IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ビックカメラの特許一覧

特許7487097サーバ装置およびコンピュータプログラム
<>
  • 特許-サーバ装置およびコンピュータプログラム 図1
  • 特許-サーバ装置およびコンピュータプログラム 図2
  • 特許-サーバ装置およびコンピュータプログラム 図3
  • 特許-サーバ装置およびコンピュータプログラム 図4
  • 特許-サーバ装置およびコンピュータプログラム 図5
  • 特許-サーバ装置およびコンピュータプログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】サーバ装置およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240513BHJP
【FI】
G06Q30/015
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020216830
(22)【出願日】2020-12-25
(65)【公開番号】P2022102221
(43)【公開日】2022-07-07
【審査請求日】2022-01-21
【審判番号】
【審判請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】592222628
【氏名又は名称】株式会社ビックカメラ
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】木村 一義
(72)【発明者】
【氏名】菊池 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 和学
【合議体】
【審判長】伏本 正典
【審判官】佐藤 智康
【審判官】古川 哲也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-031606(JP,A)
【文献】特開2020-166375(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗の識別情報と、商品の識別情報と、前記店舗における前記商品に関連する店舗商品関連情報とを対応付けて記憶する情報記憶部と、
前記店舗に設けられた商品の電子棚札から得た前記店舗の識別情報と前記商品の識別情報を携帯情報機器から受信する受信部と、
前記情報記憶部が記憶する情報から、前記受信部が受信した前記店舗の識別情報と前記商品の識別情報に対応付けられた前記店舗商品関連情報を抽出する情報抽出部と、
この情報抽出部が抽出した前記店舗商品関連情報を前記携帯情報機器に提供する情報提供部と
を具備したことを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記情報抽出部は、前記店舗の識別情報を前記受信部が受信した後に前記携帯情報機器から商品についての情報を要求された場合に、前記要求の以前に受信した前記店舗の識別情報に基づいて、前記要求された商品に対応付けられた前記店舗商品関連情報を前記情報記憶部が記憶する情報から抽出することを特徴とする請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記情報記憶部は、前記店舗商品関連情報として、前記店舗における前記商品の在庫に関連する情報を記憶することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
店舗の識別情報と、前記店舗に関連する店舗関連情報を対応付けて記憶する情報記憶部と、
前記店舗に設けられた電子棚札から得た前記店舗の識別情報を携帯情報機器から受信する受信部と、
前記情報記憶部が記憶する情報から、前記受信部が受信した前記店舗の識別情報に対応付けられた前記店舗関連情報を抽出する情報抽出部と、
この情報抽出部が抽出した前記店舗関連情報を前記携帯情報機器に提供する情報提供部と
を具備したことを特徴とするサーバ装置。
【請求項5】
前記情報記憶部は、前記店舗に関連する情報として、前記店舗におけるキャンペーンに関連する情報と、前記店舗において使用可能なクーポンの情報のうち、少なくとも一方を記憶することを特徴とする請求項4に記載のサーバ装置。
【請求項6】
店舗に設けられた商品の電子棚札の識別情報と、前記店舗の識別情報と、前記商品の識別情報とを対応付けて記憶する棚札情報記憶部と、
店舗の識別情報と、商品の識別情報と、前記店舗における前記商品に関連する店舗商品関連情報とを対応付けて記憶する情報記憶部と、
前記電子棚札から得た前記電子棚札の識別情報を携帯情報機器から受信する受信部と、
前記棚札情報記憶部が記憶する情報から、前記受信部が受信した前記電子棚札の識別情報に対応付けられた店舗の識別情報と商品の識別情報を抽出し、この抽出した店舗の識別情報と商品の識別情報に対応付けられた店舗商品関連情報を前記情報記憶部が記憶する情報から抽出する情報抽出部と、
この情報抽出部が抽出した前記店舗商品関連情報を前記携帯情報機器に提供する情報提供部と
を具備したことを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
店舗に設けられた電子棚札の識別情報と、前記店舗の識別情報とを対応付けて記憶する棚札情報記憶部と、
店舗の識別情報と、前記店舗に関連する店舗関連情報とを対応付けて記憶する情報記憶部と、
前記電子棚札から得た前記電子棚札の識別情報を携帯情報機器から受信する受信部と、
前記棚札情報記憶部が記憶する情報から、前記受信部が受信した前記電子棚札の識別情報に対応付けられた店舗の識別情報を抽出し、この抽出した店舗の識別情報に対応付けられた店舗関連情報を前記情報記憶部が記憶する情報から抽出する情報抽出部と、
この情報抽出部が抽出した前記店舗関連情報を前記携帯情報機器に提供する情報提供部と
を具備したことを特徴とするサーバ装置。
【請求項8】
コンピュータを、
店舗に設けられた商品の電子棚札から前記店舗の識別情報と前記商品の識別情報を取得する棚札情報取得部と、
この棚札情報取得部が取得した前記店舗の識別情報と前記商品の識別情報をサーバ装置に送信して情報提供を要求する要求部と、
前記サーバ装置から、前記店舗における前記商品に関連する店舗商品関連情報を取得するサーバ情報取得部と、
このサーバ情報取得部が取得した前記店舗商品関連情報を含む表示を行う表示制御部と、
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記要求部は、前記棚札情報取得部が店舗の識別情報を取得した後は、この取得した店舗の識別情報と商品の識別情報をサーバ装置に送信して情報提供を要求することを特徴とする請求項8に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記サーバ情報取得部は、前記店舗商品関連情報として、前記店舗における前記商品の在庫に関連する情報を取得することを特徴とする請求項8または請求項9に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、
店舗に設けられた電子棚札から前記店舗の識別情報を取得する棚札情報取得部と、
この棚札情報取得部が取得した前記店舗の識別情報をサーバ装置に送信して情報提供を要求する要求部と、
前記サーバ装置から、前記店舗に関連する情報を取得するサーバ情報取得部と、
このサーバ情報取得部が取得した前記店舗に関連する情報を含む表示を行う表示制御部と、
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記棚札情報取得部は、前記電子棚札と近距離無線通信を行って前記識別情報を取得することを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項13】
前記棚札情報取得部は、前記電子棚札に表示されるコードを光学的に読み取って前記識別情報を取得することを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載のコンピュータプログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
店舗に設けられた電子棚札からの識別情報を取得する棚札情報取得部と、
この棚札情報取得部が取得した前記識別情報をサーバ装置に送信して情報提供を要求する要求部と、
前記サーバ装置から、前記識別情報に対応付けられた前記店舗に関連する店舗関連情報を取得するサーバ情報取得部と、
このサーバ情報取得部が取得した前記店舗関連情報を含む表示を行う表示制御部と、
して機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、携帯情報機器などに商品の情報を提供するサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、EC(Electric Commerce)サイト、いわゆるショッピングサイトが広く普及し、パーソナルコンピュータやスマートフォン、タブレット型端末などのネットワーク通信が可能な情報機器を通じて、商品やサービスの購入が行われるようになった。
【0003】
特に、スマートフォンやタブレット型端末にあっては、商品やサービスを販売する事業者から専用のアプリケーションソフトウェアが提供されている。そして、スマートフォンやタブレット型端末でアプリケーションソフトウェアを利用することにより、ユーザには事業者から様々な利便性が提供される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-191362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、現在、ECサイトやアプリケーションソフトウェアによって事業者から提供される利便性の多くは、ある商品を購入するまでのプロセスに関する利便性に着目したものであった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、実店舗に来店した顧客に対して、有益な情報を提供することが可能なサーバ装置およびコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のサーバ装置は、情報記憶部と、受信部と、情報抽出部と、情報提供部とを備える。店舗情報記憶部は、店舗の識別情報と商品の識別情報と店舗における商品に関連する店舗商品関連情報とを対応付けて記憶し、受信部は、店舗に設けられた商品の電子棚札から得た店舗の識別情報と商品の識別情報を携帯情報機器から受信し、情報抽出部は、店舗情報記憶部が記憶する情報から、受信部が受信した店舗の識別情報と商品の識別情報に対応付けられた店舗商品関連情報を抽出し、情報提供部は、この抽出部が抽出した店舗商品関連情報を携帯情報機器に提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、実店舗に来店した顧客に対して、有益な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報提供システムの概略構成を示す図。
図2図1に示した携帯情報機器の構成を示す図。
図3図1に示したサーバ装置の構成を示す図。
図4図1に示した電子棚札の構成を示す図。
図5図2に示した携帯情報機器の処理を説明するためのフローチャート。
図6図3に示したサーバ装置の処理を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、一実施形態について説明する。
図1は、実施形態に係わる携帯情報機器およびサーバ装置を含む情報提供システムの概略構成を示す図である。この情報提供システムは、携帯情報機器100、サーバ装置200、アプリケーション提供サーバ装置300、店舗端末400、決済システム500、店舗内通信装置600、電子棚札700を備え、移動通信網NW1、インターネットNW2、イントラネットNW3の各ネットワークが利用される。
【0011】
携帯情報機器100は、サーバ装置200によって提供される情報提供サービスの利用者が所有(あるいは所持)する端末装置であって、スマートフォンやタブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ(例えば、腕時計型のスマートウォッチなど)が考えられる。
【0012】
そして、携帯情報機器100は、移動通信網NW1の無線基地局BSやWi-Fi(登録商標)のアクセスポイントAPと無線通信する無線通信機能、無線通信機能を利用した音声やデータの通信制御機能、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信機能、位置情報を検出する機能、表示機能、動画再生機能、静止画像や動画像を撮影するカメラ機能、電子メールの送受信機能などを備える。
【0013】
また携帯情報機器100は、顧客の操作によって任意にアプリケーション提供サーバ装置300からダウンロードされたアプリケーションソフトウェアを実行する機能を備え、アプリケーションソフトウェアの活用により様々な機能を発揮する。
【0014】
なお、以下の説明では、携帯情報機器100には、上記情報提供サービスを会員が利用するためのアプリケーションソフトウェア(以下、会員アプリと称する)が予めダウンロードされ、上記サービスが利用可能な状態にあるものとする。
【0015】
この会員アプリは、事業者が販売する商品やサービスについての情報をサーバ装置200から受信して表示(閲覧)したり、あるいは、利用者が上記商品やサービスを購入するEC(Electric Commerce)機能を備える。詳細については、後に説明する。
【0016】
サーバ装置200は、当該情報提供システムの中枢として機能するコンピュータであって、上記事業者によって運営、管理される。そして、サーバ装置200は、移動通信網NW1およびインターネットNW2を通じて携帯情報機器100に対して種々の情報を提供したり、EC(Electric Commerce)サイトを管理・運営し、上記会員アプリやECサイトを通じた注文の受け付けや販売履歴の管理、会員情報の管理などを行う。
【0017】
またサーバ装置200は、イントラネットNW3を通じて店舗端末400と通信して情報の収集、取引に関する様々な情報の管理、各店舗の在庫情報の管理や提供などを行う。なお、本実施形態でいう店舗とは、商品やサービスを顧客に販売する、いわゆる実店舗である。
【0018】
イントラネットNW3は、店舗を運営し、上記事業者が専用で利用するためのプライベートネットワークである。なお、サーバ装置200は、1つの装置ではなく、複数のサーバ装置が機能を分担し協働して上述した機能全体を実現するようにしてもよい。サーバ装置200の詳細については、後述する。
【0019】
店舗端末400は、商品の販売やサービスを提供する店舗に設置される端末装置であって、POS(Point Of Sales)システムの端末として機能するコンピュータである。具体的には、店舗端末400は、同じ店舗に複数設けられたり、あるいは異なる複数の店舗にそれぞれ設けられ、販売した商品の識別情報(商品コード)、販売価格(取引価格)、販売時間(取引時間)、販売店舗(取引場所)、取引した顧客の会員IDなどのデータを紐づけて、イントラネットNW3を通じてサーバ装置200に送信する。
【0020】
決済システム500は、銀行や信販会社などの決済を行う金融機関や、決済の代行を行う決済代行サービス会社が運営するシステムであって、サーバ装置200からの要求に応じて、顧客との取引についての決済を行うコンピュータシステムであって、店舗における販売、会員アプリやECサイトを通じた販売の両方に対応する。
【0021】
店舗内通信装置600は、電子棚札700と通信するための無線通信装置であって、無線LANやBluetoothなどの無線通信を行い、イントラネットNW3を通じてサーバ装置200から指定された電子棚札700に表示データなどを送信する。
【0022】
電子棚札700は、いわゆるESL(Electronic Shelf Label)であって、例えば、商品を陳列する棚や展示スペースなどにおいて、店舗内の商品毎に対応付けて設けられる。そして、電子棚札700は、商品名や販売価格などの種々の情報を、従来の印刷媒体などを用いた表示に代わり、あるいは、その表示とともに、電子的な表示により顧客などに明示するものである。
【0023】
また電子棚札700は、NFCによる近距離無線通信を行う機能を備え、この機能を用いて、当該電子棚札700が設けられた店舗を示す店舗IDや、当該電子棚札700に対応付けられた商品の商品コードなどの情報を携帯情報機器100に提供することができる。
【0024】
次に、図2を参照して、携帯情報機器100の概略構成について説明する。
携帯情報機器100は、位置検出部101と、移動通信部110と、WLAN通信部120と、近距離通信部130と、カメラ140と、表示部150と、音声信号処理部160と、入力部170と、記憶部180と、制御部190とを備え、これらが制御バス151によって相互に接続されている。また、携帯情報機器100は、スピーカ161とマイクロホン162を備える。
【0025】
位置検出部101は、GPS(Global Positioning System)などの全地球衛星航法システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)の人工衛星からの信号に基づいて、携帯情報機器100の位置を検出する。
【0026】
移動通信部110は、通信事業者が配備した移動通信網NW1の無線基地局BSと通信する通信部であって、例えば、4G(4th Generation)/LTE(登録商標)(Long-Term Evolution)、5G(5th Generation)/NR(New Radio)などの通信規格に対応する。
【0027】
WLAN通信部120は、例えばIEEE 802.11などの無線LAN規格に対応したアクセスポイントAPと無線通信する通信部であって、IEEE 802.11n、IEEE 802.11ac、IEEE 802.11axなどの通信規格に対応する。
【0028】
近距離通信部130は、NFCやBluetoothなどの近距離無線通信を行うための通信部である。特に、NFCの通信部としては、この通信部(あるいは、携帯情報機器100)を識別するための機器IDを記憶したIDタグを備え、通信相手側となる機器に近接させることで通信が行える。
【0029】
より具体的には、相手側通信機器(例えば、電子棚札700)に当該携帯情報機器100をかざす(近接させる)ことで、相手側通信機器からの要求に応じて近距離通信部130(当該携帯情報機器100)のIDタグが記憶する機器IDや情報を送信し、また反対に、近距離通信部130からの要求に応じて相手側通信機器は情報(相手側通信機器のIDタグが記憶する機器IDや情報)を送信し、これを近距離通信部130は受信する。
【0030】
カメラ140は、CMOS(Complementary MOS)などの撮像素子を用いたデジタルカメラであって、撮像素子が得た画素信号を画像処理して、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)などのフォーマットの静止画像データや、H.264/MPEG-4 AVCなどのフォーマットの動画像データを生成する。
【0031】
表示部150は、有機EL(Electro Luminescence)パネルや液晶パネルなどの表示デバイスであって、文字や写真などの静止画像、動画像などの情報を表示する。
【0032】
音声信号処理部160は、制御部190から与えられる音声データを復号してアナログ音声信号に変換し、必要に応じて増幅して、スピーカ161より拡声出力したり、マイクロホン162を通じて入力された音声をデジタル信号に変換したのち、音声データに符号化して、制御部190に出力する。
【0033】
入力部170は、使用者からの入力を受け付けるマンマシンインタフェースであって、キースイッチやタッチパネルなどを備える。タッチパネルは、例えば、上記表示部150の表示面に載置され、表示部150に表示されるソフトウェアキーに対する操作を検知し、その座標情報を制御部190に出力する。なお、制御部190は、座標情報から、いずれのソフトウェアキーに対する操作かを判断し、対応する処理や制御を実行する。
【0034】
記憶部180は、後述する制御部190の制御プログラムや制御データ、アプリケーションソフトウェアや種々のデータを記憶する。
【0035】
制御部190は、当該携帯情報機器100の各部を統括して制御するものであって、プロセッサやワーキングエリアとして使用できるメモリを備え、記憶部180に記憶される制御プログラムや制御データを上記メモリに読み込んで上記プロセッサが実行し、種々の処理を実行したり、種々の機能を実現する。
【0036】
具体的には、制御部190は、移動通信網NW1の無線基地局BSやアクセスポイントAPと無線通信する無線通信機能、無線通信機能を利用した音声やデータの通信制御機能、NFCやBluetoothなどの近距離無線通信機能、位置情報を検出する機能、表示機能、動画再生機能、静止画像や動画像の撮影するカメラ機能、電子メールの送受信機能などを実現する。
【0037】
また制御部190は、記憶部180にインストールされたアプリケーションソフトウェアをメモリに読み込んでプロセッサが実行することで、上記機能を複合的に利用したり、様々な情報処理や機能を実現することが可能であり、例えば、会員アプリを実行して、サーバ装置200から提供される情報を表示することが可能である。
【0038】
すなわち、制御部190は、プロセッサが上記アプリケーションソフトウェアを実行することで、棚札情報取得部、要求部、サーバ情報取得部、表示制御部として機能する。
【0039】
次に、図3を参照して、サーバ装置200の概略構成について説明する。
サーバ装置200は、通信部210a、210bと、記憶部220と、データベース230と、制御部240とを備え、これらが制御バス250によって相互に接続されている。その他、オペレータがサーバ装置200に指示を与えて、保守や管理を行うためのコンソール端末(図示しない)を備える。
【0040】
通信部210aは、イントラネットNW3を通じて、各店舗に設置された店舗端末400や店舗内通信装置600と通信するための通信インタフェースである。
通信部210bは、インターネットNW2を通じた通信を行うための通信インタフェースであって、例えば、携帯情報機器100や決済システム500と通信する。
【0041】
記憶部220は、後述する制御部240の制御プログラム220aや制御データ220bを記憶する。
【0042】
データベース230は、上記記憶部220よりも相対的に大容量の記憶装置であって、情報記憶部の一例であって、棚札情報データ230a、会員情報データ230b、CI(チェックイン)履歴情報データ230c、商品紹介情報データ230d、在庫情報データ230e、店舗情報データ230f、キャンペーン情報データ230g、クーポン情報データ230hなどを記憶する。
【0043】
棚札情報データ230aは、電子棚札700を識別するための識別データ(以下、棚札IDと称する)と、対応付けられた商品の商品コードと、その電子棚札700に表示させる棚札表示データを対応付けたデータである。
【0044】
棚札表示データには、商品名、商品コード、商品の定価(メーカー希望小売価格)、販売価格、値引率、購入時に会員に付与されるポイントの値や割合、ECサイト上でのレビュー評価(星の数で度合いを表示)やレビュー評価の件数、視覚化された商品コードや店舗ID(例えば、バーコード)を表示するためのコード表示データなどを含む。
【0045】
会員情報データ230bは、事業者が提供するサービスに会員登録した顧客(利用者)に固有に割り当てた会員IDに、顧客の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレス、ECサイトにログインするためのIDやパスワード、携帯情報機器の識別情報(例えば、携帯電話番号など)、お気に入り商品の商品コードなどを対応付けたものである。
【0046】
CI履歴情報データ230cは、携帯情報機器100が店舗にチェックインした履歴を集計したデータであって、会員ID、チェックインの日時、棚札IDなどが対応付けられたデータである。なお、チェックインとは、携帯情報機器100の利用者が店舗内にいる、すなわち、携帯情報機器100が店舗に在る状態のことを意味する。チェックインの具体的な確認方法としては、会員アプリを動作させた携帯情報機器100が、電子棚札700から店舗IDを取得して、サーバ装置200に通知することによりなされる。詳細については後述する。
【0047】
商品紹介情報データ230dは、会員アプリによる表示で用いられる商品紹介情報であって、ECサイト上で表示される情報と同様である。具体的には、商品紹介情報には、商品名と商品コードに、定価、販売価格、値引率、付与されるポイントの値や割合などの購入に関わる情報と、商品の特徴や仕様の詳細、ECサイト上でのレビュー評価(星の数で度合いを表示)やレビュー評価の件数、レビュー評価に寄せられたコメントなどの情報を含む。
【0048】
なお、商品紹介情報データ230dとして記憶される情報は上述の通りであるが、後述するように、会員アプリによって実際に表示される情報は、これらの情報に加えて、チェックインが行われた店舗における在庫情報や展示・販売場所の情報を合わせて表示させることが可能である。
【0049】
在庫情報データ230eは、各商品の店舗毎の在庫を示すデータであり、商品名と商品コードに、店舗名、店舗IDおよび各店舗における在庫情報(在庫数、あるいは、在庫状況(在庫あり、在庫わずか、お取り寄せ、メーカー在庫あり)のラベルやフラグなど)を対応付けた在庫情報である。
【0050】
店舗情報データ230fは、各商品の店舗毎の展示・販売場所(建物の階番号や建物内のエリア番号)を示すデータであり、商品名と商品コードに、店舗名、店舗ID、フロア番号、エリア番号などを対応付けた配置情報である。
【0051】
キャンペーン情報データ230gは、各店舗で実施(あるいは予定)されているキャンペーンを紹介するための表示データであって、店舗名と店舗IDに、キャンペーン名やキャンペーンの識別コード、キャンペーン期間、キャンペーンを紹介する文章や画像のデータが対応付けた情報である。
【0052】
クーポン情報データ230hは、チェックインが行われた場合に付与されるクーポンのコード情報である。このコード情報は、店舗での精算時に利用することで、所定の割合や金額の値引きや追加のポイント付与などの優遇が受けられる。
【0053】
制御部240は、当該サーバ装置200の各部を統括して制御するものであって、プロセッサやワーキングエリアとして使用できるメモリを備え、記憶部220に記憶される制御プログラム220aや制御データ220bを上記メモリに読み込んで上記プロセッサが実行し、種々の処理を実行したり、種々の機能を実現する。
【0054】
具体的には、制御部240は、通信部210aや通信部210bを制御する通信制御、各種情報処理を行う他、少なくとも、棚札更新部240a、要求受信部240b、認証処理部240c、情報集計部240d、情報抽出部240e、情報提供部240fとして機能する。
【0055】
棚札更新部240aは、データベース230の棚札情報データ230aに基づいて、電子棚札700に対して、棚札表示データを送信して、電子棚札700において表示する内容を更新する制御を行う。この制御は、定期的に実行したり、あるいは、システムの管理者の指示に応じて任意のタイミングで実行可能である。
【0056】
要求受信部240bは、受信部の一例であって、会員アプリを通じて携帯情報機器100からの要求やそれに伴う情報を受信する受信制御を行う。要求には、例えば、認証要求や情報提供要求などがある。
【0057】
認証処理部240cは、データベース230の会員情報データ230bに基づいて、ECサイトや会員アプリを通じた認証要求について認証処理を行う。
【0058】
情報集計部240dは、会員アプリを通じてチェックインが行われた履歴を集計し、その結果を、データベース230にCI履歴情報データ230cとして記録したり、更新する制御を行う
情報抽出部240eは、データベース230の商品紹介情報データ230d、在庫情報データ230e、店舗情報データ230f、キャンペーン情報データ230g、クーポン情報データ230hなどを抽出して、携帯情報機器100で実行された会員アプリ上で表示するための情報(以下、アプリ表示情報と称する)を生成する制御を行う。
【0059】
情報提供部240fは、携帯情報機器100からの要求などに応じて、情報抽出部240eが生成したアプリ表示情報を会員アプリが実行された携帯情報機器100に提供する送信制御を行う。
【0060】
次に、図4を参照して、電子棚札700の概略構成について説明する。
電子棚札700は、無線通信部710と、近距離通信部720と、表示部730と、記憶部740と、制御部750とを備える。
【0061】
無線通信部710は、店舗内通信装置600と無線通信する通信部であって、この店舗内通信装置600を通じて、サーバ装置200から当該電子棚札700に宛てた棚札表示データを受信する。
【0062】
前述したように、棚札表示データには、商品名、商品コード、商品の定価(メーカー希望小売価格)、販売価格、値引率、購入時に会員に付与されるポイントの値や割合、ECサイト上でのレビュー評価(星の数で度合いを表示)やレビュー評価の件数、視覚化された商品コードや店舗ID(例えば、バーコード)を表示するためのコード表示データなどを含む。
【0063】
近距離通信部720は、NFCによる近距離無線通信を行うための通信部である。具体的には、当該電子棚札700を識別するための機器IDとして、棚札IDを記憶したIDタグを備え、通信相手側となる機器に近接させることで通信が行える。
【0064】
より具体的には、当該電子棚札700に携帯情報機器100がかざされる(近接させられる)と、近距離通信部720は、携帯情報機器100の近距離通信部130からの要求などに応じて、IDタグが記憶する機器ID(棚札ID)などの情報を携帯情報機器100に送信する。
【0065】
ここで、近接した機器(例えば、携帯情報機器100)に送信する情報としては、機器ID(棚札ID)の他に、当該電子棚札700が設けられた店舗を示す店舗IDや、当該電子棚札700に対応付けられた商品の商品コードなどの情報がある。
【0066】
表示部730は、有機ELパネルや液晶パネル、電子ペーパーなどの表示デバイスであって、上記棚札表示データに基づいて、商品名、商品コード、商品の定価(メーカー希望小売価格)、販売価格、値引率、購入時に会員に付与されるポイントの値や割合、ECサイト上でのレビュー評価(星の数で度合いを表示)やレビュー評価の件数、視覚化された商品コードや店舗ID(例えば、バーコード)などを表示する。
【0067】
記憶部740は、後述する制御部750の制御プログラムや制御データ、上記棚札表示データを記憶する。
制御部750は、当該電子棚札700の各部を統括して制御するものであって、プロセッサやワーキングエリアとして使用できるメモリを備え、記憶部740に記憶される制御プログラムや制御データを上記メモリに読み込んで上記プロセッサが実行する。具体的には、上記棚札表示データの受信制御や表示制御を行う。
【0068】
次に、携帯情報機器100の動作について説明する。以下の説明では特に、会員アプリを実行した場合の動作について説明する。図5は、会員アプリを実行した制御部190によってなされる動作を説明するためのフローチャートであって、会員アプリによって発揮される機能のうち、サーバ装置200から情報を取得して表示するまでの処理を中心に説明している。
【0069】
携帯情報機器100上で会員アプリが実行されると、ステップS501において制御部190は、会員アプリの使用を開始するためのログイン処理を実行して、移動通信部110やWLAN通信部120を通じて、サーバ装置200に認証を要求し、認証が完了すると、ステップS502に移行する。
【0070】
具体的には、表示部150に、会員IDとパスワードの入力を利用者に促すログイン画面を表示し、入力部170を通じて利用者から会員IDとパスワードが入力されると、これらの情報を認証要求としてサーバ装置200に送信して、認証を求める。
【0071】
入力された会員IDとパスワードの組み合わせが正しいことをサーバ装置200が確認すると、携帯情報機器100とサーバ装置200との間に保護された通信リンクが確立され、携帯情報機器100は会員アプリを通じてログインした状態となり、会員のためのサービス(例えば、ポイント照会や、購入履歴、お気に入り商品リストの表示など)を受けることが可能となる。
【0072】
ステップS502において制御部190は、会員アプリを通常モードで運用を開始し、サーバ装置200から送られる表示データを受信して、ログイン直後の初期コンテンツを表示部150に表示し、ステップS503に移行する。
【0073】
なお、通常モードでは、サーバ装置200からECサイトと実質的に同等の情報が提供される。すなわち、通常モードは、例えば、ある商品の情報を閲覧するための操作を利用者が行った場合に、従前のECサイト上で表示される商品紹介情報(商品名、商品コード、定価、販売価格、値引率、付与されるポイントの値や割合などの購入に関わる情報と、商品の特徴や仕様の詳細、ECサイト上でのレビュー評価(星の数で度合いを表示)、レビュー評価で寄せられたコメントなどの情報)をサーバ装置200から取得して表示する。
【0074】
ステップS503において制御部190は、入力部170を通じて利用者からチェックイン要求が発生したか否かを判定する。ここで、チェックイン要求が発生しない場合には、通常モードを継続しながら、ステップS503に再び移行してチェックイン要求の発生を待機し、一方、チェックイン要求が発生した場合には、ステップS504に移行する。
【0075】
なお、チェックイン要求は、通常モードから店舗モードに移行するための要求である。 店舗モードは、利用者が実際に店舗に来店した場合に利用可能なモードであって、前述の通常モードで提供される情報に加えて、来店している店舗に関連する情報や来店者に対してのみ提供される有益な情報をサーバ装置200から取得して表示するためのモードである。
【0076】
また、チェックイン要求の操作の一例としては、表示部150に表示された会員アプリの表示画像に含まれるソフトウェアキーを通じて行う。より具体的には、制御部190は表示部150に、NFCによる読み取りを指示するタッチアイコンと、コードの光学的な読み取り(以下、スキャンと称する)を指示する読み取りアイコンを、それぞれソフトウェアキーとして表示し、これらのアイコンに対する利用者の操作を入力部170を通じて受け付け、これを制御部190が検出する。
【0077】
ステップS504において制御部190は、ステップS503で行われたチェックイン要求の操作が、NFC(タッチアイコン)かスキャン(読み取りアイコン)かを判定する。ここで、NFCの場合(タッチアイコンに対する操作の場合)には、ステップS505に移行し、一方、スキャンの場合(読み取りアイコンに対する操作の場合)には、ステップS507に移行する。
【0078】
ステップS505において制御部190は、近距離通信部130を起動して、ステップS506に移行する。これにより近距離通信部130は、NFCのリーダとして機能し、所定のシーケンスにしたがって近距離無線通信を行って、電子棚札700からの受信を試みる。
【0079】
ステップS506において制御部190は、近距離通信部130が電子棚札700から棚札IDを受信するまで待機し、やがて、近距離通信部130が棚札ID、店舗ID、商品コードを受信すると、これを近距離通信部130から受け取り、ステップS509に移行する。なお、所定時間内に、近距離通信部130から棚札IDを受信できない場合には、エラー表示を行って、やり直しを求める(あるいは、ステップS503に移行する)。
【0080】
ステップS507において制御部190は、カメラ140を起動して、ステップS508に移行する。これによりカメラ140は、所定の周期で繰り返し撮像を行う処理を開始し、撮像した画像データを順次、制御部190に出力する。
【0081】
ステップS508において制御部190は、カメラ140から順次送られる画像データについて画像解析(スキャン処理)を行い、バーコードなどのコード表示の光学的な検出を試みる。やがて、上記コード表示を検出すると、これを復号して、商品コードと店舗IDを得て、ステップS509に移行する。なお、所定時間内に、コード表示を検出できない場合には、エラー表示を行って、やり直しを求める(あるいは、ステップS503に移行する)。
【0082】
ステップS509において制御部190は、移動通信部110やWLAN通信部120を通じて、ステップS506あるいはステップS508の処理によって得た商品コードと店舗IDをサーバ装置200に送信してチェックイン要求を行うとともに、商品コードに対応する商品に関するアプリ表示情報を要求し、ステップS510に移行する。
【0083】
このように、サーバ装置200に対するチェックイン要求は、携帯情報機器100が電子棚札700から商品コードと店舗IDを取得することによって開始されるため、電子棚札700から商品コードと店舗IDを取得するための操作は、制御部190にとって、チェックイン要求を行うことと実質的に同じ要求(操作)を意味している。
【0084】
ステップS510において制御部190は、移動通信部110やWLAN通信部120を通じて、サーバ装置200から商品コードに対応付けられた商品に関するアプリ表示情報を受信し、ステップS511に移行する。
【0085】
なお、このアプリ表示情報には、通常モードで提供される商品紹介情報(商品名、商品コード、定価、販売価格、値引率、付与されるポイントの値や割合などの購入に関わる情報と、商品の特徴や仕様の詳細、ECサイト上でのレビュー評価(星の数で度合いを表示)、レビュー評価で寄せられたコメントなどの情報)に加えて、来店している店舗に関連する情報として、利用者が現在来店している店舗における在庫情報や展示・販売場所の情報、現在来店している店舗で実施(あるいは予定)されているキャンペーンを紹介するキャンペーン情報、クーポンのコード情報などの追加情報が含まれる。
【0086】
ステップS511において制御部190は、アプリ表示情報を取得できたことより、以後、会員アプリを店舗モードで運用し、ステップS512に移行する。
【0087】
なお、店舗モードにおいて制御部190は、例えば、ある商品の情報を閲覧するための操作が利用者によって行われた場合に、上記操作に基づいて閲覧が求められた商品を特定し、その商品の商品コードと、当該フローのプロセス(ステップS506あるいはステップS508)で得た店舗IDを含む要求をサーバ装置200に送信する。
【0088】
これにより、通常モードで提供される商品紹介情報に加えて、来店している店舗に関連する情報(例えば、店舗における商品に関連する情報)をサーバ装置200から取得して表示する。すなわち、いったん店舗モードに移行すると、以後は、店舗IDを含む要求を送信するので、閲覧したい商品毎に棚札に対するNFC通信や光学的な読み取りを行わなくても、所望の商品について、来店している店舗に関連する情報を得ることができる。
【0089】
ステップS512において制御部190は、当該会員アプリが店舗モードに移行したことを示すチェックイン表示(チェックインのアイコン表示)を行うとともに、ステップS510で受信したアプリ表示情報を表示して、ステップS503に移行する。
【0090】
なお、チェックイン表示は、当該携帯情報機器100がチェックインした状態、いいかえれば、店舗モードに移行した状態を示しており、利用者はチェックイン表示を確認することで、アプリの運用モードを把握することができる。
【0091】
次に、サーバ装置200の動作について説明する。以下の説明では特に、会員アプリを実行した携帯情報機器100に対するアプリ対応処理の動作について説明する。図6は、制御部240によってなされる動作を説明するためのフローチャートであって、会員アプリを実行した携帯情報機器100毎に実施され、携帯情報機器100にアプリ表示情報を提供するまでの処理を中心に説明している。
【0092】
会員アプリを実行した携帯情報機器100から認証要求を要求受信部240bが受信すると、ステップS601において制御部240は、認証処理部240cによって認証処理を行い、ステップS602に移行する。
【0093】
具体的には、認証処理部240cは、上記認証処理として、データベース230の会員情報データ230bに基づいて、上記認証要求に含まれる会員IDとパスワードの組み合わせが正しいものであるかを確認し、正しいものである場合に、携帯情報機器100に対して認証が完了したことを通知する。そして、認証処理部240cは、携帯情報機器100との間に保護された通信リンクを確立し、携帯情報機器100は会員アプリを通じてログインした状態となる。
【0094】
ステップS602において制御部240は、ログインが完了した携帯情報機器100の会員アプリ上でログイン直後の初期コンテンツを表示するために、予め準備した表示データを上記携帯情報機器100に送信し、ステップS603に移行する。
【0095】
ステップS603において制御部240は、ログインしたばかりの上記携帯情報機器100を通常モードにあるものと認識し、上記携帯情報機器100からの情報閲覧の要求に対して一般的なコンテンツの表示データを送信し、ステップS604に移行する。
【0096】
例えば、商品を閲覧するための要求が上記携帯情報機器100からあった場合、通常モードとして対応するため、従前のECサイト上で表示される商品紹介情報(商品名、商品コード、定価、販売価格、値引率、付与されるポイントの値や割合などの購入に関わる情報と、商品の特徴や仕様の詳細、ECサイト上でのレビュー評価(星の数で度合いを表示)、レビュー評価で寄せられたコメントなどの情報)の表示データを提供する。
【0097】
ステップS604において制御部240は、携帯情報機器100からチェックイン要求を受信したか否かを判定する。なお、チェックイン要求には、図5のステップS509で説明したように、商品コードと店舗IDを含む。ここで、チェックイン要求を受信した場合には、ステップS605に移行し、一方、チェックイン要求を受信していない場合には、ステップS606に移行する。
【0098】
ステップS605において制御部240は、上記チェックイン要求で送られた商品コードと店舗IDから、上記携帯情報機器100の利用者が実際に店舗に来店していることを認識するとともに、電子棚札700に対応付けられた商品を特定し、会員情報データ230bおよびCI履歴情報データ230cを修正して、ステップS607に移行する。
【0099】
より具体的には、情報集計部240dが、上記チェックイン要求に含まれる店舗IDに、来店した日時と会員IDを対応付けて、データベース230にCI履歴情報データ230cとして追加記録するとともに、上記チェックイン要求に含まれる商品コードの商品を会員情報データ230bにお気に入り商品としてリストに追加記録する。
【0100】
このようにして集計されたCI履歴情報データ230cは、会員の動向の分析に活用することができる。例えば、情報集計部240dは、予め設定した時間が経過した毎や、CI履歴情報データ230cのデータの数が予め設定した数を超えた場合に、店舗毎に、電子棚札700の利用者の多い商品を集計したり、さらには、時間帯や曜日などで分けて、さらに詳しい集計を行うようにしてもよい。
【0101】
また利用者にとっては、携帯情報機器100で電子棚札700を読み取るという簡易な操作で、電子棚札700に対応付けられた商品をお気に入り商品として登録することができる。お気に入り商品として登録された商品は、会員アプリやECサイトにおいて、お気に入り商品リストとして表示され、アクセスが容易になっている。
【0102】
ステップS606において制御部240は、携帯情報機器100から店舗IDを含む、商品についての情報要求を受信したか否かを判定する。なお、この情報要求には、少なくとも商品コードを含む。ここで、店舗IDを含む情報要求を受信した場合には、ステップS607に移行し、一方、店舗IDを含む情報要求を受信していない場合には、ステップS603に移行して、携帯情報機器100からの要求に対して通常モードとしての対応を継続する。
【0103】
ステップS607において制御部240は、情報提供が求められた商品の商品紹介情報を、商品紹介情報データ230dから抽出し、ステップS608に移行する。具体的には、情報抽出部240eが、ステップS604のチェックイン要求で送られた商品コード、あるいは、ステップS606で受信した情報要求に含まれる商品コードに対応する商品についての紹介情報を、商品紹介情報データ230dから抽出する。
【0104】
ステップS608において制御部240は、情報提供が求められた商品についての在庫情報を抽出し、ステップS609に移行する。具体的には、情報抽出部240eが、ステップS604のチェックイン要求で送られた商品コード、あるいは、ステップS606で受信した情報要求に含まれる商品コードに対応する商品について、共に送られた店舗IDに対応する店舗における在庫情報(在庫数や在庫状況)を在庫情報データ230eから抽出する。
【0105】
ステップS609において制御部240は、情報提供が求められた商品についての店舗内の展示・販売場所の情報を抽出し、ステップS610に移行する。具体的には、情報抽出部240eが、ステップS604のチェックイン要求で送られた商品コード、あるいは、ステップS606で受信した情報要求に含まれる商品コードに対応する商品について、共に送られた店舗IDに対応する店舗における商品の展示・販売場所を示す配置情報を店舗情報データ230fから抽出する。
【0106】
ステップS610において制御部240は、上記店舗IDに対応する店舗で実施(あるいは予定)されているキャンペーンの情報を抽出し、ステップS611に移行する。具体的には、情報抽出部240eが、上記店舗IDに対応する店舗について、実施(あるいは予定)されているキャンペーンを紹介するキャンペーン情報をキャンペーン情報データ230gから抽出する。なお、すでに上記携帯情報機器100に通知済みのキャンペーン情報であれば、このステップはスキップしてもよい。
【0107】
ステップS611において制御部240は、会員アプリでチェックインした会員などに付与されるクーポンの情報を抽出し、ステップS612に移行する。具体的には、情報抽出部240eが、クーポン情報データ230hから、会員アプリでチェックインした会員などに付与されるクーポンのコード情報を抽出する。なお、すでに上記携帯情報機器100に通知済みのクーポンのコード情報であれば、このステップはスキップしてもよい。
【0108】
ステップS612において制御部240は、ステップS607~S611で抽出した情報に基づいてアプリ表示情報を生成し、携帯情報機器100に送信して、ステップS604に移行する。
【0109】
具体的には、まず、情報抽出部240eが、ステップS607で抽出した商品紹介情報に、ステップS608で抽出した在庫情報とステップS609で抽出した配置情報を含めたアプリ表示情報を生成する。そして、必要に応じて、アプリ表示情報に、ステップS610で抽出したキャンペーン情報とステップS611で抽出したクーポンのコード情報を付加する。このようにして生成したアプリ表示情報を情報提供部240fが携帯情報機器100に送信する。
【0110】
以上のように、上記構成の情報提供システムでは、会員アプリで動作する携帯情報機器100が電子棚札700から商品コードと店舗IDを取得してサーバ装置200に送信し、これに対して、サーバ装置200は、通常モードで提供される通常の商品紹介情報に加え、携帯情報機器100の利用者が来店している店舗に関連する情報も携帯情報機器100に提供するようにしている。
【0111】
したがって、上記構成の情報提供システムによれば、店舗に来店した利用者(顧客)に対して、その店舗における情報も提供でき、利用者は、店員を探したり、店員の対応を待つ必要がなくなるなど、利便性が高い。
【0112】
また、携帯情報機器100が、一度、電子棚札700から店舗IDを取得すると、以後、店舗モードとして動作し、商品コードに加えて店舗IDを送信して情報の提供要求を行い、サーバ装置200は、通常の商品紹介情報に加えて、店舗における商品に関連する情報も携帯情報機器100提供するようにしている。
【0113】
したがって、上記構成の情報提供システムによれば、携帯情報機器100はチェックインして店舗モードに移行すれば、以後は、例えば会員アプリ上でお気に入り商品などの情報を閲覧する場合に、サーバ装置200から、店舗における商品に関連する情報も加えて得られるので、利用者はお気に入り商品の展示・販売場所までわざわざ移動して、電子棚札700を改めて読み取るといった手間を省いて、在庫情報などを得ることができる。
【0114】
また、加えて提供される情報としては、商品の在庫情報や配置情報のほか、その店舗で実施(あるいは予定)されているキャンペーン、クーポンのコード情報がある。このため利用者は、会員アプリを利用してチェックインを行うことで、訪れた店舗における有益な情報を見落とす可能性を軽減できるので、利用者の会員アプリ利用が促進され、一方、事業者にとっても、利用者に対して効率的な情報提供が可能となる。またこのような会員アプリの活用は、来店することで実現されるものであるため、利用者の集客にも寄与する。
【0115】
なお、この発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって種々の発明を形成できる。また例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除した構成も考えられる。さらに、異なる実施形態に記載した構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0116】
例えば、上記実施形態では、店舗モードとなった携帯情報機器100は、商品の情報提供をサーバ装置200に要求する場合に、電子棚札700から取得した店舗IDを上記要求に含めて行うことで、サーバ装置200に対して、店舗における商品に関連する情報も取得するようにした。
【0117】
これに代わって例えば、サーバ装置200の制御部240は、店舗IDを含む情報提供の要求を行った携帯情報機器100については店舗に来店している認識し、この認識の以後、上記携帯情報機器100からの情報提供要求に対しては、商品紹介情報に加えて、来店している店舗に関連する情報や来店している店舗における商品に関連する情報も付加して情報提供を行うようにしてもよい。
【0118】
また上記実施形態では、携帯情報機器100が電子棚札700から商品コードと店舗IDを取得してサーバ装置200に送信して情報提供を要求するようにしたが、これに限定されるものではない。
【0119】
これに代わって例えば、サーバ装置200の棚札情報データ230aは、電子棚札700の棚札IDと、この電子棚札700に対応付けられた商品の商品コードと、この電子棚札700が設けられた店舗の店舗IDと、表示させる棚札表示データを対応付けて構成する。
【0120】
そして、携帯情報機器100が電子棚札700から棚札IDを取得してサーバ装置200に送信して情報提供を要求し、これに対して、サーバ装置200の制御部240は、受信した棚札IDと棚札情報データ230aに基づいて、店舗IDと商品コードを抽出する。
【0121】
そして、この抽出した店舗IDと商品コードに基づいて、サーバ装置200の制御部240は、商品紹介情報データ230d、在庫情報データ230e、店舗情報データ230f、キャンペーン情報データ230gおよびクーポン情報データ230hから対応する情報抽出するようにしてもよい。
【0122】
また、携帯情報機器100が、店舗に在るか否かの判定は種々の方法が考えられる。例えば、会員アプリを実行した携帯情報機器100において、店舗に在るか否かの判定を位置検出部101の検出結果に基づいて制御部190が行い、店舗に在ると判定した場合には、(通常モードの場合には切り替えて)店舗モードで動作するようにしてもよい。
【0123】
具体的には、携帯情報機器100あるいはサーバ装置200の記憶部(180あるいは220)に、店舗IDと店舗の位置情報を対応付けて記憶しておき、位置検出部101の検出結果に基づいて、携帯情報機器100が店舗に在るか否かの判定を制御部(190あるいは240)が行う。
【0124】
これによれば、サーバ装置200は、制御部(190あるいは240)の判定結果を得ることで、携帯情報機器100が電子棚札700を読み取る操作を行う前でも、携帯情報機器100を店舗モードとして扱うことが可能となる。
【0125】
また電子棚札700を読み取る操作を行った携帯情報機器100に対して、情報提供やクーポンの付与以外の特典やサービスを利用者に提供するようにしてもよい。例えば、チェックインした携帯情報機器100(店舗モードの携帯情報機器100)が、店舗内の無線LANのアクセスポイントを一定時間の間だけ無料や割引価格で利用できるようにしてもよい。
【0126】
また上記実施形態では、電子棚札700は、当該電子棚札700が設置されている店舗を示す店舗IDと当該電子棚札700に対応付けられた商品の商品コードを携帯情報機器100に対して送信するものとして説明したが、上記商品コードを送信しない電子棚札700であってもよい。
【0127】
このような電子棚札700から店舗IDを携帯情報機器100が読み取り、必ずしも商品紹介情報を求めないチェックイン要求を行って、チェックインし、店舗モードで動作するようにしてもよい。このようにして店舗モードに移行した携帯情報機器100に対しても、サーバ装置200は、キャンペーンの情報やクーポンのコード情報などを提供することで、携帯情報機器100は、訪れた店舗における有益な情報を取得できる。
【0128】
また例えば、棚札IDを、店舗IDと商品コードに基づいて生成するようにしてもよい。すなわち、携帯情報機器100は、電子棚札700から近距離無線通信により、棚札IDを受信することで、店舗IDと商品コードを取得する。
その他、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を施しても同様に実施可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0129】
100…携帯情報機器、101…位置検出部、110…移動通信部、120…WLAN通信部、130…近距離通信部、140…カメラ、150…表示部、151…制御バス、160…音声信号処理部、161…スピーカ、162…マイクロホン、170…入力部、180…記憶部、190…制御部、200…サーバ装置、210a…通信部、210b…通信部、220…記憶部、220a…制御プログラム、220b…制御データ、230…データベース、230a…棚札情報データ、230b…会員情報データ、230c…CI履歴情報データ、230d…商品紹介情報データ、230e…在庫情報データ、230f…店舗情報データ、230g…キャンペーン情報データ、230h…クーポン情報データ、240…制御部、240a…棚札更新部、240b…要求受信部、240c…認証処理部、240d…情報集計部、240e…情報抽出部、240f…情報提供部、250…制御バス、300…アプリケーション提供サーバ装置、400…店舗端末、500…決済システム、600…店舗内通信装置、700…電子棚札、710…無線通信部、720…近距離通信部、730…表示部、740…記憶部、750…制御部、NW1…移動通信網、NW2…インターネット、NW3…イントラネット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6