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特許7486957構造的破壊および崩壊が可能な特徴を含む単一本体のタービンシュラウド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】構造的破壊および崩壊が可能な特徴を含む単一本体のタービンシュラウド
(51)【国際特許分類】
   F01D 11/08 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
F01D11/08
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020008506
(22)【出願日】2020-01-22
(65)【公開番号】P2020125753
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】16/263,430
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515322297
【氏名又は名称】ゼネラル エレクトリック テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】General Electric Technology GmbH
【住所又は居所原語表記】Brown Boveri Strasse 8, 5400 Baden, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100151286
【弁理士】
【氏名又は名称】澤木 亮一
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・ジョン スナイダー
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0347391(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0238188(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0323033(US,A1)
【文献】国際公開第2007/099895(WO,A1)
【文献】特開2005-155626(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0363499(US,A1)
【文献】特表2012-507658(JP,A)
【文献】特表2017-524089(JP,A)
【文献】特表2003-519742(JP,A)
【文献】特開平11-081907(JP,A)
【文献】特開2000-045707(JP,A)
【文献】特開2016-205383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 9/04
F01D 11/08
F02C 7/28
F02C 7/18
F01D 25/00
F01D 25/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タービンシステム(10)用のタービンシュラウド(100)であって、前記タービンシュラウド(100)
前記タービンシステム(10)のタービンケーシング(36)に直接結合された支持部分(104)であって、前記支持部分(104)が、前方端部(106)、前記前方端部(106)と反対側に位置する後方端部(108)、第1の表面(126)及び第2の表面(128)を含んでおり、前記第1の表面(126)及び前記第2の表面(128)が、前記支持部分(104)の前記前方端部(106)と前記後方端部(108)との間に延びている、支持部分(104)と、
前記支持部分(104)と一体であってかつ前記支持部分(104)から離れて延びる中間部分(134)であって、前記支持部分(104)から離れて垂直に延びる後方セグメント(136)、及び前記後方セグメント(136)に隣接する、前記支持部分(104)の前記第2の表面(126)から離れて延びる非線形セグメント(142)を含む中間部分(134)と、
前記中間部分(134)と一体のシール部分(154)であって、前方端部(156)、前記前方端部(156)の反対側に位置する後方端部(158)、及び前記前方端部(156)と後方端部(158)との間に延びる高温ガス経路(HGP)表面(160)を含むシール部分(154)と、
前記支持部分(104)と前記シール部分(154)に隣接してそれらの間に延びる2つの対向するスラッシュ面(120、122)と、
前記2つの対向するスラッシュ面(120、122)の間で、前記支持部分(104)、前記中間部分(134)、及び前記シール部分(154)の少なくとも一部を通って延びるプレナム(200)であって、前記中間部分(134)の前記後方セグメント(136)と前記非線形セグメント(142)を分離するプレナム(200)と、
前記中間部分(134)の前記後方セグメント(136)及び前記非線形セグメント(142)と一体に形成された少なくとも1つのブリッジ部材(300、302)であって、前記プレナム(200)を部分的に通って延びる少なくとも1つのブリッジ部材(300、302)と、
前記中間部分(134)を通って延びる前記プレナム(200)の部分内に形成された少なくとも1つの開口(306、308)であって、前記少なくとも1つのブリッジ部材(300、302)によって少なくとも部分的に画定される少なくとも1つの開口(306、308)と
を含む単一本体(102)
を含む、タービンシュラウド(100)。
【請求項2】
前記単一本体(102)の前記少なくとも1つのブリッジ部材(300、302)、前記2つの対向するスラッシュ面(120、122)の間に等距離に形成された前記プレナム(200)の中央部分(304)を部分的に通って延びる、請求項1に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項3】
前記単一本体(102)
前記中間部分(134)の前記非線形セグメント(142)と前記シール部分(154)の前記高温ガス経路(HGP)表面(160)との間に形成された空隙(310)であって、前記少なくとも1つのブリッジ部材(300、302)によって少なくとも部分的に画定される空隙(310)
をさらに含む、請求項1に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項4】
前記単一本体(102)
前記シール部分(154)の前記後方端部(158)に隣接する前記単一本体(102)内に延びる少なくとも1つの冷却通路(202、218、226)
をさらに含む、請求項1に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項5】
前記単一本体(102)の前記シール部分(154)
前記シール部分(154)の前記後方端部(158)に隣接して延びる前記少なくとも1つの冷却通路(202、218、226)と前記シール部分(154)の前記後方端部(158)との間に形成された後方領域(312)であって、前記単一本体(102)の前記シール部分(154)に加えられる所定の力(F)に応じて前記後方領域(312)の破壊又は変形を促進する所定の寸法(D1、D2)を含む後方領域(312)
をさらに含む、請求項4に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項6】
前記単一本体(102)
前記シール部分(154)に形成された第1のリブ(210)であって、前記プレナム(200)と、前記シール部分(154)の前記前方端部(156)と前記後方端部(158)との間で前記シール部分(154)に延びる第1の冷却通路(202)との間に位置してそれらを分離する第1のリブ(210)と、
前記シール部分(154)の前記前方端部(156)に隣接して形成された第2のリブ(220)であって、前記第1の冷却通路(202)と、前記シール部分(154)の前記前方端部(156)に隣接する前記シール部分(154)内に延びる第2の冷却通路(218)との間に位置してそれらを分離する第2のリブ(220)と、
前記シール部分(154)の前記後方端部(158)に隣接して形成された第3のリブ(228)であって、前記第1の冷却通路(202)と、前記シール部分(154)の前記後方端部(158)に隣接する前記シール部分(154)内に延びる第3の冷却通路(226)との間に位置してそれらを分離する第3のリブ(228)と
をさらに含み、
前記第1のリブ(210)、前記第2のリブ(220)、及び前記第3のリブ(228)の各々、前記単一本体(102)の前記シール部分(154)に加えられる所定の力(F)に応じて前記第1のリブ(210)、前記第2のリブ(220)、又は前記第3のリブ(228)の少なくとも1つの破壊又は変形を促進する所定の寸法(D1、D2)を含む、請求項1に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項7】
前記単一本体(102)の前記少なくとも1つのブリッジ部材(300、302)
前記支持部分(104)と前記シール部分(154)との間で、前記中間部分(134)の前記後方セグメント(136)及び前記非線形セグメント(142)と一体に形成された第1のブリッジ部材(300)であって、前記プレナム(200)を部分的に通って延びる第1のブリッジ部材(300)と、
前記第1のブリッジ部材(300)と前記シール部分(154)との間で、前記中間部分(134)の前記後方セグメント(136)及び前記非線形セグメント(142)と一体に形成された第2のブリッジ部材(302)であって、前記プレナム(200)を部分的に通って延びる第2のブリッジ部材(302)と
をさらに含む、請求項1に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項8】
前記第2のブリッジ部材(302)、前記支持部分(104)と前記シール部分(154)との間で前記第1のブリッジ部材(300)と整列される、請求項7に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項9】
前記単一本体(102)の前記少なくとも1つの開口(306、308)
前記第1のブリッジ部材(300)と前記支持部分(104)との間に形成され、それらによって少なくとも部分的に画定された第1の開口(306)であって、前記プレナム(200)と流体連通する第1の開口(306)と、
前記第1のブリッジ部材(300)と前記第2のブリッジ部材(302)との間に形成され、それらによって少なくとも部分的に画定された第2の開口(308)であって、前記プレナム(200)と流体連通する第2の開口(308)と
をさらに含む、請求項7に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項10】
前記中間部分(134)の前記非線形セグメント(142)が、第1の端部(144)及び前記第1の端部(144)と反対側に位置する第2の端部(146)を含んでおり、前記非線形セグメント(142)の前記第1の端部(144)が、前記支持部分(134)の前記前方端部(106)と前記後方端部(108)との間で前記支持部分(134)の前記第2の表面(128)と一体に形成されており、前記非線形セグメント(142)の前記第2の端部(146)が、前記非線形セグメント(142)の前記第1の端部(144)の軸方向上流に位置する、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項11】
前記非線形セグメント(142)の前記第2の端部(146)が、前記支持部分(134)の前記前方端部(106)の軸方向上流に位置する、請求項10に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項12】
前記中間部分(134)の前記非線形セグメント(142)が、前記非線形セグメント(142)の前記第1の端部(144)と前記第2の端部(146)との間に延びる湾曲セクション(148)を含んでいる、請求項10又は請求項11に記載のタービンシュラウド(100)。
【請求項13】
タービンシステム(10)であって、
タービンケーシング(36)と、
前記タービンケーシング(36)を通って軸方向に延びるロータ(30)と、
前記ロータ(30)の周りに円周方向に位置決めされ、前記ロータ(30)から半径方向に延びる複数のタービンブレード(38)と、
前記タービンケーシング(36)に直接結合され、前記タービンケーシング(36)と前記複数のタービンブレード(38)との間に半径方向に位置する複数のタービンシュラウド(100)であって、前記複数のタービンシュラウド(100)の各々請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のタービンシュラウド(100)である、複数のタービンシュラウド(100)と
を含む、タービンシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、タービンシステム構成要素に関し、より具体的には、内部に形成された構造的破壊および崩壊が可能な特徴を含むタービンシステム用の単一本体のタービンシュラウドに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンシステムなどの従来のターボ機械は、発電機のための動力を生成する。一般に、ガスタービンシステムは、ガスタービンシステムのタービン構成要素に流体(例えば、高温ガス)を通すことによって動力を生成する。より具体的には、入口空気が圧縮機に引き込まれて圧縮され得る。圧縮されると、入口空気は燃料と混合されて燃焼生成物を形成し、燃焼生成物はガスタービンシステムの燃焼器によって反応してガスタービンシステムの動作流体(例えば、高温ガス)を形成し得る。次に流体は、動力を生成するために、タービン構成要素の複数の回転ブレードおよびロータまたはシャフトを回転させるために流体流路を通って流れることができる。流体は、複数の回転ブレードと、回転ブレードの間に位置決めされた複数の静止ノズルまたはベーンとを介してタービン構成要素を通して導かれ得る。複数の回転ブレードがガスタービンシステムのロータを回転させると、ロータに結合された発電機は、ロータの回転から動力を生成することができる。
【0003】
動作効率を改善するために、タービン構成要素は、タービンシュラウドおよび/またはノズルバンドのような高温ガス経路構成要素を含み、動作流体の流路をさらに画定することができる。タービンシュラウドは、例えば、タービン構成要素の回転ブレードに半径方向に隣接して位置決めすることができ、タービン構成要素内に動作流体を導き、かつ/または動作流体の流体流路の外側境界を画定することができる。動作中、タービンシュラウドは、タービン構成要素を通って流れる高温の動作流体に曝される場合がある。時間の経過および/または曝露中、タービンシュラウドは、望ましくない熱膨張を受ける可能性がある。タービンシュラウドの熱膨張により、シュラウドが損傷する可能性があり、かつ/またはシュラウドが動作流体の流体流路を画定するためにタービン構成要素内でシールを維持することができない場合がある。タービンシュラウドが損傷したり、タービン構成要素内で十分なシールが形成されなくなったりすると、動作流体が流路から漏れることがあり、したがってタービン構成要素およびタービンシステム全体の動作効率が低下する。
【0004】
加えて、従来のタービンシュラウドは、停止事象中にそれ自体またはタービン構成要素の他の部分(例えば、ケーシング)を保護しない。例えば、停止事象が発生し、不所望に構成要素または構成要素の一部(例えば、ブレード翼形部)がタービン構成要素を通って移動する発射物になると、発射物は、典型的には、タービンシュラウドに接触またはぶつかって損傷を引き起こす。具体的には、発射物にぶつかったタービンシュラウドが損傷する場合があり、タービン構成要素の動作効率が減少する可能性がある。さらに、タービンシュラウドが損傷すると、損傷したタービンシュラウドがタービンケーシングから外れる危険性が高まる。タービン構成要素内の動作効率をさらに減少させることに加えて、外れた損傷したタービンシュラウド自体が、タービン構成要素の動作または状態にさらに影響を及ぼす可能性のある望ましくない発射物になることがある。さらに、タービンシュラウドがケーシングから外れると、ケーシングは、タービン構成要素内で不所望に露出する場合がある。タービンケーシングが損傷した場合、タービン構成要素は、典型的には、損傷したケーシングを修理または交換するために長時間シャットダウンする必要がある。タービン構成要素がシャットダウンしている間に動力を生成する能力を失うことに加えて、ケーシングの修理または交換は時間がかかり、困難であり、かつ高価であることが多い。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様は、タービンシステム用のタービンシュラウドを提供する。タービンシュラウドは、タービンシステムのタービンケーシングに直接結合された支持部分と、支持部分と一体であり、支持部分から離れて延びる中間部分であって、支持部分から離れて垂直に延びる後方セグメント、および後方セグメントに隣接する、支持部分から離れて延びる非線形セグメントを含む中間部分と、中間部分と一体のシール部分であって、前方端部、前方端部の反対側に位置決めされた後方端部、および前方端部と後方端部との間に延びる高温ガス経路(HGP)表面を含むシール部分と、支持部分とシール部分に隣接してそれらの間に延びる2つの対向するスラッシュ面と、2つの対向するスラッシュ面の間で、支持部分、中間部分、およびシール部分の少なくとも一部を通って延びるプレナムであって、中間部分の後方セグメントと非線形セグメントを分離するプレナムと、中間部分の後方セグメントおよび非線形セグメントと一体に形成された少なくとも1つのブリッジ部材であって、プレナムを部分的に通って延びる少なくとも1つのブリッジ部材と、中間部分を通って延びるプレナムの部分内に形成された少なくとも1つの開口であって、少なくとも1つのブリッジ部材によって少なくとも部分的に画定される少なくとも1つの開口とを含む単一本体を含む。
【0006】
本開示の第2の態様は、タービンケーシングと、タービンケーシングを通って軸方向に延びるロータと、ロータの周りに円周方向に位置決めされ、ロータから半径方向に延びる複数のタービンブレードと、タービンケーシングに直接結合され、タービンケーシングと複数のタービンブレードとの間に半径方向に位置決めされた複数のタービンシュラウドであって、複数のタービンシュラウドの各々は、タービンシステムのタービンケーシングに直接結合された支持部分と、支持部分と一体であり、支持部分から離れて延びる中間部分であって、支持部分から離れて垂直に延びる後方セグメント、および後方セグメントに隣接する、支持部分から離れて延びる非線形セグメントを含む中間部分と、中間部分と一体のシール部分であって、前方端部、前方端部の反対側に位置決めされた後方端部、および前方端部と後方端部との間に延びる高温ガス経路(HGP)表面を含むシール部分と、支持部分とシール部分に隣接してそれらの間に延びる2つの対向するスラッシュ面と、2つの対向するスラッシュ面の間で、支持部分、中間部分、およびシール部分の少なくとも一部を通って延びるプレナムであって、中間部分の後方セグメントと非線形セグメントを分離するプレナムと、中間部分の後方セグメントおよび非線形セグメントと一体に形成された少なくとも1つのブリッジ部材であって、プレナムを部分的に通って延びる少なくとも1つのブリッジ部材と、中間部分を通って延びるプレナムの部分内に形成された少なくとも1つの開口であって、少なくとも1つのブリッジ部材によって少なくとも部分的に画定される少なくとも1つの開口とを含む単一本体を含む複数のタービンシュラウドとを含む、タービンシステムを提供する。
【0007】
本開示の例示的な態様は、本明細書で説明される問題および/または検討されていない他の問題を解決するように設計されている。
【0008】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を示す添付の図面と併せて、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明から、さらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態による、ガスタービンシステムの概略図である。
図2】本開示の実施形態による、タービンブレード、ステータベーン、ロータ、タービンケーシング、およびタービンシュラウドを含む図1のガスタービンシステムのタービンの一部の側面図である。
図3】本開示の実施形態による、図2のタービンシュラウドの斜視図である。
図4】本開示の実施形態による、図3のタービンシュラウドの正面図である。
図5】本開示の実施形態による、図3のタービンシュラウドの第1の側面図である。
図6】本開示の実施形態による、図3のタービンシュラウドの第2の側面図である。
図7】本開示の実施形態による、図3のタービンシュラウドの上面図である。
図8】本開示の実施形態による、線CS1-CS1に沿った図7のタービンシュラウドの側面断面図である。
図9】本開示の実施形態による、図8のタービンシュラウドの斜視図である。
図10】本開示の実施形態による、線CS2-CS2に沿った図7のタービンシュラウドの正面断面図である。
図11】本開示の実施形態による、線CS3-CS3に沿った図7のタービンシュラウドの正面断面図である。
図12】本開示の実施形態による、線CS4-CS4に沿った図7のタービンシュラウドの側面断面図である。
図13】本開示の追加の実施形態による、線CS4-CS4に沿った図7のタービンシュラウドの側面断面図である。
図14】本開示の実施形態による、図3のタービンシュラウドを含む図2のガスタービンシステムの一部の拡大側面図である。
図15】本開示の実施形態による、タービンシュラウドを表すコードを記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含む付加製造プロセスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の図面は、原寸に比例していないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを示すことを目的としており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面では、図面間で類似する符号は、類似する要素を表す。
【0011】
最初の問題として、本開示を明確に説明するために、本開示の範囲内の関連する機械構成要素を参照して説明する際に、特定の専門用語を選択することが必要になる。これを行う場合、可能な限り、一般的な工業専門用語が、その受け入れられた意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広義の解釈を与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載され得るものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0012】
加えて、本明細書ではいくつかの記述的用語を規則通りに使用することができ、このセクションの開始時にこれらの用語を定義することが有用であることがわかる。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書で使用する場合、「下流」および「上流」とは、タービンエンジンを通る作動流体、または例えば、燃焼器を通る空気の流れ、もしくはタービンの構成要素システムの1つを通る冷却剤などの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れの反対の方向を指す。「前方」および「後方」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はエンジンの前方または圧縮機端部を指し、「後方」はエンジンの後部またはタービン端部を指す。加えて、「先導する」および「後続する」という用語は、それぞれ、「前方」および「後方」という用語と同様の記述で使用され、および/または理解することができる。多くの場合、異なる半径方向、軸方向および/または円周方向の位置にある部品を説明することが要求される。「A」軸は、軸方向の配向を表す。本明細書で使用する場合、「軸方向の」および/または「軸方向に」という用語は、タービンシステム(特に、ロータセクション)の回転軸と実質的に平行な軸Aに沿った物体の相対的な位置/方向を指す。さらに本明細書で使用する場合、「半径方向の」および/または「半径方向に」という用語は、軸Aと実質的に垂直でありかつただ1つの場所において軸Aと交差する方向「R」(図1および図2参照)に沿った物体の相対的な位置/方向を指す。最後に、「円周方向の」という用語は、軸Aの周囲の移動または位置を指す(例えば、方向「C」)。
【0013】
上述のように、本開示は、一般に、タービンシステム構成要素に関し、より具体的には、内部に形成された構造的破壊および崩壊が可能な特徴を含むタービンシステム用の単一本体のタービンシュラウドに関する。
【0014】
これらおよび他の実施形態は、図1図15を参照して以下に説明される。しかしながら、当業者であれば、これらの図に関して本明細書に与えられた詳細な説明は説明の目的のためのものに過ぎず、限定するものとして解釈すべきではないことを容易に理解するであろう。
【0015】
図1は、例示的なガスタービンシステム10の概略図を示す。ガスタービンシステム10は、圧縮機12を含むことができる。圧縮機12は、流入する空気18の流れを圧縮する。圧縮機12は、圧縮空気20の流れを燃焼器22に送達する。燃焼器22は、圧縮空気20の流れを加圧された燃料24の流れと混合し、この混合物に点火して燃焼ガス26の流れを生成する。単一の燃焼器22のみが示されているが、ガスタービンシステム10は、任意の数の燃焼器22を含んでもよい。次いで、燃焼ガス26の流れは、典型的には翼形部(図2参照)およびステータベーン(図2参照)を含む複数のタービンブレードを含むタービン28に送達される。燃焼ガス26の流れは、タービン28、より具体的にはタービン28の複数のタービンブレードを駆動し、機械的仕事を発生させる。タービン28で発生された機械的仕事は、タービン28を通って延びるロータ30を介して圧縮機12を駆動し、発電機などの外部負荷32を駆動するために使用することができる。
【0016】
ガスタービンシステム10はまた、排気フレーム34を含むことができる。図1に示すように、排気フレーム34は、ガスタービンシステム10のタービン28に隣接して位置決めされてもよい。より具体的には、排気フレーム34は、タービン28に隣接して位置決めすることができ、タービン28の、および/または燃焼器22からタービン28に流れる燃焼ガス26の流れの実質的に下流に位置決めすることができる。本明細書で説明するように、排気フレーム34の一部(例えば、外側ケーシング)は、タービン28のエンクロージャ、シェル、またはケーシング36に直接結合されてもよい。
【0017】
燃焼ガス26が流れてタービン28を駆動した後、燃焼ガス26は、流れ方向(D)に排気フレーム34を通じて排気、流入および/または排出され得る。図1に示す非限定的な例では、燃焼ガス26は、流れ方向(D)に排気フレーム34を通って流れ得、ガスタービンシステム10から(例えば、大気に)排出され得る。ガスタービンシステム10が複合サイクル発電プラント(例えば、ガスタービンシステムおよび蒸気タービンシステムを含む)の一部である別の非限定的な例では、燃焼ガス26は、排気フレーム34から排出され得、流れ方向(D)で複合サイクル発電プラントの排熱回収ボイラに流入してもよい。
【0018】
図2を参照すると、タービン28の一部が示されている。具体的には、図2は、タービンブレード38の段(1つを示す)と、タービン28のケーシング36内に位置決めされたステータベーン40の段(1つを示す)とを含むタービン28の一部の側面図を示す。本明細書で説明するように、タービンブレード38の各段(例えば、第1の段、第2の段(図示せず)、第3の段(図示せず))は、ロータ30に結合され、その周囲または周りに円周方向に位置決めされ得、燃焼ガス26によって駆動されてロータ30を回転させ得る複数のタービンブレード38を含んでもよい。示すように、複数のタービンブレード38はまた、ロータ30から半径方向に延びることができる。加えて、ステータベーン40の各段(例えば、第1の段、第2の段(図示せず)、第3の段(図示せず))は、タービン28のケーシング36に結合され、かつ/またはその周りに円周方向に位置決めされ得る複数のステータベーンを含んでもよい。図2に示す非限定的な例では、ステータベーン40は、外側プラットフォーム42と、外側プラットフォーム42の反対側に位置決めされた内側プラットフォーム44とを含むおよび/またはそれらとして形成された複数の高温ガス経路(HGP)構成要素を含むことができる。タービン28のステータベーン40はまた、外側プラットフォーム42と内側プラットフォーム44との間に位置決めされた翼形部45を含んでもよい。ステータベーン40の外側プラットフォーム42および内側プラットフォーム44は、ステータベーン40上を流れる燃焼ガス26の流路(FP)を画定することができる。本明細書で説明するように、ステータベーン40は、タービン28の隣接するおよび/または周囲のタービンシュラウドに結合することができる。
【0019】
タービン28の各タービンブレード38は、ロータ30から半径方向に延び、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路(FP)内に位置決めされた翼形部46を含むことができる。各翼形部46は、ロータ30の半径方向反対側に位置決めされた先端部分48を含むことができる。タービンブレード38はまた、翼形部46の先端部分48の反対側に位置決めされたプラットフォーム50を含むことができる。非限定的な例では、プラットフォーム50は、タービンブレード38の燃焼ガス26の流路を部分的に画定してもよい。タービンブレード38およびステータベーン40はまた、ケーシング36内で互いに軸方向に隣接して位置決めされてもよい。図2に示す非限定的な例では、ステータベーン40は、タービンブレード38に軸方向に隣接し、タービンブレード38の下流に位置決めされてもよい。明確化のために、タービン28のタービンブレード38、ステータベーン40および/またはロータ30の全部が示されているわけではない。加えて、タービン28の単一の段のタービンブレード38およびステータベーン40の一部のみが図2に示されているが、タービン28は、タービン28のケーシング36全体にわたって軸方向に位置決めされた、複数の段のタービンブレードおよびステータベーンを含むことができる。
【0020】
ガスタービンシステム10のタービン28(図1参照)はまた、タービン28内に含まれる複数のタービンシュラウド100を含むことができる。タービン28は、タービンシュラウド100の段(1つを示す)を含むことができる。タービンシュラウド100は、タービンブレード38の段および/またはステータベーン40の段に対応し得る。すなわち、本明細書で説明するように、タービンシュラウド100の段は、タービンブレード38の段および/またはステータベーン40の段に隣接するタービン28内に位置決めされ、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路(FP)と相互作用してシールを提供し、かつ/または流路(FP)を画定することができる。図2に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100の段は、タービンブレード38の段に半径方向に隣接して位置決めされてもよく、かつ/またはタービンブレード38の段を実質的に取り囲むか包囲してもよい。タービンシュラウド100は、タービンブレード38の翼形部46の先端部分48に半径方向に隣接して位置決めすることができる。加えて、非限定的な例では、タービンシュラウド100はまた、タービン28のステータベーン40の軸方向に隣接しておよび/または上流に位置決めされてもよい。本明細書で説明するように(図14参照)、タービンシュラウド100は、タービンブレードの単一の段の軸方向両側を取り囲むおよび/またはそこに位置決めすることができるステータベーンの2つの隣接する段の間に位置決めすることができる。
【0021】
タービンシュラウドの段は、タービン28のケーシング36に直接結合され、かつ/またはその周りに円周方向に位置決めされ得る複数のタービンシュラウド100を含むことができる。図2に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100は、タービン28のケーシング36から半径方向内向きに(例えば、ロータ30に向かって)延びる延長部52を介してケーシング36に直接結合され得る。本明細書で説明するように、延長部52は、タービンシュラウド100をタービン28のケーシング36に結合、位置決め、および/または固着するために、タービンシュラウド100の締結具またはフック(図14参照)に結合および/またはそれらを受容するように構成され得る開口部54を含むことができる。非限定的な例では、延長部52は、タービン28のケーシング36に結合および/または固定されてもよい。より具体的には、延長部52は、ケーシング36の周りに円周方向に配置されてもよく、タービンブレード38に半径方向に隣接して位置決めされてもよい。別の非限定的な例では、延長部52は、タービンシュラウド100をケーシング36に直接結合、位置決め、および/または固着するためにケーシング36と一体に形成されてもよい。タービンブレード38および/またはステータベーン40と同様に、タービン28のタービンシュラウド100の段の一部のみが図2に示されているが、タービン28は、タービン28のケーシング36全体にわたって軸方向に位置決めされ、延長部52を使用してケーシング36に結合されたタービンシュラウド100の複数の段を含むことができる。
【0022】
図3図7は、図1のガスタービンシステム10のタービン28のタービンシュラウド100の様々な図を示す。具体的には、図3は、タービンシュラウド100の等角図を示し、図4は、タービンシュラウド100の正面図を示し、図5は、タービンシュラウド100の第1の側面図を示し、図6は、タービンシュラウド100の第2の図を示し、図7は、タービンシュラウド100の上面図を示す。
【0023】
タービンシュラウド100、およびその様々な構成要素の非限定的な例は、複数の構成要素の各々が適切かつ正確に説明および示されるようにするために、図3図7のすべてを参照して本明細書で扱うことができる。適用可能な場合、タービンシュラウド100の構成要素または特徴を説明するとき、図3図7の集合図の特定の図を参照することができる。加えて、図1および図2に示すいくつかの基準線または方向は、図3および図7に関して本明細書で規則通りに使用され得る。例えば、図3図7の各々において、本明細書で説明するように、「A」は、軸方向の配向または軸を指すことができ、「R」は、軸Aと実質的に垂直な半径方向軸を指すことができ、「C」は、軸「A」を中心とした経路に沿った円周方向の方向、移動、および/または位置を指すことができる。
【0024】
タービンシュラウド100は、本体102を含むことができる。図3図7に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100は、タービンシュラウド100が単一の連続した、および/または分離されていない構成要素または部品であるように、単一本体102を含む、かつ/または単一本体102として形成することができる。図3図7に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100が単一本体102を含むため、タービンシュラウド100は、タービンシュラウド100を完全に形成するための様々な部分の構築、接合、結合、および/もしくは組み立てを必要としなくてもよく、かつ/またはタービンシュラウド100がタービンシステム10内に設置および/もしくは実装され得る前に様々な部分の構築、接合、結合、および/もしくは組み立てを必要としなくてもよい(図1参照)。むしろ、本明細書で説明するように、タービンシュラウド100の単一の、連続した、および/または分離されていない単一本体102が構築されると、タービンシュラウド100は、タービンシステム10内にすぐに設置することができる。
【0025】
非限定的な例では、タービンシュラウド100の単一本体102、ならびにタービンシュラウド100の様々な構成要素および/または特徴は、任意の適切な付加製造プロセスおよび/または方法を使用して形成することができる。例えば、単一本体102を含むタービンシュラウド100は、直接金属レーザ溶融(DMLM)(選択的レーザ溶融(SLM)とも呼ばれる)、直接金属レーザ焼結(DMLS)、電子ビーム溶融(EBM)、ステレオリソグラフィ(SLA)、バインダジェッティング、または任意の他の適切な付加製造プロセスによって形成されてもよい。したがって、タービンシュラウド100の単一本体102、ならびにタービンシュラウド100の単一本体102の上および/または中に一体的に形成された様々な構成要素および/または特徴は、単一の付加製造プロセスおよび/または方法の間に形成され得る。加えて、タービンシュラウド100の単一本体102は、タービンシュラウド100を形成するために付加製造プロセスによって利用され得る、かつ/または動作中にガスタービンシステム10内のタービンシュラウド100が経験する動作特性(例えば、曝露温度、曝露圧力など)に耐えることが可能であり得る任意の材料から形成することができる。
【0026】
単一本体102から形成される結果として、タービンシュラウド100は、各々がタービン28(図2参照)を通って流れる燃焼ガス26の流路(FP)をシールおよび/または画定することができる異なる特徴、構成要素、および/またはセグメントを含むことができる様々な一体的に形成された部分を含み得る。すなわち、タービンシュラウド100が任意の適切な(単一の)付加製造プロセスおよび/または方法を使用して形成された単一本体102を含むため、タービンシュラウド100の特徴、構成要素、および/またはセグメントは、単一本体102と一体的に形成され得る。「一体特徴」または「一体的に形成された特徴」という用語は、(単一の)付加製造プロセス中に単一本体102の上または中に形成された特徴、単一本体102と同じ材料から形成された特徴、および/または単一本体102の上または中に形成された特徴を指すことができ、したがって特徴は、別個のプロセスおよび/またはタービンシュラウド100の単一本体102の上または中に別々に続いて構築、接合、結合、および/または組み立てられる原材料成分を使用して製作されない。
【0027】
例えば、タービンシュラウド100は、支持部分104を含むことができる。本明細書で説明するように、支持部分104、およびその上に形成された特徴は、タービンシュラウド100に直接結合されてもよいし、かつ/またはタービンケーシング36および/もしくは延長部52へのタービンシュラウド100の結合を支援してもよい(図14参照)。単一本体102の支持部分104は、前方端部106と、前方端部106に位置決めされた後方端部108とを含むことができる。前方端部106は、後方端部108の軸方向上流に位置決めすることができる。
【0028】
図3図4、および図7に示す非限定的な例では、前方端部106は、突出および/もしくは収束する形状、配向、ならびに/または構成110(以下、「構成110」)を含み得る。すなわち、非限定的な例に示すように、支持部分104の前方端部106は、単一本体102の対向する側面またはスラッシュ面120、122から軸方向に延び、中央壁124に収束する対向する角および/または湾曲壁112、118を含み得る構成110を有するおよび/または含むように形成され得る。前方端部106の中央壁124は、壁112、118の上流に位置決めおよび/または形成されてもよく、かつ/または単一本体102の支持部分104の残りの部分の軸方向前方に位置決めされてもよい。すなわち、中央壁124は、単一本体102の支持部分104の前方端部106の軸方向最前方部分であってもよい。
【0029】
加えて、支持部分104はまた、第1の表面126と、第2の表面128とを含むことができる。第1の表面126および第2の表面128は、前方端部106と後方端部108との間で(軸方向に)延びてもよい。加えて、第1の表面126および第2の表面128は、支持部分104の前方端部106および/または後方端部108に実質的に垂直に形成または延びることができる。非限定的な例に示すように、支持部分104の第2の表面128は、第1の表面126の反対側に(半径方向に)位置決めおよび/または形成され得る。
【0030】
タービンシュラウド100用の単一本体102はまた、タービンシュラウド100をタービンケーシング36および/または延長部52に結合するための複数のフックを含むことができる(図14参照)。図3図7に示すように、単一本体102は、少なくとも1つの前方フック130と、少なくとも1つの後方フック132とを含み得る。前方フック130および後方フック132は、単一本体102の支持部分104と一体に形成されてもよい。より具体的には、前方フック130は、支持部分104の前方端部106と一体に形成することができ、後方フック132は、前方フック130の反対側で(軸方向に)、支持部分104の後方端部108と一体に形成することができる。加えて、図3図6に示すように、前方フック130および後方フック132はまた、支持部分104の第1の表面126に隣接して(半径方向に)延びることができる。すなわち、前方端部106および後方端部108とそれぞれ一体に形成された前方フック130および後方フック132は、支持部分104の第1の表面126に半径方向に隣接して、より具体的には半径方向外向きに延び得る。
【0031】
図3図7に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100の単一本体102は、2つの前方フック130A、130Bを含むことができる。2つの前方フック130A、130Bは、単一本体102の第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間で、支持部分104の前方端部106と一体に形成され、中央に位置決めされ得る。より具体的には、2つの前方フック130A、130Bは、支持部分104の前方端部106の中央壁124と一体的に形成されてもよい。加えて、非限定的な例に示すように、2つの前方フック130A、130Bは、支持部分104の前方端部106の壁112、118の間に(円周方向に)形成されてもよい。
【0032】
加えて図3図7に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100の単一本体102は、3つの別個の後方フック132A、132B、132Cを含むことができる。3つの後方フック132A、132B、132Cは、単一本体102の第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間で、支持部分104の後方端部108と一体に形成され得る。例えば、第1の後方フック132Aは、単一本体102の第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間で、支持部分104の後方端部108と一体に形成され、中央に位置決めされ得る。非限定的な例では、第1の後方フック132Aは、支持部分104の第1の端部106に形成された2つの前方フック130A、130Bと軸対称におよび/または軸方向に整列して、支持部分104の後方端部108に形成されてもよい。加えて、第2の後方フック132Bは、単一本体102の第1のスラッシュ面120に直接隣接して、支持部分104の後方端部108と一体に形成され得る。第3の後方フック132Cは、単一本体102の第2のスラッシュ面122に直接隣接して、支持部分104の後方端部108と一体に形成され得る。第3の後方フック132Cは、第2の後方フック132Bの円周方向反対側の支持部分104に形成されてもよい。
【0033】
図3図7に示すように、タービンシュラウド100に含まれるフック130、132のサイズ、形状、および/または数は、単なる例示であることが理解される。したがって、タービンシュラウド100は、内部に形成されたより多くのまたはより少ない、より大きいまたはより小さい、および/または別個に成形されたフック130、132を含むことができる。タービンシュラウド100に含まれるフック130、132のサイズ、形状、および/または数は、動作中のガスタービンシステム10の様々なパラメータ(例えば、曝露温度、曝露圧力、タービンケーシング36内の位置、関連するタービンブレード38の段、延長部52のサイズまたは形状、開口部54のサイズまたは形状など)に少なくとも部分的に依存し得る。追加的または代替的に、タービンシュラウド100に含まれるフック130、132のサイズ、形状、および/または数は、タービンシュラウド100の特性(例えば、支持部分104のサイズまたは形状)に少なくとも部分的に依存し得る。
【0034】
図3図7に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100の単一本体102はまた、中間部分134を含むことができる。中間部分134は、支持部分104と一体に形成され、そこから延びることができる。より具体的には、単一本体102の中間部分134は、支持部分104の第2の表面128と一体に形成することができ、そこから離れて半径方向に延びることができる。非限定的な例では、タービンシュラウド100の中間部分134は、単一本体102の支持部分104とタービン28のタービンブレード38との間に半径方向に位置決めされてもよい(図14参照)。
【0035】
中間部分134は、タービンシュラウド100用の単一本体102の様々な特徴および/またはセグメントを含むことができる。本明細書で説明される様々な特徴および/またはセグメントは、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122の間に延びるおよび/または形成され得る。例えば、中間部分134は、支持部分104の第2の表面128から離れて垂直および/または半径方向に延びる後方セグメント136を含むことができる。加えて図3図5、および図6に示すように、中間部分134の後方セグメント136は、支持部分104の後方端部108および/または単一本体102の後方フック132に実質的に隣接する第2の表面128から延びることができる。非限定的な例では、中間部分134の後方セグメント136の少なくとも一部は、支持部分104の後方端部108および/または単一本体102の後方フック132の軸方向上流に位置決めされてもよい。
【0036】
中間部分134の後方セグメント136は、追加の特徴および/または構成要素も同様に含むことができる。例えば、図3、および図5図7に示すように、単一本体102は、中間部分134の後方セグメント136と一体に形成され、そこから延びる少なくとも1つのフランジ138、140を含むことができる。非限定的な例では、フランジ138、140は、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122の間で、中間部分134の後方セグメント136を横切って延びることができる。加えて図5および図6に示すように、後方セグメント136と一体に形成されたフランジ138、140は、単一本体102の支持部分104および/または後方フック132の後方端部108を越えておよび/または少なくとも部分的に下流に軸方向に延びることができる。本明細書で説明するように、フランジ138、140を使用して、タービン28内にシールを形成し、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路(FP)を画定することができ、かつ/またはタービン28のケーシング36内にステータベーン40を固着することができる(図14参照)。
【0037】
中間部分134はまた、支持部分104の第2の表面128から離れて延びる非線形セグメント142を含むことができる。図3図5、および図6に示すように、中間部分134の非線形セグメント142は、単一本体102の支持部分104の前方端部106と後方端部108との間で、後方セグメント136に軸方向に隣接して第2の表面128から実質的に半径方向に延びることができる。中間部分134の非線形セグメント142は、前方端部106と後方端部108との間で支持部分104の第2の表面128と一体に形成された第1の端部144を含み得る。加えて、非線形セグメント142は、第1の端部144の反対側に位置決めされた第2の端部146を含むことができる。非線形セグメント142の第2の端部146は、第1の端部144の半径方向に隣接して軸方向上流に位置決めされてもよい。加えて、中間部分134の非線形セグメント142の第2の端部146はまた、支持部分104の前方端部106、ならびに支持部分104の前方端部106と一体に形成された前方フック130の軸方向上流に位置決めすることができる。湾曲セクション148は、非線形セグメント142の第1の端部144と第2の端部146との間に延びることができる。すなわち、非線形セグメント142はまた、第1の端部144と第2の端部146との間に延びる湾曲セクション148を含んでもよい。図3図5、および図6に示す非限定的な例では、第1の端部144と第2の端部146との間に延びる湾曲セクション148は、タービンシュラウド100の中間部分134および/または単一本体102の側面図が後方「C」であるように見えることができるように、実質的に凹形の形状または構成を含むことができる。第1の端部144と第2の端部146との間に延びる結果として、湾曲セクション148の少なくとも一部はまた、支持部分104の前方端部106の軸方向上流に位置決めまたは延び得る。加えて、湾曲セクション148の少なくとも一部は、支持部分104の前方端部106と一体に形成された前方フック130の軸方向上流に位置決めまたは延びることができる。
【0038】
図3図7に示す非限定的な例では、単一本体102の中間部分134はまた、前方セグメント150を含むことができる。中間部分134の前方セグメント150は、非線形セグメント142の第2の端部146と一体に形成されてもよい。加えて、前方セグメント150は、非線形セグメント142の第2の端部146に実質的に隣接し、垂直に、および/または軸方向上流に形成されてもよい。示すように、中間部分134の前方セグメント150はまた、支持部分104の前方端部106、ならびに支持部分104の前方端部106と一体に形成された前方フック130の軸方向上流に位置決めすることができる。中間部分134の前方セグメント150は、単一本体102の第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間に少なくとも部分的に延びるチャネルまたは棚152(以下、「棚152」)を含むことができる。棚152は、前方セグメント150内に形成および/または軸方向に延びることができる。本明細書で説明するように、前方セグメント150および棚152を使用して、タービン28内にシールを形成し、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路(FP)を画定し、かつ/またはタービン28のケーシング36内にステータベーン40を固着することができる(図14参照)。
【0039】
タービンシュラウド100の単一本体102はまた、シール部分154を含むことができる。シール部分154は、中間部分134と一体に形成され得る。すなわち、単一本体102のシール部分154は、中間部分134と一体に形成されてもよく、支持部分104の半径方向反対側に位置決めされてもよい。非限定的な例では、本明細書で説明するように、タービンシュラウド100のシール部分154は、単一本体102の中間部分134とタービン28のタービンブレード38との間に半径方向に位置決めすることができ、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路(FP)を少なくとも部分的に画定することができる(図14参照)。
【0040】
非限定的な例では、シール部分154は、前方端部156を含むことができる。シール部分154の前方端部156は、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122の間に形成および/または延びることができる。加えて、前方端部156は、中間部分134の前方セグメント150と一体に形成され、半径方向に隣接し、および/または半径方向に整列されてもよい。その結果、前方端部156は、非線形セグメント142の第2の端部146に実質的に隣接し、垂直に、および/または軸方向上流に形成されてもよい。シール部分154の前方端部156はまた、支持部分104の前方端部106、ならびに支持部分104の前方端部106と一体に形成された前方フック130の軸方向上流に位置決めすることができる。本明細書で説明するように、単一本体102が支持部分104と、非線形セグメント142を有する中間部分134とを含むため、シール部分154の前方端部156は、支持部分104に直接結合もしくは接続、および/または一体に形成されることなく、実質的に片持ち状または片持ち様式で支持部分104の軸方向上流に位置決めされ得る。その結果、前方端部156、ならびにシール部分154の他の部分は、タービンシュラウド100の他の部分(例えば、支持部分104、中間部分134)に望ましくない機械的応力または歪みを引き起こすことなく、タービン28の動作中に熱膨張し得る。
【0041】
シール部分154はまた、前方端部156の反対側に位置決めおよび/または形成された後方端部158を含むことができる。後方端部158はまた、タービン28内に画定された流路(FP)を通って流れる燃焼ガス26がタービンシュラウド100の単一本体102用のシール部分154の隣接する後方端部158を流れる前に隣接する前方端部156を流れることができるように、前方端部156の下流に位置決めすることができる。シール部分154の後方端部158は、中間部分134の後方セグメント136と一体に形成され、半径方向に隣接し、および/または半径方向に整列されてもよい。
【0042】
図3図7に示す非限定的な例では、シール部分154はまた、高温ガス経路(HGP)表面160を含むことができる。シール部分154のHGP表面160は、前方端部156と後方端部158との間で一体的に形成され、かつ/または軸方向に延びることができる。加えて、シール部分154のHGP表面160は、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122の間に一体的に形成され、かつ/または円周方向に延びることができる。HGP表面160はまた、単一本体102の支持部分104の第1の表面126の半径方向反対側に形成されてもよい。本明細書で説明するように、HGP表面160は、タービン28の燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に隣接して位置決めすることができる。すなわち、図14に関して本明細書で説明するように、HGP表面160は、ガスタービンシステム10用のタービン28(図2参照)のタービンケーシング36を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に位置決め、形成、対面および/または直接露出されてもよい。加えて、タービンケーシング36に含まれるとき、タービンシュラウド100用の単一本体102のHGP表面160は、翼形部46の先端部分48に半径方向に隣接して位置決めすることができる(図14参照)。
【0043】
本明細書で説明するように、タービンシュラウド100の単一本体102は、第1のスラッシュ面120と、第2のスラッシュ面122とを含むことができる。図5および図6の非限定的な例に示すように、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122は、タービンシュラウド100の単一本体102上に半径方向に延びる側壁を形成し得る。より具体的には、第1のスラッシュ面120は、支持部分104の第1の表面126とシール部分154のHGP表面160との間に隣接して半径方向に延びることができ、第2のスラッシュ面122は、第1のスラッシュ面120の円周方向反対側に、支持部分104の第1の表面126とシール部分154のHGP表面160との間に隣接して半径方向に延びることができる。したがって、スラッシュ面120、122は、単一本体102を形成する様々な部分の上に延び得る。スラッシュ面120、122は、具体的には、支持部分104、中間部分134、および/またはシール部分154上に延び、単一本体102の円周方向境界、側壁および/または側面を形成することができる。
【0044】
タービンシュラウド100はまた、複数の特徴を含み、全体の重量および/または単一本体102からタービンシュラウド100を形成するための材料要件を低減し得る。例えば、少なくとも1つの空洞162は、単一本体102の第1のスラッシュ面120および/または第2のスラッシュ面122に形成されてもよい。より具体的には、図3図5、および図6に示すように、少なくとも1つの空洞162は、支持部分104の第1の表面126とシール部分154のHGP表面160との間で、スラッシュ面120、122の少なくとも一部の上に形成および/または延びることができる。非限定的な例では、空洞162は、支持部分104、中間部分134、およびシール部分154の少なくとも一部と円周方向および/または半径方向に整列してスラッシュ面120、122上に形成および/または延びてもよい。加えて、示すように、空洞162は、単一本体102の追加の特徴、例えば中間部分134の後方セグメント136と一体に形成されたフランジ138上に形成および/または延び得る。スラッシュ面120、122に形成された少なくとも1つの空洞162は、タービンシュラウド100用の単一本体102の部分を通って延びていなくてもよく、かつ/またはタービンシュラウド100に形成された内部特徴(例えば、冷却回路)と流体連通していなくてもよい。むしろ、少なくとも1つの空洞162は、スラッシュ面120、122の中空、空隙、窪み、ディンプル、および/または凹部として形成されてもよい。スラッシュ面120、122に空洞162を含めることにより、タービンシュラウド100の重量を軽減し、タービンシュラウド100に柔軟性を追加し、かつ/またはタービンシュラウド100を構築または付加製造するのに必要な材料(および製造コスト)を低減することができる。
【0045】
図3図5、および図6に示すように、タービンシュラウド100に含まれる空洞162のサイズ、形状、および/または数は、単なる例示であることが理解される。したがって、タービンシュラウド100は、内部に形成されたより多くのまたはより少ない、より大きいまたはより小さい、および/または別個に成形された空洞162を含むことができる。タービンシュラウド100に含まれる空洞162のサイズ、形状、および/または数は、動作中のガスタービンシステム10の様々なパラメータ(例えば、曝露温度、曝露圧力、タービンケーシング36内の位置、関連するタービンブレード38の段、延長部52のサイズまたは形状、開口部54のサイズまたは形状など)に少なくとも部分的に依存し得る。追加的または代替的に、タービンシュラウド100に含まれる空洞162のサイズ、形状、および/または数は、タービンシュラウド100の特性(例えば、単一本体102のサイズまたは形状)に少なくとも部分的に依存し得る。加えて、スラッシュ面120、122に形成されるものとして示されているが、タービンシュラウド100用の単一本体102の別個の部分は、その上に形成された空洞162を含み得ることが理解される。例えば、図3に示すように、空洞162は、支持部分104の前方端部106の一部および/または前方端部106と一体に形成された前方フック130A、130B上に形成および/または延びることができる。
【0046】
加えて、タービンシュラウド100はまた、内部に形成された少なくとも1つの孔164を含み、全体の重量および/または単一本体102からタービンシュラウド100を形成するための材料要件を低減し得る。図3および図7に示す非限定的な例では、複数の孔164が単一本体102の支持部分104を通して形成され得る。すなわち、単一本体102は、支持部分104の第1の表面126および第2の表面128を通して形成された孔164を含むことができる。孔164は、支持部分104の前方端部106に隣接して形成されてもよい。加えて、孔164はまた、中間部分134のための非線形セグメント142の湾曲セクション148に隣接するおよび/または半径方向上方の支持部分104を通して形成することができる。空洞162と同様に、タービンシュラウド100の単一本体102に形成された孔164は、タービンシュラウド100の重量を軽減し、タービンシュラウド100に柔軟性を追加し、かつ/またはタービンシュラウド100を構築または付加製造するのに必要な材料(および製造コスト)を低減することができる。
【0047】
単一本体102はまた、シールスロット166、167を含むことができる。シールスロット166、167は、それぞれ第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122の上および/または中に形成され得る。図5および図6に示すように、第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122の各々は、それぞれの面または表面上に形成されたおよび/または延びる複数のシールスロット166、167を含むことができる。例えば、第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122の各々は、高温ガス経路(HGP)シールスロット166と、二次シールスロット167とを含むことができる。HGPシールスロット166は、二次シールスロット167とシール部分154のHGP表面160との間で半径方向に対向するスラッシュ面120、122に形成され得る。複数のシールスロット166、167の各々は、タービン28(図2参照)内で使用される円周方向に隣接するタービンシュラウド100のシール構成要素と相互作用するシール構成要素(図示せず)を受容することができる。タービンシュラウド100用の単一本体102のシールスロット166、167内に位置決めされたシール構成要素は、タービン28内にシールを形成し、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路(FP)を画定し、かつ/またはタービンシュラウド100の冷却流体排出エリアへの燃焼ガス26の漏れを防止することができる。非限定的な例では、HGPシールスロット166は、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路を画定し、かつ/または燃焼ガス流路を冷却流体排出エリアから分離することができるシール構成要素を受容し得る。したがって、HGPシールスロット166は、タービンシュラウド100の冷却流体排出エリアへの燃焼ガス26の漏れを防止することができ、逆も同様である。
【0048】
図3および図7に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100用の単一本体102はまた、少なくとも1つの入口開口部168を含むことができる。入口開口部168は、前方端部106と後方端部108との間で、支持部分104の第1の表面126におよび/または第1の表面126を通して形成され得る。加えて、入口開口部168は、第1の表面126におよび/または中間部分134の非線形セグメント142の軸方向下流の支持部分104を通して形成されてもよい。非限定的な例では、入口開口部168は、単一本体102を通して形成された冷却回路(図示せず)と流体連通してもよい。より具体的には、第1の表面126に形成された入口開口部168は、支持部分104の少なくとも一部を通って延びることができ、単一本体102の支持部分104、中間部分134、および/またはシール部分154を通して形成された、かつ/またはそれらの中に含まれる冷却回路と流体連通することができる。
【0049】
図7を参照すると、タービンシュラウド100はまた、例えば、支持部分104の第1の表面126に結合されたメータプレート170を含むことができる。メータプレート170は、第1の表面126に取り付けられ、入口開口部168を覆っておよび/または少なくとも部分的に覆い、入口開口部168を通ってタービンシュラウド100内に形成された冷却回路(図示せず)に流れ得る冷却流体を調節することができる(例えば、量、圧力)。メータプレート170は、任意の適切な接合および/または結合技術および/またはプロセスを使用して、支持部分104の第1の表面126に取り付けおよび/または結合されてもよい。タービンシュラウド100がメータプレート170を含む非限定的な例では、メータプレート170を第1の表面126に結合して入口開口部168を少なくとも部分的に覆うことは、タービンシュラウド100がタービン28内に設置および/または使用される準備ができる前にタービンシュラウド100で実行する必要がある唯一の後付加製造プロセスであり得る。したがって、本明細書で説明するように、単一本体102を含むようにタービンシュラウド100を形成し、かつ本明細書で説明する様々な特徴により、タービン28内にタービンシュラウド100を構築および設置するためのコスト、時間、および/またはプロセスを削減することができる。
【0050】
タービンシュラウド100はまた、ガスタービンシステム10のタービン28の動作中にタービンシュラウド100を冷却するための内部に形成されたプレナムおよび/または冷却通路を含むことができる。引き続き図3図7を参照しながら図8図11を参照すると、タービンシュラウド100の様々なプレナムおよび/または冷却通路が説明されている。図8は、図7の線CS1-CS1に沿ったタービンシュラウド100の側面断面図を示し、図9は、図8に示すタービンシュラウド100の斜視断面図を示し、図10は、図7の線CS2-CS2に沿ったタービンシュラウド100の正面断面図を示し、図11は、図7の線CS3-CS3に沿ったタービンシュラウド100の正面断面図を示す。
【0051】
図8図11に示すように、タービンシュラウド100は、少なくとも1つのプレナム200を含むことができる。プレナム200は、タービンシュラウド100の単一本体102の一部を通って形成および/または延びることができる。より具体的には、プレナム200は、単一本体102の支持部分104、中間部分134、およびシール部分154の少なくとも一部を通って(半径方向に)延び得る。示される非限定的な例では、プレナム200は、支持部分104、および中間部分134の全体を通って延び得るが、シール部分154の一部を通ってのみ延び得る。他の非限定的な例(図示せず)では、プレナム200は、シール部分154内におよび/または(部分的に)通って延びていなくてもよく、むしろ中間部分134内で終了してもよい。図10および図11に示すように、中間部分134およびシール部分154内に形成されたプレナム200の部分(仮想線で示す)は、対向するスラッシュ面120、122の間および/または隣接して延びることができる。図8図11には単一のプレナム200のみが示されているが、タービンシュラウド100はより多くのプレナムを含み得ることが理解される(図14参照)。したがって、図に描かれているプレナム200の数は、単なる例示である。
【0052】
非限定的な例では、プレナム200は、支持部分104に形成された入口開口部168に流体結合および/または直接流体連通してもよい。すなわち、図7に簡単に戻ると、プレナム200は、タービンシュラウド100の支持部分104の第1の表面126に形成された各入口開口部168と流体連通することができる。本明細書で説明するように、プレナム200は、入口開口部168を介して、タービン28内を流れる冷却流体(CF)を受容することができ(図8図10、および図11参照)、動作中にタービンシュラウド100を冷却するためのタービンシュラウド100に形成された別個の冷却通路に冷却流体(CF)を提供することができる。
【0053】
図8図11に示すように、タービンシュラウド100は、タービンシュラウド100の単一本体102内に形成、位置決め、および/または延びる第1の冷却通路202を含むことができる。より具体的には、タービンシュラウド100の第1の冷却通路202は、前方端部156と後方端部158との間でおよび/または隣接して、単一本体102のシール部分154内に位置決めおよび/または通って延びることができる。加えて、図10および図11に示すように、第1の冷却通路202は、対向するスラッシュ面120、122の間でおよび/または隣接して単一本体102のシール部分154を通って延びることができる。第1の冷却通路202はまた、プレナム200とシール部分154のHGP表面160との間で半径方向にシール部分154内に位置決めされ得る。図8および図9に示す非限定的な例では、本明細書で説明するように、第1の冷却通路202の少なくとも一部は、プレナム200と半径方向に整列され得る。また、本明細書で説明するように、第1の冷却通路202は、プレナム200と流体連通してもよい。
【0054】
第1の冷却通路202は、複数の別個のセグメント、セクション、および/または部分を含むことができる。例えば、第1の冷却通路202は、前方部206と、後方部208との間に位置決めおよび/または延びる中央部204を含んでもよい。図8および図9に示すように、第1の冷却通路202の中央部204は、単一本体102のシール部分154の前方端部156と後方端部158との間に中央に形成および/または位置決めすることができる。第1の冷却通路202の前方部206は、シール部分154の前方端部156に直接隣接して、かつ中央部204の軸方向に隣接しておよび/または軸方向上流に形成および/または位置決めされ得る。同様に、第1の冷却通路202の後方部208は、前方部206の反対側で、シール部分154の後方端部158に直接隣接して形成および/または位置決めすることができる。加えて、後方部208は、中央部204に軸方向に隣接しておよび/または軸方向下流に形成されてもよい。非限定的な例では、中央部204は、最も冷却を必要とする前方端部156と後方端部158との間の所定の軸方向位置でシール部分154に形成することができる。すなわち、中央部204は、本明細書で説明するように、タービン28の動作効率および/またはタービン28内のタービンシュラウド100の動作寿命を改善するために、タービンシュラウド100内で最も冷却を必要とし、かつ/または最大の熱交換を要求するシール部分154のHGP表面160の軸方向部分と半径方向に整列することができる。
【0055】
図8および図9に示す非限定的な例では、第1の冷却通路202の部分204、206、208の各々は、別個のサイズまたは寸法を含み得る。具体的には、第1の冷却通路202の中央部204は、第1の寸法を含むことができ、前方部206は、第2の寸法を含むことができ、後方部208は、第3の寸法を含むことができる。第1の冷却通路202の中央部204の第1の寸法は、後方部208の第3の寸法よりも大きくてもよいが、前方部206の第2の寸法よりも小さくてもよい。第1の冷却通路202、およびその様々な部分204、206、208の寸法は、限定はしないが、タービンシュラウド100のサイズ、シール部分154を形成する様々な壁の厚さ、タービンシュラウド100の冷却要求、前方部206/後方部208(および本明細書で説明する追加の冷却通路)への所望の冷却流量/速度、ならびに/またはタービンシュラウド100の前方端部156および/もしくは後方端部158の幾何学的形状もしくは形状を含む様々な要因に依存し得る。
【0056】
タービンシュラウド100の単一本体102に形成されたプレナム200および第1の冷却通路202は、第1のリブ210によって分離され得る。すなわち、図8および図9に示すように、第1のリブ210は、第1の冷却通路202とプレナム200との間で単一本体102のシール部分154に形成され得、それらを分離し得る。本明細書で説明する他の特徴と同様に、第1のリブ210は、タービンシュラウド100の単一本体102と一体に形成され得、HGP表面160から半径方向外向きのシール部分154内に形成され得る。加えて、第1のリブ210は、対向するスラッシュ面120、122の間で単一本体102内に延びることができ、対向するスラッシュ面120、122と一体に形成することができる。
【0057】
第1の冷却通路202に冷却流体を提供するために、タービンシュラウド100の単一本体102はまた、全体を通して形成された第1の複数の衝突開口部212を含むことができる。すなわち、図8および図9に示すように、単一本体102は、第1のリブ210を通して形成された第1の複数の衝突開口部212を含むことができる。第1のリブ210を通して形成された第1の複数の衝突開口部212は、プレナム200と第1の冷却通路202とを流体結合することができる。本明細書で説明するように、ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、冷却流体は、プレナム200から第1の複数の衝突開口部212を通って第1の冷却通路202に流れ、タービンシュラウド100を実質的に冷却することができる。
【0058】
図8および図9に示すように、第1のリブ210を通して形成された衝突開口部212のサイズおよび/または数は、単なる例示であることが理解される。したがって、タービンシュラウド100は、より大きいまたはより小さい衝突開口部212を含むことができ、かつ/または内部に形成されたより多くのまたはより少ない衝突開口部212を含むことができる。加えて、第1の複数の衝突開口部212がサイズおよび/または形状が実質的に均一であるように示されているが、タービンシュラウド100に形成された第1の複数の衝突開口部212の各々は、別個のサイズおよび/または形状を含み得ることが理解される。タービンシュラウド100の単一本体102に形成された衝突開口部212のサイズ、形状、および/または数は、動作中のガスタービンシステム10の動作特性(例えば、曝露温度、曝露圧力、タービンケーシング36内の位置など)に少なくとも部分的に依存し得る。追加的または代替的に、衝突開口部212のサイズ、形状、および/または数は、タービンシュラウド100/第1の冷却通路202の特性(例えば、第1のリブ210の厚さ、第1の冷却通路202の寸法、第1の冷却通路202の容積、プレナム200の寸法/容積など)に少なくとも部分的に依存し得る。
【0059】
第1の冷却通路202に加えて、タービンシュラウド100はまた、第2の冷却通路218を含むことができる。第2の冷却通路218は、タービンシュラウド100の単一本体102内に形成、位置決め、および/または延びることができる。すなわち、図8および図9に示すように、第2の冷却通路218は、シール部分154の前方端部156に隣接するタービンシュラウド100の単一本体102内に延びてもよい。第2の冷却通路218はまた、対向するスラッシュ面120、122の間でおよび/または隣接して単一本体102のシール部分154内に形成および/または延びることができる。非限定的な例では、第2の冷却通路218は、第1の冷却通路202の中央部204および前方部206に隣接する単一本体102のシール部分154内に形成および/または延びてもよい。より具体的には、第2の冷却通路218は、第1の冷却通路202の中央部204に隣接してその上流に位置決めすることができ、第1の冷却通路202の前方部206から半径方向内向きに位置決めすることもできる。非限定的な例では、第2の冷却通路218は、第1の冷却通路202の前方部206とシール部分154のHGP表面160との間に形成または位置決めされてもよい。
【0060】
第2の冷却通路218はまた、第2のリブ220によって第1の冷却通路202の前方部206から分離されてもよい。すなわち、図8および図9に示すように、第2のリブ220は、第1の冷却通路202と第2の冷却通路218との間に形成され得、それらを分離し得る。第2のリブ220は、タービンシュラウド100の単一本体102と一体に形成されてもよく、シール部分154の前方端部156に隣接して形成されてもよい。加えて、第2のリブ220は、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122の間で単一本体102のシール部分内に延びることができ、対向するスラッシュ面120、122と一体に形成することができる。
【0061】
タービンシュラウド100の第2の冷却通路218はまた、タービンシュラウド100の第1の冷却通路202と流体連通および/または流体結合することができる。より具体的には、第2の冷却通路218は、第1の冷却通路202の前方部206と直接流体連通してもよい。図8および図9に示す非限定的な例では、単一本体102のシール部分154は、第2のリブ220を通して形成された第2の複数の衝突開口部222を含み得る。第2のリブ220を通して形成された第2の複数の衝突開口部222は、第1の冷却通路202、より具体的には前方部206と第2の冷却通路218とを流体結合し得る。本明細書で説明するように、ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、第1の冷却通路202の前方部206を通って流れる冷却流体は、第2の複数の衝突開口部222を通過または流れて第2の冷却通路218に至り、タービンシュラウド100を実質的に冷却することができる。
【0062】
第1の複数の衝突開口部212と同様に、図8および図9に示すように、第2のリブ220を通して形成された第2の複数の衝突開口部222のサイズ、形状、および/または数は、単なる例示である。したがって、タービンシュラウド100は、より大きいまたはより小さい衝突開口部222、様々なサイズの衝突開口部222を含むことができ、かつ/または内部に形成されたより多くのまたはより少ない衝突開口部222を含むことができる。
【0063】
また、図8および図9に示すように、タービンシュラウド100の単一本体102は、複数の前方排気孔224を含むことができる。複数の前方排気孔224は、第2の冷却通路218と流体連通することができる。より具体的には、複数の前方排気孔224の各々は、タービンシュラウド100の第2の冷却通路218と流体連通してもよく、そこから軸方向に延びてもよい。図8および図9に示す非限定的な例では、複数の前方排気孔224は、第2の冷却通路218からシール部分154の前方端部156へと、単一本体102を通って延びることができる。すなわち、複数の前方排気孔224の各々は、シール部分154の前方端部156を通して形成され得、第2の冷却通路218に流体結合されるように単一本体102を通って軸方向に延び得る。動作中、本明細書で説明するように、複数の前方排気孔224は、シール部分154の前方端部156に隣接する第2の冷却通路218から、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に冷却流体を排出してもよい。
【0064】
図8および図9の非限定的な例に示す前方排気孔224の数は、単なる例示であることが理解される。したがって、シール部分154の前方端部156は、図8および図9に示すものよりも多いかまたは少ない前方排気孔224を含むことができる。加えて、実質的に長方形および線形であるとして示されているが、前方排気孔224は、実質的に丸形および/または非線形の開口部、チャネルおよび/またはマニホルドであり得ることが理解される。
【0065】
また、図8および図9に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100の単一本体102はまた、第3の冷却通路226を含むことができる。第3の冷却通路226は、タービンシュラウド100の単一本体102のシール部分154内に形成、位置決め、および/または延びることができる。すなわち、第3の冷却通路226は、シール部分154の後方端部158に隣接する単一本体102内に延びてもよい。第3の冷却通路226はまた、対向するスラッシュ面120、122の間でおよび/または隣接して単一本体102のシール部分154内に形成および/または延びることができる。非限定的な例では、第3の冷却通路226は、第1の冷却通路202の中央部204および後方部208に隣接するシール部分154内に形成および/または延びてもよい。より具体的には、第3の冷却通路226は、第1の冷却通路202の中央部204に隣接してその下流に位置決めすることができ、第1の冷却通路202の後方部208から半径方向内向きに位置決めすることもできる。非限定的な例では、第3の冷却通路226は、第1の冷却通路202の後方部208とシール部分154の内側HGP表面160との間に形成または位置決めされてもよい。
【0066】
第3の冷却通路226はまた、第3のリブ228によって第1の冷却通路202の後方部208から分離されてもよい。すなわち、図8および図9に示すように、第3のリブ228は、第1の冷却通路202と第3の冷却通路226との間に形成され得、それらを分離し得る。第3のリブ228は、タービンシュラウド100の単一本体102と一体に形成されてもよく、シール部分154の後方端部158に隣接して形成されてもよい。加えて、第3のリブ228は、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122の間で単一本体102のシール部分154内に延びることができ、対向するスラッシュ面120、122と一体に形成することができる。
【0067】
タービンシュラウド100の第3の冷却通路226はまた、タービンシュラウド100の第1の冷却通路202と流体連通および/または流体結合することができる。より具体的には、第3の冷却通路226は、第1の冷却通路202の後方部208と直接流体連通してもよい。図8および図9に示す非限定的な例では、単一本体102のシール部分154は、第3のリブ228を通して形成された第3の複数の衝突開口部230を含み得る。第3のリブ228を通して形成された第3の複数の衝突開口部230は、第1の冷却通路202、より具体的には後方部208と第3の冷却通路226とを流体結合し得る。本明細書で説明するように、ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、第1の冷却通路202の後方部208を通って流れる冷却流体は、第3の複数の衝突開口部230を通過または流れて第3の冷却通路226に至り、タービンシュラウド100を実質的に冷却することができる。
【0068】
第2の複数の衝突開口部222と同様に、第3のリブ228を通して形成された第3の複数の衝突開口部230のサイズ、形状、および/または数は、単なる例示であり、動作中のガスタービンシステム10の動作特性、および/またはタービンシュラウド100/第3の冷却通路226の特性に少なくとも部分的に依存し得る。したがって、タービンシュラウド100は、第3のリブ228を通して形成されたより多くのまたはより少ない衝突開口部230を含むことができる。
【0069】
また、図8および図9に示すように、タービンシュラウド100は、複数の後方排気孔232を含むことができる。複数の後方排気孔232は、第3の冷却通路226と流体連通することができる。より具体的には、複数の後方排気孔232の各々は、タービンシュラウド100の第3の冷却通路226と流体連通してもよく、そこから軸方向に延びてもよい。非限定的な例では、複数の後方排気孔232は、第3の冷却通路226からシール部分154の後方端部158へと、単一本体102を通って軸方向に延びることができる。すなわち、複数の後方排気孔232の各々は、シール部分154の後方端部158を通して形成され得、第3の冷却通路226に流体結合されるように単一本体102を通って軸方向に延び得る。本明細書で説明するように、複数の後方排気孔232は、シール部分154の後方端部158に隣接する第3の冷却通路226から、タービン28を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路(FP)に冷却流体を排出してもよい。
【0070】
複数の前方排気孔224と同様に、図8および図9の非限定的な例に示す後方排気孔232の数は、単なる例示であることが理解される。したがって、シール部分154の後方端部158は、図8および図9に示すものよりも多いかまたは少ない後方排気孔232を含むことができる。加えて、後方排気孔232の形状(例えば、実質的に長方形および線形)は、単なる例示であり、単一本体102に含まれる複数の排気孔232の各々は、実質的に別個の形状(例えば、非線形の開口部、チャネルおよび/またはマニホルド)で形成され得る。
【0071】
シール部分154の前方端部156および後方端部158から冷却流体を排気することに加えて、タービンシュラウド100は、タービンシュラウド100用の単一本体102の対向するスラッシュ面120、122から冷却流体を排気する追加の特徴を含むことができる。図10および図11を参照し、先に図5および図6に示したように、タービンシュラウド100の単一本体102は、2つの対向するスラッシュ面120、122の各々に形成された排気チャネル234を含むことができる。すなわち、単一本体102の第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122の各々は、内部に形成され、それぞれ第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122に実質的に露出する排気チャネル234を含み得る。各排気チャネル234は、対向するスラッシュ面120、122の少なくとも一部にわたって軸方向に延びることができる。図10および図11に示す非限定的な例では、排気チャネル234は、HGPシールスロット166から半径方向外向きに形成および/もしくは位置決めされ得、かつ/または単一本体102の支持部分134と対向するスラッシュ面120、122に形成されたHGPシールスロット166との間に半径方向に形成および/もしくは位置決めされ得る。排気チャネル234は、第1の冷却通路202と流体連通することができる。図10に示す非限定的な例では、排気チャネル234は、本明細書で説明される第2の冷却通路218、および導管236、238を介して第1の冷却通路202と流体連通し得る。ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、冷却流体の少なくとも一部は、HGPシールスロット166から半径方向外向きにある排気チャネル234を通してタービンシュラウド100から排出することができる。
【0072】
タービンシュラウド100のために単一本体102に形成された導管236、238は、排気チャネル234を単一本体102のシール部分154内に形成された冷却通路に流体結合することができる。例えば、図10に示すように、第1の導管236は、第2の冷却通路218と第1のスラッシュ面120に形成された排気チャネル234との間に延び、それらを流体結合することができる。第1の導管236は、第2の冷却通路218から第1のスラッシュ面120に向かって単一本体102のシール部分154を通して形成および/または延びてもよく、第2の冷却通路218と第1のスラッシュ面120に形成された排気チャネル234の両方と流体連通してもよい。加えて、図10に示す非限定的な例では、第2の導管238は、第2の冷却通路218と第2のスラッシュ面122に形成された排気チャネル234との間に延び、それらを流体結合することができる。第2の導管238は、第1の導管236の円周方向反対側で、第2の冷却通路218から第2のスラッシュ面122に向かって単一本体102のシール部分154を通して形成および/または延びることができる。第2の導管238はまた、第2の冷却通路218と第2のスラッシュ面122に形成された排気チャネル234の両方と流体連通してもよい。第1の冷却通路202、より具体的には前方部206が第2の冷却通路218と流体連通しているため、非限定的な例の第1の冷却通路202はまた、本明細書で説明するように、排気チャネル234に冷却流体を提供するために導管236、238と流体連通してもよい。
【0073】
図5図6図10および図11に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100の単一本体102はまた、複数のスラッシュ面排気孔240(図10に仮想線で示す)を含むことができる。複数のスラッシュ面排気孔240は、シール部分154の前方端部156と後方端部158との間で、単一本体102の2つの対向するスラッシュ面120、122の各々に形成されてもよい。すなわち、単一本体102の第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122の各々は、内部に形成された複数のスラッシュ面排気孔240を含み得、複数のスラッシュ面排気孔240は、それぞれ第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122で実質的に露出され得る。図5図6図10、および図11に示す非限定的な例では、複数のスラッシュ面排気孔240はまた、HGPシールスロット166から半径方向内向きに形成および/もしくは位置決めすることができ、かつ/または対向するスラッシュ面120、122に形成されたHGPシールスロット166とシール部分154のHGP表面160との間に半径方向に形成および/もしくは位置決めすることができる。本明細書で説明するように、複数のスラッシュ面排気孔240は、排気チャネル234と流体連通することができる。ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、冷却流体の少なくとも一部は、本明細書で説明するように、HGPシールスロット166から半径方向内向きに複数のスラッシュ面排気孔240を通ってタービンシュラウド100から、燃焼ガス26の流路に排出され得る。図5図6図10、および図11の非限定的な例に示すスラッシュ面排気孔240の数は、単なる例示であることが理解される。したがって、単一本体102の対向するスラッシュ面120、122は、図に示すものよりも多いかまたは少ないスラッシュ面排気孔240を含むことができる。
【0074】
複数のスラッシュ面排気孔240は、排気チャネル234と流体連通することができ、かつ/または排気チャネル234に流体結合することができる。図10および図11に示す非限定的な例では、単一本体102は、排気チャネル234と複数のスラッシュ面排気孔240とを流体結合する複数の接続導管242(図10に仮想線で示す)を含むことができる。複数の接続導管242は、2つの対向するスラッシュ面120、122の各々に隣接して、単一本体102のシール部分154に形成されてもよい。すなわち、複数の接続導管242の各々は、単一本体102の第1のスラッシュ面120または第2のスラッシュ面122のいずれかに隣接して、シール部分154に形成され得る。複数の接続導管242の各々は、排気チャネル234と、対向するスラッシュ面120、122のいずれかに形成された複数のスラッシュ面排気孔240との間に半径方向に延びることができ、それらを流体結合することができる。本明細書で説明するように、ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、導管236、238を介して排気チャネル234に提供される冷却流体の少なくとも一部は、複数の接続導管242を通って流れ、続いて複数のスラッシュ面排気孔240に提供されてそこから排気され得る。
【0075】
ガスタービンシステム10(図1参照)の動作中、冷却流体は、単一本体102を通って流れてタービンシュラウド100を冷却することができる。より具体的には、タービンシュラウド100がガスタービンシステム10の動作中にタービン28(図2参照)の高温ガス流路を通って流れる燃焼ガス26に曝されて温度が上昇するにつれて、冷却流体は、タービンシュラウド100を冷却するために単一本体102を通して形成および/または延びる様々な特徴(例えば、プレナム200、通路202、218、226、排気チャネル234など)に提供され得、かつ/またはそれらを通って流れ得る。非限定的な例では、冷却流体は、タービン28の別個の部分、特徴および/またはエリアから単一本体102の支持部分104に隣接するタービンシュラウド100に最初に提供されてもよい。冷却流体は、支持部分104の第1の表面126に形成された入口開口部168を通ってプレナム200に流れることができる。単一本体102が単一のプレナム200を含む図8図11に示す非限定的な例では、冷却流体は、各入口開口部168を通って半径方向に流れ得、プレナム200内で収集および/または混合され得る。加えて、タービンシュラウド100が入口開口部168(図7参照)を覆ったおよび/または少なくとも部分的に覆う第1の表面126に取り付けられたメータプレート170を含む場合、メータプレート170は、入口開口部168を通ってプレナム200に流れる冷却流体の量、および/または冷却流体が入口開口部168を通ってプレナム200に流れる圧力を調節することができる。
【0076】
冷却流体は、入口開口部168から、プレナム200を通ってシール部分154のHGP表面160に向かって、および/またはシール部分154内に形成された冷却通路202、218、226に向かって半径方向に流れることができる。より具体的には、プレナム200に提供される冷却流体は、第1のリブ210に向かって半径方向に流れ、続いて第1の複数の衝突開口部212を通って第1の冷却通路202に流れることができる。非限定的な例では、冷却流体は、第1のリブ210に形成された第1の複数の衝突開口部212を通って流れ得、第1の冷却通路202の中央部204に最初に入り得る。第1の冷却通路202の中央部204へと/を通って流れる冷却流体は、タービンシュラウド100のシール部分154のHGP表面160から熱を冷却および/または受容することができる。本明細書で説明するように、中央部204を通って流れる冷却流体は、タービンシュラウド100内で最も冷却を必要とし、かつ/または最大の熱交換を要求するシール部分154のHGP表面160の軸方向部分を冷却することができる。第1の冷却通路202内に入ると、冷却流体は、分散され得、かつ/またはシール部分154の前方端部156または後方端部158の一方に向かって軸方向に流れ得る。より具体的には、第1の冷却通路202の中央部204の冷却流体は、第1の冷却通路202の前方部206または第1の冷却通路202の後方部208に軸方向に流れることができる。冷却流体は、例えば、第1の冷却通路202内の内部圧力の結果として第1の冷却通路202のそれぞれの部分206、208および/または単一本体102のシール部分154の端部156、158に流れることができる。
【0077】
冷却流体が第1の冷却通路202のそれぞれの部分206、208および/またはシール部分154の端部156、158に流れた後、冷却流体は、タービンシュラウド100の単一本体102内に形成および/または延びる別個の冷却通路218、226に流れ、タービンシュラウド100の冷却および/または熱の受容を続けることができる。例えば、シール部分154の前方端部156および/または第1の冷却通路202の前方部206に流れる冷却流体の一部は、続いて第2の冷却通路218に流れてもよい。冷却流体は、単一本体102の第2のリブ220を通して形成された第2の複数の衝突開口部222を介して第1の冷却通路202の前方部206から第2の冷却通路218に流れることができる。第2の冷却通路218内に入ると、冷却流体は、タービンシュラウド100の冷却および/またはタービンシュラウド100からの熱の受容/放散を続けることができる。同時に、シール部分154の後方端部158および/または第1の冷却通路202の後方部208に流れる冷却流体の別個の部分は、続いて第3の冷却通路226に流れてもよい。冷却流体は、単一本体102の第3のリブ228を通して形成された第3の複数の衝突開口部230を介して第1の冷却通路202の後方部208から第3の冷却通路226に流れることができる。第3の冷却通路226内に入ると、冷却流体は、タービンシュラウド100の冷却および/またはタービンシュラウド100からの熱の受容/放散を続けることができる。
【0078】
第2の冷却通路218から、冷却流体の一部は、複数の前方排気孔224を通って流れ、シール部分154の前方端部156に隣接して排気され、タービン28(図2参照)を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路に流れ得る。加えて、第3の冷却通路226に含まれる冷却流体の一部は、複数の後方排気孔232を通って流れ、シール部分154の後方端部158に隣接して排気され、タービン28(図2参照)を通って流れる燃焼ガス26の高温ガス流路に最終的に流れ得る。
【0079】
前方排気孔224または後方排気孔232から排気されない冷却流体の別個の部分は、タービンシュラウド100の他の特徴に提供され得る。例えば、第2の冷却通路218に流れる冷却流体の別個の部分は、排気チャネル234に提供されてもよい。より具体的には、冷却流体の別個の部分は、第2の冷却通路218から導管236、238に流れることができ、続いてタービンシュラウド100の単一本体102の対向するスラッシュ面120、122に形成された排気チャネル234に提供することができる。導管236、238は、冷却流体を排気チャネル234に流すことができ、排気チャネル234に提供される冷却流体の少なくとも一部は、HGPシールスロット166および内部に位置決めされたシール構成要素(図示せず)の半径方向外向きおよび/または上に排気チャネル234から排気されてもよい。排気チャネル234から排気された冷却流体は、HGPシールスロット166内に位置決めされたシール構成要素によって燃焼ガス26の流路から分離される冷却流体排出エリアに排気され得る。
【0080】
加えて、非限定的な例では、排気チャネル234に提供される冷却流体の一部は、排気チャネル234と、対向するスラッシュ面120、122に形成された複数のスラッシュ面排気孔240との間に延び、それらを流体結合する複数の接続導管242に提供され得る。複数の接続導管242は、排気チャネル234から複数のスラッシュ面排気孔240の各々に冷却流体を流すことができ、次にHGPシールスロット166および内部に位置決めされたシール構成要素(図示せず)の半径方向内向きおよび/または下に冷却流体を排気し得る。複数のスラッシュ面排気孔240から排気された冷却流体は、前方排気孔224および/または後方排気孔232から排出された冷却流体と同様に、タービン28の燃焼ガス26の流路に排気され得る。
【0081】
引き続き図7図11を参照しながら図12を参照して、単一本体102を含むタービンシュラウド100の追加の特徴を以下で説明する。具体的には、図12は、図7の線CS1-CS1に沿ったタービンシュラウド100の側面断面図を示す。図10図12に関して本明細書で説明する追加の特徴は、衝撃または停止事象(例えば、タービンブレードの停止)中/後、タービンシュラウド100の所定のエリアにおける崩れ、崩壊、破壊および/または変形の方向を促進、誘導、または場合によっては画定し、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36自体への損傷を防止することができる。
【0082】
図10図12に示すように、タービンシュラウド100の単一本体102はまた、中間部分134と一体に形成された少なくとも1つのブリッジ部材300、302を含むことができる。より具体的には、単一本体102は、中間部分134内に位置決めおよび/または中間部分134と整列され、中間部分134の後方セグメント136と非線形セグメント142と一体におよび/またはそれらの間で(軸方向に)形成されたブリッジ部材300、302を含むことができる。例えば、図10図12に示すように、単一本体102は、中間部分134の後方セグメント136および非線形セグメント142と一体に、単一本体102の支持部分104とシール部分154との間で半径方向に形成された第1のブリッジ部材300(図10および図11に仮想線で示す)を含むことができる。加えて、図10図12に示す非限定的な例では、単一本体102は、中間部分134の後方セグメント136および非線形セグメント142と一体に、単一本体102の第1のブリッジ部材300とシール部分154との間で半径方向に形成された第2のブリッジ部材302(図10および図11に仮想線で示す)を含むことができる。第2のブリッジ部材302はまた、第1のブリッジ部材300の上流および/または半径方向内向きに単一本体102に形成されてもよく、支持部分104とシール部分154との間で第1のブリッジ部材300と(軸方向に)整列されてもよい。
【0083】
単一本体102のブリッジ部材300、302はまた、タービンシュラウド100のプレナム200内に位置決めされ、形成され、かつ/または少なくとも部分的に通って延びることができる。図10図12に示すように、ブリッジ部材300、302は、第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間で、それらから分離されてプレナム200内に形成され、かつ/または部分的に通って延びることができる。すなわち、ブリッジ部材300、302は、プレナム200を通して第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間を完全には延び得ないが、むしろ第1のブリッジ部材300および第2のブリッジ部材302は、プレナム200を部分的に通って延び得、それぞれ第1のスラッシュ面120および第2のスラッシュ面122から円周方向に分離または離間され得る。加えて、非限定的な例に示すように、単一本体102のブリッジ部材300、302は、プレナム200の中央部分304(図10および図11参照)を部分的に通って形成および/または延びてもよい。この例では、プレナム200の中央部分304は、タービンシュラウド100の単一本体102の第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間に等距離に位置するまたは形成することができる。本明細書で説明するように、ブリッジ部材300、302は、力(例えば、タービンブレードの停止)がタービンシュラウド100のシール部分154に加えられるとタービンシュラウド100の所定のおよび/または所望の破壊および/または変形を促進し、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる。
【0084】
2つのブリッジ部材300、302が図10図12に示されているが、タービンシュラウド100は、より多くのまたはより少ないブリッジ部材を含み得ることが理解される(図13参照)。したがって、図に描かれているブリッジ部材の数は、単なる例示である。加えて、本明細書で同様に説明されるように、ブリッジ部材300、302は、任意の適切な付加製造プロセスおよび/または方法を使用して、タービンシュラウド100の単一本体102内に一体的に形成され得る。
【0085】
ブリッジ部材300、302が中間部分134の後方セグメント136および非線形セグメント142と一体的に形成される結果として、タービンシュラウド100の単一本体102はまた、プレナム200内に形成された少なくとも1つの開口306、308を含むことができる。より具体的には、図10図12に示すように、単一本体102は、中間部分134を通って延びるプレナム200の一部内に形成され、ブリッジ部材300、302によって少なくとも部分的に画定された開口306、308を含むことができる。タービンシュラウド100の単一本体102が第1のブリッジ部材300および第2のブリッジ部材302を含む非限定的な例では、単一本体102はまた、第1の開口306および第2の開口308を含むことができる。第1の開口306は、それぞれ第1のブリッジ部材300と支持部分104との間、ならびに中間部分134の後方セグメント136と非線形セグメント142との間で、それらによって少なくとも部分的に画定された単一本体102内に形成され得る。加えて、第1の開口306は、単一本体102の支持部分104とシール部分154との間で半径方向に、中間部分134内に少なくとも部分的に形成されてもよい。第2の開口308は、それぞれ第1のブリッジ部材300と第2のブリッジ部材302との間、ならびに中間部分134の後方セグメント136と非線形セグメント142との間で、それらによって少なくとも部分的に画定された単一本体102内に形成され得る。第2の開口308は、第1の開口306とシール部分154との間で半径方向に、中間部分134内に少なくとも部分的に形成されてもよい。
【0086】
単一本体102の開口306、308では、プレナム200と流体連通することができる。すなわち、図10図12に示すように、第1の開口306および第2の開口308は各々、プレナム200と流体連通することができる。非限定的な例では、第1の開口306および第2の開口308は、中央部分304の両側に形成されたプレナム200の別個の部分を流体結合し得る。動作中、プレナム200に提供されるおよび/またはプレナム200を通って流れる冷却流体はまた、冷却流体が第1の冷却通路202に提供される前に、第1の開口306および第2の開口308を通って流れることができる。本明細書で説明するように、ブリッジ部材300、302と共に開口306、308は、力(例えば、タービンブレードの停止)がタービンシュラウド100のシール部分154に加えられるとタービンシュラウド100の所定のおよび/または所望の破壊および/または変形を促進し、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる。
【0087】
2つの開口306、308が図10図12に示されているが、タービンシュラウド100は、より多くのまたはより少ない開口を含み得ることが理解される(図13参照)。したがって、図に描かれている開口の数は、単なる例示である。タービンシュラウド100のプレナム200内に形成される開口の数は、少なくとも部分的に、タービンシュラウド100の単一本体102内にも含まれおよび/または形成されるブリッジ部材の数に依存し得る。加えて、本明細書で同様に説明されるように、開口306、308は、任意の適切な付加製造プロセスおよび/または方法を使用して、タービンシュラウド100の単一本体102内に一体的に形成され得る。
【0088】
タービンシュラウド100の単一本体102はまた、空隙310を含むことができる。空隙310は、単一本体102の中間部分134内に形成され得る。図10図12に示すように、単一本体102は、中間部分134の非線形セグメント142とシール部分154との間に形成された空隙310を含み得る。より具体的には、空隙310は、中間部分134の非線形セグメント142とHGP表面160および/またはシール部分154の第1の冷却通路202/第2の冷却通路218との間に形成することができる。空隙310はまた、単一本体102の中間部分134の前方セグメント150の一部に隣接して、軸方向に整列して、および/または実質的に下流に形成することができる。非限定的な例では、空隙310は、単一本体102の中間部分134と一体的に形成されたブリッジ部材300、302、より具体的には第2のブリッジ部材302によってさらに画定されてもよい。開口306、308とは異なり、空隙310は、タービンシュラウド100の単一本体102内に形成されたプレナム200および/または複数の通路202、218、226と流体連通していなくてもよい。むしろ、空隙310は、タービンシュラウド100の単一本体102内の別々の空洞、ポケット、空間、および/または材料の欠如として形成されてもよい。開口306、308およびブリッジ部材300、302と同様に、本明細書で説明するように、空隙310は、力(例えば、タービンブレードの停止)がタービンシュラウド100のシール部分154に加えられるとタービンシュラウド100の所定のおよび/または所望の破壊および/または変形を促進し、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる。
【0089】
単一の空隙310が図10図12に示されているが、タービンシュラウド100は、中間部分134の前方セグメント150に隣接して形成されたより多くの空隙を含み得ることが理解される。したがって、図に描かれている空隙の数は、単なる例示である。加えて、本明細書で同様に説明されるように、空隙310は、任意の適切な付加製造プロセスおよび/または方法を使用して、タービンシュラウド100の単一本体102内に一体的に形成され得る。
【0090】
図12に示す非限定的な例では、単一本体102のシール部分154はまた、後方端部158に隣接して延びる少なくとも1つの冷却通路202、226とシール部分154の後方端部158の一部との間に形成された後方領域312を含み得る。より具体的には、単一本体102のシール部分154は、第1の冷却通路202、第3の冷却通路226および/または第3のリブ228の後方端部158と後方部208との間に一体的に形成された後方領域312を含むことができる。シール部分154の後方領域312は、HGP表面160から半径方向外向きに位置決めされてもよく、かつ/またはHGP表面160と中間部分134の後方セグメント136との間に半径方向に形成されてもよい。後方領域312はまた、単一本体102の第1のスラッシュ面120と第2のスラッシュ面122との間に形成および/または円周方向に延びることができる。図12に示すように、後方領域312は、単一本体102のシール部分154に加えられる所定の力に応じて後方領域312の破壊および/または変形(例えば、崩壊)を促進する所定の寸法(D1)を含むことができる。すなわち、本明細書で説明するように、後方領域312は、後方領域312の破壊および/または変形(例えば、崩壊)を促進する所定の寸法(D1)を含むことができ、これにより停止事象中にタービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる(図14参照)。
【0091】
後方領域312と同様に、シール部分154に形成されたリブ210、220、228はまた、同様に所定の寸法(D2)を含み得る。第1のリブ210、第2のリブ220、および/または第3のリブ228の所定の寸法(D2)は、単一本体102のシール部分154に加えられる所定の力に応じて各リブ210、220、228の破壊および/または変形(例えば、崩壊)を促進し得る。すなわち、本明細書で説明するように、リブ210、220、228は、後方領域312の破壊および/または変形(例えば、崩壊)を促進する所定の寸法(D2)を含むことができ、これにより停止事象中にタービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる。非限定的な例では、本明細書で説明するように、シール部分154のリブ210、220、228は、力がシール部分154に加えられるときに破壊、変形、および/または崩壊して力を吸収、緩衝、および/または放散させることができ、それにより単一本体102の支持部分104は、加えられた力から影響を受けず、かつ/またはタービンシュラウド100とケーシング36との間の結合を維持する(図14参照)。
【0092】
図12に示す非限定的な例では、第1のリブ210、第2のリブ220、および第3のリブ228の所定の寸法(D2)は、同様および/または実質的に同一であり得る。別の非限定的な例では、第1のリブ210、第2のリブ220、および第3のリブ228の各々の所定の寸法(D2)は、異なっていてもよい。例えば、第1のリブ210の所定の寸法(D2)は、第3のリブ228の所定の寸法(D2)よりも大きくてもよいが、第2のリブ220の所定の寸法(D2)よりも小さくてもよい。この非限定的な例では、第1のリブ210は、第2のリブ220よりも破壊または変形する可能性が高いが、力がシール部分154に加えられたとき、第3のリブ228より破壊または変形する可能性は低くなり得る。別の非限定的な例では、タービンシュラウド100は、停止事象中に最も衝撃を受けるかつ/または最も大きな力を受けるリブの最大の所定の寸法(D2)を含むことができる。例えば、第1の冷却通路202の中央部204と半径方向に整列したHGP表面160の部分が停止事象中に最も大きな力を受ける可能性が最も高い場合、第1のリブ210の所定の寸法(D2)は、それぞれ第2のリブ220および第3のリブ228の所定の寸法(D2)よりも大きくてもよい。
【0093】
図13は、タービンシュラウド100の追加の非限定的な例を示す。具体的には、図13は、図7の線CS4-CS4に沿った図12の断面図と同様の、タービンシュラウド100の別の非限定的な例の側面断面図を示す。同様の符号および/または名称を付した構成要素は、実質的に同様の様式で機能し得ることが理解される。これらの構成要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。
【0094】
図13に示すように、タービンシュラウド100の単一本体102は、単一のブリッジ部材300と、内部に形成された単一の開口306のみとを含むことができる。非限定的な例では、ブリッジ部材300は、中間部分134内に位置決めおよび/または中間部分134と整列され、中間部分134の後方セグメント136と非線形セグメント142と一体におよび/またはそれらの間で(軸方向に)形成され得る。加えて、ブリッジ部材300は、単一本体102の開口306とシール部分154との間に半径方向に形成されてもよい。ブリッジ部材300はまた、軸方向下流に位置決めされてもよく、空隙310を少なくとも部分的に画定してもよい。開口306は、それぞれブリッジ部材300と支持部分104との間、ならびに中間部分134の後方セグメント136と非線形セグメント142との間で、それらによって少なくとも部分的に画定された単一本体102内に形成され得る。加えて、開口306は、単一本体102の支持部分104とブリッジ部材300との間で半径方向に、中間部分134内に少なくとも部分的に形成されてもよい。本明細書で説明する開口306、308、ブリッジ部材300、302と同様に、図13に示す単一のブリッジ部材300および単一の開口306は、力(例えば、タービンブレードの停止)がタービンシュラウド100のシール部分154に加えられるとタービンシュラウド100の所定のおよび/または所望の破壊および/または変形を促進し、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる。
【0095】
図14は、タービンブレード38の単一の段、タービンブレード38の単一の段を取り囲む2段のステータベーン40A、40B、およびタービンシュラウド100を含むタービン28の拡大側面図を示す。同様の符号および/または名称を付した構成要素は、実質的に同様の様式で機能し得ることが理解される。これらの構成要素の冗長な説明は、明確化のために省略されている。
【0096】
図14に示す非限定的な例では、タービンシュラウド100は、タービン28のケーシング36に直接結合され得る。すなわち、タービンシュラウド100は、タービンブレード38の翼形部46の先端部分48から半径方向に隣接し、および/または外向きに、ケーシング36および/またはケーシング36の延長部52に結合することができる。非限定的な例では、タービンシュラウド100用の単一本体102の支持部分104は、延長部52の開口部54内に位置決めされ、かつ/または延長部52によって受容されてもよい。加えて、前方端部106と一体に形成された前方フック130および支持部分104の後方端部108と一体に形成された後方フック132は、延長部52の開口部54内に位置決めされ得、延長部52の一部と係合してタービンシュラウド100をタービン28のケーシング36に固着、固定、および/または結合し得る。
【0097】
本明細書で説明するように、単一本体102の中間部分134の前方セグメント150は、ケーシング36内にステータベーン40Aを固着するために利用することができる。例えば、前方セグメント150は、タービン28内に含まれるステータベーン40Aの上流段に当接、接触、保持、および/または軸方向に隣接して位置決めすることができる。図14に示す非限定的な例では、前方セグメント150は、棚152内に位置決めおよび/または固着された保持シール172と共に、固着構成要素56に対して当接、接触、および/または圧縮力を提供し得、タービンシュラウド100の上流に位置決めされたステータベーン40Aのプラットフォーム42Aに接触および/または結合され得る。
【0098】
加えて、本明細書で説明するように、中間部分134の後方セグメント136に形成された特徴はまた、ケーシング36内にステータベーン40Bを固着するのを支援および/または固着するために使用することができる。例えば、タービンシュラウド100の軸方向下流に位置決めされたステータベーン40Bのプラットフォーム42Bの一部は、フランジ138に位置決めされ、かつ/または中間部分134の後方セクション136と一体に形成され、そこから(軸方向に)延びるフランジ138、140の間に固着され得る。非限定的な例では、ステータベーン40Bのプラットフォーム42Bの一部は、フランジ138、140の間に位置決めされ、かつ/またはフランジ138(またはロータ30(図2参照)の下に半径方向に位置決めされたタービンシュラウドのフランジ140)に載置してタービン28のタービンケーシング36内にステータベーン40Bを固着および/または固定することができる。ケーシング36内のステータベーン40Bの固着および/またはタービンシュラウド100へのプラットフォーム42Bの結合を支援するために、別の保持シール172をフランジ138、140の間に位置決めすることができ、タービンシュラウド100のフランジ138、140の間に位置決めされたプラットフォーム42Bの部分に接触させることができる。
【0099】
図3図13に関して本明細書で説明するように、中間部分134の前方セグメント150およびシール部分154の前方端部156は、タービンシュラウド100の他の部分および/または単一本体102の特徴の軸方向上流に延びることができ、かつ/または単一本体102の軸方向最前方部分であってもよい。すなわち、図14に示すように、単一本体102を含むタービンシュラウド100がタービン28のタービンケーシング36内に位置決めされると、中間部分134の前方セグメント150およびシール部分154の前方端部156は、支持部分104の前方端部106、ならびに支持部分104の残りの部分/特徴の軸方向上流に位置決めされ得る。加えて、図14に示すように、中間部分134の前方セグメント150およびシール部分154の前方端部156は、中間部分134の非線形セグメント142、ならびに中間部分134の残りの部分/特徴の軸方向上流に位置決めされ得る。中間部分134の前方セグメント150およびシール部分154の前方端部156はまた、シール部分154のすべての追加の部分/特徴(例えば、HGP表面160)の軸方向上流に位置決めされてもよい。非限定的な例では、中間部分134の前方セグメント150およびシール部分154の前方端部156はまた、同様にタービンケーシング36の延長部52の軸方向上流に位置決めすることができる。単一本体102が支持部分104と、非線形セグメント142を有する中間部分134とを含むため、前方セグメント150および前方端部156は、支持部分104に直接結合もしくは接続、および/または一体に形成されることなく、実質的に片持ち状または片持ち様式で支持部分104の軸方向上流に位置決めされ得る。その結果、本明細書で説明するように、前方セグメントおよび前方端部156は、タービンシュラウド100の他の部分(例えば、支持部分104、中間部分134)に望ましくない機械的応力または歪みを引き起こすことなく、タービン28の動作中に熱膨張し得る。
【0100】
本明細書で説明するように、タービンシュラウド100の様々な特徴は、力(F)(例えば、ブレードの停止)がシール部分154に加えられるとタービンシュラウド100の所定のおよび/または所望の破壊および/または変形を促進または誘導することができる。例えば、停止事象中、タービンブレード38または損傷したタービンブレード38の一部は、ロータ30から外れる場合があり、タービンシュラウド100、より具体的にはタービン28を通って流れる燃焼ガス26の流路を画定するシール部分154に接触、ぶつかる、かつ/または力(F)を加え得る。タービンシュラウド100がブリッジ部材300、302、開口306、308、および/または内部に形成された空隙310を含む場合、タービンシュラウド100は、タービンシュラウド100のシール部分154に加えられる力(F)に応じて変形方向(DD)に変形、撓み、および/または屈曲し得る。より具体的には、図14に示すように、図12および図13を参照すると、力(F)がシール部分154に加えられると、タービンシュラウド100の中間部分134を通って延びるおよび/または内部に形成されたブリッジ部材300、302、開口306、308、および空隙310は、変形方向(DD)でのタービンシュラウド100の変形、撓み、および/または屈曲を可能にし、許容し、誘導し、かつ/または促進し得る。タービンシュラウド100の変形は、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを実質的に防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる。
【0101】
非限定的な例では、前方端部156およびHGP表面160を含むシール部分154の前方部分、ならびに前方セグメント150、第2の端部146、および非線形セグメント142を含む中間部分134の前方部分は、ケーシング36に向かって変形方向(DD)に変形、撓み、および/または屈曲し得る。変形方向(DD)での変形、撓み、および/または屈曲中、前方セグメント150は、棚152内に位置決めおよび/または固着された保持シール172と共に、固着構成要素56に対して接触を維持し、かつ/または圧縮力を提供し続け、ケーシング36内のステータベーン40Aのプラットフォーム42Aを維持することができる。加えて、シール部分154および中間部分134は、変形方向(DD)で変形、撓み、および/または屈曲するが、中間部分134の後方セグメント136は、所定の位置に留まるか、または変形方向(DD)でわずかに屈曲し得る。その結果、ステータベーン40Bのプラットフォーム42Bは、フランジ138に接触および/または位置決めされたまま、かつ/または中間部分134の後方セクション136と一体に形成されたフランジ138、140の間に固着され得る。加えて、非限定的な例では、フランジ138、140の間に位置決めされた保持シール172は、タービンシュラウド100のフランジ138、140の間に位置決めされたプラットフォーム42Bの部分との接触を維持し、タービンシュラウド100が変形方向(DD)に変形、撓み、および/または屈曲した後にステータベーン40Bをケーシング36内に固着し、かつ/またはプラットフォーム42Bをタービンシュラウド100に結合することができる。
【0102】
別の非限定的な例では、タービンシュラウド100内のブリッジ部材300、302、開口306、308、および/または空隙310の形成に加えて、タービンシュラウド100の形状はまた、変形方向(DD)におけるタービンシュラウド100の変形、撓み、および/または屈曲を促進、誘導、および/または支援することができる。すなわち、シール部分154の第1の端部156および中間部分134の前方セグメント150は、支持部分104に直接接続されることなく、実質的に片持ち状に支持部分104の軸方向上流に延びるため、タービンシュラウド100の一部は、ケーシング36に向かって変形方向(DD)に変形、撓み、および/または屈曲し得る。加えて、単一本体102の中間部分134が非線形セグメント142、より具体的には湾曲セクション148を含むため、タービンシュラウド100は、ケーシング36に向かって変形方向(DD)に変形、撓み、および/または屈曲することができる。
【0103】
図14に示すように変形方向(DD)での屈曲に加えて、またはそれとは別に、タービンシュラウド100はまた、力(F)がシール部分154に加えられるときに破壊および/または崩壊を促進する特徴を含み得る。例えば、本明細書で説明するように、単一本体102のシール部分154は、所定の寸法(D1)を有する後方領域312を含むことができる。所定の寸法(D1)は、力(F)がシール部分154のHGP表面160に加えられるとき(例えば、ブレード停止事象)、後方領域312の破壊および/または崩壊/潰れを促進し得る。すなわち、タービンシュラウド100の単一本体102は、タービン28の所望の動作状態中にその構造的完全性を維持することができる所定の寸法(D1)を有する後方領域312を含むように形成することができる。しかしながら、停止事象の間、シール部分154に加えられる力(F)は、所定の寸法(D1)を含む後方領域312の結果として後方領域312を破壊および/または崩壊させ得る。
【0104】
後方領域312の破壊および/または崩壊の許容および/または促進により、力がタービンシュラウド100のシール部分154を通して実質的に吸収および/または放散され得る。加えて、シール部分154の後方領域312が破壊および/または崩壊した後でも、タービンシュラウド100の後方セグメント136への下流ステータベーン40Bの結合は影響を受けず、かつ/または維持され得る。その結果、タービンシュラウド100へのさらなる損傷が実質的に防止され得、タービンシュラウド100はケーシング36に結合されたままであり、ケーシング36への損傷を防止することができる。加えて、シール部分154の後方領域312の破壊および/または崩壊を促進することによって、タービンシュラウド100の動作効率の潜在的減少は、後方領域312の破壊および/または崩壊がシール部分154のHGP表面160によって(部分的に)画定された流路(FP)を実質的に変更しないため、停止事象中に実質的に最小化および/または排除され得る。したがって、本明細書で説明するように、タービンシュラウド100が破壊/崩壊した後方領域312を含み、ケーシング36内のステータベーン40Bの結合および/または位置決めを維持し、流路を維持することができるので、ステータベーン40Bに向かってHGP表面160上を流れる燃焼ガス26が流路から逸脱(例えば、漏れ)することはない。
【0105】
後方領域312と同様に、単一本体102のシール部分154に形成された様々なリブ210、220、228は、力(F)がシール部分154に加えられるときに破壊および/または崩壊を促進し得る。すなわち、本明細書で説明するように、単一本体102の各リブ210、220、228は、力(F)がシール部分154のHGP表面160に加えられるとき(例えば、ブレード停止事象)、少なくとも1つのリブ210、220、228の破壊および/または崩壊/潰れを促進し得る所定の寸法(D2)を含むことができる。また、後方領域312と同様に、所定の寸法(D2)を有するリブ210、220、228は、タービン28の所望の動作状態中に構造的完全性を維持し、プレナム200および/またはシール部分154内に延びる様々な冷却通路202、218、226を画定/分離することができる。しかしながら、停止事象の間、シール部分154に加えられる力(F)は、少なくとも1つのリブ210、220、228を破壊および/または崩壊させ得る。リブ210、220、228が破壊および/または崩壊すると、各リブ210、220、228は、プレナム200または第1の冷却通路202の対応する部分に押し込まれ得る。例えば、破壊および/または崩壊すると、第1のリブ210は、中間部分134に向かって半径方向外向きに押し出され得、プレナム200内に少なくとも部分的に位置決めされてもよい。加えて、破壊および/または崩壊すると、第2のリブ220は、半径方向外向きに押し出され得、第1の冷却通路202の前方部206内に少なくとも部分的に位置決めされてもよく、第3のリブ228は、半径方向外向きに押し出され得、第1の冷却通路202の後方部208内に少なくとも部分的に位置決めされてもよい。
【0106】
リブ210、220、228の破壊および/または崩壊の許容および/または促進により、力がタービンシュラウド100のシール部分154を通して実質的に吸収および/または放散され得る。すなわち、リブ210、220、228がロータ30から半径方向外向きおよび/または中間部分134に向かって破壊および/または崩壊すると、HGP表面160に加えられる力(F)は、シール部分154によって実質的に吸収および/または放散され得、それによりタービンシュラウド100の中間部分134および/または支持部分104は、力(F)によって不所望に影響を受けない。加えて、シール部分154のリブ210、220、228が破壊および/または崩壊した後でも、タービンシュラウド100への上流ステータベーン40Aおよび下流ステータベーン40Bの結合は影響を受けず、かつ/または維持され得る。その結果、タービンシュラウド100へのさらなる損傷が実質的に防止され得、タービンシュラウド100はケーシング36に結合されたままであり得る。また、リブ210、220、228の破壊および/または崩壊を促進することによって、タービンシュラウド100の動作効率の潜在的減少は、リブ210、220、228の破壊および/または崩壊がシール部分154のHGP表面160によって(部分的に)画定された流路(FP)を実質的に変更しないため、停止事象中に実質的に最小化および/または排除され得る。すなわち、リブ210、220、228が破壊または崩壊する非限定的な例では、タービンシュラウドのシール部分154は、タービン28のHGP表面160を維持し得る。したがって、リブ210、220、228が破壊/崩壊した後でも、タービンシュラウド100がケーシング36内でステータベーン40Bの結合および/または位置決めを維持し、流路を維持することができるので、ステータベーン40Bに向かってHGP表面160上を流れる燃焼ガス26が流路から逸脱(例えば、漏れ)することはない。
【0107】
別の非限定的な例では、リブ210、220、228の破壊および/または崩壊により、シール部分154の一部が破壊され、および/またはタービンシュラウド100から分離され得る。すなわち、リブ210、220、228が破壊および/または崩壊すると、HGP表面160を含むシール部分154の一部、第1の冷却通路202の中央部204、第2の冷却通路218、第3の冷却通路226、およびリブ210、220、228は、タービンシュラウド100の残りの部分から破壊および/または分離することができる。損傷した(例えば、HGP表面160がない)タービンシュラウド100は、燃焼ガス26の流路を少なくとも部分的に画定し続け、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36自体への損傷を防止することができる。この非限定的な例では、第1の冷却通路202の部分的な前方部206および後方部208、プレナム200、ならびに中間部分134の後方セグメント136から延びるフランジ138を含むシール部分154の残りの部分は、流路を画定し得る。加えて、分離後、タービンシュラウド100への上流ステータベーン40Aおよび下流ステータベーン40Bの結合は影響を受けず、かつ/または維持され得る。その結果、依然としてケーシング36に結合されたタービンシュラウド100の残りの部分は、ケーシング36の望ましくない露出を防止し、最終的にケーシング36自体への損傷を防止することができる。
【0108】
タービンシュラウド100内の位置および/または所定の寸法(D1、D2)を含むようにタービンシュラウド100の各特徴を形成して破壊および/または変形を促進または誘導することに加えて、本明細書で説明されるタービンシュラウド100の特徴は、力が加えられるときの破壊および/または変形を促進するために、別個の材料/構造的特性で形成されてもよい。すなわち、ブリッジ部材300、302、後方領域312、および/またはリブ210、220、228は、単一本体102と一体に形成され得るが、タービンシュラウド100の残りの特徴とは別個の材料/構造的特性を含み得る。例えば、ブリッジ部材300、302、後方領域312、および/またはリブ210、220、228は、タービンシュラウド100の残りの部分または特徴と同じ付加製造プロセスまたは技術を使用して形成することができる。しかしながら、これらの特徴を形成するための動作特性は、異なる場合がある。非限定的な例では、本明細書で説明するように、層状の粉末材料からブリッジ部材300、302、後方領域312、および/またはリブ210、220、228を形成するレーザによる出力は、レーザが、例えば、中間部分134の後方セグメント136を形成するときのように、それほど強力でなく、強度が高くなく、かつ/または集中していなくてもよい。追加的または代替的に、ブリッジ部材300、302、後方領域312、および/またはリブ210、220、228を形成するために使用される粉末材料の濃度または密度は、例えば、中間部分134の後方セグメント136を形成するために使用される粉末材料の濃度または密度よりも低くても小さくてもよい。その結果、タービンシュラウド100に含まれるこれらの部分および/または特徴(例えば、ブリッジ部材300、302、後方領域312、および/またはリブ210、220、228)は、本明細書で説明するように、力(F)が加えられるとタービンシュラウド100の破壊および/または変形を促進し、タービンシュラウド100がケーシング36から外れるのを防止し、かつ/またはケーシング36への損傷を防止することができる。
【0109】
タービンシュラウド100は、いくつかの方法で形成することができる。一実施形態では、タービンシュラウド100は、鋳造によって作製することができる。しかしながら、本明細書で述べるように、付加製造は、単一本体102を含むタービンシュラウド100を製造するために特に適している。本明細書で使用する場合、付加製造(AM)は、従来のプロセスで行う材料の除去ではなく、材料の連続した層形成を通して物体を生成する任意のプロセスを含んでもよい。付加製造では、あらゆる種類の工具、金型または器具を使用することなく、かつ廃棄材料をほとんどまたは全く発生させずに複雑な幾何学的形状を作成することができる。その多くは切り取られ廃棄されることになるプラスチックまたは金属の固体ビレットから構成要素を機械加工する代わりに、付加製造に使用される材料は、部品を成形するために必要とされる材料のみである。付加製造プロセスは、限定はしないが、3D印刷、ラピッドプロトタイピング(RP)、直接デジタル製造(DDM)、バインダジェッティング、選択的レーザ溶融(SLM)および直接金属レーザ溶融(DMLM)を含むことができる。現在の設定では、DMLMまたはSLMが有利であることがわかっている。
【0110】
付加製造プロセスの例を説明するために、図15は、物体902を生成するための例示のコンピュータ化された付加製造システム900の概略/ブロック図を示す。この例では、システム900は、DMLM用に構成される。本開示の一般的な教示は、他の形態の付加製造に同様に適用可能であることが理解される。物体902は、タービンシュラウド100として示されている(図2図15参照)。AMシステム900は、一般に、コンピュータ化された付加製造(AM)制御システム904と、AMプリンタ906とを含む。AMシステム900は、説明するように、AMプリンタ906を使用して物体902を物理的に生成するためにタービンシュラウド100を定義する一組のコンピュータ実行可能命令を含むコード920を実行する。各AMプロセスは、例えば、細粒粉末、液体(例えば、ポリマー)、シートなどの形態の異なる原材料を使用することができ、そのストックは、AMプリンタ906のチャンバ910に保持することができる。この場合、タービンシュラウド100は、ガスタービンシステム10(図1参照)の環境に耐えることができる金属または金属化合物から作製されてもよい。図示されているように、アプリケータ912は、AMプリンタ906の構築プレート915上の空白キャンバスとして広がる原材料914の薄層を作成してもよく、これから最終物体の各連続スライスが作成される。他の場合では、アプリケータ912は、例えば金属バインダジェッティングプロセスが使用される場合、コード920によって定義されるように先の層上に次の層を直接適用または印刷してもよい。示されている例では、レーザまたは電子ビーム916は、コード920によって定義されるように、各スライスの粒子を融合するが、これは迅速に硬化する液体プラスチック/ポリマーが採用される場合には必要ではない。AMプリンタ906の様々な部品は、各新しい層の追加に対応するように移動してもよく、例えば、各層の後で、構築プラットフォーム918は降下してもよく、および/またはチャンバ910および/またはアプリケータ912が上昇してもよい。
【0111】
AM制御システム904は、コンピュータプログラムコードとしてコンピュータ930に実装されて示されている。この点に関して、コンピュータ930は、メモリ932と、プロセッサ934と、入力/出力(I/O)インターフェース936と、バス938とを含むものとして示されている。さらに、コンピュータ930は、外部I/Oデバイス/リソース940および記憶システム942と通信するように示されている。一般に、プロセッサ934は、本明細書に記載のタービンシュラウド100を表すコード920からの命令の下で、メモリ932および/または記憶システム942に記憶されるAM制御システム904などのコンピュータプログラムコードを実行する。コンピュータプログラムコードの実行時に、プロセッサ934は、メモリ932、記憶システム942、I/Oデバイス940および/またはAMプリンタ906からデータを読み出すことおよび/またはこれらにデータを書き込むことができる。バス938は、コンピュータ930の構成要素の各々の間の通信リンクを提供し、I/Oデバイス940は、ユーザのコンピュータとの相互作用を可能にする任意のデバイス940(例えば、キーボード、ポインティングデバイス、ディスプレイなど)を備えることができる。コンピュータ930は、ハードウェアおよびソフトウェアの考えられる様々な組合せの代表に過ぎない。例えば、プロセッサ934は、単一の処理ユニットを備えることができ、あるいは例えば、クライアントおよびサーバ上などの1つまたは複数の場所の1つまたは複数の処理ユニットに分散することができる。同様に、メモリ932および/または記憶システム942は、1つまたは複数の物理的な場所に存在していてもよい。メモリ932および/または記憶システム942は、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などを含む様々な種類の非一時的コンピュータ可読記憶媒体の任意の組合せを備えることができる。コンピュータ930は、ネットワークサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、携帯デバイス、携帯電話機、ポケットベル、携帯情報端末などの任意の種類のコンピューティングデバイスを備えることができる。
【0112】
付加製造プロセスは、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば、メモリ932、記憶システム942など)にタービンシュラウド100を表すコード920を記憶することによって始まる。前述のように、コード920は、外側電極を定義する一組のコンピュータ実行可能命令を含み、これはシステム900によるコードの実行時に、先端を物理的に生成するために使用することができる。例えば、コード920は、タービンシュラウド100の正確に定義された3Dモデルを含んでもよく、AutoCAD(登録商標)、TurboCAD(登録商標)、DesignCAD 3D Maxなどの多様な周知のコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアシステムのいずれかから生成することができる。この点に関し、コード920は、任意の現在知られているまたは後に開発されるファイルフォーマットとすることができる。例えば、コード920は、3D SystemsのステレオリソグラフィCADプログラム用に生成された標準テッセレーション言語(Standard Tessellation Language、STL)によることができ、あるいは任意のAMプリンタ上で製作される任意の三次元物体の形状および構成の記述をあらゆるCADソフトウェアにとって可能にするように設計された拡張マークアップ言語(XML)ベースのフォーマットである米国機械学会(ASME)規格の付加製造ファイル(AMF)によることができる。コード920は、必要に応じて、異なるフォーマット間での転換、一組のデータ信号への変換および送信、一組のデータ信号としての受信およびコードへの変換、記憶などが可能である。コード920は、システム900への入力であってよく、部品設計者、知的財産(IP)プロバイダ、設計会社、システム900のオペレータもしくは所有者から、または他のソースからもたらされてもよい。いずれにしても、AM制御システム904は、コード920を実行して、タービンシュラウド100を連続した薄いスライスに分割し、タービンシュラウド100は、液体、粉末、シートまたは他の材料の連続した層でAMプリンタ906を使用して組み立てられる。DMLMの例では、各層は、コード920によって定義された正確な幾何学的形状に溶融されて先行の層に融合される。その後、タービンシュラウド100は、任意の様々な仕上げプロセス、例えば、再輪郭加工または他の小規模の機械加工、シーリング、研磨などのための本明細書に記載される仕上げプロセスを受けることができる。
【0113】
本開示の技術的効果は、例えば、タービンシュラウドがタービンケーシングから外れるのを防止し、かつ/またはケーシング自体への露出/損傷を防止するために、本体の所定のエリアでの破壊および/または変形を許容する単一本体から形成されたタービンシュラウドを提供することを含む。
【0114】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本開示を限定するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことが意図される。「備える(comprise)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意の(optional)」または「任意により(optionally)」は、後で述べられる事象または状況が起こってもよいし、または起こらなくてもよいことを意味し、またこの説明が、その事象が起こる場合と、起こらない場合とを含むことを意味する。
【0115】
本明細書および特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動できる任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組合せおよび/または置き換えが可能であり、文脈および文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両方の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0116】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を遂行するための、一切の構造、材料または動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの変更および変形が明らかであろう。本開示の原理および実際の応用を最良に説明し、想定される特定の用途に適するように様々な変更を伴う様々な実施形態の開示を他の当業者が理解できるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【符号の説明】
【0117】
10 ガスタービンシステム
12 圧縮機
18 空気
20 圧縮空気
22 燃焼器
24 燃料
26 燃焼ガス
28 タービン
30 ロータ
32 外部負荷
34 排気フレーム
36 タービンケーシング
38 タービンブレード
40 ステータベーン
40A 上流ステータベーン
40B 下流ステータベーン
42 外側プラットフォーム
42A プラットフォーム
42B プラットフォーム
44 内側プラットフォーム
45 翼形部
46 翼形部
48 先端部分
50 プラットフォーム
52 延長部
54 開口部
56 固着構成要素
100 タービンシュラウド
102 単一本体
104 支持部分
106 前方端部、第1の端部
108 後方端部
110 構成
112 湾曲壁
118 湾曲壁
120 第1のスラッシュ面
122 第2のスラッシュ面
124 中央壁
126 第1の表面
128 第2の表面
130 前方フック
130A 前方フック
130B 前方フック
132 後方フック
132A 第1の後方フック
132B 第2の後方フック
132C 第3の後方フック
134 中間部分
136 後方セグメント、後方セクション
138 フランジ
140 フランジ
142 非線形セグメント
144 第1の端部
146 第2の端部
148 湾曲セクション
150 前方セグメント
152 棚
154 シール部分
156 前方端部、第1の端部
158 後方端部
160 高温ガス経路(HGP)表面
162 空洞
164 孔
166 HGPシールスロット
167 二次シールスロット
168 入口開口部
170 メータプレート
172 保持シール
200 プレナム
202 第1の冷却通路
204 中央部
206 前方部
208 後方部
210 第1のリブ
212 第1の複数の衝突開口部
218 第2の冷却通路
220 第2のリブ
222 第2の複数の衝突開口部
224 前方排気孔
226 第3の冷却通路
228 第3のリブ
230 第3の複数の衝突開口部
232 後方排気孔
234 排気チャネル
236 第1の導管
238 第2の導管
240 スラッシュ面排気孔
242 接続導管
300 第1のブリッジ部材
302 第2のブリッジ部材
304 中央部分
306 第1の開口
308 第2の開口
310 空隙
312 後方領域
900 付加製造(AM)システム
902 物体
904 AM制御システム
906 AMプリンタ
910 チャンバ
912 アプリケータ
914 原材料
915 構築プレート
916 レーザ、電子ビーム
918 構築プラットフォーム
920 コード
930 コンピュータ
932 メモリ
934 プロセッサ
936 入力/出力(I/O)インターフェース
938 バス
940 外部I/Oデバイス/リソース
942 記憶システム
A 軸
C 軸
R 軸
CS1 線
CS2 線
CS3 線
CS4 線
D 流れ方向
D1 寸法
D2 寸法
DD 変形方向
F 力
FP 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15