(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ヘッドアップディスプレイ用の軸方向に非対称な画像ソース
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20240513BHJP
B60K 35/23 20240101ALI20240513BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20240513BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/23
B81B3/00
G02B27/02 Z
(21)【出願番号】P 2020521963
(86)(22)【出願日】2018-10-09
(86)【国際出願番号】 GB2018052875
(87)【国際公開番号】W WO2019077307
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-06-02
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-27
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(32)【優先日】2017-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】523259282
【氏名又は名称】スナップ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミルズ、ロリー・トーマス・アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】シモンズ、マイケル・デイビッド
【合議体】
【審判長】山村 浩
【審判官】安藤 達哉
【審判官】吉野 三寛
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2011/0050548(US,A1)
【文献】特開2006-189825(JP,A)
【文献】特開2003-029206(JP,A)
【文献】特開2011-075951(JP,A)
【文献】特開2002-116404(JP,A)
【文献】特開2007-219106(JP,A)
【文献】特表2007-517261(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/00-26/08
G02B 27/01-27/02
G03B 21/00-21/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置であって、
複数の回動可能なミラーを備えるデジタルミラーデバイスと、
照明ソースであって、前記
複数の回動可能なミラーにわたって空間的に分布し、入力コーンにわたって角度的に分布した入射光で前記
複数の回動可能なミラーを照明するように構成された照明ソースと、
前記照明ソースからの光が前記
複数の回動可能なミラーからの反射後に光導波路内に結合されるように位置合わせされた光導波路と、を備え、
前記回動可能なミラーは単一の回動軸(Y軸)上で回動し、
前記入力コーンは非対称であり、前記入力コーンは、前
記回動軸
(Y軸)に直交する軸
(Z軸)に沿った
前記ミラーの最大傾斜角よりも大きいコーン角であって、前記回動軸
(Y軸)に平行な軸に沿ったコーン角を有し、
画像投影装置は、更に、前記デジタルミラーデバイスの出力を射出瞳に投影するためのレンズ配置を備え、前記射出瞳は、
前記入力コーンが非対称であることから空間的に非対称であり、
前記光導波路は、1つの軸において、前記デジタルミラーデバイスの照明によって生成された前記射出瞳を拡張するものである、ヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
【請求項2】
前記回動可能なミラーは、平面視において四辺を持ち、前記ミラーの外周の2つの頂点間の軸の周りを回動する、請求項
1に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
【請求項3】
前記デジタルミラーデバイスは、ダイヤモンドピクセルデバイスである、請求項
2に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
【請求項4】
前記入力コーンの角度は、前記
回動可能なミラーの回動軸
(Y軸)に直交する軸
(Z軸)に沿って24°であり、前記
回動可能なミラーの回動軸
(Y軸)に平行な軸に沿って24°より大きい、請求項1~
3のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の画像投影装置を備えたヘッドアップディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘッドアップディスプレイに関し、特に、そのようなディスプレイのための画像ソースに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイは、ユーザがそれを通して見る透明な構成要素を利用して、ユーザの周囲の実際の視野に画像を重ね合わせる。ユーザの眼は、通常の方法でその周囲からの光を受け取り、ユーザの眼はまた、ヘッドアップディスプレイシステムからの光を受け取る。従って、ヘッドアップディスプレイからの画像は、実際の周囲に重ねられる。
【0003】
ヘッドアップディスプレイの透明な構成要素は、ユーザによって使用されている機器(例えば、航空機のコックピット)の固定位置に取り付けられるか、構成要素がユーザの頭部と共に動き、従って、ユーザの眼に対して固定された場所にあり続けるように、ユーザの頭部上(例えば、眼鏡として、又はヘルメット上)に取り付けられるかのいずれかであり得る。
【0004】
ヘッドアップディスプレイの基本的な要件は、画像ソースからの光を、射出瞳(output pupil)として知られる、ユーザによる視認のために必要とされる場所に結合することである。これは、
図1に断面において概略的に示されるような導波路システムを利用して達成され得る。
【0005】
画像投影システム11、12は、システムの射出瞳に配置されるユーザの眼1に画像を結合する導波路10内に画像を投影する。導波路本体10は、光学的に透過性であり、これにより、ユーザは、導波路を通して実世界を視認し、投影システム11、12からの画像は、その視野上に重ね合わされる。
【0006】
投影光学系12は、投影された画像を導波路の入射瞳(input pupil)にわたって分布(distribute)するように配置される。その瞳における近視野は、瞳にわたる光の空間分布を表し、一方、遠視野は、画像情報を表す(画像の各画素は、離散光線角度によって表される)。ユーザに対して(即ち、射出瞳において)表示される画像は、眼から遠く離れて(無限遠)に合焦されることが望ましく、これは、それが、投影された画像が重ね合わされる現実世界の画像の適した合焦距離であるからである。
【0007】
入力格子13は、光線14を導波路本体10内に結合する。入力格子13は、全内部反射によって導波路10内にそれが閉じ込められる角度に光線14を回折する回折格子であり得る。出力格子15は、光をその元の角度に戻すように回折し、これにより、光は導波路を出て、眼1の場所と一致するように配置された射出瞳へ伝搬する。出力格子15もまた、回折格子であり得る。導波路10並びに入力格子13及び出力格子15は、入射瞳と射出瞳との間の光線方向を保持し、及び色彩及び角度の画像情報を保持するように構成される。即ち、射出瞳における光の遠視野は、入射瞳における遠視野と一致する。当技術分野で知られているように、入力格子13及び出力格子15のための他の結合構造が利用され得る。
【0008】
図を明確にするために、単一の光線14が示されているが、理解されるように、これはある角度範囲における複数の光線を代表するものである。
【0009】
入力光もまた空間的に分布され、従って、光線14はまた、画像投影システム11、12によって生成された射出瞳にわたって分布された光線も表す。
【0010】
ユーザの眼とデバイスとの位置合わせにおける柔軟性を可能にするために、導波路10によって生成される射出瞳は、視野全体が、「アイボックス(eyebox)」として知られる場所の範囲から見ることができるように、十分に大きくあるべきである。例えば、直径10mmより大きい射出瞳が望ましくあり得る。導波路システムは、射出瞳が入射瞳よりも大きくなるように入射瞳を拡張するように設計され得、従って、画像投影システム11、12の入射瞳要件を低減させる。この拡張は、瞳複製(pupil replication)として一般に知られている。拡張は、遠視野を保持し、近視野にわたって一定の輝度を維持しながら実行されるべきである。
【0011】
この拡張は、導波路10における回折構造15及び16の両方を利用して達成され得る。瞳拡張は、当技術分野で知られている技法を使用して、瞳の一次元又は2つの垂直次元のいずれかで提供され得る。
【0012】
二次元での瞳拡張は、一次元拡張よりも多くの設計上の課題を提示する。二次元拡張を用いて射出瞳の近視野にわたって均一な照明を達成することは、特に広い色度範囲にわたって、困難であり得、導波路光学系の精密な設計と製造を必要とする。
【0013】
対照的に、一次元拡張はより簡単であるが、一次元における利用可能な射出瞳の大きさを投影ソースによって提供されるものに制限する。
図2aは、一次元のみにおいて導波路201内で拡張されている入射瞳200の概略図を示す。射出瞳202は、x方向に拡張されているが、y方向では、瞳の大きさは維持され、非対称アイボックス203をもたらす。結果として、一次元拡張導波路を投影デバイスと組み合わせるとき、プロジェクタによって提供される射出瞳は、典型的に、対称アイボックス207を提供する、入射瞳204、2D拡張用の導波路205、及び射出瞳206について
図2bに示されるように、導波路拡張に対して直交軸においてより大きくあるべきである。
【0014】
反射型マイクロディスプレイデバイスは、適度に大きい射出瞳を作成するために使用され得る他の複雑な光学素子と併せて使用され得るが、そのようなシステムは、物理的に大きくなり、達成可能な画像品質の劣化を引き起こし得る。
【0015】
図3は、入力コーン301によって照明される単一のDMDミラー300の概略図を示す。ミラーは、それが出力コーン302を生成するフラットな状態で示されている。ミラー300は、図面の平面に垂直な軸303周りに傾斜する。オン状態では、ミラー300は反時計回りに傾斜して、出力コーン304を生成する。オフ状態では、ミラーは時計回りに傾斜し、出力コーン305を生成する。
図3に示されるDMDのスタイルは、しばしば「ダイヤモンドピクセル」アーキテクチャとして知られている。他のタイプのDMD(デジタルミラーデバイス)では、各ミラーは、ミラー表面が状態間で複数の軸に沿って移動するように、ある点の周りを可動であり、このようなDMDデバイスは、一般に、「チルト及びロール(tilt and roll)」デバイスとして知られている。
【0016】
オン状態の出力コーン304のみが、画像投影光学系によって収集されるべきであり、従って、出力コーン304は、フラット状態の出力コーン302及びオフ状態の出力コーン305と重なり合うべきではない。
図3のものなどのDMDデバイスの典型的なミラーは、+/-12°だけ傾斜し得、これは、隣接する出力コーン間の重なりを回避するためには、最大照明コーン角が24°(+/-12°)であることを意味する。DMDの照明は、マイクロミラーデバイスの全領域にわたり、これは、投影システムによって達成可能な視野を画定する。照明コーン角は、投影システムの瞳の大きさを画定する。即ち、投影光学系は、DMDの後に、光の空間分布を角度分布(遠視野)に、及び角度分布を空間分布に変換し、これにより、射出瞳に位置する眼は、DMDによって生成された画像を見る。
【0017】
図4は、射出瞳400を作成するためのDMDベースの画像投影機の近軸設計(paraxial design)を示す。DMDは、401において表される。図の上半分は、DMD401のX軸(デバイスがより大きい)を示し、図の下半分は、DMD401のY軸(ミラーアレイがより小さい)を示す。
【0018】
DMD401は、光ソース(図示せず)によって、角度照明コーンにわたる光で均一に空間的に照明される。光線束402及び403は、401の中央領域からの反射を表し、光線束404~407は、401のエッジ部からの反射を表す。束402~407のコーン角は、DMD平面401における照明ソースのコーン角に対応する。
【0019】
近軸(paraxial)レンズシステム408は、射出瞳400を形成するために、DMDからの光を集束させる。
【0020】
例となる構成では、DMDアレイ401は、10mm×6.25mmであり得る。光学システムは、DMDアレイ301全体を照明し、その結果、投影レンズを通して40°×25°の視野を提供するように設計され得る。24°の最大照明コーン角を使用すると、これは、6mm直径の射出瞳300を提供する。
【0021】
導波路システムにおいて一次元における拡張を使用することは、例となるシステム射出瞳(アイボックス)を、非拡張次元において6mmに制限し、これは不十分であり得、従って、二次元拡張を必要とする。
【0022】
従って、適切な大きさの射出瞳を提供するための改善されたヘッドアップディスプレイシステムが必要とされている。
【0023】
以下で説明される実施形態は、既知のシステムの欠点のいずれか又は全てを解決する実装形態に限定されない。
【発明の概要】
【0024】
この概要は、以下の発明を実施するための形態において更に説明される概念のうちの選択されたものを簡略化された形で紹介するために提供される。この概要は、特許請求の範囲に記載の事項の主要な特徴又は本質的な特徴を特定するようには意図されず、特許請求の範囲に記載の事項の範囲を決定する際の補助として使用されるようにも意図されない。
【0025】
ヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置が提供され、装置は、複数の回動可能なミラーを備えるデジタルミラーデバイスと、ミラーにわたって空間的に分布され、入力コーンにわたって角度的に分布された入射光で、回動可能なミラーを照明するように構成された照明ソースと、照明ソースからの光が回動可能なミラーからの反射後に導波路内に結合されるように位置合わせされた光導波路とを備え、ここにおいて、入力コーンは、非対称であり、軸における回動可能なミラーの最大傾斜角よりも大きい、その軸におけるコーン角を有する。
【0026】
回動可能なミラーは、単一の軸上で回動し得る。
【0027】
回動可能なミラーは、平面図において四辺を持ち、ミラーの外周の2つの頂点間の軸の周りを回動し得る。
【0028】
デジタルミラーデバイスは、ダイヤモンドピクセルデバイスであり得る。
【0029】
入力コーン角は、ミラーの回動軸に直交する軸に沿って24°であり得、ミラーの回動軸に平行な軸に沿って24°より大きくなり得る。
【0030】
ヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置は、デジタルミラーデバイスの出力を射出瞳に投影するためのレンズ配置を更に備え得、ここにおいて、射出瞳は、空間的に非対称である。
【0031】
画像投影装置は、ディスプレイの射出瞳に結合するために、その出力を導波路内に投影し得る。
【0032】
導波路は、より大きい射出瞳をユーザに提供するために、瞳複製を介して入射瞳を拡張し得る。
【0033】
本明細書で提供される開示は、他の導波路設計よりも小型で軽量であるが、迷光経路を生成しない導波路を提供し得る。
【0034】
本発明の実施形態は、例として、以下の図面を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図2】
図2は、一次元及び二次元拡張の概略図を示す。
【
図3】
図3は、DMDミラーからの反射の概略図を示す。
【
図6】
図6は、DMDアレイからの単一のミラーを示す。
【
図7】
図7は、非対称照明を用いたDMDアレイからの単一のミラーを示す。
【
図8】
図8は、非対称照明を用いたDMDミラーからの射出瞳を示す。
【
図9】
図9は、非対称照明を用いた近軸投影システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
次に、本発明の更なる詳細、態様及び実施形態が、図面を参照して、単なる例として説明される。図中の要素は、簡略化と明確化のために例示されており、必ずしも一定の縮尺で描かれていない。理解を容易にするために、同様の参照番号がそれぞれの図面に含まれている。
【0037】
図5は、DMDアレイ500の平面図を示し、ここで、各ミラーの傾斜軸は、角から角まで(corner-to-corner)の対称線の周りにあり、ミラーは、単一の軸周りに傾斜する。このタイプのDMDは、本開示で使用され得るデバイスのタイプの一例であるが、他のタイプのDMDアレイもまた利用され得る。例えば、ミラーが単一の軸上で回動するが、軸の異なる位置合わせを伴うDMDが利用され得、又はミラーが1つより多くの軸の周りで回動するDMDが利用され得る。
図6は、単一のミラー600と、Y軸に沿ったその回動軸601との拡大図を示す。ミラー600は入力コーン602によって照明され、コーン603は出力コーンを表す。
【0038】
図7は、非対称射出瞳701を作成するために照明されるアレイの単一のミラー700の概略図を示す。入力照明コーン702は、非対称になるように配置される。Z軸(図面の平面外)では、入力コーンは、オン/フラット/オフ出力コーン間で重なりがないように、上述された24°に制約される。照明コーンは、Y軸に平行なコーン角が、Z軸におけるコーン角よりも大きくなるように非対称である。この構成の方向決め(orientation)により、(従来の光学設計上の制限に依存する場合を除き)射出瞳の大きさを角度的に制限する必要はない。例となる構成では、照明コーンは24°×40°であり得る。一般に、軸におけるコーン角は、その軸における最大ミラー傾斜角よりも大きくなり得る。特定の例では、ミラーは、1つの軸のみの周りに傾斜する。
図8は、ミラー状態の各々についての射出瞳を示し、X方向における状態間の相互作用の欠如を維持しながら、Y方向に拡大された瞳を示す。一例では、ミラーは、他の軸周りの移動がない状態で、
図7のY軸の周りを回動する。
【0039】
図9は、上記で説明された非対称照明を利用する近軸システムを示す。DMDデバイス900は、
図2に関連して説明されたものと同じ次元を有し、40°×25°の同じ視野が射出瞳901において提供される。X軸では、照明角度は、
図3に関連して説明されたものと同じ24°であるが、Y軸では、例示的な光線束902、903、904は、より大きいコーン角、例えば、40°を有する。近軸投影システム905は、6mm×10.25mmの近軸射出瞳901を提供する。
【0040】
図9の非対称射出瞳901は、ユーザへの投影のために、HUDの導波路内に投影され得る。一次元のみにおける拡張が、20mm(6mmから拡張された)×10.25mmのシステムのための射出瞳を提供するために、導波路によって提供され得る。従って、一次元のみにおける拡張は、許容可能な射出瞳の大きさを提供し得る。従って、DMD画像ソースシステム(輝度における関連する利点を有する)が、一次元拡張と組み合わせて利用され、従って、これらの技術の利点を得ることができる。
【0041】
上記の説明は、特定のパラメータを有する、例となるDMDデバイスを使用して与えられた。これらのパラメータは、説明の便宜のためだけに与えられ、本明細書で説明される原理は、異なるパラメータを有するデバイスに適用される。
【0042】
上記の説明では、サイドダイヤモンドデバイスが例として使用された。しかしながら、ミラーが回動する他のタイプのデバイスが、同じ原理に従って利用され得る。同様に、正方形のミラーが例として使用されたが、他の形状もまた利用され得る。
【0043】
本発明は、いくつかの実施形態に関連して説明されたが、本発明は、本明細書に記載の特定の形態に限定されるように意図されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。加えて、特徴は、特定の実施形態に関連して説明されているように見え得るが、当業者であれば、説明された実施形態の様々な特徴が、本発明に従って組み合わされ得ることを認識するであろう。特許請求の範囲において、「備える」という用語は、他の要素又はステップの存在を除外するものではない。
【0044】
更に、特許請求の範囲における特徴の順序は、特徴が実行されなければならないいかなる特定の順序も示唆するものではなく、特に、方法の請求項における個々のステップの順序は、これらのステップがこの順序で実行されなければならないことを示唆するものではない。むしろ、ステップは、任意の好適な順序で実行され得る。加えて、単数形の言及は、複数形を除外しない。従って、「a」、「an」、「第1」、「第2」等への言及は、複数形を排除しない。特許請求の範囲において、「備える」又は「含む」という用語は、他の要素の存在を除外しない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] ヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置であって、
複数の回動可能なミラーを備えるデジタルミラーデバイスと、
照明ソースであって、前記ミラーにわたって空間的に分布し、入力コーンにわたって角度的に分布した入射光で前記回動可能なミラーを照明する、ように構成された照明ソースと、
前記照明ソースからの光が前記回動可能なミラーからの反射後に光導波路内に結合されるように位置合わせされた光導波路と
を備え、
前記入力コーンは、非対称であり、ある軸における前記回動可能なミラーの最大傾斜角よりも大きい、その軸におけるコーン角を有する、ヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
[2] 前記回動可能なミラーは、単一の軸上で回動する、[1]に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
[3] 前記回動可能なミラーは、平面視において四辺を持ち、前記ミラーの外周の2つの頂点間の軸の周りを回動する、[2]に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
[4] 前記デジタルミラーデバイスは、ダイヤモンドピクセルデバイスである、[3]に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
[5] 前記入力コーンの角度は、前記ミラーの回動軸に直交する軸に沿って24°であり、前記ミラーの回動軸に平行な軸に沿って24°より大きい、[1]~[4]のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
[6] 前記デジタルミラーデバイスの出力を射出瞳に投影するためのレンズ配置を更に備え、前記射出瞳は、空間的に非対称である、[1]~[5]のいずれか一項に記載のヘッドアップディスプレイ用の画像投影装置。
[7] 前記光導波路は、1つの軸において、前記デジタルミラーデバイスの照明によって生成された射出瞳を拡張する、[1]~[6]のいずれか一項に記載の画像投影装置を備えたヘッドアップディスプレイ。
[8] 前記光導波路は、より大きい射出瞳をユーザに提供するために、一次元において、瞳複製を介して入射瞳を拡張する、[1]に記載のヘッドアップディスプレイ。