(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ペット用コタツ櫓及びペット用コタツ
(51)【国際特許分類】
A01K 29/00 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
A01K29/00
(21)【出願番号】P 2020092862
(22)【出願日】2020-05-28
【審査請求日】2023-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】516371922
【氏名又は名称】株式会社ペティオ
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 武史
(72)【発明者】
【氏名】奥村 政朋
(72)【発明者】
【氏名】川上 奈緒子
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-216895(JP,A)
【文献】特開2007-330402(JP,A)
【文献】韓国登録実用新案第20-0411030(KR,Y1)
【文献】登録実用新案第3199394(JP,U)
【文献】特開2011-220632(JP,A)
【文献】特開2001-224271(JP,A)
【文献】特開昭63-259330(JP,A)
【文献】特開2016-038182(JP,A)
【文献】特開2005-341900(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0368355(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 29/00
A01K 1/00- 3/00
F24C 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面と他方の面とで異なる温度に設定されるヒータプレートと、
前記ヒータプレートを水平姿勢で晒すように取り付け、前記ヒータプレートの下側に暖房空間を設ける複数本の脚部と、
を備え、
前記ヒータプレートは、互いに重ね合わされる第1のプレート及び第2のプレートを有し、
前記第1のプレートと前記第2のプレートとは、異なる色が施されており、
前記ヒータプレートは、上面に被せられたコタツ布団に熱を伝えることができるとともに、前記暖房空間を暖めることができる、ペット用コタツ櫓。
【請求項2】
前記脚部は、前記ヒータプレートを着脱自在に取り付けている、
請求項1に記載のペット用コタツ櫓。
【請求項3】
前記ヒータプレートと前記脚部の上端部とには、連通孔が形成され、
前記ヒータプレートの連通孔から前記脚部の連通孔に挿入される固定具を備えている、
請求項1又は2に記載のペット用コタツ櫓。
【請求項4】
前記ヒータプレートは、コーナ部を有する多角形状に形成され、
前記脚部は、前記ヒータプレートのコーナ部を嵌め込む凹嵌部と、当該凹嵌部の外縁の一部から部分的に突出し、前記ヒータプレートのコーナ部の側面に宛がわれる角枠部と、を備えている、
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載のペット用コタツ櫓。
【請求項5】
前記脚部は、起立姿勢の脚本体と、当該脚本体の上端面と前記ヒータプレートとの間で着脱可能に挟まれるジョイント部と、を備えている、
請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載のペット用コタツ櫓。
【請求項6】
前記脚部は、下端部に形成された窪み部と、当該窪み部に嵌め込まれた滑り止め部材と、を備えている、
請求項1乃至
5のうちいずれか1項に記載のペット用コタツ櫓。
【請求項7】
請求項1乃至
6のうちいずれか1項に記載のペット用コタツ櫓と、
前記ヒータプレートに被さり、前記暖房空間を覆う
前記コタツ布団と、
を備えているペット用コタツ。
【請求項8】
前記コタツ布団は、前記ヒータプレートを嵌め込む枠状部を備えている、
請求項
7に記載のペット用コタツ。
【請求項9】
前記コタツ布団は、前記脚部に巻き付く留め具を裏面に備えている、
請求項
7又は
8に記載のペット用コタツ。
【請求項10】
前記コタツ布団は、外縁から中心部に向かって入れられる一対以上の切込線と、当該切込線の間に設けられ、前記暖房空間への出入口となる開閉部と、を備えている、
請求項
7乃至
9のうちいずれか1項に記載のペット用コタツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットが入れられる暖房空間を設けたペット用コタツ櫓、及びこのペット用コタツ櫓を覆うコタツ布団を備えたペット用コタツに関する。
【背景技術】
【0002】
冬季などにおいて、室内で飼われている犬や猫などのペットが温かく過ごせるようにするため、コタツ布団を備えた人用コタツがペット用として使用されることがある。人用のコタツは、コタツ布団によって暖房空間を設け、この暖房空間内に赤っぽく光る熱源を備えている。このような人用コタツの暖房空間内に入ったペットは、熱源によって低温やけどや熱中症になる危険性がある。例えば猫は、熱さに鈍感であり、さらに子猫や老猫は、体温調節が難しいことから、この危険性はさらに高まる。また、猫は、暗い空間内を好むため、赤っぽく光る人用コタツの暖房空間内に入りたがらない。そこで、ペット専用のコタツが種々提供されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、櫓状枠体と、ヒータと、コタツ布団(特許文献1では「炬燵布団」)と、を備えたペット用置き炬燵が記載されている。櫓状枠体は、天板と、この天板を支える4本の脚部と、を備えている。ヒータは、伝熱プレートを備えている。伝熱プレートの隅部には、ネジ孔が設けられている。ヒータは、伝熱プレートのネジ孔に通されるネジによって天板の下面(特許文献1では「下部」)に取り付けられる。ヒータは、天板に取り付けられる被覆網部によって覆われる。コタツ布団は、櫓状枠体に掛けられ、内部に暖房空間を形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたペット用置き炬燵は、天板とヒータとが別体であるため、組立作業が面倒なものとなる。また、天板を覆っているコタツ布団の上にペットが乗って温まることがある。しかし、このペット用置き炬燵は、コタツ布団とヒータとの間に天板が介在しているため、暖房空間内を適温にするヒータの熱では、コタツ布団の上面を適温に暖めにくい。
【0006】
本発明は、容易に組み立てることができ、また、上面をも適温に暖めることができるようにしたペット用コタツ櫓及びペット用コタツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るペット用コタツ櫓は、
ヒータプレートと、
前記ヒータプレートを水平姿勢で晒すように取り付け、前記ヒータプレートの下側に暖房空間を設ける複数本の脚部と、
を備えている。
【0008】
前記脚部は、前記ヒータプレートを着脱自在に取り付けられている。
【0009】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓において、
前記ヒータプレートと前記脚部の上端部とには、連通孔が形成され、
前記ヒータプレートの連通孔から前記脚部の連通孔に挿入される固定具を備えている。
【0010】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓において、
前記ヒータプレートは、コーナ部を有する多角形状に形成され、
前記脚部は、前記ヒータプレートのコーナ部を嵌め込む凹嵌部と、当該凹嵌部の外縁の一部から部分的に突出し、前記ヒータプレートのコーナ部の側面に宛がわれる角枠部と、を備えている。
【0011】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓において、
前記脚部は、起立姿勢の脚本体と、当該脚本体の上端面と前記ヒータプレートとの間で着脱可能に挟まれるジョイント部と、を備えている。
【0012】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓において、
前記ヒータプレートは、一方の面と他方の面とで異なる温度に設定される。
【0013】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓において、
前記脚部は、下端部に形成された窪み部と、当該窪み部に嵌め込まれた滑り止め部材と、を備えている。
【0014】
本発明に係るペット用コタツは、
前記本発明に係るいずれかのペット用コタツ櫓と、
前記ヒータプレートに被さり、前記暖房空間を覆うコタツ布団と、
を備えている。
【0015】
前記本発明に係るペット用コタツにおいて、
前記コタツ布団は、前記ヒータプレートを嵌め込む枠状部を備えている。
【0016】
前記本発明に係るペット用コタツにおいて、
前記コタツ布団は、前記脚部に巻き付く留め具を裏面に備えている。
【0017】
前記本発明に係るペット用コタツにおいて、
前記コタツ布団は、外縁から中心部に向かって入れられる一対以上の切込線と、当該切込線の間に設けられ、前記暖房空間への出入口となる開閉部と、を備えている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、容易に組み立てることができ、また、上面をも適温に暖めることができるようにしたペット用コタツ櫓及びペット用コタツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係るペット用コタツ櫓の一実施形態を示す斜視図である。
【
図2】本発明に係るペット用コタツ櫓の一実施形態を示す分解斜視図である。
【
図3】本発明に係るペット用コタツの一実施形態であって、閉扉した状態を示す斜視図である。
【
図4】本発明に係るペット用コタツの一実施形態であって、開扉した状態を示す斜視図である。
【
図5】本発明に係るペット用コタツの一実施形態であって、内部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係るペット用コタツ櫓及びペット用コタツの一実施形態について
図1乃至
図5を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るペット用コタツ櫓の一実施形態を示す斜視図である。
図2は、本発明に係るペット用コタツ櫓の一実施形態を示す分解斜視図である。
図3は、本発明に係るペット用コタツの一実施形態であって、閉扉した状態を示す斜視図である。
図4は、本発明に係るペット用コタツの一実施形態であって、開扉した状態を示す斜視図である。
図5は、本発明に係るペット用コタツの一実施形態であって、内部を示す斜視図である。
【0021】
図1及び
図2に示すように、ペット用コタツ櫓1は、ヒータプレート11と、脚部12と、を備えている。
図3乃至
図5に示すように、ペット用コタツは、ペット用コタツ櫓1と、コタツ布団2と、を備えている。
【0022】
ヒータプレート11は、第1のプレート111、第2のプレート112と、電源コード113と、図示しない電熱線及びサーモスタットと、を備えている。ヒータプレート11は、四隅にコーナ部を有する多角形状(以下、図面に即して長方形状として説明する。)に形成されている。コーナ部は、図示したように角張らず、フィレット状の曲面(いわゆるアール)とされ、あるいは図示しないが角張って形成されるなど種々の形状とされる。
【0023】
第1のプレート111と第2のプレート112とは、同一の長方形状に形成されている。第1のプレート111と第2のプレート112とは、電熱線を挟むように重ね合わされる。電熱線は、第1のプレート111と第2のプレート112との間で間隔を空けて蛇行するように配線される。電熱線と第1のプレート111との間隔が狭く、電熱線と第2のプレート112との間隔が狭くされることで、第1のプレート111が高めの温度となり、第2のプレート112が低めの温度となる。第1のプレート111が濃色に着色され、第2のプレート112が淡色に着色される。第1のプレート111と第2のプレート112がこのように異なる色を施したものとすることにより、外観によって温度差を判断することができる。電熱線は、電源コード113に接続され、通電することで発熱する。電熱線の温度は、サーモスタットによって一定に維持される。第1のプレート111と第2のプレート112の各コーナ部すなわち四か所には、連通孔114が形成されている。
【0024】
ヒータプレート11は、複数本(以下、図面に即して4本として説明する。)の脚部12によって水平姿勢で晒されるように支えられる。すなわち、ヒータプレート11は、上面が天板によって覆われない。ヒータプレート11の下側で4本の脚部12によって囲まれた領域には、暖房空間3が設けられる。各脚部12は、脚本体121と、ジョイント部122と、を備えている。
【0025】
脚本体121は、鉛直姿勢又は傾斜姿勢のような起立姿勢でヒータプレート11の四隅からジョイント部122を介して下向きに突出し、着脱できるようにヒータプレート11を取り付ける。脚部12の上端部、具体的にはジョイント部122と脚本体121の上端部には、ヒータプレート11の連通孔114に連続する連通孔122a,121aが形成されている。脚本体121の連通孔121aには、雌ネジが形成されている。
図5に示すように、脚本体121の下端部には、脚キャップ123が嵌められている。脚キャップ123の底面には窪み部(採番せず)が形成されている。この窪み部には、滑り止め部材123aが嵌め込まれている。滑り止め部材123aは、床面の材質に合わせて選択されるが、例えば、面ファスナのフック側であってもよい。
【0026】
脚本体121の上端面とヒータプレート11との間に介在するジョイント部122は、ヒータプレート11の各隅部に着脱可能に配置される。各ジョイント部122は、凹嵌部122bと、角枠部122cと、を備えている。凹嵌部122bは、ヒータプレート11のコーナ部を嵌め込む。凹嵌部122bには、連通孔122aが形成される。角枠部122cは、凹嵌部122bの外縁の一部から部分的に突出し、ヒータプレート11のコーナ部の側面に宛がわれる。長方形状のヒータプレート11では、角枠部122cがL字状に形成される。角枠部122cの内側は、ヒータプレート11のコーナ部に沿うようにフィレット状の曲面(いわゆるアール)に形成されている。角枠部122cの外側もフィレット状の曲面とされることで、被さるコタツ布団2に突き刺さらないようにしている。
【0027】
ペット用コタツ櫓1は、ヒータプレート11の連通孔114からジョイント部122の連通孔122aを貫通し、脚本体121の連通孔121aに挿入される固定具13を備えている。固定具13は、脚本体121の連通孔121aに形成された雌ネジに螺合する雄ネジ(ビス)である。雄ネジのような固定具13によって、ヒータプレート11と脚本体121とジョイント部122とを一体化したペット用コタツ櫓1が組み立てられる。
【0028】
図3及び
図4に示すように、このようなペット用コタツ櫓1を備えるペット用コタツは、ヒータプレート11に被さるコタツ布団2を備えている。コタツ布団2は、保温性を有するように、表裏の生地の間に中綿を詰められている。また、コタツ布団2は、外観を良好にするため、キルティングが施されている。ただし、コタツ布団2は、必ずしもキルティングが施されなくてもよい。このようなコタツ布団2とヒータプレート11とで囲まれた閉鎖空間が暖房空間3とされる。
【0029】
ヒータプレート11は、高めの温度に暖められる第1のプレート111を上側、低めの温度に暖められる第2のプレート112を下側にしてセッティングされると、暖房空間3がやさしいあったか低温で暖められる。濃色の第1のプレート111が上側に見えることで、暖房空間3内が低温で暖められることを見た目で判断することができる。第1のプレート111を下側、第2のプレート112を上側にしてセッティングされると、暖房空間3がしっかりあったか高温で暖められる。淡色の第2のプレート112が上側に見えることで、暖房空間3内が高温で暖められることを見た目で判断することができる。
【0030】
コタツ布団2は、ヒータプレート11に被さる中央天頂部21と、この中央天頂部21の周囲に設けられ、ヒータプレート11から斜め向きに垂れ下がる外周部22と、を備えている。
【0031】
中央天頂部21は、ヒータプレート11の上面に重なる平坦部211と、ヒータプレート11の外周縁を囲む枠状部212と、を備えている。枠状部212は、縫製によって平坦部211の外周縁を下向きに縁取るような一定の幅に設けられる。ヒータプレート11は、この枠状部212内に嵌め込まれるようにセットされる。したがって、コタツ布団2は、枠状部212がヒータプレート11に嵌ることによって位置ずれしない。
【0032】
図5に示すように、枠状部212の角部と外周部22との境界部の裏面には、脚本体121の上端部に巻き付くループ帯やリボンのような留め具23が備えられている。留め具23が脚本体121の上端部に巻き付くことによっても、コタツ布団2は、ヒータプレート11の上面上を位置ずれしないようにすることができる。
【0033】
外周部22は、各脚本体121間で斜め向きに垂れ下がる四つの垂下部221を備えている。少なくとも一つの垂下部221には、暖房空間3への出入口となったり、窓部となったりする開閉部222が設けられている。開閉部222は、垂下部221の外縁から中央天頂部21に向かって入れられる一対以上(図面では一対の2本)の平行な切込線223の間に設けられる。切込線223は、中央天頂部21の手前まで入れられる。開閉部222の上縁と中央天頂部21の枠部との間は、上枠部224とされる。
【0034】
開閉部222は、巻かれて上枠部224へ上げられる。この開閉部222が上げられた状態を維持するように、開閉部222の裏面と上枠部224とには、重なり合う面ファスナのような留め具24が備えられている。面ファスナは、先端側を折り返した鉤状のフック面24aと、ループ状のループ面24bとの2枚一組で使用される。面ファスナのフック面24aが開閉部222の裏面に貼られ、面ファスナのループ面24bが上側部の表面に貼られる。面ファスナのループ面24bが上枠部224の表面に貼られることで、コタツ布団2の表面で、ペットの毛や飼主の衣服などが引っ掛かりにくいようにすることができる。
【0035】
このペット用コタツは、床からの冷えを遮るため、さらに下布団4を備えている。下布団4も、表裏の生地の間に中綿を詰め、キルティングが施される。ただし、下布団4は、必ずしもキルティングが施されなくてもよい。下布団4は、ヒータプレート11と同じ乃至ヒータプレート11よりも大き目の四角形状とされている。下布団4の四隅又は四隅付近にペット用コタツ櫓1の脚本体121が載り、ペット用コタツ櫓1及びコタツ布団2が重しとなり、下布団4が床場を滑りにくいようにされる。特に、脚本体121の下端部に滑り止め部材123aが備えられることで、ペット用コタツ櫓1が下布団4上を滑りにくくされる。
【0036】
このようなペット用コタツによってペットが寒さから守られる。すなわち、コタツ布団2の開閉部222を上げることで、出入口又は窓部を開け、コタツ布団2の外側から暖房空間3内を見えるようにする。開閉部222は、留め具24によって上げられた状態が維持される。一対の切込線223が平行にされると、開けられた開閉部222は出入口となる。一対の切込線223の下端部が合わされると、開けられた開閉部222は窓部となる。ペットは、開閉部222が上げられた出入口から暗い暖房空間3内に入り込む。切込線223の下端部が合わされ、開閉部222が絶妙な隙間を空けた窓部のように設けてもよい。隙間を好むペットは、隙間のような窓部からも暖房空間3内に入り込む。暖房空間3内のペットは、窓部から外を見ることができる。そして、留め具24を外し、開閉部222を下げて開閉部222を閉じる。開閉部222が閉じられると、暖房空間3内は、真っ暗になる。また、暖気が暖房空間3内から漏れ出ないため、暖房空間3内のペットは寒さから守られる。
【0037】
図4に示すように、ペットを暖房空間3内から出すときや、ペットが暖房空間3内から自由に出入りできるようにするときは、上げられた開閉部222を留め具24によって留めておき、出入口を開放しておく。いずれにしても、暖房空間3内のペットは、ヒータプレート11によって温められる。暖房空間3内は、コタツ布団2及び下布団によっても効率的に暖められる。下布団4は、ペット用コタツ櫓1の脚部12に押さえられることで、位置ずれしない。
【0038】
また、ペットは、ヒータプレート11上のコタツ布団2の中央天頂部21上で温まることもできる。ペットがコタツ布団2の中央天頂部21上から下りるときに、コタツ布団2がペットによって蹴られることがある。また、暖房空間3内のペットが出入口から出るときに、コタツ布団2の全体を引っ張ることがある。また、多頭飼いされている場合において、それぞれのペットが切込線223に沿う垂下部221を引っ張ることがある。さらに、ペットがコタツ布団2の斜め目向きに垂れた垂下部221に寝そべることで中央天頂部21を引っ張ることがある。しかし、コタツ布団2は、枠状部212がヒータプレート11に嵌り、また、留め具23が脚部12に巻き付いているため、コタツ布団2はヒータプレート11上を位置ずれすることがない。
【0039】
また、このペット用コタツ櫓1は、脚部12がヒータプレート11を着脱自在に取り付けた。したがって、ペット用コタツを使用するほどに寒くない初冬や晩冬においては、ペット用コタツ櫓1を組み立てず、あるいは分解し、ヒータプレート11をリビングルームの床などに置き、ペットが少しだけ温まることができるようにしてもよい。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら前記実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。また本発明の要旨を逸脱しない範囲内であれば種々の変更や上記実施の形態の組み合わせを施してもよい。
【0041】
前記実施の形態では、ヒータプレート11は、長方形状であるとした。しかし、ヒータプレート11は、正方形状や三角形状、五角形状以上の多角形状であってもよいし、円形や楕円形、その他任意の形状としてもよい。また、脚部12は、4本であるとした。しかし、脚部12は、ヒータプレート11の形状に合わせて3本や5本以上備えてもよい。
【0042】
前記実施の形態では、ヒータプレート11と脚部12とには、連通孔114が形成され、脚部12は脚本体121とジョイント部122とを備え、ジョイント部122には凹嵌部122bと角枠部122cとが形成されるとした。しかし、ヒータプレート11と脚部12とは、蟻溝のような凹凸嵌合によって連結されるようにしてもよい。
【0043】
前記実施の形態では、脚部12は脚本体121とジョイント部122とが別体であるとした。しかし、脚部12は、脚本体121とジョイント部122とを一体化したものとしてもよい。
【0044】
前記実施の形態では、ヒータプレート11は一方の面と他方の面とで異なる温度に設定されるとした。しかし、ヒータプレート11は、両面とも同じ温度としてもよいし、温度を連続的に変えられるようにしてもよい。
【0045】
前記実施の形態では、脚本体121の下端部に窪み部を形成した脚キャップ123が嵌められ、この窪み部に滑り止め部材123aが嵌め込まれるとした。しかし、脚本体121は、脚キャップ123が嵌められず、脚本体121に窪み部を形成し、この窪み部に滑り止め部材123aを嵌め込んでもよい。さらに脚キャップ123又は脚本体121に窪み部が形成されず、滑り止め部材123aが脚キャップ123又は脚本体121の底面に貼り付けてもよい。さらには、脚部12は、滑り止め部材123aを必ずしも備えなくてもよい。
【0046】
前記実施の形態では、ペット用コタツに備えられるコタツ布団2が枠状部212と留め具23を備えるとした。しかし、コタツ布団2は、枠状部212と留め具23のいずれかのみ備えてもよいし、必ずしも両方212,23とも備えなくてもよい。
【0047】
前記実施の形態では、ペット用コタツに備えられるコタツ布団2が垂下部221の1か所に開閉部222を備えるとした。しかし、開閉部222は、垂下部221の2か所以上に備えてもよいし、1か所も備えないようにしてもよい。また、開閉部222は、面ファスナのような留め具24によって上げられた状態を維持するとした。しかし、留め具24は、ボタンやホックなどであってもよい。
【0048】
以上まとめると、本発明が適用されるペット用コタツ櫓1及びペット用コタツは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
【0049】
本発明に係るペット用コタツ櫓1は、
ヒータプレート11と、
前記ヒータプレート11を水平姿勢で晒すように支え、前記ヒータプレート11の下側に暖房空間3を設ける複数本の脚部12と、
を備えている。
【0050】
このペット用コタツ櫓1は、複数本の脚部12によってヒータプレート11が水平姿勢で天板ように支えられることで、ヒータプレート11を天板に固定する作業を解消することができる。そして、ヒータプレート11は、天板を介することなく晒されることで、熱を上面に被せられたコタツ布団2に伝える。したがって、ヒータプレート11に被さっているコタツ布団2に載ったペットは、ヒータプレート11からの熱によって温まることができる。
【0051】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓1において、
前記脚部は、前記ヒータプレート11を着脱自在に取り付けている。
【0052】
このペット用コタツ櫓1は、ヒータプレートが脚部着脱できるように取り付けられているため、ヒータプレートをペット用コタツ櫓から取り外してヒータプレート11単体として使用することができる。
【0053】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓1において、
前記ヒータプレート11と前記脚部12の上端部とには、連通孔114,121a,122aが形成され、
前記ヒータプレート11の連通孔114から前記脚部12の連通孔121a,122aに挿入される固定具13を備えている。
【0054】
このペット用コタツ櫓1は、ヒータプレート11と脚部12とに連通孔114が形成され、この連通孔114,121a,122aに固定具13が挿通されることで、ヒータプレート11と脚部12とが一体化される。したがって、このペット用コタツ櫓1は、ヒータプレート11と脚部12とを容易に強固に組み立てることができる。
【0055】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓1において、
前記ヒータプレート11は、コーナ部を有する多角形状に形成され、
前記脚部12は、前記ヒータプレート11のコーナ部を嵌め込む凹嵌部122bと、当該凹嵌部122bの外縁の一部から部分的に突出し、前記ヒータプレート11のコーナ部の側面に宛がわれる角枠部122cと、を備えている。
【0056】
このペット用コタツ櫓1は、ヒータプレート11のコーナ部が脚部12の凹嵌部122bに嵌め込まれ、角枠部122cに宛がわれることで、ヒータプレート11が脚部12の上面に位置決めされる。
【0057】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓1において、
前記脚部12は、起立姿勢の脚本体121と、当該脚本体121の上端面と前記ヒータプレート11との間で着脱可能に挟まれるジョイント部122と、を備えている。
【0058】
このペット用コタツ櫓1は、脚部12が脚本体121と別体のジョイント部122を備えることで、脚部12がヒータプレート11に連結される部分の形状を加工しやすくすることができる。
【0059】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓1において、
前記ヒータプレート11は、一方の面と他方の面とで異なる温度に設定される。
【0060】
このペット用コタツ櫓1は、ヒータプレート11が一方の面と他方の面とで異なる温度に設定されることで、ペットが好む温度や室温などによって、暖める温度を簡単に変更することができる。
【0061】
前記本発明に係るペット用コタツ櫓1において、
前記脚部12は、下端部に形成された窪み部と、当該窪み部に嵌め込まれた滑り止め部材123aと、を備えている。
【0062】
このペット用コタツ櫓1は、滑り止め部材123aが脚部12に形成された窪み部に嵌め込まれることで、滑り止め部材123aが脚部12から外れにくくなる。この滑り止め部材123aによってペット用コタツ櫓1は、床上を滑りにくくなる。
【0063】
本発明に係るペット用コタツは、
本発明に係るいずれかのペット用コタツ櫓1と、
前記ヒータプレート11に被さり、前記暖房空間3を覆うコタツ布団2と、
を備えている。
【0064】
このペット用コタツは、ペット用コタツのヒータプレート11にコタツ布団2が被さることで、コタツ布団2内で閉鎖された空間に暖房空間3を設けることができる。
【0065】
前記本発明に係るペット用コタツにおいて、
前記コタツ布団2は、前記ヒータプレート11を嵌め込む枠状部212を備えている。
【0066】
このペット用コタツは、コタツ布団2の枠状部212がヒータプレート11を嵌め込むことで、コタツ布団2が引っ張られるなどしても位置ずれしないようにすることができる。
【0067】
前記本発明に係るペット用コタツにおいて、
前記コタツ布団2は、前記脚部12に巻き付く留め具23を裏面に備えている。
【0068】
このペット用コタツは、留め具23が脚部12に巻き付くことにより、コタツ布団2が位置ずれしないようにすることができる。
【0069】
前記本発明に係るペット用コタツにおいて、
前記コタツ布団2は、外縁から中心部に向かって入れられる一対以上の切込223線と、当該切込線223の間に設けられ、前記暖房空間3への出入口となる開閉部222と、を備えている。
【0070】
このペット用コタツは、コタツ布団2が一対以上の切込223線によって設けられる開閉部222を備えることにより、開閉部222を開けたときに、ペットが暖房空間3内に入ったり出たりしやすくすることができる。また、このペット用コタツは、開閉部222を閉じることで、暖房空間3内の暖気が漏れ出ないようにすることができる。
【符号の説明】
【0071】
1・・・・・ペット用コタツ櫓
11・・・・ヒータプレート
114・・・連通孔
12・・・・脚部
121・・・脚本体
121a・・連通孔
122・・・ジョイント部
122a・・連通孔
122b・・凹嵌部
122c・・角枠部
2・・・・・コタツ布団
21・・・・中央天頂部
22・・・・外周部
222・・・開閉部
223・・・切込線
23・・・・留め具
24・・・・留め具
3・・・・・暖房空間
4・・・・・下布団