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特許7487082レバーとハウジングを備えたジョイスティック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】レバーとハウジングを備えたジョイスティック
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0338 20130101AFI20240513BHJP
【FI】
G06F3/0338 411
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020200683
(22)【出願日】2020-12-03
(65)【公開番号】P2021089735
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】10 2019 133 126.9
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】518201739
【氏名又は名称】メソード・エレクトロニクス・マルタ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】METHODE ELECTRONICS MALTA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ボニッチ、アレン・カール
(72)【発明者】
【氏名】ポルテリ、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ガット、マニュエル
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05805140(US,A)
【文献】米国特許第06480183(US,B1)
【文献】特開平05-250038(JP,A)
【文献】特表2006-509189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/033-3/039
G05G 1/00-25/04
G05D 3/00-3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動装置に電気的に接続可能な制御装置であって、
少なくとも1つの本体と
少なくとも1つの触覚プロファイルと、
可変形状を有する少なくとも一対の可動金属フラグと、
平面コイルを有する少なくとも1つのセンサ電子機器と、を備え、
前記少なくとも1つの本体は、
中心旋回点を中心に全周にわたって旋回可能であり、
前記触覚プロファイルに連結され、それにより
前記触覚プロファイルは、前記本体が前記中心旋回点を中心に作動されたときに触覚フィードバックをユーザに提供し、
前記本体は、反復的にその中立状態に戻ることができ、
前記一対の可動金属フラグに連結され、それにより
前記一対の可動金属フラグの動きの組み合わせが、R及びΦによって表されるセンサ電子機器の平面における方向制御を提供し、
ここで、
・R=前記本体の直立位置からの傾斜の距離に対応する前記センサ電子機器の中心位置からの前記一対の可動金属フラグの距離、
・Φ=前記本体の直立位置からの傾斜の角度に対応する前記本体に対する前記一対の可動金属フラグの角度位置、
・R=√(x2+y2)、
・Φ=tan-1(y/x)、
・xは、水平方向における前記センサ電子機器からの前記一対の可動金属フラグの距離、
・yは、垂直方向における前記センサ電子機器からの前記一対の可動金属フラグの距
であり、
前記平面コイルを有する前記センサ電子機器は、前記一対の可動金属フラグに平行に配向され、
前記平面コイルを有する前記センサ電子機器は、渦電流を生成することができ、
前記一対の可動金属フラグの前記可変形状は、渦電流の振動磁場と結びつく、制御装置。
【請求項2】
前記本体は、レバーの形態を有する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記一対の可動金属フラグは、前記レバーと直接的に移動可能に連結される、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記一対の可動金属フラグは、スライダによって前記レバーに連結される、請求項2に記載の制御装置。
【請求項5】
前記一対の可動金属フラグの各可動金属フラグは、スライダによって前記レバーと移動可能に連結される、請求項2に記載の制御装置。
【請求項6】
前記本体の回転運動が、前記一対の可動金属フラグの直線運動に変換される、請求項4に記載の制御装置。
【請求項7】
前記一対の可動金属フラグと前記スライダとは互いに直交して配置される、請求項4に記載の制御装置。
【請求項8】
前記本体の前記中心旋回点は、メインハウジングに連結される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項9】
前記触覚プロファイルは、ばね負荷機構の形態を有する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記触覚プロファイルは、磁石の集合の形態を有する、請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記触覚プロファイルは、前記メインハウジングの一体的な形状である、請求項8に記載の制御装置。
【請求項12】
前記触覚プロファイルは、前記メインハウジングの独立した構成要素である、請求項8に記載の制御装置。
【請求項13】
前記ばね負荷機構によって触覚フィードバックが提供される、請求項9に記載の制御装置。
【請求項14】
触覚フィードバックが前記磁石の集合によって提供される、請求項10に記載の制御装置。
【請求項15】
メインハウジング及び前記レバーは、前記中心旋回点において互いに連結されている、請求項2に記載の制御装置。
【請求項16】
前記平面コイルによって生成される前記渦電流によって引き起こされるエネルギーの損失が、それぞれΔx値またはΔy値に変換される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項17】
前記平面コイルの両側それぞれに前記一対の可動金属フラグの各可動金属フラグが配置されている、請求項1に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの本体と、少なくとも1つの触覚プロファイルと、可変形状を有する少なくとも1対の可動金属フラグと、平面コイルを有する少なくとも1つのセンサ電子機器とを備える、電動装置に電気的に接続可能な制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下では、センサ電子機器をセンサと呼ぶ。
【0003】
US2018/0356854A1は、スティックと、スティックに取り付けられたベースとを含むジョイスティックを開示している。ジョイスティックは、ベースの一部が配置されるハウジングを含む。ジョイスティックは、所定数の旋回軸のうちの少なくとも1つを中心としたベースの回転を検出するためのセンサをさらに含む。
【0004】
従来技術から知られている電気機械的接触システムは、ジョイスティックの寿命にわたって損耗する。
【0005】
また、電気機械的接触システムでは、可能な診断の量が制限される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、センサおよびコイルの配置がエネルギーの損失をもたらさない制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、電力装置に電気的に接続可能な制御装置によって解決される。
【0008】
前記制御装置は、少なくとも1つの本体を備える。
【0009】
以下では、本体をレバーと呼ぶ。
【0010】
しかしながら、制御装置は少なくとも1つの触覚プロファイルを有する。制御装置は、少なくとも一対の可動金属フラグをさらに備える。前記金属フラグは可変形状を有する。
【0011】
制御装置のセンサは、少なくとも1つの平面コイルをさらに備える。
【0012】
レバーは、中心旋回点を中心に回転可能である。しかしながら、レバーは少なくとも1つの触覚プロファイルに連結される。
【0013】
したがって、触覚プロファイルは、レバーが中心旋回点を中心に作動したときに、ユーザに触覚フィードバックを提供する。
【0014】
そのレバーは、反復的にその中立状態に戻ることができる。中立状態は、レバーの直立位置である。
【0015】
前記レバーは、少なくとも一対の金属フラグに直接的に連結される。
【0016】
言うまでもなく、レバーと少なくとも一対の金属フラグとの間の連結は、間接的に行うこともできる。
【0017】
前記フラグの動きの組み合わせは方向制御を提供する。
【0018】
方向制御は、次式に従って実行される。
【0019】
・R=中心位置からの距離
・Φ = 角度位置
・R = √(x2+y2); Φ = tan-1(y/x)
【0020】
センサの前記平面コイルは、少なくとも一対の金属フラグに平行に配置される。
【0021】
本発明によれば、平面コイルは渦電流を発生することができる。
【0022】
振動磁場と結びつけられた少なくとも2つの金属フラグの可変形状は、渦電流を変化させる。
【0023】
したがって、磁場は、少なくとも1つのコイルを通してセンサ電子機器によって生成される。
【0024】
少なくとも1つの金属フラグ対がコイルに対して移動可能である。しかしながら、金属フラグの動きは、レバーの傾斜運動と一致する。
【0025】
<制御装置および本体(レバー)>
【0026】
制御装置は、少なくとも1つの本体を備える。上述のとおり、本体はレバーと呼ばれる。
【0027】
制御装置は、より大きな複雑なシステムに電気的に接続される。
【0028】
より大きな複雑なシステムは、様々な電動装置の動きを制御する。
【0029】
前記装置は、電力および/または油圧動力および/または空気圧動力またはそれらの組み合わせによって推進され得る。
【0030】
御装置は、ドーザー、クレーン、リフター、チェリーピッカー、ダンプトラックおよび/またはロギング機器などの任意の重工業機器に実装することができるが、これらに限定されない。
【0031】
レバーは、中心旋回点を中心に回転可能である。
【0032】
レバーは少なくとも1つの触覚プロファイルに連結される。
【0033】
レバーおよび触覚プロファイルの両方について、以下で詳細に言及する。
【0034】
前記本体は、中立位置が直立位置と呼ばれる任意の他の位置であっても、反復的にその中立位置に戻る。前記中立位置は、静止位置とも呼ばれる。
【0035】
旋回点を中心に傾斜したレバーの位置からレバーの静止位置に戻るレバーの戻りは、単一または複数の触覚プロファイルによってもたらされる。
【0036】
前記触覚プロファイルは、ばね負荷機構および/または1組の磁石によってもたらされ、これらの両方について、以下でさらに詳細に言及する。
【0037】
中心旋回点を中心に傾けられると、レバーは回転運動に変えられる。
【0038】
レバーと前記フラグとの少なくとも間接的な接続により、レバーの傾斜中に、レバーの回転運動がフラグの直線運動に変換される。
【0039】
レバーの回転運動がフラグの直線運動に変換されるのは、レバー、旋回点およびフラグを少なくとも間接的に接続するためにメインハウジングが設けられていることにもよる。
【0040】
制御装置のレバーは、制御コラムとして製造することができる。制御装置のレバーは、陸上または水上または空中の任意の民間または軍用車両のコックピット内に配置することができる。
【0041】
レバーは、垂直に配置されたセンタースティックとすることができる。レバーは、水平に配置されたサイドスティックであってもよい。
【0042】
レバーは、車両のさらなる態様を制御するための補助スイッチ、ボタン、または制御装置を有することができる。
【0043】
言うまでもなく、制御装置およびそのレバーは、ビデオゲームおよびゲームコンソールを制御するために使用することもできる。
【0044】
上述したように、その静止位置において、制御装置のレバーは直立位置に配置される。
【0045】
制御装置のレバーは、一方向レバーとして構成することができる。代替的に、レバーは2つ以上の方向に傾斜させることもできる。
【0046】
<中心旋回点>
【0047】
制御装置は、中心旋回点を提供する。
【0048】
前記中心旋回点は、以下で詳細に参照されるハウジングの一部を形成する。
【0049】
その静止位置に対して、ユーザは、レバーを任意の方向に、旋回点の周りで傾ける。
【0050】
レバーを傾斜させるために、ユーザは、レバーの旋回点とは反対側の遠端部を、所望の方向に押す。
【0051】
レバーは、その旋回点を介して、制御装置のハウジングと結合されている。したがって、ハウジングは、レバーが任意の旋回方向に押されたときに、その旋回運動に追従する。
【0052】
ハウジングが少なくとも間接的に金属フラグに連結されているため、レバーの回転運動は直線運動に変換される。
【0053】
<ハウジング>
【0054】
本発明によれば、ハウジングは、移動する機器または繊細な機器の一部を包囲し保護する剛性ケーシングである。
【0055】
本発明は、ハウジングが、レバーの旋回点を触覚プロファイルと接続することを開示する。
【0056】
ハウジングはまた、レバーを、少なくとも1つの金属フラグを担持するスライダに接続する。したがって、スライダは、レバーを少なくとも1つの金属フラグに間接的に接続する。
【0057】
旋回点を介してレバーと物理的に接続されているので、ハウジングはレバーの旋回運動に追従する。
【0058】
ハウジングは、レバーの両側のそれぞれに、少なくとも1つの触覚プロファイルおよび/または少なくとも1つのスライダを有する(以下で言及する)。スライダは、少なくとも1つの金属フラグを担持する。
【0059】
ハウジングがレバーに連結された状態で、スライダおよび触覚プロファイルの両方が、レバーの旋回運動に追従する。
【0060】
スライダによって、レバーは支持プレートに隣接するレバーの端部において少なくとも1つのインサート成形された金属フラグに機械的に係合される。
【0061】
<スライダ>
【0062】
レバーの旋回運動に追従するために、スライダがハウジングを介して前記レバーと連結される。少なくとも1つの金属フラグが、対応するスライダに機械的に固定される。したがって、少なくとも1つのスライダが、少なくとも1つの金属フラグを担持する。
【0063】
支持プレートに固定されたセンサに対して、少なくとも1つの金属フラグがレバーの旋回運動に追従する。
【0064】
旋回点の周りを旋回すると、レバーは回転運動を示す。
【0065】
レバーの回転運動の結果、スライダおよび前記金属フラグは、支持プレートに対してレバーの最も広い距離にあるレバーの端部に向かう方向に、支持プレートから直線的に持ち上げられる。
【0066】
スライダが支持プレートに対して最も距離が遠い位置におけるジョイスティックの端部に向けて直線的に持ち上げられると、スライダはセンサに対して直線的に移動する。
【0067】
したがって、スライダの運動および/またはセンサに平行に配置された少なくとも1つの金属フラグの運動は、レバーの回転運動を、前記金属フラグの直線運動および/またはスライダの直線運動に変換される。
【0068】
本発明によれば、スライダはセンサの両側それぞれに金属フラグを提供する。
【0069】
上述したように、スライダによって、金属フラグは、ハウジングおよび/またはレバーと間接的に連結される。
【0070】
したがって、レバーの旋回運動に続いてスライダがセンサに対して移動されるとき、センサの少なくとも2つの長手面と、センサの両側の少なくとも2つの隣接する金属フラグとの間の累積距離は同じままである。
【0071】
言い換えれば、各スライダには、2つのスライダアームを互いに連結する肩部が設けられている。
【0072】
センサに向かって見える側で、各スライダアームはそれぞれの金属フラグを担持する。
【0073】
したがって、センサの両側それぞれにおいて、各スライダアームは少なくとも1つの金属フラグを担持する。
【0074】
センサの両側において、スライダアームおよびその金属フラグは、センサおよび/またはコイルに対して直交に配置される。
【0075】
スライダアームがレバーの傾斜運動に追従するとき、レバーの回転運動は、レバーが傾斜している方向におけるスライダアームおよびその金属フラグの直線運動に変換される。
【0076】
レバーの傾斜運動に続いて、センサの各長手面と、隣接する金属フラグおよび/または隣接するスライダアームとの間の距離の累積値は、それぞれ同じままである。
【0077】
スライダアームは、レバーの回転運動に追従する。したがって、1つのスライダアームとセンサの隣接する長手面との間の距離は、定義された値「A」だけ減少する。
【0078】
同時に、他方のスライダアームとセンサの隣接する長手面との間の距離が、値「B」だけ増大する。しかしながら、距離「A」および距離「B」の累積的な全体の合計は、同じままである。
【0079】
言い換えれば、前記少なくとも2つの金属フラグは、スライダによってレバーと連結される。スライダが回転運動すると、レバーに連結されて、フラグはスライダの運動に追従する。
【0080】
<金属フラグおよびセンサ>
【0081】
上述したように、レバーの静止位置において、少なくとも1つの金属フラグは、センサに対して直角に配置される。
【0082】
金属フラグがスライダに固定されることにより、金属フラグはスライダに対して直交するように配置される。
【0083】
前記金属フラグは、絶対温度0で電気を伝導することができる任意の金属で作ることができる。本発明では、任意の可鍛性および/または延性金属に関係する。前記金属は、鉄または合金または任意のステンレス鋼などの化学元素である。
【0084】
さらに、本発明は、センサ本体を有するセンサに関係する。センサは、デバイス、センサモジュール、または任意のセンササブシステムであり、その目的は、その環境における事象または変化を検出することである。
【0085】
スライダの任意の凹部に嵌合するために、可動金属フラグは可変形状を有する。したがって、金属フラグは、任意の所望のサイズおよび形状を有することができる。
【0086】
本発明によれば、前記少なくとも2つのフラグの動きの組み合わせは、方向制御を提供する。
【0087】
方向制御は、以下のように計算される。
【0088】
・R=中心位置からの距離
・Φ = 角度位置
・R = √(x2+y2); Φ = tan-1(y/x)
【0089】
前記フラグの動きの組み合わせは、採用された全ての固有の位置でそれぞれの平面における方向制御を提供する。
【0090】
それぞれのフラグの可変形状は、振動磁場に結び付く。
【0091】
前述のように、振動磁場は、センサ電子機器およびその平面コイルを通して生成され、前記平面コイルは、フラグに対して平行に配向される。
【0092】
渦電流の比例的な発生は、エネルギー損失を引き起こす。このエネルギー損失は、Δx 値または Δy値に変換することができる。
【0093】
金属フラグの不要な動き、すなわちεxのεyに対する相対的な関係が、結果的にそれぞれYに対するXの方向に誤った出力をもたらすことから保護するために、コイルの両側にフラグが配置されている。
【0094】
本発明の一実施形態では、少なくとも一対のフラグがレバーと直接的に移動可能に連結される。
【0095】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも2つの金属フラグは、このスライダによってレバーと連結される。したがって、金属フラグはレバーに間接的に連結される。
【0096】
本発明の別の実施形態によれば、フラグは、インサート成形されたフラグの集合として集約される。
【0097】
センサは、検出された情報を、装置の他の電子機器に送信する。例として、そのような他の電子機器は、コンピュータプロセッサまたは任意の他の電子機器であり得る。したがって、センサは、しばしば他の電子部品と連結される。
【0098】
センサは、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)などの電気的に独立した電子機器の集合として実装することができる。
【0099】
作業安全性を高めるために、独立したPCBAが、互いに制御して、制御装置に実装されたセンサの安全完全性レベルを保証するように実装される。本発明による制御装置は、末端制御のセーフティクリティカル装置に実装される。
【0100】
<コイルおよび渦電流>
【0101】
上述のように、本発明は少なくとも1つのコイルを提供する。例として、本発明は平面コイルに関する。
【0102】
本発明によれば、制御装置は、渦電流原理が適用されるセンサの少なくとも1つのコイルに依存する。したがって、制御装置は、レバーの傾斜角度を示すのに非接触渦電流法を利用する。
【0103】
本発明によれば、渦電流は、導体内の変化する磁場によって導体内に誘導される電流のループである。渦電流は導体内の閉ループ内を流れ、渦電流の平面は磁場に対して垂直である。
【0104】
渦電流は、それを生成した磁場の変化に対抗する磁場を生成する。したがって、渦電流は磁場の発生源に対して変化する。
【0105】
センサおよび前記平面コイルは協働して振動磁場を生成する。
【0106】
前記磁場は、金属フラグに対して平行に配向される。
【0107】
本発明によれば、それぞれの金属フラグは可変形状を有する。可変形状により、個々の金属フラグは、センサ電子機器および/または少なくとも1つの平面コイルによって生成される振動磁場と結びつく。
【0108】
本発明は、センサの平面に配置された少なくとも1つのコイルを提供する。
【0109】
コイルは、磁場内にエネルギーを蓄積する受動2端子電気部品と呼ばれる。コイルに電流が流れると、コイルにエネルギーが蓄積される。
【0110】
センサの前記コイルへの渦電流の比例的な生成および印加は、上述の前記エネルギー損失を防止する。
【0111】
言い換えれば、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの平面コイルを担持する。その平面コイルは、センサに隣接して配置された少なくとも2つの金属フラグに平行に配向される。前記金属フラグは、スライダによって担持される。
【0112】
センサの前記コイルへの渦電流の比例的な生成および印加は、上述の前記エネルギー損失を防止する。
【0113】
言い換えれば、少なくとも1つのセンサは、少なくとも1つの平面コイルを担持する。その平面コイルは、センサに隣接して配置された少なくとも2つの金属フラグに平行に配向される。前記金属フラグは、スライダによって担持される。
【0114】
センサと少なくとも1つのコイルとのアセンブリは、渦電流を生成する。
【0115】
<触覚プロファイルおよびばね負荷機構>
【0116】
スライダとは反対側の、支持プレートに向かって見たレバーの端部において、ハウジングは少なくとも1つの触覚プロファイルを提供する。
【0117】
レバーの旋回点に対して、スライダは触覚プロファイルの反対側に配置される。
【0118】
触覚プロファイルは、制御装置のレバーが旋回点に対して傾けられたときに、ユーザに触覚フィードバックを提供する。
【0119】
また、触覚プロファイルは、レバーが旋回点の周りで傾けられた後に、その静止位置に戻ることを可能にする。
【0120】
その静止位置に戻るために、触覚プロファイルは、ばね負荷機構(上記参照)として適合される。ばね負荷機構の少なくとも1つのばねは、レバーをその静止位置に押し戻す。
【0121】
触覚プロファイルは、レバーが旋回点の周りで傾けられたときにユーザに触覚フィードバックを提供するように配置された一組の磁石とすることができる。
【0122】
触覚プロファイルは、ハウジングの一体的な形状とすることができる。代替的に、触覚プロファイルは、ハウジングに堅固に固定される独立した構成要素として設計される。
【図面の簡単な説明】
【0123】
ジョイスティックおよびレバーのさらなる任意の特徴は、図面の以下の説明に記載される。記載された特徴は、それぞれの場合において、個別にまたは任意の所望の組み合わせで実現することができる。したがって、ジョイスティックおよびその構成要素は、図面を参照して、例示的な実施形態に基づいて以下で説明される。
図面において、
図1】ジョイスティック1の斜視図である。、
図2】レバー2に沿って切断した図1のジョイスティックを示す。
図3】スライダの2つのアーム間に配置された1つのセンサを概略的に示す。
図4】平面コイルの前で摺動する可変形状を示す。
図5】本発明による2つのセンサ層を示す。
図6】センサを参照する絶対値xおよびyを説明する。
図7】コイルおよびマイクロコントローラの動作を参照するブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0124】
図1において直交するように配置されているように、ジョイスティック1はレバー2を有し、レバー2の上端3はジョイスティック1から突出している。
【0125】
レバー2の下端4(図示せず)は、レバー2のハウジング5に連結されている。
【0126】
ジョイスティック1は、レバー2の外部9に向かってジョイスティック1のカバー7をシールするカラー6を有する。
【0127】
カバー7は、ジョイスティックの内部8をその周囲の外部9に向かって閉じる。
【0128】
カバー7と平行に、ジョイスティック1は支持プレート10を有する。
【0129】
前記支持プレート10は、ジョイスティックの底部として適合され、ジョイスティックの内部8をその外部に向かって閉じる。
【0130】
図1において、支持プレート10は、4つのセンサ11(図1では、そのうちの2つのみを見ることができる)を担持する。
【0131】
各センサ11は、センサ11を支持プレート10に固定するための少なくとも2対のソケット12を有する。
【0132】
センサ11の平面13において、センサ11は、それぞれ2つのコイル14を提供する。
【0133】
ソケット12において、センサ11は、支持プレート10に対して直立位置に配置される。
【0134】
図1において、少なくとも2つのコイル14を担持する各センサ11には、スライダ15が割り当てられる。
【0135】
各スライダ15には、2つのスライダアーム17を互いに連結する肩部16が設けられている。
【0136】
センサ11の長手面23、24に隣接して、各スライダアーム17、28はそれぞれ金属フラグ18を担持する。
【0137】
センサ11の長手面23、24の両側に、スライダアーム17、28、および、そのそれぞれの金属フラグ18が、センサ11およびコイル14に対して直角に配置される。
【0138】
少なくとも1つのコイル14は、センサ11の平面13内に延在する。
【0139】
ジョイスティック1の内部8において、スライダ15はハウジング5に連結されている。
【0140】
ハウジング5は、ジョイスティック1のレバー2に連結されているので、レバー2の傾斜運動に追従する。
【0141】
レバー2が旋回軸19に対して傾斜すると、スライダ15および2つのスライダアーム17は、センサ11に対するレバー2の傾斜運動に追従する。
【0142】
したがって、旋回軸19に対するレバー2の回転運動は、センサ11に対するスライダ15のスライダアーム17の直線運動に変換される。
【0143】
図2は、レバー2に沿って切断した、図1のジョイスティック1を示す。
【0144】
図2において、レバー2は静止位置20に示されており、レバー2は直立位置に示されている。
【0145】
レバー2の上端部3は、カラー6を通って突出している。
【0146】
一方、レバー2の下端4は、支持プレート10に隣接して配置されている。
【0147】
図2において、カラー6はジョイスティック1のカバー7をレバー2に連結して、ジョイスティック1の内部8を流体および/または望ましくない粒子の侵入から保護する。
【0148】
レバー2は、旋回点21を有する。
【0149】
前記旋回点21は、ジョイスティック1のハウジング5の一部である。
【0150】
レバー2が旋回軸19に対して傾斜すると、ハウジング5はレバー2の傾斜運動22に追従する。
【0151】
ハウジング5は、スライダ15に連結されている。
【0152】
図2において、スライダ15は、肩部16によって互いに連結された2つのスライダアーム17を示している。
【0153】
スライダ15は、両方のスライダアーム17がセンサ11の各長手面23、24に対してそれぞれ直角に配置されているという意味で、センサ11に重なっている。
【0154】
肩部16は、センサ11の前面25を架橋する。
【0155】
センサ11に向かって示すように、各スライダアーム17には金属フラグ18が設けられている。
【0156】
センサ11は、センサ11の平面13に配置された少なくとも1つのコイル14を有する。
【0157】
したがって、センサ11の長手面23、24およびコイル14は、前記金属フラグ18に対して直角に配置される。
【0158】
また、センサ11の長手面23、24およびコイル14は、スライダ15の前記スライダアーム17に対して直角に配置される。
【0159】
図2において、センサ11はソケット12によって支持プレート10に固定されている。
【0160】
センサ11は、支持プレート10に固定された直立位置に配置される。
【0161】
図2は、レバー2の長手方向軸19に対してスライダ15の反対側に、ジョイスティック1のハウジング5に連結された触覚プロファイル30を示す。
【0162】
図2において、触覚プロファイル30は、レバー2に対して直角にジョイスティック1のハウジング5から突出している。
【0163】
触覚プロファイル30は、ハウジング5に連結されているので、レバー2の傾斜運動に追従する。触覚プロファイル30は、ハウジング5の傾斜運動に続いて、ばね負荷機構31と相互作用する。
【0164】
ばね負荷機構31のばね32は、レバーをその静止位置20に戻す。
【0165】
ばね負荷機構31のばね32が、ハウジング5を傾斜位置からレバー2の静止位置20に戻すことは言うまでもない。
【0166】
図3は、センサ11に重なるスライダ15の位置を示しており、スライダアーム17とセンサ11の長手面23との間の距離が参照符号27で示されている。
【0167】
他方、スライダアーム28とセンサ11の長手面24との間の距離は、参照符号29で与えられる。
【0168】
図3は、互いに直角に配置された2つのセンサ11を示す。
【0169】
各センサ11は、コイル14(図示せず)を備える。
【0170】
センサ11の長手面23、24の反対側に、前記スライダ15は、それぞれ2つのスライダアーム17、28を示す。
【0171】
スライダ15の傾斜運動および前記金属フラグ18の傾斜運動は、それぞれ二重矢印33によって示される。
【0172】
スライダアーム17、28がそれぞれレバー2およびハウジング5の(図3には図示せず)の傾斜運動に追従するとき、図3は、距離27および距離29の累積和が同じままであることを示す。
【0173】
矢印33によって示される前記金属フラグ18の動きの組み合わせは、それぞれの方向における方向制御を提供する。
【0174】
スライダアーム17、28がレバー2の傾斜運動に追従するとき、レバー2の回転運動は、レバー2が傾斜している方向におけるスライダアーム17、28の直線運動に変換される。
【0175】
レバー2の傾斜運動に続いて、距離27と距離29の累積値は同じままである。
【0176】
言い換えれば、スライダアーム17、28は、レバー2の回転運動に追従する。したがって、スライダアーム17とセンサ11の長手面23との間の距離27は、値「A」だけ減少する。
【0177】
同時に、スライダアーム28とセンサ11の長手面24との間の距離29は、値「B」だけ増加する。スライダ15がレバー2の傾斜運動に追従するとき、「距離27」プラス「距離29」の累積的な総和は同じままである。
【0178】
図4は、少なくとも1つの平面コイル14の前で摺動する、本発明による可変形状を示す。
【0179】
したがって、前後に移動するにつれて、結合表面積が変化する。
【0180】
図5は、互いに直交して走る2つのセンサ層を示す。しかしながら、垂直移動は(Δy)として定義され、水平移動は(Δx)として定義される。
【0181】
EyおよびExによって表される移動は、望ましくない移動を表す。前記望ましくない移動は、各センサコイル14に対して一対のフラグ18を有することによって提供される。
【0182】
図6は、前記センサ11から得られるxおよびyによって絶対値がどのように定義されるかを説明する。フラグ18の動きの組み合わせは、RおよびΦによって表されるすべての固有の位置を有するそれぞれの平面13における方向制御位置を提供する。
【0183】
図7は、少なくとも2つのコイル14および少なくとも2つのマイクロコントローラからの動作が互いにどのように通信するかについてのブロック図を示す。前記コイル14および前記マイクロコントローラは、診断目的のために利用される。
【符号の説明】
【0184】
1 ジョイスティック
2 レバー
3 上端
4 下端
5 ハウジング
6 カラー
7 カバー
8 内部
9 外部
10 支持プレート
11 センサ
12 ソケット
13 センサの平面
14 コイル
15 スライダ
16 肩部
17 スライダアーム
18 金属フラグ
19 長手方向軸/旋回軸
20 静止位置
21 旋回点
22 傾斜運動
23 センサの長手面
24 センサの長手面
25 センサの前面
26 距離
27 距離
28 スライダアーム
29 距離
30 触覚プロファイル
31 ばね負荷機構
32 ばね
33 二重矢印
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7