(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】重金属非溶出性スパイラルフィルタモジュールおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B01D 63/10 20060101AFI20240513BHJP
B01D 63/00 20060101ALI20240513BHJP
D01F 8/14 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B01D63/10
B01D63/00 510
D01F8/14 A
D01F8/14 B
(21)【出願番号】P 2021043887
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2021-03-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2020-0046776
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520080171
【氏名又は名称】東レ尖端素材株式会社
【氏名又は名称原語表記】TORAY ADVANCED MATERIALS KOREA INC.
【住所又は居所原語表記】(Imsu-dong)300,3gongdan 2-ro,Gumi-si,Gyeongsangbuk-do 39389(KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ サン グン
(72)【発明者】
【氏名】ホン サン ピョ
【合議体】
【審判長】日比野 隆治
【審判官】金 公彦
【審判官】後藤 政博
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0103541(KR,A)
【文献】特開2017-939(JP,A)
【文献】特開2007-167783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/22
B01D 61/00-71/82
C02F 1/44
D04B 1/00- 1/28
D04B 21/00-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離膜シート、
前記分離膜シートに付着するろ過水流路チャネルシートであって、ポリエステル繊維を含み、下記の測定方法により測定した原子量63g/molから200g/molまで、密度4g/cm
3以上である重金属溶出量が1ppb以下である重金属非溶出原反を含むろ過水流路チャネルシート、および
流入水流路チャネルシートを含む、スパイラルフィルタモジュールであって、前記スパイラルフィルタモジュールは、前記分離膜シート、前記ろ過水流路チャネルシート、および
前記流入水流路チャネルシートが順次それぞれ1層以上交互に積層されてスパイラル状に巻き取られたものであ
り、
前記重金属非溶出原反は、前記ポリエステル繊維を製編したトリコット原反であり、前記ポリエステル繊維はシース/コア繊維であって、コア部ポリエステル樹脂の融点がシース部ポリエステル樹脂の融点より高く、前記重金属非溶出原反は、前記ポリエステル繊維の少なくとも一部がシース部の間に融着して形成されたことを特徴とする、スパイラルフィルタモジュール:
[測定方法]
純度99.9%以上の脱イオン水(DI water)1,000gに前記重金属非溶出原反を0.7gの重さで裁断した試片を100時間沈積した後取り出し、前記脱イオン水に溶出した金属元素の濃度を測定する。
【請求項2】
前記シース部ポリエステル樹脂は融点が150℃から220℃までであることを特徴とする、請求項
1に記載のスパイラルフィルタモジュール。
【請求項3】
前記コア部ポリエステル樹脂および前記シース部ポリエステル樹脂は、チタン(Ti)系触媒のみを含む重合触媒を使って重合されたことを特徴とする、請求項
1に記載のスパイラルフィルタモジュール。
【請求項4】
前記ポリエステル繊維にはアンチモン(Antimony、Sb)が1ppm以下の含量で含まれていることを特徴とする、請求項1に記載のスパイラルフィルタモジュール。
【請求項5】
前記スパイラルフィルタモジュールは、前記分離膜シートを含む第1分離膜シート、前記ろ過水流路チャネルシート、前記分離膜シートを含む第2分離膜シート、および流入水流路チャネルシートが順次それぞれ1層以上交互に積層されてスパイラル状に巻き取られたことを特徴とする、請求項1に記載のスパイラルフィルタモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は重金属非溶出性スパイラルフィルタモジュールおよびその製造方法に関し、具体的には、水に沈積時に重金属溶出量が顕著に低下して安全な飲用水の製造用フィルタとして使用できるスパイラルフィルタモジュールおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浄水および下/廃水の処理技術が発達するにつれて、従来の砂ろ過方式から分離膜を利用した膜ろ過方式に処理技術の方向が変化している。
【0003】
このような水処理用分離膜技術は、膜の気孔の大きさ、気孔の分布および膜表面の電荷により処理水の中に存在する処理対象物質をほぼ完ぺきに分離除去するための高度な分離ろ過水処理技術である。
【0004】
このような水処理技術の核心部品である水処理用分離膜は、その気孔の大きさによって精密ろ過膜(microfilter,MF)、限外ろ過膜(Ultrafilter,UF)、ナノ分離膜(Nanofilter,NF)および逆浸透膜(Reverse Osmosis,RO)に分類される。水処理分野において、良質の飲用水および工業用水の生産、下/廃水処理および再利用、無放流システムの開発に関連した清浄生産工程など、その応用範囲が拡大している。このような水処理ろ過膜技術は、水質の汚染が深刻化する最近の状況につれて近ごろ注目される核心技術であって、一般の人々が浄水処理されて供給された水道水を再び浄水器を通じて再処理して食用として使用しているため、技術の開発がさらに要求されているのが実情である。
【0005】
一方、浄水器システムはフィルタモジュール、前処理および後処理フィルタ、ポンプ、配管、タンクおよびその他補助装置で構成されており、このようなシステムを構成する要素のうち最も重要なものがフィルタモジュールである。
【0006】
このようなフィルタモジュールの種類としては平板型、中空糸型、管状型、スパイラル型などが商業化されており、単位面積当たり分離膜の挿入密度が高く、水中のイオンを除去できるスパイラル型分離膜モジュールに対する研究が主に進行されている。
【0007】
前記スパイラルフィルタモジュールは分離膜と流路チャネルがスパイラル状に巻き取られている形態で形成され得、このときポリエステル原反を使うろ過水流路チャネルは主にアンチモン(Antimony,Sb)系触媒を使って縮合重合したポリエステル繊維を含むが、長時間停滞していたろ過水はアンチモンが溶出して安定上の問題がある。したがって、より安全な飲用水を提供するために重金属の溶出を抑制できる技術の開発が必要であるのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】韓国特許公開第2017-0112994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は前述した問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の課題は、飲用水の製造のためのフィルタであって、ろ過水に溶出する重金属の含量を顕著に減少させ得るスパイラルフィルタモジュールおよびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決するために、本発明はポリエステル繊維を含み、下記の測定方法により測定した原子量63g/molから200g/molまで、密度4g/cm3以上である重金属溶出量が1ppb以下である重金属非溶出原反を含むろ過水流路チャネルシート、および分離膜シート、および流入水流路チャネルシートを含むスパイラルフィルタモジュールを提供する。
【0011】
[測定方法]
純度99.9%以上の脱イオン水(DI water)1,000gに前記重金属非溶出原反を0.7gの重さで裁断した試片を100時間沈積した後取り出し、前記脱イオン水に溶出した金属元素の濃度を測定する。
【0012】
本発明の好ましい一実施例において、前記重金属非溶出原反は前記ポリエステル繊維を製編したトリコット原反であり得る。
【0013】
本発明の好ましい一実施例において、前記ポリエステル繊維はシース/コア繊維であって、コア部ポリエステル樹脂の融点がシース部ポリエステル樹脂の融点より高いものであり得る。
【0014】
本発明の好ましい一実施例において、前記シース部ポリエステル樹脂は融点が150℃から220℃までであり得る。
【0015】
本発明の好ましい一実施例において、前記コア部ポリエステル樹脂および前記シース部ポリエステル樹脂はチタン(Ti)系触媒のみを含む重合触媒を使って重合されたものであり得る。
【0016】
本発明の好ましい一実施例において、前記ポリエステル繊維にはアンチモン(Antimony、Sb)が1ppm以下の含量で含まれていてもよい。
【0017】
本発明の好ましい一実施例において、前記スパイラルフィルタモジュールは前記分離膜シートを含む第1分離膜シート、前記ろ過水流路チャネルシート、前記分離膜シートを含む第2分離膜シート、および流入水流路チャネルシートが順次それぞれ1層以上交互に積層されてスパイラル状に巻き取られたものであり得る。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るスパイラルフィルタモジュールによると、前記フィルタモジュール内に水が停滞している時間が長くなってもフィルタによってろ過した水に溶出した重金属の濃度を顕著に低下させて安全な飲用水を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】
図1は、本発明に係る重金属非溶出原反と比較例に係るポリエステルトリコット原反に対するアンチモン溶出テスト結果を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明についてより詳細に説明することにする。
【0021】
前述した通り、従来のスパイラルフィルタモジュールの場合には、ろ過水流路チャネルシート用原反からろ過水に重金属が溶出して飲用水を汚染させる問題があった。
【0022】
そこで、本発明ではポリエステル繊維を含み、下記の測定方法により測定した原子量63g/molから200g/molまで、密度4g/cm3以上重金属溶出量が1ppb以下である重金属非溶出原反を含むろ過水流路チャネルシート、分離膜シート、および流入水流路チャネルシートを含むスパイラルフィルタモジュールを提供してこのような問題点の解決を図った。
【0023】
[測定方法]
純度99.9%以上の脱イオン水(DI water)1,000gに前記重金属非溶出原反を0.7gの重さで裁断した試片を100時間沈積した後取り出し、前記脱イオン水に溶出した金属元素の濃度を測定する。
【0024】
環境部の2017飲料水の水質基準解説書によると、飲用水に含まれた濃度水質基準項目として登録された重金属は、鉛(lead、Pb)、水銀(mercury、Hg)、クロム(chrome、Cr)、カドミウム(cadmium、Cd)および銅(copper、Cu)があり、飲料水の水質監視項目として登録された重金属は、アンチモン(antimony、Sb)、ウラン(uranium、Ur)がある。このうち特にアンチモンは、消化器系の刺激および火傷、腹痛、嘔吐、下痢、低血圧などが誘発され得、皮膚刺激などを誘発する有害な特性を有する成分である。このようなアンチモンは飲用水の他の汚染物質を除去するために、フィルタを使って流入水をろ過する過程でフィルタモジュールに使われるろ過水流路チャネルのポリエステル成分製造時に残留するアンチモン触媒成分から溶出しやすいため、特に注意すべき重金属成分である。
【0025】
前記2017飲料水の水質基準解説書によると、アンチモンの水質監視基準は約20ppb以下の含量で含まれていなければならない。
【0026】
ポリエステル繊維は主に酸(dicarboxylic acid)成分とジオール(diol)成分をエステル化反応(縮合重合反応)して製造することになるが、この時、工業的にアンチモン系触媒を主に使う。
【0027】
アンチモン系触媒としては、三酸化アンチモン(Sb2O3)、シュウ酸アンチモン(Antimony oxalate)、アンチモングルコキシド(Antimony glucoxide)およびアンチモンブトキシド(Antimony butoxide)がある。このようなアンチモン系触媒を使ってポリエステル繊維を重合する場合、製造後残留するアンチモン触媒によってフィルタモジュールに含まれたアンチモンがフィルタの利用過程でろ過水に溶出する問題があった。
【0028】
このようなアンチモン系触媒を使って重合したポリエステル繊維は、スパイラルフィルタモジュールで分離膜と分離膜間に位置するろ過水流路チャネルに使われるが、このような流路チャネルはシート形態の原反で提供され、分離膜間でろ過水が移動する水路の役割をする。
【0029】
本発明は、ろ過水流路チャネルシートとして前記のように低い重金属溶出量を有するポリエステル繊維を含む重金属非溶出原反を含んだものを使うことによって、環境部告示の飲料水の水質監視項目基準を充足することができ、飲用水として安全な水を提供することができる。
【0030】
万が一、前記測定方法にしたがって測定した溶出量が1ppbを越える場合、浄水器を休暇、旅行などの理由で長期間放置する場合、フィルタ内に残留していた流入水に溶出する重金属の含量が増加して環境部告示の水質監視基準を充足することができないなど、安全な飲用水として使用し難くなる問題が発生し得る。
【0031】
以下、本発明の各構成別にさらに詳細に説明する。
本発明はスパイラルフィルタモジュールに関し、核心的な構成は分離膜シートとろ過水流路チャネルシートである。
【0032】
1.分離膜シート
分離膜は前述した通り、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノ分離膜、逆浸透膜などの分離膜を意味し、流入水内に存在する汚染物質をろ過する実質的な役割をする。分離膜内には微細な気孔が存在して汚染物質を吸着することによってろ過する作用をする。
【0033】
このような分離膜は、それぞれフィルタモジュールの使用用途に応じて精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノ分離膜、逆浸透膜などの分離膜の中で選択して使うことができる。
【0034】
前記分離膜は好ましくは、多孔性支持体層と前記多孔性支持体層の少なくとも一面上に形成されたポリアミド層を含むことができる。
【0035】
前記多孔性支持体層は好ましくは、不織布または織物であり得る。
【0036】
また、前記多孔性支持体層は好ましくは、100μm~250μmの厚さを有するものであり得る。万が一、多孔性支持体層の厚さが100μm未満である場合、分離膜シート-流路チャネルシートの積層体の厚さが過度に薄くなってフィルタの耐久性が減少し得る。また、その厚さが250μmを超過する場合には、前記多孔性支持体層の空隙内に浸透して形成されたポリアミド層の厚さが過度に厚くなるため、ろ過水の透過流量が減少する問題点が存在し得る。
【0037】
2.ろ過水流路チャネルシート
ろ過水流路チャネルシートは前記分離膜シートに付着してろ過水が通過する通路を提供する。
【0038】
前記ろ過水流路チャネルシートは多孔性シートであり、ポリエステル繊維を含む重金属非溶出原反を含む。
【0039】
「重金属非溶出」とは、重金属が全く溶出しないことを意味するものではなく、下記の測定方法にしたがって重金属溶出量を測定した時、溶出量が1ppb以下の低濃度で溶出する程度の水準を意味する。
【0040】
[測定方法]
前記重金属非溶出原反を0.7gの重さを有する試片に製作した後、純度99.9%以上の脱イオン水(DI water)1,000gに前記重金属非溶出原反を100時間沈積した後取り出し、残った脱イオン水に溶出した金属元素の濃度を測定する。
【0041】
本明細書で重金属とは、63g/mol~200g/molの原子量を有し、4g/cm3以上の密度を有する金属元素を示す。
【0042】
好ましくは、重金属溶出量は前記測定方法によって測定したアンチモン((Antimony、Sb)、原子量:121.760g/mol、密度:6.697g/cm3)の溶出量を意味するものであり得る。
【0043】
前記のように、低い重金属溶出量を有することによってフィルタ内に残留する水に溶出する重金属の濃度を顕著に低くすることができ、安全な飲用水を提供するのに適合なフィルタを具現することができる。従来のフィルタの場合には、浄水器に使う場合、旅行をするなどして浄水器を長期間使わない場合、フィルタ内に長時間溜まっているろ過水に重金属溶出量が増加して水質監視項目基準を超過することになる問題があった。
【0044】
本発明の好ましい一実施例において、前記重金属非溶出原反は前記ポリエステル繊維を製織した織物、製編した編物であるか、前記ポリエステル繊維を含む不織布であり得る。好ましくは、前記ポリエステル繊維を製編したトリコット原反であり得る。
【0045】
前記ポリエステル繊維は好ましくは、重金属非溶出ポリエステル繊維であり得る。さらに好ましくは、アンチモン非溶出ポリエステル繊維であり得る。すなわち、前記ポリエステル繊維は好ましくは、アンチモンの含量が従来のポリエステル繊維に比べて顕著に低いポリエステル繊維であり得る。
【0046】
前記ポリエステル繊維は好ましくは、酸(dicarboxylic acid)成分とジオール(diol)成分をアンチモン系触媒を含まない重合触媒を使って重合したポリエステル樹脂を放射して形成されたものであり得る。
【0047】
好ましくは、前記重合触媒はチタン(Ti)系触媒からなるものであり得る。すなわち、前記重合触媒はチタン系触媒のみを含むものであり得る。
【0048】
前記チタン系触媒は好ましくは、下記の化学式1で表示される化合物を含むことができる。
【0049】
[化学式1]
(MxO)a(TiO2)[(CH2)yOH]b
【0050】
前記化学式1において、Mはリチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)、ルビジウム(Rb)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)およびバリウム(Ba)の中から選択されるいずれか一つのアルカリ系金属であり、xは1または2、aは0.001≦a≦0.1を満足する有理数であり、yは1≦y≦10を満足する整数、bは1≦b≦100を満足する有理数である。
【0051】
その結果、前記ポリエステル系繊維は好ましくは、アンチモンを1ppb以下の含量で含んでもよく、これによって前記測定方法によるアンチモン溶出量を顕著に低下させ得る。
【0052】
前記ポリエステル繊維は好ましくは、シース/コア複合繊維であるものの、コア部ポリエステル樹脂の融点がシース部ポリエステル樹脂の融点より高いものであり得る。シース/コア繊維は繊維の中心部をなすコア部および前記コア部周囲を囲む形態で形成されたシース部からなる複合繊維を意味する。
【0053】
これを通じて従来のポリエステル繊維を含む流路チャネルシートに比べて強度の優秀なシートを提供することができる。
【0054】
好ましくは、前記シース部のポリエステル樹脂は融点が150℃~220℃である低融点ポリエステル樹脂であり得る。また、コア部のポリエステル樹脂は融点が好ましくは、200℃~300℃であり得る。
【0055】
前記シース部ポリエステル樹脂およびコア部ポリエステル樹脂は通常複合繊維のシース部およびコア部に使われる樹脂であって、当業界で使われるものであれば制限されない。
【0056】
好ましくは、前記シース部ポリエステル樹脂はチタン系触媒を含み、アンチモン系触媒を含まない重合触媒の存在下で酸成分とジオール成分をエステル化反応および縮合重合して製造されたものであり得る。
【0057】
好ましくは、前記シース部ポリエステル樹脂は200℃から300℃までの温度条件で、好ましくは230℃から270℃までの温度条件で前記酸成分および前記ジオール成分を1:0.8~1:2.2のモル比で、好ましくは1:1~1:2のモル比で混合した混合物を前記混合物100重量部に対して前記重合触媒を2ppm~500ppm、好ましくは50ppm~200ppm添加してエステル化反応を遂行し、引き続き230℃から320℃までの温度で、好ましくは260℃から305℃までの温度で縮合重合反応を遂行してシース部ポリエステル樹脂を製造する段階を含んで製造され得る。
【0058】
常時シース部ポリエステル樹脂の重合に使われる酸成分は好ましくは、テレフタル酸(terephthalic acid、TPA)およびイソフタル酸(isophthalic acid、IPA)のうち選択された1種以上を含むことができる。また、前記ジオール成分は好ましくは、1,2-エタンジオール(1,2-ethandiol)、1,3-プロパンジオール(1,3-propandiol)、1,4-ブタンジオール(1,4-butandiol)およびイソプロパノール(isopropanol)のうち選択された1種以上を含んでもよい。
【0059】
しかし、前記酸成分化合物とジオール成分化合物は前記列挙されたものに限定されず、前述したシース部ポリエステル樹脂の物性を満足するように製造できるものとして当業界で一般的に使われるポリエステル重合単量体として使われるもののうち制限なく選択することができる。
【0060】
万が一、前記エステル化反応を進行する温度条件が200℃未満である場合、混合物および触媒との反応熱が不足して重縮合反応が発生できないか、低分子量の重縮合物が形成されて強度が低く繊維化が難しい問題が発生し得、300℃を超過すると、高い反応熱によって重縮合物の分解が起きるため目的とする高分子量の重縮合物の確保が困難であるか、分解反応の他に高い反応熱によって生成されるジエチレングリコールグリコールおよび各種ダイマー類の副反応物の生成で形成された重縮合物の強度が低下し黄変が発生する問題が発生し得る。
【0061】
また、万が一、前記重縮合反応を遂行する温度が230℃未満であると、混合物および触媒との反応熱が不足して重縮合反応が発生できないか、低分子量の重縮合物が形成されて強度が低く繊維化が難しい問題が発生し得、温度が320℃を超過する場合には熱分解が起きるなど、重金属非溶出ポリエステル原反の物性が弱化する原因となり得る。
【0062】
また、万が一、酸成分およびアルコール成分のモル比が1:0.8未満であると、目的とする高分子量の重縮合物の製造が困難であるか、製造された重縮合物の繊維化が難しい問題が発生し得、モル比が1:2.2を超過すると副産物が過多に発生して未反応物の残留により紡糸工程で糸切れとパック圧の上昇を誘導して紡糸作業性が顕著に低下し得る問題が発生し得る。
【0063】
また、万が一、添加される触媒が前記酸成分化合物とジオール成分化合物の混合物100重量部に対して2ppm未満であると、反応性の低下によってシース部ポリエステル樹脂の製造が難しい問題が発生し得、500ppmを超過すると反応性は促進されるが黄変による着色現象が高くなる問題が発生し得る。
【0064】
一方、前記触媒は前記エステル化反応の初期に添加され得るが、これに伴い、反応活性化時間が遅くなる問題が発生し得、これを補完するために重合前に前記触媒を窒素雰囲気下で140℃から200℃まで、好ましくは150℃から190℃までの温度条件で1時間~3時間の間、好ましくは1.5時間~2.5時間の間予熱して活性度を高め得るものの、温度と時間条件はこれに制限されはしない。
【0065】
また、本発明の好ましい一実施例において、コア部ポリエステル樹脂はチタン系触媒を含み、アンチモン系触媒を含まない重合触媒の存在下で酸成分化合物およびジオール成分化合物を縮合重合して製造することができる。具体的には、前記コア部ポリエステル樹脂は200~で300℃の温度条件で、好ましくは230℃から270℃までの温度条件で酸成分化合物およびジオール成分化合物を1:1から1:2までのモル比で、好ましくは1:1.1から1:1.9までのモル比で混合し、前記混合物100重量部に対して前記重合触媒を2ppmから500ppmまで、好ましくは50ppmから200ppmまで添加してエステル化反応を遂行し、引き続き230℃から320℃までの温度で、好ましくは260℃から305℃までの温度で縮合重合反応を遂行してコア部ポリエステル樹脂を製造する段階を遂行して製造することができる。
【0066】
前記縮合重合反応には追加的に補色剤または熱安定剤が添加され得る。前記補色剤としては、コバルトアセテート、アントラキノン(anthraquinone)系染料などがある。前記補色剤は前記シース部ポリエステル樹脂重量対比10ppmから200ppmまで添加され得、補色剤の含量が10ppm未満の場合、所定の色相を得ることが難しく、200ppmを超過する場合、特にコバルトアセテート含量の増加によって色度値が低下してポリエステルの色度が暗くなり、光沢が減少し得る。一方、アントラキノン系染料を使う場合には前記シース部ポリエステル樹脂重量対比0.01ppmから10ppmまで添加され得、前記アントラキノン系染料の含量が0.01ppm未満の場合、所定の色相を得ることが難しくなり得、10ppmを超過する場合には色相がグリーン(Green)や濃い青色系統に近くなるため使用が難しい問題が発生し得る。好ましくは、補色剤としてアントラキノン系染料を使用することはできるものの、これに制限されるものではない。
【0067】
また、前記熱安定剤の例にはTPP(triphenylphosphate)、TEP(triethylphosphate)、H3PO4(Phosphoric Acid)およびTMP(trimethylphosphate)のうち選択された1種以上が使われ得る。前記熱安定剤は前記シース部ポリエステル樹脂重量対比100ppmから400ppm添加され得、熱安定剤の含量が100ppm未満であると、熱安定剤としての機能の発揮が難しく、後加工時に熱分解要因として作用し得、熱安定剤の含量が400ppmを超過すると熱安定性は向上するものの、前記重合反応の反応性阻害要因として作用し得る。しかし、含量の範囲は必ずしもこれに制限されるものではない。
【0068】
前記コア部ポリエステル樹脂に重合される酸成分化合物は好ましくは、テレフタル酸およびイソフタル酸の中から選択される1種以上を含むことができ、前記ジオール成分化合物は1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオールおよびイソプロパノールのうち選択された1種以上を含むことができる。しかし、必ずしもこれに制限されるものではなく、当業界でポリエステル繊維、特にポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)繊維の製造に使われる単量体化合物の中で制限なく選択することができる。
【0069】
万が一、前記酸成分化合物とジオール成分化合物の混合モル比が1:1未満であると、目的とする高分子量の重縮合物の製造が困難であるか、製造された重縮合物の繊維化が難しい問題が発生し得、モル比が1:2を超過すると副産物が過多に発生して未反応物の残留により紡糸工程で糸切れとパック圧の上昇を誘導して紡糸作業性が顕著に低下し得る問題が発生し得る。
【0070】
また、万が一、添加される触媒が前記酸成分化合物とジオール成分化合物の混合物100重量部に対して2ppm未満であると、反応性の低下によってコア部ポリエステル樹脂の製造が難しい問題が発生し得、500ppmを超過すると反応性は促進されるが黄変による着色現象が高くなる問題が発生し得る。
【0071】
また、万が一、前記縮合重合反応を遂行する温度が230℃未満である場合、コア部ポリエステル樹脂の融点より低い温度で縮合反応が起きない問題が発生し得、温度が320℃を超過すると実際に高温による分解反応によって高分子量の樹脂を確保することが難しく、高温による反応中に樹脂の炭化が発生するなどの問題が発生し得る。
【0072】
一方、前記触媒は前記エステル化反応の初期に添加され得るが、これに伴い、反応活性化時間が遅くなる問題が発生し得、これを補完するために重合前に前記触媒を窒素雰囲気下で140℃から200℃まで、好ましくは150℃から190℃までの温度条件で1時間から3時間までの時間の間、好ましくは1.5時間から2.5時間までの時間の間予熱して活性度を高め得るものの、これに制限されはしない。
【0073】
また、前記重合反応には補色剤、熱安定剤などが共に添加され得るが、補色剤としてはコバルトアセテート、アントラキノン系染料などが使われ得る。前記補色剤は前記コア部ポリエステル樹脂重量対比10ppmから200ppmまで添加することができ、補色剤の含量が万が一、10ppm未満であると、所定の色相を得ることができず、200ppmを超過する場合には特にコバルトアセテート含量の増加によって色度値が低下してポリエステルの色度が暗く(dark)、光沢が減少し得る。一方アントラキノン系染料を使う場合、前記コア部ポリエステル樹脂重量対比0.01ppmから10ppmまで添加することができ、前記アントラキノン系染料の含量が0.01ppm未満の場合、所定の色相を得ることが難しく、10ppmを超過する場合には色相がグリーン(Green)や濃い青色系統に近くなるため使用が難しい問題が発生し得る。好ましくは、補色剤としてアントラキノン系染料を使用することはできるものの、これに制限されるものではない。また、前記熱安定剤としてはTPP(triphenylphosphate)、TEP(triethylphosphate)、H3PO4(Phosphoric Acid)およびTMP(Trimethylphosphate)のうち選択された1種以上が使われ得る。前記熱安定剤は100ppmから400ppmまで添加することができ、100ppm未満であると、熱安定剤として機能の発揮が難しく、後加工時に熱分解要因として作用し得、400ppmを超過すると、熱安定性は優秀であるものの前記重合反応の反応性阻害要因として作用する問題が発生し得るが、これに制限されるものではない。
【0074】
前記シース部ポリエステル樹脂およびコア部ポリエステル樹脂のエステル化反応は好ましくは、1,000torrから1,300torrまでの圧力下で遂行され得、最終圧力が0.3torrから0.7torrの圧力になるまで徐々に減圧しながら縮合重合反応を遂行できるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0075】
本発明のポリエステル繊維は前記シース部ポリエステル樹脂およびコア部ポリエステル樹脂を複合紡糸して製造することができる。複合紡糸段階では前記シース部ポリエステル樹脂およびコア部ポリエステル樹脂を1:0.67から1:1.43までの重量比で、好ましくは1:0.8から1:1.25までの重量比で溶融紡糸して遂行できる。
【0076】
本発明に係る流路チャネルシートの重金属非溶出原反は前記ポリエステル繊維を製織、製編するか不織布で製造する方式で製造する。
【0077】
また、好ましくは前記重金属非溶出原反の製造段階で熱処理を遂行できる。
【0078】
好ましくは、前記熱処理段階前に複合紡糸したポリエステル繊維を冷却させる段階および前記冷却させた紡糸物を延伸させる段階をさらに含むことができるが、必ずしもこれに制限されるものではない。
【0079】
前記熱処理は前記シース部ポリエステル樹脂の融点以上の温度で10秒から10分間遂行され得、好ましくは150℃~250℃で、さらに好ましくは、170℃~250℃の温度で遂行され得る。遂行時間は好ましくは、10秒から5分の間、さらに好ましくは、30秒から3分間遂行され得る。このような熱処理を通じて、前記ポリエステル繊維のシース部の少なくとも一部が溶融して繊維間に融着が発生し得る。したがって、完成されたろ過水流路チャネルシートの機械的強度と耐久性が向上し、孔隙の大きさを調節することができる。
【0080】
万が一、前記熱処理温度がシース部ポリエステル樹脂の融点未満であると、シース部が溶融しないため重金属非溶出原反の強度が悪くなる問題が発生し得、250℃を超過するとシース部およびコア部ポリエステル樹脂がともに溶融する問題が存在し得る。また、万が一、前記熱処理時間が10秒未満の場合、シース部ポリエステル樹脂がよく溶融しない問題が存在し得、熱処理時間が10分を超過するとシース部ポリエステル樹脂が過剰溶融する問題が発生し得る。
【0081】
3.流入水流路チャネルシート
この他にも本発明に係るスパイラルフィルタモジュールは流入水流路チャネルシートも含む。流入水流路チャネルシートはフィルタ内に流入する流入水の流路を提供する役割をし、前記流入水を通じて流入した流入水が分離膜シートを通じてろ過した後、前記ろ過水流路チャネルシートを通過することになる。
【0082】
前記流入水流路チャネルシートは好ましくは、前記ろ過水流路チャネルシートと同一のシートを使うことができる。しかし、必ずしもこれに限定されるものではなく、同一技術分野で流入水流路チャネルとして使われるシートの中から通常の技術者が使用目的に応じて適当なものを難なく選択することができる。
【0083】
本発明に係るスパイラルフィルタモジュールは、第1分離膜シート、ろ過水流路チャネルシート、第2分離膜シート、流入水流路チャネルシートがそれぞれ1層以上交互に積層されて、スパイラル状に巻き取られた形態であり得る。ここでスパイラル状とは、巻き物のように巻かれている形態を意味する。
【0084】
前記第1分離膜シートと前記第2分離膜シートは好ましくは、互いに同一のものであり、異なるものでもよい。好ましくは、前記第1分離膜シートと前記第2分離膜シートはそれぞれ独立的に前記本発明に係る分離膜シートであり得る。
【0085】
すなわち、本発明に係るスパイラルフィルタモジュールは(1)第1分離膜シート、重金属非溶出原反からなるろ過水流路チャネルシート、第2分離膜シート、および流入水流路チャネルシートを順次それぞれ一回以上交互に積層した積層体を製造する段階、および
【0086】
(2)前記積層体をスパイラル状に巻き取る段階を含んで製造される。
【0087】
このうち、前記第1分離膜シート、ろ過水流路チャネルシート、第2分離膜シートおよび流入水流路チャネルシートに関する細部的な内容は前述と同じであるため省略する。
【0088】
具体的には、本発明に係るスパイラルフィルタモジュールは、前記第1分離膜シートと前記ろ過水流路チャネルシートを同一幅で合わせて、前記分離膜シートの一面に前記ろ過水流路チャネルシートを載置した後、四面のうち一面を除いた残りの三面の縁に接着剤を一定量塗布し、他の同一幅を有する第2分離膜シートおよび流入水流路チャネルシートを載置して同じ方式で接着剤を塗布して積層する方式を一回以上繰り返した後、所定の圧力を加えながらローリングして製造することができる。
【0089】
以下、本発明を下記の実施例を通じて説明する。この時、下記の実施例は発明を例示するために提示されたものに過ぎず、本発明の権利範囲は下記の実施例によって限定されるものではない。
【0090】
<実施例>
【0091】
実施例1
酸成分化合物としてTPA(terephthalic acid)およびジオール成分化合物として1,4-ブタンジオール(1,4-butandiol)を1:1.5のモル比で混合し、前記混合物100重量部に対して下記の化学式2で表示されるチタン系触媒を150ppm添加して温度270℃、圧力1,200torr下でエステル化反応を遂行し、引き続き圧力を0.5torrまで減圧して270℃で縮合重合反応を遂行し、融点255℃であるコア部ポリエステル樹脂を製造した。
【0092】
[化学式2]
(M2O)0.01(TiO2)[(CH2)8OH]20
【0093】
酸成分化合物としてTPA、ジオール成分化合物として1,2-エタンジオールを1:1のモル比で混合し、前記混合物重量対比前記化学式2で表示される触媒を150ppmの含量で添加して温度250℃、圧力1,100torr下でエステル化反応を遂行した。引き続き圧力を0.5torrまで減圧して285℃の温度で縮合重合反応で融点180℃のシース部ポリエステル樹脂を製造した。
【0094】
これからポリエステル複合繊維を製造するために、前記シース部ポリエステル樹脂およびコア部ポリエステル樹脂を1:1の重量比で芯鞘型複合紡糸口金に投入および溶融紡糸してシース/コアポリエステル複合繊維を製造した。
【0095】
前記シース/コアポリエステル複合繊維で生地を製造してバッチ式前処理機で200℃で15分の間前処理を進行してトリコット原反に製造した後、前記トリコット原反をミニテンター(デリムスターリット、DL-2015)に入れて180℃で30秒の間遂行して熱処理された重金属非溶出原反を製造した。
【0096】
実施例2~9および比較例
実施例1と同一に実施するものの、下記の表1のように条件を異にした重金属非溶出原反を製造した。
【0097】
【0098】
<実験例>
【0099】
実験例1:強度テスト
実施例および比較例により製造されたトリコット原反に対する接着強度の測定を実施した。具体的には、実施例および比較例に係るトリコット原反を100mm(L)×20mm(W)×10mm(D)の大きさで製作した試片を準備し、これを繊維引張試験機(UMT、Instron)を利用して引張速度500mm/minで15回測定した。測定値のうち最大値と最小値を除いた13回の測定値の平均を分析して接着強度値を決定した。これを下記の表2に示した。
【0100】
実験例2:アンチモン溶出量テスト
実施例1および比較例1により製造されたトリコット原反に対するアンチモン溶出量を測定した。具体的には、99.9%純度の脱イオン水(DI water)に前記トリコット原反試片を準備した。それぞれの試片の重さは0.7gであった。
【0101】
前記試片をそれぞれ前記脱イオン水に沈積して常温で放置した。そして、それぞれ24時間、48時間、70時間および90時間が経過した時、脱イオン水をICP-MS(Perkin Elmer、NexION 300X)を利用してアンチモン溶出量を測定した。その結果を下記の
図1および表2に示した。
【0102】
図1を参照すると、実施例1に係るトリコット原反は溶出テストの結果、100時間が経過してもアンチモン溶出量が1ppb以下であって、ほとんど検出されない水準でのみ溶出することを確認することができた。反面、アンチモン系触媒を使ってポリエステル樹脂を重合した比較例1に係るトリコット原反は溶出テストの結果、沈積後100時間が経過すると基準である1ppbの略2倍に近い高い数値で溶出量が測定されたことが分かる。
【0103】
【0104】
前記表2を参照すると、実施例に係るトリコット原反はアンチモン系触媒を含んでいない触媒を使ってポリエステル樹脂を重合した結果、溶出量テストでアンチモンが略検出されないことを確認することができる。また、実施例1、実施例5および実施例9に係るトリコット原反は強度が優秀であるのに反して、熱処理温度が過度に低い実施例2、熱処理時間が過度に短いか長い実施例4、6およびコア部がない実施例7は強度が落ちた。また、実施例8は触媒の濃度が過度に低いため重合がよくなされなかった結果、強度が低いことが分かった。