(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】入力装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240513BHJP
H01H 9/02 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
H04N1/00 519
H01H9/02 L
H01H9/02 B
(21)【出願番号】P 2020015975
(22)【出願日】2020-02-03
【審査請求日】2023-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2019018771
(32)【優先日】2019-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸田 好造
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-204064(JP,A)
【文献】特開2001-5591(JP,A)
【文献】特開2015-43494(JP,A)
【文献】特開2011-161792(JP,A)
【文献】特開2000-148360(JP,A)
【文献】特開2007-41771(JP,A)
【文献】特開平7-99553(JP,A)
【文献】特開2011-118584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H01H 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、ソフトウェアキーとして0~9の数値情報をそれぞれ入力するためのソフトウェア数値キーを表示可能な表示画面を有する操作パネルとを備えた画像形成装置の装着部に対して装着可能な入力装置であって、
前記装着部に装着される筐体と、
少なくとも0~9の数値に関する情報を入力可能なハードウェアキーとしてのハードウェア数値キー部と、
前記筐体内に設けられ、前記ハードウェア数値キー部が実装される基板と、
前記基板に実装されるコネクタに接続されるケーブルであって、前記画像形成装置と前記入力装置とを電気的に接続するケーブルと、
前記ケーブルが挿通される開口部であって、前記基板の板厚方向において、前記ハードウェア数値キー部が設けられる面に対して反対側の面から前記ケーブルが前記筐体の外部へ露出するように前記筐体に設けられる開口部と、を備える、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記コネクタは、前記基板の板厚方向において、前記基板の前記ハードウェア数値キー部が実装される面と反対側の面に実装されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記基板に実装される他のコネクタに接続され、ICカードの情報を電磁気的に読み取り可能な情報読取装置に電気的に接続される他のケーブルをさらに備え、
前記筐体は、前記基板の板厚方向において、前記ハードウェア数値キー部が設けられる面に対して反対側の面から前記他のケーブルが前記筐体の外部へ露出するように設けられる他の開口部を備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記他のコネクタは、前記基板の板厚方向において前記基板の前記ハードウェア数値キー部が実装される面と反対側の面に実装されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の入力装置。
【請求項5】
前記ケーブル及び前記他のケーブルの一方は、先端にプラグを有し、
前記ケーブル及び前記他のケーブルの他方は、先端にレセプタクルを有する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の入力装置。
【請求項6】
前記ハードウェア数値キー部は、
前記基板に実装される複数のタクタイルスイッチと、
前記複数のタクタイルスイッチに対応するように設けられる複数の操作キーであって、ユーザによって押下されることで前記複数のタクタイルスイッチをそれぞれ押下可能となるように前記筐体に設けられる複数の操作キーと、を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の入力装置と、
原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部の読取結果に基づいて記録媒体に画像を形成する前記画像形成部を内部に有し、前記画像形成装置の前後方向において前記画像読取部よりも正面側に設けられた前記装着部を有する装置本体と、を備える、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
前記装着部は、前記入力装置を収容して装着する凹部形状の収容部を有し、
前記ケーブルは、前記筐体が前記装置本体に装着された状態において、前記収容部に収容されている、
ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記装着部に収容された前記ケーブルは、前記装着部の底面と前記入力装置の前記筐体の前記ハードウェア数値キー部が設けられる面と反対側の面との間の空間に収容される、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記装着部は、前記装置本体に対して前記操作パネルに隣接して配置されている、
ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記操作パネル及び前記装着部は、前記装置本体の正面側に配置されている、
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
ICカードの情報を電磁気的に読み取り可能な情報読取装置を備え、
前記情報読取装置は、前記入力装置と共に前記装着部に収容されて装着される、
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードウェアキーを有し画像形成装置に外付けする入力装置と、この入力装置を外付けした画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば電子写真方式の画像形成装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、及びこれらの複数の機能を有する複合機等として広く応用されている。このような画像形成装置において、ユーザが画像形成枚数やファクシミリ番号などの数値の入力、あるいは画像形成処理の開始や停止などの処理の入力を行うために、例えば、装置本体の前側上部に情報を表示及び入力可能な操作部(表示部)が設けられている。このような操作部としては、例えば、表示画面に入力キー(ソフトウェアキー)が表示されるタッチパネルと、テンキーやスタートやストップなどのハードウェアキーとを備えるものが普及している。ハードウェアキーは、例えばタッチパネルに隣接して配置されている。
【0003】
操作部が設けられた画像形成装置では、コピーの枚数やファクシミリの宛先番号(電話番号/FAX番号)を入力する際には、例えば、タッチパネルに0から9までの数値を有するソフトウェアキーとしてのテンキー部が表示されている。ユーザは、コピーの枚数やファクシミリの宛先番号を入力する際にタッチパネルのテンキー部にタッチ操作することで、コピー枚数の設定の入力や宛先番号の入力を画像形成装置に対して行うことができる。タッチパネルに表示された数字がユーザによってタッチ操作されると、制御部はタッチパネルからユーザがタッチした部分の座標データを取得し、その座標データを数値情報に変換し、それに応じた所定の動作を実行する。
【0004】
しかしながら、タッチ操作によって数値入力を受け付けるタッチパネルにおいて、入力を行う際に、ユーザは物理的な押下感を感じることができない。このため、ユーザはタッチパネルの表示画面を見ながら一文字ずつ入力を確認しながらの入力操作となってしまうことから、操作性の向上が望まれていた。これを解決するために、物理的なハードウェアキーからなる数値キー部を有する入力装置(例えば、テンキーユニットやフルキーボードユニット)を、外付けで接続可能な画像形成装置が開発されている(特許文献1参照)。この画像形成装置に対して、ユーザは入力装置をケーブルを介して外付けで接続し、入力装置の数値キー部のハードウェアキーを押し下げることにより、コピーの枚数やファクシミリの宛先番号を入力することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の画像形成装置では、入力装置と画像形成装置とを接続するケーブルが画像形成装置の外部に露出しているので、ケーブルが画像形成装置の周囲に配置された周辺機器に対して干渉し易い。また、ケーブルが露出していると、ユーザが誤って引き抜いてしまう虞がある。
【0007】
本発明は、画像形成装置にケーブルにより接続可能な外付け用の入力装置でありながら、ケーブルが外部に露出することによる周辺機器への干渉や、ユーザによる誤った引き抜きを抑制できる入力装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の入力装置は、記録媒体に対して画像を形成する画像形成部と、ソフトウェアキーとして0~9の数値情報をそれぞれ入力するためのソフトウェア数値キーを表示可能な表示画面を有する操作パネルとを備えた画像形成装置の装着部に対して装着可能な入力装置であって、前記装着部に装着される筐体と、少なくとも0~9の数値に関する情報を入力可能なハードウェアキーとしてのハードウェア数値キー部と、前記筐体内に設けられ、前記ハードウェア数値キー部が実装される基板と、前記基板に実装されるコネクタに接続されるケーブルであって、前記画像形成装置と前記入力装置とを電気的に接続するケーブルと、前記ケーブルが挿通される開口部であって、前記基板の板厚方向において、前記ハードウェア数値キー部が設けられる面に対して反対側の面から前記ケーブルが前記筐体の外部へ露出するように前記筐体に設けられる開口部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の画像形成装置は、上記の入力装置と、原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部の読取結果に基づいて記録媒体に画像を形成する前記画像形成部を内部に有し、前記画像形成装置の前後方向において前記画像読取部よりも正面側に設けられた前記装着部を有する装置本体と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置にケーブルにより接続可能な外付け用の入力装置でありながら、ケーブルが外部に露出することによる周辺機器への干渉や、ユーザによる誤った引き抜きを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す斜視図である。
【
図2】本実施形態に係る画像形成装置の操作面を示す平面図である。
【
図3】本実施形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットを示す斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットを示す分解斜視図である。
【
図6】本実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットの平面図である。
【
図7】本実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニット及びICカードリーダの制御ブロック図である。
【
図8】本実施形態に係る画像形成装置のテンキーユニットの基板及び筐体を示す側面図である。
【
図9】他の画像形成装置の周辺装置の概略構成を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を、
図1~
図8を参照しながら詳細に説明する。尚、本実施形態では、各図に示すように、画像形成装置1に向かって手前側を前側F、奥側(背側)を後側B、左側をL、右側をR、上側をU、下側をDとして表している。また、画像形成装置1は、ユーザは前側Fから後側Bを向いて位置して各種の操作を行う構成になっている。
図1に示すように、本実施形態においては、後述する操作部50が設けられる側が、画像形成装置1の前側Fである。
【0013】
本実施形態では、画像形成装置1の一例として、タンデム型のフルカラープリンタについて説明している。但し、本発明はタンデム型の画像形成装置1に搭載されることには限られず、他の方式の画像形成装置に搭載されるものであってもよく、また、フルカラーであることにも限られず、モノクロやモノカラーであってもよい。あるいは、プリンタ、各種印刷機、複写機、FAX、複合機等、種々の用途で実施することができる。
【0014】
<画像形成装置>
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置1は、画像形成装置本体(以下、装置本体という)10を備えている。装置本体10は、画像読取部20と、シート給送部21と、画像形成部22(
図3参照)と、シート排出部23(
図3参照)と、制御部30(
図3参照)と、操作部50と、を備えている。
図1に示すように、操作部50は、鉛直方向においてシート排出部23よりも上方に設けられる。尚、記録材(記録媒体)であるシートは、トナー像が形成されるものであり、具体例として、普通紙、普通紙の代用品である樹脂製のシート、厚紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等がある。
【0015】
画像読取部20は、例えば、フラットベッドスキャナ装置であり、装置本体10の上部に設けられている。画像読取部20は、原稿載置台としての不図示のプラテンガラスと、プラテンガラスに載置された原稿に光を照射する不図示の光源と、反射光をデジタル信号に変換する不図示のイメージセンサ等を備えており、原稿の画像を読み取る。シート給送部21は、装置本体10の下部に配置されており、記録紙等のシートを積載して収容するシートカセット21a,21bを備え、シートを画像形成部22(
図3参照)に給送する。
【0016】
画像形成部22は、装置本体10の内部に設けられ、いずれも不図示の現像装置及び像担持体としての感光ドラムを有する画像形成ユニット、トナーボトル、中間転写ユニット、二次転写部、定着装置等を有している。画像形成部22は、シート給送部21から給送されたシートに対して、制御部30からの画像情報に基づいて画像を形成可能である。即ち、画像形成部22は、画像読取部20の読取結果に基づいて記録媒体に対して画像を形成可能である。シート排出部23は、シートを装置本体10に形成された不図示の排出口の下流側に配置された不図示の排出トレイを備えている。
図1にはシート排出部23を不図示としているが、鉛直方向において画像読取部20よりも下方に排出トレイを備えるような所謂胴内排出構成に本実施形態を適用してもよい。
【0017】
装置本体10の前側Fの上側Uには、操作面11が設けられている。
図2に示すように、操作面11には、操作部50と、テンキーユニット70と、ICカードリーダ140との操作面が上側Uを向いて設けられている。テンキーユニット70及びICカードリーダ140は、画像形成装置1の周辺装置として装置本体10に取り付けられており、これらの構成については後述する。装置本体10の右側Rの側面の上部には、操作者によってUniversal Serial Bus(以下、USBと称す)メモリ等のUSB端子を持つ外部機器を装着可能なUSBポート10aが設けられている。尚、このUSBポート10aは設けられていなくてもよい。
【0018】
<制御部>
図3に示すように、制御部30はコンピュータにより構成され、例えばCPU31と、データを一時的に記憶するRAM32と、各部を制御するプログラムを記憶するROM33及びHDD34とを備えている。本実施形態では、制御部30は、システムバス30aと画像バス30bとを有し、CPU31、RAM32、ROM33、HDD34はいずれもシステムバス30aに接続されている。CPU31は、画像形成装置1の全体を統括的に制御するプロセッサであり、システムコントローラの主体である。CPU31は、例えば、画像形成される画像データの画像処理や、ネットワーク制御を行う他、画像形成部22に画像形成の指示を出力することによって画像形成処理を制御する。
【0019】
RAM32は、CPU31が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもあり、CPU31の主メモリやワークエリア等として機能する。RAM32には、画像形成装置1内の設定情報や各処理を行った時のジョブログや操作ログなどが格納される。ROM33には、シートに画像を形成するための画像形成制御シーケンス等が記憶される。本実施形態では、ROM33は、例えばブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD34は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア、アプリケーション、画像データなどを格納する。
【0020】
制御部30は、いずれもシステムバス30aに接続される操作部入出力回路(I/F)35と、ネットワーク入出力回路(I/F)36と、モデム37と、SRAM38と、RTC39と、外部入出力回路(I/F)40と、を有している。操作部入出力回路35は、後述する操作部50への画像データの送信や、操作部50からの各種通信を行うと共に、操作部50からユーザが入力した情報をCPU31に入力する。
【0021】
ネットワーク入出力回路36は、ネットワーク90に接続し、情報の入出力を行う。また、モデム37は公衆回線91に接続し、ファクシミリを送受信可能なファクシミリ通信部として機能し、情報の入出力を行う。これにより、制御部30は、CPU31の指示の下、ネットワーク入出力回路36によりネットワーク90を介して、あるいはモデム37により公衆回線91を介して、接続された他のPCやサーバと通信可能である。即ち、画像形成装置1は、ネットワーク90や公衆回線91と接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う。
【0022】
SRAM38は、高速動作可能な不揮発性の記憶媒体である。RTC39は、リアルタイムクロックであり、制御部30に電源が入っていない状態でも現在の時刻をカウントし続ける処理を行う。外部入出力回路40は、USB等の汎用入出力回路であり、汎用のPCや、メモリデバイス、後述するテンキーユニット70を、USBコネクタ40aを介して接続する。本実施形態では、USBコネクタ40aは、制御基板30c(
図7参照)にレセプタクルとして実装されている。
図1に示すように、制御基板30cは、USBコネクタ40aが画像形成装置1の操作面11の近傍に配置されるように装置本体10に収容されている。USBコネクタ40aには、テンキーユニット70の本体側ケーブル76のUSBプラグ78が結合して接続されている。尚、制御基板30cは、この配置に限られず、画像形成装置1の後側B(背面側)に設けられる構成であってもよい。この構成の場合は、USBコネクタ40aのみを前側Fに設け、USBコネクタ40aと制御基板30cとをケーブルで接続する構成であればよい。
【0023】
図3に示すように、制御部30は、画像バス入出力回路(I/F)41を有している。画像バス入出力回路41は、システムバス30aと画像データを高速で転送する画像バス30bとを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。画像バス30bは、例えば、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
【0024】
制御部30は、いずれも画像バス30bに接続されるデバイス入出力回路(I/F)42と、RIP部43と、スキャナ画像処理部44と、プリンタ画像処理部45と、暗号処理部46と、復号処理部47とを有している。デバイス入出力回路42は、画像読取部20や画像形成部22を制御部30に接続し、画像データの同期系及び非同期系の変換を行う。RIP部43は、ラスターイメージプロセッサであり、PDLデータをビットマップイメージに展開する。スキャナ画像処理部44は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部45は、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行う。暗号処理部46は、画像データを含む入力データの暗号化処理を行う。復号処理部47は、暗号化データの復号化処理を行う。
【0025】
操作部50は、操作者が操作を行うためのもので、各種の情報を表示する表示部(表示画面)51と、操作者が操作入力を行う入力部52を有している。本実施形態では、操作部50は、例えば、液晶モジュールである表示部51及びタッチパネルモジュールである入力部52が一体化されたタッチ入力式のパネル面57を有している。このパネル面57では、表示部51に所定の処理を開始する情報を入力可能なスタートキーや0~9の数値を入力可能なソフトウェアキーを表示可能であり、入力部52により情報を入力可能である。即ち、表示部51は、ソフトウェアキーとして0~9の数値情報をそれぞれ入力するためのソフトウェア数値キーを表示可能である。尚、操作部50は操作パネルの一例である。
【0026】
図1に示すように、操作部50は、装置本体10の操作面11に設けられている。また、
図1に示すように、操作部50は、画像形成装置1の前後方向における中央部よりも前側Fに設けられている。操作部50は、例えば四角形の平板状に形成されており、入力部52が表示部51(
図3参照)の上に積層されて構成されるパネル面57を上側Uに向けて、装置本体10に固定して設けられている。パネル面57に表示されたソフトウェアキーは、各表示部分がタッチ操作されることでキーの入力を検知する入力キーになっている。尚、操作部50の形状は四角形の平板状には限られず、他の形状であってもよい。また、表示部51及び入力部52の向きは上側Uには限られず、他の方向であってもよく、例えば、装置本体10に対して上下方向にチルト可能であって、パネル面57の向きを変更可能となるように設けられていてもよい。
【0027】
<テンキーユニット>
次に、画像形成装置1に接続される周辺装置の1つである入力装置としてのテンキーユニット70のハードウェア構成及び動作について説明する。
図2に示すように、操作部50の右横にテンキーユニット70が設置されている。このテンキーユニット70は、情報を入力可能な操作部50を有する画像形成装置1に装着され、操作部50とは別に画像形成装置1に情報を入力可能である。操作部50とテンキーユニット70との情報入力の使い分けの一例としては、操作部50からは画像形成に関する濃度やサイズ等の設定を入力し、テンキーユニット70からは画像形成の部数やファクシミリの宛先番号等の数値を入力する。尚、本明細書でテンキーとは、0~9までの10個の数値キーを示す場合、数値キーに「*」,「#」を加えた12個のキーを示す場合、数値キーに四則演算子や「NumLock」等を含む20個前後のキーを示す場合のいずれも含む概念としている。
【0028】
図4及び
図5に示すように、テンキーユニット70は、筐体71と、筐体71の上面に設けられた上面カバー72と、操作キー部100と、を有している。操作キー部100は、少なくとも0~9の数値に関する情報を入力可能なハードウェアキーとしてのハードウェア数値キー部の一例である。
図5に示すように、操作キー部100は、基板73に実装される複数のタクタイルスイッチ81と、複数のタクタイルスイッチ81に対応するように上面カバー72に設けられた複数の操作キー101とを有している。操作キー101は、筐体71が画像形成装置1の装置本体10に装着された状態において筐体71の上面カバー72の上面(筐体の上面)72aに配置されている。操作キー101は、ユーザによって押下されることで複数のタクタイルスイッチ81をそれぞれ押下可能となるように筐体71に設けられる。操作キー部100の配列については後述する。
図1に示すように、装着部12は操作部50に隣接して配置されており、筐体71は、画像形成装置1の操作部50の右側に隣接して、装着部12に例えばねじ止めや接着などにより装着されている。また、操作部50及び装着部12は、装置本体10の正面側、即ち画像形成装置1の前後方向において画像読取部20よりも正面側に配置されている。これにより、ユーザは操作部50を見ながら、右手を利用して容易にテンキーユニット70を使用することができる。
【0029】
図5に示すように、テンキーユニット70は、基板73と、基板73に設けられたハードウェアキーユニット80及びLED74,75と、本体側ケーブル76と、外部側ケーブル77と、を有している。基板73は、筐体71内(筐体内)に設けられ、テンキーユニット70を制御する電気回路を有し、操作キー部100が実装される。本体側ケーブル76は、筐体71から外部に突出して設けられたUSBケーブルであり、その先端にはUSB端子であるUSBプラグ(プラグ)78が設けられている。本体側ケーブル76は、基板73に実装される第1汎用コネクタレセプタクル85(
図8参照)に接続されるケーブルであって、画像形成装置1とテンキーユニット70とを電気的に接続する。即ち、本体側ケーブル76は、後述する第1の開口71aに挿通され、筐体71から外部に露出するように設けられている。これにより、画像形成装置1とテンキーユニット70とは、本体側ケーブル76を介して電気的に接続される。
【0030】
外部側ケーブル77は、他のケーブルの一例であり、本体側ケーブル76とは別に設けられ、筐体71から外部に突出して設けられたUSBケーブルであり、その先端にはUSB端子であるUSBレセプタクル(レセプタクル)79が設けられている。外部側ケーブル77は、基板73に実装される第2汎用コネクタレセプタクル86(
図8参照)に接続され、ICカードの情報を電磁気的に読み取り可能な情報読取装置の一例であるICカードリーダ140に電気的に接続される。即ち、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の一方である本体側ケーブル76は先端にUSBプラグ78を有し、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の他方である外部側ケーブル77は先端にUSBレセプタクル79を有している。但し、これとは逆に、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の一方である外部側ケーブル77が先端にUSBプラグを有し、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の他方である本体側ケーブル76が先端にUSBレセプタクルを有してもよい。USBプラグ78及びUSBレセプタクル79は、USB規格に基づく形状及び構成を有している。尚、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の筐体71からの突出位置については、後述する。
【0031】
ハードウェアキーユニット80は、複数のハードウェアキーを有している。本実施形態では、ユーザに操作キー部100の操作感(例えばクリック感)を与えるべく、ハードウェアキーの一例としてタクタイルスイッチ81を適用している。タクタイルスイッチ81は、それぞれの操作キー101の筐体71内側に対向する位置に1個ずつ配置される。タクタイルスイッチ81は、例えば、保護カバーと、操作キー101により押されるプランジャと、クリック感を生み出すと共に可動接点として機能する反転ばねと、2つの接点を有するベース部と、により構成されている。これにより、操作キー101が押下されることによって、対応するタクタイルスイッチ81が押下され、数値などの値を入力することが可能となっている。つまり、操作キー101とタクタイルスイッチ81とは、ユーザによって少なくとも0~9の数値に関する情報を入力可能なハードウェアキーの一例である。尚、タクタイルスイッチ81としては、既存の又は新規の適宜な構成を適用することができるので、詳細な説明は省略する。
【0032】
第1のLED74は、筐体71内において後述するスタートキー131(
図6参照)の裏側に設けられ、制御部30(
図3参照)からの信号に基づいて発光される。制御部30は、画像形成部22(
図3参照)が画像形成可能な状態になった場合に、第1のLED74を発光させ、画像形成部22が画像形成可能な状態でない場合に、第1のLED74を消灯させる。
【0033】
第2のLED75は、筐体71内において後述する設定キー121(
図6参照)の裏側に設けられ、制御部30(
図3参照)からの信号に基づいて発光される。制御部30は、画像形成装置1のモードが所定のモード、例えば音声入力モードに設定された場合に、第2のLED75を発光させ、画像形成装置1のモードが所定のモードでない場合に、第2のLED75を消灯させる。
【0034】
図6に示すように、操作キー部100は、テンキー部110と、動作キー部130と、設定キー部120と、を有している。
図6は、テンキーユニット70を正面視したものであり、各ハードウェアキーの押し下げ方向と平行な方向から視た図である。尚、ここでの正面視とは、テンキーユニット70のハードウェアキーに設けられている数値が上下方向において正しく見える位置である。テンキー部110は、少なくとも数値に関する情報を入力可能な複数のハードウェアキーを有する。動作キー部130は、例えば、所定の処理を開始する情報を入力可能なハードウェアキーからなるスタートキー131を有する。ここでの所定の処理とは、例えば、画像形成装置1のコピー処理、ファクシミリの送信処理や画像読取部20の画像読取処理などであり、スタートキー131の押し下げによりこれらの処理の実行開始を指示することができる。スタートキー131は、筐体71が画像形成装置1に装着された状態において、テンキー部110より手前側に配置されている。設定キー部120は、例えば、画像形成装置1の所定のモード(例えば、ユーザの音声によって入力操作を行う音声入力モード)を設定する情報を入力可能なハードウェアキーからなる設定キー121を有する。つまり、操作キー部100は、表示部51に表示されるソフトウェアキーに対応するハードウェアキーを有している。
【0035】
ここで、本実施形態のテンキーユニット70は、画像形成装置1のオプション装置の一つとして設計される画像形成装置1の専用のテンキーユニット70である。この専用のテンキーユニット70の用途は、例えば、ファクシミリ送信する際の宛先番号(FAX番号)入力が主になる。専用のテンキーユニット70は、ファクシミリ送信の宛先番号入力を主目的として設計されるため、テンキー部110の配列は電話機と同様である。つまり、専用のテンキーユニット70のテンキー部110の配列は、ITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)Recommendation E.161に示される標準配列と同様である。従って、テンキー部110は、数値入力が可能なハードウェアキーからなる数値キー部と、「*」や「#」の入力が可能なハードウェアキーを有している。ここで、「*」や「#」のハードウェアキーは、画像形成装置1がFAXモードの場合に有効なキーとしている。例えば、画像形成装置1がFAXモードの場合に、ユーザが「*」や「#」のハードウェアキーを操作することにより、「*」や「#」の情報が制御部30に送信される。即ち、
図6に示すように、テンキー部110において、1から9の数値キーは、最も後側Bが1から3、その前側Fが4から6、その前側Fが7から9となるように隣接配置されている。また、8の数値キーの前側Fに0の数値キーが配置され、その左右に*のキーと#のキーとが配置されている。
【0036】
換言すると、0から9の10個のハードウェアキーに関して、1,2,3のハードウェアキーの行が最も奥に配置され、1,2,3の行よりも手前側に4,5,6のハードウェアキーの行が配置される。さらに、4,5,6のハードウェアキーの行よりも手前側に、7,8,9のハードウェアキーの行が配置される。そして、0のハードウェアキーは、7,8,9のハードウェアキーの行よりも手前側に配置される。また、これらの0から9のハードウェアキーを列で見ると、左から1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8,0のハードウェアキーの列、3,6,9のハードウェアキーの列の順に配列されている。つまり、1~9の数値キーは、専用のテンキーユニット70を正面視した場合に3×3のマトリクス状に整列配置されている。列方向において上段から1乃至3の数値キー、4乃至6の数値キー、7乃至9の数値キーが順に配置され、0の数値キーが7乃至9の数値キーの行よりもさらに下段に配置されている。尚、0のハードウェアキーは、1,4,7のハードウェアキーの列、あるいは3,6,9のハードウェアキーの列に配置し、*のキーと#のキーの配置を適宜変更してもよい。更に、このテンキーユニット70では、電卓入力は主目的とされていないため、+や-などの四則演算子キーは設けられていない。このように、このテンキーユニット70は、PCに接続する目的で設計されていないため、不特定のPC等に接続可能な汎用のテンキーユニットとはキー配列が異なっている。
【0037】
ここで、汎用のテンキーユニットのキー配列とは、主に電卓と同じキー配列となっている。つまり、汎用テンキーユニットにおけるハードウェアキーの配列は、ISO(国際標準化機構)に規定されるものと同様である。即ち、汎用テンキーユニットにおいて、0から9の10個のハードウェアキーに関して、7,8,9のハードウェアキーの行が最も奥に配置され、7,8,9の行よりも手前側に4,5,6のハードウェアキーの行が配置される。さらに、4,5,6のハードウェアキーの行よりも手前側に、1,2,3のハードウェアキーの行が配置される。つまり、汎用テンキーユニットにおいて、1~9の数値キーは、3×3のマトリクス状に整列配置されている。列方向において上段から7乃至9の数値キー、4乃至6の数値キー、1乃至3の数値キーが順に配置され、0の数値キーが1乃至3の数値キーの行よりもさらに下段に配置されている。そして、0や00のハードウェアキーは、1,2,3のハードウェアキーの行よりも手前側に配置される。また、これらの1から9のハードウェアキーを列で見ると、左から1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8のハードウェアキーの列、3,6,9のハードウェアキーの列の順に配列されている。0や00のハードウェアキーは、1,4,7のハードウェアキーの列、2,5,8のハードウェアキーの列に跨って配置されたり、1,4,7と同じ列に配置されている。更に、数値キーの右側及び後側に、四則演算子キーや機能キー部等が配置されている。このように、テンキーユニット70と汎用のテンキーユニットとは、数値キーの配列や、設けられる機能キー等が異なっている。
【0038】
また、本実施の形態においては、テンキー部110のレイアウトを、後側Bの数値が小さく前側Fの数値が大きい電話型のキー配列としている。但し、これには限られず、テンキー部110のレイアウトを、後側Bの数値が大きく前側Fの数値が小さい、上述した汎用のテンキーユニットと同様のキー配列としてもよい。
【0039】
<周辺装置の制御系>
次に、画像形成装置1に接続される周辺装置の制御系について、
図7を用いて説明する。本実施形態では、画像形成装置1に接続される周辺装置として、テンキーユニット70とICカードリーダ140とが接続されている。尚、ここでの周辺装置とは、例えば、画像形成装置1に接続されて使用可能な装置であり、例えば、テンキーユニット70とICカードリーダ140とをそれぞれ単体で画像形成装置1に接続しても使用可能なものとしている。
【0040】
図7に示すように、テンキーユニット70の基板73(
図5参照)には、USBハブ制御部82と、USBデバイス制御部と、ハードウェアキーユニット80とが設けられている。USBハブ制御部82は、USB接続のハブ制御機能を提供するものであり、USB接続を拡張することができる。USBデバイス制御部83は、USB接続におけるUSB通信のデバイス制御を行うためのものである。キー制御部84は、ハードウェアキーユニット80によるキー入力を検出するためのものである。
【0041】
USBハブ制御部82には、USBホスト側との接続用に、本体側ケーブル76とその先端のUSBプラグ78とが接続されている。また、USBハブ制御部82には、USBハブのポートに対して、USBデバイス制御部83が接続されている。更に、USBハブ制御部82のUSBハブの他のポートに対して、他のUSBデバイスとの接続用に、外部側ケーブル77とその先端のUSBレセプタクル79とが接続されている。
【0042】
一方、ICカードリーダ140は、筐体141と、USBデバイス制御部142と、ICカードリーダ制御部143と、ICカード読取部144と、接続ケーブル145と、を有している。また、接続ケーブル145は、筐体141から外部に突出して設けられたUSBケーブルであり、その先端にはUSB端子であるUSBプラグ146が設けられている。USBプラグ146は、USB規格に基づく形状及び構成を有している。USBデバイス制御部142は、USB接続におけるUSB通信のデバイス制御を行うためのものである。USBデバイス制御部142には、USBホスト側との接続用に、接続ケーブル145とその先端のUSBプラグ146とが接続されている。
【0043】
ICカード読取部144は、ICカードの情報を電磁気的に読み取り可能であり、ユーザにより近接(タッチ)されるICカードのICチップの情報を読み取るためのものであり、筐体141の上面側に設けられた読取面144aを有している(
図1参照)。ICカードリーダ制御部143は、ICカード読取部144によるICカード情報の読み取りを制御するためのものである。
図1に示すように、接続ケーブル145は、筐体141のICカード読取部144の読取面144aの反対側の面から突出している。
【0044】
図7に示すように、テンキーユニット70のUSBプラグ78は、画像形成装置1のUSBコネクタ40aに接続されることにより、本体側ケーブル76を介して画像形成装置1にUSB接続される。また、ICカードリーダ140のUSBプラグ146は、テンキーユニット70のUSBレセプタクル79に接続されることにより、接続ケーブル145及び外部側ケーブル77を介して、テンキーユニット70にUSB接続される。これらのUSB接続を行うことにより、画像形成装置1と、テンキーユニット70と、ICカードリーダ140との間のUSB通信が可能になる。キー制御部84により処理されたキー入力情報は、USB接続通信を介して、画像形成装置1の制御部30のCPU31により読み出されるようになる。また、ICカードリーダ制御部143により処理されたICカード読取情報は、USB接続通信を介して、画像形成装置1の制御部30のCPU31により読み出されるようになる。
【0045】
上述したように画像形成装置1の周辺装置は、ケーブルとプラグ及びレセプタクルとを介して画像形成装置1と接続して機能する構成になっているのが一般的である。ここで、
図9(a)に示すように、例えば、キーボードユニット(入力装置)やICカードリーダ等の周辺装置150が、画像形成装置1に接続するためのケーブル151と、他の周辺装置が接続可能なようにレセプタクル152とを有していたとする。ケーブル151は、画像形成装置1と接続を行うためのケーブルであり、周辺装置150の後側Bの側面から外側に突出して引き出されるように設けられている。レセプタクル152は、この周辺装置150に他の周辺装置を接続するために設けられている。一般に、周辺装置の上面はユーザが各種の操作を行うためのキーや表示装置等が配置される。このため、周辺装置を接続するためのケーブルやレセプタクルは周辺装置の側面に配置されることが多い。ここでは、例えば、この周辺装置150の右側Rに他の周辺装置を配置することを考慮して、周辺装置150の右側Rの側面に配置されている。
【0046】
図9(b)に示すように、この周辺装置150のレセプタクル152には、他の周辺装置のケーブル161のプラグ162が結合されて接続される。しかしながら、この場合、周辺装置150のケーブル151と、他の周辺装置のプラグ162とが、いずれも周辺装置150の側面から側方に突出した状態になってしまう。このため、これらの周辺装置150を画像形成装置1に搭載して配置する場合、ケーブルやプラグ等の突出部が周辺の構造物や他の周辺装置と干渉してしまう虞がある。また、このような突出部による干渉を回避するために、周辺装置の装着部12を大きく確保する必要があり、装置本体10の内部の設計の自由度が低下したり、外観のデザイン性が損なわれる可能性がある。これに対し、本実施形態では、周辺機器のケーブルが側方から突出しないようにして、ケーブルでの接続に伴う画像形成装置1の装置本体10の大型化を抑制するようにしている。
【0047】
<本体側ケーブル及び外部側ケーブル>
次に、このような課題を解決するためのテンキーユニット70の本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の筐体71への取付構造について、詳細に説明する。
図5に示すように、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77は、筐体71の操作キー部100が設けられる面に対して反対側の面から突出している。
図5及び
図8に示すように、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の各基端は、いずれも基板73の裏面側、即ち基板73のハードウェアキーユニット80の実装面とは反対側の面に接続されている。つまり、基板73の板厚方向において、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77の各基端は、タクタイルスイッチ81の実装面とは反対側に実装されている。筐体71の底部には、筐体71の内外を貫通する第1の開口(開口部)71a及び第2の開口(他の開口部)71bが形成されている。即ち、開口71a,71bは、筐体71が画像形成装置1の装置本体10に装着された状態において筐体71の底面71cに設けられている。本体側ケーブル76が第1の開口71aを通過することにより、筐体71の内部側から外部側に向けて突出して設けられ、本体側ケーブル76及びUSBプラグ78がテンキーユニット70の外部に引き出される。また、外部側ケーブル77が第2の開口71bを通過することにより、筐体71の内部側から外部側に向けて突出して設けられ、外部側ケーブル77及びUSBレセプタクル79がテンキーユニット70の外部に引き出される。即ち、第1の開口71aは、基板73の板厚方向において、操作キー部100が設けられる面に対して反対側の面である底面71cから本体側ケーブル76が筐体71の外部へ露出するように筐体71に設けられている。同様に、第2の開口71bは、基板73の板厚方向において、底面71cから外部側ケーブル77が筐体71の外部へ露出するように筐体71に設けられている。
【0048】
図8に示すように、基板73の裏面側、即ち基板73のハードウェアキーユニット80の実装面とは反対側の面には、第1汎用コネクタレセプタクル(コネクタ)85及び第2汎用コネクタレセプタクル(他のコネクタ)86が実装されている。即ち、第1汎用コネクタレセプタクル85及び第2汎用コネクタレセプタクル86は、基板73の板厚方向において、基板73の操作キー部100が実装される面と反対側の面に実装されている。一方、本体側ケーブル76において、USBプラグ78の反対側の端部には、第1汎用コネクタプラグ87が取り付けられている。第1汎用コネクタプラグ87は、基板73の第1汎用コネクタレセプタクル85に結合することにより、本体側ケーブル76と基板73とが接続される。また、外部側ケーブル77において、USBレセプタクル79の反対側の端部には、第2汎用コネクタプラグ88が取り付けられている。第2汎用コネクタプラグ88は、基板73の第2汎用コネクタレセプタクル86に結合することにより、外部側ケーブル77と基板73とが接続される。
【0049】
一方、
図1に示すように、操作面11において操作部50の右側Rには、操作部50に隣接した装置本体10の前側Fの右側Rで上側Uを向いた装着部12が設けられている。装着部12は、操作面11に対して凹部形状の空間である収容部12cを形成しており、ここにテンキーユニット70及びICカードリーダ140などの周辺装置を格納する。即ち、装着部12は、テンキーユニット70及びICカードリーダ140を収容して装着する凹部形状を有している。尚、装着部12にテンキーユニット70やICカードリーダ140などの周辺機器を装着しない場合は、外観を損なわないように蓋13を設けて外部から覆い隠すようにする。
【0050】
装着部12にテンキーユニット70及びICカードリーダ140を装着する際は、テンキーユニット70の本体側ケーブル76のUSBプラグ78を、制御基板30cのUSBコネクタ40aに接続する。このとき、本体側ケーブル76は、例えば、装着部12の後側Bの側壁12aの下部をくぐらせて、テンキーユニット70から制御基板30cまで配線する。テンキーユニット70の外部側ケーブル77のレセプタクル79には、ICカードリーダ140の接続ケーブル145のUSBプラグ146が接続される。接続された本体側ケーブル76、外部側ケーブル77、接続ケーブル145は、装着部12の底部、即ち、装着部12の底面12bとテンキーユニット70の底面71c(
図4参照)との間の空間に収容される。その後、テンキーユニット70の筐体71及びICカードリーダ140の筐体141を装着部12において本体側ケーブル76、外部側ケーブル77、接続ケーブル145の上側Uに装着する。テンキーユニット70及びICカードリーダ140は、装着部12に対して例えばねじ止めや接着等により固定される。そして、
図2に示すように、テンキーユニット70及びICカードリーダ140は、装着部12の内部において互いに隣接して設置されるようにできる。
【0051】
このように、本実施形態では、画像形成装置1は、装置本体10に接続されて使用可能な周辺装置として、ICカードリーダ140が取り付けられている。外部側ケーブル77は、テンキーユニット70の底面71cに形成された第1の開口71aとは別の第2の開口71bを通過して筐体71の内部側から外部側に向けて突出して設けられると共に、ICカードリーダ140に接続されている。ICカードリーダ140は、テンキーユニット70と共に装着部12に収容されて装着される。
【0052】
尚、本体側ケーブル76の線長は、USBコネクタ40aとテンキーユニット70の間の配線経路に基づき、装着部12の底面12bとテンキーユニット70の底面71cとの間の空間に収容できるように決定するようにする。また、外部側ケーブル77の線長は、ICカードリーダ140の接続ケーブル145の線長を考慮して、装着部12の底面12bとテンキーユニット70の底面71cとの間の空間に外部側ケーブル77及び接続ケーブル145を収納できる長さとする。
【0053】
上述したように、本実施形態の画像形成装置1によれば、テンキーユニット70の本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77は、テンキーユニット70の筐体71の下面から露出している。これらの本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77は、装着部12においてテンキーユニット70及びICカードリーダ140の下側Dに収納することができる。このため、テンキーユニット70の本体側ケーブル76や外部側ケーブル77、並びにテンキーユニット70に接続されるICカードリーダ140のUSBプラグ146が、画像形成装置1の側方に突出したり、他の部材等に干渉することを抑制できる。また、画像形成装置1の側方等でケーブルを束ねたり、あるいは装置本体の外面に固定することによって外観品位が低下することを抑制できる。これにより、テンキーユニット70及びICカードリーダ140を好適に配置でき、必要以上に設置面積を増大させることなく、デザイン的にも良好な配置が可能になる。従って、本実施形態の画像形成装置1によれば、画像形成装置1に本体側ケーブル76により接続可能な外付け用のテンキーユニット70でありながら、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77での接続に伴う装置本体10の大型化を抑制できる。
【0054】
また、本実施形態の画像形成装置1によれば、本体側ケーブル76、外部側ケーブル77、接続ケーブル145をユーザから見えないように収容できるので、プラグ及びレセプタクルの接続をユーザにより不用意に抜かれてしまうことを防止できる。更に、本実施形態の画像形成装置1によれば、装着部12にテンキーユニット70の他にICカードリーダ140を装着しており、ICカードリーダ140の接続ケーブル145も筐体141の下方から突出して設けられている。このため、ICカードリーダ140の接続ケーブル145が側方に突出したり、他の部材等に干渉することを抑制できる。
【0055】
また、本実施形態の画像形成装置1によれば、ICカードリーダ140が装着されない場合は、外部側ケーブル77を装着部12の収容空間、即ちテンキーユニット70の下方の空間に収容できる。このため、外部側ケーブル77が外部に露出することによる周辺機器への干渉や、ユーザによる誤った引き抜きを抑制できる。また、この場合、装着部12のうちテンキーユニット70で覆われない部分にカバー部材等を設ける構成であってもよい。
【0056】
尚、上述した実施形態では、テンキーユニット70は外部側ケーブル77を有する場合について説明したが、外部側ケーブル77は無くてもよい。この場合も、画像形成装置1に本体側ケーブル76により接続可能な外付け用のテンキーユニット70でありながら、本体側ケーブル76での接続に伴う装置本体10の大型化を抑制できる。
【0057】
また、本実施形態では、
図8に示すように、第1汎用コネクタレセプタクル85及び第2汎用コネクタレセプタクル86を基板73の裏面側に配置した場合について説明したが、これには限られない。例えば、第1汎用コネクタレセプタクル85及び第2汎用コネクタレセプタクル86を基板73の表面側(上面カバー72に面する側)に配置しても構わない。この場合は、第1汎用コネクタプラグ87及び第2汎用コネクタプラグ88は、基板73の表面で第1汎用コネクタレセプタクル85及び第2汎用コネクタレセプタクル86とそれぞれ結合して接続することになる。従って、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77をテンキーユニット70の外部に引き出す際には、基板73の表面から裏面に回り込ませて筐体71の底面の開口71a,71bから引き出すようにする。この場合も、画像形成装置1に本体側ケーブル76により接続可能な外付け用のテンキーユニット70でありながら、本体側ケーブル76及び外部側ケーブル77での接続に伴う装置本体10の大型化を抑制できる。
【0058】
また、本実施形態では、画像形成装置1、テンキーユニット70、ICカードリーダ140の接続は、USB規格に基づく通信によるものとして、本体側ケーブル76、外部側ケーブル77、接続ケーブル145をUSBケーブルとした場合について説明した。但し、必ずしもUSB規格に基づいたケーブルであることには限られず、USB信号の伝送品質に問題がなければ、これらのケーブルを汎用のケーブルで構成してもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…画像形成装置、10…装置本体、12…装着部、12b…装着部の底面、12c…収容部、20…画像読取部、22…画像形成部、50…操作部(操作パネル)、51…表示部(表示画面)、57…パネル面(表示画面)、70…テンキーユニット(入力装置)、71…筐体、71a…第1の開口(開口部)、71b…第2の開口(他の開口部)、71c…底面(反対側の面)、73…基板、76…本体側ケーブル(ケーブル)、77…外部側ケーブル(他のケーブル)、78…USBプラグ(プラグ)、79…USBレセプタクル(レセプタクル)、80…ハードウェアキーユニット(ハードウェアキー)、81…タクタイルスイッチ、85…第1汎用コネクタレセプタクル(コネクタ)、86…第2汎用コネクタレセプタクル(他のコネクタ)、100…操作キー部(ハードウェア数値キー部)、101…操作キー、140…ICカードリーダ(情報読取装置)。