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特許7486760管理装置、管理システム、及び、管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】管理装置、管理システム、及び、管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/087 20230101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q10/087
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023141586
(22)【出願日】2023-08-31
【審査請求日】2023-08-31
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506386837
【氏名又は名称】株式会社日本ブレーン
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】小野寺 一孝
【審査官】加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-168824(JP,A)
【文献】特開2016-126796(JP,A)
【文献】特開2013-025428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物の配送拠点において、ラックに積まれた複数の荷物の配送を管理する管理装置であって、
前記複数の荷物が被写体として含まれる単一の画像を取得する画像取得処理と、
前記画像から、前記複数の荷物の各々を識別する識別情報を取得する情報取得処理と、
正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表を参照して、前記情報取得処理により取得した識別情報を、正規化された識別情報に変換する変換処理と、
正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を用いて、前記複数の荷物の各々の配送先が決まっているか否かを判定する判定処理と、
前記判定処理の判定結果をユーザに表示する表示処理であって、前記複数の荷物の各々の配送先が決まっているか否かを一覧表示する表示処理と、を実行するプロセッサを備える、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記情報取得処理において、前記プロセッサは、複数の荷物を被写体として含む単一の画像を入力情報として、荷物を識別する識別情報が付されている領域を検出するように学習された学習済みモデルに、前記画像を入力することによって、前記画像に被写体として含まれる荷物の識別情報が付されている領域を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記情報取得処理において、前記プロセッサは、前記学習済みモデルが検出した各荷物の識別情報が付されている領域に対して光学文字認識を行うことによって、前記画像に被写体として含まれる荷物の識別情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記画像取得処理において、前記プロセッサは、前記ユーザが用いるユーザ端末によって撮像された前記単一の画像を取得し、
前記表示処理において、前記プロセッサは、当該ユーザ端末のディスプレイに前記判定結果を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項5】
前記入荷情報には、前記正規化した識別情報の他に、前記荷物の出荷日を表す情報、及び、前記荷物の出荷元を表す情報の少なくとも1つが含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項6】
複数の荷物を被写体として含む単一の画像を撮像する撮像装置と、
請求項1~5の何れか1項に記載の管理装置と、
前記判定処理により前記荷物の配送先が決まっていると判定された場合、前記第2の対応表において、前記変換処理により得られた正規化された識別情報を含む入荷情報に対応する配送先を、前記荷物に印字する印字装置と、を備える、
ことを特徴とする管理システム。
【請求項7】
荷物の配送拠点において、ラックに積まれた複数の荷物の配送を管理する管理装置によって実行される管理方法であって、
前記管理装置が備えるプロセッサが、前記複数の荷物が被写体として含まれる単一の画像を取得する画像取得処理と、
前記プロセッサが、前記画像から、前記複数の荷物の各々を識別する識別情報を取得する情報取得処理と、
前記プロセッサが、正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表を参照して、前記情報取得処理により取得した識別情報を、正規化された識別情報に変換する変換処理と、
前記プロセッサが、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を用いて、前記複数の荷物の各々の配送先が決まっているか否かを判定する判定処理と、
前記プロセッサが、前記判定処理の判定結果をユーザに表示する表示処理であって、前記複数の荷物の各々の配送先が決まっているか否かを一覧表示する表示処理と、を含む、
ことを特徴とする管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、荷物の発送拠点(例えば、倉庫等)において、荷物の配送先を管理するための管理装置に関する。また、本発明の一態様は、そのような管理装置を備える管理システム、及び、そのような管理装置が実施する管理方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
近年のインターネット販売の普及により、倉庫や市場等の荷物の発送拠点では、当該発送拠点に荷物が届いてから当該荷物を配送先に発送するまでの一連の作業を昼夜問わず行っている。このような一連の作業において、荷物を識別して、当該荷物に応じた宛先等の配送先情報を付す作業は、作業員の手作業で行われるため、特に多くの労力、時間、及び人件費等のコストがかかっている。
【0003】
発送拠点に荷物が届いてから当該荷物を配送先に出荷するまでの一連の作業を効率化するための技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1では、荷物に貼付された宛先や仕分け先を表す文字列やバーコードを認識し、当該宛先や仕分け先に基づいて所定の場所に荷物を仕分けするシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2022-11111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術は、荷物が届いてから当該荷物を配送先に発送するまでの一連の作業のうち、特に多くの労力、時間、及び人件費等のコストがかかっている、荷物を識別して当該荷物に応じた配送先情報を付す作業の効率化には寄与しない。したがって、荷物が届いてから当該荷物を配送先に発送するまでの一連の作業全体の効率化としての効果はわずかである。
【0006】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、荷物を識別して当該荷物に応じた配送先情報を付す作業の効率化に寄与する管理装置、管理システム、及び管理方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る管理装置は、画像取得処理、情報取得処理、変換処理、及び判定処理を実行するプロセッサを備えている。また、本発明の一態様に係る管理方法は、画像取得処理、情報取得処理、変換処理、及び判定処理を含んでいる。ここで画像取得処理は、プロセッサが、荷物が被写体として含まれる画像を取得する処理である。情報取得処理は、前記画像取得処理で取得した画像から、前記荷物を識別する識別情報を取得する処理である。変換処理は、正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表を参照して、前記情報取得処理により取得した識別情報を、正規化された識別情報に変換する処理である。判定処理は、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を用いて、前記荷物の配送先が決まっているか否かを判定する処理である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、荷物を識別して当該荷物に応じた配送先情報を付す作業の効率化に寄与する管理装置、管理システム、及び管理方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1に係る管理システムの構成を示す図である。
図2】実施形態1に係る管理装置の構成を示すブロック図である。
図3】実施形態1に係る管理システムの動作の流れを示すフロー図である。
図4】実施形態1に係る管理装置が実行する管理方法の流れを示すフロー図である。
図5】実施形態1に係る管理装置が実行する情報取得処理を説明するための図である。
図6】実施形態1に係る管理装置が用いる対応表の一例を示す図である。
図7】実施形態2に係る管理システムの構成を示す図である。
図8】実施形態2に係る管理システムの動作の流れを示すフロー図である。
図9】実施形態2に係る管理装置が実行する管理方法の流れを示すフロー図である。
図10】実施形態2に係る管理装置2が実行する他の管理方法の流れを示すフロー図である。
図11】管理システムの変形例が備える管理装置の出力装置に表示される表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態(実施形態1)について、図1図6を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
(管理システムSの概要)
本開示の一実施形態に係る管理システムSは、荷物の配送拠点(例えば、倉庫や市場)において、配送先情報が付されていない荷物Pを被写体として含む画像に基づいて、荷物Pの配送先が決まっているか否かを判定し、配送先が決まっている場合には、荷物Pに当該配送先を印字するシステムである。
【0012】
本明細書において、「荷物」とは、箱に梱包された状態のものである。また、「識別情報」とは、荷物を識別するための情報であり、例えば、品目名、商品名、数量、種別、色等の荷物の中身を表す情報である。また、識別情報は、荷物の何れかの面に直接印字される、又は、当該識別情報を記載したラベルを貼付されることによって荷物に付されている。また、「入荷情報」とは、配送拠点に届く荷物に関する情報であり、例えば、荷物の入荷日を表す情報、品目、商品名、数量、種別、色等の荷物の中身を表す情報、及び荷物の出荷元を表す情報である。また、「配送先情報」とは、少なくとも荷物の宛先及び宛先住所を含む情報である。
【0013】
(管理システムSの構成)
管理システムSの構成について、図1を参照して説明する。図1は、管理システムSの構成を示すブロック図である。
【0014】
管理システムSは、図1に示すように、撮像装置1と、管理装置2と、印字装置3と、を含んでいる。撮像装置1及び印字装置3は、ネットワークを介し管理装置2と通信可能に構成されている。
【0015】
撮像装置1は、荷物を撮像する装置である。図1に示す例では、撮像装置1は、搬送ラインを流れる配送先情報が付されていない荷物Pにおいて、識別情報が付されている面を画角に含むように設置される。撮像装置1は、荷物Pを撮像した撮像画像を管理装置2に送信する。撮像装置1として利用可能な撮像装置は、特に限定されない。本実施形態においては、公知のカメラを撮像装置1として用いる。
【0016】
管理装置2は、荷物の配送を管理する装置である。一例として、管理装置2は、撮像装置1から荷物Pを撮像した撮像画像を受信し、当該画像から荷物Pの識別情報を取得する。また、管理装置2は、荷物Pの識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表、及び、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を用いて、荷物Pの配送先が決まっているか否かを判定する。管理装置2として利用可能なデバイスは特に限定されない。本実施形態においては、管理システムSを使用する配送拠点内に配置されるデスクトップPC(Personal Computer)を管理装置2として用いる。
【0017】
印字装置3は、荷物に配送先情報を印字する装置である。図1に示す例では、印字装置3は、搬送ラインを流れてきた荷物Pに、管理装置2から取得した荷物Pの配送先情報を印字する。印字装置3は、荷物Pに貼付されているラベル上に配送先情報を印字してもよいし、荷物Pに直接印字してもよい。印字装置3として利用可能な印字装置は、特に限定されない。印字装置3の例としては、インクジェットプリンタやレーザプリンタ等が挙げられる。また、インクジェットプリンタを採用する場合には、水性インク、UVインク、溶剤インク等適宜選択することができる。
【0018】
(管理装置2の構成)
管理装置2の構成について、図2を参照して説明する。図2は、管理装置2の構成を示すブロック図である。
【0019】
管理装置2は、図2に示すようにプロセッサ21と、一次メモリ22と、二次メモリ23と、通信インタフェース24と、入出力インタフェース25と、バス26と、を備えている。プロセッサ21と、一次メモリ22と、二次メモリ23と、通信インタフェース24と、入出力インタフェース25は、バス26を介して相互に接続されている。管理装置2として利用可能なデバイスとしては、例えば、クラウドサーバを構成するワークステーション等を挙げることができる。
【0020】
二次メモリ23には、管理プログラムPが格納されている。プロセッサ21は、二次メモリ23に格納されている管理プログラムPを一次メモリ22上に展開する。そして、プロセッサ11は、一次メモリ22上に展開された管理プログラムPに含まれる命令に従って、後述する管理方法M1に含まれる各処理を実行する。プロセッサ21として利用可能なデバイスとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、一次メモリ22として利用可能なデバイスとしては、例えば、半導体RAM(Random Access Memory)を挙げることができる。また、二次メモリ23として利用可能なデバイスとしては。例えば、HDD(Hard Disk Drive)を挙げることができる。
【0021】
通信インタフェース24は、ネットワークを介して撮像装置1及び印字装置3と通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース24として利用可能なインタフェースとしては、例えば、イーサネット(登録商標)インタフェースが挙げられる。また、利用可能なネットワークとしては、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)、又は、これらのネットワークを含むインターネットワークが挙げられる。インターネットワークは、イントラネットであってもよいし、エクストラネットであってもよいし、インターネットであってもよい。
【0022】
入出力インタフェース25には、管理装置2に各種情報を入力するための入力装置251、及び、管理装置2が各種情報を出力するための出力装置252が接続される。入力装置251及び出力装置252は、管理装置2に内蔵されたものであってもよいし、管理装置2に接続された(外付けされた)ものであってもよい。入力装置251として利用可能なデバイスとしては、ボタン、キーボード、マウス、タッチセンサ等が挙げられる。出力装置252として利用可能なデバイスとしては、ランプ、ディスプレイ、プリンタ、スピーカ等が挙げられる。また、タッチセンサとディスプレイが一体化されたタッチパネルのような、入力装置及び出力装置の双方の機能を有する装置を入力装置251及び出力装置252として利用してもよい。
【0023】
なお、プロセッサ21に管理方法M1を実行させるための管理プログラムPは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録され得る。この記録媒体は、二次メモリ23であってもよいし、その他の記録媒体であってもよい。例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路等がその他の記録媒体として利用可能である。
【0024】
本実施形態においては、単一のプロセッサ(プロセッサ21)を用いて管理方法M1を実行する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、複数のプロセッサを用いて管理方法M1を実行する構成を採用してもよい。この場合、管理方法M1を実行する複数のプロセッサは、単一のコンピュータに設けられ、バスを介して相互に通信可能に構成されていてもよいし、複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して相互に通信可能に構成されていてもよい。例えば、クラウドサーバを構成する複数のコンピュータの各々が備えるプロセッサが連携して管理方法M1を実行する態様や、管理装置2のプロセッサ21と、撮像装置1及び/又は印字装置3のプロセッサとが連携して管理方法M1を実行する態様等も考えられる。
【0025】
また、本実施形態においては、管理装置2の内部(例えば、二次メモリ23)に格納されている管理プログラムPに含まれる命令に従って、プロセッサ21が管理方法M1を実行する構成を採用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、管理装置2の外部の記録媒体に記録されているプログラム、或いは、任意の伝達媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して管理装置2に供給されたプログラムを用いて、管理方法M1を実行する構成を採用してもよい。
【0026】
(管理システムSの動作)
管理システムSの動作について、図3を参照して説明する。図3は、管理システムSの動作の流れを示すフロー図である。
【0027】
まず、撮像装置1が搬送ラインを流れる荷物Pを、当該荷物Pにおいて識別情報が付されている面を画角に含むように撮像する(S1)。撮像装置1は、荷物Pを撮像した撮像画像を管理装置2に送信する。
【0028】
次に、管理装置2は、撮像装置1から受信した荷物Pの撮像画像を用いて、当該荷物Pの配送先が決まっているか否かを判定する(S2)。ここで管理装置2は、後述する管理方法M1の各処理を実行することによって、荷物Pの配送先が決まっているか否かを判定する。また、管理装置2は、荷物Pの配送先が決まっていた場合、当該荷物Pの配送先情報を印字装置3に送信する。
【0029】
次に、印字装置3は、管理装置2から受信した情報に基づいて荷物Pに各種情報を印字する(S3)。印字装置3は、管理装置2から荷物Pの配送先情報を受信した場合(S3にてYES)、当該受信した配送先情報を荷物Pの所定の場所に印字する(S4)。また、印字装置3は、管理装置2から荷物Pの配送先情報を受信しなかった場合(S3にてNO)、荷物Pの所定の場所にエラーコードを印字する(S5)。エラーコードは、荷物Pに対応する配送先情報が存在していないこと、又は、管理装置2が荷物Pの識別情報を認識できなかったことを示す文字列又は2次元バーコードである。また、印字装置3が配送先情報及びエラーコードを印字する所定の場所は、予め設定され得る荷物P上面の余白である。
【0030】
管理システムSは、以上のようにして、荷物Pに各種情報(配送先情報又はエラーコード)の印字が完了すると動作を終了する。管理システムSのユーザは、荷物Pを印字されている各種情報に基づいて容易に仕分けすることができる。例えば、荷物Pに配送先情報が印字されている場合には、ユーザは配送先情報に対応する仕分け先に荷物Pを仕分ける。また、荷物Pにエラーコードが印字されている場合には、荷物Pの配送先情報の有無をユーザが手動で照会する。ユーザの手動による照会で配送先情報が存在していた場合には、その配送先情報を手動で荷物Pに貼付する。ユーザの手動による照会で配送先情報が存在していなかった場合には、配送先未定の荷物として荷物Pを対応する仕分け先に仕分ける。
【0031】
(管理方法M1)
管理システムSにおいて、管理装置2が実行する管理方法M1について、図4を参照して説明する。図4は、管理方法M1の流れを示すフロー図である。
【0032】
図4に示すように、管理方法M1は、画像取得処理M11、情報取得処理M12、変換処理M13、判定処理M14、及び送信処理M15を含んでいる。これらの処理は、管理装置2が撮像装置1から撮像画像を受信する度に実行される。
【0033】
画像取得処理M11は、荷物Pが被写体として含まれる画像を取得する処理である。画像取得処理M11において、プロセッサ21は、撮像装置1が荷物Pを撮像した撮像画像を受信することによって取得する。
【0034】
情報取得処理M12は、荷物Pの識別情報を取得する処理である。情報取得処理M12は、図4に示すように、荷物Pが被写体として含まれる画像において、荷物Pの識別情報が付されている領域を特定する領域特定処理M12aと、特定した領域の識別情報を読み取る読取り処理M12bとを含んでいる。情報取得処理M12において、プロセッサ21は、領域特定処理M12a及び特定した領域の識別情報を読み取る読取り処理M12bを実行することによって、画像取得処理M11において取得した、荷物Pが被写体として含まれる画像から、当該荷物Pの識別情報を取得する。
【0035】
領域特定処理M12aにおいて、プロセッサ21は、一例として、学習済みモデルを用いて荷物Pの識別情報が付されている領域を特定する。具体的には、荷物を被写体として含む画像を入力情報として、当該荷物の識別情報が付されている領域を検出するように学習された学習済みモデルに、画像取得処理M11において取得した荷物Pが被写体として含まれる画像を入力する。プロセッサ21は、学習済みモデルによる検出結果を参照して、荷物Pが被写体として含まれる画像において、荷物Pの識別情報が付されている領域を特定する。なお、管理装置2が学習済みモデルの機能を備えていてもよいし、管理装置2とは異なる装置が学習済みモデルの機能を備え、プロセッサ21が当該装置に荷物Pが被写体として含まれる画像を入力し、当該装置から検出結果を取得してもよい。学習済みモデルの詳細については後述する。
【0036】
なお、本実施形態においては、上述したように学習済みモデルを用いて荷物Pの識別情報が付されている領域を特定する方法を採用するが、これに限定されない。例えば、パターン認識やルールベース等の人工知能アルゴリズムを用いて、荷物Pの識別情報が付されている領域を特定してもよい。
【0037】
読取り処理M12bにおいて、プロセッサ21は、一例として、領域特定処理M12aにおいて特定された、荷物Pの識別情報が付されている領域に対して光学文字認識(OCR:Optical Character Recognition)処理を行うことによって、荷物Pの識別情報を読み取る。
【0038】
変換処理M13は、荷物Pの識別情報を正規化された識別情報に変換する処理である。荷物Pの識別情報は、配送拠点に荷物Pを出荷した出荷元が付すものであり、表記方法が出荷元によって異なる場合がある。すなわち、荷物Pに付されている識別情報であって、情報取得処理M12において取得した識別情報は、正規化されていない識別情報である。変換処理M13は、このような正規化されていない識別情報を、出荷元毎に異なる表記の揺れを含まない正規化された識別情報に変換する処理である。変換処理M13において、プロセッサ21は、正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表を参照して、情報取得処理M12において取得した荷物Pの識別情報を正規化された識別情報に変換する。なお、変換処理M13において参照する第1の対応表の具体例については、図面を代えて後述する。
【0039】
判定処理M14は、荷物Pの配送先が決まっているか否かを判定する処理である。判定処理M14において、プロセッサ21は、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を参照して、荷物Pの配送先が決まっているか否かを判定する。上述したように、入荷情報は、配送拠点に届く荷物に関する情報であり、例えば、荷物の入荷日を表す情報、品目、商品名、数量、種別、色等の荷物の中身を表す情報、及び荷物の出荷元を表す情報である。このような入荷情報には、正規化された識別情報が含まれている。
【0040】
まず、プロセッサ21は、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を参照して、変換処理M13において変換された正規化された荷物Pの識別情報を含む入荷情報、すなわち、荷物Pに対応する入荷情報を特定する。
【0041】
次にプロセッサ21は、第2の対応表を参照して、荷物Pに対応する入荷情報に対応付けられている配送先情報の有無に基づいて荷物Pの配送先が決まっているかを判定する。例えば、第2の対応表において、荷物Pに対応する入荷情報に対応付けられている配送先情報が存在する場合、荷物Pの配送先は決まっていると判定する。第2の対応表において、荷物Pに対応する入荷情報に対応付けられている配送先情報が存在しない場合、荷物Pの配送先は決まっていないと判定する。なお、判定処理M14において参照する第2の対応表の具体例についても同様に、図面を代えて後述する。
【0042】
送信処理M15は、荷物Pの配送先が決まっている場合に荷物Pの配送先情報を印字装置3に送信する処理である。送信処理M15において、プロセッサ21は、判定処理M14において荷物Pの配送先が決まっていると判定された場合(M14にてYES)、対応表から荷物Pの配送先情報取得し、印字装置3に送信する。
【0043】
なお、判定処理M14において、荷物Pの配送先が決まっていないと判定された場合(M14にてNO)、送信処理M15は実行せず、管理方法M1を終了する。
【0044】
(学習済みモデル)
本実施形態における学習済みモデルは、荷物の識別情報が付されている領域を認識するように学習済みのモデルである。学習済みモデルの教師データとしては、画像及び当該画像に含まれる識別情報が付されている領域に関する情報との1又は複数の組合せを含む教師データが挙げられる。
【0045】
一例として、荷物の識別情報が付されている面が被写体として含まれる画像と、当該画像に被写体として含まれる識別情報が付されている領域の形状と、当該領域の色とを示す情報との組を教師データとして学習済みモデルを学習させる。
【0046】
学習済みモデルは、荷物Pを被写体として含む画像を入力情報として、入力した画像内に含まれる識別情報が付されている領域として、識別情報が付されている領域を認識する。そして、学習済みモデルは、検出結果の一例として、認識した識別情報が付されている領域にバウンディングボックスを付した画像を出力してもよい。プロセッサ21は、検出結果として出力された画像に付されているバウンディングボックスの領域を荷物Pの識別情報が付されている領域として特定する。なお、学習済みモデルは、深層学習により生成されたモデルであってもよいし、深層学習以外の機械学習により生成されたモデルであってもよい。
【0047】
(識別情報の具体例)
荷物Pに付されている識別情報の具体例について、図5を参照して説明する。図5は、
識別情報の一具体例を示す図である。図5では、荷物Pが生花である場合を例に挙げる。
【0048】
図5に示すように、荷物Pには、出荷元(生産者)、品種名、種別、等級、及び入数に関する情報が識別情報として付されている。また、これらの識別情報は、略称や通称で表記される等の出荷元によって異なる表記の揺れを含む正規化されていない識別情報である。図5の例では、正式な種別名であるカーネーションをカーネという略称で表記している。情報取得処理M12は、一例として、図5に示すように、読み取った荷物Pの識別情報を項目ごとに整理した一覧表の形で取得する。
【0049】
(対応表の具体例)
変換処理M13及び判定処理M14において参照する第1の対応表及び第2の対応表の具体例について、図6を参照して説明する。図6は、変換処理M13及び判定処理M14において参照する第1の対応表及び第2の対応表の一具体例を示す図である。図6では、引き続き荷物Pが生花である場合を例に挙げる。
【0050】
図6に示すように、第1の対応表は、正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付けている。ここで、正規化されていない識別情報は、荷物に付されている識別情報をそのまま読み取った情報である。そのため、正規化されていない識別情報は、カーネーションをカーネ、スターチスシヌアータをスターチスのように略称や通称で表記した情報を含んでいる。また、正規化された識別情報は、正規化されていない識別情報が含んでいるカーネ、スターチスのような略称や通称で表記されている情報をカーネーションやスターチスシヌアータのような正式名称や一般名称に直した情報である。このように、第1の対応表は、出荷元によって異なる表記の揺れを統一するための対応表である。このような第1の対応表は、過去に発送拠点に届いた荷物に付されていた識別情報と、その荷物の中身を表す情報の正式名称や一般名称を対応付けて記録することによって作成されてもよいし、予め荷物に付される識別情報と、中身を表す情報と、を対応付けた情報を出荷元から入手することによって作成されてもよい。
【0051】
また、図6に示すように、第2の対応表は、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付けている。ここで、入荷情報は、正規化した識別情報に加え、入荷日及び産地を表す情報を含んでいる。このような第2の対応表は、例えば、発送拠点に届く荷物を表す入荷情報と、配送拠点に届く、配送先情報と配送すべき荷物に関する情報を含む配送依頼とをマッチングさせることによって作成されてもよい。
【0052】
(管理システムSの効果)
管理システムSは、複数の荷物Pを被写体として含む撮像画像から、荷物Pの識別情報に基づいて、当該荷物Pの配送先が決まっているか否かを判定する。また、管理システムSは、判定結果に応じた各種情報(配送先情報又はエラーコード)を荷物Pに付す。これにより、ユーザは、荷物に付されている識別情報と、配送先情報とを照会し、手作業で荷物に配送先情報を付す作業を効率化することができる。そのため、発送拠点に荷物が届いてから当該荷物を配送先に発送するまでの一連の作業にかかる労力、手間、及び人件費削減に寄与する。
【0053】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態(実施形態2)に係る管理システムSaについて、図7図10を参照して説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0054】
(管理システムSaの構成)
管理システムSaの構成について、図7を参照して説明する。図7は、管理システムSaの構成を示す図である。
【0055】
管理システムSaは、図7に示すように、撮像装置1と、管理装置2と、印字装置3と、ユーザ端末4aと、を含んでいる。すなわち、管理システムSaは、ユーザ端末4を備える点において、管理システムSと異なっている。
【0056】
ユーザ端末4は、ユーザUa(例えば、作業員)に携帯される端末である。ユーザ端末4は、複数の荷物P1~Pn(nは2以上の任意の自然数)を、各荷物Pi(iは1以上n以下の任意の各自然数)の識別情報が付されている面を画角に含むように撮像し、撮像画像を管理装置2に送信する。また、ユーザ端末4は、管理装置2から、荷物P1~Pnの配送先が決まっているか否かの判定結果を受信し、ユーザUaに表示する。本実施形態においては、ユーザ端末4として、スマートフォンを採用するが、これに限定されない。ユーザ端末4は、管理装置2と通信可能に構成され、荷物P1~Pnを撮像する機能を備えていればよい。
【0057】
(管理システムSaの動作)
管理システムSaの動作について、図8を参照して説明する。図8は、管理システムSaの動作の流れを示すフロー図である。
【0058】
まず、ユーザ端末4が配送拠点において、ラック等に積まれている複数の荷物P1~Pnを撮像する(S11)。ユーザ端末4aは、複数の荷物P1~Pnを撮像した撮像画像を管理装置2aに送信する。
【0059】
次に、管理装置2は、ユーザ端末4aから受信した荷物P1~Pnの撮像画像を用いて、当該荷物P~Pnの各々の配送先が決まっているか否かを判定する(S12)。ここで管理装置2は、後述する管理方法M2を実行することによって荷物P1~Pnの各々の配送先が決まっているか否かを判定する。また、管理装置2は、荷物P1~Pnの配送先が決まっているか否かの判定結果をユーザ端末4に送信する。
【0060】
ユーザ端末4は、管理装置2から受信した判定結果をユーザUaに表示する。ユーザUaは、表示された判定結果が、荷物P1~Pnの全ての配送先が決まっていることを示している場合(S13にてYES)、荷物P1~Pnを搬送ラインに渡す。なお、ユーザ端末4に表示された判定結果が、荷物P1~Pnの全ての配送先が決まっていないことを示している場合(S13にてNO)、管理システムSaは動作を終了する。
【0061】
撮像装置1は、搬送ラインに流された荷物P1~Pnの各荷物Piを、識別情報が付されている面を画角に含むように撮像する(S14)。撮像装置1は各荷物Piを撮像した撮像画像を管理装置2に送信する。
【0062】
管理装置2は、荷物Piを撮像した撮像画像を用いて、荷物Piの配送先情報を特定する(S15)。また、管理装置2は、特定した荷物Piの配送先情報を印字装置3に送信する。ここで管理装置2は、後述する管理方法M3を実行することによって荷物Piの配送先情報を特定する。
【0063】
印字装置3は、管理装置2から受信した配送先情報を荷物Piに印字する(S16)。
【0064】
管理システムSaは、以上のようにして、荷物Piに配送先情報の印字が完了すると動作を終了する。管理システムSaのユーザUaは、荷物Piを印字されている配送先情報に対応する仕分け先に荷物Pを仕分ける。
【0065】
(管理方法M2及び管理方法M3)
管理装置2が実行する管理方法M2及び管理方法M3について、図9及び図10を参照して説明する。図9は、管理方法M2の流れを示すフロー図であり、図10は、管理方法M3の流れを示すフロー図である。
【0066】
管理方法M2は、図9に示すように、画像取得処理M21、情報取得処理M22、変換処理M23、判定処理M24、及び送信処理M25を含んでいる。
【0067】
画像取得処理M21は、荷物P1~Pnが被写体として含まれる撮像画像を取得する処理である。画像取得処理M21において、プロセッサ21は、ユーザ端末4が荷物P1~Pnを撮像した撮像画像を受信することによって、荷物P1~Pnが被写体として含まれる撮像画像を取得する。
【0068】
情報取得処理M22は、荷物P1~Pnの各々の識別情報を取得する処理である。情報取得処理M22は、図9に示すように、荷物P1~Pnが被写体として含まれる撮像画像において、荷物P1~Pnの各々の識別情報が付されている領域を特定する領域特定処理M22aと、特定した領域の各々の識別情報を読み取る読取り処理M22bとを含んでいる。情報取得処理M22において、プロセッサ21は、領域特定処理M22a及び特定した領域の識別情報を読み取る読取り処理M22bを実行することによって、画像取得処理M21において取得した、荷物P1~Pnが被写体として含まれる撮像画像から、荷物P1~Pnの各々の識別情報を取得する。
【0069】
領域特定処理M22aは、領域特定処理M12aと同様に学習済みモデルを用いて荷物P1~Pnの各々の識別情報が付されている領域を特定するため、ここでは詳細な説明を省略する。読取り処理M22bは、読取り処理M12bと同様にOCR処理を行うことによって、荷物P1~Pnが被写体として含まれる撮像画像から、荷物P1~Pnの各々の識別情報を取得する。
【0070】
変換処理M23は、荷物P1~Pnの各々の識別情報を正規化された識別情報に変換する処理である。変換処理M23において、プロセッサ21は、変換処理M13と同様の処理を行うことによって、情報取得処理M22において取得した荷物P1~Pnの各々の識別情報を、正規化された識別情報に変換する。
【0071】
判定処理M24は、荷物P1~Pnの配送先が決まっているか否かを判定する処理である。判定処理M24において、プロセッサ21は、判定処理M14と同様の処理を行うことによって、変換処理M23において変換した正規化された荷物P1~Pnの各荷物Piの識別情報に対応する入荷情報を特定し、特定した入荷情報に対応する配送先情報の有無に基づいて荷物P1~Pnの各々の配送先が決まっているか否かを判定する。
【0072】
送信処理M25は、荷物P1~Pnの配送先が決まっているか否かの判定結果をユーザ端末4に送信する処理である。プロセッサ21は、判定処理M24において判定した、荷物P1~Pnの配送先が決まっているか否かの判定結果をユーザ端末4に送信する。
【0073】
管理方法M3は、図10に示すように、画像取得処理M31、情報取得処理M32、特定処理M33、及び送信処理M34を含んでいる。管理方法M3は、荷物P1~Pnの全ての配送先が決まっていた場合に、実行される管理方法である。管理方法M3は、ユーザUaが、荷物P1~Pnを搬送ラインに渡す度に実行される方法である。
【0074】
画像取得処理M31は、搬送ラインに渡された荷物P1~Pnの各荷物Piが被写体として含まれる撮像画像を取得する処置である。画像取得処理M31において、プロセッサ21は、撮像装置1が撮像した荷物Piの撮像画像を受信することによって、荷物Piが被写体として含まれる撮像画像を取得する。
【0075】
情報取得処理M32は、荷物Piの識別情報を取得する処理である。情報取得処理M32は、図10に示すように、荷物Piが被写体として含まれる撮像画像において、荷物Piの識別情報が付されている領域を特定する領域特定処理M32aと、特定した領域の各々の識別情報を読み取る読取り処理M32bとを含んでいる。情報取得処理M32において、プロセッサ21は、領域特定処理M32a及び特定した領域の識別情報を読み取る読取り処理M32bを実行することによって、画像取得処理M31において取得した、荷物Piが被写体として含まれる撮像画像から、荷物Piの識別情報を取得する。
【0076】
領域特定処理M32aは、領域特定処理M12aと同様に学習済みモデルを用いて荷物Piの識別情報が付されている領域を特定するため、ここでは詳細な説明を省略する。読取り処理M32bは、読取り処理M12bと同様にOCR処理を行うことによって、荷物Piが被写体として含まれる撮像画像から、荷物Piの識別情報を取得する。
【0077】
特定処理M33は、荷物Piの配送先情報を特定する処理である。特定処理M33において、プロセッサ21は、変換処理M13及び判定処理M14と同様に第1の対応表及び第2の対応表を参照することによって、荷物Piの配送先情報を特定する。
【0078】
送信処理M34は、荷物Piの配送先情報を印字装置3に送信する処理である。プロセッサ21は、特定処理M33において判定した、荷物Piの配送先情報を印字装置3に送信する。
【0079】
(表示例)
荷物P1~Pnの各々の配送先が決まっているか否かを判定した判定結果をユーザUaに表示するためにユーザ端末4に表示される表示画面の具体例について、図11を参照して説明する。図11は、ユーザ端末4に表示される表示画面の一具体例を示す模式図である。
【0080】
図11に示すように、荷物P1~Pnの配送先が決まっているか否かを判定した判定結果をユーザUaに表示するためにユーザ端末4に表示される表示画面には、ユーザ端末4が荷物P1~Pnを撮像した撮像画像に、配送先が決まっていることを表す「○」又は配送先が決まっていないことを表す「×」を付した画像、荷物P1~Pnが積まれているラックの番号、判定結果を表す文字列、次の作業を指示するメッセージ、及び、メッセージに応じたボタン(渡し済み、又は、再撮影)が表示される。
【0081】
(管理システムSaの効果)
管理システムSaは、複数の荷物P1~Pnを被写体として含む撮像画像から、各荷物Piの配送先が決まっているか否かを判定し、ユーザUaに表示する機能を有することにより、配送先が決まっている荷物のみを搬送ラインに渡すことができる。これにより、配送先が決まっていない荷物を移動させる手間が生じないため、配送拠点に届いた荷物に配送先情報を付すまでの作業を効率的に行うことができ、結果として、発送拠点に荷物が届いてから当該荷物を配送先に発送するまでの一連の作業にかかる労力、手間、及び人件費の削減に寄与する。
【0082】
(まとめ)
本実施形態の態様1に係る管理装置は、荷物の配送拠点において、当該荷物の配送を管理する管理装置である。本管理装置は、前記荷物が被写体として含まれる画像を取得する画像取得処理と、前記画像から、前記荷物を識別する識別情報を取得する情報取得処理と、正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表を参照して、前記情報取得処理により取得した識別情報を、正規化された識別情報に変換する変換処理と、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を用いて、前記荷物の配送先が決まっているか否かを判定する判定処理と、を実行するプロセッサを備えている。
【0083】
上記の構成により、発送拠点に荷物が届いてから当該荷物を配送先に出荷するまでの一連の作業を効率化することができる。これにより、配送拠点に届いた荷物を配送先に出荷するまでの一連の作業にかかる多くの労力、時間、及び人件費等のコストを削減することに寄与する。
【0084】
本実施形態の態様2に係る管理装置は、上記態様1の前記情報取得処理において、前記プロセッサは、荷物を被写体として含む画像を入力情報として、当該荷物を識別する識別情報が付されている領域を検出するように学習された学習済みモデルに、前記画像を入力することによって、前記画像に被写体として含まれる荷物の識別情報が付されている領域を特定することを特徴とする。
【0085】
上記の構成によれば、荷物を被写体として含む画像において、当該荷物の識別情報を含む領域を特定することができる。これにより、荷物を被写体として含む画像のうち、当該領域のみに各処理を実行することができるため効率的である。
【0086】
本実施形態の態様3に係る管理装置は、上記態様2の前記情報取得処理において、前記プロセッサは、前記学習済みモデルが検出した識別情報が付されている領域に対して光学文字認識を行うことによって、前記画像に被写体として含まれる荷物の識別情報を取得することを特徴とする。
【0087】
上記の構成によれば、荷物を被写体として含む画像のうち、特定した領域に含まれる文字列の情報のみを取得することができる。すなわち、文字列以外の余計な情報を取得しないため続く各処理を効率的に実行できる。
【0088】
本実施形態の態様4に係る管理装置は、上記態様1から態様3の何れか1つの態様において、前記判定処理の判定結果をユーザに表示する表示処理を更に実行することを特徴とする。
【0089】
上記の構成によれば、ユーザは、配送先が決まっている荷物のみを搬送ラインに渡して、対応する配送先を荷物に付すことができる。これにより、配送先の決まっていない荷物を移動させる手間等を省くことができ、発送拠点に荷物が届いてから当該荷物を配送先に出荷するまでの一連の作業を効率化することができる。
【0090】
本実施形態の態様5に係る管理装置は、上記態様1から態様4の何れか1つの態様において、前記入荷情報には、前記正規化した識別情報の他に、前記荷物の出荷日を表す情報、及び、前記荷物の出荷元を表す情報の少なくとも1つが含まれることを特徴とする。
【0091】
上記の構成によれば、正規化された識別情報を含む入荷情報を出荷日や出荷元によっても識別することができる。これにより、情報取得処理で取得した識別情報であって、正規化された識別情報に対応する入荷情報を精度高く特定することができる。
【0092】
本実施形態の態様6に係る管理システムは、荷物を被写体として含む画像を撮像する撮像装置と、上記態様1から態様5の何れか1つの態様に係る管理装置と、前記判定処理により前記荷物の配送先が決まっていると判定された場合、前記第2の対応表において、前記変換処理により得られた正規化された識別情報を含む入荷情報に対応する配送先を、前記荷物に印字する印字装置と、を備えることを特徴とする。
【0093】
上記の構成によれば、配送拠点に届いた荷物に、当該荷物に応じた宛先等の配送先情報を付す作業を手作業によらず自動で行うことができる。それにより、発送拠点に荷物が届いてから当該荷物を配送先に出荷するまでの一連の作業を効率化することができる。
【0094】
本実施形態の態様7に係る管理方法は、荷物の配送拠点において、当該荷物の配送を管理する管理方法である。本管理方法は、前記荷物が被写体として含まれる画像を取得する画像取得処理と、前記画像から、前記荷物を識別する識別情報を取得する情報取得処理と、正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表を参照して、前記情報取得処理により取得した識別情報を、正規化された識別情報に変換する変換処理と、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を用いて、前記荷物の配送先が決まっているか否かを判定する判定処理と、を含んでいる。
【0095】
上記の構成によれば、上述した態様1と同じ効果を奏する。
【0096】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
S 管理システム
1 撮像装置
2 管理装置
3 印字装置
21 プロセッサ
22 一次メモリ
23 二次メモリ
24 通信インタフェース
25 入出力インタフェース
26 バス
【要約】
【課題】荷物を識別して当該荷物に応じた配送先情報を付す作業の効率化に寄与する管理装置を実現する
【解決手段】管理装置(2)は、プロセッサ(21)を備えている。プロセッサ(21)は、荷物が被写体として含まれる画像を取得する画像取得処理と、荷物を識別する識別情報を取得する情報取得処理と、正規化されていない識別情報を正規化された識別情報に対応付ける第1の対応表を参照して、前記情報取得処理により取得した識別情報を、正規化された識別情報に変換する変換処理と、正規化した識別情報を含む入荷情報を配送先情報に対応付ける第2の対応表を用いて、前記荷物の配送先が決まっているか否かを判定する判定処理と、を実行する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11