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特許7486785商品販売データ処理システム、商品販売データ処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】商品販売データ処理システム、商品販売データ処理装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240513BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240513BHJP
   G01G 19/414 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
G07G1/00 331C
G07G1/01 301E
G01G19/414 F
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020071751
(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公開番号】P2021168074
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100145481
【弁理士】
【氏名又は名称】平野 昌邦
(72)【発明者】
【氏名】江夏 恵理子
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-074513(JP,A)
【文献】特開2016-038868(JP,A)
【文献】特開2014-178880(JP,A)
【文献】特開2016-048489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品識別情報を取得可能な携帯端末と、商品の重さを計量可能な商品販売データ処理装置とを備える商品販売データ処理システムであって、
前記携帯端末は、
当該携帯端末を所持する店員を識別する店員識別情報を取得する店員識別取得部と、
前記商品識別情報を取得する商品識別取得部と、
記店員識別取得部により取得された前記店員識別情報とともに前記商品識別取得部により取得された前記商品識別情報を前記商品販売データ処理装置に送信する送信部と、
を備え、
前記商品販売データ処理装置は、
前記送信部により送信された前記店員識別情報によって識別される店員が、当該店員識別情報とともに前記送信部により送信された前記商品識別情報によって識別される商品を計量するための画面を表示する表示部と、
店員の操作によって計量された商品を登録する登録部と、
前記送信部により送信された前記店員識別情報によって識別される店員ごとに定められた所定処理を行う処理部と、
を備え
前記表示部は、
前記送信部により送信された夫々の前記店員識別情報によって識別される夫々の店員に対応する夫々の店員ボタンを表示可能であり、
前記店員ボタンの操作によって、一の店員の前記店員識別情報とともに前記送信部により送信された前記商品識別情報によって識別される商品を計量するための一の店員用の画面から、他の店員の前記店員識別情報とともに前記送信部により送信された前記商品識別情報によって識別される商品を計量するための他の店員用の画面に切り替え可能である
ことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項2】
通信可能な複数の前記商品販売データ処理装置
を備え、
一の前記商品販売データ処理装置における前記店員ボタンの操作によって、当該前記商品販売データ処理装置に、当該店員ボタンに対応する店員の前記店員識別情報とともに前記送信部により送信された前記商品識別情報によって識別される商品を計量するための画面を表示可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理システム。
【請求項3】
商品識別情報を取得可能な携帯端末と、商品の重さを計量可能な商品販売データ処理装置とを備える商品販売データ処理システムにおける前記商品販売データ処理装置であって、
前記携帯端末から当該携帯端末を所持する店員を識別する店員識別情報とともに前記商品識別情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記店員識別情報によって識別される店員が、当該店員識別情報とともに前記受信部により受信された前記商品識別情報によって識別される商品を計量するための画面を表示する表示部と、
店員の操作によって計量された商品を登録する登録部と、
前記受信部により受信された前記店員識別情報によって識別される店員ごとに定められた所定処理を行う処理部と、
を備え
前記表示部は、
前記受信部により受信された夫々の前記店員識別情報によって識別される夫々の店員に対応する夫々の店員ボタンを表示可能であり、
前記店員ボタンの操作によって、一の店員の前記店員識別情報とともに前記受信部により受信された前記商品識別情報によって識別される商品を計量するための一の店員用の画面から、他の店員の前記店員識別情報とともに前記受信部により受信された前記商品識別情報によって識別される商品を計量するための他の店員用の画面に切り替え可能である
ることを特徴とする商品販売データ処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理システム、商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ショーケース内に設けられた商品を登録する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうした量り売りをする商品を登録するための技術として、人によるタッチなどの接触を検出可能な検出装置を用いて商品を登録する技術がある。この技術では、商品ごとに検出装置が設けられ、タッチされた検出装置に対応する商品として計量され、商品が登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-206197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記検出装置は比較的高価であることから、上記技術の導入は高コストとなるという問題がある。特に、検出装置は商品ごとに設けられるため、商品数に比例して、コストが増加することから、商品数が多い場合には莫大なコストが必要となる。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、量り売り商品の登録を低コストで実現する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理システムは、商品識別情報を取得可能な携帯端末と、商品の重さを計量可能な商品販売データ処理装置とを備える商品販売データ処理システムであって、前記携帯端末は、当該携帯端末を所持する店員を識別する店員識別情報を取得する店員識別取得部と、前記商品識別情報を取得する商品識別取得部と、前記商品識別取得部により取得された前記商品識別情報と、前記店員識別取得部により取得された前記店員識別情報とを前記商品販売データ処理装置に送信する送信部と、を備え、前記商品販売データ処理装置は、前記送信部により送信された前記商品識別情報が示す商品を登録する登録部と、前記送信部により送信された前記店員識別情報が示す店員ごとに定められた所定処理を行う処理部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】商品販売データ処理システムが適用された店舗の概要例を示す図である。
図2】値札の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る計量装置の実施形態の外観斜視図である。
図4】商品販売データ処理装置の客用表示部側の一例を示す図である。
図5】商品販売データ処理装置の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。
図6】携帯端末の一例を示す図である。
図7】店員用表示操作部に表示される画面を説明するための図である。
図8】登録画面を示す図である。
図9】登録画面を示す図である。
図10】会計画面の一例を示す図である。
図11】表示態様の変更等に関するデータを示す図である。
図12】各種フローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1(A)は、本実施形態の商品販売データ処理システムが適用される店舗の概要を示している。本実施形態で説明する店舗は、一例として不定貫商品と定貫商品を販売している店舗としている。同図に示される陳列ケース内には、商品として種々の食品が陳列されている。陳列ケース上には、商品販売データ処理装置1が設置されている。また、図示していないが、店員は後述する携帯端末を店員の指にセットしている。
【0009】
図1(B)は、本実施形態の商品販売データ処理システム500の構成例を示す図である。商品販売データ処理システム500は、商品販売データ処理装置1と携帯端末200とで構成される。商品販売データ処理装置1と携帯端末200は無線通信を行う。無線通信の例として、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信、近距離無線通信(例えばNFC(Near Field Communication)が挙げられる。
【0010】
図1(B)の例では、1つの商品販売データ処理装置1と2つの携帯端末200が示されているが、これに限るものではない。商品販売データ処理装置1が複数であってもよく、また携帯端末200は1つまたは3つ以上であってもよいが、携帯端末200が同時に2台以上の商品販売データ処理装置1と通信を行うことはない。
【0011】
図2(A)は、店員側から陳列ケースを見た図である。図2(A)に示されるように、店員に向けて、各商品毎、又は商品の種類毎に1対1に対応付けられた値札51が設けられている。図2(B)は、値札51の一例を示す図である。値札51は、表示部514とバーコード515を有する。表示部514には、商品名や単価が示される。図2(B)の場合、商品名はチーズであり、1キログラムあたり0.77ドルであることが示されている。図2(B)の例では、不定貫商品を例にしているが、定貫商品の場合は、1個あたりの金額が表示される。バーコード515は、商品を識別するための商品識別情報である。商品識別情報は、各商品毎、又は商品の種類毎に一意に定められている。
【0012】
図3は、商品販売データ処理装置1の全体斜視図である。本実施の形態の商品販売データ処理装置1は、計量機能を有する計量器3(計量部)と、ラベル印刷装置2とを有する。計量器3とラベル印刷装置2が連結部4を介して接続されている。
【0013】
また、本実施形態のラベル印刷装置2は、ラベル印刷装置2の正面側に計量器3を配置しているが、ラベル印刷装置2は、連結部4との連結方向を変更して、計量器3をラベル印刷装置2の左右の側面側や背面側に配置できる。
【0014】
計量器3は、載置部3aを有し、載置部3aに計量対象物の商品等の物体が載置された場合、例えば、ロードセル等により物体(商品)の重量(質量)を計量する。連結部4は中空の内部に配線等を収容する。載置部3aで計量した計量データは、配線や無線等を介してラベル印刷装置2に伝達する。
【0015】
なお、ラベル印刷装置2及び計量器3で構成する商品販売データ処理装置1は、連結部4を介して一体化しているが、ラベル印刷装置2と計量器3とは、連結部4を介さず別体としても良い。また、計量器3の計量データは、ラベル印刷装置2のタッチ操作可能な店員用表示操作部6に、重さ、価格等とともに表示される。図3では、ラベル印刷装置2の店員用表示操作部6を有する側を前面、その反対側を後面とし、図3の手前側を右側面、図3の奥側を左側面としている。
【0016】
また、ラベル印刷装置2は、店員用表示操作部6の下方にメカニカルキーである操作部8を有する。操作部8は、例えば、計量する上で必要なテンキーや、完了キー(ラベル発行キー)等の役割を果たす。また、店員用表示操作部6は、15インチ表示部に組み替え可能であり、店員用表示操作部6およびラベル印刷装置2及び計量器3を顧客と対面する向きに設置方向を変え、顧客が自ら操作して少なくとも商品を登録するセルフ計量装置として使用してもよい。なお、このような使用方法である場合、商品販売データ処理装置1の客用表示部7を別体の小型表示部とし、この客用表示部7を店員用表示操作部として使用するようにしても良いし、または、店員用表示操作部6を顧客用としてのみ使用し客用表示部7を取り外す方式であってもよい。
【0017】
図4は本発明の一実施形態に係る商品販売データ処理装置1の客用表示部7側の一例を示す図である。図3に示したように、商品販売データ処理装置1のラベル印刷装置2の店員用表示操作部6の表示面と反対側の面に、客用表示部7の表示画面が形成されている。
【0018】
すなわち、商品販売データ処理装置1を操作する店員と顧客が商品販売データ処理装置1を対向する位置で計量を行う場合、客用表示部7は、店員用表示操作部6の表示面と反対側の面に表示画面を向けて、商品を購入する顧客が取引内容を確認できるように表示を行う。客用表示部7は、少なくとも現在商品販売データ処理装置1で取引中の取引情報を表示するが、取引履歴を表示して、顧客が取引全体の内容を確認できるようにしても良い。
【0019】
図5は、商品販売データ処理装置1の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。商品販売データ処理装置1は、制御部111(CPU)、記憶部112、計量器3(計量部)、表示部(店員用表示操作部6)、客用表示部7、操作部8、印字部9、センサ10(検知部)、通信部116等を有する。商品販売データ処理装置1の各構成要素はバスなどの通信線などにより電気的に接続されている。
【0020】
制御部111(CPU)は、例えば、記憶部112に記憶されている制御プログラムを実行することにより、商品販売データ処理装置1の各構成要素を統合的に制御する。また、制御部111は店員用表示操作部6に関する制御を行う。
【0021】
記憶部112は、RAMやROM等の記憶装置により構成され、制御プログラムや、商品に関する商品情報(例えば、商品名、単価など)、印字に関する印字情報、印字フォーマット情報、各種設定情報(データ)などを記憶する。また、記憶部112には、店員を一意に識別する店員識別情報と店員情報(店員の氏名等)とが対応付けられて記憶されている。なお、記憶部112に記憶されているプログラムや各情報(データ)は、通信路を介して通信可能に接続された外部のコンピュータから得られたものであってもよい。
【0022】
計量部(計量器3)は、例えば、ロードセル等を有し、載置部3aに積載された商品等の物体(計量対象物)の質量(重量)を計量し、計量データを制御部111に出力する。
【0023】
表示部(店員用表示操作部6)は、タッチパネルや表示装置等を有する。この店員用表示操作部6は、制御部111の制御により、各種表示を行うように構成されている。また、店員用表示操作部6は、操作者による操作に応じた信号を制御部111に出力する。
【0024】
客用表示部7は、店員用表示操作部6の表示面に対して反対側の面に表示画面を向けて設けられており、制御部111の制御により、商品を購入する顧客が取引内容を確認できるように、所定の表示を行う。
【0025】
操作部8は、店員用表示操作部6の下方に設けられているメカニカルキー等であり、操作者による操作に応じた信号を制御部111に出力する。
【0026】
印字部9は、印字ヘッド、カッタ(不図示)等を有し、制御部111の制御により、筐体に収容されている連続紙(印刷媒体)に、印字ヘッドにより商品情報や計量データ等を印刷し、切断部(カッタ)により連続紙を切断して、ラベル発行口からラベルを発行する。なお、連続紙は、本実施形態では、印字ヘッドとしてのサーマルヘッドの熱で印字可能な感熱紙であるが、例えば、剥離紙(台紙)が無いライナーレスタイプ(台紙レスタイプ)であってもよいし、剥離紙があるライナータイプであってもよい。また、連続紙は、レシート用紙であってもよい。通信部116は、制御部111の制御により、携帯端末200と通信を行う。
【0027】
図6(A)は、携帯端末200の一例を示す図である。携帯端末200は、値札51に設けられたバーコードを読み取る読取部211とスイッチ209とを備える。携帯端末200は、店員の指にセットされる。携帯端末200は、リングスキャナともいわれる。図6(B)は、店員の指にセットされた携帯端末200の態様を示す図である。店員は、図6(B)に示されるように携帯端末200を指にセットし、陳列ケース内の値札に設けられたバーコードを読み取らせる。スイッチ209はオフ状態で長押しされるとオン状態となり、オン状態で長押しされるとオフ状態となる。オフ状態の携帯端末200はバーコードを読み取ることはできない。
【0028】
本実施形態では、携帯端末200として、上述したリングスキャナを例に説明するが、携帯端末200はウェアラブルな端末(リストバンド型、腕時計型、クリップ型、メガネ型など)であってもよい。もっとも、操作性を考慮すると、手や腕に装着可能なものが好ましい。また、例えばスマートフォンは、それ自体では人に装着することは困難であるが、スマートフォン用のホルダーを用いることで、例えば腕などに装着することが可能である。このような他の器具によって装着可能な携帯端末であってもよい。
【0029】
図6(C)は、携帯端末200の電気的な機能ブロックの一例を示す図である。携帯端末200は、スイッチ209、制御部210、読取部211、記憶部212、及び通信部213を有する。携帯端末200の各構成要素はバスなどの通信線により電気的に接続されている。制御部210は、例えば、記憶部212に記憶されている制御プログラムを実行することにより、携帯端末200の各構成要素を統合的に制御する。読取部211は、上述したように、値札に設けられたバーコードを読み取る。読み取られたバーコードにより、制御部210は商品識別情報を取得する。記憶部212には、上記制御プログラムに加え、携帯端末200を指にセットする店員識別情報が記憶される。通信部213は、制御部210の制御により、商品販売データ処理装置1と通信する。
【0030】
この構成により、制御部210は、読み取られたバーコードにより取得された商品識別情報と、記憶部212から取得した店員識別情報を、商品販売データ処理装置1に送信する。これにより、商品販売データ処理装置1は、登録する商品を識別できるだけではなく、登録している店員も識別できる。なお、携帯端末200に記憶された店員識別情報は、書き換え可能である。
【0031】
次に、商品販売データ処理装置1の店員用表示操作部6に表示される画面について説明する。図7は商品販売データ処理装置1の店員用表示操作部6に表示される画面を説明するための図である。
【0032】
店員用表示操作部6は、商品販売データ処理装置1の操作を行う店員等の操作者が操作するためのタッチ操作可能な表示装置付きのタッチパネルである。店員用表示操作部6は、図7に示したように、複数の表示領域を有する。
【0033】
詳述すると、店員用表示操作部6の複数の表示領域は、取引内容を表示する第1表示領域11、登録商品の一覧を表示する第2表示領域21、商品販売データ処理装置1の操作に必要な選択可能な操作ボタンのみを表示する第3表示領域31、商品販売データ処理装置1が検知した店員の店員情報を表示する第4表示領域41などを有する。
【0034】
なお、図示していないが、第2表示領域21にプリセットボタン(商品選択ボタン28)を表示させている場合には、第3表示領域31をソフトキー表示エリアとして、かな入力キーとして、「あ~ん」の各ひらがな文字を選択可能に表示し、「あ」が選択された場合には、「あ」から始まる名称の商品を選択可能にプリセットボタンで表示部に表示させるようにしてもよい。
【0035】
また、アルファベット入力キーとして、A~Zの各文字を選択可能に表示するようにしてもよい。なお、第3表示領域31をソフトキー表示エリアとするのは、第2表示領域21にプリセットボタン(商品選択ボタン28)を表示させるときのみであり、第3表示領域31に顧客が購入する商品の明細情報を表示する場合には、第3表示領域31には決済を行うための決済ボタンを表示させるようにする。
【0036】
第1表示領域11は、風袋の重さを表示する風袋表示部12、計量する商品の総重量を表示する重量表示部13、単位当たりの価格を表示する単位価格表示部14、計量した商品の金額を表示する金額表示部15などを有する。言い換えると、第1表示領域11は、現在、商品販売データ処理装置1で取引している商品の情報を表示する領域である。
【0037】
商品販売データ処理装置1で行う取引内容は、不定貫商品の取引と、定貫商品の取引とがある。なお、第1表示領域11は、商品が不定貫商品である場合には計量された質量やグラム単価等の情報を表示させ、商品が定貫商品である場合には個数や個数単価等の情報が表示されるように表示切り替えの制御がなされる。
【0038】
また、第1表示領域11は、店員用表示操作部6が登録画面に遷移したときに、商品販売データ処理装置1を操作している店員の識別情報を表示する第5表示領域16を有する。図7に示した第1表示領域11には、計量装置のイラストとS(スケール)表示を示す量り売り表示部181、182、メニュー選択用のメニューアイコン、時刻表示部、年月日表示部などを有する。
【0039】
また、図7に示すように、第2表示領域21は、一取引の間に登録された商品の一覧を示す履歴表示領域22と、受信した商品識別情報に対応する商品に関する商品選択ボタン28(商品プリセットボタン)を表示する商品選択ボタン表示領域23とを有する。
【0040】
第2表示領域21の履歴表示領域22は、商品の質量(重量)や数量を表示する重量数量表示部24と、商品の名称を表示する商品表示部25と、商品の金額を表示する金額表示部26とを有する。また、第2表示領域21の金額表示部26の下部には、合計金額表示部27が設けられている。
【0041】
商品販売データ処理装置1を操作する店員が、一取引で登録した商品の一覧を容易に確認できる。また、店員が商品を登録する毎に、商品の一覧は更新(登録した商品を追加)されるので、操作者は商品を登録したことも確認でき、操作性、信頼性等が向上する効果がある。
【0042】
なお、商品販売データ処理装置1に異常発生している場合は、商品の一覧表示よりも優先してエラー内容、エラー番号、または記号、エラー解除方法を表示しても良い。また、操作者の操作によって、操作ガイダンスなどを表示することもできる。なお、載置部に商品が載置されていない状態で、計量器3からの計量データが0未満を示す場合、重量がマイナス出力になる異常なので、制御部は、重量アンダーフロー(UF)などと第2表示領域21に表示してもよい。反対に秤量を上回る重量値の場合は、重量オーバーフロー(OF)などと第2表示領域21に表示してもよい。
【0043】
商品選択ボタン表示領域23は、携帯端末200から送信された商品識別情報に対応する商品の商品選択ボタン28を表示する。商品販売データ処理装置1を操作する店員は、商品選択ボタン表示領域23の商品選択ボタン28を操作して、商品販売データ処理装置1で計量する商品を特定して商品を計量する。なお、店員が複数の値札を読み取らせることで、携帯端末200から複数の商品識別情報を受信した場合には、複数の商品が商品選択ボタン表示領域23に商品選択ボタン28として表示される。
【0044】
商品販売データ処理装置1は、店員により商品選択ボタン28が操作され、載置部3aに商品が載置されると、載置された商品を、商品選択ボタン28に対応する商品として重量を計量して登録する。
【0045】
第3表示領域31は、商品販売データ処理装置1の現在の状態において、商品販売データ処理装置1の操作に必要な選択可能な操作ボタンのみを表示する。言い換えると、第3表示領域31は、現在の商品販売データ処理装置1の操作に不要なボタンを表示しない(非表示とする)。このため、商品販売データ処理装置1を操作する操作者は、商品販売データ処理装置1を直観的に操作できる。
【0046】
図7に示した第3表示領域31は、操作ボタンとしてプリパックボタン320aを表示しているが、モードが異なると決済操作に必要な選択可能な操作ボタンを決済の種類とその数に応じて表示する操作ボタンの数や機能を異ならせ表示を変化させる。プリパックボタン320aは、プリパック商品を作るためのプリパック画面(不図示)に画面を遷移させるためのボタンである。
【0047】
なお、第3表示領域31には、商品計量中や数量入力中などは、当該商品の割引や値引操作を行うボタンが表示され、小計画面では決済選択や小計割引・小計値引のボタンが表示される。当該操作画面で不要なボタンは表示しないので、操作ミスを防止し操作者がボタン選択に迷うこともなくなる。
【0048】
第4表示領域41は、携帯端末200から受信した店員識別情報に対応する店員情報を店員ボタン(後述の図8参照)として表示する。複数の店員識別情を受信した場合、複数の店員ボタンが第4表示領域41に表示される。複数の店員のうち一の店員が商品販売データ処理装置1を操作するとき、その店員は、自己を示す店員ボタンを選択したのち商品販売データ処理装置1を操作することができる。
【0049】
店員ボタンは、商品の登録完了の機能も有している。例えば、商品販売データ処理装置1で顧客が購入する商品が登録され、店員ボタンが操作される毎に、店員ボタンに紐づけられて商品が登録される。
【0050】
これにより、当該商品販売データ処理装置1を操作する店員が他の店員に切り替わったとしても、店員ボタンで現在操作できる店員を切り替えることによって、別の顧客が購入する商品を交互に商品登録することができる。これにより、商品販売データ処理装置1が一台であっても複数顧客の対応を効率良くスムースに且つ容易に行うことが出来るので経済的であり効果的である。
【0051】
また、複数の商品販売データ処理装置1を接続(連鎖接続)し各データを共有できるようにすれば、広い売り場であっても店員と顧客を結び付けることにより、店員は顧客と共に移動し色々な商品を販売することができるという効果も奏する。
【0052】
また、店員用表示操作部6の複数の表示領域である第1表示領域11と第2表示領域21と第3表示領域31と第4表示領域41とは、夫々の領域の表示内容や項目数に応じて、夫々の表示領域の大きさを変化させても良い。例えば、一取引において計量する商品が一商品の場合は、第2表示領域21である履歴表示領域22や商品選択ボタン表示領域23の表示領域を減少させたり、消去したりして、店員用表示操作部6に占める割合を変化させても良い。また、必要に応じて複数の領域をひとつの領域に結合しても良いし、領域を拡大、縮小することで制御しても良い。
【0053】
また、商品選択ボタン表示領域23に表示する商品選択ボタンが多い場合は、第2表示領域21の履歴表示領域22の重量数量表示部24と、商品表示部25と、金額表示部26との表示行数を減らして、履歴表示領域22を縮小して、商品選択ボタン表示領域23を拡大して表示する商品選択ボタン28を増やしても良い。また、商品表示部25を複数ページに分割してもよく、ページ移動のボタンを表示したり、フリックされることで、商品表示部25のページ移動を行うようにしてもよい。
【0054】
このように、商品販売データ処理装置1の店員用表示操作部6は、現在の商品販売データ処理装置1の操作に不要な操作ボタンを表示せず、決済に必要な操作ボタンの表示を決済種別とその数に応じて増加させる場合、表示領域の表示内容や項目数に応じて、第3表示領域31の領域を拡大して必要な操作ボタンを表示する。その一方で、他の表示領域である第1表示領域11と第2表示領域21と第4表示領域41とは、領域を縮小する。または、現在選択されている操作において必要が無い領域(操作しない領域)を非表示で表示させ、現在選択されている操作において必要な領域(操作する領域)を非表示の領域を使い拡大させるようにしてもよい。これにより、オペレータの操作性が良くなるのと操作をスムースに行うことができる。
【0055】
すなわち、店員は、商品販売データ処理装置1の操作を直観的に行うことができ、計量作業が迅速に行うことができる。また、商品販売データ処理装置1の店員用表示操作部6は、現在の商品販売データ処理装置1の操作に使用するボタンのみを表示させる制御がなされる。また、現在の商品販売データ処理装置1の操作に使用しないボタンを表示しない(不要なボタンを非表示)とする方式であってもよい。このため、店員は、商品販売データ処理装置1の操作を直観的に行うことができるため、商品販売データ処理装置1の操作の習熟に要する学習期間を短縮できる。
【0056】
なお、利便性や操作性を高めるために、商品識別情報が1つも受信されていない状況において、比較的多い商品に対応する商品選択ボタンを商品選択ボタン表示領域23に1つ以上表示してもよい。この状態で商品選択ボタンが選択された場合の運用例として、例えば単に秤として商品を計量し、商品情報や計量データを印字したり、または後から店員に選択された商品選択ボタンに対応する商品を紐づけるなどの運用が挙げられる。
【0057】
商品販売データ処理装置1を操作する店員は、商品の計量及び数量を設定すると、確定ボタンを兼ねる店員ボタンを操作して商品の計量及び数量を確定する。例えば、チーズを登録する場合には、チーズに対応する値札に設けられたバーコードを携帯端末200に読み取らせる。これにより、チーズに対応する商品選択ボタン28が表示される。店員は、チーズに対応する商品選択ボタン28を操作し、チーズを載置部3aに載置する。これによりチーズが計量される。その後、店員ボタンを操作することで、計量された量のチーズが登録される。
【0058】
図8は、チーズが登録され、次いでトマトが2個計量された登録画面を示す図である。図8の登録画面では、トマトが2個計量されて、第2表示領域21の履歴表示領域22に表示されている。履歴表示領域22の重量数量表示部24は、選択したトマトの数量2個が表示されている。商品表示部25には、登録した商品の名称であるトマトが表示されている。金額表示部26には、選択されたトマト2個の合計金額が表示されている。合計金額表示部27には、トマトの取引より前に選択されたチーズの金額と、トマト2個の金額の合計金額が算出され、それらが表示される。
【0059】
第4表示領域41には、店員ボタン42が表示されている。店員ボタン42には、当該ボタンに対応している店員情報(図8の場合は店員の氏名である「店員A」)が表示される。このように、商品販売データ処理装置1は、携帯端末200から受信した店員識別情報と対応付けて記憶部112に記憶されている店員情報を表示する。
【0060】
図8の登録画面の第2表示領域21の履歴表示領域22に表示されている商品は、商品の重量数量表示部24や商品表示部25や金額表示部26をクリックやダブルクリック等の操作をすると、商品販売データ処理装置1の操作者は、当該商品をキャンセルすることができる。
【0061】
例えば、図8の登録画面に示されるトマトのキャンセル例について、図9を用いて説明する。トマトをキャンセルするために、商品販売データ処理装置1の操作者が商品の重量数量表示部24や商品表示部25や金額表示部26をタッチやクリックやダブルクリック、ダブルタップ等の操作をすると、図9に示す登録画面のように、トマトに取り消し線30が表示され、当該商品をキャンセルできる。
【0062】
また、取り消し線30を表示する商品の重量数量表示部24や商品表示部25や金額表示部26をタッチやクリックやダブルクリック、ダブルタップ等の操作をすると、キャンセルを取り消すことができる。なお、上述したキャンセル表示は、取り消し線30に限られるものではなく、反転表示やグレー表示、斜線表示などであってもよい。
【0063】
定貫商品をキャンセルする場合には、数量の変更によるキャンセルが可能である。一方、不定貫商品をキャンセルする場合は、重量の変更によるキャンセルはできない。不定貫商品の重量を変更する場合は、登録画面で再度計量作業が必要である。
【0064】
図10は、会計画面の一例を示す図である。図10の会計画面における第3表示領域31には、商品販売データ処理装置1の決済操作に必要な操作ボタン32である操作ボタン32a~32fが表示される。
【0065】
操作ボタン32aは、計量する商品の決済を現金で行うための現金決済ボタンである。操作ボタン32bは、計量する商品の決済をクレジットカードで行うためのクレジットカード決済ボタンである。操作ボタン32cは、当該取引に対する小計割引ボタンである。操作ボタン32dは、当該取引に対する小計値下げボタンである。操作ボタン32eは、会計画面(小計モード)をキャンセルするためのキャンセルボタンである。操作ボタン32fは、小計割引及び値引を取りやめるためのキャンセルボタンである。
【0066】
なお、会計画面の第3表示領域に表示する決済の種類は、現金やクレジットカードに限らず、電子マネーや商品券での決済であってもよい。第2表示領域21に示す履歴表示領域22から、商品をキャンセル操作する場合、店員は、重量数量表示部24や商品表示部25や金額表示部26をタッチやクリックやダブルクリック等の操作を行う。この操作により、商品登録の一覧画面からトマト等の商品の行に取り消し線30等が表示され、当該商品をキャンセルできる。店員は、重量数量表示部24や商品表示部25や金額表示部26をタッチやクリックやダブルクリック等の操作を再び行うと、取り消し線30の表示が消えて、キャンセルを取りやめることができる。
【0067】
店員は、顧客が希望する決済方法が現金の場合は操作ボタン32aを操作する。顧客が希望する決済方法がクレジットカードの場合は操作ボタン32bを操作する。こうして顧客が希望する決済方法による決済が完了することで、取引が終了する。
【0068】
以上説明したように、本実施形態によれば、値札には、店員が指にセットした携帯端末200が読み取り可能なバーコードが設けられていればよく、接触を検出可能な検出装置が不要となるため、量り売り商品の登録を低コストで実現することができる。例えば、検出装置は商品の数に比例してコストが増大するが、本実施形態では携帯端末200のコストのみで、商品の数に比例してコストが増大することはない。
【0069】
携帯端末200に店員識別情報が記憶され、商品販売データ処理装置1に店員識別情報と商品識別情報がセットで送信されるため、商品販売データ処理装置1は、店員識別情報と商品識別情報を紐づけて管理できる。このことは、複数の店員が同時に値札のバーコードを読み取ったとしても、商品販売データ処理装置1は店員ごとに商品を管理することができることを意味する。これにより、複数の店員による作業が可能となるため、商品販売データ処理システムの生産性を向上することができる。
【0070】
本実施形態では、上述したように商品識別情報と店員識別情報とが携帯端末200から送信され、商品販売データ処理装置1はそれらを受信できる。これらの商品識別情報と店員識別情報を用いた商品販売データ処理装置1の実施形態について説明する。
【0071】
まず、商品識別情報の取得元に応じて商品名等の表示態様を異ならせて表示する実施形態について説明する。商品販売データ処理装置1は、携帯端末200が取得した商品識別情報を受信するだけではなく、商品販売データ処理装置1に設けられたプリセットキーによっても商品識別情報を取得できる。さらに、商品販売データ処理装置1自体にバーコードを読み取るスキャナを設けることで、当該スキャナによって商品識別情報を取得することもできる。なお、上記プリセットキーは、携帯端末200から商品識別情報を受信することで表示されるプリセットボタンとは異なる。
【0072】
このように、商品識別情報の取得元が複数想定される場合、商品識別情報の取得元に応じて履歴表示領域22に表示される商品名等の表示態様を変更する。図11(A)は、表示態様の変更例として、商品名のフォントの色を変更する場合の表示色の一例を示す図である。商品識別情報の取得元が携帯端末200の場合は、商品名のフォントの色を青とする。商品識別情報の取得元がスキャナの場合は、商品名のフォントの色を赤とする。商品識別情報の取得元がプリセットキーの場合は、商品名のフォントの色を黒とする。
【0073】
表示態様を変化させることで、店員はひと目で商品識別情報の取得元を認識することができる。図11(A)の例では、商品名のフォントの色を変化させたが、例えば1つの商品が表示されている履歴表示領域22の背景色を変更してもよいし、枠の色を変更してもよいし、フォントを異ならせるようにしてもよい。
【0074】
図11(A)の例では、取得元で表示態様を異ならせるものであったが、店員識別情報に応じて表示態様を異ならせるようにしてもよい。
【0075】
次に、商品識別情報が示す商品と関連する商品とを表示する実施形態について説明する。具体的には、商品識別情報に応じて関連購買を促すためのプロモーションを行う実施形態について説明する。図11(B)は、関連購買データを示す図である。関連購買データは、商品販売データ処理装置1に記憶されたデータであるが、ストアコントローラなど他の装置が記憶しておき、必要に応じて商品販売データ処理装置1が取得可能としてもよい。
【0076】
関連購買データは、商品識別情報が示す商品と関連する商品とを紐づけたデータである。関連購買データは、商品名、分類、おすすめ表示1、おすすめ表示2、値札番号、及び値札電池残量で構成される。商品販売データ処理装置1は、商品識別情報を取得すると、当該商品識別情報に対応する商品名が関連購買データの商品名に存在する場合、おすすめ表示1、2に示される商品を表示する。おすすめ表示1、2というように、複数のおすすめ表示が設けられている理由は、表示する領域に余裕がある場合とそうでない場合に対応するためである。おすすめ表示1が優先的に表示され、さらに領域に余裕がある場合にはおすすめ表示2が表示される。
【0077】
例えば、商品識別情報に対応する商品が鶏むね肉の場合には、まず唐揚げのもとが表示され、スペースに余裕がある場合には、さらに棒棒鶏のもとが表示される。表示される領域は、例えば客用表示部7や、店員用表示操作部6内の第3表示領域31などが挙げられる。客用表示部7に表示される場合には、商品名に加え、商品の写真等を表示してもよい。また、第3表示領域31に表示される場合には、店員が顧客に商品をおすすめする。
【0078】
このようにすることで、関連購買を促すことができるので、店舗の売り上げを向上させることができる。なお、商品識別情報に対応する商品名が関連購買データの商品名に存在する場合には、スキャン音を異なるものとしたり、おすすめ表示があることを示すランプ等を点灯させるようにしてもよい。
【0079】
関連購買データにおける棚札番号は、図2(B)で示した値札51を識別するための情報である。また、値札電池残量は、値札51の電池の残量を示す。このように、値札番号、及び値札電池残量を示すことで、値札の状態等を確認できるので、商品販売データ処理装置1は、関連購買による売り上げ向上だけではなく、店舗の運営を円滑に行うための支援を行うことができる。
【0080】
次に、店員識別情報が示す店員ごとに定められた所定処理を行う実施形態について説明する。以下では、所定処理として、店員ごとに店員用表示操作部6の表示態様等を変化させる処理について説明する。
【0081】
図11(C)は、表示態様データを示す図である。表示態様データは、商品販売データ処理装置1に記憶されたデータであるが、ストアコントローラなど他の装置が記憶しておき、必要に応じて商品販売データ処理装置1が取得可能としてもよい。
【0082】
表示態様データは、店員識別情報、スキャナ音、ボタンの大きさ、プリセットリスト、及び紐付可能携帯端末番号で構成される。スキャナ音とは、バーコードをスキャンしたときに発生する音の種類を示す。本実施形態では、スキャン音として、A、B、C、Dの4種類が設けられている。ボタンの大きさは、プリセットボタンなど、店員用表示操作部6に表示されるボタンの大きさを示す。本実施形態では、ボタンの大きさとして、特大、大、中、小の4種類が設けられている。プリセットリストは、プリセットキーに割り当てられた機能のリストを示す。本実施形態では、プリセットリストとして、リスト1、2、3、4の4種類が設けられている。
【0083】
紐付可能携帯端末番号は、店員識別情報と紐付けることが可能な携帯端末の番号を示す。図11(C)の場合、例えば、店員識別情報が1の店員と携帯端末番号が01、04の携帯端末とを紐付け可能であることが示されている。
【0084】
商品販売データ処理装置1は、店員識別情報を取得すると、当該店員識別情報が表示態様データに存在する場合、スキャナ音、ボタンの大きさ、及びプリセットリストを取得し、それらに従って店員用表示操作部6の表示態様等を変化させる。例えば、店員識別情報が「1」の場合、商品販売データ処理装置1は、スキャナ音の種類をAとし、ボタンの大きさを小とし、リスト1に示される機能が割り当てられたプリセットキーを表示する。
【0085】
このようにすることで、店員に応じて店員用表示操作部6の表示態様等を変化させることができることから、店員の指の大きさや習熟度に応じて表示態様等を柔軟に変化できる。これにより、店員の使い勝手を向上できるため、商品販売データ処理装置1の生産性の向上及び誤操作を抑制することができる。
【0086】
図11(D)は、端末状態データを示す図である。端末状態データは、携帯端末番号ごとに、紐付可能店員識別情報、現在紐付店員識別情報、状態、及び電池残量で構成される。端末状態データは商品販売データ処理装置1に記憶されたデータであるが、ストアコントローラなど他の装置が記憶しておき、必要に応じて商品販売データ処理装置1が取得可能としてもよい。
【0087】
紐付可能店員識別情報は、携帯端末番号に対応する携帯端末と紐付け可能な店員の店員識別情報を示す。現在紐付店員識別情報は、携帯端末番号に対応する携帯端末と、現在紐づけられている店員の店員識別情報を示す。状態は、携帯端末の状態(オン、オフ、充電中)を示す。電池残量は、携帯端末の電池の残量を示す。例えば、図11(D)の場合、携帯端末番号01の携帯端末は、店員識別情報が1、2、3のいずれかの店員と紐付け可能であり、現在は店員識別情報が1の店員と紐付けられており、携帯端末の電源はオンであり、電池残量が80%であることが示されている。
【0088】
商品販売データ処理装置1は、上述した図11(C)で説明した表示態様データと図11(D)で説明した端末状態データのデータ内容を店員用表示操作部6に表示できる。さらに、店員は、商品販売データ処理装置1において、表示態様データ及び端末状態データにおいて、データの追加、削除、更新が可能である。
【0089】
店員は、商品販売データ処理装置1において、例えば表示態様データにおけるスキャナ音、ボタンの大きさ、プリセットリスト、及び紐付可能携帯端末番号を更新したり、店員識別情報が1のデータを削除したり、店員識別情報が6のデータを追加することが可能である。同様に、店員は、商品販売データ処理装置1において、例えば端末状態データにおける紐付可能店員識別情報、及び現在紐付店員識別情報を更新したり、携帯端末番号が01のデータを削除したり、携帯端末番号が05のデータを追加することが可能である。
【0090】
商品販売データ処理装置1が端末状態データのデータ内容を表示することにより、携帯端末の状態だけではなく、携帯端末の状態等を通じて、紐付けられている店員の勤怠状況も店員が確認できるので、効率的に業務を進めることができる。
【0091】
以上説明した実施形態に係る処理をフローチャートを用いて説明する。図12(A)は、携帯端末200の処理を示すフローチャートである。携帯端末200の制御部210は、読取部211がバーコードを読み取ったか否かを判定する(ステップS101)。読取部211がバーコードを読み取った場合には(ステップS101:YES)、制御部210は、記憶部212に記憶されている店員識別情報とバーコードから取得した商品識別情報とを、通信部213により商品販売データ処理装置1に送信する(ステップS102)。制御部210は、スイッチ209が操作され、オフ状態となったか否かを判定する(ステップS103)。オフ状態となった場合には(ステップS103:YES)、制御部210は、処理を終了する。オフ状態となっていない場合には(ステップS103:NO)、制御部210は、ステップS101に戻る。
【0092】
図12(B)は、商品販売データ処理装置1が店員識別情報を取得した場合の処理を示すフローチャートである。商品販売データ処理装置1の制御部111は、店員識別情報を取得する(ステップS201)。制御部111は、取得した店員識別情報が表示態様データに存在するか否かを判定する(ステップS202)。取得した店員識別情報が表示態様データに存在しない場合には(ステップS202:NO)、制御部111は、処理を終了する。取得した店員識別情報が表示態様データに存在する場合には(ステップS202:YES)、制御部111は、スキャナ音、ボタンの大きさ、及びプリセットリストを取得する(ステップS203)。制御部111は、取得したスキャナ音、ボタンの大きさ、及びプリセットリストにそれぞれを変更し(ステップS204)、処理を終了する。
【0093】
図12(C)は、商品販売データ処理装置1が商品識別情報を取得した場合の処理を示すフローチャートである。商品販売データ処理装置1の制御部111は、商品識別情報を取得する(ステップS301)。制御部111は、取得した店員識別情報に対応する商品名が関連購買データに存在するか否かを判定する(ステップS302)。商品名が関連購買データに存在しない場合には(ステップS302:NO)、制御部111は、処理を終了する。商品名が関連購買データに存在する場合には(ステップS302:YES)、制御部111は、おすすめ商品を取得する(ステップS303)。制御部111は、取得したおすすめ商品を表示し(ステップS304)、処理を終了する。
【0094】
以上説明した実施形態では、携帯端末200がバーコードの読み取りと、商品販売データ処理装置1との通信とを行っていたが、これに限るものではない。バーコードを読み取る装置と商品販売データ処理装置1と通信を行う装置とが別の装置であってもよい。この場合、例えば商品販売データ処理装置1と通信を行う装置をリストバンドや手袋型のデバイスとし、バーコードを読み取る装置と上記デバイスとが通信を行う。デバイスに店員識別情報を記憶させておき、デバイスがバーコードを読み取る装置から商品識別情報を受信した場合に、受信した商品識別情報と、デバイスに記憶されている店員識別情報とを商品販売データ処理装置1に送信する。
【0095】
従来より用いられている接触を検出する検出装置と、上記実施形態で説明した値札とが混在する場合、一般的に検出装置にもバーコードが設けられているため、携帯端末200でバーコードを読み取ることで、本実施形態をそのまま適用できる。
【0096】
(変形例1)
上述した実施形態では、携帯端末200がバーコードを読み取るたびに、商品識別情報等が商品販売データ処理装置1に送信される形態であった。これに対し、変形例1では、携帯端末200がバーコードを読み取ると、商品識別情報等を商品販売データ処理装置1に送信せず、携帯端末200の記憶部212に一時的に記憶しておく。また、変形例1において、商品販売データ処理装置1は、端末状態データを参照し、状態がオンとなっている携帯端末200に紐付けられている店員を示す店員ボタン42を第4表示領域41に表示しておく。
【0097】
店員は、客が所望の商品のバーコードをまとめて読み取る。その後、店員は、商品販売データ処理装置1の第4表示領域41に表示されている自己を示す店員ボタンを選択する。これにより、携帯端末200と商品販売データ処理装置1との通信が確立される。携帯端末200は、記憶部212に一時的に記憶しておいた商品識別情報を商品販売データ処理装置1に送信する。商品販売データ処理装置1は、受信した商品識別情報に対応する商品選択ボタン28を表示する。その後、店員は上述した実施形態と同様に、計量、登録、精算等を行う。
【0098】
(変形例2)
変形例1において、商品販売データ処理装置1は、店員ボタン42を表示していたが、店員ボタン42に代えて、携帯端末200が読み取り可能で、携帯端末200と商品販売データ処理装置1とが通信を確立するためのコード(バーコード、2次元コード等)を表示してもよい。店員は、このコードを携帯端末200に読み取らせることで、携帯端末200は、商品販売データ処理装置1との通信を確立する。通信が確立された後は、変形例1と同様に、携帯端末200が、記憶部212に一時的に記憶しておいた商品識別情報を商品販売データ処理装置1に送信する。商品販売データ処理装置1は、受信した商品識別情報に対応する商品選択ボタン28を表示する。その後、店員は上述した実施形態と同様に、計量、登録、精算等を行う。
【0099】
商品販売データ処理装置1は、上述した変形例1、2を含む実施形態での運用を店舗の運営形態等に合わせて変更できるようにしてもよい。
【0100】
以下、実施形態総括を記載する。
[技術分野]
本発明は、商品販売データ処理システム、携帯端末、商品販売データ処理装置、及び、プログラムに関する。
[背景技術]
ショーケース内に設けられた商品を登録する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうした量り売りをする商品を登録するための技術として、人によるタッチなどの接触を検出可能な検出装置を用いて商品を登録する技術がある。この技術では、商品ごとに検出装置が設けられ、タッチされた検出装置に対応する商品として計量され、商品が登録される。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2004-206197号公報
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
上記検出装置は比較的高価であることから、上記技術の導入は高コストとなるという問題がある。特に、検出装置は商品ごとに設けられるため、商品数に比例して、コストが増加することから、商品数が多い場合には莫大なコストが必要となる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、量り売り商品の登録を低コストで実現する技術を提供することにある。
[課題を解決するための手段]
上述した課題を解決するために、本発明の一態様である商品販売データ処理システムは、商品識別情報を取得可能な携帯端末と、商品の重さを計量可能な商品販売データ処理装置とを備える商品販売データ処理システムであって、前記携帯端末は、当該携帯端末を所持する店員を識別する店員識別情報を取得する店員識別取得部と、前記商品識別情報を取得する商品識別取得部と、前記商品識別取得部により取得された前記商品識別情報と、前記店員識別取得部により取得された前記店員識別情報とを前記商品販売データ処理装置に送信する送信部と、を備え、前記商品販売データ処理装置は、前記送信部により送信された前記商品識別情報が示す商品を登録する登録部と、前記送信部により送信された前記店員識別情報が示す店員ごとに定められた所定処理を行う処理部と、を備えることを特徴とする。
上記によれば、量り売り商品の登録を低コストで実現する技術を提供することができる。
上記商品販売データ処理システムにおいて、前記所定処理は、プリセットキーに割り当てられた機能を前記店員ごとに変更する処理であってもよい。
上記によれば、店員の使い勝手を向上できるため、商品販売データ処理装置1の生産性の向上及び誤操作を抑制することができる。
上記商品販売データ処理システムにおいて、前記商品販売データ処理装置は、表示部を備え、前記登録部は、前記携帯端末以外の他の装置が取得した前記商品識別情報が示す商品を登録可能であり、前記表示部は、前記登録部により登録された商品を、前記商品識別情報の取得元に応じて異ならせて表示してもよい。
上記によれば、店員はひと目で商品識別情報の取得元を認識することができる。
上記商品販売データ処理システムにおいて、前記商品販売データ処理装置は、表示部を備え、前記表示部は、取得された前記商品識別情報が示す商品と関連する商品とを表示可能としてもよい。
上記によれば、店舗の売り上げを向上させることができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である携帯端末は、商品識別情報を取得可能な携帯端末と、商品の重さを計量可能な商品販売データ処理装置とを備える商品販売データ処理システムにおける前記携帯端末であって、当該携帯端末を所持する店員を識別する店員識別情報を取得する店員識別取得部と、前記商品識別情報を取得する商品識別取得部と、前記商品識別取得部により取得された前記商品識別情報と、前記店員識別取得部により取得された前記店員識別情報とを前記商品販売データ処理装置に送信する送信部と、を備えることを特徴とする。
上記によれば、量り売り商品の登録を低コストで実現する技術を提供することができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様である商品販売データ処理装置は、商品識別情報を取得可能な携帯端末と、商品の重さを計量可能な商品販売データ処理装置とを備える商品販売データ処理システムにおける前記商品販売データ処理装置であって、前記携帯端末により送信された前記商品識別情報が示す商品を登録する登録部と、前記携帯端末により送信された、前記携帯端末を所持する店員を識別する識別情報が示す店員ごとに定められた所定処理を行う処理部と、を備えることを特徴とする。
上記によれば、量り売り商品の登録を低コストで実現する技術を提供することができる。
上述した課題を解決するために、本発明の他の態様であるプログラムは、商品識別情報を取得可能な携帯端末と、商品の重さを計量可能な商品販売データ処理装置とを備える商品販売データ処理システムにおいて、前記携帯端末を第1のコンピュータとして機能させ、前記商品販売データ処理装置を第2のコンピュータとして機能させるためのプログラムであって、前記第1のコンピュータを、当該携帯端末を所持する店員を識別する店員識別情報を取得する店員識別取得部と、前記商品識別情報を取得する商品識別取得部と、前記商品識別取得部により取得された前記商品識別情報と、前記店員識別取得部により取得された前記店員識別情報とを前記商品販売データ処理装置に送信する送信部として機能させ、前記第2のコンピュータを、前記送信部により送信された前記商品識別情報が示す商品を登録する登録部と、前記送信部により送信された前記店員識別情報が示す店員ごとに定められた所定処理を行う処理部として機能させることを特徴とする。
上記によれば、量り売り商品の登録を低コストで実現する技術を提供することができる。
【0101】
なお、以上に説明した商品販売データ処理装置1、携帯端末200、商品販売データ処理システム500を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0102】
1…商品販売データ処理装置
51…値札
111、210…制御部
200…携帯端末
500…商品販売データ処理システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12