(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】決済端末装置、決済システム、及び商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/18 20120101AFI20240513BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20240513BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20240513BHJP
【FI】
G06Q20/18
G07G1/12 321P
G06Q20/20
(21)【出願番号】P 2020036084
(22)【出願日】2020-03-03
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】菊池 輝繁
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 和治
(72)【発明者】
【氏名】杉山 悟
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-021242(JP,A)
【文献】特開2003-216877(JP,A)
【文献】特開2016-181125(JP,A)
【文献】特開2015-222475(JP,A)
【文献】特開2012-215981(JP,A)
【文献】特開2018-200550(JP,A)
【文献】特開2018-169923(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非現金決済ブランドに対応する非現金決済を、決済処理装置との通信を介して実行可能な決済手段と、
非現金決済の可否に関する決済可否情報を受信する受信手段と、
前記受信手段により前記決済可否情報が受信されたことに応じて、前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否を制御する制御手段と、
前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否に関するブランド対応決済可否情報を出力する出力手段とを備え
、
前記出力手段は、決済対象とされる取引に対応する商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置に前記ブランド対応決済可否情報を出力する
決済端末装置。
【請求項2】
前記制御手段は、非現金決済の実行が不可の非現金決済ブランドを、非現金決済に利用する非現金決済ブランドとして選択することが不可なように制御する
請求項1に記載の決済端末装置。
【請求項3】
前記出力手段は、非現金決済に用いる非現金決済ブランドの選択のための画面において、ブランド対応決済可否情報の内容が反映された表示が行われるようにする
請求項1
または2に記載の決済端末装置。
【請求項4】
非現金決済を決済処理装置との通信を介して実行可能とされ店舗ごとに設置される決済端末装置と、前記決済端末装置のそれぞれを管理する管理装置とを備え、
前記管理装置は、
非現金決済の可否に関する決済可否情報を前記決済端末装置に送信する送信手段
と、
前記店舗ごとに設置される決済端末装置のうちから、所定の条件に適合する決済端末装置を特定する特定手段とを備え、
前記決済端末装置は、
前記決済可否情報の受信に応じて、非現金決済の実行の可否を制御する制御手段を備え
、
前記送信手段は、前記特定手段により特定された決済端末装置に決済可否情報を送信する
決済システム。
【請求項5】
決済対象とされる取引に対応する商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置をさらに備え、
前記決済端末装置は、非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否に関するブランド対応決済可否情報を前記商品販売データ処理装置に出力する
請求項4に記載の決済システム。
【請求項6】
決済端末装置としてのコンピュータを、
非現金決済ブランドに対応する非現金決済を、決済処理装置との通信を介して実行可能な決済手段、
非現金決済の可否に関する決済可否情報を受信する受信手段、
前記受信手段により前記決済可否情報が受信されたことに応じて、前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否を制御する制御手段、
前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否に関するブランド対応決済可否情報を出力する出力手段として機能させるためのプログラムであって、
前記出力手段は、決済対象とされる取引に対応する商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置に前記ブランド対応決済可否情報を出力する
プログラム。
【請求項7】
非現金決済を決済処理装置との通信を介して実行可能とされ店舗ごとに設置される決済端末装置と、前記決済端末装置のそれぞれを管理する管理装置とを備える決済システムにおいて、前記管理装置として第1コンピュータを機能させるための第1プログラムと、前記決済端末装置として第2コンピュータを機能させるための第2プログラムであって、
前記第1プログラムは、前記第1コンピュータを、
非現金決済の可否に関する決済可否情報を前記決済端末装置に送信する送信手段、
前記店舗ごとに設置される決済端末装置のうちから、所定の条件に適合する決済端末装置を特定する特定手段として機能させるためのものであり、
前記第2プログラムは、前記第2コンピュータを、
前記決済可否情報の受信に応じて、非現金決済の実行の可否を制御する制御手段として機能させるためのものであり、
前記送信手段は、前記特定手段により特定された決済端末装置に決済可否情報を送信する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済端末装置、決済システム、及び商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
店舗での商品等の購入にあたり、現金によらずクレジットカード等を利用した非現金決済が普及している。非現金決済にあたっては、店舗に導入された決済端末が決済サーバ等の決済処理装置と通信を行う(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非現金決済は、上記のように店舗の端末と決済処理装置との通信を伴うことから、例えば通信障害が広域で発生した場合には、多くの店舗で非現金決済を利用することができなくなる。しかしながら、障害に関する情報を店舗のそれぞれが迅速かつ正確に把握することは難しいことから、店舗等の現場で混乱が生じやすい。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、非現金決済に対応する決済システムにおいて障害が発生した場合における現場の混乱を抑えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決する本発明の一態様は、非現金決済ブランドに対応する非現金決済を、決済処理装置との通信を介して実行可能な決済手段と、非現金決済の可否に関する決済可否情報を受信する受信手段と、前記受信手段により前記決済可否情報が受信されたことに応じて、前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否を制御する制御手段と、前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否に関するブランド対応決済可否情報を出力する出力手段とを備える決済端末装置である。
【0007】
本発明の一態様は、非現金決済を決済処理装置との通信を介して実行可能とされ店舗ごとに設置される決済端末装置と、前記決済端末装置のそれぞれを管理する管理装置とを備え、前記管理装置は、非現金決済の可否に関する決済可否情報を前記決済端末装置に送信する送信手段を備え、前記決済端末装置は、前記決済可否情報の受信に応じて、非現金決済の実行の可否を制御する制御手段を備える決済システムである。
【0008】
本発明の一態様は、非現金決済に用いる非現金決済ブランドの利用を選択可能に表示する表示制御手段と、決済代行サーバから送信された、非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否に関するブランド対応決済可否情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたブランド対応決済可否情報に基づいて、非現金決済が不可の非現金決済ブランドについての報知を行う商品販売データ処理装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態における決済システムの構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態におけるPOS端末の設置例を示す図である。
【
図3】第1実施形態におけるPOS端末の外観例を示す図である。
【
図4】第1実施形態におけるPOS端末の構成例を示す図である。
【
図5】第1実施形態における決済端末の構成例を示す図である。
【
図6】第1実施形態における決済代行サーバの構成例を示す図である。
【
図7】第1実施形態における決済端末管理情報の一例を示す図である。
【
図8】第1実施形態の決済システムにおける決済代行サーバと決済端末とが障害発生に関する情報の提供に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図9】第1実施形態におけるブランド選択画面の一例を示す図である。
【
図10】第2実施形態の決済システムにおける決済代行サーバと決済端末とPOS端末とが障害発生に関する情報の提供に関連して実行する処理手順例を示すフローチャートである。
【
図11】第3実施形態における決済種別選択画面とブランド選択画面との一例を示す図である。
【
図12】第4実施形態におけるブランド選択画面との一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1実施形態>
[決済システムの構成例]
以下、本発明の実施形態としての決済システムについて図面を参照して説明する。本実施形態の決済システムは、現金によらない決済(非現金決済)として、クレジットカードを利用した決済(クレジットカード決済)に対応する場合を例に挙げる。
図1は、本実施形態の決済システムの構成例を示している。
【0011】
同図の決済システムは、複数の店舗STのそれぞれに設置されるPOS端末20と決済端末30とを含む。なお、同図においては、店舗STごとに、各1つのPOS端末20と決済端末30とが備えられた例を示しているが、店舗STにおいて備えられるPOS端末20の数と、POS端末20の数に応じた決済端末30の数については特に限定されない。
【0012】
POS端末20は、例えば一取引ごとに、客が購入する商品を登録する登録処理と、登録された商品について精算する精算処理とを含む、会計に関する処理(会計処理)を実行する。
【0013】
決済端末30は、客がクレジットカード決済の利用による支払いを行う場合に対応して、クレジットカードに対応する決済処理(端末決済処理)を実行する。決済端末30は、POS端末20と通信可能なように接続される。決済端末30とPOS端末20との通信は、有線であっても無線であってもよい。また、決済端末30は、クレジットカードに記録された情報(カード情報)を読み取るカードリーダを備える。
店舗STにおいて、クレジットカード決済を行う場合、店員は、POS端末20を操作して対応の取引の商品登録を完了させて合計金額を確定させたうえで、決定された合計金額を決済端末30に送信させる。
また、店員(客である場合があってもよい)は、客のクレジットカードのカード情報を読み取らせ、今回利用されるクレジットカードのブランド(非現金決済ブランドの一例)を選択する操作を決済端末30に対して行う。
POS端末20からの合計金額の受信と、上記のように行われた操作に応じて、決済端末30は、合計金額と、カード情報と、選択されたブランドを示すブランド情報とを取得する。
【0014】
店舗STでは、クレジットカードのブランドのうちで、自店舗で利用すると定めた少なくとも1つのブランドのアクワイアラと加盟店契約を結ぶ。このため、客が店舗STで利用可能なクレジットカードのブランドは、店舗STがどのブランドのアクワイアラと加盟店契約を結んでいるかにより異なる。また、店舗STは、客(カード利用者)へクレジットカードを発行するイシュアと会員契約を結ぶ。
【0015】
決済端末30は、上記のように取得したブランド情報、カード情報、合計金額を含む決済処理要求を決済代行サーバ40(管理装置の一例)に送信する。
決済代行サーバ40(管理装置の一例)は、決済端末30から送信された決済処理要求に応答して決済処理を実行する。決済代行サーバ40は、決済処理にあたり、各ブランドに対応するアクワイアラサーバ50、イシュアサーバ80のうち、受信された決済処理要求に含まれるブランド情報が示すブランドに対応するアクワイアラサーバ、イシュアサーバと、利用されるクレジットカードについての正当性の認証を行う。決済代行サーバ40は、認証が成立すると決済処理を行う。
【0016】
また、決済代行サーバ40は、コールセンター端末60、通信事業者端末70等と通信可能に接続される。
コールセンター端末60は、例えば決済代行サーバ40に対応する決済代行業者が運営するコールセンターに設けられる端末である。コールセンターには、クレジットカード決済の代行サービスを契約した店舗STからの問合せ等に、電話やネットワーク経由で対応する部門である。
通信事業者端末70は、本実施形態の決済システムにおいて装置間の通信に使用する回線を提供する通信事業者の端末である。
【0017】
[POS端末の構成例]
図2は、POS端末の設置例を示す図である。
図2(A)は、POS端末20等を客側から見た斜視図である。
図2(B)は、POS端末20等を店員側から見た斜視図である。
図2(A)に示すように客側から見てPOS端末20の右側にカウンタが置かれている。
【0018】
図3は、POS端末の外観例を示す図である。
図3(A)は、POS端末20を客側から見た斜視図である。
図3(B)は、POS端末20を店員側から見た斜視図である。
図4は、POS端末20の構成例を示す図である。
図3及び
図4において、同一部分には同一符号を付している。
【0019】
以下、
図3を参照しつつ、
図4に示したPOS端末20の構成例を説明する。同図のPOS端末20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ハードディスク204と、客側表示部205と、客側スキャナ部206と、カードリーダ208と、釣銭機209と、店員側表示部210と、キー操作部211と、店員側スキャナ部212と、印刷部213と、音声出力部214と、通信部215とを備える。これらは、バスを介して相互に通信可能である。
【0020】
CPU201は、中央演算処理装置であり、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、POS端末20の動作を制御する。
ROM202は、読み出し専用メモリであり、プログラムをはじめとしてCPU201が利用する各種の情報を記憶する。
【0021】
RAM203は、読み出し書き込みメモリであり、種々の情報を記憶する。例えば、RAM203は、外部から取得した情報(例えば、上位装置(図示せず)から取得した商品マスタ等)や、処理において生成した情報(例えば、登録処理において生成した登録情報、精算処理において生成した精算情報等)を記憶する。なお、以下の説明において、登録情報と精算情報のいずれか一方又は両方を取引情報と称する場合がある。
【0022】
ハードディスク204は、種々の情報を記憶する。ハードディスク204は、例えば、ROM202に代えて、CPU201が実行するプログラム等を記憶してもよい。また、RAM203に代えて、外部から取得した情報や、処理において生成した情報を記憶してもよい。
【0023】
客側表示部205は、客用のタッチディスプレイであり、客に種々の情報を表示するとともに、客から種々の入力を受け付ける。
客側スキャナ部206は、客用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)等を光学的に読み取る。
【0024】
なお、客側スキャナ部206は、客が商品を登録する際に用いられるが、客は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、客側表示部205に、商品の注文ボタン等が表示されている場合、客は、注文ボタンを操作(押下)し、商品を登録することができる。
【0025】
カードリーダ208は、交通系カード、会員カード、ポイントカード等の情報を読み取って決済に対応する処理を実行可能とされる。本実施形態のカードリーダ208は、例えばカード認識部(読取部)や表示部や操作部を備えてよいが、少なくとも、カード認識部を備えるものであればよい。
【0026】
なお、カードリーダ208は、クレジットカードからカード情報を読み取るように構成されてよいが、本実施形態では、クレジットカード決済は、決済端末30によって行われる。
【0027】
釣銭機209(現金決済部)は、現金による決済機構であり、紙幣や硬貨の投入口、紙幣や硬貨の排出口を有し、投入口への投入金額を算出し、投入金額と買上金額の差分である釣銭金額を算出し、釣り銭を排出口から排出する。
【0028】
店員側表示部210は、店員用のタッチディスプレイであり、店員に種々の情報を表示するとともに、店員から種々の入力を受け付ける。
キー操作部211は、各種のキー(ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。
店員側スキャナ部212は、店員用のスキャナ部であり、例えば、商品に付されているバーコード(商品コード等)や店員の名札に付された店員コード等を光学的に読み取る。
【0029】
なお、店員側スキャナ部212は、店員が商品を登録する際に用いられるが、店員は他の方法によって商品を登録してもよい。例えば、キー操作部211に、商品に対応するキー(例えば、スポーツ新聞に対応するキー等)が配置されている場合、店員は、当該キーを操作(押下)し、当該商品を登録することができる。また、店員側表示部210に、商品に対応するプリセットキーが表示されている場合、店員は、当該プリセットキーを操作し、当該商品を登録することができる。
【0030】
印刷部213は、媒体を排出する印刷部であり、例えば、レシート等の種々の媒体を印刷、発行する。印刷部213は、店員側から客側、客側から店員側に向き(媒体発行口の方向)を回転自在に変更可能な1台の印刷部である。印刷部の向きは、手動で変更してもよいし、例えば動作モードの移行に応じて自動的に変更(メカ的に制御等)してもよい。なお、印刷部の向きの正誤をセンサなどで検出してもよい。
【0031】
音声出力部214は、音声を出力する。例えば、音声出力部214は、音声ガイダンス等を出力する。
通信部215は、同一の店舗ST内において店舗内のネットワークで接続された他の装置や、ネットワーク経由で接続される店舗STの外部の装置と通信を実行する。
【0032】
[決済端末の構成例]
図5を参照して、決済端末30の構成例について説明する。同図の決済端末30は、POS対応通信部301、サーバ対応通信部302、カードリーダ303、タッチパネル表示部304、キー操作部305、及び制御部306を備える。
【0033】
POS対応通信部301は、同じ店舗STにおけるPOS端末20と通信を実行する。POS対応通信部301は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のデータインターフェースに対応して通信を実行する構成であってよい。また、POS対応通信部301は、有線と無線とのいずれの方式による通信に対応してもよい。
サーバ対応通信部302は、例えば専用線あるいはネットワーク経由で決済代行サーバ40と通信を行う。さらに、サーバ対応通信部302は、アクワイアラサーバ50、コールセンター端末60、通信事業者端末70等と通信を行う。
【0034】
カードリーダ303は、クレジットカードに記録されているカード情報を読み取る。カード情報には、クレジットカードに付与されたクレジットカード番号のほか、例えば名義人名、有効期限、クレジットカードのブランド等の情報が含まれてよい。
【0035】
タッチパネル表示部304は、制御部306の制御に応じて画像を表示するとともに、表示面に対して指等の操作体を触れさせるようにして行われた操作を受け付ける。
キー操作部305は、物理的なキーが配置された操作部である。キー操作部305におけるキーとしは、例えば置数操作に用いるテンキー、エンターキー、取り消しキーなどが含まれる。
【0036】
制御部306は、決済端末30としての機能を実現するための各種の制御を実行する。制御部306としての機能は、例えば決済端末30が備えるCPU(Central Processing Unit)がプログラムを実行することにより実現される。
【0037】
[決済代行サーバの構成例]
図6を参照して、決済代行サーバ40の構成例について説明する。同図の決済代行サーバ40は、通信部401、制御部402、及び記憶部403を備える。
【0038】
通信部401は、決済端末30と通信を実行する。また、通信部401は、アクワイアラサーバ50、コールセンター端末60、通信事業者端末70等と通信を実行する。
【0039】
制御部402は、決済代行サーバ40としての機能を実現するための各種制御を実行する。制御部402としての機能は、決済代行サーバ40が備えるCPUがプログラムを実行することにより実現される。
【0040】
記憶部403は、決済代行サーバ40に対応する各種の情報を記憶する。記憶部403は、決済端末管理情報を記憶する。決済端末管理情報は、決済代行サーバ40が管理する決済端末30ごとの情報である。決済代行サーバ40が管理する決済端末30とは、決済代行サーバ40に対応する決済代行業者との間で、当該決済代行業者が決済代行サービスを受ける契約を結ぶ店舗STに設置された決済端末30である。
【0041】
図7は、決済端末管理情報の一例を示している。同図の決済端末管理情報は、決済端末30ごとに対応して、決済端末識別子、アドレス、店舗識別子、契約ブランド情報、及びエリア情報を格納する。
決済端末識別子は、対応の決済端末30を一意に識別する識別子である。
アドレスは、対応の決済端末30に割り当てられたネットワーク上のアドレスである。
店舗識別子は、対応の決済端末30が設置される店舗STを一意に示す識別子である。
契約ブランド情報は、対応の店舗識別子が示す店舗STが加盟店として契約しているクレジットカードのブランド(契約ブランド)を示す情報である。
エリア情報は、所定の規則(例えば、市町村単位、郵便番号による地域区分、地図に設定したメッシュによる地域区分等)によって区分された区分地域(エリア)のうち、対応の店舗識別子が示す店舗STが含まれる区分地域(エリア)を示す情報である。
【0042】
[決済システムにおける障害対応の概要]
本実施形態の決済システムでは、決済処理にあたり、決済端末30と決済代行サーバ40との間での通信や、決済代行サーバ40とアクワイアラサーバ50との間での通信等が行われる。このため、何らかの原因で通信障害が発生した地域に含まれる店舗STでは決済端末30を利用したクレジットカード決済を行うことができなくなるという障害が発生する。
このような障害が発生した場合には、例えばアクワイアラから加盟店に対して、発生した障害に関する情報が提供される。しかしながら、障害が発生してからアクワイアラから店舗STに情報が提供されるまでには、状況把握や原因特定などのために、例えば30分程度といったように相当の時間を要する。また、このようなときにコールセンター等に電話等で問い合わせても、まだ対処方法が特定できていなかったり、電話がつながらなかったりするなどし、障害対策に有効でない場合も多い。
このため、障害が発生した地域の店舗ST等の現場では、障害に関する情報が提供されるまで、なぜ決済端末30を利用したクレジット決済が行えなくなったのかの原因を把握することができずに混乱しやすい。
【0043】
そこで、本実施形態の決済システムにおいては、以下に説明するようにして、できるだけ迅速に店舗STに対して障害発生に関する情報を提供できるように構成される。
【0044】
[処理手順例]
図8のフローチャートを参照して、本実施形態の決済システムにおける決済代行サーバ40と決済端末30とが障害発生に関する情報の提供に関連して実行する処理手順例について説明する。
【0045】
まず、決済代行サーバ40の処理手順例について説明する。
ステップS101:決済代行サーバ40は、決済システムにおける何らかの障害に関する情報(障害情報)を収集している。障害情報は、例えばアクワイアラサーバ50、コールセンター端末60、通信事業者端末70等から、障害が発生したことに応じて決済システムに送信される。
ステップS102:決済代行サーバ40は、ステップS101による障害情報の収集結果に基づき、決済システムにおいて障害が発生したか否かを判定する。障害が発生していないと判定された場合、ステップS101に処理が戻される。
【0046】
ステップS103:ステップS102にて障害が発生したと判定された場合、決済代行サーバ40は、これまでに収集されている障害情報に基づいて、障害が発生したエリア(障害発生エリア)を特定する。決済代行サーバ40は、例えば収集された障害情報において示される、障害の発生した地域、地点等を、地域区分が設定された地図上にマッピングし、マッピングされた障害の発生した地域、地点の分布により、障害発生エリアを特定することができる。
【0047】
ステップS104:また、ステップS102にて障害が発生したと判定された場合、決済代行サーバ40は、決済不可ブランドを特定する。決済不可ブランドは、クレジットカードのブランドのうちで、障害の発生に伴って決済が行えなくなったブランドである。障害の発生の状況として、クレジットカードのブランドのうちで、或る特定のブランドの決済が不可となったが、他のブランドについては決済が可能な状況となる場合がある。当該ステップS104は、このような障害の状況に対応して、今回の障害の発生に伴う決済不可ブランドを特定する。決済代行サーバ40は、収集された障害情報において示される決済が不可の状況となったブランドを示す情報に基づいて、決済不可ブランドを特定することができる。また、決済不可ブランドの特定は、障害発生エリアに含まれる区分地域ごとに行われてよい。この場合、障害発生状況として、障害発生エリアにおける区分地域間で特定された決済不可ブランドが異なり得る。
【0048】
ステップS103により特定される障害発生エリアとステップS104により特定される決済不可ブランドは、今回発生した障害の状況(障害発生状況)についての判定結果に相当する。
【0049】
ステップS105:ステップS104の処理の後、決済代行サーバ40は、障害通知対象の決済端末30のそれぞれに対して利用停止情報を送信する。障害通知対象の決済端末30は、ステップS103にて特定された障害発生エリアに含まれる店舗STにて導入されている決済端末30である。決済代行サーバ40は、決済端末管理情報により管理される決済端末30のうち、エリア情報により示されるエリアが、ステップS103にて特定された障害発生エリアに含まれる決済端末30を障害通知対象としてよい。
利用停止情報は、クレジット決済の利用の停止に関する情報である。具体的に、本実施形態の利用停止情報は、ステップS104にて決済不可ブランドであるとして特定されたブランドを示す情報を含む。つまり、利用停止情報は、ブランド単位でクレジットカード決済の停止を決済端末30に指示する情報である。
【0050】
ステップS106、S107は、後述のステップS110にて障害が解消されていないと判定されたことでステップS105に処理が戻された場合に対応して有効となる処理であることから、後述する。ステップS102により障害が発生したことが判定されて最初にステップS105が実行された場合、当該ステップS106、S107の処理はスキップされて、ステップS105からステップS108に処理が進められてよい。
【0051】
ステップS108:決済代行サーバ40は、障害情報を収集し、今回発生した障害の状況(障害発生状況)が現在においてどのようになっているのか判定する。決済代行サーバ40は、ここでの障害発生状況の判定として、現在における障害発生エリアの特定と、現在における決済不可ブランドの特定とを行うようにされてよい。
【0052】
ステップS109:決済代行サーバ40は、ステップS108により判定した障害発生状況が、これまでの障害発生状況から変化しているか否かを判定する。障害発生状況に変化がないと判定された場合には、ステップS108に処理が戻される。ステップS109にて判定される障害発生状況の変化としては、具体的には、例えば障害発生エリアの増加、減少、移動や、決済不可ブランドの変化等である。
【0053】
ステップS110:ステップS109により障害発生状況に変化があると判定された場合、決済代行サーバ40は、障害発生状況が変化した結果として障害が解消された状況となったか否かについて判定する。決済代行サーバ40は、障害発生状況が変化した結果として、例えば障害情報が収集されない状況となった、あるいは障害情報が収集された場合であっても、障害情報の内容に基づく解析等の結果、障害が発生していないと判定した場合などに、障害が解消された状況になったと判定してよい。
障害が解消された状況となっていないと判定された場合には、ステップS105に処理が戻される。
【0054】
上記のようにステップS110からステップS105に処理が戻された場合、決済代行サーバ40は、ステップS105にて、変化後の障害発生状況に応じた障害発生エリアに該当する決済端末30に対して、利用停止情報を送信する。この際に送信される利用停止情報は、変化後の障害発生状況のもとで特定された決済不可ブランドの利用停止を指示する内容を有する。
【0055】
ステップS106:ステップS110からステップS105に処理が戻された場合、決済代行サーバ40は、さらに今回の障害発生状況の変化に伴い、障害が解消された決済端末30が有るか否かについて判定する。決済代行サーバ40は、例えば障害発生状況が変化する前においては、障害発生エリアに含まれていたが、障害発生状況が変化したことに応じて、障害発生エリアには含まれなくなった店舗STの決済端末30を、障害が解消された決済端末30として判定する。
【0056】
ステップS107:ステップS106にて障害が解消された決済端末30が有ると判定した場合、決済代行サーバ40は、障害が解消されたと判定した決済端末30に対して、利用停止解除通知を送信する。利用停止解除通知は、障害が解消されたことに応じて、全ブランドのクレジット決済が可能であることを通知するものである。
ステップS107の処理の後、あるいはステップS106にて障害が解消された決済端末30が無いと判定された場合には、ステップS108に処理が進められる。
【0057】
ステップS111:ステップS110により障害が解消された状況になったことが判定された場合、決済代行サーバ40は、利用停止解除通知を送信する。当該ステップS111において、決済代行サーバ40は、最後のステップS105による利用停止情報の送信先の決済端末30に限定して利用停止解除通知を送信してよい。あるいは、当該ステップS111において、ブロードキャストにより、決済端末管理情報により管理される全ての決済端末30に利用停止解除通知を送信してもよい。
【0058】
次に、決済端末30の処理手順例について説明する。
ステップS201:決済端末30は、ステップS105により決済代行サーバ40から送信される利用停止情報が受信されたか否かを判定する。
【0059】
ステップS202:決済端末30には、対応の店舗STが加盟店として契約しているブランド(契約ブランド)が登録されている。決済処理にあたり、決済端末30は、今回の取引で利用されるクレジットカードのブランドを契約ブランドのうちから選択するブランド選択画面をタッチパネル表示部304に表示させる。店員は、ブランド選択画面に対してブランドを選択する操作(ブランド選択操作)を行ったうえで、決済端末30に端末決済処理を実行させる。
ステップS201にて利用停止情報が受信されたことが判定された場合、決済端末30は、契約ブランドのうちで、利用停止情報により利用停止ブランドとして示される契約ブランドのブランド選択画面でのブランド選択操作を不可に設定する。
【0060】
ステップS203:決済端末30は、利用停止情報の受信に応じて、現在において障害が発生していることの報知を行う。
【0061】
図9は、ステップS202により或る契約ブランドについてブランド選択操作が不可に設定されたことに応じて、タッチパネル表示部304に表示されるブランド選択画面の態様例を示している。
同図のブランド選択画面は、契約ブランドが、ブランドA、ブランドB、ブランドC、ブランドDの4つである場合の例である。同図のブランド画面においては、契約ブランドであるブランドA、ブランドB、ブランドC、ブランドDごとに対応するブランド選択ボタンBT(BT-A、BT-B、BT-C、BT-D)が配置されている。店員は、ブランド選択操作として、客が利用するクレジットカードのブランドに対応するブランド選択ボタンBTをタッチする操作を行う。
【0062】
同図のブランド選択画面は、契約ブランドA~Dのうち、契約ブランドB、Dについてブランド選択操作が不可に設定された場合の例を示している。この場合、ブランド選択画面に配置されるブランド選択ボタンBT-A~BT-Dのうち、ブランド選択操作が不可に設定された契約ブランドB、Dに対応するブランド選択ボタンBT-B、BT-Dがグレーアウトにより操作が不可の状態となっている。このようなブランド選択ボタンBTの表示により、契約ブランドA~Dのうちで、契約ブランドA、Cはクレジットカード決済に利用可能であるのに対して、契約ブランドB、Dはクレジットカード決済に利用可能できないことが明示される。このようなブランド選択ボタンBTの表示は、ブランド対応決済可否情報の出力の態様の一例である。
【0063】
また、同図のブランド選択画面においては、障害発生報知ALTが表示されている。障害発生報知ALTは、ステップS203による障害発生報知の一態様例である。
障害発生報知ALTは、利用停止情報の受信に応じて表示されるものである。同図の障害発生報知ALTにおいては、例えば「決済システム障害発生中です。」のように、現在において決済システムで障害が発生していることを報知するメッセージが文字により表示されている。また、同図の障害発生報知ALTにおいては、「混雑中:ブランドB,ブランドC」のようにして、現在において決済端末30でクレジットカード決済に利用できない決済不可ブランドが、ブランドB、ブランドDであることのメッセージが文字により表示されている。このような障害発生報知ALTの表示は、ブランド対応決済可否情報の出力の態様の一例である。
【0064】
なお、障害発生報知ALTにおいては、例えば決済システムで障害が発生していることを報知するメッセージのみが示されてもよい。この場合、障害発生報知ALTにおいて決済不可ブランドが明示されていなくとも、店員は、少なくともいずれかの契約ブランドのうちにクレジットカード決済ができないものがあることを把握できるので、ブランド対応決済可否情報の出力の態様の一例となる。
また、利用停止情報に障害発生エリアの情報を含めうえで、障害発生報知ALTにより、障害が発生している地域を報知するようにしてもよい。
また、障害発生報知ALTは、例えばタッチパネル表示部304における表示がブランド選択画面から他の画面に遷移した場合であっても、遷移後の他の画面にて継続して表示されてよい。
【0065】
説明を
図8に戻す。
ステップS204:ステップS201にて利用停止情報の受信されないことが判定された場合、あるいはステップS203の処理の後、決済端末30は、ステップS107またはステップS111により送信される利用停止解除通知が受信されたか否かを判定する。
【0066】
ステップS204にて利用停止解除通知が受信されないと判定された場合には、ステップS201に処理が戻される。これにより、2回目以降のステップS201にて利用停止情報の受信されたことが判定された場合のステップS202、S203によっては、障害発生状況の変化としての決済不可ブランドの変化が反映されたブランド選択ボタンBTの表示や障害発生報知ALTの表示が行われる。
【0067】
ステップS205:ステップS204にて利用停止解除通知の受信されたことが判定された場合、決済端末30は、全ての契約ブランドについてのブランド選択操作が可能なように設定する。これにより、決済端末30は、以降においてブランド選択画面を表示する際には、全ての契約ブランドに対応するブランド選択ボタンBTが操作可能な状態とする。
【0068】
ステップS206:また、決済端末30は、利用停止解除通知の受信に応じて、ステップS203にて行われた障害発生報知を終了させる。具体的に、決済端末30は、これまで表示されていた障害発生報知ALTを消去する。
なお、決済端末30は、障害発生報知ALTを消去した際に、障害が解消されたことを報知するメッセージをタッチパネル表示部304に表示させてよい。障害が解消されたことを報知するメッセージは、表示開始から一定時間後に消去されるようにしてもよいし、店員の確認操作(例えば、メッセージとともに表示した確認ボタンに対する操作)に応じて消去されるようにしてもよい。
【0069】
<第2実施形態>
続いて、第2実施形態について説明する。第1実施形態では障害発生報知が決済端末にて行われていた。これに対して、本実施形態においては、以下に説明するようにして、店舗STにて決済端末30と接続されるPOS端末20にて障害発生報知が行われるように構成される。
【0070】
図10のフローチャートを参照して、本実施形態の決済システムにおける決済代行サーバ40と決済端末30とPOS端末20とが、障害発生に関する情報の提供に関連して実行する処理手順例について説明する。同図において、
図8と同様の処理となるステップについては、
図8と同様の符号を付している。
【0071】
本実施形態の決済代行サーバ40は、
図8と同様にステップS101~S110の処理を実行する。
【0072】
本実施形態の決済端末30は、
図8のステップS203の障害発生報知と、ステップSS206の障害発生報知の終了に代えて、以下のようにステップS203-1、S206-1を実行する。
【0073】
ステップS203-1:決済端末30は、POS端末20に利用停止情報を送信する。
ステップS203-1により送信される利用停止情報は、決済端末30が、ステップS201により受信された利用停止情報に基づいて、POS端末20にて行う障害発生報知の態様に適合させた形式や内容となるように生成した情報であってもよい。ステップS203-1により送信される利用停止情報には、契約ブランドのうちのいずれが現在において決済不可ブランドとされているのかを示す情報を含む。また、ステップS201により受信される利用停止情報に現在の障害発生エリアを示す情報が含まれる場合、ステップS203-1により送信される利用停止情報にも、現在の障害発生エリアを示す情報が含まれてよい。
【0074】
ステップS206-1:決済端末30は、POS端末20に利用停止解除通知を送信する。ステップS206-1により送信される利用停止解除通知は、決済端末30が、ステップS204により受信された利用停止解除通知に基づいて、POS端末20にて行う障害解消の報知の態様に適合させた形式や内容となるように生成した情報であってもよい。
このように、本実施形態では、ブランド決済可否情報を出力する態様として、決済端末30がPOS端末20に利用停止情報、利用停止解除通知を送信する。
【0075】
続いて、POS端末20が実行する処理手順例について説明する。
ステップS301:POS端末20は、ステップS203-1により決済端末30から送信される利用停止情報が受信されたか否かを判定する。
【0076】
ステップS302:POS端末20は、決済端末30から送信される利用停止情報が受信されたことに応じて、障害発生報知を行う。当該ステップS302による障害発生報知として、POS端末20は、店員側表示部210にて、
図9の障害発生報知ALTに準じた態様による表示を、表示面における所定の位置にて行うようにされてよい。
【0077】
ステップS303:ステップS302の処理の後、あるいはステップS301にて利用停止情報が受信されないと判定された場合、POS端末20は、ステップS206-1により決済端末30から送信される利用停止解除通知が受信されたか否かを判定する。
【0078】
ステップS303にて利用停止解除通知が受信されないと判定された場合にはステップS301に処理が戻される。これにより、2回目以降のステップS301にて利用停止情報が受信された場合のステップS302によっては、障害発生状況の変化としての決済不可ブランドの変化が反映されるように障害発生報知ALTの表示が行われる。
【0079】
ステップS304:ステップS303にて利用停止解除通知が受信されたことが判定された場合、POS端末20は、ステップS302にて行われた障害発生報知を終了させる。具体的に、POS端末20は、これまで店員側表示部210にて表示されていた障害発生報知を消去する。
なお、POS端末20は、障害発生報知を消去した際に、障害が解消されたことを報知するメッセージを店員側表示部210にて表示させてよい。この場合にも、障害が解消されたことを報知するメッセージは、表示開始から一定時間後に消去されるようにしてもよいし、店員の確認操作(例えば、メッセージとともに表示した確認ボタンに対する操作)に応じて消去されるようにしてもよい。
【0080】
POS端末20は、クレジットカード決済が行われるか否かにかかわらず、取引ごとに応じて店員が会計に応じた操作を行う。このため、本実施形態のようにPOS端末20の店員側表示部210にて障害発生報知としての表示を行うことにより、障害の発生に店員が気付きやすくなる。また、POS端末20の店員側表示部210の表示面のサイズは、決済端末30のタッチパネル表示部304よりも大きい。このため、障害発生報知の表示を見やすくしたり、詳細な情報を表示させることも容易に可能となる。
【0081】
なお、本実施形態において、POS端末20と併せて、決済端末30も障害発生報知を行うようにしてよい。
【0082】
<第3実施形態>
上記各実施形態は、決済端末30が非現金決済種別としてクレジットカードのみを対象として決済処理を実行し、クレジットカードのみを対象として障害発生通知を行う構成であった。これに対して、本実施形態の決済システムでは、決済端末30により、クレジットカードだけではなく、他の所定の非現金決済種別に対応する決済も可能なように構成される。これに伴い、本実施形態の決済システムでは、決済端末30が決済可能な非現金決済種別を対象として障害発生通知を行うことが可能なようにされる。
そのうえで、本実施形態の決済システムは、第1実施形態と同様に、決済端末30にて障害発生報知を行うようにされた構成である。
【0083】
本実施形態の決済代行サーバ40は、
図1の構成に対して、さらに店舗STが契約したクレジットカード以外の非現金決済種別のブランドごとに対応するサーバと接続される。
そのうえで、本実施形態の決済代行サーバ40は、
図8の処理を実行するにあたり、店舗STが契約した非現金決済種別のそれぞれに対応して、障害情報を収集し(ステップS101)、障害が発生した場合には、障害発生エリアと決済不可ブランドの特定とを行う(ステップS102~S104)。この場合、決済代行サーバ40は、障害発生状況に応じて、店舗STが契約した非現金決済種別のブランド単位で決済不可を示す利用停止情報を決済端末に送信する(ステップS105)。
本実施形態の決済端末30は、利用停止情報の受信に応じて利用停止ブランドの選択操作を不可に設定し、障害発生報知を行う(ステップS201~S203)。決済端末30は、例えば以下のようにして障害発生報知を行うようにされてよい。
【0084】
図11(A)は、本実施形態の決済端末30のタッチパネル表示部304にて表示される決済種別選択画面の一例を示している。同図の決済操作画面においては、非現金決済種別選択ボタンBT1(BT1-1~BT1-5)が配置されている。非現金決済種別選択ボタンBT1は、決済処理に使用する非現金決済種別を選択する操作が店員によって行われるボタンである。
同図の例では、非現金決済種別選択ボタンBT1-1は、非現金決済種別としてクレジットカードの使用を選択する場合に操作されるボタンである。
非現金決済種別選択ボタンBT1-2は、非現金決済種別として交通系ICカードの使用を選択する場合に操作されるボタンである。
非現金決済種別選択ボタンBT1-3は、非現金決済種別として電子マネーの使用を選択する場合に操作されるボタンである。
非現金決済種別選択ボタンBT1-4は、非現金決済種別としてコード決済の使用を選択する場合に操作されるボタンである。
非現金決済種別選択ボタンBT1-5は、非現金決済種別としてデビットカードの使用を選択する場合に操作されるボタンである。
【0085】
非現金決済種別選択ボタンBT1が操作されると、タッチパネル表示部304における表示は、同図の決済種別選択画面から、操作された非現金決済種別選択ボタンBT1が対応するブランド選択画面の表示に変更される。ブランド選択画面は、非現金決済種別において決済端末30が対応して決済処理が可能なブランドを選択する操作が行われる画面である。
【0086】
同図の決済種別選択画面においては、非現金決済種別選択ボタンBT1のうち、電子マネーの非現金決済種別に対応する非現金決済種別選択ボタンBT1-3において「障害発生」と表示されている。これは、電子マネーとしての非現金決済種別に含まれるブランドの少なくとも1つに関して障害が発生している状況にあることを報知する障害発生報知である。
【0087】
このような障害発生報知を行っている状態の非現金決済種別選択ボタンBT1-3に対する操作が行われた場合には、タッチパネル表示部304にて、例えば
図11(B)に示すブランド選択画面が表示される。
【0088】
同図のブランド選択画面においては、電子マネーとしての非現金決済種別において「電子マネーA」、「電子マネーB」、「電子マネーC」の3つの電子マネーのブランドのそれぞれに対応するブランド選択ボタンBT2(BT2-1、BT2-3、BT2-2)が配置されている。このようなブランド選択画面は、店舗STが、「電子マネーA」、「電子マネーB」、「電子マネーC」の各電子マネーのブランドと契約しており、決済端末30は、これら3つの電子マネーのブランドに対応した決済が可能であることを示している。店員は、客が支払いに使用する電子マネーのブランドに対応するブランド選択ボタンBT2を操作する。決済端末30は、決済処理対象の電子マネーのブランドとして、操作されたブランド選択ボタンBT2が対応するブランドを選択し、決済代行サーバ40と通信を行って、選択されたブランドの電子マネーに応じた決済処理を実行する。この際、決済端末30は、例えば選択されたブランドの電子マネーカード、または選択されたブランドの電子マネーカードとして機能するスマートフォン等の端末と通信を行い、決済処理を実行することができる。
【0089】
ただし、同図のブランド選択画面においては、ブランド選択ボタンBT2のうち、上から2つ目までのブランド選択ボタンBT2-1、BT-3については、操作が可能なアクティブ状態となっている。一方、ブランド選択ボタンBT2のうちで最も下に配置されるブランド選択ボタンBT2-2については、例えばグレーアウトにより操作が不可の状態となっており、「通信障害」とのメッセージが表示されている。これは、決済端末30が決済処理に対応可能な電子マネーのブランドのうち「電子マネー003」については、現在、通信障害が発生していることにより決済処理が不可であることを示す。
また、電子マネーのいずれのブランドにも障害が発生していない場合、ブランド選択画面においては、上から下にかけて、ブランド選択ボタンBT2-1、BT2-2、BT2-3の順で配置される。つまり、ブランド選択ボタンBT2は、上から下にかけて「電子マネーA」、「電子マネーB」、「電子マネーC」の順で配置される。
しかしながら、この場合のように、「電子マネーB」が決済不可ブランドとなっている状況では、「電子マネーB」に対応するブランド選択ボタンBT2-2が最も下側に位置するようにして、ブランド選択ボタンBT2の配置が変更される。このように配置が変更されることで、操作が可能なブランド選択ボタンBT2が上側にまとまって配置されることから、ブランド選択の操作を行いやすい。
【0090】
<第4実施形態>
続いて、第4実施形態について説明する。本実施形態の決済システムは、第3実施形態と同様に、決済端末30により、クレジットカードだけではなく、他の所定の非現金決済種別に対応する決済も可能なように構成される。これに伴い、本実施形態の決済システムでは、決済端末30が決済可能な非現金決済種別を対象として障害発生通知を行うことが可能なようにされる。
そのうえで、本実施形態の決済システムは、第2実施形態と同様に、POS端末20にて障害発生報知を行うようにされた構成である。
【0091】
本実施形態の決済システムにおいては、決済端末30から、店舗STが契約した非現金決済種別ごとにおけるブランド単位で決済不可ブランドを示す利用停止情報がPOS端末20に送信される。POS端末20は、受信された利用停止情報に基づいて、障害発生報知を行う。
【0092】
本実施形態における障害発生報知は、POS端末20の店員側表示部210にて表示されるブランド選択画面にて行われてよい。ブランド選択画面は、POS端末20が例えば一取引に応じた小計が行われたことに応じて精算に移行するにあたり、客が非現金決済を行う場合に、店員の操作に応じて表示される。
【0093】
図12は、ブランド選択画面の一例を示している。同図のブランド選択画面においては、クレジットカード、電子マネー、コード決済の非現金決済種別ごとのブランドに対応付けられたブランド選択ボタンBT3(BT3-1、BT3-2、BT3-3、BT3-4、BT3-11、BT3-12、BT3-21、BT3-22)が配置されている。
ブランド選択ボタンBT3-1、BT3-2、BT3-3、BT3-4は、それぞれ、クレジットカードの非現金決済種別に属するクレジットカードA、クレジットカードB、クレジットカードC、クレジットカードDのブランドに対応する。
ブランド選択ボタンBT3-11、BT3-12は、それぞれ、電子マネーの非現金決済種別に属する電子マネーA、電子マネーCのブランドに対応する。
ブランド選択ボタンBT3-21、BT3-22は、それぞれ、電子マネーの非現金決済種別に属するコード決済D、コード決済Fのブランドに対応する。
店員は、客が使用する非現金決済種別とそのブランドとに対応するブランド選択ボタンBT3を操作することで、今回の決済に使用する非現金決済種別とそのブランドとを選択する。
POS端末20は、選択された非現金決済種別、ブランドを指定して、決済端末30に決済処理を指示する。決済端末30は、指定された非現金決済種別、ブランドに応じた決済処理を実行する。
【0094】
<変形例>
以下、本実施形態の変形例について説明する。
【0095】
[第1変形例]
上記各実施形態においては、障害発生に応じて障害発生エリアと決済不可ブランドとを特定するようにされている。
本変形例としては、障害発生に応じて決済不可ブランドについて特定するが、障害発生エリアについては特定しないようにされる。本変形例では、決済代行サーバ40は、
図8または
図10の処理のもとでステップS103の処理を省略してよい。この場合、ステップS105による利用停止情報の送信先となる決済端末30と、ステップS107あるいはステップS111による利用停止解除通知の送信先となる決済端末30は、それぞれ、決済端末管理情報により管理される全ての決済端末30に送信するようにしてよい。また、この場合において利用停止情報が示す決済不可ブランドは、障害発生エリア全体に対応して決済不可となったブランドが全て含まれる。
本変形例の場合、決済代行サーバ40は、決済端末管理情報により管理される全ての決済端末30に、同じ決済不可ブランドを示す利用停止情報を送信してよい。
【0096】
[第2変形例]
本変形例としては、第1変形例とは反対に、障害発生に応じて障害発生エリアについて特定するが、決済不可ブランドについては特定しないようにされる。本変形例では、決済代行サーバ40は、
図8または
図10の処理のもとでステップS104の処理を省略してよい。この場合、決済代行サーバ40は、ステップS105において、障害発生エリアに含まれる店舗STの決済端末30に対して、決済不可ブランドの特定結果が反映されない利用停止情報を送信する。このような利用停止情報を受信した決済端末30は、ステップS202にて例えば全ての契約ブランドのブランド選択操作が不可となるように設定してよい。
【0097】
[第3変形例]
上記各実施形態においては、障害の発生したことが判定されたことに応じて、すぐさま障害発生エリアと決済不可ブランドとを特定するようにされている。
これに対して、本変形例では、決済代行サーバ40は、障害の発生したことが判定された段階では、まず、障害発生エリアブランドと決済不可ブランドとのいずれを特定することもせずに、決済端末管理情報により管理される全ての決済端末30を対象に利用停止情報(一次利用停止情報)を送信するようにされる。一次利用停止情報を受信した決済端末30は、契約ブランドの全てについて選択操作を不可に設定する。
一次利用停止情報の送信の後、決済代行サーバ40は、障害情報を収集しながら、障害状況を監視し、障害状況の変化に応じて特定される障害発生エリアと決済不可ブランド(第1変形例、第2変形例に応じて障害発生エリアと決済不可ブランドとのいずれかが特定されてもよい)とに基づいて、利用停止情報(二次利用停止情報)、利用停止解除通知を送信するようにされてよい。二次利用停止情報には、特定された決済不可ブランドの利用停止を指示する内容を有する。
例えば、障害の発生の状況や原因によっては、決済代行サーバ40による障害発生エリアの特定や決済不可ブランドの特定に時間を要するような場合がある。本変形例の構成によれば、障害の発生に応じて、まずは決済代行サーバ40の管理下の決済端末30のそれぞれが、契約ブランドの全てについてクレジットカード決済が不可となるように設定され、併せて障害発生報知も行われる。つまり、本変形例のもとでは、まずは障害が発生していることを店舗ST側に迅速に伝えることができる。
そして、その後においては、障害が徐々に復旧されていくごとに、決済端末30のそれぞれについて、クレジットカード決済が不可であった契約ブランドがクレジットカード決済可能な状態に復帰していくようにすることができる。
【0098】
[第4変形例]
上記各実施形態では、非現金決済としてクレジットカードが利用され、決済端末30がクレジットカード決済に対応する場合を例に挙げた。しかしながら、決済端末30が対応可能な非現金決済としては、電子マネーカード、ポイントカード、交通系カードを利用した決済であってもよい。
【0099】
[第5変形例]
なお、障害発生状況に応じた利用停止情報や利用停止解除通知の送信等を行う装置は、決済代行サーバ40以外であって、決済端末30と通信可能に接続された他のサーバ等の装置が行うようにされてよい。また、障害発生状況に応じた利用停止情報や利用停止解除通知の送信等は、例えばネットワーク上で分散された複数の装置が協働して行うようにされてよい。
【0100】
[第6変形例]
上記各実施形態においては、決済端末30に対してPOS端末20と決済代行サーバ40とが接続され、POS端末20自体は決済代行サーバ40と通信行わない、内回り方式と呼ばれる決済システムの構成を例に挙げた。内回り方式の決済システムは、POS端末20がクレジットカード等の非現金決済カードの情報を保持することがないため、非現金決済カードの情報のセキュリティを容易に確保できる。
これに対して、POS端末に対して決済端末と決済代行サーバとが接続されることで、決済端末にて読み取られた非現金決済カードの情報を、POS端末から決済代行サーバに送信するようにされた、外回り方式と呼ばれる決済システムの構成も知られている。本実施形態の障害発生報知に関する構成は、外回り方式の決済システムにも適用されてよい。この場合には、まず、POS端末が、決済代行サーバから送信された利用停止情報に基づいて、障害発生報知を行うことができる。さらに、POS端末から決済端末に利用停止情報が送信(転送)されることで、決済端末が障害発生報知を行うことができる。
【0101】
[第7変形例]
上記各実施形態においては、非現金決済のブランドを店員の操作に応じて行う場合を例に挙げた。しかしながら、例えば決済端末30が、客の使用する非現金決済のカード(カード機能を有するスマートフォンなどの端末でもよい)から読み取った情報に基づいて、非現金決済種別、ブランドを認識し、決済処理を実行するようにされてもよい。
この場合の障害発生報知としては、例えば店舗STにて対応可能な非現金決済種別、ブランド等のリストを提示したうえで、決済不可ブランドのリスト項目について、決済不可の状態であることを示すことを所定の態様で表示するようにしてよい。あるいは、決済不可ブランドのリスト項目やアイコンを表示して報知するようにされてもよい。
【0102】
[第8変形例]
決済端末30、POS端末20は、音声による障害発生報知を行ってもよい。この場合、決済端末30、POS端末20は、音声と表示とによる障害発生報知を併行して行ってよい。
【0103】
<実施形態の総括>
(1)以上説明したように、本実施形態の一態様は、非現金決済ブランドに対応する非現金決済(例えば、クレジットカード決済)を、決済処理装置(例えば、決済代行サーバ40)との通信を介して実行可能な決済手段と、非現金決済の可否に関する決済可否情報(例えば、利用停止情報、利用停止解除通知)を受信する受信手段と、前記受信手段により前記決済可否情報が受信されたことに応じて、前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否を制御する制御手段(ステップS202、S205)と、前記非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否に関するブランド対応決済可否情報を出力する出力手段とを備える決済端末装置(例えば、決済端末30)である。
【0104】
上記構成によれば、決済システムにおいて障害が発生したことに応じて決済端末30が決済可否情報を受信することができる。決済端末30は、決済可否情報の受信に応じて、非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否を制御し、ブランドに対応した非現金決済の実行可否に関する情報を出力するようにされる。
これにより、例えば店舗STの店員は、決済システムにおいて障害が発生したことに応じて出力される非現金決済の実行可否に関する情報を確認することで、ブランド単位で非現金決済が行えなくなっていることを把握できる。これにより、クレジットカード決済等に対応する決済システムにおいて障害が発生した場合における現場の混乱を抑えることができる。
【0105】
例えば決済代行会社の決済代行サーバ40が、アクワイアラサーバ50やイシュアサーバ80それぞれとの通信状態を監視し、決済可否情報を決済端末に送信することで、店舗STにて対応を図ることができるため、障害発生による店舗STでの決済処理の停滞を事前に回避できる。また、例えば決済代行会社やコールセンター等が、店舗等から報告される障害に関する情報に基づいて障害発生を判断し、利用が不可となった非現金決済ブランドや非現金決済の利用が不可となった地域に関する情報を通知する決済可否情報を決済端末に通知することで、店舗STにて、店員等が事前に顧客へアナウンスするなどの適切な対応をとることができる。
【0106】
(2)本実施形態の一態様は、(1)に記載の決済端末装置であって、前記制御手段は、非現金決済の実行が不可の非現金決済ブランドを、非現金決済に利用する非現金決済ブランドとして選択することが不可なように制御する。
【0107】
上記構成によれば、障害発生に伴ってクレジットカード決済が不可となったブランドについては、クレジットカード決済に利用するブランドとして選択する操作が受け付けられないようにすることができる。これにより、店舗では、クレジットカード決済が不可の状態のブランドが、クレジットカード決済に用いるブランドとして選択されることがなくなることから、現場の混乱を有効に抑えることができる。
【0108】
(3)本実施形態の一態様は、(1)または(2)に記載の決済端末装置であって、前記出力手段は、決済対象とされる取引に対応する商品販売データ処理を実行する商品販売データ処理装置(例えば、POS端末20)に前記ブランド対応決済可否情報を出力する。
【0109】
上記構成によれば、POS端末20が、ブランド対応決済可否情報に基づいて障害発生報知を行うことが可能となる。
【0110】
(4)本実施形態の一態様は、(1)から(3)のいずれか1つに記載の決済端末装置であって、前記出力手段は、非現金決済に用いる非現金決済ブランドの選択のための画面において、ブランド対応決済可否情報の内容が反映された表示が行われるようにする。
【0111】
上記構成によれば、非現金決済ブランドを選択する操作が行われる画面において、決済不可ブランドを示す表示が行われることから、決済不可ブランドについては店員が選択しない、あるいは選択できないようにして、非現金決済ブランドの選択に関する操作性を向上させることができる。
【0112】
(5)本実施形態の一態様は、非現金決済を決済処理装置との通信を介して実行可能とされ店舗ごとに設置される決済端末装置(例えば、決済端末30)と、前記決済端末装置のそれぞれを管理する管理装置(例えば、決済代行サーバ40)とを備え、前記管理装置は、非現金決済の可否に関する決済可否情報を前記決済端末装置に送信する送信手段を備え、前記決済端末装置は、前記決済可否情報の受信に応じて、非現金決済の実行の可否を制御する制御手段を備える決済システムである。
【0113】
上記構成によれば、決済システムにおける障害の発生に応じて、決済端末30にて非現金決済の実行の可否についての制御が行われる。この場合、店員は、例えば決済端末30にて非現金決済の実行が停止(禁止)されたことにより、障害が発生していることを把握できる。これにより、クレジットカード決済等に対応する決済システムにおいて障害が発生した場合における現場の混乱を抑えることができる。
【0114】
(6)本実施形態の一態様は、(4)に記載の決済システムであって、前記管理装置は、前記店舗ごとに設置される決済端末装置のうちから、所定の条件に適合する決済端末を特定する特定手段を備え、前記送信手段は、前記特定手段により特定された決済端末装置に決済可否情報を送信する。
【0115】
上記構成によれば、例えば障害発生エリア内の店舗STに導入された決済端末30である、との条件に適合する決済端末30に限定して決済可否情報を送信することができる。これにより、障害が発生していない地域の店舗STでは障害発生報知が行われないようにすることができる。
【0116】
(7)本実施形態の一態様は、非現金決済に用いる非現金決済ブランドの利用を選択可能に表示する表示制御手段と、決済代行サーバから送信された、非現金決済ブランドに対応する非現金決済の実行可否に関するブランド対応決済可否情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信されたブランド対応決済可否情報に基づいて、非現金決済が不可の非現金決済ブランドについての報知を行う商品販売データ処理装置(例えば、POS端末)である。
【0117】
上記構成によれば、外回り方式の決済システムのPOS端末にて決済不可ブランドについての報知を行うことが可能になる。
【0118】
なお、上述のPOS端末20、決済端末30、決済代行サーバ40等としての機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより上述のPOS端末20、決済端末30、決済代行サーバ40等としての処理を行ってもよい。ここで、「記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行する」とは、コンピュータシステムにプログラムをインストールすることを含む。ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、インターネットやWAN、LAN、専用回線等の通信回線を含むネットワークを介して接続された複数のコンピュータ装置を含んでもよい。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。このように、プログラムを記憶した記録媒体は、CD-ROM等の非一過性の記録媒体であってもよい。また、記録媒体には、当該プログラムを配信するために配信サーバからアクセス可能な内部または外部に設けられた記録媒体も含まれる。配信サーバの記録媒体に記憶されるプログラムのコードは、端末装置で実行可能な形式のプログラムのコードと異なるものでもよい。すなわち、配信サーバからダウンロードされて端末装置で実行可能な形でインストールができるものであれば、配信サーバで記憶される形式は問わない。なお、プログラムを複数に分割し、それぞれ異なるタイミングでダウンロードした後に端末装置で合体される構成や、分割されたプログラムのそれぞれを配信する配信サーバが異なっていてもよい。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、ネットワークを介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0119】
20 POS端末、30 決済端末、40 決済代行サーバ、50 アクワイアラサーバ、60 コールセンター端末、70 通信事業者端末、80 イシュアサーバ、201 CPU、202 ROM、203 RAM、204 ハードディスク、205 客側表示部、206 客側スキャナ部、208 カードリーダ、209 釣銭機、210 店員側表示部、211 キー操作部、212 店員側スキャナ部、213 印刷部、214 音声出力部、215 通信部、301 POS対応通信部、302 サーバ対応通信部、303 カードリーダ、304 タッチパネル表示部、304 タッチパネル表示部、305 キー操作部、306 制御部、401 通信部、402 制御部、403 記憶部