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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ディスク装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G11B 23/30 20060101AFI20240513BHJP
   G11B 33/02 20060101ALI20240513BHJP
   G11B 33/12 20060101ALI20240513BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
G11B23/30 B
G11B33/02 501M
G11B33/12 313T
G11B33/02 301A
H05K1/02 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021045082
(22)【出願日】2021-03-18
(65)【公開番号】P2022144186
(43)【公開日】2022-10-03
【審査請求日】2023-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317011920
【氏名又は名称】東芝デバイス&ストレージ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡野 太一
(72)【発明者】
【氏名】高澤 昌秀
(72)【発明者】
【氏名】劉 佳
(72)【発明者】
【氏名】山本 展大
(72)【発明者】
【氏名】徳田 孝太
【審査官】松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-024316(JP,A)
【文献】特開2007-193880(JP,A)
【文献】特開2005-011458(JP,A)
【文献】特開2007-184325(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B20/10-20/16
23/00-23/50
33/00-33/08
33/12-33/14
H05K1/00-1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に収容空間が設けられた筐体と、
前記収容空間に収容され、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記収容空間に収容され、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
外部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、内部無線通信装置と、
前記収容空間に収容され、前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記筐体の外の外部部品と通信する、内部部品と、
前記筐体の外に位置し、前記内部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記内部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、前記外部無線通信装置と、
前記筐体の外で前記筐体に取り付けられ、前記外部無線通信装置が実装された、第1の基板を有し、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記内部部品と通信する、前記外部部品と、
を具備するディスク装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、
前記第1の基板は、前記第1の壁に向く第1の面を有し、前記第1の面から窪む凹部が設けられ、
前記外部無線通信装置は、前記凹部に位置して前記第1の基板に実装される、
請求項1のディスク装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、前記第1の壁を貫通する第1の貫通孔が設けられ、
前記内部無線通信装置は、前記外部無線通信装置から前記第1の貫通孔を通じて照射された光に対応した電気信号を生成することと、前記第1の貫通孔を通じて前記外部無線通信装置に光を照射することと、のうち少なくとも一方を行う、
請求項1のディスク装置。
【請求項4】
前記第1の基板と前記筐体との間に位置し、前記外部無線通信装置を囲み、光を遮断する、遮光部材、
をさらに具備する請求項3のディスク装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記第1の貫通孔を封止する透明又は半透明な第1の封止材を有し、
前記内部無線通信装置は、前記外部無線通信装置から前記第1の封止材を通じて照射された光に対応した電気信号を生成することと、前記第1の封止材を通じて前記外部無線通信装置に光を照射することと、のうち少なくとも一方を行う、
請求項3又は請求項4のディスク装置。
【請求項6】
前記外部部品と前記内部部品とを電気的に接続する接続部、
をさらに具備し、
前記筐体は、前記収容空間を覆うとともに第2の貫通孔が設けられた第1の壁と、前記第2の貫通孔を塞ぐ第2の壁と、を有し、
前記接続部は、前記第2の壁に設けられて前記筐体の外に位置するとともに前記外部部品に電気的に接続される第1のコネクタと、前記第2の壁に設けられて前記収容空間に位置するとともに前記第1のコネクタに電気的に接続された第2のコネクタと、を有し、
前記内部部品は、前記第2のコネクタに電気的に接続され、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタを通じて前記外部部品から電力を供給される、
請求項1のディスク装置。
【請求項7】
前記収容空間に収容され、前記記録媒体を回転させるモータと、
前記筐体に設けられた第3の貫通孔を通って設けられ、前記磁気ヘッド、前記内部無線通信装置、前記外部部品、及び前記モータに電気的に接続され、前記外部部品から電力を供給される、フレキシブルプリント配線板と、
前記第3の貫通孔を封止する第2の封止材と、
をさらに具備し、
前記モータは、前記フレキシブルプリント配線板を通じて前記外部部品から電力を供給される、
請求項1のディスク装置。
【請求項8】
前記収容空間において前記フレキシブルプリント配線板に実装され、前記フレキシブルプリント配線板を通じて前記外部部品から供給された電力を蓄え、前記磁気ヘッド、前記内部無線通信装置、及び前記内部部品のうち少なくとも一つに蓄えた電力を供給する、内部電源、
をさらに具備する請求項7のディスク装置。
【請求項9】
内部に収容空間が設けられた筐体と、
前記収容空間に収容され、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記収容空間に収容され、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
外部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、内部無線通信装置と、
前記収容空間に収容され、前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記筐体の外の外部部品と通信する、内部部品と、
前記内部無線通信装置と、前記外部無線通信装置と、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を互いに離間した位置に保持するとともに前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を覆うケーシングと、を有する通信ユニットと、
を具備し、
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、前記第1の壁を貫通する第4の貫通孔が設けられ、
前記通信ユニットの少なくとも一部が前記第4の貫通孔の内部に配置された、
ディスク装置
【請求項10】
内部に収容空間が設けられた筐体と、
前記収容空間に収容され、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記収容空間に収容され、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
外部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、内部無線通信装置と、
前記収容空間に収容され、前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記筐体の外の外部部品と通信する、内部部品と、
前記筐体の外で前記筐体に取り付けられ、前記外部部品に電気的に接続された、第2の基板と、
を具備し、
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、
前記第2の基板は、前記第1の壁に向く第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有し、前記第1の面と前記第2の面とに開口する第5の貫通孔が設けられ、
前記内部無線通信装置は、前記外部無線通信装置が発生させるとともに前記第5の貫通孔を通った光、磁界、又は電界に対応した電気信号を生成することと、前記第5の貫通孔を通じて光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、
ディスク装置
【請求項11】
請求項10のディスク装置と、
前記外部無線通信装置と、
前記外部部品と、
を具備する電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ディスク装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブのようなディスク装置では、筐体は密封されている。このため、筐体の内部と外部との間の通信のため、筐体に貫通孔が設けられるとともに、当該貫通孔を気密に塞ぐ基板にコネクタが実装される。例えば、筐体の外部の部品と、筐体の内部の部品とは、当該コネクタを通じて通信を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-181080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えばディスク装置の記憶容量が増えると、上記コネクタの端子の数も増える傾向にある。端子の数が増えることで、コネクタ、基板、及び貫通孔が大型化し、筐体の密封が損なわれる虞がある。
【0005】
本発明が解決する課題の一例は、コネクタを介さずに筐体の内部と外部との間で通信が可能なディスク装置及び当該ディスク装置を備える電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態に係るディスク装置は、筐体と、ディスク状の記録媒体と、磁気ヘッドと、内部無線通信装置と、内部部品と、外部無線通信装置と、外部部品と、を備える。前記筐体は、内部に収容空間が設けられる。前記記録媒体は、前記収容空間に収容され、記録層を有する。前記磁気ヘッドは、前記収容空間に収容され、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成される。前記内部無線通信装置は、前記外部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。前記内部部品は、前記収容空間に収容され、前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記筐体の外の前記外部部品と通信する。前記外部無線通信装置は、前記筐体の外に位置し、前記内部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記内部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。前記外部部品は、前記筐体の外で前記筐体に取り付けられ、前記外部無線通信装置が実装された、第1の基板を有し、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記内部部品と通信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)を示す例示的な斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態のHDDを分解して示す例示的な斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態のHDDを分解して図2と異なる方向から示す例示的な斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態のHDDの構成を示す例示的なブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態のHDDの一部を図3のF5-F5線に沿って概略的に示す例示的な断面図である。
図6図6は、第1の実施形態のHDDの一部の構成を示す例示的なブロック図である。
図7図7は、第2の実施形態に係るHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図8図8は、第3の実施形態に係るHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図9図9は、第3の実施形態のHDDの構成を示す例示的なブロック図である。
図10図10は、第4の実施形態に係るHDDを分解して示す例示的な斜視図である。
図11図11は、第4の実施形態のHDDの構成を示す例示的なブロック図である。
図12図12は、第4の実施形態のHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図13図13は、第4の実施形態のHDDの他の一部を概略的に示す例示的な断面図である。
図14図14は、第5の実施形態に係るHDDの一部を概略的に示す例示的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)10を示す例示的な斜視図である。HDD10は、例えば、電子機器1に搭載され、電子機器1の一部を構成する。言い換えると、電子機器1は、HDD10を有する。
【0010】
HDD10は、ディスク装置の一例であり、記憶装置又は磁気ディスク装置とも称され得る。電子機器1は、例えば、パーソナルコンピュータ、スーパーコンピュータ、サーバ、テレビジョン受像装置、若しくはゲーム機のような、種々のコンピュータ、又は外付けHDD(external hard drive)のような機器である。
【0011】
図2は、第1の実施形態のHDD10を分解して示す例示的な斜視図である。図2に示すように、HDD10は、筐体11と、複数の磁気ディスク12と、スピンドルモータ13と、クランプバネ14と、複数の磁気ヘッド15と、アクチュエータアセンブリ16と、ボイスコイルモータ(VCM)17と、ランプロード機構18と、フレキシブルプリント回路板(FPC)19と、を有する。磁気ディスク12は、記録媒体の一例である。スピンドルモータ13は、モータの一例である。
【0012】
筐体11は、ベース21と、内カバー22と、外カバー23とを有する。ベース21は、有底の容器であり、底壁25と側壁26とを有する。底壁25は、第1の壁の一例である。底壁25は、略矩形(四角形)の板状に形成されている。側壁26は、底壁25の外縁から突出している。底壁25と側壁26とは、例えば、アルミニウム合金等の金属材料によって作られ、一体に形成されている。
【0013】
内カバー22及び外カバー23は、例えば、アルミニウム合金等の金属材料によって作られる。内カバー22は、例えば、ネジによって側壁26の端部に取り付けられている。外カバー23は、内カバー22を覆うとともに、例えば溶接によって側壁26の端部に気密に固定されている。
【0014】
筐体11の内部に、収容空間Sが設けられる。収容空間Sは、ベース21及び内カバー22により形成(規定、区画)される。本実施形態の筐体11は、収容空間Sを気密に密封し、収容空間Sと筐体11の外部との間で気体の移動を防止又は低減する。
【0015】
筐体11の内部の収容空間Sに、磁気ディスク12、スピンドルモータ13、クランプバネ14、磁気ヘッド15、アクチュエータアセンブリ16、ボイスコイルモータ17、ランプロード機構18、及びFPC19が収容されている。収容空間Sと、当該収容空間Sに収容された磁気ディスク12、スピンドルモータ13、クランプバネ14、磁気ヘッド15、アクチュエータアセンブリ16、ボイスコイルモータ17、ランプロード機構18、及びFPC19とは、ベース21の底壁25及び側壁26と、内カバー22と、により覆われている。
【0016】
内カバー22に通気口22aが設けられる。さらに、外カバー23に、通気口23aが設けられる。ベース21の内部に部品が取り付けられ、ベース21に内カバー22及び外カバー23が取り付けられた後、通気口22a,23aから収容空間Sの空気が抜かれる。さらに、収容空間Sに、空気とは異なる気体が充填される。
【0017】
収容空間Sに充填される気体は、例えば、空気よりも密度が低い低密度ガスや、反応性の低い不活性ガス等である。例えば、ヘリウムが収容空間Sに充填される。なお、他の流体が収容空間Sに充填されても良い。また、収容空間Sは、真空、真空に近い低圧、又は大気圧よりも低い陰圧に保たれても良い。
【0018】
外カバー23の通気口23aは、シール28により塞がれる。シール28は、例えば、金属又は合成樹脂によって作られる。シール28は、通気口23aを気密に密封し、収容空間Sに充填された気体が通気口23aから漏れることを防ぐ。
【0019】
磁気ディスク12は、例えば、上面及び下面のうち少なくとも一方に設けられた磁気記録層を有するディスクである。磁気ディスク12の直径は、例えば、3.5インチであるが、この例に限られない。
【0020】
スピンドルモータ13は、間隔を介して重ねられた複数の磁気ディスク12を支持するとともに回転させる。クランプバネ14は、複数の磁気ディスク12をスピンドルモータ13のハブに保持する。
【0021】
磁気ヘッド15は、磁気ディスク12の記録層に対して、情報の記録及び再生を行う。言い換えると、磁気ヘッド15は、磁気ディスク12に対して情報を読み書きする。磁気ヘッド15は、アクチュエータアセンブリ16に支持される。
【0022】
アクチュエータアセンブリ16は、磁気ディスク12から離間した位置に配置された支持軸31に、回転可能に支持される。VCM17は、アクチュエータアセンブリ16を回転させ、所望の位置に配置する。VCM17によるアクチュエータアセンブリ16の回転により磁気ヘッド15が磁気ディスク12の最外周に移動すると、ランプロード機構18は、磁気ディスク12から離間したアンロード位置に磁気ヘッド15を保持する。
【0023】
アクチュエータアセンブリ16は、アクチュエータブロック35と、複数のアーム36と、複数のヘッドサスペンションアセンブリ37とを有する。ヘッドサスペンションアセンブリ37は、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)とも称され得る。
【0024】
アクチュエータブロック35は、例えば、軸受を介して、支持軸31に回転可能に支持される。複数のアーム36は、アクチュエータブロック35から、支持軸31と略直交する方向に突出している。なお、アクチュエータアセンブリ16が分割され、複数のアクチュエータブロック35のそれぞれから複数のアーム36が突出しても良い。
【0025】
複数のアーム36は、支持軸31が延びる方向に、間隔を介して配置される。アーム36はそれぞれ、隣り合う磁気ディスク12の間の隙間に進入可能な板状に形成される。複数のアーム36は、略平行に延びている。
【0026】
アクチュエータブロック35及び複数のアーム36は、例えばアルミニウムにより一体に形成される。なお、アクチュエータブロック35及びアーム36の材料は、この例に限られない。
【0027】
アクチュエータブロック35から突出した突起に、VCM17のボイスコイルが設けられる。VCM17は、一対のヨークと、当該ヨークの間に配置されたボイスコイルと、ヨークに設けられた磁石と、を有する。
【0028】
ヘッドサスペンションアセンブリ37は、対応するアーム36の先端部分に取り付けられ、当該アーム36から突出する。これにより、複数のヘッドサスペンションアセンブリ37は、支持軸31が延びる方向に、間隔を介して配置される。
【0029】
複数のヘッドサスペンションアセンブリ37はそれぞれ、ベースプレート41と、ロードビーム42と、フレキシャ43とを有する。さらに、ヘッドサスペンションアセンブリ37に磁気ヘッド15が取り付けられる。
【0030】
ベースプレート41及びロードビーム42は、例えば、ステンレスにより作られる。なお、ベースプレート41及びロードビーム42の材料は、この例に限られない。ベースプレート41は、板状に形成され、アーム36の先端部に取り付けられる。ロードビーム42は、ベースプレート41よりも薄い板状に形成される。ロードビーム42は、ベースプレート41の先端部に取り付けられ、ベースプレート41から突出する。
【0031】
フレキシャ43は、細長い帯状に形成される。なお、フレキシャ43の形状は、この例に限られない。フレキシャ43は、ステンレス等の金属板(裏打ち層)と、金属板上に形成された絶縁層と、絶縁層上に形成され複数の配線(配線パターン)を構成する導電層と、導電層を覆う保護層(絶縁層)と、を有する積層板である。
【0032】
フレキシャ43の一方の端部に、ロードビーム42の上に位置するとともに変位可能なジンバル部(弾性支持部)が設けられる。磁気ヘッド15は、当該ジンバル部に搭載される。フレキシャ43の他方の端部は、FPC19に接続される。これにより、FPC19は、フレキシャ43の配線を介して、磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0033】
図3は、第1の実施形態のHDD10を分解して図2と異なる方向から示す例示的な斜視図である。図3に示すように、HDD10は、プリント回路板(PCB)50をさらに有する。PCB50は、外部部品の一例である。PCB50は、ベース21の底壁25の外に配置される。
【0034】
PCB50は、プリント配線板(PWB)51を有する。PWB51は、例えば、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、多層基板やビルドアップ基板等である。PWB51は、第1の基板及び第2の基板の一例である。なお、第1の基板及び第2の基板は、FPCのような他の基板であっても良い。
【0035】
PWB51は、底壁25の外部に取り付けられる。言い換えると、PWB51は、筐体11の外で筐体11に取り付けられる。PWB51は、例えば、ネジによるネジ留め又はフックによるスナップフィットによって底壁25に取り付けられる。
【0036】
図4は、第1の実施形態のHDD10の構成を示す例示的なブロック図である。図4に示すように、PCB50は、インターフェース(I/F)コネクタ52と、コントローラ53と、サーボコントローラ54と、中継コネクタ55と、無線通信部56とをさらに有する。
【0037】
I/Fコネクタ52、コントローラ53、サーボコントローラ54、中継コネクタ55、及び無線通信部56は、PWB51に実装されている。また、PWB51には、RAM、ROM、及びバッファメモリのような種々のメモリ、コイル、コンデンサ、及び他の電子部品がさらに実装される。
【0038】
I/Fコネクタ52は、Serial ATAのようなインターフェース規格に準拠したコネクタであり、電子機器1のI/Fコネクタ1aに接続される。これにより、PWB51は、電子機器1のプロセッサ1bに電気的に接続される。プロセッサ1bは、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、電子機器1の全体を制御する。
【0039】
HDD10は、I/Fコネクタ52を通じて、電子機器1から、電力の供給を受けるとともに、ライトコマンドやリードコマンドのようなアクセスコマンド(制御信号)や種々のデータを受信する。また、HDD10は、I/Fコネクタ52を通じて、電子機器1に種々のデータを送信する。このように、PCB50は、I/Fコネクタ52を通じて電子機器1と有線通信する。なお、HDD10は、電子機器1と無線通信可能であっても良い。
【0040】
コントローラ53は、例えば、リードライトチャネル(RWC)、ハードディスクコントローラ(HDC)、及びプロセッサを含む。コントローラ53は、一つの部品であっても良いし、別々のRWC、HDC、及びプロセッサの総称であっても良い。コントローラ53は、HDD10の全体的な制御を行う。
【0041】
サーボコントローラ54は、スピンドルモータ13及びVCM17を駆動させる。中継コネクタ55は、例えば、収容空間Sに配置された種々の部品への電力の供給に用いられる。無線通信部56は、FPC19に搭載された部品との間でデータの送受信を行う。
【0042】
FPC19に、無線通信部61と、プリアンプ62と、中継コネクタ63が搭載される。このため、無線通信部61、プリアンプ62、及び中継コネクタ63は、収容空間Sに収容される。プリアンプ62は、内部部品の一例である。
【0043】
無線通信部61は、筐体11の外の無線通信部56と無線通信する。プリアンプ62は、磁気ヘッド15に電気的に接続される。なお、プリアンプ62は、フレキシャ43に実装されても良い。
【0044】
プリアンプ62は、データの読み出し時に、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出したデータに対応する電気信号(リード信号)を増幅して出力する。無線通信部61は、プリアンプ62によって増幅されたリード信号を、無線通信部56を通じてコントローラ53のRWCに供給する。
【0045】
さらに、プリアンプ62は、無線通信部56,61を通じてコントローラ53のRWCから供給された書き込み対象のデータに対応する電気信号(ライト信号)を増幅する。プリアンプ62は、当該信号を磁気ヘッド15に供給する。
【0046】
上述のように、プリアンプ62は、無線通信部56,61を通じて、筐体11の外のPCB50のコントローラ53と通信(データの送受信)を行う。なお、本実施形態における通信は、別々の要素の間の情報の送受信を示す。このため、プリアンプ62は、通信のための信号の変換のような種々の制御を行う必要はない。プリアンプ62とPCB50とは、一方が信号を出力すると他方が当該信号に対応した信号を入力される関係にあれば良い。
【0047】
中継コネクタ63は、PWB51の中継コネクタ55を介して電力の供給を受ける。本実施形態において、磁気ヘッド15と、FPC19の無線通信部61及びプリアンプ62とは、中継コネクタ63を介して供給された電力により動作する。
【0048】
PCB50のコントローラ53において、HDCは、例えば、I/Fコネクタ52を通じて電子機器1との間で行われるデータの送受信の制御、バッファメモリの制御、及び読み出されたデータの誤り訂正処理を行う。
【0049】
コントローラ53のRWCは、例えば、HDCから供給される書き込み対象のデータを変調して、無線通信部56,61を通じてプリアンプ62に供給する。さらに、RWCは、磁気ディスク12から読み出されるとともにプリアンプ62から無線通信部56,61を通じて供給された信号を復調し、デジタルデータとしてHDCへ出力する。
【0050】
コントローラ53のプロセッサは、例えば、CPUである。プロセッサは、例えば、ROM及び磁気ディスク12に予め記憶されたファームウェアに従って、HDD10の全体的な制御を行う。例えば、プロセッサは、ROM及び磁気ディスク12のファームウェアをRAMにロードし、ロードされたファームウェアに従って、磁気ヘッド15、サーボコントローラ54、無線通信部56,61、プリアンプ62、RWC、HDC、及び他の部品の制御を実行する。
【0051】
HDD10は、有線接続部70をさらに有する。有線接続部70は、接続部の一例である。有線接続部70は、収容空間Sの磁気ヘッド15、FPC19、無線通信部61、及びプリアンプ62と、筐体11の外のPCB50と、を電気的に接続する。有線接続部70は、二つの中継コネクタ71,72を有する。中継コネクタ71は、第1のコネクタの一例である。中継コネクタ72は、第2のコネクタの一例である。
【0052】
筐体11は、中継基板75を有する。中継基板75は、第2の壁の一例である。中継基板75は、筐体11のベース21に取り付けられる。中継コネクタ71,72は、中継基板75に設けられる。中継コネクタ71,72は、例えば、中継基板75を貫通する導電体を通じて、互いに電気的に接続されている。
【0053】
中継コネクタ71は、筐体11の外に位置する。中継コネクタ71は、PCB50の中継コネクタ55に接続される。言い換えると、中継コネクタ71は、PCB50に電気的に接続される。
【0054】
中継コネクタ72は、収容空間Sに位置する。中継コネクタ72は、FPC19の中継コネクタ63に接続される。これにより、中継コネクタ72は、FPC19を通じてプリアンプ62及び磁気ヘッド15に電気的に接続される。
【0055】
FPC19と、当該FPC19に搭載された無線通信部61及びプリアンプ62と、フレキシャ43に搭載された磁気ヘッド15とは、中継コネクタ55,63,71,72とI/Fコネクタ52とを通じて、電子機器1から電力の供給を受ける。言い換えると、磁気ヘッド15、FPC19、及び無線通信部61は、中継コネクタ71,72を通じてPCB50から電力を供給される。
【0056】
中継コネクタ55,63,71,72は、電力の供給(電源)及びグランド(接地)のための複数のピン(端子)及び配線を有する。中継コネクタ55,63,71,72は、VCM17の電源、グランド、及び制御のための複数のピン及び配線をさらに有しても良い。
【0057】
上述のように、本実施形態の中継コネクタ55,63,71,72は、筐体11の内部の収容空間Sに配置された種々の部品への電力の供給に用いられる。なお、中継コネクタ55,63,71,72は、FPC19に搭載された部品とPCB50との間のデータ通信のためのピン及び配線が設けられても良い。
【0058】
図3に示すように、HDD10は、中継FPC65をさらに有する。中継FPC65は、スピンドルモータ13の近傍に位置するとともにベース21の底壁25を貫通する孔を通り、収容空間Sと筐体11の外部とに亘って延びている。当該孔は、例えば、合成樹脂により封止される。
【0059】
中継FPC65は、例えば、PCB50のサーボコントローラ54とスピンドルモータ13とを電気的に接続する。スピンドルモータ13は、中継FPC65を介して、サーボコントローラ54から駆動信号を入力されるとともに、PCB50から電力を供給される。
【0060】
以下、本実施形態のHDD10の構造について詳しく説明する。図5は、第1の実施形態のHDD10の一部を図3のF5-F5線に沿って概略的に示す例示的な断面図である。図5に示すように、ベース21の底壁25は、内面25aと、外面25bとを有する。
【0061】
内面25aは、筐体11の内部に向く。内面25aは、筐体11の内部の収容空間Sの一部を形成(規定、区画)する。言い換えると、内面25aは、収容空間Sに面する。内面25aは、収容空間Sに配置されたFPC19のような種々の部品に向く。
【0062】
外面25bは、内面25aの反対側に位置し、筐体11の外部に向く。外面25bは、間隔を介してPCB50に向く。なお、外面25bとPCB50とが互いに接触していても良い。
【0063】
底壁25に、挿通孔81と、複数の貫通孔82とが設けられる。挿通孔81は、第2の貫通孔の一例である。貫通孔82は、第1の貫通孔の一例である。挿通孔81及び貫通孔82は、底壁25を貫通し、内面25a及び外面25bで開口する。言い換えると、挿通孔81及び貫通孔82は、収容空間Sと筐体11の外とを連通する。
【0064】
挿通孔81の開口面積(断面積)は、貫通孔82の開口面積よりも大きい。挿通孔81は、例えば、略四角形の孔である。貫通孔82は、例えば、略円形の孔である。なお、挿通孔81及び貫通孔82の開口面積及び形状は、この例に限られない。
【0065】
中継基板75は、例えば、合成樹脂又はセラミックスのような絶縁体により作られた略四角形の板である。なお、中継基板75は、この例に限られない。中継基板75は、内面75aと、外面75bとを有する。
【0066】
内面75aは、筐体11の内部に向く略平面である。内面75aは、筐体11の内部の収容空間Sの一部を形成(規定、区画)する。内面75aは、収容空間Sに配置されたFPC19のような部品に向く。
【0067】
外面75bは、内面75aの反対側に位置し、筐体11の外部に向く略平面である。外面75bの面積は、挿通孔81の開口面積よりも大きい。外面75bは、筐体11の内部から挿通孔81を覆う。外面75bの一部は、底壁25の内面25aと向かい合う。外面75bの他の一部は、挿通孔81を通じて筐体11の外に露出され、挿通孔81を通じてPWB51の内面51aに向く。
【0068】
例えば、接着剤85が、向かい合う底壁25の内面25aと中継基板75の外面75bとの間に設けられる。接着剤85は、底壁25の内面25aと、中継基板75の外面75bとを、互いに固定する。接着剤85は、例えば、金属フィラーが混入され、当該接着剤85を気体が通過することを抑制できる。
【0069】
接着剤85は、挿通孔81の縁に沿って設けられ、底壁25の内面25aと中継基板75の外面75bとの間の隙間を全周に亘って塞ぐ。これにより、中継基板75は、挿通孔81を気密に塞ぐ。なお、中継基板75は、半田のような他の手段により底壁25に固定されても良い。
【0070】
中継コネクタ71,72はそれぞれ、例えば、複数のピン(端子)を有する。ピンの数と、中継コネクタ71,72の大きさとは、例えば、有線接続部70が伝送する電力量及びデータ量に応じて設定される。
【0071】
本実施形態では、有線接続部70は電力の供給に用いられ、データに対応するリード信号及びライト信号の伝送を行わない。このため、中継コネクタ71,72のピンの数及び大きさが低減される。なお、有線接続部70は、データの伝送に用いられても良い。
【0072】
中継コネクタ71のピン(端子)は、例えば、中継基板75の外面75bに設けられる。なお、中継コネクタ71は、例えば、外面75bから突出するプラグ又はレセプタクルを有しても良い。
【0073】
中継コネクタ72のピン(端子)は、中継基板75の内面75aに設けられる。このように、有線接続部70は、中継基板75に設けられている。なお、中継コネクタ72は、例えば、内面75aから突出するプラグ又はレセプタクルを有しても良い。
【0074】
中継基板75において、外面75bに設けられた中継コネクタ71と、内面75aに設けられた中継コネクタ72とは、例えば中継基板75を貫通するビア(via)のような導電体により電気的に接続される。これにより、中継コネクタ71と、中継コネクタ72とが、互いに電気的に接続される。上記の導電体は、中継基板75による挿通孔81の密封を保ったまま、中継コネクタ71と中継コネクタ72とを電気的に接続する。
【0075】
FPC19は、例えば、互いに積層された導体層、絶縁層、及び接着層を有し、弾性的に変形可能である。導体層は、例えば銅のような導電性の金属により作られる。絶縁層は、例えばポリイミドのような絶縁性の合成樹脂により作られる。
【0076】
図2に示すように、FPC19は、第1の端部19aと、第2の端部19bとを有する。第1の端部19aは、例えばネジにより、アクチュエータブロック35に取り付けられる。第1の端部19aは、フレキシャ43に電気的に接続される。第2の端部19bは、例えばネジにより、底壁25に取り付けられる。
【0077】
図5に示すように、FPC19の第2の端部19bは、おおよそ底壁25の内面25aに沿って延びている。第2の端部19bは、外面19cを有する。外面19cは、底壁25の内面25a及び中継基板75の内面75aに向く。なお、外面19cは、部分的に底壁25の内面25aに接触しても良い。
【0078】
PWB51は、内面51aと外面51bとを有する。内面51aは、第1の面の一例である。外面51bは、第2の面の一例である。内面51aは、間隔を介して底壁25の外面25b及び中継基板75の外面75bに向く。内面51aは、挿通孔81及び複数の貫通孔82を覆う。外面51bは、第1の面の反対側に位置する。
【0079】
PWB51に、内面51aから窪む凹部51cが設けられる。凹部51cは、例えば、内面51aのうち、複数の貫通孔82に向く部分に設けられる。なお、凹部51cは、この例に限られない。
【0080】
PWB51及びFPC19の中継コネクタ55,63はそれぞれ、有線接続部70の中継コネクタ71,72に対応する構造を有する。中継コネクタ55,63はそれぞれ、例えば、絶縁性の基体と、当該基体に取り付けられた複数のピン(端子)とを有する。
【0081】
例えば、中継コネクタ55のピンの一方の端部が、PWB51の内面51aに設けられた電極に半田付けされる。これにより、中継コネクタ55がPWB51に取り付けられる。このように、中継コネクタ55は、PWB51に設けられ、内面51aから突出する。中継コネクタ55は、有線接続部70の中継コネクタ71に接続される。これにより、中継コネクタ71が、PWB51に接続される。
【0082】
例えば、中継コネクタ63のピンの一方の端部が、FPC19の外面19cに設けられた電極に半田付けされる。これにより、中継コネクタ63がFPC19に取り付けられる。このように、中継コネクタ63は、FPC19に設けられ、外面19cから突出する。中継コネクタ63は、有線接続部70の中継コネクタ72に接続される。これにより、中継コネクタ72が、FPC19に接続される。
【0083】
FPC19とPWB51とは、中継基板75による挿通孔81の密封を保ったまま、有線接続部70により互いに電気的に接続される。但し、例えば合成樹脂によって作られた中継基板75には、微細な孔が存在しても良い。例えば、中継基板75は、HDD10の耐用年数の間に収容空間Sに充填されたガスの漏れが所定の範囲内に収まる程度に、挿通孔81を気密に塞いでいれば良い。
【0084】
筐体11は、複数の封止材91をさらに有する。封止材91は、第1の封止材の一例である。封止材91は、例えば、透明又は半透明な、ガラス又は合成樹脂によって作られる。このため、光が封止材91を通過することができる。
【0085】
封止材91は、対応する貫通孔82を気密に封止する。例えば、封止材91は、略円筒形の金属管92の内部に充填されて作られる。封止材91及び金属管92が貫通孔82に嵌め込まれた状態で、金属管92が底壁25に溶着される。これにより、封止材91が貫通孔82を封止することができる。なお、封止材91は、この例に限られない。例えば、封止材91が貫通孔82に直接的に充填されても良いし、封止材91と貫通孔82との間を接着剤が封止しても良い。
【0086】
本実施形態の封止材91の代わりに、蓋状の封止材91が、底壁25の内面25a及び外面25bに取り付けられ、貫通孔82を気密に封止しても良い。すなわち、封止材91は、貫通孔82の外に位置しても良い。
【0087】
図6は、第1の実施形態のHDD10の一部の構成を示す例示的なブロック図である。図6に示すように、本実施形態において、PWB51に設けられた無線通信部56は、例えば、光源56aと、受光素子56bと、変換IC56cとを有する。光源56a及び受光素子56bは、外部無線通信装置の一例である。また、無線通信部56が外部無線通信装置の一例であっても良い。さらに、変換IC56cが、外部部品の一例であっても良い。
【0088】
光源56a、受光素子56b、及び変換IC56cは、互いに離間して、PWB51に実装される。なお、光源56a、受光素子56b、及び変換IC56cは、一体に形成されても良い。
【0089】
図5に示すように、無線通信部56の光源56a及び受光素子56bは、筐体11の外に位置するとともに、PWB51の凹部51cに位置して、PWB51に実装される。言い換えると、光源56a及び受光素子56bの少なくとも一部は、凹部51cに収容される。
【0090】
光源56aは、例えば、レーザダイオード(LD)である。なお、光源56aは、発光ダイオード(LED)のような他の光源であっても良い。例えば光源56aは、部分的にPWB51に埋め込まれている。言い換えると、光源56aは、PWB51と一体に形成される。なお、光源56aは、この例に限られない。光源56aは、入力された駆動信号(電気信号)に対応したレーザ光(光)Lを、対応する一つの貫通孔82の封止材91に向かって出射する。光源56aは、封止材91に接触していても良いし、封止材91から離間していても良い。
【0091】
受光素子56bは、例えば、フォトダイオード又はフォトトランジスタである。なお、受光素子56bは、この例に限られない。受光素子56bは、例えば、凹部51cの底面51dに実装される。底面51dは、PWB51に設けられ、凹部51cの一部を形成(規定、区画)するとともに、間隔を介して底壁25の外面25bに向く。受光素子56bの受光面は、対応する他の一つの貫通孔82の封止材91に向く。受光素子56bは、封止材91に接触していても良いし、封止材91から離間していても良い。受光素子56bは、受光面に入射した光Lに対応した出力信号(電気信号)を出力する。
【0092】
変換IC56cは、コントローラ53から入力されたライト信号(電気信号)に対応する駆動信号(電気信号)を光源56aへ出力する。さらに、変換IC56cは、受光素子56bの出力信号(電気信号)に対応するリード信号(電気信号)をコントローラ53へ出力する。変換IC56cは、多重化を行っても良い。
【0093】
光源56a及び受光素子56bのそれぞれが、変換IC56cを含んでも良い。この場合、ライト信号が駆動信号として光源56aへ入力され、受光素子56bがリード信号としての出力信号を出力する。
【0094】
以上のように、無線通信部56は、光L(光信号)を電気信号に変換するとともに、電気信号を光信号に変換する。これにより、無線通信部56は、電気的な接続を用いることなく光信号を用いて無線通信を行うことができる。なお、無線通信部56は、この例に限られない。
【0095】
図6に示すように、本実施形態において、無線通信部61は、例えば、光源61aと、受光素子61bと、変換IC61cとを有する。光源61a及び受光素子61bは、内部無線通信装置の一例である。また、無線通信部61が内部無線通信装置の一例であっても良い。さらに、変換IC61cが、内部部品の一例であっても良い。
【0096】
光源61a、受光素子61b、及び変換IC61cは、互いに離間して、FPC19の外面19cに実装される。言い換えると、光源61a、受光素子61b、及び変換IC61cは、FPC19に電気的に接続される。なお、光源61a、受光素子61b、及び変換IC61cは、一体に形成されても良い。
【0097】
図5に示すように、光源61aは、例えば、LDである。なお、光源61aは、LEDのような他の光源であっても良い。光源61aは、入力された駆動信号(電気信号)に対応したレーザ光(光)Lを、対応する一つの貫通孔82の封止材91に向かって出射する。光源61aは、封止材91に接触していても良いし、封止材91から離間していても良い。
【0098】
無線通信部61の光源61aと、無線通信部56の受光素子56bとは、対応する貫通孔82の封止材91を介して向かい合う。光源61aは、例えば、対応する貫通孔82の封止材91を通じて、無線通信部56の受光素子56bの受光面に光Lを出射する。
【0099】
光源61aと受光素子56bとは、互いに向かい合っていなくても良い。例えば、受光素子56bは、光源61aの光軸から離間していても良い。この場合、光源61aから出射した光Lは、例えば、反射、屈折、又は回折により、受光素子56bに入射することができる。
【0100】
受光素子61bは、例えば、フォトダイオード又はフォトトランジスタである。なお、受光素子61bは、この例に限られない。受光素子61bの受光面は、対応する他の一つの貫通孔82の封止材91に向く。受光素子61bは、封止材91に接触していても良いし、封止材91から離間していても良い。
【0101】
無線通信部61の受光素子61bと、無線通信部56の光源56aとは、対応する貫通孔82の封止材91を介して向かい合う。受光素子61bは、例えば、光源56aから出射され、対応する貫通孔82の封止材91を通って受光面に入射した光Lに対応した出力信号(電気信号)を出力する。
【0102】
光源56aと受光素子61bとは、互いに向かい合っていなくても良い。例えば、受光素子61bは、光源56aの光軸から離間していても良い。この場合、光源56aから出射した光Lは、例えば、反射、屈折、又は回折により、受光素子61bに入射することができる。
【0103】
本実施形態において、無線通信部56に含まれる光源56a及び受光素子56bの総数と、無線通信部61に含まれる光源61a及び受光素子61bの総数と、複数の貫通孔82の数とは、互いに等しい。しかし、光源56a,61a、受光素子56b,61b、及び貫通孔82の数は、この例に限られない。例えば、一つの貫通孔82を通じて、複数の光源56a,61aと複数の受光素子56b,61bとが互いに向かい合っても良い。
【0104】
図6に示す変換IC61cは、プリアンプ62から入力されたリード信号(電気信号)に対応する駆動信号(電気信号)を光源61aへ出力する。さらに、変換IC61cは、受光素子61bの出力信号(電気信号)に対応するライト信号(電気信号)をプリアンプ62へ出力する。変換IC56cは、多重化を行っても良い。
【0105】
光源61a及び受光素子61bのそれぞれが、変換IC61cを含んでも良い。この場合、リード信号が駆動信号として光源61aへ入力され、受光素子61bがライト信号としての出力信号を出力する。
【0106】
以上のように、無線通信部61は、光信号を電気信号に変換するとともに、電気信号を光信号に変換する。これにより、無線通信部61は、電気的な接続を用いることなく光信号を用いて無線通信を行うことができる。例えば、無線通信部56の変換IC56cと、無線通信部61の変換IC61cとは、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを介して無線通信を行う。なお、無線通信部61は、この例に限られない。
【0107】
本実施形態における無線通信部56,61は、光Lにより互いに無線通信する。例えば、無線通信部56,61の変換IC56c,61cは、共通の通信方式に基づいて信号の変換及び生成を行う。さらに、無線通信部56,61の光源56a,61aは、受光素子56b,61bが検知可能な周波数の光Lを出射する。なお、光Lは、可視光に限られず、赤外線又は紫外線であっても良い。
【0108】
図5に示すように、HDD10は、第1の遮光シート95と第2の遮光シート96とをさらに有する。第1の遮光シート95は、遮光部材の一例である。第1の遮光シート95は、例えば、伝熱シート又は放熱シートと称される高分子のシートである。なお、第1の遮光シート95は、この例に限られない。
【0109】
第1の遮光シート95は、PWB51と筐体11の底壁25との間に位置する。第1の遮光シート95は、内面95aと、外面95bとを有する。内面95a及び外面95bは、粘着性を有する第1の遮光シート95の表面である。
【0110】
内面95aは、底壁25の外面25bに向くとともに、外面25bに取り外し可能に付着する。外面95bは、内面95aの反対側に位置する。外面95bは、PCB50に向くとともに、PCB50に取り外し可能に付着する。外面95bは、例えば、PWB51の内面51aに付着する。外面95bは、PCB50に含まれるとともにPWB51に実装される種々の部品に付着しても良い。
【0111】
第1の遮光シート95は、底壁25の外面25b及びPWB51の内面51aの形状に応じて弾性変形することができる。このため、底壁25の外面25bが凹凸を有したとしても、第1の遮光シート95は、内面95aと外面25bとの間に隙間が生じることを抑制できる。さらに、PWB51の内面51aが凹凸を有したとしても、第1の遮光シート95は、外面95bと内面51aとの間に隙間が生じることを抑制できる。
【0112】
第1の遮光シート95に、貫通孔95cが設けられる。貫通孔95cは、第1の遮光シート95を貫通し、内面95a及び外面95bに開口する。貫通孔95cは、底壁25の複数の貫通孔82と、PWB51の凹部51cと、に連通する。
【0113】
無線通信部56の光源56a及び受光素子56bは、貫通孔95cの内側に位置する。言い換えると、底壁25の外面25bに沿う方向において、第1の遮光シート95は、無線通信部56の光源56a及び受光素子56bを囲む。
【0114】
第1の遮光シート95は、透明ではなく、黒色、白色、若しくは他の色を有し、又は半透明である。第1の遮光シート95は、底壁25とPCB50との間の隙間において光を遮断する。このため、第1の遮光シート95は、筐体11の外の光が無線通信部56の受光素子56bに入射することを抑制するとともに、筐体11の外の光が貫通孔82の封止材91を通って無線通信部61の受光素子61bに入射することを抑制する。
【0115】
第1の遮光シート95の熱伝導性は、例えば、PWB51の熱伝導性よりも高い。このため、第1の遮光シート95は、PCB50と筐体11のベース21との間で伝熱することができる。例えば、第1の遮光シート95は、PCB50のコントローラ53に付着し、コントローラ53を冷却する。
【0116】
本実施形態において、第1の遮光シート95の外面95bの大きさは、PWB51の内面51aの大きさに略等しい。なお、第1の遮光シート95は、この例に限られない。例えば、第1の遮光シート95は、PWB51の凹部51cの縁に沿って設けられた枠状のシートであっても良い。
【0117】
第2の遮光シート96は、底壁25の内面25aと、FPC19の外面19cとの間に位置する。第2の遮光シート96は、粘着性を有し、内面25a及び外面19cに取り外し可能に付着する。
【0118】
第2の遮光シート96は、例えば、枠状に形成され、無線通信部61の光源61a及び受光素子61bを囲む。第2の遮光シート96は、透明ではなく、黒色、白色、若しくは他の色を有し、又は半透明である。第2の遮光シート96は、底壁25とFPC19との間の隙間において光を遮断する。このため、第2の遮光シート96は、収容空間Sの光が無線通信部61の受光素子61bに入射することを抑制するとともに、収容空間Sの光が貫通孔82の封止材91を通って無線通信部56の受光素子56bに入射することを抑制する。
【0119】
以下、本実施形態のHDD10の動作の一例について説明する。例えば、書き込み動作において、図4の電子機器1のプロセッサ1bが、I/Fコネクタ1a,52を介して、コントローラ53にライトコマンド及び書き込み対象のデータを入力する。コントローラ53のRWCは、ライトコマンドに基づき、書き込み対象のデータに対応するライト信号を、無線通信部56の変換IC56cに入力する。
【0120】
図6の変換IC56cは、入力されたライト信号を駆動信号に変換し、光源56aへ出力する。光源56aは、当該駆動信号に対応したレーザ光(光)Lを、貫通孔82の封止材91を通じて、無線通信部61の受光素子61bに向かって出射する。言い換えると、無線通信部56の光源56aは、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)に対応する光Lを、無線通信部61の受光素子61bに向かって発生させる。光源56aは、当該光Lを、貫通孔82の封止材91を通じて受光素子61bに照射する。
【0121】
無線通信部61の受光素子61bに光Lが入射すると、受光素子61bは、当該光Lに対応する出力信号を変換IC61cへ出力する。変換IC61cは、出力信号をライト信号に変換(復元)し、プリアンプ62へ出力する。このように、無線通信部61の受光素子61bは、無線通信部56の光源56aが発生させた光Lを、貫通孔82の封止材91を通じて照射される。受光素子61bは、当該光Lに対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)を生成する。
【0122】
プリアンプ62は、ライト信号を増幅して磁気ヘッド15に出力する。磁気ヘッド15は、当該ライト信号に含まれる書き込み対象のデータを、磁気ディスク12の記憶層に書き込む。
【0123】
さらに、図4のコントローラ53は、ライトコマンドに基づき、VCM17のような種々の部品を制御する。例えば、コントローラ53からの制御に基づき、サーボコントローラ54がVCM17を制御する。サーボコントローラ54は、中継コネクタ55,72,71,63を通じて、VCM17へ信号を出力する。なお、サーボコントローラ54は、無線通信部56,61を通じて、VCM17へ信号を出力しても良い。
【0124】
一方、読み出し動作において、電子機器1のプロセッサ1bが、I/Fコネクタ1a,52を介して、コントローラ53にリードコマンドを入力する。コントローラ53は、リードコマンドに基づいて、磁気ヘッド15に磁気ディスク12の記憶層からデータを読み出させる。
【0125】
磁気ヘッド15が読み出し対象のデータを読み出すと、プリアンプ62は、読み出したデータに対応するリード信号を増幅し、無線通信部61の変換IC61cに出力する。図6の変換IC61cは、入力されたリード信号を駆動信号に変換し、光源61aへ出力する。光源61aは、当該駆動信号に対応したレーザ光(光)Lを、貫通孔82の封止材91を通じて、無線通信部56の受光素子56bに向かって出射する。言い換えると、無線通信部61の光源61aは、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)に対応する光Lを、無線通信部56の受光素子56bに向かって発生させる。光源61aは、当該光Lを、貫通孔82の封止材91を通じて受光素子56bに照射する。
【0126】
無線通信部56の受光素子56bに光Lが入射すると、受光素子56bは、当該光Lに対応する出力信号を変換IC56cへ出力する。変換IC56cは、出力信号をリード信号に変換(復元)し、コントローラ53へ出力する。このように、無線通信部56の受光素子56bは、無線通信部61の光源61aが発生させた光Lを、光源61aから貫通孔82の封止材91を通じて照射される。受光素子56bは、当該光Lに対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)を生成する。
【0127】
コントローラ53のRWCは、リード信号を復調し、当該リード信号に含まれる読み出し対象のデータを、I/Fコネクタ1a,52を通じて電子機器1に出力する。これにより、電子機器1は、磁気ディスク12から読み出されたデータを取得する。
【0128】
以上のHDD10の動作において、筐体11の内部のFPC19と、筐体11の外部のPCB50と、の間のデータの送受信は、無線通信部56,61の間の光Lを用いた無線通信により行われる。一方、筐体11の内部の磁気ヘッド15、VCM17、及びFPC19への電力の供給は、中継コネクタ55,63,71,72を通じて行われる。このため、中継コネクタ55,63,71,72において、電力供給のためのピンが設けられるが、データの送受信のためのピンは省略可能である。
【0129】
中継コネクタ55,63,71,72に、データの送受信のためのピンが設けられても良い。この場合、FPC19とPWB51との間のデータの送受信は、部分的に無線通信部56,61の間の無線通信により行われ、部分的に中継コネクタ55,63,71,72を通じた有線通信により行われ得る。例えば、少ないデータの送受信が、中継コネクタ55,63,71,72を通じた有線通信により行われ得る。
【0130】
以上説明された第1の実施形態に係る電子機器1において、光源61a及び受光素子61bは、収容空間Sに収容される。光源61a及び受光素子61bは、光源56aが発生させた光Lに対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)を生成することと、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)に対応する光Lを受光素子56bに向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。プリアンプ62は、収容空間Sに収容され、磁気ヘッド15に電気的に接続され、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを通じて筐体11の外のPCB50と通信する。従来において、例えば、中継基板75に設けられた中継コネクタ71,72が、プリアンプ62とPCB50との間でライト信号及びリード信号の送受信を行うことがある。中継基板75及び中継コネクタ71,72は、ライト信号及びリード信号の容量が増大するに従って大型化する虞がある。中継基板75が大きくなると、中継基板75の細孔や筐体11と中継基板75との間の接着剤85を通じた収容空間Sのガスの漏れ、中継コネクタ71,72と中継コネクタ55,63との間の位置決め精度の低下、及び大型の中継基板75及び中継コネクタ71,72を新たに設計するための設計コストの増大、が生じ得る。一方、本実施形態のHDD10は、プリアンプ62とPCB50との間でのライト信号及びリード信号の通信を、光Lを介して行う。すなわち、HDD10は、中継コネクタ71,72を介さずに筐体11の内部と外部との間で通信を行うことが可能である。これにより、HDD10は、例えば、中継コネクタ71,72に、ライト信号及びリード信号の通信のためのピン(端子)を設ける必要が無い。従って、HDD10は、例えば、中継基板75及び中継コネクタ71,72を小型化又は省略でき、ひいては収容空間Sのガスの漏れを抑制できる。さらに、HDD10は、部品間の位置決め精度の低下、及び設計コストの増大、を抑制できる。
【0131】
光源56a及び受光素子56bは、筐体11の外に位置し、光源61aが発生させた光Lに対応した電気信号(リード信号)を生成することと、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)に対応する光Lを受光素子61bに向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。PCB50は、PWB51を有する。PWB51は、筐体11の外で筐体11に取り付けられ、光源56a及び受光素子56bが実装される。すなわち、光源61a及び受光素子61bは、HDD10と異なる外部の装置と通信するのではなく、筐体11に取り付けられてHDD10に含まれる光源56a及び受光素子56bと通信する。これにより、例えば、HDD10が搭載された電子機器1に光源56a及び受光素子56bを設ける必要が無く、HDD10は一般的なHDDと同様に電子機器1に搭載されることができる。
【0132】
筐体11は、収容空間Sを覆う底壁25を有する。PWB51は、底壁25に向く内面51aを有し、内面51aから窪む凹部51cが設けられる。光源56a及び受光素子56bは、凹部51cに位置してPWB51に実装される。これにより、PWB51のうち凹部51cの周りの部分が光源56a及び受光素子56bを囲むため、受光素子56bは、HDD10の外部からノイズとしての光を受けることを抑制できる。
【0133】
筐体11は、収容空間Sを覆う底壁25を有し、当該底壁25を貫通する貫通孔82が設けられる。光源61a及び受光素子61bは、光源56aから貫通孔82を通じて照射された光Lに対応した電気信号を生成することと、貫通孔82を通じて受光素子56bに光Lを照射することと、のうち少なくとも一方を行う。このように、光源56a,61a及び受光素子56b,61bは、筐体11の内部と外部との間でのライト信号及びリード信号の通信を、光Lを介して行う。これにより、HDD10は、例えば、中継コネクタ71,72にライト信号及びリード信号の通信のためのピン(端子)を設ける必要が無い。従って、HDD10は、例えば、収容空間Sのガスの漏れを抑制できる。さらに、HDD10は、部品間の位置決め精度の低下、及び設計コストの増大、を抑制できる。また、光を介した通信は、一般的に、電気信号を介した通信よりも転送速度を早くすることができる。このため、無線通信部56,61は、光源56a,61a及び貫通孔82の数を少なくすることができ、貫通孔82を通じた収容空間Sのガスの漏れを抑制できる。
【0134】
第1の遮光シート95は、PWB51と筐体11との間に位置し、光源56a及び受光素子56bを囲み、光を遮断する。第1の遮光シート95が光源56a及び受光素子56bを囲むため、受光素子56bは、HDD10の外部からノイズとしての光を受けることを抑制できる。
【0135】
筐体11は、貫通孔82を封止する透明又は半透明な封止材91を有する。光源61a及び受光素子61bは、光源56aから封止材91を通じて照射された光Lに対応した電気信号を生成することと、封止材91を通じて受光素子56bに光Lを照射することと、のうち少なくとも一方を行う。これにより、本実施形態のHDD10は、貫通孔82を通じて収容空間Sのガスが漏れることを抑制できる。
【0136】
有線接続部70は、PCB50とプリアンプ62とを電気的に接続する。筐体11は、収容空間Sを覆うとともに挿通孔81が設けられた底壁25と、挿通孔81を塞ぐ中継基板75と、を有する。有線接続部70は、中継基板75に設けられて筐体11の外に位置するとともにPCB50に電気的に接続される中継コネクタ71と、中継基板75に設けられて収容空間Sに位置するとともに中継コネクタ71に電気的に接続された中継コネクタ72と、を有する。プリアンプ62は、中継コネクタ72に電気的に接続され、中継コネクタ71及び中継コネクタ72を通じてPCB50から電力を供給される。これにより、プリアンプ62は、中継コネクタ71,72を通じて安定した電力を供給されることができる。一方、中継コネクタ71,72は、リード信号及びライト信号を伝達するピン(端子)を有する必要が無い。このため、中継コネクタ71,72及び中継基板75が大型化することが抑制され、HDD10は、収容空間Sのガスの漏れを抑制できる。
【0137】
第1の実施形態について、下記の別の表現でも説明され得る。無線通信部61は、収容空間Sに収容される。無線通信部61は、無線通信部56が発生させた光Lに対応したライト信号を生成することと、リード信号に対応する光Lを無線通信部56に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。プリアンプ62は、収容空間Sに収容され、磁気ヘッド15に電気的に接続され、無線通信部56,61を通じて筐体11の外のPCB50と通信する。また、変換IC61cは、収容空間Sに収容され、磁気ヘッド15に電気的に接続され、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを通じて筐体11の外の変換IC56cと通信する。
【0138】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図7を参照して説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、第1の実施形態の構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0139】
図7は、第2の実施形態に係るHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。図7に示すように、第2の実施形態のHDD10は、フォトカプラ100を有する。フォトカプラ100は、通信ユニットの一例である。
【0140】
フォトカプラ100は、光源56a,61aと、受光素子56b,61bと、複数の導電部材101と、ケーシング102とを有する。フォトカプラ100の光源56a,61aは、例えば、LEDである。なお、光源56a,61aは、第1の実施形態と同じくLDであっても良い。
【0141】
導電部材101は、例えば、銅のような金属によって作られる。複数の導電部材101は、対応する光源56a,61a又は受光素子56b,61bに接続される。例えば、それぞれの導電部材101の一方の端部に、光源56a,61a及び受光素子56b,61bのうち一つが接続される。導電部材101の他方の端部は、フォトカプラ100の端子である。
【0142】
ケーシング102は、例えば、合成樹脂のような絶縁性の材料によって作られる。ケーシング102は、箱型に形成され、内部に空間102aが設けられる。空間102aは、例えば、気密に密封されている。
【0143】
光源56a,61a及び受光素子56b,61bは、空間102aに収容される。このため、ケーシング102は、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを覆う。ケーシング102は、例えば黒色であり、光を遮る。このため、ケーシング102は、受光素子56b,61bに外部の光が入射することを抑制する。
【0144】
空間102aにおいて、光源56a,61a及び受光素子56b,61bは、互いに離間している。光源56aと受光素子61bとは、空間102aにおいて間隔を介して向かい合う。さらに、受光素子56bと光源61aとは、空間102aにおいて間隔を介して向かい合う。
【0145】
第2の実施形態において、変換IC56cは、フォトカプラ100に組み込まれても良いし、PWB51に実装されても良いし、省略されても良い。また、変換IC61cは、フォトカプラ100に組み込まれても良いし、FPC19に実装されても良いし、省略されても良い。
【0146】
導電部材101は、例えばインサート成型によってケーシング102と一体に形成され、ケーシング102の内部と外部とに亘って設けられる。このため、ケーシング102は、導電部材101を保持する。
【0147】
ケーシング102は、導電部材101を保持することで、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを間接的に保持する。すなわち、ケーシング102は、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを互いに離間した位置に保持する。
【0148】
第2の実施形態において、底壁25に、貫通孔82の代わりに、収容孔105が設けられる。収容孔105は、第4の貫通孔の一例である。収容孔105は、底壁25を貫通し、内面25a及び外面25bで開口する。言い換えると、収容孔105は、収容空間Sと筐体11の外とを連通する。
【0149】
フォトカプラ100の少なくとも一部が、収容孔105の内部に配置される。本実施形態では、フォトカプラ100のケーシング102が、収容孔105の内部に配置される。なお、フォトカプラ100はこの例に限られない。例えば、ケーシング102が収容孔105の外に位置し、導電部材101が収容孔105を貫通していても良い。
【0150】
収容孔105の断面積は、内面25aから外面25bへ向かって広がり、又は先細る。このため、収容孔105の内周面105aが、ケーシング102を支持することができる。なお、収容孔105は、この例に限られない。
【0151】
HDD10は、封止材108をさらに有する。封止材108は、ケーシング102と、収容孔105の内周面105aと、の間に充填される。これにより、封止材108は、ケーシング102と、収容孔105の内周面105aと、の間の隙間を気密に封止する。
【0152】
光源56aに接続された導電部材101と、受光素子56bに接続された導電部材101とは、PWB51に電気的に接続される。例えば、導電部材101は、半田付けにより、PWB51に設けられた電極に接続される。
【0153】
光源61aに接続された導電部材101と、受光素子61bに接続された導電部材101とは、FPC19に電気的に接続される。例えば、導電部材101は、半田付けにより、FPC19に設けられた電極に接続される。
【0154】
第2の実施形態において、収容空間Sのプリアンプ62と、筐体11の外のPCB50のコントローラ53とは、第1の実施形態と同じく、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを通じて、無線通信を行う。収容空間SのFPC19と筐体11の外のPCB50とは、一つのフォトカプラ100に電気的に接続される。しかし、フォトカプラ100の内部において、無線通信部56の光源56a及び受光素子56bと、無線通信部61の光源61a及び受光素子61bとは、互いに離間しており、電気信号ではなく光信号を用いて通信を行う。
【0155】
以上説明された第2の実施形態の電子機器1において、フォトカプラ100は、光源61a及び受光素子61bと、光源56a及び受光素子56bと、ケーシング102とを有する。ケーシング102は、光源56a,61a及び受光素子56b,61bを互いに離間した位置に保持するとともに光源56a,61a及び受光素子56b,61bを覆う。筐体11は、収容空間Sを覆う底壁25を有し、底壁25を貫通する収容孔105が設けられる。フォトカプラ100の少なくとも一部は、収容孔105に配置される。これにより、プリアンプ62とPCB50とが、フォトカプラ100を通じて通信を行うことができる。さらに、ケーシング102は、光源61a及び受光素子61bと光源56a及び受光素子56bとを覆うため、光源61a及び受光素子61bと光源56a及び受光素子56bとの通信にノイズが混じることを抑制できる。
【0156】
プリアンプ62とPCB50とは、フォトカプラ100を通じて通信を行う。フォトカプラ100は、一般的な素子である。このため、HDD10は、コストが増大することを抑制できる。
【0157】
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。図8は、第3の実施形態に係るHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。図9は、第3の実施形態のHDD10の構成を示す例示的なブロック図である。図9に示すように、第3の実施形態において、無線通信部56は、PWB51ではなく、電子機器1に搭載される。
【0158】
第3の実施形態の電子機器1は、HDD10と、HDD10とは別の無線通信部56と、I/Fコネクタ1aと、プロセッサ1bとを有する。このため、電子機器1は、光源56aと、受光素子56bと、変換IC56cとを有する。プロセッサ1bは、第3の実施形態における外部部品の一例である。
【0159】
図8に示すように、第3の実施形態のPWB51には、凹部51cの代わりに、露出口111が設けられる。露出口111は、第5の貫通孔の一例である。露出口111は、PWB51を貫通し、PWB51の内面51aと外面51bとに開口する。
【0160】
底壁25の外面25bに沿う方向において、複数の貫通孔82は、露出口111の内側に位置する。このため、露出口111は、外面25bの一部と、当該外面25bに開口する複数の貫通孔82と、複数の封止材91と、を露出させる。第3の実施形態において、第1の遮光シート95の貫通孔95cは、露出口111に連通する。
【0161】
第3の実施形態の光源56a、受光素子56b、及び変換IC56cは、例えば、電子機器1の基板1cに実装される。基板1cは、例えば、電子機器1のマザーボードであっても良いし、電子機器1に搭載された拡張カードの基板であっても良い。
【0162】
無線通信部56の光源56aと、無線通信部61の受光素子61bとは、露出口111と、対応する貫通孔82の封止材91と、を介して向かい合う。光源56aは、例えば、露出口111と、対応する貫通孔82の封止材91を通じて、無線通信部61の受光素子61bの受光面に光Lを出射する。
【0163】
無線通信部56の受光素子56bと、無線通信部61の光源61aとは、露出口111と、対応する貫通孔82の封止材91と、を介して向かい合う。受光素子56bは、例えば、光源61aから出射され、露出口111と、対応する貫通孔82の封止材91と、を通って受光面に入射した光Lに対応した電気信号を出力する。
【0164】
以下、第3の実施形態のHDD10の動作の一例について説明する。例えば、書き込み動作において、図9の電子機器1のプロセッサ1bが、ライト信号を無線通信部56の変換IC56cに入力する。
【0165】
変換IC56cは、入力されたライト信号を駆動信号に変換し、光源56aへ出力する。光源56aは、当該駆動信号に対応したレーザ光(光)Lを、露出口111と貫通孔82の封止材91とを通じて、無線通信部61の受光素子61bに向かって出射する。言い換えると、無線通信部56の光源56aは、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)に対応する光Lを、露出口111を通じて無線通信部61の受光素子61bに向かって発生させる。
【0166】
無線通信部61の受光素子61bに光Lが入射すると、受光素子61bは、当該光Lに対応する出力信号を変換IC61cへ出力する。変換IC61cは、出力信号をライト信号に変換(復元)し、プリアンプ62へ出力する。このように、無線通信部61の受光素子61bは、無線通信部56の光源56aが発生させるとともに露出口111を通った光Lに対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号(ライト信号)を生成する。
【0167】
プリアンプ62は、ライト信号を増幅して磁気ヘッド15に出力する。磁気ヘッド15は、当該ライト信号に含まれる書き込み対象のデータを、磁気ディスク12の記憶層に書き込む。
【0168】
一方、読み出し動作において、磁気ヘッド15が読み出し対象のデータを読み出すと、プリアンプ62は、読み出したデータに対応するリード信号を増幅し、無線通信部61の変換IC61cに出力する。変換IC61cは、入力されたリード信号を駆動信号に変換し、光源61aへ出力する。光源61aは、当該駆動信号に対応したレーザ光(光)Lを、露出口111と貫通孔82の封止材91とを通じて、無線通信部56の受光素子56bに向かって出射する。言い換えると、無線通信部61の光源61aは、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)に対応する光Lを、露出口111を通じて無線通信部56の受光素子56bに向かって発生させる。
【0169】
無線通信部56の受光素子56bに光Lが入射すると、受光素子56bは、当該光Lに対応する出力信号を変換IC56cへ出力する。変換IC56cは、出力信号をリード信号に変換(復元)し、プロセッサ1bへ出力する。このように、無線通信部56の受光素子56bは、無線通信部61の光源61aが発生させるとともに露出口111を通った光Lに対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号(リード信号)を生成する。
【0170】
プロセッサ1bは、リード信号を復調し、磁気ディスク12から読み出されたデータを取得する。なお、プロセッサ1bと無線通信部56との間に、無線通信部56のコントローラが設けられても良い。
【0171】
以上説明された第3の実施形態の電子機器1において、PWB51は筐体11の外で筐体11に取り付けられ、プロセッサ1bに電気的に接続される。筐体11は、収容空間Sを覆う底壁25を有する。PWB51は、底壁25に向く内面51aと、内面51aの反対側に位置する外面51bと、を有し、内面51aと外面51bとに開口する露出口111が設けられる。光源61a及び受光素子61bは、光源56aが発生させるとともに露出口111を通った光Lに対応した電気信号(リード信号)を生成することと、露出口111を通じて光Lを受光素子56bに向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。これにより、PWB51は、光源61a及び受光素子61bと光源56a及び受光素子56bとの間の通信に用いられる光Lを遮ってしまうことを抑制できる。
【0172】
電子機器1は、HDD10と、光源56a及び受光素子56bと、プロセッサ1bとを有する。これにより、電子機器1は、例えばHDD10のPWB51を介することなく、直接的に光源61a及び受光素子61bと通信することができる。
【0173】
(第4の実施形態)
以下に、第4の実施形態について、図10乃至図13を参照して説明する。図10は、第4の実施形態に係るHDD10を分解して示す例示的な斜視図である。図11は、第4の実施形態のHDD10の構成を示す例示的なブロック図である。
【0174】
図10に示すように、第4の実施形態のHDD10は、第1の実施形態の中継FPC65を省略する。図11に示すように、第4の実施形態のHDD10において、FPC19が、中継FPC65の代わりにスピンドルモータ13とサーボコントローラ54とを電気的に接続する。
【0175】
図12は、第4の実施形態のHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。図13は、第4の実施形態のHDD10の他の一部を概略的に示す例示的な断面図である。
【0176】
第4の実施形態のFPC19は、例えば、三又に分岐している。図12に示すように、第4の実施形態のFPC19は、第3の端部121と第4の端部122とをさらに有する。第3の端部121は、スピンドルモータ13に電気的に接続される。
【0177】
第4の実施形態の底壁25に、挿通孔81の代わりに挿通孔125が設けられる。挿通孔125は、第3の貫通孔の一例である。挿通孔125は、底壁25を貫通し、内面25a及び外面25bに開口する。挿通孔125は、例えば、スリット状に形成される。挿通孔125は、例えば、スピンドルモータ13の近傍に位置し、貫通孔82から離間している。なお、挿通孔125の位置は、この例に限られない。
【0178】
FPC19の第4の端部122は、挿通孔125を通って設けられる。すなわち、第4の端部122の一部は挿通孔125を貫通している。第4の端部122の他の一部は、筐体11の外で、底壁25とPWB51との間に位置する。
【0179】
第4の端部122は、内面122aと外面122bとを有する。内面122aは、底壁25の外面25bに向く。内面122aは、例えば接着剤により、外面25bに固定される。外面122bは、内面122aの反対側に位置する。外面122bは、間隔を介してPWB51の内面51aに向く。
【0180】
第4の実施形態のHDD10は、中継コネクタ55,63,71,72の代わりに、コネクタ127,128を有する。コネクタ127は、第4の端部122の外面122bに設けられる。コネクタ128は、PWB51の内面51aに設けられる。コネクタ127,128は、互いに接続される。これにより、FPC19は、コネクタ127,128を通じて、PCB50に電気的に接続される。
【0181】
第4の実施形態において、FPC19は、コネクタ127,128を通じて、PCB50から電力を供給される。スピンドルモータ13は、FPC19及びコネクタ127,128を通じて、PCB50から電力を供給される。
【0182】
第4の実施形態のHDD10は、図12の封止材131と、図13の蓄電装置132とをさらに有する。封止材131は、第2の封止材の一例である。蓄電装置132は、内部電源の一例である。
【0183】
図12に示すように、封止材131は、FPC19の第4の端部122と、挿通孔125の内面と、の間の隙間に充填される。これにより、封止材131は、挿通孔125を気密に封止する。さらに、封止材131は、第4の端部122の内面122aを底壁25の外面25bに接着しても良い。
【0184】
図13に示すように、蓄電装置132は、収容空間SにおいてFPC19に実装される。蓄電装置132は、例えば、第4の端部122と、第1の端部19a及び第2の端部19bと、の間に位置する。なお、蓄電装置132の位置は、この例に限られない。
【0185】
蓄電装置132は、例えば、コンデンサである。なお、蓄電装置132は、二次電池のような他の電源であっても良い。蓄電装置132は、FPC19及びコネクタ127,128を通じて、PCB50から電力を供給される。蓄電装置132は、供給された電力(電荷)を蓄える。
【0186】
蓄電装置132は、磁気ヘッド15、光源61a、及びプリアンプ62のうち少なくとも一つに、蓄えた電力を供給する。例えば、蓄電装置132は、光源61aに電力を供給する。蓄電装置132が光源61aに供給可能な電力は、PCB50がスピンドルモータ13に供給可能な電力よりも大きい。
【0187】
蓄電装置132は、光源61aに電力を供給するか否かの判定を行っても良い。例えば、蓄電装置132は、光源61aが使用する電力が、FPC19及びコネクタ127,128を通じて光源61aに供給される電力を上回る場合に、蓄えた電力を光源61aに供給しても良い。
【0188】
蓄電装置132は、省略されても良い。この場合、磁気ヘッド15、光源61a、及びプリアンプ62は、FPC19及びコネクタ127,128を通じて、PCB50から電力を供給される。
【0189】
以上説明された第4の実施形態の電子機器1において、スピンドルモータ13は、収容空間Sに収容され、磁気ディスク12を回転させる。FPC19は、筐体11に設けられた挿通孔125を通って設けられ、磁気ヘッド15、光源61a、PCB50、及びスピンドルモータ13に電気的に接続され、PCB50から電力を供給される。スピンドルモータ13は、FPC19を通じてPCB50から電力を供給される。これにより、本実施形態のHDD10は、FPC19を通じて磁気ヘッド15、光源61a、及びスピンドルモータ13に一括して電力を供給することができる。従って、筐体11は、例えば、磁気ヘッド15及び光源61aに電力を供給するための貫通孔と、スピンドルモータ13に電力を供給するための他の貫通孔と、を別々に設けられる必要が無く、収容空間Sのガスが漏れることを抑制できる。さらに、封止材131は、挿通孔125を封止する。これにより、HDD10は、挿通孔125を通じて収容空間Sのガスが漏れることを抑制できる。さらに、HDD10は、中継コネクタ55,63,71,72が不要となるため、光源61a及び受光素子61bの周りの空間を広くすることができ、HDD10の組み立てを容易にすることができる。これにより、HDD10の製造の歩留まりが向上する。
【0190】
蓄電装置132は、収容空間SにおいてFPC19に実装され、FPC19を通じてPCB50から供給された電力を蓄え、磁気ヘッド15、光源61a、及びプリアンプ62のうち少なくとも一つに蓄えた電力を供給する。これにより、蓄電装置132は、FPC19を通じてPCB50から供給される電力を上回る電力を、磁気ヘッド15、光源61a、及び内部部品のうち少なくとも一つに供給することができる。従って、磁気ヘッド15、光源61a、及びプリアンプ62が動作するための電力が、スピンドルモータ13が動作するための電力より大きかったとしても、磁気ヘッド15、光源61a、及びプリアンプ62が動作することができる。
【0191】
(第5の実施形態)
以下に、第5の実施形態について、図14を参照して説明する。図14は、第5の実施形態に係るHDD10の一部を概略的に示す例示的な断面図である。第5の実施形態は、第4の実施形態の変形例であり、以下の記載を除いて第4の実施形態と略同一である。
【0192】
第5の実施形態において、FPC19は、第2の端部19bを省略できる。無線通信部61の光源61a、受光素子61b、及び変換IC61cは、第1の端部19aに実装される。このため、光源61a及び受光素子61bは、アクチュエータブロック35とともに、支持軸31まわりに回転する。
【0193】
第5の実施形態において、貫通孔82及び封止材91は、支持軸31まわりに延びる略円弧状に形成される。このため、光源61a及び受光素子61bは、支持軸31まわりに回転しても、対応する貫通孔82及び封止材91に向いている。
【0194】
第5の実施形態の光源56a,61aは、例えば、LEDである。このため、第5の実施形態の光源56a,61aが発生させる光Lは、LDが発生させる光Lよりも拡散しやすい。
【0195】
第5の実施形態において、PWB51に複数の凹部51cが設けられる。光源56aは、複数の凹部51cのうち一つに位置する。受光素子56bは、複数の凹部51cのうち他の一つに位置する。さらに、第1の遮光シート95に、複数の貫通孔95cが設けられる。貫通孔95cは、対応する凹部51cに連通する。
【0196】
光源61aは、光Lを、貫通孔82の封止材91を通じて、受光素子56bに照射する。光源61aが発生させた光Lは、拡散するため、光源61aが支持軸31まわりに回転しても受光素子56bの受光面に入射しやすい。
【0197】
光源56aは、光Lを、貫通孔82の封止材91を通じて、受光素子61bに照射する。光源56aが発生させた光Lは、拡散するため、受光素子61bが支持軸31まわりに回転しても受光素子61bの受光面に入射しやすい。
【0198】
光源56aが位置する凹部51cは、受光素子56bが位置する凹部51cから隔てられている。このため、凹部51cは、光源56aから出射した光Lが、受光素子56bに入射することを抑制できる。
【0199】
以上説明された第5の実施形態の電子機器1において、光源61a及び受光素子61bは、FPC19のうち、支持軸31まわりに回転するアクチュエータアセンブリ16に取り付けられた部分に実装される。これにより、HDD10は、FPC19を短くすることができる。
【0200】
以上の実施形態において、無線通信部56,61は、光Lを用いて無線通信を行う。しかし、無線通信部56,61はこの例に限られず、磁界又は電界を用いて無線通信を行っても良い。すなわち、無線通信部61は、無線通信部56が発生させた光、磁界、又は電界に対応した、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号を生成することと、磁気ヘッド15が磁気ディスク12から読み出した情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を無線通信部56に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。また、無線通信部56は、無線通信部61が発生させた光、磁界、又は電界に対応した電気信号を生成することと、磁気ヘッド15が磁気ディスク12に書き込む情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を無線通信部61に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。
【0201】
無線通信部56,61は、いわゆるデジタルアイソレータとして、筐体11の外のPCB50又はプロセッサ1bと、収容空間Sのプリアンプ62と、の間で無線通信を行う。無線通信部56,61が光、磁界、及び電界のいずれを用いても、HDD10は、中継コネクタ71,72を介さずに筐体11の内部と外部との間で通信を行うことが可能である。これにより、HDD10は、例えば、中継コネクタ71,72に、ライト信号及びリード信号の通信のためのピン(端子)を設ける必要が無くなる。従って、HDD10は、例えば、中継基板75及び中継コネクタ71,72を小型化又は省略でき、ひいては収容空間Sのガスの漏れを抑制できる。さらに、HDD10は、部品間の位置決め精度の低下、及び設計コストの増大、を抑制できる。
【0202】
さらに、以上の実施形態において、筐体11の内部に配置されたFPC19に、有線接続部70を通じて有線により電力が供給された。しかし、FPC19に、無線給電により電力が供給されても良い。
【0203】
さらに、以上の実施形態において、無線通信部56,61は、双方向の無線通信を行う。しかし、無線通信部56,61は、一方向の無線通信を行っても良い。例えば、無線通信部61が受光素子61bを省略し、無線通信部56が光源56aを省略することで、無線通信部61から無線通信部56への一方向の無線通信が行われ、HDD10が読み出し専用の記憶装置として利用されても良い。
【0204】
以上説明された少なくとも一つの実施形態によれば、ディスク装置は、筐体と、ディスク状の記録媒体と、磁気ヘッドと、内部無線通信装置と、内部部品と、を備える。前記筐体は、内部に収容空間が設けられる。前記記録媒体は、前記収容空間に収容され、記録層を有する。前記磁気ヘッドは、前記収容空間に収容され、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成される。前記内部無線通信装置は、外部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う。前記内部部品は、前記収容空間に収容され、前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記筐体の外の外部部品と通信する。例えば、内部部品と外部部品との間でライト信号及びリード信号の送受信を行うために、ディスク装置に、コネクタが搭載されるとともに筐体の貫通孔を塞ぐ中継基板が設けられることがある。当該中継基板及びコネクタは、ライト信号及びリード信号の容量が増大するに従って大型化する虞がある。中継基板が大きくなると、中継基板の細孔や筐体と中継基板との接着部を通じた収容空間の気体の漏れ、コネクタを含む部品間の位置決め精度の低下、及び大型の基板及びコネクタを新たに設計するための設計コストの増大、が生じ得る。一方、本実施形態のディスク装置は、内部部品と外部部品との間でのライト信号及びリード信号の通信を、光、磁界、又は電界を介して行う。これにより、ディスク装置は、例えば、ライト信号及びリード信号の通信のためのコネクタ(ピン)を設ける必要が無い。従って、ディスク装置は、例えば、収容空間の気体の漏れを抑制できる。さらに、ディスク装置は、部品間の位置決め精度の低下、及び設計コストの増大、を抑制できる。
【0205】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0206】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲の内容を付記する。
[1]
内部に収容空間が設けられた筐体と、
前記収容空間に収容され、記録層を有する、ディスク状の記録媒体と、
前記収容空間に収容され、前記記録媒体に対して情報を読み書きするよう構成された、磁気ヘッドと、
外部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体から読み出した情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、内部無線通信装置と、
前記収容空間に収容され、前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記筐体の外の外部部品と通信する、内部部品と、
を具備するディスク装置。
[2]
前記筐体の外に位置し、前記内部無線通信装置が発生させた光、磁界、又は電界に対応した電気信号を生成することと、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に書き込む情報の電気信号に対応する光、磁界、又は電界を前記内部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、前記外部無線通信装置と、
前記筐体の外で前記筐体に取り付けられ、前記外部無線通信装置が実装された、第1の基板を有し、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を通じて前記内部部品と通信する、前記外部部品と、
をさらに具備する[1]のディスク装置。
[3]
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、
前記第1の基板は、前記第1の壁に向く第1の面を有し、前記第1の面から窪む凹部が設けられ、
前記外部無線通信装置は、前記凹部に位置して前記第1の基板に実装される、
[2]のディスク装置。
[4]
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、前記第1の壁を貫通する第1の貫通孔が設けられ、
前記内部無線通信装置は、前記外部無線通信装置から前記第1の貫通孔を通じて照射された光に対応した電気信号を生成することと、前記第1の貫通孔を通じて前記外部無線通信装置に光を照射することと、のうち少なくとも一方を行う、
[2]のディスク装置。
[5]
前記第1の基板と前記筐体との間に位置し、前記外部無線通信装置を囲み、光を遮断する、遮光部材、
をさらに具備する[4]のディスク装置。
[6]
前記筐体は、前記第1の貫通孔を封止する透明又は半透明な第1の封止材を有し、
前記内部無線通信装置は、前記外部無線通信装置から前記第1の封止材を通じて照射された光に対応した電気信号を生成することと、前記第1の封止材を通じて前記外部無線通信装置に光を照射することと、のうち少なくとも一方を行う、
[4]又は[5]のディスク装置。
[7]
前記外部部品と前記内部部品とを電気的に接続する接続部、
をさらに具備し、
前記筐体は、前記収容空間を覆うとともに第2の貫通孔が設けられた第1の壁と、前記第2の貫通孔を塞ぐ第2の壁と、を有し、
前記接続部は、前記第2の壁に設けられて前記筐体の外に位置するとともに前記外部部品に電気的に接続される第1のコネクタと、前記第2の壁に設けられて前記収容空間に位置するとともに前記第1のコネクタに電気的に接続された第2のコネクタと、を有し、
前記内部部品は、前記第2のコネクタに電気的に接続され、前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタを通じて前記外部部品から電力を供給される、
[2]のディスク装置。
[8]
前記収容空間に収容され、前記記録媒体を回転させるモータと、
前記筐体に設けられた第3の貫通孔を通って設けられ、前記磁気ヘッド、前記内部無線通信装置、前記外部部品、及び前記モータに電気的に接続され、前記外部部品から電力を供給される、フレキシブルプリント配線板と、
前記第3の貫通孔を封止する第2の封止材と、
をさらに具備し、
前記モータは、前記フレキシブルプリント配線板を通じて前記外部部品から電力を供給される、
[2]のディスク装置。
[9]
前記収容空間において前記フレキシブルプリント配線板に実装され、前記フレキシブルプリント配線板を通じて前記外部部品から供給された電力を蓄え、前記磁気ヘッド、前記内部無線通信装置、及び前記内部部品のうち少なくとも一つに蓄えた電力を供給する、内部電源、
をさらに具備する[8]のディスク装置。
[10]
前記内部無線通信装置と、前記外部無線通信装置と、前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を互いに離間した位置に保持するとともに前記内部無線通信装置及び前記外部無線通信装置を覆うケーシングと、を有する通信ユニット、
をさらに具備し、
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、前記第1の壁を貫通する第4の貫通孔が設けられ、
前記通信ユニットの少なくとも一部が前記第4の貫通孔の内部に配置された、
[1]のディスク装置。
[11]
前記筐体の外で前記筐体に取り付けられ、前記外部部品に電気的に接続された、第2の基板、
をさらに具備し、
前記筐体は、前記収容空間を覆う第1の壁を有し、
前記第2の基板は、前記第1の壁に向く第1の面と、前記第1の面の反対側に位置する第2の面と、を有し、前記第1の面と前記第2の面とに開口する第5の貫通孔が設けられ、
前記内部無線通信装置は、前記外部無線通信装置が発生させるとともに前記第5の貫通孔を通った光、磁界、又は電界に対応した電気信号を生成することと、前記第5の貫通孔を通じて光、磁界、又は電界を前記外部無線通信装置に向かって発生させることと、のうち少なくとも一方を行う、
[1]のディスク装置。
[12]
[11]のディスク装置と、
前記外部無線通信装置と、
前記外部部品と、
を具備する電子機器。
【符号の説明】
【0207】
10…ハードディスクドライブ(HDD)、11…筐体、12…磁気ディスク、13…スピンドルモータ、15…磁気ヘッド、19…フレキシブルプリント回路板(FPC)、25…底壁、25a…内面、25b…外面、50…プリント回路板(PCB)、51…プリント配線板(PWB)、51a…内面、51b…外面、51c…凹部、56,61…無線通信部、56a,61a…光源、56b,61b…受光素子、56c,61c…変換IC、62…プリアンプ、70…有線接続部、71,72…中継コネクタ、75…中継基板、81…挿通孔、82…貫通孔、91…封止材、95…第1の遮光シート、100…フォトカプラ、102…ケーシング、105…収容孔、111…露出口、125…挿通孔、131…封止材、132…蓄電装置、S…収容空間、L…光。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14