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特許7487102DMLMビルドプラットフォームおよび表面平坦化
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】DMLMビルドプラットフォームおよび表面平坦化
(51)【国際特許分類】
   B22F 3/16 20060101AFI20240513BHJP
   B22F 3/105 20060101ALI20240513BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20240513BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20240513BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20240513BHJP
   B33Y 50/00 20150101ALI20240513BHJP
【FI】
B22F3/16
B22F3/105
B28B1/30
B33Y10/00
B33Y30/00
B33Y50/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020521437
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018058090
(87)【国際公開番号】W WO2019094222
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-06-12
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】15/807,434
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・マムラク
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー・ライアン・レディング
(72)【発明者】
【氏名】ザカリー・デイヴィッド・フィールドマン
【合議体】
【審判長】池渕 立
【審判官】井上 猛
【審判官】佐藤 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0358273(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0174658(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102015000100(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0129052(US,A1)
【文献】特許第5721887(JP,B1)
【文献】特表2016-527390(JP,A)
【文献】国際公開第2017/102384(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22F 1/00-8/00
C22C 1/04-1/05
C22C 33/02
B29C 64/00-64/40,67/00-67/08,69/00-69/02,73/00-73/34
B29D 1/00-7/01,11/00-29/10,33/00,99/00
B28B 1/00-1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付加製造により物体を製造する方法であって、
製造中における前記物体の歪んだ表面であるビルド面(702)のトポグラフィーを測定し、前記物体を形成する所望の略平坦な表面に対して陥凹している陥凹領域を特定するステップと、
前記ビルド面(702)の前記トポグラフィーの変化を減少させるために、前記陥凹領域(704)を埋めるステップであって、
(a)前記ビルド面(702)の前記陥凹領域(704)の上に所定の粉末層(706)を選択的に堆積させて前記粉末層(706)を平らにするステップ、
(b)前記所定の粉末層(706)を、前記ビルド面(702)の1つの前記陥凹領域(704)において融解するステップ、
および、
(c)前記陥凹領域(704)を埋める前記ステップが完了するまで、前記ステップ(a)及び(b)を反復するステップ
を含み、前記陥凹領域(704)上に前記粉末層(706)と平行な方向にガス流が供給される前記陥凹領域(704)を埋めるステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
(d)前記ステップ(c)の後に、前記物体をビルドするステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物体のCADファイルに前記測定されたトポグラフィーの逆の3D表現を付加して、カスタムCADファイルを生成するステップと、前記カスタムCADファイルを使用して、前記陥凹領域(704)を埋める前記ステップおよび前記物体をビルドする前記ステップを導くステップとをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
測定する前記ステップは、パルス状レーザ光を前記ビルド面(702)に照明し、且つセンサを用いて反射パルスを測定することにより前記ビルド面(702)までの距離を測定する測量法を用いて行われる、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
融解する前記ステップは、照射使用して実施される、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
物体をビルドするための付加製造装置であって、
少なくとも粉末ディスペンサ、融解機構、およびリコータを含むビルドユニット(602)と、
製造中における前記物体の歪んだ表面であるビルド面(702)のトポグラフィーを測定し、前記物体を形成する所望の略平坦な表面に対して陥凹している領域を特定する、測定ユニット(604)と、
を備え、
前記ビルド面(702)の前記陥凹している領域に前記粉末ディスペンサ内の粉末が選択的に堆積されるように、前記ビルドユニット(602)は前記ビルド面の上でx方向、y方向及びz方向に移動可能であり、
前記測定ユニット(604)が前記ビルドユニット(602)に取り付けられており、
前記ビルド面(702)の前記陥凹している領域上に、前記陥凹している領域に堆積されて平らにされた粉末層(706)と平行な方向にガス流が供給される、付加製造装置。
【請求項7】
前記融解機構は、射源である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記測定ユニット(604)は、パルス状レーザ光を前記ビルド面(702)に照明し、且つセンサを用いて反射パルスを測定することにより前記ビルド面(702)までの距離を測定する測量法を行う、請求項6または7に記載の装置。
【請求項9】
プログラムが具現化されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、プロセッサにより実行された場合、付加製造により物体を製造する方法を実施し、前記方法は、
製造中における前記物体の歪んだ表面であるビルド面(702)のトポグラフィーを測定し、前記物体を形成する所望の略平坦な表面に対して陥凹している陥凹領域を特定するステップと、
前記ビルド面(702)の前記トポグラフィーの変化を減少させるために、前記陥凹領域(704)を埋めるステップであって、
(a)前記ビルド面(702)の前記陥凹領域(704)の上に所定の粉末層(706)を選択的に堆積させて前記粉末層(706)を平らにするステップ、
(b)前記所定の粉末層(706)を、前記ビルド面(702)の1つの前記陥凹領域(704)において融解するステップ、
および、
(c)前記陥凹領域(704)を埋める前記ステップが完了するまで、前記ステップ(a)及び(b)を反復するステップ
を含み、
前記陥凹領域(704)上に前記粉末層(706)と平行な方向にガス流が供給される前記陥凹領域(704)を埋めるステップと
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項10】
前記方法は、(d)前記ステップ(c)の後に、前記物体をビルドするステップ
をさらに含む、請求項9に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
前記方法は、前記物体のCADファイルに前記測定されたトポグラフィーの逆の3D表現を付加して、カスタムCADファイルを生成するステップと、前記カスタムCADファイルを使用して、前記陥凹領域(704)を埋める前記ステップおよび前記物体をビルドする前記ステップを導くステップとをさらに含む、請求項9または10に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項12】
測定する前記ステップは、パルス状レーザ光を前記ビルド面(702)に照明し、且つセンサを用いて反射パルスを測定することにより前記ビルド面(702)までの距離を測定する測量法を用いて行われる、請求項9から11のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項13】
融解する前記ステップは、照射使用して実施される、請求項9から12のいずれか一項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、付加製造工程を実施する付加製造(AM: additive manufacturing)装置および付加製造方法に関する。より具体的には、本開示は、航空機エンジンの構成要素などの、ただし、これに限定されない、大きい環状物体または複数のより小さい物体を同時に付加製造する連続工程を可能にする装置および方法に関する。
【0002】
関連出願の相互参照
その全体が参照により本明細書に組み込まれる、同時出願された下記の関連出願への参照が行われる:
【0003】
2017年11月8日に出願された、代理人整理番号第037216.00128号を有する、「Apparatus and Methods For Build Surface Mapping(ビルド面マッピングための装置および方法)」という名称の、米国特許出願第[]号。
【背景技術】
【0004】
除去製造法と対照的に、AM法は、一般に、ネットシェイプまたはニアネットシェイプ(NNS: near net shape)物体を作製する1つまたは複数の材料のビルドアップを含む。「付加製造」は、業界標準用語(ASTM F2792)であるが、AMは、自由形状製作、3D印刷、高速プロトタイピング/ツーリング(tooling)等を含む、多種多様な名前で知られている様々な製造技術およびプロトタイピング技術を包含する。AM技術は多種多様な材料から複雑な構成要素を製造することができる。一般に、自立型の物体がコンピュータ支援設計(CAD)モデルから製造され得る。特定のタイプのAM法は、エネルギービーム、例えば電子ビームまたはレーザビーム、を方向付ける照射放出方向付けデバイスを使用して、粉末材料を焼結または溶融し、粉末材料の粒子が互いに結合された固体3次元物体を作り出す。様々な材料系、例えば産業用樹脂、熱可塑性エラストマー、金属、およびセラミック、が使用されている。レーザ焼結またはレーザ溶融は、機能的なプロトタイプおよびツールの高速製造のための有名なAM法である。応用には、複雑な被加工物の直接製造、インベストメント鋳造用のパターン、射出成形およびダイカスト用の金型、ならびに砂型鋳造用の型およびコアが含まれる。設計サイクル中の通信およびコンセプトの試験を強化するプロトタイプ物体の製造は、AM法の他の一般的な用途である。
【0005】
選択的レーザ焼結、直接レーザ焼結、選択的レーザ溶融、および直接レーザ溶融が、レーザビームを使用して微粉を焼結するかまたは溶融することにより、3次元(3D)物体を製造することに言及するのに用いられる一般的な業界用語である。例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第4,863,538号および米国特許第5,460,758号が従来のレーザ焼結技術を記載している。より正確には、焼結は、粉末材料の融点より下の温度で該粉末の粒子を融解すること(凝集すること)を含む一方、溶融は、粉末の粒子を完全に溶融して、固体均質塊を形成することを含む。レーザ焼結またはレーザ溶融に関連する物理過程は、粉末材料への熱伝導、および次いで粉末材料を焼結することまたは溶融することのどちらかを含む。レーザ焼結およびレーザ溶融の工程は広範な粉末材料に適用されることが可能であるが、製造ルートの科学的側面および技術的側面、例えば焼結速度または溶融速度、ならびに層製造工程中の微細構造発達に対する処理パラメータの影響、はよく分かっていない。本製造方法は、複数の熱モード、物質移動および運動量移動、ならびに該工程を非常に複雑にする化学反応を伴う。
【0006】
図1は、直接金属レーザ焼結(「DMLS: direct metal laser sintering」)または直接金属レーザ溶融(「DMLM: direct metal laser melting」)のための例示的な従来システム100の断面図を示す。該装置100は、例えばレーザビームを生成するレーザまたは電流がそれを流れると電子を放出するフィラメントであり得る、源120により生成されるエネルギービーム136を使用して、粉末材料(図示せず)を焼結するかまたは溶融することにより、レイヤーバイレイヤーで、物体、例えば部品122、をビルドする。エネルギービームにより溶融される粉末は、リザーバ126により供給され、方向134に移動して粉末を高さ118に維持しかつ該粉末高さ118より上に延在する過剰な粉末材料を廃棄容器128へ除去するリコータアーム116を使用して、粉末床112の上に均一に広げられる。エネルギービーム136は、ガルボスキャナ132などの照射放出方向付けデバイスの制御下でビルドされている、物体の断面層を焼結するかまたは溶融する。該ガルボスキャナ132は、例えば、複数の可動ミラーまたはスキャンレンズを含み得る。レーザがスキャンされる速度は重要な制御可能な処理パラメータであり、レーザ出力が特定の点にどのくらい長く当てられるかに影響を及ぼす。典型的なレーザスキャン速度は、1秒当たり10ミリメートルから100ミリメートル程である。ビルドプラットフォーム114は下げられ、別の粉末層が粉末床の上に広げられ、物体がビルドされ、レーザ120による粉末の連続的な溶融/焼結が後に続く。粉末層は、通常、例えば、10ミクロンから100ミクロンまでである。部品122が、溶融/焼結粉末材料から完全にビルドアップされるまで、該工程は反復される。
【0007】
レーザ120は、プロセッサおよびメモリを含むコンピュータシステムにより制御され得る。該コンピュータシステムは、各層ごとにスキャンパターンを決定することができ、レーザ120を制御して、該スキャンパターンに従って粉末材料を照射することができる。部品122の製造が完了した後、様々な後処理手順が部品122に適用され得る。該後処理手順は、例えば吹付けまたは吸引による、過剰な粉末の除去を含む。他の後処理手順が応力解放工程を含む。さらに、熱および化学後処理手順が部品122を仕上げるのに使用され得る。
【0008】
図2は従来の粉末床204の図である。粉末床204が、例えば、図1に示されているDMLM用の従来の装置の粉末床112に類似して構成され得ることが、当業者には理解され得る。従来の装置のその他の機械構成要素は示されていないが、図2は、物体202が上でビルドされるビルドプラットフォーム208を示す。物体202がビルドされている時に、粉末層が粉末床204の上に広げられ、レーザ120(図1参照)による粉末の連続溶融/焼結が後に続く。部品(物体202)が溶融/焼結済み粉末材料から完全にビルドアップされるまで、該工程が反復される。
【0009】
しかし、ビルド工程または成長工程の間、粉末床が、部分収縮に因り、成長中の部品に過剰な圧力を掛けるため、いくつかの粉末床付加製造部品が破砕するかまたは歪む。成長中の部品内にまたは該部品と粉末ボックス壁との間に捕捉されている粉末が、部品に過剰な圧力をかけ、部品の破砕およびゆがみを引き起こす可能性がある。さらに、粉末室の床と成長済み部品との間に捕捉された粉末は、該粉末が冷える際に収縮する、該部品の能力を制限し、それにより部品の破砕およびゆがみがもたらされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第4,863,538号
【文献】米国特許第5,460,758号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、大きい破砕がなく歪みのない部品を成長させ、粉末床内で製造される部品への粉末床荷重を管理する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
下記は、そのような態様に関する基本的な理解をもたらすために、本開示の1つまたは複数の態様の簡易化された要約を示す。本要約は、考えられる態様全ての広範囲の概説ではなく、全態様の主要なまたは重要な要素を確認するものでも、いずれかのまたは全ての態様の範囲を詳述するものでもない。その目的は、1つまたは複数の態様のいくつかのコンセプトを、後述されるより詳細な説明の前置きとして、簡易化した形で示すことである。
【0013】
本発明の上述のおよび/または他の態様は、付加製造により物体を製造する方法により達成され得る。一態様では、本方法は、ビルド面のトポグラフィーを測定し、所望の略平坦な表面に対する陥凹領域を特定するステップと、ビルド面のトポグラフィーの変化を減少させるために、該陥凹領域を埋めるステップとを含む。陥凹領域を埋める該ステップは、(a)ビルド面の陥凹領域の上に所定の粉末層を堆積させるステップと、(b)ビルド面の1つの陥凹領域において所定の粉末層を融解するステップと、(c)ビルド面の陥凹領域の上に後続粉末層を堆積させるステップと、(d)陥凹領域を埋めるステップが完了するまで、ステップ(a)~(c)を反復するステップとを含む。
【0014】
本発明の上述のおよび/または他の態様が、物体をビルドする付加製造装置により達成され得る。該装置は、少なくとも粉末ディスペンサと、融解機構と、リコータとを含むビルドユニットを含む。また、該装置は、ビルド面と、該ビルド面のトポグラフィーを測定し、所望の略平坦な表面に対する陥凹領域を特定する測定ユニットとを含む。
【0015】
また、本発明の上述のおよび/または他の態様が、プログラムが具現化されたコンピュータ可読記憶媒体であって、該プログラムは、プロセッサにより実行された場合、付加製造により物体を製造する方法を実施する、コンピュータ可読記憶媒体により達成され得る。一態様では、本方法は、ビルド面のトポグラフィーを測定し、所望の略平坦な表面に対する陥凹領域を特定するステップと、ビルド面のトポグラフィーの変化を減少させるために、該陥凹領域を埋めるステップとを含む。陥凹領域を埋める該ステップは、(a)ビルド面の陥凹領域の上に所定の粉末層を堆積させるステップと、(b)ビルド面の1つの陥凹領域において所定の粉末層を融解するステップと、(c)ビルド面の陥凹領域の上に後続粉末層を堆積させるステップと、(d)陥凹領域を埋めるステップが完了するまで、ステップ(a)~(c)を反復するステップとを含む。
【0016】
他の特徴および態様が、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0017】
本明細書に組み込まれており、かつ、その一部を構成している添付の図面は、本開示の1つまたは複数の例示的態様を示し、詳細な説明と共に、それらの原理および実施を説明する役に立つ。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】粉末床を使用する、DMLM用の従来の装置の図である。
図2】従来の粉末床ボックスの図である。
図3】本発明の一実施形態による大規模付加製造装置の図である。
図4】本発明の一実施形態によるビルドユニットの側面図である。
図5】本発明の一実施形態による、粉末を分配しているビルドユニットの側面図である。
図6】本発明の一実施形態によるビルドユニットの斜視図である。
図7A】本発明の一実施形態によるビルド面の図である。
図7B】本発明の一実施形態によるビルド面の図である。
図7C】本発明の一実施形態によるビルド面の図である。
図8】本発明の一実施形態による初期ビルド工程を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
添付の図面に関連して後述されている詳細な説明は、様々な構造の説明を目的としており、本明細書に記載されているコンセプトが実践され得る構造のみを示すものではない。該詳細な説明は、様々なコンセプトの完全な理解をもたらすことを目的として、具体的詳細を含む。しかし、これらのコンセプトはこれらの具体的詳細なしで実践され得ることが、当業者には明らかであろう。例えば、本発明は、金属の構成要素または物体を付加製造する好適な方法を提供し、これらの構成要素または物体はジェット機エンジンの製造において使用されることが好ましい。詳細には、ジェット機エンジンの大環状構成要素が本発明に基づいて有利に製造され得る。しかし、航空機の他の構成要素および他の非航空機構成要素が、本明細書に記載されている装置および方法を用いて用意されてもよい。
【0020】
本発明の例示的実施形態が、プラットフォーム、すなわち、所望の開始ビルド面に対する表面トポロジーをマッピングするスキャンデバイスを使用するように構成されている装置、方法、およびシステムを含む。ある態様によれば、システムソフトウェアが提供されてもよく、システムソフトウェアは、スキャン情報を使用して、部品のビルドを開始する初期層に必要な、必要なフットプリントを有するビルド計画を立てるのに必要なビルド基礎および下敷きを構築する。したがって、本発明は、装置と、方法と、従来のビルド支持体またはビルド補償(build compensation)ではなく、マシンソフトウェアまたはマシンシステムに組み込まれる平坦なビルド面を生成するソフトウェアを含むシステムとを提供し得る。該ソフトウェアは、ビルド面の用意のために必要なビルド戦略および順序を自動的に生成しかつ部品または物体のためのマシンビルド順序に追加するように構成され得る。
【0021】
図3は、本発明の実施形態による大規模付加製造装置300の図である。図3では、装置300は、例えばガントリなどの位置決め機構301と、照射放出方向付けデバイス303を含むビルドユニット302と、層流ガス流区域307と、ビルドされている物体309の真下のビルドプレート(図示せず)とを含む。最大ビルド領域が、従来システムと同様に粉末床による代わりに、位置決め機構301により画定されていてもよく、特定のビルド用のビルド領域は、物体と共に動的にビルドアップされ得るビルド覆い308に限定されていてもよい。位置決め機構またはガントリ301は、ビルドユニット302をx方向に移動させるx横桁304を有する。ビルドユニット302およびx横桁304をz方向に移動させる2つのz横桁305Aおよび305Bが存在する。x横桁304とビルドユニット302とは、ビルドユニット302をy方向に移動させる機構306により取り付けられていてもよい。ビルドユニット302は、後で図6において詳細に検討されるセンサ330を含み得る。該センサ330は、図3においてビルドユニット302の底部に示されている可能性があるが、装置300上の様々な他の位置に配置され得る。図3の実施形態は位置決め機構としてガントリを示しているが、本発明はそれに限定されず、例えばデルタロボット、ケーブルロボット、またはロボットアームなどの他の多次元位置決めシステムを利用してもよい。照射放出方向付けデバイス303は、第2の位置決めシステム(図示せず)により、ビルドユニット302内で独立して移動し得る。
【0022】
図4は、本発明の実施形態によるビルドユニットの側面図である。図4は、照射放出方向付けデバイス401と、ガス流をガス流区域404へ供給する加圧出口部分403Aおよび真空入口部分403Bを備えたガス流デバイス403と、リコータ405とを含むビルドユニット400を示す。不活性環境419を含有する筐体418が、ガス流区域404の上方に設けられていてもよい。リコータ405は、後方プレート407と前方プレート408とを有するホッパ406を含み得る。また、該リコータ405は、少なくとも1つの作動要素409と、少なくとも1つのゲートプレート410と、リコータブレード(recoater blade)411と、アクチュエータ412と、リコータアーム413とを含み得る。リコータは取付けプレート420に取り付けられていてもよい。図4は、取付けプレート420の側面に配置されている(後で図6において詳細に検討される)センサ430を示すが、該センサ430は装置400上の様々な他の位置に配置され得る。
【0023】
また、図4は、例えば付加製造またはMig/Tig溶接、形成されている物体415、および物体415を形成するのに使用される、ホッパ406内に含有されている粉末416によりビルドされ得るビルド覆い414を示す。この特定の実施形態では、アクチュエータ412が作動要素409を作動させて、ゲートプレート410を前方プレート408から離すことができる。代替的実施形態では、アクチュエータ412は例えば空気圧式アクチュエータであってもよく、作動要素409は双方向弁であってもよい。さらに別の実施形態では、アクチュエータ412は例えばボイスコイルであってもよく、作動要素409はばねであってもよい。また、対応するゲートプレートが作動要素により粉末ゲートから離れた時に粉末が流動することを可能にするホッパ間隙417が前方プレート408と後方プレート407との間に設けられていてもよい。粉末416、後方プレート407、前方プレート408、およびゲートプレート410は全て同じ材料であってもよい。あるいは、後方プレート407、前方プレート408、およびゲートプレート410は全て同じ材料であってもよく、係る材料は、例えばコバルト-クロムなどの粉末材料と相性が良いものであってもよい。本発明の本例示的実施形態では、ガス流区域404内のガス流はy方向に流動するが、それに限定されない。リコータブレード411はx方向に幅を有し得る。θ2がおおよそ0である時の照射放出ビームの方向が本図のz方向を定義する。ガス流区域404内のガス流は実質的に層流であってもよい。照射放出方向付けデバイス401は、第2の位置決めシステム(図示せず)により、独立して移動可能であり得る。この図は閉状態位置にあるゲートプレート410を示す。
【0024】
図5は、本発明の実施形態による、粉末を分配しているビルドユニットの側面図である。図5は、(要素510により示されているように)開状態位置にある(図4の)ゲートプレート410と、作動要素509とを示す。ホッパ内の粉末が、新たな粉末層521を作製するために堆積されてもよく、粉末はリコータブレード511により全体に亘って平らにされて、実質的に均一な粉末層522を作製する。図5は、ホッパの側面に配置されている(後で図6において詳細に検討される)センサ530を示すが、該センサ530は装置500上の様々な他の位置に配置され得る。
【0025】
図6は、本発明の実施形態によるビルドユニット602の斜視図である。図6に示されている通り、該ビルドユニット602は、上に印刷されるビルド面606を追跡することができるセンサ604を含み得る。図6に示されているように、該センサ604はビルドユニット602に取り付けられてもよい。図6に示されていないが、ビルド面606は複数のフレームを含み得る。図6は歪んだ表面606を示す。典型的なビルド面の初期の湾曲が、例えば、ビルド面上でビルドしている時に、研磨を用いても避けられない可能性がある。本発明の態様によれば、ビルドユニット602は、センサ604を用いてフレームを追跡し、ビルド面606上の高所および低所を精密にマッピングするように構成されていてもよい。センサ604は、格納可能なプローブまたはライダに類似しているがそれに限定されないスキャンデバイスであってもよい。ライダ様のそのようなデバイスは、例えば、通常、パルス状レーザ光を用いてかかる目標を照明しかつセンサを用いて反射パルスを測定することにより目標までの距離を測定する測量法を提供する。レーザ再実行時間および波長における差異は、例えば、次いで、目標のデジタル3D表現を作製するのに使用され得る。
【0026】
コントローラ(図示せず)が設けられてもよく、コントローラは、プロセッサを含んで、センサ604により読み取られた高所および低所を判定してもよい。ある態様によれば、物体(図示せず)のビルドはビルド面606上の最低位置において開始し得る。すなわち、ビルド面606の最低位置は、ビルドユニット602により最初に印刷され、上塗りされ得る。最低位置における印刷および上塗り工程が、例えば、ビルド面606上の隣接するフレームが印刷され、上塗りされる前に、何回か反復されてもよい。最低位置におけるビルドは、ビルド面606上のフレームの全てが第1の統一層のところに存在するまで反復され得る。次に、ビルド面606が第1の統一層のところに存在する場合、コントローラは物体の完全なビルドを自動的に開始するように構成されていてもよい。
【0027】
図7A図7Cは、本発明の実施形態によるビルド面702の斜視側面図である。図7Aは、若干低い陥凹領域704を備えたビルド面702を示す。ある態様によれば、ビルドは陥凹領域704において開始され得る。図7Bに示されている通り、ビルドユニット(図示せず)が、陥凹低領域704の位置内に粉末706を堆積させることにより、陥凹領域704において印刷および上塗りを開始し得る。図7Cは、粉末706の層で、実質的にビルド面702の総表面積を有する統一層708にビルドアップされた陥凹低領域704を示す。
【0028】
図8は、本発明の実施形態による初期ビルド工程を示すブロック図である。802において、部品ビルドファイルが問い合わせられて、ビルド用のフットプリントが規定される。すなわち、例えば、コントローラは、ビルド面の最低位置を判定するファイルを問い合わせて、ビルドを開始してもよい。804において、センサが設けられて、ビルド面をスキャンし、規定されたフットプリントの範囲内のビルド面のトポロジーマップを生成してもよい。当業者には、リコータアームを使用する従来の粉末床は、ビルド面のトポロジーを利用する能力を欠くことが理解され得る。
【0029】
ある態様によれば、コンピュータ支援設計(CAD)ファイルが、規定されたフットプリントまたは最低位置の範囲内のトポロジーに基づいて生成されてもよい。部品または物体の完全なビルドがビルド面の統一層において開始し得るので、806において、コントローラはフットプリント面トポロジーの最小Z高さおよび最大Z高さを規定し得る。フットプリント面トポロジーの最小Z高さおよび最大Z高さを規定することにより、808において、トポロジーマップが使用されて、逆のトポロジーおよび高さ(Z最大~Z最小)を有するフットプリントの範囲内の部品のビルドファイルを自動的に生成し得る。810において、トポロジー補償ビルド(topology compensating build)が、例えば、現在の部品ビルドファイル(802参照)の開始時に付加され得る。代替的実施形態では、ビルド面のトポロジーに応じて、zデータムビルドファイルが、実際の部品の底部がどこで開始するかを定める基準をもたらすトポロジー補償と一緒に生成され得る。812において、部品ビルドファイルは部品をビルドし始めるのに使用され得る。
【0030】
前述されている通り、本発明は、例えば、歪んだビルド面のリアルタイムの補正が可能であり得る方法、装置、およびシステムを提供する。したがって、部品または物体のビルドの開始時の均一性が可能になり得る。さらに、本発明は、ビルド面の低い陥凹領域を精密にマッピングするスキャンデバイスを利用して、初期印刷に関してフィードバックし得る。したがって、完全な初期ビルド面のための表面研削プレートに関する時間およびコストは削減され得る。
【0031】
本発明は不均一なビルドプラットフォームを平坦なレベルにすることができる可能性がある。同様に、本発明は、物体をビルドする工程において、ビルド面を修復して平坦な状態にすることができる可能性がある。
【0032】
本明細書は、好適な実施形態を含めて、例を用いて本発明を開示しており、また、任意のデバイスまたはシステムを作製することおよび使用すること、ならびに任意の援用されている方法を実施することを含めて、当業者が本発明を実践することを可能にしている。本発明の特許性のある範囲は特許請求の範囲により定められ、当業者に思い付く他の例を含み得る。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、またはそれらが特許請求の範囲の文言とごく僅かに異なる等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内にあることが意図されている。記載されている様々な実施形態による態様、および各そのような態様に関する他の既知の同等物が、当業者により混合され、調和されて、本願の原理に従って追加の実施形態および技術を構築することが可能である。
【0033】
本発明のさらなる態様は、以下の項の主題によって提供される。
【0034】
[項1]
付加製造により物体を製造する方法であって、
ビルド面のトポグラフィーを測定し、所望の略平坦な表面に対して陥凹している陥凹領域を特定するステップと、
前記ビルド面の前記トポグラフィーの変化を減少させるために、前記陥凹領域を埋めるステップであって、
(a)前記ビルド面の前記陥凹領域の上に所定の粉末層を堆積させるステップ、
(b)前記所定の粉末層を、前記ビルド面の1つの前記陥凹領域において融解するステップ、
(c)前記ビルド面の前記陥凹領域の上に、後続粉末層を堆積させるステップ、および、
(d)前記陥凹領域を埋める前記ステップが完了するまで、前記ステップ(a)~(c)を反復するステップ
を含む、前記陥凹領域を埋めるステップと
を含む、方法。
【0035】
[項2]
(e)前記ステップ(d)の後に、前記物体をビルドするステップ
をさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0036】
[項3]
前記物体のCADファイルに前記測定されたトポグラフィーの逆の3D表現を付加して、カスタムCADファイルを生成するステップと、前記カスタムCADファイルを使用して、前記陥凹領域を埋める前記ステップおよび前記物体をビルドする前記ステップを導くステップとをさらに含む、任意の前項に記載の方法。
【0037】
[項4]
測定する前記ステップは、ライダまたは格納可能なプローブを用いて行われる、任意の前項に記載の方法。
【0038】
[項5]
融解する前記ステップは、照射またはバインダジェッティングを使用して実施される、任意の前項に記載の方法。
【0039】
[項6]
物体をビルドするための付加製造装置であって、
少なくとも粉末ディスペンサ、融解機構、およびリコータを含むビルドユニットと、
ビルド面と、
ビルド面のトポグラフィーを測定し、所望の略平坦な表面に対して陥凹している領域を特定する、測定ユニットと、
を備える、付加製造装置。
【0040】
[項7]
前記融解機構は、バインダジェットまたは照射源である、任意の前項に記載の装置。
【0041】
[項8]
前記測定ユニットは、ライダまたは格納可能なプローブを含む、任意の前項に記載の装置。
【0042】
[項9]
プログラムが具現化されたコンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、プロセッサにより実行された場合、付加製造により物体を製造する方法を実施し、前記方法は、
ビルド面のトポグラフィーを測定し、所望の略平坦な表面に対して陥凹している陥凹領域を特定するステップと、
前記ビルド面の前記トポグラフィーの変化を減少させるために、前記陥凹領域を埋めるステップであって、
(a)前記ビルド面の前記陥凹領域の上に所定の粉末層を堆積させるステップ、
(b)前記所定の粉末層を、前記ビルド面の1つの前記陥凹領域において融解するステップ、
(c)前記ビルド面の前記陥凹領域の上に、後続粉末層を堆積させるステップ、および、
(d)前記陥凹領域を埋める前記ステップが完了するまで、前記ステップ(a)~(c)を反復するステップ
を含む、前記陥凹領域を埋めるステップと
を含む、コンピュータ可読記憶媒体。
【0043】
[項10]
(e)前記ステップ(d)の後に、前記物体をビルドするステップ
をさらに含む、任意の前項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0044】
[項11]
前記物体のCADファイルに前記測定されたトポグラフィーの逆の3D表現を付加して、カスタムCADファイルを生成するステップと、前記カスタムCADファイルを使用して、前記陥凹領域を埋める前記ステップおよび前記物体をビルドする前記ステップを導くステップとをさらに含む、任意の前項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0045】
[項12]
測定する前記ステップは、ライダまたは格納可能なプローブを用いて行われる、任意の前項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【0046】
[項13]
融解する前記ステップは、照射またはバインダジェッティングを使用して実施される、任意の前項に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【符号の説明】
【0047】
100 例示的従来システム、装置
112、204 粉末床
114、208 ビルドプラットフォーム
116、413 リコータアーム
118 粉末高さ
120 源、レーザ
122 部品
126 リザーバ
128 廃棄容器
132 ガルボスキャナ
134 方向
136 エネルギービーム
202、309、415 物体
300 大規模付加製造装置
301 位置決め機構、ガントリ
302、602 ビルドユニット
303、401 照射放出方向付けデバイス
304 x横桁
305A、305B z横桁
306 (ビルドユニット302をy方向に移動させる)機構
307 層流ガス流区域
308、414 ビルド覆い
330、430、530、604 センサ
400 ビルドユニット、装置
403 ガス流デバイス
403A 加圧出口部分
403B 真空入口部分
404 ガス流区域
405 リコータ
406 ホッパ
407 後方プレート
408 前方プレート
409、509 作動要素
410 ゲートプレート
411、511 リコータブレード
412 アクチュエータ
416、706 粉末
417 ホッパ間隙
418 筐体
419 不活性環境
420 取付けプレート
500 装置
510 要素
521 粉末層
522 均一な粉末層
606、702 ビルド面
704 陥凹領域、陥凹低領域
708 統一層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8