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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ペット用トイレ
(51)【国際特許分類】
   A01K 1/01 20060101AFI20240513BHJP
   A01K 1/015 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
A01K1/01 801A
A01K1/015 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019208550
(22)【出願日】2019-11-19
(65)【公開番号】P2021078412
(43)【公開日】2021-05-27
【審査請求日】2022-07-28
(73)【特許権者】
【識別番号】516371922
【氏名又は名称】株式会社ペティオ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】玉田 光
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3196671(JP,U)
【文献】国際公開第2016/139963(WO,A1)
【文献】特開2019-146549(JP,A)
【文献】特開2011-4664(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を敷設する上容器であって、前記排泄物処理材よりも目の細かい貫通穴をスノコ状に設けた上容器と、
自己崩壊して前記貫通穴から落下した前記排泄物処理材を堆積するトレーと、
前記トレーを下側にスライド自在に収納し、前記上容器を上側に配置する下容器と、
前記上容器の外周縁から上方に突出するような周壁部を有するカバーと、
を備え、
前記貫通穴の下側が拡幅し、
前記上容器の周壁部に、下向きとなる折返し部を設け、
前記下容器の周壁部に、下向きとなる折返し部を設け、
前記カバーは、嵌合部と、ステップ部と、を備え
前記ステップ部は、前記カバーのフロント側の周壁部に設けられ、
前記嵌合部は横向部と、下向部と、を備え、
前記横向部は、前記カバーの周壁部よりも横向きに突出し、前記上容器の折返し部上部に接し、前記下向部は、前記横向部の先端から下向きに突出し、前記下容器の折返し部に嵌合し、
前記トレーは、4か所のコーナを有する桝形とされ、少なくともいずれか1か所のコーナに窪み部が形成されている、
ペット用トイレ。
【請求項2】
前記トレーは、前記上容器と同じ深さ、または前記上容器より深い深さに形成された深型である、
請求項1に記載のペット用トイレ。
【請求項3】
水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を敷設する上容器であって、前記排泄物処理材よりも目の細かい貫通穴をスノコ状に設けた上容器と、
自己崩壊して前記貫通穴から落下した前記排泄物処理材を堆積するトレーと、
前記トレーを下側にスライド自在に収納し、前記上容器を上側に配置する下容器と、
前記上容器の外周縁から上方に突出するような周壁部を有するカバーと、
を備え、
前記トレーは、前記上容器と同じ深さ、または前記上容器より深い深さに形成された深型であり、
前記上容器の周壁部に、下向きとなる折返し部を設け、
前記下容器の周壁部に、下向きとなる折返し部を設け、
前記カバーは、嵌合部と、ステップ部と、を備え
前記ステップ部は、前記カバーのフロント側の周壁部に設けられ、
前記嵌合部は横向部と、下向部と、を備え、
前記横向部は、前記カバーの周壁部よりも横向きに突出し、前記上容器の折返し部上部に接し、前記下向部は、前記横向部の先端から下向きに突出し、前記下容器の折返し部に嵌合し、
前記トレーは、4か所のコーナを有する桝形とされ、少なくともいずれか1か所のコーナに窪み部が形成されている、
ペット用トイレ。
【請求項4】
前記貫通穴は、交差する第1リブと第2リブとによって長孔形に形成され、
前記貫通穴の下側が拡幅するように前記第1リブ及び第2リブの少なくともいずれか一方がテーパ面とされている、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のペット用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内で飼育されるペットの排泄物を処理するペット用トイレに関し、特に、水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を使用するペット用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
猫や犬などのペットの排泄物を室内において処理するようにしたペット用トイレが種々提供されている。例えば、特許文献1には、トイレ本体と処理材回収部材とを備えたペット用トイレが記載されている。
【0003】
トイレ本体は、第1収容部と第2収容部とを備えている。第1収容部は、複数の長孔形状の貫通穴(特許文献1では開口部)を設けた底部を有している。第1収容部内には、水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材が敷設(特許文献1では収容)される。第2収容部は、第1収容部の下部(特許文献1では下方)にスライド可能に配置される。第2収容部内には、処理材回収材が装着される。処理材回収部材は、1枚のシート状部材を箱体状に折りたたんで第2収容部内に着脱自在に装着され、自己崩壊した排泄物処理材を収容する。
【0004】
このようなペット用トイレは、箱状に折りたたまれた処理回収部材を第2収容部内に装着し、排泄物処理材を第1収容部内に敷設して使用する。ペットが排泄物処理材上で排尿すると、排泄物処理材が尿の水分を吸収することによって自己崩壊し、自己崩壊した排泄物処理材が第1収容部の貫通穴を介して落下して処理材回収部材上(特許文献1では処理材回収部材内部)に滞積する。排泄物処理材を堆積した処理材回収部材は、第2収容部が第1収容部内から引き出されることにより、廃棄される。第1収容部内で減少した分の排泄物処理材は、補充される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実用新案登録第3196671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたペット用トイレは、第1収容部内に敷設された排泄物処理材が排尿によって自己崩壊することで、第1収容部に設けられた貫通穴を通過して処理材回収部材上に落下する。すなわち、排泄物処理材は、貫通穴よりも細かく自己崩壊することにより、貫通穴から落下する。したがって、排泄物処理材は、貫通穴と同じ大きさに自己崩壊すると、貫通穴内で目詰まりする。
【0007】
また、排泄物処理材を滞積する処理材回収部材は、第2収容部内に装着される。第2収容部が処理材回収部材を装着可能に浅く形成されると、換言すると、第2収容部の底部と第1収容部の底部との間隔が狭いと、処理材回収部材上に多くの排泄物処理材を堆積することができない。このような浅い第2収容部を備えたペット用トイレは、処理材回収部材を頻繁に廃棄しなければならなくなり、その作業は面倒となる。
【0008】
本発明は、水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を使いやすいようにしたペット用トイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るペット用トイレの一態様は、
水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を敷設する上容器であって、前記排泄物処理材よりも目の細かい貫通穴をスノコ状に設けた上容器と、
自己崩壊して前記貫通穴から落下した前記排泄物処理材を堆積するトレーと、
前記トレーを下側にスライド自在に収納し、前記上容器を上側に配置する下容器と、
を備え、
前記貫通穴の下側が拡幅している。
【0010】
本発明に係るペット用トイレの一態様において、
前記トレーは、前記上容器と同じ乃至深く形成された深型である。
【0011】
本発明に係るペット用トイレの他態様は、
水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を敷設する上容器であって、前記排泄物処理材よりも目の細かい貫通穴をスノコ状に設けた上容器と、
自己崩壊して前記貫通穴から落下した前記排泄物処理材を堆積するトレーと、
前記トレーを下側にスライド自在に収納し、前記上容器を上側に配置する下容器と、
を備え、
前記トレーは、前記上容器と同じ乃至深く形成された深型である。
【0012】
本発明に係るペット用トイレの一態様及び他態様において、
前記貫通穴は、交差する第1リブと第2リブとによって長孔形に形成され、
前記貫通穴の下側が拡幅するように前記第1リブ及び第2リブの少なくともいずれか一方がテーパ面とされている。
【0013】
本発明に係るペット用トイレの一態様及び他態様において、
前記トレーは、4か所のコーナを有する桝形とされ、少なくともいずれか1か所のコーナに窪み部が形成されている。
【0014】
本発明に係るペット用トイレの一態様及び他態様において、
前記上容器の外周縁から上方に突出するような周壁部を有するカバーを備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を使いやすいようにしたペット用トイレを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す分解斜視図である。
図3】本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す平面図である。
図4】本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す断面側面図である。
図5】本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す要部断面側面図である。
図6】本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す要部断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係るペット用トイレの第1の実施形態について図1乃至図6を参照して説明する。図1は、本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す斜視図である。図2は、本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す分解斜視図である。図3は、本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す平面図である。図4は、本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す断面側面図である。図5は、本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す要部断面側面図である。図6は、本発明に係るペット用トイレの一実施形態を示す要部断面正面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、この実施形態のペット用トイレは、水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材(図示せず)を使用するタイプで、上容器1と、トレー2と、下容器3と、を備えている。ペット用トイレは、さらにカバー4を備えている。
【0019】
上容器1は、コーナを円弧形にした四角形平板状の底面部11と、この底面部11の外周を囲う枠状の周壁部12と、を備えている。底面部11と周壁部12との境界部は、折り目のような境界線がなく、なだらかな曲面形状とされている。周壁部12の各コーナも折り目のような境界線がない曲面形状とされている。上容器1の周壁部12の上端部には、下向きとなる折返し部121が設けられている。
【0020】
上容器1の底面部11上には、排泄物処理材が敷設される。上容器1の底面部11には、排泄物処理材よりも目の細かい貫通穴111がスノコ状に設けられている。排泄物処理材は、尿のような水分を吸収することで、自己崩壊し、貫通穴111から落下する。
【0021】
図3に示すように、貫通穴111は、格子状に交差する第1リブ111aと第2リブ111bとによって長孔形状に形成されている。第1リブ111aの幅は、例えば2mm~4mmとされる。第2リブ111bの幅は、例えば2mm~4mmとされる。例えば隣り合った第1リブ111aの間隔(貫通穴111の幅D)が2mm~5mm、隣り合った第2リブ111bの間隔(貫通穴111の長さL)が15mm~40mmとされ、この貫通穴111の大きさは従来の貫通穴よりも大きくされている。
【0022】
貫通穴111は、自己崩壊した排泄物処理材が目詰まりしないように下側が拡幅している。そのため、図5及び図6に示すように、第1リブ111aと第2リブ111bは、貫通穴111の下側が拡幅するようにテーパ面とされている。テーパ面は、図示したような直線状の斜面に限らず、小さな曲率の円弧状にカーブしていたり、上部のみ大きな曲率でカーブしていたり、波板のように形成されていてもよい。
【0023】
トレー2は、自己崩壊して貫通穴111から落下した排泄物処理材を堆積する。トレー2は、四角形状の底面部21と、この底面部21の外周を囲う周壁部22と、を備えている。トレー2の底面部21は、上容器1の底面部11と対向する。トレー2の周壁部22は、正面部221と、背面部222と、一対の側面部223とによって4か所のコーナを有する枠状に形成されている。トレー2の周壁部22のコーナも曲面状に形成されている。トレー2の周壁部22の上端部には、外向きに突出したフランジ部224が設けられている。トレー2の周壁部22の正面部221には、指を挿し込んだり指で摘まんだりするための窪んだ取っ手部225が設けられている。
【0024】
トレー2は、上容器1と同じ乃至深く形成された深型である。すなわち、トレー2の周壁部22は、上容器1の周壁部12同じ乃至高く形成されている。トレー2と上容器1の周壁部22とが同じ高さの場合は、トレー2の容積と上容器1の容積は、ほぼ同じとなる。トレー2の周壁部22の高さは、例えば20mm~100mm程度とされる。図示したトレー2は、上容器1と同じ深さの深型である。図2図4に示すように、トレー2の背面部222と各側面部223とが連なる各コーナには、窪み部226が形成されている。この窪み部226は、トレー2が傾けられたときに、トレー2に堆積した排泄物処理材をトレー2から排出するときの注ぎ口のようになる。
【0025】
図4に示すように、下容器3は、トレー2を下側にスライド自在に収容し、上容器1を上側に配置する。図2に示すように、下容器3は、四角形状の底面部31と、底面部31を囲う枠状の周壁部32と、を備えている。下容器3の底面部31には、トレー2の両側を挟むような一対(一方のみ図示)のガイド部311が突出している。
【0026】
下容器3の周壁部32は、上容器1の周壁部12とトレー2の周壁部22とを重ねた高さとなる。換言すれば、上容器1の周壁部12の高さとトレー2の周壁部22の高さが同程度であれば、下容器3の周壁部32の高さは、上容器1の周壁部12の高さ及びトレー2の周壁部22の高さの2倍程度となる。したがって、下容器3の周壁部32の高さは、例えば110mm~290mm程度とされる。
【0027】
下容器3の周壁部32の上端部内に上容器1の周壁部12の上端部が嵌まり込む。また、上容器1の周壁部12の折返し部121が下容器3の周壁部32の上端部に当たることで、上容器1が下容器3内に嵌まり込まない。下容器3の周壁部32の上端部にも、下向きとなる折返し部321が設けられている。
【0028】
下容器3の周壁部32の正面部には、下側に開口部33が設けられている。下容器3の下側に収納されたトレー2が開口部33から下容器3外に完全に引き出される。したがって、開口部33は、トレー2の幅と高さと同じ大きさに設けられている。
【0029】
上容器1の外周縁、具体的には上容器1の周壁部12の上部には、カバー4が被せられる。図1及び図2に示すように、カバー4は、周壁部42と、嵌合部43と、ステップ部44と、を備えている。カバー4は、天板部を備えず、周壁部42によって囲われた領域をペットが上容器1内に入ったり出たりする出入部とする。
【0030】
カバー4の周壁部42は、フロント側とバック側と一対のサイド側とによって枠状に形成されている。フロント側の周壁部42aは、バック側の周壁部42bよりも低い。一対のサイド側の周壁部42cは、フロント側からバック側へ次第に高くなるように上縁がカーブした形状に傾斜している。フロント側の周壁部42aは、階段状に形成されている。
【0031】
カバー4の嵌合部43は、横向部431と、下向部432と、を備えている。図4に示すように、横向部431は、カバー4の周壁部42よりも横向きに突出し、上容器1の上端縁に当たる。下向部432は、横向部431の先端から下向きに突出し、下容器3の折返し部321に嵌合する。カバー4は、嵌合部43の下向部432が下容器3の折返し部321に嵌合することで、下容器3から外れにくく、嵌合部43の横向部431が上容器1の上端縁に当たることで、上容器1が外れないように押さえられる。
【0032】
この実施形態のペット用トイレは、以上のように構成される。次に、このペット用トイレの使用方法について説明する。
【0033】
このペット用トイレは、下容器3の下側にトレー2を収納し、下容器3の上側に上容器1を配置し、上容器1の周壁部12の上部にカバー4を被せた状態とし、リビングルームのような室内に設置される。上容器1の底面部11上には、排泄物処理材が敷設される。排泄物処理材は、上容器1の貫通穴111よりも大きなペレット状である。排泄物処理材は、例えば直径が6mm、長さが13mmの円柱状とされる。排泄物処理材は、上容器1の底面部11上に盛られた状態となる。排泄物処理材は、上容器1からこぼれないように上容器1の容量よりも少なめに盛られる。貫通穴111が排泄物処理材よりもわずかに小さな長孔形に形成されることにより、排泄物処理材が貫通穴111に部分的に引っ掛かりやすくなる。
【0034】
ペットがカバー4の出入口から上容器1内に入る。ペットは、ステップ部44を踏んで上容器1内に入ることもある。ペットは、排泄物処理材上に排尿し、上容器1内から出る。排泄物処理材が貫通穴111に部分的に引っ掛かることにより、ペット用トイレは、ペットが排泄物処理材を掘り起こしたり、埋戻したりする習性を補助する。掘り起こされた排泄物処理材は、カバー4によって周囲に飛散しない。
【0035】
排泄物処理材は、尿の水分によって自己崩壊し、上容器1の貫通穴111を通過してトレー2上に落下する。排泄物処理材は、貫通穴111よりも小さく自己崩壊することで貫通穴111内に目詰まりしにくい。また、排泄物処理材が水分を吸収することでわずかに膨張し、貫通穴111と同じ大きさに自己崩壊することもあり得る。貫通穴111は、下側が拡幅しているため、上側で仮に目詰まりしたとしても、排泄物処理材は貫通穴111内で第1リブ111a及び第2リブ111bに擦れず、貫通穴111内で目詰まりしにくくスムーズに落下する。
【0036】
自己崩壊した排泄物処理材は、水分を吸収することでわずかに膨張してトレー2上に堆積する。トレー2は、上容器1と同じ乃至深いような深型、あるいは、下容器3の半分程度の深さを有する深型であることから、シート状の処理材回収部材を装着するような薄型のトレー2よりも多くの排泄物処理材を堆積することができる。上容器1上の排泄物処理材は、排尿されるごとに減少する。このことにより、自己崩壊した排泄物処理材がトレー2上に堆積した分量を推測することができる。トレー2が上容器1と同じ乃至深く、すなわち、上容器1と同じ乃至大きな容量であるとしても、排泄物処理材は、上容器1に少なめに盛られることで、わずかに膨張したしても、トレー2内に溢れることなく堆積される。このようにトレー2は、従来のトレーよりも多くの排泄物処理材を滞積することができる。
【0037】
自己崩壊した排泄物処理材がトレー2上に堆積できる限界となるまでの間にトレー2が下容器3内から完全に引き出される。トレー2が深型であるため、トレー2を下容器3内から引き出す頻度を薄型のトレー2よりも少なくすることができる。トレー2の周壁部22の正面部221に取っ手部225が設けられていることから、トレー2は下容器3内から容易に完全に引き出される。トレー2内の排泄物処理材は、トレー2が傾けられることで、トレー2の窪み部226から流れ出るように人用便器内など廃棄される。
【0038】
空になったトレー2は、下容器3の下側内に収納される。下容器3の底面部31には、一対のガイド部311が突出しているため、トレー2は、偏向することなく真っ直ぐに奥まで入れ込まれる。上容器1上で排泄物処理材が減少した分は、補充される。
【0039】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形改良等は、本発明に含まれる。
【0040】
前記実施形態では、交差する第1リブ111aと第2リブ111bとによって長孔形の貫通穴111を形成し、第1リブ111aと第2リブ111bをテーパ面とすることで、貫通穴111の下側が拡幅するとした。しかし、貫通穴111は、一方のリブ111a,111bのみテーパ面としてもよい。また、貫通穴111は、テーパ面でなく、対向面が平行に形成されてもよい。また、貫通穴111は、長孔形でなく、三角形や正方形、その他の多角形であってもよいし、円形や楕円形などでもよい。円形や楕円形のような貫通穴111にあっては、漏斗状やラッパ状に下側が拡幅してもよい。
【0041】
前記実施形態では、トレー2は桝形とされ、2か所のコーナに窪み部226が形成されているとした。しかし、窪み部226は、いずれか1か所のコーナに形成されてもよいし、周壁部22の任意の箇所に1か所以上形成されてもよい。逆に、トレー2は、窪み部226を必ずしも形成しなくてもよい。
【0042】
前記実施形態では、ペット用トイレはカバー4を備えるとした。しかし、ペット用トイレは、必ずしもカバー4を備えなくてもよい。あるいは、カバー4は、天井部を有し、ペット用トイレを携行できるようにしてもよい。
【0043】
以上まとめると、本発明が適用されるペット用トイレは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0044】
すなわち、本発明に係るペット用トイレの一態様は、
水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を敷設する上容器1であって、前記排泄物処理材よりも目の細かい貫通穴111をスノコ状に設けた上容器1と、
自己崩壊して前記貫通穴111から落下した前記排泄物処理材を堆積するトレー2と、
前記トレー2を下側にスライド自在に収納し、前記上容器1を上側に配置する下容器3と、
を備え、
前記貫通穴111の下側が拡幅している。
【0045】
このペット用トイレは、上容器1に敷設された排泄物処理材に排尿されることで、自己崩壊した排泄物処理材が上容器1の貫通穴111を通過し、トレー2上に落下して堆積する。貫通穴111の下側が拡幅していることにより、排泄物処理材が貫通穴111と同じ大きさに自己崩壊しても、貫通穴111内に目詰まりすることなくスムーズにトレー2上に落下する。
【0046】
本発明に係るペット用トイレの一態様において、
前記トレー2は、前記上容器1と同じ乃至深く形成された深型である。
【0047】
このペット用トイレは、トレー2が上容器1と同じ乃至深く形成された深型であることにより、薄型のトレー2よりも多くの排泄物処理材を堆積することができ、その結果、トレー2を下容器3内から取り出す頻度を少なくすることができる。
【0048】
本発明に係るペット用トイレの他態様は、
水分の吸収によって自己崩壊するペレット状の排泄物処理材を敷設する上容器1であって、前記排泄物処理材よりも目の細かい貫通穴111をスノコ状に設けた上容器1と、
自己崩壊して前記貫通穴111から落下した前記排泄物処理材を堆積するトレー2と、
前記トレー2を下側にスライド自在に収納し、前記上容器1を上側に配置する下容器3と、
を備え、
前記トレー2は、前記上容器1と同じ乃至深く形成された深型である。
【0049】
このペット用トイレは、上容器1に敷設された排泄物処理材に排尿されることで、自己崩壊した排泄物処理材が上容器1の貫通穴111を通過し、トレー2上に落下して堆積する。トレー2が上容器1と同じ乃至深く形成された深型であることにより、薄型のトレー2よりも多くの排泄物処理材を堆積することができ、その結果、トレー2を下容器3内から取り出す頻度を少なくすることができる。
【0050】
本発明に係るペット用トイレの一態様及び他態様において、
前記貫通穴111は、交差する第1リブ111aと第2リブ111bとによって長孔形に形成され、
前記貫通穴111の下側が拡幅するように前記第1リブ111a及び第2リブ111bの少なくともいずれか一方がテーパ面とされている。
【0051】
このペット用トイレは、貫通穴111が長孔形に形成されることにより、排泄物処理材が貫通穴111に部分的に引っ掛かりやすくなる。また、第1リブ111aと第2リブ111bは、テーパ面を有する貫通穴111を長孔形に形成しやすい。
【0052】
本発明に係るペット用トイレの一態様及び他態様において、
前記トレー2は、4か所のコーナを有する桝形とされ、少なくともいずれか1か所のコーナに窪み部226が形成されている。
【0053】
このペット用トイレは、トレー2に窪み部226が形成されていることにより、トレー2に堆積された排泄物処理材を窪み部226から流しだすことができる。
【0054】
本発明に係るペット用トイレの一態様及び他態様において、
前記上容器1の外周縁から上方に突出するような周壁部42を有するカバー4を備えている。
【0055】
このペット用トイレは、上容器1の外周縁から突出するような周壁部42を有するカバー4を備えていることにより、上容器1に敷設された排泄物処理材が周囲に飛散しないようにすることができる。
【符号の説明】
【0056】
1・・・・・上容器
11・・・・底面部
111・・・貫通穴
111a・・第1リブ
111b・・第2リブ
12・・・・周壁部
2・・・・・トレー
21・・・・底面部
22・・・・周壁部
226・・・窪み部
3・・・・・下容器
31・・・・底面部
32・・・・周壁部
4・・・・・カバー
42・・・・周壁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6