(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-09
(45)【発行日】2024-05-17
(54)【発明の名称】顧客端末設備及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/04 20060101AFI20240510BHJP
H04Q 1/02 20060101ALI20240510BHJP
【FI】
H01Q3/04
H04Q1/02
(21)【出願番号】P 2022567174
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2021092486
(87)【国際公開番号】W WO2021244221
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】202010493867.0
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 永 亮
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110830062(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 3/04
H04Q 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
WIFIアクセスモジュールと、
ミリ波アクセスモジュールを備えた回転体と、
回転駆動装置と回転軸とを備え、前記回転駆動装置が前記回転軸を介して前記回転体と接続されたベースと、
前記WIFIアクセスモジュール、前記ミリ波アクセスモジュール及び前記回転駆動装置にそれぞれ接続された制御処理モジュールと、
前記ベースに接続されている支持体と、を含み、
前記制御処理モジュールは、前記ミリ波アクセスモジュールによってミリ波信号伝送品質情報を取得し、且つ、前記ミリ波信号伝送品質情報に応じて、前記回転体の移動を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整するように構成されて
おり、
前記支持体にはトーションばねとストップリングが設置されており、前記回転体にはさらに回転軸スリーブが設置されており、前記回転軸スリーブは前記支持体と、前記トーションばねと、前記ストップリングとを貫通して前記回転軸に外嵌され、前記トーションばねは、前記回転軸スリーブと接続され、且つ、前記回転軸スリーブに仮締め力を発生させ、前記回転軸はリードスクリューであり、前記回転軸にはナット座が外嵌されており、前記ナット座は前記回転軸スリーブに接続されている、
顧客端末設備。
【請求項2】
前記回転体は回転シェルを含み、前記回転シェルには第1の収容空間が形成されており、前記回転シェルには非電気的シールド領域が設けられており、前記ミリ波アクセスモジュールは前記第1の収容空間に設置され、且つ、前記非電気的シールド領域内に位置する
請求項1に記載の顧客端末設備。
【請求項3】
前記制御処理モジュールは、前記第1の収容空間もしくは前記ベースに設置されており、
または、
前記WIFIアクセスモジュールは、前記第1の収容空間もしくは前記ベースに設置されており、
または、
前記顧客端末設備はさらに、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールを含み、前記非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールは前記制御処理モジュールに接続されており、前記非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールは前記第1の収容空間もしくは前記ベースに設置されており、
または、
前記顧客端末設備はさらに、音声再生モジュールを含み、前記音声再生モジュールは前記制御処理モジュールに接続されており、前記音声再生モジュールは前記第1の収容空間もしくは前記ベースに設置されており、
または、
前記顧客端末設備はさらに、ピックアップを含み、前記ピックアップは前記制御処理モジュールに接続されており、前記ピックアップは前記第1の収容空間もしくは前記ベースに設置されている
請求項2に記載の顧客端末設備。
【請求項4】
前記支持体は、第1支持シェルと、前記第1支持シェル内に設置された第2支持シェルとを含み、前記トーションばねは前記第1支持シェルと前記第2支持シェルとの間に設置され、前記ストッ
プリングは前記第2支持シェルの内側壁に設置されている
請求項
1に記載の顧客端末設備。
【請求項5】
前記第2支持シェルには第2の収容空間が形成されており、前記第2の収容空間には、前記制御処理モジュール、前記WIFIアクセスモジュール、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュール、音声再生モジュール、及びピックアップのうちの少なくとも1つが設置されている
請求項
4に記載の顧客端末設備。
【請求項6】
角度センサをさらに含み、前記角度センサは前記制御処理モジュールに接続されており、前記角度センサは前記回転軸または前記回転軸スリーブまたは前記回転体に設置されている
請求項
1に記載の顧客端末設備。
【請求項7】
ネットワークポートをさらに含み、前記ネットワークポートは前記制御処理モジュールに接続されており、前記ネットワークポートは前記ベースに設置されている
請求項1に記載の顧客端末設備。
【請求項8】
非電気的シールドハウジングをさらに含み、前記非電気的シールドハウジングは前記ベースに接続されており、前記回転体は前記非電気的シールドハウジング内に設置されている
請求項1から
7の何れか一項に記載の顧客端末設備。
【請求項9】
顧客端末設備の制御方法であって、前記顧客端末設備は、WIFIアクセスモジュールと、ミリ波アクセスモジュールを備えた回転体と、回転駆動装置と回転軸とを備え、前記回転駆動装置が前記回転軸を介して前記回転体と接続されたベースと、
前記ベースに接続されている支持体とを含み、
前記支持体にはトーションばねとストップリングが設置されており、前記回転体にはさらに回転軸スリーブが設置されており、前記回転軸スリーブは前記支持体と、前記トーションばねと、前記ストップリングとを貫通して前記回転軸に外嵌され、前記トーションばねは、前記回転軸スリーブと接続され、且つ、前記回転軸スリーブに仮締め力を発生させ、前記回転軸はリードスクリューであり、前記回転軸にはナット座が外嵌されており、前記ナット座は前記回転軸スリーブに接続されており、
前記制御方法は、
ミリ波信号伝送品質情報を取得するステップと、
前記ミリ波信号伝送品質情報に応じて、前記回転体の移動を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整するステップと、
を含
み、
前記ミリ波信号伝送品質情報に応じて、前記回転体の移動を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整する前記ステップは、
前記ミリ波信号伝送品質情報に応じて、前記回転体の回転及び/または昇降を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整するステップを含む
顧客端末設備の制御方法。
【請求項10】
前記ミリ波信号伝送品質情報に応じて、前記回転体の回転及び/または昇降を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整する前記ステップは、
前記ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしておらず、且つ、既定通信品質条件を満たしていない持続時間が第1の既定時間を超えた場合、前記ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たすまで、前記回転体の回転及び/または昇降を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整するステップを含む
請求項
9に記載の制御方法。
【請求項11】
前記回転体の回転及び/または昇降を駆動するように前記回転駆動装置を制御する前記ステップは、
既定移動幅値に応じて、前記回転体の回転及び/または昇降を駆動するように前記回転駆動装置を制御するステップを含む
請求項
10に記載の制御方法。
【請求項12】
前記回転体の回転及び/または昇降を駆動するように前記回転駆動装置を制御する前記ステップは、
前記回転体による
すべての回転角度
の走査及び/または
すべての昇降距離
の走査を駆動するように前記回転駆動装置を制御するステップと、
各前記回転角度に対応するアクセス信号強度値をそれぞれ取得し、及び/または各前記昇降距離に対応するアクセス信号強度値をそれぞれ取得し、前記アクセス信号強度値に基づいてアクセス信号点強度リストを得るステップと、
前記アクセス信号点強度リストに基づいて、目標回転角度及び/または目標昇降距離を得るステップと、
前記回転体の目標回転角度の回転及び/または目標昇降距離の昇降を駆動するように前記回転駆動装置を制御するステップと、
を含む請求項
10に記載の制御方法。
【請求項13】
コンピュータ実行可能な命令を記憶しているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、前記コンピュータ実行可能な命令は、請求項
9から
12の何れか一項に記載の制御方法を実行するように構成された
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は出願番号が202010493867.0で、出願日が2020年06月03日である中国特許出願に基づいて提出され、その中国特許出願の優先権を主張し、その中国特許出願の全ての内容を参考として本願に援用する。
【0002】
本願の実施例は、通信技術の分野に関するが、これに限定されるものではなく、特に、顧客端末設備及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
ミリ波通信とは、ミリ波を情報伝送のキャリアとして行う通信である。ミリ波は波長が短い、周波数帯域幅が広いなどの利点があり、高速広帯域無線アクセスが直面する多くの問題を効果的に解決できることから、現在、5G通信の重要技術の一つとなっている。
【0004】
5Gネットワークのカバー範囲に対するユーザの需要を満たすため、現在市販されているものには、5G信号伝送をサポートできるミリ波モジュールを搭載した顧客端末設備(Customer Premise Equipment、CPE)が現われ、CPEは、ユーザの5Gネットワークへのアクセスを容易にするために、5G信号をWIFI信号に変換することができる。しかし、ミリ波は波長が短いため、ミリ波の信号は減衰が速く遮蔽による妨害を受けやすいという問題があり、CPEが遮蔽による妨害を受けて且つ短時間で妨害を解除できない場合、CPEの通信品質が劣化するという問題を引き起こし、ユーザの使用体験に影響を与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下は、本文で詳細に説明される主題の概要である。本概要は、請求項の保護範囲を制限するためのものではない。
【0006】
本願の実施例は顧客端末設備及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様において、本願の実施例は、顧客端末設備を提供し、前記顧客端末設備は、WIFIアクセスモジュールと、ミリ波アクセスモジュールを備えた回転体と、回転駆動装置と回転軸とを備え、前記回転駆動装置が前記回転軸を介して前記回転体と接続されたベースと、前記WIFIアクセスモジュール、前記ミリ波アクセスモジュール及び前記回転駆動装置にそれぞれ接続された制御処理モジュールと、を含み、前記制御処理モジュールは、前記ミリ波アクセスモジュールによってミリ波信号伝送品質情報を取得し、且つ、前記ミリ波信号伝送品質情報に応じて、前記回転体の移動を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整するように構成されている。
【0008】
第2の態様において、本願の実施例はさらに、顧客端末設備の制御方法を提供し、前記顧客端末設備はWIFIアクセスモジュールと、ミリ波アクセスモジュールを備えた回転体と、回転駆動装置と回転軸とを備え、前記回転駆動装置が前記回転軸を介して前記回転体と接続されたベースと、を含み、前記制御方法は、ミリ波信号伝送品質情報を取得するステップと、前記ミリ波信号伝送品質情報に応じて、前記回転体の移動を駆動するように前記回転駆動装置を制御することで、前記ミリ波アクセスモジュールの位置を調整するステップと、を含む。
【0009】
第3の態様において、本願の実施例はさらに、コンピュータ実行可能な命令が記憶されているコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、前記コンピュータ実行可能な命令は、上記の顧客端末設備の制御方法を実行するように構成されている。
【0010】
本願の他の特徴及び利点は、後の明細書において説明され、明細書から部分的に明らかになるか、または本願を実施することによって理解されるだろう。本願の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面において特別に指摘される構成によって達成し、得ることができる。
添付図面は、本願の技術案の更なる理解を提供するものであり、明細書の一部を構成し、本願の実施例と共に本願の技術案を解釈するために使用され、本願の技術案に対する制限を構成するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本願の一実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図2A】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図2B】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図2C】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図3A】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図3B】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図3C】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図3D】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図4】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図5A】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図5B】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
【
図6】本願の一実施例により提供される顧客端末設備の制御方法のフローチャートである。
【
図7】本願のもう一つの実施例により提供される顧客端末設備の制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の目的、技術案及び利点をより明らかにするために、以下では、添付図面及び実施例を組み合わせて本願をさらに詳しく説明する。ここで説明する具体的な実施例は本願を解釈するためだけに使われるものであって、本願を限定するために使われるものではない。
【0013】
なお、装置の模式図には機能モジュール分割が示され、フローチャートには論理的順序が示されているが、場合によっては、装置内のモジュール分割またはフローチャート内の順序とは異なるように、図示または説明されたステップを実行してもよい。明細書、特許請求の範囲及び上記図面における用語「第1」、「第2」等は類似の対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順序または前後の順番を記述するためのものではない。
【0014】
本願は顧客端末設備及びその制御方法、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、この顧客端末設備は、WIFIアクセスモジュールと、回転体と、ベースと、制御処理モジュールと、を含み、回転体はミリ波アクセスモジュールを備え、ベースは回転駆動装置と回転軸とを備え、回転駆動装置が回転軸を介して回転体と接続され、制御処理モジュールはWIFIアクセスモジュール、ミリ波アクセスモジュール及び回転駆動装置にそれぞれ接続されている。顧客端末設備と5Gネットワークとの間の通信リンクに遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害問題が存在する場合、制御処理モジュールは、回転駆動装置を、回転体を駆動してミリ波アクセスモジュールを移動させるように制御することで、ミリ波アクセスモジュールの位置を調整することができるので、ミリ波アクセスモジュールが遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害要因を回避して、5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保つことができるようにし、通信品質が良くないという問題を改善し、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0015】
以下、添付の図面に関連して、本願の実施例についてさらに説明する。
【0016】
図1に示すように、
図1は本願の一実施例により提供される顧客端末設備の構成模式図である。
図1の例において、この顧客端末設備100は、WIFIアクセスモジュール110と、回転体120と、ベース130と、制御処理モジュール140とを備え、回転体120はミリ波アクセスモジュール121を備え、ベース130は回転駆動装置131と回転軸132とを備え、回転駆動装置131が回転軸132を介して回転体120と接続され、制御処理モジュール140はWIFIアクセスモジュール110、ミリ波アクセスモジュール121及び回転駆動装置131にそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
一実施例において、ミリ波アクセスモジュール121と5Gネットワークとの間の通信リンクに遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害問題が存在する場合、制御処理モジュール140は、回転駆動装置131を、回転体120を駆動してミリ波アクセスモジュール121を回転させるように制御することで、ミリ波アクセスモジュール121の位置を調整することができるので、ミリ波アクセスモジュール121が遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害要因を回避して、5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保つことができるようにし、通信品質が良くないという問題を改善し、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0018】
一実施例において、回転駆動装置131は、製品のスペース要件を満たすために、小型モータを採用することができる。なお、回転駆動装置131は、シャフトカップリングを介して回転軸132に接続することができる。
【0019】
一実施例において、回転体120は、回転シェル122を含んでもよく、この回転シェル122には第1の収容空間123が形成され、ミリ波アクセスモジュール121がこの第1の収容空間123に配置されている。
【0020】
一実施例において、回転シェル122の配置方法、及び回転シェル122と回転軸132との接続方式は、いずれも異なる実施形態を有してもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。例えば、
図2Aに示すように、回転シェル122は、全密閉式のシェルであってもよく、この場合、回転軸132は、回転シェル122の底部に接続されていてもよい。また、
図2Bに示すように、回転シェル122は、半密閉式のシェルであってもよく、この場合、回転シェル122は、最上部1221と底部1222を含んでもよく、底部1222には貫通孔1223が設けられており、回転軸132はこの貫通孔1223を通して第1の収容空間123の内部に延伸し、この最上部1221の内面に接続することが可能である。また、回転軸132と回転シェル122との接続を容易にするために、
図2Cに示すように、回転シェル122の内部に回転軸スリーブ124を設けてもよく、この回転軸スリーブ124は、回転シェル122の最上部1221の内面から回転シェル122の底部1222に向かって延設され、この回転軸132に接続されている。
【0021】
一実施例において、WIFIアクセスモジュール110及び制御処理モジュール140の配置方法は、いずれも異なる実施形態を有してもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。例えば、
図3Aに示すように、WIFIアクセスモジュール110及び制御処理モジュール140は、同時に第1の収容空間123内に設置されていてもよい。また、
図3Bに示すように、WIFIアクセスモジュール110及び制御処理モジュール140は、同時にベース130内に設置されていてもよい。また、
図3Cに示すように、WIFIアクセスモジュール110が第1の収容空間123内に設置されている一方、制御処理モジュール140がベース130内に設置されている。また、
図3Dに示すように、WIFIアクセスモジュール110がベース130内に設置されている一方、制御処理モジュール140が第1の収容空間123内に設置されている。なお、WIFIアクセスモジュール110及び制御処理モジュール140が
図3Cまたは
図3Dに示す実施形態とする場合、回転シェル122及びベース130の両方に導線貫通孔が設けられていてもよく、WIFIアクセスモジュール110及び制御処理モジュール140に接続されている導線がこれらの導線貫通孔を通っている。また、回転軸132が
図2Bに示す配置方法を用いる場合、すなわち、回転軸132が回転シェル122の底部1222を貫通して回転シェル122の最上部1221の内面に接続されている場合、回転軸132が貫通する貫通孔1223内の隙間をこの導線貫通孔とすることができる。
【0022】
一実施例において、制御処理モジュール140の取付けを容易にし、制御処理モジュール140に対する支持を実現するために、第1の収容空間123の内部またはベース130の内部に支持フレームを設け、この支持フレーム内に制御処理モジュール140を取り付けてもよい。
図3Aに示すように、支持フレーム141は第1の収容空間123内に設けられ、支持フレーム141には回転軸スリーブ124が貫通する孔が設けられて、支持フレーム141がこの孔を介して回転軸スリーブ124に嵌挿されて回転軸スリーブ124に接続されていてもよい。また、制御処理モジュール140の良好な放熱性を実現するために、この支持フレーム141を金属材料で製作してもよい。
【0023】
一実施例において、WIFIアクセスモジュール110は、WIFIアンテナであってもよく、無線周波数回路及びWIFIアンテナを含む集積モジュールであってもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。WIFIアクセスモジュール110がWIFIアンテナである場合、WIFIアクセスモジュール110と制御処理モジュール140との間は無線周波数同軸ケーブルを介して接続することができ、制御処理モジュール140は相互に接続された無線周波数回路モジュール及びベースバンド信号処理モジュールを含み、WIFIアクセスモジュール110と制御処理モジュール140とが協働することで、ユーザ側に対するネットワークアクセス処理を実現する。WIFIアクセスモジュール110が無線周波数回路及びWIFIアンテナを含む集積モジュールである場合、WIFIアクセスモジュール110と制御処理モジュール140との間はツイストペア線などの導線を介して接続することができ、制御処理モジュール140はベースバンド信号処理モジュールを有し、WIFIアクセスモジュール110と制御処理モジュール140とが協働することで、ユーザ側に対するネットワークアクセス処理を実現する。なお、本実施例における無線周波数回路は、いくつかの場合においてWIFI信号を送受信するために使用される無線周波数回路を使用することができ、本技術分野の従来設計であるため、本明細書では説明を省略する。
【0024】
なお、WIFIアクセスモジュール110の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。WIFIアクセスモジュール110の数が2つ以上である場合、2つ以上のWIFIアクセスモジュール110は、位置をずらして、第1の収容空間123内の異なる位置、またはベース130内の異なる位置に設置される。例えば、2つ以上のWIFIアクセスモジュール110は、位置をずらして、回転シェル122の内面の異なる位置に付着する。
【0025】
一実施例において、ミリ波アクセスモジュール121は、ミリ波アンテナであってもよく、無線周波数回路及びミリ波アンテナを含む集積モジュールであってもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。ミリ波アクセスモジュール121がミリ波アンテナである場合、ミリ波アクセスモジュール121と制御処理モジュール140との間は無線周波数同軸ケーブルを介して接続することができ、制御処理モジュール140は相互に接続された無線周波数回路モジュール及びベースバンド信号処理モジュールを含み、ミリ波アクセスモジュール121と制御処理モジュール140とが協働することで、ネットワーク側に対するネットワーク接続処理を実現する。ミリ波アクセスモジュール121が無線周波数回路及びミリ波アンテナを含む集積モジュールである場合、ミリ波アクセスモジュール121と制御処理モジュール140との間はツイストペア線などの導線を介して接続することができ、制御処理モジュール140はベースバンド信号処理モジュールを有し、ミリ波アクセスモジュール121と制御処理モジュール140とが協働することで、ネットワーク側に対するネットワーク接続処理を実現する。なお、本実施例における無線周波数回路は、いくつかの場合において5G信号を送受信するために使用される無線周波数回路を使用することができ、本技術分野の従来設計であるため、本明細書では説明を省略する。
【0026】
なお、ミリ波アクセスモジュール121の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。ミリ波アクセスモジュール121の数が2つ以上である場合、2つ以上のミリ波アクセスモジュール121は、位置をずらして、第1の収容空間123内の異なる位置に設置される。例えば、2つ以上のミリ波アクセスモジュール121は、位置をずらして、回転シェル122の内面の異なる位置に付着する。2つ以上のミリ波アクセスモジュール121が位置をずらして第1の収容空間123内の異なる位置に配置されているので、これらのミリ波アクセスモジュール121は、異なる方位からの5G信号を受信することができ、ビームフォーミング信号の送受信範囲を効果的に拡張することができる。
【0027】
一実施例において、顧客端末設備100は、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュール(図示せず)をさらに含んでもよく、この非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールは制御処理モジュール140に接続され、第1の収容空間123内またはベース130内に配置されることが可能である。なお、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールは、2Gネットワークアクセスモジュール、3Gネットワークアクセスモジュール、4Gネットワークアクセスモジュール、及び5G Sub 6GHzネットワークアクセスモジュールのうちの少なくとも1つとしてもよい。なお、本実施例では非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールの数を具体的に限定せず、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールの種類及び数は、実際の応用状況に応じて適宜選択することができる。
【0028】
なお、応用される具体的なモバイルネットワークのタイプによっては、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールは、モバイルネットワークのタイプに対応するアンテナであってもよく、無線周波数回路及びモバイルネットワークのタイプに対応するアンテナを含む集積モジュールであってもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールがアンテナである場合、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールと制御処理モジュール140との間は無線周波数同軸ケーブルを介して接続することができ、制御処理モジュール140は相互に接続された無線周波数回路モジュール及びベースバンド信号処理モジュールを含み、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールと制御処理モジュール140とが協働することで、ネットワーク側に対するネットワーク接続処理を実現する。非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュールが無線周波数回路及びアンテナを含む集積モジュールである場合、非ミリ波モバイルネットワークと制御処理モジュール140との間はツイストペア線などの導線を介して接続することができ、制御処理モジュール140はベースバンド信号処理モジュールを有し、非ミリ波モバイルネットワークと制御処理モジュール140とが協働することで、ネットワーク側に対するネットワーク接続処理を実現する。なお、本実施例における無線周波数回路は、いくつかの場合において2G信号、3G信号、4G信号または5G Sub 6GHz信号を送受信するために使用される無線周波数回路を使用することができ、本技術分野の従来設計であるため、本明細書では説明を省略する。
【0029】
一実施例において、回転シェル122に非電気的シールド領域が設けられていてもよく、ミリ波アクセスモジュール121は第1の収容空間123内に設置され、且つ、この非電気的シールド領域内に位置する。例えば、回転シェル122は上半部と下半部とを含んでもよく、回転シェル122の上半部は、非電気的シールド材料、例えば、プラスチック、ガラス等の材料によって構成されることが可能で、これによって非電気的シールド領域が形成される。ミリ波アクセスモジュール121がこの非電気的シールド領域に設置されている場合、この非電気的シールド領域が無線周波数信号の正常な伝送に影響を与えないので、ミリ波アクセスモジュール121と5Gネットワークとの間の正常な通信を保証することができる。また、回転シェル122内に配置されたデバイスまたは部品を支持するために、回転シェル122の下半部は金属材料で構成されてもよく、また、金属材料で構成された回転シェル122の下半部は、回転シェル122内に設置されたデバイスまたは部品の熱を放出させることができるので、これらのデバイスまたは部品の動作安定性を保証することができる。
【0030】
一実施例において、顧客端末設備100は、プロンプト音、音声、または音楽などの音声信号を再生するために、音声再生モジュール125をさらに含むことができ、この音声再生モジュール125は制御処理モジュール140に接続されている。
図3Aに示すように、この音声再生モジュール125は、第1の収容空間123内に設置されてもい。
図3Bに示すように、この音声再生モジュール125は、ベース130内に設置されてもよい。なお、音声再生モジュール125の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。なお、音声再生モジュール125は、ブザーであってもよく、スピーカであってもよく、実際の使用時のニーズに応じて適宜選択することができ、本実施例ではこれを具体的に限定しない。音声再生モジュール125が2つ以上のスピーカである場合、
図3Aまたは
図3Bに示すように、2つ以上の音声再生モジュール125がそれぞれ第1の収容空間123内の異なる位置、またはベース130内の異なる位置に設置されることにより、ステレオ音響機器を構成することができるので、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0031】
一実施例において、顧客端末設備100は、ユーザの音声情報を受信するために、ピックアップ(図示せず)をさらに含んでもよく、このピックアップは、制御処理モジュール140に接続されており、第1の収容空間123内またはベース130内に設置されてもよい。なお、顧客端末設備100が音声再生モジュール125とピックアップとを同時に有する場合、この顧客端末設備100は、スマートスピーカー機能のためにサービスを提供することができ、例えば、ユーザの声をスマートに学習することで、スマートホームに対する音声制御を実現するか、または、歌曲、事前準備の録音などのオーディオ信号を含むことができる事前準備の音声の音声制御に基づく再生などを行うように構成されることが可能である。
【0032】
一実施例において、顧客端末設備100が音声再生モジュール125とピックアップとのうちの何れか一つを含む場合、制御処理モジュール140は、音声再生モジュール125に対応する第1のオーディオ回路(図示せず)またはピックアップに対応する第2のオーディオ回路(図示せず)を含むことができる。顧客端末設備100が音声再生モジュール125とピックアップとを同時に含む場合、制御処理モジュール140は、音声再生モジュール125に対応する第1のオーディオ回路とピックアップに対応する第2のオーディオ回路とを同時に含むことができる。この第1のオーディオ回路は、制御処理モジュール140によって処理されたオーディオ信号を音声再生モジュール125を介して外部に再生することができ、この第2のオーディオ回路は、ピックアップからのユーザの音声信号を制御処理モジュール140に送信して、関連するオーディオ処理を行わせることができる。なお、本実施例における第1のオーディオ回路及び第2のオーディオ回路は、いずれも従来のオーディオ回路を用いてもよく、本技術分野の従来設計であるため、本明細書では説明を省略する。
【0033】
一実施例において、
図4に示すように、顧客端末設備100はさらに、ベース130に接続された支持体150を含んでもよく、この支持体150はトーションばね151及びストッパリング152を備える。回転体120内には回転軸スリーブ124が設置されており、この回転軸スリーブ124は支持体150と、トーションばね151と、ストッパリング152とを貫通して回転軸132に外嵌され、トーションばね151は、回転軸スリーブ124と接続され、且つ、回転軸スリーブ124に仮締め力を発生させる。ここで、回転軸132はリードスクリューであり、回転軸132にはナット座153が外嵌されており、ナット座153は回転軸スリーブ124に接続されている。
【0034】
一実施例において、トーションばね151が回転軸スリーブ124に接続され、且つ、回転軸スリーブ124に仮締め力を発生させるため、回転軸132がこの仮締め力に打ち勝っていない場合、トーションばね151によって、回転軸スリーブ124、ナット座153及び回転体120を1つのバランスの取れた位置に保つことができ、すなわち、回転軸スリーブ124、ナット座153及び回転体120はいずれも回転軸132の回転に伴って回転しないので、ナット座153は回転軸132に沿って昇降移動することができ、これによって、回転体120の昇降移動を駆動することで、ミリ波アクセスモジュール121の位置を変化させることができる。ナット座153が回転軸132に沿って上昇してストッパリング152と接触すると、ストッパリング152がナット座153の上昇移動を阻止し、この時点で、ナット座153が既に最大の上昇距離に達している。回転軸132が引き続き回転すると、回転軸132は、トーションばね151による仮締め力に打ち勝って、ナット座153、回転軸スリーブ124及び回転体120を回転軸132とともに回転させ、すなわち、回転体120は、上昇移動から回転移動に移行するので、ミリ波アクセスモジュール121の位置を変え、ミリ波アクセスモジュール121が遮蔽による妨害、突発的な強い干渉、または突発的な基地局故障などの妨害要因を回避して、5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保つことができるようにし、通信品質が良くないという問題を改善し、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0035】
なお、回転体120が回転軸132とともに回転する場合、回転軸132が逆転すると、回転体120は回転軸132とともに逆転し、回転体120が平衡位置まで逆回転すると、回転体120はこれ以上回転しなくなり、このとき、ナット座153が回転軸132に沿って下降移動を行うので、回転体120もナット座153とともに回転軸132に沿って下降移動を行う。
【0036】
一実施例において、回転軸132をボールリードスクリューとして、ナット座153と嵌合したときにより良い移動効果を示し、回転体120の移動をよりスムーズで安定したものとすることができる。
【0037】
一実施例において、
図5Aに示すように、支持体150は、第1支持シェル154と、第1支持シェル154内に設置された第2支持シェル155とを含み、トーションばね151が第1支持シェル154と第2支持シェル155との間に設置され、ストッパリング152が第2支持シェル155の内側壁に設置されている。
【0038】
一実施例において、第1支持シェル154と第2支持シェル155との間には隙間が形成されており、この隙間内にトーションばね151が設置されているので、第1支持シェル154と第2支持シェル155との相互作用を利用してトーションばね151の安定した取付けを実現することができる。なお、ストッパリング152が第2支持シェル155の内側壁に設置されているため、回転軸スリーブ124は、第1支持シェル154と第2支持シェル155とを貫通することになる。
図5Aに示すように、回転軸スリーブ124に接続されたナット座153は、第2支持シェル155内であってストッパリング152の下方に位置する。
【0039】
一実施例において、第2支持シェル155には第2の収容空間156が形成されており、この第2の収容空間156には、制御処理モジュール140、WIFIアクセスモジュール110、非ミリ波モバイルネットワークアクセスモジュール、音声再生モジュール125、及びピックアップのうちの少なくとも1つを設置することができる。
【0040】
一実施例において、第2の収容空間156によって、顧客端末設備100に、デバイスまたは部品を取り付けるためのより多くの取付空間を提供することができる。第2の収容空間156には、異なるデバイスまたは部品を取り付けることができ、実際の使用状況に応じて適宜選択することができ、本実施例ではこれを具体的に限定しない。例えば、
図5Aに示すように、第2の収容空間156に音声再生モジュール125を設置してもよく、この場合、第1の収容空間123にはミリ波アクセスモジュール121、WIFIアクセスモジュール110、及び制御処理モジュール140を設置してもよく、一方、ベース130内には回転駆動装置131を設置してもよい。また、
図5Bに示すように、第2の収容空間156にWIFIアクセスモジュール110及び制御処理モジュール140を設置してもよく、この場合、第1の収容空間123にはミリ波アクセスモジュール121を設置してもよく、一方、ベース130内には回転駆動装置131及び音声再生モジュール125を設置してもよい。
【0041】
一実施例において、顧客端末設備100はさらに角度センサ160を含んでもよく、この角度センサ160は制御処理モジュール140に接続され、回転軸132または回転体120に設けることが可能である。
【0042】
一実施例において、角度センサ160によって、回転体120の回転角度を検出することができるので、制御処理モジュール140がミリ波アクセスモジュール121の方位を確定しやすくするように、制御処理モジュール140が検出された回転角度に応じて回転体120の回転移動を調整できるようにするので、制御処理モジュール140によって、遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害要因を回避して、5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保つようにミリ波アクセスモジュール121を制御できるようにし、通信品質が良くないという問題を改善し、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0043】
一実施例において、角度センサ160の異なる種類及び顧客端末設備100の具体的な構成に応じて、角度センサ160の設置方法は、異なる実施形態を有することができる。例えば、回転軸132が回転体120に直接接続されている場合、
図2Aまたは
図2Bに示すように、角度センサ160を回転軸132に外嵌してもよい。また、角度センサ160を回転体120の底部に設けてもよい。また、回転軸132が回転軸スリーブ124を介して回転体120に接続されている場合、
図4または
図5Aに示すように、角度センサ160を回転軸スリーブ124に外嵌してもよい。また、角度センサ160を回転体120の底部に設けてもよい。
【0044】
一実施例において、顧客端末設備100はさらに、制御処理モジュール140に接続され、ベース130内に設けられたネットワークポートを含んでもよく、このネットワークポートは、LAN(Local Area Network、ローカルエリアネットワーク)ポート171及びWAN(Wide Area Network、ワイドエリアネットワーク)ポート172のうちの少なくとも1つを含むことができる。
図3Aに示すように、ベース130内にはLANポート171とWANポート172が同時に設置されており、LANポート171とWANポート172は、顧客端末設備100がインターネット接続機能を持つように、ネットワークの有線接続に使用することが可能である。なお、顧客端末設備100がLANポート171とWANポート172を同時に含む場合、制御処理モジュール140は回線切替回路(図示せず)を含んでもよく、この回線切替回路は、顧客端末設備100の有線ネットワーク接続のタイプを切替えるために、LANポート171とWANポート172にそれぞれ接続されている。なお、本実施例における回線切替回路は、従来の切替回路を用いてもよく、本技術分野の従来設計であるため、本明細書では説明を省略する。
【0045】
一実施例において、顧客端末設備100はさらに、必要な動作電源を顧客端末設備100に供給するための電源モジュール(図示せず)を含んでもよい。この電源モジュールは、異なる実施形態を有してもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。例えば、この電源モジュールは、従来の電源回路とすることが可能であり、この場合、顧客端末設備100には、この電源モジュールに接続される電源プラグが設けられてもよい。また、この電源モジュールは、内蔵された充電可能な電源とすることも可能であり、この場合、顧客端末設備100には、この電源モジュールに接続される充電インターフェースが設けられてもよい。
【0046】
一実施例において、
図3Aに示すように、顧客端末設備100はさらにステータスインジケータランプ180を含んでもよく、このステータスインジケータランプ180は、制御処理モジュール140に接続され、動作状態、待機状態、または充電状態などの、顧客端末設備100の現在の状態をユーザに示すように構成することができる。
【0047】
一実施例において、
図3Aに示すように、顧客端末設備100はさらに、非電気的シールドハウジング190を含んでもよく、この非電気的シールドハウジング190はベース130に接続されており、回転体120はこの非電気的シールドハウジング190内に設置されている。非電気的シールドハウジング190は、プラスチックやガラス等の非電気的シールド材料で構成することができ、無線周波数信号の正常な伝送に影響を与えないだけではなく、顧客端末設備100のすっきりとした外観を保つことができ、また、顧客端末設備100の内部へのほこりの侵入を回避することもできる。
【0048】
さらに、一実施例において、制御処理モジュール140はさらに、メモリ及びプロセッサを含むことができ、メモリ及びプロセッサは、バスまたは他の手段を介して接続することができる。
【0049】
メモリは、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体として、非一時的なソフトウェアプログラムと、非一時的なコンピュータ実行可能なプログラムとを記憶するために使用することができる。さらに、メモリは、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、また非一時的なメモリ、例えば少なくとも1つの磁気ディスクメモリ装置、フラッシュメモリ装置、または他の非一時的なソリッドステートメモリ装置を含むことができる。いくつかの実施形態において、メモリは、プロセッサに対して遠隔地に配置されたメモリを含んでもよく、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介してこのプロセッサに接続することができる。上記のネットワークの実例は、インターネット、社内イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。
【0050】
上述した顧客端末設備の構成に基づいて、以下に、顧客端末設備の制御方法の各実施例を提案する。
【0051】
図6に示すように、
図6は本願の一実施例により提供される顧客端末設備の制御方法のフローチャートであり、この制御方法はステップS100及びステップS200を含むがこれらに限定されるものではない。
【0052】
ステップS100において、ミリ波信号伝送品質情報を取得する。
【0053】
一実施例において、後続のステップでミリ波信号伝送品質情報に基づいてミリ波アクセスモジュールの位置を調整することができるように、顧客端末設備は、ミリ波アクセスモジュールによってこのミリ波信号伝送品質情報を周期的に取得することができる。
【0054】
一実施例において、ミリ波信号伝送品質情報は、参照信号受信電力(Reference Signal Receiving Power、RSRP)、参照信号受信品質(Reference Signal Receiving Quality、RSRQ)、及び信号対干渉雑音比(Signal to Interference plus Noise Ratio、SINR)を含むことができるが、これらに限定されない。
【0055】
ステップS200において、ミリ波信号伝送品質情報に応じて、回転体の移動を駆動するように回転駆動装置を制御することで、ミリ波アクセスモジュールの位置を調整する。
【0056】
一実施例において、取得されたミリ波信号伝送品質情報が現在の通信リンクが滞りないことを示している場合、回転体の移動を駆動するように回転駆動装置を制御することでミリ波アクセスモジュールの位置を変更する必要はない。取得されたミリ波信号伝送品質情報が現在の通信リンクの接続が良好でないことを示している場合、回転体の移動を駆動することでミリ波アクセスモジュールの位置を変更し、通信位置及び環境を変更する目的を達成するので、ミリ波アクセスモジュールと5Gネットワークとの間の通信品質を改善し、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0057】
一実施例において、ミリ波信号伝送品質情報に応じて、回転体の移動を駆動するように回転駆動装置を制御することは、異なる実施形態があってもよい。例えば、ミリ波信号伝送品質情報がある設定された閾値より小さいか否かに基づいて、現在の通信リンクの通信品質が悪いか否かを判定し、現在の通信リンクの通信品質が悪いと判定された場合、回転体の移動を駆動するように回転駆動装置を制御してもよい。また、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしていないか否かに応じて、且つ、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしていない持続時間が一定の既定時間を超えているか否かに基づいて、現在の通信リンクの通信品質が悪いか否かを判定し、現在の通信リンクの通信品質が悪いと判定された場合、回転体の移動を駆動するように回転駆動装置を制御してもよい。
【0058】
一実施例において、上述したステップS100とステップS200を含む制御方法を用いることにより、顧客端末設備と5Gネットワークとの間の通信リンクに遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害問題が存在する場合、回転駆動装置を、回転体を駆動してミリ波アクセスモジュールを移動させるように制御することで、ミリ波アクセスモジュールの位置を調整して、ミリ波アクセスモジュールと5Gネットワークとの間の通信リンクを変更することができるので、ミリ波アクセスモジュールが遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害要因を回避して、5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保つことができるようにし、通信品質が良くないという問題を改善し、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0059】
また、一実施例において、ステップS200は、以下のステップを含むことができるが、これらに限定されない。
【0060】
ステップS210において、ミリ波信号伝送品質情報に応じて、回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御することで、ミリ波アクセスモジュールの位置を調整する。
【0061】
一実施例において、取得されたミリ波信号伝送品質情報が現在の通信リンクの接続が良好でないことを示している場合、回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御できるので、ミリ波アクセスモジュールの回転を駆動して、ミリ波アクセスモジュールの位置調整によりミリ波アクセスモジュールと5Gネットワークとの間の通信品質を改善する目的を達成することができる。
【0062】
また、一実施例において、ステップS210は、以下のステップを含むことができるが、これらに限定されない。
【0063】
ステップS211において、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしておらず、且つ、既定通信品質条件を満たしていない持続時間が第1の既定時間を超えている場合、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たすまで、回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御することで、ミリ波アクセスモジュールの位置を調整する。
【0064】
一実施例において、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしておらず、且つ、既定通信品質条件を満たしていない持続時間が第1の既定時間を超えている場合、現在の通信リンクの通信品質が良好でないことを示しており、ミリ波アクセスモジュールと5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保つために、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たすまで、ミリ波アクセスモジュールの位置を調整し、ミリ波アクセスモジュールと5Gネットワークとの間の通信リンクを変更することができる。ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしている場合、すなわち、ミリ波アクセスモジュールが遮蔽による妨害、突発的な強い干渉、または突発的な基地局故障などの妨害要因を回避し、5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保っていることで、通信品質を改善する目的を達成でき、ユーザの使用体験を向上させたということを示す。
【0065】
一実施例において、既定通信品質条件は、ある通信品質指標値がある設定値に達していることとしてもよく、複数の通信品質指標値が対応する既定値にそれぞれ達していることとしてもよく、本実施例ではこれを具体的に限定しない。例えば、既定通信品質条件を、複数の通信品質指標値が対応する既定値にそれぞれ達していることとする場合、既定通信品質条件を、RSRPが-110dBmより常に低く、ビット誤り率が10%より常に高く、且つ、スループットが50Mbpsより低いこととすることができる。
【0066】
なお、顧客端末設備に対するモビリティ管理は、通常、ビーム切替のみを伴うが、例えばネットワーク輻輳が発生した時など、ロードバランシングが必要になった場合、セル切替を伴うこともある。したがって、モビリティ管理は、アイドル状態、非アクティブ状態におけるシステムメッセージとページングの受信、接続状態におけるデータ伝送の連続性の保障など、ネットワーク内の通信リンクに変化が起きた場合にも、顧客端末設備のサービス継続性を保証しなければならない。顧客端末設備は、RSRP、RSRQまたはSINRを測定する際に、一定の条件を満たすと、A1イベントからA6イベント、及びB1イベントからB2イベントをトリガし、トリガ条件がなくなると、対応するイベントの報告を停止し、対応するイベントから退出する。測定イベントはSSB(Synchronization Signal Block、同期信号ブロック)またはCSI-RS(Channel State Information Reference Signal、チャネル状態情報参照信号)がネットワーク構成可能なビーム測定の結果、及び計算に入れるビームの線形平均の結果で表されるセル品質パラメータに基づく。このようなネットワーク制御下の顧客端末設備による測定と報告メカニズムによって、ほとんどの場合、マルチアンテナ送信モードにおけるミリ波アクセスモジュールは、最適なビームまたはセルにキャンピングすることができるが、顧客端末設備のミリ波アクセスモジュールが著しく遮蔽されれば、最適なビームにキャンピングしていても通信品質が非常に悪くなるという問題が発生し、この場合、RSRP、SINRに基づいて算出されるCQI(Channel Quality Indicator、チャネル品質インジケータ)、CQIに基づいて調整されたMCS(Modulation and Coding Scheme、変調符号化方式)でのデータBLER(Block Error Rate、ブロックエラー率)とTUP(Throughput、スループット)は全て悪い指標として現われる。単一の指標が悪いだけで回転体の移動を駆動するという判断ミスを回避するために、既定通信品質条件を、複数の通信品質指標値が対応する既定値にそれぞれ達していることとして、例えば、BLERが10%より常に高い、RSRPが-110dBmより常に低い、TUPが50Mbpsより常に低い、ヒステリシス及びトリガ遅延時間が2秒から3秒であることなどとして、ミリ波信号伝送品質情報がこれらの条件を全て満たしている場合にのみ、本実施例におけるステップS211を実行する。
【0067】
一実施例において、実際の使用状況に応じて第1の既定時間を適宜選択することができ、例えば、第1の既定時間を500msまたは2000msとすることができるが、本実施例ではこれを具体的に限定しない。
【0068】
なお、無線リンクの接続に失敗して顧客端末設備がネットワークから切断された時も、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしていないと考えてもよい。
【0069】
また、一実施例において、ステップS211における回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御することは、以下のステップを含むことができるが、これらに限定されない。
【0070】
ステップS2111において、既定移動幅値に応じて、回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御する。
【0071】
一実施例において、回転体の昇降を駆動する場合、既定移動幅値を既定昇降距離とすることができる。回転体の回転を駆動する場合、既定移動幅値を既定回転角度とすることができる。回転体の昇降及び回転を駆動する場合、既定移動幅値を、既定昇降距離と既定回転角度とを含むようにすることができる。なお、既定昇降距離及び既定回転角度は、いずれも実際の使用状況に応じて適宜選択することができ、例えば、既定回転角度を10度または120度などとすることができるが、本実施例ではこれを具体的に限定しない。
【0072】
一実施例において、既定移動幅値に応じて、回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御した後、顧客端末設備は、RSRP、RSRQまたはSINRの測定報告を行い、ビーム切替ひいてはセル再選択及びハンドオーバを行う。顧客端末設備がビーム切替またはセル切替を行う場合、切替の失敗回数が既定回数を超えた場合、顧客端末設備は、ビーム切替またはセル切替が成功するまで、すなわち、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たすまで、再び既定移動幅値に応じて、回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御し、ビーム切替またはセル切替が成功すると、顧客端末設備は新しいビームまたはセルにキャンピングし、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしているか否かを引き続き監視し続ける。
【0073】
また、
図7を参照し、一実施例において、ステップS211における回転体の昇降、回転、または昇降及び回転を駆動するように回転駆動装置を制御することはさらに、以下のステップを含むことができるが、これらに限定されない。
【0074】
ステップS2112において、回転体による全回転角度走査、全昇降距離走査、または全回転角度走査及び全昇降距離走査を駆動するように回転駆動装置を制御する。
【0075】
ステップS2113において、各回転角度に対応するアクセス信号強度値をそれぞれ取得し、各昇降距離に対応するアクセス信号強度値をそれぞれ取得し、または、各回転角度に対応するアクセス信号強度値及び各昇降距離に対応するアクセス信号強度値を取得し、アクセス信号強度値に基づいてアクセス信号点強度リストを得る。
【0076】
ステップS2114において、アクセス信号点強度リストに基づいて、目標回転角度、目標昇降距離、または目標回転角度と目標昇降距離を得る。
【0077】
ステップS2115において、回転体の目標回転角度の回転、目標昇降距離の昇降、または目標回転角度の回転及び目標昇降距離の昇降を駆動するように回転駆動装置を制御する。
【0078】
なお、本実施例におけるステップS2112乃至ステップS2115は、上述した実施例におけるステップS2111と並行の技術案である。
【0079】
一実施例において、ミリ波信号伝送品質情報が既定通信品質条件を満たしておらず、且つ、既定通信品質条件を満たしていない持続時間が第1の既定時間を超えている場合、顧客端末設備は、回転体の移動を駆動してミリ波アクセスモジュールを移動させるとともに、ミリ波アクセスモジュールの移動に基づいて走査統計を行い、そして走査統計によって得られた統計結果に基づいてインテリジェントな意思決定を行うことで、最大のアクセス信号強度値に対応する位置を決定して、そして、この位置に基づいて目標回転角度または目標昇降距離を得て、次に、顧客端末設備は、ミリ波アクセスモジュールが最大のアクセス信号強度値に対応する位置に移動するように、この目標回転角度または目標昇降距離に応じて再び移動するようにミリ波アクセスモジュールを駆動するが、このとき、ネットワークモビリティ管理に基づいて、顧客端末設備は、ビーム測定を改めて実行し、ランダムアクセスを実行する。なお、顧客端末設備がミリ波アクセスモジュールの移動に基づいて走査統計を行う過程において、顧客端末設備は、5Gネットワークとの接続を維持し、ネットワーク接続切断の問題を回避するために、5Gネットワークとの元の接続方式を保つ。
【0080】
一実施例において、ステップS2113を実行してアクセス信号点強度リストを得た後、顧客端末設備はまた、このアクセス信号点強度リスト内のアクセス信号強度値を大きい順に並べ替えることができる。顧客端末設備が、このアクセス信号点強度リスト内の最大のアクセス信号強度値に対応する最強信号位置に基づいてネットワークアクセスを行う際に、この最強信号位置での通信品質が悪くなる場合、顧客端末設備は、このアクセス信号点強度リスト内で、次のレベルのアクセス信号強度値を確定することができ、そして、この次のレベルのアクセス信号強度値に基づいて、対応する次に強い信号位置を得ることができるので、この次に強い信号位置を利用してネットワークアクセスを行うことができるようになる。顧客端末設備が5Gネットワークに安定して接続できるようになるまで、以上を繰り返す。
【0081】
一実施例において、顧客端末設備がミリ波アクセスモジュールの移動に基づいて走査統計を行う場合、走査統計する必要のあるデータは、RSRP、RSRQ、SINR、CQI、PMI(Precoder Matrix Indicator、プリコーダマトリクスインジケータ)、RI(Rank indicator、ランクインジケータ)、SRS(Sounding Reference Signal、探測参照信号)を含むが、これらに限定されない。上記データを得ると、顧客端末設備は、ベイズ統計法を用いて統計を行ってもよく、ディープラーニング法を用いて統計を行ってもよいが、本実施例ではこれを具体的に限定しない。
【0082】
一実施例において、ベイズ統計法を用いて統計を行うステップは、以下のステップを含むことができる。
【0083】
最初に、全確率のモデルを作成し、すなわち、すべての観測値と未観測量を合わせて全確率の公式を得て、
次に、観測データに基づく条件付き確率を得て、すなわち、与えられた観測データの下で、各変数の条件付き確率を得て、さらに適切な事後確率を計算し、
そして、モデル適合度と得られた事後確率の意味を評価して、対応する結論を得る。
【0084】
【0085】
この式において、P(Bi|A)は事後確率、P(A|Bi)は条件付き確率、P(Bi)は事前確率である。
【0086】
上記式において、P(Bi)は、過去のデータ(すなわち、訓練セット)から算出することができる。360度の回転中に10度ごとにポーリングすると仮定すると、36個の位置点があり、すなわち各P(位置i)の確率は1/36となる。
【0087】
顧客端末設備が回転している間、ネットワーク監視下でのデータ報告は、イベントによってトリガされる報告と周期的にトリガされる報告とに分けることができる。一般的には、報告される内容にはRSRP、RSRQ、SINR、CQI、PMI、RI、またはSRSなどが含まれ、また、統計時には、さらにMCS、BLER、TUPなどが含まれてもよい。RSRPとSINRのみに基づいて対応する確率統計を行うことで、現在の値が極強点、強い点、中間点、弱い点、極弱点に属することを示すように分類することができる。一般的な経験値は以下を参照できる(経験値は実際の状況に合わせて調整できる)。
【0088】
極強点:RSRP>-85dBm、SINR>25である。
【0089】
強い点:RSRP=-85から-95dBm、SINRが16~25である。
【0090】
中間点:RSRP=-95から-105dBm、SINRが11~15である。
【0091】
弱い点:RSRP=-105から-115dBm、SINRが3~10である。
【0092】
極弱点:RSRP<-115dBm、SINR<3である。
【0093】
【0094】
以上のことから分かるように、P(Bi|A)は、
【数3】
【0095】
ここで、P(位置i|強い点)は強い点の具体的な位置を確定することができ、最後の確率の大きさで並べれば、強い点の確率が最大となる位置点を得て、順番に並べることができるが、以降は順番にホッピングすることができる。
【0096】
上記の過程では、強い点は特徴であり、位置iはカテゴリに相当し、すなわち、強い点のある位置の最大確率を探し出し、最後に、顧客端末設備が遮られて、通信品質を短期間で改善できない場合、確率の大きさに応じて最大確率の位置に変位し、そして、顧客端末設備が5Gネットワークに安定して接続できるようになるまで、以上を繰り返す。
【0097】
一実施例において、ディープラーニング法を用いて統計を行うステップは、以下のステップを含むことができる。
【0098】
まず、ランダム値で重みとバイアスを初期化し、
次に、入力をネットワークに渡し、出力値を得て、
続いて、予測値と実際値との間の誤差を計算し、
次に、誤差を生じている各ニューロンについて、誤差を減少させるように、対応する重み値を調整し、
次に、ネットワーク重みの最適値が得られるまで、反復を繰り返す。
【0099】
以上のステップより分かるように、ディープラーニング法を用いた統計は、測定データを学習することにより、RSRP、RSRQ、SINRなどを入力層とし、間に2つまたは3つの隠れ層を設け、CNN(Convolution Neural Network、畳み込みニューラルネットワーク)畳み込み方式によって必要な特徴を得ることである。
【0100】
上記のように、ベイズアルゴリズムまたはディープラーニング法に基づいてアクセス信号点強度リストを得た後、ミリ波アクセスモジュールが遮蔽による妨害を受けたことまたは他の要因によって持続的な信号不良が発生すると、顧客端末設備は、回転駆動装置を、回転体を駆動してミリ波アクセスモジュールを移動させるように制御することで、ミリ波アクセスモジュールを、アクセス信号点強度リスト内の最大アクセス信号強度値に対応する位置に移動させ、そして、顧客端末設備は、ネットワークモビリティ管理の監視に基づいて、再び5Gネットワークにランダムアクセスし、通信信号が良くないままであれば、ミリ波アクセスモジュールの移動位置を漸次最適化するように選択し、前述の動作を繰り返し実行することで、ミリ波アクセスモジュールと5Gネットワークとの間の通信リンクの信号品質を継続的に保証する。
【0101】
また、本願の一実施例はさらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、このコンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行可能な命令が記憶されており、このコンピュータ実行可能な命令は、プロセッサまたはコントローラ、例えば、上述した構造実施例におけるプロセッサによって実行されることで、上述した実施例における制御方法、例えば以上に説明した
図6における方法ステップS100からS200、
図7の方法ステップS2112からS2115を、上記プロセッサに実行させることができる。
【0102】
本願の実施例において、顧客端末設備は、WIFIアクセスモジュールと、回転体と、ベースと、制御処理モジュールと、を含み、回転体はミリ波アクセスモジュールを備え、ベースは回転駆動装置と回転軸とを備え、回転駆動装置が回転軸を介して回転体と接続され、制御処理モジュールはWIFIアクセスモジュール、ミリ波アクセスモジュール及び回転駆動装置にそれぞれ接続されている。本願の実施例によって提供される案によれば、顧客端末設備と5Gネットワークとの間の通信リンクが妨害されている場合、制御処理モジュールは、回転駆動装置を、回転体を駆動してミリ波アクセスモジュールを移動させるように制御することで、ミリ波アクセスモジュールの位置を調整することができるので、ミリ波アクセスモジュールが遮蔽による妨害、突発的な強い妨害、または突発的な基地局故障などの妨害要因を回避して、5Gネットワークとの間の滞りない通信リンクを保つことができるようにし、通信品質が良くないという問題を改善し、ユーザの使用体験を改善することができる。
【0103】
当業者であれば、上記で開示された方法のすべてまたはいくつかのステップ、システムは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及びそれらの適切な組み合わせとして実施できることを理解できるであろう。いくつかの物理的組立体またはすべての物理的組立体は、中央処理装置、デジタルシグナルプロセッサまたはマイクロプロセッサのようなプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、あるいはハードウェアとして、あるいは特定用途向け集積回路のような集積回路として実施することができる。そういったソフトウェアは、コンピュータ読み取り可能な媒体上に分散することができ、コンピュータ読み取り可能な媒体はコンピュータ記憶媒体(または非一時的な媒体)及び通信媒体(または一時的な媒体)を含むことができる。コンピュータ記憶媒体という用語は、情報(コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュールまたは他のデータ)を記憶するための任意の方法または技術において実現される、揮発性及び不揮発性、取り外し可能及び取り外し不可能な媒体を含むことは、当業者にとって周知のことである。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)または他の光ディスク記憶装置、磁気カートリッジ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶装置、または所望の情報を記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。さらに、通信媒体は通常、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波または他の伝送メカニズムのような変調データ信号中の他のデータを含み、任意の情報伝送媒体を含むことができることは、当業者にとって周知のことである。
【0104】
以上では、本願のいくつかの実施例について具体的に説明したが、本願は上記実施例に限定されるものではない。当業者であれば、本願の範囲に反することなく、本願の特許請求の範囲に限定された範囲内に含まれる様々な等価的変形または置換を行うこともできる。