(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/109 20230101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q10/109
(21)【出願番号】P 2021158336
(22)【出願日】2021-09-28
【審査請求日】2022-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】521424297
【氏名又は名称】ミチビク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜典
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-352995(JP,A)
【文献】特開2003-255979(JP,A)
【文献】特開2001-309366(JP,A)
【文献】特開2004-151804(JP,A)
【文献】特開2011-061314(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0101703(US,A1)
【文献】特開2009-151454(JP,A)
【文献】特開2002-366719(JP,A)
【文献】特開2017-174388(JP,A)
【文献】特開2002-271498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理方法であって、
プロセッサが、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得することと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記タスクは議事録の確認に関するタスクであり、
前記複数の全ての役員の前記議事録の確認が完了した状況である場合に、前記議事録の署名に関するタスクに進行すること、
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理方法であって、
プロセッサが、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得することと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記タスクは議事録への署名に関するタスクであり、
前記複数の全ての役員の前記議事録への署名が完了した状況である場合に、前記会議体の会議が完了したことを示す情報を表示させること、
を含む、情報処理方法。
【請求項3】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理方法であって、
プロセッサが、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得することと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記複数の役員のタスクに関する状況が、該タスクについての追加的な情報の入力または編集が必要であることを示す状況である場合に、該タスクの前記状況に対応するための表示をさらに行うこと、
を含む、情報処理方法。
【請求項4】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理方法であって、
プロセッサが、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得することと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記タスクに関する作業を行うための画面に、前記複数の役員の各々の、該タスクを含む複数のタスクに関する状況に対応する前記表示態様を前記表示装置に表示させること、
を含む、情報処理方法。
【請求項5】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理プログラムであって、
プロセッサに、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得させることと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記タスクは議事録の確認に関するタスクであり、
前記複数の全ての役員の前記議事録の確認が完了した状況である場合に、前記議事録の署名に関するタスクに進行させること、
を含む、情報処理プログラム。
【請求項6】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理プログラムであって、
プロセッサに、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得させることと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記タスクは議事録への署名に関するタスクであり、
前記複数の全ての役員の前記議事録への署名が完了した状況である場合に、前記会議体の会議が完了したことを示す情報を表示させること、
を含む、情報処理プログラム。
【請求項7】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理プログラムであって、
プロセッサに、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得させることと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記複数の役員のタスクに関する状況が、該タスクについての追加的な情報の入力または編集が必要であることを示す状況である場合に、該タスクの前記状況に対応するための表示をさらに行わせること、
を含む、情報処理プログラム。
【請求項8】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理プログラムであって、
プロセッサに、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得させることと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
前記タスクに関する作業を行うための画面に、前記複数の役員の各々の、該タスクを含む複数のタスクに関する状況に対応する前記表示態様を前記表示装置に表示させること、
を含む、情報処理プログラム。
【請求項9】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置であって、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示部と、
を備え、
前記タスクは議事録の確認に関するタスクであり、
前記表示部は、前記複数の全ての役員の前記議事録の確認が完了した状況である場合に、前記議事録の署名に関するタスクに進行する、
情報処理装置。
【請求項10】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置であって、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示部と、
を備え、
前記タスクは議事録への署名に関するタスクであり、
前記表示部は、前記複数の全ての役員の前記議事録への署名が完了した状況である場合に、前記会議体の会議が完了したことを示す情報を表示させる、
情報処理装置。
【請求項11】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置であって、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示部と、
を備え、
前記表示部は、前記複数の役員のタスクに関する状況が、該タスクについての追加的な情報の入力または編集が必要であることを示す状況である場合に、該タスクの前記状況に対応するための表示をさらに行う、
情報処理装置。
【請求項12】
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置であって、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示部と、
前記表示部は、前記タスクに関する作業を行うための画面に、前記複数の役員の各々の、該タスクを含む複数のタスクに関する状況に対応する前記表示態様を前記表示装置に表示させる、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会社等の組織の活動において、コーポレートガバナンスの適正な運用が求められている。かかるコーポレートガバナンスを担保するための技術として、例えば特許文献1には、監査活動のスケジューリングや適正な手続きをサポートするための技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コーポレートガバナンスの適正な運用を実現するためには、会社の経営に関する重要な会議等の管理をより効率的かつより確実に行うことが求められる。
【0005】
そこで、本開示は、コーポレートガバナンスのより適正な運用を実現することが可能な情報処理方法、情報処理システムおよびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示によれば、会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理方法であって、プロセッサが、前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得することと、取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、を含む、情報処理方法が提供される。
【0007】
また、本開示によれば、会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置であって、前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示制御部と、を備える、情報処理装置が提供される。
【0008】
また、本開示によれば、コンピュータを、会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示制御部と、を備える、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、コーポレートガバナンスのより適正な運用を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。
【
図2】同実施形態に係るサーバ10を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】同実施形態に係るサーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る情報処理システム1における一連の制御に係るフローチャート図である。
【
図5】同実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
【
図6】同実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
【
図7】同実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
【
図8】同実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
【
図9】同実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
【
図10】同実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
【
図11】会議体に係るタスクおよびタスクに関する状況の一例を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
<本開示の概要>
図1は、本開示の一実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図示するように、本実施形態に係る情報処理システム1は、情報処理サーバ10(情報処理装置の一例、以下「サーバ10」と称する)を備え、ユーザー端末20(20A、20B、20C、・・・)と、ユーザー端末30と、ネットワークNWを介して通信可能に接続されている。なお、本構成は一例であり、ある構成が他の構成を兼ね備えていたり、他の構成が含まれていたりしてもよい。
【0013】
本実施形態においてネットワークNWはインターネットを想定しているが、例えばオンプレミスやイントラネット等のネットワークであってもよい。ネットワークNWは、例えば、公衆電話回線網、携帯電話回線網、無線通信網、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0014】
サーバ10は、例えば、企業等の会社の経営に関する会議体の運営および管理を行うためのコンピュータである。かかるサーバ10は、例えば、上記の組織により管理されてもよいし、当該管理サービスを扱う第三者により管理されてもよい。
【0015】
また、例えば、サーバ10は、ワークステーションまたはパーソナルコンピュータのような汎用コンピュータとしてもよいし、或いはクラウドコンピューティングによって論理的に実現されてもよい。
【0016】
ユーザー端末20は、例えば、会社役員(ユーザー)U1(U1A、U1B、U1C、・・・)が会議の管理サービスにアクセスするための端末である。例えば、ユーザー端末20は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等であり得る。
【0017】
ユーザー端末30は、例えば、会社の経営に関する会議体を管理する管理者(ユーザー)U2が会議の管理サービスにアクセスするための端末である。例えば、ユーザー端末30は、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータまたはパーソナルコンピュータ等であり得る。
【0018】
本実施形態に係る情報処理システム1の概要について説明する。例えば役員であるユーザーU1は、ユーザー端末20を介して、サーバ10により提供される会議管理のためのウェブサービスにアクセスし、ユーザーU1が招集されている会議の各タスクの状況を知ることができる。また、会議体の管理者であるユーザーU2は、ユーザー端末30を介して、サーバ10により提供される会議体管理のためのウェブサービスにアクセスし、管理対象である会議の各役員の出席状況や議事録の確認状況等を把握することができる。これらのタスクの状況は、例えば、該ウェブサービスに対する操作により更新されうる。かかるタスクの更新は、該ウェブサービスにおいて自動的にウェブサービスのUI(ユーザーインターフェース)に反映されうる。すなわち、本実施形態に係る情報処理システム1は、会社の経営に関する会議体に関する各役員のタスクの実施状況をユーザー端末20、30に表示することができる。これにより、例えば各役員は、自身の参加する会議において自身がやるべきタスクをひと目で確認することができる。また、例えば、会議の管理者は、各役員のタスクの進捗状況を確認することができる。これにより、経営に関する会議の各役員の状況を容易に把握でき、円滑な会議の運営を行うことができる。
【0019】
なお、本実施形態における「会社の経営に関する会議体」とは、例えば会社に関する所定の法律により設置が課されている会議体を含みうる。かかる所定の法律とは、例えば、会社法である。かかる会議体は、より具体的には、取締役会、監査役会および株主総会を少なくとも含みうる。これらの会議体は、法律により設置が必要であり、会議体の運営を厳格に行う必要がある。すなわち、例えば会議体における決議事項の投票結果の集計、議事録の作成および署名による承認について、各役員による意思表示を明確に記録する必要がある。本実施形態に係る情報処理システム1は、これらの記録を円滑かつ客観的に担保することが可能である。他にも、会議体としては、経営会議や、リスクマネジメント会議、コンプライアンス会議など、会社の経営について高度な決定が必要となる会議体を含みうる。
【0020】
また、本実施形態における「タスク」とは、例えば、議事録の確認や、議事録への署名を含みうる。詳細は後述するが、本実施形態に係るタスクは、上記の会社法等の所定の法律により設置が課されている会議体において必要とされている手続きを含みうる。本実施形態に係る情報処理システム1は、これらのタスクに関する各役員の状況について、容易に把握することができる。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0021】
<ハードウェア構成例>
図2は、本実施形態に係るサーバ10を実現するコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。コンピュータは、少なくとも、制御部11、メモリ12、ストレージ13、通信部14および入出力部15等を備える。これらはバス16を通じて相互に電気的に接続される。
【0022】
制御部11は、サーバ10全体の動作を制御し、各要素間におけるデータの送受信の制御、及びアプリケーションの実行及び認証処理に必要な情報処理等を行う演算装置である。例えば制御部11は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、ストレージ13に格納されメモリ12に展開されたプログラム等を実行して各情報処理を実施する。
【0023】
メモリ12は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性記憶装置で構成される主記憶と、フラッシュメモリまたはHDD(Hard Disc Drive)等の不揮発性記憶装置で構成される補助記憶と、を含む。メモリ12は、制御部11のワークエリア等として使用され、また、サーバ10の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)、及び各種設定情報等を格納する。
【0024】
ストレージ13は、アプリケーション・プログラム等の各種プログラムを格納する。各処理に用いられるデータを格納したデータベースがストレージ13に構築されていてもよい。
【0025】
通信部14は、サーバ10をネットワークに接続する。通信部14は、例えば、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、Wi-Fi(Wireless Fidelity、登録商標)、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)、近距離または非接触通信等の方式で、外部機器と直接またはネットワークアクセスポイントを介して通信する。
【0026】
入出力部15は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0027】
バス16は、上記各要素に共通に接続され、例えば、アドレス信号、データ信号及び各種制御信号を伝達する。
【0028】
本実施形態に係るユーザー端末20、30を実現するコンピュータやスマートフォン等の端末のハードウェア構成は、
図2に示すサーバ10のハードウェア構成例と同様であるため、説明を省略する。
【0029】
<ソフトウェア構成例>
図3は、本実施形態に係るサーバ10のソフトウェア構成例を示す図である。サーバ10は、取得部101、処理部102、表示制御部103、ユーザーDB(データベース)104、および会議DB(データベース)105を備える。取得部101、処理部102および表示制御部103は、制御部11がストレージ13に記憶されているプログラムをメモリ12に読み出して実行することにより実現され得る。また、ユーザーDB104および会議DB105は、メモリ12およびストレージ13が提供する記憶領域の一部として実現され得る。なお、ユーザーDB104および会議DB105は、サーバ10以外の一または複数のサーバが提供する外部の記憶領域の一部として実現されてもよい。
【0030】
取得部101は、会議体への参加を求められている複数の役員の、会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する機能を有する。会議体への参加を求められている複数の役員の情報は、例えば、ユーザーDB104に格納されている。複数の所定のタスクに関する状況に係る情報は、例えば、会議DB105に格納されている。
【0031】
ユーザーDB104は、役員等の会社の組織の構成員等(ユーザー)の情報(ユーザーデータ)を格納し得る。ユーザーDB104に格納されるユーザーデータは、例えば、ユーザーの氏名、役職(例えば取締役、監査役、執行役員等の役員に関する種類や、部長、課長等の職掌)、連絡先、スケジュール等の情報を含みうる。
【0032】
会議DB105は、会社の経営に関する会議体の情報(会議データ)を格納し得る。会議DB105に格納される会議データは、例えば、会議体の種類(取締役会、監査役会、株主総会等)、会議体の招集対象であるユーザー、会議体の各タスクに関する各ユーザーの状況、会議体の決議事項、会議体の議事録等のアドレス等の情報を含みうる。なお、ユーザーDB104および会議DB105に格納されうる情報は、かかる例に限定されない。
【0033】
処理部102は、取得部101が取得したタスクに関する状況に係る情報に基づく処理を行う。例えば、処理部102は、取得部101が取得した各状況に係る情報から、各タスクの各状況に対応する表示態様を決定する処理を行いうる。これにより、後段の表示制御部103により、該表示態様による表示をユーザー端末20、30に制御し得る。また、処理部102によるタスクに関する状況に係る情報に基づく処理など、会議体の管理に関する処理結果は、適宜会議DB105に格納されうる。
【0034】
また、例えば、処理部102は、複数の所定のタスクのうち一のタスクについて、複数の役員のタスクに関する状況の各々が所定の条件を満たした場合に、一のタスクの次のタスクに進行させる処理を行いうる。具体的には、会議体が「議事録の確認」のタスクの状況となっている場合に、関係する役員の議事録の確認の状況が全員「確認済」となっている場合、取得部101がかかる状況に係る情報を取得し得る。この場合、処理部102は、議事録の確認のタスクを完了させ、次の「議事録への署名」のタスクへと進行させる。これにより、役員や管理者等のユーザーは、次のタスクに進行し、次のタスクについて作業を行わないといけないことが把握できる。なお、所定の条件としては、例えば「議事録」や「署名」等のタスクについては、全員が「確認済」となった場合であってもよいし、「出席調整」のタスクについては、出席者の調整が完了した場合であってもよい。所定の条件は、タスクの種類に応じて適宜設定されうる。
【0035】
表示制御部103は、取得した複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、その表示態様を所定のタスクごとに紐付けて表示装置(例えばユーザー端末20、30)に表示させる機能を有する。
【0036】
表示制御部103は、例えば、処理部102による処理の結果得られる表示態様を、各役員およびタスクに紐づけて表示させうる。例えば、表示制御部103は、タスクの期限が迫っている場合に、役員に対して早期にタスクに対応すべき旨の表示態様でユーザー端末20(30)に表示させてもよい。かかる表示制御の例については後述する。
【0037】
図4は、本実施形態に係る情報処理システム1における一連の制御に係るフローチャート図である。まず、ユーザー(役員側のユーザー端末20でも、管理者側のユーザー端末30のいずれであってもよい)が会議体の管理画面を表示させた際に、取得部101は、各タスクにおけるユーザーのタスクに関する状況に係る情報を取得する(ステップSQ101)。
【0038】
次に、処理部102が、取得した上記情報に基づいて表示態様を決定し、表示制御部103が、複数のユーザーのタスクに関する状況に係る情報をリスト化してユーザー端末20、30等に表示する(ステップSQ103)。ここでいう表示態様とは、各タスクに関する状況に対応するアイコンやテキスト等の表示を、役員ごとにリスト化して表示することを意味しうる。
【0039】
次に、本実施形態に係る表示制御部103による表示態様の例について説明する。
【0040】
図5は、本実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
図5に示す例では、ユーザー端末20(30)の表示装置に、会議体の管理のためのサービスの画面1000の一例が表示されている。かかる画面1000は、会議体の名称を示すテキスト1001、会議体の概要を示すテキスト1002、会議体の進捗状況を示す画面1010と会議体に関連する他の画面を表示させるためのボタン1020、1030と、各役員の各タスクに関する状況を表示するための画面1040とにより構成される。画面1010は、例えば、臨時取締役会の開催、招集通知、議事録および署名の各進捗の状況を示す。また、画面1040は、各役員を示すテキスト1041と、各役員(取締役及び監査役)の各タスクにおけるそれぞれの状況を示す表示1042とを含む。かかる表示1042が、表示態様の一例である。なお、画面1000には、例えば、報告事項や決議事項など、会議体に関連するドキュメントや情報等を表示する領域が含まれていてもよい。
【0041】
画面1010では、「開催概要」が強調して表示されている。かかる画面1010は、臨時取締役会の開催の調整中であることを示している。また、画面1040では、各役員が「日程調整」のタスクにおいてどのような状況であるかが表示されている。かかるタスクに関する表示1042の示す状況としては、「OK(提示された日程等でよいこと)」「未確認」「確認中」「調整希望」「欠席」等が挙げられる。このうち、「調整希望」は、該タスクについての追加的な情報の入力または編集が必要であることを示す状況である。この場合、例えば、表示制御部103は、該タスクの状況(調整希望)に対応するための表示をさらに行うよう制御してもよい。具体的には、
図5に示すように、表示制御部103は、「調整希望」のテキストに、臨時取締役会の日程等を調整するための画面へと遷移させるためのリンクを付して表示させてもよい。
【0042】
また、処理部102は、上記の追加的な情報の入力または変更(例えば日程の再調整)が完了した場合に、タスクの確認のための通知に係る情報を生成し、表示制御部103はかかる情報をユーザーに通知してもよい。例えば、ある役員が異なる日程を希望した旨の入力が完了した場合に、表示制御部103は、各役員や管理者のユーザー端末20(30)に、再度日程について確認するような通知の表示を制御し得る。これにより、他の役員等が日程の再度の確認が必要になったことを容易に把握できる。
【0043】
図6は、本実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
図6に示す画面1000では、「日程調整」のタスクについて役員が「OK」または「欠席」のいずれかを示している。これにより、次のタスクに進むための条件を満たしたこととなるので、表示制御部103は、次のタスクである「招集通知」のタスクの各役員の状況を示す表示1043について表示する。また、画面1010では、会議体の進捗として「招集通知」が強調して表示される。招集通知については、各役員への通知の処理が完了すれば、仮に状況が「未開封」であっても、表示制御部103は、次のタスクに関する状況を表示し得る。
【0044】
図7は、本実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
図7に示す画面1000では、「投票」のタスクについて、各役員の状況を示す表示1044が「投票中」または「投票済」のいずれかであることを示している。また、かかる状況を示す表示1044としては、例えば決議事項に対する「提案有」等が含まれていてもよい。この場合、表示制御部103は、他の役員や管理者のユーザー端末20(30)に、提案内容に対応する表示をしてもよい。
【0045】
図8は、本実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
図8に示す画面1000では、「議事録」のタスクについて、各役員の状況を示す表示1045が「未開封」「提案有」「確認中」「確認済」のいずれかであることを示している。状況が「提案有」であれば、表示制御部103は、他の役員や管理者のユーザー端末20(30)に、提案内容に対応する表示をしてもよい。なお、臨時取締役会では、議事録は全員の確認が必要とされている。そのため、処理部102は、タスク「議事録」に対して、各役員の状況が「確認済」となった場合に、議事録の確認が完了したことを示す処理を行い、会議DB105に処理結果を格納し、次のタスクである「署名」に進行させる。
【0046】
なお、処理部102は、例えば、複数の役員ごとの投票の結果に係る情報に基づいて、会議体の議事録に係る情報を生成してもよい。これにより、決議事項に対する投票の結果が、自動的に議事録に反映されうる。なお、議事録に係る情報は、上記の投票の結果に係る情報の他に、決議事項の内容、決議事項に対する提案の内容、会議体の開催概要(例えば日時や場所、出席者の情報)、報告内容、議事録に使用された資料等の情報であってもよい。
【0047】
図9は、本実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
図9に示す画面1000では、「署名」のタスクについて、各役員の状況を示す表示1046が「回覧中」または「署名済」のいずれかであることを示している。臨時取締役会では、全員の署名が必要とされている。そのため、処理部102は、タスク「署名」に対して、各役員の状況が「署名済」となった場合に、臨時取締役会が完了したことを示す処理を行い、会議DB105に処理結果を格納する。表示制御部103は、例えば、ユーザー端末20(30)に、臨時取締役会が完了したことを示す情報の表示を制御してもよい。また、画面1040に表示されるタスクとして、「会議確定」が含まれていてもよい。会議確定は、例えば、全ての役員の署名が完了したあとに表示されるタスクである。かかるタスクにおいては、役員による作業は特段発生しないため、状況を示す表示はなくてもよい。
【0048】
図10は、本実施形態に係る表示制御部103による表示態様の一例を示す図である。
図10に示す画面2000は、
図5~
図9に示した画面1000とは異なり、会議体の各タスクに関する作業を行うための画面である。かかる画面2000は、会議体の名称を示すテキスト2001、議事録のプレビュー画面2010、および各役員の各タスクに関する状況を表示するための画面2020により構成される。画面2020は、例えば、各役員を示すテキスト2021、タスク「議事録」に関する各役員の状況を示す表示2022、タスク「署名」に関する各役員の状況を示す表示2023を含む。かかる状況を示す表示2022、2023が、表示態様の一例である。このように、本実施形態に係る情報処理システム1は、会議体の管理する画面だけではなく、会議体における議事録作成、署名、招集通知等の個々のタスクに関する作業を行うための画面にも、タスクに関する状況を表示してもよい。これにより、タスクの内容を確認しながら、各役員が該タスクについてどのような状況であるかを把握することができる。また、かかるタスクに関する作業を行うための画面に表示される各役員の状況については、該タスクの状況であってもよいし、その他のタスクの状況であってもよい。
【0049】
なお、
図5~
図10に示した表示態様の例に示す各タスクや状況については、あくまでも一例にすぎない。会議体における各役員に課せられるタスクおよび各役員の該タスクに関する状況は、適宜設定することが可能である。また、各タスクの特性に応じて、次のタスクに進むための条件を適宜設定することが可能である。
【0050】
また、本実施形態で示した会議体に係るタスク、およびタスクに関する状況は一例にすぎない。例えば、会議体に係るタスクは、複数の階層やカテゴリからなるタスクに分類されてもよい。また、タスクに関する状況は、各役員による作業の状況を示すものに限られず、例えば、システムのエラー等に関する状況や、該タスクに関する連絡のためのメール等の通信手段の状況等であってもよい。
図11は、会議体に係るタスクおよびタスクに関する状況の一例を示す表である。
図11に示したタスクおよび状況(ステータス)も、あくまでも一例にすぎず、様々なタスクに関して発生しうる状況について、適宜採用することができる。
【0051】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、会議体における各役員のタスクに関する状況を取得し、各役員に紐づけてその状況を表示することができる。これにより、会議体の管理者は、各役員が会議体に対するタスクを一覧的に管理することができ、会議体の運営をより効率的に行うことができる。また、会議体における各役員の意見等を一元的に管理することができるので、より透明性高く会議体による会議の結果を得ることができる。これにより、コーポレートガバナンスのより適正な運用を実現することができる。
【0052】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0053】
本明細書において説明した装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部がネットワークで接続された複数の装置(例えばクラウドサーバ)等により実現されてもよい。例えば、情報処理サーバ10の制御部11およびストレージ13は、互いにネットワークで接続された異なるサーバにより実現されてもよい。
【0054】
本明細書において説明した装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。本実施形態に係る情報処理サーバ10の各機能を実現するためのコンピュータプログラムを作製し、PC等に実装することが可能である。また、このようなコンピュータプログラムが格納された、コンピュータで読み取り可能な記録媒体も提供することができる。記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。
【0055】
また、本明細書においてフローチャート図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0056】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0057】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(項目1)
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理方法であって、
プロセッサが、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得することと、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させることと、
を含む、情報処理方法。
(項目2)
前記複数の所定のタスクのうち一のタスクについて、前記複数の役員のタスクに関する状況の各々が所定の条件を満たした場合に、前記一のタスクの次のタスクに進行することを示す情報を表示させることをさらに含む、項目1に記載の情報処理方法。
(項目3)
前記複数の全ての役員のタスクに関する状況が所定の条件を満たした場合に、前記次のタスクに進行することを示す情報を表示させる、項目2に記載の情報処理方法。
(項目4)
前記タスクは議事録の確認に関するタスクであり、
前記複数の全ての役員の前記議事録の確認が完了した状況である場合に、前記議事録の署名に関するタスクに進行する、項目2または3に記載の情報処理方法。
(項目5)
前記タスクは議事録への署名に関するタスクであり、
前記複数の全ての役員の前記議事録への署名が完了した状況である場合に、前記会議体の会議が完了したことを示す情報を表示させる、項目2~4のいずれか1項に記載の情報処理方法。
(項目6)
前記複数の役員のタスクに関する状況が、該タスクについての追加的な情報の入力または編集が必要であることを示す状況である場合に、該タスクの前記状況に対応するための表示をさらに行うことを含む、項目1~5のいずれか1項に記載の情報処理方法。
(項目7)
前記追加的な情報の入力または変更が完了した場合に、前記タスクの確認のための通知に係る情報を表示することをさらに含む、項目6に記載の情報処理方法。
(項目8)
前記会議体は、会社に関する所定の法律により設置が課されている会議体を含
む、項目1~7のいずれか1項に記載の情報処理方法。
(項目9)
前記会議体は、取締役会、監査役会および株主総会の少なくともいずれかの会議体を含む、項目8に記載の情報処理方法。
(項目10)
前記タスクは決議事項に対する投票に関するタスクであり、
前記複数の役員ごとの前記投票の結果に係る情報に基づいて、前記会議体の議事録に関する情報を生成する、項目1~9のいずれか1項に記載の情報処理方法。
(項目11)
前記タスクに関する作業を行うための画面に、前記複数の役員の各々の、該タスクを含む複数のタスクに関する状況に対応する前記表示態様を前記表示装置に表示させる、項目1~10のいずれか1項に記載の情報処理方法。
(項目12)
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置であって、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示制御部と、
を備える、情報処理装置。
(項目13)
コンピュータを、
会社の経営に関する会議体の運営に係る情報処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記会議体への参加を求められている複数の役員の、前記会議体の運営における複数の所定のタスクに関する状況に係る情報を取得する取得部と、
取得した前記複数の役員の各々のタスクに関する状況に対応する表示態様を特定し、前記表示態様を、前記所定のタスクごとに紐付けて表示装置に表示させる表示制御部と、
を備える、プログラム。
【符号の説明】
【0058】
1 情報処理システム
10 情報処理サーバ
20、30 ユーザー端末
101 取得部
102 処理部
103 表示制御部
104 ユーザーDB
105 会議DB