(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】物品搬送区分装置、物品区分システム、及び制御サーバ
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20240513BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20240513BHJP
B65G 43/08 20060101ALI20240513BHJP
B65G 43/00 20060101ALI20240513BHJP
B65G 47/68 20060101ALI20240513BHJP
B65G 47/70 20060101ALI20240513BHJP
B65G 47/04 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B65G1/137 E
B65G47/46 H
B65G43/08 A
B65G43/00 D
B65G47/68 A
B65G47/68 E
B65G47/70
B65G47/04
(21)【出願番号】P 2020030401
(22)【出願日】2020-02-26
【審査請求日】2022-11-11
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌孝
(72)【発明者】
【氏名】青木 崇
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-060626(JP,A)
【文献】特開2017-039170(JP,A)
【文献】特開2017-024812(JP,A)
【文献】特開2012-201502(JP,A)
【文献】特開2019-189426(JP,A)
【文献】特開平08-198436(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0151901(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0364998(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 47/04
B65G 47/46
B65G 47/68-47/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品情報から判別される物品の判別結果に応じた第1又は第2の振分け制御信号に基づき、第1又は第2の方向へ物品を振分ける振分け部と、
前記第1の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第1の搬送制御信号に基づき、順に搬送される複数トレイのうちの第1の種別のトレイに向けて物品を搬送する第1の搬送部と、
前記第2の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第2の搬送制御信号に基づき、順に搬送される前記複数トレイのうちの第2の種別のトレイに向けて物品を搬送する第2の搬送部と、
前記第1及び第2の種別のトレイを含む前記複数トレイを搬送し、区分制御信号に基づき、前記複数トレイによって搬送される物品を指定区分先へ区分する搬送区分部と、
を備え、
前記搬送区分部は、前記第1の種別の開閉式トレイ、及び前記第2の種別のスライド式トレイを含む前記複数トレイを搬送し、前記区分制御信号に基づき前記開閉式トレイ又は前記スライド式トレイから物品を排出して物品を指定区分先へ区分する、物品搬送区分装置。
【請求項2】
前記第1の搬送部は、第1の搬送速度調整部を備え、
前記第2の搬送部は、第2の搬送速度調整部を備え、
前記第1の搬送速度調整部は、前記第1の搬送制御信号に基づき前記物品の搬送速度を可変制御し、
前記第2の搬送速度調整部は、前記第2の搬送制御信号に基づき前記物品の搬送速度を可変制御する、請求項
1の物品搬送区分装置。
【請求項3】
請求項
1又は2の前記物品搬送区分装置と、
制御サーバと、を備える物品区分システムであって、
前記制御サーバは、前記物品情報に含まれる物品重量に基づき物品を判別し、物品の判別結果に応じた前記第1又は第2の振分け制御信号を出力する、物品区分システム。
【請求項4】
前記制御サーバは、前記物品情報に含まれる物品区分情報に基づき物品の区分先を指定し、指定区分先に応じた前記区分制御信号を出力する、請求項
3の物品区分システム。
【請求項5】
物品搬送区分装置と、制御サーバとを備える物品区分システムであって、
前記物品搬送区分装置は、
物品情報から判別される物品の判別結果に応じた第1又は第2の振分け制御信号に基づき、第1又は第2の方向へ物品を振分ける振分け部と、
前記第1の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第1の搬送制御信号に基づき、順に搬送される複数トレイのうちの第1の種別のトレイに向けて物品を搬送する第1の搬送部と、
前記第2の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第2の搬送制御信号に基づき、順に搬送される前記複数トレイのうちの第2の種別のトレイに向けて物品を搬送する第2の搬送部と、
前記第1及び第2の種別のトレイを含む前記複数トレイを搬送し、区分制御信号に基づき、前記複数トレイによって搬送される物品を指定区分先へ区分する搬送区分部と、
を備え、
前記制御サーバは、前記物品情報に含まれる物品重量に基づき物品を判別し、物品の判別結果に応じた前記第1又は第2の振分け制御信号を出力するものであって、前記搬送区分部による前記第1及び第2の種別のトレイの搬送状況を検出し、前記搬送状況に基づき前記第1の搬送部による前記第1の種別のトレイに向けた物品の送り出しのタイミングを制御する前記第1の搬送制御信号を出力し、前記第2の搬送部による前記第2の種別のトレイに向けた物品の送り出しのタイミングを制御する前記第2の搬送制御信号を出力する、物品区分システム。
【請求項6】
物品情報から判別される物品の判別結果に基づき第1又は第2の搬送部へ物品を振分ける第1又は第2の振分け制御信号を選択し、搬送区分部により搬送される複数トレイに含まれる第1の種別のトレイに向けて前記第1の搬送部から物品を搬送する第1の搬送制御信号を選択し、前記搬送区分部により搬送される前記複数トレイに含まれる第2の種別のトレイに向けて前記第2の搬送部から物品を搬送する第2の搬送制御信号を選択し、前記複数トレイによって搬送される物品を指定区分先へ区分する区分制御信号を選択するプロセッサと、
前記第1又は第2の搬送部へ物品を振分ける振分け部に対して第1又は第2の振分け制御信号を出力し、前記第1又は第2の搬送部に対して前記第1又は第2の搬送制御信号を出力し、前記搬送区分部に対して前記区分制御信号を出力するインタフェースと、
を備え、
前記プロセッサは、前記搬送区分部による前記第1及び第2の種別のトレイの搬送状況を検出し、前記搬送状況に基づき前記第1の搬送部による前記第1の種別のトレイに向けた物品の送り出しのタイミングを制御する前記第1の搬送制御信号を出力し、前記第2の搬送部による前記第2の種別のトレイに向けた物品の送り出しのタイミングを制御する前記第2の搬送制御信号を出力する、制御サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、物品搬送区分装置、物品区分システム、及び制御サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物又は紙葉類等の物品の区分を自動化するための区分システムが普及している。例えば、区分システムは、主搬送路部及びソータを備え、主搬送部により搬送される物品の画像を読み取り、画像に含まれる宛先情報を認識し、宛先認識結果に応じた区分先を指定する。さらに、区分システムは、主搬送部からソータへ物品を送り込み、ソータにより循環搬送される物品の宛先認識結果に応じた指定区分先へ物品を区分する。
【0003】
上記したソータは、複数のトレイを循環搬送し、主搬送部は、循環搬送される各トレイに向けて各物品を送り出す。ソータは、トレイが指定区分先に対応する位置に到達するタイミングで、トレイに収容された物品を指定区分先へ向けて排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、ソータは、複数の開閉式トレイを循環搬送する。開閉式トレイは、周囲に仕切りを有し、さらに、その一部(例えば底部)を開口する機構を有する。区分先に対応する位置の開口部材の駆動により開閉式トレイの一部が開口し、開閉式トレイに収容されていた荷物が開口部から自由落下する。この自由落下を利用し、荷物を区分先へ区分する。或いは、ソータは、複数のスライド式トレイを循環搬送する。スライド式トレイには完全な仕切りはない。区分先に対応する位置でスライド式トレイ上の荷物をスライドさせることにより、スロープ等を介して荷物を区分先へ区分する。
【0006】
開閉式トレイを利用するソータは、物品を自由落下させることから軽量物の取り扱いに適している。また、開閉式トレイの周囲が仕切られていることから転がりやすい形状の物品の取り扱いに適している。スライド式トレイを利用するソータは、自由落下を利用しないので重量物や壊れやすい物の取り扱いに適している。また、スライド式トレイの周囲が完全に仕切られていないことから転がりにくい形状の物品の取扱いに適している。このように、ソータの種類によって取り扱える物品が限定されてしまうため、物流現場からは物品の取扱い自由度の高い区分システムが要望されている。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、多様な物品に対応することができる物品搬送区分装置、物品区分システム、及び制御サーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態に係る物品搬送区分装置は、振分け部、第1の搬送部、第2の搬送部、及び搬送区分部を備える。前記振分け部は、物品情報から判別される物品の判別結果に応じた第1又は第2の振分け制御信号に基づき、第1又は第2の方向へ物品を振分ける。前記第1の搬送部は、前記第1の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第1の搬送制御信号に基づき、順に搬送される複数トレイのうちの第1の種別のトレイに向けて物品を搬送する。前記第2の搬送部は、前記第2の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第2の搬送制御信号に基づき、順に搬送される前記複数トレイのうちの第2の種別のトレイに向けて物品を搬送する。前記搬送区分部は、前記第1及び第2の種別のトレイを含む前記複数トレイを搬送し、区分制御信号に基づき、前記複数トレイによって搬送される物品を指定区分先へ区分する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る物品区分システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る物品区分システムを構成する制御サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る物品区分システムによる物品区分処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態に係る物品区分システムの制御サーバによる第1の種別のトレイへの物品(例えば軽量物)の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る物品区分システムの制御サーバによる第2の種別のトレイへの物品(例えば重量物)の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係る物品区分システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、物品区分システムは、物品搬送区分装置1、ネットワーク2、及び制御サーバ3を備える。
【0011】
物品搬送区分装置1は、複数の物品4を順に搬送し、物品4の判別結果に基づき途中で振分け、物品4の区分先判定結果に基づき物品4を指定区分先へ区分する。物品搬送区分装置1は、物品4の搬送経路に沿って複数の物品検知センサを備え、また、物品4を循環搬送するトレイ107の搬送経路に沿って複数のトレイ検知センサを備える。物品搬送区分装置1は、これら物品検知センサ及びトレイ検知センサからの検知信号をネットワーク2経由で制御サーバ3へ出力する。また、物品搬送区分装置1は、ネットワーク2経由で制御サーバ3から送信される制御信号に基づき、物品4の搬送(送り出しタイミングを含む)、振分け、区分等を実行する。ネットワーク2は、物品搬送区分装置1と制御サーバ3との間の信号の送受信を担う。制御サーバ3は、物品搬送区分装置1からの物品検知信号及びトレイ検知信号を受信し、また、物品情報を受信し、物品搬送区分装置1による物品処理(搬送、振分け、及び区分等)を制御する制御信号を出力する。
【0012】
物品搬送区分装置1は、取り込み部101、第1の搬送部102、第2の搬送部103、搬送区分部104、読み取り部105、振分け部106、及びトレイ107を備える。
取り込み部101は、オペレータ5により投入される物品4又は搬送ベルト等により送り込まれる物品4を取り込み、取り込んだ物品4を読み取り部105へ向けて搬送し、さらに読み取り部105を経由した物品4を振分け部106へ向けて搬送する。
【0013】
読み取り部105は、物品4に関する様々な情報を読み取り又は測定し、物品情報を出力する。例えば、読み取り部105は、物品4の上面、側面、下面から物品4の画像を撮影し、撮影画像を出力する。また、読み取り部105は、搬送される物品4のサイズ、形状、及び重量等を測定し、測定情報を出力する。さらに、読み取り部105は、物品4から物品IDを読み取り、読み取った物品IDを出力する。物品IDがQRコード(登録商標)の場合、読み取り部105はQRコードリーダとして機能する。物品IDが無線タグに記憶された情報の場合、読み取り部105は無線リーダとして機能し、無線通信により無線タグから物品IDを読み取る。
【0014】
振分け部106は、物品情報から判別される物品4の判別結果に応じた第1の振分け制御信号に基づき第1の方向(即ち第1の搬送部102)へ物品4を振分け、また、判別結果に応じた第2の振分け制御信号に基づき第2の方向(即ち第2の搬送部103)へ物品4を振分ける。例えば、重量基準値以下の物品4(物品4a)を軽量物、重量基準値より重い物品4(物品4b)を重量物と判別する。振分け部106は、軽量物の判別に対応する第1の振分け制御信号に基づき第1の搬送部102へ物品4aを振分け、重量物の判別に対応する第2の振分け制御信号に基づき第2の搬送部103へ物品4bを振分る。
【0015】
第1の搬送部102は、物品コンベアにより物品を搬送する。第1の搬送部102は、振分け部106により第1の方向に振分けられた物品4aを受け入れ、第1の搬送制御信号に基づき、搬送区分部104により搬送される複数のトレイ107のうちの第1の種別のトレイ107a(指定区分先へ物品4aを搬送するトレイ)に向けて物品4aを搬送する。なお、第1の搬送部102は、搬送制御の設定によって、トレイ107bに向けて物品4aを搬送することもある。また、第1の搬送部102は、第1の搬送速度調整部102aを備える。第1の搬送速度調整部102aは、物品4aの搬送速度を可変調整するバッファとして機能し、例えば区部搬送部104への物品4aの送り出しタイミングを調整するストッパーを備える。第1の搬送速度調整部102aは、第1の搬送制御信号に基づき物品4aの搬送速度を可変制御する。第1の搬送速度調整部102aによる物品4aの搬送速度の可変調整とストッパー開放のタイミングにより、第1の搬送部102から搬送区分部104(トレイ107a又は107b)へ物品4aを送り出すタイミングが調整される。
【0016】
第2の搬送部103は、搬送コンベアにより物品を搬送する。第2の搬送部103は、振分け部106により第2の方向に振分けられた物品4bを受け入れ、第2の搬送制御信号に基づき、搬送区分部104により搬送される複数のトレイ107のうちの第2の種別のトレイ107b(指定区分先へ物品4bを搬送するトレイ)に向けて物品4bを搬送する。また、第2の搬送部103は、第2の搬送速度調整部103aを備える。第2の搬送速度調整部103aは、物品4bの搬送速度を可変調整するバッファとして機能し、例えば区部搬送部104への物品4bの送り出しタイミングを調整するストッパーを備える。第2の搬送速度調整部103aは、第2の搬送制御信号に基づき物品4bの搬送速度を可変制御する。第2の搬送速度調整部103aによる物品4bの搬送速度の可変調整とストッパー開放のタイミングにより、第2の搬送部103から搬送区分部104(トレイ107b)へ物品4bを送り出すタイミングが調整される。
【0017】
搬送区分部104は、循環コンベアにより複数トレイ107を搬送し、区分制御信号に基づき指定区分先へ複数トレイ107によって搬送される物品4を区分する。複数トレイ107は、第1の種別のトレイ107a及び第2の種別のトレイ107bを含む。例えば、トレイ107aは、開閉式トレイであり、周囲に仕切りを有し、さらに、その一部(例えば底部)を開口する機構を有する。区分先に対応する位置の開口部材の駆動により開閉式トレイの一部が開口し、開閉式トレイに収容されていた荷物を開口部から自由落下する。この自由落下を利用し、荷物を区分先へ区分する。例えば、トレイ107bは、スライド式トレイであり、完全な仕切りがない。区分先に対応する位置で、スライド式トレイ上の荷物をスライドさせることにより、スロープ等を介して荷物を区分先へ区分する。
【0018】
ネットワーク2は、物品搬送区分装置1の各部からの信号及び情報を受信し、制御サーバ3へ送信する。また、ネットワーク2は、制御サーバ3からの各種制御信号を受信し、物品搬送区分装置1の各部へ制御信号を送信する。
【0019】
制御サーバ3は、1台のコンピュータ又は複数台のコンピュータを組み合わせて実現することができ、物品搬送区分装置1等の外部の機器と通信し、外部の機器からの信号を受信し記憶し、また、外部の機器へ制御信号等を送信し、外部の機器を制御する。例えば、制御サーバ3は、複数の物品検知センサからの物品検知信号を監視し、各物品4の搬送(動き)をトレースし、各物品4がどこに位置するのかを検知又は推定する。同様に制御サーバ3は、複数のトレイ検知センサからのトレイ検知信号を監視し、各トレイの搬送(動き)をトレースし、各トレイがどこに位置するのかを検知又は推定する。また、制御サーバ3は、複数の物品検知センサにより検知される各物品4に対して物品検知識別情報(以下、物品検知ID(identification information))を割り当て、物品検知IDに基づき各物品4を管理するようにしてもよい。同様に、制御サーバ3は、複数のトレイ検知センサにより検知される各トレイに対してトレイ検知識別情報(以下、トレイ検知ID)を割り当て、トレイ検知IDに基づき各トレイを管理するようにしてもよい。
【0020】
物品区分システムで処理される物品4は、様々なサイズ、形状、及び重さの荷物等である。各物品4には宛先情報(物品区分情報)が記録され、各物品には予め物品識別情報(以下、物品ID)が割り当てられてもよい。例えば、各物品に対して直接又は間接的に宛先情報が記録され、各物品に対して直接又は間接的に物品IDが記録される。物品IDの記録方法としては、目視可能な印刷記録でもよいし、赤外線を吸収するインク等により目視できない印刷記録であってもよい。或いは、物品に物品IDを記憶した電子タグ又は無線タグ等を取り付けるようにしてもよい。
【0021】
物品IDは、少なくとも固有情報を含み、数字、文字、記号、バーコード、二次元コード、及びQRコード(登録商標)の1又は2以上の組み合わせで構成される情報である。制御サーバ3は、各物品4に割り当てられる物品IDと各物品4から読み取られ認識された宛先情報とを関連付けて管理する物品管理テーブルを記憶する。また、制御サーバ3は、宛先情報と各区分先とを関連付ける区分管理テーブルを記憶する。
【0022】
図2は、実施形態に係る物品区分システムを構成する制御サーバの概略構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、制御サーバ3は、プロセッサ31、ROM(read-only memory)32、RAM(random-access memory)33、補助記憶デバイス34、通信インタフェース35、及び入出力部36を備える。
【0023】
プロセッサ31は、物品処理に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、ROM32及び補助記憶デバイス34の少なくとも一方に記憶されたシステムソフトウェア、アプリケーションソフトウェア又はファームウェアなどのプログラムに基づいて、各種の機能を実現するべく制御を実行する。プロセッサ31は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、又はDSP(digital signal processor)である。あるいは、プロセッサ31は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。
【0024】
プロセッサ31は、複数の物品検知センサからの物品検知信号に基づき、検知される各物品4a及び4bに物品検知IDを割り当て、また、各物品4a及び4bの搬送(動き)をトレースし、各物品4a及び4bがどこに位置するのかを検知又は推定する。プロセッサ31は、複数のトレイ検知センサからのトレイ検知信号に基づき、検知される各トレイ107a及び107bに物品検知IDを割り当て、また、各トレイ107a及び107bの搬送(動き)をトレースし、各トレイ107a及び107bがどこに位置するのかを検知又は推定する。
【0025】
プロセッサ31は、第1の搬送部102の搬送コンベアの移動量を検知するロータリーエンコーダからの信号、第2の搬送部103の搬送コンベアの移動量を検知するロータリーエンコーダからの信号、及び搬送区分部104の循環コンベアの移動量を検知するロータリーエンコーダからの信号に基づき、各搬送コンベア及び循環コンベアの移動量を監視する。例えば、プロセッサ31は、各搬送コンベア及び循環コンベアの移動量に基づき、各物品4の位置及び各トレイ107の位置を補正することもできる。
【0026】
ROM32は、コンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ31を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。ROM32は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリ(非一時的記憶媒体)である。ROM32は、上記のプログラムの少なくとも一部を記憶してもよい。また、ROM32は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ又は各種の設定値などを記憶する。
【0027】
RAM33は、コンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ31を中枢とするコンピュータの主記憶装置に相当する。RAM33は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶しておく、いわゆるワークエリアなどとして利用される。
【0028】
補助記憶デバイス34は、コンピュータ可読記憶媒体であり、プロセッサ31を中枢とするコンピュータの補助記憶装置に相当する。補助記憶デバイス34は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)(登録商標)、HDD(hard disk drive)又はSSD(solid state drive)などの非一時的記憶媒体である。補助記憶デバイス34は、上記のプログラムの少なくとも一部を記憶してもよい。また、補助記憶デバイス34は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサ31での処理によって生成されたデータ又は各種の設定値などを保存する。例えば、補助記憶デバイス34は、各物品4に割り当てられる物品IDと各物品から読み取られ認識された宛先情報とを関連付けて管理する物品管理テーブルを記憶する。また、補助記憶デバイス34は、宛先情報と各区分先とを関連付ける区分管理テーブルを記憶する。
【0029】
ROM32及び補助記憶デバイス34の少なくとも一方に記憶されるプログラムは、物品処理のためのプログラムを含む。一例として、制御サーバ3は、当該プログラムがROM32及び補助記憶デバイス34の少なくとも一方に記憶された状態で物品区分システムの導入事業者へ譲渡される。或いは、当該プログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体により、当該事業者などへと譲渡されてもよい。この場合、当該管理者又はサービスマンなどによる操作の下に、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶された当該プログラムがROM32及び補助記憶デバイス34の少なくとも一方に書き込まれる。当該プログラムが記憶された非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク又は半導体メモリなどのようなリムーバブルな記憶媒体である。或いは、ネットワークなどを介して当該プログラムをダウンロードしROM32及び補助記憶デバイス34の少なくとも一方に書き込んでもよい。
【0030】
通信インタフェース35は、ネットワークなどを介して他の装置と有線又は無線で通信し、他の装置から送信される各種情報を受信し、また、他の装置に各種情報を送信するためのインタフェースである。例えば、通信インタフェース35は、物品処理の開始前にサーバから物品IDを受信する。また、通信インタフェース35は、物品検知センサからの物品検知信号、トレイ検知センサからトレイ検知信号、読み取り部105からの物品情報を受信する。また、通信インタフェース35は、振分け部106へ第1又は第2の振分け制御信号を送信し、第1の搬送部103へ第1の搬送制御信号を送信し、第2の搬送部104へ第2の搬送制御信号を送信し、搬送区分部104へ区分制御信号を送信する。
【0031】
入出力部36は、キーボード、テンキー、マウス、及びタッチパネルディスプレイ等を備える。入出力部36は、オペレータからの指示入力を受け付けプロセッサ31へ通知する。また、タッチパネルディスプレイは、オペレータに対して各種情報を表示する。
【0032】
図3は、実施形態に係る物品区分システムによる物品区分処理の一例を示すフローチャートである。
物品搬送区分装置1の取り込み部101は、順に物品4を取り込み、取り込んだ物品4を搬送する(ST11)。物品搬送区分装置1は、搬送される物品4を検知し(ST12)、物品検知信号を出力する(ST13)。
【0033】
制御サーバ3のプロセッサ31は、通信インタフェース35を介して受信される物品検知信号に基づき、物品4のトレースを開始する(ST21)。プロセッサ31は、取り込み部101により順に取り込まれる各物品4に対応する物品検知信号に基づき各物品4のトレースを開始する(ST21)。
【0034】
読み取り部105は、取り込み部101により順に搬送される物品4の画像を撮影し(ST14)、物品4のサイズ、形状、及び重量等を測定し(ST15)、撮影画像及び測定情報を含む物品情報を出力する(ST16)。
【0035】
プロセッサ31は、通信インタフェース35を介して受信される物品情報に基づき物品の区分先を判定し、区分先判定結果に応じた区分先を指定する(ST22)。例えば、プロセッサ31は、物品情報に含まれる撮影画像から、宛先情報を認識し、宛先認識結果に応じた区分先を指定する。或いは、プロセッサ31は、物品情報に含まれる物品IDに基づき区分先を指定してもよい。
【0036】
また、プロセッサ31は、通信インタフェース35を介して受信される物品情報に基づき物品を判別する(ST23)。例えば、プロセッサ31は、物品情報に含まれる重量の情報に基づき、重量基準値以下の物品4(物品4a)を軽量物に判別し、重量基準値より重い物品4(物品4b)を重量物に判別する(ST23)。
【0037】
プロセッサ31は、物品4を軽量物に判別した場合、第1の方向へ物品4aを振分ける第1の振分け制御信号を選択し、通信インタフェース35は、選択された第1の振分け制御信号を出力する(ST24)。また、プロセッサ31は、物品4を重量物に判別した場合、第2の方向へ物品4bを振分ける第2の振分け制御信号を選択し、通信インタフェース35は、選択された第2の振分け制御信号を出力する(ST24)。
【0038】
また、プロセッサ31は、各物品4aをトレースしており、各物品4aの搬送状況を検出することができる。即ち、プロセッサ31は、各物品4aの位置及び各物品4aの搬送間隔等を検出することができる。また、プロセッサ31は、搬送区分部104により循環搬送される各トレイ107aをトレースしており、各トレイ107aの搬送状況を検出することができる。即ち、プロセッサ31は、各トレイ107aの位置及び各トレイ107aの搬送間隔等を検出することができる。プロセッサ31は、各物品4aの搬送状況、及び各トレイ107aの搬送状況に応じた第1の搬送制御信号を選択し、通信インタフェース35は、選択された第1の搬送制御信号を出力する(ST25)。第1の搬送制御信号の選択及び出力は1回に限らず、搬送状況に応じて適時選択され出力される。
【0039】
同様に、プロセッサ31は、各物品4bをトレースしており、各物品4bの搬送状況を検出することができる。即ち、プロセッサ31は、各物品4bの位置及び各物品4bの搬送間隔等を検出することができる。また、プロセッサ31は、搬送区分部104により循環搬送される各トレイ107bをトレースしており、各トレイ107bの搬送状況を検出することができる。即ち、プロセッサ31は、各トレイ107bの位置及び各トレイ107bの搬送間隔等を検出することができる。プロセッサ31は、各物品4bの搬送状況、及び各トレイ107bの搬送状況に応じた第2の搬送制御信号を選択し、通信インタフェース35は、選択された第2の搬送制御信号を出力する(ST25)。第2の搬送制御信号の選択及び出力は1回に限らず、搬送状況に応じて適時選択され出力される。
【0040】
また、プロセッサ31は、各物品4の指定区分先に応じた区分制御信号を選択し、通信インタフェース35は、選択された区分制御信号を出力する(ST26)。
【0041】
振分け部106は、第1の振分け制御信号に基づき軽量物に判別された物品4aを第1の方向へ振分け(ST17)、第1の搬送部102は、第1の方向へ振分けられる物品4aを搬送する。また、振分け部106は、第2の振分け制御信号に基づき重量物に判別された物品4bを第2の方向へ振分け(ST17)、第2の搬送部103は、第2の方向へ振分けられる物品4bを搬送する。
【0042】
第1の搬送部102は、第1の搬送制御信号に基づき、各物品4aの搬送を制御し、搬送区分部104により搬送される複数のトレイ107のうちのトレイ107a(目的トレイ)に向けて物品4aを搬送し送り出す(ST18)。また、第1の搬送速度調整部102aは、第1の速度(標準速度)、第1の速度より早い第2の速度(高速)、又は第1の速度より遅い第3の速度(低速)を指定する第1の搬送制御信号に基づき物品4aの搬送速度を可変制御し、また、所定のタイミングでストッパーを開放することにより、搬送区分部104により搬送されるトレイ107aへ物品4aを送り出すタイミングが調整される。
【0043】
また、第2の搬送部103は、第2の搬送制御信号に基づき、各物品4bの搬送を制御し、搬送区分部104により搬送される複数のトレイ107のうちのトレイ107b(目的トレイ)に向けて物品4bを搬送し送り出す(ST18)。また、第1の搬送速度調整部102aは、第1の速度(標準速度)、第1の速度より早い第2の速度(高速)、又は第1の速度より遅い第3の速度(低速)を指定する第2の搬送制御信号に基づき物品4bの搬送速度を可変制御し、また、所定のタイミングでストッパーを開放することにより、搬送区分部104により搬送されるトレイ107bへ物品4bを送り出すタイミングが調整される。
【0044】
また、搬送区分部104は、区分制御信号に基づき、所定のタイミングでトレイ107aから物品4aを排出し、指定区分先へ区分する(ST19)。同様に、搬送区分部104は、区分制御信号に基づき、所定のタイミングでトレイ107bから物品4bを排出し、指定区分先へ区分する(ST19)。
【0045】
例えば、搬送区分部104は、トレイ107aの一部を開口させる開口部材を備え、区分制御信号に基づく開口部材の駆動により、搬送されてくるトレイ107aの一部が所定のタイミングで開口し、トレイ107aの物品4aが指定区分先へ向けて落下する(ST19)。また、搬送区分部104は、トレイ107bを傾斜させる機構を備え、区分制御信号に基づく傾斜機構の駆動により、搬送されてくるトレイ107bが所定のタイミングで傾斜し、トレイ107bの物品4b(又は物品4a)が指定区分先へ向けて滑り落ちる(ST19)。或いは、搬送区分部104は、トレイ107bの物品4b(又は物品4a)を押し出す機構を備え、区分制御信号に基づく押し出し機構の駆動により、搬送されてくるトレイ107bの物品4b(又は物品4a)が所定のタイミングで押し出され、物品4b(又は物品4a)が指定区分先へ向けて滑り落ちる(ST19)。
【0046】
図4は、実施形態に係る物品区分システムの制御サーバによる第1の種別のトレイへの物品(例えば軽量物)の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
プロセッサ31は、初期設定に応じた第1の搬送制御信号を選択する。例えば、プロセッサ31は、標準速度を指定する第1の搬送制御信号を選択する(ST25101)。第1の搬送速度調整部102aは、標準速度を指定する第1の搬送制御信号に基づき、物品4aを標準速度で搬送する。
【0047】
プロセッサ31は、第1の搬送部102における物品4aの搬送状況に基づき、前方の物品4aまでの距離が第1の距離より長くなると、前方空きと判定し(ST25102、YES)、高速(加速)を指定する第1の搬送制御信号を選択する(ST25103)。第1の搬送速度調整部102aは、高速を指定する第1の搬送制御信号に基づき、物品4aを高速搬送する。これにより、前方の物品4aとの距離が詰められる。
【0048】
また、プロセッサ31は、第1の搬送部102における物品4aの搬送状況に基づき、前方の物品4aまでの距離が第2の距離(第2の距離<第1の距離)より短くなると、手前物品有りと判定し(ST25104、YES)、低速(減速)を指定する第1の搬送制御信号を選択する(ST25105)。第1の搬送速度調整部102aは、低速を指定する第1の搬送制御信号に基づき、物品4aを低速搬送する。これにより、前方の物品4aとの衝突を回避する。
【0049】
第1の搬送速度調整部102aのストッパーにより、搬送区分部104への直前位置(第1の搬送速度調整部102aの待機場)に物品4aが留められる(物品4aの待機完了)。プロセッサ31は、ストッパーにより物品4aが留められた待機状態を検知し(ST25106、YES)、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107aが所定位置に到達(即ち物品4aを受け入れるタイミングに到達)したことを検知すると(ST25107、YES)、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107aに向けて物品4aを送り出すために、ストッパー開放を指示する第1の搬送制御信号を選択する(ST25110)。第1の搬送速度調整部102aは、ストッパー開放を指示する第1の搬送制御信号に基づきストッパーを開放し、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107aに向けて物品4aを送り出す。上記した第1の搬送制御信号により、適切なタイミングで、搬送区分部104により循環搬送される複数トレイ107に含まれるトレイ107aに対して、物品4aが送り込まれる。
【0050】
なお、プロセッサ31は、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107aが所定位置に到達したことを検知しなくても(ST25107、NO)、第2の搬送速度調整部103aの待機場に物品4bが留められていないことと(ST25108、YES)、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107bが所定位置に到達(即ち物品4を受け入れタイミングに到達)したこととを検知すると(ST25109、YES)、ストッパー開放を指示する第1の搬送制御信号を選択するようにしてもよい(ST25110)。第1の搬送速度調整部102aは、ストッパー開放を指示する第1の搬送制御信号に基づきストッパーを開放し、物品4aを搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107bへ送り出す。これにより、物品4aの待機時間を減らすことができ、スループットの向上を図ることができる。
【0051】
図5は、実施形態に係る物品区分システムの制御サーバによる第2の種別のトレイへの物品(例えば重量物)の搬送制御の一例を示すフローチャートである。
プロセッサ31は、初期設定に応じた第2の搬送制御信号を選択する。例えば、プロセッサ31は、標準速度を指定する第2の搬送制御信号を選択する(ST25201)。第2の搬送速度調整部103aは、標準速度を指定する第2の搬送制御信号に基づき、物品4bを標準速度で搬送する。
【0052】
プロセッサ31は、第2の搬送部103における物品4bの搬送状況に基づき、前方の物品4bまでの距離が第1の距離より長くなると、前方空きと判定し(ST25202、YES)、高速(加速)を指定する第2の搬送制御信号を選択する(ST25203)。第2の搬送速度調整部103aは、高速を指定する第2の搬送制御信号に基づき、物品4bを高速搬送する。これにより、前方の物品4bとの距離が詰められる。
【0053】
また、プロセッサ31は、第2の搬送部103における物品4bの搬送状況に基づき、前方の物品4bまでの距離が第2の距離(第2の距離<第1の距離)より短くなると、手前物品有りと判定し(ST25204、YES)、低速(減速)を指定する第2の搬送制御信号を選択する(ST25205)。第2の搬送速度調整部103aは、低速を指定する第2の搬送制御信号に基づき、物品4bを低速搬送する。これにより、前方の物品4bとの衝突を回避する。
【0054】
第2の搬送速度調整部103aのストッパーにより、搬送区分部104への直前位置(第2の搬送速度調整部103aの待機場)に物品4bが留められる(物品4bの待機完了)。プロセッサ31は、ストッパーにより物品4bが留められた待機状態を検知し(ST25206、YES)、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107bが所定位置に到達(即ち物品4bを受け入れるタイミングに到達)したことを検知すると(ST25207、YES)、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107bに向けて物品4bを送り出すために、ストッパー開放を指示する第2の搬送制御信号を選択する(ST25210)。第2の搬送速度調整部103aは、ストッパー開放を指示する第2の搬送制御信号に基づきストッパーを開放し、搬送区分部104により循環搬送されるトレイ107bに向けて物品4bを送り出す。上記した第2の搬送制御信号により、適切なタイミングで、搬送区分部104により循環搬送される複数トレイ107に含まれるトレイ107bに対して、物品4bが送り込まれる。
【0055】
なお、本実施形態では、物品4bをトレイ107bに送り出すケースに限定するが、物品4aを状況に応じてトレイ107bに送り出すように、物品4bを状況に応じてトレイ107aへ送り出すようにしてもよい。
【0056】
以上説明したように、本実施形態によれば、多様な物品に対応することができる物品搬送区分装置、物品区分システム、及び制御サーバを提供することができる。例えば、限られたスペースで、重量の異なる多様な物品を物品搬送区分装置により搬送区分することができる。物品情報が壊れ物であるか否かの情報を含む場合には、壊れ物を物品4aとして判別しスライド式トレイにより区分する、壊れにくい物を物品4bとして判別し開閉式トレイにより区分するようにしてもよい。また、物品情報が転がりやすい形状か否かの情報を含む場合には、転がり難い物を物品4aとして判別しスライド式トレイにより区分する、転がりやすい物を物品4bとして判別し開閉式トレイにより区分するようにしてもよい。
【0057】
また、一つの取り込み部101で取り込まれた物品4は、途中で複数経路に振分けられるが、第1の搬送速度調整部102a及び第2の搬送速度調整部103aを備えることにより、物品4の搬送間隔を適度に詰めて搬送するので、搬送区分効率の低下を防止することができる。
【0058】
また、待機状態の物品4bが無く、トレイ107aよりも先にトレイ107bが到達する場合には、第1の搬送部102により搬送され待機状態の物品4aをトレイ107bに向けて送り出すことにより、搬送区分効率の低下を防止することもできる。
【0059】
また、搬送区分部104により循環搬送される複数トレイ107に含まれるトレイ107aとトレイ107bの比率を任意の比率にしてもよい。また、トレイ107aとトレイ107bの並び順を任意の並び順にしてもよい。プロセッサ31は、トレイ107a及びトレイ107bの搬送状況を監視することにより、任意の比率且つ順番で循環搬送されるトレイ107a(又はトレイ107b)に対して適切なタイミングで物品4aを送り込むことができ、同様に、任意の比率且つ順番で循環搬送されるトレイ107bに対して適切なタイミングで物品4bを送り込むことができる。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
物品情報から判別される物品の判別結果に応じた第1又は第2の振分け制御信号に基づき、第1又は第2の方向へ物品を振分ける振分け部と、
前記第1の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第1の搬送制御信号に基づき、順に搬送される複数トレイのうちの第1の種別のトレイに向けて物品を搬送する第1の搬送部と、
前記第2の方向へ振分けられた物品を受け入れ、第2の搬送制御信号に基づき、順に搬送される前記複数トレイのうちの第2の種別のトレイに向けて物品を搬送する第2の搬送部と、
前記第1及び第2の種別のトレイを含む前記複数トレイを搬送し、区分制御信号に基づき、前記複数トレイによって搬送される物品を指定区分先へ区分する搬送区分部と、
を備える物品搬送区分装置。
[C2]
前記搬送区分部は、前記第1の種別の開閉式トレイ、及び前記第2の種別のスライド式トレイを含む前記複数トレイを搬送し、前記区分制御信号に基づき前記開閉式トレイ又は前記スライド式トレイから物品を排出して物品を指定区分先へ区分する、[C1]の物品搬送区分装置。
[C3]
前記第1の搬送部は、第1の搬送速度調整部を備え、
前記第2の搬送部は、第2の搬送速度調整部を備え、
前記第1の搬送速度調整部は、前記第1の搬送制御信号に基づき前記物品の搬送速度を可変制御し、
前記第2の搬送速度調整部は、前記第2の搬送制御信号に基づき前記物品の搬送速度を可変制御する、[C1]又は[C2]の物品搬送区分装置。
[C4]
[C1]乃至[C3]の何れか一つの前記物品搬送区分装置と、
制御サーバと、を備える物品区分システムであって、
前記制御サーバは、前記物品情報に含まれる物品重量に基づき物品を判別し、物品の判別結果に応じた前記第1又は第2の振分け制御信号を出力する、物品区分システム。
[C5]
前記制御サーバは、前記物品情報に含まれる物品区分情報に基づき物品の区分先を指定し、指定区分先に応じた前記区分制御信号を出力する、[C4]の物品区分システム。
[C6]
前記制御サーバは、前記搬送区分部による前記第1及び第2の種別のトレイの搬送状況を検出し、前記搬送状況に基づき前記第1の搬送部による前記第1の種別のトレイに向けた物品の送り出しのタイミングを制御する前記第1の搬送制御信号を出力し、前記第2の搬送部による前記第2の種別のトレイに向けた物品の送り出しのタイミングを制御する前記第2の搬送制御信号を出力する、[C4]又は[C5]の物品区分システム。
[C7]
物品情報から判別される物品の判別結果に基づき第1又は第2の搬送部へ物品を振分ける第1又は第2の振分け制御信号を選択し、搬送区分部により搬送される複数トレイに含まれる第1の種別のトレイに向けて前記第1の搬送部から物品を搬送する第1の搬送制御信号を選択し、前記搬送区分部により搬送される前記複数トレイに含まれる第2の種別のトレイに向けて前記第2の搬送部から物品を搬送する第2の搬送制御信号を選択し、前記複数トレイによって搬送される物品を指定区分先へ区分する区分制御信号を選択するプロセッサと、
前記第1又は第2の搬送部へ物品を振分ける振分け部に対して第1又は第2の振分け制御信号を出力し、前記第1又は第2の搬送部に対して前記第1又は第2の搬送制御信号を出力し、前記搬送区分部に対して前記区分制御信号を出力するインタフェースと、
を備える制御サーバ。
【符号の説明】
【0061】
1…物品搬送区分装置
2…ネットワーク
3…制御サーバ
4…物品
4…物品
4a…物品
4b…物品
5…オペレータ
31…プロセッサ
32…ROM
33…RAM
34…補助記憶デバイス
35…通信インタフェース
36…入出力部
101…取り込み部
102…第1の搬送部
102a…第1の搬送速度調整部
103…第2の搬送部
103a…第2の搬送速度調整部
104…搬送区分部
105…読み取り部
106…振分け部
107…トレイ
107a…トレイ
107b…トレイ