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特許7486733作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20240513BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20240513BHJP
   G06Q 10/0639 20230101ALI20240513BHJP
   G05D 1/43 20240101ALI20240513BHJP
【FI】
G06Q50/08
G08G1/00 X
G06Q10/0639
G05D1/43
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020005508
(22)【出願日】2020-01-16
(65)【公開番号】P2021114055
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】504182255
【氏名又は名称】国立大学法人横浜国立大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 雄介
(72)【発明者】
【氏名】小川 雄大
(72)【発明者】
【氏名】長川 研太
(72)【発明者】
【氏名】坂井 敦
(72)【発明者】
【氏名】松井 康知
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-117328(JP,A)
【文献】特開2011-014054(JP,A)
【文献】特開2017-182234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G08G 1/00
G05D 1/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積込機が稼働する作業現場において、前記積込機による複数の無人車両に対する積込作業が順次実施されるように、複数の前記無人車両のそれぞれのコースデータを生成するコースデータ生成部と、
複数の前記積込機のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、前記コースデータに従って走行する複数の前記無人車両の前記作業現場の交差点における通過順序を決定する優先度決定部と、を備える、
作業現場の管理システム。
【請求項2】
前記積込作業が実施される積込場に対する前記無人車両の到着目標時刻から到着予想時刻を減じた値を示す移動余裕度を算出する移動余裕度算出部と、
前記交差点における前記通過順序の複数のパターンを算出する通過パターン算出部と、
複数の前記パターンのそれぞれについて、複数の前記無人車両のそれぞれの前記交差点における時間損失量を算出する時間損失量算出部と、
前記移動余裕度と前記時間損失量とに基づいて、複数の前記パターンのそれぞれについて、複数の前記無人車両のそれぞれの前記積込作業に係る積込損失量を算出する積込損失量算出部と、
前記積込損失量算出部により算出された複数の前記積込損失量に基づいて、複数の前記パターンのそれぞれについて、前記総積込損失量を算出する総積込損失量算出部と、を備え、
前記優先度決定部は、前記総積込損失量算出部により算出された複数の前記総積込損失量から最小の前記総積込損失量になる前記パターンを、前記通過順序に決定する、
請求項1に記載の作業現場の管理システム。
【請求項3】
先の積込作業の終了後に次の積込作業が実施され、
前記到着目標時刻は、先の積込作業の終了予想時刻である、
請求項2に記載の作業現場の管理システム。
【請求項4】
前記積込場に、前記積込作業を待機する前記無人車両が配置される待機点と、前記積込作業が実施される前記無人車両が配置される積込点とが設定され、
前記到着目標時刻は、前記待機点に対する到着目標時刻である、
請求項2又は請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項5】
前記到着予想時刻は、前記コースデータに基づいて算出される、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項6】
前記積込損失量は、複数の前記無人車両のそれぞれの前記積込場に対する目標到着時間遅れ増加量であり、
前記総積込損失量は、複数の前記無人車両のそれぞれの前記目標到着時間遅れ増加量の総和である、
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項7】
前記積込損失量は、複数の前記無人車両のそれぞれの前記積込場に対する目標到着時間遅れ増加量と前記積込機の単位時間当たりの積荷の積込量との積を示す生産損失量であり、
前記総積込損失量は、複数の前記無人車両のそれぞれの前記生産損失量の総和である、
請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項8】
複数の前記無人車両のそれぞれの位置データを取得する位置データ取得部と、
前記位置データに基づいて、前記交差点に複数の前記無人車両が進入するか否かを判定する進入判定部と、を備え、
前記総積込損失量算出部は、前記交差点に複数の前記無人車両が進入すると判定された場合、複数の前記パターンのそれぞれについて、前記総積込損失量を算出する演算処理を開始する、
請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の作業現場の管理システム。
【請求項9】
前記無人車両の前方に走行許可エリアを設定する走行許可エリア設定部を備え、
前記進入判定部は、前記走行許可エリアと前記交差点との相対位置に基づいて、前記交差点に複数の前記無人車両が進入するか否かを判定する、
請求項8に記載の作業現場の管理システム。
【請求項10】
1台の前記無人車両に対する積込所要時間の実績データに基づいて、前記積込所要時間の確率分布を生成する確率分布生成部と、
前記積込作業が開始されてからの経過時間と前記確率分布とに基づいて、積込作業の終了予想時刻を算出する予測部と、を備える、
請求項3に記載の作業現場の管理システム。
【請求項11】
コンピュータシステムが、
複数の積込機が稼働する作業現場において、前記積込機による複数の無人車両に対する積込作業が順次実施されるように、複数の前記無人車両のそれぞれのコースデータを生成することと、
複数の前記積込機のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、前記コースデータに従って走行する複数の前記無人車両の前記作業現場の交差点における通過順序を決定することと、
決定された前記通過順序に基づいて前記交差点を通過するように、複数の前記無人車両の走行を制御することと、を実行する
作業現場の管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業現場の管理システム及び作業現場の管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鉱山のような広域の作業現場において、無人車両が稼働する場合がある。特許文献1には、鉱山機械運行管理システムにより管理される無人搬送車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-117328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無人車両は、積込機による積込作業が実施される積込場と排土作業を実施する排土場とを往復するように走行する。積込場と排土場との間の搬送路に交差点が存在する場合がある。複数の無人車両が交差点に同時に進入する場合、複数の無人車両の干渉を回避するために、少なくとも1台の無人車両の走行を制限する必要がある。走行を制限された無人車両は、積込場に到着するまでに時間を要してしまう可能性がある。無人車両が積込場に到着するまでに時間を要すると、積込機のアイドル時間が増加し、作業現場の生産性が低下する可能性がある。
【0005】
本開示は、作業現場の生産性の低下を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、複数の積込機が稼働する作業現場において、前記積込機による複数の無人車両に対する積込作業が順次実施されるように、複数の前記無人車両のそれぞれのコースデータを生成するコースデータ生成部と、複数の前記積込機のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、前記コースデータに従って走行する複数の前記無人車両の前記作業現場の交差点における通過順序を決定する優先度決定部と、を備える、作業現場の管理システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る作業現場の管理システムを示す図である。
図2図2は、実施形態に係る無人車両を示す図である。
図3図3は、実施形態に係るコースデータを説明するための図である。
図4図4は、実施形態に係る走行許可エリアを説明するための図である。
図5図5は、実施形態に係る積込場における無人車両の動作を説明するための図である。
図6図6は、実施形態に係る交差点の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る管理システムを示す機能ブロック図である。
図8図8は、実施形態に係るコースデータ生成部の処理を説明するための図である。
図9図9は、実施形態に係る進入判定部の処理を説明するための図である。
図10図10は、実施形態に係る到着目標時刻と到着予想時刻と移動余裕度とを説明するための図である。
図11図11は、実施形態に係る通過順序のパターンを説明するための図である。
図12図12は、実施形態に係る通過順序のパターンを説明するための図である。
図13図13は、実施形態に係る作業現場の管理方法を示すフローチャートである。
図14図14は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
図15図15は、実施形態に係る管理システムを示す機能ブロック図である。
図16図16は、実施形態に係る積込作業の終了予想時刻の算出方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[第1実施形態]
<管理システム>
図1は、実施形態に係る作業現場の管理システム1を示す図である。実施形態において、作業現場は、鉱山である。鉱山とは、鉱物を採掘する場所又は事業所をいう。
【0011】
図1に示すように、作業現場において、複数の無人車両2及び複数の積込機3が稼働する。無人車両2とは、運転者による運転操作によらずに無人で稼動する車両をいう。実施形態において、無人車両2は、作業現場を走行して積荷を運搬する運搬車両の一種である無人ダンプトラックである。無人車両2に運搬される積荷として、鉱山において掘削された鉱石又は土砂が例示される。積込機3は、無人車両2に積荷を積載する積込作業を実施する。積込機3は、積込作業のための作業機を有する。積込機3として、油圧ショベル又はロープショベルが例示される。
【0012】
作業現場は、積込場LPAと、排土場DPAと、搬送路HLとを有する。積込場LPAとは、積込機3が無人車両2に積荷を積載する積込作業が実施される作業場をいう。排土場DPAとは、無人車両2が積荷を排出する排土作業が実施される作業場をいう。排土場DPAには、例えば破砕機7が設けられる。搬送路HLは、積込場LPAと排土場DPAとを繋ぐように設けられる。積込場LPAは複数設けられる。排土場DPAは複数設けられる。搬送路HLは、複数の積込場LPA及び複数の排土場DPAのそれぞれに通じる。
【0013】
無人車両2は、搬送路HLを走行して、積込場LPA及び排土場DPAの少なくとも一方に移動する。無人車両2は、例えば積込場LPAと排土場DPAとを往復するように走行する。なお、無人車両2は、例えば第1の積込場LPAから第1の排土場DPAに走行した後、第1の積込場LPAとは異なる第2の積込場LPAに走行してもよい。無人車両2は、第1の排土場DPAから第2の積込場LPAに走行した後、第1の排土場DPAとは異なる第2の排土場DPAに走行してもよい。積込場LPAと排土場DPAとの間の搬送路HLに交差点ISが存在する。
【0014】
なお、作業現場は、鉱山に限定されない。作業現場は、例えば採石場でもよい。作業現場は、無人車両2が積荷を運搬する作業現場であればよい。
【0015】
管理システム1は、管理装置4と、通信システム5とを備える。管理装置4は、コンピュータシステムを含む。管理装置4は、複数の無人車両2の運行管理を実施する。管理装置4は、例えば作業現場の管制施設6に設置される。
【0016】
通信システム5は、管理装置4と無人車両2と積込機3との間でデータ通信を実施する。管理装置4に無線通信機5Aが接続される。通信システム5は、無線通信機5Aを含む。管理装置4と無人車両2と積込機3とは、通信システム5を介して無線通信する。
【0017】
<無人車両>
図2は、実施形態に係る無人車両2を示す図である。無人車両2は、管理装置4から送信されたコースデータCDに基づいて、作業現場を走行する。
【0018】
無人車両2は、走行装置21と、走行装置21に支持される車両本体22と、車両本体22に支持されるダンプボディ23と、位置検出装置28と、無線通信機5Bと、制御装置30とを備える。
【0019】
走行装置21は、走行装置21を駆動する駆動装置24と、走行装置21を制動するブレーキ装置25と、走行装置21を操舵する操舵装置26と、車輪27とを有する。
【0020】
車輪27が回転することにより、無人車両2は走行する。車輪27は、前輪27Fと後輪27Rとを含む。車輪27にタイヤが装着される。
【0021】
駆動装置24は、無人車両2を加速するための駆動力を発生する。駆動装置24は、ディーゼルエンジンのような内燃機関又は電動機を含む。駆動装置24で発生した駆動力は、後輪27Rに伝達される。ブレーキ装置25は、無人車両2を減速又は停止するための制動力を発生する。操舵装置26は、無人車両2の走行方向を調整するための操舵力を発生する。操舵装置26で発生した操舵力は、前輪27Fに伝達される。
【0022】
位置検出装置28は、無人車両2の位置を検出する。位置検出装置28は、全地球航法衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)を利用して、無人車両2の位置を検出する。全地球航法衛星システムは、全地球測位システム(GPS:Global Positioning System)を含む。位置検出装置28は、GNSS受信機(GPS受信機)を含む。全地球航法衛星システムは、グローバル座標系において規定される無人車両2の位置を検出する。グローバル座標系とは、地球に固定された座標系をいう。位置検出装置28は、緯度、経度、及び高度の座標データで規定される無人車両2の絶対位置(絶対座標)を検出する。
【0023】
無線通信機5Bは、制御装置30に接続される。通信システム5は、無線通信機5Bを含む。制御装置30は、通信システム5を介して、無人車両2の外部に存在する管理装置4と無線通信する。
【0024】
制御装置30は、コンピュータシステムを含む。制御装置30は、管理装置4から送信されたコースデータCDに基づいて、無人車両2の走行を制御する制御指令を出力する。制御装置30から出力される制御指令は、駆動装置24を作動するためのアクセル指令、ブレーキ装置25を作動するためのブレーキ指令、及び操舵装置26を作動するためのステアリング指令を含む。駆動装置24は、制御装置30から出力されたアクセル指令に基づいて、無人車両2を加速するための駆動力を発生する。駆動装置24の出力が調整されることにより、無人車両2の走行速度が調整される。ブレーキ装置25は、制御装置30から出力されたブレーキ指令に基づいて、無人車両2を減速又は停止するための制動力を発生する。操舵装置26は、制御装置30から出力されたステアリング指令に基づいて、無人車両2の走行方向を調整するための操舵力を発生する。
【0025】
<コースデータ>
図3は、実施形態に係るコースデータCDを説明するための図である。コースデータCDは、無人車両2の走行条件を示す。無人車両2の走行条件は、走行速度、加速度、減速度、停車位置、走行方位、及び走行経路を含む。コースデータCDは、積込場LPA、排土場DPA、及び搬送路HLのそれぞれに設定される。無人車両2は、コースデータCDに基づいて、作業現場を走行する。
【0026】
図3に示すように、コースデータCDは、間隔をあけて設定された複数のコース点CPと、複数のコース点CPを結ぶラインによって規定される走行コースCRとを含む。コース点CPは、グローバル座標系における無人車両2の目標位置を規定する。無人車両2の目標位置は、緯度、経度、及び高度により規定される。複数のコース点CPのそれぞれに、無人車両2の目標走行速度及び目標走行方位が設定される。走行コースCRは、無人車両2の目標走行経路を規定する。
【0027】
コースデータCDは、管理装置4により生成される。管理装置4により生成されたコースデータCDは、通信システム5を介して、無人車両2の制御装置30に送信される。制御装置30は、コースデータCDに基づいて、無人車両2が走行コースCRに従って走行し、複数のコース点CPのそれぞれに設定されている目標走行速度及び目標走行方位に従って走行するように、走行装置21を制御する。
【0028】
<走行許可エリア>
図4は、実施形態に係る走行許可エリアAPを説明するための図である。無人車両2の走行方向の前方に、走行許可エリアAPが設定される。走行許可エリアAPは、管理装置4により設定される。走行許可エリアAPは、無人車両2の走行が許可されたエリアである。無人車両2は、走行許可エリアAPが設定された状態で、走行許可エリアAPを走行する。
【0029】
走行許可エリアAPは、走行コースCRに沿って設定される。走行許可エリアAPの長さは、複数のコース点CPが走行許可エリアAPに配置されるように設定される。走行許可エリアAPの幅は、無人車両2の車幅と同一又は無人車両2の車幅よりも大きくなるように設定される。
【0030】
無人車両2の移動に伴って、走行許可エリアAPは更新される。無人車両2が前進すると、走行許可エリアAPは、無人車両2と同期して、前方に移動するように更新される。無人車両2が通過した後の搬送路HLにおける走行可能エリアAPの設定が解除される。
【0031】
複数の無人車両2のそれぞれの走行許可エリアAPは、重複しないように設定される。図4に示すように、例えば2台の無人車両2が接近するように搬送路HLを走行する場合、管理装置4は、2台の無人車両2が干渉しないように、2台の無人車両2のそれぞれに走行許可エリアAPを設定する。図4に示す例では、一方の無人車両2の走行可能エリアAPは、5つのコース点CPを含むように設定される。他方の無人車両2の走行可能エリアAPは、3つのコース点CPを含むように設定される。管理装置4は、一方の無人車両2の走行可能エリアAPと他方の無人車両2の走行可能エリアAPとが重複しないように、2つの走行可能エリアAPのそれぞれを設定する。これにより、複数の無人車両2の干渉が抑制される。
【0032】
<積込場>
図5は、実施形態に係る積込場LPAにおける無人車両2の動作を説明するための図である。積込機3は、積込場LPAにおいて稼働する。図5に示す例においては、1つの積込場LPAにおいて1台の積込機3が稼働する。なお、1つの積込場LPAにおいて複数の積込機3が稼働してもよい。
【0033】
図5に示す例においては、搬送路HLiと搬送路HLoとが積込場LPAに接続される。積込場LPAに進入する無人車両2は、搬送路HLiを走行する。積込場LPAから退去した無人車両2は、搬送路HLoを走行する。搬送路HLi、積込場LPA、及び搬送路HLoのそれぞれに、コースデータCDが設定される。無人車両2は、コースデータCDに従って、搬送路HLi、積込場LPA、及び搬送路HLoのそれぞれを走行する。なお、積込場LPAに1つの搬送路HLが接続されてもよい。
【0034】
積込作業を実施される前の複数の無人車両2は、積込場LPAに順次進入する。積込場LPAにおいて、1台の積込機3による複数の無人車両2に対する積込作業が順次実施される。積込作業を実施された後の複数の無人車両2は、積込場LPAから順次退去する。
【0035】
積込場LPAに、待機点WPと積込点LPとが設定される。待機点WP及び積込点LPは、管理装置4により設定される。待機点WPとは、積込作業を待機する無人車両2が配置される位置をいう。積込点LPとは、積込作業が実施される無人車両2が配置される位置をいう。走行コースCRは、待機点WP及び積込点LPを含むように規定される。待機点WP及び積込点LPのそれぞれが、コース点CPの一種であるとみなされてもよい。
【0036】
搬送路HLiから積込場LPAに進入した無人車両2は、コースデータCDに従って、待機点WPに移動する。無人車両2は、積込作業の待機のために、待機点WPにおいて停車する。実施形態において、待機点WPは、無人車両2がスイッチバックするスイッチバック点である。スイッチバックとは、前進する無人車両2が進行方向を転換して、後進しながら積込点LPに接近する動作をいう。前進しながら搬送路HLiから積込場LPAに進入した無人車両2は、コースデータCDに従って、待機点WPでスイッチバックして、後進しながら積込点LPに移動する。
【0037】
積込点LPに移動した無人車両2は、積込点LPで停車する。積込機3は、積込点LPで停車した無人車両2に対して積込作業を実施する。先の無人車両2が積込点LPに配置され、積込作業が実施されているとき、次の無人車両2は、待機点WPで待機する。積込点LPにおいて積込作業が実施された後の無人車両2は、コースデータCDに従って、前進しながら積込場LPAから搬送路HLoに退去する。
【0038】
<交差点>
図6は、実施形態に係る交差点ISの一例を示す図である。図6に示すように、搬送路HLは、交差点ISを含む。交差点ISとは、複数の搬送路HLが交わる部分をいう。図6に示すように、作業現場が鉱山である場合、交差点ISの形状は、複雑な形状になる場合が多い。また、交差点ISは、多数の搬送路HLによって形成される場合がある。
【0039】
交差点ISに交差点エリアISAが設定される。交差点エリアISAは、管理装置4により設定される。交差点エリアISAは、交差点ISを構成する複数の搬送路HLを含むように設定される。図6に示す例において、交差点ISは、搬送路HLa、搬送路HLb、搬送路HLc、搬送路HLd、及び搬送路HLeにより構成される。交差点エリアISAは、5つの搬送路HL(HLa,HLb,HLc,HLd,HLe)を含むように設定される。
【0040】
図6に示すように、複数の無人車両2が同時に交差点ISに進入しようとする場合がある。複数の無人車両2が同時に交差点ISに進入しようとする場合、複数の無人車両2の干渉を回避するために、少なくとも1台の無人車両2の走行を制限する必要がある。走行を制限された無人車両2は、積込場LPAに到着するまでに時間を要してしまう可能性がある。無人車両2が積込場LPAに到着するまでに時間を要すると、積込機3のアイドル時間が増加し、作業現場の生産性が低下する可能性がある。積込機3のアイドル時間とは、積込機3が複数の無人車両2に対する積込作業を順次実施する場合において、積込作業を実施することができない時間をいう。
【0041】
すなわち、1台の積込機3による複数の無人車両2に対する積込作業が順次実施される場合において、無人車両2が交差点ISにおいて走行を制限されてしまうと、走行を制限された無人車両2は、先の無人車両2の積込作業の終了時刻までに積込場LPに到着できない可能性が高くなる。先の無人車両2の積込作業の終了時刻から次の無人車両2の積込場LPAへの到着時刻までの時間が長くなると、積込機3のアイドル時間が長くなってしまう。
【0042】
実施形態においては、複数の無人車両2が同時に交差点ISに進入しようとする場合において、管理装置4は、積込機3の稼働に係る損失量が小さくなるように、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序を決定する。積込機3の稼働に係る損失量は、積込機3のアイドル時間を含む。管理装置4は、積込機3のアイドル時間が小さくなるように、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序を決定する。
【0043】
作業現場において複数の積込機3が稼働する。積込場LPAは、作業現場に複数設けられる。複数の積込機3は、複数の積込場LPAのそれぞれにおいて稼働する。管理装置4は、複数の積込機3のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、コースデータCDに従って走行する複数の無人車両2の交差点ISにおける通過順序を決定する。管理装置4は、決定した通過順序に基づいて複数の無人車両2が交差点ISを通過するように、複数の無人車両2の走行を制御する。
【0044】
実施形態において、無人車両2が交差点ISに進入することは、無人車両2に設定された走行許可エリアAPの前部が交差点エリアISAに進入することをいう。管理装置4は、走行許可エリアAPと交差点エリアISAとの相対位置に基づいて、交差点エリアISAに複数の無人車両2が進入するか否かを判定する。管理装置4は、交差点エリアISAに複数の無人車両2が同時に進入すると判定した場合、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序を決定するための演算処理を開始する。
【0045】
<管理装置及び制御装置>
図7は、実施形態に係る管理システム1を示す機能ブロック図である。図7に示すように、管理装置4は、コースデータ生成部41と、交差点エリア設定部42と、走行許可エリア設定部43と、位置データ取得部44と、進入判定部45と、移動余裕度算出部46と、通過パターン算出部47と、時間損失量算出部48と、積込損失量算出部49と、総積込損失量算出部50と、優先度決定部51と、記憶部52とを有する。
【0046】
コースデータ生成部41は、複数の無人車両2のそれぞれのコースデータCDを生成する。コースデータ生成部41は、積込機3による複数の無人車両2に対する積込作業が順次実施されるように、コースデータCDを生成する。
【0047】
図8は、実施形態に係るコースデータ生成部41の処理を説明するための図である。図8に示すように、実施形態においては、作業現場に3つの積込場LPAが設けられ、3つの積込場LPAのそれぞれに積込機3が1台ずつ配置されることとする。3台の積込機3は、3つの積込場LPAのそれぞれにおいて稼働する。第1積込機3Aは、第1積込場LPA1において稼働する。第2積込機3Bは、第2積込場LPA2において稼働する。第3積込機3Cは、第3積込場LPA3において稼働する。不図示であるが、例えば30台程度の複数の無人車両2が作業現場において稼働する。
【0048】
コースデータ生成部41は、コースデータCDとして、第1積込機3Aによる積込作業が実施される無人車両2についての第1コースデータCD1、第2積込機3Bによる積込作業が実施される無人車両2についての第2コースデータCD2、及び第3積込機3Cによる積込作業が実施される無人車両2についての第3コースデータCD3を生成する。第1積込機3Aによる積込作業が実施される第1グループに属する複数の無人車両2は、第1コースデータCD1に従って走行する。第2積込機3Bによる積込作業が実施される第2グループに属する複数の無人車両2は、第2コースデータCD2に従って走行する。第3積込機3Cによる積込作業が実施される第3グループに属する複数の無人車両2は、第3コースデータCD3に従って走行する。
【0049】
コースデータ生成部41は、第1積込機3Aによる第1グループの無人車両2に対する積込作業が順次実施されるように、第1コースデータCD1を生成する。第1グループの無人車両2は、第1コースデータCD1に従って、第1積込場LPA1に向かって走行する。第1グループの無人車両2は、第1積込場LPA1の待機点WPで待機した後、第1積込場LPA1の積込点LPに順次進入する。第1積込機3Aは、積込点LPに順次配置される複数の無人車両2のそれぞれに対して積込作業を順次実施する。
【0050】
コースデータ生成部41は、第2積込機3Bによる第2グループの無人車両2に対する積込作業が順次実施されるように、第2コースデータCD2を生成する。第2グループの無人車両2は、第2コースデータCD2に従って、第2積込場LPA2に向かって走行する。第2グループの無人車両2は、第2積込場LPA2の待機点WPで待機した後、第2積込場LPA2の積込点LPに順次進入する。第2積込機3Bは、積込点LPに順次配置される複数の無人車両2のそれぞれに対して積込作業を順次実施する。
【0051】
コースデータ生成部41は、第3積込機3Cによる第3グループの無人車両2に対する積込作業が順次実施されるように、第3コースデータCD3を生成する。第3グループの無人車両2は、第3コースデータCD3に従って、第3積込場LPA3に向かって走行する。第3グループの無人車両2は、第3積込場LPA3の待機点WPで待機した後、第3積込場LPA3の積込点LPに順次進入する。第3積込機3Cは、積込点LPに順次配置される複数の無人車両2のそれぞれに対して積込作業を順次実施する。
【0052】
交差点エリア設定部42は、作用現場の交差点ISに交差点エリアISAを設定する。図6を参照して説明したように、交差点エリアISAは、交差点ISを構成する複数の搬送路HLを含むように設定される。交差点エリアISAは、コースデータCDと同一の座標系において設定される。コースデータCDがグローバル座標系において設定される場合、交差点エリアISAもグローバル座標系において設定される。
【0053】
走行許可エリア設定部43は、無人車両2の走行方向の前方に走行許可エリアAPを設定する。走行許可エリア設定部43は、作業現場で稼動する複数の無人車両2のそれぞれに走行許可エリアAPを設定する。図4を参照して説明したように、走行許可エリアAPは、複数のコース点CPを含むように設定される。走行許可エリアAPは、コースデータCDと同一の座標系において設定される。コースデータCDがグローバル座標系において設定される場合、走行許可エリアAPもグローバル座標系において設定される。
【0054】
位置データ取得部44は、作業現場で稼動する複数の無人車両2のそれぞれの位置データを取得する。無人車両2の位置は、位置検出装置28により検出される。位置検出装置28により検出された無人車両2の位置データは、通信システム5を介して管理装置4に送信される。位置データ取得部44は、通信システム5を介して、位置検出装置28により検出された無人車両2の位置データを取得する。
【0055】
進入判定部45は、位置データ取得部44により取得された複数の無人車両2の位置データに基づいて、交差点ISに複数の無人車両2が同時に進入するか否かを判定する。実施形態において、進入判定部45は、走行許可エリアAPと交差点ISとの相対位置に基づいて、交差点ISに複数の無人車両2が進入するか否かを判定する。
【0056】
図9は、実施形態に係る進入判定部45の処理を説明するための図である。実施形態においては、図9に示すように、無人車両2A、無人車両2B、及び無人車両2Cが、交差点ISに同時に進入することとする。また、無人車両2A、無人車両2B、無人車両2C、無人車両2D、及び無人車両2Eが、交差点ISを通過する予定であることとする。
【0057】
図9に示す例において、交差点ISは、搬送路HL1、搬送路HL2、搬送路HL3、及び搬送路HL4により構成される。無人車両2A及び無人車両2Dが搬送路HL1を交差点ISに向かって走行する。無人車両2Bが搬送路HL2を交差点ISに向かって走行する。無人車両2C及び無人車両2Eが搬送路HL3を交差点ISに向かって走行する。無人車両2Aは、無人車両2Dよりも前方において、交差点ISに向かって搬送路HL1を走行する。無人車両2Cは、無人車両2Eよりも前方において、交差点ISに向かって搬送路HL3を走行する。
【0058】
実施形態において、無人車両2A及び無人車両2Dは、第1コースデータCD1に従って、第1積込機3A(第1積込場LPA1)に向かって走行することとする。無人車両2Bは、第2コースデータCD2に従って、第2積込機3B(第2積込場LPA2)に向かって走行することとする。無人車両2C及び無人車両2Eは、第3コースデータCD3に従って、第3積込機3C(第3積込場LPA3)に向かって走行することとする。
【0059】
なお、無人車両2A、無人車両2B、無人車両2C、無人車両2D、及び無人車両2Eのそれぞれが、異なる積込機3(積込場LPA)に向かって走行してもよい。
【0060】
実施形態において、進入判定部45は、交差点ISにほぼ同時に進入しようとする複数の無人車両2(2A,2B,2C)のそれぞれに設定された走行許可エリアAPと交差点エリアISAとの相対位置に基づいて、交差点ISに複数の無人車両2が同時に進入するか否かを判定する。
【0061】
すなわち、進入判定部45は、交差点エリア設定部42により設定された交差点エリアISAと、走行許可エリア設定部43により設定された走行許可エリアAPと、位置データ取得部44により取得された無人車両2の位置データとに基づいて、複数の走行許可エリアAPの前部が交差点エリアISAにほぼ同時に進入しようとするとき、複数の無人車両2が交差点ISに同時に進入すると判定する。
【0062】
図9に示す例においては、無人車両2Aに設定されている走行許可エリアAPの前部と、無人車両2Bに設定されている走行許可エリアAPの前部と、無人車両2Cに設定されている走行許可エリアAPの前部とが、ほぼ同時に交差点エリアISAに進入する。
【0063】
図9に示す例において、進入判定部45は、交差点エリア設定部42により設定された交差点エリアISAと、走行許可エリア設定部43により設定された走行許可エリアAPと、位置データ取得部44により取得された無人車両2の位置データとに基づいて、無人車両2Aに設定されている走行許可エリアAPの前部と、無人車両2Bに設定されている走行許可エリアAPの前部と、無人車両2Cに設定されている走行許可エリアAPの前部とが、交差点エリアISAにほぼ同時に進入すると判定し、3台の無人車両2(2A,2B,2C)が交差点ISに進入すると判定する。
【0064】
移動余裕度算出部46は、複数の無人車両2(2A,2B,2C)が交差点ISに進入すると進入判定部45により判定された場合、積込作業が実施される積込場LPAに対する無人車両iの到着目標時刻targetから到着予想時刻estimateを減じた値を示す移動余裕度dを算出する。
【0065】
無人車両iは、交差点ISを通過する予定の複数の無人車両2を示すこととする。iは、交差点ISを通過する予定の無人車両2の台数を示す。実施形態において、交差点ISを通過する予定の無人車両2は、5台の無人車両2(2A,2B,2C,2D,2E)である。すなわち、i=1~5である。
【0066】
移動余裕度算出部46は、交差点ISを通過する予定の複数の無人車両iのそれぞれについて、移動余裕度dを算出する。移動余裕度算出部46は、5台の無人車両2(2A,2B,2C,2D,2E)のそれぞれについて、移動余裕度dを算出する。
【0067】
移動余裕度dは、交差点ISを通過する予定の複数の無人車両iのそれぞれの移動余裕度を示す。到着目標時刻targetは、複数の無人車両iのそれぞれの到着目標時刻を示す。到着予想時刻estimateは、複数の無人車両iのそれぞれの到着予想時刻を示す。
【0068】
なお、後述するように、複数の無人車両iが交差点ISに同時に進入する場合、複数の無人車両iの干渉を回避するために、交差点ISの通過順序に基づいて、少なくとも1台の無人車両iの走行が制限される場合がある。走行を制限された無人車両iは、交差点ISに進入する前に減速又は停車される。到着予想時刻estimateは、交差点ISの通過順序に基づいて発生する無人車両iの減速又は停車による遅延も考慮される。
【0069】
到着目標時刻targetは、無人車両iに対する積込作業を実施する積込機3のアイドル時間を最小に(ゼロに)するために、無人車両iが積込場LPAに到着すべき時刻である。到着予想時刻estimateは、無人車両iが積込場LPAに到着する予想時刻である。無人車両iの移動余裕度dは、無人車両iの到着目標時刻targetから到着予想時刻estimateを減じた値を示す。すなわち、以下の(1)式が成立する。
【0070】
【数1】
【0071】
移動余裕度dは、交差点ISから積込場LPAまでの移動について無人車両iが有する余裕の度合いを数値化したものである。
【0072】
上述のように、1台の積込機3による複数の無人車両2に対する積込作業が順次実施される。先の無人車両2に対する積込作業が終了した後に、次の無人車両2に対する積込作業が実施される。積込機3のアイドル時間を低減する場合、移動余裕度dが大きいほど、無人車両iは積込場LPAまでの移動の途中において減速又は停止する余裕が有ることを意味する。移動余裕度dが小さいほど、無人車両iは積込場LPAまでの移動の途中において減速又は停止する余裕が無く、全速力で走行する必要があることを意味する。移動余裕度dが負の値の場合、無人車両iは、次の積込作業に遅れる見込みであることを意味する。
【0073】
実施形態において、無人車両iの到着目標時刻targetは、待機点WPに対する到着目標時刻である。すなわち、到着目標時刻targetは、無人車両iの積込作業を実施する積込機3のアイドル時間を最小に(ゼロに)するために、交差点ISに進入する予定の無人車両iが積込場LPAの待機点WPに到着すべき時刻である。
【0074】
実施形態において、1台の積込機3による複数の無人車両iに対する積込作業が順次実施される場合において、次の無人車両iの到着目標時刻targetは、先の無人車両iの積込作業の終了予想時刻endである。
【0075】
図10は、実施形態に係る到着目標時刻targetと到着予想時刻estimateと移動余裕度dとを説明するための図である。図10は、1台の積込機3により積込作業が順次実施される3台の無人車両2(2-1,2-2,2-3)についての到着目標時刻targetと到着予想時刻estimateと移動余裕度dとの関係を示す。
【0076】
無人車両iの積込作業の終了予想時刻endは、無人車両iの待機点WPに対する到着予想時刻estimateと、1台の無人車両iに対する積込所要時間とに基づいて算出される。積込所要時間とは、1台の積込機3が1台の無人車両iに対する積込作業に要する時間をいう。積込所要時間は、例えば積込機3の諸元(specification)又は積込所要時間の過去の実績データから決定される既知データである。積込所要時間は、記憶部52に記憶されている。積込所要時間は、一定値である。図10に示す例において、積込所要時間は3分であることとする。
【0077】
実施形態において、無人車両2の待機点WPに対する到着目標時刻targetは、先の無人車両2の積込作業の終了予想時刻endである。すなわち、積込機3のアイドル時間を最小に(ゼロに)するために、次の無人車両2は、先の無人車両2の積込作業の終了予想時刻endまでに、待機点WPに到着する必要がある。
【0078】
図10に示す例において、3台の無人車両2のうち、積込作業を実施中の無人車両2-1の積込作業の終了予想時刻endが14時02分であることとする。
【0079】
無人車両2-1の次に積込作業を実施される無人車両2-2の待機点WPへの到着目標時刻targetは、先の無人車両2-1の積込作業の終了予想時刻endと同じ14時02分である。無人車両2-2の待機点WPへの到着予想時刻estimateは、14時03分である。無人車両2-2の到着予想時刻estimateは、無人車両2-2のコースデータCDに基づいて算出される。コースデータCDは、無人車両2-2の目標走行速度及び目標走行経路を含む。無人車両2-2から待機点WPまでの距離は、無人車両2-2の現在の位置データと目標走行経路とに基づいて算出可能である。無人車両2-2が待機点WPに到着するまでに要する時間は、コースデータCDにより規定される無人車両2-2の目標走行速度と待機点WPまでの距離とに基づいて算出される。したがって、移動余裕度算出部46は、無人車両2-2の現在の位置データと無人車両2-2のコースデータCDとに基づいて、無人車両2-2の待機点WPへの到着予想時刻estimateを算出することができる。
【0080】
したがって、無人車両2-2についての移動余裕度dは、-1分(=14時02分-14時03分)である。また、積込所要時間は3分であるため、無人車両2-2の積込作業の終了予想時刻endは、14時06分である。
【0081】
無人車両2-2の次に積込作業を実施される無人車両2-3の待機点WPへの到着目標時刻targetは、先の無人車両2-2の積込作業の終了予想時刻endと同じ14時06分である。無人車両2-3の待機点WPへの到着予想時刻estimateは、14時04分である。
【0082】
したがって、無人車両2-3についての移動余裕度dは、+2分(=14時06分-14時04分)である。また、積込所要時間は3分であるため、無人車両2-3の積込作業の終了予想時刻endは、14時09分である。
【0083】
通過パターン算出部47は、交差点ISに複数の無人車両2が進入すると進入判定部45により判定された場合、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序の複数のパターンを算出する。
【0084】
図11及び図12のそれぞれは、実施形態に係る通過順序のパターンを説明するための図である。図11は、無人車両2A、無人車両2B、無人車両2C、無人車両2D、及び無人車両2Eのうち、無人車両2Aが最先に交差点ISを通過する第1パターンを示す。図12は、無人車両2A、無人車両2B、無人車両2C、無人車両2D、及び無人車両2Eのうち、無人車両2B及び無人車両2Cが最先に交差点ISを通過する第2パターンを示す。
【0085】
実施形態において、通過パターン算出部47は、図11及び図12に示したような、無人車両2Aが最先に交差点ISを通過する第1パターンと、無人車両2B及び無人車両2Cが最先に交差点ISを通過する第2パターンとを算出することとする。
【0086】
なお、図11及び図12を参照して説明した通過順序のパターンは、一例である。また、通過順序のパターンは、第1パターン及び第2パターンの2つのパターンのみならず、3つ以上の複数のパターンである場合が想定される。例えば、図12に示す例において、無人車両2Bと無人車両2Cとが交差点ISを同時に走行することができない場合、通過順序のパターンとして、無人車両2Aが最先に交差点ISを通過する第1パターンと、無人車両2Bが最先に交差点ISを通過する第2パターンと、無人車両2Cが最先に交差点ISを通過する第3パターンとが算出される。
【0087】
なお、無人車両2Bと無人車両2Cとが交差点ISを同時に走行することができない場合として、無人車両2Bに設定された走行許可エリアAPと無人車両2Cに設定された走行許可エリアAPとが、交差点ISにおいて重複してしまう状況が例示される。
【0088】
時間損失量算出部48は、通過パターン算出部47により算出された交差点ISにおける通過順序の複数のパターンのそれぞれについて、複数の無人車両iのそれぞれの交差点ISにおける時間損失量lossを算出する。実施形態において、時間損失量lossは、交差点ISに進入する予定の複数の無人車両iのそれぞれの交差点ISにおける時間損失量である。
【0089】
無人車両iの時間損失量lossとは、無人車両iが減速しないで交差点ISを通過するのに要する時間と、減速又は停車しながら交差点ISを通過するのに要する時間との差をいう。
【0090】
図11に示したように、無人車両2Aが最先に交差点ISを通過する場合、複数の無人車両2の干渉を回避するために、無人車両2B、無人車両2C、及び無人車両2Eの走行が制限される。すなわち、無人車両2B及び無人車両2Cは、無人車両2Aとの干渉を回避するために、交差点ISに進入せずに、交差点エリアISAの手前において停車又は減速される。また、無人車両2Eは、無人車両2Cの後方を走行するため、無人車両2Cの停車又は減速に伴って、停車又は減速される。そのため、無人車両2B、無人車両2C、及び無人車両2Eのそれぞれに時間損失量lossが発生する。無人車両2Aの後方を走行する無人車両2Dの走行が制限されない場合、無人車両2Dは、無人車両2Aとともに、交差点ISを通過する。無人車両2Dの走行が制限されない場合、無人車両2A及び無人車両2Dには、時間損失量lossが発生しない。なお、無人車両2Aが交差点ISを通過した後、無人車両2Dが交差点ISを通過する前に、例えば無人車両2Bが交差点ISを通過する場合がある。その場合、無人車両2Dに時間損失量lossが発生する。
【0091】
図12に示したように、無人車両2B及び無人車両2Cが最先に交差点ISを通過する場合、複数の無人車両2の干渉を回避するために、無人車両2A及び無人車両2Dの走行が制限される。すなわち、無人車両2Aは、無人車両2B及び無人車両2Cとの干渉を回避するために、交差点ISに進入せずに、交差点エリアISAの手前において停車又は減速される。また、無人車両2Dは、無人車両2Aの後方を走行するため、無人車両2Aの停車又は減速に伴って、停車又は減速される。そのため、無人車両2A及び無人車両2Dのそれぞれに時間損失量lossが発生する。無人車両2Cの後方を走行する無人車両2Eの走行が制限されない場合、無人車両2Eは、無人車両2Cとともに、交差点ISを通過する。無人車両2Eの走行が制限されない場合、無人車両2B、無人車両2C、及び無人車両2Eには、時間損失量lossが発生しない。なお、無人車両2Cが交差点ISを通過した後、無人車両2Eが交差点ISを通過する前に、例えば無人車両2Aが交差点ISを通過する場合がある。その場合、無人車両2Eに時間損失量lossが発生する。
【0092】
このように、時間損失量算出部48は、交差点エリアISAに対向する複数の無人車両2(無人車両2A、無人車両2B、及び無人車両2C)の交差点ISにおける通過順序の複数のパターンのそれぞれについて、交差点ISを通過する予定の全ての無人車両i(無人車両2A、無人車両2B、無人車両2C、無人車両2D、及び無人車両2E)のそれぞれの時間損失量lossを算出する。
【0093】
積込損失量算出部49は、交差点ISを通過する予定の複数の無人車両iの移動余裕度dと時間損失量lossとに基づいて、交差点ISにおける通過順序の複数のパターンのそれぞれについて、複数の無人車両iのそれぞれの積込作業に係る積込損失量を算出する。実施形態において、積込損失量は、複数の無人車両iのそれぞれの積込場LPAに対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayである。積込損失量算出部49は、交差点ISを通過する予定の複数の無人車両iの移動余裕度dと時間損失量lossとに基づいて、通過パターン算出部47により算出された複数のパターンのそれぞれについて、複数の無人車両iのそれぞれの積込場LPAの待機点WPに対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayを算出する。
【0094】
図8を参照して説明したように、無人車両2A及び無人車両2Dが第1コースデータCD1に従って第1積込機3A(第1積込場LPA1)に向かって走行する場合、積込損失量算出部49は、通過パターン算出部47により算出された第1パターン及び第2パターンのそれぞれについて、無人車両2A及び無人車両2Dのそれぞれの第1積込場LPA1の待機点WPに対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayを算出する。無人車両2Bが第2コースデータCD2に従って第2積込機3B(第2積込場LPA2)に向かって走行する場合、積込損失量算出部49は、通過パターン算出部47により算出された第1パターン及び第2パターンのそれぞれについて、無人車両2Bの第2積込場LPA2の待機点WPに対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayを算出する。無人車両2C及び無人車両2Eが第3コースデータCD3に従って第3積込機3C(第3積込場LPA3)に向かって走行する場合、積込損失量算出部49は、通過パターン算出部47により算出された第1パターン及び第2パターンのそれぞれについて、無人車両2C及び無人車両2Eのそれぞれの第3積込場LPA3の待機点WPに対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayを算出する。
【0095】
無人車両iの目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは、無人車両iが到着目標時刻target(先の無人車両2の積込作業の終了予想時刻end)までに積込場LPAの待機点WPに到着することができないことによって発生する積込機3のアイドル時間の増加量を意味する。無人車両iの時間損失量lossが発生しても、無人車両iの移動余裕度dが大きければ、アイドル時間は増加せず、目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは増加しない。一方、無人車両iの移動余裕度dが小さいと、無人車両iが到着目標時刻targetまでに積込場LPAの待機点WPに到着できない場合、アイドル時間は増加し、目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは増加する。すなわち、無人車両iの目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは、無人車両iの移動余裕度dと時間損失量lossとに基づいて定められる。目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは、以下の(2)式に基づいて算出される。
【0096】
【数2】
【0097】
(2)式に示すように、移動余裕度dが0未満(負の値)である場合、目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは、時間損失量lossに等しい。移動余裕度dが0以上loss未満である場合、目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは、時間損失量lossから移動余裕度dを減じた値である。移動余裕度dがloss以上である場合、目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは、ゼロである。すなわち、交差点ISにおいて無人車両iに時間損失量lossが発生しても、移動余裕度dが正の値であれば、積込場LPAの待機点WPに対する無人車両iの目標到着時間遅れ増加量Δtdelayは少ない又はゼロとなる。
【0098】
総積込損失量算出部50は、積込損失量算出部49により算出された複数の積込損失量に基づいて、通過パターン算出部47により算出された交差点ISにおける通過順序の複数のパターンのそれぞれについて、複数の積込機3のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量を算出する。実施形態において、総積込損失量は、複数の無人車両2のそれぞれの目標到着時間遅れ増加量Δtdelayの総和を示す総積込損失量sumdelayである。
【0099】
すなわち、総積込損失量sumdelayは、通過順序の複数のパターンのそれぞれについて算出された、複数の積込機3のそれぞれのアイドル時間の増加量の総和を示す。総積込損失量算出部50は、積込損失量算出部49により算出された複数の目標到着時間遅れ増加量Δtdelayに基づいて、通過パターン算出部47により算出された複数のパターンのそれぞれについて、複数の無人車両2のそれぞれの目標到着時間遅れ増加量Δtdelayの総和を示す総積込損失量sumdelayを算出する。
【0100】
総積込損失量sumdelayは、以下の(3)式に基づいて算出される。
【0101】
【数3】
【0102】
図8を参照して説明したように、第1積込機3A、第2積込機3B、及び第3積込機3Cのそれぞれが稼働する第1積込場LPA1、第2積込場LPA2、及び第3積込場LPA3が存在する場合、総積込損失量算出部50は、図11を参照して説明した通過順序の第1パターンについて、無人車両2Aの第1積込場LPA1に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Dの第1積込場LPA1に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Bの第2積込場LPA2に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Cの第3積込場LPA3に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Eの第3積込場LPA3に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayとの総和を示す第1総積込損失量sumdelayを算出する。
【0103】
また、総積込損失量算出部50は、図12を参照して説明した通過順序の第2パターンについて、無人車両2Aの第1積込場LPA1に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Dの第1積込場LPA1に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Bの第2積込場LPA2に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Cの第3積込場LPA3に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと、無人車両2Eの第3積込場LPA3に対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayとの総和を示す第2総積込損失量sumdelayを算出する。
【0104】
優先度決定部51は、複数の積込機3のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、コースデータCDに従って走行する複数の無人車両2の作業現場の交差点ISにおける通過順序を決定する。
【0105】
優先度決定部51は、総積込損失量算出部50により算出された複数の総積込損失量sumdelaysumdelaysumdelay)から、最小の総積込損失量sumdelayになる通過順序のパターンを、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序に決定する。
【0106】
第1積込機3A、第2積込機3B、及び第3積込機3Cのそれぞれが稼働する第1積込場LPA1、第2積込場LPA2、及び第3積込場LPA3が存在し、通過順序の第1パターンにおける第1総積込損失量sumdelayと、通過順序の第2パターンにおける第2総積込損失量sumdelayとが算出された場合、優先度決定部51は、第1総積込損失量sumdelay及び第2総積込損失量sumdelayのうち、最小の総積込損失量sumdelayを選定する。例えば、第1総積込損失量sumdelayを最小の総積込損失量sumdelayとして選定した場合、優先度決定部51は、通過順序の第1パターンを、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序に決定する。
【0107】
図7に示すように、制御装置30は、位置データ入力部31と、走行条件データ取得部32と、走行制御部33とを有する。
【0108】
位置データ入力部31は、無人車両2の位置検出装置28の検出データを取得する。位置検出装置28の検出データは、無人車両2の位置データを示す。無人車両2の位置データは、通信システム5を介して管理装置4に送信される。
【0109】
走行条件データ取得部32は、通信システム5を介して管理装置4からコースデータCD及び走行許可エリアAPを取得する。
【0110】
走行制御部33は、無人車両2の位置データ及びコースデータCDに基づいて、無人車両2の走行を制御する。走行制御部33は、無人車両2の位置データに基づいて、無人車両2がコースデータCDのコース点CRに従って走行するように、走行装置21を制御する。また、走行制御部33は、コース点CPに規定されている目標走行速度に基づいて、走行装置21を制御する。また、走行制御部33は、走行許可エリアAPに基づいて、走行装置21を制御する。
【0111】
<管理方法>
図13は、実施形態に係る作業現場の管理方法を示すフローチャートである。交差点エリア設定部42は、交差点ISに交差点エリアISAを設定する(ステップS10)。
【0112】
コースデータ生成部41は、コースデータCDを生成する。コースデータ生成部41は、通信システム5を介して、コースデータCDを無人車両2に送信する。コースデータ生成部41は、作業現場で稼動する複数の無人車両2のそれぞれに、コースデータCDを送信する。(ステップS20)。
【0113】
無人車両2の制御装置30は、コースデータCDに基づいて、走行装置21を制御する。無人車両2は、コースデータCDに従って、作業現場を走行する。
【0114】
位置検出装置28は、無人車両2の位置を検出する。位置検出装置28により検出された無人車両2の位置データは、通信システム5を介して、管理装置4に送信される。位置データ取得部44は、無人車両2の位置データを取得する。位置データ取得部44は、作業現場で稼動する複数の無人車両2のそれぞれの位置データを取得する(ステップS30)。
【0115】
進入判定部45は、位置データ取得部44により取得された複数の無人車両2の位置データに基づいて、作業現場の交差点ISに複数の無人車両2が進入するか否かを判定する。実施形態において、進入判定部45は、無人車両2の走行方向の前方に設定された走行許可エリアAPと交差点ISとの相対位置に基づいて、交差点ISに複数の無人車両2が進入するか否かを判定する(ステップS40)。
【0116】
ステップS40において、交差点ISに複数の無人車両2が進入すると判定された場合(ステップS40:Yes)、通過パターン算出部47は、交差点ISに進入する複数の無人車両2の交差点ISにおける通過順序の複数のパターンを算出する(ステップS50)。
【0117】
実施形態においては、通過順序のパターンとして、図11を参照して説明した第1パターンと、図12を参照して説明した第2パターンとの2つのパターンが算出されることとする。
【0118】
通過順序のパターンが算出された後、通過順序を決定する演算処理が開始される。実施形態においては、ステップS40において、交差点ISに複数の無人車両2が進入すると判定された場合(ステップS40:Yes)、通過順序の複数のパターンのそれぞれについて、総積込損失量sumdelayを算出する処理が開始される。
【0119】
はじめに、第1パターンについて、第1総積込損失量sumdelayを算出する処理が開始される。移動余裕度算出部46は、交差点ISに進入する予定の複数の無人車両iのそれぞれについて、積込作業が実施される積込場LPAに対する無人車両2の到着目標時刻targetから到着予想時刻estimateを減じた値を示す移動余裕度dを算出する(ステップS60)。
【0120】
実施形態において、交差点ISに進入する予定の複数の無人車両iは、無人車両2A、無人車両2B、無人車両2C、無人車両2D、及び無人車両2Eの5台である。すなわち、i=1~5である。
【0121】
時間損失量算出部48は、複数の無人車両iのそれぞれの交差点ISにおける時間損失量lossを算出する(ステップS70)。
【0122】
積込損失量算出部49は、ステップS60で算出された移動余裕度dと、ステップS70で算出された時間損失量lossとに基づいて、複数の無人車両iのそれぞれの積込作業に係る積込損失量を算出する(ステップS80)。
【0123】
実施形態において、積込損失量は、複数の無人車両iのそれぞれの積込場LPAに対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayである。
【0124】
目標到着時間遅れ増加量Δtdelay(積込損失量)を算出する演算処理の第1ループ目においては、無人車両Aについての目標到着時間遅れ増加量Δtdelayが算出される。
【0125】
目標到着時間遅れ増加量Δtdelayが算出された後、無人車両Bについて、目標到着時間遅れ増加量Δtdelay総積込損失量を算出する処理が開始される。無人車両Bについて、上述のステップS60からステップS80の処理が第2ループ目として実行されることにより、無人車両Bについての目標到着時間遅れ増加量Δtdelayが算出される。同様に、無人車両Cについての目標到着時間遅れ増加量Δtdelay、無人車両Dについての目標到着時間遅れ増加量Δtdelay、及び無人車両Eについての目標到着時間遅れ増加量Δtdelayが算出される。
【0126】
総積込損失量算出部50は、ステップS80で算出された複数の無人車両iのそれぞれについての目標到着時間遅れ増加量Δtdelayに基づいて、総積込損失量sumdelayを算出する(ステップS90)。
【0127】
実施形態において、総積込損失量sumdelayは、ステップS80で算出された、複数の無人車両2のそれぞれの目標到着時間遅れ増加量Δtdelayの総和である。
【0128】
総積込損失量sumdelayを算出する演算処理の第1ループ目においては、第1パターンについての第1総積込損失量sumdelayが算出される。
【0129】
第1総積込損失量sumdelayが算出された後、第2パターンについて、総積込損失量を算出する処理が開始される。第2パターンについて、上述のステップS60からステップS90の処理が第2ループ目として実行されることにより、第2パターンについての第2総積込損失量sumdelayが算出される。
【0130】
複数のパターンについての総積込損失量sumdelayを算出するループ処理が終了した後、優先度決定部51は、ループ処理により算出された第1総積込損失量sumdelay及び第2総積込損失量sumdelayから最小の総積込損失量sumdelayになる通過順序のパターンを、通過順序に決定する(ステップS100)。
【0131】
優先度決定部51は、ステップS100において決定した通過順序を、通信システム5を介して、交差点ISに進入する予定の複数の無人車両iに送信する。複数の無人車両iは、優先度決定部51により決定された通過順序に従って、交差点ISを通過する(ステップS110)。
【0132】
ステップS40において、交差点ISに複数の無人車両2が進入しないと判定された場合(ステップS40:No)、複数の無人車両iは、コースデータCDに従って、交差点ISを通過する(ステップS110)。
【0133】
<コンピュータシステム>
図14は、実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。上述の管理装置4及び制御装置30のそれぞれは、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述の管理装置4及び制御装置30のそれぞれの機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0134】
コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、複数の積込機が稼働する作業現場において、積込機3による複数の無人車両2に対する積込作業が順次実施されるように、複数の無人車両2のそれぞれのコースデータCDを生成することと、複数の積込機3のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、コースデータCDに従って走行する複数の無人車両2の作業現場の交差点ISにおける通過順序を決定することと、決定された通過順序に基づいて交差点ISを通過するように、複数の無人車両2の走行を制御することと、を実行することができる。
【0135】
<効果>
以上説明したように、実施形態によれば、複数の積込機3が稼働する作業現場において、複数の積込機3のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序が決定される。実施形態においては、積込機3のアイドル時間の増加量に相当する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayが算出され、複数の積込機3のアイドル時間の増加量の総和に相当する総積込損失量sumdelayが算出される。総積込損失量sumdelayが小さくなるように、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序が決定されることにより、複数の積込機3のそれぞれのアイドル時間の増加が抑制される。したがって、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0136】
実施形態においては、積込場LPAに対する無人車両2の到着目標時刻targetから到着予想時刻estimateを減じた値を示す移動余裕度dが算出される。移動余裕度dに基づいて、積込機3のアイドル時間の増加量に相当する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayが算出される。これにより、積込機3のアイドル時間が適正に算出される。
【0137】
実施形態においては、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序の複数のパターンが算出される。複数のパターンのそれぞれについて、総積込損失量sumdelayが算出される。実施形態においては、通過順序のパターンは、第1パターン及び第2パターンの2種類であり、第1パターンについて第1総積込損失量sumdelayが算出され、第2パターンについて第2総積込損失量sumdelayが算出される。複数の総積込損失量sumdelayの中から、最小の総積込損失量sumdelayになる通過順序のパターンが選択されることにより、総積込損失量sumdelayが小さくなるように、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序が決定される。
【0138】
実施形態において、次の無人車両2の到着目標時刻targetは、先の無人車両2に対する積込作業の終了予想時刻endに設定される。これにより、到着目標時刻targetが終了予想時刻endよりも前の時刻に設定されると、次の無人車両2が待機点WPで待機する時間が長くなる。到着目標時刻targetが終了予想時刻endよりも後の時刻に設定されると、積込機3のアイドル時間が発生する。次の無人車両2の到着目標時刻targetが先の無人車両2に対する積込作業の終了予想時刻endに設定されることにより、作業現場の生産性の低下が抑制される。
【0139】
実施形態において、積込場LPAに対する無人車両2の到着目標時刻targetは、待機点WPに対する到着目標時刻である。例えば、到着目標時刻targetが積込点LPに対する到着目標時刻である場合、積込点LPにおいて積込作業を実施している先の無人車両2に次の無人車両2が干渉してしまう可能性がある。到着目標時刻targetが待機点WPに対する到着目標時刻であることにより、複数の無人車両2は円滑に運行することができる。
【0140】
実施形態においては、複数の無人車両2のそれぞれの位置データに基づいて、交差点ISに複数の無人車両2が進入すると判定された場合、総積込損失量を算出する演算処理が開始される。これにより、管理装置4の演算処理の負荷が抑制される。
【0141】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0142】
上述の実施形態において、積込損失量は、積込機3のアイドル時間の増加量に相当する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayであり、総積込損失量は、複数の積込機3のアイドル時間の増加量の総和に相当する総積込損失量sumdelayであることとした。積込損失量は、複数の無人車両2のそれぞれの積込場LPAに対する目標到着時間遅れ増加量Δtdelayと積込機3の単位時間当たりの積荷の積込量mとの積を示す生産損失量lossであり、総積込損失量は、複数の無人車両2のそれぞれの生産損失量lossの総和を示す総積込損失量sumlossでもよい。
【0143】
積込損失量として目標到着時間遅れ増加量Δtdelayの代わりに生産損失量lossを用いることにより、複数の積込機3に対する複数の無人車両2の到着の遅れが同時に発生する場合、作業現場の生産性に対する影響の大きい積込機3に向かって走行する無人車両2を優先して交差点ISを通過させることができる。
【0144】
積込損失量算出部49は、移動余裕度dと時間損失量lossとに基づいて、通過パターン算出部47により算出された通過順序の複数のパターンのそれぞれについて、生産損失量lossを算出する。
【0145】
積込量mは、単位時間当たりに積込機3が無人車両2に積載できる積荷の量である。積込量mは、例えば積込機3の諸元(specification)から決定される既知データである。無人車両iの生産損失量lossは、無人車両iが到着目標時刻targetまでに積込場LPAの待機点WPに到着することができないことによって発生する積込機3の逸失積込量を意味する。無人車両iの時間損失量lossが発生しても、無人車両iの移動余裕度dが大きければ、逸失積込量は増加せず、生産損失量lossは増加しない。一方、無人車両iの移動余裕度dが小さいと、無人車両iが到着目標時刻targetまでに積込場LPAの待機点WPに到着できない場合、逸失積込量は増加し、生産損失量lossは増加する。すなわち、無人車両iの生産損失量lossは、無人車両iの移動余裕度dと、時間損失量lossと、積込機3の単位時間当たりの積荷の積込量mとに基づいて定められる。生産損失量lossは、以下の(4)式に基づいて算出される。
【0146】
【数4】
【0147】
(4)式に示すように、移動余裕度dが0未満(負の値)である場合、生産損失量lossは、時間損失量lossと積込量mとの積に等しい。移動余裕度dが0以上loss未満である場合、生産損失量lossは、時間損失量lossから移動余裕度dを減じた値と積込量mとの積である。移動余裕度dがloss以上である場合、生産損失量lossは、ゼロである。
【0148】
総積込損失量算出部50は、積込損失量算出部49により算出された複数の生産損失量lossに基づいて、通過パターン算出部47により算出された交差点ISにおける通過順序の複数のパターンのそれぞれについて、複数の積込機3のそれぞれの生産損失量lossの総和を示す総積込損失量sumlossを算出する。総積込損失量sumlossは、以下の(5)式に基づいて算出される。
【0149】
【数5】
【0150】
総積込損失量算出部50は、図11を参照して説明した通過順序の第1パターンについて、無人車両2Aの第1積込場LPA1に対する生産損失量lossと、無人車両2Dの第1積込場LPA1に対する生産損失量lossと、無人車両2Bの第2積込場LPA2に対する生産損失量lossと、無人車両2Cの第3積込場LPA3に対する生産損失量lossと、無人車両2Eの第3積込場LPA3に対する生産損失量lossとの総和を示す第1総積込損失量sumlossを算出する。
【0151】
また、総積込損失量算出部50は、図12を参照して説明した通過順序の第2パターンについて、無人車両2Aの第1積込場LPA1に対する生産損失量lossと、無人車両2Dの第1積込場LPA1に対する生産損失量lossと、無人車両2Bの第2積込場LPA2に対する生産損失量lossと、無人車両2Cの第3積込場LPA3に対する生産損失量lossと、無人車両2Eの第3積込場LPA3に対する生産損失量lossとの総和を示す第2総積込損失量sumlossを算出する。
【0152】
優先度決定部51は、複数の積込機3のそれぞれの稼働に係る損失量の総和を示す総積込損失量が小さくなるように、コースデータCDに従って走行する複数の無人車両2の作業現場の交差点ISにおける通過順序を決定する。
【0153】
第1積込機3A、第2積込機3B、及び第3積込機3Cのそれぞれが稼働する第1積込場LPA1、第2積込場LPA2、及び第3積込場LPA3が存在し、通過順序の第1パターンにおける第1総積込損失量sumlossと、通過順序の第2パターンにおける第2総積込損失量sumlossとが算出された場合、優先度決定部51は、第1総積込損失量sumloss及び第2総積込損失量sumlossのうち、最小の総積込損失量sumlossを選定する。例えば、第1総積込損失量sumlossを最小の総積込損失量sumlossとして選定した場合、優先度決定部51は、通過順序の第1パターンを、交差点ISにおける複数の無人車両2の通過順序に決定する。
【0154】
[第3実施形態]
上述の実施形態において、1台の無人車両2に対する積込所要時間は、一定値(3分)であることとした。また、積込作業の終了予想時刻endは、一定値である積込所要時間に基づいて算出されることとした。積込所要時間は、変動値でもよい。
【0155】
図15は、実施形態に係る管理システム1を示す機能ブロック図である。図15に示すように、管理装置4は、1台の無人車両2に対する積込所要時間の実績データに基づいて、積込所要時間の確率分布を生成する確率分布生成部53と、積込作業が開始されてからの経過時間と確率分布とに基づいて、積込作業の終了予想時刻endを算出する予測部54と、を備える。
【0156】
記憶部52には、1台の積込機3が1台の無人車両2の積込作業に要する時間を示す積込所要時間の実績データが複数記憶されている。すなわち、実績データは、過去において計測された複数の積荷所要時間の計測データである。過去において計測された積荷所要時間を示す計測データが、実績データとして記憶部52に記憶されている。
【0157】
確率分布生成部53は、記憶部52に記憶されている積込所要時間の複数の実績データに基づいて、積込所要時間の確率分布を生成する。
【0158】
図16は、実施形態に係る積込作業の終了予想時刻endの算出方法を説明するための図である。図16に示すように、確率分布生成部53は、積込所要時間の複数の実績データに基づいて、積込所要時間の確率分布を生成する。図16において、横軸は、確率変数である時間を示し、縦軸は、確率密度を示す。平均は例えば3分である。
【0159】
予測部54は、無人車両2に対する積込作業が開始されてからの経過時間teを算出する。積込作業が開始されてからの経過時間teは、例えば無人車両2の位置データに基づいて、無人車両2が積込点LPに配置されてからの経過時間とほぼ等しい。予測部54は、無人車両2の位置データを取得して、無人車両2が積込点LPに配置されてからの経過時間を算出することによって、積込作業が開始されてからの経過時間teを算出することができる。なお、予測部54は、積込機3から送信された操作データに基づいて、積込作業が開始されてからの経過時間teを算出してもよい。例えば積込機3の操作者が、積込作業を開始したとき、積込機3に設けられている操作装置を操作する。積込作業の開始時刻を示す操作データが、積込機3から管理装置4に送信される。予測部54は、積込作業の開始時刻を示す操作データに基づいて、積込作業が開始されてからの経過時間teを算出してもよい。
【0160】
予測部54は、積込作業が開始されてからの経過時間teと積込所要時間の確率分布とに基づいて、積込作業の終了予想時刻endを算出する。図16に示すように、予測部54は、経過時間teよりも大きい範囲Veの確率変数を積分して確率変数の期待値を算出する。予測部54は、算出した期待値を積込作業の終了予想時刻endとする。
【0161】
[その他の実施形態]
上述の実施形態においては、走行許可エリアAPと交差点エリアISAとの相対位置に基づいて、交差点エリアISAに複数の無人車両2が進入するか否かが判定されることとした。すなわち、進入判定部45は、無人車両2に設定された走行許可エリアAPの前部が交差点エリアISAに進入したときに、無人車両2が交差点ISに進入したと判定することとした。進入判定部45は、無人車両2の車両本体22の前部が交差点エリアISAに進入したときに、無人車両2が交差点ISに進入したと判定してもよい。
【0162】
上述の実施形態において、制御装置30の機能の少なくとも一部が管理装置4に設けられてもよいし、管理装置4の機能の少なくとも一部が制御装置30に設けられてもよい。例えば、上述の実施形態においては、コースデータCDが管理装置4において生成され、無人車両2は管理装置4から送信されたコースデータCDに従って走行することとした。無人車両2の制御装置30がコースデータCDを生成してもよい。すなわち、制御装置30がコースデータ生成部41を有してもよい。また、管理装置4及び制御装置30のそれぞれがコースデータ生成部41を有してもよい。
【0163】
なお、上述の実施形態においては、無人車両2が運搬車両の一種であるダンプトラックであることとした。無人車両2は、例えばホイールローダ又はモータグレーダのようなホイール式の作業機械でもよい。
【0164】
上述の実施形態においては、複数の積込場LPAにそれぞれ1台の積込機3が配置された実施例で説明したが、1つの積込場LPAに複数の積込機3が配置される場合にも適用できる。
【0165】
上述の実施形態においては、無人車両2の定格積載量は同一でもよいし、異なる定格積載量の無人車両2が混在していても適用してもよい。
【0166】
上述の実施形態においては、積込機3は同一仕様のものでもよいし、異なる仕様(例えば、バケット容量)のものでもよい。さらに油圧ショベルに加え、ホイールローダでもよい。
【符号の説明】
【0167】
1…管理システム、2…無人車両、2-1…無人車両、2-2…無人車両、2-3…無人車両、2A…無人車両、2B…無人車両、2C…無人車両、2D…無人車両、2E…無人車両、3…積込機、3A…第1積込機、3B…第2積込機、3C…第3積込機、4…管理装置、5…通信システム、5A…無線通信機、5B…無線通信機、6…管制施設、7…破砕機、21…走行装置、22…車両本体、23…ダンプボディ、24…駆動装置、25…ブレーキ装置、26…操舵装置、27…車輪、27F…前輪、27R…後輪、28…位置検出装置、30…制御装置、31…位置データ入力部、32…走行条件データ取得部、33…走行制御部、41…コースデータ生成部、42…交差点エリア設定部、43…走行許可エリア設定部、44…位置データ取得部、45…進入判定部、46…移動余裕度算出部、47…通過パターン算出部、48…時間損失量算出部、49…積込損失量算出部、50…総積込損失量算出部、51…優先度決定部、52…記憶部、53…確率分布生成部、54…予測部、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース、AP…走行許可エリア、CD…コースデータ、CD1…第1コースデータ、CD2…第2コースデータ、CD3…第3コースデータ、CP…コース点、CR…走行コース、DPA…排土場、LPA…積込場、LPA1…第1積込場、LPA2…第2積込場、LPA3…第3積込場、HL…搬送路、HL1…搬送路、HL2…搬送路、HL3…搬送路、HL4…搬送路、HLa…搬送路、HLb…搬送路、HLc…搬送路、HLd…搬送路、HLe…搬送路、HLi…搬送路、HLo…搬送路、IS…交差点、ISA…交差点エリア、LP…積込点、WP…待機点、i…無人車両、d…移動余裕度、end…終了予想時刻、target…到着目標時刻、estimate…到着予想時刻、loss…時間損失量、Δtdelay…目標到着時間遅れ増加量、sumdelay…総積込損失量、sumdelay…第1総積込損失量、sumdelay…第2総積込損失量、m…積込量、loss…生産損失量、sumloss…総積込損失量、sumloss…第1総積込損失量、sumloss…第2総積込損失量、te…経過時間、Ve…範囲。
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11
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