(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】圧接継手及びこれを用いた給水装置
(51)【国際特許分類】
F16L 19/00 20060101AFI20240513BHJP
E03B 7/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
F16L19/00
E03B7/00
(21)【出願番号】P 2020095962
(22)【出願日】2020-06-02
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000151025
【氏名又は名称】株式会社タブチ
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】加藤 真一
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-139001(JP,A)
【文献】特開2006-125013(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 19/00
E03B 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に水流方向に沿って雌ねじ部が形成された継手本体と、水を供給する通孔を内部に有して、外周面に形成された雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺合して前記継手本体に対して水流方向に移動可能に構成されたスピンドル部と、を備え、
該スピンドル部は、水流方向の一次側に設けられた前記雄ねじ部と、水流方向の二次側に設けられ、前記雄ねじ部を前記雌ねじ部に対して回転操作する操作部と、を備え、該操作部の二次側に接続され、かつ、水道配管機器の接続口に圧着可能に構成される押さえ部を備え、
前記操作部の二次側側面には、二次側へ突出する凸部が設けられ、前記押さえ部の一次側側面には、前記凸部に嵌合する凹部が二次側へ凹むように設けら
れ、
前記押さえ部は、外径側に配置される外壁部と、内径側に配置される内壁部と、該外壁部及び該内壁部を水流方向の一次側で連続するように形成される連続壁部と、を備え、前記外壁部と前記内壁部と前記連続壁部とで前記押さえ部の二次側側面に水流方向二次側へ向けて開放する溝部が形成され、該溝部は、前記水道配管機器の前記接続口に圧着可能なパッキンが収容されるように構成され、前記外壁部には、前記接続口を収納すべく前記溝部よりも水流方向の二次側に突出する外周収納部が設けられ、
前記接続口の外周面に雄ねじ部が形成され、
前記外周収納部の内径が、前記接続口の前記雄ねじ部の外径に対応するように構成され、
前記溝部における外壁部側の直径が、前記接続口の前記雄ねじ部の谷径に対応するように構成されていることを特徴とする圧接継手。
【請求項2】
前記押さえ部の二次側には、前記水道配管機器の接続口に水密に圧接されるパッキンが設けられ、
前記押さえ部は、前記接続口への圧着状態において前記操作部が当接する押さえ部側の当接面を一次側に備え、
該押さえ部側の当接面は、前記パッキンに対して水流方向で一次側に並ぶように配置され、かつ、径方向の幅が前記パッキンの径方向の幅全域に亘るように構成されていることを特徴とする請求項
1に記載の圧接継手。
【請求項3】
水道配管機器が載置される給水装置基台と、
該給水装置基台の一次側の端部に設けられ、前記水道配管機器の一次側の接続口と連結可能な請求項1
又は請求項2の圧接継手と、
前記給水装置基台の二次側の端部に設けられ、前記水道配管機器の二次側の接続口と連結可能な固定継手と、を備えたことを特徴とする給水装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水道メータ等の水道配管機器の取付けや交換を行う際に用いられる圧接継手及び水道配管機器の給水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水道メータの取付けを行うために取付けユニットが用いられる。この取付けユニットは、ベース(基台)の一次側(上流側)に水流方向に移動可能な圧接継手を備え、ベース(基台)の二次側(下流側)に固定継手を備えている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の圧接継手は、ベースに固定されるとともに雌ねじ部が形成された継手本体と、継手本体の雌ねじ部に螺合して水流方向に移動可能なスピンドル部と、スピンドル部の二次側に取付けられた圧着部と、を備えている。
【0004】
スピンドル部は、複数の羽根状突片を周設してなる操作部を備えている。操作部の二次側の端部には、圧着部を内嵌可能な内径を有する円形の凹陥部が形成されている。
【0005】
圧着部の外周面には、パッキン溝が刻設されて装着部が形成されており、圧着部は、このパッキン溝にOリングが装着されるとともに、装着部がスピンドル部の凹陥部に同心状に内嵌された状態で、スピンドル部に対してシールされた状態で組付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の圧接継手では、スピンドル部の円形の凹陥部に、圧着部の装着部が同心状に内嵌されている。しかしながら、圧接継手の設置場所によっては、凹陥部の凹み形状が視認し難い場合があり、圧着部を凹陥部の凹みに同心状に内嵌する作業がし難く、改善の余地があった。因みに、スピンドル部の凹陥部に対して圧着部が斜めに傾いた状態で内嵌されると、Oリングが切れてしまい、シールが不完全になり、止水に障害を与えてしまうなどの不都合が発生する恐れがある。
【0008】
そこで本発明は、取り付け作業が容易な圧接継手およびこれを用いた給水装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の圧接継手は、内周面に水流方向に沿って雌ねじ部が形成された継手本体と、水を供給する通孔を内部に有して、外周面に形成された雄ねじ部が前記雌ねじ部に螺合して前記継手本体に対して水流方向に移動可能に構成されたスピンドル部と、を備え、該スピンドル部は、水流方向の一次側に設けられた前記雄ねじ部と、水流方向の二次側に設けられ、前記雄ねじ部を前記雌ねじ部に対して回転操作する操作部と、を備え、該操作部の二次側に接続され、かつ、水道配管機器の接続口に圧着可能に構成される押さえ部を備え、前記操作部の二次側側面には、二次側へ突出する凸部が設けられ、前記押さえ部の一次側側面には、前記凸部に嵌合する凹部が二次側へ凹むように設けられることを特徴とする。
【0010】
本発明の圧接継手の構成によれば、操作部の二次側側面に備える外側から見え易い凸部に、押さえ部の一次側側面に備えた凹部を容易に嵌合させて操作部に押さえ部を装着することができるので、圧接継手がどのような場所に設置されていたとしても、操作部に押さえ部を容易に取り付けることができる。操作部に押さえ部を取り付けた後は、押さえ部の二次側に水道配管機器の接続口を対向させてから、スピンドル部の操作部を回転操作して雄ねじ部が雌ねじ部に対して回転することでスピンドル部と押さえ部とが一体的に水道配管機器の接続口に向けて移動する。これにより、押さえ部が水道配管機器の接続口に圧着された状態で接続される。
【0011】
また、本発明の圧接継手は、前記押さえ部が、外径側に配置される外壁部と、内径側に配置される内壁部と、該外壁部及び該内壁部を水流方向の一次側で連続するように形成される連続壁部と、を備え、前記外壁部と前記内壁部と前記連続壁部とで前記押さえ部の二次側側面に水流方向二次側へ向けて開放する溝部が形成され、該溝部は、前記水道配管機器の前記接続口に圧着可能なパッキンが収容されるように構成され、前記外壁部には、前記接続口を収納すべく前記溝部よりも水流方向の二次側に突出する外周収納部が設けられていてもよい。
【0012】
上記構成によれば、パッキンが溝部に収容されているので、パッキンが水道配管機器の接続口に位置ずれすることなく確実に圧着されて、水密性が確保される。また、外周収納部によって接続口と押さえ部とがずれてしまうのを防止できる。
【0013】
また、本発明の圧接継手では、前記接続口の外周面に雄ねじ部が形成され、前記外周収納部の内径が、前記接続口の前記雄ねじ部の外径に対応するように構成され、前記溝部における外壁部側の直径が、前記接続口の前記雄ねじ部の谷径に対応するように構成されていてもよい。
【0014】
上記圧接継手の構成によれば、外周収納部の内径が接続口の雄ねじ部の外径に対応するように構成され、溝部における外壁部側の直径が接続口の雄ねじ部の谷径に対応するように構成されることによって、接続口の雄ねじ部をパッキンの外側に位置させることができるから、水道配管機器の接続口にパッキンが当接して圧着されることがあっても、パッキンが損傷しない。
【0015】
また、本発明の圧接継手は、前記押さえ部の二次側には、前記水道配管機器の接続口に水密に圧接されるパッキンが設けられ、前記押さえ部は、前記接続口への圧着状態において前記操作部が当接する押さえ部側の当接面を一次側に備え、該押さえ部側の当接面は、前記パッキンに対して水流方向で一次側に並ぶように配置され、かつ、径方向の幅が前記パッキンの径方向の幅全域に亘るように構成されていてもよい。
【0016】
上記のように、押さえ部側の当接面は、パッキンに対して水流方向で一次側に並ぶように配置され、かつ、径方向の幅がパッキンの径方向の幅全域に亘るように構成されているので、水道配管機器の接続口に水密に圧接されるパッキンの一次側全体に、押さえ部を接続口に圧着するための圧縮力を押さえ部側の当接面を介して作用させることができ、押さえ部と接続口との間を確実に止水することができる。
【0017】
また、本発明は、水道配管機器が載置される給水装置基台と、該給水装置基台の一次側の端部に設けられ、前記水道配管機器の一次側の接続口と連結可能な前記圧接継手と、前記給水装置基台の二次側の端部に設けられ、前記水道配管機器の二次側の接続口と連結可能な固定継手と、を備えたことを特徴とする給水装置であってもよい。
【0018】
圧接継手においては、前述したように、操作部の二次側側面に備える外側から見え易い凸部に、押さえ部の一次側側面に備えた凹部を容易に外嵌させて操作部に押さえ部を装着することができるので、圧接継手がどのような場所に設置されていたとしても、操作部に押さえ部を容易に取り付けることができる。操作部に押さえ部を取り付けた後は、押さえ部の二次側に、給水装置基台の固定継手に二次側の接続口が連結された水道配管機器の一次側の接続口を対向させてから、スピンドル部の操作部を回転操作することでスピンドル部と押さえ部とが水道配管機器の一次側の接続口に一体的に移動する。これにより、押さえ部が水道配管機器の接続口に圧着された状態で接続されて、給水装置を構成する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の圧接継手によれば、操作部の二次側側面に備える外側から見え易い凸部に、押さえ部の一次側側面に備えた凹部を容易に外嵌させて操作部に押さえ部を装着することができるので、取り付け作業が容易な圧接継手およびこれを用いた給水装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第一の実施形態に係る給水装置の一部破断図である。
【
図2】
図1においてIIで囲まれた要部の拡大図である。
【
図5】Oリングの位置を変更した同給水装置の要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態を
図1ないし
図2に基づいて説明する。本発明の圧接継手1は、給水装置2に配置されるものである。したがって、始めに給水装置2の全体構成について説明する。また、本実施形態では、水道配管機器を水道メータMとした例を挙げる。
【0022】
図1に示すように、給水装置2は、給水装置基台(ベース)3と、給水装置基台3の一次側に配置されて、水道メータMに着脱自在とされる圧接継手1と、給水装置基台3の二次側に配置されて、水道メータMを固定する固定継手4とを備えている。
【0023】
給水装置基台3の両端には、台座3a,3aが形成され、台座3a,3aの間に平板状の取付部5が形成されている。そして、給水装置基台3は、台座3a,3aをボルト等の締結具(図示せず)で締結することによって、所定の場所に水道メータMを設置するスペースを確保できる。また、給水装置基台3上には、一次側に受台6Aと、二次側にメータ逆取付防止部6Bとが設けられており、この受台6Aと、メータ逆取付防止部6Bは、給水装置基台3上の圧接継手1の近傍と、固定継手4の近傍とに配置されている。
【0024】
受台6Aは、水道メータMの第一接続口M1(一次側に配置された接続口)と圧接継手1の芯出し、すなわちセンター合わせが可能な高さに設定され、圧接継手1の圧接前に、芯出しした状態で水道メータMの第一接続口M1を仮置きするものである。メータ逆取付防止部6Bは、水道メータMを一次側と二次側の接続口M1,M2を逆向きにして誤って取り付けようとしたときに、第一接続口M1(一次側に配置された接続口)が、固定継手4の高さに合わないように水道メータMを支持するよう構成され、水道メータMが一次側と二次側とが逆向きに取り付けてしまうことを防止するものである。
【0025】
次に、圧接継手1の構成について述べる。圧接継手1は、上述したように、給水装置基台3上の一次側に設けられ、継手本体7とスピンドル部8と押さえ部32(
図3参照)とを備えている。
【0026】
継手本体7は、給水装置基台3の取付部5の一次側に、ボルト9Aを介して固定される一次側脚部10Aを備える。また、継手本体7は略円形の胴体部11を備え、胴体部11は、一次側から二次側へ貫通した内空状に形成されている。胴体部11は雌ねじ部11aを備え、雌ねじ部11aは、二次側寄りの内周面に形成されている。
【0027】
スピンドル部8は、円筒状の本体部13と、本体部13と一体形成され、本体部13を回転操作するための操作部12と、を備える。本体部13は、略円筒形に形成されて水を供給する通孔15を内部に有し、胴体部11内に貫通されている。本体部13は、外周面の二次側寄りに雄ねじ部13aを有する。この雄ねじ部13aは、胴体部11の雌ねじ部11aに螺合される。よって、胴体部11の雌ねじ部11aに、本体部13の雄ねじ部13aを螺合することで、本体部13は、継手本体7に対して水流方向の一次側および二次側に移動可能に構成される。
【0028】
本実施形態では、操作部12は、本体部13の二次側端部に設けられており、本体部13から径外方向に突設されたハンドル14である。このハンドル14は、本体部13を回転させるよう構成されている。ハンドル14は、本体部13の二次側端部の外周に所定間隔を置いて放射状に突出形成された複数のハンドル本体17を備える。
【0029】
各ハンドル本体17は、継手本体7よりも大径に構成されており、このような構成により本体部13を回転させることができる。
【0030】
押さえ部32の一次側部分が、操作部12の二次側部分と接続され、かつ、押さえ部32の二次側部分が、水道メータMの第一接続口M1と圧着して接続される。
【0031】
具体的には、操作部12の二次側側面には、二次側へ突出するリング状の凸部12Tが設けられ、押さえ部32の一次側側面には、凸部12Tに嵌合する(外嵌する)凹部32Aが二次側へ凹むように設けられている。操作部12の凸部12Tに押さえ部32の凹部32Aを外嵌させた時に、操作部12と押さえ部32との間をシールするためのシール材としてのOリングHを操作部12(又は押さえ部32でもよい)に備えている。このように、操作部12の二次側側面に備える外側から見え易い凸部12Tに、押さえ部32の一次側側面に備えた凹部32Aを容易に嵌合させて操作部12に押さえ部32を装着することができるので、圧接継手1がどのような場所に設置されていたとしても、操作部12に押さえ部32を容易に取り付けることができる。また、押さえ部32の一次側側面には、OリングHの幅全域に亘って当接する当接面32Tを備えている。この当接面32Tは、前記凹部32Aの底面であり、この底面は、水流方向と直交する扁平な垂直面から構成されている。
【0032】
また、押さえ部32の二次側には、水道メータMの第一接続口M1に水密に圧接される後述のパッキンP(
図4参照)が設けられ、押さえ部32は、第一接続口M1への圧着状態において操作部12が当接する押さえ部側の当接面32Bを一次側に備え、該押さえ部側の当接面32Bは、パッキンPに対して水流方向で一次側に並ぶように配置され、かつ、径方向の幅がパッキンPの径方向の幅全域に亘るように構成されている。当接面32Bは、前記凹部32Aの底面であり、前記当接面32Tと同一面である。
【0033】
上記のように、押さえ部側の当接面32Bは、パッキンPに対して水流方向で一次側に並ぶように配置され、かつ、径方向の幅がパッキンPの径方向の幅全域に亘るように構成されているので、水道メータMの第一接続口M1に水密に圧接されるパッキンPの一次側全体に、押さえ部32を第一接続口M1に圧着するための圧縮力を押さえ部側の当接面32Bを介して作用させることができ、押さえ部32と第一接続口M1との間を確実に止水することができる。
【0034】
OリングHは、断面形状が円形で正面視において円環状の合成ゴムや合成樹脂等の弾性材から構成され、凸部12Tの二次側の扁平な側面(端面)12Aの径方向略中央部に形成の円環状の溝mに嵌め込まれている。そして、溝mに嵌められたOリングHが、後述するパッキンPに水流方向(圧着方向)において少なくとも一部が重複するように配置されている。このように配置することによって、OリングH及びパッキンPを水流方向から真っ直ぐに圧接することができ、止水を確実に行うことができる。
【0035】
また、押さえ部32は、外径側に配置され水流方向二次側へ延びる外壁部18と、内径側に配置され水流方向二次側へ延びる内壁部19と、外壁部18及び内壁部19を水流方向の一次側で連続するように形成される連続壁部20と、を備えている。これら外壁部18と内壁部19と連続壁部20とで押さえ部32の二次側側面に水流方向二次側へ向けて開放する溝部16が形成され、この溝部16には、第一接続口M1に圧着可能なパッキンPが収容されている。パッキンPが溝部16に収容されているので、パッキンPが水道メータMの第一接続口M1に位置ずれすることなく確実に圧着されて、水密性が確保される。内壁部19の径方向内側端面が、通孔15に連通する供給孔21に形成されている。この供給孔21は、操作部12の凸部12Tの径方向内側端面12Bと面一になっており、水流に損失が発生しないようにしている。外壁部18の一次側端部の外周縁を一次側に突出させることによって、前記凹部32Aを形成している。パッキンPは、合成ゴム製からなり、例えば、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)やニトリルゴム(NBR)等から形成されている。溝部16の底面には、パッキンPの一次側側面に食い込む突起32aを備えている。
【0036】
外壁部18の二次側端面18Aと内壁部19の二次側端面19Aとが、水流方向に直角な面に形成され、それら二つの面が水流方向に直角な方向において面一に形成されている。
【0037】
また、外壁部18には、水道メータMの第一接続口M1を収納すべく溝部16、つまり外壁部18の二次側端面18Aよりも径外位置から水流方向の二次側に突出する外周収納部22が設けられている。外壁部18の二次側端面18Aと外周収納部22とで第一接続口M1を収容する収容空間が形成される。この外周収納部22で第一接続口M1の径方向の位置が規制されることによって、第一接続口M1と押さえ部32とが径方向にずれてしまうのを防止できる。
【0038】
水道メータMの第一接続口M1の外周面に雄ねじ部23が形成され、外周収納部22の内径が、第一接続口M1の雄ねじ部23の外径に対応するように構成され、溝部16の外壁部18側の直径が、第一接続口M1の雄ねじ部23の谷径に対応するように構成されている。このように構成することによって、第一接続口M1の雄ねじ部23をパッキンPの外側に位置させることができるから、水道メータMの第一接続口M1にパッキンPが当接して圧着されることがあっても、パッキンPが損傷しない。
【0039】
継手本体7の一次側には、止水弁24が配置される。止水弁24はエルボ管25を介して圧接継手1の一次側に、予め組付けられている。
【0040】
また、水道メータMには、第一接続口M1に対向する、二次側の第二接続口M2が設けられている。この第二接続口M2は、給水装置基台3の二次側に配置された固定継手4に、着脱自在に構成されている。
【0041】
固定継手4は、給水装置基台3の取付部5の二次側に、ボルト9Bを介して固定された二次側脚部10Bを備える。固定継手4は、逆止弁26を有した逆止弁ユニット27を保持する筒状体28と、逆止弁ユニット27を挿入する収容部29が形成される胴体30とを備えている。また、筒状体28には、水道メータMの第二接続口M2を着脱自在に支持する受部31を備えている。
【0042】
給水装置2は、以上の構成の給水装置基台3、圧接継手1および固定継手4を備えている。上記構成の給水装置2の作用を説明する。給水装置2の給水装置基台3の二次側に、上記構成の固定継手4が配置され、給水装置基台3の一次側に上記構成の圧接継手1が配置されるものとする。
【0043】
水道メータMは、はじめに固定継手4に対して載置される。これについては、水道メータMの第二接続口M2と固定継手4の芯出しが可能なように、第二接続口M2を受部31に仮置きすることで、水道メータMが固定継手4に確実に芯出しされた状態で載置される。
【0044】
次に、水道メータMの第一接続口M1を、圧接継手1に対して配置する。圧接継手1は、操作部12の凸部12Tに押さえ部32の凹部32Aを外嵌して押さえ部32を操作部12に装着した状態にしておく。そして、操作部12を回転させることで、押さえ部32を水道メータMの第一接続口M1よりも一次側に配置しておくことで、水道メータMの第一接続口M1と圧接継手1の芯出しが可能とするよう、第一接続口M1を受台6Aに容易に仮置きすることができる。
【0045】
そして、水道メータMを圧接継手1と固定継手4の間に芯出しして配置した状態で、操作部12のハンドル本体17を回転させ、圧接継手1に芯出しされた第一接続口M1に向けて押さえ部32を移動させる。このとき、操作部12に一体形成された本体部13において雄ねじ部13aが、胴体部11の雌ねじ部11aに螺合することで、押さえ部32が二次側に移動して、第一接続口M1が、押さえ部32の外周収納部22に入り込む。
【0046】
さらにハンドル本体17を回転させることにより、第一接続口M1の端部に溝部16から突出しているパッキンPの当接部分P1(
図2参照)が押し付けられる。この状態で、水道メータMは圧接継手1と固定継手4との間で圧着された状態となる。この状態では、パッキンPを収容している押さえ部32が一次側へ押し戻される反力により、押さえ部32と操作部12との間のOリングHが圧縮力を受けて、押さえ部32と操作部12との間がシールされる。
【0047】
また、水道メータMの第一接続口M1の端部に圧着されるパッキンPの当接部分P1が、溝部16から二次側へ突出している。したがって、第一接続口M1に当接部分P1が圧接した際には、環状である当接部分P1は、軸方向に圧縮され、その分だけわずかに拡径される。そして、当接部分P1の拡径された部分は、外壁部18の二次側端面18Aに倣って吸収される。
【0048】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0049】
上記実施形態では、OリングHを操作部12の凸部12Tの二次側側面に形成した環状の溝mに配置したが、
図5に示すように、操作部12の凸部12Tの外周面に形成した環状の溝m1に配置してもよい。このようにOリングHを配置することによって、押さえ部32が、操作部12に対して傾いた状態になった場合でも、シール性能を良好に維持することが出来る利点がある。
図3において説明しなかった構成は、
図2と同様であるため、同一符号を付すとともに、説明を省略する。
【0050】
上記実施形態では、外壁部18の二次側端面18Aを水流方向に直角な面にしたが、水流方向に交差する傾斜面にしてもよい。
【0051】
上記実施形態の給水装置2は、給水装置基台3と、給水装置基台3の一次側に配置されて、水道メータMに着脱自在とされる圧接継手1と、給水装置基台3の二次側に配置されて、水道メータMを固定する固定継手4とを備えた例を示したが、固定継手4に代えて、上記実施形態と同様の圧接継手1を備えることもできる。
【0052】
上記実施形態では、水道配管機器を水道メータMとした例を挙げたが、例えば水道配管機器としては、水道管であってもよく、この場合では、給水装置基台3が無くてもよい。逆に、給水装置基台3に、圧接継手1を複数並列して、各圧接継手1に、水道配管機器を接続することもできる。
【0053】
上記実施形態では、操作部12の凸部12Tに押さえ部32の凹部32Aを外嵌させて操作部12に押さえ部32を装着したが、操作部12の凸部12Tに押さえ部32の凹部32Aを外嵌させた後、操作部12に押さえ部32をボルト等の締結具により強固に連結させる構成であってもよい。
【符号の説明】
【0054】
1…圧接継手、2…給水装置、3…給水装置基台(ベース)、3a…台座、4…固定継手、5…取付部、6A…受台、6B…メータ逆取付防止部、7…継手本体、8…スピンドル部、9A,9B…ボルト、10A…一次側脚部、10B…二次側脚部、11…胴体部、11a…雌ねじ部、12…操作部、12A…側面(端面)、12B…径方向内側端面、12T…凸部、13…本体部、13a…雄ねじ部、14…ハンドル、15…通孔、16…溝部、17…ハンドル本体、18…外壁部、18A…二次側端面、19…内壁部、19A…二次側端面、20…連続壁部、21…供給孔、22…外周収納部、23…雄ねじ部、24…止水弁、25…エルボ管、26…逆止弁、27…逆止弁ユニット、28…筒状体、29…収容部、30…胴体、31…受部、32…押さえ部、32A…凹部、32B…当接面、32T…当接面、32a…突起、H…Oリング、M…水道メータ、M1…第一接続口、M2…第二接続口、P…パッキン、P1…当接部分、m,m1…溝