(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】リコメンドサポートシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2020035808
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】504283622
【氏名又は名称】有限会社ディマンドワークス
(74)【代理人】
【識別番号】110001070
【氏名又は名称】弁理士法人エスエス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 孝浩
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241123(JP,A)
【文献】特開2005-133228(JP,A)
【文献】特開2014-102739(JP,A)
【文献】特開2013-033392(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバーコンピュータと、ユーザーが利用するユーザー端末と、事業者が利用する事業者端末と、がネットワークを介して通信可能に接続されるリコメンドサポートシステムであって、
前記サーバーコンピュータが、
前記ユーザーが前記ユーザー端末を用いて所有するアイテムを撮影し取得した所有アイテム画像に基づき作成した1以上のユーザーコーディネートと、前記ユーザーの特徴または好みに関する情報を含むユーザー関連情報と、に基づき、少なくとも前記事業者が販売している商品に関する商品データベースから、前記ユーザーの嗜好や希望に沿った商品を抽出する提案商品絞込手段を備
え、
前記提案商品絞込手段によって抽出された提案商品情報と、前記ユーザーコーディネートと、前記ユーザー関連情報と、が、前記事業者端末によって閲覧可能に構成され
るとともに、
前記事業者が、前記事業者端末を用いて、前記提案商品情報と、前記ユーザーコーディネートと、前記ユーザー関連情報と、に基づき、1以上の提案コーディネートを作成するとともに、前記サーバーコンピュータに登録すると、前記ユーザー端末に対して、コーディネートが提案されたことを示す提案通知、または、該提案通知と前記提案コーディネートとを送信するように構成されていることを特徴とするリコメンドサポートシステム。
【請求項2】
前記提案商品絞込手段が、
人工知能を用いたプログラムであることを特徴とする請求項1に記載のリコメンドサポートシステム。
【請求項3】
前記サーバーコンピュータが、
前記ユーザーが、前記ユーザー端末を用いて、前記提案コーディネートを再編集し、新たなユーザーコーディネートを作成するとともに、前記サーバーコンピュータに登録すると、前記新たなユーザーコーディネートが、前記事業者端末によって閲覧可能に構成されることを特徴とする請求項
1または2に記載のリコメンドサポートシステム。
【請求項4】
前記サーバーコンピュータと、前記ネットワークを介して通信可能に接続された店舗に設置される店舗端末をさらに備え、
前記サーバーコンピュータが、
前記提案商品情報と、前記ユーザーコーディネートと、前記ユーザー関連情報と、が、前記店舗端末によって閲覧可能に構成されていることを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載のリコメンドサポートシステム。
【請求項5】
前記店舗端末によって、前記ユーザーコーディネートの作成が可能なように構成されていることを特徴とする請求項
4に記載のリコメンドサポートシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣服や服飾品を購入するユーザーの所有アイテムや嗜好、希望を分析し、ユーザーの嗜好や希望を可能な限り取り入れたコーディネートを実現するために必要な新しい商品購入を提案するためのサポートを行うリコメンドサポートシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの普及に伴い、インターネットを利用した通信販売(ネット通販)が広まっている。このため、従来、店舗に行って試着を行ってから購入することが一般的であった衣服や服飾品などについても、ネット通販で購入するユーザーが増えている。
【0003】
通常、ユーザーは自身が保有する衣服や服飾品に合う新しい商品を買い足すために、ネット通販サイトを閲覧するが、販売店側には、ユーザーのそのような要望が分からないため、ネット通販サイトでは、販売店側が売りたい商品ばかりが提案されることが多い。このため、ユーザーは、ネット通販サイトで購入した衣服や服飾品が、その後気に入らなくなり、そのまま使われなくなってしまうことや、保有する衣服や服飾品と似ている商品を購入してしまい、無駄になってしまうことがあった。
【0004】
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1では、アパレルメーカーや販売店など(以下、「事業者」とも言う。)から提供される服飾品の情報と、ユーザーが保有している服飾品の情報と、に基づいて、これらの服飾品の情報を組み合わせて、ユーザー自身がコーディネートの確認を行ったり、また、これらの情報に基づき、事業者が適宜カスタマイズした服飾品の情報を提供したり、コーディネートの提案を行ったりすることが開示されている。
【0005】
また、特許文献2では、ユーザーが好むファッションスタイルをアンケートによってユーザーの嗜好や希望の分析を行い、それらの分析結果に基づき、スタイリストがユーザーへ商品を提案することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2002-288482号公報
【文献】特開2017-072907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1で開示された方法では、ユーザーが自身で選んだ所有する衣服と、ユーザーが自身で検索・絞り込みを行った商品の選択肢の中から選んだ衣服を組み合わせて、相性を確認することしかできなかった。
【0008】
このため、ユーザーがネット通販で衣服を購入しようと思った際に利用することはあっても、その時だけにしか利用できず、また、事業者としても、ユーザーが所有する複数の衣服などの情報を利用できるわけではないため、ユーザーにとってより好適な提案ができないという問題がある。
【0009】
また、特許文献2で開示された方法では、ユーザーの嗜好や希望を分析することによって、スタイリストは、ユーザーの嗜好や希望に沿った商品を選択することが容易となる。しかしながら、スタイリストは、ユーザーが実際に所有する衣服などを理解しているわけではなく、ユーザーが所有する衣服に合わせたコーディネートを提案することは困難である。このため、ユーザーの嗜好や希望に沿ってトータルコーディネートとして提案するか、もしくは、販売店側が売りたい商品の中からユーザーの嗜好や希望に沿った商品を提案することしかできない。また、アンケートだけでは、ユーザーの嗜好や希望を理解しきるのは困難であり、真にユーザーの嗜好や希望に添った商品を提案できるとは限らない。
【0010】
このため、ユーザーが所有する衣服や服飾品を活用しながら、毎シーズンの流行を取り入れた新しい着こなしを提案でき、また、商品の購入後に、ユーザーが失敗したと思って着なくなってしまうような服を減らせるような仕組みが求められていた。
【0011】
また、一律のアンケートだけでは測ることができず、また、ユーザーの言葉だけでは表すことができないようなユーザーの嗜好や希望を、可能な限り事業者が理解し、ユーザーの嗜好や希望に添った商品を提案することが出来るような仕組みが求められていた。
【0012】
本発明では、このような現状に鑑み、ユーザーが所有する衣服や服飾品を活用し、かつ、ユーザーの嗜好や希望を可能な限り取り入れたコーディネートを提案することができるリコメンドサポートシステムを提供することを目的とする。
【0013】
また、そのコーディネートの中でユーザーが気に入った商品を、ユーザーが簡単に購入することができ、また、買い足した商品を取り入れた新たなコーディネートを提案することができるリコメンドサポートシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上述するような従来技術における課題を解決するために発明されたものであって、本発明のリコメンドサポートシステムは、
サーバーコンピュータと、ユーザーが利用するユーザー端末と、事業者が利用する事業者端末と、がネットワークを介して通信可能に接続されるリコメンドサポートシステムであって、
前記サーバーコンピュータが、
前記ユーザーが前記ユーザー端末を用いて所有するアイテムを撮影し取得した所有アイテム画像に基づき作成した1以上のユーザーコーディネートと、前記ユーザーの特徴または好みに関する情報を含むユーザー関連情報と、に基づき、少なくとも前記事業者が販売している商品に関する商品データベースから、前記ユーザーの嗜好や希望に沿った商品を抽出する提案商品絞込手段を備え、
前記提案商品絞込手段によって抽出された提案商品情報と、前記ユーザーコーディネートと、前記ユーザー関連情報と、が、前記事業者端末によって閲覧可能に構成されるとともに、
前記事業者が、前記事業者端末を用いて、前記提案商品情報と、前記ユーザーコーディネートと、前記ユーザー関連情報と、に基づき、1以上の提案コーディネートを作成するとともに、前記サーバーコンピュータに登録すると、前記ユーザー端末に対して、コーディネートが提案されたことを示す提案通知、または、該提案通知と前記提案コーディネートとを送信するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
このようなリコメンドサポートシステムでは、前記提案商品絞込手段を、人工知能を用いたプログラムとすることができる。
【0017】
この場合、前記サーバーコンピュータを、
前記ユーザーが、前記ユーザー端末を用いて、前記提案コーディネートを再編集し、新たなユーザーコーディネートを作成するとともに、前記サーバーコンピュータに登録すると、前記新たなユーザーコーディネートが、前記事業者端末によって閲覧可能に構成することもできる。
【0018】
また、本発明のリコメンドサポートシステムでは、
前記サーバーコンピュータと、前記ネットワークを介して通信可能に接続された店舗に設置される店舗端末をさらに備え、
前記サーバーコンピュータを、
前記提案商品情報と、前記ユーザーコーディネートと、前記ユーザー関連情報と、が、前記店舗端末によって閲覧可能に構成することもできる。
【0019】
この場合、前記店舗端末によって、前記ユーザーコーディネートの作成が可能なように構成することもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ユーザーが所有するアイテムに基づきユーザーコーディネートを作成し、それを事業者に提供することで、事業者は、ユーザーの嗜好を把握することができる。また、事業者が作成した提案コーディネートを、ユーザーが再編集してユーザーコーディネートを作成し、これを事業者に提供することで、事業者は、ユーザーの嗜好をより適格に把握することができる。
【0021】
また、ユーザーが作成したユーザーコーディネートと、ユーザーの特徴や好みに関する情報と、に基づき、商品データベースから、ユーザーの嗜好や希望に沿った商品を絞り込むことができるため、事業者は大量の商品の中から、ユーザーの嗜好や希望に沿った商品を容易に見つけ出すことができ、ユーザーの嗜好や希望に沿った提案コーディネートを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明のリコメンドサポートシステムの一実施形態における構成を説明するための模式図である。
【
図2】
図2は、ユーザーコーディネートの一例を示す図である。
【
図3】
図3は、提案コーディネートの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明のリコメンドサポートシステムの別の実施形態における構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態(実施例)を図面に基づいて、より詳細に説明する。
図1は、本発明のリコメンドサポートシステムの一実施形態における構成を説明するための模式図である。
【0024】
図1に示すように、本実施形態のリコメンドサポートシステム10は、ユーザーが使用するユーザー端末20と、事業者が使用する事業者端末30と、サービスを提供するサーバーコンピュータ40と、が、ネットワーク50を介して接続されて構成される。なお、本実施形態において、事業者は、例えば、衣服や服飾品などのメーカー、アパレル専門店、ネット通販サイトの運営者などを想定しているが、これに限定されるものではない。また、例えば、ネット通販サイトなどの場合、複数のアパレルメーカーが商品の販売を行っていることがあるが、このような場合、それぞれのアパレルメーカーが事業者端末30を用いて、後述するように、提案コーディネートを作成するようにすることもできる。
【0025】
ユーザー端末20及び事業者端末30としては、特に限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータやタブレットコンピュータ、スマートフォンなどとすることができる。
【0026】
サーバーコンピュータ40は、後述する機能を、ネットワーク50を介して提供可能なコンピュータであれば、特に限定されるものではなく、例えば、単体のコンピュータ機器であってもよいし、また、クラウドコンピューティングを用いることも可能である。
【0027】
サーバーコンピュータ40には、事業者が販売している商品に関する商品データベースが保存されている。商品データベースは、例えば、商品名、商品画像、ブランド名、商品サイズなどが関連付けて登録するように構成することができる。なお、商品データベースには、事業者が販売している商品に限らず、任意の商品を登録しておくこともできる。
【0028】
ネットワーク50としては、インターネットを用いることが好ましいが、例えば、後述するように、店舗などでリコメンドサポートシステム10を利用する場合には、イントラネットなどを用いることも可能である。
【0029】
なお、本実施形態のリコメンドサポートシステム10は、ユーザー端末20、事業者端末30及びサーバーコンピュータ40を、以下のように動作させるプログラムによって実現される。なお、ユーザー端末20、事業者端末30及びサーバーコンピュータ40には、それぞれ、以下のように動作するプログラムのうち、必要十分な機能が動作しうるプログラムのみを実行するように構成することができる。なお、このようなプログラムは、アプリとして提供することもできるし、また、Webブラウザ上で実行可能なように提供することもできる。
【0030】
まず、ユーザーは、リコメンドサポートシステム10を利用するにあたり、ユーザー端末20を用いて、ユーザーIDやパスワード、性別、年齢、住所などのユーザーアカウント情報を入力する。入力されたユーザーアカウント情報は、ユーザー端末20からサーバーコンピュータ40に送信され、サーバーコンピュータ40に保存され、ユーザー登録が完了する。なお、本実施形態のリコメンドサポートシステム10を、例えば、既存のネット通販サイトやアプリに組み込んで使用する場合には、ネット通販サイトやアプリで登録済みのユーザーアカウント情報を利用するように構成することもできる。このように、登録済みのユーザーアカウント情報を利用する場合には、改めてユーザー登録を行う必要はない。
【0031】
ユーザー登録が完了したら、ユーザーは、ユーザー端末20を用いて、ユーザーが所有する衣服や服飾品など(以下、「所有アイテム」とも言う。)を撮影して、衣服や服飾品などの画像(以下、「所有アイテム画像」とも言う。)を取得する。ここで得られた所有アイテム画像は、ユーザー端末20にのみ保存するようにしてもよいし、ユーザー端末20からサーバーコンピュータ40に送信され、サーバーコンピュータ40にも保存するようにしてもよい。
【0032】
所有アイテム画像は、その種別(例えば、トップスやボトムスなどの着装部位によるカテゴリーであってもよいし、カットソーやニットなどの服飾種別によるカテゴリーであってもよい。)に応じてカテゴリー分けされる。所有アイテム画像をカテゴリー別に登録するようにしてもよいし、所有アイテム画像に対して、カテゴリーに応じた、例えば、タグのようなメタ情報を付与してもよい。この場合、メタ情報は、ユーザーが個別に行ってもよいし、また、サーバーコンピュータ40において、例えば、画像解析などを行って自動的に種別に応じたメタ情報を付与してもよい。
【0033】
なお、所有アイテム画像に付与するメタ情報としては、種別に限らず、例えば、ブランド名やアイテムの色系統、購入年、購入した季節、購入価格、サイズなどを設定することもできる。
【0034】
次いで、ユーザーは、
図2に示すように、ユーザー端末20を用いて、所有アイテム画像を選択・配置することによって、事業者による提案の基となる、所有アイテムを用いたコーディネート(以下、「ユーザーコーディネート」と言う。)を作成し、ユーザー端末20に保存する。作成されたユーザーコーディネートは、ユーザー端末20からサーバーコンピュータ40に送信され、サーバーコンピュータ40にも保存される。
【0035】
ユーザーは、1つ以上のユーザーコーディネートを作成する。作成したユーザーコーディネートには、それぞれ、判別のための名称(例えば、平日用や週末用、オフィス1、オフィス2やデート1、デート2などの着用シーンや用途)を付けることができる。また、ユーザーコーディネートは、全てを所有アイテムによって埋めて完成させる必要はない。例えば、所有アイテムの中に気に入ったボトムスが無い場合には、ユーザーコーディネートにおけるボトムスを空欄としておき、事業者によって提案して貰えるようにしておくこともできる。
【0036】
なお、本実施形態のリコメンドサポートシステム10では、所有アイテム画像の登録や確認を行ったり、ユーザーコーディネートの作成や確認、保存などを行ったりすることができるページを「マイクローゼット」と呼ぶ。
【0037】
次いで、ユーザーは、ユーザー端末20からサーバーコンピュータ40へ、提案リクエスト情報を送信する。提案リクエスト情報の送信は、例えば、ユーザー端末20に表示された提案依頼ボタンを押すことによって行われるように構成することができる。
【0038】
提案リクエスト情報を送信する際に、例えば、ユーザーの身体サイズ(S,M,Lなどのサイズや、洋服の号数など)、提案して欲しい着用シーン、提案して欲しいアイテム、フィット感(緩め、タイト目など)、よく購入するブランド名、着てみたいブランド名、避けたいブランド名など、ユーザーの特徴や好みに関する情報(以下、「ユーザー関連情報」)も送信する。
【0039】
ユーザー関連情報は、例えば、ユーザー端末20に表示されたアンケート画面に沿って、ユーザーが入力するように構成することで取得することができる。ユーザー関連情報は、提案依頼ボタンが押された際にアンケート画面を表示して取得するようにしてもよいし、それ以前に取得するように構成することもできる。
【0040】
サーバーコンピュータ40は、ユーザー端末20からの提案リクエスト情報を受信すると、提案商品絞込手段によって、ユーザーコーディネート及びユーザー関連情報に基づいて、ユーザーの嗜好や希望を判断し、商品データベースから、ユーザーに提案する商品を絞り込む。
【0041】
サーバーコンピュータ40によって、ユーザーの嗜好や希望を判断する方法としては、例えば、人工知能(AI)を使った判断を採用することができる。すなわち、提案商品絞込手段は、AIを用いたプログラムとして実現することができる。より具体的には、例えば、所有アイテム画像とユーザー関連情報を学習データとしてディープラーニングを用いて学習させることで、商品データベースから、ユーザーの嗜好や希望に沿った商品を抽出するように構成することができる。なお、本実施形態においては、ディープラーニングを用いて、人工知能の学習を行っているが、これに限らず、より一般的な機械学習であってもよい。
【0042】
次いで、サーバーコンピュータ40は、絞り込んだ提案商品に関する情報(以下、「提案商品情報」とも言う。)と、ユーザーコーディネートと、ユーザー関連情報とを、事業者端末30に送信する。
【0043】
事業者の担当者(例えば、スタイリストや販売員など)は、事業者端末30を用いて、提案商品情報、ユーザーコーディネート、ユーザー関連情報に基づき、
図3に示すように、ユーザーに提案するコーディネート(以下、「提案コーディネート」とも言う。)を作成する。
【0044】
提案コーディネートは、例えば、ユーザーコーディネートにおいて空欄を補完するように作成することが好ましい。また、ユーザーコーディネートにおいて既にユーザー自身が埋めているアイテム欄について、提案するアイテムと入れ替えて、提案コーディネートを作成してもよい。また、提案コーディネートは、1つに限らず、複数作成することもできる。
【0045】
担当者は、作成した提案コーディネートを、事業者端末30を用いてサーバーコンピュータ40に登録する。サーバーコンピュータ40は、提案コーディネートが登録されると、ユーザー端末20に対して、コーディネートが提案されたことを示す通知(以下、「提案通知」とも言う。)を送信する。
【0046】
ユーザーは、ユーザー端末20が通知を受信したら、サーバーコンピュータ40に登録された提案コーディネートをダウンロードするように操作する。なお、本実施例では、ユーザーによって提案コーディネートをダウンロードするように構成しているが、提案通知と同時にサーバーコンピュータ40からユーザー端末20へ送信するように構成することもできる。
【0047】
ユーザーは、ユーザー端末20によって提案コーディネートを閲覧するとともに、提案商品の在庫状況(例えば、ネット通販サイトの在庫状況や、事前に登録した住所から近隣の店舗を検索してヒットした近隣店舗の在庫状況など)を確認することができる。また、ネット通販サイトから直接購入できるように、ネット通販サイトにおける提案商品の掲載URLへリンクを張るようにすることもできる。また、提案商品が在庫切れになった場合には、サーバーコンピュータ40からユーザー端末20へ在庫切れを示す通知を送信するように構成することもできる。
【0048】
ユーザーは、ユーザー端末20において、提案コーディネートを再編集することもできる。提案コーディネートの再編集は、各カテゴリーのアイテムを、所有アイテム画像で置換することによって行うようにすることができる。また、提案コーディネートの再編集は、提案リクエストをしてから、提案コーディネートが届くまでの間に追加された所有アイテム画像を用いることもできる。
【0049】
再編集された提案コーディネートは、ユーザーコーディネートとして、サーバーコンピュータ40に保存することもできる。このとき、ユーザーは、サーバーコンピュータ40に保存したユーザーコーディネートを、事業者が閲覧可能とするか否かを設定することができる。提案コーディネートが再編集されて作成されたユーザーコーディネートを、事業者が閲覧可能とすることによって、事業者は、ユーザーの嗜好の把握に役立てることができる。
【0050】
また、ユーザーは、提案コーディネートを閲覧した際に、提案リクエストを終了してもよいし、また、提案リクエストを継続することもできる。提案リクエストを継続した場合、事業者は、例えば、新商品が入荷した場合に、新たな提案コーディネートを作成して、ユーザーに提案することができる。
【0051】
なお、上記実施例では、ユーザー端末20で作成したユーザーコーディネートをサーバーコンピュータ40に登録して、事業者が閲覧可能なように構成しているが、全てのユーザーコーディネートをサーバーコンピュータ40に登録する必要はない。また、サーバーコンピュータ40に登録したユーザーコーディネートについても、事業者が閲覧可能か否かを設定することができる。
【0052】
また、1つのユーザーコーディネートは、1つのデータファイルとして扱えるように構成することが好ましい。このように、データファイルとして扱えるようにすることによって、例えば、別の事業者が運営するリコメンドサポートシステム10にそのままインポートして利用することができる。また、リコメンドサポートシステム10に限らず、データファイルの互換性を有するWEBサイトやアプリなどで利用することも可能になる。
【0053】
また、上記実施例では、所有アイテム画像をユーザーコーディネートを作成するためだけに利用しているが、例えば、リコメンドサポートシステム10に、フリマサイトやオークションサイトなどの出品用テンプレートを用意しておき、ユーザーはこの出品用テンプレートに所有アイテム画像や必要な情報を登録することで、簡単に出品ができるようにすることもできる。このように構成することで、ユーザーは、使わなくなった所有アイテムを容易にフリマサイトやオークションサイトなどに出品することができ、衣服や服飾品などのリサイクルに役立てることができる。
【0054】
図4は、本発明のリコメンドサポートシステムの別の実施形態における構成を説明するための模式図である。
図4に示すリコメンドサポートシステム10は、基本的には、
図1に示すリコメンドサポートシステム10と同様な構成であり、同様な構成要素には、同じ符合を付して、その詳細な説明を省略する。
【0055】
本実施形態におけるリコメンドサポートシステム10では、衣服や服飾品などを販売する店舗に設置される店舗端末60をさらに備えている。
店舗端末60としては、特に限定されるものではなく、例えば、パーソナルコンピュータやタブレットコンピュータ、スマートフォンなどとすることができるが、後述するように、客として訪れたユーザーとともに表示内容を確認する必要があるため、比較的ディスプレイのサイズが大きいパーソナルコンピュータやタブレットコンピュータとすることが好ましい。
【0056】
このように構成されたリコメンドサポートシステム10では、ユーザーが店舗に訪れた際に、店舗端末60を用いてマイクローゼットにログインすることによって、店舗端末60にマイクローゼットを表示することができる。
【0057】
店舗の販売員は、店舗端末60に表示されたマイクローゼットにおいて、ユーザーが事前に作成したユーザーコーディネートや、店舗端末60を操作して作成したユーザーコーディネートを用いて、サーバーコンピュータ40へ提案リクエスト情報を送信する。
【0058】
サーバーコンピュータ40は、店舗端末60からの提案リクエスト情報を受信すると、ユーザーコーディネート及びユーザー関連情報に基づいて、ユーザーの嗜好や希望を判断し、商品データベースから、ユーザーに提案する商品を絞り込む。
【0059】
サーバーコンピュータ40は、提案商品情報を、店舗端末60に送信する。店舗端末60は、受信した提案商品情報を表示する。
ユーザーまたは店舗販売員は、店舗端末60を操作し、ユーザーコーディネートと、提案商品情報と用いて、ユーザーコーディネートを補完する。このように、店舗端末60を用いて、ユーザーと店舗販売員とが直接話をしながらユーザーコーディネートを補完するようにすることで、提案商品情報の中からユーザーが興味を示す商品を探し出すことができる。
【0060】
なお、店舗端末60では、提案商品の店舗における在庫状況を確認できるように構成することが好ましい。在庫状況に関する情報は、店舗端末60に事前に登録しておくこともできるし、また、サーバーコンピュータ40に事前に登録しておくこともできる。在庫状況に関する情報をサーバーコンピュータ40に登録するように構成することで、例えば、系列の店舗における在庫状況を確認できるようにすることもできる。
【0061】
なお、店舗端末60を用いてマイクローゼットにログインする場合には、例えば、ユーザーアカウント情報(リコメンドサポートシステム10を利用する際に、ユーザーが登録した個人情報)など、ユーザーのプライベートな情報については表示されないようにすることが好ましい。
【0062】
また、店舗端末60を用いてマイクローゼットにログインする場合には、例えば、店舗端末60にユーザーIDとパスワードを入力することによって行ってもよいが、例えば、ユーザー端末20(ユーザーが所有するスマートフォンなど)に表示したログイン用識別子(バーコードや二次元コードなど)を、店舗端末60に設けられた識別子読取手段(バーコードリーダーやカメラなど)によって読み取ることで、ログイン出来るように構成することもできる。このように構成することによって、店舗において迅速にユーザーページにログインすることができるとともに、店舗端末60にパスワードを入力する必要もなく、セキュリティを確保することもできる。このようなログイン用識別子は、ワンタイム型とすることによって、よりセキュリティを確保することができる。
【0063】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
10 リコメンドサポートシステム
20 ユーザー端末
30 事業者端末
40 サーバーコンピュータ
50 ネットワーク
60 店舗端末