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特許7486593流体システム用の解放可能な輪郭封止部を備えたコネクタシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】流体システム用の解放可能な輪郭封止部を備えたコネクタシステム
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20240510BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
A61M39/10 120
A61M39/10 100
G01N35/10 A
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022550718
(86)(22)【出願日】2021-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-10
(86)【国際出願番号】 US2021019275
(87)【国際公開番号】W WO2021173576
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】62/980,879
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508147326
【氏名又は名称】シーメンス・ヘルスケア・ダイアグノスティックス・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ハイコ・カルブフェル
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・ヴィエッツェ
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-186655(JP,A)
【文献】特開昭60-159493(JP,A)
【文献】実開平06-011742(JP,U)
【文献】米国特許第04580816(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
G01N 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体システム用の解放可能な液密封止部を提供するコネクタシステムであって:
内周面を備えた長手方向軸に沿った円筒状開口部を有するメスコネクタと;
長手方向軸に沿った管状端部セクションを有し、円筒状開口部内に挿入方向に挿入されるオスコネクタであって、管状端部セクション内部で、長手方向軸に沿って流体通路が形成されており、管状端部セクションの外周面に、環状突起(B、C)が一体形成されており、該環状突起(B、C)は:
円筒状開口部の内径(D)よりも大きい外径(Rb)を有する中間突起(B)と、
該中間突起(B)の外径(Rb)よりも大きい外径(Rc)を有する、挿入方向に関して中間突起(B)の後方に位置する後部突起(C)と、
を含む、オスコネクタと;
を含み、
環状突起(B、C)を備えた管状端部セクションが円筒状開口部に挿入されると、中間突起(B)および後部突起(C)は各々、円筒状開口部の内周面と圧入を形成し、それにより、オスコネクタとメスコネクタとの間の液密封止部が生成され
メスコネクタまたはオスコネクタのうちの一方は、その外周面にユニオンねじ山をさらに含み;
メスコネクタまたはオスコネクタのうちの他方は、環状ユニオン突起を含み;
コネクタシステムは、ユニオン突起およびユニオンねじ山と機械的に係合するユニオンナットをさらに含み、ここで、メスコネクタおよびオスコネクタは挿入状態で保持され、
円筒状開口部の内径は長さにわたって同じ内径である、
前記コネクタシステム。
【請求項2】
環状突起は:
挿入方向に関して中間突起(B)の前方に位置し、円筒状開口部の内径(D)と同じかまたはそれよりも小さい外径(Ra)を有する環状の前方突起(A)
をさらに含む、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項3】
突起(A、B、C)の外径(Ra、Rb、Rc)は、各突起(A、B、C)の外周面に
おける半径方向最外点によって画成され;
突起(A、B、C)の外径(Ra、Rb、Rc)は、長手方向軸の周囲に円錐面を画成する、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項4】
円錐面は、0.5~1度の範囲の長手方向軸に対する傾斜角を有する、請求項3に記載のコネクタシステム。
【請求項5】
突起(A、B、C)の輪郭部は、長手方向軸に沿ったその外面の形状によって画成され;
圧入時にメスコネクタと接触する突起(A、B、C)の輪郭部の領域は、長手方向軸に沿って挿入および引出し方向において同じ凸形状を有する、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項6】
突起(A、B、C)は、長手方向軸に関して回転対称であり;
突起(A、B、C)は、長手方向軸から異なる半径方向の距離に配置された同じ輪郭を有する、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項7】
突起(A、B、C)は、同じ半径の円形輪郭部を有する、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項8】
メスコネクタは、円筒状開口部に隣接する長手方向軸に沿った流体通路をさらに形成し、メスコネクタおよびオスコネクタの流体通路は同じ断面を有し;
オスコネクタの管状端部セクションの端面は、メスコネクタおよびオスコネクタの流体通路が継目なしに合流するように、長手方向においてメスコネクタの流体通路の端面と当接する、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項9】
メスコネクタは単一の材料から作られている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項10】
メスコネクタは、オスコネクタの材料よりも弾性の高い単一の材料から作られている、請求項9に記載のコネクタシステム。
【請求項11】
オスコネクタおよびメスコネクタは、モノリシックプラスチック射出成形部材である、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項12】
メスコネクタおよびオスコネクタは、長手方向軸に沿って、回転運動なしに直線運動で連結されて、液密封止部を生成するように構成されている、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項13】
液密封止部を生成するために、連結システムにおいて、追加の封止構成要素、特にエラストマー構成要素が使用されない、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項14】
中間突起(B)と、後部突起(C)と、円筒状開口部の内周面との間に、閉じたラビリンス構造が生成される、請求項1に記載のコネクタシステム。
【請求項15】
請求項1記載のコネクタシステムを含む、自動分析器
【請求項16】
液体ベッセルのための少なくとも1つの受け位置をさらに含む、請求項15に記載の自動分析器。
【請求項17】
少なくとも1つのロボット式に変位可能な移送アームをさらに含む、請求項15に記載
の自動分析器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年2月24日に出願された「CONNECTOR SYSTEM WITH RELEASABLE CONTOUR SEAL FOR A FLUID SYSTEM」と題する米国仮特許出願第62/980,879号の利益を主張し、その出願の開示は、すべての目的で参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明のさまざまな例は、一般に、流体システム用の継手に関する。さまざまな例は、詳細には、流体システム用の解放可能な輪郭封止部を備えた継手に関する。
【背景技術】
【0003】
本技術分野では、穿孔針が弾性封止材で封止されている従来のコネクタシステムを含む自動分析器システムが知られている。使用する液体に応じて、異なる弾性封止材が使用され、これは、液体の反応性が高いほど高品質である必要がある。弾性封止材は、穿孔針の外径に位置する。封止部の押圧を得るために、穿孔針が境界面にねじ込まれる。硬度および材料に応じて、適切なトルクが適用される。
【0004】
例えばSMC Corporation製の、他の従来のコネクタシステムでは、継手は外側からホースの外径に弾性封止材で封止されている。Colder Products Company(CPC)の継手は、例えば継手自体の弾性封止材で封止を提供する。Diba Industries、IDEX Health & Science LLCまたはThe Lee Companyによる継手は、例えば、境界面上に隙間なく接するフランジ付きホースを介して封止を提供する。これらは、その後、中空ねじにより後方から押圧される。
【0005】
Oリング等、エラストマー環状部材を封止材として使用する場合、次いで、硬度および使用する材料に応じて、適切なトルクが適用される。さらに、封止を生成し維持するために、従来のコネクタシステムは、そこを流れる媒体に左右され、例えば、エラストマーの材料は、流体システム内に含まれる媒体に対して耐性があるように選択される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上述した限界および不都合のうちの少なくともいくつかを克服または緩和する、流体システムにおけるコネクタシステムに対する改良された技法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、独立請求項の構成によって解決される。本発明のさらなる有利な例は、従属請求項に記載されている。
【0008】
流体システムにおいて、封止された流体接続、特に、解放可能な流体密封封止部を提供する、コネクタシステムまたは継手システムが提供される。
【0009】
コネクタシステムは、メスコネクタを含み、メスコネクタは、円筒状開口部、言い換えれば、メスコネクタの長手方向軸に沿った円筒状ボアを有する。円筒状開口部、具体的には円筒状開口部の長手方向軸は、コネクタシステムの長手方向軸と位置合せすることができる。円筒状開口部は、長手方向軸に沿った長さと、長手方向軸に垂直な、すなわち長手方向軸に対して半径方向にある内径とを有することができる。内径は、円筒状開口部の長さわたって、具体的には、コネクタシステムのオスコネクタの封止突起が円筒状開口部の内周面に接触することができる長さにわたって、同じ内径であり得る。
【0010】
コネクタシステムは、長手方向軸と位置合せされたオスコネクタをさらに含み、オスコネクタは、長手方向軸に沿った管状端部セクションを有する。
【0011】
管状端部セクションは、管状端部セクションおよびオスコネクタを通る長手方向軸に沿った円筒状の内部流体通路を画成することができる。管状端部セクションにおいて、管状端部セクションの内周面と、管状端部セクションの外周面とにより、周壁を形成することができる。流体通路は、管状端部セクションの内周面によって画成することができ、管状端部セクションの外周面は、オスコネクタをメスコネクタに連結または結合する機構を画成することができる。
【0012】
オスコネクタ、具体的にはオスコネクタの管状端部セクションは、メスコネクタの円筒状開口部に長手方向軸に沿った挿入方向で挿入することができ、オスコネクタおよびメスコネクタの流体通路を介して、コネクタシステムを通る流体の流れを可能にすることができる。
【0013】
オスコネクタとメスコネクタとの間の機械的連結、具体的には外部に対する流体システムの封止は、オスコネクタの管状端部セクションとメスコネクタの円筒状開口部との間、具体的には、オスコネクタの管状端部セクションの外周面とメスコネクタの円筒状開口部の内周面との間でもたらすことができる。
【0014】
管状端部セクションの外周面によって、環状突起が形成されている。
【0015】
環状突起は、オスコネクタに、特に管状端部セクションに一体形成することができる。言い換えれば、環状突起は、オスコネクタと同じ材料から作られ、オスコネクタの一部として同じ製造工程でモノリシックに製造される。
【0016】
環状突起は、長手方向軸に対して外周面を半径方向に延びることができる。
【0017】
環状突起は、オスコネクタとメスコネクタとを連結するときに、管状端部セクションとともに円筒状開口部に挿入することができる。そのように、管状端部セクションは、波状輪郭であり得る、環状突起によって画成された封止輪郭部を特徴とすることができる。
【0018】
管状端部セクションは、円筒状開口部の内径よりも大きい外径を有する環状の中間突起を有する。
【0019】
さまざまな例において、中間突起の外径は、円筒状開口部の内径よりわずかに大きく、それにより、中間突起が管状端部セクションとともに円筒状開口部に挿入されたとき、円筒状開口部の内周面はわずかに変形し、言い換えれば、オスコネクタとメスコネクタとの間に圧入を形成することができる。内径と外径との比は、圧入の設計ルールに基づき、具体的には、オスコネクタおよびメスコネクタに使用される材料と、流体システムにおける流体媒体および圧力とに基づいて決定することができる。
【0020】
管状端部セクションは、環状の後部突起をさらに有し、後部突起は、長手方向軸に沿って中間突起に隣接して位置する。オスコネクタがメスコネクタに挿入される、長手方向軸に沿った方向を挿入方向と称する場合、後部突起は、挿入方向に関して中間突起の後方に位置する。言い換えれば、管状端部セクションを挿入するとき、後部突起は中間突起よりも後に挿入される。
【0021】
後部突起は、中間突起の外径よりも大きい外径を有する。このように、円筒状開口部の内周面と後部突起との間に、圧入が形成され、円筒状開口部の内周面の弾性変形は、中間突起の場合より大きくなる可能性がある。
【0022】
管状端部セクションが環状突起とともに円筒状開口部に挿入されると、中間突起および後部突起は各々、円筒状開口部の内周面と圧入を形成し、オスコネクタとメスコネクタとの間の液密封止部をもたらすことができる。このように、オスコネクタをメスコネクタに挿入するために必要な挿入力を、中間突起から後部突起まで増大させることができる。
【0023】
それにより、流体システムにおける(例えば、穿孔針または継手のための)解放可能な接続部を備えた漏れのない封止のためのコネクタシステムを提供することができる。
【0024】
開示する技法は、封止を生成し維持するためにいかなるエラストマー形状の部材(Oリング等)も必要としない。本デバイスは、そこを流れる媒体とは無関係であるとともに、そうした媒体に対して耐性を有することができ、流体材料とエラストマーの材料とは、互いに適合性があるように選択されるべきである。
【0025】
管状端部セクションは、環状の前方突起をさらに含むことができ、前方突起は、挿入方向に関して中間突起の前方に位置することができ、円筒状開口部の内径と同じかまたはそれよりも小さい、具体的には同じであり得る外径を有する。このように、管状端部セクションを円筒状開口部に挿入するとき、中間突起および後部突起よりも先に前方突起を挿入することができ、前方突起は、円筒状開口部に対して実質的な摩擦力および/または圧入を与える可能性はなく、オスコネクタを芯出しして挿入するガイドとして使用することができる。
【0026】
突起の外径は、各突起の外周面における径方向最外点によって画成することができる。突起は、円筒状開口部の周面と接触する領域において、凸形状を有することができる。こうした凸状領域は、円筒状開口部と接触することができる頂点を有することができ、言い換えれば、半径方向の突起輪郭の頂点が、突起の外径を画成することができる。言い換えれば、突起は、外半径を有することができ、外径を半径とする円であってもよい。
【0027】
さまざまな例において、外径および/または外半径によって画成される円、すなわち各突起に対して1つの円は、長手方向軸の周囲に円錐面、または円錐形状、具体的には円錐台を画成することができる。円錐台は、すべての突起の外半径によって画成することができ、言い換えれば、突起の頂点、すなわち外半径は、円錐台の仮想側面上に位置する。この円錐面は、一定の傾斜角での回転対称面とすることができ、長手方向軸に沿ってその軸を位置合せすることができる。
【0028】
このように、側面すなわち周面は、長手方向軸との角度を画成することができ、言い換えれば、円錐面は長手方向軸に対して傾斜角を有することができ、これは0.1~2度、特に0.5~1度の範囲であり得る。この傾斜角を用いて、コネクタシステムの挿入および封止特性を定義することができる。
【0029】
突起の輪郭部は、長手方向軸に沿ったその外面によって画成することができる。言い換えれば、突起の外周面と長手方向軸を含む平面との間に切断面すなわち断面が作成される場合、この断面が突起の外側輪郭部を画成する。
【0030】
突起の輪郭部は、圧入時に円筒状開口部と接触することができる領域を有することができる。例えば、圧入時、突起の頂点の周囲および/または頂点を含む封止領域、すなわち封止面が、円筒状開口部の表面と接触することができるように、円筒状開口部の周壁をわずかに変形させることができる。言い換えれば、圧入中、封止部をもたらし維持することができる場合、突起の外半径の両側の領域が円筒状開口部の表面と接触することができる。
【0031】
さまざまな例において、圧入時にメスコネクタと接触することができる、1つの突起の、またはすべての突起の輪郭部の領域は、長手方向軸に沿った挿入方向およびその反対の引出し方向の両方において、その頂点の周囲に同じ凸形状および/または丸い形状を有することができる。言い換えれば、長手方向軸に沿った突起の輪郭部は、その頂点に関して対称とすることができ、すなわち、輪郭部は、その頂点に垂直でありかつその頂点を通る対称軸に関し対称とすることができる。
【0032】
対称的に丸い形状により、挿入方向の挿入力、すなわち、封止部が既にもたらされている可能性がある場合、オスコネクタを挿入するためにかつ/またはオスコネクタを挿入方向に動かすために必要な力と、挿入方向と反対の引出し力、すなわち、メスコネクタからオスコネクタを引き出すかまたは取り外すために必要な力とが同じであり得ることになる。これにより、本開示によるコネクタシステムは、解放可能なコネクタシステムであり得る。
【0033】
突起は、長手方向軸に対して回転対称であり得る。
【0034】
突起、特に中間突起および後部突起は、長手方向軸から異なる半径方向距離で配置された同じ輪郭部を有することができる。
【0035】
突起は、互いに直接隣接して配置することができ、それらは、輪郭部の凹状領域によって連結することができる。3つの凸状突起を連結する2つの凹状領域は、同じ輪郭部を有することができ、すなわち、同じ半径を有するかつ/または異なる中心位置を有する円形輪郭部であり得る。
【0036】
突起は、同じ半径の円形輪郭部を有することができ、具体的には、円形の凸形状の中に頂点を含むことができる。
【0037】
凸状輪郭部は、長手方向軸を含む断面の平面において、それぞれの中心位置および半径により、円形輪郭部として画成することができる。
【0038】
突起、特に中間突起および後部突起は、同じ半径の同じ輪郭部を有することができ、突起の中心位置は、長手方向軸から異なる距離で、かつ/または長手方向軸に沿って異なる位置で配置することができる。このように、突起の凸状の外側輪郭部は、円錐面の傾斜角を画成する。
【0039】
さまざまな例において、突起の外径間の差は、半径方向段差サイズの倍数であり得る。言い換えれば、前方突起と中間突起との差、および中間突起と後部突起との差、具体的には、長手方向軸に沿った円中心の距離、および半径方向における円中心および/または外半径/外径および/または頂点の距離は、同じであり得る。
【0040】
メスコネクタは、円筒状開口部に隣接して、長手方向軸に沿って内部流体通路をさらに形成することができ、メスコネクタおよびオスコネクタの内部流体通路は、同じ断面、具体的には直径を有する。
【0041】
オスコネクタの管状端部セクションは、挿入方向における管状端部セクションの前面の面であり得る端面を形成することができる。円筒状開口部に完全に挿入されたとき、管状端部セクションの端面は、長手方向において、メスコネクタの流体通路の端面と当接することができる。メスコネクタの流体通路の端面は、円筒状開口部と内部流体通路とを連結する面であり得る。このように、オスコネクタおよびメスコネクタの端面は、長手方向軸に対する傾斜面、具体的には垂直面であり得る。
【0042】
それにより、完全に挿入されたとき、オスコネクタおよびメスコネクタの内部流体通路は、互いに継目なしに合流することができ、言い換えれば、段差および/またはアンダーカットなしに互いに溶け込むことができ、それらはコネクタシステムを通して連続した内面を形成することができる。
【0043】
連続的な内部流体通路を提供する端面は、すべての例において必須ではない可能性があり、さまざまな例において、円筒状開口部内に止め面または止め機構が存在しない場合があることが理解されるべきである。
【0044】
コネクタシステムは、オスコネクタおよびメスコネクタを合わせて挿入および/または保持するためのユニオンナットまたはスイベルナットをさらに含むことができる。
【0045】
メスコネクタまたはオスコネクタのうちの一方は、その外周面にユニオンねじ山をさらに含むことができ、メスコネクタまたはオスコネクタのうちの他方は、その外周面に環状のユニオン突起を含むことができる。ユニオンナットを、挿入状態でオスコネクタおよびメスコネクタの周囲に配置することができ、具体的には、ユニオンナットは、ユニオンねじ山およびユニオン突起、ならびにそれらの間の境界面の周囲に延びることができる。ユニオンナットは、ユニオンねじ山と係合するめねじ山をさらに含むことができ、ユニオン突起と機械的に回転可能に係合して、ユニオンナットがユニオンねじ山に対して回転することができるとき、ユニオンナットは長手方向軸に沿って移動することができ、ユニオン突起との機械的係合により、ユニオン突起を保持および/または移動させることができるようにすることができる。このように、メスコネクタおよびオスコネクタを合わせて保持することができ、それらをさらに挿入することができ、言い換えれば、ユニオンナットによって封止部を締めるかまたは解放することができる。
【0046】
オスコネクタは、単一の材料から作る、すなわち構成することができる。メスコネクタは、単一の材料から作ることができる。オスコネクタおよびメスコネクタは、同じ単一材料から作ることができる。
【0047】
コネクタシステムは、モノリシックなオスおよびメスコネクタを除き、さらなる部材および/またはエラストマー材料を含まなくてもよい。具体的には、封止部を生成するために、コネクタシステムに追加の環状エラストマー、例えば、Oリングを含めなくてもよい。
【0048】
さまざまな例において、メスコネクタの材料は、オスコネクタの材料よりも軟質であり、すなわちより大きい弾性を有することができる。
【0049】
メスコネクタの材料は、1000~5000MPa、具体的には2500~4000MPaの範囲のヤング率を有することができる。
【0050】
オスコネクタの材料は、2000~4000MPa、具体的には3000~4000MPaの範囲のヤング率を有することができる。
【0051】
さまざまな例において、オスコネクタおよびメスコネクタの材料は、同じ材料組成を有するが、それらは異なる組成成分比を有することができ、それらは異なる弾性、すなわちヤング率を有する。
【0052】
オスコネクタの単一材料のヤング率は、メスコネクタの単一材料のヤング率から50%超、または具体的には30%、またはより具体的には20%、逸脱しないものであり得る。
【0053】
さまざまな例において、オスコネクタの材料およびメスコネクタの材料は、同じ弾性、すなわち同じヤング率を有してもよい。
【0054】
言い換えれば、メスコネクタの材料は、オスコネクタの材料よりも大きい弾性変形、すなわち、塑性変形域とは対照的に弾性変形域において弾性変形を有する。
【0055】
さまざまな例において、メスコネクタの材料は、エラストマーではなく、例えば熱可塑性材料、またはデュロプラストもしくはデュロマーであってもよく、これにより、オスコネクタの環状突起との圧入、すなわち締り嵌め(interference fit)を形成するために小さな弾性変形を可能にすることができる。
【0056】
さまざまな例において、圧入または締り嵌めは、以下のように定義することができる。メスコネクタは、一定の内径D、または、いくつかの例では開口部が円筒状でない場合もあるため、高さを有することができる。オスコネクタは、突起における外径、または、いくつかの例において、突起が回転対称ではない場合は、高さを有する。メスコネクタの開口部は、オスコネクタに、具体的には封止突起を受け、それらに締り嵌めまたは圧入を提供するように構成されている。締り嵌めという用語は、一方または他方(または両方)の部材がその公称寸法からわずかにサイズが逸脱し、それにより各部材がわずかに変形し、各々が圧縮されて、2つの部品の間の境界面は極めて高い摩擦の融合を形成するような、任意の2つの嵌合部材の接合を含むものとして広く解釈されるものとする。さまざまな例において、実質的にメスコネクタのみが変形するように、メスコネクタおよびオスコネクタの材料を選択することができる。干渉(interference)という語は、一方の部材が、他方の部材がその公称寸法で占めている空間とわずかに干渉することを指す。場合により、締り嵌めは、メスコネクタからオスコネクタを取り外すために、少なくとも所定の力、例えば10~800Nの範囲内の特定の値を有する力を必要とするように構成することができる。
【0057】
さまざまな例において、メス内径は一定であってもよく、または、オスコネクタ、例えばオスコネクタの端面がメスコネクタの中にそれ以上進むのを防止する肩部まで、メスコネクタの内側長さを通して、メス内径を傾斜させることができ、またはメス内径は段差を有することができる。したがって、メス内径は長手方向軸に沿って一定であってもよく、したがって、メス部材は、オスコネクタとメスコネクタとの間の距離を調整する能力を提供することが理解されよう。
【0058】
さまざまな例において、材料特性は、オスコネクタがより軟質の材料で作られるように、逆に選択することができる。
【0059】
概して、オスコネクタおよび/またはメスコネクタは、モノリシックプラスチック射出成型部品であり得る。オスコネクタは、具体的には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料で作ることができる。
【0060】
メスコネクタおよびオスコネクタは、流体密封封止部を生成するために、長手方向軸に沿って、回転運動なしで、直線運動で連結するように構成することができる。さまざまな例において、前方突起は、連結中、円筒状開口部における芯出しガイドとして使用することができる。具体的には、液密封止部が維持される間、コネクタを長手方向軸に沿って互いに対して直線的に移動させることができる。流体密封封止部を維持することができる間、所定の距離にわたる直線運動を可能にすることにより、コネクタシステムに、機械的安定性と外部からのコネクタシステムに対する機械的応力に対する耐性とが与えられる。
【0061】
さまざまな例において、中間突起と、後部突起と、円筒状開口部の内周面との間に、閉じたラビリンス構造を生成することができ、言い換えれば、ラビリンスシールを設けることができる。
【0062】
さまざまな例において、オスコネクタは、正確に3つの環状突起、すなわち封止リングを含むことができる。封止リングは、管状端部セクションのメスコネクタに最初に挿入される端面から、それらの外径に従って高くなる順序で、波状の高くなる封止輪郭部を形成するように等、配置することができる。この波状の輪郭部のすべての凸状セクションおよび凹状セクションに同じ丸い輪郭部を用いることで、封止特性を向上させることができる。具体的には、すべての凸状セクションに同じ半径の、および封止輪郭部の凸状セクション間のすべての凹状セクションに別の同じ半径の円形輪郭部を使用することにより、封止特性がさらに向上する。
【0063】
ホース用の連結システムが提供される。この連結システムは、コネクタを含み、コネクタは、長手方向軸に沿って内部流体通路を画成する円筒壁を有する。コネクタは、おねじ山と、コネクタに一体形成され、具体的にはコネクタの円筒状壁内に一体形成されている円錐セクションとを画成する外周面をさらに含み、円錐セクションの直径は、ホースへの挿入方向においてコネクタの端部に向かって縮小している。言い換えれば、ホースの端部に挿入されるコネクタの端部における外周面は、円錐面を含み、その直径は、長手方向軸に沿ってコネクタの端部に向かって傾斜しまたは縮小しまたはテーパ状となっている。円錐セクションまたは円錐面は、長手方向軸に関して回転対称であり得る。
【0064】
さまざまな例において、円錐面は、コネクタの円筒状壁内に、具体的にはコネクタの前端面から一体形成されている。例えば、円錐セクションは、Beck上で、ホースへの挿入方向に関して垂直端面を有することができる。
【0065】
さまざまな例において、コネクタは、コネクタを通る、具体的には一体形成された円錐セクションを通る連続的な流体通路として画成された内部流体通路を有することができる。円錐セクションは、プラスチック射出成形部材として同じ材料でコネクタと一体形成することができる。
【0066】
連結システムは、長手方向軸に沿ってコネクタの周囲に配置される、管状クランプナットをさらに含むことができる。管状クランプナットは、スイベルまたはユニオンナットとして機能することができる。
【0067】
管状クランプナットは、コネクタのおねじ山と係合するめねじ山を画成する内周面を有することができ、ねじ山の互いに対する回転により、クランプナットは長手方向軸に沿ってコネクタに対して移動する。
【0068】
管状クランプナットの内周面は、コネクタの円錐面の周囲に締付面をさらに画成している。
【0069】
コネクタの周囲のクランプナットの回転により、コネクタが挿入されたホースのホース壁を円錐面に押し付けるために、締付面と一体形成された円錐面との間の締付距離が低減する。これにより、ホースとコネクタとの間の機械的連結と液密封止部とをもたらすことができる。
【0070】
締付面は、円錐面の周囲に回転対称に延びることができ、クランプナットの回転中、円錐面および締付面は、長手方向軸に沿って互いに向かって移動する。
【0071】
さまざまな例において、締付面および円錐面は平行な面とすることができ、クランプナットの回転中、円錐面に沿ったすべての点で面の間の直線距離または垂直距離が同じになるように、それらは互いに平行に移動する。
【0072】
面を互いに対して傾斜させることもできることが理解されるべきである。
【0073】
連結システムは、本開示によるコネクタシステムのオスコネクタおよび/またはメスコネクタの端部に設けることができる。
【0074】
本発明は、本発明による少なくとも1つのコネクタシステムおよび/または連結システムを含む自動分析機をさらに提供する。好ましくは、自動分析機は、生物流体の試料、特に血液試料のインビトロ分析用の自動分析器である。
【0075】
好ましい実施形態では、自動分析機は、液体ベッセル用の1つの受け位置、または、液体ベッセル用の複数の受け位置を含む。
【0076】
好ましい実施形態では、自動分析機は、1つのロボット式に変位可能な移送アームまたは複数のロボット式に変位可能な移送アームを含む。
【0077】
本発明は、自動分析機における本発明による少なくとも1つのコネクタシステムおよび/または連結システムの使用をさらに提供する。
【0078】
「生物流体」という用語は、ヒトまたは動物の体液を指し、これは、限定されないが、血液であり得る。
【0079】
上記概要および以下の詳細な説明に記載する具体的な構成について、具体的な例と関連して記載するが、そうした構成はそれぞれの組合せで使用される場合があるだけでなく、分離して使用される場合もあり、異なる例からの構成は、別段特に断りのない限り、互いに組み合わせられ、互いに相関する場合があることが理解されるべきである。
【0080】
したがって、上記概要は、単に、いくつかの実施形態および実施態様のいくつかの特徴に対する簡単な概観を述べることが意図されており、限定的であるように解釈されるべきではない。他の実施形態は、上記で説明したもの以外の特徴を含むことできる。
【0081】
以下、本発明の例示的な実施形態による概念について、同様の参照番号が同様の要素を指す以下の図面を参照して、より詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】本発明の実施形態による、液体システムにおけるコネクタシステムを概略的に示す図である。
図2】本発明の実施形態による、穿孔針が図1のマニホールドに挿入された状態を概略的に示す図である。
図3】本発明の実施形態による、図1および図2の穿孔針を概略的に示す図である。
図4】本発明の実施形態による、コネクタシステムを概略的に示す図である。
図5】本発明の実施形態による、2つの管状クランプナットを備えた図4のコネクタシステムを概略的に示す図である。
図6】本発明の実施形態による、コネクタシステムの断面を概略的に示す図である。
図7】ユニオンナットとともに図6のコネクタシステムを概略的に示す図である。
図8】本発明の実施形態による、ホースとの連結システムを概略的に示す図である。
図9】本発明の実施形態による、オスコネクタの管状端部セクションを概略的に示す図である。
図10】本発明の実施形態による、突起の傾斜角を概略的に示す図である。
図11図9の管状端部セクションがメスコネクタの円筒状開口部内に挿入されている状態を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本開示の上記および他の要素、構成、ステップおよび概念は、添付図面を参照して説明する本発明の例示的な実施形態による以下の詳細な説明からより明らかになろう。
【0084】
以下の実施形態の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではないことが理解されるべきである。本発明の範囲は、以下に記載する実施形態によって、または単に例示的であると解釈される図面によって、限定されるように意図されていない。さまざまな例の構成は、別段特に断りのない限り、互いに組み合わせることができる。
【0085】
図面は、概略的な表現であるとみなされるべきであり、図面に示す要素は、必ずしも正確な縮尺で示されてはいない。むしろ、さまざまな要素は、それらの機能および全体的な目的が当業者に明らかとなるように表されている。図面に示すかまたは本明細書に記載する機能ブロック、デバイス、構成要素、または他の物理的もしくは機能的ユニット間の任意の接続または連結は、間接的な接続または連結によって実施することもできる。
【0086】
従来のコネクタシステムでは、穿孔針が弾性封止材で封止されている。使用する流体に応じて、異なる弾性封止材が使用され、これは、流体の反応性が高いほど高品質である必要がある。弾性封止材は穿孔針の外径に位置する。封止材の押圧を得るために、穿孔針が境界面にねじ込まれる。硬度および材質に応じて、適切なトルクが適用される。
【0087】
他の従来技法では、SMC継手は、外側からホースの外径に弾性封止材で封止されている。CPC継手は、継手自体の弾性封止材で封止を提供する。Diba Industries、IDEX Health & Science LLCまたはThe Lee Companyの継手は、例えば境界面上に隙間なく接するフランジ付きホースを介して、封止を提供する。これらは、その後、中空ねじにより後方から押圧される。硬度および材料に応じて、適切なトルクが適用される。
【0088】
封止を生成し維持するためにOリング等のエラストマー環状部材を使用することにより、従来のコネクタシステムは、そこを流れる媒体に左右され、エラストマーの材料は、液体媒体に対して耐性があるように選択されるべきである。
【0089】
以下、流体システムにおける(例えば、穿孔針または継手のための)解放可能な接続部を備えた漏れのない封止に関するさまざまな機構について説明する。
【0090】
開示する技法は、封止を生成し維持するためにいかなるエラストマー形状の部材(Oリング等)も不要である。本デバイスは、そこを流れる媒体とは無関係であるとともに、そうした媒体に対して耐性を有し、流体材料およびエラストマーの材料は、互いに適合性があるように選択されることはない。
【0091】
図1は、本発明の実施形態による、液体システムにおけるコネクタシステム100を概略的に示す。
【0092】
図1から分かるように、収納ボトル103上のセプタム102を貫通するために、穿孔針101が使用される。穿孔針101は、マニホールド104内に配置されている。穿孔針101を通して、収納ボトル103からの洗浄液がマニホールド104を介して分析器の液体システムに導入される。
【0093】
図1の例では、穿孔針101はオスコネクタに対応することができ、マニホールド104はメスコネクタに対応することができる。穿孔針101とマニホールド104との間に、液密封止部が提供される。
【0094】
図2は、本発明の実施形態による、穿孔針101が図1のマニホールドに挿入された状態をより詳細に、概略的に示す。
【0095】
図2から分かるように、穿孔針101は、中空針105と、本開示によるオスコネクタ20に対応することができる継手106とから構成されている。中空針105は、継手106の中で押圧される。継手106は、長手方向軸1に沿って画成された内部流体通路23を有する。
【0096】
マニホールド104は、円筒状開口部11を有し、そこには、継手106の封止輪郭部5を備えた管状端部セクションが挿入される。
【0097】
図2からさらに分かるように、マニホールドは、円筒状開口部11よりも大きい直径を有し円筒状開口部11に直接隣接する、ねじ付き円筒状開口部を含み、この円筒状開口部内に、継手106のねじ付きセクションがマニホールド104とねじ係合して位置する。継手106は、マニホールド104にねじ込まれ、ねじ山によって適所に保持される。
【0098】
継手106の封止輪郭部5は、円筒状開口部11に挿入された継手106の外周面に位置付けられ、圧入が、液密封止を提供する。
【0099】
図3は、本発明の実施形態による図1および図2の穿孔針101を概略的に示す。
【0100】
図3に示すように、穿孔針101は中空針105を含み、中空針105は継手部材106に押し込まれる。
【0101】
継手106は、本開示によるオスコネクタ20に対応する。継手106は、封止輪郭部5を備えた管状端部セクション21と、おねじ山107を備えたねじ付きセクションとを含む。おねじ山107を使用して、本開示によるメスコネクタに対応することができるマニホールドに、穿孔針をねじ込むことができる。
【0102】
継手106の内部では、中空針105と流体通路23とが長手方向軸1と位置合せされている。流体通路23は、管状端部セクション21の内周面22によって形成されている。
【0103】
図4は、本発明の実施形態によるコネクタシステム100を概略的に示す。
【0104】
コネクタシステム100は、メスコネクタ10とオスコネクタ20とを含み、それらは、ユニオンナット109によって合わせて保持されている。液密封止部が生成される、端部から長手方向軸に沿ったメスコネクタおよびオスコネクタの各々の他方の端部である外側端部に、本開示による、メスコネクタおよびオスコネクタの各々にホースを連結する連結システムが画成される。
【0105】
ホースへの連結システムのために、外側端部の各々におねじ山25および円錐セクション26が形成されており、これについては、図8を参照してより詳細に説明する。
【0106】
図5は、本発明の実施形態による、2つの管状クランプナット30を備えた図4のコネクタシステムを概略的に示す。管状クランプナット30については、図8を参照してより詳細に説明する。
【0107】
図4および図5から分かるように、継手対、すなわちコネクタシステムは、封止輪郭部5を備えた継手と、円筒状ボア11を備えた継手とから構成されている。両者の間に連結をもたらすために、それらはユニオンナット109で螺合される。
【0108】
図6は、本発明の実施形態によるコネクタシステム100の断面を概略的に示す。
【0109】
コネクタシステム100は、オスコネクタ20を含み、オスコネクタ20はメスコネクタ10に挿入方向2に押し込まれる。
【0110】
オスコネクタ20およびメスコネクタ10の各々は、長手方向軸1に沿って位置合せされ、ホースに連結される連結端部をさらに有することができる。
【0111】
連結端部の各々は、ホースに挿入される円錐セクション26と、ホースを締め付ける管状クランプナットを配置することができるおねじ山25とを画成している。
【0112】
オスコネクタ20は、管状端部セクション21をさらに含み、それは、内径Dを有するメスコネクタ10の円筒状開口部11に挿入される。
【0113】
管状端部セクション21は、外周面24を有し、その上に封止輪郭部5が形成されている。挿入状態では、封止輪郭部5は、円筒状開口部11の内周面と圧入接触する3つの環状突起を画成している。
【0114】
メスコネクタ10には、メスコネクタ10の外面において、管状端部21上の半径方向におねじ山27が画成されており、これは、メスコネクタおよびオスコネクタを合わせて保持するユニオンナットと係合するねじ山である。
【0115】
図7は、ユニオンナット109とともに図6のコネクタシステムを概略的に示す。
【0116】
図7から分かるように、ユニオンナット109は、メスコネクタおよびオスコネクタを回転させる必要なく、封止輪郭部5を備えたオスコネクタ20と、円筒状ボア11を備えたメスコネクタ10との直線的な押圧を生じさせる。
【0117】
ユニオンナット109は、メスコネクタ10のおねじ山27と係合するめねじ山110を含む。ユニオンナット109は、オスコネクタ20を適所に保持するために、さらにユニオン突起111に係合する。
【0118】
図7に示すように、オスコネクタ20の流体通路23とメスコネクタ10の流体通路13とによって、連続した内部流体通路が形成されている。円筒状開口部11の端部には、より小さい直径を有するメスコネクタの流体通路13が、円筒状開口部11に段状に、または言い換えれば、メスコネクタ10の肩部または端面14により、接合されている。この端面14には、管状端部セクション21の挿入方向2の端面である、管状端部セクション21の端面28が当接し(図6に表示)、アンダーカットまたは溝を形成することなく、内部流体通路が継目なしに合流する。この点で、前方突起は、円筒状開口部11の内径と同じ外径を有している場合、管状端部セクション21を機械的に支持することができる。
【0119】
図8は、本発明の実施形態による、ホースとの連結システムを概略的に示す。
【0120】
図8に示すように、ホース112が、止め面に達するまで、すなわち完全に挿入されるまで、メスまたはオスコネクタの1段の円錐形肩部である、円錐セクション26の上に弾性的に係合することができる。ホース112の解放は、管状のクランプナット30で防止される。
【0121】
コネクタ20の円筒状壁には、円錐セクションが一体形成されている。特に、円錐セクション26は、円錐形の側面を含み、それは、コネクタ20の端面に向かって、矢印またはフック状に傾斜しており、ホース112に挿入される。
【0122】
管状クランプナット30は、内周面31に、コネクタのおねじ山25と係合するめねじ山35を含む。内周面31は、一体形成された円錐セクション26の側面の周囲に延びる締付面32をさらに形成している。
【0123】
クランプナット30は、コネクタ20の周囲で回転するとき、長手方向軸1に沿って直線状に移動し、それにより、円錐セクション26の側面と締付面32との間の距離Pが低減する。この例では、円錐セクション26の側面および締付面32は平行な面であり、クランプナット30が回転するとき、互いに対して平行に移動する。これにより、1段の円錐形肩部とクランプナット30との間にホース112を固定することができ、円錐セクション26に沿ってそれ以上移動することなく、ホース壁を円錐セクション26に押し付けることができる。
【0124】
特に、この連結システムは、管状端部セクション21および/または円筒状開口部11の反対側に位置する平面および側面上において、本開示によるメスコネクタ10および/またはオスコネクタ20から構成することができる。
【0125】
図9は、本発明の実施形態によるオスコネクタ20の管状端部セクション21を概略的に示す。
【0126】
図9から分かるように、封止輪郭部5は、3つの突起A、B、Cからなり、それらは、環状封止突起と称することができ、長手方向軸の周囲に、管状端部セクション21の周方向のベース面の上に延びるとともに、オスコネクタ20全体と同じ材料の管状セクション21内に一体形成されている、周方向リングである。
【0127】
前方突起Aは、管状端部セクション21の端面の4mmの外径よりも延び、挿入方向2に対して前方側に位置付けられている。
【0128】
中間突起Bは、前方突起Aよりも半径方向に延び、前方突起Aに直接隣接して位置しており、輪郭部5において、突起AおよびBの凸状輪郭部113は、凹状輪郭領域115によって連結されている。
【0129】
後部突起Cは、中間突起Bよりも半径方向に延び、中間突起Bに直接隣接して位置しており、輪郭部5において、突起BおよびCの凸状輪郭部113は、突起Aと突起Bとの間と同じ凹状輪郭領域115によって連結されている。
【0130】
これらの突起はすべて同じプロファイル、すなわち同じ凸状プロファイル113および同じ凹状プロファイル115とともに、リングA、BとリングB、Cとの間の同じ距離も有する。しかしながら、管状端部セクション21を円筒状開口部11に導入する力が長手方向軸1に沿って規則的に増大するように、異なる封止突起が長手方向軸からの異なる半径方向の距離で配置されている。言い換えれば、封止突起A、B、Cの凸状セクションの間の封止プロファイルに他の凸状セクションが存在しないようにすることができる。
【0131】
外径Raが5.1mmのリングAは、メスコネクタ10の円筒状ボア11における芯出しに役立つ。円筒状ボア11は、5.1mmの内径Dを有する。
【0132】
リングBはOD5.2mmの外径Rbを有し、リングCは5.3mmの外径Rcを有する。2つのリングBおよびCは、円筒状開口部11の内周面と圧入を形成し、内周面は、弾性変形して、閉じたラビリンス構造を生み出す。
【0133】
それにより、リングBおよびCの圧入における押込み深さは、リングBで0.05mm、リングCで0.1mmになる。
【0134】
図9から分かるように、リングAおよびCの円形輪郭部の中心の長手方向軸1に沿った距離は、リングBの円形輪郭部の中心から等しい間隔が空けられている。
【0135】
リングA、BおよびCのうちの1つの凸状輪郭部に関する場合、突起の頂点を通って延びる対称軸6に関して、輪郭部は両側、すなわち挿入方向2と引出し方向である反対方向とにおいて、対称な形状であることが留意されるべきである。言い換えれば、リングA、B、Cの各々に円形の凸状輪郭部を使用し、かつ/または、凸状輪郭部を連結するために円形の凹状輪郭部を使用することにより、メスコネクタに作成された輪郭封止部を長手方向軸に沿って容易に移動させることができ、特に容易に解放することができる。
【0136】
これらのそれぞれの圧入によって、システムは液密かつ気密式に封止され、それによって液体のあり得る付着が抑制される。
【0137】
図10は、本発明の実施形態による、突起の傾斜角を概略的に示す。
【0138】
図10には、管状端部セクション21の上半分が描かれており、リングA、B、Cによって画成される傾斜角を示すために、リングA、B、Cの外径は、誇張されており、正確な縮尺で示されていない。
【0139】
図10から分かるように、リングA、B、Cの外径は、オスコネクタおよびメスコネクタの中心を通る長手方向軸1に向かって傾斜している、円錐面3を画成している。円錐面3と長手方向軸1との間の角度4は、コネクタシステム100の押込み比に特徴的であり得る。
【0140】
図11は、図9の管状端部セクション21がメスコネクタ10の円筒状開口部11に挿入された状態を概略的に示す。
【0141】
図11から分かるように、コネクタシステム100では、突起またはリングCの外径Rcにおいて、メスオスコネクタ10とオスコネクタ20と間に圧入封止部8が形成されている。リングBの外径Rbには、さらなる圧入封止部8が形成されており、リングAは圧入を形成せず、直径Dを有する円筒状開口部11の内面に接触している。
【0142】
上述したことから、以下の全体的な結論を引き出すことができる。
【0143】
さまざまな例において、メスコネクタおよびオスコネクタの流体通路は、同じ直径の円筒状であり、内部通路は、長手方向軸に対して垂直な端面であり得るオスコネクタおよびメスコネクタの端面において合流して、流体の連続した円筒状内部通路を形成する。
【0144】
概して、開示した技術によって、解放可能な封止部を提供することができ、ここで、連結されたオスコネクタおよびメスコネクタは、互いから分離する、言い換えれば、取り外すかまたは分解することができ、あらゆる弾性変形が除去され、メス部材およびオス部材はそれらの元の寸法に戻され、すなわち、液密、すなわち流体密封の封止部を提供しながら、コネクタに塑性変形が加わる可能性はない。
【0145】
概して、突起とメスコネクタ円筒状開口部の内面との接点は、円錐体上に位置することができ、言い換えれば、円錐面を画成することができ、接点上のこうした円錐体は、押込み比を画成することができる。押込み比は、コネクタに使用される材料、および/または流体システムにおける最大流体圧力、および/または連結もしくはコネクタシステムに対する機械的応力に基づいて調整することができる。
【0146】
3つの突起は、オスコネクタの輪郭、具体的には、管状端部セクションの外面を指すことできる。または、突起によって提供される封止部は、輪郭封止部、具体的には、解放可能な輪郭封止部と称することができる。
【0147】
長手方向軸に沿った、突起の中心間の距離は、突起の外径、および/または突起の半径方向の距離、および/または突起の輪郭を用いて画成することができる。特に、突起に円形輪郭が用いられる場合、長手方向における円形輪郭部の中心間の距離は、円形輪郭部の半径の1.5倍~2倍の範囲であり得る。
【0148】
長手方向軸に沿った配置は、それぞれの部材の軸が長手方向軸上にあるように、長手方向軸との位置合せと称することができる。
【0149】
さまざまな例において、3つの輪郭部は、同じ半径を有する円形輪郭部であってもよく、円の中心は、半径の0.1のステップで半径方向にシフトする。
【0150】
さまざまな例において、突起の輪郭は、丸い形状、および/または円形、および/または挿入方向および引出し方向の両方に関して対称な形状を有し、それには、連結およびそれにより液密封止部を容易に分離することができるという利点がある。この点で、オスコネクタは、フック形状または矢印形状の突起を有する既知の連結ノズルとは対照的に、挿入力が引出し力と等しい、例えばチューブまたはパイプに挿入されるノズルを提供することができる。
【0151】
さまざまな例において、圧入中に接触する輪郭部の部分は、上記に説明したように凸状の形状を有してもよく、輪郭の残りの部分は凹状であってもよく、具体的には、突起は射出成形の設計ルールに従って、特にコネクタが強制脱型に好適であり得るように形成することができ、強靭な弾性材料のプラスチック部材は、排出中に弾性域で変形する。この輪郭部は、本概念によれば、弾性変形が、コネクタが組み立てられるとき、封止中すなわち圧入中にもたらされるように、メスコネクタおよびオスコネクタに使用される特定の材料に基づいて適用させることができる。
【0152】
さまざまな例において、メスコネクタおよびオスコネクタの両方は、エラストマーおよび金属材料とは対照的に、硬質の、または固体、または剛性材料、特にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等、プラスチック材料から作ることができる。
【0153】
さまざまな例において、第1の突起は、オスコネクタをメスコネクタにおいて芯出しするように、挿入中、緩くまたは断続的に接触していてもよく、または、円筒状開口部の内面で、円筒状開口部を変形させずに摺動接触しているのみであってもよく、それにより、第1の突起は、コネクタ部材間の液密封止に寄与しないが、中間突起および後部突起を円筒状開口部に挿入する前に、コネクタ部材を、具体的には長手方向軸に沿って位置合せするのに使用することができる。
【0154】
メスコネクタの材料はオスコネクタの材料より軟質であってもよく、その逆でもよいことが理解されるべきである。
【0155】
概して、メスコネクタは、円筒状開口部を、例えば、オス突起および管状端部セクションの寸法に関連する内径を有する、円筒状空洞として形成することができる。さらに、円筒状開口部は、円筒状開口部の周囲に延びる外面を有するメスコネクタの受けセクションに形成することができ、言い換えれば、円筒状開口部の周囲に、半径方向において内面および外面に関する厚さを有する壁があってもよく、圧入により内周面のみが弾性変形し、メスコネクタの外面、具体的には半径方向における円筒状開口部の直上の外周面には弾性変形がないことが理解されるべきである。言い換えれば、メスコネクタの内側輪郭は変形する可能性があるが、メスコネクタの外側輪郭は変形しない。例えば、環状突起と締り嵌めを形成するとともに厚さを有することができる、完全な表面に沿った内部円筒状開口部の周囲の壁厚は、内周面の弾性変形を可能にするが、円筒状開口部の周囲の外側輪郭の変形は可能にしない。この点で、突起の外径と円筒状開口部の内径との差は、円筒状開口部への押込み深さを画成することができ、これは、係数0.4、または0.3、または0.2、0.1または0.05に円筒状開口部の周囲の壁厚に乗じた値を超える可能性はない。さまざまな例において、メスコネクタは、弾性ホース、またはエラストマー材料、例えばゴムから作られた任意のホースでなくてもよい。さまざまな例において、締り嵌めは、メスコネクタおよび/またはオスコネクタに使用される熱可塑性材料のエラストマー変形域において形成してもよい。具体的には、メスコネクタのエラストマー変形は、オスコネクタのヤング率よりも小さいヤング率を有していてもよく、したがって、円筒状開口部の弾性変形がもたらされる。
【0156】
さまざまな例において、バッフル連結、爪連結、またはバヨネット連結を使用して、メスコネクタおよびオスコネクタを組立て状態でともに保持してもよい。
【0157】
第1突起、中間突起および後部突起の輪郭部の中心点間の距離、ならびに中心点の半径方向の距離は、所定の、材料および用途に特有の傾斜角を有する円錐面を達成することができるように、選択することができる。
【0158】
さまざまな例において、長手方向において、オスコネクタとメスコネクタとの間に必ずしも当接面が存在しなくてもよい。
【0159】
コネクタシステムは、流体システムにおける継手システムと称する場合もある。オスコネクタは、具体的には、穿孔針と連結することができ、したがって、穿孔針に解放可能な輪郭封止部を提供することができる。
【0160】
要約すると、オスコネクタの環状リングとメスコネクタの円筒状開口部の壁との間の2回の圧入によって液密封止部を生成するコネクタシステムが提供される。2回目の圧入は、1回目の圧入よりも円筒状開口部の壁への押付け寸法が強い。円筒状開口部におけるオスコネクタの芯出しのために、第1の環状リングを使用することができる。好ましい例では、圧入時の各環状リングは、挿入方向および引出し方向の両方において同じ輪郭、具体的には、異なる半径方向の高さを有する円形輪郭を有する。芯出し用環状リングは、正確な芯出しおよび機械的安定性のために、円筒状開口部と同じ直径を有することができる。
【0161】
これにより、プラスチック射出成形部材として、要件を容易に満たすことができる。封止部は、液密と気密の両方であり得る。押込み比が維持される限り、封止部は、メートル法およびインチ法のすべての一般的な直径で機能する。外側材料は弾性域で最小限にしか変形しかしないため、封止部は材料とは無関係に機能することができる。封止部の形状は、使用する液体および曝露時間の長さとは無関係であり得る。封止部は、例えばOリングを押し付けるときのような、挿入方向の止め具を不要とすることができる。継手システムの予備組立および組立に工具や規定トルクは不要である。
【0162】
本発明を、いくつかの好ましい実施形態に関して示し、説明したが、本明細書を読み理解することにより、当業者であれば均等物および変更形態が想到するであろう。本発明は、すべてのこうした均等物および変更形態を含み、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
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