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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20240513BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20240513BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20240513BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
G09G3/20 623A
G09G3/36
G09G3/3225
G09G3/20 624B
G09G3/20 623R
G09G3/20 611A
G02F1/133 550
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020560638
(86)(22)【出願日】2019-12-11
(86)【国際出願番号】 IB2019060639
(87)【国際公開番号】W WO2020128721
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-11-23
(31)【優先権主張番号】P 2018237079
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000153878
【氏名又は名称】株式会社半導体エネルギー研究所
(72)【発明者】
【氏名】川島 進
(72)【発明者】
【氏名】楠本 直人
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-088527(JP,A)
【文献】特開2011-141390(JP,A)
【文献】特開2013-214043(JP,A)
【文献】特開2014-006508(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0055817(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の回路と、第2の回路と、画素と、を有する表示装置であって、
前記第1の回路は、第1の出力端子と、第2の出力端子と、を有し、
前記第2の回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、を有し、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、
前記第2のキャパシタの他方の電極は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第1のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、
前記第1のキャパシタの他方の電極は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記画素は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、第3のキャパシタと、第3の回路と、を有し、
前記第3のキャパシタの一方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第3の回路と電気的に接続され、
前記第3のキャパシタの他方の電極は、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第1の出力端子は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第2の出力端子は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第3の回路は、表示デバイスを有する表示装置。
【請求項2】
請求項において、
前記画素を二つ有し、
前記二つの画素は垂直方向に隣接され、
前記一方の画素の第5のトランジスタのゲートと、前記他方の画素の第3のトランジスタのゲートと、前記他方の画素の第4のトランジスタのゲートは、電気的に接続されている表示装置。
【請求項3】
請求項またはにおいて、
前記第2の回路は、さらに第1の選択回路を有し、
前記第1の選択回路は、第6のトランジスタと、第7のトランジスタと、第8のトランジスタと、第9のトランジスタと、を有し、
前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第7のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第9のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の出力端子と電気的に接続され、
前記第9のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第2の出力端子と電気的に接続され、
前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続される表示装置。
【請求項4】
請求項乃至のいずれか一項において、
前記第2の回路は、さらに第2の選択回路を有し、
前記第1の選択回路は、第10のトランジスタと、第11のトランジスタと、第12のトランジスタと、第13のトランジスタと、を有し、
前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第11のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第11のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第13のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第12のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第12のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第13のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
前記第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続される表示装置。
【請求項5】
請求項乃至のいずれか一項において、
前記第5のトランジスタのチャネル幅は、前記第3のトランジスタのチャネル幅および前記第4のトランジスタのチャネル幅よりも小さい表示装置。
【請求項6】
請求項乃至のいずれか一項において、
前記第3の回路は、前記表示デバイスとして液晶デバイスを有し、
前記液晶デバイスの一方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている表示装置。
【請求項7】
請求項において、
さらに第4のキャパシタを有し、
前記第4のキャパシタの一方の電極は、前記液晶デバイスの一方の電極と電気的に接続される表示装置。
【請求項8】
請求項乃至のいずれか一項において、
前記第3の回路は、第14のトランジスタと、第5のキャパシタと、前記表示デバイスとして発光デバイスと、を有し、
前記第14のトランジスタのゲートは、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
前記第14のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記発光デバイスの一方の電極と電気的に接続され、
前記発光デバイスの一方の電極は、前記第5のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、
前記第5のキャパシタの他方の電極は、前記第14のトランジスタのゲートと電気的に接続される表示装置。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか一項において、
前記第2の回路および前記画素が有するトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、前記金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Ge、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有する表示装置。
【請求項10】
請求項1乃至のいずれか一項において、
前記第2の回路が有するトランジスタのチャネル幅は、前記画素が有するトランジスタのチャネル幅よりも大きい表示装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の表示装置と、カメラと、を有する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、表示装置に関する。
【0002】
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの動作方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
【0003】
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
【背景技術】
【0004】
基板上に形成された金属酸化物を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。例えば、酸化亜鉛またはIn-Ga-Zn系酸化物を用いたトランジスタを表示装置の画素のスイッチング素子などに用いる技術が特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0005】
また、オフ電流が極めて低いトランジスタをメモリセルに用いる構成の記憶装置が特許文献3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-123861号公報
【文献】特開2007-96055号公報
【文献】特開2011-119674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
表示装置の画素には表示デバイスを動作させる適切な電圧が入力される。当該電圧を小さくすることができれば表示装置を低消費電力化することができる。
【0008】
表示装置が有するソースドライバは、高速かつ駆動電圧が低いロジック部、および高耐圧で、高い電圧を出力するアンプ部を有する。ソースドライバ全体では、比較的高い電源電圧を要するアンプ部の消費電力が大きい。
【0009】
ソースドライバの出力電圧を小さくすること、すなわちアンプ部の電源電圧を小さくすることが許容できれば、アンプ部をロジック部と同様のテクノロジで作製することができる。アンプ部およびロジック部のテクノロジを共通化することで、ソースドライバの消費電力および製造コストを低減することができる。
【0010】
したがって、本発明の一態様では、低消費電力の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、ソースドライバの出力電圧以上の電圧を表示デバイスに供給することができる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、昇圧回路を有する表示装置を提供することを目的の一つとする。または、表示画像の輝度を高めることができる表示装置を提供することを目的の一つとする。
【0011】
または、信頼性の高い表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な表示装置などを提供することを目的の一つとする。または、上記表示装置の駆動方法を提供することを目的の一つとする。または、新規な半導体装置などを提供することを目的の一つとする。
【0012】
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項などの記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項などの記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、消費電力の低い表示装置に関する。
【0014】
本発明の一態様は、第1の回路と、第2の回路と、画素と、を有する表示装置であって、第1の回路と第2の回路とは電気的に接続され、第2の回路と画素とは電気的に接続され、第1の回路は、第1のデータおよび第2のデータを第2の回路に出力する機能を有し、第1のデータの電位をD1、第2のデータの電位をD2、基準電位をV0としたとき、V0=(D1+D2)/2の関係にあり、第2の回路は、第1のデータおよび第2のデータに基づいて第3のデータを画素に出力する機能を有し、第2の回路は、第1のデータおよび第2のデータに基づいて第4のデータを画素に出力する機能を有し、画素は、第3のデータおよび第4のデータに基づいて第5のデータを生成する機能、および第5のデータに応じて表示を行う機能を有する表示装置である。
【0015】
第2の回路は第1の選択回路を有することができ、第1のデータおよび第2のデータは、第1の選択回路に入力されてもよい。
【0016】
第2の回路は第2の選択回路を有し、第3のデータおよび第4のデータは、第2の選択回路から出力されてもよい。
【0017】
本発明の他の一態様は、第1の回路と、第2の回路と、画素と、を有する表示装置であって、第1の回路は、第1の出力端子と、第2の出力端子と、を有し、第2の回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第1のキャパシタと、第2のキャパシタと、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、第2のキャパシタの他方の電極は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、第1のキャパシタの他方の電極は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、画素は、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第5のトランジスタと、第3のキャパシタと、第3の回路と、を有し、第3のキャパシタの一方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の回路と電気的に接続され、第3のキャパシタの他方の電極は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第1の出力端子は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2の出力端子は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第3の回路は、表示デバイスを有する表示装置である。
【0018】
表示装置は画素を二つ有し、二つの画素は垂直方向に隣接され、一方の画素の第5のトランジスタのゲートと、他方の画素の第3のトランジスタのゲートと、他方の画素の第4のトランジスタのゲートは、電気的に接続することができる。
【0019】
第2の回路は、さらに第1の選択回路を有し、第1の選択回路は、第6のトランジスタと、第7のトランジスタと、第8のトランジスタと、第9のトランジスタと、を有し、第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第7のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第9のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の出力端子と電気的に接続され、第9のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第2の出力端子と電気的に接続され、第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続することができる。
【0020】
第2の回路は、さらに第2の選択回路を有し、第1の選択回路は、第10のトランジスタと、第11のトランジスタと、第12のトランジスタと、第13のトランジスタと、を有し、第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第11のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第11のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第13のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第12のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第12のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第13のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第10のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続することができる。
【0021】
第5のトランジスタのチャネル幅は、第3のトランジスタのチャネル幅および第4のトランジスタのチャネル幅よりも小さくすることができる。
【0022】
第3の回路は、表示デバイスとして液晶デバイスを有し、液晶デバイスの一方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続することができる。表示装置はさらに第4のキャパシタを有し、第4のキャパシタの一方の電極は、液晶デバイスの一方の電極と電気的に接続することができる。
【0023】
または、第3の回路は、第14のトランジスタと、第5のキャパシタと、表示デバイスとして発光デバイスと、を有し、第14のトランジスタのゲートは、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第14のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、発光デバイスの一方の電極と電気的に接続され、発光デバイスの一方の電極は、第5のキャパシタの一方の電極と電気的に接続され、第5のキャパシタの他方の電極は、第14のトランジスタのゲートと電気的に接続することができる。
【0024】
第2の回路および画素が有するトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Ge、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有することが好ましい。
【0025】
第2の回路が有するトランジスタのチャネル幅は、画素が有するトランジスタのチャネル幅よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の一態様を用いることで、低消費電力の表示装置を提供することができる。または、ソースドライバの出力電圧以上の電圧を表示デバイスに供給することができる表示装置を提供することができる。または、昇圧回路を有する表示装置を提供することができる。または、表示画像の輝度を高めることができる表示装置を提供することができる。
【0027】
または、信頼性の高い表示装置を提供することができる。または、新規な表示装置などを提供することができる。または、上記表示装置の動作方法を提供することができる。または、新規な半導体装置などを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1は、表示装置を説明する図である。
図2は、回路および画素を説明する図である。
図3A図3Cは、加算回路および画素を説明する図である。
図4A図4Cは、表示装置を説明する図である。
図5は、加算回路および画素の動作を説明するタイミングチャートである。
図6A図6Bは、回路動作を説明する図である。
図7A図7Bは、回路動作を説明する図である。
図8は、加算回路および画素を説明する図である。
図9は、加算回路および画素の動作を説明するタイミングチャートである。
図10A図10Bは、加算回路および画素の動作を説明する図である。
図11は、加算回路および画素を説明する図である。
図12A図12Bは、回路動作を説明する図である。
図13A図13Bは、加算回路の動作を説明するタイミングチャートである。
図14A図14Bは、回路動作を説明する図である。
図15は、加算回路および画素を説明する図である。
図16A図16Bは、選択回路を説明する図である。
図17A図17Dは、表示デバイスを有する回路を説明する図である。
図18A図18Dは、表示デバイスを有する回路を説明する図である。
図19A図19Cは、表示デバイスを有する回路を説明する図である。
図20は、加算回路および画素を説明する図である。
図21は、画素を説明する図である。
図22は、シミュレーションに用いた回路を説明する図である。
図23は、シミュレーション結果を説明する図である。
図24A図24Cは、表示装置を説明する図である。
図25A図25Bは、タッチパネルを説明する図である。
図26A図26Bは、表示装置を説明する図である。
図27は、表示装置を説明する図である。
図28A図28Bは、表示装置を説明する図である。
図29A図29Bは、表示装置を説明する図である。
図30A図30Eは、表示装置を説明する図である。
図31A1図31C2は、トランジスタを説明する図である。
図32A1図32C2は、トランジスタを説明する図である。
図33A1図33C2は、トランジスタを説明する図である。
図34A1図34C2は、トランジスタを説明する図である。
図35A図35Fは、電子機器を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
【0030】
また、回路図上では単一の要素として図示されている場合であっても、機能的に不都合がなければ、当該要素が複数で構成されてもよい。例えば、スイッチとして動作するトランジスタは、複数が直列または並列に接続されてもよい場合がある。また、キャパシタを分割して複数の位置に配置する場合もある。
【0031】
また、一つの導電体が、配線、電極および端子のような複数の機能を併せ持っている場合があり、本明細書においては、同一の要素に対して複数の呼称を用いる場合がある。また、回路図上で要素間が直接接続されているように図示されている場合であっても、実際には当該要素間が複数の導電体を介して接続されている場合があり、本明細書ではこのような構成でも直接接続の範疇に含める。
【0032】
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である表示装置について、図面を参照して説明する。
【0033】
本発明の一態様は、データを加算する機能を有する回路(以下、加算回路)、およびデータを加算する機能を有する画素を有する表示装置である。
【0034】
加算回路は、ソースドライバから供給されるデータを加算する機能を有する。また、画素は、加算回路から供給されるデータを加算する機能を有する。したがって、画素では、ソースドライバの出力電圧より高い電圧を生成して表示デバイスに供給することができる。当該構成を用いることで、ソースドライバの出力電圧を小さくすることができ、低消費電力の表示装置を実現できる。
【0035】
なお、本発明の一態様では、反転の関係にある2つのデータを用いる。当該2つのデータは、基準電位との差の絶対値が同じ(または概略同じ)データである。一方のデータを第1のデータ(D1)、他方のデータを第2のデータ(D2)、基準電位(例えばコモン電位)をV0とするとき、V0=(D1+D2)/2の関係とする。本実施の形態では、理解を容易にするため、多くの説明で基準電位を0Vとし、第1のデータと第2のデータの絶対値が同じであって、極性が逆となる表現をしているがそれに限られない。基準電位は設計に応じて任意に設定することができ、上記の式を満足すれば、第1のデータと第2のデータは同じ極性であってもよい。また、第1のデータと第2のデータは絶対値が異なっていてもよい。なお、本実施の形態では、一方のデータと反転の関係にあるデータを、反転値と称する。
【0036】
<表示装置>
図1は、本発明の一態様の表示装置を説明する図である。表示装置は、列方向および行方向に配置された画素10と、ソースドライバ12と、ゲートドライバ13と、回路11を有する。ソースドライバ12は、回路11と電気的に接続される。ゲートドライバ13は、画素10と電気的に接続される。回路11は、画素10と電気的に接続される。なお、ソースドライバ12およびゲートドライバ13は、複数であってもよい。
【0037】
回路11は、例えば列毎に設けることができ、同じ列に配置される画素10と電気的に接続することができる。また、回路11の一部の要素は表示領域15内に設けてもよい。
【0038】
回路11は加算回路であり、ソースドライバ12から供給される第1のデータおよび第2のデータを容量結合によって加算し、第3のデータおよび第4のデータを生成する機能を有する。例えば、第2のデータは第1のデータの反転値、第4のデータは第3のデータの反転値とすることができる。
【0039】
画素10は、回路20および回路21を有する。回路20は、回路11から供給される第3のデータおよび第4のデータを容量結合によって加算し、第5のデータを生成する機能を有する。回路21は表示デバイスを有し、回路20から供給される第5のデータに応じて当該表示デバイスを動作させる機能を有する。
【0040】
<加算回路、画素回路>
図2は、図1に示す表示装置の任意の1列(第m列)に配置される回路11および垂直方向(ソース線の延在する方向)に隣接する画素10(画素10[n,m]、画素10[n+1,m](m、nは1以上の自然数))を説明する図である。
【0041】
回路11は、トランジスタ111と、トランジスタ112と、キャパシタ113と、キャパシタ114を有する構成とすることができる。トランジスタ111のソースまたはドレインの一方は、キャパシタ114の一方の電極と電気的に接続される。キャパシタ114の他方の電極は、トランジスタ112のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ112のソースまたはドレインの他方は、キャパシタ113の一方の電極と電気的に接続される。キャパシタ113の他方の電極は、トランジスタ111のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。
【0042】
画素10は、画像データを生成する回路20と、表示動作を行う回路21を有する構成とすることができる。
【0043】
回路20は、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ103と、キャパシタ104を有する構成とすることができる。キャパシタ104の一方の電極は、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの一方は、回路21と電気的に接続される。キャパシタ104の他方の電極は、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。
【0044】
回路21は、トランジスタ、容量素子、および表示デバイスなどを有する構成とすることができ、詳細は後述する。
【0045】
回路11および画素10のそれぞれが有する要素と各種配線との接続を説明する。
【0046】
回路11において、トランジスタ111のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ112のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ111のソースまたはドレインの一方は、配線126[m_1]と電気的に接続される。トランジスタ112のソースまたはドレインの他方は、配線126[m_2]と電気的に接続される。トランジスタ111のソースまたはドレインの他方は、配線127[m_1]と電気的に接続される。トランジスタ112のソースまたはドレインの一方は、配線127[m_2]と電気的に接続される。
【0047】
画素10[n,m]において、トランジスタ101のゲートは、配線121と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは、配線125[n]と電気的に接続される。トランジスタ103のゲートは、配線125[n+1]と電気的に接続される。トランジスタ101のソースまたはドレインの他方は、配線127[m_1]と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、配線127[m_2]と電気的に接続される。トランジスタ103のソースまたはドレインの他方は、Vref(例えば、0Vなどの基準電位)を供給することのできる配線と電気的に接続される。
【0048】
配線121、125(125[n]、125[n+1])は、ゲート線としての機能を有することができる。例えば、配線121は、回路11の動作を制御する回路と電気的に接続することができる。配線125は、ゲートドライバ13と電気的に接続することができる(図1参照)。配線126(126[m_1]、126[m_2])および配線127(127[m_1]、127[m_2])は、ソース線としての機能を有することができる。配線126[m_1]は、ソースドライバ12が有する第1の出力端子と電気的に接続することができ、配線126[m_2]は、ソースドライバ12が有する第2の出力端子と電気的に接続することができる(図1参照)。
【0049】
ここで、トランジスタ111のソースまたはドレインの他方と、キャパシタ113の他方の電極と、配線127[m_1]を接続する配線をノードNAとする。トランジスタ112のソースまたはドレインの一方と、キャパシタ114の他方の電極と、配線127[m_2]を接続する配線をノードNBとする。キャパシタ104の他方の電極と、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方と、トランジスタ103のソースまたはドレインの一方を接続する配線をノードNCとする。キャパシタ104の一方の電極と、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方と、回路21とを接続する配線をノードNMとする。
【0050】
ノードNMはフローティングとすることができ、回路21が有する表示デバイスはノードNMの電位に従って動作する。
【0051】
<加算動作(昇圧動作)の説明>
回路11では、まず、配線126[m_1]から供給された“V1”(第1のデータ)をノードNAに書き込む。また、配線126[m_2]から供給された“V2”(第2のデータ)をノードNBに書き込む。
【0052】
次に、ノードNAおよびノードNBをフローティングとして、配線126[m_1]から“V2”(第1のデータ)を供給し、配線126[m_2]から“V1”(第1のデータ)を供給する。このとき、キャパシタ113の一方の電極には“V1”、キャパシタ114の一方の電極には“V2”が供給される。したがって、ノードNAには、キャパシタ113の一方の電極の電位の変化分が容量比に応じて付加される。また、ノードNBには、キャパシタ114の一方の電極の電位の変化分が容量比に応じて付加される。
【0053】
キャパシタ113の一方の電極の電位の変化分を“V1-V2”、キャパシタ113の容量値をC113、ノードNAの容量値をCNAとすると、ノードNAの電位は“V1+(C113/(C113+CNA))×(V1-V2)”となる。ここで、C113の値を大きくし、CNAの値を無視できるようになれば、ノードNAの電位は“2V1-V2”となる。
【0054】
したがって、“V1”および“V2”が反転値の関係であって、C113をCNAに比べて十分に大きくすればノードNAの電位を“3V1”(第3のデータ)に近づけることができる。
【0055】
また、キャパシタ114の一方の電極の電位の変化分を“V2-V1”、キャパシタ114の容量値をC114、ノードNBの容量値をCNBとすると、ノードNBの電位は“V2+(C114/(C114+CNB))×(V2-V1)”となる。ここで、C114の値を大きくし、CNBの値を無視できるようになれば、ノードNBの電位は“2V2-V1”となる。
【0056】
したがって、“V1”および“V2”が反転値の関係であって、C114をCNBに比べて十分に大きくすればノードNBの電位を“3V2”(第4のデータ)に近づけることができる。
【0057】
また、画素10においては、ノードNMに第3のデータ“3V1”、ノードNCに第4のデータ“3V2”を重なるタイミングで書き込む。このとき、キャパシタ104には“3V1-3V2”が保持される。次に、ノードNMをフローティングとし、ノードNCにVrefを供給する。
【0058】
このとき、キャパシタ104の容量値をC104、ノードNMの容量値をCNMとすると、ノードNMの電位は“3V1+(C104/(C104+CNM))×(Vref-3V2)”となる。ここで、Vref=0Vであって、C104の値を大きくし、CNMの値を無視できるようになれば、ノードNMの電位は“3V1-3V2”となる。“V1”および“V2”は反転値の関係にあるから、ノードNMの電位は、“3V1-3V2”=“6V1”とすることができる。
【0059】
つまり、ソースドライバ12の出力の約6倍の電位となる“6V1”(第5のデータ)をノードNMに供給できることになる。
【0060】
当該作用により、一般的な液晶デバイスや発光デバイスなどを駆動するためにソースドライバ12から供給する電圧を最大で約1/6まで低減することができるため、表示装置を低消費電力化することができる。または、汎用のドライバICを用いても高い電圧を生成することができる。例えば、階調制御に高い電圧を必要とする液晶デバイスなどを汎用のドライバICで駆動することができる。
【0061】
また、ソースドライバ12の電源電圧を下げることができるため、ソースドライバの低消費電力化ができる。また、ソースドライバが有する複数の回路の電源電圧を同一にすることができ、当該複数の回路を共通のテクノロジで作製することができる。したがって、ソースドライバの作製工程を削減することができ、低コスト化することができる。
【0062】
本発明の一態様では、上述したように回路11で生成したデータ電位を特定の画素10に供給してノードNMの電位を確定させる。このような動作を同じ行の各画素10に対して順次行うことで、各画素10のノードNMの電位を確定させることができる。すなわち、各画素10に異なる画像データを供給することができる。
【0063】
ノードNA、ノードNB、ノードNC、ノードNMは、記憶ノードとして作用する。各ノードに接続するトランジスタを導通させることで、データを各ノードに書き込むことができる。また、当該トランジスタを非導通とすることで、当該データを各ノードに保持することができる。当該トランジスタに極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることでリーク電流を抑えることができ、各ノードの電位を長時間保持することが可能となる。当該トランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。
【0064】
具体的には、トランジスタ101、102、103、111、112のいずれか、または全てにOSトランジスタを適用することが好ましい。また、回路21が有する要素にOSトランジスタを適用してもよい。また、リーク電流量が許容できる範囲で動作を行う場合は、Siをチャネル形成領域に有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を適用してもよい。または、OSトランジスタおよびSiトランジスタを併用してもよい。なお、上記Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(微結晶シリコン、低温ポリシリコン、単結晶シリコン)を有するトランジスタなどが挙げられる。
【0065】
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体などであり、例えば、後述するCAAC-OSまたはCAC-OSなどを用いることができる。CAAC-OSは結晶を構成する原子が安定であり、信頼性を重視するトランジスタなどに適する。また、CAC-OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタなどに適する。
【0066】
OSトランジスタは半導体層のエネルギーギャップが大きいため、数yA/μm(チャネル幅1μmあたりの電流値)という極めて低いオフ電流特性を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、および短チャネル効果などが生じないなどSiトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。また、Siトランジスタでは問題となる結晶性の不均一性に起因する電気特性のばらつきもOSトランジスタでは生じにくい。
【0067】
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn-M-Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。In-M-Zn系酸化物は、例えば、スパッタリング法、ALD(Atomic layer deposition)法、またはMOCVD(Metal organic chemical vapor deposition)法などを用いて形成することができる。
【0068】
In-M-Zn系酸化物をスパッタリング法で成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
【0069】
半導体層としては、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア濃度が1×1017/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下、さらに好ましくは1×1013/cm以下、より好ましくは1×1011/cm以下、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10-9/cm以上の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。当該酸化物半導体は、欠陥準位密度が低く、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
【0070】
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
【0071】
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
【0072】
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
【0073】
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じてキャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm以下にすることが好ましい。
【0074】
また、半導体層を構成する酸化物半導体に水素が含まれていると、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸化物半導体中に酸素欠損を形成する場合がある。酸化物半導体中のチャネル形成領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となる場合がある。さらに、酸素欠損に水素が入った欠陥はドナーとして機能し、キャリアである電子が生成されることがある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成する場合がある。したがって、水素が多く含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタは、ノーマリーオン特性となりやすい。
【0075】
酸素欠損に水素が入った欠陥は、酸化物半導体のドナーとして機能しうる。しかしながら、当該欠陥を定量的に評価することは困難である。そこで、酸化物半導体においては、ドナー濃度ではなく、キャリア濃度で評価される場合がある。よって、本明細書等では、酸化物半導体のパラメータとして、ドナー濃度ではなく、電界が印加されない状態を想定したキャリア濃度を用いる場合がある。つまり、本明細書等に記載の「キャリア濃度」は、「ドナー濃度」と言い換えることができる場合がある。
【0076】
よって、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。水素などの不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
【0077】
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC-OS(C-Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC-OSは最も欠陥準位密度が低い。
【0078】
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
【0079】
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC-OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
【0080】
以下では、非単結晶の半導体層の一態様であるCAC(Cloud-Aligned Composite)-OSの構成について説明する。
【0081】
CAC-OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
【0082】
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
【0083】
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OS(CAC-OSの中でもIn-Ga-Zn酸化物を、特にCAC-IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)などと、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
【0084】
つまり、CAC-OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
【0085】
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1-x0)(ZnO)m0(-1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
【0086】
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa-b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
【0087】
一方、CAC-OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC-OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC-OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
【0088】
なお、CAC-OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
【0089】
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
【0090】
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウムなどから選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC-OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
【0091】
CAC-OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC-OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、および窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
【0092】
CAC-OSは、X線回折(XRD:X-ray diffraction)測定法のひとつであるOut-of-plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折測定から、測定領域のa-b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
【0093】
また、CAC-OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域(リング領域)と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC-OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano-crystal)構造を有することがわかる。
【0094】
また、例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
【0095】
CAC-OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC-OSは、GaOX3などが主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
【0096】
ここで、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3などが主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
【0097】
一方、GaOX3などが主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3などが主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
【0098】
したがって、CAC-OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3などに起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
【0099】
また、CAC-OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC-OSは、様々な半導体装置の構成材料として適している。
【0100】
なお、本発明の一態様の表示装置では、図3Aに示すように、回路11がソースドライバ12に組み込まれていてもよい。または、ソースドライバ12と回路11が重なる領域を有するスタック構造としてもよい。当該構成とすることで、狭額縁化が可能となる。なお、ソースドライバ12には外付けのICチップを用いることができる。または、基板上に画素回路と共にモノリシック化されていてもよい。
【0101】
また、図1では列毎に回路11を設ける例を示したが、図3Bに示すように、回路11と画素10との間に選択回路16を設け、複数の列の画素に対するデータの書き込みを一つの回路11で行ってもよい。当該構成とすることで、回路11の数を削減することができ、狭額縁化が可能となる。なお、図3Bでは、一つの回路11と一つの選択回路16の組み合わせで3列分の画素に書き込みを行う例を示しているが、これに限らず、書き込み時間が許容される範囲で、列数を決定すればよい。
【0102】
また、図3Cに示すように、回路11の要素の一部を表示領域15に設けてもよい。例えば、回路11が有するキャパシタ113、114の一部または全てを表示領域15に設けることができる。
【0103】
キャパシタ113、114は複数のキャパシタの並列接続で構成することができ、表示領域15に分散させて設けることで、容量値を大きくすることが容易となる。また、表示領域外で回路11が占有する面積を小さくすることができ、狭額縁とすることができる。
【0104】
キャパシタ113、114は、配線125を一方の電極とし、配線125と重なる別の配線を他方の電極として構成することができる。したがって、キャパシタ113、114を表示領域15に配置しても、画素10の開口率が大きく低下することはない。
【0105】
回路11が有するトランジスタ111、112は表示領域15の外側に設けられるため、サイズの制約を受けにくく、画素10に設けられるトランジスタよりもチャネル幅を大きくすることができる。チャネル幅が大きいトランジスタを用いることで、配線125等に対する充放電時間を短縮することができ、フレーム周波数を高めやすい。また、画素数が多く、水平期間の短い高精細ディスプレイにも適用しやすくなる。
【0106】
また、トランジスタ111、112にOSトランジスタを用いることで回路11を高耐圧とすることができ、データの加算において生成される電圧が数十Vでも安定した動作を行うことができる。また、トランジスタ111、112をICチップ内に設けられたSiトランジスタとする場合は、より高速な動作を行うことができる。なお、ICチップ内にトランジスタ111、112を設ける場合であっても、当該トランジスタをOSトランジスタとしてもよい。
【0107】
<表示装置の変形例>
ソースドライバ12および回路11は、図4A図4B図4Cに示すように表示領域15の一端側だけでなく、対向する他端側にも設けてもよい。
【0108】
ここで、表示領域15の一端側に設けられた回路11は、回路11Aとする。回路11Aは、ソースドライバ12Aと電気的に接続される。また、表示領域15の他端側に設けられた回路11は、回路11Bとする。回路11Bは、ソースドライバ12Bと電気的に接続される。
【0109】
このような構成とすることで、配線127[1]、127[2]を高速に充放電することができ、画素数が多く水平期間の短い表示装置、配線125の寄生容量が大きくなる大型の表示装置などに対応しやすくなる。
【0110】
または、図4Bに示すように、画素10[1]乃至画素10[x](xは2以上の自然数であり、例えば行の中央値など)にソースドライバ12aおよび回路11Aを電気的に接続し、画素10[x+1]乃至画素10[y](yは行の最終値)にソースドライバ12bおよび回路11Bを電気的に接続してもよい。
【0111】
ソースドライバ12Aおよび回路11Aは配線127[1a]、127[2a]の充放電を行い、ソースドライバ12Bおよび回路11Bは配線127[1b]、127[2b]の充放電を行う。このように配線127を分割することで配線127の充放電を高速に行うことができるため、高速駆動に対応しやすくなる。
【0112】
また、図4Cに示すように、複数のゲートドライバ(ゲートドライバ13A、13B)を設けてもよい。複数のソースドライバおよび複数のゲートドライバを用いることで、分割した配線127のそれぞれに対して並行して充放電を行うことができるため、水平期間を長くすることができる。
【0113】
図4B図4Cは、いわゆる分割駆動を行う構成であり、画素数が多く水平期間の短い表示装置であってもデータの書き込みを行いやすくなる。
【0114】
<加算回路および画素回路の動作例>
次に、図5に示すタイミングチャートおよび図6図7に示す回路動作の説明図を用いて、ソースドライバ12の出力するデータ電位の約6倍のデータ電位を画素10[n,m]の表示デバイスに供給する方法を説明する。
【0115】
なお、以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表す。また、画素10[n,m]を対象とする第1のデータを“+Vo[n]”、第2のデータを“-Vo[n]”、画素10[n+1,m]を対象とする第1のデータを“-Vo[n+1]”、第2のデータを“-Vo[n+1]”とする。なお、上記各データの極性は反転することもできる。“Vref”としては0Vを用いる。
【0116】
なお、ここでは電位の分配、結合または損失において、回路の構成や動作タイミングなどに起因する詳細な変化は勘案しない。また、キャパシタを用いた容量結合による電位の変化は、当該キャパシタと、接続される要素との容量比に依存するが、説明を明瞭にするため、当該要素の容量値は十分に小さい値に仮定する。
【0117】
時刻T1に配線126[m_1]に“+Vo[n]”、配線126[m_2]に“-Vo[n]”を供給し、配線121の電位を“H”、配線125[n]の電位を“L”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、トランジスタ111、112が導通し、ノードNAの電位は“+Vo[n]”、ノードNBの電位は“-Vo[n]”となる。また、キャパシタ113の一方の電極の電位は“-Vo[n]”、キャパシタ114の一方の電極の電位は“+Vo[n]”となる(図6A参照)。
【0118】
時刻T2に配線121の電位を“L”、配線125[n]の電位を“L”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、トランジスタ111、112が非導通となる。このとき、ノードNAに“+Vo[n]”、ノードNBに“-Vo[n]”が保持される。また、キャパシタ113には“+2Vo[n]”、キャパシタ114には“-2Vo[n]”が保持される。
【0119】
時刻T3に配線126[m_1]に“-Vo[n]”、配線126[m_2]に“+Vo[n]”を供給し、配線121の電位を“L”、配線125[n]の電位を“H”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、キャパシタ113の一方の電極の電位は“-Vo[n]”から“+Vo[n]”に反転される。その変化分がキャパシタ113とノードNAの容量比に応じてノードNAの電位に加算され、ノードNAの電位は“+3Vo[n]”となる(図6B参照)。
【0120】
また、キャパシタ114の一方の電極の電位は“+Vo[n]”から“-Vo[n]”に反転される。その変化分がキャパシタ114とノードNBの容量比に応じてノードNBの電位に加算され、ノードNBの電位は“-3Vo[n]”となる。
【0121】
また、画素10[n,m]において、トランジスタ101、102が導通し、ノードNM[n,m]に“+3Vo[n]”、ノードNC[n,m]に“-3Vo[n]”が書き込まれる。
【0122】
時刻T4に配線121の電位を“L”、配線125[n]の電位を“L”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、トランジスタ101、102が非導通となる。このとき、ノードNM[n,m]に“+3Vo[n]”、ノードNC[n,m]に“-3Vo[n]”が保持される。また、キャパシタ104には“+6Vo[n]”が保持される(図7A参照)。
【0123】
時刻T5に配線126[m_1]に“+Vo[n+1]”、配線126[m_2]に“-Vo[n+1]”を供給し、配線121の電位を“H”、配線125[n]の電位を“L”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、トランジスタ111、112が導通し、ノードNAの電位は“+Vo[n+1]”、ノードNBの電位は“-Vo[n+1]”となる。また、キャパシタ113の一方の電極の電位は“-Vo[n+1]”、キャパシタ114の一方の電極の電位は“+Vo[n+1]”となる。このとき、ノードNM[n,m]は“+3Vo[n]”を維持する。
【0124】
時刻T6に配線121の電位を“L”、配線125[n]の電位を“L”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、トランジスタ111、112が非導通となる。このとき、ノードNAに“+Vo[n+1]”、ノードNBに“-Vo[n+1]”が保持される。また、キャパシタ113には“+2Vo[n+1]”、キャパシタ114には“-2Vo[n+1]”が保持される。
【0125】
時刻T7に配線126[m_1]に“-Vo[n+1]”、配線126[m_2]に“+Vo[n+1]”を供給し、配線121の電位を“L”、配線125[n]の電位を“L”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、キャパシタ113の一方の電極の電位は“-Vo[n+1]”から“+Vo[n+1]”に反転される。その変化分がキャパシタ113とノードNAの容量比に応じてノードNAの電位に加算され、ノードNAの電位は“+3Vo[n+1]”となる。
【0126】
また、キャパシタ114の一方の電極の電位は“+Vo[n+1]”から“-Vo[n+1]”に反転される。その変化分がキャパシタ114とノードNBの容量比に応じてノードNBの電位に加算され、ノードNBの電位は“-3Vo[n+1]”となる。
【0127】
また、画素10[n,m]において、トランジスタ103が導通し、キャパシタ104の他方の電極の電位が“-3Vo[n]”から“0V”に変化する。その変化分がキャパシタ104とノードNM[n,m]の容量比に応じてノードNM[n,m]の電位に加算され、ノードNM[n,m]の電位は“+6Vo[n]”となる(図7B参照)。また、画素10[n+1,m](図示なし)では、ノードNM[n+1,m]に“+3Vo[n+1]”が書き込まれ、ノードNC[n+1,m]に“-3Vo[n+1]”が書き込まれる。
【0128】
時刻T8に配線121の電位を“L”、配線125[n]の電位を“L”、配線125[n+1]の電位を“L”とすると、画素10[n,m]においてトランジスタ103が非導通となり、ノードNM[n,m]の電位が確定する。
【0129】
上述したように、ソースドライバ12が供給する電圧の約6倍の電圧を表示デバイスに供給することができる。なお、昇圧には複数のステップを経ることになるが、垂直方向に隣接し、ゲート線を共有する二つの画素の動作が並行する期間があるため、実質的には少ないステップ数で高い昇圧が可能となる。
【0130】
<加算回路の変形例1>
次に、回路11の変形例について説明する。図8は、回路11が昇圧部11aおよび選択回路11bを有する構成である。昇圧部11aは図2に示す回路11と同じ構成であり、同じ動作を行うことができる。選択回路11bは、ソースドライバ12と昇圧部11aとの間に設けられる。
【0131】
選択回路11bは、トランジスタ116と、トランジスタ117と、トランジスタ118と、トランジスタ119を有する構成とすることができる。トランジスタ116のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ118のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ118のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ117のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ117のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ119のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ119のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ116のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。
【0132】
トランジスタ116のソースまたはドレインの一方は、配線126[m_1]と電気的に接続される。トランジスタ117のソースまたはドレインの他方は、配線126[m_2]と電気的に接続される。トランジスタ116のソースまたはドレインの他方は、昇圧部11aが有するトランジスタ111のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ117のソースまたはドレインの一方は、昇圧部11aが有するトランジスタ112のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。
【0133】
トランジスタ116のゲートおよびトランジスタ117のゲートは、配線121と電気的に接続することができる。トランジスタ118のゲートおよびトランジスタ119のゲートは、配線122と電気的に接続することができる。配線122は、ゲート線としての機能を有することができ、回路11を制御する回路と電気的に接続することができる。
【0134】
図2に示す回路11の動作では、一つの画素に書き込むデータを生成するためにソースドライバ12から回路11に2つのデータを出力し、さらにその反転データを再度出力させる必要がある。図8に示す回路11では、選択回路11bでデータの入力経路を切り替えることができるため、上記反転データの出力を不要とすることができる。
【0135】
図9に示すタイミングチャートおよび図10に示す回路動作の説明図を用いて、図8に示す回路11の動作を説明する。なお、画素10の動作は、先に説明した図2に示す構成と同じであるため、ここでは省略する。
【0136】
時刻T1に配線126[m_1]に“+Vo[n]”、配線126[m_2]に“-Vo[n]”を供給し、配線121の電位を“H”、配線122の電位を“L”とすると、トランジスタ116、117、111、112が導通し、ノードNAの電位は“+Vo[n]”、ノードNBの電位は“-Vo[n]”となる。また、キャパシタ113の一方の電極の電位は“-Vo[n]”、キャパシタ114の一方の電極の電位は“+Vo[n]”となる(図10A参照)。
【0137】
時刻T2に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“Lとすると、トランジスタ116、117、111、112が非導通となる。このとき、ノードNAに“+Vo[n]”、ノードNBに“-Vo[n]”が保持される。また、キャパシタ113には“+2Vo[n]”、キャパシタ114には“-2Vo[n]”が保持される。
【0138】
時刻T3に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”とすると、トランジスタ118、119が導通し、キャパシタ113の一方の電極の電位は“-Vo[n]”から“+Vo[n]”に反転される。その変化分がキャパシタ113とノードNAの容量比に応じてノードNAの電位に加算され、ノードNAの電位は“+3Vo[n]”となる。
【0139】
また、キャパシタ114の一方の電極の電位は“+Vo[n]”から“-Vo[n]”に反転される。その変化分がキャパシタ114とノードNBの容量比に応じてノードNBの電位に加算され、ノードNBの電位は“-3Vo[n]”となる(図10B参照)。
【0140】
以上の動作説明のとおり、ソースドライバ12の同一出力端子から反転データを出力させず、選択回路11bで入力データの経路を切り替えることで、図2の構成と同様にノードNAに“+3Vo[n]”、ノードNBに“-3Vo[n]”を生成することができる。
【0141】
回路11に選択回路11bを設けることで、ソースドライバ12の同一出力端子からの反転データの出力が不要になるため、ソースドライバ12の動作周波数を半減することができ、消費電力を低減させることができる。
【0142】
<加算回路の変形例2>
図11に示す構成は、図8とは異なる回路11を有する構成であり、回路11は昇圧部11aおよび選択回路11cを有する。昇圧部11aは図2に示す回路11と同じ構成であり、同じ動作を行うことができる。選択回路11cは、昇圧部11aと画素10との間に設けられる。
【0143】
選択回路11cは、トランジスタ131と、トランジスタ132と、トランジスタ133と、トランジスタ134を有する構成とすることができる。トランジスタ131のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ133のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ133のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ132のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ132のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ134のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ134のソースまたはドレインの他方は、トランジスタ131のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。
【0144】
トランジスタ131のソースまたはドレインの一方は、昇圧部11aが有するトランジスタ111のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。トランジスタ132のソースまたはドレインの他方は、昇圧部11aが有するトランジスタ112のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ131のソースまたはドレインの他方は、画素10が有するトランジスタ101のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。トランジスタ132のソースまたはドレインの一方は、画素10が有するトランジスタ102のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。
【0145】
トランジスタ131のゲートおよびトランジスタ132のゲートは、配線123と電気的に接続することができる。トランジスタ133のゲートおよびトランジスタ134のゲートは、配線124と電気的に接続することができる。配線123,124は、ゲート線としての機能を有することができ、回路11を制御する回路と電気的に接続することができる。
【0146】
当該構成は、表示デバイスが液晶デバイスであるときに有効である。一般的に液晶デバイスでは、焼き付きを防止するため反転駆動が行われる。図12A図12Bは、図2の構成で正極性動作から負極性動作へ移行する前後のキャパシタの充電状態を説明する図である。図12Aが正極性動作の最後の状態、図12Bは負極性動作の始めの状態を示している。
【0147】
正極性動作において、キャパシタ113では、一方の電極には負電荷(-q)が溜まった状態、キャパシタ113の他方の電極には正電荷(+q)が溜まった状態で動作が行われる。キャパシタ114では、一方の電極には正電荷(+q)が溜まった状態、キャパシタ114の他方の電極には負電荷(-q)が溜まった状態で動作が行われる。正極性動作中は、各電極の電荷量は変化してもこの状態は変わらない。
【0148】
負極性動作において、キャパシタ113では、一方の電極には正電荷(+q’)が溜まった状態、キャパシタ113の他方の電極には負電荷(-q’)が溜まった状態で動作が行われる。キャパシタ114では、一方の電極には負電荷(-q’)が溜まった状態、キャパシタ114の他方の電極には正電荷(+q’)が溜まった状態で動作が行われる。負極性動作中は、各電極の電荷量は変化してもこの状態は変わらない。
【0149】
したがって、正極性動作から負極性動作への移行時またはその逆では、各キャパシタの電極に溜まる電荷の極性が逆転することになる。すなわち、溜まっていた電荷を一掃して新たに電荷を供給することになる。キャパシタ113およびキャパシタ114は比較的容量が大きいため、表示装置の消費電力を高めてしまう一要因となる。
【0150】
図11に示す回路11の構成では、選択回路11cでデータの出力経路を切り替えることができる。したがって、正極性動作から負極性動作への移行時またはその逆において、各キャパシタの電極に溜まる電荷の極性を一定とすることができる。
【0151】
図13A図13Bに示すタイミングチャートおよび図14A図14Bに示す回路動作の説明図を用いて、図11に示す回路11の動作を説明する。なお、画素10の動作は、先に説明した図2に示す構成と同じであるため、ここでは省略する。
【0152】
図13Aに示すタイミングチャートは、正極性動作を示しており、配線123には常時“H”、配線124には常時“L”が供給されている。したがって、正極性動作では、トランジスタ131、132は常時導通、トランジスタ133、134は常時非導通である。
【0153】
図13Bに示すタイミングチャートは、負極性動作を示しており、配線123には常時“L”、配線124には常時“H”が供給されている。したがって、負極性動作では、トランジスタ131、132は常時非導通、トランジスタ133、134は常時導通である。
【0154】
図14A図14Bは、図11の構成で正極性動作から負極性動作へ移行する前後のキャパシタの充電状態を説明する図である。図14Aが正極性動作の最後の状態、図14Bは負極性動作の始めの状態を示している。
【0155】
図14Aに示す正極性動作の最後の状態では、ノードNAに生成された電位“+3Vo”は、導通しているトランジスタ131を介して配線127[m_1]に供給される。このとき、キャパシタ113の一方の電極には負電荷(-q)が溜まった状態、キャパシタ113の他方の電極には正電荷(+q)が溜まった状態である。
【0156】
また、ノードNBに生成された電位“-3Vo”は、導通しているトランジスタ132を介して配線127[m_2]に供給される。このとき、キャパシタ114の一方の電極には正電荷(+q)が溜まった状態、キャパシタ114の他方の電極には負電荷(-q)が溜まった状態である。
【0157】
図14Bに示す負極性動作の始めの状態では、ノードNAに供給された電位“+Vo”は、導通しているトランジスタ133を介して配線127[m_2]に供給される。このとき、キャパシタ113の一方の電極には負電荷(-q’)が溜まった状態、キャパシタ113の他方の電極には正電荷(+q’)が溜まった状態である。
【0158】
また、ノードNBに生成された電位“-Vo”は、導通しているトランジスタ134を介して配線127[m_1]に供給される。このとき、キャパシタ114の一方の電極には正電荷(+q’)が溜まった状態、キャパシタ114の他方の電極には負電荷(-q’)が溜まった状態である。
【0159】
上述のように、選択回路11cを設けることで、正極性動作の最後の状態と負極性動作の始めの状態で各キャパシタの電極に溜まる電荷の極性が変化せず、一定とすることができる。
【0160】
したがって、図11に示す回路11では、正極性動作から負極性動作への移行時またはその逆においてもデータの絶対値の変化分だけ各キャパシタの電荷量を書き換えればよいため、消費電力を抑えることができる。
【0161】
<加算回路の変形例3>
前述した選択回路11bおよび選択回路11cは互いに動作を干渉することがない。したがって、図15に示すように、回路11が昇圧部11a、選択回路11bおよび選択回路11cを有する構成としてもよい。当該構成により、ソースドライバ12の消費電力、回路11の消費電力を抑えることができ、より低消費電力の表示装置を実現することができる。
【0162】
<加算回路の変形例4>
なお、前述した回路11は、一導電型のトランジスタで回路構成を行う例を示した。当該トランジスタとしてはOSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタの低いオフ電流特性により、ソース線間において電荷の不要な流出などを抑えることができ、より安定した動作を行うことができる。
【0163】
一方で、回路11を構成する一部または全てのトランジスタにSiトランジスタを用いてもよい。図16Aは選択回路11bの変形例であり、図16Bは選択回路11cの変形例である。選択回路11bでは、トランジスタ116、117とトランジスタ118、119は導通、非導通が逆の動作をする関係にあるため、少なくとも一方をp-ch型のSiトランジスタとすることで全てのトランジスタを1本のゲート線で制御することができる。選択回路cも同様である。
【0164】
<回路21>
図17A乃至図17Dは、回路21に適用でき、表示デバイスとして液晶デバイスを含む構成の例である。
【0165】
図17Aに示す構成は、キャパシタ141および液晶デバイス142を有する。液晶デバイス142の一方の電極は、キャパシタ141の一方の電極と電気的に接続される。キャパシタ141の一方の電極は、ノードNMに電気的に接続される。
【0166】
キャパシタ141の他方の電極は、配線151と電気的に接続される。液晶デバイス142の他方の電極は、配線152と電気的に接続される。配線151、152は電源を供給する機能を有する。例えば、配線151、152は、GNDや0Vなどの基準電位や任意の電位を供給することができる。
【0167】
なお、図17Bに示すようにキャパシタ141を省いた構成としてもよい。前述したように、ノードNMと接続するトランジスタにOSトランジスタを用いることができる。OSトランジスタはリーク電流が極めて小さいため、保持容量として機能するキャパシタ141を省いても表示を比較的長時間維持することができる。また、トランジスタの構成に限らず、フィールドシーケンシャル駆動のように、高速動作で表示期間を短くできる場合にもキャパシタ141を省くことは有効である。キャパシタ141を省くことで開口率を向上させることができる。または、画素の透過率を向上させることができる。
【0168】
図17A図17Bの構成では、ノードNMの電位が液晶デバイス142の動作しきい値以上になったときに液晶デバイス142の動作が開始される。したがって、ノードNMの電位が確定される前に表示動作が始まる場合がある。ただし、透過型液晶表示装置の場合は、ノードNMの電位が確定されるまでバックライトを消灯するなどの動作を併用することで、不必要な表示動作が行われても視認を抑制することができる。
【0169】
図17Cは、図17Aの構成にトランジスタ143を付加した構成である。トランジスタ143のソースまたはドレインの一方は、キャパシタ141の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ143のソースまたはドレインの他方は、ノードNMと電気的に接続される。
【0170】
当該構成では、トランジスタ143の導通に伴って液晶デバイス142にノードNMの電位が印加される。したがって、ノードNMの電位確定後の任意のタイミングに液晶デバイス142の動作を開始することができる。
【0171】
図17Dは、図17Cの構成にトランジスタ144を付加した構成である。トランジスタ144のソースまたはドレインの一方は、液晶デバイス142の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ144のソースまたはドレインの他方は、配線153と電気的に接続される。
【0172】
配線153と電気的に接続される回路160は、キャパシタ141および液晶デバイス142に供給された電位をリセットする機能を有することができる。
【0173】
図18A乃至図18Dは、回路21に適用でき、表示デバイスとして発光デバイスを含む構成の例である。
【0174】
図18Aに示す構成は、トランジスタ145と、キャパシタ146と、発光デバイス147を有する。トランジスタ145のソースまたはドレインの一方は、発光デバイス147の一方の電極と電気的に接続される。発光デバイス147の一方の電極は、キャパシタ146の一方の電極と電気的に接続される。キャパシタ146の他方の電極は、トランジスタ145のゲートと電気的に接続される。トランジスタ145のゲートは、ノードNMに電気的に接続される。
【0175】
トランジスタ145のソースまたはドレインの他方は、配線154と電気的に接続される。発光デバイス147の他方の電極は、配線155と電気的に接続される。配線154、155は電源を供給する機能を有する。例えば、配線154は、高電位電源を供給することができる。また、配線155は、低電位電源を供給することができる。
【0176】
または、図18Bに示すように、発光デバイス147の一方の電極を配線154と電気的に接続し、発光デバイス147の他方の電極をトランジスタ145のソースまたはドレインの他方と電気的に接続してもよい。当該構成は、発光デバイス147を有する他の回路21にも適用することができる。
【0177】
図18Cは、図18Aの構成にトランジスタ148を付加した構成である。トランジスタ148のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ145のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ148のソースまたはドレインの他方は、発光デバイス147と電気的に接続される。
【0178】
当該構成では、ノードNMの電位がトランジスタ111のしきい値電圧以上であって、トランジスタ148が導通したときに発光デバイス147に電流が流れる。したがって、ノードNMの電位確定後の任意のタイミングに発光デバイス147の発光を開始することができる。
【0179】
図18Dは、図18Aの構成にトランジスタ149を付加した構成である。トランジスタ149のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ145のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ149のソースまたはドレインの他方は、配線156と電気的に接続される。
【0180】
配線156は、基準電位などの特定の電位の供給源と電気的に接続することができる。配線156からトランジスタ145のソースまたはドレインの一方に特定の電位を供給することで、画像データの書き込みを安定化させることもできる。また、発光デバイス147の発光のタイミングを制御することもできる。
【0181】
また、配線156は回路161と接続することができ、モニタ線としての機能を有することもできる。回路161は、上記特定の電位の供給源としての機能、トランジスタ145の電気特性を取得する機能、および補正データを生成する機能の一つ以上を有することができる。
【0182】
図19A乃至図19Cは、図2などに示した画素10において、“Vref”を供給するための配線の具体例を示す図である。
【0183】
図19Aに示すように、表示デバイスとして液晶デバイスを用いる場合は、“Vref”を供給するための配線に配線151を適用することができる。または、配線152を適用してもよい。
【0184】
また、図19Bに示すように、表示デバイスとして発光デバイスを用いる場合は、“Vref”を供給するための配線に配線154を適用することができる。“Vref”は0V、GNDまたは低電位であることが好ましいため、配線154は、少なくともそれらの電位のいずれかを供給する機能も有する。配線154には、ノードNMにデータを書き込むタイミングでは“Vref”を供給し、発光デバイス147を発光させるタイミングでは高電位電源を供給すればよい。または、図18Cに示すように、低電位を供給する配線155を“Vref”を供給するための配線として適用してもよい。
【0185】
なお、表示デバイスの種類に関わらず、“Vref”を供給する専用の共通配線を設けてもよい。
【0186】
<トランジスタの変形例>
また、図20に例示するように、本発明の一態様の回路では、バックゲートを設けたトランジスタを用いてもよい。図20では、バックゲートがフロントゲートと電気的に接続された構成を示しており、オン電流を高める効果を有する。または、バックゲートが定電位を供給できる配線と電気的に接続された構成であってもよい。当該構成では、トランジスタのしきい値電圧を制御することができる。なお、回路21が有するトランジスタにもバックゲートを設けてもよい。
【0187】
また、画素10において、トランジスタ101、102は、容量値が比較的大きいキャパシタ104を速やかに充放電する役割を担う。トランジスタ103は、キャパシタ104および回路21の合成容量Cを充電する役割を担う。合成容量Cは、キャパシタ104の容量値をC104、回路21の容量値をC21としたとき、C104×(C21/(C104+C21))となり、C104よりも小さい値となる。
【0188】
したがって、図21に示す概念図のように、トランジスタ103にはトランジスタ101、102よりも電流供給能力の小さいトランジスタを用いることができる。具体的には、トランジスタ103のチャネル幅をトランジスタ101、102のチャネル幅よりも小さくすることができる。したがって、全てを同じサイズのトランジスタで構成するよりも開口率を高めることができる。
【0189】
<シミュレーション結果>
次に、画素の動作に関するシミュレーション結果を説明する。図22にシミュレーションに用いた画素10および回路11の構成を示す。図2に示した回路構成を基本とし、画素数は4を想定した。回路21としては、液晶デバイス(Clc)を用いた。シミュレーションは、入力電圧を約6倍にする動作における各画素のノードNMの電圧変化について行った。
【0190】
シミュレーションに用いたパラメータは以下の通りであり、トランジスタサイズはL/W=3μm/500μm(トランジスタTr1、Tr2)、L/W=3μm/100μm(トランジスタTr3、Tr4)、L/W=3μm/40μm(トランジスタTr5)、容量素子C1、C2の容量値は1nF、容量素子C3の容量値は20pF、液晶素子Clcの容量値は2pFとした。ソース線SL1の負荷R1およびソース線SL2の負荷R2をそれぞれ1kΩ、20pFとした。また、トランジスタのGL1、GL2に印加する電圧は、“H”として+30V、“L”として-55Vとした。また、“Vref”、TCOMの電位は0Vとした。なお、回路シミュレーションソフトウェアにはSPICEを用いた。
【0191】
図23図5に示すタイミングチャートに従った動作のシミュレーション結果であり、横軸を時間(秒)、縦軸を画素10[1]乃至[4]のノードNMの電圧(V)で表している。なお、SL1は配線126[m_1]、SL2は配線126[m_2]、GL1は配線121、GL2は配線125に相当する。DATA1は+Voに相当し、+8Vとした。また、DATA2は-Voに相当し、-8Vとした。
【0192】
トランジスタのゲート-ドレイン間容量に起因するフィードスルーおよび直列接続される容量の電荷分配分の影響が認められるが、正極性動作で約43V、負極性動作で約42Vを生成することができる。つまり、8Vの入力電圧に対して、5.2倍以上に昇圧できることが確認できた。トランジスタの電気特性の向上および寄生容量の低減などを行うことにより、より高い電圧を生成することが可能となる。
【0193】
以上のシミュレーション結果により、本発明の一態様の効果を確認することができた。
【0194】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0195】
(実施の形態2)
本実施の形態では、液晶デバイスを用いた表示装置の構成例と、発光デバイスを用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した表示装置の要素、動作および機能の説明は省略する。
【0196】
本実施の形態で説明する表示装置には、実施の形態1で説明した画素を用いることができる。なお、以下に説明する走査線駆動回路はゲートドライバ、信号線駆動回路はソースドライバに相当する。
【0197】
図24A乃至図24Cは、本発明の一態様を用いることのできる表示装置の構成を示す図である。
【0198】
図24Aにおいて、第1の基板4001上に設けられた表示部215を囲むようにして、シール材4005が設けられ、表示部215がシール材4005および第2の基板4006によって封止されている。
【0199】
図24Aでは、走査線駆動回路221a、信号線駆動回路231a、信号線駆動回路232a、および共通線駆動回路241aは、それぞれがプリント基板4041上に設けられた集積回路4042を複数有する。集積回路4042は、単結晶半導体または多結晶半導体で形成されている。共通線駆動回路241aは、実施の形態1に示した配線151、152、129、154、155などに規定の電位を供給する機能を有する。
【0200】
走査線駆動回路221a、共通線駆動回路241a、信号線駆動回路231a、および信号線駆動回路232aに与えられる各種信号および電位は、FPC(Flexible printed circuit)4018を介して供給される。
【0201】
走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aが有する集積回路4042は、表示部215に選択信号を供給する機能を有する。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aが有する集積回路4042は、表示部215に画像データを供給する機能を有する。集積回路4042は、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に実装されている。
【0202】
なお、集積回路4042の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディング法、COF(Chip On Film)法、COG(Chip On Glass)法、TCP(Tape Carrier Package)法などを用いることができる。
【0203】
図24Bは、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aに含まれる集積回路4042をCOG法により実装する例を示している。また、駆動回路の一部または全体を表示部215と同じ基板上に一体形成して、システムオンパネルを形成することができる。
【0204】
図24Bでは、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aを、表示部215と同じ基板上に形成する例を示している。駆動回路を表示部215内の画素回路と同時に形成することで、部品点数を削減することができる。よって、生産性を高めることができる。
【0205】
また、図24Bでは、第1の基板4001上に設けられた表示部215と、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aと、を囲むようにして、シール材4005が設けられている。また表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aの上に第2の基板4006が設けられている。よって、表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示デバイスと共に封止されている。
【0206】
また、図24Bでは、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装してもよいし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部を別途形成して実装してもよい。また、図24Cに示すように、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを表示部215と同じ基板上に形成してもよい。
【0207】
また、表示装置は、表示デバイスが封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
【0208】
また、第1の基板上に設けられた表示部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有している。当該トランジスタとして、実施の形態1で示したSiトランジスタまたはOSトランジスタを適用することができる。
【0209】
周辺駆動回路が有するトランジスタと、表示部の画素回路が有するトランジスタの構造は同じであってもよく、異なっていてもよい。周辺駆動回路が有するトランジスタは、全て同じ構造のトランジスタであってもよく、2種類以上の構造のトランジスタを有していてもよい。同様に、画素回路が有するトランジスタは、全て同じ構造のトランジスタであってもよく、2種類以上の構造のトランジスタを有していてもよい。
【0210】
また、第2の基板4006上には入力装置4200を設けることができる。図24A乃至図24Cに示す表示装置に入力装置4200を設けた構成はタッチパネルとして機能させることができる。
【0211】
本発明の一態様のタッチパネルが有する検知デバイス(センサ素子ともいう)に限定は無い。指やスタイラスなどの被検知体の近接または接触を検知することのできる様々なセンサを、検知デバイスとして適用することができる。
【0212】
センサの方式としては、例えば、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、光学方式、感圧方式など様々な方式を用いることができる。
【0213】
本実施の形態では、静電容量方式の検知デバイスを有するタッチパネルを例に挙げて説明する。
【0214】
静電容量方式としては、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式等がある。また、投影型静電容量方式としては、自己容量方式、相互容量方式等がある。相互容量方式を用いると、同時多点検知が可能となるため好ましい。
【0215】
本発明の一態様のタッチパネルは、別々に作製された表示装置と検知デバイスとを貼り合わせる構成、表示デバイスを支持する基板および対向基板の一方または双方に検知デバイスを構成する電極等を設ける構成等、様々な構成を適用することができる。
【0216】
図25A図25Bに、タッチパネルの一例を示す。図25Aは、タッチパネル4210の斜視図である。図25Bは、入力装置4200の斜視概略図である。なお、明瞭化のため、代表的な構成要素のみを示している。
【0217】
タッチパネル4210は、別々に作製された表示装置と検知デバイスとを貼り合わせた構成である。
【0218】
タッチパネル4210は、入力装置4200と、表示装置とを有し、これらが重ねて設けられている。
【0219】
入力装置4200は、基板4263、電極4227、電極4228、複数の配線4237、複数の配線4238および複数の配線4239を有する。例えば、電極4227は配線4237または配線4239と電気的に接続することができる。また、電極4228は配線4239と電気的に接続することができる。FPC4272bは、複数の配線4237および複数の配線4238の各々と電気的に接続する。FPC4272bにはIC4273bを設けることができる。
【0220】
または、表示装置の第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設けてもよい。第1の基板4001と第2の基板4006との間にタッチセンサを設ける場合は、静電容量方式のタッチセンサのほか、光電変換素子を用いた光学式のタッチセンサを適用してもよい。
【0221】
図26A図26Bは、図24B中でN1-N2の鎖線で示した部位の断面図である。図26A図26Bに示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、図26A図26Bでは、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
【0222】
電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
【0223】
また、第1の基板4001上に設けられた表示部215と走査線駆動回路221aは、トランジスタを複数有しており、図26A図26Bでは、表示部215に含まれるトランジスタ4010、および走査線駆動回路221aに含まれるトランジスタ4011を例示している。なお、図26A図26Bでは、トランジスタ4010およびトランジスタ4011としてボトムゲート型のトランジスタを例示しているが、トップゲート型のトランジスタであってもよい。
【0224】
図26A図26Bでは、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に絶縁層4112が設けられている。また、図26Bでは、絶縁層4112上に隔壁4510が形成されている。
【0225】
また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4111上に形成された電極4017を有する。電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
【0226】
また、図26A図26Bに示す表示装置は、キャパシタ4020を有する。キャパシタ4020は、トランジスタ4010のゲート電極と同じ工程で形成された電極4021と、絶縁層4103と、ソース電極およびドレイン電極と同じ工程で形成された電極を有する例を示している。キャパシタ4020の構成はこれに限定されず、その他の導電層および絶縁層で形成されていてもよい。
【0227】
表示部215に設けられたトランジスタ4010は表示デバイスと電気的に接続する。図26Aは、表示デバイスとして液晶デバイスを用いた液晶表示装置の一例である。図26Aにおいて、表示デバイスである液晶デバイス4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031は液晶層4008を介して重畳する。
【0228】
液晶デバイス4013として、様々なモードが適用された液晶デバイスを用いることができる。例えば、VA(Vertical Alignment)モード、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In-Plane-Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro-cell)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モード、VA-IPSモード、ゲストホストモード等が適用された液晶デバイスを用いることができる。
【0229】
また、本実施の形態に示す液晶表示装置にノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置を適用してもよい。垂直配向モードとしては、MVA(Multi-Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。
【0230】
なお、液晶デバイスは、液晶の光学変調作用によって光の透過または非透過を制御するデバイスである。液晶の光学的変調作用は、液晶にかかる電界(横方向の電界、縦方向の電界または斜め方向の電界を含む)によって制御される。液晶デバイスに用いる液晶としては、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
【0231】
図26Aでは、縦電界方式の液晶デバイスを有する液晶表示装置の例を示したが、本発明の一態様には、横電界方式の液晶デバイスを有する液晶表示装置を適用することができる。横電界方式を採用する場合、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を液晶層4008に用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が短く、光学的等方性を示す。また、ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良または破損を軽減することができる。
【0232】
また、スペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極層4030と第2の電極層4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
【0233】
また、必要に応じて、ブラックマトリクス(遮光層)、着色層(カラーフィルタ)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などを適宜設けてもよい。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。また、上記バックライトおよびサイドライトとして、マイクロLEDなどを用いても良い。
【0234】
図26Aに示す表示装置では、第2の基板4006と第2の電極層4031の間に、遮光層4132、着色層4131、絶縁層4133が設けられている。
【0235】
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属などの無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
【0236】
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料などが挙げられる。遮光層および着色層は、例えば、インクジェット法などを用いて形成することができる。
【0237】
また、図26A図26Bに示す表示装置は、絶縁層4111と絶縁層4104を有する。絶縁層4111と絶縁層4104として、不純物元素を透過しにくい絶縁層を用いる。絶縁層4111と絶縁層4104でトランジスタの半導体層を挟むことで、外部からの不純物の浸入を防ぐことができる。
【0238】
また、表示装置に含まれる表示デバイスとして発光デバイスを用いることができる。発光デバイスとしては、例えば、エレクトロルミネッセンスを利用するELデバイスを適用することができる。ELデバイスは、一対の電極の間に発光性の化合物を含む層(「EL層」ともいう。)を有する。一対の電極間に、ELデバイスのしきい値電圧よりも大きい電位差を生じさせると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光性の化合物が発光する。
【0239】
ELデバイスとしては、例えば、有機ELデバイスまたは無機ELデバイスを用いることができる。なお、発光材料に化合物半導体を用いるLED(マイクロLEDを含む)を用いることもできる。
【0240】
なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)などを有していてもよい。
【0241】
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法などの方法で形成することができる。
【0242】
無機ELデバイスは、その素子構成により、分散型無機ELデバイスと薄膜型無機ELデバイスとに分類される。分散型無機ELデバイスは、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー-アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機ELデバイスは、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光デバイスとして有機ELデバイスを用いて説明する。
【0243】
発光デバイスは発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタおよび発光デバイスを形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造や、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造や、両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光デバイスがあり、どの射出構造の発光デバイスも適用することができる。
【0244】
図26Bは、表示デバイスとして発光デバイスを用いた発光表示装置(「EL表示装置」ともいう。)の一例である。表示デバイスである発光デバイス4513は、表示部215に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光デバイス4513の構成は、第1の電極層4030、発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光デバイス4513から取り出す光の方向などに合わせて、発光デバイス4513の構成は適宜変えることができる。
【0245】
隔壁4510は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
【0246】
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
【0247】
発光デバイス4513の発光色は、発光層4511を構成する材料によって、白、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、または黄などとすることができる。
【0248】
カラー表示を実現する方法としては、発光色が白色の発光デバイス4513と着色層を組み合わせて行う方法と、画素毎に発光色の異なる発光デバイス4513を設ける方法がある。前者の方法は後者の方法よりも生産性が高い。一方、後者の方法では画素毎に発光層4511を作り分ける必要があるため、前者の方法よりも生産性が劣る。ただし、後者の方法では、前者の方法よりも色純度の高い発光色を得ることができる。後者の方法に加えて、発光デバイス4513にマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
【0249】
なお、発光層4511は、量子ドットなどの無機化合物を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
【0250】
発光デバイス4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031および隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)などを形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
【0251】
充填材4514としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル系樹脂、ポリイミド、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)などを用いることができる。また、充填材4514に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0252】
シール材4005には、ガラスフリットなどのガラス材料や、二液混合型の樹脂などの常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂などの樹脂材料を用いることができる。また、シール材4005に乾燥剤が含まれていてもよい。
【0253】
また、必要であれば、発光デバイスの射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
【0254】
また、発光デバイスをマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
【0255】
表示デバイスに電圧を印加する第1の電極層および第2の電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、および電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
【0256】
第1の電極層4030、第2の電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
【0257】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)などの金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
【0258】
また、第1の電極層4030、第2の電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、または、アニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
【0259】
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
【0260】
なお、図27に示すように、トランジスタやキャパシタが高さ方向に重なる領域を有するようなスタック構造としてもよい。例えば、駆動回路を構成するトランジスタ4011およびトランジスタ4022を重ねて配置すれば、狭額縁の表示装置とすることができる。また、画素回路を構成するトランジスタ4010、トランジスタ4023、キャパシタ4020などが一部でも重なる領域を有するように配置すれば開口率や解像度を向上させることができる。なお、図27では図26Aに示す液晶表示装置にスタック構造を応用した例を示しているが、図26Bに示すEL表示装置に応用してもよい。
【0261】
また、画素回路において、電極や配線に可視光に対して透光性の高い導電膜を用いることで、画素内の光の透過率を高めることができ、実質的に開口率を向上させることができる。なお、OSトランジスタを用いる場合は半導体層も透光性を有するため、さらに開口率を高めることができる。これらは、トランジスタ等をスタック構造としない場合においても有効である。
【0262】
また、液晶表示装置と発光装置を組み合わせて表示装置を構成としてもよい。
【0263】
発光装置は表示面の逆側、または表示面の端部に配置される。発光装置は表示デバイスに光を供給する機能を有する。発光装置は、バックライトとも呼ぶことができる。
【0264】
ここで、発光装置は、板状またはシート状の導光部(導光板ともいう)と、異なる色の光を呈する複数の発光デバイスを有することができる。当該発光デバイスを導光部の側面近傍に配置すると、導光部側面から内部へ光を発することができる。導光部は光路を変更する機構(光取り出し機構ともいう)を有しており、これにより、発光装置は表示パネルの画素部に光を均一に照射することができる。または、導光部を設けず、画素の直下に発光装置を配置する構成としてもよい。
【0265】
発光装置は、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の発光デバイスを有することが好ましい。さらに白色(W)の発光デバイスを有していてもよい。これら発光デバイスとして発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を用いることが好ましい。
【0266】
さらに、発光デバイスは、その発光スペクトルの半値全幅(FWHM:Full Width at Half Maximum)が、50nm以下、好ましくは40nm以下、より好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20nm以下である、極めて色純度の高い発光デバイスであることが好ましい。なお、発光スペクトルの半値全幅は、小さければ小さいほどよいが、例えば1nm以上とすることができる。これにより、カラー表示を行う際に、色再現性が高い鮮やかな表示を行うことができる。
【0267】
また、赤色の発光デバイスは、発光スペクトルのピーク波長が、625nm以上650nm以下の範囲内に位置する素子を用いることが好ましい。また、緑色の発光デバイスは、発光スペクトルのピーク波長が、515nm以上540nm以下の範囲内に位置する素子を用いることが好ましい。青色の発光デバイスは、発光スペクトルのピーク波長が、445nm以上470nm以下の範囲内に位置する素子を用いることが好ましい。
【0268】
表示装置は、3色の発光デバイスを順次点滅させるとともに、これと同期させて画素を駆動し、継時加法混色法に基づいてカラー表示を行うことができる。当該駆動方法は、フィールドシーケンシャル駆動とも呼ぶことができる。
【0269】
フィールドシーケンシャル駆動では、鮮やかなカラー画像を表示することができる。また、滑らかな動画像を表示することができる。また上記駆動方法を用いることで、1つの画素を複数の異なる色の副画素で構成する必要がなく、1つの画素の有効反射面積(有効表示面積、開口率ともいう)を大きくできるため、明るい表示を行うことができる。さらに、画素にカラーフィルタを設ける必要がないため、画素の透過率も向上させることもでき、さらに明るい表示を行うことができる。また、作製工程を簡略化でき、作製コストを低減することができる。
【0270】
図28A図28Bは、フィールドシーケンシャル駆動が可能な表示装置の断面概略図の一例である。当該表示装置の第1の基板4001側にはRGB各色の発光が可能なバックライトユニットが設けられる。なお、フィールドシーケンシャル駆動では、RGB各色の時分割発光で色を表現するため、カラーフィルタは不要となる。
【0271】
図28Aに示すバックライトユニット4340aは、画素の直下に拡散板4352を介して発光デバイス4342が複数設けられた構成である。拡散板4352は、発光デバイス4342から第1の基板4001側に射出された光を拡散し、表示部面内の輝度を均一化する機能を有する。発光デバイス4342と拡散板4352との間には、必要に応じて偏光板を設けてもよい。また、拡散板4352は不要であれば設けなくてもよい。また、遮光層4132を省いた構成としてもよい。
【0272】
バックライトユニット4340aは、発光デバイス4342を多く搭載することができるため、明るい表示が可能となる。また、導光板は不要であり、発光デバイス4342の光の効率を損ないにくい利点がある。なお、必要に応じて発光デバイス4342に光拡散用のレンズ4344を設けてもよい。
【0273】
図28Bに示すバックライトユニット4340bは、画素の直下に拡散板4352を介して導光板4341が設けられた構成である。導光板4341の端部には発光デバイス4342が複数設けられる。導光板4341は、拡散板4352とは逆側に凹凸形状を有し、導波した光を当該凹凸形状で散乱して拡散板4352の方向に射出することができる。
【0274】
発光デバイス4342は、プリント基板4347に固定することができる。なお、図28Bでは、RGB各色の発光デバイス4342が重なるように図示しているが、奥行方向にRGB各色の発光デバイス4342が並ぶように配置することもできる。また、導光板4341において、発光デバイス4342とは反対側の側面には、可視光を反射する反射層4348を設けてもよい。
【0275】
バックライトユニット4340bは、発光デバイス4342を少なくすることができるため、低コストかつ薄型とすることができる。
【0276】
また、液晶デバイスには、光散乱型液晶デバイスを用いてもよい。光散乱型液晶デバイスとしては、液晶と高分子の複合材料を有する素子を用いることが好ましい。例えば、高分子分散型液晶デバイスを用いることができる。または、高分子ネットワーク型液晶(PNLC(Polymer Network Liquid Crystal))素子を用いてもよい。
【0277】
光散乱型液晶デバイスは、一対の電極で挟まれる樹脂部の3次元ネットワーク構造中に液晶部が設けられた構造である。液晶部に用いる材料としては、例えばネマティック液晶を用いることができる。また、樹脂部としては光硬化樹脂を用いることができる。光硬化樹脂は、例えば、アクリレート、メタクリレートなどの単官能モノマー、ジアクリレート、トリアクリレート、ジメタクリレート、トリメタクリレートなどの多官能モノマー、または、これらを混合させた重合性化合物を用いることができる。
【0278】
光散乱型液晶デバイスは液晶材料の屈折率の異方性を利用し、光を透過または散乱させることにより表示を行う。また、樹脂部も屈折率の異方性を有していてもよい。光散乱型液晶デバイスに印加される電圧に従って液晶分子が一定方向に配列するとき、液晶部と樹脂部の屈折率の差が小さくなる方向が発生し、当該方向に沿って入射する光は液晶部で散乱されることなく透過する。したがって、光散乱型液晶デバイスは当該方向からは透明な状態に視認される。一方で、印加される電圧に従って液晶分子の配列がランダムとなるとき、液晶部と樹脂部の屈折率の差に大きな変化が生じないため、入射する光は液晶部で散乱される。したがって、光散乱型液晶デバイスは視認の方向を問わず不透明の状態となる。
【0279】
図29Aは、図28Aの表示装置の液晶デバイス4013を光散乱型液晶デバイス4016に置き換えた構成である。光散乱型液晶デバイス4016は、液晶部および樹脂部を有する複合層4009、ならびに電極層4030、4031を有する。フィールドシーケンシャル駆動に関する要素は、図28Aと同じであるが、光散乱型液晶デバイス4016を用いる場合は、配向膜および偏光板が不要となる。なお、スペーサ4035は球状の形態で図示しているが、柱状であってもよい。
【0280】
図29Bは、図28Bの表示装置の液晶デバイス4013を光散乱型液晶デバイス4016に置き換えた構成である。図28Bの構成では、光散乱型液晶デバイス4016に電圧を印加しないときに光を透過し、電圧を印加したときに光を散乱させるモードで動作する構成とすることが好ましい。当該構成とすることで、ノーマル状態(表示をさせない状態)で透明な表示装置とすることができる。この場合は、光を散乱させる動作を行ったときにカラー表示を行うことができる。
【0281】
図29Bに示す表示装置の変形例を図30A乃至図30Eに示す。なお、図30A乃至図30Eにおいては、明瞭化のため、図29Bの一部要素を用い、他の要素を省いて図示している。
【0282】
図30Aは、基板4001が導光板としての機能を有する構成である。基板4001の外側の面には、凹凸形状を設けてもよい。当該構成では、導光板を別途設ける必要がなくなるため、製造コストを低減することができる。また、当該導光板による光の減衰もなくなるため、発光デバイス4342が射出する光を効率良く利用することができる。
【0283】
図30Bは、複合層4009の端部近傍から光を入射する構成である。複合層4009と基板4006との界面、および複合層4009と基板4001との界面での全反射を利用し、光散乱型液晶デバイスから外部に光を射出することができる。複合層4009の樹脂部には、基板4001および基板4006よりも屈折率が大きい材料を用いる。
【0284】
なお、発光デバイス4342は表示装置の一辺に設けるだけでなく、図30Cに示すように対向する二辺に設けてもよい。さらに、三辺または四辺に設けてもよい。発光デバイス4342を複数の辺に設けることで、光の減衰を補うことができ、大面積の表示デバイスにも対応することができる。
【0285】
図30Dは、発光デバイス4342から射出される光がミラー4345を介して表示装置に導光される構成である。当該構成により表示装置に一定の角度からの導光を行いやすくなるため、効率良く全反射光を得ることができる。
【0286】
図30Eは、複合層4009上に層4003および層4004の積層を有する構成である。層4003および層4004の一方はガラス基板などの支持体であり、他方は無機膜、有機樹脂のコーティング膜またはフィルムなどで形成することができる。複合層4009の樹脂部には、層4004よりも屈折率が大きい材料を用いる。また、層4004には層4003よりも屈折率が大きい材料を用いる。
【0287】
複合層4009と層4004との間には一つ目の界面が形成され、層4004と層4003との間には二つ目の界面が形成される。当該構成により、一つ目の界面で全反射されず通り抜けた光を二つ目の界面で全反射させ、複合層4009に戻すことができる。したがって、発光デバイス4342が射出する光を効率良く利用することができる。
【0288】
なお、図29Bおよび図30A乃至図30Eにおける構成は、互いに組み合わせることができる。
【0289】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0290】
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示した各トランジスタに置き換えて用いることのできるトランジスタの一例について、図面を用いて説明する。
【0291】
本発明の一態様の表示装置は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタなどの様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
【0292】
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図31A1は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ810のチャネル長方向の断面図である。図31A1において、トランジスタ810は基板771上に形成されている。また、トランジスタ810は、基板771上に絶縁層772を介して電極746を有する。また、電極746上に絶縁層726を介して半導体層742を有する。電極746はゲート電極として機能できる。絶縁層726はゲート絶縁層として機能できる。
【0293】
また、半導体層742のチャネル形成領域上に絶縁層741を有する。また、半導体層742の一部と接して、絶縁層726上に電極744aおよび電極744bを有する。電極744aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極744bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。電極744aの一部、および電極744bの一部は、絶縁層741上に形成される。
【0294】
絶縁層741は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に、半導体層742のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
【0295】
また、トランジスタ810は、電極744a、電極744bおよび絶縁層741上に絶縁層728を有し、絶縁層728の上に絶縁層729を有する。
【0296】
半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、電極744aおよび電極744bの、少なくとも半導体層742と接する部分に、半導体層742の一部から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料を用いることが好ましい。半導体層742中の酸素欠損が生じた領域はキャリア濃度が増加し、当該領域はn型化し、n型領域(n領域)となる。したがって、当該領域はソース領域またはドレイン領域として機能することができる。半導体層742に酸化物半導体を用いる場合、半導体層742から酸素を奪い、酸素欠損を生じさせることが可能な材料の一例として、タングステン、チタン等を挙げることができる。
【0297】
半導体層742にソース領域およびドレイン領域が形成されることにより、電極744aおよび電極744bと半導体層742の接触抵抗を低減することができる。よって、電界効果移動度や、しきい値電圧などの、トランジスタの電気特性を良好なものとすることができる。
【0298】
半導体層742にシリコンなどの半導体を用いる場合は、半導体層742と電極744aの間、および半導体層742と電極744bの間に、n型半導体またはp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
【0299】
絶縁層729は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層729を省略することもできる。
【0300】
図31A2に示すトランジスタ811は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ810と異なる。電極723は、電極746と同様の材料および方法で形成することができる。
【0301】
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
【0302】
電極746および電極723は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層726、絶縁層728、および絶縁層729は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極723は、絶縁層728と絶縁層729の間に設けてもよい。
【0303】
なお、電極746または電極723の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ811において、電極723を「ゲート電極」と言う場合、電極746を「バックゲート電極」と言う。また、電極723を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ811をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極746および電極723のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
【0304】
半導体層742を挟んで電極746および電極723を設けることで、更には、電極746および電極723を同電位とすることで、半導体層742においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ811のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
【0305】
したがって、トランジスタ811は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ811の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0306】
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気などに対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
【0307】
また、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトするなどの電気特性の劣化を防ぐことができる。
【0308】
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
【0309】
図31B1は、図31A1とは異なる構成のチャネル保護型のトランジスタ820のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ820は、トランジスタ810とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層741が半導体層742の端部を覆っている点が異なる。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層742と電極744aが電気的に接続している。また、半導体層742と重なる絶縁層741の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層742と電極744bが電気的に接続している。絶縁層741の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
【0310】
図31B2に示すトランジスタ821は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ820と異なる。
【0311】
絶縁層741を設けることで、電極744aおよび電極744bの形成時に生じる半導体層742の露出を防ぐことができる。よって、電極744aおよび電極744bの形成時に半導体層742の薄膜化を防ぐことができる。
【0312】
また、トランジスタ820およびトランジスタ821は、トランジスタ810およびトランジスタ811よりも、電極744aと電極746の間の距離と、電極744bと電極746の間の距離が長くなる。よって、電極744aと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極744bと電極746の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
【0313】
図31C1は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタ825のチャネル長方向の断面図である。トランジスタ825は、絶縁層741を用いずに電極744aおよび電極744bを形成する。このため、電極744aおよび電極744bの形成時に露出する半導体層742の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層741を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
【0314】
図31C2に示すトランジスタ826は、絶縁層729上にバックゲート電極として機能できる電極723を有する点が、トランジスタ825と異なる。
【0315】
図32A1乃至図32C2にトランジスタ810、811、820、821、825、826のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0316】
図32B2図32C2に示す構造では、ゲート電極とバックゲート電極とが接続され、ゲート電極とバックゲート電極との電位が同電位となる。また、半導体層742は、ゲート電極とバックゲート電極と挟まれている。
【0317】
ゲート電極およびバックゲート電極のそれぞれのチャネル幅方向の長さは、半導体層742のチャネル幅方向の長さよりも長く、半導体層742のチャネル幅方向全体は、絶縁層726、741、728、729を間に挟んでゲート電極およびバックゲート電極に覆われた構成である。
【0318】
当該構成とすることで、トランジスタに含まれる半導体層742を、ゲート電極およびバックゲート電極の電界によって電気的に取り囲むことができる。
【0319】
トランジスタ821またはトランジスタ826のように、ゲート電極およびバックゲート電極の電界によって、チャネル形成領域が形成される半導体層742を電気的に取り囲むトランジスタのデバイス構造をSurrounded channel(S-channel)構造と呼ぶことができる。
【0320】
S-channel構造とすることで、ゲート電極およびバックゲート電極の一方または双方によってチャネルを誘起させるための電界を効果的に半導体層742に印加することができるため、トランジスタの電流駆動能力が向上し、高いオン電流特性を得ることが可能となる。また、オン電流を高くすることが可能であるため、トランジスタを微細化することが可能となる。また、S-channel構造とすることで、トランジスタの機械的強度を高めることができる。
【0321】
〔トップゲート型トランジスタ〕
図33A1に例示するトランジスタ842は、トップゲート型のトランジスタの1つである。電極744aおよび電極744bは、絶縁層728および絶縁層729に形成した開口部において半導体層742と電気的に接続する。
【0322】
また、電極746と重ならない絶縁層726の一部を除去し、電極746と残りの絶縁層726をマスクとして用いて不純物を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる。トランジスタ842は、絶縁層726が電極746の端部を越えて延伸する領域を有する。半導体層742の絶縁層726を介して不純物が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層726を介さずに不純物が導入された領域よりも小さくなる。よって、半導体層742は、絶縁層726と重なる領域であって、電極746と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
【0323】
図33A2に示すトランジスタ843は、電極723を有する点がトランジスタ842と異なる。トランジスタ843は、基板771の上に形成された電極723を有する。電極723は、絶縁層772を介して半導体層742と重なる領域を有する。電極723は、バックゲート電極として機能することができる。
【0324】
また、図33B1に示すトランジスタ844および図33B2に示すトランジスタ845のように、電極746と重ならない領域の絶縁層726を全て除去してもよい。また、図33C1に示すトランジスタ846および図33C2に示すトランジスタ847のように、絶縁層726を残してもよい。
【0325】
トランジスタ842乃至トランジスタ847も、電極746を形成した後に、電極746をマスクとして用いて不純物を半導体層742に導入することで、半導体層742中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
【0326】
図34A1乃至図34C2にトランジスタ842、843、844、845、846、847のチャネル幅方向の断面図をそれぞれ示す。
【0327】
トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847は、それぞれ先に説明したS-channel構造である。ただし、これに限定されず、トランジスタ843、トランジスタ845、およびトランジスタ847をS-channel構造としなくてもよい。
【0328】
本実施の形態は、他の実施の形態などに記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【0329】
(実施の形態4)
本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機などが挙げられる。これら電子機器の具体例を図35に示す。
【0330】
図35Aはデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、スピーカ967、表示部965、操作キー966、ズームレバー968、レンズ969等を有する。表示部965に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0331】
図35Bは携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、スピーカ913、操作ボタン914、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。表示部912に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0332】
図35Cは携帯電話機であり、筐体951、表示部952、操作ボタン953、外部接続ポート954、スピーカ955、マイク956、カメラ957等を有する。当該携帯電話機は、表示部952にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部952に触れることで行うことができる。また、筐体951および表示部952は可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができる。表示部952に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0333】
図35Dはビデオカメラであり、第1筐体901、第2筐体902、表示部903、操作キー904、レンズ905、接続部906、スピーカ907等を有する。操作キー904およびレンズ905は第1筐体901に設けられており、表示部903は第2筐体902に設けられている。表示部903に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0334】
図35Eはテレビであり、筐体971、表示部973、操作ボタン974、スピーカ975、通信用接続端子976、光センサ977等を有する。表示部973にはタッチセンサが設けられ、入力操作を行うこともできる。表示部973に本発明の一態様の表示装置を用いることで、様々な画像の表示を行うことができる。
【0335】
図35Fはデジタルサイネージであり、大型の表示部922を有する。デジタルサイネージは、例えば、柱921の側面に大型の表示部922が取り付けられる。表示部922に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
【0336】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
【符号の説明】
【0337】
10:画素、11:回路、11a:昇圧部、11A:回路、11b:選択回路、11B:回路、11c:選択回路、12:ソースドライバ、12a:ソースドライバ、12A:ソースドライバ、12b:ソースドライバ、12B:ソースドライバ、13:ゲートドライバ、13A:ゲートドライバ、13B:ゲートドライバ、15:表示領域、16:選択回路、20:回路、21:回路、101:トランジスタ、102:トランジスタ、103:トランジスタ、104:キャパシタ、111:トランジスタ、112:トランジスタ、113:キャパシタ、114:キャパシタ、116:トランジスタ、117:トランジスタ、118:トランジスタ、119:トランジスタ、121:配線、122:配線、123:配線、124:配線、125:配線、126:配線、127:配線、129:配線、131:トランジスタ、132:トランジスタ、133:トランジスタ、134:トランジスタ、141:キャパシタ、142:液晶デバイス、143:トランジスタ、144:トランジスタ、145:トランジスタ、146:キャパシタ、147:発光デバイス、148:トランジスタ、149:トランジスタ、151:配線、152:配線、153:配線、154:配線、155:配線、156:配線、160:回路、161:回路、215:表示部、221a:走査線駆動回路、231a:信号線駆動回路、232a:信号線駆動回路、241a:共通線駆動回路、723:電極、726:絶縁層、728:絶縁層、729:絶縁層、741:絶縁層、742:半導体層、744a:電極、744b:電極、746:電極、771:基板、772:絶縁層、810:トランジスタ、811:トランジスタ、820:トランジスタ、821:トランジスタ、825:トランジスタ、826:トランジスタ、842:トランジスタ、843:トランジスタ、844:トランジスタ、845:トランジスタ、846:トランジスタ、847:トランジスタ、901:筐体、902:筐体、903:表示部、904:操作キー、905:レンズ、906:接続部、907:スピーカ、911:筐体、912:表示部、913:スピーカ、914:操作ボタン、919:カメラ、921:柱、922:表示部、951:筐体、952:表示部、953:操作ボタン、954:外部接続ポート、955:スピーカ、956:マイク、957:カメラ、961:筐体、962:シャッターボタン、963:マイク、965:表示部、966:操作キー、967:スピーカ、968:ズームレバー、969:レンズ、971:筐体、973:表示部、974:操作ボタン、975:スピーカ、976:通信用接続端子、977:光センサ、4001:基板、4003:層、4004:層、4005:シール材、4006:基板、4008:液晶層、4009:複合層、4010:トランジスタ、4011:トランジスタ、4013:液晶デバイス、4014:配線、4015:電極、4016:光散乱型液晶デバイス、4017:電極、4018:FPC、4019:異方性導電層、4020:キャパシタ、4021:電極、4022:トランジスタ、4023:トランジスタ、4030:電極層、4031:電極層、4032:絶縁層、4033:絶縁層、4035:スペーサ、4041:プリント基板、4042:集積回路、4102:絶縁層、4103:絶縁層、4104:絶縁層、4110:絶縁層、4111:絶縁層、4112:絶縁層、4131:着色層、4132:遮光層、4133:絶縁層、4200:入力装置、4210:タッチパネル、4227:電極、4228:電極、4237:配線、4238:配線、4239:配線、4263:基板、4272b:FPC、4273b:IC、4340a:バックライトユニット、4340b:バックライトユニット、4341:導光板、4342:発光デバイス、4344:レンズ、4345:ミラー、4347:プリント基板、4348:反射層、4352:拡散板、4510:隔壁、4511:発光層、4513:発光デバイス、4514:充填材
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図17D
図18A
図18B
図18C
図18D
図19A
図19B
図19C
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図24C
図25A
図25B
図26A
図26B
図27
図28A
図28B
図29A
図29B
図30A
図30B
図30C
図30D
図30E
図31A1
図31A2
図31B1
図31B2
図31C1
図31C2
図32A1
図32A2
図32B1
図32B2
図32C1
図32C2
図33A1
図33A2
図33B1
図33B2
図33C1
図33C2
図34A1
図34A2
図34B1
図34B2
図34C1
図34C2
図35A
図35B
図35C
図35D
図35E
図35F