(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/792 20140101AFI20240513BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240513BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20240513BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240513BHJP
【FI】
A63F13/792
A63F13/69 510
A63F13/79
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020033573
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴崎 一輝
【審査官】岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-087946(JP,A)
【文献】特開2002-253853(JP,A)
【文献】特開2002-117323(JP,A)
【文献】特開平07-121773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24、13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
ゲーム内で使用するアイテムの購入を通常よりも有利な購入条件で行わせるプレイヤを抽選する抽選部、
前記抽選に当選したプレイヤに対し、通常よりも有利な購入条件で前記アイテムの購入が可能な販売期間を設定する設定部、
前記販売期間に前記プレイヤからの前記アイテムの購入要求を受け付けると、前記購入条件で前記プレイヤに前記アイテムを販売する販売部、
前記ゲームを行うプレイヤの識別情報ごとに前記抽選の結果が記録されたテーブルを記憶する記憶部、
として機能させ、
前記抽選部は、
前記テーブルから1つの前記識別情報を読み出して前記抽選における当選の有無を判定し、当選がない場合に前記抽選を実行することを、前記テーブルに含まれる全ての識別情報に対して実行し、
前記抽選により、通常よりも有利な第1の購入条件と、前記第1の購入条件とは異なる通常よりも有利な第2の購入条件と、が当選したプレイヤに対し、前記第1の購入条件及び前記第2の購入条件のうちいずれの購入条件を行わせるかを抽選する、
プログラム。
【請求項2】
前記抽選部は、前記抽選に当選したプレイヤに対し、所定期間が経過するまで次の当選が生じないように抽選を行うこと
を特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項3】
前記抽選部は、前記抽選に当選したプレイヤに対し、所定期間が経過するまで前記抽選に当選する確率を通常よりも下げること
を特徴とする請求項1記載のプログラム。
【請求項4】
情報処理装置に、
ゲーム内で使用するアイテムの購入を通常よりも有利な購入条件で行わせるプレイヤを抽選する抽選ステップと、
前記抽選に当選したプレイヤに対し、通常よりも有利な購入条件で前記アイテムの購入が可能な販売期間を設定する設定ステップと、
前記販売期間に前記プレイヤからの前記アイテムの購入要求を受け付けると、前記購入条件で前記プレイヤに前記アイテムを販売する販売ステップと、
前記ゲームを行うプレイヤの識別情報ごとに前記抽選の結果をテーブルに記憶するステップと、
を実行させ、
前記抽選ステップは、
前記テーブルから1つの前記識別情報を読み出して前記抽選における当選の有無を判定し、当選がない場合に前記抽選を実行することを、前記テーブルに含まれる全ての識別情報に対して実行し、
前記抽選により、通常よりも有利な第1の購入条件と、前記第1の購入条件とは異なる通常よりも有利な第2の購入条件と、が当選したプレイヤに対し、前記第1の購入条件及び前記第2の購入条件のうちいずれの購入条件を行わせるかを抽選する、
情報処理方法。
【請求項5】
ゲーム内で使用するアイテムの購入を通常よりも有利な購入条件で行わせるプレイヤを抽選する抽選部と、
前記抽選に当選したプレイヤに対し、通常よりも有利な購入条件で前記アイテムの購入が可能な販売期間を設定する設定部と、
前記販売期間に前記プレイヤからの前記アイテムの購入要求を受け付けると、前記購入条件で前記プレイヤに前記アイテムを販売する販売部と、
前記ゲームを行うプレイヤの識別情報ごとに前記抽選の結果が記録されたテーブルを記憶する記憶部と、
を有し、
前記抽選部は、
前記テーブルから1つの前記識別情報を読み出して前記抽選における当選の有無を判定し、当選がない場合に前記抽選を実行することを、前記テーブルに含まれる全ての識別情報に対して実行し、
前記抽選により、通常よりも有利な第1の購入条件と、前記第1の購入条件とは異なる通常よりも有利な第2の購入条件と、が当選したプレイヤに対し、前記第1の購入条件及び前記第2の購入条件のうちいずれの購入条件を行わせるかを抽選する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プログラム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、ゲームを実現するための基本的なアプリケーションプログラム及びデータ等を無料で提供し、ゲーム内で使用できるアイテム、キャラクタ、又は追加シナリオ等を有料で販売するという課金方法が知られている。このような課金方法は、例えばアイテム課金などの名称で呼ばれている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のアイテム課金が採用されたゲームでは、ゲーム内で使用するアイテム、キャラクタ、又は追加シナリオ等の購入を、初回限定セール、初心者限定セール、VIPプレイヤ限定セール、期間限定セール、デイリーセールなど、通常よりも有利な購入条件でプレイヤに購入させるセールが発生するものがあった。
【0005】
しかしながら、従来のアイテム課金が採用されたゲームでは、全プレイヤを対象として発生するセールや、初心者などのプレイヤの属性ごとに発生するセールなど、プレイヤから見て発生するセールが固定であり、プレイヤの購買意欲を十分に高めることができないという問題があった。
【0006】
本開示は、ゲーム内でのプレイヤの購買意欲を向上させる新たな仕組みを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示によれば、情報処理装置を、ゲーム内で使用するアイテムの購入を通常よりも有利な購入条件で行わせるプレイヤを抽選する抽選部、前記抽選に当選したプレイヤに対し、通常よりも有利な購入条件で前記アイテムの購入が可能な販売期間を設定する設定部、前記販売期間に前記プレイヤからの前記アイテムの購入要求を受け付けると、前記購入条件で前記プレイヤに前記アイテムを販売する販売部、として機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、ゲーム内でのプレイヤの購買意欲を向上させる新たな仕組みを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るゲームシステムの一例を示す図である。
【
図2】クライアントのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】クライアントの機能構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態で利用するプレイヤ情報テーブルの一例の構成図である。
【
図7】本実施形態で利用するセール情報テーブルの一例の構成図である。
【
図8】セールを発生させるプレイヤを抽選により決定する処理の一例のフローチャートである。
【
図9】アイテムを購入する処理の一例のフローチャートである。
【
図10】セールを発生させるプレイヤを抽選により決定する処理の一例のフローチャートである。
【
図11】本実施形態で利用するセール情報テーブルの一例の構成図である。
【
図12】セールを発生させるプレイヤを抽選により決定する処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本実施形態では、ゲーム内で使用するアイテムをプレイヤが購入する例を説明するが、アイテムの意味を狭義に捉えるものではなく、広義に捉える。例えばゲーム内で使用するアイテムには、ゲーム内でプレイヤにアイテムと呼ばれているゲーム内のオブジェクトの他、プレイヤキャラクタ、スキル、追加シナリオ等、も含まれる。また、本実施形態はロールプレイングゲーム、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、ストラテジーゲーム、又はパズルゲームなどの様々なジャンルのゲームに適用が可能である。
【0011】
[ゲームシステム]
まず、一実施形態に係るゲームシステム10について、
図1を参照して説明する。一実施形態に係るゲームシステム10は、クライアント20とサーバ30とがネットワーク40を介して通信可能に接続された構成である。
【0012】
クライアント20はプレイヤがゲームをプレイする情報処理装置の一例である。クライアント20は、例えばスマートフォンなどの携帯電話機、携帯ゲーム機、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置等である。クライアント20はプレイヤからの操作をタッチパネル、コントローラ、マウス、キーボード等で受け付け、プレイヤにゲームをプレイさせる。なお、クライアント20の個数は3つに限定されるものではなく、3つ以外であってもよい。
【0013】
サーバ30はクライアント20との間でデータを送受信することで、ゲームに必要な機能や情報をクライアント20に提供する情報処理装置の一例である。サーバ30はクラウドコンピュータにより実現してもよい。なお、
図1に示したサーバ30の個数は、1つに限定されるものではなく、2つ以上で分散処理してもよい。例えばサーバ30はクライアント20へのゲームプログラム(アプリケーション)などのダウンロード処理やユーザのログイン処理、セールに関する処理、各種テーブルの管理などに利用される。
【0014】
図2は、クライアント20のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント20は、CPU(Central Processing Unit)121、記憶装置122、通信装置123、入力装置124及び表示装置125を有する。CPU121は、クライアント20を制御する。記憶装置122は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などのメモリ、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などのストレージである。
【0015】
通信装置123は、通信を制御するネットワーク回路などの通信デバイスである。入力装置124は、タッチパッド、コントローラ、マウス、キーボード、カメラ、マイクなどの入力デバイスである。また、表示装置125はディスプレイ、スピーカなどの出力デバイスである。タッチパネルはタッチパッドとディスプレイとを組み合わせることで実現される。
【0016】
図3は、サーバ30のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ30は、CPU131、記憶装置132及び通信装置133を有する。CPU131は、サーバ30を制御する。記憶装置132は、例えばROMやRAMなどのメモリ、HDDやSSDなどのストレージである。通信装置133は、通信を制御するネットワークカードなどの通信デバイスである。
【0017】
図4はクライアント20の機能構成の一例を示す図である。クライアント20は、記憶部21、クライアント制御部22、操作部23、表示部24、及びクライアント側通信部25を有する。記憶部21は、ゲームプログラム51などのプログラム、そのプログラムが利用する例えば所有アイテム情報テーブル52などのデータを記憶している。記憶部21は、記憶装置122により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0018】
クライアント制御部22はクライアント20の全体の制御を行う。クライアント20の全体の制御には、プレイヤがプレイするゲーム全般に関する制御が含まれる。クライアント制御部22は、CPU121がゲームプログラム51に記載された処理を実行することにより実現される。クライアント制御部22は、要求送信部54、結果受信部55、アイテム購入画面表示制御部56、及びゲーム制御部59を有する。
【0019】
要求送信部54はプレイヤの操作に基づいてサーバ30に各種要求を行う。結果受信部55は各種要求に対する結果をサーバ30から受信する。アイテム購入画面表示制御部56はアイテム購入画面の表示制御を行う。ゲーム制御部59はアイテムを使用するゲームに関する制御を行う。
【0020】
操作部23は入力装置124に対するプレイヤの各種操作を受け付ける。表示部24は表示装置125にゲーム画像を表示する。なお、操作部23はCPU121が入力装置124を制御することで実現される。また、表示部24は、CPU121が表示装置125を制御することで実現される。
【0021】
入力装置124に対するプレイヤの各種操作とは、CPU121に処理を実行させるため、ゲームをプレイするプレイヤが操作部23を操る操作をいう。操作部23はゲームをプレイするプレイヤから各種操作を受け付ける。クライアント制御部22はプレイヤから受け付けた各種操作に基づき、ゲームを進行させる。
【0022】
表示部24は、クライアント制御部22が生成したゲーム画像を表示する。クライアント側通信部25は、サーバ30と通信する。クライアント側通信部25はCPU121がゲームプログラム51を実行し、ゲームプログラム51に従って通信装置123を制御することで実現される。
【0023】
図5は、サーバ30の機能構成の一例を示す図である。
図5のサーバ30は、記憶部31、サーバ制御部32、及びサーバ側通信部33を有する。
【0024】
記憶部31は、サーバプログラム61、ゲームプログラム62などのプログラム、それらのプログラムが利用するデータ、後述のプレイヤ情報テーブル63、セール情報テーブル64、及びアイテム情報テーブル65などを記憶している。記憶部31は記憶装置132により実現されてもよいし、ネットワーク40を介して接続された記憶装置により実現されてもよい。
【0025】
サーバ制御部32は、サーバ30の全体の制御を行う。サーバ制御部32は、CPU131がサーバプログラム61に記載された処理を実行することにより実現される。例えばサーバ制御部32は記憶部31に記憶されているゲームプログラム62、そのゲームプログラム62が利用するデータなどをクライアント20へダウンロードさせるダウンロード処理を行う。また、サーバ制御部32は後述のセールに関する処理を行う。
【0026】
サーバ制御部32は、要求受信部66、販売部67、結果送信部68、セール抽選部69、及びセール期間設定部70を有する。要求受信部66はクライアント20からの各種要求を受信する。販売部67は、アイテムの販売に関する処理を行う。結果送信部68は各種要求に対する処理の結果を、クライアント20に送信する。
【0027】
セール抽選部69はセールを発生させるプレイヤの抽選の他、そのプレイヤに発生させるセールの抽選など、セールに関する抽選を行う。セール期間設定部70は、セール抽選部69による抽選結果に基づき、プレイヤにセールを発生させる。
【0028】
サーバ側通信部33はクライアント20と通信する。サーバ側通信部33は、CPU131がサーバプログラム61を実行し、サーバプログラム61に従って通信装置133を制御することで実現される。
【0029】
なお、
図4に示したクライアント20の機能構成、及び
図5に示したサーバ30の機能構成は一例であって、例えば
図5に示したサーバ30の機能構成の少なくとも一つが
図4に示したクライアント20の機能構成に含まれていてもよい。つまり、
図4及び
図5に示した機能構成は、クライアント20又はサーバ30の何れか一方が有していればよい。
【0030】
クライアント20の記憶部21に記憶されている所有アイテム情報テーブル52はプレイヤが所有しているアイテムの情報が設定されている。例えばプレイヤが購入したアイテムは所有アイテム情報テーブル52に設定される。サーバ30の記憶部31に記憶されているプレイヤ情報テーブル63、セール情報テーブル64、及びアイテム情報テーブル65の構成例は、以下の通りである。
【0031】
図6は本実施形態で利用するプレイヤ情報テーブルの一例の構成図である。プレイヤ情報テーブルはクライアント20でゲームを行うプレイヤの情報が設定されている。
図6のプレイヤ情報テーブルは、プレイヤID、セールID、及びセール期間を項目として有している。
【0032】
プレイヤIDは、プレイヤの識別情報の一例である。セールIDは、プレイヤに発生しているセールの識別情報の一例である。なお、セールIDが空欄のプレイヤはセールが発生していない。セール期間は、プレイヤに発生しているセールの期間を表している。
図6のプレイヤ情報テーブルによれば、プレイヤごとに発生するセールを管理できる。
【0033】
なお、
図6のプレイヤ情報テーブルは発生するセールをプレイヤごとに管理している例を示したが、プレイヤが所属しているギルドなどのグループごとに発生するセールを管理するものであってもよい。
【0034】
図7は、本実施形態で利用するセール情報テーブルの一例の構成図である。セール情報テーブルは、通常の購入条件(セールが発生していない場合の購入条件)よりも有利な購入条件でアイテムを購入できるセールの情報が1つ以上、設定されている。
図7のセール情報テーブルは、セールID、アイテム情報、価格、セール期間、及びセール確率を項目として有している。
【0035】
セールIDはセールの識別情報の一例である。アイテム情報は、セールIDで識別されるセールで購入可能なアイテムの種類と個数とが設定されている。価格はセールIDで識別されるセールにおいて、アイテム情報に設定されているアイテムを購入する場合の価格が設定されている。セール期間は、セールIDで識別されるセールの期間が設定されている。セール確率は、セールIDで識別されるセールが抽選により当選する確率が設定されている。
図7のセール情報テーブルによれば、当選確率及び購入条件の異なるセールを1つ以上、管理できる。
【0036】
[ゲーム動作]
以下では、セールを発生させるプレイヤを抽選により決定する処理と、セールが発生しているプレイヤがアイテムを購入する処理と、を説明する。
図8はセールを発生させるプレイヤを抽選により決定する処理の一例のフローチャートである。なお、
図8はセール情報テーブルに一つのセール情報が設定される場合の例を示している。
図8の処理は例えばゲーム内で基準となる時間(ログインボーナスの基準時間など)に実行される。
【0037】
ステップS10において、サーバ30のサーバ制御部32はセール抽選部69にセールの抽選を要求する。セール抽選部69は
図6のプレイヤ情報テーブルから一つのレコードを読み出す。ステップS12において、セール抽選部69は読み出したレコードのセールIDの項目が空欄であれば、抽選によりセールを発生させるか否かを判定するセール発生判定処理を行う。例えばセール抽選部69はセール情報テーブルのセール確率の項目を利用して、セールを発生させるか否かを抽選により判定してもよい。
【0038】
セールを発生させると判定するとステップS14からS16に進み、セール期間設定部70はステップS10で読み出された
図6のプレイヤ情報テーブルのレコードに、発生させるセールのセールID及びセール期間を設定する。なお、セールを発生させないと判定するとステップS16の処理をスキップする。
【0039】
ステップS18において、セール抽選部69はプレイヤ情報テーブルから全レコードを読み出していないと判定すると、ステップS10に戻り処理を続ける。また、プレイヤ情報テーブルから全レコードを読み出したと判定すると、
図8のフローチャートの処理を終了する。
【0040】
このように、
図8のフローチャートの処理によれば、プレイヤ情報テーブルに設定されているプレイヤに対して、ランダムにセールを発生させることができる。
【0041】
図9はアイテムを購入する処理の一例のフローチャートである。アイテムを購入したいプレイヤはクライアント20に対し、アイテム購入画面の表示操作を行う。アイテム購入画面の表示操作を受け付けると、クライアント20のクライアント制御部22はプレイヤからのアイテム購入画面の表示要求ありと判断し、ステップS20からS22に進む。
【0042】
ステップS22において、クライアント制御部22は要求送信部54を利用し、サーバ30にプレイヤ情報テーブルの確認要求を行う。ステップS22のプレイヤ情報テーブルの確認要求は、
図6のプレイヤ情報テーブルを確認することで、クライアント20を操作するプレイヤがセール期間中であるか否かを確認するための処理である。クライアント制御部22の結果受信部55はサーバ30からプレイヤがセール期間中であるか否かの結果を受信する。
【0043】
クライアント制御部22のアイテム購入画面表示制御部56はプレイヤがセール期間中であると判定すると、ステップS24からS26に進み、プレイヤ情報テーブルに設定されているセール情報に基づく購入条件でアイテムの購入が可能なアイテム購入画面の表示制御を行う。ステップS26からS30に進み、プレイヤはクライアント20が表示するアイテム購入画面から、通常の購入条件よりも有利なセールの購入条件でアイテムを購入できる。
【0044】
クライアント制御部22のアイテム購入画面表示制御部56はプレイヤがセール期間中でないと判定すると、ステップS24からS28に進み、通常の購入条件でアイテムの購入が可能なアイテム購入画面の表示制御を行う。ステップS28からS30に進み、プレイヤはクライアント20が表示するアイテム購入画面から、通常の購入条件でアイテムを購入できる。
【0045】
図8のフローチャートでは、セール情報テーブルに一つのセール情報が設定される場合の例を示したが、複数のセール情報が設定されている場合、
図10のフローチャートのように、発生させるセールを選択するセール選択処理が必要となる。
図10はセールを発生させるプレイヤを抽選により決定する処理の一例のフローチャートである。
【0046】
図10のフローチャートの処理は、一部を除いて
図8のフローチャートの処理と同様であるため、同一部分の説明を適宜省略する。ステップS40~S44の処理はステップS10~S14の処理と同様である。
【0047】
セールを発生させると判定するとステップS44からS46に進み、セール抽選部69は
図7のセール情報テーブルを用いて、プレイヤに発生させるセールを抽選により選択するセール選択処理を行う。例えばセール抽選部69はセール情報テーブルのセール確率の項目を利用して、発生させるセールを抽選により選択する。
【0048】
ステップS46に続いてS48に進み、セール期間設定部70はステップS10で読み出された
図6のプレイヤ情報テーブルのレコードに、発生させるセールのセールID及びセール期間を設定する。なお、セールを発生させないと判定するとステップS46及びS48の処理をスキップする。
【0049】
ステップS50において、セール抽選部69はプレイヤ情報テーブルから全レコードを読み出していないと判定すると、ステップS40に戻り処理を続ける。また、プレイヤ情報テーブルから全レコードを読み出したと判定すると、
図10のフローチャートの処理を終了する。
【0050】
このように、
図10のフローチャートの処理によれば、プレイヤ情報テーブルに設定されているプレイヤに対して、ランダムにセールを発生させることができる。
【0051】
図10のフローチャートでは、ステップS42において、セール発生判定処理でセールを発生させるか否かを抽選により判定したあとで、発生させるセールを選択するステップS46のセール選択処理を行っていたが、セール発生判定処理とセール選択処理とを
図11及び
図12を用いて説明するように同時に行うこともできる。
図11は、本実施形態で利用するセール情報テーブルの一例の構成図である。
図12は、セールを発生させるプレイヤを抽選により決定する処理の一例のフローチャートである。
【0052】
図11のセール情報テーブルは
図7のセール情報テーブルに通常の購入条件がセールID「sale00」のレコードとして設定された例である。
図11のセール情報テーブルは、セールID、アイテム情報、価格、セール期間、及び確率を項目として有する。
図11のセール情報テーブルによれば、セール情報テーブルから一つのレコードを読み出す処理が、セール発生判定処理とセール選択処理とを同時に行うことができる。
【0053】
図12のフローチャートの処理は、一部を除いて
図8のフローチャートの処理と同様であるため、同一部分の説明を適宜省略する。ステップS60の処理はステップS10と同様である。ステップS62において、セール抽選部69は読み出したレコードのセールIDの項目が空欄であれば、
図11のセール情報テーブルから確率の項目に従って、一つのレコードを読み出すことで、セール発生判定処理とセール選択処理とを同時に行う。
例えばセール抽選部69はセールID「sale00」のレコードを
図11のセール情報テーブルから読み出した場合、通常の購入条件であるため、セールを発生させないと判定できる。また、セール抽選部69はセールID「sale00」以外のレコードを
図11のセール情報テーブルから読み出した場合、通常の購入条件よりも有利なセールの購入条件であるため、セールを発生させると判定できる。
【0054】
セールを発生させると判定するとステップS64からS66に進み、セール期間設定部70はステップS60で読み出された
図6のプレイヤ情報テーブルのレコードに、発生させるセールのセールID及びセール期間を設定する。セール期間設定部70はセールを発生させないと判定するとステップS66の処理をスキップする。なお、セール期間設定部70はセールを発生させないと判定した場合であっても、ステップS60で読み出された
図6のプレイヤ情報テーブルのレコードに、発生させるセールID「sale00」及びセール期間を設定してもよい。
【0055】
ステップS68において、セール抽選部69はプレイヤ情報テーブルから全レコードを読み出していないと判定すると、ステップS60に戻り処理を続ける。また、プレイヤ情報テーブルから全レコードを読み出したと判定すると、
図12のフローチャートの処理を終了する。
【0056】
このように、
図12のフローチャートの処理によれば、プレイヤ情報テーブルに設定されているプレイヤに対して、ランダムにセールを発生させることができる。
【0057】
なお、セール期間の終了後、セール期間設定部70はプレイヤ情報テーブルのセールID及びセール期間を空欄にするようにしてもよい。この処理により、セール期間の終了したプレイヤは再び、セールを発生させるか否かの抽選の対象となる。また、セール期間設定部70はセール期間の終了後、所定期間が経過してからプレイヤ情報テーブルのセールID及びセール期間を空欄にすることでインターバル期間を設け、セール期間を終了後のプレイヤに連続してセールが発生しないようにしてもよい。さらに、セール期間設定部70はセール期間の終了後、セールが発生する確率を所定期間、低下させることで、セール期間を終了後のプレイヤに連続してセールが発生する確率を下げてもよい。
【0058】
本実施形態によれば、通常よりも有利な購入条件でアイテムを購入できるセールを抽選に当選したプレイヤに発生させることで、セール期間中のアイテムの購入に、お得感を感じやすくなり、プレイヤの購買意欲を向上させる新たな仕組みを提供できる。
【0059】
開示した一実施形態のゲームシステム10、クライアント20及びサーバ30は例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で変形及び改良が可能である。また、上記した複数の実施形態に記載された事項は、矛盾しない範囲で他の構成も取り得ることができ、また、矛盾しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0060】
10 ゲームシステム
20 クライアント
21 記憶部
22 クライアント制御部
23 操作部
24 表示部
25 クライアント側通信部
30 サーバ
31 記憶部
32 サーバ制御部
33 サーバ側通信部
40 ネットワーク
51 ゲームプログラム
52 所有アイテム情報テーブル
54 要求送信部
55 結果受信部
56 アイテム購入画面表示制御部
59 ゲーム制御部
61 サーバプログラム
62 ゲームプログラム
63 プレイヤ情報テーブル
64 セール情報テーブル
65 アイテム情報テーブル
66 要求受信部
67 販売部
68 結果送信部
69 セール抽選部
70 セール期間設定部