(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019021027
(22)【出願日】2019-02-07
【審査請求日】2022-01-26
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】514053169
【氏名又は名称】株式会社メルカリ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】末永 麻衣
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】古川 哲也
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-010379(JP,A)
【文献】特開2001-312658(JP,A)
【文献】特開2013-257727(JP,A)
【文献】特開2015-127904(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
電子商取引プラットフォーム又は電子商取引サイトと連携することにより、前記電子商取引プラットフォーム又は前記電子商取引サイトにおいてユーザが購入した
第1物品に関する物品情報と前記ユーザの資産情報の登録リクエストとを受け付け、
前記物品情報と、電子商取引プラットフォームに出品された
第2物品であって、前記第1物品に対応する前記第2物品に関する各情報とに基づいて、所定のタイミングで更新される前記
第1物品の売却予想価格を推定し、
前記
第1物品を特定する情報及び前記売却予想価格を含む前記資産情報を管理し、
前記ユーザが利用する他の情報処理装置から、前記資産情報の表示要求を受信し、
前記表示要求に応答して、最新の売却予想価格を含む前記資産情報を前記他の情報処理装置に送信する、処理を実行する情報処理方法。
【請求項2】
前記資産情報は、前記最新の売却予想価格と過去の売却予想価格との比較情報をさらに含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記情報処理装置が、
前記ユーザが購入を希望する
第3物品を含む購入希望情報の登録リクエストを受け付け、
前記購入希望情報に含まれる
前記第3物品の販売価格に応じて、前記資産情報に含まれる
前記第1物品の売却を前記ユーザに提案する、処理をさらに実行する請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記ユーザに提案することは、
前記
第3物品の販売価格を超える
前記第1物品の組み合わせを、前記資産情報に含まれる
前記第1物品の中から選択し、選択された
前記第1物品の組み合わせの売却を前記ユーザに提案する、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記情報処理装置は、
前記他の情報処理装置から、前記資産情報に含まれる
前記第1物品に対する出品リクエストを受信し、
前記出品リクエストに応じて、前記
第1物品を前記電子商取引プラットフォームに出品する、処理をさらに実行する請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記資産情報を管理することは、
前記
第1物品を、前記
第1物品の使用頻度及び前記ユーザのお気に入り度に基づく優先度、又は売却予想価格を用いて並べ替えることを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記
第2物品に関する各情報は、時期に応じて変動する情報を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理方法。
【請求項8】
情報処理装置に、
電子商取引プラットフォーム又は電子商取引サイトと連携することにより、前記電子商取引プラットフォーム又は前記電子商取引サイトにおいてユーザが購入した
第1物品に関する物品情報と前記ユーザの資産情報の登録リクエストとを受け付け、
前記物品情報と、電子商取引プラットフォームに出品された
第2物品であって、前記第1物品に対応する前記第2物品に関する各情報とに基づいて、所定のタイミングで更新される前記
第1物品の売却予想価格を推定し、
前記
第1物品を特定する情報及び前記売却予想価格を含む前記資産情報を管理し、
前記ユーザが利用する他の情報処理装置から、前記資産情報の表示要求を受信し、
前記表示要求に応答して、最新の売却予想価格を含む資産情報を前記他の情報処理装置
に送信する、処理を実行させるプログラム。
【請求項9】
電子商取引プラットフォーム又は電子商取引サイトと連携することにより、前記電子商取引プラットフォーム又は前記電子商取引サイトにおいてユーザが購入した
第1物品に関する物品情報と前記ユーザの資産情報の登録リクエストとを受け付け、
前記物品情報と、電子商取引プラットフォームに出品された
第2物品であって、前記第1物品に対応する前記第2物品に関する各情報とに基づいて、所定のタイミングで更新される前記
第1物品の売却予想価格を推定する推定部と、
前記
第1物品を特定する情報及び前記売却予想価格を含む前記資産情報を管理する管理部と、
前記ユーザが利用する他の情報処理装置から、前記資産情報の表示要求を受信する受信部と、
前記表示要求に応答して、最新の売却予想価格を含む資産情報を前記他の情報処理装置に送信する送信部と、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
情報処理装置に、
電子商取引プラットフォームにおいて商品の決済を指示し、
前記電子商取引プラットフォームにおいてユーザが購入した前記商品である
第1物品に関する物品情報と前記ユーザの資産情報の登録リクエストとを受け付けた他の情報処理装置から、前記物品情報と、前記電子商取引プラットフォームに出品された
第2物品であって、前記第1物品に対応する前記第2物品に関する各情報とに基づいて、所定のタイミングで推定され、更新される前記
第1物品の売却予想価格を含む前記資産情報を受信し、
前記資産情報を表示画面に表示制御する、処理を実行させるプログラム。
【請求項11】
前記情報処理装置に、
前記ユーザの操作に応じて、前記資産情報の表示要求を前記他の情報処理装置に送信し、
最新の売却予想価格を含む前記資産情報を前記他の情報処理装置から受信し、
前記最新の売却予想価格を含む前記資産情報を前記表示画面に表示制御する、処理をさらに実行させる、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記表示制御することは、
前記資産情報に含まれる商品の売却予想価格に応じた表示領域を含むオブジェクトを前記表示画面に表示制御し、
一の表示領域に対するユーザ操作に応じて、当該一の表示領域に対応する商品の出品を提案する処理を前記情報処理装置にさらに実行させる請求項10又は11に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、商品の買い取りシステムにおいて、ユーザが気軽にサービスを利用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、物品の引き取り注文を受けると、買い取り金額と、商品の画像と、保管場所とを関連付けて管理し、ユーザから物品の買い取りの申し込み、又は引き取りの申し込みを受け付けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、気軽に買い取りサービスを利用する技術が開示されているが、ユーザが、所有する物品を売ることを考えていなくても、その物品の市場価値を知りたいというニーズがある。この場合、ユーザは、自身が所有する物品の販売価格を、インターネットを用いて検索したり、電子商取引プラットフォームでの販売実績を検索したりしなければならなかった。
【0005】
また、物品の市場価値は、季節や売れ行きなどにより変動するものであるが、買い取りシステムにより物品の査定額が算出された後、所定期間が過ぎてもう一度物品の査定額をユーザが知りたい場合、もう一度システムに査定をお願いすることになるため、非常に手間がかかっていた。
【0006】
そこで、本開示は、ユーザが所有する物品の売却予想価格を適宜更新し、この物品を資産として管理することが可能な情報処理方法、プログラム、及び情報処理装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置が、ユーザが所有する物品に関する物品情報の登録リクエストを受け付け、前記物品情報と、電子商取引プラットフォームに出品される前記物品に関する各情報とに基づいて、所定のタイミングで更新される前記物品の売却予想価格を推定し、前記物品を特定する情報及び前記売却予想価格を含む資産情報を管理し、前記ユーザが利用する他の情報処理装置から、前記資産情報の表示要求を受信し、前記表示要求に応答して、最新の売却予想価格を含む前記資産情報を前記他の情報処理装置に送信する、処理を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステム概要を説明するための図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る処理システム1の構成を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る情報処理装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係るサーバ110の機能的な構成を示すブロック図の一例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係るユーザ管理DBの一例を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る資産管理DBの一例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る取引管理DBの一例を示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態に係る端末120の機能構成の一例を示す図である。
【
図9】本開示の一実施形態に係る処理システム1が行う資産リストに関する処理手順のシーケンスの一例を示す図である。
【
図10】本開示の一実施形態に係る端末120のアカウントの残高画面の遷移例を示す図である。
【
図11】本開示の一実施形態に係る端末120の資産リストの詳細画面の一例を示す図である。
【
図12】本開示の一実施形態に係る端末120の購入希望リストの画面の遷移例を示す図である。
【
図13】本開示の一実施形態に係る端末120の資産リストのグラフ化画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<法令遵守>
本明細書に記載の開示は、実施される場合、本開示を実施する各国の法令を遵守のうえで実施される。また、本明細書に記載の開示は、各国の法令を遵守するために必要な、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正をもって実施される。
【0010】
本開示に係るプログラム、情報処理装置、及び情報処理方法を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
<システム概要>
図1は、本開示の一実施形態に係るシステム概要を説明するための図である。
図1に示す例では、A.物品の資産リスト(「資産情報」とも称す。)への登録、B.物品の売却予想価格の推定、C.資産リストの表示要求、D.最新の資産リストの送信、の流れで資産リストに関する処理が行われる。以下、各処理について説明する。
【0012】
(A.物品の資産リストへの登録)
ユーザUAは、自身が所有する物品を資産リストに登録するため、端末120を用いて、電子商取引プラットフォームを管理するサーバ110に、物品情報とともに登録リクエストを送信する。物品情報は、例えば、物品の画像、物品名、物品のブランド、カテゴリ、型番、購入日時、使用頻度、お気に入り度、利用シーズンなどの各項目のうち、少なくとも1つを含む。ユーザUAは、複数の物品を資産リストに登録することが可能である。各物品の物品情報は、それぞれ異なる項目を含んでもよい。なお、サーバ110は、必ずしも電子商取引プラットフォームを管理する必要はなく、外部の電子商取引プラットフォームと連携し、出品された物品に関する各種情報を取得することができればよい。
【0013】
(B.物品の売却予想価格の推定)
サーバ110は、端末120から物品の登録リクエストとともに物品情報を取得すると、物品情報と電子商取引プラットフォームにおける物品に関する各情報とに基づいて、この物品の売却予想価格を推定する。サーバ110は、所定のタイミングで売却予想価格を推定する。所定のタイミングは、一日の終了時(例えば24時)、資産リストの表示要求を受信した時、新たな物品の登録リクエストを受信した時、シーズンが変わる時などである。
【0014】
(C.資産リストの表示要求)
ユーザUAは、端末120を操作して、1又は複数の物品を登録した資産リストに対する表示要求(表示リクエスト)を、サーバ110に送信する。例えば、電子商取引プラットフォームにおけるアプリケーションが端末120で実行されているときに、表示画面に資産リスト表示ボタンが表示される。このとき、ユーザUAが資産リスト表示ボタンを押下するなどしたときに、資産リクエストの表示リクエストがサーバ110に送信される。
【0015】
(D.最新の資産リストの送信)
サーバ110は、管理しているユーザの資産リストについて、登録中の物品の売却予想価格を最新の価格に更新して、最新の売却予想価格を含む資産リスト(「最新の資産リスト」とも称す。)を端末120に送信する。最新の資産リストは、各物品について、更新日時が最も新しい売却予想価格を含んでいればよく、表示リクエストが受信された時点で、全ての物品の売却予想価格が更新される必要はない。
【0016】
上述した物品の資産リストを作成する仕組みによれば、ユーザが所有する物品の売却予想価格を適宜更新し、ユーザは、この物品を資産として管理することが可能になる。さらに、物品の資産としての価値である売却予想価格は変動するため、ユーザは、物品を流動資産として管理することが可能になる。したがって、ユーザは、最新の売却予想価格を把握して、物品の価値が高くなっているときに、その物品を電子商取引プラットフォームにおいて出品することで、より良い取引を行う可能性を高めることができる。以下、上述した処理システムについて、システム構成、ハードウェア構成、機能構成、動作処理、端末のユーザインターフェースの順で説明する。
【0017】
<システム構成>
図2は、本開示の一実施形態に係る処理システム1の構成を示す図である。
図2に開示されるように、処理システム1では、ネットワーク130を介してサーバ110A、及びサーバ110Bと、端末120A、端末120B、及び端末120Cが接続される。
【0018】
本開示において、サーバ110Aと、サーバ110Bとをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110A及びサーバ110Bは、それぞれサーバ110と表現されてもよい。また、本開示において、端末120Aと、端末120Bと、端末120Cとをそれぞれ区別する必要がない場合は、端末120A、端末120B、及び端末120Cは、それぞれ端末120と表現されてもよい。また、本開示において、サーバ110と、端末120とをそれぞれ区別する必要がない場合は、サーバ110と端末120とは、それぞれ情報処理装置200と表現されてもよい。なお、ネットワーク130に接続される情報処理装置200の数は限定されない。
【0019】
サーバ110は、ネットワーク130を介してユーザが利用する端末120に、所定のサービスを提供する。所定のサービスは、限定でなく例として、決済サービス、金融サービス、電子商取引サービス、インスタントメッセンジャーを代表とするSNS(Social Networking Service)、楽曲・動画・書籍などのコンテンツ提供サービスなどを含む。ユーザが端末120を介して所定のサービスを利用することで、サーバ110は1以上の端末120に所定のサービスを提供することができる。
【0020】
必要に応じて、ユーザXが利用する端末を端末120Xと表現し、ユーザXまたは端末120Xに対応づけられた、所定のサービスにおけるユーザ情報をユーザ情報Xと表現する。なお、ユーザ情報とは、所定のサービスにおいてユーザが利用するアカウントに対応付けられたユーザの情報である。ユーザ情報は、限定でなく例として、ユーザにより入力される、または、所定のサービスにより付与される、ユーザの名前、ユーザのアイコン画像、ユーザの年齢、ユーザの性別、ユーザの住所、ユーザの趣味趣向、ユーザの識別子などのユーザに対応づけられた情報、ユーザに対応付けられた電子バリュー(電子マネー)の残高情報、ユーザに対応付けられたクレジットカード情報(クレジットカード番号など)を含み、これらのいずれか一つまたは、組み合わせであってもよい。
【0021】
ネットワーク130は、2以上の情報処理装置200を接続する役割を担う。ネットワーク130は、端末120がサーバ110に接続した後、データを送受信することができるように接続経路を提供する通信網を意味する。
【0022】
ネットワーク130のうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワーク130は、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。ネットワーク130は、1つまたは複数のネットワーク130を含むことができる。
【0023】
情報処理装置200は、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現できる情報処理装置であればどのような情報処理装置であってもよい。
【0024】
情報処理装置200は、限定ではなく例として、スマートフォン、携帯電話(フィーチャーフォン)、コンピュータ(限定でなく例として、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、サーバ装置、メディアコンピュータプラットホーム(限定でなく例として、ケーブル、衛星セットトップボックス、デジタルビデオレコーダなど)、ハンドヘルドコンピュータデバイス(限定でなく例として、PDA(Personal Digital Assistant)、電子メールクライアントなど)、ウェアラブル端末(限定でなく例として、メガネ型デバイス、時計型デバイスなど)、他種のコンピュータ、またはコミュニケーションプラットホームを含む。
【0025】
<ハードウェア(HW:HardWare)構成>
図3を用いて、処理システム1に含まれる情報処理装置200のHW構成について説明する。
図3は、本開示の一実施形態に係る情報処理装置200のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0026】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力インタフェース(入出力I/F)204と、通信インタフェース(通信I/F)205とを含む。情報処理装置200のHWの各構成要素は、限定でなく例として、バスBを介して相互に接続される。
【0027】
情報処理装置200は、プロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により、本開示に記載される機能、および/または、方法を実現する。
【0028】
プロセッサ201は、ストレージ203に記憶されるプログラムに含まれるコードまたは命令によって実現する機能、および/または、方法を実行する。プロセッサ201は、限定でなく例として、中央処理装置(CPU)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphic s Processing Unit)、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含み、集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって各実施形態に開示される各処理を実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、各実施形態に示す複数の処理を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。また、LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。
【0029】
メモリ202は、ストレージ203からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ201に対して作業領域を提供する。メモリ202には、プロセッサ201がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ202は、限定でなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを含む。
【0030】
ストレージ203は、プログラムを記憶する。ストレージ203は、限定でなく例として、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどを含む。
【0031】
通信I/F205は、ネットワーク130を介して各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。通信I/F205は、ネットワーク130を介して、他の情報処理装置との通信を実行する機能を有する。通信I/F205は、各種データをプロセッサ201からの指示に従って、他の情報処理装置に送信する。また、通信I/F205は、他の情報処理装置から送信された各種データを受信し、プロセッサ201に伝達する。
【0032】
入出力I/F204は、情報処理装置200に対する各種操作を入力する入力装置、および、情報処理装置200で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。入出力I/F204は、入力装置と出力装置が一体化していてもよいし、入力装置と出力装置とに分離していてもよい。
【0033】
入力装置は、ユーザからの入力を受け付けて、当該入力に係る情報をプロセッサ201に伝達できる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。入力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、キーボード等のハードウェアキーや、マウス等のポインティングデバイス、カメラ(画像を介した操作入力)、マイク(音声による操作入力)を含む。
【0034】
出力装置は、プロセッサ201で処理された処理結果を出力することができる全ての種類の装置のいずれか、または、その組み合わせにより実現される。当該処理結果を映像、および/または、動画像として出力する場合、出力装置は、フレームバッファに書き込まれた表示データに従って、当該表示データを表示することができる全ての種類の装置のいずれかまたはその組み合わせにより実現される。出力装置は、限定でなく例として、タッチパネル、タッチディスプレイ、モニタ(限定でなく例として、液晶ディスプレイ、OELD(Organic Electroluminescence Display)など)、ヘッドマウントディスプレイ(HDM:Head Mounted Display)、プロジェクションマッピング、ホログラム、空気中など(真空であってもよい)に画像やテキスト情報等を表示可能な装置、スピーカ(音声出力)、プリンタなどを含む。なお、これらの出力装置は、3Dで表示データを表示可能であってもよい。
【0035】
本開示の各実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。 記憶媒体は、「一時的でない有形の媒体」に、プログラムを記憶可能である。プログラムは、限定でなく例として、ソフトウェアプログラムやコンピュータプログラムを含む。
【0036】
記憶媒体は適切な場合、1つまたは複数の半導体ベースの、または他の集積回路(IC)(限定でなく例として、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向けIC(ASIC)など)、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)、ハイブリッド・ハード・ドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピィ・ディスケット、フロッピィ・ディスク・ドライブ(FDD)、磁気テープ、固体ドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュア・デジタル・カードもしくはドライブ、任意の他の適切な記憶媒体、またはこれらの2つ以上の適切な組合せを含むことができる。記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性の組合せでよい。
【0037】
また、本開示のプログラムは、当該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して、情報処理装置200に提供されてもよい。
【0038】
また、本開示の各実施形態は、プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0039】
なお、本開示のプログラムは、限定でなく例として、JavaScript(登録商標)、Pythonなどのスクリプト言語、C言語、Go言語、Swift、Kotlin、Java(登録商標)などのプログラミング言語などを用いて実装される。
【0040】
情報処理装置200おける処理の少なくとも一部は、1以上のコンピュータにより構成されるクラウドコンピューティングにより実現されていてもよい。
【0041】
情報処理装置200における処理の少なくとも一部を、他の情報処理装置により行う構成としてもよい。この場合、プロセッサ201により実現される各機能部の処理のうち少なくとも一部の処理を、他の情報処理装置で行う構成としてもよい。
【0042】
<その他>
明示的な言及のない限り、本開示の実施形態における判定の構成は必須でなく、判定条件を満たした場合に所定の処理が動作されたり、判定条件を満たさない場合に所定の処理がされたりしてもよい。
【0043】
本開示は、本開示の実施形態、および/または、実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正を包含する。同様に、適切な場合、添付の特許請求の範囲は、本開示の実施形態、および/または、実施例に対して、当業者が成し得る全ての変更、置換、変形、改変、および修正を包含する。さらに、本開示は、当業者が成し得る、本開示における実施形態、および/または、実施例の1つまたは複数の特徴と、本開示における他の実施形態、および/または、実施例の1つまたは複数の特徴との任意の組合せを包含する。
【0044】
以下、本開示の一例に係る実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図ではない。すなわち、本開示の一例は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付しており、図面は模式的なものであって、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。さらに、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
【0045】
<実施形態>
本実施形態は、ユーザが、自身が所有する物品を、資産として管理することが可能なシステム1において、サーバ110は、所定のタイミングに応じて変動するパラメータを用いて物品の売却予想価格を推定し、この売却予想価格を適宜更新することが可能な実施形態である。
【0046】
<実施形態の効果>
本実施形態によれば、ユーザが所有する物品の売却予想価格を適宜更新し、ユーザは、この物品を資産として管理することが可能になる。また、物品の資産としての価値である売却予想価格は変動するため、ユーザは、物品を流動資産として管理することが可能になる。
【0047】
<実施形態の機能構成>
図4を用いてサーバ110の機能構成を説明する。
図4に開示の各機能部は、情報処理装置200が備えるプロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により実現される。
【0048】
(1)サーバ110の機能構成
図4は、本開示の一実施形態に係るサーバ110の機能的な構成を示すブロック図の一例を示す図である。サーバ110は、例えば、入出力部311と、送受信部312と、表示制御部313と、受付部314と、推定部315と、資産管理部316と、取引管理部317と、記憶部320とを有する。なお、各機能部の機能または処理は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。
【0049】
入出力部311は、例えば、入出力I/F204を介してプロセッサ201により実現されうる。また、送受信部312は、例えば、通信I/F205を介してプロセッサ201により実現されうる。表示制御部313と、受付部314と、推定部315と、資産管理部316と、取引管理部317とは、プロセッサ201が、記憶部320に格納されているプログラムを読み出して実行することで実現されうる。記憶部320は、メモリ202および/またはストレージ203を用いて実現されうる。
【0050】
記憶部320は、実施形態に係るサーバ110が実行するプログラムと、電子商取引プラットフォームの会員であるユーザを管理するユーザ管理DBと、各ユーザにより登録された物品を資産として管理する資産管理DBと、電子商取引プラットフォームにおいて実行される取引を管理する取引管理DBとを格納する。
図5~7は、各管理DBの一例を示す図である。
【0051】
図5は、本開示の一実施形態に係るユーザ管理DBの一例を示す図である。ユーザ管理DBには、電子商取引プラットフォームを運営、管理する者により作成された各会員ユーザに関する情報が管理される。「ユーザID」には、サーバ110がユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報(ユーザID:Identifier)が含められる。「ユーザ情報」には、ユーザのパーソナルな情報である「氏名」、「住所」、「電話番号」、「購入希望リスト」などが含められる。
【0052】
「購入希望リスト」は、ユーザが購入を希望する物品のリスト(「購入希望情報」とも称す。)である。ユーザは、電子商取引プラットフォームにおいて出品された商品や、EC(Electronic Commerce)サイトに登録された商品から、この購入希望リストに登録することが可能である。例えば、電子商取引プラットフォームにおいて、所定の商品に対してユーザが操作(例、「いいね」をクリック)すると、購入希望リストにこの商品が登録される。また、ECサイトにおいて、所定の商品に対してユーザが操作(例、メニュー表示→購入希望リストに送信)すると、購入希望リストにこの商品が登録される。
【0053】
図6は、本開示の一実施形態に係る資産管理DBの一例を示す図である。「ユーザID」には、資産リストに1又は複数の物品を登録したユーザのユーザIDが含められる。「物品」には、ユーザが登録した物品を特定するための情報、例えば物品のカテゴリ又は物品名などが含められる。「物品情報」には、物品の画像、物品名、物品のブランド、カテゴリ、型番、購入日時、使用頻度、お気に入り度、利用シーズンなどの各項目のうち、少なくとも1つが含められる。「売却予想価格」には、サーバ110により推定された物品の売却予想価格が含められる。この売却予想価格は、所定のタイミングで更新される。
【0054】
図7は、本開示の一実施形態に係る取引管理DBの一例を示す図である。「販売者ID」には、売り手のユーザのユーザIDが含められる。「商品名」には、商品の名称が含められる。商品が「説明」には、商品の説明が含められる。「金額」には、商品の販売価格が含められる。なお、「商品名」、「説明」、「金額」は、商品の出品情報に含められ、出品情報には、その他の情報が含められてもよい。「出品時刻」には、商品が出品された時刻が含められる。「ステータス」には、電子商取引における取引の状態が含められる。ステータスは、現在取引中であることを示す「取引中」、買い手であるユーザとの交渉中であることを示す「交渉中」、販売済を示す「済」などを含む。「購入者ID」には、その商品を購入したユーザのユーザIDが含められる。
【0055】
また、記憶部320は、ユーザが電子バリュー(銀行口座から移動させた資金も含む)のアカウントを有する場合、ユーザIDに関連付けて電子バリューの残高等を管理してもよい。
【0056】
図4に戻り、入出力部311は、入出力I/F204を介して各種データの入力を受け付ける処理、及び、入出力I/F204を介して各種のデータを出力する処理を行う機能を有する。
【0057】
送受信部312は、通信I/F205を介して各端末120から各種データを受信する受信部、及び、通信I/F205を用いて各種データを各端末120に送信する送信部としての機能を有する。
【0058】
受信される各種データは、例えば、ユーザからの物品の登録リクエスト、表示リクエスト、購入希望リストへの登録リクエスト、又は物品の出品リクエスト、あるいは、物品に関する物品情報などを含む。送信される各種データは、例えば、物品の売却予想価格を含む資産リストなどを含む。
【0059】
表示制御部313は、電子商取引プラットフォームに関する画面の画面情報を、送受信部312を介して端末120に送信するよう制御する。例えば、表示制御部313は、資産リストへの物品の登録画面や、購入希望リストへの物品の登録画面や、販売者及び購入者に対する電子商取引に関する画面の各画面情報を、送受信部312を介して端末120に送信するよう制御する。
【0060】
受付部314は、送受信部312により受信された登録リクエストであって、ユーザが所有する物品(例えば第1物品)に関する物品情報の登録リクエストを受け付ける。登録リクエストは、登録を受ける第1物品に関する物品情報とともにサーバ110により受信される。受付部314は、受け付けた物品情報を資産管理DBに格納、登録する。
【0061】
推定部315は、物品情報と、電子商取引プラットフォームに出品される物品に関する各情報とに基づいて、所定のタイミングで更新される物品の売却予想価格を推定する。例えば、推定部315は、物品情報に含まれる各項目に設定された各情報と、出品情報に含まれる各情報とがマッチングする物品を、電子商取引プラットフォームに出品された物品の中から抽出し、抽出された物品(「抽出物品」とも称す。)の販売価格の平均を売却予想価格として推定する。
【0062】
また、推定部315は、購入希望リストに第1物品を登録している他ユーザの数に応じて、売却予想価格を推定してもよい。例えば、推定部315は、購入希望リストに第1物品を登録しているユーザ数が所定値以上であれば、第1物品の需要が高いと判断し、売却予想価格を、数%UP若しくは所定額を上乗せして少し高くする。これにより、売却予想価格を、電子商取引プラットフォームにおけるユーザの行動履歴(「いいね」の操作)に基づく需要に応じて変動させることができる。
【0063】
また、推定部315は、使用頻度や、利用シーズンなども考慮して、売却予想価格を推定してもよい。例えば、推定部315は、使用頻度が高いほど、売却予想価格を下げて、利用シーズン中は、売却予想価格を上げる。これにより、使用頻度や利用シーズンを用いて、精度よく売却予想価格を推定することが可能になる。
【0064】
また、推定部315は、購入時期及び使用頻度が物品情報に登録されている場合、これらの情報から物品の状態を推定し、この状態に基づく売却予想価格を推定するようにしてもよい。
【0065】
また、推定部315は、登録された物品情報の項目が多いほど、より近い物品を電子商取引プラットフォームから抽出できるため、売却予想価格の推定を精度よく行うことが可能になる。
【0066】
資産管理部316は、物品及び売却予想価格を含む資産リスト(資産情報)を管理する。例えば、資産管理部316は、推定部315により推定された売却予想価格を、物品と関連付けて資産管理DBに記憶する。資産管理部316は、資産管理DBに登録された情報を適宜読み出して、修正したり更新したりする。
【0067】
また、表示制御部313は、ユーザが利用する端末120から、資産情報の表示要求を受信する。
【0068】
送受信部312は、ユーザの端末120から受信した表示要求に応答して、最新の売却予想価格を含む資産リストを端末120に送信する。端末120は、受信した資産リストを画面に表示するよう制御する。資産リストには、登録された全物品の売却予想価格の合計値を含んでもよい。
【0069】
これにより、ユーザが所有する物品の売却予想価格を適宜更新し、ユーザは、この物品を資産として管理することが可能になる。さらに、物品の資産としての価値である売却予想価格は変動するため、ユーザは、物品を流動資産として管理することが可能になる。
【0070】
取引管理部317は、電子商取引プラットフォームにおけるユーザ間の商品の売買取引を処理する。取引管理部317は、この取引を取引管理DBに登録する。
【0071】
資産情報は、最新の売却予想価格と過去の売却予想価格との比較情報をさらに含んでもよい。例えば、画面に売却予想価格が表示される場合、この売却予想価格に対応付けて、過去(例えば直前)の価格よりもUPしたかDOWNしたかの比較情報を表示させる。一例として、UPを示す矢印、DOWNを示す矢印を比較情報として、最新の売却予想価格の隣に表示させる。これにより、ユーザは、その物品の売却予想価格が、過去の価格からの変動を容易に把握することができる。
【0072】
また、受付部314は、このユーザが購入を希望する物品を含む購入希望リスト(購入希望情報)の登録リクエストを受け付けてもよい。この場合、資産管理部316は、購入希望リストに含まれる物品の販売価格に応じて、資産情報に含まれる物品の売却をユーザに提案してもよい。
【0073】
例えば、ユーザAが、購入希望リストに1万円の物品を登録した場合、資産管理部16は、ユーザAの資産リストの中から、売却予想価格が1万円以上の物品に対して、電子商取引プラットフォームでの出品をユーザに提案する。提案する方法は、様々であり、ユーザのメールアドレスにメッセージを通知してもよいし、PUSH通知を用いて出品対象の物品を通知してもよい。これにより、ユーザは、どの物品を売却すれば、購入希望リスト内の物品を買うことができるかを把握することができる。その結果、電子商取引プラットフォームにおいて、物品の流通を活性化させることが可能になる。
【0074】
また、資産管理部316は、最新の売却予想価格を、出品の提案に用いる通知に含めるようにするとよい。これにより、ユーザは、現時点での物品の売却予想価格を把握しつつ、出品を検討することが可能になる。
【0075】
また、資産管理部316は、購入希望リストに登録した物品の販売価格を超える物品の組み合わせを、資産リストに含まれる物品の中から選択し、選択された物品の組み合わせの売却をユーザに提案してもよい。例えば、ユーザAが、購入希望リストに、1万円の物品を登録した場合、資産管理部316は、ユーザAの資産リストの中から、売却予想価格が1万円以上となる物品の組み合わせ(例えば物品B及びC)を抽出し、電子商取引プラットフォームでの出品をユーザに提案する。これにより、ユーザに対して、購入希望リストに含まれる物品の購入機会を増やすことができる。
【0076】
なお、資産管理部316は、物品の組み合わせは、お気に入り度が低い物品から組み合わせるようにするとよい。これにより、ユーザに対して、物品の出品に対する障壁を少なくすることができる。
【0077】
また、送受信部312は、ユーザの端末120から、資産リストに含まれる物品に対する出品リクエストを受信すると、取引管理部317は、この出品リクエストに応じて、物品を電子商取引プラットフォームに出品してもよい。例えば、資産リスト内に、電子商取引プラットフォームにおける出品を可能とするリンクを含めておけば、ユーザは、画面に表示されたリンク先をクリックするなどして、容易に物品の出品を行うことができる。
【0078】
このとき、取引管理部317は、資産リストへの登録に用いられた物品情報を、出品情報に流用してもよい。また、取引管理部317は、資産リストの物品情報が出品情報として十分であるかを判定し、十分でなければ、出品情報の追加設定画面を端末120に送信するよう制御するとよい。出品情報として十分であるか否かについて、取引管理部317は、出品情報に含まれる必須の項目が、物品情報に含まれているか否かで判定することができる。なお、物品情報に設定された項目は、既に設定された状態で出品情報の設定画面が表示されるとよい。
【0079】
また、資産管理部316は、資産リストに含まれる物品を、物品の使用頻度及びユーザのお気に入り度合いに基づく優先度、又は売却予想価格を用いて並べ替えてもよい。優先度について、資産管理部316は、使用頻度が低くお気に入り度が低い物品の優先度を高くし、また、利用シーズンと現在のシーズンがマッチする物品は売れやすくなるため優先度を高くする。例えば、スキー用具は、冬になると優先度が高くなる。
【0080】
また、資産管理部316は、優先度が高い順、売却予想価格が高い順に、資産リスト内の物品を並べ替えることが可能である。これにより、ユーザは、資産リストを効率良く参照することができる。
【0081】
また、物品に関する各情報は、時期に応じて変動する情報を含んでもよい。これにより、推定部315は、所定のタイミングで売却予想価格を更新することができる。なお、物品情報として登録される項目が増加したりすることでも、売却予想価格は更新される。
【0082】
また、資産管理部316は、画像認識機能を有し、物品情報として登録された物品の画像を認識することで、認識された物品のカテゴリや物品名を物品情報として登録してもよい。これにより、ユーザの物品情報の登録負担を減らすことができる。
【0083】
また、資産リストへの登録リクエストについて、電子商取引プラットフォームや、連携するECサイトにおいてユーザが商品を購入した場合に、その商品に対して自動で登録リクエストが生成されるようにしてもよい。例えば、取引管理部317は、ユーザが電子商取引プラットフォームにおいて商品を購入した場合、その商品を資産リストへ登録するための登録リクエストを受付部314に出力する。物品情報は、購入された商品の出品情報が流用されると良い。
【0084】
また、ユーザが電子バリューのアカウントを有する場合、売却予想金額の合計値を、電子バリューの残高と合わせて表示できるようにしてもよい。例えば、受付部314が電子バリューの残高の表示要求を受けた場合に、資産管理部316が、このユーザの資産リストを参照し、売却予想価格の合計値を取得して、送受信部312が、電子バリューの残高とともに売却予想価格の合計値を端末120に送信する。これにより、ユーザは、売却予想価格の合計値を資産として管理する意識を持つことが可能になる。
【0085】
(2)端末の機能構成
図8は、本開示の一実施形態に係る端末120の機能構成の一例を示す図である。
図8に開示の機能部は、情報処理装置200が備えるプロセッサ201と、メモリ202と、ストレージ203と、入出力I/F204と、通信I/F205との協働により実現される。
【0086】
図8に示すように、端末120は、例えば、入出力部411と、送受信部412と、表示制御部413と、資産処理部414と、取引処理部415と、記憶部420とを有する。なお、各機能部の機能または処理は、実現可能な範囲において、機械学習またはAI(Artificial Intelligence)により実現されてもよい。
【0087】
入出力部411は、例えば、入出力I/F204を介してプロセッサ201により実現されうる。また、送受信部412は、例えば、通信I/F205を介してプロセッサ201により実現されうる。表示制御部413と、資産処理部414と、取引処理部415とは、プロセッサ201が、記憶部420に格納されているプログラムを読み出して実行することで実現されうる。記憶部420は、メモリ202および/またはストレージ203を用いて実現されうる。
【0088】
記憶部420は、実施形態に係る端末120が実行するプログラムを記憶しており、例えば、ユーザが物品を資産リストに登録することに関する第1処理や、電子商取引プラットフォームに関する第2処理を実行するためのプログラムなどを記憶する。また、第1処理を実行するプログラムと、第2処理を実行するプログラムとは、別のプログラムであってもよい。
【0089】
入出力部411は、入出力I/F204を介して各種データの入力を受け付ける処理、及び、入出力I/F204を介して各種データを出力する処理を行う機能を有する。例えば、入出力部411は、タッチパネル等に対するユーザ操作を受け付ける。
【0090】
送受信部412は、通信I/F205を介してサーバ110から各種データを受信する受信部、及び、通信I/F205を用いて各種データをサーバ110に送信する送信部としての機能を有する。
【0091】
送信される各種データは、例えば、ユーザからの物品の登録リクエスト、表示リクエスト、購入希望リストへの登録リクエスト、又は物品の出品リクエスト、あるいは、物品に関する物品情報などを含む。受信される各種データは、例えば、物品の売却予想価格を含む資産リストなどを含む。
【0092】
表示制御部413は、受信された画面情報に基づいて、表示装置(例えばタッチパネル)に、資産リストへの物品登録画面や電子商取引画面を表示制御する。また、表示制御部413は、資産リストが取得されると、この資産リストを表示画面に表示するよう制御する。
【0093】
資産処理部414は、物品の資産リストに関する処理を実行する機能を有する。資産処理部414は、物品の資産リストへの登録を処理したり、資産リスト内の物品の出品をリクエストしたりする。例えば、資産処理部414は、端末120が有する撮像部を起動し、物品を撮像し、その画像を資産リストへの登録リクエストとともにサーバ110に送信する。
【0094】
取引処理部415は、電子商取引に関する処理を実行する機能を有する。例えば、取引処理部415は、販売者側として、商品情報を登録する機能や、購入者と商品について交渉する機能を有する。また、取引処理部415は、購入者側として、商品を閲覧したり、商品を選択したり、決済を指示したりする機能を有する。
【0095】
また、表示制御部413は、資産リストに含まれる商品の売却予想価格に応じた表示領域を含むオブジェクトを表示画面に表示制御してもよい。このとき、資産処理部414は、一の表示領域に対するユーザ操作に応じて、この一の表示領域に対応する商品の出品を提案する処理を実行してもよい。例えば、表示制御部413は、資産リストを視覚化したグラフを表示画面に表示制御する。グラフは、カテゴリごとに表示領域が分けられる。このとき、一の表示領域に対し、例えばピンチインのように領域を狭くする操作が行われると、この表示領域に対する物品の出品を提案する。これにより、直感的な操作で、かつ、容易に物品の出品が可能になる。
【0096】
<実施形態における処理システムの動作処理>
図9は、本開示の一実施形態に係る処理システム1が行う資産リストに関する処理手順のシーケンスの一例を示す図である。
図9に示すシーケンスの例では、端末120は、物品を資産リストへ登録するユーザが利用する端末である。
【0097】
ステップS102で、端末120の送受信部412は、ユーザにより登録された物品情報とともに、物品を資産リストへ登録するためのリクエスト(登録リクエスト)をサーバ110に送信する。物品情報は、例えば物品の画像情報や商品の名称等である。
【0098】
ステップS104で、サーバ110の受付部314は、登録リクエストを受けた物品情報を資産リストに登録する。例えば、サーバ110の送受信部312が登録リクエストと物品情報とを受信し、受付部314は、登録リクエストとともに受信された物品情報を資産管理DBに格納して登録を完了する。このとき、推定部315は、物品情報と、電子商取引プラットフォームにおける物品に関する情報とに基づいて、この物品の売却予想価格を推定する。推定された売却予想価格は、物体に関連付けられて資産管理DBに記憶される。これにより、ユーザが初めて物品を登録する場合は資産リストが生成され、又は、ユーザが物品を追加する場合は資産リストが更新される。
【0099】
ステップS106で、サーバ110の送受信部312は、生成、又は更新された資産リストを端末120に送信する。この後、端末120側で、この資産リストが表示されてもよい。
【0100】
ステップS108で、端末120の送受信部412は、所定の物品を購入希望リストに登録するための登録リクエストをサーバ110に送信する。
【0101】
ステップS110で、サーバ110の資産管理部316は、登録リクエストともに取得した所定の物品を購入希望リストに含める。ユーザが初めて物品を登録する場合は購入希望リストが生成され、又は、ユーザが物品を追加する場合は購入希望リストが更新される。
【0102】
ステップS112で、端末120の送受信部412は、ユーザから資産リストの表示が指示された場合に、資産リストの表示要求(表示リクエスト)をサーバ110に送信する。
【0103】
ステップS114で、サーバ110の推定部315は、例えば資産リストに含まれる物品の売却予想価格を更新して、最新の資産リストに更新する。
【0104】
ステップS116で、サーバ110の送受信部312は、最新の資産リストを端末120に送信する。
【0105】
ステップS118で、端末120の表示制御部413は、取得した最新の資産リストを表示画面に表示するよう制御する。
【0106】
ステップS120で、端末120の送受信部412は、ユーザから資産リスト内の物品に対して出品が指示された場合に、物品の出品要求(出品リクエスト)をサーバ110に送信する。
【0107】
ステップS122で、サーバ110の送受信部312は、出品リクエストを受信すると、取引管理部317は、リクエストされた物品の出品処理を行う。
【0108】
なお、ステップS108及びS110の購入希望リストに関する処理、ステップS112及びS118に関する最新の資産リストに関する処理は、順不同である。また、ステップS120及びS122の出品に関する処理は、必須の処理ではなく任意の処理である。
【0109】
以上の処理によれば、ユーザが所有する物品の売却予想価格を適宜更新し、この物品を資産として管理することが可能な仕組みを提供することができる。また、ユーザは、資産リストから所定の物品を出品することも可能になる。
【0110】
<実施形態の表示態様>
図10~13を参照し、実施形態に係る端末120の表示画面における表示態様について説明する。
図10は、本開示の一実施形態に係る端末120のアカウントの残高画面の遷移例を示す図である。
図10に示す画面D10は、ユーザが電子バリューのアカウントの残高画面であり、電子バリューの値「¥3,900」と、持ちモノ残高(売却予想価格の合計値)「¥10,800」との表示領域を含む。持ちモノ残高には詳細ボタンB10が含まれる。
【0111】
ユーザが詳細ボタンB10を押下すると、画面D10から画面D12に遷移する。画面D12は、資産リストを示す「持ちモノリスト」の表示画面であり、売却予想価格の合計値と、各物品に対する売却予想価格を含む。また、各物品の表示欄には、提携する電子商取引プラットフォームへの出品ボタンが含まれ、また、過去の売却予想価格からの比較を示す比較情報C10が含まれる。
【0112】
ユーザは、出品ボタンを押下すると、端末120は、この物品を特定し、特定した物品に関する情報とともに出品リクエストをサーバ110に送信する。これにより、ユーザは、簡単な操作で電子商取引プラットフォームに物品を出品することが可能になる。
【0113】
また、ユーザは、比較情報C10を参照することで、物品の売却予想価格が過去からどのように変動したかを把握することができ、物品の現在の市場価格を把握することができる。
【0114】
また、ユーザは、画面D12に示す各物品を選択することが可能であり、選択された物品について、その詳細情報を含む画面が表示される。例えば、下から2つ目の物品「GH」の靴が選択されたとすると、
図11に示す画面が表示される。
【0115】
図11は、本開示の一実施形態に係る端末120の資産リストの詳細画面の一例を示す図である。
図11に示す画面D20は、資産リスト内の物品の詳細情報の一例を示し、例えば、「GH」の靴の物品情報が表示される。詳細情報は、例えば資産リストへの登録時の物品情報を含む。
図11に示す例では、詳細情報は、カテゴリ、サイズ、ブランド、商品の状態などの物品情報を含む。
【0116】
また、画面D10には、吹き出しに表示されるように、出品の提案が含まれてもよい。
図11に示す例では、「GH」の靴「¥4,200」と、「EF」の帽子「¥2,600」とが出品され、売却できれば、購入希望リストに含まれる「お気に入り商品」のリュックが購入可能であることを示す。これにより、ほしいものリストに含まれる物品に基づいて、資産リスト内の物品を出品することを提案することができ、商品の二次流通を推進することが可能になる。また、ユーザは、何を出品すれば、ほしいものリストの何を購入できるかのイメージを掴むことができる。
【0117】
図12は、本開示の一実施形態に係る端末120の購入希望リストの画面の遷移例を示す図である。
図12に示す画面D30は、購入希望リストを示す「ほしいものリスト」の表示画面であり、ユーザにより登録された3つの物品が「ほしいものリスト」に含まれる。ユーザが「abcチェスターコート」を選択すると、このコートの詳細情報を含む画面D32が表示される。
【0118】
図13は、本開示の一実施形態に係る端末120の資産リストのグラフ化画面の一例を示す図である。
図13に示す画面は、例えば、資産リストを、円グラフを用いて表現したものであるが、円グラフに限られるものではなく、棒グラフや折れ線グラフなどの視覚化されたグラフであればいずれを用いてもよい。
【0119】
また、
図13に示す例では、資産リストがカテゴリ別に分かれており、「洋服」、「靴、バッグ」、「書籍」、「電化製品」のカテゴリを含む例である。また、ユーザは、このグラフに対して操作することも可能である。例えば、ユーザは、洋服の表示領域を狭くするような操作を行うと、端末120の資産処理部414は、資産リストに含まれる「洋服」の物品を出品するようユーザに提案する。このとき、資産処理部414は、上述した優先度が高いものや、売却予想価格が高いものから出品を提案してもよい。
【0120】
また、資産処理部414は、表示領域を狭くした面積量に応じて、売却予想価格の合計値に対する価格を算出し、算出した価格に基づいて、提案対象の物品を決定してもよい。例えば、狭くした面積量が大きければ、売却予想価格が高い物品の出品が提案され、狭くした面積量が小さければ、売却予想価格が低い物品の出品が提案される。また、この場合も、資産処理部414は、優先度を考慮して提案対象の物品を決定してもよい。
【0121】
これにより、視覚化された資産リストへのユーザ操作に応じた物品について出品を提案することが可能になる。また、ユーザ操作により表示領域の面積を狭くすることに対して、その狭くなった面積に含まれない物品を出品するという、直感的なユーザインターフェースを提供することが可能になる。
【0122】
また、資産リストが視覚化されたグラフは、時系列で表現されてもよい。これにより、時系列で資産が増減することをユーザに提示することが可能になる。
【0123】
<変形例>
上述した実施形態において、物品の画像に対する画像認識機能は、サーバ110が有する例について説明したが、端末120が画像認識機能を有し、物品の画像を認識することで、物品情報の一部の項目を自動で設定することができる。
【符号の説明】
【0124】
1…処理システム、110…サーバ、120…端末、120A…端末、120B…端末、120C…端末、200…情報処理装置、201…プロセッサ、202…メモリ、203…ストレージ、204…入出力インタフェース(入出力I/F)、205…通信インタフェース(通信I/F)、311…入出力部、312…送受信部、313…表示制御部、314…受付部、315…推定部、316…資産管理部、317…取引管理部、320…記憶部、411…入出力部、412…送受信部、413…表示制御部、414…資産処理部、415…取引処理部、420…記憶部