ボンディング領域のボンディング構造層は基板に設置される複合絶縁層と、前記複合絶縁層に設置される第2接続電極及び第3接続電極と、前記第2接続電極及び第3接続電極を被覆する第5絶縁層と、前記第5絶縁層に設置される第1平坦層と、前記第1平坦層に設置される第1電源コード及び第2電源コードとを備える。前記第1電源コードはビアによって第2接続電極に接続され、前記第2電源コードはビアによって第3接続電極に接続される。前記ボンディング構造層に設置される有機絶縁層は第1平坦層又は第2平坦層を備える。前記複合絶縁層は基板に積層設置される第1絶縁層、第2絶縁層、第3絶縁層及び第4絶縁層を備える。
【0145】
例示的な実施形態では、前記電源コードの縁部に波状構造が設置される。前記波状構造は前記アイソレーション溝の前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記アイソレーションダムの前記表示領域から離れる側の電源コードの縁部に設置され、又は、前記波状構造は前記電源コードとアイソレーションダムとの重複領域の電源コードの縁部に設置される。前記波状構造は間隔を置いて設置される複数の突起を備え、前記突起の突起高さは約30μm~約60μmである。
【0146】
本開示は上記実施例の表示基板を備える表示装置を更に提供する。表示装置は携帯電話、タブレットコンピュータ、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、カーナビゲーション等のいかなる表示機能を持つ製品又は部材であってもよい。
【0147】
本願の図面は本開示に関わる構造のみに関し、他の構造については通常の設計を参照してもよい。衝突しない限り、本開示の実施例即ち実施例の特徴は互いに組み合わせられることにより新しい実施例を取得することができる。
【0148】
当業者であれば理解するように、本開示の技術案の趣旨及び範囲を逸脱せずに、本開示の技術案に対して修正や等価置換を行うことができ、これらの修正や等価置換はいずれも本願の特許請求の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0149】
1 ガラス基板
10 フレキシブル基板
11 第1絶縁層
12 第2絶縁層
13 第3絶縁層
14 第4絶縁層
15 第1平坦層
16 第5絶縁層
17 第2平坦層
21 陽極
22 画素定義層
23 有機発光層
24 陰極
25 第1パッケージ層
26 第2パッケージ層
27 第3パッケージ層
30 平坦ダムベース
31 第1ダムベース
32 第2ダムベース
33 スペーサコラム
100 表示領域
101 第1トランジスタ
102 第1蓄電コンデンサ
103 第2トランジスタ
104 第3トランジスタ
105 第2蓄電コンデンサ
106 第3蓄電コンデンサ
110 表示領域の縁部
200 ボンディング領域
201 第1ファンアウト領域
202 曲げ領域
203 第2ファンアウト領域
204 帯電防止領域
205 駆動チップ領域
206 ボンディング電極領域
210 第1電源コード
220 第2電源コード
230 波状構造
300 縁部領域
410 第1アイソレーションダム
420 第2アイソレーションダム
500 アイソレーション溝
600 アイソレーション領域
700 隙間
801 第1接続電極
802 第2接続電極
803 第3接続電極
804 第4接続電極
2101 第1棒状ブロック
2102 第2棒状ブロック
2201 第3棒状ブロック
2202 第4棒状ブロック