(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20240513BHJP
A61K 9/127 20060101ALI20240513BHJP
A61K 31/282 20060101ALI20240513BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240513BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240513BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240513BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240513BHJP
A61K 47/24 20060101ALI20240513BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20240513BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20240513BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20240513BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240513BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240513BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240513BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20240513BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240513BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20240513BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240513BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240513BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240513BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20240513BHJP
A61P 33/06 20060101ALI20240513BHJP
A61P 33/12 20060101ALI20240513BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240513BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240513BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K9/127
A61K31/282
A61K39/395 N
A61K39/395 Y
A61K45/00
A61K47/02
A61K47/10
A61K47/24
A61K47/64
A61K47/68
A61P3/00
A61P9/00
A61P9/10
A61P11/00
A61P15/00
A61P17/06
A61P19/00
A61P19/02
A61P29/00
A61P31/04
A61P31/18
A61P33/06
A61P33/12
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/02
(21)【出願番号】P 2020542626
(86)(22)【出願日】2019-02-07
(86)【国際出願番号】 US2019017002
(87)【国際公開番号】W WO2019157146
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2022-02-07
(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-02-14
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(32)【優先日】2018-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517045370
【氏名又は名称】エル.イー.エー.エフ. ホールディングス グループ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】L.E.A.F. HOLDINGS GROUP LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ニイキザ,クレト
(72)【発明者】
【氏名】モヨ,ヴィクター,マンドラ
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特表2021-512895(JP,A)
【文献】特表2021-513531(JP,A)
【文献】特表2017-526744(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103040748(CN,A)
【文献】特表2013-526545(JP,A)
【文献】特表2019-524802(JP,A)
【文献】European Journal ofMedicinal Chemistry (2016), 115, p.361-368
【文献】Drug Resistance Update,2012年,Vol.15, pp.183-210
【文献】Journal of Controlled Release,2015年,220,29-36
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を被包したリポソームを含むリポソーム組成物であって、前記アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、アルファカルボキシル基結合によって連結され
た2~1
0個のグルタミル基を含み、
前記ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、プララトレキサート、AG2034、GW1843、およびLY309887、またはそれらの立体異性体
;RTX、およびLMX、またはそれらの立体異性体
;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、アミノプテリン;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198
,583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;およびAG377、2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体;から選択される葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであり、
前記リポソームがペグ化されており、且つ、目的の標的細胞の表面抗原に対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含まず、
さらに前記リポソームが、1種または複数のポリグルタミン酸化されていないポリグルタミン酸化可能な葉酸代謝拮抗薬またはポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬を被包する、リポソーム組成物。
【請求項2】
前記アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、アルファカルボキシル基結合によって連結された4~6個のグルタミル基を含む、請求項1に記載のリポソーム組成物。
【請求項3】
前記ポリグルタミン酸化されていないポリグルタミン酸化可能な葉酸代謝拮抗薬が、メトトレキセート(MTX)、ペメトレキセド(PMX)、ロメトレキソール(LMX)、ラルチトレキセド(RTX)、プララトレキサート、AG2034、GW1843、アミノプテリン、およびLY309887からなる群より選択され、または、
前記ポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬が、トリメトレキサート(TMQ)、ピリトレキシム(BW301U)、タロトレキシン(PT523)、ノラトレキシド(AG337)、プレビトレキセド(ZD9331、BGC9331)、およびBGC945(ONX0801)から選択される、請求項1に記載のリポソーム組成物。
【請求項4】
(a)前記葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の各々が、アルファカルボキシル基結合を有する;
(b)前記ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の2個以上のグルタミル基が、ガンマカルボキシル基結合を有する;
(c)C末端グルタミル基(単一または複数)と葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外の、グルタミル基の各々が、アルファカルボキシル基結合を有する;
(d)前記C末端グルタミル基(単一または複数)以外のグルタミル基の各々が、アルファカルボキシル基結合を有する;
(e)少なくとも1つのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合とガンマカルボキシル基結合の両方を有する;
(f)前記アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基のうちの少なくとも2個がL型である;
(g)前記アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の各々がL型である;
(h)前記アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基のうちの少なくとも1個がD型である;
(i)前記葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の各々がD型である;または
(j)前記アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基のうちの少なくとも2個がL型であり、前記グルタミル基のうちの少なくとも1個がD型である、
請求項1に記載のリポソーム組成物。
【請求項5】
前記アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、
(a)アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である;または
(b)アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である、
請求項1に記載のリポソーム組成物。
【請求項6】
リポソームが20nm~500nmまたは20nm~200nmまたは80nm~120nmの範囲の直径を有する、請求項1に記載のリポソーム組成物。
【請求項7】
リポソームがリポソーム成分から形成され、
前記リポソーム成分が、アニオン性脂質および中性脂質のうちの少なくとも1つ、DSPE;DSPE-PEG;DSPE-PEG-マレイミド;HSPC;HSPC-PEG;コレステロール;コレステロール-PEG;およびコレステロール-マレイミドから選択される少なくとも1種、を含む、
請求項1に記載のリポソーム組成物であって、
前記リポソーム成分は、DSPE;DSPE-PEG;DSPE-PEG-FITC;DSPE-PEG-マレイミド;コレステロール;およびHSPCから選択される少なくとも1種を含んでもよく、
1種または複数のリポソーム成分が立体安定剤をさらに含んでもよく、
前記立体安定剤が、ポリエチレングリコール(PEG);ポリ-L-リシン(PLL);モノシアロガングリオシド(GM1);ポリ(ビニルピロリドン)(PVP);ポリ(アクリルアミド)(PAA);ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン);ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン);ホスファチジルポリグリセロール;ポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド];両親媒性ポリ-N-ビニルピロリドン;L-アミノ酸ベースポリマー;オリゴグリセリン、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンオキシド含有コポリマー、ポロキサマー188、およびポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種であってもよく、
前記立体安定剤がPEGであり且つ前記PEGが200~5000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有してもよい、
リポソーム組成物。
【請求項8】
前記リポソームがアニオン性、
前記リポソームがカチオン性、
前記リポソームが中性、
前記リポソームがゼロ以下のゼータ電位を有する、
前記リポソームが0~-150mVのゼータ電位を有する、または、
前記リポソームが-30~-50mVのゼータ電位を有する、
請求項1に記載のリポソーム組成物。
【請求項9】
リポソームが、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬と水性の薬学的に許容可能な担体とを含む内部空間を有する、請求項1に記載のリポソーム組成物であって、
前記薬学的に許容可能な担体は、1%より大きい濃度の、デキストロース、マンニトール、グリセロール、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどの等張化剤、1%~50%のトレハロース、1%~50%のデキストロース、HEPES緩衝液中に懸濁させた5%のデキストロース、または50mM~500mMの合計濃度の酢酸ナトリウムと酢酸カルシウムを含んでもよく、
前記リポソームの内部空間は、5~8のpHもしくは6~7のpH、またはそれらの間の任意の範囲のpHを有してもよく、
前記リポソームは、500,000個未満または200,000個未満のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子、または10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含んでもよい、
リポソーム組成物。
【請求項10】
免疫刺激剤、検出可能マーカーおよびマレイミドの内の1種または複数をさらに含み、前記免疫刺激剤、前記検出可能マーカーまたは前記マレイミドが、前記リポソームのPEGまたは外面に結合されている、請求項
9に記載のリポソーム組成物であって、
前記免疫刺激剤が、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、DNP、ベータグルカン、ベータ-1,3-グルカン、ベータ-1,6-グルカン、レゾルビン(例えば、Dn-6DPAもしくはDn-3DPAなどのレゾルビンD、レゾルビンE、またはTシリーズレゾルビン)、および酸化型低密度リポタンパク質(例えば、OXPAC、PGPC)、およびエリトラン脂質(例えば、E5564)などのトール様受容体(TLR)調節薬から選択される少なくとも1種であり、
マンニトール、トレハロース、ソルビトール、およびスクロースから選択される少なくとも1種の凍結保護物質をさらに含んでもよいか、またはカルボプラチンおよび/またはペムブロリズマブをさらに含んでもよい、
リポソーム組成物。
【請求項11】
請求項1に記載のリポソーム組成物を含む、医薬組成物。
【請求項12】
疾患の治療に使用するための、請求項1~
10のいずれか1項に記載の組成物または請求項1
1に記載の医薬組成物であって、
前記疾患は、癌、免疫系の障害、または感染性疾患であってもよく、自己免疫疾患、関節リウマチ、または炎症状態であってもよい、
請求項1~
10のいずれか1項に記載の組成物または請求項1
1に記載の医薬組成物。
【請求項13】
請求項1~
10のいずれか1項に記載のリポソーム組成物を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を作製する方法であって、
前記方法は、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成すること;前記溶液中で前記混合物をホモジナイズしてリポソームを形成すること;および前記混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを形成することを含み、
前記処理のステップは、薄膜水和、押し出し、インライン混合、エタノール注入技術、凍結融解法、逆相蒸発法、動的高圧マイクロ流動化、マイクロ流体混合、二重エマルジョン、凍結乾燥二重エマルジョン、3Dプリンティング、膜コンタクター法、および撹拌の内の1つまたは複数のステップを含んでもよい、
方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は一般に、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物含有リポソームなどの送達担体を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物、ならびに癌などの過剰増殖疾患、関節リウマチなどの炎症および自己免疫疾患を含む免疫系障害、およびHIV、マラリアおよび住血吸虫症などの感染性疾患を含む疾患を治療するための組成物の製造および使用方法に関する。
【0002】
葉酸は、ヌクレオチド生合成およびDNA修復、ホモシステインの再メチル化(Hcy)、およびDNA、タンパク質、および脂質のメチル化に関与する一炭素単位の移動を媒介する不可欠な補因子である。血液中の唯一の循環型の葉酸は、モノグルタミン酸であり、葉酸モノグルタメートは、細胞膜を通って輸送される唯一の形態の葉酸であり、同様に、モノグルタミン酸型のポリグルタミン酸化可能な葉酸代謝拮抗薬も細胞膜を通って輸送される。細胞中に取り込まれると、細胞内葉酸は、酵素ホリルポリガンマグルタミン酸合成酵素(FPGS)によりポリグルタミン酸に変換される。
【0003】
葉酸代謝拮抗薬は、還元型葉酸キャリア(RFC)システムおよび葉酸受容体(FR)αおよびβにより、ならびに通常より低いpH環境中で最も活性なプロトン共役葉酸トランスポーター(PCFT)により細胞中に輸送される。RFCは、生理的pHで主要な葉酸代謝拮抗薬のトランスポーターであり、正常および疾患細胞中で広範に発現されている。従って、葉酸代謝拮抗薬治療は、癌化学療法における主要な障害である用量規制毒性の影響を受ける場合が多い。細胞内に入ると、葉酸代謝拮抗薬は、FPGSによりポリグルタミン酸化され、これにより、葉酸代謝拮抗薬へのL-ガンマカルボキシル基結合中に最大6個までのグルタミル基が付加され得る。FPGSによる葉酸代謝拮抗薬のL-ガンマポリグルタミン酸化は、少なくとも次の2つの主要な治療目的を果たす:(1)それは、DHFRに対する葉酸代謝拮抗薬の親和性および阻害活性を大きく高める;および(2)それは、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の蓄積を容易にし、これは、葉酸代謝拮抗薬(モノグルタミン酸)とは異なり、細胞排出ポンプにより細胞から容易に輸送されない。
【0004】
葉酸代謝およびヌクレオチド生合成の標的化は、癌に対する確立された治療戦略であるが、葉酸代謝拮抗薬に対しては、腫瘍選択性の欠如および新たなおよび既得の薬剤耐性の存在により、臨床効果は限られている。葉酸代謝拮抗薬は多くの場合、DNAおよびRNA合成中に作用し、その結果として、悪性および骨髄性細胞などの急速分裂細胞に対する大きな毒性効果を有する。骨髄抑制は通常、葉酸代謝拮抗薬療法の用量規制毒性があり、葉酸代謝拮抗薬の臨床適用を制限している。
【0005】
葉酸代謝拮抗薬療法に対する耐性は通常、次の1つまたは複数と関連している:(a)細胞排出ポンプ活性の増大、(b)葉酸代謝拮抗薬の細胞への輸送の低下、(c)DHFR活性の増大、(d)ホリルポリガンマグルタミン酸合成酵素(FPGS)活性の低下、および(e)ガンマグルタミル加水分解酵素(GGH)活性の増大で、これは葉酸および葉酸代謝拮抗薬に結合したガンマポリグルタメート鎖を切断する。
【0006】
種々の葉酸代謝拮抗薬のより高レベルのポリグルタメートが低レベルのグルタメートに比べて、遙かに高い効力を有するという長期(>30年)にわたる観察に対する問題は、科学コミュニティが低レベルのグルタメートからそれらのより高レベルの形態へ変換する細胞内FPGS媒介機序に依存してきたということであった。本発明は、より高いレベルのポリグルタメート形態の葉酸代謝拮抗薬を細胞中に直接送達する手段を、この目標を達成するために細胞の機構に依存することなく、提供する。
【0007】
提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、葉酸代謝拮抗薬療法に関連する用量制限毒性および治療耐性に係る薬理学的課題を克服する戦略を与える。いくつかの実施形態では、提供される方法は、癌細胞に、アルファポリグルタミン酸化型の葉酸代謝拮抗薬を送達し、同時に、(1)正常組織細胞への暴露を最小化/低減する、(2)葉酸代謝拮抗薬ベース薬剤の癌細胞に対する細胞傷害性効果を最適化/改善する、および(3)排出ポンプ、および葉酸代謝拮抗薬の治療効力を制限するその他の耐性機序の影響を最小化/低減する。
【発明の概要】
【0008】
本開示は一般に、新規アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物、ならびに癌などの過剰増殖疾患、炎症および関節リウマチなどの免疫系障害、冠動脈疾患などの心臓血管疾患、およびHIV、マラリアおよび住血吸虫症などの感染性疾患を含む疾患を治療するための組成物の製造および使用方法に関する。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、下記を提供する。
[1] アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む組成物であって、少なくとも1個のグルタミル基がアルファカルボキシル基結合を有する、組成物;
[2] 項目[1]の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、ピリトレキシム、プララトレキサート、AG2034、GW1843、およびLY309887、またはそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[3] 項目[1]の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、PMX、MTX、RTX、およびLMX、またはそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[4] 項目[1]に記載の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、下記から選択される、組成物:LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、葉酸代謝拮抗薬;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;および2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体;
[5] 項目[1]の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、メトトレキセート、ラルチトレキセド、プレビトレキセド、ペメトレキセド、ロメトレキソール(LMX;5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[6] 項目[1]~[5]のいずれか1項に記載の組成物であって、下記である組成物;
(a)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の2個以上のグルタミル基が、ガンマカルボキシル基結合を有する;
[7] 項目[1]~[5]のいずれか1項に記載の組成物であって、下記である組成物;
(a)C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)C末端グルタミル基(単一または複数)以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;
[8] 項目[1]~[7]のいずれか1項に記載の組成物であって、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が下記である組成物:
(a)4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む;
(b)アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である;または
(c)アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である;
[9] 項目[1]~[8]のいずれか1項に記載の組成物であって、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、アルファカルボキシル基結合を有する1~10個のグルタミル基を含む、組成物;
[10] 項目[1]~[9]のいずれか1項に記載の組成物であって、下記である組成物:
(a)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも2個のグルタミル基がL型である;
(b)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がL型である;
(c)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも1個のグルタミル基がD型である;
(d)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がD型である;または
(e)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の少なくとも2個がL型であり、グルタミル基の少なくとも1個がD型である;
[11] 項目[1]~[10]のいずれか1項に記載の組成物であって、ポリグルタメートが直鎖である、組成物;
[12] 項目[1]~[10]のいずれか1項に記載の組成物であって、ポリグルタメートが分岐鎖である、組成物;
[13] 項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム組成物(Lp-αPANTIFOL);
[14] 項目[13]のLp-αPANTIFOL組成物であって、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が下記から選択される組成物:
(a)AG2034、ピリトレキシム、プララトレキサート、GW1843、葉酸代謝拮抗薬、およびLY309887;または
(b)PMX、MTX、RTXおよびLMX、またはそれらの立体異性体;
[15] 項目[13]のLp-αPANTIFOL組成物であって、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が下記から選択される組成物:LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、アミノプテリン;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;およびAG377、2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体;
[16] 項目[13]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、メトトレキセート、ラルチトレキセド、プレビトレキセド、ペメトレキセド、ロメトレキソール(LMX;5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[17] 項目[13]~[16]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[18] 項目[13]~[17]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[19] 項目[13]~[17]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[20] 項目[13]~[17]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[21] 項目[13]~[20]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ポリグルタメートが直鎖または分岐鎖である、組成物;
[22] 項目[13]~[21]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、:
(a)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)2個以上のグルタミル基が、ガンマカルボキシル基結合を有する、組成物;
[23] 項目[13]~[21]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、:
(a)C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)C末端グルタミル基(単一または複数)以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する、組成物;
[24] 項目[13]~[23]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、:
(a)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも2個のグルタミル基がL型である;
(b)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がL型である;
(c)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも1個のグルタミル基がD型である;
(d)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がD型である;または
(e)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の少なくとも2個がL型であり、グルタミル基の少なくとも1個がD型である;
[25] 項目[13]~[24]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがペグ化されている(PαLp-αPANTIFOL)、組成物;
[26] 項目[13]~[24]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがペグ化されていない、組成物;
[27] 項目[13]~[26]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが20nm~200nmの範囲の直径を有する、組成物;
[28] 項目[13]~[27]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ポリグルタメートが直鎖または分岐鎖である、組成物;
[29] 項目[13]~[28]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが少なくとも1重量%のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、またはLp-αPANTIFOLを作製する工程中に、少なくとも1%のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がLp-αPANTIFOL中に被包される(封入される)、組成物;
[30] 項目[13]~[29]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが20nm~500nmまたは20nm~200nmの範囲の直径を有する、組成物;
[31] 項目[13]~[29]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが80nm~120nmの範囲の直径を有する、組成物;
[32] 項目[13]~[31]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがリポソーム成分から形成される、組成物;
[33] 項目[32]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソーム成分が少なくとも1種のアニオン性脂質および中性脂質を含む、組成物;
[34] 項目[32]または[33]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソーム成分が、DSPE;DSPE-PEG;DSPE-PEG-マレイミド;HSPC;HSPC-PEG;コレステロール;コレステロール-PEG;およびコレステロール-マレイミドから選択される少なくとも1種を含む、組成物;
[35] 項目[32]~[34]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソーム成分が下記から選択される少なくとも1種を含む、組成物;DSPE;DSPE-PEG;DSPE-PEG-FITC;DSPE-PEG-マレイミド;コレステロール;およびHSPC;
[36] 項目[32]~[35]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、1種または複数のリポソーム成分が立体安定剤をさらに含む、組成物;
[37] 項目[36]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、立体安定剤が、ポリエチレングリコール(PEG);ポリ-L-リシン(PLL);モノシアロガングリオシド(GM1);ポリ(ビニルピロリドン)(PVP);ポリ(アクリルアミド)(PAA);ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン);ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン);ホスファチジルポリグリセロール;ポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド];両親媒性ポリ-N-ビニルピロリドン;L-アミノ酸ベースポリマー;オリゴグリセリン、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンオキシド含有コポリマー、ポロキサマー188、およびポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である、組成物;
[38] 項目[37]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、立体安定剤がPEGであり、PEGが200~5000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する、組成物;
[39] 項目[13]~[38]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがアニオン性または中性である、組成物;
[40] 項目[13]~[39]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがゼロ以下のゼータ電位を有する、組成物;
[41] 項目[13]~[39]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが0~-150mVのゼータ電位を有する、組成物;
[42] 項目[13]~[39]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが-30~-50mVのゼータ電位を有する、組成物;
[43] 項目[13]~[38]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがカチオン性である、組成物;
[44] 項目[13]~[43]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および水性の薬学的に許容可能な担体を含む内部空間を有する、組成物;
[45] 項目[44]のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が、デキストロース、マンニトール、グリセロール、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどの等張化剤を1%より大きい濃度で含む、組成物;
[46] 項目[44]のLp-αPANTIFOL組成物であって、水性の薬学的に許容可能な担体がトレハロースである、組成物;
[47] 項目[46]のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が5重量%~20重量%のトレハロースを含む、組成物;
[48] 項目[44]~[47]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が1重量%~15重量%のデキストロースを含む、組成物;
[49] 項目[44]~[48]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームの内部空間に、HEPES緩衝液中に懸濁させた5%のデキストロースを含む、組成物;
[50] 項目[44]~[49]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が、1~200mMの濃度および2~8のpHのHEPES緩衝食塩水(HBS)または類似物などの緩衝液を含む、組成物;
[51] 項目[44]~[50]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が、50mM~500mMの合計濃度の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムを含む、組成物;
[52] 項目[13]~[51]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームの内部空間が5~8のpHまたは6~7のpH、またはそれらの間の任意の範囲を有する、組成物;
[53] 項目[13]~[52]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、500,000未満または200,000未満のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む、組成物;
[54] 項目[13]~[53]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む、組成物;
[55] 項目[13]~[54]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分をさらに含み、ターゲティング部分が目的の標的細胞上の表面抗原に対し特異的親和性を有する、組成物;
[56] 項目[55]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、リポソームのPEGおよび外面の片方または両方に結合され、任意選択で、ターゲティング部分が、リポソームのPEGおよび外面の片方または両方に共有結合により結合される、組成物;
[57] 項目[55]または[56]のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分がポリペプチドである、組成物;
[58] 項目[55]~[57]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が抗体または抗体の抗原結合フラグメントである、組成物;
[59] 項目[55]~[58]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、BIACORE(登録商標)分析で測定して、0;5x10-10~10x10-6の範囲の平衡解離定数(Kd)で表面抗原に結合する、組成物;
[60] 項目[55]~[59]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および葉酸受容体デルタ(FR-δ)から選択される1つまたは複数の葉酸受容体に特異的に結合する、組成物;
[61] 項目[55]~[60]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、抗体、ヒト化抗体、抗体の抗原結合フラグメント、単鎖抗体、単一ドメイン抗体、二重特異的抗体、合成抗体、ペグ化抗体、および多量体抗体から選択される1つまたは複数を含む、組成物;
[62] 項目[55]~[61]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、各ペグ化リポソームが、1~1000または30~200個のターゲティング部分を含む、組成物;
[63] 項目[44]~[57]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤、検出可能マーカーおよびマレイミドの内の1種または複数をさらに含み、免疫刺激剤、検出可能マーカーまたはマレイミドが、リポソームの前記PEGまたは外面に結合される、組成物;
[64] 項目[63]のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤が、タンパク質免疫刺激剤、核酸免疫刺激剤、化学的免疫刺激剤、ハプテン、およびアジュバントから選択される少なくとも1種である、組成物;
[65] 項目[63]または[64]のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤が、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、DNP、ベータグルカン、ベータ-1,3-グルカン、ベータ-1,6-グルカン、レゾルビン(例えば、Dn-6DPAもしくはDn-3DPAなどのレゾルビンD、レゾルビンE、またはTシリーズレゾルビン)、および酸化型低密度リポタンパク質(例えば、OXPAC、PGPC)、およびエリトラン脂質(例えば、E5564)などのトール様受容体(TLR)調節薬から選択される少なくとも1種である、組成物;
[66] 項目[63]~[65]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤および検出可能なマーカーが同じである、組成物;
[67] 項目[63]~[66]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ハプテンをさらに含む、組成物;
[68] 項目[67]のLp-αPANTIFOL組成物であって、ハプテンがフルオレセインまたはベータ-1,6-グルカンの内の1種または複数を含む、組成物:
[69] 項目[13]~[68]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、マンニトール、トレハロース、ソルビトール、およびスクロースから選択される少なくとも1種の凍結保護物質をさらに含む、組成物;
[70] 項目[1]~[69]のいずれか1項に記載の組成物を含む標的化組成物;
[71] 項目[1]~[54]および[64]~[69]のいずれか1項に記載の組成物を含む非標的化組成物;
[72] 項目[13]~[71]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、カルボプラチンおよび/またはペムブロリズマブをさらに含む、組成物;
[73] 項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含む医薬組成物;
[74] 項目[1]~[8]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含む医薬組成物;
[75] 疾患の治療に使用するための、項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物;
[76] 疾患の治療のための薬物の製造における、項目[1]~[75]のいずれか1項に記載の組成物の使用;
[77] 治療または予防を必要としている対象の疾患を治療または予防する方法であって、項目[1]~[75]のいずれか1項に記載の組成物を対象に投与するステップを含む、方法;
[78] 治療または予防を必要としている対象の疾患を治療または予防する方法であって、項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を対象に投与するステップを含む、方法;
[79] 過剰増殖細胞を、項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物と接触させるステップを含む過剰増殖細胞を死滅させる方法;
[80] 過剰増殖細胞を、項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物と接触させるステップを含む過剰増殖細胞を死滅させる方法;
[81] 項目[79]または[80]の方法であって、過剰増殖細胞が、癌細胞、哺乳動物細胞、および/またはヒト細胞である、方法;
[82] 項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、癌の治療方法;
[83] 項目[13]~[73]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、癌の治療方法;
[84] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異常増殖症などの血液系腫瘍から選択される、方法;
[85] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、中枢神経系(CNS)リンパ腫から選択されるメンバーである、方法;
[86] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌、および膵臓癌から選択される、方法;
[87] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、骨肉腫などの肉腫である、方法;
[88] 項目[55]~[71]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物の有効量を、ターゲティング部分により結合される葉酸受容体を表面上に発現する癌細胞を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、癌の治療方法;
[89] 項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、癌療法を受けているまたは受けたことがある対象に投与するステップを含む、維持療法;
[90] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、癌療法を受けているまたは受けたことがある対象に投与するステップを含む、維持療法;
[91] 項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、免疫系の障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、免疫系の障害が、炎症(例えば、急性および慢性)、全身性炎症、関節リウマチ、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、および高安病、ならびに乾癬から選択される、免疫系の障害の治療方法;
[92] 項目[9]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、免疫系の障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、免疫系の障害が、炎症(例えば、急性および慢性)、全身性炎症、関節リウマチ、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、および高安病、ならびに乾癬から選択される、免疫系の障害の治療方法;
[93] 下記の治療方法:
(a)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、感染性疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、感染性疾患の治療方法;
(b)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、感染性疾患、心臓血管疾患、または別の疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、疾患が、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患(CVD)、冠動脈疾患、心筋梗塞、ストローク、代謝症候群、妊娠性絨毛性疾患、および子宮外妊娠から選択されるメンバーである、感染性疾患、心臓血管疾患、代謝疾患、または別の疾患の治療方法;
(c)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、自己免疫疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、自己免疫疾患の治療方法;
(d)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、関節リウマチを有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、関節リウマチの治療方法;
(e)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、炎症を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、炎症が急性、慢性、および/または全身性炎症である、炎症状態の治療方法;または
(f)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、皮膚疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、皮膚疾患が乾癬である、皮膚疾患の治療方法;
[94] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、感染性疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、感染性疾患の治療方法;
[95] アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を、葉酸受容体を表面上に発現している腫瘍に送達する方法であって、項目[1]~[74]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の治療有効量を腫瘍に送達する量で、腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法;
[96] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;溶液中で混合物をホモジナイズしてリポソームを形成するステップ;および混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを形成するステップ、を含む方法;
[97] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;および混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを形成するステップ、を含む方法;
[98] 項目[97]の方法であって、混合物を処理するステップが、溶液中で混合物をホモジナイズして、リポソームを形成するステップを含む、方法;
[99] 項目[55]~[74]のいずれか1項に記載の組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;溶液中で混合物をホモジナイズしてリポソームを形成するステップ;混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームを形成するステップ;およびリポソームの表面上にターゲティング部分を付与するステップを含み、ターゲティング部分が、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)および葉酸受容体デルタ(FR-δ)の内の少なくとも1つに対し特異的親和性を有する、方法;
[100] 項目[55]~[74]のいずれか1項に記載の組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームを形成するステップ;およびリポソームの表面上にターゲティング部分を付与するステップを含み、ターゲティング部分が、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)および葉酸受容体デルタ(FR-δ)の内の少なくとも1つに対し特異的親和性を有する、方法;
[101] 項目[100]の方法であって、処理するステップが、溶液中で混合物をホモジナイズして、リポソームを形成するステップを含む、方法;
[102] 項目[99]~[101]のいずれか1項に記載の方法であって、処理ステップが、薄膜水和、押し出し、インライン混合、エタノール注入技術、凍結融解法、逆相蒸発法、動的高圧マイクロ流動化、マイクロ流体混合、二重エマルジョン、凍結乾燥二重エマルジョン、3Dプリンティング、膜コンタクター法、および撹拌の内の1つまたは複数のステップを含む、方法;
[103] 項目[99]~[102]のいずれか1項に記載の方法であって、前記処理ステップが、押し出し、高圧マイクロ流動化、および/または超音波処理の内の1つまたは複数のステップによりリポソームのサイズを変更する1つまたは複数のステップを含む、方法;および/または
[104] 項目[96]~[103]のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1%のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料が、Lp-αPANTIFOL中に被包または封入される、方法。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物を提供し、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも1個のグルタミル残基は、そのアルファカルボキシル基により結合される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、2~20、2~15、2~10、2~5個、または5個を超えるグルタミル基(葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含む)を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、(a)AG2034、ピリトレキシム、プララトレキサート、GW1843、葉酸代謝拮抗薬、およびLY309887;または(b)PMX、MTX、RTXおよびLMX、もしくはそれらの立体異性体から選択される。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は下記から選択される:LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、アミノプテリン;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;およびAG377、2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、メトトレキセート、ラルチトレキセド、プレビトレキセド、ペメトレキセド、ロメトレキソール(LMX;5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体から選択される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、αPANTIFOLは、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOLは、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOLは、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。
【0011】
一実施形態では、αPANTIFOL組成物は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した3個のグルタミル基の鎖を含む(すなわち、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[2]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[3]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[4]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[5]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のD型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、それぞれ、1個、2個、または3個のD型のグルタミル基および3個、2個、または1個のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。
【0012】
一実施形態では、αPANTIFOL組成物は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した4個のグルタミル基の鎖を含む(すなわち、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[2]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[3]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[4]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[5]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のD型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、それぞれ、1個、2個、3個、または4個のD型のグルタミル基および4個、3個、2個、または1個のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。
【0013】
一実施形態では、αPANTIFOL組成物は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した5個のグルタミル基の鎖を含む(すなわち、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[2]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[3]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[4]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[5]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のD型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、それぞれ、1個、2個、3個、4個、または5個のD型のグルタミル基および5個、4個、3個、2個、または1個のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。
【0014】
さらなる実施形態では、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を充填した(すなわち、被包した)および/または別の方法でそれに結合したリポソームなどの送達担体を含む組成物、およびαPANTIFOL充填/結合送達担体組成物(DV-αPANTIFOL)の作製方法およびそれを用いてアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を病気の(例えば、癌性の)細胞および/または標的細胞に送達する方法を提供する。これらの組成物は、限定されないが、例えば、癌などの過剰増殖疾患、炎症および関節リウマチなどの免疫系障害、ならびにHIV、マラリアおよび住血吸虫症などの感染性疾患を含む疾患の治療を含む用途を有する。αPANTIFOL充填/結合送達担体組成物は、葉酸代謝拮抗薬をモノグルタミン酸状態で投与された葉酸代謝拮抗薬(ANTIFOL)の細胞傷害性に比べて、より高い細胞傷害性ペイロード(ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)の選択的送達を提供することにより、癌細胞への葉酸代謝拮抗薬の送達の有効性および安全性の改善をもたらす。いくつかの実施形態では、DV-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2~20、2~15、2~10、2~5個、または5個を超える、または20個を超えるグルタミル基(葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含む)を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0015】
さらなる実施形態では、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を被包した(充填した)リポソームを含む組成物(Lp-αPANTIFOL)を提供する。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2~20、2~15、2~10、2~5個、または20個を超えるグルタミル基(葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含む)を含む。いくつかの実施形態では、リポソームにより被包されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、(a)AG2034、ピリトレキシム、プララトレキサート、GW1843、葉酸代謝拮抗薬、およびLY309887;または(b)PMX、MTX、RTXおよびLMX、もしくはそれらの立体異性体から選択される。いくつかの実施形態では、リポソームにより被包されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は下記から選択される:LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、アミノプテリン;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;およびAG377、2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体。いくつかの実施形態では、リポソームにより被包されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、メトトレキセート、ラルチトレキセド、プレビトレキセド、ペメトレキセド、ロメトレキソール(LMX;5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体から選択される。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する1つまたは複数のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する2~10個またはその間の任意の範囲のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は直鎖である。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0016】
一実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した3個のグルタミル基の鎖を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む(すなわち、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[2]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[3]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[4]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[5]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は直鎖である。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0017】
一実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した4個のグルタミル基の鎖を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む(すなわち、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[2]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[3]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[4]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[5]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は直鎖である。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0018】
一実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した5個のグルタミル基の鎖を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む(すなわち、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[2]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[3]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[4]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[5]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のD型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、それぞれ、1個、2個、3個、4個、または5個のD型のグルタミル基および5個、4個、3個、2個、または1個のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は直鎖である。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0019】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物はカチオン性である。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームはカチオン性であり、20nm~500nm、20nm~200nm、30nm~175nm、または50nm~150nmの範囲、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームはカチオン性であり、組成物は、80nm~120nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、カチオン性Lp-αPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がカチオン性Lp-αPANTIFOL中に被包(封入)される。さらなる実施形態では、リポソームにより被包されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、リポソーム内のHEPES緩衝液中に存在する。
【0020】
他の実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、アニオン性または中性である。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物はカチオン性である。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームはアニオン性または中性であり、20nm~500nm、20nm~200nm、30nm~175nm、または50nm~150nmの範囲、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームはアニオン性または中性であり、組成物は、80nm~120nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームはアニオン性であり、20nm~500nm、20nm~200nm、30nm~175nm、または50nm~150nmの範囲、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームはアニオン性であり、組成物は、80nm~120nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームは中性であり、20nm~500nm、20nm~200nm、30nm~175nm、または50nm~150nmの範囲、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOLリポソームは中性であり、組成物は、80nm~120nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、アニオン性または中性Lp-αPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がアニオン性または中性Lp-αPANTIFOL中に被包(封入)される。いくつかの実施形態では、アニオン性または中性Lp-αPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性または中性Lp-αPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、アニオン性または中性Lp-αPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、リポソームにより被包されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、リポソーム内のHEPES緩衝液中に存在する。
【0021】
さらなる実施形態では、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、ペグ化されている(PLp-αPANTIFOL)。
【0022】
いくつかの実施形態では、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、標的化されていない(NTLp-αPANTIFOL)。即ち、NTLp-αPANTIFOL組成物は、目的の標的細胞の表面上に発現したエピトープ(例えば、表面抗原上のエピトープ)に対する特異的親和性を有さない。いくつかの実施形態では、NTLp-αPANTIFOL組成物はターゲティング部分を含まない。さらなる実施形態では、非標的化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、ペグ化されている(NTPLp-αPANTIFOL)。
【0023】
他の実施形態では、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、標的化されている(TLp-αPANTIFOL)。即ち、TLp-αPANTIFOL組成物は、目的の標的細胞上のエピトープ(表面抗原)に対する特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLのターゲティング部分は、共有結合を介してリポソームに結合していない。他の実施形態では、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLのターゲティング部分は、リポソームのPEGおよび外面の片方または両方に結合している。いくつかの実施形態では、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLのターゲティング部分は、共有結合を介してリポソームに結合している。TLp-αPANTIFOLおよび/またはTPLp-αPANTIFOL組成物のターゲティング部分の機能には、限定されないが、インビボまたはインビトロでリポソームを目的の標的細胞にターゲティングすること;ターゲティング部分が特異的親和性を有する表面抗原と相互作用すること;およびリポソームペイロード(αPANTIFOL)を細胞に送達すること、が挙げられる。好適なターゲティング部分は当技術分野において既知であり、限定されないが、抗体、抗原結合抗体フラグメント、足場タンパク質、ポリペプチド、およびペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はポリペプチドである。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、少なくとも3、5、10、15、20、30、40、50、または100個のアミノ酸残基を含むポリペプチドである。
【0024】
標的化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物(TLp-αPANTIFOLおよびTPLp-αPANTIFOL)は、アルファポリグルタミン酸化(例えば、テトラグルタミン酸化、ペンタグルタミン酸化およびヘキサグルタミン酸化)葉酸代謝拮抗薬を癌細胞などの標的細胞に特異的に送達することにより、葉酸代謝拮抗薬の有効性および安全性プロファイルに勝るさらなる改善を提供する。さらなる実施形態では、標的化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、ペグ化されている(TPLp-αPANTIFOL)。TLp-αPANTIFOLおよび/またはTPLp-αPANTIFOL組成物のターゲティング部分の機能には、限定されないが、インビボまたはインビトロでリポソームを目的の標的細胞にターゲティングすること;ターゲティング部分が特異的親和性を有する表面抗原と相互作用すること;およびリポソームペイロード(αPANTIFOL)を細胞に送達すること、が挙げられる。
【0025】
好適なターゲティング部分は当技術分野において既知であり、限定されないが、抗体、抗原結合抗体フラグメント、足場タンパク質、ポリペプチド、およびペプチドが挙げられる。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はポリペプチドである。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、少なくとも3、5、10、15、20、30、40、50、または100個のアミノ酸残基を含むポリペプチドである。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、抗体、ヒト化抗体、抗体の抗原結合フラグメント、単鎖抗体、単一ドメイン抗体、二重特異的抗体、合成抗体、ペグ化抗体、および多量体抗体の内の1種または複数を含む。いくつかの実施形態では、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLのターゲティング部分は、正常なまたは非腫瘍細胞に比べて、腫瘍細胞などの標的細胞上で選択的に発現されるエピトープに対し特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、腫瘍細胞上に存在するが、非腫瘍細胞上には存在しないかまたは接近し難い腫瘍細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、BIACORE(登録商標)分析で測定して、0.5x10-10~10x10-6の範囲の平衡解離定数(Kd)で目的のエピトープに結合する。
【0026】
特定の実施形態では、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLターゲティング部分は、葉酸受容体に特異的に結合するポリペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分により結合される葉酸受容体は、葉酸受容体アルファ(FR-α、FOLR1)、葉酸受容体ベータ(FR-β、FOLR2)、および葉酸受容体デルタ(FR-δ、FOLR4)から選択される1つまたは複数の葉酸受容体である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分により結合される葉酸受容体は、葉酸受容体アルファ(FR-α)である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分により結合される葉酸受容体は、葉酸受容体ベータ(FR-β)である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はFR-αおよびFR-βに特異的に結合する。
【0027】
さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、リポソームのPEGまたは外面の内の少なくとも1つに配置された、免疫刺激剤、検出可能マーカーおよびマレイミドの内の1種または複数を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)は、カチオン性である。他の実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)は、アニオン性または中性である。さらなる実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)のリポソームは、20nm~200nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物のリポソームは、80nm~120nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、ペグ化されている(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、ターゲティング部分を含む(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)。さらなる実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、ペグ化および標的化されている(例えば、TPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[2]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[3]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[4]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[5]に記載した葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。
【0028】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および1%~98.5%w/wのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み、Lp-αPANTIFOLの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がLp-αPANTIFOL中に被包(封入)される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0029】
さらなる実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物(すなわち、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%のリポソーム封入アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、1%~98.5%のリポソーム封入アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%のリポソーム封入アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む、1%~98.5%のリポソーム封入アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%のリポソーム封入アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、および少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬からなる。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および1%~98.5%w/wのアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み、Lp-αPANTIFOLの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がLp-αPANTIFOL中に被包(封入)される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬からなり、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および1%~98.5%w/wのアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み、Lp-αPANTIFOLの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がLp-αPANTIFOL中に被包(封入)される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬からなり、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および1%~98.5%w/wのアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み、Lp-αPANTIFOLの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がLp-αPANTIFOL中に被包(封入)される。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、1%~98.5%のリポソーム封入アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、1%~98.5%のリポソーム封入アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%のリポソーム封入アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、1%~98.5%のリポソーム封入アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、または75%のリポソーム封入アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0033】
αPANTIFOL被包リポソームを含むリポソーム組成物も提供される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、ペグ化αPANTIFOL組成物を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、ターゲティング部分に連結したまたは別の方法でそれに結合したαPANTIFOL組成物を含む。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、ペグ化され、ターゲティング部分に連結したまたは別の方法でそれに結合したαPANTIFOL組成物を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソーム組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、リポソームαPANTIFOL(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOLは、ペグ化されている(例えば、NTPLp-αPANTIFOL、およびTPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOLは、癌細胞などの目的の標的細胞の表面上の抗原のエピトープに対する特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、ペグ化されたリポソームαPANTIFOLを含み、癌細胞などの目的の標的細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分をさらに含む(例えば、TPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、カチオン性であるリポソームαPANTIFOLを含む。他の実施形態では、リポソーム組成物は、アニオン性または中性であるリポソームαPANTIFOLを含む。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~500nm、20nm~200nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームαPANTIFOLを含む。さらなる実施形態では、リポソームαPANTIFOLは、80nm~120nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。
【0035】
リポソームαPANTIFOLなどの送達担体を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)を含む医薬組成物も提供される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ペグ化αPANTIFOL組成物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、ターゲティング部分に連結したまたは別の方法でそれに結合したαPANTIFOL組成物を含む。さらなる実施形態では、医薬組成物は、ペグ化され、ターゲティング部分に連結したまたは別の方法でそれに結合したαPANTIFOL組成物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、医薬組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、リポソームαPANTIFOL(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、ペグ化されている(例えば、NTPLp-αPANTIFOL、およびTPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソームαPANTIFOLは、癌細胞などの目的の標的細胞の表面上の抗原のエピトープに対する特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)。さらなる実施形態では、医薬組成物は、ペグ化されたリポソームαPANTIFOL組成物を含み、癌細胞などの目的の標的細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分をさらに含む(例えば、TPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、カチオン性であるリポソームαPANTIFOLを含む。他の実施形態では、医薬組成物は、アニオン性または中性であるリポソームαPANTIFOLを含む。さらなる実施形態では、医薬組成物は、20nm~500nmまたは20nm~500nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームαPANTIFOLを含む。さらなる実施形態では、リポソームαPANTIFOL組成物は、80nm~120nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0037】
さらなる実施形態では、本開示は、細胞の活性化、ケモカイン産生、または代謝活性を調節する方法を提供し、該方法は、細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物を含む組成物と接触させるステップを含む。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は過剰増殖細胞である。さらなる実施形態では、細胞は免疫細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。他の実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0038】
さらなる実施形態では、本開示は、細胞の活性化、ケモカイン産生、または代謝活性を調節する方法を提供し、該方法は、細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物を含むリポソームと接触させるステップを含む。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は過剰増殖細胞である。さらなる実施形態では、細胞は免疫細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。他の実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションに記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0039】
さらなる実施形態では、本開示は、細胞を死滅させる方法を提供し、該方法は、細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物を含む組成物と接触させるステップを含む。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は過剰増殖細胞である。さらなる実施形態では、過剰増殖細胞は、癌細胞である。さらなる実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異形成症または悪液質などの血液系腫瘍から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、癌細胞は、一次細胞、または乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)リンパ腫から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。他の実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0040】
さらなる実施形態では、本開示は、細胞を死滅させる方法を提供し、該方法は、細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)を含むリポソームと接触させるステップを含む。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は過剰増殖細胞である。さらなる実施形態では、接触させる過剰増殖細胞は、癌細胞である。さらなる実施形態では、癌細胞は、一次細胞、または、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異形成症または悪液質などの血液系腫瘍から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、細胞は、一次細胞、または乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、中枢神経系(CNS)リンパ腫から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。他の実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0041】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む送達担体(例えば、抗体免疫複合体またはリポソーム)の有効量を癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体含有免疫複合体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFvを含む)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、投与される送達担体は、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、下記から選択される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P-カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、EGFR、IGFR-1、EGFRvIII、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD105、CD133、CD138、cripto、CD38、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CD98、CD56、CanAg、およびCALLA。いくつかの実施形態では、送達担体は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ネオ抗原などの対象の特定の腫瘍に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的に結合する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、癌は、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異形成症または悪液質などの血液系腫瘍から選択される。いくつかの実施形態では、癌細胞は、一次細胞、または乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、中枢神経系(CNS)癌から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。
【0042】
いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、結腸直腸癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、卵巣癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、子宮内膜癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、膵臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肝臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、頭頸部癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、骨肉腫から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0043】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)の有効量を癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、リポソームは、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P-カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、EGFR、IGFR-1、EGFRvIII、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD105、CD133、CD138、cripto、CD38、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CD98、CD56、CanAg、およびCALLA。これには、CD34、CD133およびCD44、CD138、およびCD15を標的とするものなどの癌幹細胞ターゲティング部分の使用も含まれる。いくつかの実施形態では、リポソームは、ネオ抗原などの特定の対象の腫瘍に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5個、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、および血液系腫瘍(例えば、白血病またはリンパ腫)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。
【0044】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および癌表面の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームを含むリポソーム組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P-カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、EGFR、IGFR-1、EGFRvIII、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD105、CD133、CD138、cripto、CD38、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CD98、CD56、CanAg、およびCALLA。いくつかの実施形態では、投与されるリポソームは、ネオ抗原などの特定の対象の腫瘍に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化されていないリポソームを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫およびその他の形質細胞異形成症または悪液質、ならびに白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は結腸直腸癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は卵巣癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は子宮内膜癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は膵臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肝臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は頭頸部癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は骨肉腫を治療するために投与される。
【0045】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、有効量のリポソーム組成物を、その細胞表面上に葉酸受容体を発現する癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、リポソーム組成物は、(a)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)および(b)葉酸受容体に対し特異的結合親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および/または葉酸受容体デルタ(FR-δ)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)および葉酸受容体ベータ(FR-β)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化されていないリポソームを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異形成症または悪液質などの血液系腫瘍から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は結腸直腸癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は卵巣癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は子宮内膜癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は膵臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肝臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は頭頸部癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は骨肉腫を治療するために投与される。
【0046】
さらなる実施形態では、本開示は、癌の維持療法のための方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(Lp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を癌療法を受けているまたは受けたことがある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、標的化リポソーム(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化され、ターゲティング部分を含むリポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0047】
さらなる実施形態では、本開示は、免疫系の障害を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を免疫系の障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は自己免疫疾患を治療するために投与される。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は関節リウマチを治療するために投与される。別の実施形態では、リポソーム組成物は炎症を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、免疫系の障害は、炎症(例えば、急性および慢性)、全身性炎症、関節リウマチ、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、高安病、および乾癬から選択される。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、目的の標的細胞(例えば、免疫細胞)上の表面抗原に対して特異的親和性を有するターゲティング部分を含む標的化リポソーム(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含む。さらなる実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化され、ターゲティング部分を含むリポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0048】
さらなる実施形態では、本開示は、自己免疫疾患を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を自己免疫疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患害は、関節リウマチである。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、全身性エリテマトーデス、および乾癬から選択される。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患は、下記から選択される疾患または障害である:アジソン病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、糖尿病(I型)、栄養障害型表皮水疱症、精巣上体炎、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、乾癬、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、脊椎関節症、甲状腺炎、血管炎、白斑症、粘液水腫、悪性貧血、および潰瘍性大腸炎。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、目的の標的細胞(例えば、免疫細胞)上の表面抗原に対して特異的親和性を有するターゲティング部分を含む標的化リポソーム(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含む。さらなる実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化され、ターゲティング部分を含むリポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0049】
さらなる実施形態では、本開示は、炎症性疾患を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を炎症性疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は、急性炎症、慢性炎症、全身性炎症、関節リウマチ、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、皮膚筋炎/多発性筋炎、および全身性エリテマトーデスから選択される疾患である。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は、リウマチ様疾患またはその他の関節炎疾患(例えば、急性関節炎、急性痛風関節炎、細菌性関節炎、慢性炎症性関節炎、変形性関節症(変形性関節症)、感染性関節炎、若年性関節炎、真菌性関節炎、神経障害性関節炎、多発性関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、性病性関節炎、ウイルス性関節炎)、結合織炎、骨盤内炎症性疾患、アクネ、乾癬、放線菌症、赤痢、胆汁性肝硬変、ライム病、あせも、スティーブンス・ジョンソン症候群、おたふくかぜ、尋常性天疱瘡、およびブラストミセス症から選択される疾患である。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は、炎症性腸疾患である。炎症性腸疾患は、限定されないが、クローン病、潰瘍性大腸炎、および分類不能大腸炎を含む消化管の慢性炎症性疾患である。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、目的の標的細胞(例えば、免疫細胞)上の表面抗原に対して特異的親和性を有するターゲティング部分を含む標的化リポソーム(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含む。さらなる実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化され、ターゲティング部分を含むリポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0050】
本開示はまた、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を対象の炎症部位へ送達する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(L-αPANTIFOL)および炎症の部位にある、または別の方法で炎症に影響を与える(例えば、炎症促進性サイトカイン産生を介して影響を与える)細胞の表面抗原上のエピトープに対し特異的結合親和性を有するターゲティング部分を含む組成物を、炎症を有する対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、投与されるターゲティング部分は、送達担体に結合されている。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体または抗体の抗原結合フラグメントである。さらなる実施形態では、送達担体はリポソームである。さらなる実施形態では、抗体、抗原結合抗体フラグメント、またはリポソームは、ペグ化リポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0051】
本開示はまた、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を腫瘍・癌細胞に送達する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(L-αPANTIFOL)および腫瘍細胞または癌細胞の表面抗原上のエピトープに対して特異的結合親和性を有するターゲティング部分を含む組成物を、腫瘍を有する対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、投与されるターゲティング部分は、送達担体に結合されている。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体または抗体の抗原結合フラグメントである。さらなる実施形態では、送達担体はリポソームである。さらなる実施形態では、抗体、抗原結合抗体フラグメント、またはリポソームは、ペグ化リポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0052】
さらなる実施形態では、本開示は、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物を含むリポソーム組成物を作製する方法を提供し、該方法は、溶液中でリポソーム成分およびαポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;溶液中で混合物をホモジナイズしてリポソームを形成するステップ;および混合物を処理して、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを形成するステップ、を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションの項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、発明の概要のセクションに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明の概要のセクションの項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。
【0053】
一実施形態では、本開示は、葉酸代謝拮抗薬アルファポリグルタメート組成物および/またはαPANTIFOLおよびαPANTIFOL免疫複合体(例えば、本明細書に記載のADC)を含むリポソームなどのαPANTIFOL送達担体を含むキットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1-1】
図1A~1Rは、葉酸代謝拮抗薬ペメトレキセド(
図1A)、代表的アルファペメトレキセドポリグルタメートの、アルファペメトレキセドジグルタメート(
図1B)、アルファペメトレキセドトリグルタメート(
図1Cおよび1D)、アルファペメトレキセドテトラグルタメート(
図1Eおよび1F)、アルファペメトレキセドペンタグルタメート(
図1Gおよび1H)、アルファペメトレキセドヘキサグルタメート(
図1Iおよび1J)、アルファペメトレキセドヘプタグルタメート(
図1Kおよび1L)、およびアルファペメトレキセドオクタグルタメート(
図1Mおよび1N)の化学式を示す。
図1O~1Rは、ガンマグルタミル骨格およびアルファグルタミル分岐部を有する分岐ポリグルタメート(
図1P)およびアルファグルタミル骨格およびガンマグルタミル分岐部を有する分岐ポリグルタメート(
図1Qおよび1R)を含む代表的分岐アルファペメトレキセドポリグルタメートの構造を示す。
【
図2】
図2は、癌細胞株SW620(CRC)、HT-29(結腸癌)、HCC1806(トリプルネガティブ乳癌)、OAW28(卵巣癌)、H292(NSCLC、腺癌サブタイプ)、およびH2342(NSCLC、腺癌サブタイプ)への48時間にわたる暴露後の、ペメトレキセドと比較した、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)およびその鏡像体のリポソームアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)の相対効力を示す。
【
図3】
図3は、NCI H2342非小細胞肺癌(NSCLC)、腺癌サブタイプ中での、遊離ペメトレキセドL-ガンマヘキサグルタメート(gG6)、リポソームペメトレキセドL-ガンマヘキサグルタメート(リポソームgG6)、ペメトレキセド、および葉酸受容体アルファ標的化抗体(FR1Ab)リポソームペメトレキセドL-ガンマヘキサグルタメート(リポソームgG6-FR1Ab)の、48時間治療後の生存細胞のパーセンテージとして表した用量反応関係の一例を示す。アルファポリグルタミン酸化ペメトレキセドを含む葉酸受容体アルファ標的化リポソームは、NCI H2342非小細胞肺癌細胞の標的化、および生存率の低減に成功することが予測される。
【
図4】
図4は、HT-29(結腸癌)中での、遊離ペメトレキセドL-ガンマヘキサグルタメート(gG6)、リポソームペメトレキセドL-ガンマヘキサグルタメート(リポソームgG6)、ペメトレキセド、および葉酸受容体アルファ標的化抗体(FR1Ab)リポソームペメトレキセドL-ガンマヘキサグルタメート(リポソームgG6-FR1Ab)の48時間での用量反応関係の一例を示す。アルファポリグルタミン酸化ペメトレキセドを含む葉酸受容体アルファ標的化リポソームもまた、HT-29(結腸癌)細胞の標的化、および生存率の低減に成功することが予測される。
【
図5】
図5は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(Lps Hexa aG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(Lps Hexa aDG6)、およびペメトレキセドの48時間暴露後のHCC1806トリプルネガティブ乳癌細胞に対する治療効果を示す。
【
図6】
図6は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(Lps Hexa aG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(Lps Hexa aDG6)、およびペメトレキセドの48時間暴露後のOAW28卵巣癌細胞に対する治療効果を示す。
【
図7】
図7は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(Lps Hexa aG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(Lps Hexa aDG6)の48時間にわたる暴露後のH292非小細胞肺癌細胞に対する治療効果を、ペメトレキセドと比較して示す。
【
図8】
図8は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)、およびペメトレキセドの16~128nMの範囲の種々の投与レベルの48時間にわたる暴露後のH292非小細胞肺癌細胞に対する治療効果を示す。それぞれの試験した投与量範囲で、リポソームペメトレキセドaG6製剤は、ペメトレキセドに比較して、H292非小細胞肺癌細胞の抑制に優れている。
【
図9】
図9は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)、およびペメトレキセドの16~128nMの範囲の種々の投与レベルの48時間にわたる暴露後のHCC1806トリプルネガティブ乳癌細胞に対する治療効果を示す。それぞれの試験した投与量範囲で、リポソームペメトレキセドaG6製剤は、HCC1806トリプルネガティブ乳癌細胞の抑制に関し、ペメトレキセドより優れている。
【
図10】
図10は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)、およびペメトレキセドの一連の濃度での48時間にわたる暴露後のOAW28卵巣癌細胞に対する治療効果を示す。128nMの投与量で、ペメトレキセドは、リポソームペメトレキセドaG6リポソーム製剤より効果的であるように見えるが、32nMおよび64nMの投与量では、リポソーム製剤はペメトレキセドより優れた治療効果を有し、16nMでは、リポソームペメトレキセドaG6の治療効果は、ペメトレキセドと類似である。
【
図11】
図11は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)、およびペメトレキセドの、64nM、128nM、および264nMの分化しているヒト好中球に対する毒性を示す。図は、リポソームペメトレキセドaG6が分化しているヒト好中球に対し、ペメトレキセドより優位に少ない毒性であることを示す。
【
図12】
図12は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)、およびペメトレキセドの対応する薬剤の16~128nMの範囲の種々の投与レベルの48時間にわたる暴露後の好中球(CD34+細胞から分化)に対する効果を示す。
【
図13】
図13は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)、およびペメトレキセドの16nM、32nM、および64nM、および128nMの対応する薬剤への48時間にわたる暴露後のAML12肝臓細胞に対する効果を示す。際立っていることは、試験した投与レベルのいずれのリポソーム薬剤でもリポソームペメトレキセドaG6での治療後、これらは、AML12肝臓細胞に対し何ら毒性があるようには見えないことである。対照的に、ペメトレキセド治療は、調査した全ての投与量で約40%のAML12肝臓細胞数の低減を生じる。
【
図14】
図14は、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Dヘキサグルタメート(リポソームaDG6)、およびペメトレキセドの16nM、32nM、および64nM、および128nMの対応する薬剤への48時間にわたる暴露後のCCD841結腸上皮細胞に対する効果を示す。試験した全ての濃度で、試験したそれぞれのリポソーム組成物で治療した後のCCD841結腸上皮細胞数の約20%以下の減少に比べて、ペメトレキセドは、約50%以上の細胞数の減少をもたらす。
【
図15】
図15は、ポリグルタメート葉酸代謝拮抗薬、シスプラチン(CDDP)および2つの可能なaG6-シスプラチン複合体の構造を示す。ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のカルボキシル基と、シスプラチンとの間の鎖間および/または鎖内配位のpH依存性形成は、酸性のpHのリソソーム(pH4~5)に遭遇時および細胞内の塩化物イオンの存在時には、aG6とシスプラチンの個別の分子に分解する可能性がある。
【
図16】
図16は、血液学的パラメーター:白血球(WBC)数、好中球数および血小板数に対する、40mg/kgおよび80mg/kgの週1回の4週間投与によるマウスのリポソームaG6治療の効果を示す。平均好中球、平均白血球または平均血小板数に明らかな減少は観察されなかった。
【
図17】
図17は、ヘモグロビンおよび網赤血球数指数に対する、40mg/kgおよび80mg/kgの週1回の4週間投与によるマウスのリポソームaG6治療の効果を示す。より高い投与レベルで平均ヘモグロビン濃度の最小限の減少がある。同時に、平均網赤血球数指数のわずかな増加がある。
【
図18】
図18は、血清アルブミンに加えて、血清アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)および血清アラニンアミノ基転移酵素(ALT)を含む肝臓マーカーに対する、40mg/kgおよび80mg/kgの週1回の4週間投与によるマウスのリポソームaG6治療の効果を示す。肝臓アミノ基転移酵素平均ASTまたは平均ALTレベルに明らかな増加は認められず、さらに、平均アルブミンレベルの変化は観察されなかった。
【
図19】
図19は、NCI-H292(非小細胞肺癌)細胞を接種し、対照、ペメトレキセド、およびリポソームaG6の167mg/kgを3週毎に1回静脈内投与された、免疫不全の雌Nu/Jマウス(6~8週齢)の相対的腫瘍体積を示す。これらの予備的データからわかるように、リポソームaG6は、ペメトレキセドに比べて低減した腫瘍制御をもたらす。
【
図20】
図20は、NSCLC(H292)異種移植片モデル化するにおけるリポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)治療生存試験の結果を示す。90mg/kgリポソームaG6の週1回を4週間にわたり静脈内に投与(90mg/kgを毎週6週間にわたり皮下に投与)したマウス(10)の生存曲線は、中実丸で示される。ペメトレキセドを(167mg/kgを3週毎6週間にわたり静脈内)投与したマウス(10)の生存曲線は、中実三角で示される。マウスへの167mg/kgのペメトレキセドの投与は、ヒトでの500mg/m
2の投与と同等である。対照マウス(10)の生存曲線は、中空ダイアモンドで示されている。
【
図21】
図21A~Fは、H2342(NSCLC、腺癌サブタイプ)(
図21A)、H292(NSCLC、腺癌サブタイプ)(
図21B)、HT-29(結腸癌)(
図21C)、HCC1806(トリプルネガティブ乳癌)(
図21D)、MCF7(ER+乳癌)(
図21E)、およびOAW28(卵巣癌)(
図21F)に対する48時間にわたる、リポソームペメトレキセドアルファ-Lトリグルタメート(リポソームaG3)、リポソームペメトレキセドアルファ-Lペンタグルタメート(リポソームaG5)、リポソームペメトレキセドアルファ-Lオクタグルタメート(リポソームaG7)、およびリポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(aG6)とアルファ-Lドデカグルタメート(aG12)の組み合わせ(リポソームaG6とaG12)の用量反応関係を示す。細胞生存率は、基本的に実施例1に記載のようにして、CellTiter-Glo(登録商標)(CTG)発光細胞生存率アッセイにより測定した。全ての細胞株で示すように、それぞれのポリグルタミン酸化ペメトレキセドリポソーム組成物の効力は、リポソーム担体および空のリポソーム対照の効力を十分に超えていた。
【発明を実施するための形態】
【0055】
一般に、本開示は、新規アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物に関する。組成物は、癌などの過剰増殖疾患の既往治療に対して進歩をもたらす。アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の製造、送達および使用方法も提供される。アルファポリグルタミン酸化組成物は、限定されないが、癌などの過剰増殖疾患、炎症を含む免疫系の障害および関節リウマチなどの自己免疫疾患、ならびにHIV、マラリアおよび住血吸虫症などの感染性疾患の治療または予防を含む用途を有する。
【0056】
I.定義
特段の記載がない限り、本明細書で用いられる全ての技術および科学用語は、本開示が属する当業者により一般的に解釈されるのと同じ意味を有する。
【0057】
実施形態が用語の「含む(comprising)」と共に本明細書で記載される場合は常に、「を含む(containing)」、「からなる(consisting of)」および/または「から基本的になる(consisting essentially of)」の用語で記載される別の類似の実施形態も同様に提供される。しかし、特許請求の範囲で移行句として使用される場合は、それぞれが別々におよび適切な法的文脈および事実の文脈で解釈されるべきである(例えば、特許請求の範囲中で、移行句「含む(comprising)」は、より開放型の語句であると見なされ、「からなる(consisting of)」はより排他的であると見なされ、「から基本的になる(consisting essentially of)」はこれらの中間的であると見なされる)。
【0058】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、特に明記しない限り、または文脈より複数の参照物が意図されないことが明確に明らかでない限り、複数の参照物を含む。
【0059】
「Aおよび/またはB」などの表現で使用される用語の「および/または」は本明細書では、AとBの両方;AまたはB;A(単独);およびB(単独)を含むことが意図されている。同様に、「A、Bおよび/またはC」などの表現で使用される用語の「および/または」はそれぞれ次の実施形態を包含する:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
【0060】
見出しおよび小見出しは、便宜上使用される、および/または公式の規則遵守のためのみで使用され、対象技術を限定するのもではなく、対象技術の記述の解釈に関連して言及されるものではない。対象開示の1つの見出しまたは1つの小見出しの下で記述される特徴は、種々の実施形態で、他の見出しまたは小見出しの下で記述の特徴と組み合わせ得る。さらに、単一の見出しまたは単一の小見出しの下での全ての特徴がいくつかの実施形態中で必ずしも一緒に使用されるわけではない。
【0061】
特に指示がない限り、用語の「葉酸代謝拮抗薬」および「ANTIFOL」は、同じ意味で用いられ、葉酸代謝拮抗薬の塩、酸および/または遊離塩基型(例えば、葉酸代謝拮抗薬二ナトリウム)を含む。ANTIFOL塩を含む組成物は、さらに種々のカチオン、例えば、Na+、Mg2+、K+、NH4+、および/またはCa2+のいずれかを含み得る。特定の実施形態では、典型的には、塩は薬学的に許容可能な塩である。さらなる特定の実施形態では、葉酸代謝拮抗薬塩はNa+を含む。葉酸代謝拮抗薬は通常、1つのL-ガンマグルタミル基を含み、したがって、本開示の目的のためには、モノグルタミン酸化されていると見なされる。
【0062】
本発明の化合物は、立体異性体の混合物として存在できるが、それらは、1つの光学的に活性な異性体型として分割されるのが好ましい。このような要件は、化合物の合成を複雑化し、したがって、それらは、所望活性の達成と適合することが可能な限り少ない不斉炭素原子を含むのが好ましい。
【0063】
しかし、以前に示したように、本発明のシクロペンタ[g]キナゾリンは、少なくとも3つの不斉炭素原子を含む。これらの中で、環系の6つの位置の不斉炭素原子が、6R配向ではなく、6S配向を有するのが好ましい。本明細書で上記の好ましい化合物(I)は、したがって、好ましいのは、不斉炭素原子の位置でこのような配置を有するものであり、好ましさが幾分劣るのは、これらの不斉炭素原子の片方または両方が分割されていない混合物である。
【0064】
葉酸代謝拮抗薬は、任意の既知のもの、または将来誘導される葉酸またはポリグルタミン酸化されている葉酸代謝拮抗薬であり得る。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、アミノプテリン;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;およびAG377、2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体から選択される。
【0065】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は下記から選択されるメンバーである:アミノプテリン、メトトレキセート、ラルチトレキセド(TOMUDEX、ZD1694(RTX)とも呼ばれる)、プレビトレキセド(BGC9331;ZD9331とも呼ばれる)、ペメトレキセド(ALIMTA、LY231514とも呼ばれる)、ロメトレキソール(LMX)(5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945(BGC945とも呼ばれる)、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638(BGC638とも呼ばれる)、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体。
【0066】
用語の「ポリグルタメート」、「ポリグルタミン酸化」、またはその変化形は、2個以上の結合グルタミル基の少なくとも1つの鎖を含む組成物を意味する。ポリグルタメート鎖は、直鎖または分岐鎖であり得る。直鎖ポリグルタメート鎖は、例えば、アルファカルボキシル基またはガンマカルボキシル基結合を含むグルタミル基を含み得る。分岐ポリグルタメート鎖は、例えば、他のグルタミル基に対するアルファカルボキシル基およびガンマカルボキシル基結合の両方を含む1つまたは複数のグルタミル基を含み、それにより、ポリグルタメートの分岐点を与えることができる。代表的分岐ポリグルタメートは、
図1O~1Rに示される。ポリグルタメート鎖は、N末端グルタミル基および1つまたは複数のC末端グルタミル基を含む。ポリグルタメート鎖のN末端グルタミル基は、そのアミノ基を介して別のグルタミル基に結合しないが、そのカルボン酸基を介して1つまたは複数のグルタミル基に結合する。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のN末端グルタミル基は、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基である。ポリグルタメート鎖のC末端グルタミル基(単一または複数)は、それらのアミノ基を介して別のグルタミル基に結合するが、それらのカルボン酸基を介して別のグルタミル基に結合しない。
【0067】
用語の「ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬」、「ポリグルタミン酸化ANTIFOL」、「ANTIFOL-PG」、「PANTIFOL」は、本明細書では同じ意味で用いられ、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に加えて、少なくとも1個のグルタミル基を含む葉酸代謝拮抗薬組成物(すなわち、ANTIFOL-PGn、n≧1)を意味する。αPANTIFOL(ANTIFOL-PG)中のグルタミル基の数への言及は、本明細書では、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基を勘定にいれる。例えば、ANTIFOLのグルタミル基に加えて、5個のグルタミル残基を含むANTIFOL-PG組成物は、本明細書では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬または葉酸代謝拮抗薬ヘキサグルタメートと呼ばれる。
【0068】
用語の「アルファグルタミル基」、「アルファグルタメート」、および「アルファ結合」は、これらがグルタミル基の結合に関する場合、アルファカルボキシル基結合を含むグルタミル基を意味する。いくつかの実施形態では、アルファ結合は、1個のグルタミル基のアルファカルボキシル基と第2のグルタミル基との間のアミド結合である。アルファ結合は、グルタミル基と葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基との間の、またはグルタミル基と葉酸代謝拮抗薬中に存在するものではなく、葉酸代謝拮抗薬に結合したポリグルタメート鎖内のグルタミル基などの第2のグルタミル基との間の結合であり得る。
【0069】
用語の「ガンマグルタミル基」、「ガンマグルタメート」、および「ガンマ結合」は、これらがグルタミル基の結合に関する場合、ガンマカルボキシル基結合を含むグルタミル基を意味する。本明細書で考察されているように、葉酸代謝拮抗薬が細胞に入ると、それは、酵素ホリルポリガンマグルタミン酸合成酵素(FPGS)によりポリグルタミン酸化され、FPGSは、葉酸代謝拮抗薬内のグルタミル基にLグルタミル基を順次付加する。従って、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、葉酸代謝拮抗薬療法中に細胞内で形成されるものではない。いくつかの実施形態では、ガンマ結合は、1個のグルタミル基のガンマカルボキシル基と第2のグルタミル基との間のアミド結合である。ガンマ結合は、グルタミル基と葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基との間の、またはグルタミル基と葉酸代謝拮抗薬中には存在するものではなく、葉酸代謝拮抗薬に結合したポリグルタメート鎖内のグルタミル基などの第2のグルタミル基との間の結合であり得る。いくつかの実施形態では、ガンマ結合は、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基のアミド結合を意味する。ガンマ結合への言及は、特に明記しない限り、または文脈より意図されないことが明確に明らかでない限り、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基のガンマ結合を含む。
【0070】
特に指示がない限り、用語の「アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬」、「αPANTIFOL」、「アルファANTIFOL-PG」、およびそれらの反復は、本明細書では同じ意味で用いられ、アルファ結合を含む少なくとも1個のグルタミル基を含むポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を意味する。例えば、3番目のグルタミル基がアルファ結合を有するが、他のそれぞれのグルタミル基はガンマ結合を有するペンタグルタミン酸化ANTIFOL組成物は、本開示においては、アルファANTIFOL-PGと見なされる。いくつかの実施形態では、ANTIFOLのグルタミル基以外のANTIFOL-PGのそれぞれのグルタミル基はアルファ結合を有する(例えば、n=5で、G1、G2、G3、G4、およびG5のそれぞれがアルファ結合を有する場合のANTIFOL-PGn)。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のANTIFOL-PGのそれぞれのグルタミル基はアルファ結合を有する(例えば、n=5で、G1、G2、G3、およびG4のそれぞれがアルファ結合を有する場合のANTIFOL-PGn)。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外のPMX-PGのそれぞれのグルタミル基はアルファ結合を有する(例えば、n=5で、葉酸代謝拮抗薬およびG1、G2、G3、およびG4のそれぞれのグルタミル基がアルファ結合を有する場合のANTIFOL-PGn)。
【0071】
本明細書で使用される場合、「単離された」という用語は、天然で認められない形態の組成物を意味する。単離アルファポリグルタミン酸化組成物は、それらがもはや天然で見出される形態ではなくなる程度に精製されているものを含む。いくつかの実施形態では、単離されているアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は実質的に純粋である。単離組成物は、潜在的に天然でまたはそれらが作製される環境(例えば、細胞培養)中で認められ得るタンパク質および核酸などのその他の細胞成分などの天然で組み込まれている物質を不含であるかまたは実質的に不含である。アルファポリグルタミン酸化組成物は、希釈剤またはアジュバントとともに配合され、さらに実用的な目的のために単離され得る-例えば、診断薬または療法に使用される場合、アルファポリグルタミン酸化組成物は通常、薬学的に許容可能な担体または希釈剤と混合される。いくつかの実施形態では、単離アルファポリグルタミン酸化組成物(例えば、アルファポリグルタメートおよびアルファポリグルタメートを含むリポソームなどの送達担体は、1%未満または0.1%未満の望ましくないDNAまたはタンパク質含有物を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタメート組成物(例えば、アルファポリグルタメートおよびアルファポリグルタメートを含むリポソームなどの送達担体)は「単離されている」。
【0072】
本明細書で使用される場合、用語の「ターゲティング部分」は、選択目標、例えば、細胞、細胞型、組織、臓器、身体の領域、または区画、例えば、細胞、組織または臓器の区画に対する高められた親和性を与える分子を意味する。ターゲティング部分は、多種多様の実体を含み得る。ターゲティング部分には、天然の分子、または組換え、もしくは合成分子が含まれる。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、抗体抗原結合抗体フラグメント、二重特異性抗体またはその他の抗体ベース分子または化合物である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はアプタマー、アビマー、受容体結合リガンド、核酸、ビオチン-アビジン結合対、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、毒素、微生物の成分、ホルモン、受容体リガンドまたはこれらの任意の誘導体である。その他のターゲティング部分は当技術分野において既知であり、本開示により包含される。
【0073】
用語の「特異的親和性」または「特異的に結合する」は、抗体または抗原結合抗体フラグメントなどのターゲティング部分が、エピトープ、タンパク質、または標的分子に対して、標的エピトープに無関係のタンパク質を含む別の物質に対する場合より高頻度に、より急速に、より長期間、より大きな親和性で、またはこれらのいくつかの組み合わせで、エピトープ、タンパク質、または標的分子に対して反応するまたは結合することを意味する。異なる種中の相同タンパク質間の配列同一性のために、特定の親和性は、いくつかの実施形態では、2つ以上の種中のタンパク質または標的を認識する結合物質を含む。同様に、異なるタンパク質のポリペプチド配列の特定の領域内の相同性のために、用語の「特異的親和性」または「特異的結合」は、2つ以上のタンパク質または標的を認識する結合物質を含み得る。特定の実施形態では、第1の標的に特異的に結合するターゲティング部分は、第2の標的に特異的に結合しても、またはしなくてもよいと理解される。従って、「特異的親和性」は、排他的な結合、例えば、ただ1つの標的に対する結合を必要とするとは限らない(含むことはできるが)。従って、ターゲティング部分は、特定の実施形態では、2つ以上の標的に特異的に結合し得る。特定の実施形態では、複数標的が、同じターゲティング部分により結合され得る。
【0074】
用語の「エピトープ」は、抗体などのターゲティング部分(すなわち、結合部分)により認識され、特異的に結合され得る抗原の一部を意味する。抗原がポリペプチドの場合、エピトープは、タンパク質の3次フォールディングにより併置された、連続アミノ酸および不連続アミノ酸の両方から形成され得る。連続アミノ酸から形成されるエピトープは通常、タンパク質変性時に保持されるが、3次フォールディングにより形成されるエピトープは通常、タンパク質変性時に失われる。エピトープは通常、特有の空間高次構造中に、少なくとも3個のアミノ酸、より一般的には少なくとも5個または8~10個のアミノ酸を含む。
【0075】
当該技術分野において既知の「標的に対する結合親和性」、「標的に対する結合」のような表現、および類似の表現は、親和定数、例えば、所与の抗原濃度で結合するおよび解離するターゲティング部分の量を決定することにより直接測定され得るターゲティング部分の特性を意味する。限定されないが、競合分析、平衡分析およびマイクロ熱量分析、および表面プラズモン共鳴相互作用に基づくリアルタイム相互作用分析(例えば、BIACORE(登録商標)装置を用いて)などの別の方法を使用して分子間相互作用を特徴付けることができる。これらの方法は、当業者によく知られており、は、例えばNeri et al.,Tibtech 14:465-470(1996),およびJansson et al.,J.Biol.Chem.272:8189-8197(1997)に記載されている。
【0076】
用語の「送達担体」は通常、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の細胞中への侵入を支援、促進または容易にする作用をする任意の組成物を意味する。このような送達担体は当技術分野において既知であり、限定されないが、リポソーム、リポスフェア、ポリマー(例えば、ポリマー複合体)、ペプチド、抗体などのタンパク質(例えば、抗体薬物複合体(ADC)などの免疫複合体および抗原結合抗体フラグメントおよびその誘導体)、細胞成分、環状オリゴ糖(例えば、シクロデキストリン)、ミセル、微粒子(例えば、マイクロスフェア)、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子、生分解性ナノ粒子、およびコアシェルナノ粒子)、ヒドロゲル、リポタンパク質粒子、ウイルス配列、ウイルス物質、または脂質またはリポソーム製剤、およびこれらの組み合わせが挙げられる。送達担体は、ターゲティング部分に直接または間接的に結合できる。いくつかの実施例では、ターゲティング部分は、高分子、タンパク質、ペプチド、モノクローナル抗体または脂肪酸脂質から選択される。
【0077】
「対象」は、ヒトまたは限定されないが、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギおよび霊長類、例えば、サルを含む脊椎哺乳動物を意味する。従って、本発明はまた、非ヒト対象の疾患または状態を治療するために使用できる。例えば、癌は、伴侶動物(すなわち、ネコおよびイヌ)における死亡の主要な原因の1つである。本発明のいくつかの実施形態では、対象はヒトである。本開示では、用語の「対象」および「患者」は互換的に使用され、同じ意味を有する。一般に、最大用量、すなわち、健全な医学的判断に従って最大安全用量が使用されるのが好ましい。
【0078】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、医学的に目的の結果をもたらすのに十分な薬剤の投与量を意味する。有効量は、所望の転帰、治療または予防される特定の状態、治療される対象の年齢および健康状態、状態の重症度、治療期間、同時または併用療法(もしあれば)の性質、具体的投与経路および健康開業医の知識と専門的意見の範囲内の類似の因子により変わり得る。「有効量」は、示した目的に関連して実験的に、定型業務により決定できる。癌の場合、有効量の薬剤は、癌細胞の数を減少させ;腫瘍の大きさを減少させ;癌細胞の周辺器官への浸潤を阻害し(すなわち、ある程度に遅くし、好ましくは止める);腫瘍の転移を阻害し(すなわち、ある程度に遅くし、好ましくは止める);腫瘍の成長をある程度阻害し;および/または障害に関連する症状の1つまたは複数をある程度緩和し得る。薬物が、既存の癌細胞の増殖を防止および/または死滅させ得る程度に応じて、薬物は、細胞増殖抑制性および/または細胞傷害性であり得る。癌療法に対し、インビボ有効性は、例えば、生存期間、無進行生存(PFS)期間、応答率(RR)、反応期間、および/または生活の質を評価することにより測定できる。
【0079】
用語の「過剰増殖性障害」、「増殖性疾患」、および「増殖性障害」は、本明細書では同じ意味で用いられ、インビトロまたはインビボに関係なく、腫瘍性または過形成性増殖などの望ましくない過剰のまたは異常な細胞の望ましくないまたは無制御の細胞増殖に関する。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、癌、腫瘍および/または腫瘍転移の位置に関係なく、癌または腫瘍疾患(良性または癌性を含む)および/または任意の腫瘍転移である。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、良性のまたは悪性腫瘍である。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、非癌性疾患である。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、過形成、線維症(特に、肺性であるが、腎線維症などの他の型の線維症も)、血管新生、乾癬、アテローム性動脈硬化症および血管形成後の狭窄または再狭窄などの血管中の平滑筋増殖などの過剰増殖状態である。
【0080】
「癌」、「腫瘍」、または「悪性腫瘍」は、同義の用語として使用され、細胞の無制御な、異常増殖、感染細胞の局所的または血流およびリンパ系を介した身体のその他の部分への拡散(転移)ならびに多数の特徴的構造および/または分子的特色を特徴とする多くの疾患のいずれかを意味する。本明細書で使用される場合、「腫瘍」は、悪性または良性に関係なく、全ての新生細胞成長および増殖、ならびに全ての前癌および癌細胞および組織を意味する。「癌性腫瘍」、または「悪性細胞」は、特異的構造特性を有し、分化を欠き、浸潤および転移できる細胞と理解される。本明細書で提供されるαPANTIFOL組成物を用いて治療できる癌には、限定されないが、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異形成症または悪液質などの血液系腫瘍が挙げられる。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。αPANTIFOL組成物を用いて治療され得る他の型の癌および腫瘍は、本明細書で記載されているか、あるいは、当該技術分野において既知である。用語の「転移」は、腫瘍、癌または腫瘍の対象内の他の部位、場所、領域または臓器または組織系への拡散または播種を意味し、対象中の部位、場所、領域または臓器または組織系は、原発腫瘍、癌または新生物とは異なる。用語の「癌」、「癌性」、「細胞増殖性障害」、「増殖性障害」、および「腫瘍」は、本明細書において参照される場合、相互排他的ではない。
【0081】
「治療すること」、または「治療」、または「治療する」などの用語は、(a)診断される病態または障害の症状を治癒させる、遅くする、症状を小さくする、および/または進行を停止させる治療手段および(b)標的化疾患または状態の発生を防止するおよび/または遅らせる予防または防止手段の両方を意味する。従って、治療を必要としている対象には、既にその癌、障害または疾患を有する対象、癌または状態になる危険のある対象、および感染または状態が予防されるべき対象が含まれる。対象は、よく知られた医学および診断技術を用いて、癌、感染性疾患、免疫系障害、過剰増殖性疾患、または本明細書で言及される別の疾患または障害「を有する危険がある」と特定されている。特定の実施形態では、対象が、例えば、疾患または状態(例えば、癌、関節リウマチ)に関連する症状の全体的、部分的、または一時的寛解または除去を示す場合、対象は、本明細書で提供される方法により成功裏に「治療されている」。特定の実施形態では、用語の「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」または「治療する(treat)」は、患者により識別可能とは限らない、腫瘍の成長などの増殖性障害の少なくとも1つの測定可能な物理的パラメーターの改善を意味する。他の実施形態では、用語の「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」または「治療する(treat)」は、例えば、識別可能症状の安定化により物理的に、または、例えば、物理的パラメーターの安定化により生理学的に、または両方により、増殖性障害の進行を抑制することを意味する。他の実施形態では、用語の「治療すること(treating)」または「治療(treatment)」または「治療する(treat)」は、サイズ、腫瘍細胞増殖または生存、または癌細胞数の減少または安定化を意味する。治療には、α-PANTIFOL組成物を単独でまたは追加の治療薬と組み合わせて用いることができる。
【0082】
「対象」、「患者」、および「動物」は、同義に使用され、ヒト患者および非ヒト霊長類などの哺乳動物、ならびにウサギ、ラット、マウスなどの実験動物およびその他の動物を意味する。動物には、全ての脊椎動物、例えば、ニワトリ、両生類、および爬虫類などの哺乳動物および非哺乳動物が含まれる。本明細書で使用される場合、「哺乳動物」は、限定されないが、ヒトおよび非ヒト霊長動物、例えば、チンパンジーおよび他の類人猿ならびにサル種;ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマなどの家畜動物;イヌおよびネコなどの飼育哺乳動物;マウス、ラット、モルモットなどの齧歯動物などの実験動物、および当該技術分野において既知のその他の哺乳綱のメンバーを含む、哺乳綱のいずれかのメンバーを意味する。特定の実施形態では、患者はヒトである。
【0083】
本明細書で使われる場合、「増殖性障害の治療」は、増殖性障害の対象の腫瘍サイズの維持または低減、腫瘍縮小の誘導(部分的なまたは完全な)、腫瘍増殖の抑制、および/または寿命の延長を含む。一実施形態では、増殖性障害は固形腫瘍である。このような腫瘍には、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫が挙げられる。一実施形態では、増殖性障害は血液系腫瘍である。このような血液系腫瘍には、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫および他の形質細胞異形成症または悪液質が挙げられる。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)、絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。
【0084】
本明細書で使用される場合、用語の「自己免疫疾患」は、自己免疫反応から生じる障害として定義される。自己免疫疾患は、自己抗原に対する不適切で、過剰な反応の結果である。自己免疫疾患の例には、限定されないが、アジソン病、円形脱毛症、強直性脊椎炎、自己免疫性肝炎、自己免疫性耳下腺炎、クローン病、糖尿病(I型)、栄養障害型表皮水疱症、精巣上体炎、糸球体腎炎、グレーブス病、ギラン・バレー症候群、橋本病、溶血性貧血、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、重症筋無力症、尋常性天疱瘡、乾癬、リウマチ熱、関節リウマチ、サルコイドーシス、強皮症、シェーグレン症候群、脊椎関節症、甲状腺炎、血管炎、白斑症、粘液水腫、悪性貧血、潰瘍性大腸炎が特に挙げられる。
【0085】
用語の「炎症」および「炎症性疾患」は、同じ意味で用いられ、炎症と特徴とするまたはそれにより引き起こされる疾患または障害を意味する。「炎症」は、有害な薬剤および損傷組織の除去を開始する機序の役割をする毛細管膨張、白血球浸潤、発赤、熱、および疼痛を特徴とする細胞傷害に対する局所的反応を意味する。炎症の部位には、肺、胸膜、腱、リンパ節または腺、口蓋垂、膣、脳、脊髄、鼻および咽頭粘膜、筋肉、皮膚、骨または骨組織、関節、膀胱、網膜、子宮頸部、眼角、腸管、椎骨、直腸、肛門、滑液包、毛包、などが挙げられる。このような炎症性疾患には、限定されないが、炎症性腸疾患、リウマチ様疾患(例えば、関節リウマチ)、その他の関節炎疾患(例えば、急性関節炎、急性痛風関節炎、細菌性関節炎、慢性炎症性関節炎、変形性関節症(変形性関節症)、感染性関節炎、若年性関節炎、真菌性関節炎、神経障害性関節炎、多発性関節炎、増殖性関節炎、乾癬性関節炎、性病性関節炎、ウイルス性関節炎)、結合織炎、骨盤内炎症性疾患、アクネ、乾癬、放線菌症、赤痢、胆汁性肝硬変、ライム病、あせも、スティーブンス・ジョンソン症候群、おたふくかぜ、尋常性天疱瘡、およびブラストミセス症が挙げられる。炎症性腸疾患は、限定されないが、クローン病、潰瘍性大腸炎、および分類不能大腸炎を含む消化管の慢性炎症性疾患である。関節リウマチは、主として関節の慢性炎症性疾患で、通常、多関節型であり、滑膜および関節構造における炎症性変化ならびに筋攣縮および骨の粗鬆化を特徴とする。
【0086】
本明細書で使われる場合、用語の「治療薬」は、癌細胞または免疫細胞などの過剰増殖細胞と相互作用し、それにより、細胞の増殖性状態を低減および/または細胞を死滅させることができる、薬剤またはその誘導体またはそのプロドラッグを意味する。治療薬の例には、限定されないが、化学療法剤、細胞傷害薬、白金系薬剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン)、タキサン(例えば、タキソール(登録商標))、エトポシド、アルキル化剤(例えば、シクロホスファミド、イホスファミド)、代謝拮抗薬(例えば、葉酸代謝拮抗薬(ANTIFOL))、5-フルオロウラシル、ゲムシタビン、またはその誘導体)、抗腫瘍抗生物質(例えば、マイトマイシン、ドキソルビシン)、植物由来抗腫瘍薬剤(例えば、ビンクリスチン、ビンデシン、タキソール(登録商標))が挙げられる。このような薬剤には、限定されないが、抗癌剤トリメトレキサート、テモゾロミド、ラルチトレキセド、S-(4-ニトロベンジル)-6-チオイノシン(NBMPR)、6-ベンジグアニジン(6-BG)、ビス-クロロニトロソ尿素(BCNU)およびカンプトテシン(商標)、またはそれらの任意の治療的誘導体がさらに挙げられる。本開示の方法による使用に好適し得る治療薬のさらなる例には、限定されないが、抗再狭窄薬、促進性増殖剤または抗増殖剤、抗炎症薬、抗新生物薬、抗有糸分裂性薬、抗血小板作用薬、抗凝固剤、抗フィブリン薬、抗トロンビン薬、細胞増殖抑制性薬、抗生物質およびその他の抗感染薬、抗酵素薬、抗代謝薬、血管新生薬、細胞保護薬、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤、アンギオテンシンII受容体拮抗剤および/または心保護薬が挙げられる。「治療薬」はまた、上記薬剤の塩、酸、および遊離塩基型を意味する。
【0087】
本明細書で使用される場合、「化学療法剤」という用語は、癌療法との関連で使用される場合、癌細胞の死亡をもたらすまたは癌細胞の増殖または拡散を阻害する任意の薬剤を意味する。このような化学療法剤の例には、アルキル化剤、抗生物質、代謝拮抗薬、植物由来薬、およびホルモンが挙げられる。いくつかの実施形態では、化学療法剤はシスプラチンである。いくつかの実施形態では、化学療法剤はカルボプラチンである。いくつかの実施形態では、化学療法剤はオキサリプラチンである。他の実施形態では、化学療法剤は、ゲムシタビンである。他の実施形態では、化学療法剤は、ドキソルビシンである。
【0088】
本明細書で使われる場合、用語の「代謝拮抗薬」は、代謝物またはそのプロドラッグの利用を抑制する治療薬を意味する。代謝拮抗薬の例には、葉酸代謝拮抗薬、ペメトレキセド、5-フルオロウラシル、カペシタビンなどの5-フルオロウラシルプロドラッグ、5-フルオロデオキシウリジン一リン酸塩、シタラビン、ネララビンなどのシタラビンプロドラッグ、5-アザシチジン、ゲムシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、アザチオプリン、アデノシン、ペントスタチン、エリトロヒドロキシノニルアデニン、およびクラドリビンが挙げられる。本開示方法を実施するために有用な代謝拮抗薬には、プリンまたはピリミジン類似体を含むヌクレオシド類似体が挙げられる。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、フルオロピリミジン、5-フルオロウラシル、5-フルオロ-2’-デオキシシチジン、シタラビン、ゲムシタビン、トロキサシタビン、デシタビン、アザシチジン、プソイドイソシチジン、ゼブラリン、アンシタビン、ファザラビン、6-アザシチジン、カペシタビン、N4-オクタデシルシタラビン、エライジン酸シタラビン、フルダラビン、クラドリビン、クロファラビン、ネララビン、フォロデシン、およびペントスタチン、またはこれらの誘導体から選択される代謝拮抗薬と組み合わせて使用される。一例では、ヌクレオシド類似体は、アデノシンデアミナーゼまたはシチジンデアミナーゼであるヌクレオシドデアミナーゼの基質である。いくつかの例では、ヌクレオシド類似体は、フルダラビン、シタラビン、ゲムシタビン、デシタビンおよびアザシチジンまたはそれらの誘導体から選択される。特定の実施形態では、代謝拮抗薬は、5-フルオロウラシルである。
【0089】
本明細書で使用される場合、「タキサン」は、微小管安定性、形成および/または機能を妨害するまたは破壊する抗癌剤である。タキサン剤には、パクリタキセルおよびドセタキセルならびにそれらの誘導体が挙げられ、誘導体は、微小管に対してそれらが由来するタキサンと同じ作用モードで機能する。特定の実施形態では、タキサンは、パクリタキセルまたはドセタキセル、または薬学的に許容可能なパクリタキセルまたはドセタキセルの塩、酸または誘導体である。特定の実施形態では、タキサンは、パクリタキセル(タキソール(登録商標))、ドセタキセル(タキソテール(登録商標))、アルブミン結合パクリタキセル(nab-パクリタキセル;アブラキサン(登録商標))、DHA-パクリタキセル、またはPG-パクリタキセルである。
【0090】
用語の「薬学的に許容可能な担体(pharmaceutically-acceptable carrier)」および「薬学的に許容可能な担体(pharmaceutically acceptable carrier)」は、医薬製剤中の有効成分以外の、対象に対し無毒性の成分を意味する。薬学的に許容可能な担体には、限定されないが、緩衝液、賦形剤、安定化剤、または保存剤が挙げられる。薬学的に許容可能な担体には、例えば、1つまたは複数の適合性のある、ヒトまたはその他の対象への投与に好適する固体または液体フィラー、希釈剤または被包物質が挙げられる。
【0091】
本開示は一般に、新規アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(ANTIFOL)組成物、ならびに癌などの過剰増殖疾患、関節リウマチなどの免疫系障害、およびHIV、マラリアおよび住血吸虫症などの感染性疾患を含む疾患を治療するための組成物の製造および使用方法に関する。
【0092】
いくつかの実施形態では、本開示は、下記を提供する。
[1] アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む組成物であって、少なくとも1個のグルタミル基がアルファカルボキシル基結合を有する、組成物;
[2] 項目[1]の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、ピリトレキシム、プララトレキサート、AG2034、GW1843、およびLY309887、またはそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[3] 項目[1]の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、PMX、MTX、RTX、およびLMX、またはそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[4] 項目[1]に記載の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、下記から選択される、組成物:LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、葉酸代謝拮抗薬;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;および2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体;
[5]項目[1]の組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、メトトレキセート、ラルチトレキセド、プレビトレキセド、ペメトレキセド、ロメトレキソール(LMX;5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[6] 項目[1]~[5]のいずれか1項に記載の組成物であって、下記である組成物;
(a)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の2個以上のグルタミル基が、ガンマカルボキシル基結合を有する;
[7] 項目[1]~[5]のいずれか1項に記載の組成物であって、下記である組成物;
(a)C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)C末端グルタミル基(単一または複数)以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;
[8] 項目[1]~[7]のいずれか1項に記載の組成物であって、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が下記である組成物:
(a)4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む;
(b)アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である;または
(c)アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である;
[9] 項目[1]~[8]のいずれか1項に記載の組成物であって、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、アルファカルボキシル基結合を有する1~10個のグルタミル基を含む、組成物;
[10] 項目[1]~[9]のいずれか1項に記載の組成物であって、下記である組成物:
(a)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも2個のグルタミル基がL型である;
(b)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がL型である;
(c)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも1個のグルタミル基がD型である;
(d)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がD型である;または
(e)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の少なくとも2個がL型であり、グルタミル基の少なくとも1個がD型である;
[11] 項目[1]~[10]のいずれか1項に記載の組成物であって、ポリグルタメートが直鎖である、組成物;
[12] 項目[1]~[10]のいずれか1項に記載の組成物であって、ポリグルタメートが分岐鎖である、組成物;
[13] 項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム組成物(Lp-αPANTIFOL);
[14] 項目[13]のLp-αPANTIFOL組成物であって、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が下記から選択される組成物:
(a)AG2034、ピリトレキシム、プララトレキサート、GW1843、葉酸代謝拮抗薬、およびLY309887;または
(b)PMX、MTX、RTXおよびLMX、またはそれらの立体異性体;
[15] 項目[13]のLp-αPANTIFOL組成物であって、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が下記から選択される組成物:LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、アミノプテリン;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;およびAG377、2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体;
[16] 項目[13]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、葉酸代謝拮抗薬が、メトトレキセート、ラルチトレキセド、プレビトレキセド、ペメトレキセド、ロメトレキソール(LMX;5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体から選択される、組成物;
[17] 項目[13]~[16]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[18] 項目[13]~[17]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[19] 項目[13]~[17]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[20] 項目[13]~[17]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、組成物;
[21] 項目[13]~[20]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ポリグルタメートが直鎖または分岐鎖である、組成物;
[22] 項目[13]~[21]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、:
(a)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)2個以上のグルタミル基が、ガンマカルボキシル基結合を有する、組成物;
[23] 項目[13]~[21]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、:
(a)C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する;または
(b)C末端グルタミル基(単一または複数)以外のそれぞれのグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合を有する、組成物;
[24] 項目[13]~[23]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、:
(a)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも2個のグルタミル基がL型である;
(b)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がL型である;
(c)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも1個のグルタミル基がD型である;
(d)葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基がD型である;または
(e)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の少なくとも2個がL型であり、グルタミル基の少なくとも1個がD型である;
[25] 項目[13]~[24]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがペグ化されている(PαLp-αPANTIFOL)、組成物;
[26] 項目[13]~[24]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがペグ化されていない、組成物;
[27] 項目[13]~[26]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが20nm~200nmの範囲の直径を有する、組成物;
[28] 項目[13]~[27]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ポリグルタメートが直鎖または分岐鎖である、組成物;
[29] 項目[13]~[28]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが少なくとも1重量%のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む、またはLp-αPANTIFOLを作製する工程中に、少なくとも1%のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料がLp-αPANTIFOL中に被包される(封入される)、組成物;
[30] 項目[13]~[29]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが20nm~500nmまたは20nm~200nmの範囲の直径を有する、組成物;
[31] 項目[13]~[29]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが80nm~120nmの範囲の直径を有する、組成物;
[32] 項目[13]~[31]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがリポソーム成分から形成される、組成物;
[33] 項目[32]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソーム成分が少なくとも1種のアニオン性脂質および中性脂質を含む、組成物;
[34] 項目[32]または[33]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソーム成分が、DSPE;DSPE-PEG;DSPE-PEG-マレイミド;HSPC;HSPC-PEG;コレステロール;コレステロール-PEG;およびコレステロール-マレイミドから選択される少なくとも1種を含む、組成物;
[35] 項目[32]~[34]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソーム成分が下記から選択される少なくとも1種を含む、組成物;DSPE;DSPE-PEG;DSPE-PEG-FITC;DSPE-PEG-マレイミド;コレステロール;およびHSPC;
[36] 項目[32]~[35]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、1種または複数のリポソーム成分が立体安定剤をさらに含む、組成物;
[37] 項目[36]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、立体安定剤が、ポリエチレングリコール(PEG);ポリ-L-リシン(PLL);モノシアロガングリオシド(GM1);ポリ(ビニルピロリドン)(PVP);ポリ(アクリルアミド)(PAA);ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン);ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン);ホスファチジルポリグリセロール;ポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド];両親媒性ポリ-N-ビニルピロリドン;L-アミノ酸ベースポリマー;オリゴグリセリン、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンオキシド含有コポリマー、ポロキサマー188、およびポリビニルアルコールから選択される少なくとも1種である、組成物;
[38] 項目[37]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、立体安定剤がPEGであり、PEGが200~5000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する、組成物;
[39] 項目[13]~[38]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがアニオン性または中性である、組成物;
[40] 項目[13]~[39]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがゼロ以下のゼータ電位を有する、組成物;
[41] 項目[13]~[39]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが0~-150mVのゼータ電位を有する、組成物;
[42] 項目[13]~[39]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが-30~-50mVのゼータ電位を有する、組成物;
[43] 項目[13]~[38]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがカチオン性である、組成物;
[44] 項目[13]~[43]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームがアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および水性の薬学的に許容可能な担体を含む内部空間を有する、組成物;
[45] 項目[44]のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が、デキストロース、マンニトール、グリセロール、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどの等張化剤を1%より大きい濃度で含む、組成物;
[46] 項目[44]のLp-αPANTIFOL組成物であって、水性の薬学的に許容可能な担体がトレハロースである、組成物;
[47] 項目[46]のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が5重量%~20重量%のトレハロースを含む、組成物;
[48] 項目[44]~[47]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が1重量%~15重量%のデキストロースを含む、組成物;
[49] 項目[44]~[48]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームの内部空間に、HEPES緩衝液中に懸濁させた5%のデキストロースを含む、組成物;
[50] 項目[44]~[49]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が、1~200mMの濃度および2~8のpHのHEPES緩衝食塩水(HBS)または類似物などの緩衝液を含む、組成物;
[51] 項目[44]~[50]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、薬学的に許容可能な担体が、50mM~500mMの合計濃度の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムを含む、組成物;
[52] 項目[13]~[51]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームの内部空間が5~8のpHまたは6~7のpH、またはそれらの間の任意の範囲を有する、組成物;
[53] 項目[13]~[52]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、500,000未満または200,000未満のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む、組成物;
[54] 項目[13]~[53]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、リポソームが、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む、組成物;
[55] 項目[13]~[54]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分をさらに含み、ターゲティング部分が目的の標的細胞上の表面抗原に対し特異的親和性を有する、組成物;
[56] 項目[55]に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、リポソームのPEGおよび外面の片方または両方に結合され、任意選択で、ターゲティング部分が、リポソームのPEGおよび外面の片方または両方に共有結合により結合される、組成物;
[57] 項目[55]または[56]のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分がポリペプチドである、組成物;
[58] 項目[55]~[57]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が抗体または抗体の抗原結合フラグメントである、組成物;
[59] 項目[55]~[58]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、BIACORE(登録商標)分析で測定して、0.5x10-10~10x10-6の範囲の平衡解離定数(Kd)で表面抗原に結合する、組成物;
[60] 項目[55]~[59]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および葉酸受容体デルタ(FR-δ)から選択される1つまたは複数の葉酸受容体に特異的に結合する、組成物;
[61] 項目[55]~[60]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ターゲティング部分が、抗体、ヒト化抗体、抗体の抗原結合フラグメント、単鎖抗体、単一ドメイン抗体、二重特異的抗体、合成抗体、ペグ化抗体、および多量体抗体から選択される1つまたは複数を含む、組成物;
[62] 項目[55]~[61]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、各ペグ化リポソームが、1~1000または30~200個のターゲティング部分を含む、組成物;
[63] 項目[44]~[57]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤、検出可能マーカーおよびマレイミドの内の1種または複数をさらに含み、免疫刺激剤、検出可能マーカーまたはマレイミドが、リポソームの前記PEGまたは外面に結合される、組成物;
[64] 項目[63]のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤が、タンパク質免疫刺激剤、核酸免疫刺激剤、化学的免疫刺激剤、ハプテン、およびアジュバントから選択される少なくとも1種である、組成物;
[65] 項目[63]または[64]のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤が、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、DNP、ベータグルカン、ベータ-1,3-グルカン、ベータ-1,6-グルカン、レゾルビン(例えば、Dn-6DPAもしくはDn-3DPAなどのレゾルビンD、レゾルビンE、またはTシリーズレゾルビン)、および酸化型低密度リポタンパク質(例えば、OXPAC、PGPC)、およびエリトラン脂質(例えば、E5564)などのトール様受容体(TLR)調節薬から選択される少なくとも1種である、組成物;
[66] 項目[63]~[65]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、免疫刺激剤および検出可能なマーカーが同じである、組成物;
[67] 項目[63]~[66]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、ハプテンをさらに含む、組成物;
[68] 項目[67]のLp-αPANTIFOL組成物であって、ハプテンがフルオレセインまたはベータ-1,6-グルカンの内の1種または複数を含む、組成物:
[69] 項目[13]~[68]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、マンニトール、トレハロース、ソルビトール、およびスクロースから選択される少なくとも1種の凍結保護物質をさらに含む、組成物;
[70] 項目[1]~[69]のいずれか1項に記載の組成物を含む標的化組成物;
[71] 項目[1]~[54]および[64]~[69]のいずれか1項に記載の組成物を含む非標的化組成物;
[72] 項目[13]~[71]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物であって、カルボプラチンおよび/またはペムブロリズマブをさらに含む、組成物;
[73] 項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含む医薬組成物;
[74] 項目[1]~[8]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含む医薬組成物;
[75] 疾患の治療に使用するための、項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物;
[76] 疾患の治療のための薬物の製造における、項目[1]~[75]のいずれか1項に記載の組成物の使用;
[77] 治療または予防を必要としている対象の疾患を治療または予防する方法であって、項目[1]~[75]のいずれか1項に記載の組成物を対象に投与するステップを含む、方法;
[78] 治療または予防を必要としている対象の疾患を治療または予防する方法であって、項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を対象に投与するステップを含む、方法;
[79] 過剰増殖細胞を、項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物と接触させるステップを含む過剰増殖細胞を死滅させる方法;
[80] 過剰増殖細胞を、項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物と接触させるステップを含む過剰増殖細胞を死滅させる方法;
[81] 項目[79]または[80]の方法であって、過剰増殖細胞が、癌細胞、哺乳動物細胞、および/またはヒト細胞である、方法;
[82] 項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、癌の治療方法;
[83] 項目[13]~[73]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、癌の治療方法;
[84] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異常増殖症などの血液系腫瘍から選択される、方法;
[85] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、中枢神経系(CNS)リンパ腫から選択されるメンバーである、方法;
[86] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、頭頸部癌、および膵臓癌から選択される、方法;
[87] 項目[82]または[83]の方法であって、癌が、骨肉腫などの肉腫である、方法;
[88] 項目[55]~[71]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物の有効量を、ターゲティング部分により結合される葉酸受容体を表面上に発現する癌細胞を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、癌の治療方法;
[89] 項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、癌療法を受けているまたは受けたことがある対象に投与するステップを含む、維持療法;
[90] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、癌療法を受けているまたは受けたことがある対象に投与するステップを含む、維持療法;
[91] 項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、免疫系の障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、免疫系の障害が、炎症(例えば、急性および慢性)、全身性炎症、関節リウマチ、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、および高安病、ならびに乾癬から選択される、免疫系の障害の治療方法;
[92] 項目[9]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、免疫系の障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、免疫系の障害が、炎症(例えば、急性および慢性)、全身性炎症、関節リウマチ、炎症性腸疾患(IBD)、クローン病、皮膚筋炎/多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、および高安病、ならびに乾癬から選択される、免疫系の障害の治療方法;
[93] 下記の治療方法:
(a)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、感染性疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、感染性疾患の治療方法;
(b)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、感染性疾患、心臓血管疾患、または別の疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、疾患が、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患(CVD)、冠動脈疾患、心筋梗塞、ストローク、代謝症候群、妊娠性絨毛性疾患、および子宮外妊娠から選択されるメンバーである、感染性疾患、心臓血管疾患、代謝疾患、または別の疾患の治療方法;
(c)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、自己免疫疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、自己免疫疾患の治療方法;
(d)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、関節リウマチを有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、関節リウマチの治療方法;
(e)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、炎症を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、炎症が急性、慢性、および/または全身性炎症である、炎症状態の治療方法;または
(f)項目[1]~[74]のいずれか1項に記載の組成物の有効量を、皮膚疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、任意選択で、皮膚疾患が乾癬である、皮膚疾患の治療方法;
[94] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、感染性疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、感染性疾患の治療方法;
[95] アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を、葉酸受容体を表面上に発現している腫瘍に送達する方法であって、項目[1]~[74]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOL組成物を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の治療有効量を腫瘍に送達する量で、腫瘍を有する対象に投与するステップを含む方法;
[96] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;溶液中で混合物をホモジナイズしてリポソームを形成するステップ;および混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを形成するステップ、を含む方法;
[97] 項目[13]~[74]のいずれか1項に記載のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;および混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを形成するステップ、を含む方法;
[98] 項目[97]の方法であって、混合物を処理するステップが、溶液中で混合物をホモジナイズして、リポソームを形成するステップを含む、方法;
[99] 項目[55]~[74]のいずれか1項に記載の組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;溶液中で混合物をホモジナイズしてリポソームを形成するステップ;混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームを形成するステップ;およびリポソームの表面上にターゲティング部分を付与するステップを含み、ターゲティング部分が、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)および葉酸受容体デルタ(FR-δ)の内の少なくとも1つに対し特異的親和性を有する、方法;
[100] 項目[55]~[74]のいずれか1項に記載の組成物を作製する方法であって、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームを形成するステップ;およびリポソームの表面上にターゲティング部分を付与するステップを含み、ターゲティング部分が、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)および葉酸受容体デルタ(FR-δ)の内の少なくとも1つに対し特異的親和性を有する、方法;
[101] 項目[100]の方法であって、処理するステップが、溶液中で混合物をホモジナイズして、リポソームを形成するステップを含む、方法;
[102] 項目[99]~[101]のいずれか1項に記載の方法であって、処理ステップが、薄膜水和、押し出し、インライン混合、エタノール注入技術、凍結融解法、逆相蒸発法、動的高圧マイクロ流動化、マイクロ流体混合、二重エマルジョン、凍結乾燥二重エマルジョン、3Dプリンティング、膜コンタクター法、および撹拌の内の1つまたは複数のステップを含む、方法;および
[103] 項目[99]~[102]のいずれか1項に記載の方法であって、前記処理ステップが、押し出し、高圧マイクロ流動化、および/または超音波処理の内の1つまたは複数のステップによりリポソームのサイズを変更する1つまたは複数のステップを含む、方法;
[104] 項目[96]~[103]のいずれか1項に記載の方法であって、少なくとも1%のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料が、Lp-αPANTIFOL中に被包または封入される、方法。
【0093】
II.アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)
一般に、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物に関する。αPANTIFOL組成物は、アルファ結合を有する少なくとも1個のグルタミル基を含む。これらの組成物は、葉酸代謝拮抗薬療法中に細胞中で酵素ホリルポリガンマグルタミン酸合成酵素(FPGS)により作製されるL-ガンマポリグルタミン酸化型の葉酸代謝拮抗薬(LαPANTIFOL)とは構造的に異なる。
【0094】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、2~20、2~15、2~10、2~5個、または5個を超えるグルタミル基(葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含む)を含む。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基が、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基が、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基が、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL中の2個以上のグルタミル基がガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の少なくとも1個のグルタミル基が、アルファカルボキシル基結合およびガンマカルボキシル基結合を有する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、L型である。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、D型である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、2個以上のL型のグルタミル基および1つまたは複数のD型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLのポリグルタメート鎖は直鎖である(分岐鎖ではない)。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLのポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0095】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、PMX、MTX、RTXおよびLMX、またはそれらの立体異性体から選択される。
【0096】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は下記から選択される:LV(エトポシド)、L-ロイコボリン(L-5-ホルミルテトラヒドロ葉酸);5-CH3-THF、5-メチルテトラヒドロ葉酸;FA、葉酸;PteGlu、プテロイルグルタメート(FA);MTX、メトトレキセート;2-dMTX、2-デスアミノ-MTX;2-CH3-MTX、2-デスアミノ-2-メチル-MTX;AMT、アミノプテリン;2-dAMT、2-デスアミノ-AMT;2-CH3-AMT、2-デスアミノ-2-メチル-AMT;10-EdAM、10-エチル-10-デアザアミノプテリン;PT523、N アルファ-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-N デルタ-(ヘミフタロイル)-L-オルニチン;DDATHF(ロメトレキソール)、5,10-ジデアザ-5,6,7,8,-テトラヒドロ葉酸;5-d(i)H4PteGlu、5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)H4PteGlu、N9-メチル-5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロイソ葉酸;5-dPteHCysA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dPteAPBA、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホノ酪酸;5-dPteOrn、N アルファ-(5-デアザプテロイル)-L-オルニチン;5-dH4PteHCysA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-ホモシステイン酸;5-dH4PteAPBA、N アルファ-(5-デアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-DL-2-アミノ-4-ホスホブタン酸;5-dH4PteOro、N アルファ-(5-ジデアザ-5,6,7,8-テトラヒドロプテロイル)-L-オルニチン;CB3717、N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;ICI-198,583、2-デスアミノ-2-メチル-N10-プロパルギル-5,8-ジデアザ葉酸;4-H-ICI-198,583、4-デオキシ-ICI-198,583:4-OCH3-ICI-198,583、4-メトキシ-ICI-198,583 Glu-to-Val-ICI-198,583;バリン-ICI-198;583;Glu-to-Sub-ICI-198,583、2-アミノスベリン酸-ICI-198,583;7-CH3-ICI-198,583、7-メチル-ICI-198,583;ZD1694、N-[5(N-(3,4-ジヒドロ-2-メチル-4-オキソキナゾリン-6-イル-メチル)アミノ)2-チエニル)]-L-グルタミン酸;2-NH2-ZD1694、2-アミノ-ZD1694;BW1843U89、(S)-2[5-(((1,2-ジヒドロ-3-メチル-1-オキソベンゾ(f)キナゾリン-9-イル)メチル)アミノ-)-1-オキソ-2-イソインドリニル]-グルタル酸;LY231514、N-(4-(2-(2-アミノ-4,7-ジヒドロ-4-オキソ-3H-ピロロ[2,3-D]ピリミジン-5-イル)エチル)-ベンゾイル]-L-グルタミン酸;IAHQ、5,8-ジデアザイソ葉酸;2-dIAHQ、2-デスアミノ-IAHQ;2-CH3-dIAHQ、2-デスアミノ-2-メチル-IAHQ;5-d(i)PteGlu、5-デアザイソ葉酸;N9-CH3-5-d(i)PteGlu、N9-メチル-5-デアザイソ葉酸;N9-CHO-5-d(i)PteGlu、N9-ホルミル-5-デアザイソ葉酸;AG337、3,4-ジヒドロ-2-アミノ-6-メチル-4-オキソ-5-(4-ピリジルチオ)クアナゾリン;およびAG377、2,4-ジアミノ-6[N-(4-(フェニスルホニル)ベンジル)エチル)アミノ]キナゾリン;またはそれらの立体異性体。
【0097】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、メトトレキセート、ラルチトレキセド、プレビトレキセド、ペメトレキセド、ロメトレキソール(LMX;5,10-ジデアザテトラヒドロ葉酸)、ジペプチドリガンドを有するシクロペンタ[g]キナゾリン、CB3717、CB300945、または6-R、S-BGC945(ONX-0801)、CB300638、およびBW1843U89などのそれらの立体異性体から選択される。
【0098】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、6-置換ピロロ[2,3-d]ピリミジンベンゾイルアンチホレートである。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、1~6個の炭素の長さの炭素架橋を有する、6-置換ピロロ[2,3-d]ピリミジンベンゾイルアンチホレートである(例えば、下式(I)の構造を有する化合物、n1=1~6)。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、2~8個の炭素の長さの架橋を有する、6-置換チエノ[2,3-d]ピリミジンベンゾイルアンチホレートである(例えば、式(II)の構造を有する化合物、n2=7~13)。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、ベンゾイル部分をチエノイルで置換した、2~8個の炭素の長さの架橋を有する、6-置換ピロロ[2,3-d]ピリミジンアンチホレートである(例えば、式(III)の構造を有する化合物、n1=1~6)。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、式(I)~(III)のいずれかによる構造を有し、x=4、5、6、2~10、4~6、または5超である。
【化1】
【0099】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、下記から選択される:インドリン環および修飾オルニチン含有メトトレキセート誘導体、インドリン環および修飾グルタミン酸含有メトトレキセート誘導体、アルキル置換ベンゼン環C含有メトトレキセート誘導体、ベンゾオキサジン部分含有メトトレキセート誘導体、ベンゾチアジン部分含有メトトレキセート誘導体、10-デアザアミノプテリン類似体、5-デアザアミノプテリンメトトレキセート類似体、5,10-ジデアザアミノプテリンメトトレキセート類似体、インドリン部分含有メトトレキセート誘導体、親油性のアミドメトトレキセート誘導体、L-トレオ-(2S,4S)-4-フルオログルタミン酸含有メトトレキセート類似体、DL-3,3-ジフルオログルタミン酸含有メトトレキセート類似体、メトトレキセートテトラヒドロキナゾリン類似体、N-(ac-アミノアシル)メトトレキセート誘導体、ビオチンメトトレキセート誘導体、D-グルタミン酸メトトレキセート類似体、D-エリスロ,トレオ-4-フルオログルタミン酸メトトレキセート類似体、β,γ-メタノ メトトレキセート類似体、10-デアザアミノプテリン(10-EDAM)類似体、γ-テトラゾールメトトレキセート類似体、N-(L-α-アミノアシル)メトトレキセート誘導体、アミノプテリンのメタ異性体、アミノプテリンのオルト異性体、ヒドロキシメチルメトトレキセート、γ-フルオロメトトレキセート、ポリグルタミルメトトレキセート誘導体、ジェム-ジホスホネートメトトレキセート類似体(例えば、国際出願第1988/06158号参照、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、α-置換メトトレキセート類似体、γ-置換メトトレキセート類似体、5-メチル-5-デアザメトトレキセート類似体(例えば、米国特許第4,725,687号参照、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、N δ-アシル-N α-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-L-オルニチン誘導体、8-デアザメトトレキセート類似体、アシビシンメトトレキセート類似体、ポリマープラチノールメトトレキセート誘導体、メトトレキセート-γ-ジミリストイルホファチジルエタノールアミン、メトトレキセートポリグルタメート類似体、ポリ-γ-グルタミルメトトレキセート誘導体、デオキシウリジレートメトトレキセート誘導体、ヨードアセチルリシンメトトレキセート類似体、2,ω-ジアミノアルカノイド酸含有メトトレキセート類似体、ポリグルタメート誘導体、5-メチル-5-デアザ類似体、キナゾリンメトトレキセート類似体、ピラジンメトトレキセート類似体、システインまたはホモシステイン酸メトトレキセート類似体(例えば、米国特許第4,490,529号およびEPA0142220参照、これらの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、γ-tert-ブチルメトトレキセートエステル、フッ化メトトレキセート類似体、葉酸メトトレキセート類似体、ホスホノグルタミン酸類似体、ポリ(L-リシン)メトトレキセート複合体、ジリシンまたはトリリシンメトトレキセート誘導体、7-ヒドロキシメトトレキセート、ポリ-γ-グルタミルメトトレキセート類似体、3‘、5’-ジクロロメトトレキセート、ジアゾケトンまたはクロロメチルケトンメトトレキセート類似体、10-プロパルギルアミノプテリン、アルキルメトトレキセートホモログ、メトトレキセートのレクチン誘導体、ポリグルタメートメトトレキセート誘導体、ハロゲン化メトトレキセート誘導体、8-アルキル-7,8-ジヒドロ類似体、7-メチルメトトレキセート誘導体、ジクロロメトトレキセート、親油性メトトレキセート誘導体、3’、5’-ジクロロメトトレキセート、デアザアメトプテリン類似体、およびMX068;またはそれらの立体異性体。
【0100】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(IV):
【化2】
を有し、式中、X=CH
2、C
2H
4、またはO(CH
2)
3O;R1=MeまたはEt;R2=H、Cl、F、OH、またはR2=R3;およびR3=H、Cl、F、OH、Me、またはBrである。
【0101】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(IV)を有し、式中、X=CH2;R1=MeまたはEt;R2=H、Cl、F、OH、またはR2=R3;およびR3=H、Cl、F、OH、Me、またはBrである。いくつかの実施形態では、X=CH2;R1=Me;R2=H、Cl、F、OH;およびR3=H、Cl、Me、またはBrである。いくつかの実施形態では、X=O(CH2)3O;R1=Me;およびR2=R3=Hである。
【0102】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(V):
【化3】
を有し、X=C
2H
4、C
4H
8、C
6H
12、O(CH
2)
2O、またはO(CH
2)
3O;R1=HまたはCl、またはR2=R3;およびR3=HまたはClである。
【0103】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(V)を有し、式中、X=C2H4;およびR1=R2=HまたはCLである。いくつかの実施形態では、X=C2H4;R1=Cl;およびR2=Hである。いくつかの実施形態では、X=C4H8;およびR1=R2=Hである。いくつかの実施形態では、X=C6H12;およびR1=R2=Hである。
【0104】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(VI):
【化4】
を有し、X=CH
2またはC
2H
4;Y=2,5-チオフェン;およびR=CH
2F、Cn、Et、Me、またはCH
2OHである。
【0105】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(VI)を有し、X=CH2;Y=2,5-チオフェン;およびR=H2F、Cn、Et、またはCH2OHである。いくつかの実施形態では、X=C2H4;Y=2,5-チオフェン;およびR=Meである。
【0106】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(VII):
【化5】
を有し、式中、X=NまたはCH、Y=NH
2、CH
3、またはH;およびR=CH
3、CHO、またはHである。
【0107】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、式(VII)を有し、式中、(a)X=N;Y=NH2;およびR=H;(b)X=N;Y=NH2;およびR=CH3;(c)X=N;Y=NH2;およびR=CHO;(d)X=CH、Y=NH2、R=H;(e)X=CH、Y=H、R=H;または(f)X=CH、Y=CH3、およびR=Hである。
【0108】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(VIII):
【化6】
を有し、A=NH、NCH
3、またはCH
2である。
【0109】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(IX):
【化7】
を有し、(a)X=OH;R=H;およびY=GIu、(b)X=OCH
3;R=H;およびY=GIu、(c)X=OH;R=H;およびY=バリン;(d)X=OH;R=H;およびY=スベレート;または(e)X=OH;R=CH
3;およびY=GIuである。
【0110】
さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬はシクロペンタ[g]キナゾリン誘導体である。いくつかの実施形態では、シクロペンタ[g]キナゾリン誘導体は、N-{N-{4-[N-(2-メチル-4-オキソ-3,4,7,8-テトラヒドロ-6H-シクロペンタ[g]キナゾリン-6-イル)-N-(プロパ-2-イニル)アミノ]ベンゾイル}-L-γ-グルタミル}-D-グルタミン酸;またはN-{N-{4-[N-(2-ヒドロキシメチル-4-オキソ-3,4,7,8-テトラヒドロ-6H-シクロペンタ[g]-キナゾリン-6-イル)-N-(プロパ-2-イニル)アミノ]ベンゾイル}-L-γ-グルタミル}-D-グルタミン酸;または薬学的に許容可能なこれらの塩またはエステルである。
【0111】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(X):
【化8】
を有し、R1はH、アミノ、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、C1-4ヒドロキシアルキルまたはC1-4フルオロアルキルであり;
R2は、水素、C1-4アルキル、C3-4アルケニル、C3-4アルキニル、C2-4ヒドロキシアルキル、C2-4ハロゲノアルキルまたはC1-4シアノアルキルであり;
Arは、フェニレン、チオフェンジイル、チアゾールジイル、ピリジンジイルまたはピリミジンジイルであり、これらは、任意選択で、ハロゲノ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、C1-4アルキルおよびC1-4アルコキシから選択される1個または2個の置換基を有し、および
R3は、次の式:-NHCH(CO2H)-A1-Y1-NH-A3-Y3の内の1つの基であるか、またはR3は、アルファまたはガンマカルボキシル結合L-またはD-グルタミル基である。
【0112】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(X)を有し、式中、R1は、C1-4アルキルまたはC1-4ヒドロキシアルキル(例えば、メチルまたはヒドロキシメチル)であり;R2は、(a)メチル、エチル、プロピル、プロパ-2-エニル、プロパ-2-イニル、2-ヒドロキシエチル、2-フルオロエチル、2-ブロモエチルまたは2-シアノエチル、(b)メチルまたは(c)プロパ-2-イニルであり;Arは、1,4-フェニレンまたはクロロおよびフルオロから選択される1個もしくは2個の置換基を有する1,4-フェニレン(例えば、2-フルオロ置換基、例えば、2-フルオロ-1,4-フェニレンまたは2,6-ジフルオロ-1,4-フェニレン)、チオフェン-2,5-ジイル、チアゾール-2,5-ジイルまたはピリジン-2,5-ジイルである。
【0113】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は式(X)を有し、式中、R1は、メチルまたはヒドロキシメチルであり;R2は、メチルまたはプロパ-2-イニルであり;Arは、1,4-フェニレンまたは2,6-ジフルオロ-1,4-フェニレンもしくは特に、2-フルオロ-1,4-フェニレンなどの2-フルオロ置換基を有する1,4-フェニレン、またはピリジン2,5-ジイルである。いくつかの実施形態では、Arは、1,4フェニレンまたは2-フルオロ-1,4フェニレンである。
【0114】
他の実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、国際公開第2009/115776号、国際公開第2003/020300号、国際公開第2003/020706号、国際公開第2003/020748号、Gibbs et al.,Cancer Research 65(15):11721-11728(2005)、およびBavetsias et al.,Tetrahedron 63(7):1537-1543(2007)に開示されるシクロペンタ[g]キナゾリンである。これらそれぞれの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0115】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はジグルタミン酸化されている。即ち、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に加えて、1個の追加のグルタミル基を含み(αANTIFOL-PG1)、追加のグルタミル基は、アルファ結合を介して葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、アルファジグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファジグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。
【0116】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はトリグルタミン酸化されている。即ち、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に加えて、2個の追加のグルタミル基を含む(αANTIFOL-PG2)。いくつかの実施形態では、2個のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、2個の追加のグルタミル基の内の1個は、アルファ結合を有し、他のグルタミル基はガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、2個の追加のグルタミル基の内の1個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、2個の追加のグルタミル基の内の1個は、ガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、3個のグルタミル基の内の2個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、3個のグルタミル基の内の1個は、アルファ結合を有し、別のグルタミル基はガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、1個のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、アルファトリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファトリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外の、アルファトリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、トリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0117】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はテトラグルタミン酸化され、従って、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に加えて、3個の追加のグルタミル基を含む(αANTIFOL-PG3)。いくつかの実施形態では、3個のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、3個の追加のグルタミル基の内の1または2個は、アルファ結合を有し、残りの2または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、3個の追加のグルタミル基の内の2個のグルタミル基は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、3個のグルタミル基の内の1個は、アルファ結合を有し、別の追加のグルタミル基はガンマ結合を有する。他の実施形態では、3個の追加のグルタミル基の内の1個は、アルファ結合およびガンマ結合を有する。他の実施形態では、4個のグルタミル基の内の3個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1個のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外の、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0118】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ペンタグルタミン酸化され(αANTIFOL-PG4)、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した4個の追加のグルタミル基の鎖を含む。いくつかの実施形態では、鎖中の4個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の4個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。他の実施形態では、4個の追加のグルタミル基の内の1、2、または3個は、アルファ結合を有し、残りの3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。他の実施形態では、4個の追加のグルタミル基の内の1または2個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、5個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の5個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0119】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ヘキサグルタミン酸化され(αANTIFOL-PG5)、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した5個の追加のグルタミル基の鎖を含む。いくつかの実施形態では、鎖中の5個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の5個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の5個の追加のグルタミル基の内の4個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、5個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、または4個は、アルファ結合介して分子のグルタミル基に結合され、残りの4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。他の実施形態では、5個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、または4個はアルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、6個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の6個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、6個のグルタミル基の内の5個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0120】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ヘプタグルタメートされ(αANTIFOL-PG6)、従って、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した6個の追加のグルタミル基の鎖を含む。いくつかの実施形態では、6個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の6個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の6個の追加のグルタミル基の内の5個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、6個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、または5個は、アルファ結合を有し、残りの5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、6個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、または5個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、7個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の7個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、7個のグルタミル基の内の6個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファヘプタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファヘプタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファヘプタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファヘプタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ヘプタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0121】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、オクタグルタミン酸化され(αANTIFOL-PG7)、従って、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した7個の追加のグルタミル基の鎖を含む。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の7個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の7個の追加のグルタミル基の内の6個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、7個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。他の実施形態では、7個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、または6個は、アルファ結合を有し、残りの6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、7個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、または6個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、8個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の8個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、8個のグルタミル基の内の7個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファオクタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファオクタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファオクタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファオクタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、オクタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0122】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ノナグルタミン酸化され(αANTIFOL-PG8)、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した8個の追加のグルタミル基の鎖を含む。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の8個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の8個の追加のグルタミル基の内の7個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、8個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。他の実施形態では、8個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、または7個は、アルファ結合を有し、残りの7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、8個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、または7個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、9個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の9個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、9個のグルタミル基の内の8個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファノナグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファノナグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファノナグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファノナグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ノナグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0123】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、デカグルタミン酸化される(αANTIFOL-PG9)(すなわち、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基に結合した9個の追加のグルタミル基の鎖を含む)。いくつかの実施形態では、9個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の9個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の9個の追加のグルタミル基の内の8個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、9個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、または8個は、アルファ結合を有し、残りの8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、9個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、または8個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、10個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の10個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、10個のグルタミル基の内の9個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、デカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0124】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はウンデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG10)。いくつかの実施形態では、10個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の10個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の10個の追加のグルタミル基の内の9個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、10個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、または9個は、アルファ結合を有し、残りの9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、10個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、または9個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、11個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の11個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、11個のグルタミル基の内の10個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファウンデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファウンデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファウンデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファウンデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ウンデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0125】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はドデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG11)。いくつかの実施形態では、11個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の11個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の11個の追加のグルタミル基の内の10個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、11個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個は、アルファ結合を有し、残りの10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、11個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、12個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の12個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、12個のグルタミル基の内の11個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファドデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファドデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファドデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファドデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ドデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0126】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はトリデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG12)。いくつかの実施形態では、12個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の12個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の12個の追加のグルタミル基の内の11個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、12個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11個は、アルファ結合を有し、残りの11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、12個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、または11個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、13個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の13個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、13個のグルタミル基の内の12個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファトリデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファトリデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファトリデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファトリデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、トリデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0127】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はテトラデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG13)。いくつかの実施形態では、13個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の13個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の13個の追加のグルタミル基の内の12個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、13個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個は、アルファ結合を有し、残りの12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、13個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、14個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の14個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、14個のグルタミル基の内の13個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファテトラデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファテトラデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファテトラデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファテトラデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、テトラデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0128】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はペンタデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG14)。いくつかの実施形態では、14個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の14個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の14個の追加のグルタミル基の内の13個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、14個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13個は、アルファ結合を有し、残りの13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、14個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、または13個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、15個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の15個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、15個のグルタミル基の内の14個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファペンタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファペンタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファペンタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファペンタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ペンタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0129】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘキサデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG15)。いくつかの実施形態では、15個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の15個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の15個の追加のグルタミル基の内の14個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、15個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個は、アルファ結合を有し、残りの14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、15個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、16個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の16個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、16個のグルタミル基の内の15個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファヘキサデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファヘキサデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファヘキサデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファヘキサデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ヘキサデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0130】
他の実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘプタデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG16)。いくつかの実施形態では、16個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の16個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の16個の追加のグルタミル基の内の15個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、16個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個は、アルファ結合を有し、残りの15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、16個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、17個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の17個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、17個のグルタミル基の内の16個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファヘプタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファヘプタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファヘプタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファヘプタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ヘプタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0131】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はオクタデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG17)。いくつかの実施形態では、17個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の17個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の17個の追加のグルタミル基の内の16個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、17個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16個は、アルファ結合を有し、残りの16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、17個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、18個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の18個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、18個のグルタミル基の内の17個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファオクタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファオクタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファオクタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファオクタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、オクタデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0132】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はノナデカグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG18)。いくつかの実施形態では、18個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の18個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の18個の追加のグルタミル基の内の17個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、18個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個は、アルファ結合を有し、残りの17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、18個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、または17個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、19個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の19個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、19個のグルタミル基の内の18個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファノナデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファノナデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファノナデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファノナデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ノナデカグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0133】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はイコサグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG19)。いくつかの実施形態では、19個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の19個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の19個の追加のグルタミル基の内の18個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、19個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個は、アルファ結合を有し、残りの18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、19個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、または18個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、20個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の20個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、20個のグルタミル基の内の19個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、イコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0134】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘンイコサグルタミン酸化されている(αANTIFOL-PG20)。いくつかの実施形態では、20個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の鎖中の20個の追加のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、鎖中の20個の追加のグルタミル基の内の19個は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、20個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個は、アルファ結合を有し、残りの19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。他の実施形態では、20個の追加のグルタミル基の内の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個は、アルファ結合を有し、残りの非C末端グルタミル基は、ガンマ結合を介して、分子のグルタミル基に結合される。いくつかの実施形態では、少なくとも1個の追加のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、21個のグルタミル基の内の少なくとも1個は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の21個のグルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、21個のグルタミル基の内の20個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファヘンイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、アルファヘンイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、アルファヘンイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファヘンイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はD型である。さらなる実施形態では、ヘンイコサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0135】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、葉酸代謝拮抗薬に結合した4~7個のグルタミル基を含み(すなわち、αANTIFOL-PGn、n=4~7)、4~7個の結合グルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、葉酸代謝拮抗薬に結合した4~7個のグルタミル基を含み(すなわち、αANTIFOL-PGn、n=4~7)、C末端グルタミル基(単一または複数)以外の4~7個の結合グルタミル基のそれぞれは、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、4~7個の結合グルタミル基のそれぞれは、L型である。他の実施形態では、4~7個の結合グルタミル基のそれぞれは、D型である。他の実施形態では、4~7個の結合グルタミル基は、L型およびD型である。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0136】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)は、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含めて、合計1~15、1~10、2~15、2~10、3~15、3~10、3~6、3~5、4~10、4~7または4~6個、またはこれらの間の任意の範囲のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL中のグルタミル基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、L型およびD型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL中のグルタミル基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個は、アルファ結合を有し、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1または0個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメート構造中のそれぞれのグルタミル基は、L型である。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、D型である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL中のグルタミル基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個は、L型である。別の実施形態では、αPANTIFOL中のグルタミル基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個は、D型である。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は直鎖である。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖は分岐鎖である。
【0137】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)は、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含めて、合計2~20、2~15、2~10、2~5個、またはこれらの間の任意の範囲のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)および葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、C末端グルタミル基(単一または複数)以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、アルファ結合を有する。他の実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のグルタミル基は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のグルタミル基。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のグルタミル基は、アルファ結合を有する。さらなる実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個のグルタミル基は、アルファ結合を有し、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1または0個のグルタミル基は、それぞれ、ガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、L型である。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のαPANTIFOL中のそれぞれのグルタミル基は、D型である。一実施形態では、αPANTIFOL中のグルタミル基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個は、L型である。別の実施形態では、αPANTIFOL中のグルタミル基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、または19個は、D型である。
【0138】
いくつかの実施形態ではアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の他に、合計1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個の追加のグルタミル基は、アルファ結合を有する。さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬中の14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1個のグルタミル基は、ガンマ結合を有する。いくつかの実施形態では、少なくとも1個のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基は、アルファ結合を有する。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。
【0139】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬中の合計1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個のグルタミル基は、L型、D型、またはL型とD型である。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基は、D型である。代替実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基の少なくとも2個はL型であり、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基の少なくとも1個はD型である。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬中の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16個のグルタミル基は、L型である。他の実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬中の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、または14個のグルタミル基は、D型である。
【0140】
さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、20~100、20~75、20~50、20~40、20~30、20~25、または100個を超える、またはこれらの間の任意の範囲のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基はL型である。他の実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基以外のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬のそれぞれのグルタミル基は、D型である。代替実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基の少なくとも2個はL型であり、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基の少なくとも1個はD型である。
【0141】
さらなる実施形態では、提供される組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10、または1~20個のアルファ結合を有するグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10、または1~20個のL型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10、または1~20個のD型のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10、または1~20個のL型のグルタミル基および0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10、または1~20個のD型のグルタミル基を含む。
【0142】
他の実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する少なくとも1個のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10個、または10個を超える、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有するグルタミル基を含む。
【0143】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、アルファ結合を有する少なくとも1個のグルタミル基を含み、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10、1~20、またはこれを超える、ガンマ結合を有するグルタミル基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10個のL-アルファグルタミル基結合を含み、さらに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のL-ガンマグルタミル基結合を含む。いくつかのさらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のL-アルファグルタミル基結合を含み、さらに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のD-ガンマグルタミル基結合を含む。追加のさらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のD-アルファグルタミル基結合を含み、さらに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のD-ガンマグルタミル基結合を含む。追加のさらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のD-アルファグルタミル基結合を含み、さらに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のD-ガンマグルタミル基結合を含む。他のさらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または1~10個のD-ガンマグルタミル基結合を含み、さらに、1、2、3、4、5、6、または1~10個のL-ガンマグルタミル基結合を含む。他の実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する少なくとも1個のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、1~10個、または10個を超える、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有するグルタミル基を含む。
【0144】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、1つまたは複数の追加のグルタミル基を受け入れることができ、すなわち、組成物は、FPGS(ホリルポリグルタミン酸シンテターゼ)の基質としての役割を果たすことができる。アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物のFPGS(例えば、ヒトFPGS、またはラット肝臓FPGS)に対する基質として作用する能力を測定する試薬およびアッセイおよび試薬は、容易に入手でき、日常業務として実施できる。
【0145】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の裸のアルファPANTIFOL組成物(例えば、送達担体と結合していないアルファPANTIFOL)の肝臓細胞による取り込みの速度は、生理的条件下で、葉酸代謝拮抗薬の取り込み速度に比べて、大きく低減される。いくつかの実施形態では、裸のアルファPANTIFOL組成物の肝臓細胞取り込み速度は、葉酸代謝拮抗薬の速度に比べて、30%、20%、15%、または10%未満である。さらなる実施形態では、本明細書に開示のアルファPANTIFOL組成物の肝臓細胞からの流出(輸送)速度は、葉酸代謝拮抗薬に比べて顕著に遅い速度(30%、20%、15%、または10%未満)で起こる。
【0146】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、過剰増殖細胞に対し、葉酸代謝拮抗薬より高い細胞傷害性を有する。いくつかの実施形態では、過剰増殖細胞は、癌細胞である。いくつかの実施形態では、過剰増殖細胞は、結腸直腸癌細胞、結腸癌細胞、乳癌細胞、または卵巣癌細胞である。いくつかの実施形態では、癌細胞は、中皮腫細胞または非小細胞肺癌細胞である。いくつかの実施形態では、細胞傷害性は、インビトロアッセイで測定される。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。
【0147】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、葉酸代謝拮抗薬より低い毒性副作用を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、非過剰増殖細胞に対し、葉酸代謝拮抗薬より少ない毒性である。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、好中球、肝臓細胞、または結腸上皮細胞に対し、葉酸代謝拮抗薬より少ない毒性である。いくつかの実施形態では、好中球は、ヒト好中球、分化しているヒト好中球、またはCD34+細胞から分化した好中球である。いくつかの実施形態では、肝臓細胞は、AML12肝臓細胞である。いくつかの実施形態では、結腸上皮細胞は、CCD841結腸上皮細胞である。いくつかの実施形態では、毒性は、インビトロアッセイで測定される。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。
【0148】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、葉酸代謝拮抗薬より低い毒性副作用を有する。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、インビボアッセイで、葉酸代謝拮抗薬より少数のまたはより重症度の低い毒性副作用をもたらす。いくつかの実施形態では、インビボアッセイはインビボマウスモデルで行う。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、葉酸代謝拮抗薬より少数のまたはより重症度の低い血液学的または肝臓毒性副作用をもたらす。いくつかの実施形態では、血液学的副作用は、平均好中球、平均白血球または平均血小板数により評価される。いくつかの実施形態では、肝臓毒性副作用は、血清アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)、血清アラニンアミノ基転移酵素(ALT)、および/または血清アルブミンレベルを測定することにより評価される。いくつかの実施形態では、インビボアッセイは、40mg/kgまたは80mg/kgのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を週一回、4週間にわたり投与することを含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。
【0149】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物による治療は、インビボマウスモデルにおいて、顕著な血液学的または肝臓の毒性副作用を誘導しない。いくつかの実施形態では、血液学的副作用は、平均好中球、平均白血球または平均血小板数により評価される。いくつかの実施形態では、肝臓毒性副作用は、血清アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)、血清アラニンアミノ基転移酵素(ALT)、および/または血清アルブミンレベルを測定することにより評価される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、平均好中球、平均白血球または平均血小板数を大きく低下させることはない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、血清アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)および血清アラニンアミノ基転移酵素(ALT)レベルを大きく高めることはない。いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、血清アルブミンレベルを大きく低減させることはない。いくつかの実施形態では、インビボアッセイは、40mg/kgまたは80mg/kgのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を週一回、4週間にわたり投与することを含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬である。
【0150】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、フッ素原子を含まない。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、4-フルオログルタミル基を含まない。
【0151】
アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物およびそれらの使用は、国際出願第PCT/US2017/046666号および国際出願第PCT/US2017/046667号、および米国特許出願第62/630,820号、同第62/627,716号、同第62/627,731号、同第62/630,671号、同第62/630,825号、同第62/630,629号、同第62/630,634号、同第62/630,728号、同第62/630,637号、同第62/630,744号、同第62/583,432号、同第62/627,714号、同第62/627,741号、および同第62/627,703号のそれぞれにさらに記載されている。これらのそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0152】
A.アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬類似体および誘導体
本開示はまた、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬誘導体および類似体を包含する。本明細書に開示の前記組成物および方法は、任意のおよび全ての既知のポリグルタミン酸化されている葉酸代謝拮抗薬の誘導体または類似体への適用が想定されている。いくつかの実施形態では、類似体は、葉酸代謝拮抗薬の修飾型に対応し、その場合、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基は、ガンマペプチド結合を介して葉酸代謝拮抗薬分子の残部と結合しない。いくつかの実施形態では、類似体は、葉酸代謝拮抗薬の異形であり、この場合、葉酸代謝拮抗薬中のグルタミル基は、D型である。いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬のポリグルタミン酸化型、またはポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬類似体または誘導体は、フッ化されていない。
【0153】
いくつかの実施形態では、葉酸代謝拮抗薬は、下記から選択される:インドリン環および修飾オルニチン含有メトトレキセート誘導体、インドリン環および修飾グルタミン酸含有メトトレキセート誘導体、アルキル置換ベンゼン環C含有メトトレキセート誘導体、ベンゾオキサジン部分含有メトトレキセート誘導体、ベンゾチアジン部分含有メトトレキセート誘導体、10-デアザアミノプテリン類似体、5-デアザアミノプテリンメトトレキセート類似体、5,10-ジデアザアミノプテリンメトトレキセート類似体、インドリン部分含有メトトレキセート誘導体、親油性のアミドメトトレキセート誘導体、L-トレオ-(2S,4S)-4-フルオログルタミン酸含有メトトレキセート類似体、DL-3,3-ジフルオログルタミン酸含有メトトレキセート類似体、メトトレキセートテトラヒドロキナゾリン類似体、N-(ac-アミノアシル)メトトレキセート誘導体、ビオチンメトトレキセート誘導体、D-グルタミン酸メトトレキセート類似体、D-エリスロ,トレオ-4-フルオログルタミン酸メトトレキセート類似体、β,γ-メタノ メトトレキセート類似体、10-デアザアミノプテリン(10-EDAM)類似体、γ-テトラゾールメトトレキセート類似体、N-(L-α-アミノアシル)メトトレキセート誘導体、アミノプテリンのメタ異性体、アミノプテリンのオルト異性体、ヒドロキシメチルメトトレキセート、γ-フルオロメトトレキセート、ポリグルタミルメトトレキセート誘導体、ジェム-ジホスホネートメトトレキセート類似体(例えば、国際出願第1988/06158号参照、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、α-置換メトトレキセート類似体、γ-置換メトトレキセート類似体、5-メチル-5-デアザメトトレキセート類似体(例えば、米国特許第4,725,687号参照、この内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、N δ-アシル-N α-(4-アミノ-4-デオキシプテロイル)-L-オルニチン誘導体、8-デアザメトトレキセート類似体、アシビシンメトトレキセート類似体、ポリマープラチノールメトトレキセート誘導体、メトトレキセート-γ-ジミリストイルホファチジルエタノールアミン、メトトレキセートポリグルタメート類似体、ポリ-γ-グルタミルメトトレキセート誘導体、デオキシウリジレートメトトレキセート誘導体、ヨードアセチルリシンメトトレキセート類似体、2,ω-ジアミノアルカノイド酸含有メトトレキセート類似体、ポリグルタメート誘導体、5-メチル-5-デアザ類似体、キナゾリンメトトレキセート類似体、ピラジンメトトレキセート類似体、システインまたはホモシステイン酸メトトレキセート類似体(例えば、米国特許第4,490,529号およびEPA0142220参照、これらの内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)、γ-tert-ブチルメトトレキセートエステル、フッ化メトトレキセート類似体、葉酸メトトレキセート類似体、ホスホノグルタミン酸類似体、ポリ(L-リシン)メトトレキセート複合体、ジリシンまたはトリリシンメトトレキセート誘導体、7-ヒドロキシメトトレキセート、ポリ-γ-グルタミルメトトレキセート類似体、3‘、5’-ジクロロメトトレキセート、ジアゾケトンまたはクロロメチルケトンメトトレキセート類似体、10-プロパルギルアミノプテリン、アルキルメトトレキセートホモログ、メトトレキセートのレクチン誘導体、ポリグルタメートメトトレキセート誘導体、ハロゲン化メトトレキセート誘導体、8-アルキル-7,8-ジヒドロ類似体、7-メチルメトトレキセート誘導体、ジクロロメトトレキセート、親油性メトトレキセート誘導体、3’、5’-ジクロロメトトレキセート、デアザアメトプテリン類似体、およびMX068、またはそれらの立体異性体。
【0154】
さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬誘導体または類似体は、変種ポリグルタメート鎖を有する。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は、グルタメート以外の1つまたは複数の天然または合成残基を含む。いくつかの実施形態では、ポリグルタメート鎖は、アミド結合を含まない1つまたは複数のグルタミル基を含む。他の実施形態では、ポリグルタメート鎖の1つまたは複数のグルタミル基が誘導体化される。
【0155】
B.αANTIFOL-PG合成
本明細書で提供される葉酸代謝拮抗薬ポリグルタメート組成物は、当該技術分野において既知の次の合成法により得られる。葉酸代謝拮抗薬(異なる薬学的に許容可能な塩もしくは酸(例えば、葉酸代謝拮抗薬二ナトリウム)および結晶質および非晶質型を含む)および葉酸代謝拮抗薬を合成するための中間体を合成する手順には、限定されないが、米国特許第2,512,572号;同第3,892,801号;同第3,989,703号;同第4,057,548号;同第4,067,867号;同第4,079,056号;同第4,080,325号;同第4,106,488号;同第4,136,101号;同第4,224,446号;同第4,306,064号;同第4,374,987号;同第4,421,913号;同第4,558,690号;同第4,662,359号;および同第4,767,859号;ならびにCalvert,Semin.Oncol.26:3-10(1999)に記載のものが挙げられる。
【0156】
本明細書で提供される葉酸代謝拮抗薬ポリグルタメート組成物は、入手可能な試薬および合成中間体を用いて、次の合成法により得られる。グルタミル残基の葉酸代謝拮抗薬のグルタミル残基への付加は、当該技術分野において既知の合成法を用いて実施できる。いくつかの実施形態では、グルタミル残基は、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル残基に順次付加される。さらなる実施形態では、ポリグルタメートが、当業者に既知の「クリックケミストリー」法またはその他のバイオコンジュゲート化学を用いて葉酸代謝拮抗薬のグルタミル残基に付加される。あるいは、所望長さのグルタミル残基のペプチドを生成し、葉酸代謝拮抗薬のグルタミル残基を持たない前駆物質に付加できる。ペプチドは、当該技術分野において既知の方法を用いて作成できる。いくつかの実施形態では、初期グルタミル残基は、ワングレジンに結合され、F-moc化学を用いた固相ペプチド合成により追加のグルタミル残基が順次付加される。最後のグルタミル残基が付加された後で、葉酸代謝拮抗薬前駆物質がペプチドに結合され、分子がレジンから切断される。
【0157】
C.アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬複合体
意外にも、発明者らは、ポリグルタミン酸化ペメトレキセドなどのポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、白金系化合物などの細胞傷害性化合物を含む治療薬を含む、その他の組成物と複合体を形成できることを見出した。従って、いくつかの実施形態では、本開示は、αPANTIFOL(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)と、治療薬またはその塩もしくは酸との複合体を提供する。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、セクションIIに記載のαPANTIFOL、またはその塩もしくは酸である。いくつかの実施形態では、本開示は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLと、治療薬またはその塩もしくは酸との複合体を提供する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/複合体は、αPANTIFOLおよび治療薬を含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、化学療法剤などの細胞傷害性化合物である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/複合体は、白金系化学療法剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチンおよびオキサリプラチン)などの白金系薬物を含む。他の実施形態では、αPANTIFOL/複合体は、タキサン系化学療法剤(例えば、パクリタキセルおよびドセタキセル)を含む。他の実施形態では、αPANTIFOL/複合体は、シクロデキストリンを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0158】
さらなる実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、2~150、2~100、2~75、2~50、2~24、2~30、2~20、2~19、2~15、2~10または2~5個のグルタミル基を含む1種または複数のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、3~10、3~9、3~8、または3~7個のグルタミル基を含む1種または複数のαPANTIFOLを含む。他の実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、4~10、4~9、4~8、4~7、4~6、または4~5個のグルタミル基を含む1種または複数のαPANTIFOLを含む。特定の一実施形態では、複合体は、3~10個のグルタミル基を含む1種または複数のαPANTIFOLを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、3~7個のグルタミル基を含む1種または複数のαPANTIFOLを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、5個のグルタミル基を含む1種または複数のαPANTIFOLを含む。別の実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、6個のグルタミル基を含む1種または複数のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、細胞傷害性化合物またはその塩もしくは酸である。さらなる実施形態では、治療薬は、化学療法剤またはその塩もしくは酸である。別の実施形態では、化学療法剤は、白金系薬物である。別の実施形態では、化学療法剤は、タキサン系薬物である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/治療薬のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/治療薬のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/治療薬のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/治療薬のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/治療薬複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0159】
代替的実施形態では、αPANTIFOL複合体は、αPANTIFOLおよびシクロデキストリンを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載の葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL(例えば、αPANTIFOL塩)/シクロデキストリンのモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シクロデキストリンのモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シクロデキストリンのモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シクロデキストリンのモル比は、1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シクロデキストリンのモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。他の実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シクロデキストリンのモル比は、1:1~20、1:1~10、または1:2~8の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シクロデキストリンのモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シクロデキストリンのモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0160】
いくつかの実施形態では、本開示は、αPANTIFOL/白金系化学療法剤複合体を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、白金系化学療法剤は、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される。他の実施形態では、αPANTIFOL/白金系化学療法剤複合体は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンの類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、11:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。他の実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系化学療法剤のモル比は、1:1~20、1:1~10、または1:2~8の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/白金系薬剤複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0161】
さらなる実施形態では、αPANTIFOL/白金系化学療法剤複合体は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンの類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系類似体のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系類似体のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系類似体のモル比は、11:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系類似体のモル比は、11:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金系薬剤のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/白金系類似体複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0162】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびシスプラチンまたはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載の葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0163】
別の実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびカルボプラチンまたはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、本明細書のセクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カルボプラチンのモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カルボプラチンのモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0164】
別の実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびオキサリプラチンまたはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0165】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびネダプラチン、ヘプタプラチン、ロバプラチン、ストラトプラチン、パラプラチン、プラチノール、シクロプラチン、デキソルマプラチン、スピロプラチン、ピコプラチン、トリプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、オルマプラチン、ゼニプラチン、白金-トリアミン、サトラプラチン、エンロプラチン、JM216、NK121、CI973、DWA2114R、NDDP、およびネダプラチン、またはこれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤(「白金」)を含む複合体を提供する。他の実施形態では、αPANTIFOL/白金系化学療法剤複合体は、ネダプラチン、ヘプタプラチン、ロバプラチン、ストラトプラチン、パラプラチン、プラチノール、シクロプラチン、デキソルマプラチン、スピロプラチン、ピコプラチン、トリプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、オルマプラチン、ゼニプラチン、白金-トリアミン、サトラプラチン、エンロプラチン、JM216、NK121、CI973、DWA2114R、NDDP、またはネダプラチンの類似体、またはこれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金(または白金の塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金(または白金の塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金(または白金の塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金(または白金の塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金(または白金の塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金(または白金の塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/白金(または白金の塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/白金(またはその塩もしくは酸または類似体)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0166】
いくつかの実施形態では、本開示は、αPANTIFOL/タキサン系化学療法剤(タキサン)複合体を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、タキサン系化学療法剤は、パクリタキセル(PTX)、ドセタキセル(DTX)、ラロタキセル(LTX)、およびカバジタキセル(CTX)、またはそれらの塩もしくは酸から選択される。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/タキサン系薬剤のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/タキサン(またはタキサンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/タキサン(またはタキサンの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/タキサン(またはタキサンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/タキサン(またはタキサンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/タキサン(またはタキサンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/タキサン(またはタキサンの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/タキサン(またはタキサンの塩もしくは酸)薬剤複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0167】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびパクリタキセル(PTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、αPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)複合体は、パクリタキセル(PTX)の類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0168】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびドセタキセル(DTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、αPANTIFOL/ドセタキセル複合体は、ドセタキセル(DTX)の類似体、またはその塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0169】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびラロタキセル(LTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0170】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよびカバジタキセル(CTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0171】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよび別の代謝拮抗薬、またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。代謝拮抗薬は、正常な生化学反応に必要な代謝物に類似であるが、細胞分裂などの1種または複数の細胞の正常機能を妨害するのに十分な差異がある構造を有する化学物質である。いくつかの実施形態では、本開示は、αPANTIFOLおよび葉酸代謝拮抗薬(ANTIFOL)、またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、αPANTIFOL、およびゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、アンチホレート(例えば、葉酸代謝拮抗薬、ラルチトレキセド)、テガフール、シトシンアラビノシッド、チオグアニン、5-アザシチジン、6-メルカプトプリン、アザチオプリン、6-チオグアニン、ペントスタチン、リン酸フルダラビン、およびクラドリビン、ならびに、これらのいずれかの薬学的に許容可能な塩もしくは酸(単一または複数)、または誘導体から選択される代謝拮抗薬を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)のモル比は、1~20:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)のモル比は、1~10:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)のモル比は、2~8:1の範囲、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、または1:20である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)のモル比は、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。さらなる実施形態では、αPANTIFOL/代謝拮抗薬(または代謝拮抗薬の塩もしくは酸、またはプロドラッグ)複合体は、リポソーム中に被包される。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0172】
さらなる実施形態では、本開示は、αPANTIFOL(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)およびシクロデキストリンの複合体を提供する。シクロデキストリン(CD)は、複合体の形成を介して多くの薬物の物理化学的性質を改善することが示されている環状オリゴ糖のグループである。CDは、α-(1,4)結合により連結された、いくつかのD-グルコース単位から構成される環状オリゴ糖である。この環式構造は、疎水性の内部空洞を提供し、CDに短縮された錐体形状を与える。多くのヒドロキシル基が環の端部上に位置し、これが、CDを親油性および水に可溶性の両方にする。その結果、CDは、多種多様の疎水性薬剤と複合体を形成でき、それにより、これらの複合体化薬剤の物理化学的性質を変化させる。いくつかの実施形態では、複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。
【0173】
用語の「シクロデキストリン」または「CD」は、別段の指定がない限り、通常、可変数の(α-1,4)結合D-グルコピラノシド単位を含む、葉酸代謝拮抗薬-PGと複合体を形成できる親または誘導体化環状オリゴ糖を意味する。各シクロデキストリングルコピラノシドサブユニットは、2および3位置に二級ヒドロキシル基を、6位置に一級ヒドロキシル基を有する。用語の「親」、「非誘導体化」、または「不活性の」シクロデキストリンは、D-グルコピラノシド単位を含む、基本式C6H12O6およびグルコース構造を有し、追加の化学的置換基のないシクロデキストリンを意味する(例えば、6つのD-グルコピラノシド単位からなるα-シクロデキストリン、7つのD-グルコピラノシド単位からなるβ-シクロデキストリン、および8つのD-グルコピラノシド単位からなるγ-シクロデキストリン)。親シクロデキストリンの物理的および化学的性質は、ヒドロキシル基を他の官能基で誘導体化することにより改変できる。シクロデキストリン内相に位置する任意の物質は、シクロデキストリンと「複合体化」している、またはシクロデキストリンと複合体(包接複合体)を形成していると呼ばれる。
【0174】
本明細書で使用される場合、シクロデキストリンがαPANTIFOLと複合体を形成できる限りにおいて、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体のシクロデキストリン成分に対し特別な制限は存在しない。特定の実施形態では、シクロデキストリンは、αPANTIFOLおよび/またはリポソーム被包物との複合体形成を容易にするために、イオン化可能(例えば、弱塩基性および/または弱酸性)官能基を有するように誘導体化された。
【0175】
イオン化可能化学基を用いたシクロデキストリン内相から反対側に向けたヒドロキシル基などのシクロデキストリンのヒドロキシル基の改変は、シクロデキストリンおよびシクロデキストリンと複合体化した治療薬の添加を容易にすることが知られている。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体のシクロデキストリンは、少なくとも2、3、4、5、6、6、7、8、9、または10個のイオン化可能化学基で置換されたヒドロキシル基を有する。用語の「荷電シクロデキストリン」は、1つまたは複数のその荷電部分で置換されたヒドロキシル基を有するシクロデキストリンを意味する。このような部分は、それ自体荷電基であるか、または1つまたは複数の荷電部分で置換された有機部分(例えば、C1-C6アルキルまたはC1-C6アルキルエーテル部分)を含むことができる。
【0176】
いくつかの実施形態では、CD誘導体の「イオン化可能」または「荷電」部分は弱イオン化可能である。弱イオン化可能部分は、弱塩基性または弱酸性の部分である。弱塩基性官能基(W)は、約6.0~9.0、6.5~8.5、7.0~8.0、7.5~8.0、およびこれらの間の任意の範囲(端点含む)のCH3-WによるpKaを有する。同様に、弱酸性官能基(X)は、約3.0~7.0、4.0~6.5、4.5~6.5、5.0~6.0、5.0~5.5、およびこれらの間の任意の範囲(端点含む)のCH3-Xによるログ記録した解離定数(pKa)を有する。代表的アニオン性部分には、限定されないが、カルボキシレート、カルボキシメチル、スクシニル、スルホニル、ホスフェート、スルホアルキルエーテル、サルフェートカーボネート、チオ炭酸塩、ジチオカーボネート、ホスフェート、ホスホネート、スルホネート、ニトレート、およびボレート基が挙げられる。代表的カチオン性部分には、限定されないが、アミノ、グアニジン、および四級アンモニウム基が挙げられる。
【0177】
別の実施形態では、誘導体化シクロデキストリンは、「ポリアニオン」または「ポリカチオン」である。ポリアニオンは、2個以上の負電荷基を有する誘導体化シクロデキストリンで、3つ以上のユニットの正味の負イオン電荷を生じる。ポリカチオンは、2個以上の正電荷基を有する誘導体化シクロデキストリンで、3つ以上のユニットの正味の正イオン電荷を生じる。
【0178】
別の実施形態では、誘導体化シクロデキストリンは、「荷電可能両親媒性物質」である。「荷電可能」は、両親媒性物質がpH4~pH8または8.5の範囲のpKを有することを意味する。荷電可能両親媒性物質は、従って、弱酸または塩基であり得る。本明細書における「両性」は、アニオン性およびカチオン性特性の両方のイオン化可能基を有する誘導体化シクロデキストリンを意味し、(a)少なくとも片方の、任意選択で、両方のカチオンおよびアニオン性両親媒性物質が荷電可能で、4と8~8.5との間のpKを有する少なくとも1つの電荷基を有する、(b)pH4でカチオン電荷が優勢であり、および(c)pH8~8.5でアニオン電荷が優勢である。
【0179】
いくつかの実施形態では、「イオン化可能」または「荷電」誘導体化シクロデキストリンは、総じて、ポリイオン性、両親媒性、またはその他に関わらず、弱くイオン化可能である(すなわち、約4.0~8.5、4.5~8.0、5.0~7.5、5.5~7.0、6.0~6.5、のpKai、およびこの間の任意の範囲(両端含む)を有する)。
【0180】
どれか1つの、いくつかまたは全てのシクロデキストリンのα-D-グルコピラノシド単位のどれか1つ、いくつか、または全てのヒドロキシル基は、本明細書に記載のようにイオン化可能化学基に改変できる。各シクロデキストリンヒドロキシル基は化学的反応性が異なるので、改変部分との反応は、位置および光学異性体の非晶質混合物を生成できる。あるいは、特定の化学により、事前改変したα-D-グルコピラノシド単位の均一の生成物を形成するように反応させ得る。
【0181】
混合物中のシクロデキストリン誘導体で起こる集合体置換(aggregate substitution)は、置換度と呼ばれる用語で説明される。例えば、置換度7を有する6-エチレンジアミノ-β-シクロデキストリンは、6-エチレンジアミノ-β-シクロデキストリン分子あたりのエチレンジアミノ基の数が7である、6-エチレンジアミノ-β-シクロデキストリンの異性体の分布から構成されるであろう。シクロデキストリン誘導体混合物の置換度は、質量分析法または核磁気共鳴分光法を用いて、日常作業により測定できる。
【0182】
一実施形態では、シクロデキストリン内部から反対方向を向いた少なくとも1個のヒドロキシル部分がイオン化可能化学基により置換される。例えば、C2、C3、C6、C2およびC3、C2およびC6、C3およびC6、ならびにC2-C3-C6ヒドロキシルの3つ全ての内の少なくとも1つのα-D-グルコピラノシド単位は、イオン化可能化学基で置換される。任意のこのようなヒドロキシルの組み合わせは、本明細書に記載のいずれかの置換度と組み合わせることができるのに加えて、改変シクロデキストリン中の、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11個、最大で全てのアルファ-D-グルコピラノシド単位を同様に組み合わせることができる。1つのこのような誘導体は、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン(SAE-CD)である。ベータシクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体(SBE-β-CD)は、親シクロデキストリンに比べて、顕著に改善された水溶解度を有することが示された。
【0183】
開示リポソーム組成物中で治療薬と複合体化され得る追加のシクロデキストリン誘導体には、スガマデクスまたはOrg-25969が挙げられ、この場合、γ-CD上の6-ヒドロキシ基は、カルボキシチオアセテートエーテル結合、およびヒドロキシブテニル-β-CDにより置換された。代替形態のシクロデキストリンには、2,6-ジ-O-メチル-β-CD(DIMEB)、2-ヒドロキシルプロピル-3-シクロデキストリン(HP-β-CD)、ランドムメチル化-β-シクロ-デキストリン(RAMEB)、スルホブチルエーテル β-シクロデキストリン(SBE-β-CD)、およびスルホブチルエーテル-γ-シクロデキストリン(SBEγCD)、スルホブチル化-β-シクロデキストリンナトリウム塩、(2-ヒドロキシプロピル)-アルファ-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-β-シクロデキストリン、(2-ヒドロキシプロピル)-γ-シクロ-デキストリン、2,6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン(DIMEB-50ヘプタキス)、2,3,6-トリ-O-メチル)-β-シクロデキストリン(TRIMEBヘプタキス)、メチル-β-シクロデキストリン、オクタキス(6-デオキシ-6-ヨード)-γ-シクロデキスリン、およびオクタキス(6-デオキシ-6-ブロモ)-γ-シクロデキスリンが挙げられる。
【0184】
いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、リポソーム内相中のシクロデキストリンのより大きな量の捕捉を容易にするために、水中で高溶解度を有する。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンの水中溶解度は、少なくとも10mg/mL、20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、100mg/mL、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンの水溶性は、10~150mg/mL、20~100mg/mL、20~75mg/mLの範囲内、およびこれらの間の任意の範囲(両端含む)内である。
【0185】
いくつかの実施形態では、シクロデキストリンとαPANTIFOLおよび/またはシクロデキストリンと複合体化したその他の治療薬との間の大きな結合定数が好ましく、治療薬のサイズに基づいてシクロデキストリン中のグルコース単位の数を選択することにより得ることができる(例えば、Albers et al.,Crit.Rev.Therap.Drug Carrier Syst.12:311-337(1995);Stella et al.,Toxicol.Pathol.36:30-42(2008を参照)。結合定数がpHに依存する場合には、リポソーム内相のpHで結合定数が大きくなるようにシクロデキストリンを選択できる。その結果、シクロデキストリンの存在下での治療薬の溶解度(名目上の溶解度)をさらに改善できる。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンと治療薬との結合定数は、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、またはこれ以上である。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンと治療薬との結合定数は、100~1,200、200~1,000、300~750、およびこれらの間の任意の範囲である。
【0186】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリンは、誘導体化されない。
【0187】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリンは、誘導体化される。さらなる実施形態では、複合体のシクロデキストリン誘導体は、式I:
【化9】
の構造を有し、nは4、5、または6であり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9はそれぞれ独立に、-H、直鎖または分岐C
1-C
8アルキレン基、または任意に置換されてもよい直鎖または分岐C
1-C
6基であり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R8、およびR9の内の少なくとも1つは、直鎖または分岐C
1-C
8アルキレン(例えば、C
1-C
8-(アルキレン)-SO
3
-基)である。
【0188】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリン誘導体化は、式II:
【化10】
の構造を有し、nは4、5、または6であり;
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9はそれぞれ独立に、-O-または-O-(C
2-C
6アルキレン)-SO
3
-基であり;R
1およびR
2の少なくとも1つは独立に-O-(C
2-C
6アルキレン)-SO
3
-基であり;S
1、S
2、S
3、S
4、S
5、S
6、S
7、S
8、およびS
9はそれぞれ独立に、薬学的に許容可能なカチオンである。さらなる実施形態では、薬学的に許容可能なカチオンは、Li
+、Na
+、またはK
+などのアルカリ金属;Ca
+2、またはMg
+2などのアルカリ土類金属ならびにアンモニウムイオンおよび(C1-C6)-アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、(C1-C6)-アルカノールアミンおよび(C4-C8)-シクロアルカノールアミンのカチオンなどのアミンカチオンから選択される。いくつかの実施形態では、R1およびR2の内の少なくとも1つは、独立に-O-(CH
2)
mSO3-基である-O-(C2-C6アルキレン)-SO3-基であり、mは2~6、好ましくは2~4(例えば、-O-CH2CH2CH2S03-または-O-CH2CH2CH2CH2S03-)であり;およびS
1、S
2、S
3、S
4、S
5、S
6、S
7、S
8、およびS
9はそれぞれ独立に、Hまたは薬学的に許容可能なカチオンであり、これには、例えば、アルカリ金属(例えば、Li
+、Na
+、K
+)、アルカリ土類金属(例えば、Ca
+2、Mg
+2)、アンモニウムイオンならびに(C1-C6)-アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、(C
1-C
6)-アルカノールアミンおよび(C
4-C
8)-シクロアルカノールアミンのカチオンなどのアミンカチオンが挙げられる。
【0189】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリン誘導体化は、米国特許第6,133,248号、同第5,874,418号、同第6,046,177号、同第5,376,645号、同第5,134,127号、同第7,034,013号、同第6,869,939号;および国際公開第02005/117911号に開示されているシクロデキストリンである。これら特許文献のそれぞれの内容は、参照により本明細書に優先的に組み込まれる。
【0190】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリン誘導体は、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンである。いくつかの実施形態では、複合体のシクロデキストリン誘導体は、CAPTISOL(登録商標)(CyDex Pharma.Inc.,Lenexa,Kansas)などのスルホブチルエーテル-3-シクロデキストリンである。スルホブチルエーテル-3-シクロデキストリンおよびその他のスルホアルキルエーテルシクロデキストリンの作製方法は、当技術分野において既知である。
【0191】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリン誘導体は、式III:
【化11】
の化合物であり、式中、Rは、
(a)(H)
21-Xまたは(-(CH
2)
4-SO
3Na)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0;
(b)(H)
21-Xまたは(-(CH
2CH(OH)CH
3)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0;
(c)(H)
21-Xまたは(スルホアルキルエーテル)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0;または
(d)(H)
21-Xまたは(-(CH
2)
4-SO
3Na)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0である。
【0192】
さらなる実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。
【0193】
III.αPANTIFOL送達担体
代替実施形態では、本開示は、αPANTIFOL送達システムおよびαPANTIFOLのペイロードを細胞(単一または複数)にインビトロまたはインビボで送達するためのそれらの使用を提供する。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLは、送達担体と複合体化されるか、または送達担体中に組み込まれる。このような送達担体は当技術分野において既知であり、限定されないが、リポソーム、リポスフェア、ポリマー、ペプチド、タンパク質、抗体(例えば、抗体-αPANTIFOL複合体などのADC)、細胞成分、環状オリゴ糖(例えば、シクロデキストリン)、ナノ粒子(例えば、脂質ナノ粒子、生分解性ナノ粒子、およびコアシェルナノ粒子)、リポタンパク質粒子、およびこれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、送達担体はリポソームである。他の特定の実施形態では、送達担体は、抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL送達システムは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。
【0194】
A.リポソーム
いくつかの実施形態では、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を被包した(充填した)リポソームを含むリポソーム組成物を提供する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物中のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基(葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含む)を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマカルボキシル結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、アルファカルボキシル結合およびガンマカルボキシル結合の両方を有する少なくとも1個のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソームは、L-α ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-α ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-α ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(Lp-αPANTIFOL)を含む。さらなる実施形態では、リポソームは、L-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、アニオン性または中性であるリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、カチオン性であるリポソームを含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物はペグ化されていない。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は標的化されていない(NTLp-αPANTIFOL)。他の実施形態では、Lp-αPANTIFOL組成物は標的化されている(TLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~500nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~400nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~300nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~200nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~150nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、80nm~120nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。さらなる実施形態では、30~70%、30~60%、または30~50%w/w、またはそれらの間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬がLp-αPANTIFOL中に被包される(封入される)。いくつかの実施形態では、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、リポソームの作製工程中でLp-αPANTIFOL中に被包される。
【0195】
いくつかの実施形態では、提供されるリポソームは、免疫刺激剤、検出可能マーカー、または両方を、そのリポソームの外面上に配置して、さらに含む。免疫刺激剤または検出可能なマーカーは、リポソームの外面にイオン結合、または共有結合でき、この場合、任意選択で、リポソームの立体安定化成分に対する結合を含んでもよい。
【0196】
用語の「免疫刺激剤(immunostimulatory agent)」はまた、「免疫賦活薬(immunostimulant)」および「免疫賦活剤(immunostimulator)」としても知られ、免疫系のいずれかの成分の活性化または活性の増大を誘導することにより免疫(既存の免疫応答を含む)を刺激する物質を意味する。これらの免疫刺激剤には、ハプテン、アジュバント、タンパク質免疫刺激剤、核酸免疫刺激剤、および化学的免疫刺激剤の内の1種または複数が挙げられる。多くのアジュバントは、脂質A、百日咳菌または結核菌由来タンパク質などの免疫応答を刺激するように設計された物質を含む。特定のアジュバントは、例えば、フロイント不完全アジュバントおよび完全アジュバント(Difco Laboratories,Detroit,Mich.);Merckアジュバント65(Merck and Company,Inc.,Rahway,N.J.);AS-2(SmithKline Beecham,Philadelphia,Pa.);水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン)またはアルミニウムリン酸塩などのアルミニウム塩;カルシウム、鉄、または亜鉛の塩;アシル化チロシンの不溶性の懸濁液;アシル化糖類;カチオンでまたはアニオンで誘導体化したポリサッカライド;ポリホスファゼン;生分解性マイクロスフェア;モノホスホリルリピドAおよびquil A;IFNガンマ、IFNアルファ、FLT3リガンド;および免疫賦活性抗体(例えば、抗CTLA-4、抗CD28、抗CD3)として商業的に入手可能である。GM-CSF、インターロイキン2、7、12、および15などのサイトカイン、およびその他の類似成長因子もアジュバントとして使用できる。好ましい実施形態では、免疫賦活薬は、フルオレセイン、DNP、ベータグルカン、ベータ-1,3-グルカン、ベータ-1,6-グルカンから選択される少なくとも1種であり得る。さらなる好ましい実施形態では、免疫賦活薬は、トール様受容体(TLR)調節剤である。さらなる実施形態では、トール様受容体(TLR)調節剤は、酸化型低密度リポタンパク質(例えば、OXPAC、PGPC)、エリトランリピド(例えば、E5564)、およびレゾルビンの内の1種または複数である。いくつかの実施形態では、リポソームは、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)を含み、これは、我々の実験に基づくと、驚くべきことに、免疫賦活薬および検出可能マーカーの両方として機能する。
【0197】
いくつかの実施形態では、提供されるリポソームは、サイトゾルを含む目的の細胞内区画へのリポソームの取り込みを増大させる薬剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、薬剤は、リポソーム内容物にリソソームをバイパスする能力を与える(例えば、クロロキン)。いくつかの実施形態では、薬剤は、ミトコンドリアによるリポソーム内容物の更新を改善する(例えば、スフィンゴミエリンおよびmitoportの成分)
【0198】
いくつかの実施形態では、リポソームは、検出可能マーカーを含む。検出可能マーカーには、例えば、当該技術分野において既知の任意の好適な手段、例えば、少なくとも、磁気共鳴画像法(MRI)、光学画像法、蛍光/発光画像法、または核画像法技術により検出可能である、放射性同位元素、蛍光化合物、生物発光化合物、化学発光化合物、金属キレート剤、酵素、色素、インク、磁性化合物、生体触媒または顔料を挙げ得る。
【0199】
いくつかの実施形態では、免疫刺激剤および/または検出可能マーカーは、リポソームとの同時インキュベーションにより外面に結合される。例えば、免疫刺激剤および/または検出可能マーカーは、アビジン/ビオチン結合または金属キレート結合(例えば、Ni-NTA)などの疎水性相互作用またはイオン結合によりリポソーム膜に結合され得る。あるいは、免疫刺激剤または検出可能マーカーは、例えば、リポソーム成分にまたはPEGである立体安定剤に共有結合するなどにより、リポソームの外面に共有結合し得る。
【0200】
試薬の一例は、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で、これは、我々の実験に基づくと、驚くべきことに、免疫賦活薬および検出可能マーカーの両方として機能する。
【0201】
いくつかの実施形態では、リポソームは、サイトゾルを含む目的の細胞内区画へのリポソームの取り込みを増大させる薬剤をさらに含む。
【0202】
いくつかの実施形態では、リポソームは、ミトコンドリア標的化薬剤を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、トリフェニルホスホニウム(TPP)を含む。TPPを用いたリポソームの表面官能化の方法と機序は、当技術分野において既知である(例えば、pegスペーサー基を介してTPPを脂質アンカーに結合させ、TPPをステアリル基で修飾する(ステアリルトリフェニルホスホニウム(STPP)))。いくつかの実施形態では、リポソームは、高密度オクタアルギニンを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、スフィンゴミエリンおよび/またはスフィンゴミエリン代謝物を含む。本発明のリポソームを処方するために使用されるスフィンゴミエリン代謝物は、例えば、セラミド、スフィンゴシンまたはスフィンゴシン1-ホスフェートを含むことができる。いくつかの実施形態では、リポソームは、ローダミン123を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、ミトコンドリア透過性ペプチドを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、マイトフュージンペプチド、ミトコンドリアの標的化シグナルペプチド、およびアンテナペディアヘリックスIIIホメオドメイン細胞膜透過性ペプチド(ANT)(例えば、RQIKIWFQNRRMKWKKRKKRRQR RR(配列番号1)、RKKRRXRRRGC、式中、Xは任意の天然または非天然アミノ酸であり(配列番号2)、CCGCCAAGAAGCG(配列番号3)、GCGTGCACACGCGCGTAGACTTCCCCCGCAAGTCACTCGTTAGCCCGCCAAGAAGCGACCCCTCCGGGGCGAGCTGAGCGGCGTGGCGCGGGGGCGTCAT(配列番号4)、ACGTGCATACGCACGTAGACATTCCCCGCTTCCCACTCCAAAGTCCGCCAAGAAGCGTATCCCGCTGAGCGGCGTGGCGCGGGGGCGTCATCCGTCAGCTC(配列番号5)、またはACTTCCCCCGCAAGTCACTCGTTAGCCCGCCAAGAAGCGACCCCTCCGGGGCGAGCTG(配列番号6))、を含む)、またはそのミトコンドリア透過性フラグメントから選択されるミトコンドリア浸透剤を含む。
【0203】
いくつかの実施形態では、提供されるリポソーム組成物中のリポソームは、グアニジンリッチペプトイド、テトラグアニジウム、トリグアニジウム、ジグアニジウム、モノグアニジウム、グアニジンリッチポリカーバメート、ベータオリゴアルギニン、プロリンリッチデンドリマー、およびホスホニウム塩(例えば、メチルトリフェニルホスホニウムおよび/またはテトラフェニルホスホニウム)から選択されるミトコンドリア浸透剤を含む。
【0204】
いくつかの実施形態では、提供されるリポソーム組成物中のリポソームは、スフィンゴミエリンおよび/またはステアリルオクタアルギニンを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、スフィンゴミエリンおよび/またはステアリルオクタアルギニンを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、DOPE、スフィンゴミエリン、ステアリルオクタアルギニンスフィンゴミエリンおよびステアリルオクタアルギニンを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、DOPE、スフィンゴミエリン、ステアリルオクタアルギニンスフィンゴミエリンおよびステアリルオクタアルギニンを9:2:1のモル比で含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、MITOポーター(登録商標)システムまたはその変形体を含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、提供されるリポソーム組成物中のリポソームは、細胞膜を横切ってリポソームの送達を容易にし、リポソームに対しエンドサイトーシス通路およびリソソームの過酷な環境をバイパスする能力を付与する膜透過剤などの薬剤を含む。膜透過剤は当技術分野において既知であり、定常的に使用して、提供されるリポソーム組成物の製造および使用に応用できる。いくつかの実施形態では、膜浸透剤/リソソームバイパス剤はクロロキンである。いくつかの実施形態では、膜透過剤は、細胞透過性ペプチドである。いくつかの実施形態では、提供されるリポソーム組成物中のリポソームは、下記群から選択される膜透過剤を含む:RKKRRQRRR(配列番号7)、GRKKRRQRRRTPQ(配列番号8)、YGRKKRRQRRR(配列番号9)、AAVALLPAVLLALLA(配列番号10)、MGLGLHLLVLAAALQ(配列番号11)、GALFLGFLGAAGSTM(配列番号12)、AGYLLGKINLKALAALAKKIL(配列番号13)、RVIRVWFQNKRCKDKK(配列番号14)、RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号15)、GLFEAIAGFIENGWEGMIDG(配列番号16)、GWTLNSAGYLLGKIN(配列番号17)、RSQSRSRYYRQRQRS(配列番号18)、LAIPEQEY(配列番号19)、LGIAEQEY(配列番号20)、LGIPAQEY(配列番号21)、LGIPEAEY(配列番号22)、LGIPEQAY(配列番号23)、LGIAEAEY(配列番号24)、LGIPEAAY(配列番号25)、LGIAEQAY(配列番号26)、LGIAEAAY(配列番号27)、LLIILRRRIRKQAHAHSK(配列番号28)、LKALAALAKKIL(配列番号29)、KLALKLALKALKAALKLA(配列番号30)、KETWWETWWTEWSQPKKKRKV(配列番号31)、DHQLNPAF(配列番号32)、DPKGDPKG(配列番号33)、VTVTVTVTVTGKGDPKPD(配列番号34)、RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号35)、GRKKRRQRRRPPQ(配列番号36)、GWTLNSAGYLLGKINLKALAALAKKIL(配列番号37)、GRKKRRQRRR(配列番号38)、RRRRRRR(配列番号39)、RRRRRRRR(配列番号40)、RRRRRRRRR(配列番号41)、RRRRRRRRRR(配列番号42)、RRRRRRRRRRR(配列番号43)、およびYTIWMPENPRPGTPCDIFTNSRGKRASNGGGG(R)n(式中、L-および/またはD型でn=2~15R)(配列番号44)、またはこれらの細胞透過性フラグメント。
【0206】
上記で考察したように、リポソームは、循環中でのそれらの寿命を延長できる立体安定剤を含み得る。立体安定剤を組み込んでいるこれらの実施形態に対し、立体安定剤は、ポリエチレングリコール(PEG);ポリ-L-リシン(PLL);モノシアロガングリオシド(GM1);ポリ(ビニルピロリドン)(PVP);ポリ(アクリルアミド)(PAA);ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン);ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン);ホスファチジルポリグリセロール;ポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド];両親媒性ポリ-N-ビニルピロリドン;L-アミノ酸ベースポリマー;オリゴグリセリン、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレンオキシド含有コポリマー、ポロキサマー188、およびポリビニルアルコールから選択される少なくとも1つのメンバーであり得る。いくつかの実施形態では、立体安定剤または立体安定剤群は、PEGである。一実施形態では、立体安定剤はPEGである。さらなる実施形態では、PEGは、200~5000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有する。これらのPEGは、直鎖、分岐、星形または櫛形構造など任意の構造であり得、商業的に入手できる。
【0207】
いくつかの実施形態では、本開示は、ペグ化リポソームを含むリポソームを含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物中のペグ化リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマ結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1個のグルタミル基は、アルファ結合およびガンマ結合の両方を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、αテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むペグ化リポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソームは、L-α テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-α テトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むペグ化リポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソームは、L-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むペグ化リポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソームは、L-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[25]、および[27]~[69]のいずれか1項に記載のペグ化リポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、アニオン性または中性であるペグ化リポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、カチオン性であるペグ化リポソームを含む。いくつかの実施形態では、PLp-αPANTIFOL組成物は標的化されていない(NTPLp-αPANTIFOL)。他の実施形態では、PLp-αPANTIFOL組成物は標的化されている(TPLp-αPANTIFOL)。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、30~70%、30~60%、または30~50%、またはそれらの間の任意の範囲のリポソーム封入アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むペグ化リポソームを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%(w/w)を超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、PLp-αPANTIFOL中に被包(封入)される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~500nmの範囲の直径を有するペグ化リポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~200nmの範囲の直径を有するペグ化リポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、80nm~120nmの範囲の直径を有するペグ化リポソームを含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、組成物中の30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%を超えるポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、4~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を有する。いくつかの実施形態では、提供されるリポソーム組成物中の30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%を超えるポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、テトラグルタミン酸化されている。いくつかの実施形態では、提供されるリポソーム組成物中の30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%を超えるポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、ペンタグルタミン酸化されている。いくつかの実施形態では、提供されるリポソーム組成物中の30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%を超えるポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬が、ヘキサグルタミン酸化されている。
【0209】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物(例えば、アルファポリグルタメートおよびポリグルタメートを含むリポソームなどの送達担体)は水溶液中にある。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、リポソーム組成物として、約0.005~約5000mg/M2(メートルの二乗の単位の体表面積)、または約0.1~約1000mg/M2、またはそれらの間の任意の範囲で投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、リポソーム組成物として、約1mg/kg~約500mg/kg、1mg/kg~約250mg/kg、1mg/kg~約200mg/kg、1mg/kg~約150mg/kg、1mg/kg~約100mg/kg,1mg/kg~約50mg/kg、約1mg/kg~約25mg/kg、約1mg/kg~約20mg/kg、約1mg/kg~約15mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、または約1mg/kg~約5mg/kg、またはこれらの間の任意の範囲で投与される。
【0210】
(1)リポソーム組成物
リポソーム組成物中に含まれるリポソームの脂質およびその他の成分は、任意の脂質、脂質の組み合わせおよび比率、または脂質およびその他のリポソーム成分の組み合わせおよび当該技術分野において既知のそれらそれぞれの比率とすることができる。しかし、限定されないが、本明細書で考察のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬などの任意の特定の薬物のリポソーム被包は、有用で機能的なリポソーム製剤を得るための実質的に定型的な実験を含み得ることは、当業者には理解されよう。一般に、提供されるリポソームは、任意のリポソーム構造、例えば、1つまたは複数の脂質二重層により外側媒体から隔離された内側の空間を有する構造、または膜が内部を隔離する親油性の中心部分を備えた半透膜を有する任意のマイクロカプセル構造を有し得る。脂質二重層は、親水性部(親水性部分)および疎水性部(疎水性部分)を特徴とする任意の構造の両親媒性分子であり得る。通常、二重層中の両親媒性分子は、2次元シートに配置され、そこで、疎水性部分は、シートの内側に向き、一方、親水性部分は外側を向く。提供されるリポソームを形成する両親媒性分子は、任意の既知の、または今後発見される両親媒性分子(例えば、合成または天然起源脂質または生体適合性脂質)であり得る。リポソームは、両親媒性ポリマーおよび界面活性剤、例えば、ポリマーソームおよびニオソームにより形成することができる。本開示においては、限定されないが、これらのリポソーム形成材料はまた、「脂質」とも呼ばれる。
【0211】
本明細書で提供されるリポソーム組成物製剤は、液体または乾燥粉末もしくは乾燥ケーキなどの乾燥型であり得る。乾燥粉末または乾燥ケーキは、例えば、凍結乾燥条件下で一次乾燥を受け得る、または一次乾燥のみもしくは一次乾燥と二次乾燥の両方を受け得る。乾燥型では、粉末またはケーキは、例えば、1%~6%の水分、例えば、2%~5%の水分または2%~4%の水分を有し得る。乾燥法の一例は、凍結乾燥(凍結乾燥(freeze-drying)または凍結乾燥(cryodessication)とも呼ばれる)である。本開示のいずれかの組成物および方法は、リポソーム、凍結乾燥リポソームまたは凍結乾燥リポソームから再構成したリポソームを含み得る。いくつかの実施形態では、開示組成物および方法は、1種または複数の凍結乾燥保護剤または凍結保護物質を含む。これらの保護剤は通常、糖類(単糖、二糖、および多糖類)、多価アルコール、およびこれらの誘導体、グリセロールもしくはポリエチレングリコール、トレハロース、マルトース、スクロース、グルコース、ラクトース、デキストラン、グリセロール、またはアミノグリコシドなどのポリヒドロキシ化合物である。さらなる実施形態では、凍結乾燥保護剤または凍結保護物質は、リポソームの外側、リポソームの内側、またはリポソームの外側および内側の溶液の最大10%または最大20%を含む。
【0212】
いくつかの実施形態では、リポソームは、循環中でのそれらの寿命を延長する立体安定剤を含む。親水性高分子(ポリエチレングリコール(PEG))、糖脂質(モノシアロガングリオシド(GM1))、またはその他などの1種または複数の立体安定剤は、リポソーム表面に直接隣接した空間を占め、他の高分子をこの空間から排除する。この結果、血漿オプソニンのリポソーム表面へのアクセスと結合が妨害され、従って、マクロファージのこのようなリポソームとの相互作用、またはいずれか他の除去機序が抑制され、循環中のリポソームの寿命が延長される。いくつかの実施形態では、立体安定剤または立体安定剤群は、PEGまたはPEGを含む組み合わせである。さらなる実施形態では、立体安定剤は、PEGまたは200~5000ダルトンの数平均分子量(Mn)を有するPEGを含む組み合わせである。これらのPEGは、直鎖、分岐、星形または櫛形構造など任意の構造であり得、商業的に入手できる。
【0213】
開示リポソームの直径は、特に制限されない。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~500nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含み、20nm~500nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、20nm~500nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~400nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含み、20nm~400nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、20nm~400nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~300nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含むリポソームを含み、20nm~300nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、20nm~300nmの範囲の直径を有する。
【0214】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~200nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含み、20nm~200nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、20nm~200nmの範囲の直径を有する。
【0215】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~150nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含み、20nm~150nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、20nm~150nmの範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、30nm~150nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含み、30nm~150nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、30nm~150nmの範囲、またはその間の任意の範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、80nm~120nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含み、80nm~120nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、80nm~120nmの範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、40nm~70nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含み、40nm~70nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物であり、40nm~70nmの範囲の直径を有する。
【0216】
リポソームの特性は、リポソームを作製するために使用した脂質の性質により影響を受ける。多種多様な脂質がリポソームを作製するために使用されてきた。これらには、カチオン性、アニオン性および中性脂質が含まれる。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームは、アニオン性または中性である。他の実施形態では、提供されるリポソームはカチオン性である。電荷(例えば、アニオン性、中性のまたはカチオン性)の判定は、リポソームのゼータ電位を測定することにより定型作業で決定できる。リポソームのゼータ電位は、プラス、ゼロまたはマイナスであり得る。いくつかの実施形態では、リポソームのゼータ電位は、ゼロ以下である。いくつかの実施形態では、リポソームのゼータ電位は、0~-150mVの範囲である。別の実施形態では、リポソームのゼータ電位は、-30~-50mVの範囲である。
【0217】
いくつかの実施形態では、カチオン性脂質を用いて、遺伝子導入剤としてよく使われるカチオン性リポソームが作製される。カチオン性リポソーム上の正電荷が細胞表面上の負電荷との相互作用を可能とする。カチオン性リポソームの細胞への結合後、リポソームは、エンドサイトーシスにより細胞の内部に輸送される。
【0218】
いくつかの好ましい実施形態では、中性~アニオン性リポソームが使用される。好ましい実施形態では、アニオン性リポソームが使用される。例えば、HSPCなどの中性脂質およびPEG-DSPEなどのアニオン性脂質の混合物の使用により、アニオン性リポソームが形成され、これは、正常細胞に非特異的に結合する可能性が低い。腫瘍細胞に対する特異的結合は、例えば、葉酸受容体アルファ抗体、葉酸受容体ベータ抗体および/または葉酸受容体葉酸受容体デルタ抗体を含む葉酸受容体抗体などの腫瘍標的化抗体を用いて実現できる。
【0219】
一例として、少なくとも1つの(またはいくつかの)脂質は、親水性および疎水性部分(通常、親水性頭部および疎水性尾部)を有するとして定義される両親媒性脂質である。疎水性部分は通常、疎水性相(例えば、二重層内)に向き、一方、親水性部分は通常、水相(例えば、二重層の外側)を向く。親水性部分は、炭水化物、ホスフェート、カルボン酸、スルファト、アミノ、スルフヒドリル、ニトロ、ヒドロキシルおよびその他の類似の基などの極性基または荷電基を含むことができる。疎水性部分は、限定されないが、長鎖飽和および不飽和の脂肪族炭化水素基および1種または複数の芳香族、脂環式または複素環基により置換された基を含む無極性基を含むことができる。両親媒性化合物の例には、リン脂質、アミノ脂質およびスフィンゴ脂質が挙げられるが、これらに限定されない。
【0220】
典型的には、例えば、脂質はリン脂質である。リン脂質には、限定されないが、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、などが挙げられる。コレステロール、スフィンゴミエリン、およびカルジオリピンなどの他の脂質膜成分も使用できることを理解されたい。
【0221】
本明細書で提供されるリポソームを含む脂質は、アニオン性および中性のリン脂質を含むアニオン性および中性(双性イオン性および極性を含む)脂質であり得る。中性脂質は、選択pHで、非荷電または中性の双性イオン性型で存在する。生理学的pHで、このような脂質には、例えば、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、ケファリン、コレステロール、セレブロシドおよびジアシルグリセロールが挙げられる。双性イオン性脂質の例には、限定されないが、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、およびジオレオイルホスファチジルセリン(DOPS)が挙げられる。アニオン性脂質は、生理学的pHで負に帯電している。これらの脂質には、限定されないが、ホスファチジルグリセロール、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N-ドデカノイルホスファチジルエタノールアミン、N-スクシニルホスファチジルエタノールアミン、N-グルタリルホスファチジルエタノールアミン、リシルホスファチジルグリセロール、パルミトイルオレオイルホスファチジルグリセロール(POPG)、および中性脂質に結合したアニオン性修飾基が挙げられる。
【0222】
本明細書においては、アニオン性および中性脂質は、一括して、非カチオン性脂質と称される。このような脂質は、リンを含み得るが、それらは、それほど限定されない。非カチオン性脂質の例には、レシチン、リゾレシチン、ホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE)、ジステアロイルホスファチジ 1-エタノールアミン(DSPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセリン(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセリン(DPPG)、パルミトイルオレヨールホスファチジルグリセリン(POPG)、16-0-モノメチルPE、16-0-ジメチル PE、18-1-trans PE、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、1-ステアロイル-2-オレオイルホスファチジエタノールアミン(SOPE)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、セファリン、カルジオリピン、ホスファチジン酸、セレブロシド、ジセチルホスフェート、およびコレステロールが挙げられる。
【0223】
リポソームは、任意のリポソーム組み立て方法を用いて、当該技術分野において既知のリポソーム(liposomal)成分(リポソーム(liposome)成分とも呼ばれる)を使って構築され得る。リポソーム成分には、例えば、DSPE、HSPC、コレステロールなどの脂質、およびこれらの成分の誘導体が挙げられる。他の好適な脂質は、例えば、Avanti Polar Lipids,Inc.(Alabaster,Alabama,USA)から商業的に入手できる。アニオン性リポソームの作製に好適する入手可能な負電荷または中性電荷の脂質の一部のリストは、例えば、次記の少なくとも1種であり得る:DLPC、DMPC、DPPC、DSPC、DOPC、DMPE、DPPE、DOPE、DMPA・Na、DPPA・Na、DOPA・Na、DMPG・Na、DPPG・Na、DOPG・Na、DMPS・Na、DPPS・Na、DOPS・Na、DOPE-グルタリル・(Na)2、テトラミリストイルカルディオリピン・(Na)2、DSPE-mPEG-2000・Na、DSPE-mPEG-5000・Na、およびDSPE-マレイミドPEG-2000・Na。
【0224】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供されるαPANTIFOL組成物は、カチオン性脂質を含むリポソーム中に配合される。一実施形態では、限定はされないが、カチオン性脂質は、国際公開第2012/040184号、同第2011/153120号、同第2011/149733号、同第2011/090965号、同第2011/043913号、同第2011/022460号、同第2012/061259号、同第2012/054365号、同第2012/044638号、同第2010/080724号、同第2010/21865号および同第2008/103276号、米国特許第7,893,302号、同第7,404,969号、同第8,283,333号、米国特許出願公開第20100036115号、および同第20120202871号に記載のカチオン性脂質から選択される。これらの特許文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。別の実施形態では、カチオン性脂質は、限定されないが、国際公開第2012/040184号、同第2011/153120号、同第201/1149733号、同第2011/090965号、同第2011/043913号、同第2011/022460号、同第2012/061259号、同第2012/054365号および同2012/044638号に記載の式Aから選択され得る。これらの特許文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。さらに別の実施形態では、カチオン性脂質は、限定されないが、国際公開特許第2008103276号の式CLI~CLXXIX、米国特許第7,893,302号の式CLI~CLXXIX、米国特許第7,404,969号の式CLI~CLXXXXIIおよび米国特許出願公開第20100036115号の式I~VIから選択され得る。これらそれぞれの特許文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。非限定的例として、カチオン性脂質は、次記から選択され得る:(20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン、(17Z,20Z)-N,N-ジメミル-ヘキサコサ-17,20-ジエン-9-アミン、(1Z,19Z)-N5N-ジメチルペンタコサ-16、19-ジエン-8-アミン、(13Z,16Z)-N,N-ジメチルドコサ-13,16-ジエン-5-アミン、(12Z,15Z)-N,N-ジメチルヘンイコサ-12,15-ジエン-4-アミン、(14Z,17Z)-N,N-ジメチルトリコサ-14,17-ジエン-6-アミン、(15Z,18Z)-N、N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-7-アミン、(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-10-アミン、(15Z,18Z)-N,N-ジメチルテトラコサ-15,18-ジエン-5-アミン、(14Z,17Z)-N,N-ジメチル-トリコサ-14,17-ジエン-4-アミン、(19Z,22Z)-N,N-ジメイヒルオクタコサ-19,22-ジエン-9-アミン、(18Z,21Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18,21-ジエン-8-アミン、(17Z,20Z)-N,N-ジメチルヘキサ-コサ-17,20-ジエン-7-アミン、(16Z,19Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16,19-ジエン-6-アミン、(22Z,25Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22,25-ジエン-10-アミン、(21Z,24Z)-N,N-ジメチル-トリアコンタ-21,24-ジエン-9-アミン、(18Z)-N,N-ジメチルヘプタコサ-18-エン-10-アミン、(17Z)-N,N-ジメチルヘキサコサ-17-エン-9-アミン、(19Z,22Z)-N,N-ジメチルオクタコサ-19,22-ジエン-7-アミン、N,N-ジメチルヘプタコサン-10-アミン、(20Z,23Z)-N-エチル-N-メチルノナコサ-20,23-ジエン-10-アミン、1-[(11Z,14Z)-1-ノニルイコサ-11,14-ジエン-1-イル]ピロリジン、(20Z)-N,N-ジメチル-ヘプタコサ-20-エン-10-アミン、(15Z)-N,N-ジメチルエプタコサ-15-エン-10-アミン、(14Z)-N,N-ジメチルノナコサ-14-エン-10-アミン、(17Z)-N,N-ジメチルノナコサ-17-エン-10-アミン、(24Z)-N,N-ジメチルトリトリアコンタ-24-エン-10-アミン、(20Z)-N,N-ジメチルノナコサ-20-エン-10-アミン、(22Z)-N,N-ジメチルヘントリアコンタ-22-エン-10-アミン、(16Z)-N,N-ジメチルペンタコサ-16-エン-8-アミン、(12Z,15Z)-N,N-ジメチル-2-ノニルヘンイコサ-12,15-ジエン-1-アミン、(13Z,16Z)-N,N-ジメチル-3-ノニルドコサ-13,16-ジエン-1-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]エプタデカン-8-アミン、1-[(1S,2R)-2-ヘキシルシクロプロピル]-N,N-ジメチルノナデカン-10-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ノナデカン-10-アミン、N,N-ジメチル-21-[R1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘンイコサン-10-アミン,N,N-ジメチル-1-[(1S,2S)-2-{[(1R,2R)-2-ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]ノナデカン-10-アミン,N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘキサデカン-8-アミン、N,N-ジメチル-[(1R,2S)-2-ウンデシル-シクロプロピル]テトラデカン-5-アミン、N,N-ジメチル-3-{7-[(1S、2R)-2-オクチルシクロプロピル]ヘプチル}ドデカン-1-アミン、1-[(1R,2S)-2-ヘプチルシクロプロピル]-N,N-ジメチルオクタデカン-9-アミン、1-[(1S,2R)-2-デシルシクロプロピル]-N,N-ジメチル-ペンタデカン-6-アミン、N,N-ジメチル-1-[(1S,2R)-2-オクチルシクロプロピル]ペンタデカン-8-アミン、R--N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、S--N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-{2-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-1-[(オクチルオキシ)メチル]エチル}ピロリジン、(2S)-N,N-ジメチル-1-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-3-[(5Z-)-オクタ-5-エン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、1-{2-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]-1-[(オクチルオキシ)メチル]エチル}アゼチジン、(2S)-1-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、(2S)-1-(ヘプチルオキシ)-N,N-ジメチル-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-(ノニルオキシ)-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-[(9Z)-オクタデカ-9-エン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン;(2S)-N,N-ジメチル-1-[(6Z,9Z,12Z)-オクタデカ-6,9,12-トリエン-1-イルオキシ]-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(ペンチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-(ヘキシルオキシ)-3-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、1-[(11Z,14Z)-イコサ-11,14-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル1-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-[(13Z,16Z)-ドコサ-13,16-ジエン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2S)-1-[(13Z,16Z)-ドコサ-13,16-ジエン-1-イルオキシ]-3-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチル-プロパン-2-アミン、(2S)-1-[(13Z)-ドコサ-13-エン-1-イルオキシ]-3-(ヘキシルオキシ)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、1-[(13Z)-ドコサ-13-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、1-[(9Z)-ヘキサデカ-9-エン-1-イルオキシ]-N,N-ジメチル-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミン、(2R)-N,N-ジメチル-H(1-メチルオクチル)オキシ]-3-[(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イルオキシ]プロパン-2-アミン、(2R)-1-[(3,7-ジメチルオクチル)オキシ]-N,N-ジメチル-3-R9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン-1-イロキシルプロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-(オクチルオキシ)-3-({8-[(1S,2S)-2-{[(1R,2R)-2-ペンチルシクロプロピル]-メチル}シクロプロピル]オクチル}オキシ)プロパン-2-アミン、N,N-ジメチル-1-{[-(2-オクリルシクロプロピル)オクチル]オキシ}-3-(オクチルオキシ)プロパン-2-アミンおよび(11E,20Z,23Z)-N,N-ジメチルノナコサ-11,20,2-トリエン-10-アミンまたは薬学的に許容可能なこれらの塩もしくは酸または立体異性体。
【0225】
一実施形態では、脂質は、国際公開第2012/170889号に記載のものなどの切断可能な脂質であり得る。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0226】
カチオン性脂質は、当該技術分野において既知の方法を使用しておよび/または国際公開第2012/040184号、同第2011/153120号、同第2011/149733号、同第2011/090965号、同第201/1043913号、同第2011/022460号、同第2012/061259号、同第2012/054365号、同第2012/044638号、同第2010/080724号および同第2010/21865号に記載のようにして、定常的に合成できる。これら特許文献は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0227】
脂質誘導体は、例えば、少なくとも、1種または複数の立体安定剤および/または官能基のリポソーム成分への結合(好ましくは共有結合)(この結合の後で、立体安定剤および/または官能基は、リポソーム成分の一部と見なされるはずである)を含むことができる。官能基は、リポソーム成分を、タンパク質などの別の部分に結合するために使用できる基を含む。このような官能基には、少なくとも、マレイミドが含まれる。これらの立体安定剤には、ポリエチレングリコール(PEG);ポリ-L-リシン(PLL);モノシアロガングリオシド(GM1);ポリ(ビニルピロリドン)(PVP);ポリ(アクリルアミド)(PAA);ポリ(2-メチル-2-オキサゾリン);ポリ(2-エチル-2-オキサゾリン);ホスファチジルポリグリセロール;ポリ[N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド];両親媒性ポリ-N-ビニルピロリドン;L-アミノ酸ベースポリマー;およびポリビニルアルコール由来の少なくとも1種が含まれる。
【0228】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、脂質-ポリカチオン複合体中に配合される。脂質-ポリカチオン複合体の形成は、当該技術分野において既知の方法を用いて、および/または米国特許出願公開第20120178702号に記載のようにして、実現され得る。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。非限定的例として、ポリカチオンには、限定されないが、ポリリシン、ポリオルニチン、および/またはポリアルギニンなどのカチオン性ペプチドまたはポリペプチド、および国際公開第2012/013326号に記載のカチオン性ペプチドが挙げられる。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる別の実施形態では、αPANTIFOLは、脂質-ポリカチオン複合体中に配合され、これには、限定されないが、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの中性脂質がさらに含まれる。
【0229】
リポソームの成分は、それに結合する任意の分子(すなわち、化学薬品/試薬/タンパク質)を含むことができ、いくつかの実施形態では、提供されるリポソームの成分には、少なくとも、群DSPE、DSPE-PEG、DSPE-マレイミド、HSPC;HSPC-PEG;HSPC-マレイミド;コレステロール;コレステロール-PEG;およびコレステロール-マレイミドから選択されるメンバーが含まれる。いくつかの実施形態では、提供されるリポソームの成分は、DSPE、DSPE-PEG、DSPE-マレイミド、HSPC;HSPC-PEG;HSPC-マレイミド;コレステロール;コレステロール-PEG;およびコレステロール-マレイミドを含む。好ましい実施形態では、リポソームを構成するリポソーム成分には、DSPE;DSPE-FITC;DSPE-マレイミド;コレステロール;およびHSPCが含まれる。
【0230】
さらなる実施形態では、本明細書で提供されるリポソーム組成物のリポソームは、酸化型リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルコリンおよび1-パルミトイル-2-アラキドノイル-sn-グリセロ-2-ホスフェートから選択されるメンバーの酸化型リン脂質を含む。いくつかの実施形態では、リン脂質は不飽和結合を有する。いくつかの実施形態では、リン脂質は、リン脂質を含むアラキドン酸である。さらなる実施形態では、リン脂質は、sn-2-酸素化されている。さらなる実施形態では、リン脂質は、断片化していない。
【0231】
いくつかの実施形態では、開示リポソーム組成物のリポソームは、酸化型1-パルミトイル-2-アラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホリルコリン(OxPAPC)を含む。本明細書で使用される場合、用語の「oxPAPC」は、1-パルミトイル-2-アラキドノイル-sn-グリセロ-3-ホリルコリン(PAPC)の酸化により生成される脂質を意味し、これにより、断片化または完全長酸素化sn-2残基を含む酸化型リン脂質の混合物を生じる。特徴がはっきりした酸化的断片化種は、オメガアルデヒドまたはオメガカルボキシル基を有する5-炭素sn-2残基を含む。アラキドン酸残基の酸化はまた、エステル化イソプロスタンを含むリン脂質を生成する。いくつかの実施形態では、oxPAPCは、oxPAPC中に存在する多くの酸化型生成物の内でも特に、HOdiA-PC、KOdiA-PC、HOOA-PCおよびKOOA-PC種を含む。さらなる実施形態では、oxPAPCは、エポキシイソプロスタン含有リン脂質である。さらなる実施形態では、oxPAPCは、1-パルミトイル-2-(5,6-エポキシイソプロスタン E2)-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(5,6-PEIPC)、1-パルミトイル-2-(エポキシシクロペンテノン)-sn-グリセロ-3-ホリルコリン(PECPC)および/または1-パルミトイル-2-(エポキシ-イソプロスタン E2)-sn-グリセロ-4-ホスホコリン(PEIPC)である。いくつかの実施形態では、リン脂質は不飽和結合を有する。いくつかの実施形態では、リン脂質は、リン脂質を含むアラキドン酸である。さらなる実施形態では、リン脂質は、sn-2-酸素化されている。さらなる実施形態では、リン脂質は、断片化していない。
【0232】
いくつかの実施形態では、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、ペグ化されている(すなわち、ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化(例えば、ペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化)葉酸代謝拮抗薬(PLp-αPANTIFOLまたはPLp-αPANTIFOL))。いくつかの実施形態では、PLp-αPANTIFOLまたはPLp-αPANTIFOLは水溶性である。即ち、PLp-αPANTIFOLまたはPLp-αPANTIFOLは、水溶液の形態である。
【0233】
いくつかの実施形態では、開示リポソーム組成物のリポソームは、次記から選択される脂質を含む:1-パルミトイル-2-グルタロイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン(PGPC);1-パルミトイル-2-(9′オキソ-ノナノイル)-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1-パルミトイル-2-アラキノドイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1-パルミトイル-2-ミリストイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1-パルミトイル-2-ヘキサデシル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1-パルミトイル-2-アゼラオイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン;および1-パルミトイル-2-アセトイル-sn-グリセロ-3-ホスホコリン。さらなる実施形態では、リポソームは、PGPCを含む。
【0234】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、pH2~8、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、pH5~8、もしくはpH2~6、またはそれらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、pH5~8、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、pH6~7、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、6~7.5、6.5~7.5、6.7~7.5、または6.3~7.0、またはそれらの間の任意の範囲である。
【0235】
いくつかの実施形態では、リポソーム脂質二重層の少なくとも1つの成分は、官能化されている(または反応性である)。本明細書で使用される場合、官能化成分は、試薬および部分を脂質に架橋するために使用できる反応性基を含む成分である。脂質が官能化されると、それが形成するいずれのリポソームも官能化される。いくつかの実施形態では、反応性基は、架橋剤(またはその他の部分)と反応して架橋を形成するものである。リポソーム脂質二重層中の反応性基は、架橋剤と接触して、別の部分(例えば、立体安定剤またはターゲティング部分)との架橋を可能とする脂質のどこかに配置される。いくつかの実施形態では、反応性基は、例えば、リン脂質などの脂質の先端基中にある。いくつかの実施形態では、反応性基はマレイミド基である。マレイミド基は、限定されないが、ジチオトレイトール(DTT)などのジチオール架橋剤の存在下で相互に架橋できる。
【0236】
上記のものを越える他の官能化脂質、他の反応性基、および他の架橋剤の使用がさらに意図されていることを理解されたい。マレイミド基に加えて、意図される反応性基の他の例には、限定されないが、他のチオール反応性基、1級または2級アミンなどのアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、アルキン基、アジド基、カルボニル基、ハロアセチル(例えば、ヨードアセチル)基、イミドエステル基、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、スルフヒドリル基、およびピリジルジスルフィド基が挙げられる。
【0237】
官能化および非官能化脂質は、Avanti Polar Lipids(Alabaster,AL)およびLipoid LLC(Newark,NJ)などの多くの市販品入手源から入手できる。
【0238】
(2)リポソーム内部空間
さらなる非限定的実施形態では、提供されるリポソームは、内部空間を含んでいる。いくつかの実施形態では、内部空間は、限定されないが、水溶液を含む。いくつかの実施形態では、内部空間は、本明細書で提供されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、リポソームの内部空間は、等張化剤含む。いくつかの実施形態では。いくつかの実施形態では、等張化剤の濃度(重量%)は、0.1~20%、1~20%、0.5~15%、1~15%または1~50%、または、これらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、糖(例えば、トレハロース、マルトース、スクロース、ラクトース、マンノース、マンニトール、グリセロール、デキストロース、フルクトース、など)を含む。さらなる実施形態では、糖の濃度(重量%)は、0.1~20%、1~20%、0.5~15%、1~15%または1~50%、または、これらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間のpHは、pH2~8、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、pH5~8、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、pH6~7、またはその間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、6~7.5、6.5~7.5、6.7~7.5、または6.3~7.0、またはそれらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。さらなる実施形態では、緩衝液は、HEPES、クエン酸塩、またはリン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)から選択される緩衝液である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、クエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、リン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度である。さらなる実施形態では、緩衝液は、5~200mM、15~200mM、5~100mM、15~100mM、5~50mM、15~50mM、5~25mM、5~20mM、5~15mM、またはその間の任意の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のHEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のクエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のリン酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、5mM~500mM、または50mM~500mM、またはその間の任意の範囲の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、グルタミン、グルタメート、および/またはポリグルタメート(例えば、1つまたは複数のガンマグルタミル基結合または1つまたは複数のアルファグルタミル結合を含む、ジグルタメート、トリグルタメート、テトラグルタメート、および/またはペンタグルタメート)を含む。さらなる実施形態では、グルタミン、グルタメート、および/またはポリグルタメートの濃度(重量%)は、0.1~20%、1~20%、0.5~15%、1~15%、5~20%または1~50%、または、これらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、グルタミンを含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、グルタメートを含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、ポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、グルタミン、グルタメート、および/またはポリグルタメートの濃度(重量%)は、1~15%または、この間の任意の範囲である。追加の実施形態では、グルタミン、グルタメート、および/またはポリグルタメートは、約5%~20%(重量%)トレハロースの濃度で、または、1種または複数の凍結乾燥保護剤または凍結保護物質の任意の組み合わせの合計5%~20%の濃度で存在する。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。さらなる実施形態では、緩衝液は、HEPES緩衝液またはクエン酸緩衝液である。さらなる実施形態では、クエン酸緩衝液は、5~200mMの濃度である。いくつかの実施形態では、内部空間は、2.8~6のpHを有する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、6~7.5、6.5~7.5、6.7~7.5、または6.3~7.0、またはそれらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPES、クエン酸塩、またはリン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)から選択される。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、クエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、リン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度である。さらなる実施形態では、緩衝液は、5~200mM、15~200mM、5~100mM、15~100mM、5~50mM、15~50mM、5~25mM、5~20mM、5~15mM、またはこれらの間の任意の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のHEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のクエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のリン酸ナトリウムである。さらなる実施形態では、リポソームの内部空間は、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カルシウム含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、5mM~500mM、または50mM~500mM、またはその間の任意の範囲の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、50mM~500mMの酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。
【0240】
いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、グルタミンを含む。さらなる実施形態では、グルタミンの濃度(重量%)は、0.1~20%、1~20%、0.5~15%、1~15%、5~20%または1~50%、または、これらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、グルタミンの濃度(重量%)は、1~15%または、この間の任意の範囲である。追加の実施形態では、グルタミンは、約5%~20%(重量%)のグルタミンで、または、1種または複数の凍結乾燥保護剤または凍結保護物質の任意の組み合わせの5%~20%の合計濃度で存在する。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。さらなる実施形態では、緩衝液は、HEPES緩衝液またはクエン酸緩衝液である。さらなる実施形態では、クエン酸緩衝液は、5~200mMの濃度である。いくつかの実施形態では、内部空間は、2.8~6のpHを有する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、6~7.5、6.5~7.5、6.7~7.5、または6.3~7.0、またはこれらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPES、クエン酸塩、またはリン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)から選択される。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、クエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、リン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度である。さらなる実施形態では、緩衝液は、5~200mM、15~200mM、5~100mM、15~100mM、5~50mM、15~50mM、5~25mM、5~20mM、5~15mM、またはこれらの間の任意の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のHEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のクエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のリン酸ナトリウムである。さらなる実施形態では、リポソームの内部空間は、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カルシウム含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、5mM~500mM、または50mM~500mM、またはその間の任意の範囲の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、50mM~500mMの酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。
【0241】
いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、トレハロースを含む。さらなる実施形態では、トレハロースの濃度(重量%)は、0.1~20%、1~20%、0.5~15%、1~15%、5~20%または1~50%、または、これらの間の任意の範囲である。さらなる実施形態では、トレハロースの濃度(重量%)は、1~15%、または、この間の任意の範囲である。追加の実施形態では、トレハロースは、約5%~20%(重量%)のトレハロースで、または、1種または複数の凍結乾燥保護剤または凍結保護物質の任意の組み合わせは、合計濃度5%~20%で存在する。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。さらなる実施形態では、緩衝液は、HEPES緩衝液またはクエン酸緩衝液である。さらなる実施形態では、クエン酸緩衝液は、5~200mMの濃度である。いくつかの実施形態では、内部空間は、2.8~6のpHを有する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、6~7.5、6.5~7.5、6.7~7.5、または6.3~7.0、またはこれらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPES、クエン酸塩、またはリン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)から選択される。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、クエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、リン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度である。さらなる実施形態では、緩衝液は、5~200mM、15~200mM、5~100mM、15~100mM、5~50mM、15~50mM、5~25mM、5~20mM、5~15mM、またはこれらの間の任意の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のHEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のクエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のリン酸ナトリウムである。さらなる実施形態では、リポソームの内部空間は、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カルシウム含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、5mM~500mM、または50mM~500mM、またはその間の任意の範囲の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、50mM~500mMの酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。
【0242】
いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、デキストロースを含む。さらなる実施形態では、デキストロースの濃度(重量%)は、0.1~20%、1~20%、0.5~15%、1~15%、5~20%または1~50%、または、これらの間の任意の範囲である。またさらなる実施形態では、デキストロースの濃度(重量%)は、1~15%、または、この間の任意の範囲である。追加の実施形態では、デキストロースは、約5%~20%(重量%)のデキストロース濃度で、または、1種または複数の凍結乾燥保護剤または凍結保護物質の任意の組み合わせは、合計濃度5%~20%で存在する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物を含む溶液のpHは、6~7.5、6.5~7.5、6.7~7.5、または6.3~7.0、またはこれらの間の任意の範囲である。いくつかの実施形態では、内部空間は、緩衝液を含む。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPES、クエン酸塩、またはリン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)から選択される。いくつかの実施形態では、緩衝液は、HEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、クエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、リン酸ナトリウム(例えば、第一リン酸ナトリウムおよび/または第二リン酸ナトリウム)である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度である。またさらなる実施形態では、緩衝液は、5~200mM、15~200mM、5~100mM、15~100mM、5~50mM、15~50mM、5~25mM、5~20mM、5~15mM、またはその間の任意の範囲の濃度である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のHEPESである。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のクエン酸塩である。いくつかの実施形態では、緩衝液は、15~200mM、またはその間の任意の範囲の濃度のリン酸ナトリウムである。さらなる実施形態では、リポソームの内部空間は、酢酸ナトリウムおよび/または酢酸カルシウム含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、5mM~500mM、または50mM~500mM、またはその間の任意の範囲の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。
【0243】
さらなる実施形態では、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を被包した(すなわち、充填した)リポソームを含むリポソーム組成物を提供する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物中のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基(葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含む)を含むANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、2個以上のL型のグルタミル基を含む。他の実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む。さらなる実施形態では、Lp-αPANTIFOL中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ガンマカルボキシル結合を有する2個以上のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソームは、L-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、ヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(Lp-αPANTIFOL)を含むリポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソームは、L-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物である。
【0244】
いくつかの実施形態では、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む標的化およびペグ化リポソームを含むリポソーム組成物を提供する(TPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[55]~[74]のいずれか1項に記載の標的化ペグ化リポソーム組成物である。いくつかの実施形態では、標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化(例えば、ペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化)葉酸代謝拮抗薬は、内部空間;内部空間内に配置された水性アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬;および少なくとも1つの葉酸受容体に対し特異的親和性を有するタンパク質を含むターゲティング部分を含むリポソームを含む媒体を含み、ターゲティング部分は、リポソームの外面に配置される。いくつかの実施形態では、媒体は水溶液である。いくつかの実施形態では、内部空間、外部空間(例えば、媒体)、または内部空間および媒体の両方は、1種以上の上記で挙げた凍結乾燥保護剤または凍結保護物質を含む。いくつかの実施形態では、凍結保護物質は、マンニトール、トレハロース、ソルビトール、またはスクロースである。
【0245】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬被包リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOLを含むLp-αPANTIFOL)は、500,000個未満、または200,000個未満のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、500,000個未満または200,000個未満のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず(TLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含まず、ペグ化されておらず(NTLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含まず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含まず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。
【0246】
いくつかの実施形態では、リポソームは、2~10個のグルタミル基グルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(すなわち、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOLを含むLp-αPANTIFOL)を被包し、500,000個未満、または200,000個未満の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソーム内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、500,000個未満または200,000個未満の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物である。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず(TLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず(αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含まず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲の、2~10個のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。
【0247】
いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を被包し(すなわち、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOLを含むLp-αPANTIFOL)、500,000個未満、または200,000個未満のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、500,000個未満または200,000個未満のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず(TLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず(NTLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含まず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を被包し(すなわち、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOLを含むLp-αPANTIFOL)、500,000個未満、または200,000個未満のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、500,000個未満または200,000個未満のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず(TLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず(NTLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を被包し(すなわち、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOLを含むLp-αPANTIFOL)、500,000個未満、または200,000個未満のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソーム内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、500,000個未満または200,000個未満のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず(TLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームはターゲティング部分を含み、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず(NTLp-αPANTIFOL)、500,000個未満または200,000個未満のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む内部空間を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。さらなる実施形態では、リポソームは標的化されておらず、ペグ化されておらず、リポソームの内部空間は、10,000~100,000個またはその間の任意の範囲のアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬分子を含む。
【0250】
いくつかの実施形態では、本開示は、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を提供し、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬またはその塩もしくは酸、および1種または複数の水性の薬学的に許容可能な担体を被包する。いくつかの実施形態では、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、トレハロースを含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、1%~50%(重量%)のトレハロースを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム内部空間は、1~200mMの濃度および2~8のpHのHBSを含む。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、pH5~8、またはその間の任意の範囲を有する。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、pH6~7、またはその間の任意の範囲を有する。いくつかの実施形態では、リポソームの内部空間は、50mM~500mM、またはその間の任意の範囲の酢酸ナトリウムおよび酢酸カルシウムの合計濃度を含む。
【0251】
A ポリグルタミン酸化されていないポリグルタミン酸化可能な葉酸代謝拮抗薬
いくつかの実施形態では、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(すなわち、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOLを含むLp-αPANTIFOL)組成物は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書の発明を実施するための形態の[2]に開示のαPANTIFOL)および1種または複数のポリグルタミン酸化されていないポリグルタミン酸化可能な葉酸代謝拮抗薬組成物を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL(例えば、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOL)組成物は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)および葉酸代謝拮抗薬(ANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物である。
【0253】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL(リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、およびメトトレキセート(MTX)、ペメトレキセド(PMX)、ロメトレキソール(LMX)、ラルチトレキセド(RTX)、プララトレキサート、AG2034、GW1843、アミノプテリン、およびLY309887からなる群より選択されるポリグルタミン酸化可能な葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびロメトレキソールを含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびペメトレキセドを含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびロイコボリンを含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびトリアジン葉酸代謝拮抗薬誘導体(例えば、NSC127755などのスルホニルルオリドトリアジン)を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびヒドロキシメチル基転移酵素(SHMT2)阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、SHMT2阻害剤は、葉酸代謝拮抗薬(例えば、ポリグルタミン酸化可能なまたはポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬)である。いくつかの実施形態では、SHMT2阻害剤は、葉酸代謝拮抗薬である。
【0254】
B ポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOL(例えばPLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL)は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)およびいわゆる「ポリグルタミン酸化可能でない」葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および葉酸サイクル代謝経路で1種または複数の酵素を阻害するポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、ポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬は、チミジル酸合成酵素(TS)、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)、グリシンアミドリボヌクレオチド(GAR)トランスホルミラーゼ、およびアミノイミダゾールカルボキサミドリボヌクレオチド(AICAR)トランスホルミラーゼから選択される1種または複数の酵素を阻害する。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびDHFRを阻害するポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびTSを阻害するポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびGARまたはAICARトランスホルミラーゼを阻害するポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、ポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬は、トリメトレキサート(TMQ)、ピリトレキシム(BW301U)、およびタロトレキシン(PT523)から選択される。さらなる実施形態では、ポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬は、ノラトレキシド(AG337)、プレビトレキセド(ZD9331、BGC9331)、BGC945(ONX0801)または薬学的に許容可能なこれらの塩から選択される。
【0255】
C 白金
いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、PLp-αPANTIFOL、TPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、およびNTLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)および白金系化学療法剤またはその塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、開示アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、αPANTIFOL)および白金系薬剤の複合体を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬/白金系薬剤複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびシスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤の複合体を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLおよびシスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬複合体の複合体を含む。いくつかの実施形態では、複合体は、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤の類似体を含む。
【0257】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびシスプラチンまたはその塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびシスプラチン類似体またはその塩もしくは酸を含む。
【0258】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびカルボプラチンまたはその塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびカルボプラチン類似体またはその塩もしくは酸を含む。
【0259】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびオキサリプラチンまたはその塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびオキサリプラチン類似体またはその塩もしくは酸を含む。
【0260】
いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)およびネダプラチン、ヘプタプラチン、およびロバプラチン、ネダプラチン、ヘプタプラチンおよびロバプラチンまたはそれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびネダプラチン、ヘプタプラチン、およびロバプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤の類似体を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびストラトプラチン、パラプラチン、プラチノール、シクロプラチン、デキソルマプラチン、スピロプラチン、ピコプラチン、トリプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、オルマプラチン、ゼニプラチン、白金-トリアミン、サトラプラチン、エンロプラチン、JM-216、254-S、NK121、CI-973、DWA2114R、NDDP、およびネダプラチン、またはこれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤を含む。いくつかの実施形態では、Lp-αPANTIFOLは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびストラトプラチン、パラプラチン、プラチノール、シクロプラチン、デキソルマプラチン、スピロプラチン、ピコプラチン、トリプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、オルマプラチン、ゼニプラチン、白金-トリアミン、サトラプラチン、エンロプラチン、JM-216、254-S、NK121、CI-973、DWA2114R、NDDP、およびネダプラチン、またはこれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤を含む。
【0262】
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、リポソームのPEGまたは外面の内の少なくとも1つに配置された、免疫刺激剤、検出可能マーカーおよびマレイミドの内の1種または複数をさらに含むリポソームを含む。
【0263】
D シクロデキストリン
さらなる実施形態では、リポソームは、αPANTIFOL(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)およびシクロデキストリン(例えば、本明細書のセクションIICのシクロデキストリン)を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載の標的化リポソーム組成物である。
【0264】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、シクロデキストリンおよび治療薬により形成された複合体を含む。いくつかの実施形態では、治療薬は、細胞傷害性化合物またはその塩もしくは酸である。さらなる実施形態では、治療薬は、化学療法剤またはその塩もしくは酸である。別の実施形態では、化学療法剤は、白金系薬物である。別の実施形態では、化学療法剤は、タキサン系薬物である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/治療薬複合体の治療薬は、ゲムシタビン、ゲムシタビン系治療薬、ドキソルビシン、葉酸代謝拮抗薬、葉酸代謝拮抗薬系化学療法剤、またはこれらの塩もしくは酸、酸型もしくは遊離塩基型から選択される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載の標的化リポソーム組成物である。さらなる実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/治療薬のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/治療薬のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のαPANTIFOL/治療薬のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/治療薬のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/白金系薬剤複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。
【0265】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、αPANTIFOLおよびシクロデキストリン/白金系化学療法剤複合体を含む。いくつかの実施形態では、白金系化学療法剤は、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される。他の実施形態では、シクロデキストリン/白金系化学療法剤複合体は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンの類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに記載のポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物である。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載の標的化リポソーム組成物である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/白金系薬剤複合体は、リポソーム中に被包される。
【0266】
いくつかの実施形態では、白金系化学療法剤は、シスプラチン、カルボプラチン、およびオキサリプラチン、またはそれらの塩もしくは酸から選択される。他の実施形態では、シクロデキストリン/白金系化学療法剤複合体は、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンの類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系薬剤のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。
【0267】
さらなる実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびシスプラチンまたはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/シスプラチン(またはシスプラチンの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。
【0268】
別の実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびカルボプラチンまたはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/カルボプラチン(またはカルボプラチンの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。
【0269】
別の実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびオキサリプラチンまたはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。
【0270】
さらなる実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびネダプラチン、ヘプタプラチン、ロバプラチン、ストラトプラチン、パラプラチン、プラチノール、シクロプラチン、デキソルマプラチン、スピロプラチン、ピコプラチン、トリプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、オルマプラチン、ゼニプラチン、白金-トリアミン、サトラプラチン、エンロプラチン、JM216、NK121、CI973、DWA2114R、NDDP、およびネダプラチン、またはこれらの塩もしくは酸から選択される白金系化学療法剤を含む複合体を提供する。他の実施形態では、シクロデキストリン/白金系化学療法剤複合体は、ネダプラチン、ヘプタプラチン、ロバプラチン、ストラトプラチン、パラプラチン、プラチノール、シクロプラチン、デキソルマプラチン、スピロプラチン、ピコプラチン、トリプラチン、テトラプラチン、イプロプラチン、オルマプラチン、ゼニプラチン、白金-トリアミン、サトラプラチン、エンロプラチン、JM216、NK121、CI973、DWA2114R、NDDP、またはネダプラチンの類似体、またはこれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/オキサリプラチン(またはオキサリプラチンの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系化学療法剤(またはその塩もしくは酸または類似体)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系化学療法剤(またはその塩もしくは酸または類似体)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/白金系化学療法剤(またはその塩もしくは酸または類似体)のモル比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/白金系化学療法剤(またはその塩もしくは酸または類似体)複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。
【0271】
いくつかの実施形態では、本開示は、シクロデキストリン/タキサン系化学療法剤複合体を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、タキサン系化学療法剤は、パクリタキセル(PTX)、ドセタキセル(DTX)、ラロタキセル(LTX)、およびカバジタキセル(CTX)、またはそれらの塩もしくは酸から選択される。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/タキサン系薬剤のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/タキサン系薬剤のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/タキサン系薬剤のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/タキサン系薬剤のモル比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/タキサン系薬剤複合体は、リポソーム中に被包される(例えば、本明細書に記載のようにして、または当該技術分野において既知の別の方法で)。
【0272】
さらなる実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびパクリタキセル(PTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。他の実施形態では、シクロデキストリン/タキサン系化学療法剤複合体は、パクリタキセル(PTX)の類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/パクリタキセル(またはパクリタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。
【0273】
さらなる実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびドセタキセル(DTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。他の実施形態では、シクロデキストリン/タキサン系化学療法剤複合体は、ドセタキセル(DTX)の類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/ドセタキセル(またはドセタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。
【0274】
さらなる実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびラロタキセル(LTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。他の実施形態では、シクロデキストリン/タキサン系化学療法剤複合体は、ラロタキセル(LTX)の類似体、またはそれらの塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/ラロタキセル(またはラロタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。
【0275】
さらなる実施形態では、本開示は、シクロデキストリンおよびカバジタキセル(CTX)またはその塩もしくは酸を含む複合体を提供する。他の実施形態では、シクロデキストリン/タキサン系化学療法剤複合体は、カバジタキセル(CTX)の類似体、またはその塩もしくは酸を含む。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1~10:1の範囲である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、または10:1である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、1:11、1:12、1:13、1:14、1:15、1:16、1:17、1:18、1:19、1:20、1:(21~50)、または1:>50である。いくつかの実施形態では、複合体中のシクロデキストリン/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)のモル比は、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、(21~50):1、または>50:1である。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/カバジタキセル(またはカバジタキセルの塩もしくは酸)複合体は、リポソーム中に被包される。
【0276】
シクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリンは、誘導体化されていてもまたはされていなくてもよい。いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、誘導体化されている。さらなる実施形態では、シクロデキストリンは、誘導体化ベータシクロデキストリン(例えばヒドロキシプロピルベータシクロデキストリン(HP-ベータ-CD)、およびスルホブチルエーテルベータ-CD((SBE)-ベータ-シクロデキストリン))である。いくつかの実施形態では、シクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリンは、ヒドロキシ基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超える2-ヒドロキシルプロピル-3-基置換、またはヒドロキシ基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、またはそれを超えるスルホアルキルエーテル基置換を含む誘導体化ベータシクロデキストリンである。さらなる実施形態では、シクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリンは、ヒドロキシ基の1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個またはそれを超えるスルホブチルエーテル基置換を含む誘導体化ベータシクロデキストリンである。
【0277】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソーム組成物中に含まれるシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリンは、式I:
【化12】
の誘導体化シクロデキストリンであり、式中、nは4、5、または6であり;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9はそれぞれ独立に、-H、直鎖または分岐C
1-C
8アルキレン基、2-ヒドロキシルプロピル-3-基;または任意に置換されてもよい直鎖または分岐C
1-C
6基であり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R8、およびR9の内の少なくとも1個は、直鎖または分岐C
1-C
8アルキレン基または2-ヒドロキシルプロピル-3-基である。
【0278】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソーム組成物中に含まれるシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリンは、式II:
【化13】
の誘導体化シクロデキストリンであり、式中、nは4、5、または6であり;R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、およびR
9はそれぞれ独立に、-O-または-O-(C
2-C
6アルキレン)-SO3
-基であり;R
1およびR
2の少なくとも1つは独立に-O-(C
2-C
6アルキレン)-SO
3
-基であり;S
1、S
2、S
3、S
4、S
5、S
6、S
7、S
8、およびS
9はそれぞれ独立に、-HまたはHまたは薬学的に許容可能なカチオンである。さらなる実施形態では、薬学的に許容可能なカチオンは、Li
+、Na
+、またはK
+などのアルカリ金属;Ca
+2、またはMg
+2などのアルカリ土類金属、ならびにアンモニウムイオンおよび(C1-C6)-アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、(C1-C6)-アルカノールアミンおよび(C4-C8)-シクロアルカノールアミンのカチオンなどのアミンカチオンから選択される。
【0279】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、100~100,000個のシクロデキストリン/治療薬複合体を含む。
【0280】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL/シクロデキストリン複合体および/またはシクロデキストリン/治療薬複合体のシクロデキストリン誘導体化は、米国特許第6,133,248号、同第5,874,418号、同第6,046,177号、同第5,376,645号、同第5,134,127号、同第7,034,013号、同第6,869,939号;および国際公開第02005/117911号に開示されているシクロデキストリンである。これら特許文献のそれぞれの内容は、参照により本明細書に優先的に組み込まれる。
【0281】
いくつかの実施形態では、シクロデキストリン/シクロデキストリン複合体のシクロデキストリン誘導体は、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンである。いくつかの実施形態では、複合体のシクロデキストリン誘導体は、CAPTISOL(登録商標)(CyDex Pharma.Inc.,Lenexa,Kansas)などのスルホブチルエーテル-3-シクロデキストリンである。スルホブチルエーテル-3-シクロデキストリンおよびその他のスルホアルキルエーテルシクロデキストリンの作製方法は、当技術分野において既知である。
【0282】
いくつかの実施形態では、シクロデキストリン/治療薬複合体および/またはシクロデキストリン誘導体は、式III:
【化14】
の化合物であり、式中、Rは、
(a)(H)
21-Xまたは(-(CH
2)
4-SO
3Na)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0;
(b)(H)
21-Xまたは(-(CH
2CH(OH)CH
3)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0;
(c)(H)
21-Xまたは(スルホアルキルエーテル)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0;または
(d)(H)
21-Xまたは(-(CH
2)
4-SO
3Na)
X、およびx=1.0~10.0、1.0~5.0、6.0~7.0、または8.0~10.0である。
【0283】
αPANTIFOLリポソーム中に含まれ、開示方法により使用できる追加のシクロデキストリンおよびシクロデキストリン/白金系治療複合体は、米国特許出願番号第62/583,432号に開示されている。この特許の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0284】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、シクロデキストリンおよび白金系化学療法剤、またはその塩の複合体を含む。いくつかの実施形態では、白金系化学療法剤はシスプラチンまたはシスプラチン類似体である。いくつかの実施形態では、白金系化学療法剤はカルボプラチンである。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、ストラトプラチン、ピコプラチン、トリプラチン、テトラプラチン、リポプラチン、ロバプラチン、オルマプラチン、ゼニプラチン、白金-トリアミン、サトラプラチン、エンロプラチン、JM-216、254-S、NK121、CI-973、DWA2114R、NDDP、およびネダプラチンから選択される白金系化学療法剤を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOLリポソームは、100~100,000個の白金系化学療法剤/CD複合体を含む。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~500nmまたは20nm~200nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。さらなる実施形態では、リポソーム組成物は、20nm~200nm、またはその間の任意の範囲の直径を有するリポソームを含む。いくつかの実施形態では、組成物中のリポソームは、100~100,000個の白金を含む。
【0285】
(3)標的化リポソーム
いくつかの実施形態では、本開示は、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を提供し、リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびポソームのPEGおよび外面の片方もしくは両方に結合したターゲティング部分を含み、ターゲティング部分は、目的の標的細胞上の表面抗原に対し特異的親和性を有する。
このようなリポソームは通常、本明細書においては、「標的化リポソーム」と呼ばれ、例えば、リポソームの表面上の、または他の方法でリポソームに結合した1種または複数のターゲティング部分または生体内分布修飾剤を含むリポソームが該当する。標的化リポソームのターゲティング部分は、目的の標的(例えば、目的の標的細胞の表面上に発現した抗原標的)に特異的に結合できる任意の部分または薬剤であり得る。一実施形態では、標的化リポソームは、目的の標的細胞の表面上の標的に、特異的におよび選択的に結合し、標的化リポソームを内部移行させ、その細胞中で、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬被包リポソーム(例えばアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬またはアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)がその細胞傷害性効果を働かせる。さらなる実施形態では、標的細胞は、癌細胞、腫瘍細胞または転移性細胞である。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、ペグ化されている。
【0286】
用語の「結合する」または「結合した」は、例えば、共有結合、イオン結合(例えば、アビジン-ビオチン)、疎水性相互作用による結合、およびマレイミドなどの官能基、またはPEGなどのリンカーを介した結合などの任意のタイプの結合を意味する。例えば、検出可能マーカー、立体安定剤、リポソーム、リポソーム成分、免疫刺激剤は、マレイミド官能基、またはPEG-マレイミド基により、相互に直接に結合し得る。
【0287】
ターゲティング部分の組成および起源は、本開示の範囲に限定されるものではない。いくつかの実施形態では、リポソームに結合したターゲティング部分は、ポリペプチドまたはペプチド模倣体リガンドである。ペプチドおよびペプチド模倣体ターゲティング部分には、天然または改変ペプチド、例えば、DまたはLペプチド;アルファ、ベータ、またはガンマペプチド;N-メチルペプチド;アザペプチド;1つまたは複数のアミドを有するペプチド、すなわち、ペプチド、1つまたは複数の尿素、チオ尿素、カルバメート、またはスルホニル尿素結合で置換された結合のペプチド;環状ペプチドを有するものが挙げられる。ペプチド模倣体は、天然ペプチドに類似の一定の三次元構造体に折り畳むことができる分子である。いくつかの実施形態では、ペプチドまたはペプチド模倣体ターゲティング部分は、2~50アミノ酸長さ、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸長さである。
【0288】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分ポリペプチドは、40アミノ酸残基の長さである。他の実施形態では、ターゲティング部分ポリペプチドは、少なくとも50、60、75、100、125、150、175、200、250、300アミノ酸残基の長さである。
【0289】
さらなる実施形態では、抗体または抗原結合抗体フラグメントなどのターゲティング部分ポリペプチドは、BIACORE(登録商標)分析で測定して、0.5x10-10~10x10-6の範囲の平衡解離定数(Kd)で抗原に結合する。
【0290】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗体誘導体である。他の実施形態では、ターゲティング部分の結合ドメインは、抗体の抗原結合ドメインに由来しない。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、DARPin、アフィリン、およびアルマジロリピート繰り返し、Dドマイン(例えば、国際出願第2016/164308号参照)、Z-ドメイン(アフィボディ)、アドネクチン、リポカリン、アフィリン、アンチカリン、ノッチン、フィノマー、アトリマー、クニッツドメイン(例えば、国際公開第2004/063337号参照)、CTLA4、またはアビマー(例えば、米国特許出願公開第2004/0175756号、同第2005/0053973号、同第2005/0048512号、および同第2006/0008844号を参照)から選択される結合足場に由来するポリペプチドである。
【0291】
さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、標的細胞の表面上に発現した目的の細胞表面抗原上のエピトープに対し、特異的親和性を有する抗体または抗体の抗原結合ドメインの誘導体である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は完全長抗体である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体の抗原結合部分である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はscFvである。他の実施形態では、ターゲティング部分はFabである。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、抗体の抗原結合ドメイン由来の結合ドメインを含む(例えば、scFv、Fab、Fab’、F(ab’)2、およびFvフラグメント、ジスルフィド結合Fv(sdFv)、VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント、scFv、ミニボディ、BiTE、Tandab、ダイアボディ((VL-VH)2または(VH-VL)2)、単一ドメイン抗体(例えば、ナノボディなどのsdAb(VLまたはVH)、およびラクダ類VHHドメイン)および抗体フラグメントから形成された多重特異的抗体が含まれる)。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、抗体起源の1つまたは複数の相補性決定領域(CDR)を含む。本開示の標的化リポソームのための好適な抗体ベースターゲティング部分の例には、完全長ヒト抗体、ヒト化抗体、キメラ抗体、抗体の抗原結合フラグメント、単鎖抗体、単一ドメイン抗体、二重特異的抗体、合成抗体、ペグ化抗体および多量体抗体が挙げられる。提供される標的化リポソームの抗体は、上記特性の組み合わせを有することができる。例えば、ヒト化抗体は、抗原結合フラグメントであり得、また、ペグ化および多量体化も加えて行うことができる。
【0292】
用語の「ヒト化抗体」は、最小限の非ヒト(例えば、マウス)配列を含む特異的免疫グロブリン鎖、キメラ免疫グロブリン、またはそのフラグメントである非ヒト(例えば、マウス)抗体の形態を意味する。通常、ヒト化抗体は、相補性決定領域(CDR)由来の残基が、目的の特異性、親和性、および能力(例えば、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323-327(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534-1536(1988)参照)を有する非ヒト種(例えば、マウス、ラット、ウサギ、およびハムスター)のCDR由来の残基で置換されているヒト免疫グロブリンである。いくつかの事例では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基は、目的の特異性、親和性、および能力を有する非ヒト種由来の抗体中の対応する残基で置換されている。ヒト化抗体は、抗体特異性、親和性、および/または能力を改良し、最適化するために、Fvフレームワーク領域中および/または置換された非ヒト残基内の追加の残基の置換によりさらに改変できる。一般に、ヒト化抗体は、すべての、または実質的に全ての、非ヒト免疫グロブリンに対応するCDR領域を含む、実質的に全ての内の少なくとも1つ、通常2つまたは3つの可変ドメインを含み、同時に、全てもしくは実質的に全てのFR領域がヒト免疫グロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた、免疫グロブリン定常領域またはドメイン(Fc)の少なくとも一部、典型的には、選択されたヒト免疫グロブリンのFcを含むことができる。ヒト化抗体を生成するのに使用される方法の例は、米国特許第5,225,539号および同第5,639,641号に記載されている。
【0293】
さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、目的の標的細胞の表面抗原上のエピトープに対する特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、標的細胞は癌細胞である。いくつかの実施形態では、標的細胞は腫瘍細胞である。他の実施形態では、標的細胞は免疫細胞である。
【0294】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、腫瘍細胞表面抗原上に発現したエピトープに対し特異的親和性を有する。用語の「腫瘍細胞表面抗原」は、癌などの特定の過剰増殖障害に共通の抗原を意味する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、腫瘍関連抗原(TAA)である腫瘍細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する。TAAは、腫瘍およびいくつかの正常細胞の両方で認められる抗原である。TAAは、胎児発生中の免疫系が未成熟で、応答できない場合に、正常細胞上で発現される、または通常、正常細胞上で極めて低いレベルで存在し得るが、腫瘍細胞上では遙かに高いレベルで発現される。腫瘍の動的性質のために、いくつかの事例では、腫瘍細胞は、特定のステージで特有の抗原を発現し得、およびその他の場合でも、非腫瘍細胞上でも発現される抗原を発現する。従って、TAAのような特定のマーカーの包含は、それが腫瘍特異的抗原と見なされることを排除しない。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、腫瘍特異的抗原(TSA)である腫瘍細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する。TSAは、腫瘍細胞に特有であり、身体中の他の細胞では発生しない抗原である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、限定されないが、原発性または転移性黒色腫、胸腺腫、リンパ腫、肉腫、肺癌(例えば、NSCLCまたはSCLC)、肝臓癌、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、白血病、多発性骨髄腫、神経膠芽腫、神経芽腫、子宮癌、子宮頸癌、腎臓癌、甲状腺癌、膀胱癌、腎臓癌、中皮腫、および乳癌、前立腺癌、卵巣癌、膵臓癌、結腸癌などの腺癌およびその他の当該技術分野において既知の癌を含む癌の表面上に発現した腫瘍細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、腫瘍微小環境(例えば、それぞれ内皮細胞およびマクロファージ上に発現したVEGFRおよびTIE1、またはTIE2、または癌関連線維芽細胞(CAF)腫瘍浸潤性T細胞およびその他の白血球などの腫瘍間質細胞、およびマスト細胞、好酸球、および腫瘍関連マクロファージ(TAM)を含む骨髄性細胞)中の細胞の表面上に発現した細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する。
【0295】
いくつかの実施形態では、標的化リポソームαPANTIFOL組成物(例えばTLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)は、正常または非腫瘍細胞に比べて、腫瘍細胞上に存在するが非腫瘍細胞上には存在しないかまたはアクセスできない、癌細胞または腫瘍細胞などの標的細胞上で選択的に/差次的に発現される、癌または腫瘍細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を有する。例えば、いくつかの状況では、腫瘍抗原は、正常細胞および悪性の癌細胞の両方の表面上にあるが、腫瘍エピトープは、癌細胞でのみ露出されている。さらなる例として、腫瘍細胞表面抗原は、癌細胞特異的エピトープを存在させる癌性状態で構造変化を受けることがある。本明細書に記載の、または当該技術分野において別に既知の標的化可能腫瘍細胞表面抗原上のエピトープに対し、特異的親和性を有するターゲティング部分は、有用であり、開示組成物および方法により包含される。いくつかの実施形態では、腫瘍細胞表面抗原を有する腫瘍細胞は癌細胞である。このような腫瘍細胞表面抗原の例には、限定されないが、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータおよび葉酸受容体デルタが挙げられる。
【0296】
さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、抗体または抗原結合抗体フラグメントなどのポリペプチドターゲティング部分を含み、ターゲティング部分は葉酸受容体に対し結合特異性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、BIACORE(登録商標)分析で測定して、0.5x10-10~10x10-6の範囲の平衡解離定数(Kd)で葉酸受容体に結合する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分により結合される葉酸受容体は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および葉酸受容体デルタ(FR-δ)から選択される1つまたは複数の葉酸受容体に特異的に結合する。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、および/または葉酸受容体デルタから選択される少なくとも2つの抗原に対し特異的親和性を有する。別の実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、および/または葉酸受容体デルタに対し、特異的親和性を有する。
【0297】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、結合時に、ターゲティング部分を内部移行させる細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する。結合時に、抗体などの結合相手を内部移行させる多くの細胞表面抗原が当技術分野において既知であり、本明細書に開示の標的化リポソームαPANTIFOL組成物(例えばTLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)上に発現したターゲティング部分に対し結合標的となることが想定される。
【0298】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、下記から選択される細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。
【0299】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(例えば、腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的親和性を有する。
【0300】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、マンノース-6-ホスフェート受容体、トランスフェリン受容体、および細胞接着分子(CAM)から選択される細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、細胞間接着分子(ICAM)、血小板-内皮細胞接着分子(PECAM)、活性化白血球細胞接着分子(ALCAM)、Bリンパ球細胞接着分子(BL-CAM)、血管細胞接着分子(VCAM)、粘膜血管アドレシン細胞接着分子(MAdCAM)、CD44、LFA-2、LFA-3、およびベイシジンからなる群から選択されるCAMのエピトープに特異的親和性を有する。
【0301】
本明細書で考察したように、葉酸受容体(FR)は、還元型葉酸キャリア(RFC)とは異なり、葉酸および葉酸代謝拮抗薬を細胞に結合させるために異なる経路を利用する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は葉酸受容体に特異的に結合する。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、および/または葉酸受容体デルタから選択される葉酸受容体に対し特異的に結合する。葉酸受容体に対する抗体は、当該技術分野において既知の技術を使用して、定型作業で生成できる。さらに、多くの抗葉酸受容体の配列は、パブリックドメインであり、および/または商業的に利用可能であり、容易に入手できる。
【0302】
葉酸受容体に対するマウス抗体は、本開示の標的化リポソームのターゲティング部分として使用できる抗体の例である。これらの抗体の配列は既知であり、例えば、米国特許第5,646,253号、同第8,388,972号、同第8,871,206号、同第9,133,275号、および国際出願第PCT/US2011/056966号、および同第PCT/US2012/046672号に記載されている。例えば、すでにパブリックドメインである配列に基づいて、抗体の遺伝子を合成し、一過性発現ベクター中に置き、HEK-293一過性発現系で抗体を作製した。抗体は、完全抗体、Fab、または本明細書で考察した、または別に当該技術分野において既知の種々の抗体変種のいずれかであり得る。
【0303】
いくつかの実施形態では、標的化リポソーム(例えば、TL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOL)は、その表面上に、1~1,000個、または1,000個を超えるターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、30~1,000、30~500、30~250、もしくは30~200個、またはこれらの間の任意の範囲のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソーム(例えば、TL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOL)は、その表面上に、30~1,000個、または1,000個を超えるターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、30~500、30~250、もしくは30~200個のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、220個未満のターゲティング部分、200個未満のターゲティング部分、または175個未満のターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、リポソームの外面に共有結合される(例えば、イオン相互作用またはGPIアンカーを介して)。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、セクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0304】
いくつかの実施形態では、標的化リポソーム(例えばTL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOL)の外面上の分子には、脂質、ターゲティング部分、立体安定剤(例えば、PEG)、マレイミド、およびコレステロールが含まれる。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はマレイミド官能基を介して共有結合される。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分はリポソーム成分またはPEG分子などの立体安定剤に共有結合される。いくつかの実施形態では、リポソームの全てのターゲティング部分は、PEGなどのリポソームの1つの成分に結合する。他の実施形態では、標的化リポソームの全てのターゲティング部分は、リポソームの異なる成分に結合する。例えば、いくつかのターゲティング部分は、脂質成分またはコレステロールに結合し、いくつかのターゲティング部分は立体安定剤(例えば、PEG)に結合し、さらに他のターゲティング部分は、検出可能マーカーまたは別のターゲティング部分に結合し得る。いくつかの実施形態では、標的化リポソーム(例えば、TL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOL)の外面は、リポソームのPEGおよび外面の少なく1つに配置された免疫刺激剤、検出可能マーカーおよびマレイミドの1種または複数をさらに含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、セクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0305】
いくつかの実施形態では、標的化リポソーム(例えば、TL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOL)は、アニオン性または中性である。いくつかの実施形態では、標的化アニオン性または中性リポソームは、20nm~500nmまたは20nm~200nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化アニオン性または中性リポソームは、20nm~500nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化アニオン性または中性リポソームは、20nm~400nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化アニオン性または中性リポソームは、20nm~300nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化アニオン性または中性リポソームは、20nm~200nmの範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、標的化アニオン性または中性リポソームは、80nm~120nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、セクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0306】
他の実施形態では、標的化リポソーム(例えば、TL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOL)は、カチオン性である。いくつかの実施形態では、標的化カチオン性リポソームは、20nm~500nmまたは20nm~200nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化カチオン性リポソームは、20nm~500nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化カチオン性リポソームは、20nm~400nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化カチオン性リポソームは、20nm~300nmの範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化カチオン性リポソームは、20nm~200nmの範囲の直径を有する。さらなる実施形態では、標的化カチオン性リポソームは、80nm~120nm、またはそれらの間の任意の範囲の直径を有する。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、セクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0307】
いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料が標的化リポソーム中に被包(封入)される。
【0308】
いくつかの実施形態では、標的化リポソーム組成物は、30~70%、30~60%、または30~50%、またはそれらの間の任意の範囲のw/wのアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料が標的化リポソーム中に被包(封入)される。
【0309】
いくつかの実施形態では、標的化リポソーム組成物は、30~70%、30~60%、または30~50%、またはそれらの間の任意の範囲のw/wのアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料が標的化リポソーム中に被包(封入)される。
【0310】
いくつかの実施形態では、標的化リポソーム組成物は、30~70%、30~60%、または30~50%、またはそれらの間の任意の範囲のw/wのアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%w/wまたは75%w/wを超えるアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料が標的化リポソーム中に被包(封入)される。
【0311】
ポリペプチドターゲティング部分のリポソーム表面分子との共有結合の方法および技術は、当技術分野において既知であり、TL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOLリポソーム組成物の作製に容易に適用できる。
【0312】
タンパク質性ターゲティング部分および他の組成物のリポソーム表面への化学的結合を採用し得る。従って、任意の連結または結合法および/または当該技術分野において既知の任意の好適なリンカーを用いて、非タンパク質部分を、リポソームに対し、共有結合または非共有結合し得る。このような架橋剤および架橋方法の正確な型および化学的性質は、使われる親和性基の型およびリポソームの性質に適合されるのが好ましい。ターゲティング部分の結合または吸着または連結方法はまた、当該技術分野において周知である。例えば、いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、限定されないが、アミノ、SH、ヒドロキシル、アルデヒド、ホルミル、カルボキシル、Hisタグまたはその他のポリペプチドなどの極性基を介して界面で基に結合され得る。加えて、ターゲティング部分は、限定されないが、スクシンイミジルコハク酸、塩化シアヌル、トシル活性化基、イミダゾール基、CNBr、NHS、活性化CH、ECH、EAH、エポキシ、チオプロピル、活性化チオール、などのなどの活性基を介して結合され得る。さらに、ターゲティング部分は、限定されないが、架橋剤を含んでも含まなくてもよい、疎水性結合(ファンデルワールス)または静電相互作用(例えば、二価のアニオン、ポリアニオン、ポリカチオンなど)を介して結合され得る。
【0313】
(4)リポソームの製造
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示のリポソーム組成物の製造方法を提供する。一実施形態では、方法は、(1)リポソーム成分;(2)アルファポリグルタミン酸化(例えばペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化)葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を水溶液中で形成するステップを含む。さらなる実施形態では、混合物は、ペグ化リポソーム成分を含む。その後、混合物をホモジナイズして水溶液中でリポソームを形成する。さらに、混合物を膜を通して押出し、水溶液中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入したリポソームを形成することができる。本開示のリポソーム成分は、官能化脂質およびターゲティング部分に結合した脂質、検出可能標識、および立体安定剤、またはこれら全てのいずれかのサブセットを含む任意の脂質(コレステロールを含む)を含むことができることが理解される。水溶液中の生理活性アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、リポソームの内部または外面に対し、例えば、緩衝剤、塩、および凍結保護物質を含む、本明細書で考察の、または当該技術分野において別に既知の任意の試薬および化学薬品を含むことがさらに注目される。
【0314】
いくつかの実施形態では、本開示は、本明細書に開示の標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(標的化PLp-αPANTIFOL)または非標的化PLp-αPANTIFOLの製造方法を提供する。一実施形態では、方法は、(1)リポソーム成分;(2)水溶液中のアルファポリグルタミン酸化(例えばペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化)葉酸代謝拮抗薬;および(3)ターゲティング部分を含む混合物を形成するステップを含む。その後、混合物をホモジナイズして水溶液中でリポソームを形成する。さらに、混合物を膜を通して押出し、水溶液中の標的化アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入したリポソームを形成し得る。標的化ペグ化リポソーム成分は、官能化脂質およびターゲティング部分に結合した脂質、検出可能標識、および立体安定剤、またはこれら全てのいずれかのサブセットを含む任意の脂質(コレステロールを含む)を含むことができることが理解される。標的化ペグ化リポソームは、リポソームの内部または外面に対し、例えば、緩衝剤、塩、および凍結保護物質を含む、本明細書で考察の、または当該技術分野において別に既知の任意の試薬および化学薬品を含むことがさらに注目される。
【0315】
上記方法は、任意選択で、除去ステップ(以下で考察する)の後で、凍結乾燥して、凍結乾燥組成物を形成するステップをさらに含む。上記のように、水溶液中の標的化PTPLAまたは非標的化PTPLAは、本明細書に記載の、または別に当該技術分野において既知の凍結保護物質を含む。組成物が凍結乾燥される予定の場合、凍結保護物質が好ましいであろう。
【0316】
さらに、凍結乾燥ステップの後で、方法は、任意選択で、凍結乾燥ステップ後に、溶媒中に組成物を溶解することにより、凍結乾燥組成物を再構成するステップをさらに含む。再構成方法は、当技術分野において既知である。1種の好ましい溶媒は水である。他の好ましい溶媒には、生理食塩水および緩衝液が挙げられる。
【0317】
特定の代表的実施形態が本明細書で考察されるが、リポソームは、当該技術分野において既知のいずれの方法によっても作製できることが理解される。例えば、G.Gregoriadis(editor),Liposome Technology,vol.1-3,1st edition,1983;2nd edition,1993,CRC Press,45 Boca Raton,Flaを参照されたい。リポソーム組成物の作製に公的な方法の例には、押し出し、逆相蒸発、超音波処理、溶媒(例えば、エタノール)注入、マイクロ流動化、界面活性剤透析;エーテル注入、および脱水/再水和が挙げられる。リポソームのサイズは、低圧押出に使われる膜の細孔径、またはマイクロ流動化で利用される圧力および通過回数を制御することにより、または任意の他の当該技術分野において既知の好適な方法により、定型作業で制御できる
【0318】
一般に、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、内部、すなわち、リポソームの内側(内部)空間中に、含まれる。一実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、部分的にまたは実質的に完全に、リポソームの周りの外側媒体から除去される。このような除去は、当該技術分野において既知の任意の好適な手段(例えば、希釈、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、透析、限外濾過、および沈殿)により達成できる。従って、上述のまたは当該技術分野において既知の別の方法によるリポソーム組成物の作成方法は、任意選択で、リポソームの形成後に、例えば、ホモジナイゼーションまたは押出ステップにより、リポソームの外側の水溶液中のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を除去するステップをさらに含む。
【0319】
他の実施形態では、本開示は、内部空間を含むリポソーム、内部空間に配置されたアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、リポソームの外面に結合した立体安定剤分子、および少なくとも1つの葉酸受容体に対し特異的親和性を有するタンパク質を含むターゲティング部分:を含む葉酸受容体を選択的に標的化する標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(PLp-αPANTIFOL)を提供し、前記ターゲティング部分は、立体安定剤およびリポソームの外面の内の少なくとも1つに結合している。この実施形態の成分は、本開示の他の実施形態に記載のものと同じであってもよい。例えば、標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびPEGであってもよい立体安定剤は、本開示の他の部分で記載された通りである。
【0320】
いくつかの実施形態では、本開示は、封入されたおよび/または被包されたアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬;ターゲティング部分、アミノ酸鎖を含むペグ化リポソームを含む標的化組成物を作製する方法を提供し、アミノ酸鎖は、複数のアミノ酸を含み、ターゲティング部分は、少なくとも1つのタイプの葉酸受容体に対し特異的親和性を有し、特異的親和性は、少なくとも1つの型の葉酸受容体に対し0.5x10-10~10x10-6分子[0.05nM~10μM]の範囲の平衡解離定数(Kd)を含むと定義され、ターゲティング部分は、リポソームのPEGおよび外面の片方または両方に結合し、該方法は、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;溶液中で混合物をホモジナイズしてリポソームを形成するステップ;混合物を処理して、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームを形成するステップ;およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームの表面上にターゲティング部分を付与するステップを含み、ターゲティング部分は葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)および葉酸受容体デルタ(FR-δ)の内の少なくとも1つに対し特異的親和性を有する。くつかの実施形態では、方法は、溶液中でリポソーム成分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;例えば、混合物をホモジナイズして、または他の方法で処理してリポソームを形成することにより、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームを形成するステップ;およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を封入および/または被包するリポソームの表面上にターゲティング部分を付与するステップを含み、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)および葉酸受容体デルタ(FR-δ)の内の少なくとも1つに対し特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、処理ステップが、薄膜水和、押し出し、インライン混合、エタノール注入技術、凍結融解法、逆相蒸発法、動的高圧マイクロ流動化、マイクロ流体混合、二重エマルジョン、凍結乾燥二重エマルジョン、3Dプリンティング、膜コンタクター法、および撹拌の内の1つまたは複数のステップを含み、粒子が形成されると、粒子のサイズを、押し出しおよび超音波処理の内の1種または複数によりさらに変更することができる。いくつかの実施形態では、リポソームの作製工程中に、少なくとも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%または75%を超えるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の出発材料が標的化リポソーム中に被包(封入)される。いくつかの実施形態では、リポソームは、アニオン性または中性である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および葉酸受容体デルタ(FR-δ)の内の1つまたは複数に対し、特異的親和性を有する。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)および葉酸受容体ベータ(FR-β)に対し特異的結合親和性を有する。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、腫瘍細胞上に存在するが、非腫瘍細胞上には存在しないかまたは接近し難い腫瘍細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有する。
【0321】
リポソームはまた、リン脂質組成物を変更することにより、または受容体または対抗受容体をリポソーム中に挿入することにより、特定の細胞、臓器、または細胞オルガネラを標的化するように作製できる。例えば、高い含量の非イオン性界面活性剤を含むように作製されたリポソームは、肝臓を標的化するために使用された(例えば、早川らの特開平4-244018;Kato et al.,Biol.Pharm.Bull.16:960,(1993.)を参照)。大豆由来ステリルグリコシド混合物(SG)およびコレステロール(Ch)を有するジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)のリポソーム製剤も肝臓を標的化することが示された(Shimizu et al.,Biol.Pharm.Bull.20:881(1997))。
【0322】
B.抗体送達担体
さらなる実施形態では、本開示は、抗体送達担体(例えば、ADC)を提供する。いくつかの実施形態では、本開示は、式(A)-(L)-(αPANTIFOL)を有する免疫複合体を提供し、式中、(A)は、抗体または抗体の抗原結合フラグメントであり;(L)はリンカーであり;「(αPANTIFOL)」は本明細書に記載のαPANTIFOL組成物であり;前記リンカー(L)は、(A)を(αPANTIFOL)に結合させる。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに記載の葉酸代謝拮抗薬である。
【0323】
いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合抗体フラグメントは、目的の細胞上の細胞表面抗原のエピトープ(例えば、本明細書に記載のエピトープおよび/または抗原)に対し特異的親和性を有する。特定の実施形態では、抗体は、癌/腫瘍の細胞膜中またはその上に(例えば、細胞表面上に)発現した抗原標的に結合し、抗体は、(抗原)標的に結合後に細胞により内部移行され、その後、αPANTIFOLが細胞内で放出される。いくつかの実施形態では、抗体は完全長抗体である。
【0324】
(A)-(L)-(αPANTIFOL)免疫複合体の抗体または抗原結合抗体フラグメントは、IgA、IgD、IgE、IgGまたはIgM抗体であり得る。異なるクラスの免疫グロブリンは、異なるおよびよく知られたサブユニット構造および三次元配置を有する。特定に実施形態では、抗体はIgG抗体である。いくつかの実施形態では、抗体はIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4抗体である。特定の実施形態では、抗体はIgG1抗体である。
【0325】
いくつかの実施形態では、(A)は、抗体の抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態では、(A)は、抗体の抗原結合フラグメントである。
【0326】
「リンカー」は、化合物、通常はαPANTIFOLなどの薬物を、抗体または抗体の抗原結合フラグメントに、安定に、共有結合方式で結合できる任意の化学的部分である。リンカーは、化合物または抗体が活性のままである条件下で、酸誘導切断、光誘発性切断、ペプチダーゼ誘導切断、エステラーゼ誘導切断、およびジスルフィド結合切断を受けやすいか、またはこれらに対し実質的に耐性があり得る。好適なリンカーは、当技術分野において既知であり、例えば、ジスルフィド基、チオエーテル基、酸に不安定な基、感光性基、ペプチダーゼに不安定な基およびエステラーゼに不安定な基が挙げられる。リンカーにはまた、荷電リンカー、およびその親水性型が挙げられる。
【0327】
いくつかの実施形態では、リンカーは、切断可能リンカー、非切断可能リンカー、親水性リンカー、およびジカルボン酸ベースリンカーから選択される。別の実施形態では、リンカーは非切断可能リンカーである。別の実施形態では、リンカーは、N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルジチオ)ペンタノエート(SPP);N-スクシンイミジル4-(2-ピリジルジチオ)ブタノエート(SPDB)またはN-スクシンイミジル4-(2-ピリジルジチオ)-2-スルホブタノエート(スルホ-SPDB);N-スクシンイミジル4-(マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(SMCC);N-スルホスクシンイミジル4-(マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボキシレート(スルホSMCC);N-スクシンイミジル-4-(ヨードアセチル)アミノベンゾエート(SIAB);およびN-スクシンイミジル[(N-マレイミドプロピオンアミド)テトラエチレングリコール]エステル(NHS-PEG4-マレイミド)からなる群から選択される。 さらなる実施形態では、リンカーは、N-スクシンイミジル[(N-マレイミドピロピオンアミド)テトラエチレングリコール]エステル(NHS-PEG4-マレイミド)である。
【0328】
いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、免疫複合体の抗体または抗原結合抗体フラグメントに直接、またはリンカーを介して、当該技術分野において既知の技術を使用して、結合(連結)される。このような1種または複数のαPANTIFOLの結合は、共有結合、結合親和性、インターカレーション、配位結合および複合体形成などの多くの化学的機序を含み得る。αPANTIFOLおよび抗体または抗原結合抗体フラグメントの共有結合は、既存の側鎖の直接縮合または外側架橋分子の組み込みにより、達成できる。多くの二価または多価の薬剤は、カルボジイミド、ジイソシアネート、グルタルアルデヒド、ジアゾベンゼン、およびヘキサメチレンジアミンなどのカップリング剤を用いたポリペプチドの、他のタンパク質への結合に有用である。このリストは、当該技術分野において既知の種々のカップリング剤を網羅することを意図するものではなく、むしろ、よりよく使われる代表的カップリング剤の例示である。いくつかの実施形態では、抗体または抗原結合抗体フラグメントは、誘導体化され、次いでアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬に結合される。あるいは、αPANTIFOLは誘導体化でき、当該技術分野において既知の技術を使用して、抗体または抗原結合抗体フラグメントに結合できる。
【0329】
いくつかの実施形態では、免疫複合体は、抗体または抗体の抗原結合フラグメントおよび4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基(葉酸代謝拮抗薬のグルタミル基を含む)を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、免疫複合体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、免疫複合体は、セクションIIに記載の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、免疫複合体は、L型の2個以上のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、免疫複合体は、D型のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、免疫複合体は、D型のグルタミル基および2個以上のL型のグルタミル基を含む、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、免疫複合体は、ガンマカルボキシル結合を有する2個以上のグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、免疫複合体は、αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。さらなる実施形態では、免疫複合体は、L-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-αペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、免疫複合体は、αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(Lp-αPANTIFOL)を含む。さらなる実施形態では、免疫複合体は、L-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、D-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、またはL-およびD-αヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0330】
いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有する抗体または抗原結合抗体フラグメントを含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、送達担体は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープ対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0331】
いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および、マンノース-6-ホスフェート受容体、トランスフェリン受容体、および細胞接着分子(CAM)から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有する抗体または抗原結合抗体フラグメントを含む。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、細胞間接着分子(ICAM)、血小板-内皮細胞接着分子(PECAM)、活性化白血球細胞接着分子(ALCAM)、Bリンパ球細胞接着分子(BL-CAM)、血管細胞接着分子(VCAM)、粘膜血管アドレシン細胞接着分子(MAdCAM)、CD44、LFA-2、LFA-3、およびベイシジンからなる群から選択されるCAMのエピトープに特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0332】
いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、1、2、3、4、5、5~10個、または10個を超えるαポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、1、2、3、4、5、5~10個、または10個を超えるαペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、1、2、3、4、5、5~10個、または10個を超えるαヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、抗体送達担体組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0333】
IV.医薬組成物および投与
いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、リポソームおよび担体、例えば、薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物として提供される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。提供される医薬組成物中に含まれる薬学的に許容可能な担体の例には、生理食塩水、等張性デキストロース、等張性スクロース、リンゲル液、およびハンクス液が挙げられる。いくつかの実施形態では、緩衝物質が医薬組成物の保存安定性のための最適pHを維持するために添加される。いくつかの実施形態では、医薬組成物のpHは、6.0~7.5である。いくつかの実施形態では、pHは、6.3~7.0である。さらなる実施形態では、pHは、6.5である。理想的には、医薬組成物のpHは、リポソーム膜脂質の安定性および封入された物質の保持の両方を可能にする。通常、2~20mM濃度の、ヒスチジン、ヒドロキシエチルピペラジン-エチルスルホネート(HEPES)、モルホリポエチルスルホネート(MES)、コハク酸塩、酒石酸塩およびクエン酸塩が代表的緩衝物質である。他の好適な担体には、例えば、水、緩衝水溶液、0.4%NaCl、および0.3%グリシンが挙げられる。タンパク質、炭水化物、またはポリマー安定剤および張度調節剤として、例えば、ゼラチン、アルブミン、デキストラン、またはポリビニルピロリドンを添加できる。組成物の浸透圧は、グルコースまたはラクトース、スクロース、マンニトール、またはデキストリンなどのより不活性の化合物を用いて、0.25~0.35mol/kgの生理学的レベルに調節できる。これらの組成物は、定型作業により、当該技術分野において既知の従来の技術を用いて(例えば、濾過により)滅菌できる。得られた水溶液は、使用のためにパッケージ化でき、または無菌条件下で濾過および凍結乾燥でき、凍結乾燥製剤は、投与の前に、無菌の水性媒体と混合される。
【0334】
提供される医薬リポソーム組成物はまた、pH調整剤および緩衝剤、浸透圧調整剤、例えば、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、および塩化カルシウム、どの製薬学的に許容され得る補助物質を適切な生理学的条件の必要性に応じて含み得る。さらに、リポソーム懸濁液は、貯蔵時のフリーラジカルおよび脂質過酸化傷害に対する脂質保護剤を含み得る。アルファトコフェロールなどの親油性フリーラジカル失活剤およびフェリオキサミンなどの水溶性イオン特異的キレート化剤が好適する。
【0335】
提供される流体医薬製剤中のリポソーム濃度は、必要に応じて広い範囲、例えば、通常約0.05%未満、または少なくとも約2~10%から30~50%程度まで変えることができ、選択される特定の投与方法に従って、主として液体の体積、粘度により選択される。例えば、治療に関連する流体量を低下させるために、濃度を増加させることがある。これは、アテローム性動脈硬化症関連うっ血性心不全または重度高血圧の患者に特に望ましい。あるいは、刺激性脂質から構成されるリポソーム医薬組成物は、投与部位での炎症を少なくするために、低濃度に希釈されることがある。
【0336】
いくつかの実施形態は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の標的化ペグ化リポソーム製剤を、表面上に葉酸受容体を発現している腫瘍に送達する方法に関する。代表的方法は、本明細書で提供されるリポソーム医薬組成物を、標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の治療有効量を腫瘍に送達する量で投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム医薬組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、本明細書のセクションIIに記載の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム医薬組成物は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム組成物を含む。
【0337】
投与されるリポソーム医薬組成物の量は、リポソーム内に封入された特定のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬、用いられるリポソームのタイプ、および臨床医の判断に依存する。通常、投与されるリポソーム医薬組成物の量は、治療有効量の特定の治療物質を送達するのに十分な量である。
【0338】
治療有効量を送達するのに必要なリポソーム医薬組成物の量は、薬物試験技術で共通のインビトロおよびインビボでの常法により決定できる。例えば、D.B.Budman,A.H.Calvert,E.K.Rowinsky(編).Handbook of Anticancer Drug Development,LWW,2003、を参照されたい。種々の治療用組成物に対する治療有効量は、当業者に既知である。いくつかの実施形態では、治療物質は、医薬品リポソーム組成物を介して送達され、通常の非リポソーム製剤中の同じ量の治療物質の投与により得られる活性に比べて、少なくとも同じまたはより高い活性をもたらす。通常、リポソーム医薬組成物の投与量は、例えば、1平方メートルの体表面積当たり、約0.005~約5000mgの治療物質、ほとんどの場合、1平方メートルの体表面積当たり、約0.1~約1000mgの治療物質の範囲である。
【0339】
例えば、対象が腫瘍を有する場合、有効量は、腫瘍体積または腫瘍量(例えば、腫瘍の画像処理により測定できる)を低減する薬剤(例えばアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物)の量であり得る。有効量はまた、血液中または他の体液もしくは組織(例えば、生検)中の癌細胞の存在および/または頻度により評価できる。腫瘍が組織または臓器の正常機能に影響を与える場合には、有効量は、組織または臓器の正常機能を測定することにより日常的に評価できる。いくつかの事例では、有効量は、症状の1つまたは複数、および好ましくは全てを低減するまたは除去するのに必要な量である。
【0340】
アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物(例えば、ペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム)を含む医薬組成物も提供される。医薬組成物は、好ましくは薬学的に許容可能な担体中で、試料リポソームおよび好ましくはアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む無菌組成物である。
【0341】
別に定める場合を除き、種々の投与経路が利用可能である。選択される特定の方法は、選択される特定の活性薬剤、治療効力のために必要とされる特定の治療条件および投与条件に依存する。提供される方法は、医学的に許容可能で、良質の医療のための原則に基づく任意の既知の投与方法を用いて実施できる。いくつかの実施形態では、投与経路は注射である。さらなる実施形態では、注射は、筋肉内、皮下、静脈内、動脈内、腹腔内の、関節腔内、硬膜外内、くも膜下腔内、静脈内、筋肉内、または胸骨内注射から選択される非経口経路による。いくつかの実施形態では、投与経路は注入である。さらなる実施形態では、投与経路は、経口、経鼻、粘膜、舌下、気管内、眼部、直腸、腟、点眼、局所、経皮、肺性、または吸入である。
【0342】
本明細書に記載のリポソームαPANTIFOL組成物などのαPANTIFOL含有治療用組成物は、例えば、単位用量の注射などの従来法で静脈内に投与できる。本明細書で提供される治療用組成物に関連して使用される用語の「単位用量」は、対象に対する単一投与量として適する物理的に別々の単位を意味し、各単位は、例えば、担体、またはビークルなどの必要とされる希釈剤と組み合わせて、所望の治療効果が得られるように計算された所定量の活性物質を含む。特定の実施形態では、アダプターを含む治療用組成物は、皮下に投与される。
【0343】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、剤形と適合性がある方式により治療有効量で投与される。投与される量は、治療される対象、対象の組織の有効成分を利用する能力、および所望の治療効果の程度に依存する。投与に必要な有効成分の厳密な量は、開業医の判断に依存し、それぞれの個体に特有である。しかし、全身投与のための好適な投与量範囲は本明細書に開示され、これは、投与経路に依存する。好適な投与計画も変更可能であるが、初期投与とこれに続く、注射または他の投与法による1時間または複数時間の間隔での反復投与が典型例である。あるいは、インビボでの指定された範囲での、血液中の濃度を維持するのに十分な連続的静脈内注入も意図される。
【0344】
αPANTIFOL組成物は、処方され、用量が決定され、良質の医療のための原則に従って投与される。これに関して考慮すべき因子には、処置される特定の障害、処置される特定の患者、個別患者の臨床状態、障害の原因、薬剤送達部位、投与方法、投与スケジュール、およびその他の開業医に既知の因子が挙げられる。αPANTIFOL組成物の投与のための投与量の範囲は、標的分子により媒介される病徴の改善に向けた所望の効果をもたらすのに十分大きい量である。投与量は、過粘稠度症候群、肺水腫、うっ血性心不全、およびその他の当該技術分野において既知の有害副作用などの有害な副作用を引き起こすほど多量であってはならない。一般に、投与量は、患者の年齢、重量、身長、体表面積、健康状態(例えば、腎臓および肝臓関数)、病状、性別、および疾患の程度で変化し、当業者による定形作業で決定可能である。万一何らかの合併症が生じる場合には、投与量は個々の医師によって調節できる。
【0345】
治療および予防用途に効果的な投薬スケジュールおよび量、すなわち「投薬計画」は、疾患または障害の原因、ステージおよび重症度、治療される対象の身体的状態、年齢、およびαPANTIFOL組成物の送達部位および経路を含む種々の要因に依存するであろう。αPANTIFOL組成物の治療効力および毒性は、細胞培養物または実験動物を用いて、標準的医薬薬理学的、および毒性学的方法により測定できる。これらの方法により得られたデータは同様に、ヒトにおける使用のための投与量範囲の処方に使用することができる。さらに、治療指数(すなわち、集団の50%で治療的に有効な投与量を集団の50%の致死投与量で割った値(ED50/LD50))は、既知の手順を用いて容易に決定できる。投与量は、毒性がほとんどまたは全くなしに、ED50を含む濃度の範囲内であるのが好ましく、採用される剤形、患者の感受性、および投与経路に応じて、この範囲内で変わってもよい。
【0346】
投与計画では、薬物吸収速度、バイオアベイラビリティ、代謝およびクリアランスなどの、当該技術分野において既知の薬物動態学パラメーターも考慮される(例えば、Hidalgo-Aragones,J.Steroid Biochem.Mol.Biol.58:611-617(1996);Groning et al.,Pharmazie 51:337-341(1996);Fotherby,Contraception 54:59-69(1996);およびJohnson et al.,J.Pharm.Sci.84:1144-1146(1995)を参照されたい)。治療されるそれぞれの対象に対し、臨床医が投与計画を決定することは、十分に現状技術の範囲内にある。さらに、αPANTIFOL組成物の単一または複数投与は、対象に必要で、耐容される投与量と頻度に応じて投与できる。予防および治療処置の期間は、治療される特定の疾患または状態に依存するであろう。いくつかの疾患は、急性期治療に適用できるが、他のものは、長い期間にわたる長期治療が必要である。αPANTIFOL組成物は、追加の治療薬を用いて順次に、または同時に投与できる。
【0347】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、リポソーム組成物として、1平方メートルの体表面積当たり、0.005~5000mgのαPANTIFOL、またはそれらの間の任意の範囲の投与量で投与される。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、リポソーム組成物として、1平方メートルの体表面積当たり、0.1~1000mgのαPANTIFOL、またはその間の任意の範囲の投与量で投与される。
【0348】
いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、免疫複合体組成物として、1mg/kg~500mg/kg、1mg/kg~250mg/kg、1mg/kg~200mg/kg、1mg/kg~150mg/kg、1mg/kg~100mg/kg、1mg/kg~50mg/kg、1mg/kg~25mg/kg、1mg/kg~20mg/kg、1mg/kg~15mg/kg、1mg/kg~10mg/kg、または1mg/kg~5mg/kg、またはこれらの間の任意の範囲の投与量で投与される。
【0349】
別の実施形態では、αPANTIFOL組成物は、1種または複数の追加の治療薬と組み合わせて投与される。
【0350】
いくつかの実施形態では、PLp-αPANTIFOLおよび/または標的化PLp-αPANTIFOLは、注入組成物、注射組成物、非経口組成物、または局所組成物として作製される。さらなる実施形態では、注射は、腹腔内注射、直接腫瘍内注射、動脈内注射、および静脈内注射、皮下注射、筋肉注射、経皮的および鼻腔内経路を介した送達の内の1種または複数を含む。さらなる実施形態では、PLp-αPANTIFOLおよび/または標的化PLp-αPANTIFOLは液剤または懸濁剤である。しかし、注射の前に液体担体中で溶液または懸濁液とするために好適する固体形態も本明細書で提供される。いくつかの実施形態では、標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、当該技術分野において既知の方法に従って、腸溶性コート錠剤またはジェルカプセルとして処方される。
【0351】
いくつかの実施形態では、標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬製剤は、腫瘍にリポソームの緩徐な持続的直接頭蓋内注入(例えば、対流強化輸送(CED))を用いて、中枢神経系の腫瘍に投与される。Saito et al.,Cancer Research 64:2572-2579(2004);Mamot et al.,J.Neuro-Oncology 68:1-9(2004)を参照されたい。他の実施形態では、製剤は組織表面に直接適用される。ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬製剤の徐放、pH依存性放出、およびその他の特定の化学的または環境的条件媒介放出投与(例えば、蓄積注射および腐食性移植組織)も同様に提供される。このような放出媒介組成物の例は、本明細書でさらに記載されるか、あるいは、当該技術分野において既知である。
【0352】
吸入による投与用として、組成物は、加圧パック剤または噴霧器から、適切な噴霧剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、またはその他の適切なガスを使用して、エアロゾル噴霧の形態で都合よく送達することができる。加圧エアロゾルの場合、投与単位は、計測量を送達するためのバルブを備えることにより決定できる。
【0353】
組成物の全身送達が望ましい場合、注入、例えば、ボーラス注入または持続注入による非経口投与用に処方できる。注入用の製剤は、単位剤形、例えば、アンプル、または複数回投与用容器で投与できる。医薬非経口製剤には、成分の水溶液が含まれる。水性の注射用懸濁剤には、懸濁剤の粘度を増大させる物質、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールまたはデキストランなどを含めることができる。あるいは、リポソームの懸濁剤は、油性懸濁剤として作製できる。好適な親油性の溶媒または担体としては、脂肪油、例えば、ゴマ油、または合成脂肪酸エステル、例えば、オレイン酸エチルまたはトリグリセリドが挙げられる。
【0354】
あるいは、非標的化または標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、好適な担体、例えば、無菌の、発熱性物質非含有水を使用前に用いて構成するための粉末の形態または凍結乾燥形態とすることができる。
【0355】
提供された組成物(例えば、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム)は、例えば、ココアバターまたは他のグリセリドなどの従来の座薬基剤を含む、座薬または停留浣腸剤などの直腸または腟用組成物としても処方できる。
【0356】
使用および治療方法
さらなる実施形態では、本開示は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)組成物の使用方法を提供する。いくつかの実施形態では、アルファαPANTIFOL組成物は、疾患または障害を治療するために使用される。
【0357】
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞を死滅させる方法を提供し、該方法は、細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む組成物と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに記載の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、細胞は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含むリポソーム組成物と接触させられる。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる細胞はヒト細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は過剰増殖細胞である。さらなる実施形態では、過剰増殖細胞は、癌細胞である。またさらなる実施形態では、癌細胞は、一次細胞、または、例えば、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、および黒色腫などを含む非血液系腫瘍;および、例えば、白血病、リンパ腫およびその他のB細胞悪性腫瘍、骨髄腫およびその他の形質細胞異形成症または悪液質などの血液系腫瘍から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。またさらなる実施形態では、癌細胞は、一次細胞、または乳癌、頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、および絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、中枢神経系(CNS)癌から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、結腸直腸癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、卵巣癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、子宮内膜癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、膵臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肝臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、頭頸部癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、骨肉腫から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。他の実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、2、3、4、5個、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5個、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0358】
さらなる実施形態では、本開示は、細胞を死滅させる方法を提供し、該方法は、細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示の、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)を含むリポソームと接触させることを含む。いくつかの実施形態では、細胞は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームと接触させられる。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されている(例えば、PLp-αPANTIFOLおよびNTPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソームはその表面上に、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TLp-αPANTIFOLおよびTPLp-αPANTIFOL)。さらなる実施形態では、リポソームはペグ化され、その表面上に、細胞の表面上の抗原に特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、接触させる細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる細胞はヒト細胞である。さらなる実施形態では、接触させる細胞は過剰増殖細胞である。さらなる実施形態では、過剰増殖細胞は、癌細胞である。さらなる実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、非小細胞)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、結腸直腸癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、卵巣癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、子宮内膜癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、膵臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肝臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、頭頸部癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、骨肉腫から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。他の実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5個、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0359】
いくつかの実施形態では、本開示は、過剰増殖を死滅させる方法を提供し、該方法は、過剰増殖細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、リポソームまたは抗体)と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに記載の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、過剰増殖細胞は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームと接触させられる。いくつかの実施形態では、送達担体は、標的化されていない。他の実施形態では、送達担体は標的化され、その表面上に、過剰増殖細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、下記から選択される過剰増殖細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、送達担体は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基からなるαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0360】
特定の実施形態では、過剰増殖細胞を死滅させる方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示の、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム送達担体を用いて実施される。いくつかの実施形態では、過剰増殖細胞は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームと接触させられる。いくつかの実施形態では、送達担体は、非標的化リポソームである。いくつかの実施形態では、送達担体はその表面上に、過剰増殖細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TLp-αPANTIFOLおよびTPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、送達担体はその表面上に、過剰増殖細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、下記から選択される抗原上のエピトープに対する特異的親和性を有する:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、リポソームは、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されている(例えば、PLp-αPANTIFOLおよびNTPLp-αPANTIFOL)。さらなる実施形態では、リポソームはペグ化され、その表面上に、過剰増殖細胞の表面上の抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TPLp-αPANTIFOL)。他の実施形態では、リポソームは、ペグ化されていない。いくつかの実施形態では、リポソームはペグ化されておらず、その表面上に、過剰増殖細胞の表面上の抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基からなるαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0361】
さらなる実施形態では、本開示は、癌細胞の増殖を抑制する方法を提供し、該方法は、癌細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、リポソームまたは抗体)と接触させることを含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、癌細胞は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームと接触させられる。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、標的化されていない。いくつかの実施形態では、送達担体は標的化され、その表面上に、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、送達担体は、その表面上に、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する抗体である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる癌細胞はヒト細胞である。さらなる実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、非小細胞)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、結腸直腸癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、卵巣癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、子宮内膜癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、膵臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肝臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、頭頸部癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、骨肉腫から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、方法は、インビトロで実施される。いくつかの実施形態では、送達担体は、その表面上に、上にリストした細胞表面抗原の1種上のエピトープに対し特異的親和性を有する抗体である。他の実施形態では、標的化担体は、癌細胞の表面上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームである。他の実施形態では、標的化担体は、上に挙げた細胞表面抗原の1種上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームである。いくつかの実施形態では、送達担体は、ペグ化リポソームである。他の実施形態では、送達担体は、ペグ化されていないリポソームである。いくつかの実施形態では、送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOL組成物を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0362】
さらなる実施形態では、本開示は、癌細胞の増殖を抑制する方法を提供し、該方法は、癌細胞を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含むリポソームと接触させるステップを含む。いくつかの実施形態では、癌細胞は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームと接触させられる。いくつかの実施形態では、リポソームは、標的化されていない。いくつかの実施形態では、リポソームは標的化され、その表面上に、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、送達担体は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原に特異的に結合するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は哺乳動物細胞である。さらなる実施形態では、接触させる癌細胞はヒト細胞である。さらなる実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、非小細胞)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、結腸直腸癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、卵巣癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、子宮内膜癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、膵臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、肝臓癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、頭頸部癌から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、接触させる癌細胞は、一次細胞、または、骨肉腫から得られる/由来する細胞株由来の細胞である。いくつかの実施形態では、方法は、インビボで実施される。いくつかの実施形態では、方法は、インビトロで実施される。他の実施形態では、標的化担体は、上に挙げた細胞表面抗原の1種上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。他の実施形態では、リポソームは、ペグ化されていない。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOL組成物を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0363】
さらなる実施形態では、本開示は、過剰増殖性障害を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を過剰増殖性障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、投与される送達担体は、過剰増殖細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、送達担体は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープに特異的に結合する(すなわち、エピトープに対し特異的親和性を有する)ターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、過剰増殖細胞の細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含まない。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、過剰増殖性障害は癌である。いくつかの実施形態では、過剰増殖性障害は自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)である。いくつかの実施形態では、過剰増殖性障害は、良性のまたは悪性腫瘍;白血病、血液学的またはリンパ系悪性腫瘍である。他の実施形態では、過剰増殖性障害は、神経、グリア、星状細胞、視床下部、腺、マクロファージ、上皮、間質、胞胚腔、炎症性、血管新生、および自己免疫疾患を含む免疫性障害から選択される。
【0364】
さらなる実施形態では、本開示は、過剰増殖性障害を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)の有効量を、過剰増殖性障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、リポソームは、過剰増殖細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、リポソームは、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープ対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、リポソームは、過剰増殖細胞の細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含まない。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、過剰増殖性障害は癌である。いくつかの実施形態では、過剰増殖性障害は自己免疫疾患(例えば、関節リウマチ)である。いくつかの実施形態では、過剰増殖性障害は、良性のまたは悪性腫瘍;白血病、血液学的またはリンパ系悪性腫瘍である。他の実施形態では、過剰増殖性障害は、神経、グリア、星状細胞、視床下部、腺、マクロファージ、上皮、間質、胞胚腔、炎症性、血管新生、および自己免疫疾患を含む免疫性障害から選択される。
【0365】
開示方法により治療できる代表的過剰増殖性障害には、限定されないが、良性で前癌性、および悪性細胞増殖に関連する障害が挙げられ、これには、限定されないが、新生物および腫瘍(例えば、組織球腫、神経膠腫、星状細胞腫、骨腫)、癌(例えば、肺癌、小細胞肺癌、胃腸癌、腸癌、結腸直腸癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、精巣癌、肝臓癌、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌、脳癌、肉腫(例えば、骨肉腫、カポジ肉腫)、および黒色腫)、白血病、乾癬、骨疾患、線維増殖性障害(例えば、結合組織の)、およびアテローム性動脈硬化症が含まれる。
【0366】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、投与される送達担体は、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープ対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍(例えば、白血病またはリンパ腫)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。
【0367】
さらなる実施形態では、本開示は、転移を治療する、軽減する、または抑制する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、開示方法は、特に、(1)原発腫瘍、癌または新生物の成長、増殖、生存、移動性または侵襲性の低減または抑制;(2)転移を発生する可能性のあるまたは発生する原発腫瘍、癌または新生物の成長、増殖、生存、移動性または侵襲性の低減または抑制;(3)原発腫瘍、癌または新生物から生じる転移の形成または確立の低減または抑制;(4)転移が形成または確立された後で、原発腫瘍、癌または新生物とは異なる1つまたは複数の他の部位、位置、領域または系での転移の成長または増殖の低減または抑制;および/または(5)転移が形成または確立された後で、追加の転移の形成または確立の低減または抑制、を提供する。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、投与される送達担体は、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍(例えば、白血病またはリンパ腫)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。
【0368】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、投与される送達担体は、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、送達担体は、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープ対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍(例えば、白血病またはリンパ腫)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。
【0369】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)の有効量を癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、リポソームは、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、リポソームは、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープ対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍(例えば、白血病またはリンパ腫)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0370】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)の有効量を癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、リポソームは、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、リポソームは、癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、リポソームは、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープ対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍(例えば、白血病またはリンパ腫)から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。
【0371】
いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、リポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、リポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0372】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および癌表面の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームを含むリポソーム組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、リポソームは、下記からなる群より選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は結腸直腸癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は卵巣癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は子宮内膜癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は膵臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肝臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は頭頸部癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は骨肉腫を治療するために投与される。
【0373】
いくつかの実施形態では、リポソームは、ネオ抗原などの特定の対象の癌(腫瘍)に由来する、またはそれに発現していると判断される細胞表面抗原上のエピトープ対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化されていないリポソームを含む。
【0374】
いくつかの実施形態では、リポソームは、腫瘍特異的抗原(TSA)または腫瘍関連抗原(TAA)のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、腫瘍分化抗原(例えば、MART1/MelanA、gp100(Pmel17)、チロシナーゼ、TRP1、およびTRP2)、腫瘍特異的多系列抗原(例えば、MAGE1、MAGE3、BAGE、GAGE1、GAGE2、およびp15)、過剰発現胎児性抗原(例えば、癌胎児抗原(CEA))、過剰発現癌遺伝子または変異導入腫瘍抑制因子遺伝子産物(例えば、p53、Ras、およびHER2/neu)、染色体転座から生じたユニークな腫瘍抗原(例えば、BCR-ABL、E2A-PRL、H4-RET、IGH-IGK、およびMYL-RAR)、ウイルス抗原(例えば、エプスタイン・バーウイルス抗原EBVA、ヒトパピローマウイルス(HPV)抗原E6またはE7)、GP100)、前立腺酸ホスファターゼ(PAP)、前立腺特異的抗原(PSA)、PTGER4、ITGA4、CD37、CD52、CD62L(L-セレクチン)、CXCR4、CD69、EVI2B(CD361)、SLC39A8、MICB、LRRC70、CLELC2B、HMHA1、LST1、およびCMTM6(CKLFSF6)から選択される抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0375】
いくつかの実施形態では、リポソームは、血液学的腫瘍抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、 CD19、CD20、CD22、CD30、CD138、CD33、CD34、CD38、CD123、CS1、ROR1、Lewisγ、Igカッパ軽鎖、TCR、BCMA、TACI、BAFFR(CD268)、CALLA、およびNKG2DLリガンド、から選択される血液学的腫瘍抗原のエピトープに対して特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、B細胞リンパ腫特異的イディオタイプ免疫グロブリン、またはB細胞分化抗原(例えば、CD19、CD20、およびCD37)のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、多発性骨髄腫細胞上の抗原(例えば、CS-1、CD38、CD138、MUC1、HM1.24、CYP1B1、SP17、PRAME、ウイルムス腫瘍1(WT1)、およびヒートショックプロテインgp96)、または骨髄性細胞上の抗原(例えば、TSLPRおよびIL-7R)のエピトープに対して特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0376】
いくつかの実施形態では、リポソームは、固形腫瘍抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、ジシアロガングリオシド(GD2)、o-アセチル GD2、EGFRvIII、ErbB2、FAP、メソテリン、IL13Ra2(神経膠腫)、cMET、PSMA、L1CAM、CEA、およびEGFR、から選択される血液学的腫瘍抗原のエピトープに対して特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、次記から選択される抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、リポソームは、次記から選択される抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:CD137、PDL1、CTLA4、CD47、KIR、TNFRSF10B(DR5)、TIM3、PD1、cMet、糖脂質F77、EGFRvIII、HLAA2(NY-ESO-1)、LAG3、CD134(OX40)、HVEM、BTLA、TNFRSF25(DR3)、CD133、MAGE A3、PSCA、MUC1、CD44v6、CD44v6/7、CD44v7/8、IL11Ra、ephA2、CAIX、MNCAIX、CSPG4、MUC16、EPCAM(EGP2)、TAG72、EGP40、ErbB受容体ファミリー、ErbB2(HER2)、ErbB3/4、RAGE1、GD3、FAR、Lewisγ、NCAM、HLAA1/MAGE1、MAGEA1、MAGEA3、MAGE-A4、B7H3、WT1、MelanA(MART1)、HPVE6、HPVE7、チログロブリン、チロシナーゼ、PSA、CLL1GD3、Tn Ag、FLT3、KIT、PRSS21、CD24、PDGFR-β、SSEA4、プロスターゼ、PAP、ELF2M、ephB2、IGF1、IGFII、IGFI受容体、LMP2、gp100、bcr-ab1、フコシルGM1、sLe、GM3、TGS5、葉酸受容体β、TEM1(CD248)、TEM7R、CLDN6、TSHR、GPRC5D、CXORF61、CD97、CD7a、HLE、CD179a、ALK、プリシアル酸、PLAC1、GloboH、NY-BR-1、UPK2、HAVCR1、ADRB3、PANX3、GPR20、LY6K、OR51E2、TARP、LAGE1a、レグマイン、E7、ETV6-AML、精子タンパク質17、XAGE1、Tie 2、MAD-CT1、MAD-CT2、Fos-関連する抗原1、p53、p53変異体、プロステイン、サバイビン、テロメラーゼ、PCTA1(ガレクチン8)、Ras変異体、hTERT、肉腫転座切断点、ML-IAP、ERG(TMPRSS2 ETS融合遺伝子)、NA17、PAX3、アンドロゲン受容体、サイクリンB1、MYCN、RhoC、TRP2、CYP1B1、BORIS、SART3、PAX5、OY-TES1、LCK、AKAP4、SSX2、逆転写酵素、RU1、RU2、腸内カルボキシルエステラーゼ、好中球エラスターゼ、mut hsp70-2、CD79a、CD79b、CD72、LAIR1、FCAR、LILRA2、CD300LF、CLEC12A、BST2、EMR2、LY75、GPC3、FCRLS、IGLL1、TSP-180、MAGE4、MAGE5、MAGE6、VEGFR1、IGF1R、肝細胞成長因子受容体、p185ErbB2、p180ErbB-3、nm-23H1、CA 19-9、CA 72-4、CAM 17.1、NuMa、K-ras、βカテニン、CDK4、Mum1、p15、p16、43-9F、5T4、791Tgp72、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン、BCA225、BTAA、CA125、CA15-3、CA 27.29(BCAA)、CA195、CA242、CA-50、CAM43、CD68、CO-029、FGF5、G250、HTgp-175、M344、MA50、MG7-Ag、MOV18、NB/70K、NY-CO1、RCAS1、SDCCAG16、M2BP、TAAL6、TLP、およびTPS、神経膠腫関連抗原、α-フェトプロテイン(AFP)、AFPのp26フラグメント、レクチン反応性AFP、およびTLR4。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0377】
いくつかの実施形態では、リポソームは、次記から選択される抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:PDGFRA、VEGFR1、VEGFR3、ニューロピリン1(NRP1)、ニューロピリン2(NRP2)、ベータセルリン、PLGF、RET(遺伝子導入中に再配列)、TIE1、TIE2(TEK)、CA125、CD3、CD4、CD7、CD10、CD13、CD25 CD32、CD32b、CD44(例えば、CD44v6)、CD47、CD49e(インテグリンα5)、CD54(ICAM)、CD55、CD64、CD74、CD80、CD90、CD200、CD147、CD166、CD200、ESA、SHH、DHH、IHH、patched 1(PTCH1)、スムーズンド(SMO)、WNT1、WNT2B、WNT3A、WNT4、WNT4A、WNT5A、WNT5B、WNT7B、WNT8A、WNT10A、WNT10B、WNT16B、LKP5、LRP5、LRP6、FZD1、FZD2、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、Notch、Notch1、Notch3、Notch4、DLL4、Jagged、Jagged1、Jagged2、Jagged3、TNFRSF1A(TNFR1、p55、p60)、TNFRSF1B(TNFR2)、TNFRSF6(Fas、CD95)、TNFRSF6B(DcR3)、TNFRSF7(CD27)、TNFSF9(41BBリガンド)、TNFRSF8(CD30)、TNFRSF10A(TRAILRl、DR4)、TNFRSF11A(RANK)、TNFRSF12(TWEAKR)、TNFRSF19L(KELT)、TNFRSF19(TROY)、TNFRSF21(DR6)、ILIRI、1L1R2、IL2R、IL5R、IL6R、1L8R、IL10R、IL12R、IL13R、IL15R、IL18R、IL19R、IL21R、IL23R、XAG1、XAG3、REGIV、FGFR1、FGFR2、FGFR3、ALK、ALK1、ALK7、ALCAM、Axl、TGFb、TGFb2、TGFb3、TGFBR1、IGFIIR、BMPRI、N-カドヘリン、E-カドヘリン、VE-カドヘリン、ガングリオシドGM2、ガングリオシドGD3、PSGR、DCC、CDCP1、CXCR2、CXCR7、CCR3、CCR4、CCR5、CCR7、CCR10、Claudin1、Claudin2、Claudin3、Claudin4、TMEFF2、ニューレグリン、MCSF、CSF、CSFR(fms)、GCSF、GCSFR、BCAM、BRCA1、BRCA2、HLA-DR、ABCC3、ABCB5、HM 1.24、LFA1、LYNX、S100A8、S100A9、SCF、フォンウィルブランド因子、ルイスY6受容体、CA G250(CA9)、CRYPTO、VLA5、HLADR、MUCl8、ムチンCanAg、EGFL7、インテグリンavb3、インテグリンα5βアクチビンBlα、ロイコトリエンB4受容体(LTB4R)、ニューロテンシンNT受容体(NTR)、5T4癌胎児性抗原、テネイシンC、MMP、MMP2、MMP7、MMP9、MMP12、MMP14、MMP26、カテプシンG、SULF1、SULF2、MET、CA9、TM4SF1、シンデカン(SDCl)、エフリンB4、TEM1、TGFβ1、およびTGFBRII。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0378】
いくつかの実施形態では、リポソームは、免疫系の障害(例えば、自己免疫障害および炎症性疾患)に関連する、または免疫応答の調節に関連する抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、マクロファージ(CD44を発現している)の表面上に発現している細胞表面抗原のエピトープに対し特異的親和性を有する。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0379】
いくつかの実施形態では、リポソームは、免疫抑制標的のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ADは、IL1Ra、IL6R、CD26L、CD28、CD80、FcGamma RIIBから選択される免疫抑制標的のエピトープである。いくつかの実施形態では、アダプター中のADは、CD25、CD28、CTLA4、PD1、B7H1(PDL1)、B7H4 TGFbeta、TNFRSF4(OX40)、TNFRSF5(CD40)、TNFRSF9(41BB、CD137)、TNFRSF14(HVEM)、TNFRSF25(DR3)、およびTNFRSF18(GITR)から選択される免疫抑制標的のエピトープである。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0380】
いくつかの実施形態では、リポソームは、次記から選択される抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:IL1Rb、C3AR、C5AR、CXCR1、CXCR2、CCR1、CCR3、CCR7、CCR8、CCR9、CCR10、ChemR23、MPL、GP130、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR7、TLR8、TLR9、TREM1、TREM2、CD49a(インテグリンα1)、インテグリンa5b3、α4インテグリンサブユニット、A4B7インテグリン、カテプシンG、TNFRSF3(LTBR)、TNFRSF6(Fas、CD95)、TNFRSF6B(DcR3)、TNFRSF8(CD30)、TNFRSF11A(RANK)、TNFRSF16(NGFR)、TNFRSF19L(RELT)、TNFRSF19(TROY)、TNFRSF21(DR6)、CD14、CD23、CD36、CD36L、CD39、CD91、CD153、CD164、CD200、CD200R、B71(CD80)、B72(CD86)、B7h、B7DC(PDL2)、ICOS、ICOSL、MHC、CD、B7H2、B7H3、B7x、SLAM、KIM1、SLAMF2、SLAMF3、SLAMF4、SLAMF5、SLAMF6、SLAMF7、TNFRSF1A(TNFR1、p55、p60)、TNFRSF1B(TNFR2)、TNFRSF7(CD27)、TNFRSF12(TWEAKR)、TNFRSF5(CD40)、IL1R、IL2R、IL4Ra、IL5R、IL6RIL15R、IL17R、IL17Rb、IL17RC、IL22RA、IL23R、TSLPR、B7RP1、cKit、GMCSF、GMCSFR、CD2、CD4、CD11a、CD18、CD30、CD40、CD86、CXCR3、CCR2、CCR4、CCR5、CCR8、RhD、IgE、およびRh。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のLp-αPANTIFOLである。
【0381】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、有効量のリポソーム組成物を、その細胞表面上に葉酸受容体を発現する癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、リポソーム組成物は、(a)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)および(b)葉酸受容体に対し特異的結合親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および/または葉酸受容体デルタ(FR-δ)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および/または葉酸受容体デルタ(FR-δ)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)および葉酸受容体ベータ(FR-β)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化されていないリポソームを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は上皮組織悪性腫瘍を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)リンパ腫から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は結腸直腸癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は卵巣癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は子宮内膜癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は膵臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肝臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は頭頸部癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は骨肉腫を治療するために投与される。
【0382】
いくつかの実施形態では、本開示は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、肺癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。特定の実施形態では、癌は、非小細胞肺癌である。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、送達担体は、その表面上に、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、ムチン1、ネクチン4、NaPi2b、CD56、EGFR、およびSC-16から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗体フラグメントである。さらなる実施形態では、送達担体はリポソームであり、リポソームは、ムチン1、ネクチン4、NaPi2b、CD56、EGFR、およびSC-16から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、ムチン1、ネクチン4、NaPi2b、CD56、EGFR、およびSC-16から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含むペグ化リポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0383】
いくつかの実施形態では、本開示は、膵臓癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体(ADC)またはリポソーム)の有効量を、膵臓癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、送達担体は、その表面上に、膵臓癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、TACSTD2(TROP2)、ムチン1、メソテリン、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、およびネクチン4から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体はリポソームであり、リポソームは、TACSTD2(TROP2)、ムチン1、メソテリン、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、およびネクチン4から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0384】
さらなる実施形態では、本開示は、乳癌(例えば、トリプルネガティブ乳癌(エストロゲン受容体-、プロゲステロン受容体-、およびHER2))を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、乳癌を有するまたは有する危険のある対象に投与ステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、送達担体は、その表面上に、乳癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、LIV-1(ZIP6)、EGFR、HER2、HER3、ムチン1、GONMB、およびネクチン4から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗体フラグメントである。さらなる実施形態では、送達担体はリポソームであり、リポソームは、LIV-1(ZIP6)、EGFR、HER2、HER3、ムチン1、GONMB、およびネクチン4から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0385】
いくつかの実施形態では、本開示は、血液癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、血液癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、送達担体は、その表面上に、血液癌細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体は、CD30、CD79b、CD19、CD138、CD74、CD37、CD19、CD22、CD33、CD34、およびCD98から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、送達担体はリポソームであり、リポソームは、CD30、CD79b、CD19、CD138、CD74、CD37、CD19、CD22、CD33、CD34、およびCD98から選択される抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0386】
いくつかの実施形態では、本開示は、細胞表面上の抗原の発現により識別可能な癌を有するまたは有する危険のある対象を治療する方法を提供する。従って、いくつかの実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、癌およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)の表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗体フラグメントである。さらなる実施形態では、送達担体はリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0387】
いくつかの実施形態では、開示組成物(例えば、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム)は、細胞表面上の腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原の発現により識別可能な癌、固形腫瘍、および/または転移を有するまたは有する危険のある対象に投与される。従って、いくつかの実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、ターゲティング部分およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、リポソーム)の有効量を、細胞表面癌上の腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原の発現により識別可能な癌、固形腫瘍、および/または転移を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、ターゲティング部分は、腫瘍特異的抗原または腫瘍関連抗原上のエピトープに対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、リポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。さらなる実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。さらなる実施形態では、送達担体は、癌、固形腫瘍、および/または転移性細胞の表面上に発現した細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、下記から選択される抗原上のエピトープに対する特異的親和性を有する:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。
【0388】
さらなる実施形態では、送達担体はリポソームであり、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0389】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、その表面に、葉酸受容体、およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)に特異的に結合するターゲティング部分を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、葉酸受容体を表面上に発現している細胞を含む癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。さらなる実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ、葉酸受容体ベータ、または葉酸受容体デルタに対し、特異的親和性を有する。本明細書に開示のように、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む葉酸受容体標的化ペグ化リポソームは、正常細胞(すなわち、癌細胞とは異なり、積極的にリポソームを取り込まず、および/または葉酸受容体を発現しない細胞)に比べて、多量のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を、癌細胞、特に葉酸受容体を発現する癌細胞に送達できる。葉酸受容体を発現する任意の癌は、開示方法により治療され得る。いくつかの癌は、初期段階に葉酸受容体を発現し、一方、大部分の癌は、後期段階に葉酸受容体を発現し得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、リポソームである。さらなる実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、免疫複合体である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、リポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0390】
さらなる実施形態では、本開示は、癌の維持療法のための方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を癌療法を受けているまたは受けたことがある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソームは、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートであるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、癌細胞の表面抗原上のエピトープに対する特異的親和性を有するターゲティング部分を含む(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化され、ターゲティング部分を含むリポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、標的化されているリポソーム、およびターゲティング部分を含まないリポソーム(例えば、標的化されていない)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化されているリポソームおよびペグ化されていないリポソームを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0391】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示の1つまたは複数の方法により治療される癌は、固形腫瘍リンパ腫である。固形腫瘍リンパ腫の例には、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、およびB細胞リンパ腫が挙げられる。
【0392】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の本明細書に開示の方法により治療される癌は、骨癌、脳癌、乳癌、結腸直腸癌、結合組織癌、消化器系癌、子宮内膜癌、食道癌、眼癌、頭頸部癌、胃癌、上皮内腫瘍、黒色腫神経芽腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、前立腺癌、網膜芽細胞腫、または横紋筋肉腫である。
【0393】
いくつかの実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、送達担体およびアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、ペグ化送達担体を含む。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、癌細胞などの目的の標的細胞の表面上の抗原のエピトープに対する特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体または抗原結合抗体フラグメントを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、治療される癌は上に列挙した癌の1つの転移である。いくつかの実施形態では、投与される組成物は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、免疫複合体である。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、リポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。
【0394】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソーム(例えば、Lp-αPANTIFOL、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0395】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、標的化リポソーム(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、リポソーム組成物は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(Lp-αPANTIFOL)および癌上の表面抗原(エピトープ)に対し特異的親和性を有するターゲティング部分をさらに含むリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される癌を治療するために投与される。
【0396】
いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物
は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5個、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0397】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、標的化リポソーム(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、リポソーム組成物は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(Lp-αPANTIFOL)および癌上の表面抗原(エピトープ)に対し特異的親和性を有するターゲティング部分をさらに含むリポソームを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、標的化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸直腸癌、食道癌、子宮頸癌、肝臓癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、膀胱癌、肉腫(例えば、骨肉腫)、脳癌、中枢神経系癌、黒色腫、骨髄腫、白血病およびリンパ腫から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は結腸直腸癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は卵巣癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は子宮内膜癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は膵臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肝臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は頭頸部癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は骨肉腫を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0398】
さらなる実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、標的化リポソーム(例えば、TLp-αPANTIFOLまたはTPLp-αPANTIFOL)を含むリポソーム組成物の有効量を、葉酸受容体を細胞表面上に発現する癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み、リポソーム組成物は、(a)アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(αPANTIFOL)および(b)葉酸受容体に対し特異的結合親和性を有するターゲティング部分を含むリポソームを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、ペグ化リポソーム(例えば、TPLp-αPANTIFOL)を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームであるリポソームを含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および/または葉酸受容体デルタ(FR-δ)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および/または葉酸受容体デルタ(FR-δ)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)および葉酸受容体ベータ(FR-β)および/または葉酸受容体デルタ(FR-δ)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)および葉酸受容体ベータ(FR-β)および/または葉酸受容体デルタ(FR-δ)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は、葉酸受容体アルファ(FR-α)および葉酸受容体ベータ(FR-β)に対し特異的結合親和性を有する。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は結腸直腸癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は卵巣癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は子宮内膜癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は膵臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は肝臓癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は頭頸部癌を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、リポソーム組成物は骨肉腫を治療するために投与される。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与されるリポソーム組成物のリポソームは、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与されるリポソーム組成物は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0399】
いくつかの実施形態では、本開示は、免疫系の障害(例えば、炎症および関節リウマチなどの自己免疫疾患)を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、免疫系の障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、投与される送達担体は、免疫系の障害に関連する免疫細胞の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファテトラグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、自己免疫疾患害は、関節リウマチである。
【0400】
いくつかの実施形態では、本開示は、感染性疾患(例えば、HIV、マラリア、および住血吸虫症)を治療する方法を提供し、該方法は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(例えば、本明細書に開示のαPANTIFOL)を含む送達担体(例えば、抗体またはリポソーム)の有効量を、感染性疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、抗体(例えば、完全長IgG抗体、二重特異性抗体、またはscFv)である。いくつかの実施形態では、送達担体はリポソーム(例えば、PLp-αPANTIFOL、NTLp-αPANTIFOL、NTPLp-αPANTIFOL、TLp-αPANTIFOL、またはTPLp-αPANTIFOLなどのLp-αPANTIFOL)である。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されている。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、ペグ化されていない。さらなる実施形態では、投与される送達担体は、感染性疾患に関連する病原体の表面上の抗原のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、ターゲティング部分は抗体または抗原結合抗体フラグメントである。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、4、5、6、2~10、4~6個、または5個を超えるグルタミル基を含むαPANTIFOLを含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、アルファペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。他の実施形態では、投与される送達担体は、アルファヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Lアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0401】
いくつかの実施形態では、投与される送達担体は、リポソームである。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。さらなる実施形態では、リポソームは、ペグ化されている。さらなる実施形態では、送達担体は、その表面上に、目的の標的細胞の表面上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載の標的化リポソームである。さらなる実施形態では、送達担体は、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。
【0402】
さらなる実施形態では、送達担体はリポソームであり、リポソームは、下記から選択される細胞表面抗原上のエピトープに対し特異的親和性を有するターゲティング部分を含む:GONMB、TACSTD2(TROP2)、CEACAM5、EPCAM、葉酸受容体(例えば、葉酸受容体-α、葉酸受容体-βまたは葉酸受容体-δ)、ムチン1(MUC-1)、MUC-6、STEAP1、メソテリン、ネクチン4、ENPP3、グアニリルシクラーゼC(GCC)、SLC44A4、NaPi2b、CD70(TNFSF7)、CA9(炭酸脱水酵素)、5T4(TPBG)、SLTRK6、SC-16、組織因子、LIV-1(ZIP6)、CGEN-15027、P カドヘリン、フィブロネクチンエクストラドメインB(ED-B)、VEGFR2(CD309)、テネイシン、コラーゲンIV、ペリオスチン、エンドセリン受容体、HER2、HER3、ErbB4、EGFR、EGFRvIII、FGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4、FGFR6、IGFR-1、FZD1、FZD2、FZD3、FZD4、FZD5、FZD6、FZD7、FZD8、FZD9、FZD10、SMO、CD2、CD3、CD4、CD5、CD6、CD8、CD11、CD11a、CD15、CD18、CD19、CD20、CD22、CD26、CD27L、CD28、CD30、CD33、CD34、CD37、CD38、CD40、CD40L、CD44、CD56、CD70、CD74、CD79、CD79b、CD98、CD105、CD133、CD138、cripto、IGF-1R、IGF-2R、EphA1、EphA受容体、EphB受容体、EphA2、EphA3、EphA4、EphA5、EphA6、EphA7、EphA8、EphA1、EphB1、EphB2、EphB3、EphB4、EphB6、インテグリン(例えば、インテグリンαvβ3、αvβ5、またはαvβ6)、C242抗原、Apo2、PSGR、NGEP、PSCA、TMEFF2、エンドグリン、PSMA、CanAg、CALLA、c-Met、VEGFR-1、VEGFR-2、DDR1、PDGFRα、PDGFRβ、TrkA、TrkB、TrkC、UFO、LTK、ALK、Tie1、Tie2、PTK7、Ryk、TCR、NMDAR、LNGFR、およびMuSK。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、セクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、送達担体は、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載の標的化リポソームである。
【0403】
いくつかの実施形態では、本開示は、過剰増殖疾患の治療用薬物の製造のためのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む組成物の使用を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のターゲティング部分を含むリポソームを含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、5個以上のグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はテトラグルタミン酸化されている。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化されている。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はペンタグルタミン酸化されている。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬はヘキサグルタミン酸化されている。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、リポソーム中に含まれる。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、新生物、腫瘍もしくは癌、またはその転移である。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、癌である。いくつかの実施形態では、癌は、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍から選択される。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)癌から選択される。いくつかの実施形態では、癌は肺癌(例えば、NSCLCまたは中皮腫)である。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌(例えば、HER2++またはトリプルネガティブ乳癌)である。いくつかの実施形態では、癌は結腸直腸癌である。いくつかの実施形態では、癌は卵巣癌である。いくつかの実施形態では、癌は子宮内膜癌である。いくつかの実施形態では、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は肝臓癌である。いくつかの実施形態では、癌は頭頸部癌である。いくつかの実施形態では、癌は骨肉腫である。いくつかの実施形態では、癌は白血病またはリンパ腫である。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、自己免疫疾患である。いくつかの実施形態では、増殖性疾患は、関節リウマチである。
【0404】
開示方法は、本明細書で意図された組成物(例えば、ペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームなどのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物)の送達から恩恵を受ける可能性があるいずれかの対象で実施できる。哺乳動物対象、および特に、ヒト対象が好ましい。いくつかの実施形態では、対象にはまた、家庭用ペット(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ、およびケナガイタチ)、家畜(livestock)または家畜(farm animal)(例えば、雌ウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、およびその他の家禽類)、純血種のウマなどのウマ、実験動物(例えば、マウス、ラット、およびウサギ)、およびその他の哺乳動物などの動物が含まれる。他の実施形態では、対象には、魚類およびその他の水生動物種が含まれる。
【0405】
薬剤が送達される対象は、正常な対象であり得る。あるいは、対象は、提供された組成物の1種または複数の提供される組成物の送達から診断され得るまたは恩恵を受け得る状態を有するまたは状態を発症する危険があり得る。いくつかの実施形態では、このような状態には、癌(例えば、固形腫瘍癌または白血病などの非固形癌)が含まれる。いくつかの実施形態では、これらの状態(例えば、癌)は、本明細書に開示の標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬により特異的に結合され得る抗原を発現する細胞を含む。さらなる実施形態では、これらの抗原は、特異的に結合し、標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を細胞中に内部移行させる。いくつかの実施形態では、標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、癌細胞の表面上に発現した葉酸受容体(例えば、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および葉酸受容体デルタ(FR-δ))に特異的に結合する。
【0406】
提供された組成物で治療できる状態の診断のための試験は、当技術分野において既知であり、開業医によく知られている。特定の細胞型が葉酸受容体を発現するかどうかの決定は、商業的に入手できる抗体を用いて行うことができる。これらの臨床検査には、限定されないが、顕微鏡による分析、培養依存性検査(培養物など)および核酸検出試験が挙げられる。これらは、湿式マウント、染色強化顕微鏡(stain-enhanced microscopy)、免疫顕微鏡(例えば、FISH)、ハイブリダイゼーション顕微鏡、粒子凝集試験、酵素結合免疫吸着アッセイ、尿スクリーニング検査、DNAプローブハイブリダイゼーション、および血清検査が含まれる。開業医は通常、上記臨床検査の実施に加えて、全病歴を取得し、完全な身体検査を行うであろう。
【0407】
癌を有する対象は、例えば、検出可能な癌細胞を有する対象であり得る。癌を発症する危険のある対象は、例えば、通常より高い癌発症の可能性を有する対象であり得る。これらの対象には、例えば、癌を発症するより高い可能性に関連付けられることが示されている遺伝子異常を有する対象、癌の家族性素質を有する対象、タバコ、アスベスト、またはその他の化学的毒素などの癌誘発剤(すなわち、発癌性物質)へ暴露された対象、および以前に癌の治療を受け、見かけの寛解にある対象が含まれる。
【0408】
いくつかの実施形態では、本開示は、葉酸受容体標的化ペグ化リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を選択的に、表面上に葉酸受容体を、より大きい速度(例えば、細胞表面上に葉酸受容体を発現していない細胞よりも、少なくとも2倍大きい、少なくとも3倍大きい、少なくとも4倍大きい、または少なくとも5倍大きい速度)で発現している腫瘍細胞に送達する方法を提供する。いくつかの実施形態では、送達されるペグ化リポソームは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、セクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートを含む。いくつかの実施形態では、リポソームは、発明を実施するための形態の項目[53]~[72]のいずれか1項に記載のリポソームである。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、Dアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、LおよびDアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、ペグ化リポソームは、2、3、4、5、または5個を超えるL-アルファグルタミル基および2、3、4、5個、または5個を超えるD-アルファグルタミル基を含む。
【0409】
V.併用療法
特定の実施形態では、本明細書に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の投与に加えて、方法または治療は、少なくとも1種の追加の治療薬を投与することをさらに含む。追加の治療薬は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の投与の前に、それと同時に、および/またはその後に投与できる。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。追加の治療薬は、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬送達担体を含む溶液中に存在する、またはアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含む組成物由来の別の配合物中の、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬送達担体と結合させることができる(例えば、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬とリポソーム中に同時被包される)。ポリペプチドまたは薬剤および追加の治療薬を含む医薬組成物も提供される。いくつかの実施形態では、少なくとも1種の追加の治療薬には1、2、3種またはこれを超える種類の追加の治療薬が含まれる。
【0410】
2種以上の治療薬を含む併用療法では、必要なことではないが、異なる作用機序で機能する薬剤が使用されることが多い。異なる作用機序を有する薬剤を使用する併用療法では、加算的または相乗的効果が生ずる場合がある。併用療法は、単剤療法で使用される場合よりも、各薬剤の投与量の低減化が可能となり、それにより、毒性副作用の低減化および/またはポリペプチドまたは薬剤の治療指数の向上をなし得る。併用療法は、耐性癌細胞が発生する可能性を減らし得る。いくつかの実施形態では、併用療法は、免疫反応に影響を与える(例えば、反応を高めるまたは活性化する)治療薬および腫瘍/癌細胞に影響を与える(例えば、抑制または死滅させる)治療薬を含む。
【0411】
いくつかの実施形態では、本開示は、癌を治療する方法を提供し、該方法は、本明細書に開示の、生物学的アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム中に存在する。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、治療抗体と組み合わせて投与される。さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、抗CD抗体(例えば、リツキシマブ)または免疫チェックポイントタンパク質(例えば、CTLA4、PD1、PDL1、およびTIM3)と結合する抗体と組み合わせて投与される。さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、fc融合タンパク質(例えば、エタネルセプト)と組み合わせて投与される。
【0412】
いくつかの実施形態では、本開示は、免疫系の障害を治療する方法を提供し、該方法は、本明細書に開示の、生物学的アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム中に存在する。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、治療抗体と組み合わせて投与される。さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、抗TNF抗体(例えば、アダリムマブ)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、fc融合タンパク質(例えば、エタネルセプト)と組み合わせて投与される。
【0413】
本明細書に記載の方法のいくつかの実施形態では、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物および少なくとも1種の追加の治療薬の組み合わせは、加算的または相乗的結果を生ずる。いくつかの実施形態では、併用療法は、αPANTIFOLまたは薬剤の治療指数の増大をもたらす。いくつかの実施形態では、併用療法は、追加の治療薬の治療指数の増大をもたらす。いくつかの実施形態では、併用療法は、αPANTIFOLまたは薬剤の毒性および/または副作用の低減をもたらす。いくつかの実施形態では、併用療法は、追加の治療薬の毒性および/または副作用の低減をもたらす。
【0414】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の投与に加えて、本明細書に記載の方法または治療は、抗チューブリン剤、オーリスタチン、DNAマイナーグルーブバインダー、DNA複製阻害剤、アルキル化剤(例えば、シスプラチン、モノ(プラチナ)、ビス(プラチナ)および白金錯体)、三核白金錯体およびカルボプラチン)アントラサイクリン、抗生物質、葉酸代謝拮抗薬(例えば、ポリグルタミン酸化可能な葉酸代謝拮抗薬またはポリグルタミン酸化可能でない葉酸代謝拮抗薬)、抗有糸分裂性薬(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビン、またはビンデシンなどのビンカアルカロイド)、放射線増感剤、ステロイド、タキサン、トポイソメラーゼ阻害剤(例えば、ドキソルビシンHCl、ダウノルビシンシトレート、ミトキサントロンHCl、アクチノマイシンD、エトポシド、トポテカンHCl、テニポシド(VM-26)、およびイリノテカン)、代謝拮抗薬、化学療法増感剤、デュオカルマイシン、エトポシド、フッ化ピリミジン、イオノフォア、レキシトロプシン、ニトロソウレア、プラチノール、プリン代謝拮抗薬、PARP阻害剤、およびピューロマイシン、から選択される少なくとも1種の追加の治療薬を投与するステップをさらに含む。特定の実施形態では、第2の治療薬は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、抗有糸分裂性薬、トポイソメラーゼ阻害剤、または血管新生阻害剤である。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム中に存在する。
【0415】
本明細書に記載のαPANTIFOL組成物と組み合わせて投与され得る治療薬には、化学療法剤が挙げられる。従って、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法または治療は、化学療法剤と組み合わせた、または化学療法剤の混合物と組み合わせた本明細書に記載のαPANTIFOL組成物の投与をさらに含む。αPANTIFOL組成物による治療は、化学療法剤の投与の前に、それと同時に、またはその後に行うことができる。併用投与は、単一医薬製剤として、もしくは別々の製剤を用いた同時投与、またはどちらかの順番での逐次投与であるが、全ての活性薬剤がそれらの生物活性を同時に働かせることができるように、一定の時間内での投与が含まれる。このような化学療法剤のための作製と投与スケジュールは、製造業者の説明書に従って、または熟練開業医により経験的に決定して、使用することができる。このような化学療法剤のための作製と投与スケジュールは、The Chemotherapy Source Book,4th Edition,2008,M.C.Perry,Editor,Lippincott,Williams & Wilkins,Philadelphia,PAにも記載されている。
【0416】
本発明での使用に有用な化学療法剤には、限定されないが、チオテパおよびシクロホスファミド(シトキサン)などのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドーパ、およびウレドーパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンフォスフォラミド、トリエチレンチオホスホラミドおよびトリメチロールメラミンを含むエチレンイミンおよびメチラメラミン;クロランブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスフアミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスフアミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、ホテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチンなどのニトロソウレア;アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カリチアマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシン、ミコフェノール酸ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポトフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなどの抗生物質;葉酸代謝拮抗薬および5-フルオロウラシル(5-FU)などの代謝拮抗薬;デノプテリン、葉酸代謝拮抗薬、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジン、5-FUなどのプリン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎物質;フォリン酸などの葉酸補充液;アセグラトン;アルドフォスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デフォファミン;デメコルチン;ジアジクオン;エルホルミチン;エリプチニウムアセテート;エトグルシド;ガリウムニトレート;ヒドロキシ尿素;レンティナン;ロニダミン;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダモール;ニトラクリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK;ラゾキサン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクオン;2,2’,2”-トリクロロトリエチルアミン;ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシッド(Ara-C);パクリタキセル(タキソール(登録商標))およびドセタキセル(タキソテール(登録商標))などのタキソイド;クロラムブシル;ゲムシタビン;6-チオグアニン;メルカプトプリン;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;白金;エトポシド(VP-16);イホスファミド;マイトマイシンC;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン;ナベルビン;ノバントロン;テニポシド;ダウノマイシン;アミノプテリン;イバンドロネート;CPT11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ヂルルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸;エスペラマイシン;カペシタビン(XELODA(登録商標));タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害性4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェン(フェアストン(登録商標))などの抗ホルモン剤;フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン剤;および上記のいずれかの薬学的に許容可能な塩、酸または誘導体が挙げられる。特定の実施形態では、追加の治療薬はシスプラチンである。特定の実施形態では、追加の治療薬はカルボプラチンである。他の実施形態では、追加の治療薬は、オキサリプラチンである。
【0417】
本明細書に記載のαPANTIFOL組成物と組み合わせて投与され得る追加の治療薬には、1種または複数の免疫療法薬が挙げられる。
【0418】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物は、T細胞関連抑制分子(例えば、CTLA4、PD1、リンパ球活性化遺伝子-3(LAG-3、CD223)、T細胞免疫グロブリン-3(TIM-3)、T細胞免疫グロブリンおよびITIMドメイン(TIGIT)、T細胞活性化のVドメインIg抑制因子(VISTA)、B7ホモログ3(B7-H3、CD276)、BおよびT細胞リンパ球アテニュエーター(BTLA、CD272)、またはアデノシンA2a受容体(A2aR)またはCD73)の内の1種または複数を抑制する免疫療法薬と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は免疫療法薬とは別々に投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は免疫療法薬と同時に(例えば、同時にまたは順次)投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物および免疫療法薬は、同じリポソーム中に被包されるか、または別の方法で同じリポソームに結合される。
【0419】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をPD1阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、ペムブロリズマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、ニボルバムと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物はPD1阻害剤とは別々に投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物はPD1阻害剤と同時に(例えば、同時にまたは順次に)投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物およびPD1阻害剤は、同じリポソーム中に被包されるか、または別の方法で同じリポソームに結合される。
【0420】
他の実施形態では、αPANTIFOL組成物は、PDL1阻害剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アテゾリズマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、アベルマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、デュルバルマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は、PDR001と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物はPDL-1阻害剤とは別々に投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物はPDL-1阻害剤と同時に(例えば、同時にまたは順次に)投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物およびPDL-1阻害剤は、同じリポソーム中に被包されるか、または別の方法で同じリポソームに結合される。
【0421】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物を、CTLA4、LAG3、TIM-3、TIGIT、VISTA、B7-H3,BTLA、A2aRまたはCD73の活性を抑制する治療薬と組み合わせて投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をCTLA4阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、イピリムマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物をLAG3阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、TSR-033、MK-4280、LAG525、BMS-986106、またはMGD013と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物をTIM-3阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、MBG453またはMEDI9447と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物をTIGIT阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、BMS-986207またはOMP-31M32と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物をVISTA阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、JNJ-61610588またはCA-170と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物をB7-H3阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、ネオブリツズマブ(neoblituzumab)、エノブリツズマブ、MGD009、または8H9と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物をBTLA阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物をA2aRまたはCD73阻害剤と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、CPI444と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は免疫療法薬とは別々に投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は免疫療法薬と同時に(例えば、同時にまたは順次)投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物および免疫療法薬は、同じリポソーム中に被包されるか、または別の方法で同じリポソームに結合される。
【0422】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物を、形質転換増殖因子(TGF)-β、フォスフォイノシチド3-キナーゼガンマ(PI3Kγ)、キラー免疫グロブリン様受容体(KIR、CD158)、CD47、またはインドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性を抑制する治療薬と組み合わせて投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をTGFβ拮抗薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、M7824またはガルニセルチブと組み合わせて投与される(LY2157299)。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をPI3Kγ拮抗薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、IPI-549と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をKIR拮抗薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、IPH4102またはリリルマブと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をCD47拮抗薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、Hu5F9-G4またはTTI-621と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をIDO拮抗薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、BMS-986205、インドキシモド、またはエパカドスタットと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は治療薬とは別々に投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は治療薬と同時に(例えば、同時にまたは順次)投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物および治療薬は、同じリポソーム中に被包されるか、または別の方法で同じリポソームに結合される。
【0423】
いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、αPANTIFOL組成物を、OX40(CD134)、誘導性共刺激分子(ICOS)、グルココルチコイド誘導TNF受容体ファミリー関連プロテイン(GITR),4-1BB(CD137)、CD40、CD27-CD70、またはトール様受容体(TLR)の作動薬である治療薬と組み合わせて投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をOX40作動薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、GSK3174998、MOXR0916、9B12、PF-04518600(PF-8600)、MEDI6383、MEDI0562、INCAGN01949、またはGSK3174998と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をICOS作動薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、JTX-2011、GSK3359609、またはMEDI-570と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をGITR作動薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、TRX-518、AMG228、BMS-986156、MEDI1873、MK-4166、INCAGN01876、またはGWN32と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物を4-1BB作動薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、ウトミルマブまたはウレルマブ(PF-05082566)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をCD40作動薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、CP-870893、APX005M、ADC-1013、ルカツムマブ、Chi Lob 7/4、ダセツズマブ、SEA-CD40、またはRO7009789と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をCD27-CD70作動薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、ARGX-110、またはBMS-936561(MDX-1203)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される治療方法は、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物をTLR作動薬と組み合わせて投与するステップを含む。さらなる実施形態では、αPANTIFOL組成物は、MEDI9197、PG545(pixatimod、pINN)、またはポリ-ICLCと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は治療薬とは別々に投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物は治療薬と同時に(例えば、同時にまたは順次)投与される。いくつかの実施形態では、αPANTIFOL組成物および治療薬は、同じリポソーム中に被包されるか、または別の方法で同じリポソームに結合される。
【0424】
いくつかの実施形態では、本開示は、併用療法を提供し、本明細書に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、DMARDと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム中に存在する。さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、スルファサラジンまたはヒドロキシクロロキンと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、本開示は、併用療法を提供し、本明細書に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、クロロキンと組み合わせて投与される。
【0425】
いくつかの実施形態では、本開示は、併用療法を提供し、本明細書に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、ステロイドと組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム中に存在する。さらなる実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、プレドニゾロンと組み合わせて投与される。
【0426】
いくつかの実施形態では、本開示は、併用療法を提供し、本明細書に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物は、生物学的製剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のαPANTIFOLである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、投与されるアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のリポソーム中に存在する。いくつかの実施形態では、生物学的製剤は、治療抗体である。さらなる実施形態では、治療薬は、TNFアルファまたはCD-20に結合する。
【0427】
VI.αPANTIFOL組成物を含むキット
本開示はまた、本明細書に記載のαPANTIFOL組成物を含み、本明細書に記載の方法を実施するために使用できるキットも提供し、特定の実施形態では、キットは、1つまたは複数の容器中の、少なくとも1種の精製されたαPANTIFOL組成物を含む。いくつかの実施形態では、キットは、発明を実施するための形態の項目[1]~[12]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。いくつかの実施形態では、キットは、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み、葉酸代謝拮抗薬は、本明細書のセクションIIに開示の葉酸代謝拮抗薬のポリグルタメートである。いくつかの実施形態では、キットは、発明を実施するための形態の項目[13]~[72]のいずれか1項に記載のアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む。
【0428】
いくつかの実施形態では、キットは、全ての対照、アッセイ実施するための説明書、ならびに分析および結果の提示のための必要なソフトウェアを含む、必要な全ての成分および/または検出アッセイを実施するのに十分な成分を含む。当業者なら、当該技術分野において周知の確立されたキットフォーマットの1つに開示薬剤を容易に組み込むことができることを容易に理解するであろう。
【0429】
いくつかの実施形態では、キットには、少なくとも1つのαPANTIFOL組成物(例えば、αPANTIFOLリポソーム)または本明細書に開示のその医薬製剤の投与量(例えば、療法または診断薬のために使用される)を含む。キットは、好適な梱包材料および/または組成物を使用するための使用説明書をさらに含み得る。キットはまた、組成物、または注射用の注射器または本明細書に記載のおよび当業者に既知のその他の装置などのその医薬製剤の送達のための手段も含む。当業者なら、当該技術分野において周知の確立されたキットフォーマットの1つに開示αPANTIFOL組成物を容易に組み込むことができることを容易に理解するであろう。
【0430】
さらに提供されるのは、αPANTIFOL組成物ならびに少なくとも1種の追加の治療薬を含むキットである。特定の実施形態では、第2の(またはそれ以上の)治療薬は代謝拮抗薬である。特定の実施形態では、第2の(またはそれ以上の)治療薬は化学療法剤である。
【0431】
次の実施例は、例示することを意図するものであり、本開示を何らかの方法、形状、または形態に、明示的にまたは暗黙的に限定することを意図するものではない。そのような実施例は使用し得るものを代表するが、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者に既知の他の手順、方法、または技術を使用し得る。
【0432】
図1B~1Nは、本開示に包含される代表的アルファポリグルタメートの化学式を示す。
【0433】
実施例
実施例1:リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(ペメトレキセド)組成物
方法
アルファヘキサグルタミン酸化ペメトレキセドリポソームの製造
手短に説明すると、Lアルファヘキサグルタミン酸化ペメトレキセド(aG6)およびDアルファヘキサグルタミン酸化ペメトレキセド(aDG6)を次の手順によりリポソーム中に被包した。最初に、リポソーム膜の脂質成分を秤取し、エタノール中の濃縮液として約65℃の温度で混合した。この実施例では、使用した脂質は、水素添加大豆ホスファチジルコリン、コレステロール、およびDSPE-PEG-2000(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000])であった。HSPC:コレステロール:PEG-DSPEのモル比は、約3:2:0.15であった。次に、aG6またはaDG6を150mg/mlの濃度でpH6.5~6.9の5%デキストロースに溶解した。薬液を65℃に加熱した。小口径針を用いて、エタノール性脂質溶液をaG6またはaDG6溶液に注入した。このステップ中、磁気撹拌機を用いて、薬液を十分に撹拌した。混合を高温で(63℃~72℃)で実施し、脂質が液晶状態(脂質遷移温度Tm=51℃~54℃より低い温度で達成されるゲル状態ではなく)であることを確実にした。その結果、脂質は水和され、水性コア中にaG6またはaDG6を含む多重二重層(多層)小胞(MLV)が形成された。
【0434】
フィルター押し出しを用いたMLVの小型化
MLVは、高圧押し出しを用いて、積層(トラックエッチドポリカーボネート)メンブレンを3回通して、所望サイズの単層(単一二重層)小胞に細分化された。第1パスを200nmの細孔径の2つの層からなる積層メンブレンを通過させて実施した。残りの2回のパスは、100nmの細孔径の3つの層からなる積層メンブレンを通過させた。押し出しの間、温度をTm超に維持して、脂質膜の可塑性を確保した。押し出しの結果として、大きなおよび不均一なサイズおよび層数のMLVが小型で、均一な(90~125nm)、それらの内部に薬物を隔離した、単層小胞(ULV)が得られた。後方散乱検出器(90°)を備えたMalvern Zetasizer Nano ZS測定器(Southborough,MA)を用いて、石英マイクロキュベット中、25℃で流体力学的サイズ(直径)を測定した。分析の前に、処方マトリックス中で試料を50倍に希釈した。
【0435】
リポソームの精製
aG6またはaDG6ペメトレキセド含有ULVが製造された後に、少量用のカラムまたは大量用の好適な緩衝液に対するタンジェンシャルフロー透析濾過を用いて、余分のリポソームgG6が除去された。任意の緩衝溶液を使用できるが、この実施例では、使用緩衝液は、5mM HEPES、145mM塩化ナトリウム、pH6.7であった。精製の完了時に、0.22ミクロンフィルターを使って濾過滅菌を実施した。リポソーム誘導体の典型的な特性を下表に示す。
【表1】
【0436】
アルファHGP(ヘキサグルタミン酸化ペメトレキセド)およびリポソームの用量反応試験
基本的に上述のようにして作成したヘキサグルタミン酸化ペメトレキセドを含むリポソームを用いて用量反応試験を実施した。
【0437】
細胞生存率は、CellTiter-Glo(登録商標)(CTG)発光細胞生存率アッセイにより3日目(48時間)および4日目(72時間)に測定した。このアッセイは、内部に存在するATPを定量化することにより、培養物中の生存細胞の数を決定し、次に代謝的に活性な細胞の存在を知らせる。CTGアッセイは、読み取りにルシフェラーゼを使用する。細胞生存率を評価するために、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイを用いてペメトレキセド、HGPおよびリポソームの種々の癌細胞増殖に対する用量反応阻害を調査した。ヒト癌細胞を採取、計数し、0日目に同じ細胞密度で播種した。1日目に、一連の8種のそれぞれの希釈物を細胞に加えた。用量反応曲線を生成し、GraphPad Prismを用いてフィッティングを行い、各試験品のIC50を計算した。IC50が低下すると、細胞増殖阻害の観点からの試験品の効力がより高くなる。
【0438】
0日目に、100μlの新鮮培地中で5x104細胞/ウェルの細胞密度で96ウェルプレート中に播種した。8つの2倍系列希釈のそれぞれの培地中の試験品を生成し、1日目に、3回繰り返して細胞に添加した。加えて、3つのウェルの細胞を担体(遊離薬物に対するHBSまたはリポソームHGPに対する空のリポソーム)単独で、対照として処理した。
【0439】
3および4日目に、100μlのCellTiterGlo(登録商標)試薬を各ウェルに加え、室温で15分間インキュベートした。ルシフェラーゼ発光を各ウェルについて記録した。加えて、培地中の8つの2倍系列希釈の担体(HBSまたは空のリポソーム)を空のウェルに加え、バックグラウンド発光信号シグナルを生成するためにアッセイに含めた。バックグラウンド発光シグナルをそれぞれの出力から差し引くことによりルシフェラーゼシグナルを正規化した。
【0440】
ヒト正常初代骨髄CD34+細胞をATCCから入手した(ATCCカタログ番号PCS-800-012)。細胞を37℃で1分間解凍した後、氷上に置いた。その後、細胞をStemSpan SFEM(Stem Cell Techカタログ番号9650)プラス10%加熱不活性化ウシ胎仔血清(Corning 35-015-CV)中に再懸濁させた。細胞を2.5x104細胞/ウェルの密度で96ウェル培養プレートに播種した。翌日、遠心分離により生細胞を集め、好中球成長培地(StemSpan SFEM プラス10%加熱不活性化ウシ胎仔血清プラス100ng/ml ヒト幹細胞因子(Sigmaカタログ番号H8416)、20ng/ml ヒト顆粒球コロニー刺激因子(Sigmaカタログ番号H5541)、および10ng/ml ヒト組換えIL3(Sigma SRP3090)中で、2.5x104細胞/ウェルの密度で再懸濁させた。細胞を37℃で10日間インキュベートした。新鮮培地を2日毎に加えた。その後、成熟好中球を収集し、96ウェルプレートに1x104細胞/ウェルの密度で播種し、37℃で一晩インキュベートした。翌日、試験品または担体を好中球成長培地に再懸濁させ、プレートに加えた。その後、細胞を37℃で48時間または72時間インキュベートした後、Cell Titer Glo Assay(Promegaカタログ#G7572)を用いて各時点でアッセイした。
【0441】
細胞株AML12(非癌性の肝臓細胞)およびCCD841(非癌性の結腸上皮細胞)に対し使用した方法は、癌細胞に使用した方法と類似である。
【0442】
結果
一連の用量反応実験では、種々のタイプの癌、すなわち、HT-29(結腸癌)、H2342(NSCLC、腺癌サブタイプ)、H292(NSCLC、腺癌サブタイプ)、SW620(CRC)、H1806(トリプルネガティブ乳癌)およびOAW28(卵巣癌)に相当する6種の細胞株を調査した(
図2)。治療は、2種の異なる被包されたリポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメート、すなわち、リポソームアルファLヘキサグルタメート(リポソームaG6)およびその鏡像、リポソームアルファDヘキサグルタメート(リポソームaDG6)(その対応する鏡像異性体とも呼ばれる)の誘導体を用いる48時間の暴露から構成した。
【0443】
ペメトレキセドと比較して、48時間を超える暴露後の上述の誘導体の相対的効力は、
図2に示されている。この図で示されるように、種々の誘導体を使用した治療の相対効力は、ペメトレキセドのIC50を、各細胞株に対するリポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートのIC50により除算することにより計算された。この図で示すように、全ての細胞株で、リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートの効力は、ペメトレキセドの効力を十分に超えていた。一例として、NSCLC細胞株H292を考察してみよう。図で示すように、リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートの効力は、ペメトレキセドの効力の50倍以上であった。このことは、2%以下の投与量のリポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートが100%の投与量のペメトレキセドと同じ治療効果を有すると思われることを示唆している。
【0444】
いくつかの実施形態では、葉酸受容体アルファなどの抗体を用いてリポソーム送達担体を標的化することにより増大したペイロードの取り込みが達成される。一例として、次の2つの実験では、リポソームLガンマG6/Lps Hexa gG6を上記方法を用いて被包した。その後、ペメトレキセド、リポソームガンマペメトレキセドヘキサグルタメート誘導体(リポソームLガンマG6/Lps Hexa gG6)および葉酸受容体アルファ標的化リポソームLガンマG6(リポソームgG6-FR1Ab)、遊離(非被包化)LガンマG6の、非小細胞肺癌株(NCI-H2342)および結腸直腸癌細胞(HT-29)の代表的細胞株に対する細胞傷害活性をそれぞれ
図3および
図4に示すように試験した。これらのデータは、リポソームLガンマペメトレキセドヘキサグルタメートおよび葉酸受容体アルファ標的化リポソームLガンマペメトレキセドヘキサグルタメートの両方が、両方の細胞株において、ペメトレキセドより高い効力であることを示す。一般に、葉酸受容体アルファ抗体標的化リポソームは、最も高い効力を示す。対照的に、遊離LガンマG6は、細胞膜を効果的に通過できないために、最も低い効力を有する。
【0445】
リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメート誘導体(リポソームLアルファ G6/Lps Hexa aG6およびリポソームDアルファ G6/Lps Hexa aDG6)とペメトレキセドの、乳癌、肺癌および卵巣癌の代表的細胞株に対する細胞傷害活性を比較する癌細胞生存率試験を
図5~7に示す。これらのデータは、リポソームアルファLペメトレキセドヘキサグルタメートおよびリポソームDペメトレキセドヘキサグルタメートの両方が、ペメトレキセドより高い効力であることを示す。さらに、有効性の指標として、16~128nMの範囲の種々の投与レベルで示した同じ細胞株についての実験の結果を
図8~10に示す。これらの図で示されるように、これらの投与量範囲のそれぞれで、リポソームアルファLペメトレキセドヘキサグルタメートおよびリポソームアルファDペメトレキセドヘキサグルタメートは、肺癌および癌細胞株に対する癌細胞を抑制する観点からペメトレキセドより優れている。卵巣癌細胞株では、128nMの投与量のペメトレキセドは、リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートと同様に効果的であるように見え、32nMおよび64nMの投与量では、リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートは、ペメトレキセドより良好な治療効果を有し、16nMでは、リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートおよびペメトレキセドは、治療効果はより低く、効果の程度は類似である。
【0446】
図21A~Fに示すように、リポソームペメトレキセドアルファ-Lテトラグルタメート(リポソームaG4)、リポソームペメトレキセドアルファ-Lヘキサグルタメート(リポソームaG6)、リポソームペメトレキセドアルファ-Lオクタグルタメート(リポソームaG8)、およびリポソームペメトレキセドアルファ-Lトリデカグルタメート(リポソームaG13)のそれぞれは、H2342(NSCLC、腺癌サブタイプ)細胞、H292(NSCLC、腺癌サブタイプ)細胞、HT-29(結腸癌)細胞、HCC1806(トリプルネガティブ乳癌細胞)細胞、MCF7(ER+乳癌細胞)細胞、およびOAW28(卵巣癌)細胞、それぞれの治療で48時間以上の用量依存性効果を示す。
【0447】
ペメトレキセドで治療した患者で見られる大部分の毒性は、骨髄抑制であり、これは、好中球数(白血球の種類)を含む血球数の減少として顕在化する。また、下痢および粘膜炎として顕在化する、口および消化管の内側面に対するいくつかの有害作用、ならびにいくつかの事例では、肝臓に対する有害作用が存在する。上記毒性を評価するために、リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメート誘導体(LおよびD)と、ペメトレキセドの治療を、好中球,CCD841結腸上皮細胞およびAML12肝臓細胞に分化したCD34+細胞に対し48時間立てて測定した、
図11に示すように、リポソームアルファペメトレキセドヘキサグルタメートは、分化しているヒト好中球に対しては、ペメトレキセドと対照的に、毒性が有意に少ない。これはまた、リポソームアルファLペメトレキセドヘキサグルタメートまたはリポソームアルファDペメトレキセドヘキサグルタメートでの治療後に、ペメトレキセドに比較して、16nM~128nMの範囲の投与量で、より良好に保存される好中球数によっても裏付けられる(
図12参照)。際立っていることは、リポソームLアルファペメトレキセドヘキサグルタメートまたはリポソームアルファDペメトレキセドヘキサグルタメートによる調査した容量レベルで治療後、これらは、肝臓細胞に対し何ら毒性があるようには見えないことである(
図13)。対照的に、ペメトレキセドは、調査したすべての投与量で約40%の肝臓細胞数の低減につながる。および最終的に、上皮結腸細胞の治療後にも、同じ傾向が認められる(
図14)。この図に示されるように、リポソームアルファLペメトレキセドヘキサグルタメートリポソームアルファDペメトレキセドヘキサグルタメートにより治療後の約20%以下の減少に比べて、試験した全ての濃度でペメトレキセドは、約50%以上の細胞数の減少をもたらす。
【0448】
実施例2:ポリグルタミン酸化ペメトレキセド-シスプラチン複合体(PGPD)
方法:
葉酸代謝拮抗薬としても知られる葉酸類似体は、過去70年間にわたり重要な抗癌治療薬であった。この状況で使用されると、このクラスの抗癌剤は、重要な葉酸代謝経路で種々の酵素を妨害する。これは、細胞内で、欠陥ピリミジンおよびプリン(DNAおよびRNA)合成、欠陥アミノ酸グリシンおよびセリン代謝、欠陥レドックス反応および欠陥メチル化プロセスの原因となり得る。
【0449】
臨床診療では、ペメトレキセドなどの葉酸代謝拮抗薬は、シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金薬剤と組み合わせて使用されることが多い。この組み合わせにより、効力が高められる。これに関して、我々は、ポリグルタメートと白金薬剤とを特定の比率で同時被包し、既定の比率の2種の抗癌剤、すなわち、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬および白金類似体の制御送達を容易にしようと試みた。驚くべきことに、我々は、長い形状のポリグルタメート葉酸代謝拮抗薬(例えば、ペンタグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬)が、高pHで安定なシスプラチンと複合体を形成すること、およびこの複合体が低pHでポリグルタメートとシスプラチンに解離することを発見した。低pHは、多くの腫瘍細胞および腫瘍細胞環境中で、特に低酸素性の状況下で発生すると考えられる。この発見の適用により、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬と、シスプラチンなどの治療薬の組み合わせたものの腫瘍細胞などの標的細胞への送達、および生理学的に適切な低pH条件での複合体からの薬物の放出を容易にする能力が付与される。
【0450】
ポリグルタミン酸化ペメトレキセド-DDAP(シスプラチン)複合体(PGPD)の製造
ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬複合体(ポリグルタミン酸化ペメトレキセド-シスプラチンDDAP複合体)、アルファヘキサグルタメート(aG6)およびジアンミンジカルボン酸白金(DDAP)を使用した。複合体形成の工程は、塩素化白金化合物の存在およびpH状態に依存する。複合体形成は、グルタメートの1個または2個のカルボキシル基の白金酸誘導体による求核攻撃により達成された。手短に説明すると、複合体は、次の手順で形成された。最初に、活性化合物DDAPを秤量し、5%のデキストロースに溶解した。DDAP溶解ステップ後、aG6を秤取し、DDAP-Capsisol(登録商標)(溶液)に加え、45~55℃で1時間撹拌した。1NのNaOHを用いて溶液のpHを6.5~7.0に調節し、溶液を1~2時間撹拌した。複合体の形成は、目視で確認した。しかし、pHが3~5の酸性pHに調節される場合、色が元の色に逆戻りし、ポリグルタミン酸化ペメトレキセドとシスプラチンの脱複合体化を示す。
図15は、観察されたポリグルタミン酸化ペメトレキセドとシスプラチンとの間のpH依存性複合体形成を説明する可能なシナリオを模式的に示す。
【0451】
複合体形成はHPLCを用いて確認したが、HPLCでは、6.5~7.5の高pHで1つの大きなピークに一体化した後、3~5の低いpHで再出現する2つの別個のピークを示す。Captisolなしでの実験を反復することにより、複合体形成は、Captisol(登録商標)に依存しないこと示した。
【0452】
ペンタグルタミン酸化ペメトレキセド-DDAP複合体(PGPD)リポソームの製造
手短に説明すると、PGPDを次の手順によりリポソーム中に被包した。最初に、リポソーム膜の脂質成分を秤取し、エタノール中の濃縮液として約65℃の温度で混合した。この実施例では、使用した脂質は、水素添加大豆ホスファチジルコリン、コレステロール、およびDSPE-PEG-2000(1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000])であった。HSPC:コレステロール:PEG-DSPEのモル比は、約3:2:0.15であった。次に、上記のようにPGPDを作製した。PGPD薬液を65℃まで加熱した。小口径針を用いて、エタノール脂質溶液をPGPD溶液に注入した。このステップ中、磁気撹拌機を用いて、薬液を十分に撹拌した。混合を高温で(63℃~72℃)で実施し、脂質が液晶状態(脂質遷移温度Tm=51℃~54℃より低い温度で達成されるゲル状態ではなく)であることを確実にした。その結果、脂質は水和され、水性コア中にPGPDを含む多重二重層(多層)小胞(MLV)が形成された。
【0453】
フィルター押し出しを用いたMLVの小型化:
MLVは、高圧押し出しを用いて、積層(トラックエッチドポリカーボネート)メンブレンを2回通して、所望サイズの単層(単一二重層)小胞に細分化された。積層メンブレンは、200nmの細孔径を有する2つの層および100nmの細孔径を有する6つの層を有する。押し出しの間、温度をTm超に維持して、脂質膜の可塑性を確保した。押し出しのために、大きくて不均一なサイズおよび層数のMLVが、小さくて均一な(100~120nm)単層小胞(ULV)になり、これらは、その内部に薬物を隔離する。後方散乱検出器(90°)を備えたMalvern Zetasizer Nano ZS測定器(Southborough,MA)を用いて、石英マイクロキュベット中、25℃で流体力学的サイズ(直径)を測定した。分析の前に、処方マトリックス中で試料を50倍に希釈した。
【0454】
リポソームの精製:
PGPD含有ULVが製造された後に、少量用のまたは大量用の好適な緩衝液に対するタンジェンシャルフロー透析濾過用のカラムを用いて、余分のリポソームPGPDが除去された。当該技術分野において既知の多くの異なる緩衝液が使用可能であるが、この実施例では、使用緩衝液は、5mM HEPES、145mM塩化ナトリウム、pH6.7であった。精製の完了時に、0.22ミクロンフィルターを使って濾過滅菌を実施した。上記手順により作製されたリポソームは、116.6nmの直径、0.083のPDI、および-2.05mVのゼータ電位を有することが明らかになった。
【0455】
実施例3:標的化リポソームポリグルタミン酸化ペメトレキセドの細胞送達
方法:
標的化ガンマヘキサグルタミン酸化ペメトレキセド(HGP)リポソームの製造
ガンマHGP(gG6)をリポソームに被包し、リポソームを小型化し、基本的に実施例1で上述の手順により精製した。
【0456】
抗体複合化:
DSPE-PEG-マレイミドを脂質組成物に添加することにより、活性化リポソームを作製した。リポソームは、4種の異なる脂質:水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、コレステロール、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG-2000)、および1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[マレイミド(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG-マレイミド)を3:2:0.1125:0.0375の比率で含む。
【0457】
トラウト試薬(2-イミノチオラン)を用いて、スルフヒドリル基を一級アミンに結合させることにより、抗体チオール化を行った。抗体を0.9~1.6mg/mlの濃度でPBS中に懸濁させた。トラウト試薬(14mM)を抗体溶液に1~5mMの最終濃度で加えた後、室温で1時間のインキュベーション後に、透析により除去した。60g/molのホスフェート脂質の比率でチオール化抗体を加えて、リポソームを活性化し、反応混合物を室温で1時間および一晩インキュベートし、4uLのシステインを用いて反応を終わらせ、非結合抗体を透析により除去した。
代表的な直接およびポスト挿入抗体-リポソーム複合体化法を以下で提供する。
【0458】
代表的抗体複合化法1:直接複合化
抗体またはFabまたはscFvなどのそのフラグメントは、チオール反応性リポソーム上に直接複合化できる。チオール反応性リポソームは、DSPE-PEG-マレイミドを脂質組成物に添加することにより作製される。リポソームは、4種の異なる脂質:水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、コレステロール、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG-2000)、および1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[マレイミド(ポリエチレングリコール)-2000](DSPE-PEG-マレイミド)を3:2:0.1125:0.0375の比率で含む。
【0459】
抗体(またはFabまたはscFvなどのそのフラグメント)のチオール化は、トラウト試薬(2-イミノチオラン)を用いて、スルフヒドリル基を一級アミンに結合させることにより、達成される。抗体(またはそのフラグメント)を0.9~1.6mg/mlの濃度でPBS中に懸濁させる。トラウト試薬(14mM)を抗体(またはそのフラグメント)溶液に1~5mMの最終濃度で加えた後、室温で1時間のインキュベーション後に、透析により除去した。チオール化抗体(またはそのフラグメント)を60g/molのホスフェート脂質の比率でチオール反応性リポソームに加えて、反応混合物を室温で1時間、および4℃で一晩インキュベートした。L-システインを用いて反応を終わらせ、非結合抗体(またはそのフラグメント)を透析により除去した。
【0460】
抗体またはFabまたはscFvなどのそのフラグメントは、C末端にシステイン残基を含み、還元抗体(またはそのフラグメント)をチオール反応性リポソームとインキュベートすることにより、リポソーム上に直接複合化できる。システイン尾部を有する抗体(またはそのフラグメント)は溶解され、10~20mMの還元剤(2-メルカプトエチルアミン、システイン、またはジチオエリスリトール)によりpH7未満で還元される。過剰の還元試薬は、サイズ排除クロマトグラフィーまたは透析により完全に除去される。精製され、還元された抗体(またはそのフラグメント)は、チオール反応性リポソームに直接複合化できる。
【0461】
代表的抗体複合化法2:ポスト挿入:
抗体またはFabまたはscFvなどのそのフラグメントは、C末端にシステイン残基を含み、「ポスト挿入」法によりリポソームに複合化およびリポソーム中に組み込むことができる。チオール反応性リポポリマー(例えば、DSPE-PEG-マレイミド)のミセルは、10mg/mlで水溶液中に溶解することにより作製される。システイン尾部を有する抗体(またはそのフラグメント)は溶解され、10~20mMの還元剤(2-メルカプトエチルアミン、システイン、またはジチオエリスリトール)によりpH7未満で還元される。過剰の還元試薬は、サイズ排除クロマトグラフィーまたは透析により完全に除去される。精製および還元された抗体(またはそのフラグメント)はその後、1:4のモル比のチオール反応性リポポリマーのミセルと供に、インキュベートされる。反応の終わりに、過剰のマレイミド基が少量のシステイン(1mM)またはメルカプトエタノールによりクエンチされる。非結合抗体(またはそのフラグメント)は、サイズ排除クロマトグラフィーにより除去される。精製複合化ミセルは、その後、リポソームと供に37℃または高温でインキュベートされる。
【表2】
【0462】
HGP(ペンタグルタミン酸化ペメトレキセド)およびリポソームの用量反応試験
細胞生存率は、CellTiter-Glo(登録商標)(CTG)発光細胞生存率アッセイにより3日目(48時間)および4日目(72時間)に測定した。このアッセイは、内部に存在するATPを定量化することにより、培養物中の生存細胞の数を決定し、次に代謝的に活性な細胞の存在を知らせる。CTGアッセイは、読み取りにルシフェラーゼを使用する。細胞生存率を評価するために、CellTiter-Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイを用いてペメトレキセド、HGPおよびリポソームの種々の癌細胞増殖に対する用量反応阻害を調査した。ヒト癌細胞を採取、計数し、0日目に同じ細胞密度で播種した。1日目に、一連の8種のそれぞれの希釈物を細胞に加えた。用量反応曲線を生成し、GraphPad Prismを用いて当てはめ、各試験品のIC50を計算した。IC50が低下すると、細胞増殖阻害の観点からの試験品の効力がより高くなった。
【0463】
0日目に、100μlの新鮮培地中で5x104細胞/ウェルの細胞密度で96ウェルプレート中に播種した。8つの2倍系列希釈のそれぞれの培地中の試験品を生成し、1日目に、3回繰り返して細胞に添加した。加えて、3つのウェルの細胞を担体(遊離薬物に対するHBSまたはリポソームHGPに対する空のリポソーム)単独で、対照として処理した。
【0464】
3および4日目に、100μlのCellTiterGlo(登録商標)試薬を各ウェルに加え、室温で15分間インキュベートした。ルシフェラーゼ発光を各ウェルについて記録した。加えて、培地中の8つの2倍系列希釈の担体(HBSまたは空のリポソーム)を空のウェルに加え、バックグラウンド発光信号シグナルを生成するためにアッセイに含めた。バックグラウンド発光シグナルをそれぞれの出力から差し引くことによりルシフェラーゼシグナルを正規化した。
【0465】
ヒト正常初代骨髄CD34+細胞をATCCから入手した(ATCCカタログ番号PCS-800-012)。細胞を37℃で1分間解凍した後、氷上に置いた。その後、細胞をStemSpan SFEM(Stem Cell Techカタログ番号9650)プラス10%加熱不活性化ウシ胎仔血清(Corning 35-015-CV)中に再懸濁させた。細胞を2.5x104細胞/ウェルの密度で96ウェル培養プレートに播種した。翌日、遠心分離により生細胞を集め、好中球成長培地(StemSpan SFEM プラス10%加熱不活性化ウシ胎仔血清プラス100ng/ml ヒト幹細胞因子(Sigmaカタログ番号H8416)AM9:00、20ng/ml ヒト顆粒球コロニー刺激因子(Sigmaカタログ番号H5541)、および10ng/ml ヒト組換えIL3(Sigma SRP3090)中で、2.5x104細胞/ウェルの密度で再懸濁させた。細胞を37℃で10日間インキュベートした。新鮮培地を2日毎に加えた。その後、成熟好中球を収集し、96ウェルプレートに1x104細胞/ウェルの密度で播種し、37℃で一晩インキュベートした。翌日、試験品または担体を好中球成長培地に再懸濁させ、プレートに加えた。その後、細胞を37℃で48時間または72時間インキュベートした後、Cell Titer Glo Assay(Promegaカタログ#G7572)を用いて各時点でアッセイした。
【0466】
細胞株AML12(非癌性の肝臓細胞)およびCCD841(非癌性の結腸上皮細胞)に対し使用した方法は、癌細胞に使用した方法と類似である。
【0467】
結果:
NCI H2342非小細胞肺癌(NSCLC)、腺癌サブタイプ中での、遊離ペメトレキセドガンマヘキサグルタメート(gG6)、(非標的化)リポソームガンマヘキサグルタメート(リポソームgG6)、ペメトレキセド、および葉酸受容体アルファ標的化抗体(FR1Ab)リポソームペメトレキセドガンマヘキサグルタメート(リポソームgG6-FR1Ab)の、用量反応関係を
図3に示す。出力は、治療の48時間後の生存細胞のルシフェラーゼ発光により測定したパーセンテージである。
図3に示すように、遊離ペメトレキセドgG6は、IC50で測定して、最小の効力であるように見える。リポソームペメトレキセドgG6およびリポソームペメトレキセドgG6-FR1Abの両方は、それぞれ、遊離ペメトレキセドより7倍および40倍より高い効力である。
【0468】
類似のデータは、HT-29結腸癌結腸癌細胞株に対しても
図4に示される。この図は、パーセンテージで表した細胞生存率を示す。この図で示されるように、遊離ペメトレキセドgG6は、最小の効力であるように見える。この例では、リポソームペメトレキセドgG6は、ペメトレキセドの2倍の効力であり、リポソームペメトレキセドgG6-FR1Abは、遊離ペメトレキセドより5倍高い効力である。
【0469】
実施例4:インビボ試験
方法
マウスでの安全性試験
ペメトレキセドベース治療に関連するいくつかの主要な毒性は、血液学的および肝臓の毒性であり、リポソームアルファG6(Lp-aG6)のインビボ(マウス)での効果を評価し、治療後に、血液学的および肝臓血液生化学検査パネルの変化を比較することが重要である。このデータを得るために、初期投与量範囲試験を、Jackson Laboratory(Bar Harbor,ME)から購入した健康な雌Balb/cマウス(6~8週齢)を使って実施した。試験の前に、動物を秤量し、体重でランダム化し、臨床的異常を観察し、群に分配した(5匹のマウス/群)。10mg/kg~最大200mg/kgの投与量を試験し、マウスの耐容量を特定した。治療薬を静脈内に週1回、4週間にわたり投与した。体重および詳細臨床的観察を毎日記録した。試験の終わりの、28日目に、マウスを安楽死させて、未治療対照マウスおよびリポソームaG6 40mg/kgおよびリポソームaG6 80mg/kgで治療されたマウスから血液および組織を採取した。包括的全血球数(CBC)のために、全血をK2-EDTA抗凝固剤チューブ中に収集し、包括的化学のために血清を単離し、収集を行った日に、IDEXX(Westbrook,ME)に送った。
【0470】
結果
一般に、週1回の40mg/kgおよび80mg/kgの2種の投与レベルの4週間にわたるリポソームaG6による治療は、耐容性良好で、未治療対照に比べて体重の大きな差異はなかった。血液学的パラメーターに対するいくつかの効果を評価するために、40mg/kgおよび80mg/kgの2種の投与レベルの週1回、4週間投与によるリポソームaG6での治療後に、白血球(WBC)数、好中球数および血小板数を測定した。
図16で認められるように、治療動物のリポソームaG6による4週間の治療後、未治療対照動物に比べて、治療動物における平均好中球数、平均白血球数および平均血小板数の明らかな減少はなかった。ヘモグロビンおよび網赤血球数指数を測定し、赤血球に対する影響を評価した。
図17に示すように、より高い投与レベルで、平均ヘモグロビン濃度の最小限の減少があった。同時に、網赤血球数指数のわずかな増加があり、これは、赤血球産生の増大による、治療に対する骨髄の反応を示唆する。全体として、マウスのヘモグロビンレベルは治療の4週後に維持されているので、この効果は、小さいと思われる。まとめると、これらのデータは、40mg/kgおよび80mg/kgの投与レベルの週1回の投与では、骨髄および関連する血液学的指数に対しほとんど影響がないことを示唆する。
【0471】
ペメトレキセドに伴う別の懸念は、ペメトレキセドベース療法で治療した一部の患者の肝臓毒性である。マウスの満足な状態を評価するために、血清アルブミンに加えて、血清アスパラギン酸アミノ基転移酵素(AST)およびアラニンアミノ基転移酵素(ALT)を含む、マウス血清化学反応を測定した。
図18に示すように、40mg/kgおよび80mg/kgの2種の投与レベルで週1回の4週間にわたるリポソームaG6による治療後、4週間での、肝臓アミノ基転移酵素平均ASTおよび平均ALTレベルの明らかな増加はなかった。いずれの平均アルブミンレベルの変化もなかった。まとめると、これらのデータは、リポソームaG6の好ましい安全性プロファイルを示唆する。
【0472】
マウス異種移植片による予備的パイロット有効性研究
リポソームアルファペメトレキセドG6(Lp-aG6)による治療後に何らかの腫瘍制御があったのかどうかを評価するために、パイロット研究を実施した。この研究では、免疫不全の雌ヌードマウス(Nu/J;6~8週齢)をJackson Laboratory(Bar Harbor,ME)から購入した。NCI-H292(非小細胞肺癌)細胞を10%ウシ胎仔血清を補充したRPMI培地中、37℃,5%CO
2インキュベーター中で培養した。1x10
6細胞を各マウスの背側後部側腹皮下に接種した。腫瘍体積および体重を毎週2回モニターした。0日目に、担腫瘍マウスを腫瘍体積でランダム化し、群(群当たり5匹のマウス):対照、ペメトレキセド、およびリポソームaG6に分配した。ペメトレキセドは、3週毎に1回、167mg/kgを静脈内に投与された。このマウス用量の3週毎に167mg/kgは、FDA/EMAの承認ヒト用量および3週毎の500mg/m
2の計画と同等である。リポソームaG6は、80mg/kgを静脈内に週1回、4週間にわたり投与された。ノギスで腫瘍サイズを測定し、腫瘍量を次の式:腫瘍体積=0.5x(腫瘍長さ)x(腫瘍幅)
2;相対的腫瘍体積=(腫瘍堆積/0日目の腫瘍体積)x100%、を用いて計算した。この研究は未だ進行中であるが、予備的データは、
図19に示すとおりである。この図では、リポソームaG6およびペメトレキセドによる治療後の相対的腫瘍体積が示される。これらの予備的データからわかるように、リポソームaG6は、ペメトレキセドに比べて良好な腫瘍制御をもたらす。
【0473】
並行研究では、90mg/kgリポソームaG6を週1回、4週間にわたり静脈内に投与(90mg/kgを週1回、6週間にわたり皮下に投与)したマウス(10)、ペメトレキセド(167mg/kgを3週毎に6週間)投与したマウス(10)の生存をNSCLC(H292)異種移植片モデルで調査した。この調査の結果を
図20および下表に示している。下記の表に示すように、リポソームaG6により治療後の生存期間中央値は、ペメトレキセドによる治療後の値より長い。また、リポソームaG6で治療したマウスの50%が投与の60日後に生存したが、一方、ペメトレキセドで治療したマウスはいずれも60日まで生存しなかった。
【表3】
【0474】
さらなる実施形態
本開示の非限定的実施形態では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む組成物が提供される。
【0475】
直前の段落の組成物では、組成物は、ペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み得る。
【0476】
前の2つの段落のいずれかの組成物では、組成物は、ペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み得る、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み得る。
【0477】
非限定的例のリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬(L-αPANTIFOL)組成物は、前の3つの段落のいずれかの組成物を含み得、およびリポソームは任意選択でペグ化され得る(PL-αPANTIFOL)。
【0478】
直前の段落のL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物では、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬は、ペンタグルタミン酸化またはヘキサグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含み得る。
【0479】
前の2つの段落のいずれかのL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物では、リポソームは、アニオン性または中性であり得る。
【0480】
前の3つの段落のいずれかのL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物では、ターゲティング部分は、PEGおよびリポソームの外面の片方または両方に結合し得、ターゲティング部分は、目的の標的細胞上の表面抗原に対し特異的親和性を有し得る(TL-αPANTIFOLまたはTPL-αPANTIFOL)。
【0481】
前の4つの段落のいずれかのL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物では、ターゲティング部分は、PEGおよびリポソームの外面の片方または両方に結合し得、ポリペプチドであり得る。
【0482】
前の5つの段落のいずれかのL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物では、ターゲティング部分は、PEGおよびリポソームの外面の片方または両方に結合し得、抗体または抗体のフラグメントであり得る。
【0483】
前の6つの段落のL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物は、免疫刺激剤、検出可能マーカーおよびマレイミドの内の1種または複数が、PEGおよびリポソームの外面の少なくとも1つ上に配置され得る。
【0484】
前の7つの段落のいずれかのL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物では、ポリペプチドは、ターゲティング部分は、BIACORE(登録商標)分析で測定して、0.5x10-10~10x10-6の範囲の平衡解離定数(Kd)で抗原と結合し得る。
【0485】
前の8つの段落のいずれかのL-αPANTIFOLまたはPL-αPANTIFOL組成物では、ポリペプチドは、葉酸受容体アルファ(FR-α)、葉酸受容体ベータ(FR-β)、および葉酸受容体デルタ(FR-δ)から選択される1つまたは複数の葉酸受容体に特異的に結合し得る。
【0486】
過剰増殖細胞を、前の9つの段落のいずれかのリポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物と接触させることを含む、過剰増殖細胞を死滅させる代表的非限定的方法。
【0487】
直前の段落の方法では、過剰増殖細胞は癌細胞である。
【0488】
前の段落11から前の段落3までの前の段落のいずれかのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、癌を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含む、癌を治療する方法の非限定的例。
【0489】
直前の段落の方法では、癌は、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、肺癌、前立腺癌、頭頸部癌、胃癌、胃腸癌、結腸癌、食道癌、子宮頸癌、腎臓癌、胆管癌、胆嚢癌、および血液系腫瘍から選択される1種または複数であり得る。いくつかの実施形態では、癌は、乳癌、進行型頭頸部癌、肺癌、胃癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫(NHL)、急性リンパ性白血病(ALL)、菌状息肉腫(皮膚T細胞性リンパ腫)絨毛癌、絨毛腺腫、非白血性髄膜がん腫症、軟部肉腫(類腱腫、侵襲性線維腫症)、膀胱癌、および中枢神経系(CNS)リンパ腫から選択される。
【0490】
前の段落13~前の段落5までの前の段落のいずれかのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、癌療法を受けているまたは受けたことがある対象に投与するステップを含む、癌療法を受けているまたは受けたことがある対象のための維持療法の非限定的例。
【0491】
医薬組成物の非限定的例は、セクションIVのいずれかのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含み得る。
【0492】
免疫系の障害を治療する方法の非限定的例は、前の段落14から前の段落6までの前の段落のいずれかのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、免疫系の障害を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み得る。
【0493】
感染性疾患を治療する方法の非限定的例は、前の段落15から前の段落7までの前の段落のいずれかのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物の有効量を、感染性疾患を有するまたは有する危険のある対象に投与するステップを含み得る。
【0494】
アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を、葉酸受容体を表面上に発現している腫瘍に送達する方法の非限定的例は、前の段落16から前の段落前の段落8までの前の段落のいずれかのポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬の治療有効量を腫瘍に送達する量で、腫瘍を有する対象に投与するステップを含み得る。
【0495】
前の段落17から前の段落9までの前の段落のいずれかのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含む、リポソームアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を作製する方法の非限定的例は、溶液中でリポソーム成分、アルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含む混合物を形成するステップ;溶液中で混合物をホモジナイズしてリポソームを形成するステップ;および混合物を処理して、ポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬を含むリポソームを形成するステップを含む。
【0496】
医薬組成物の非限定的例は、前の段落18から前の段落10までのいずれかのアルファポリグルタミン酸化葉酸代謝拮抗薬組成物を含む。
【0497】
本開示は、様々ないくつかの実施形態を基準にして説明してきたが、本開示の趣旨から逸脱することなく、種々の修正をなし得ることを理解されたい。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲、ならびに、このような特許請求の範囲が権利を受ける等価物の全範囲を基準として決定されるべきである。本出願の全体を通して、種々の刊行物が著者名および日付、または特許番号、特許公報番号により参照されている。これらの刊行物の開示は、本明細書で記載および請求される本発明の日付の時点での当業者により既知の現状技術をより完全に説明するために、参照によりその全体が本出願中に組み込まれる。しかし、本出願における文献の引用が、このような文献が本発明の先行技術であるということを承認するものと解釈されるべきではない。
【0498】
種々の新規化学物質、これらの化学物質を作製するための方法および装置は、下記の添付の特許請求の範囲に示される。
【0499】
発明の概要および要約セクションを除く、発明を実施するための形態のセクションは、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されていることを理解されたい。発明の概要および要約セクションは、本発明の全てではなく、1つまたは複数の本発明により意図されている例示的実施形態を記載し得るものであり、従って、本発明および添付特許請求の範囲を多少なりとも限定する意図はない。
【0500】
米国国立衛生研究所米国特許出願第62/627,703号、(2/7/2018出願);米国特許出願第62/627,714号、(2/7/2018出願);米国特許出願第62/627,716号、(2/7/2018出願);米国特許出願第62/627,731号、(2/7/2018出願);米国特許出願第62/627,741号、(2/7/2018出願);米国特許出願第62/630,629号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,634号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,637号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,671号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,713号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,728号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,744号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,820号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/630,825号、(2/14/2018出願);米国特許出願第62/636,294号、(2/28/2018出願);米国特許出願第62/662,374号、(4/25/2018出願);米国特許出願第62/702,732号、(7/24/2018出願);米国特許出願第62/702,561号、(7/24/2018出願);米国特許出願第62/764,943号、(8/17/2018出願);および米国特許出願第62/764,955号、(8/17/2018出願)のそれぞれの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【配列表】