(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】記録装置およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
B65H 85/00 20060101AFI20240510BHJP
B65H 29/58 20060101ALI20240510BHJP
B65H 29/66 20060101ALI20240510BHJP
B65H 9/00 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
B65H85/00
B65H29/58 B
B65H29/66
B65H9/00 B
(21)【出願番号】P 2022162663
(22)【出願日】2022-10-07
(62)【分割の表示】P 2018134475の分割
【原出願日】2018-07-17
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷口 央
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-184798(JP,A)
【文献】特開2010-275085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 85/00
B65H 29/58
B65H 29/66
B65H 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートを搬送するための搬送路と、
前記搬送路で搬送されたシートの第1面とその反対の第2面とに記録を行う記録手段と、
前記搬送路に接続し、第1面に記録されたシートの表裏を反転させてシートを前記記録手段に搬送するための反転路と、を備える記録装置であって、
第1シートとその次に
間隔を空けて第2シートが
前記搬送路で搬送された後に、
前記反転路において、前記記録手段によって第1面に記録された前記第1シート
の前記反転路での搬送方向における後端部が前記記録手段によって第1面に記録された前記第2シート
の前記搬送方向における先端部と重なった状態から、前記第1シートと前記第2シートとの重なり
を解消
する記録装置。
【請求項2】
前記第1シートと前記第2シートとの重なり
を解消
した後に、前記記録手段が前記第1シートの第2面に記録をする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記第1シートの第2面に記録をした後で、前記第2シートの第2面に記録をする前に第3シートが前記搬送路で搬送される請求項1または2に記載の記録装置。
【請求項4】
前記第1シートが前記反転路に滞留しているときに前記第1シートに前記第2シートが重なる請求項
1ないし3の何れか1項に記載の記録装置。
【請求項5】
前記第1シートの第2面に前記記録手段で記録する前に前記第1シートの斜行矯正が実行される請求項1ないし
4の何れか1項に記載の記録装置。
【請求項6】
前記搬送路に配された第1ローラと、
前記反転路に配された第2ローラと、を備える請求項1ないし
5の何れか1項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記第1シートの第2面に記録する前に、前記第1ローラに前記第1シートの先端を突き当てることによって斜行矯正がされる請求項
6に記載の記録装置。
【請求項8】
前記搬送路に配され、前記第1ローラにシートを搬送する第3ローラを備え、
前記反転路を搬送された前記第1シートは、前記第3ローラに到達する請求項
7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記搬送路上に配され、第1方向へ外力を与える第1の押さえ部を備え、
前記第2シートは、前記第1の押さえ部により外力を受けつつ搬送されることで、前記第1シートと所定の範囲にて重なるように搬送される請求項1ないし
8の何れか1項に記載の記録装置。
【請求項10】
前記第1シートおよび前記第2シートのサイズが所定サイズか否かを判定する判定手段を備え、
前記第1シートおよび前記第2シートのサイズが前記所定サイズである場合に、前記第1シートに、前記第2シートを重ねる請求項1ないし
9の何れか1項に記載の記録装置。
【請求項11】
前記所定サイズは、反転路の長さに応じて規定される請求項
10に記載の記録装置。
【請求項12】
シートを搬送するための搬送路と、
前記搬送路で搬送されたシートの第1面とその反対の第2面とに記録を行う記録手段と、
前記搬送路に接続し、第1面に記録されたシートの表裏を反転させてシートを前記記録手段に搬送するための反転路と、を備える記録装置の制御方法であって、
第1シートとその次に
間隔を空けて第2シートが
前記搬送路で搬送された後に、
前記反転路において、前記記録手段によって第1面に記録された前記第1シート
の前記反転路での搬送方向における後端部が前記記録手段によって第1面に記録された前記第2シート
の前記搬送方向における先端部と重なった状態から、前記第1シートと前記第2シートとの重なりを解消させる記録装置の制御方法。
【請求項13】
前記第1シートと前記第2シートとの重なり
を解消
した後に、前記記録手段に前記第1シートの第2面に記録をさせる請求項
12に記載の制御方法。
【請求項14】
前記第1シートの第2面に記録をした後で、前記第2シートの第2面に記録をする前に第3シートを前記搬送路で搬送する請求項
12または
13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記第1シートが前記反転路に滞留しているときに前記第1シートに前記第2シートを重ねる請求項
12ないし14の何れか1項に記載の制御方法。
【請求項16】
前記第1シートの第2面に前記記録手段で記録する前に前記第1シートの斜行矯正を実行する請求項
12ないし
15の何れか1項に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、記録装置において、シートの有効活用のため両面印刷が積極的に活用されている。また、生産性向上のため、一層の印刷の高速化が期待されている。従来、記録装置では、高速かつ両面印刷を行うためのシート材を反転させる構成として、特許文献1に開示されているような方法がある。特許文献1では、記録装置に反転搬送経路部を設け、シートの長さが反転搬送経路部より短い場合に、先行するシートの第1面の印刷終了後に反転させる際、先行するシートを反転搬送経路部内で停止、滞留させる。そして、先行シートが滞留している間に後続のシートの第1面を印刷させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、反転搬送経路部内にシートを停止、滞留させて両面印刷を行う記録モードが実施可能なシートの長さは、少なくとも反転搬送に必要な経路長の1/2以下でなくてはならないという制限があった。この場合、常用するシート長が最大サイズの記録シート長の1/2よりも大きい場合は、常用するシートが本構成によるスループット向上の恩恵を受けられない。あるいは、最大サイズのシートの反転動作に必要な経路長よりも長い経路長を有することによる最大サイズでのスループット低下と装置サイズが大型化することとなる。
【0005】
本発明は、上記課題を鑑み、シートの両面印刷が可能な記録装置において、両面印刷のスループット向上と装置サイズの小型化を両立することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は以下の構成を有する。すなわち、シートを搬送するための搬送路と、前記搬送路で搬送されたシートの第1面とその反対の第2面とに記録を行う記録手段と、前記搬送路に接続し、第1面に記録されたシートの表裏を反転させてシートを前記記録手段に搬送するための反転路と、を備える記録装置であって、第1シートとその次に間隔を空けて第2シートが前記搬送路で搬送された後に、前記反転路において、前記記録手段によって第1面に記録された前記第1シートの前記反転路での搬送方向における後端部が前記記録手段によって第1面に記録された前記第2シートの前記搬送方向における先端部と重なった状態から、前記第1シートと前記第2シートとの重なりを解消する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、シートの両面印刷が可能な記録装置において、両面印刷のスループット向上と装置サイズの小型化を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図2】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図3】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図4】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図5】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図6】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図7】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図8】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図9】本発明に係る記録装置の滞留両面印刷動作を説明するための図。
【
図10】本発明に係る記録装置の単独両面印刷動作を説明するための図。
【
図11】本発明に係る記録装置の単独両面印刷動作を説明するための図。
【
図12】本発明に係る記録装置の単独両面印刷動作を説明するための図。
【
図13】本発明に係るピックアップローラの構成例を示す図。
【
図16】本発明に係る片面単独給送のフローチャート。
【
図17】本発明に係る単独両面印刷給送のフローチャート。
【
図19】本発明に係る滞留両面印刷給送のフローチャート。
【
図20】本発明に係る反転滞留+次シートピックアップのフローチャート。
【
図21】本発明に係る重ね反転滞留+反転給紙のフローチャート。
【
図22】本発明に係る排紙+次シートピックアップのフローチャート。
【
図23】本発明に係る排紙+反転給紙のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1の実施形態>
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1~
図12は、本発明の一実施形態に係る記録装置の両面印刷動作を説明するための断面図である。最初に、
図1を用いて本実施形態に係る記録装置の概略構成について説明する。
【0010】
(装置概略)
本実施形態に係る記録装置は、紙等の記録媒体としてシート1を用いる。記録装置において、常用するシートのサイズをA4サイズとし、最大サイズをA3サイズとして説明する。
図1のST1において、複数枚のシート1は給送トレイ11(積載部)に積載されている。ピックアップローラ2は、給送トレイ11に積載された最上位のシート1に当接してこのシートをピックアップする。給送ローラ3は、ピックアップローラ2によってピックアップされたシート1をシート搬送方向の下流側へ給送する。給送従動ローラ4は、給送ローラ3へ付勢され給送ローラ3とともにシート1を挟持して給送する。搬送ローラ5は、給送ローラ3及び給送従動ローラ4によって給送されたシート1を記録ヘッド7と対向する位置へ搬送する。ピンチローラ6は、搬送ローラ5へ付勢され搬送ローラ5とともにシート1を挟持して搬送する。
【0011】
記録ヘッド7は、搬送ローラ5及びピンチローラ6によって搬送されたシート1に対して、所定の記録位置にて記録を行う。本実施形態では、記録ヘッド7からインクを吐出してシート1に記録を行うインクジェット記録ヘッドであるとして説明する。しかし、この方式に限定するものではなく、電子写真方式の記録装置に本願発明を適用してもよい。また、本発明は、記録装置等に接続される搬送装置に適用されてもよい。プラテン8は、記録ヘッド7と対向する位置でシート1の第2面を支持する。キャリッジ10は、記録ヘッド7を搭載してシート搬送方向と交差(直交)する方向へ移動する。なお、本実施形態は、キャリッジ10を用いたシリアルタイプの構成を例に挙げて説明するが、この構成に限定するものではなく、例えば、フルラインの記録ヘッドを用いる場合には、キャリッジ10は不要となる。
【0012】
排出ローラ9は、記録ヘッド7によって記録が行われたシート1を装置外に排出する。拍車12、13は、記録ヘッド7によって記録が行われたシート1の記録面と接触して回転する。搬送方向下流側にある拍車13は排出ローラ9へ付勢されており、搬送方向上流側にある拍車12は対向する位置に排出ローラ9が配されていない。拍車12は、シート1の浮き上がりを防止するためのものであり、押え拍車とも呼ぶ。
【0013】
給送ローラ3及び給送従動ローラ4で形成される給送ニップ部と、搬送ローラ5及びピンチローラ6で形成される搬送ニップ部との間では、シート1は搬送ガイド15およびフラッパ20によって案内される。搬送ガイド15により、給紙トレイ11から記録ヘッド7が設けられた記録位置までの搬送経路が規定されている。フラッパ20は、給送ローラ3により搬送されるシート1の反力によって回動可能である。シート検知センサ16は、シート1の先端及び後端を検知する。ここでの先端および後端とは、1枚のシートのうちシート検知センサ16によって先に検出された端部と後に検出された端部とを示す。つまり、搬送方向において相対的に決定されるものである。シート検知センサ16は、シート搬送方向において給送ローラ3の下流に設けられている。搬送ガイド15のPOS2からPOS3の間の領域15aは、本実施形態に係る滞留両面印刷時において先行する第1シートと後続の第2シートを重ねる領域であり、搬送経路上である搬送ガイド15内に設けられる。本実施形態において、領域15aは、ガイド間距離が、搬送ガイド15の他の領域よりも広く構成されている。ここでのガイド間距離とは、搬送ガイド15を構成する壁面の距離を意味し、例えば、図中の上下方向の長さに相当する。なお、領域15の搬送方向における長さは特に限定するものではないが、本実施形態に係る重ね合わせた状態での搬送において、搬送時にずれや重ね合わせの解消などが生じないような長さが設定される。また、記録装置の構成や搬送可能な用紙の種類に応じて決定されてもよい。滞留両面印刷の詳細については、後述する。また、ここでの「第1」「第2」とは、搬送されるシートの相対的な関係(先行もしくは後続)を示しており、特定のシートを示すものではない。また、以下の説明において、1枚のシートに対して両面印刷を行う場合において、先に印刷する面を「第1面」と記載し、後に印刷する面を「第2面」と記載する。これは、特にシートの表裏を限定するものではない。
【0014】
シート押さえレバー17は、反転後の第2シートの先端部を反転後の第1シートの後端部に重ねるための部位である。シート押さえレバー17は、POS2の近傍かつ搬送方向下流側(
図1中左側)に設けるのが望ましい。これにより反転後の第2シートの先端部を図中下方に付勢し、滞留している反転後の第1シートの後端部のためのスペースを確保することができる。シート押えレバー17は、図示の状態を中立点に回転軸17bの回りに図中の反時計回り方向にバネで付勢され、回転軸17aの回りにシート押さえレバー17のシート1と接触する先端部17cが図中の時計回り方向にバネで付勢されている。なお、シート押さえレバー17の形状は、
図1に示すものに限定されるものではなく、同様の機能を有するものであれば他の形状であってもよい。例えば、回転軸の数や先端部の形状を変更してもよい。第2シート押さえレバー25は、滞留している反転後の第1シートの後端部を持ち上げるための部位である。第2シート押さえレバー25は、POS3の近傍かつ搬送方向上流側に配置されることが望ましい。これにより、反転後の第1シートの後端部を図中上方に付勢し、反転後の第2シートの後端部のためのスペースを確保することができる。本実施形態では、シート押さえレバー17によるシート1に対する付勢の向き(外力を加える方向)と、第2シート押えレバー25によるシート1に対す付勢の向きとは反対方向となるように構成される。なお、第2シート押さえレバー25の形状は、
図1に示すものに限定されるものではなく、同様の機能を有するものであれば他の形状であってもよい。
【0015】
第2シート検知センサ22は、シート1の先端及び後端を検知するためのセンサであり、搬送ローラ5及びピンチローラ6で形成される搬送ニップ部へのシート1先端の突入タイミング、および記録動作中のシート1後端の抜けるタイミングを検出する。反転搬送ガイド21は、シート1の表裏を反転させる反転部の反転搬送ガイドであり、搬送ローラ5によって搬送方向の上流側へ向けて搬送(逆転搬送)されたシート1を給送ローラ3および給送従動ローラ4の給送ニップ部へ案内する。つまり、反転搬送ガイド21により、シート1の反転時に用いられる反転経路が規定されている。反転ローラ23は、表裏を反転させるシート1を搬送する。反転従動ローラ24は、反転ローラ23へ付勢され反転ローラ23とともにシート1を挟持して給送する。
【0016】
(ピックアップローラ)
図13は、本実施形態に係るピックアップローラ2の構成例を説明するための断面図である。前述のようにピックアップローラ2は、給送トレイ11に積載されている最上位のシート1に当接して当該シートをピックアップする。駆動軸19は、後述する給送モータの駆動をピックアップローラ2に伝達するための駆動軸である。シート1をピックアップするときに、駆動軸19及びピックアップローラ2は
図13中の矢印A方向に回転する。ここでは、
図1に示すようにシート1の搬送方向がピックアップローラ2の右側である場合を例に挙げて説明する。駆動軸19には突起19aが設けられる。また、ピックアップローラ2には突起19aが嵌まり込む凹部2cが形成される。凹部2cは、ピックアップローラ2において、中心角が角度θにて形成されるものとする。
【0017】
図13(a)に示すように、突起19aがピックアップローラ2の凹部2cの第1の面2aに当接している場合は、駆動軸19の駆動がピックアップローラ2に伝達され、駆動軸19を駆動するとピックアップローラ2も回転される。一方、
図13(b)に示すように、突起19aがピックアップローラ2の凹部2cの第2の面2bに当接している場合は、駆動軸19の駆動がピックアップローラ2に伝達されず、駆動軸19を駆動してもピックアップローラ2は回転されない。また、突起19aが第1の面2a及び第2の面2bのいずれにも当接せず、第1の面2aと第2の面2bの間にある場合も、駆動軸19を駆動してもピックアップローラ2は回転されない。
【0018】
(ハードウェア構成)
図14は、本実施形態に係る記録装置200のハードウェア構成の例を示すブロック図である。MPU(Micro Processing Unit)201は、記録装置200における各部動作やデータの処理などを制御する。ROM(Read Only Memory)202は、MPU201によって実行されるプログラムやデータを格納する不揮発性の記憶領域である。ROM202は、印刷画像に対する画像処理を行うためのプログラムを画像処理部2021として有する。RAM(Random Access Memory)203は、MPU201によって実行される処理データ及びホストコンピュータ214から受信したデータを一時的に記憶する揮発性の記憶領域である。
【0019】
記録ヘッド7は、記録ヘッドドライバ207によって制御される。キャリッジ10を駆動するキャリッジモータ204は、キャリッジモータドライバ208によって制御される。搬送ローラ5及び排出ローラ9は、搬送モータ205によって駆動される。搬送モータ205は、搬送モータドライバ209によって制御される。ピックアップローラ2、給送ローラ3、及び反転ローラ23は、給送モータ206によって駆動される。給送モータ206は、給送モータドライバ210によって制御される。ピックアップローラ2、給送ローラ3、及び反転ローラ23は不図示の駆動切り替え機構により、それぞれ独立した駆動が可能である。
【0020】
I/F部213は、記録装置200と外部装置とを通信可能に接続するためのインタフェースである。
図14の例では、記録装置200と外部装置であるホストコンピュータ214とがI/F部213を介して接続されている。ホストコンピュータ214は、例えば、PCなどの情報処理装置である。ホストコンピュータ214には、使用者によって記録動作の実行が命令された場合に、記録画像や記録画像品位等の記録情報を取りまとめて記録装置200と通信するためのプリンタドライバ2141が設けられている。MPU201は、I/F部213を介してホストコンピュータ214と記録画像等のやり取りを実行する。
【0021】
[両面印刷動作]
図1~
図12(ST1~ST37)を用いて、常用するA4サイズのシート1の連続3枚の両面印刷の動作について時系列に説明する。なお、本実施形態においては、常用するA4サイズまたはLETTERサイズのみが滞留両面印刷が可能であるとする。ホストコンピュータ214からI/F部213を介して記録データが送信されると、MPU201で処理された後、RAM203に展開される。MPU201が展開されたデータに基づいて記録動作を開始する。記録データには、印刷対象の画像データの他、印刷に用いる用紙の設定や両面印刷の有無などが指定される。なお、以下に示す回転方向やシートの搬送方向は、図に示す構成に基づくものであり、構成や滞留両面印刷を可能とする用紙サイズが異なる場合には、その構成および動作の目的に合わせて変化するものとする。
【0022】
(滞留両面印刷)
図1のST1を参照して説明する。最初に、給送モータドライバ210によって給送モータ206が低速駆動される。本実施形態では、このとき、ピックアップローラ2は、7.6inch/secで回転される。ピックアップローラ2が回転すると、給送トレイ11に積載された最上位のシート(第1シート1-A)がピックアップされる。ピックアップローラ2によってピックアップされた第1シート1-Aは、ピックアップローラ2と同方向に回転している給送ローラ3によって搬送される。給送ローラ3も給送モータ206によって駆動される。本実施形態は、ピックアップローラ2及び給送ローラ3を備える構成例を用いて説明する。なお、給送トレイ11などの積載部に積載されたシート1を給送する給送ローラのみ備える構成であってもよい。
【0023】
給送ローラ3の搬送方向下流側に設けられたシート検知センサ16によって第1シート1-Aの先端が検知されると、給送モータ206を高速駆動に切り替える。本実施形態では、このとき、ピックアップローラ2及び給送ローラ3は20inch/secで回転する。
【0024】
図1のST2を参照して説明する。給送ローラ3が回転し続けることによって第1シート1-Aの先端は、フラッパ20の自重に抗してフラッパ20を押しのけ、さらにバネの付勢力に抗してシート押さえレバー17を回転軸17bの回りに時計回り方向に回転させる。さらに給送ローラ3が回転し続けると、第1シート1-Aの先端は搬送ローラ5とピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たる。このとき、搬送ローラ5は停止状態である。第1シート1-Aの先端が搬送ニップ部に突き当たった後も給送ローラ3を所定量回転させることによって、第1シート1-Aの先端が搬送ニップ部に突き当たった状態で整列し斜行が矯正される。ここでの斜行矯正動作をレジ取り動作ともいう。
【0025】
図1のST3を参照して説明する。第1シート1-Aの斜行矯正動作が終了すると、搬送モータ205が駆動されることによって搬送ローラ5が図中反時計回りに回転を開始する。本実施形態では、このとき、搬送ローラ5は15inch/secでシート1を搬送する。第1シート1-Aは記録ヘッド7と対向する位置まで頭出しされた後に、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作が行われる。なお、頭出し動作は、シート1の先端が搬送ニップ部に突き当てられることにより搬送ローラ5の位置に一旦位置決めされ、その後、搬送ローラ5の位置を基準として搬送ローラ5の回転量を制御することにより行われる。
【0026】
上述したように、本実施形態の記録装置は、記録ヘッド7がキャリッジ10に搭載されているシリアルタイプの記録装置である。搬送ローラ5によってシート1を所定量ずつ間欠搬送する搬送動作と、搬送ローラ5が停止しているときに記録ヘッド7を搭載したキャリッジ10を移動させながら記録ヘッド7からインクを吐出する画像形成動作とを繰り返す。これにより、シート1に対する記録動作が行われる。
【0027】
図2のST4を参照して説明する。第1シート1-Aの記録動作が終了すると、搬送ローラ5および排出ローラ9の回転が停止する。このとき、フラッパ20は自重により図のように下方に下がる位置にある。つまり、フラッパ20は、シート1により押し上げられていない状態である。
【0028】
図2のST5を参照して説明する。搬送ローラ5および排出ローラ9は記録動作時とは反対方向(図中時計回り)に回転し、第1シート1-Aを搬送ガイド15およびシート押さえレバー17方向へ搬送する。本実施形態では、このとき、搬送ローラ5は8inch/secで回転する。搬送ローラ5が図中時計回りに回転を続けると、第1シート1-Aの端部1-A-a(第1面の印刷時の後端)はバネの付勢力に抗してシート押さえレバー17の先端部17cを回転軸17aの回りに図中反時計回りに回転させる。ここでシート押さえレバー17は、第1シート1-Aの端部1-A-aがシート押さえレバー17の先端部17cの下方を接触することなく通過するよう構成してもよい。さらに、第1シート1-Aの端部1-A-aは第2押さえレバー25の先端を図中時計回りに回転させる。搬送ローラ5が図中時計回りの回転を続けると第1シート1-Aの端部1-A-aは、第2シート押さえレバー25により反転搬送ガイド21へと案内される。上述したように、フラッパ20は下方に下がった位置にあるため、反転搬送ガイド21へ第1シート1-Aを案内することが可能である。このとき、ピックアップローラ2が回転を開始し、第2シート1-Bをピックアップする。また、第2シート1-Bは第1シート1-Aの記録動作中にピックアップ動作が行われ、シート検知センサ16の検知によって給送ローラ3を一時停止する。これにより、第2シート1-Bの端部1-B-b(第1面の印刷時の先端)がフラッパ20を押し上げる手前で第2シート1-Bを待機させてもよい。
【0029】
図2のST6を参照して説明する。搬送ローラ5が図中回転回りに回転を続けると第1シート1-Aの端部1-A-a(第1面の印刷時の後端)は反転搬送ガイド21に案内され、反転ローラ23と反転従動ローラ24の反転搬送ニップ部に突入する。一方、ピックアップローラ2によりピックアップされた第2シート1-Bの端部1-B-b(第1面の印刷時の先端)はフラッパ20を押しのけ、搬送ガイド15へ合流する。第2シート1-Bの端部1-B-bがフラッパ20から抜けるときには、第1シート1-Aの端部1-A-aは既にフラッパ20を通過し反転搬送ガイド21に案内されているため、シートの端部同士の衝突による紙ジャムが発生することはない。また、第1シート1-Aの反転搬送に関して、第1シート1-Aの端部1-A-b(第1面の印刷時の先端)が第2シート検知センサ22を抜けると、第1シート1-Aの搬送方向の長さ情報に基づいて、第1シート1-Aの端部1-A-aの位置が算出される。
【0030】
図3のST7を参照して説明する。第1シート1-Aの端部1-A-aの位置情報を元に、搬送ローラ5および反転ローラ23は図中時計回りに所定量回転され、第1シート1-Aの端部1-A-aが反転搬送ガイド21内のPOS4に到達したところで搬送ローラ5および反転ローラ23の回転が停止される。一方、第2シート1-Bに関して、給送ローラ3を図中反時計回りに回転し続けると、第2シート1-Bの端部1-B-bは搬送ローラ5とピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たる。このとき、搬送ローラ5は停止状態である。第2シート1-Bの端部1-B-bが搬送ニップ部に突き当たった後も給送ローラ3を図中反時計回りに所定量回転させることによって、第2シート1-Bの端部1-B-bが搬送ニップ部に突き当たった状態で整列し斜行が矯正される。
【0031】
図3のST8を参照して説明する。第2シート1-Bの斜行矯正動作が終了すると、搬送モータ205が駆動されることによって、搬送ローラ5が図中反時計回りに回転を開始する。本実施形態では、このとき、搬送ローラ5は15inch/secでシートを搬送する。第2シート1-Bは記録ヘッド7と対向する位置まで頭出しされ、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって第2シート1-Bの第1面に記録動作が行われる。このとき、反転ローラ23は停止したままであり、第1シート1-Aは搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内で反転ローラ23および反転従動ローラ24に保持されたまま停止、滞留している。また、第1シート1-Aの端部1-A-bは搬送ガイド15のPOS2の位置にある。POS2は搬送ガイド15において、シート押さえレバー17より反転搬送ガイド21側(図中右側)に設けられており、滞留中の第1シート1-Aの端部1-A-bが当接しないように構成されている。
【0032】
図3のST9から
図4のST11を参照して説明する。第2シート1-Bの第1面への記録動作が終了すると、第2シート1-Bの記録終了時の端部1-B-a(第1面の印刷時の後端)の位置が判定される。ST9のように、第2シート1-Bの端部1-B-aが図中のPOS3より搬送方向上流側に位置する場合、搬送ローラ5を図中反時計回りに回転させ、第2シート1-Bの端部1-B-aがPOS3に到達するまで搬送する。その結果、ST12に示すように、POS2とPOS3との間(領域15a)において、第1シート1-Aと第2シート1-Bは重なった状態となる。また、
図4のST10あるいはST11のように、第2シート1-Bの端部1-B-aが図中のPOS3より搬送方向下流側に位置する場合、搬送ローラ5を図中時計回りに回転させ、第2シート1-Bを搬送方向上流側へ搬送する。このとき、第1シート1-Aの端部1-A-bは第2押さえレバー25により、図中上側に持ち上げられている。ST10のように第2シート1-Bの端部1-B-aが図中のPOS2より搬送方向下流側に位置する場合、搬送ローラ5を図中反時計回りに回転させ搬送を続けると、第2シート1-Bの端部1-B-aはシート押さえレバー17から付勢力を受けることで、図中上側への浮き上がりが抑制される。第1シート1-Aの端部1-A-bは第2押さえレバー25により図中上側に持ち上げられているため、第2シート1-Bの端部1-B-aは第1シート1-Aの端部1-A-bの下に潜り込むように重なることが可能である。その結果、ST12に示すように、POS2とPOS3との間(領域15a)において、第1シート1-Aと第2シート1-Bは重なった状態となる。
【0033】
図4のST12を参照して説明する。第2シート1-Bの端部1-B-aの位置情報を元に第2シート1-Bの端部1-B-aがPOS3に到達する。これに伴って、第1シート1-Aの端部1-A-bと第2シート1-Bの端部1-B-aが重なり状態を維持したまま、搬送ローラ5および反転ローラ23が図中時計回りに回転し、第2シート1-Bと第1シート1-Aの搬送が開始される。さらに、
図5のST13を参照して説明する。第2シート1-Bの端部は反転搬送ガイド21へと案内される一方、第1シート1-Aは給送ローラ3と給送従動ローラ4にニップされ、フラッパ20へと搬送される。さらに給送ローラ3を図中反時計回りに回転し続けることにより、第1シート1-Aの端部1-A-aは、フラッパ20、第1シート1-Aおよび第2シート1-Bの自重に抗してフラッパ20を押しのけ、再び搬送ガイド15へ合流する。
【0034】
図5のST14を参照して説明する。反転ローラ23の図中時計回りの回転により第2シート1-Bの端部1-B-aが反転搬送ガイド21内のPOS4に到達したところで搬送ローラ5および反転ローラ23の回転を停止させる。一方、第1シート1-Aに関して、給送ローラ3を図中反時計回りに回転し続けると、第1シート1-Aの端部1-A-aは搬送ローラ5とピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たる。このとき、搬送ローラ5は停止状態である。第1シート1-Aの端部1-A-aが搬送ニップ部に突き当たった後も給送ローラ3を図中反時計回りに所定量回転されることによって、第1シート1-Aの端部1-A-aが搬送ニップ部に突き当たった状態で整列し斜行が矯正される。
【0035】
図5のST15を参照して説明する。第1シート1-Aの斜行矯正動作が終了すると、搬送モータ205が駆動されることによって搬送ローラ5が図中反時計回りに回転を開始する。本実施形態では、ここでは、搬送ローラ5は15inch/secでシートを搬送する。このとき、第1シート1-Aは表裏が反転された状態にあり、既に記録動作が行われた第1面がプラテン8に接触し、記録されていない第2面が記録ヘッド7と対向した状態となっている。第1シート1-Aは記録ヘッド7と対向する位置まで頭出しされ、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって第2面への記録動作が行われる。このとき、反転ローラ23は停止したままであり、第2シート1-Bは搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内で反転ローラ23および反転従動ローラ24に保持されたまま停止、滞留している。また、第2シート1-Bの端部1-B-bは搬送ガイド15のPOS2の位置にある。
【0036】
図6のST16を参照して説明する。ピックアップローラ2によってピックアップされた後続の第3シート1-Cは、シート検知センサ16の先端検知により、端部1-C-bの位置を管理しながら給送ローラ3によって搬送される。このときに、第1シート1-Aの第2面は、記録データに基づいて記録ヘッド7によって画像形成動作が行われている。したがって、第1シート1-Aは、画像形成動作に伴って、搬送方向下流側へ順次搬送されている。そして、第1シート1-Aの画像形成が完了し、装置外への搬出が完了したら、搬送ローラ5は停止する。
【0037】
図6のST17を参照して説明する。第1シート1-Aの第2面の画像形成動作が完了し搬送ローラ5が停止しているときに、給送ローラ3を駆動することによって第3シート1-Cの端部1-C-bを搬送ニップ部に突き当てて第3シート1-Cの斜行矯正動作を行う。このとき、反転ローラ23は停止したままであり、第2シート1-Bは搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内で反転ローラ23および反転従動ローラ24に保持されたまま停止、滞留している。
【0038】
図6のST18を参照して説明する。第3シート1-Cの記録動作における搬送ローラ5の間欠搬送に伴い、画像形成が完了した第1シート1-Aは排出ローラ9によって記録装置外に排出される。第3シート1-Cの第1面の記録動作が終了すると、第3シート1-Cの記録終了時の端部1-C-aの位置を判定し、第2シート1-Bの第1面の記録動作終了時と同様に第3シート1-Cの端部1-C-aの位置によって動作を切り替える。ここでは、第3シート1-Cの端部1-C-aの位置が搬送ガイド15内のPOS3とPOS2の間に位置するとして説明する。第3シート1-Cの端部1-C-aが図中のPOS3より搬送方向下流側に位置するため、搬送ローラ5を図中時計回りに回転させ、第3シート1-Cを搬送方向上流側へ搬送する。
【0039】
図7のST19を参照して説明する。第3シート1-Cの端部1-C-aの位置情報を元に第3シート1-Cの端部1-C-aがPOS3に到達する。これに伴って、第2シート1-Bの端部1-B-bと第3シート1-Cの端部1-C-aが重なり状態を維持したまま、搬送ローラ5および反転ローラ23が図中時計回りに回転することで、第3シート1-Cと第2シート1-Bの搬送が開始される。さらに、
図7のST20を参照して説明する。第3シート1-Cの端部1-C-aは第2シート押さえレバー25により反転搬送ガイド21へと案内され、第2シート1-Bは給送ローラ3と給送従動ローラ4にニップされ、フラッパ20へと搬送される。さらに給送ローラ3が図中反時計回りに回転し続けることにより、第2シート1-Bの端部1-B-aは、フラッパ20、第2シート1-Bおよび第3シート1-Cの自重に抗してフラッパ20を押しのけ、再び搬送ガイド15へ合流する。
【0040】
図7のST21を参照して説明する。反転ローラ23の図中時計回りの回転により第3シート1-Cの端部1-C-aが反転搬送ガイド21内のPOS4に到達したところで搬送ローラ5および反転ローラ23の回転を停止させる。一方、第2シート1-Bに関して、給送ローラ3を図中反時計回りに回転し続けると、第2シート1-Bの端部1-B-aは搬送ローラ5とピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たる。このとき搬送ローラ5は停止状態である。第2シート1-Bの端部1-B-aが搬送ニップ部に突き当たった後も給送ローラ3を図中反時計回りに所定量回転させることによって、第2シート1-Bの端部1-B-aが搬送ニップ部に突き当たった状態で整列し斜行が矯正される。
【0041】
図8のST22を参照して説明する。第2シート1-Bの斜行矯正動作が終了すると、搬送モータ205が駆動されることによって搬送ローラ5が図中反時計回りに回転を開始する。このとき、第2シート1-Bは表裏が反転された状態にあり、既に記録動作が行われた第1面がプラテン8に接触し、記録されていない第2面が記録ヘッド7と対向した状態となっている。第2シート1-Bは記録ヘッド7と対向する位置まで頭出しされ、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって第2面への記録動作が行われる。このとき、反転ローラ23は停止したままであり、第3シート1-Cは搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内で反転ローラ23および反転従動ローラ24に保持されたまま停止、滞留している。また、第3シート1-Cの端部1-C-bは搬送ガイド15のPOS2の位置にある。
【0042】
図8のST23を参照して説明する。第2シート1-Bの端部1-B-bがシート検知センサ16によって検知されてから所定時間後、反転ローラ23が図中時計回りに回転を開始する。これにより、第3シート1-Cは、給送ローラ3との合流位置へ搬送され、更に給送ローラ3と給送従動ローラ4にニップされ、フラッパ20へと搬送される。
【0043】
図8のST24を参照して説明する。第3シート1-Cの端部1-C-aがシート検知センサ16によって検知され、第2シート1-Bの端部1-B-bと第3シート1-Cの端部1-C-aの距離が算出される。算出した距離を元に、第2シート1-Bの端部1-B-bと第3シート1-Cの端部1-C-aの距離が所定の値となるよう、第2シート1-Bの記録動作における搬送ローラ5の間欠搬送にあわせて給送ローラ3を間欠搬送する。このとき、給送ローラ3の図中反時計回りの回転により、第3シート1-Cの端部1-C-aは、フラッパ20および第3シート1-Cの自重に抗してフラッパ20を押しのけ、再び搬送ガイド15へ合流する。
【0044】
図9のST25を参照して説明する。第2シート1-Bの第2面の画像形成動作が完了し搬送ローラ5が停止しているときに、給送ローラ3を駆動することによって第3シート1-Cの端部1-C-aを搬送ニップ部に突き当てて第3シート1-Cの斜行矯正動作を行う。
図9のST26を参照して説明する。第3シート1-Cの記録動作における搬送ローラ5の間欠搬送に伴い、第1シート1-Aは排出ローラ9によって記録装置外に排出される。さらに、
図9のST27に示すように、記録ヘッド7により第3シート1-Cの第2面への記録動作が行われ、記録動作が終了すると、第3シート1-Cは排出ローラ9によって記録装置外に排出される。
【0045】
(単独両面印刷)
次に、
図10のST31から
図12のST37を用いて、最大サイズであるA3サイズのシートの両面印刷の動作について時系列に説明する。本実施形態では、A4サイズよりもシートサイズが長いシートは上述の滞留両面印刷ではなく、シートに対して1枚ごとに第1面と第2面の印刷動作を繰り返す単独両面印刷を行う。なお、上述の常用するA4サイズの記録シートの動作と同一のものは詳細な説明を省略する。
【0046】
図10のST31を参照して説明する。ピックアップローラ2が回転すると、給送トレイ11に積載された最上位のシート(シート1-A)がピックアップされ、さらに給送ローラ3によって搬送される。
【0047】
図10のST32を参照して説明する。給送ローラ3が図中反時計回りに回転し続けることによってシート1-Aの先端は搬送ローラ5とピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たり斜行矯正され、頭出し動作が行われる。さらに、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによってシート1-Aの第1面への記録動作が行われる。シート1-Aの記録動作が終了すると、搬送ローラ5および排出ローラ9の回転が停止する。このとき、フラッパ20は自重により図のように下方に下がる位置にある。
【0048】
図10のST33を参照して説明する。搬送ローラ5および排出ローラ9は記録動作時とは反対方向(図中時計回り)に回転し、シート1-Aを搬送ガイド15およびシート押さえレバー17方向へ搬送する。更に搬送ローラ5が図中時計回りの回転を続けると、シート1-Aの端部1-A-aは、第2シート押さえレバー25の付勢により反転搬送ガイド21へと案内される。
【0049】
図11のST34を参照して説明する。搬送ローラ5が図中時計回りの回転を続けるとシート1-Aの端部1-A-a(第1面の印刷時の後端)は反転搬送ガイド21に案内され、反転ローラ23と反転従動ローラ24の反転搬送ニップ部に突入する。
【0050】
図11のST35を参照して説明する。搬送ローラ5および反転ローラが図中時計回りの回転を続けるとシート1-Aの端部1-A-aは給送ローラ3と給送従動ローラ4の給送ニップ部に突入する。さらに、給送ローラ3の図中反時計回りの回転により、シート1-Aの端部1-A-aは、フラッパ20およびシート1-Aの自重に抗してフラッパ20を押しのけ、再び搬送ガイド15へ合流する。
【0051】
図11のST36を参照して説明する。第2シート検知センサ22によってシート1-Aの端部1-A-bが検知されると、搬送ローラ5が図中反時計回りに所定量回転したところで搬送ローラ5の回転が一度停止する。さらに、給送ローラ3が図中反時計回りに回転し続けるとシート1-Aの端部1-A-aは搬送ローラ5とピンチローラ6で形成される搬送ニップ部に突き当たり、斜行矯正が行われる。
【0052】
図12のST37を参照して説明する。シート1-Aの斜行矯正動作が終了すると、搬送モータ205が駆動されることによって搬送ローラ5が図中反時計回りに回転を開始する。このとき、シート1-Aは表裏が反転された状態にあり、既に記録動作が行われた第1面がプラテン8に接触し、記録されていない第2面が記録ヘッド7と対向した状態となっている。シート1-Aは記録ヘッド7と対向する位置まで頭出しされ、記録データに基づいて記録ヘッド7からインクを吐出することによって第2面への記録動作が行われる。記録動作が終了すると、シート1-Aは排出ローラ9によって記録装置外に排出される。
【0053】
[制御フロー]
図15は、本実施形態における給送動作に係るフローチャートである。I/F部213を介してホストコンピュータ214からシート1のシート情報および記録データが送信されると記録動作を開始する。本処理フローは、MPU201がROM202等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0054】
S301にて、MPU201は、シート1のシート種類を確認し、印刷に用いられるシートが普通紙か否かを判定する。普通紙でない場合は(S301にてNO)S311へ進み、普通紙である場合は(S301にてYES)S302へ進む。
【0055】
S302にて、MPU201は、印刷要求において、両面印刷が指定されているか否かを判定する。両面印刷が指定されている場合は(S302にてYES)S303へ進み、両面印刷が指定されていない場合は(S302にてNO)、S308へ進む。
【0056】
S303にて、MPU201は、印刷に用いられるシート1のシートサイズを確認する。本実施形態においては、シート長が270mm以上の場合に自動両面印刷が可能であるものとし、これを基準として判定を行う。ここでの基準は、記録装置の搬送経路の長さや形状等に応じて決定される。また、ここでのシート長とは、搬送方向におけるシート1の長さを示す。印刷に用いられるシート1のシート長が270mm以上である場合(S303にてYES)S304へ進み、シート長が270mm未満である場合には(S303にてNO)S311へ進む。
【0057】
S304にて、MPU201は、印刷に用いられるシート1のシート枚数を確認し、シート枚数が2枚(複数枚)以上か否かを判定する。もしくは、両面印刷における記録ページ数が3枚以上か否かを判定してもよい。シート枚数が2枚以上である場合は(S304にてYES)S305へ進み、2枚未満(すなわち、1枚)である場合は(S304にてNO)S306へ進む。
【0058】
S305にて、MPU201は、印刷に用いられるシート1のサイズを確認し、シートサイズがA4サイズ(シート長297mm)またはLETTERサイズ(シート長279.4mm)であるか否かを判定する。ここでの判定に用いられるシートサイズの基準は、記録装置が印刷可能なシートの種類に応じて決定される。上記シートサイズのいずれかである場合(S305にてYES)S307へ進み、いずれでもない場合は(S305にてNO)S306へ進む。
【0059】
S306にて、MPU201は、給送シーケンスとして単独両面給送シーケンスを行う。本工程の詳細は、
図17を用いて後述する。本工程の処理の後、本処理フローを終了する。
【0060】
S307にて、MPU201は、給送シーケンスとして滞留両面印刷給送シーケンスを行う。本工程の詳細は、
図19を用いて後述する。本工程の処理の後、本処理フローを終了する。
【0061】
S308にて、MPU201は、印刷枚数を確認し、印刷枚数が複数枚であるか否かを判定する。印刷枚数が1枚である場合は(S308にてNO)S311へ進み、印刷枚数が複数枚である場合は、S309へ進む。
【0062】
S309にて、MPU201は、印刷に用いられるシート1のサイズを確認し、シートサイズがA4サイズ(シート長さ297mm)またはLETTERサイズ(シート長さ279.4mm)であるか否かを判定する。上記シートサイズのいずれかである場合(S309にてYES)S310へ進み、いずれでもない場合は(S309にてNO)S311へ進む。
【0063】
S310にて、MPU201は、給送シーケンスとして連送給送シーケンスを行う。本工程の詳細は、
図18を用いて後述する。本工程の処理の後、本処理フローを終了する。
【0064】
S311にて、MPU201は、給送シーケンスとして片面単独給送シーケンスを行う。本工程の詳細は、
図16を用いて後述する。本工程の処理の後、本処理フローを終了する。
【0065】
(片面単独給送)
図16は片面単独給送シーケンスのフローチャートである。本動作は、
図15のS311の工程に対応する。
【0066】
S401にて、MPU201は、ピックアップローラ2を7.6inch/secで回転させる。ピックアップローラ2によってシート1-Aがピックアップされ、給送ローラ3によってシート1-Aを記録ヘッド7に向けて給送する。
【0067】
S402にて、MPU201は、第2シート検知センサ22によってシート1-Aの先端を検知したか否かを判定する。検知した場合には(S402にてYES)S403へ進み、検知していない場合には(S402にてNO)検知するまで、搬送を継続する。
【0068】
S403にて、MPU201は、第2シート検知センサ22によってシート1-Aの先端が検知された後の給送ローラ3の回転量を制御することにより、シート1-Aの先端を搬送ニップ部に突き当ててシート1-Aの斜行矯正動作を行う。
【0069】
S404にて、MPU201は、記録データに基づいてシート1-Aの頭出しを行う。すなわち、搬送ローラ5の回転量を制御することにより、記録データに基づいた搬送ローラ5の位置を基準とした記録開始位置までシート1-Aを搬送する。
【0070】
S405にて、MPU201は、シート1-Aに対して記録ヘッド7からインクを吐出することにより、記録動作を開始する。具体的には、搬送ローラ5によってシート1-Aを間欠搬送する搬送動作と、キャリッジ10を移動させて記録ヘッド7からインクを吐出する画像形成動作(インク吐出動作)とを繰り返すことによって、シート1-Aに対する記録動作を行う。
【0071】
S406にて、MPU201は、シート1-Aに対する記録動作が完了したか否かを判定する。記録動作が完了した場合は(S406にてYES)S407へ進み、完了していない場合には(S406にてNO)記録動作が完了するまで、動作を継続する。
【0072】
S407にて、MPU201は、シート1-Aを排出し、本処理フローを終了する。
【0073】
(単独両面印刷給送)
図17は、本実施形態に係る単独両面印刷給送シーケンスのフローチャートである。本動作は、
図15のS306の工程に対応する。本動作は、複数のシートに対して両面印刷を行う際に、1枚ごとに両面印刷を行う際の給送に該当する。つまり、1枚のシートに対する両面印刷が終了後に、次のシートに対する両面印刷が行われる。
【0074】
S501にて、MPU201は、第1面の印刷を行うため、ピックアップローラ2を7.6inch/secで回転させる。ピックアップローラ2によってシート1-Aがピックアップされ、給送ローラ3によってシート1-Aを記録ヘッド7に向けて給送する。
【0075】
S502にて、MPU201は、第2シート検知センサ22によってシート1-Aの先端を検知したか否かを判定する。検知した場合には(S502にてYES)S503へ進み、検知していない場合には(S502にてNO)検知するまで搬送を継続する。
【0076】
S503にて、MPU201は、第2シート検知センサ22によってシート1-Aの先端が検知された後の給送ローラ3の回転量を制御することにより、シート1-Aの先端を搬送ニップ部に突き当ててシート1-Aの斜行矯正動作を行う。
【0077】
S504にて、MPU201は、記録データに基づいてシート1-Aの第1面の頭出しを行う。すなわち、搬送ローラ5の回転量を制御することにより、記録データに基づいた搬送ローラ5の位置を基準とした記録開始位置までシート1-Aを搬送する。
【0078】
S505にて、MPU201は、シート1-Aの第1面に対して記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作を開始する。具体的には、搬送ローラ5によってシート1-Aを間欠搬送する搬送動作と、キャリッジ10を移動させて記録ヘッド7からインクを吐出する画像形成動作(インク吐出動作)とを繰り返すことによって、シート1-Aの第1面に対する記録動作を行う。
【0079】
S506にて、MPU201は、シート1-Aの第1面に対する記録動作が完了したか否かを判定する。記録動作が完了した場合は(S506にてYES)S507へ進み、完了していない場合には(S506にてNO)記録動作が完了するまで、動作を継続する。
【0080】
S507にて、MPU201は、シート1-Aのシート長を確認し、自動両面印刷が可能なシート長か否かを判定する。上述したように、本実施形態では、シート長が270mm以上を自動両面印刷が可能なサイズとする。このときのシート長は、第2シート検知センサ22がシート1-Aの先端を検出してからシート1-Aの後端を検出するまでの搬送ローラ5の駆動量から算出する。シート長が自動両面印刷が可能なシート長である場合(S507にてYES)S509へ進み、そうでない場合は(S507にてNO)S508へ進む。
【0081】
S508にて、MPU201は、シート1-Aを排出し、本処理フローを終了する。
【0082】
S509にて、MPU201は、シート1-Aの第1面に吐出したインクが乾燥するまで搬送ローラ5および排出ローラ9の回転を停止し、待機する。このときの待機時間(t1)はインクの種類、インクの重ね打ち込み量、インクの単位面積当たりの打ち込み量、環境温度等を勘案して決定する。待機時間(t1)が経過した後、S510へ進む。
【0083】
S510にて、MPU201は、搬送ローラ5および排出ローラ9を、シート1-Aが搬送方向上流側の反転搬送ガイド21へ搬送されるように回転させる。また、MPU201は、搬送ローラ5および排出ローラ9の回転開始と同時に、反転搬送ガイド21を通って搬送されてきたシート1-Aが搬送方向下流側へ搬送されるように給送ローラ3および反転ローラ23を回転させる。各ローラの回転を続けるとシート1-Aの端部1-A-aが給送ローラ3と給送従動ローラ4の給送ニップ部へ突入する。
【0084】
S511にて、MPU201は、シート検知センサ16によりシート1-Aの端部1-A-aを検出したか否かを判定する。シート1-Aの端部1-A-aを検出した場合(S511にてYES)S512へ進み、検出していない場合は(S511にてNO)検出するまで動作を継続する。
【0085】
S512にて、MPU201は、搬送ローラ5、排出ローラ9、給送ローラ3、および反転ローラ23の回転を停止させる。
【0086】
S513にて、MPU201は、乾燥待機時間(t2)の間待機する。なお、本工程は、S509で待機時間(t1)の乾燥待機を実施した場合には省略してもよく、その場合には、t2=0として次のステップに移行しても構わない。乾燥待機時間(t2)の乾燥待機を必要としないのは、例えば、シート1-Aの後端部にインク吐出を行わない余白部分が十分存在している場合である。このとき、第1面に吐出されたインクが搬送ニップ部に到達するまでに乾燥時間が確保され、ピンチローラ6にインクが転写することはない。一方、給送ニップ部からフラッパ20を押しのけてシート1-Aを搬送する場合、シート1-Aの保有水分量によっては紙ジャムの可能性が高い。そのため、本実施形態では、乾燥によりシート1-Aの剛性が大きくなり、フラッパ20および搬送ガイド15を通過できるよう、適切な乾燥待機時間(t2)の乾燥待機を実施する。待機時間(t2)が経過した後、S514へ進む。
【0087】
S514にて、MPU201は、搬送ローラ5および排出ローラ9を8inch/secで回転させ、給送ローラ3および反転ローラ23を8inch/secで回転させることで、シート1-Aが反転搬送ガイド21を通って記録ヘッド7に向かうように搬送する。
【0088】
S515にて、MPU201は、第2シート検知センサ22によってシート1-Aの端部1-A-aを検知したか否かを判定する。検知した場合には(S515にてYES)S516へ進み、検知していない場合には(S515にてNO)検知するまで搬送を継続する。
【0089】
S516にて、MPU201は、第2シート検知センサ22によってシート1-Aの端部が検知された後、搬送ローラ5および排出ローラ9を停止させる。
【0090】
S517にて、MPU201は、給送ローラ3の回転量を制御することにより、シート1-Aの端部1-A-aを搬送ニップ部に突き当ててシート1-Aの斜行矯正動作を行う。
【0091】
S518にて、MPU201は、記録データに基づいてシート1-Aの第2面の頭出しを行う。すなわち、搬送ローラ5の回転量を制御することにより、記録データに基づいた搬送ローラ5の位置を基準とした記録開始位置までシート1-Aを搬送する。
【0092】
S519にて、MPU201は、シート1-Aの第2面に対して記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作を開始する。具体的には、搬送ローラ5によってシート1-Aを間欠搬送する搬送動作と、キャリッジ10を移動させて記録ヘッド7からインクを吐出する画像形成動作(インク吐出動作)とを繰り返すことによって、シート1-Aの第2面に対する記録動作を行う。
【0093】
S520にて、MPU201は、シート1-Aの第2面に対する記録動作が完了したか否かを判定する。記録動作が完了した場合は(S520にてYES)S521へ進み、完了していない場合には(S520にてNO)記録動作が完了するまで、動作を継続する。
【0094】
S521にて、MPU201は、シート1-Aを排出し、本処理フローを終了する。
【0095】
(連送給送動作)
図18は、本実施形態に係る連送給送シーケンスのフローチャートである。本動作は、
図15のS310の工程に対応する。
【0096】
S601にて、MPU201は、ピックアップローラ2を7.6inch/secで回転させる。ピックアップローラ2によって第1シート1-Aがピックアップされ、給送ローラ3によって第1シート1-Aを記録ヘッド7に向けて給送する。
【0097】
S602にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第1シート1-Aの先端を検知したか否かを判定する。検知した場合には(S602にてYES)S603へ進み、検知していない場合には(S602にてNO)検知するまで搬送を継続する。
【0098】
S603にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第1シート1-Aの先端が検知された後の給送ローラ3の回転量を制御することにより、第1シート1-Aの先端を搬送ローラ5の搬送ニップ部に突き当てて第1シート1-Aの斜行矯正動作を行う。
【0099】
S604にて、MPU201は、記録データに基づいて第1シート1-Aの頭出しを行う。すなわち、搬送ローラ5の回転量を制御することにより、記録データに基づいた搬送ローラ5の位置を基準とした記録開始位置まで第1シート1-Aを搬送する。
【0100】
S605にて、MPU201は、第1シート1-Aに対して記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作を開始する。具体的には、搬送ローラ5によって第1シート1-Aを間欠搬送する搬送動作と、キャリッジ10を移動させて記録ヘッド7からインクを吐出する画像形成動作(インク吐出動作)とを繰り返すことによって、第1シート1-Aに対する記録動作を行う。MPU201は、搬送ローラ5によって第1シート1-Aを間欠搬送する動作と同期して、給送モータ206を間欠的に低速駆動する。すなわち、ピックアップローラ2及び給送ローラ3は7.6inch/secで間欠的に回転する。
【0101】
S606にて、MPU201は、次ページの記録データがあるか否かを判定する。次ページの記録データが無い場合は(S606にてNO)S618に進み、次ページの記録データがある場合は(S606にてYES)S607へ進む。
【0102】
S607にて、MPU201は、第2シート1-Bの給送動作を開始する。具体的には、ピックアップローラ2によって第2シート1-Bがピックアップされ、給送ローラ3によって第2シート1-Bを記録ヘッド7に向けて給送する。ピックアップローラ2は7.6inch/secで回転する。前述のように、駆動軸19の突起19aに対して、ピックアップローラ2の凹部2cが大きく設けられているため、第2シート1-Bは第1シート1-Aの後端と所定の間隔を有する状態で搬送される。
【0103】
S608にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第2シート1-Bの先端を検知したか否かを判定する。検知した場合には(S608にてYES)S609へ進み、検知していない場合には(S608にてNO)検知するまで搬送を継続する。
【0104】
S609にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第2シート1-Bの先端が検知された後の給送ローラ3の回転量を制御することにより、第2シート1-Bの先端が給送ニップ部から所定量進んだ位置となるように第2シート1-Bを搬送した上で、搬送を停止させる。このとき、第1シート1-Aは記録データに基づいて間欠搬送されている。
【0105】
S610にて、MPU201は、第1シート1-Aに対する記録動作が完了したか否かを判定する。第1シート1-Aに対する記録動作が完了した場合(S610にてYES)S611へ進み、完了していない場合には(S610にてNO)記録動作が完了するまで、動作を継続する。
【0106】
S611にて、MPU201は、記録動作が完了した第1シート1-Aを排出する。
【0107】
S612にて、MPU201は、給送ローラ3の回転量を制御することによって、第2シート1-Bの先端を、搬送ローラ5の搬送ニップ部に突き当てて第2シート1-Bの斜行矯正動作を行う。
【0108】
S613にて、MPU201は、記録データに基づいて第2シート1-Bの頭出しを行う。すなわち、搬送ローラ5の回転量を制御することにより、記録データに基づいた搬送ローラ5の位置を基準とした記録開始位置まで第2シート1-Bを搬送する。
【0109】
S614にて、MPU201は、第2シート1-Bに対して記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作を開始する。
【0110】
S615にて、MPU201は、次ページの記録データがあるか否かを判定する。次ページの記録データがある場合は(S615にてYES)S607に戻り、次ページ以降に対する動作を繰り返す。なお、フローにおいては、適時「第N」の部分を読み替えるものとする。次ページの記録データが無い場合は(S615にてNO)S616に進む。
【0111】
S616にて、MPU201は、第2シート1-Aに対する記録動作が完了したか否かを判定する。第2シート1-Bに対する記録動作が完了した場合(S616にてYES)S617へ進み、完了していない場合には(S616にてNO)記録動作が完了するまで、動作を継続する。
【0112】
S617にて、MPU201は、第2シート1-Bを排出し、本処理フローを終了する。
【0113】
S618にて、MPU201は、第1シート1-Aに対する記録動作が完了したか否かを判定する。第1シート1-Aに対する記録動作が完了した場合(S618にてYES)、S619へ進み、完了していない場合(S618にてNO)記録動作が完了するまで動作を継続する。
【0114】
S619にて、MPU201は、第1シート1-Aを排出し、本処理フローを終了する。
【0115】
(滞留両面印刷動作)
図19は、本実施形態に係る滞留両面印刷給送シーケンスのフローチャートである。本動作は、
図15のS307の工程に対応する。
【0116】
S701にて、MPU201は、ピックアップローラ2を7.6inch/secで回転させる。ピックアップローラ2によって第1シート1-Aがピックアップされ、給送ローラ3によって第1シート1-Aを記録ヘッド7に向けて給送する。
【0117】
S702にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第1シート1-Aの先端を検知したか否かを判定する。検知した場合には(S702にてYES)S703へ進み、検知していない場合には(S702にてNO)検知するまで搬送を継続する。
【0118】
S703にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第1シート1-Aの先端が検知された後の給送ローラ3の回転量を制御することにより、第1シート1-Aの先端を搬送ローラ5の搬送ニップ部に突き当てて第1シート1-Aの斜行矯正動作を行う。
【0119】
S704にて、MPU201は、記録データに基づいて第1シート1-Aの頭出しを行う。すなわち、搬送ローラ5の回転量を制御することにより、記録データに基づいた搬送ローラ5の位置を基準とした記録開始位置まで第1シート1-Aを搬送する。
【0120】
S705にて、MPU201は、第1シート1-Aの第1面に対して記録ヘッド7からインクを吐出することによって記録動作を開始する。
【0121】
S706にて、MPU201は、第1シート1-Aのシート長を確認し、270~306mm(A4サイズまたはLETTERサイズ)の範囲内であるか否かを判定する。上述したように、ここでのシート長に対する判定の基準は、記録装置の構成に応じて変化する。シート長が上記範囲内である場合は(S706にてYES)S708へ進み、範囲外である場合は(S706にてNO)S707へ進む。
【0122】
S707にて、MPU201は、第1シート1-Aを排出し、本処理フローを終了する。
【0123】
S708にて、MPU201は、反転滞留+次シートピックアップ動作を行う。本工程では、第1シート1-Aを搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内に滞留させ、第2シート1-Bをピックアップする動作を行う。反転滞留+次シートピックアップ動作の詳細は、
図20を用いて後述する。本工程の後、S709へ進む。
【0124】
S709にて、MPU201は、第2シート1-Bの第1面に対して記録動作を開始する。
【0125】
S710にて、MPU201は、重ね反転滞留+反転給紙動作を行う。本工程では、第2シート1-Bを搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内に滞留させ、同時に搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内に滞留させていた第1シート1-Aを反転給紙する動作である。重ね反転滞留+反転給紙動作の詳細は
図21を用いて後述する。本工程の後、S711へ進む。
【0126】
S711にて、MPU201は、第1シート1-Aの第2面に対して記録動作を開始する。
【0127】
S712にて、MPU201は、さらに、第2シート1-Bの次のシートである第3シート1-Cの記録動作があるか否かを判定する。第3シート1-Cの記録動作がある場合は(S712にてYES)S713に進み、第2シートまでで記録動作が終了する場合は(S712にてNO)S714に進む。
【0128】
S713にて、MPU201は、排紙+次シートピックアップ動作を行う。本工程では、第1シート1-Aを排紙しつつ、第3シート1-Cをピックアップする動作である。排紙+次シートピックアップ動作の詳細は、
図22を用いて後述する。本工程の後、S709へ戻り、次ページ以降に対する動作を繰り返す。なお、フローにおいては、適時「第N」の部分を読み替えるものとする。
【0129】
S714にて、MPU201は、排紙+反転給紙動作を行う。本工程では、第1シート1-Aを排紙しつつ、搬送ガイド15および反転搬送ガイド21内に滞留させていた第2シート1-Bを反転給紙する動作である。排紙+反転給紙動作の詳細は、
図23を用いて後述する。本工程の後、S715へ進む。
【0130】
S715にて、MPU201は、第2シート1-Bの第2面に対する記録動作を行う。
【0131】
S716にて、MPU201は、第2シート1-Bの第2面の記録動作が完了したか否かを判定する。第1シート1-Aの第2面に対する記録動作が完了した場合(S716にてYES)S717へ進み、完了していない場合には(S716にてNO)記録動作が完了するまで、動作を継続する。
【0132】
S717にて、MPU201は、第2シート1-Bを排出する。そして本処理フローを終了する。
【0133】
(反転滞留+次シートピックアップ動作)
図20は反転滞留+次シートピックアップ動作のフローチャートである。本動作は、
図19のS708の工程に対応する。
【0134】
S801にて、MPU201は、第1シート1-Aの記録動作中に、ピックアップローラ2によって第2シート1-Bをピックアップし、給送ローラ3によって第2シート1-Bを記録ヘッド7に向けて給送する。
【0135】
S802にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第2シート1-Bの先端を検知したか否かを判定する。シート検知センサ16が検出した場合(S802にてYES)S803へ進み、検出していない場合(S802にてNO)検出されるまで搬送動作を継続する。
【0136】
S803にて、MPU201は、給送ローラ3を停止し、第2シート1-Bの給送を一時停止する。
【0137】
S804にて、MPU201は、第1シート1-Aの第1面の記録動作が完了したか否かを判定する。第1シート1-Aの第1面の記録動作が完了した場合(S804にてYES)S805へ進み、完了していない場合(S804にてNO)完了するまで記録動作を継続する。
【0138】
S805にて、MPU201は、第1シート1-Aを搬送方向上流(反転搬送ガイド21)側へ搬送するように搬送ローラ5および排出ローラ9を回転させる。
【0139】
S806にて、MPU201は、各ローラの回転により第1シート1-Aの端部1-A-aがフラッパ20および反転搬送ガイド21の導入部となるPOS1を通過したか否かを判定する。通過した場合(S806にてYES)S807へ進み、通過していない場合(S806にてNO)第1シート1-Aの搬送を継続する。
【0140】
S807にて、MPU201は、第2シート1-Bを搬送方向下流側へ搬送するように給送ローラ3と反転ローラ23を回転させる。
【0141】
S808にて、MPU201は、第2シート1-Bの端部1-B-bがPOS2に到達したか否かを判定する。POS2に到達した場合(S808にてYES)S809へ進み、到達していない場合(S808にてNO)S810へ進む。
【0142】
S809にて、MPU201は、給送ローラ3を停止させ、第2シート1-Bの搬送ニップ部への突入を待機させる。その後、S808へ戻る。
【0143】
S810にて、MPU201は、第2シート検知センサ22が第1シートの端部1-A-bを検知したか否かを判定する。検知した場合は(S810にてYES)S811へ進み、検知していない場合は(S810にてNO)S808へ戻る。
【0144】
S811にて、MPU201は、搬送ローラ5および排出ローラ9を停止させる。これに伴って、第2シート1-Bの、搬送ローラ5の搬送ニップ部への突入が行われる。
【0145】
S812にて、MPU201は、第2シート1-Bの斜行矯正を行う。
【0146】
S813にて、MPU201は、第2シート1-Bの頭出しを行う。そして、本処理フローを終了する。
【0147】
また、S811~S813と並行して、MPU201は、反転搬送ガイド21に搬送された第1シート1-Aについて、S814~S815を行う。
【0148】
S814にて、MPU201は、第1シート1-Aの端部1-A-aが反転搬送ガイド21内のPOS4に到達したか否かを判定する。POS4に到達した場合(S814にてYES)S815へ進み、POS4に到達していない場合(S814にてNO)第1シート1-Aの搬送を継続する。
【0149】
S815にて、MPU201は、反転ローラ23を停止させ、第1シート1-Aを滞留させる。そして、本処理フローを終了する。
【0150】
(重ね反転滞留+反転給紙動作)
図21は、重ね反転滞留+反転給紙動作のフローチャートである。本動作は、
図19のS710の工程に対応する。
【0151】
S901にて、MPU201は、第2シート1-Bの第1面の記録動作が完了したか否かを判定する。第2シート1-Bの第1面の記録動作が完了した場合(S901にてYES)S902へ進み、完了していない場合(S901にてNO)完了するまで、第2シート1-Bの記録動作を継続する。
【0152】
S902にて、MPU201は、第2シート1-Bの端部1-B-aの位置を確認し、POS3よりも搬送方向上流か否かを判定する。第2シート1-Bの端部1-B-aがPOS3より上流にある場合は(S902にてYES)S905に進み、そうでない場合は(S902にてNO)S903へ進む。ここで、第2シート1-Bの端部1-B-aがPOS3より上流にない場合とは、
図4のST11に示すように、第2シート1-Bと第1シート1-AとがPOS2からPOS3の間において少なくとも一部が重なっている状態である。
【0153】
S903にて、MPU201は、第2シート1-Bを搬送方向上流側へ搬送するように搬送ローラ5および排出ローラ9を回転させる。
【0154】
S904にて、MPU201は、第2シート1-Bの端部1-B-aがPOS3に到達したか否かを判定する。第2シート1-Bの端部1-B-aがPOS3に到達した場合(S904にてYES)S909に進み、到達していない場合は(S904にてNO)第2シート1-Bの搬送を継続する。
【0155】
S905にて、MPU201は、第2シート1-Bを搬送方向下流側へ搬送するように搬送ローラ5および排出ローラ9を回転させ、第2シート1-Bの端部1-B-aがPOS3に到達したところで停止させる。
【0156】
S906にて、MPU201は、第2シート1-Bを搬送方向上流側(反転搬送ガイド21)へ搬送するように搬送ローラ5および排出ローラ9を回転させる。
【0157】
S907にて、MPU201は、第1シート1-Aを反転搬送ガイド21を通って搬送方向下流側へ搬送するように給送ローラ3および反転ローラ23を回転させ、第1シート1-Aの給送を開始する。
【0158】
S908にて、MPU201は、第1シート1-Aの端部1-A-aがPOS2に到達したか否かを判定する。第1シート1-Aの端部1-A-aがPOS2に到達した場合(S908にてYES)S909へ進み、到達していない場合(S908にてNO)S910へ進む。
【0159】
S909にて、MPU201は、給送ローラ3を停止させ、第1シート1-Aの搬送ローラ5の搬送ニップ部への突入を待機させる。そして、S908へ戻る。
【0160】
S910にて、MPU201は、第2シート検知センサ22が第2シートの端部1-B-bを検知したか否かを判定する。第2シート検知センサ22が第2シートの端部1-B-bを検知した場合(S910にてYES)S911へ進み、検知していない場合(S910にてNO)S908へ戻る。
【0161】
S911にて、MPU201は、搬送ローラ5および排出ローラ9を停止させる。これに伴って、第1シート1-Aの、搬送ローラ5の搬送ニップ部への突入が行われる。
【0162】
S912にて、MPU201は、第1シート1-Aの斜行矯正を行う。
【0163】
S913にて、MPU201は、第1シート1-Aの頭出し動作を行う。そして、本処理フローを終了する。
【0164】
また、S911~S913と並行して、MPU201は、反転搬送ガイド21に搬送された第2シート1-Bについて、S914~S915を行う。
【0165】
S914にて、MPU201は、第2シート1-Bの端部1-B-aが反転搬送ガイド21内のPOS4に到達したか否かを判定する。POS4に到達した場合(S914にてYES)S915へ進み、POS4に到達していない場合(S914にてNO)第2シート1-Bの搬送を継続する。
【0166】
S915にて、MPU201は、反転ローラ23を停止させ、第2シート1-Bを滞留させる。そして、本処理フローを終了する。
【0167】
(排紙+次シートピックアップ動作)
図22は、排紙+次シートピックアップ動作のフローチャートである。本工程は、
図19のS713の工程に対応する。
【0168】
S1001にて、MPU201は、記録動作中の第1シート1-Aの端部1-A-bをシート検知センサ16によって検知したか否かを判定する。シート検知センサ16が検出した場合(S1001にてYES)S1002へ進み、検出していない場合(S1001にてNO)検出されるまで搬送動作を継続する。
【0169】
S1002にて、MPU201は、ピックアップローラ2によって第3シート1-Cをピックアップし、給送ローラ3によって第3シート1-Cを記録ヘッド7に向けて給送する。
【0170】
S1003にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第3シート1-Cの先端を検知したか否かを判定する。シート検知センサ16が第3シート1-Cの先端を検知した場合(S1003にてYES)S1004へ進み、検知していない場合は(S1003にてNO)第3シート1-Cの搬送を継続する。
【0171】
S1004にて、MPU201は、給送ローラ3を停止し、第3シート1-Cの給送を一時停止する。
【0172】
S1005にて、MPU201は、第1シート1-Aの第2面の記録動作が完了したか否かを判定する。第1シート1-Aの第2面の記録動作が完了した場合は(S1005にてYES)S1007へ進み、完了していない場合は(S1005にてNO)S1006へ進む。
【0173】
S1007にて、MPU201は、給送ローラ3を搬送ローラ5と同一の搬送量を間欠送りさせる。これにより、第1シート1-Aの端部1-A-bと第3シート1-Cの端部1-C-bの間隔をほぼ一定に保ったまま第3シート1-Cを追従搬送させる。そして、S1005へ戻る。
【0174】
S1008にて、MPU201は、第2シート検知センサ22の情報から、第1シート1-Aの端部1-A-bが搬送ローラ5とピンチローラ6の搬送ニップ部を抜けているかを確認する。抜けていない場合は(S1008にてYES)S1008に進み、抜けている場合は(S1009にてNO)S1011へ進む。
【0175】
S1008にて、MPU201は、第1シート1-Aの端部1-A-bが搬送ローラ5とピンチローラ6の搬送ニップ部を抜けるように搬送ローラ5および排出ローラ9を回転させる。
【0176】
S1009にて、MPU201は、第1シート1-Aの端部1-A-bが搬送ニップ部を抜けているかを確認する。抜けていない場合は(S1009にてNO)S1008に戻り、抜けている場合は(S1009にてYES)S1010へ進む。
【0177】
S1010にて、MPU201は、搬送ローラ5および排出ローラ9を停止させる。そして、S1011へ進む。
【0178】
S1011にて、MPU201は、第3シート1-Cの斜行矯正を行う。
【0179】
S1012にて、MPU201は、第3シート1-Cの頭出し動作を行う。第1シート1-Aは、この時点で排出ローラ9と拍車13にニップされている可能性があるが、第3シート1-Cの記録動作における間欠送り動作によって機外に排出される。そして、本処理フローを終了する。
【0180】
(排紙+反転給紙動作)
図23は、排紙+反転給紙動作のフローチャートである。本動作は、
図19のS714の工程に対応する。
【0181】
S1101にて、MPU201は、記録動作中の第1シート1-Aの端部1-A-bをシート検知センサ16によって検知したか否かを判定する。シート検知センサ16が検出した場合(S1101にてYES)S1002へ進み、検知していない場合(S1101にてNO)検出されるまで搬送動作を継続する。
【0182】
S1102にて、MPU201は、第2シート1-Bを搬送方向下流側へ搬送するように給送ローラ3および反転ローラ23を回転させ、第2シート1-Bの給送を開始する。
【0183】
S1103にて、MPU201は、シート検知センサ16によって第2シート1-Bの端部1-B-aを検知したか否かを判定する。シート検知センサ16が第2シート1-Bの端部1-B-aを検知した場合(S1003にてYES)S1104へ進み、検知していない場合(S1003にてNO)検出されるまで搬送を継続する。
【0184】
S1104にて、MPU201は、給送ローラ3および反転ローラ23を停止し、第2シート1-Bの給送を一時停止する。
【0185】
S1105にて、MPU201は、第1シート1-Aの第2面の記録動作が完了したか否かを判定する。第1シート1-Aの第2面の記録動作が完了した場合は(S1105にてYES)S1107へ進み、完了していない場合は(S1105にてNO)S1106へ進む。
【0186】
S1006にて、MPU201は、給送ローラ3と反転ローラ23を搬送ローラ5と同一の搬送量を間欠送りさせる。これにより、第1シート1-Aの端部1-A-bと第2シート1-Bの端部1-B-aの間隔をほぼ一定に保ったまま第2シート1-Bを追従搬送させる。そして、S1105へ戻る。
【0187】
S1107にて、MPU201は、第2シート検知センサ22の情報から、第1シート1-Aの端部1-A-bが搬送ローラ5の搬送ニップ部を抜けているかを確認する。抜けていない場合は(S1107にてNO)S1108に進み、抜けている場合は(S1107にてYES)S1111へ進む。
【0188】
S1108にて、MPU201は、第1シート1-Aの端部1-A-bが搬送ローラ5とピンチローラ6の搬送ニップ部を抜けるように搬送ローラ5および排出ローラ9を回転させる。
【0189】
S1109にて、MPU201は、第1シート1-Aの端部1-A-bが搬送ニップ部を抜けているかを確認する。抜けていない場合は(S1109にてNO)S1108に戻り、抜けている場合は(S1109にてYES)S1110へ進む。
【0190】
S1110にて、MPU201は、搬送ローラ5および排出ローラ9を停止させる。そして、S1111へ進む。
【0191】
S1111にて、MPU201は、第2シート1-Bの斜行矯正を行う。
【0192】
S1112にて、MPU201は、頭出し動作を行う。第1シート1-Aは、この時点で排出ローラ9と拍車13にニップされている可能性があるが、第2シート1-Bの記録動作における間欠送り動作によって機外に排出される。そして、本処理フローを終了する。
【0193】
以上説明したように、本実施形態によれば、シートの両面印刷が可能な記録装置において、両面印刷のスループット向上と装置サイズの小型化を両立することが可能となる。
【0194】
<その他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【符号の説明】
【0195】
7…記録ヘッド、200…記録装置、201…MPU、202…ROM、203…RAM、204…キャリッジモータ、205…搬送モータ、206…給送モータ、207…記録ヘッドドライバ、208…キャリッジモータドライバ、209…搬送モータドライバ、210…給送モータドライバ