IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧

特許7487211陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース
<>
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図1
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図2
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図3
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図4
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図5
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図6
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図7
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図8
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図9
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図10
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図11
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図12
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図13
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図14
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図15
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図16
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図17
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図18
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図19
  • 特許-陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】陰圧療法システム用の取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェース
(51)【国際特許分類】
   A61M 27/00 20060101AFI20240513BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20240513BHJP
   A61L 31/00 20060101ALI20240513BHJP
   A61L 31/06 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
A61M27/00
A61P17/02
A61L31/00
A61L31/06
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021543172
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-15
(86)【国際出願番号】 US2020014986
(87)【国際公開番号】W WO2020159823
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2023-01-23
(31)【優先権主張番号】62/798,275
(32)【優先日】2019-01-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ライス,ジャスティン
(72)【発明者】
【氏名】キャバノー,マシュー,フランシス,2世
(72)【発明者】
【氏名】ロック,クリストファー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】キャロル,クリストファー,アレン
(72)【発明者】
【氏名】ストークス,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】プラット,ベンジャミン,アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】エドワード,トーマス,アラン
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-518737(JP,A)
【文献】特表2015-514451(JP,A)
【文献】米国特許第05637080(US,A)
【文献】特表2015-501712(JP,A)
【文献】国際公開第2018/217621(WO,A1)
【文献】特表2015-505706(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 27/00
A61P 17/02
A61L 31/00
A61L 31/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰圧源をドレッシングに接続するためのドレッシングインタフェースにおいて、
陰圧を送達するための陰圧ポートであって、当該陰圧ポートが、
フランジ、および
前記フランジに結合された導管ハウジング、を有する陰圧ポートと、
開口部を有する結合部材であって、前記導管ハウジングが当該結合部材の開口部を通って延びるように前記陰圧ポートが前記結合部材に結合されており、さらに、第1領域剥離強度を有する第1接着領域と、前記第1領域剥離強度よりも小さい第2領域剥離強度を有する第2接着領域と、前記第1接着領域と前記第2接着領域との間のヒンジ線と、有する結合部材と、
を備える、ドレッシングインタフェース。
【請求項2】
前記結合部材は、
シェル層と、
複数のを含む接触層と、を更に備え、
前記シェル層は、前記接触層の前記複数のを少なくとも部分的に通って延びるように構成されている、請求項1に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項3】
前記複数ののうちの少なくとも1つは、前記第1接着領域内に位置し、前記ヒンジ線を横切って前記第2接着領域内に延びている、請求項2に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項4】
前記複数のは、
第1の複数の
第2の複数のと、を更に備える、請求項2又は3のいずれか一項に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項5】
前記シェル層は、前記第1の複数のを少なくとも部分的に通って延びて前記第1接着領域を形成するように構成され、前記シェル層は、前記第2の複数のを少なくとも部分的に通って延びて前記第2接着領域を形成するように構成されている、請求項4に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項6】
前記第1接着領域は、前記第1の複数のに近接する前記接触層の第1部分と、前記第1の複数のを通って延びる前記シェル層の第1部分とによって形成されるように構成され、
前記第2接着領域は、前記第2の複数のに近接する前記接触層の第2部分と、前記第2の複数のを通って延びる前記シェル層の第2部分とによって形成されるように構成されている、
請求項4に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項7】
前記第1の複数のの各は、第1開口領域を有し、前記第2の複数のの各は、第2開口領域を有し、前記第2開口領域は、前記第1開口領域よりも小さい、請求項4に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項8】
前記ヒンジ線のいかなる部分も前記開口部と交差しない、請求項1に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項9】
前記陰圧ポート及び前記第2接着領域は、前記ヒンジ線の周りを回転するように構成されている、請求項1に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項10】
前記フランジは、コードによって切断された円形形状を有し、切頭円を形成し、前記コードは、前記ヒンジ線に平行になるように構成されている、請求項に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項11】
前記第2接着領域は、カバーを破壊することなく前記カバーから取り外し可能であるように構成され、一方、前記第1接着領域は、前記カバーに接着されたままであるように構成されている、請求項1に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項12】
前記接触層は1つ以上のシリコーン接着剤、親水コロイド接着剤及びポリウレタンゲル接着剤を含む、請求項2に記載のドレッシングインタフェース。
【請求項13】
前記シェル層は1つ以上のアクリル接着剤、粘着性シリコーン接着剤及び感圧接着剤を含む、請求項2に記載のドレッシングインタフェース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本発明は、2019年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/798,275号の出願の利益を主張するものであり、これは、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
添付の特許請求の範囲に記載の本発明は、概して、組織処置システムに関し、より具体的には、限定されるものではないが、陰圧による組織処置用のドレッシング、及び陰圧による組織処置用のドレッシングの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
臨床研究及び臨床診療から、組織部位の近位における圧力を低下させることにより、その組織部位における新たな組織の成長を増強及び加速させることができる点が示されている。この現象の用途は数多くあるが、創傷を治療するために特に有利であることが判明している。外傷であれ、手術であれ、又は別の原因であれ、創傷の病因とは関わりなく、転帰に関しては、創傷の適切なケアが重要である。創傷又は他の組織の減圧による処置は、一般に、「陰圧療法」と称され得るが、例えば、「陰圧創傷療法」、「減圧療法」、「真空療法」、「真空補助閉鎖」、及び「局所陰圧」を含む、他の名称によっても知られている。陰圧療法は、上皮組織及び皮下組織の移行、血流の改善、及び創傷部位における組織の微小変形などを含めた、いくつもの利益をもたらすことができる。これらの利益は全体として、肉芽組織の発達を促進し、治癒時間を短縮することができる。
【0004】
組織部位の洗浄が、新しい組織の成長に非常に有益であり得ることも広く受け入れられている。例えば、創傷又は空洞は、治療目的で液体溶液により洗い流すことができる。これらの行為は、一般に、それぞれ「灌注(irrigation)」及び「洗浄(lavage)」と称される。「点滴注入」とは、組織部位に流体を低速で導入し、流体を除去する前に所定の期間にわたり流体を残すプロセスを一般的に指す別の行為である。例えば、創傷床にわたる局所処置溶液の点滴注入を陰圧療法と組み合わせて、創傷床における可溶性の汚染物質を弛緩させ、感染性物質を除去することにより創傷治癒を更に促進させることができる。結果として、可溶性細菌負荷を減少させ、汚染物質を除去し、創傷を洗浄することができる。
【0005】
陰圧療法及び/又は点滴注入療法の臨床的利点は広く知られているが、治療システム、構成要素及びプロセスの改善は、医療提供者及び患者に利益をもたらす可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
陰圧療法環境において組織を処置するための、新規かつ有用なシステム、装置、及び方法が、添付の特許請求の範囲に記載されている。特許請求された主題を当業者が製造及び使用することを可能にする、例示的な実施形態も提示されている。
【0007】
例えば、一部の実施形態では、陰圧源をドレッシングに接続するための取り外し可能かつ交換可能なドレッシングインタフェースは、一次カバー接触層、二次カバー接触層、及び陰圧アダプタを含むか、又は本質的にそれらからなり得る。一次カバー接触層は、例えば、剥離強度が約0.8Nのシリコーン接着剤などの低粘着性ゲル接着剤であり得る。しかしながら、一部の実施形態では、例えば、一次カバー接触層は、親水コロイド接着剤又は低粘着性ポリウレタン(PU)ゲル接着剤で形成されてもよい。一部の実施態様では、一次ドレープ接触層は、患者による通常の使用時に陰圧アダプタをカバーに十分にシールするのを助けるために穿孔されてもよい。穿孔は、二次ドレープ接触層が一次カバー接触層を通ってドレッシングのカバーに突出することを可能にする2つのサイズを有し得る。二次カバー接触層は、接着剤でコーティングされた高粘着性ポリウレタンフィルムであり得る。一次カバー接触層の2つの穿孔サイズは、ドレッシングインタフェースがドレッシングのカバーに接着されているときの除去剥離力の変動を可能にし得る。より大きな穿孔を有するドレッシングインタフェースの部分は、より多くの高粘着性二次カバー接触層がカバーに接着することを可能にし、したがって、ドレッシングインタフェースへのアンカーとして機能し得る。この部分は、ドレッシングインタフェースをカバーから除去するために、最大の剥離力を必要とする場合がある。より小さな穿孔を有するドレッシングインタフェースの部分は、より少ない高粘着性二次カバー接触層がカバーに接着することを可能にする。この部分は、ドレッシングインタフェースをカバーから除去するために、より少ない剥離力を必要とする場合がある。したがって、より小さな穿孔を有するこの部分は、組織部位に陰圧療法を供給するのに十分なシールを維持しながら、使用者がドレッシングインタフェースを除去してカバーに再適用することを可能にする剥離力を有し得る。より小さな穿孔を有するドレッシングインタフェースの部分の剥離力は、カバーを損傷又は破壊することなくドレッシングインタフェースを除去することを可能にするのに十分に低くてもよい。更に、陰圧ポートは平坦な部分又は直線部分を有してもよく、この部分は、ドレッシングインタフェースがカバーから除去されるか、又はカバーから剥がされたときに、陰圧ポートがヒンジ動作することを可能にし得る。
【0008】
より一般的には、一部の実施形態は、陰圧源をドレッシングに接続するためのドレッシングインタフェースを含むことができ、ドレッシングインタフェースは、開口部と、第1領域剥離強度を有する第1接着領域と、第1領域剥離強度よりも小さい第2領域剥離強度を有する第2接着領域とを含む結合部材を有する。ドレッシングインタフェースは、陰圧を送達するための陰圧ポートを更に含むことができ、ここで、陰圧ポートは、結合部材に結合されている。
【0009】
一部の実施形態では、陰圧ポートは、フランジと、フランジに結合され、かつ接触層の開口部を通って延びる導管ハウジングとを含む。
【0010】
一部の実施形態では、結合部材は、シェル層と、複数の開口部を含む接触層とを更に含むことができ、ここで、シェル層は、接触層の複数の開口部を少なくとも部分的に通って延びるように構成されている。一部の実施形態では、複数の開口部は、第1の複数の開口部及び第2の複数の開口部を更に含む。
【0011】
一部の実施形態では、第2接着領域は、カバーを破壊することなくカバーから取り外し可能であるように構成され、一方、第1接着領域は、カバーに接着されたままであるように構成されている。
【0012】
あるいは、他の例示的な実施形態は、陰圧源をドレッシングに接続するためのドレッシングインタフェースを含むことができ、ドレッシングインタフェースは、ベースと、ベースに取り付けられた導管ハウジングと、ベースに結合された第1層と、第2層とを有する。第1層は、第1剥離強度を有する接着剤と、導管ハウジングが通過するように構成された開口部とを含む。第2層は、第1層の第1剥離強度よりも小さい第2剥離強度を有する接着剤と、第1の複数の開口部と、第2の複数の開口部とを有する。第1層は、第2層の第1の複数の開口部及び第2の複数の開口部を少なくとも部分的に通って延びるように構成されている。
【0013】
一部の実施形態では、第1層の第1部分は、第1の複数の開口部を通って延び、第2層と共同で第1領域剥離強度を有する第1接着領域を形成するように構成され、第1層の第2部分は、第2の複数の開口部を通って延び、第2層と共同で第1領域剥離強度よりも小さい第2領域剥離強度を有する第2接着領域を形成するように構成されている。
【0014】
他の例示的な実施形態では、陰圧源をドレッシングに接続するためのドレッシングインタフェースは、第1層及び第2層の少なくとも1つに結合された陰圧ポートを含み得る。第1層は、第1面、第2面、及び第1剥離強度を有する第1面上の接着剤を有し得る。第2層は、第1面と、第1層の第1面に結合された第2面とを有してもよく、第2層は、第1層の第1剥離強度よりも小さい第2剥離強度を有する接着剤と、複数の開口部とを含む。第1層は、第2層の複数の開口部を少なくとも部分的に通って延びるように構成されている。
【0015】
更に他の例示的な実施形態では、陰圧源をドレッシングに接続するためのドレッシングインタフェースは、ベースと、ベースに取り付けられた導管ハウジングと、第1面、第2面、及び導管ハウジングが通過するように構成された開口部を有する、ベースに結合されたシェル層と、第1面、シェル層の第1面に結合された第2面、及びベースが存在するように構成された開口部を有する接触層とを含み得る。
【0016】
更に他の例示的な実施形態では、陰圧源をドレッシングに接続するためのドレッシングインタフェースは、接着部分、タブ及び開口部を有する延伸剥離接着剤層と、延伸剥離接着剤層に結合されたフランジと、フランジに結合され、延伸剥離接着剤層の開口部を通って延びる導管ハウジングとを含み得る。
【0017】
更に他の例示的な実施形態では、陰圧源をドレッシングに接続するためのドレッシングインタフェースは、開口部と、第1領域剥離強度を有する第1接着領域と、第1領域剥離強度よりも小さい第2領域剥離強度を有する第2接着領域と、第1接着領域と第2接着領域との間のヒンジ線とを含む結合部材を含み得る。
【0018】
一部の実施形態では、ドレッシングインタフェースは、アプリケータ及びブリッジを含む流体導体を更に含んでもよく、ここで、アプリケータは結合部材に結合される。
【0019】
組織部位を処置するためのシステムも本明細書に記載されており、ここで、一部の例示的な実施形態は、組織部位に近接して配置するためのマニホールドと、患者の表皮上に配置するための、マニホールド上に流体シールを形成するように構成されたカバーと、カバーに結合するための記載されたドレッシングインタフェースと、ドレッシングインタフェースを介してマニホールドに結合するための陰圧源とを含む。
【0020】
更に、組織部位を陰圧で処置する方法は、組織部位にマニホールドを適用することと、患者の表皮上にカバーを適用して、マニホールド上に流体シールを形成することと、記載されたドレッシングインタフェースをカバー上の第1位置に適用することと、マニホールドを陰圧源に流体的に結合することと、陰圧源からマニホールドに陰圧を印加し、治癒及び組織の肉芽形成を促進することと、を含み得る。
【0021】
特許請求される主題を製造及び使用する目的、利点、及び好ましい態様が、例示的実施形態の以下の詳細な説明と併せて添付図面を参照することによって最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本明細書による陰圧治療及び点滴治療を提供することができる治療システムの例示的な実施形態の機能ブロック図である。
【0023】
図2図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェースの一例の等角図である。
【0024】
図3図2のドレッシングインタフェースの分解図である。
【0025】
図4図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得るカバーの一例に組み立てられ、結合された図2のドレッシングインタフェースの上面図である。
【0026】
図5図4のドレッシングインタフェース及びカバーの断面図であり、また図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る組織インタフェースの一例を示す図である。
【0027】
図6図5のドレッシングインタフェース、カバー、及び組織インタフェースの詳細図である。
図7図5のドレッシングインタフェース、カバー、及び組織インタフェースの詳細図である。
【0028】
図8図3のドレッシングインタフェース及びカバーの側面図である。
【0029】
図9図2のドレッシングインタフェースのいくつかの実施形態に関連し得るヒンジ線の例示的な構成の上面図である。
図10図2のドレッシングインタフェースのいくつかの実施形態に関連し得るヒンジ線の例示的な構成の上面図である。
【0030】
図11図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェースの別の例の分解図である。
【0031】
図12図11のドレッシングインタフェースの側面図であり、また図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得るカバーの一例を示す図である。
【0032】
図13図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェースの別の例の分解図である。
【0033】
図14図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース及びカバーの別の例の側面図である。
図15図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース及びカバーの別の例の側面図である。
【0034】
図16図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェースの別の例の等角図である。
【0035】
図17図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース及びカバーの別の例の上面図である。
図18図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース及びカバーの別の例の上面図である。
【0036】
図19図1の治療システムのいくつかの例示的な実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェースの下部セグメント化等角図である。
【0037】
図20図1の治療システム100のいくつかの例示的な実施形態に関連し得る、図19のドレッシングインタフェースの上部のセグメント化等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
例示的実施形態の以下の説明は、添付の特許請求の範囲に記載されている主題を当業者が作製及び使用することを可能にする情報を提供するものであるが、当該技術分野において既に周知の特定の詳細を省略している場合がある。それゆえ、以下の詳細な説明は、限定ではなく例示として解釈されるべきである。
【0039】
例示的な実施形態はまた、添付の図面に示される様々な要素間の空間的関係又は様々な要素間の空間的方位(orientation)を参照して本明細書に記載され得る。一般に、そのような関係又は方位は、治療を受ける位置にある患者と整合する又はその患者に対する基準系を想定している。しかしながら、当業者には認識されるはずであるように、この基準系は厳密な規定というよりは、むしろ単に説明上の便宜的なものである。
【0040】
図1は、本明細書に係る、組織部位への局所処置溶液の点滴注入を伴う陰圧療法を提供することができる、治療システム100の例示的な実施形態の簡略化された機能ブロック図である。
【0041】
用語「組織部位」とは、この文脈では、限定するものではないが、骨組織、脂肪組織、筋組織、神経組織、真皮組織、血管組織、結合組織、軟骨、腱、若しくは靭帯を含めた、組織上又は組織内部に位置する、創傷、欠損、又は他の処置標的を広範に指す。創傷は、例えば、慢性の、急性の、外傷性の、亜急性の、及び裂開した創傷、中間層熱傷、潰瘍(糖尿病潰瘍、圧迫潰瘍、又は静脈不全潰瘍など)、弁状創、及び移植組織を含み得る。用語「組織部位」はまた、必ずしも創傷部又は欠損部ではなく、代わりに、追加的組織の成長を追加又は促進することが望ましいであろう、任意の組織の領域を指す場合もある。例えば、採取して移植することが可能な追加的組織を成長させるために、組織部位に陰圧を印加することができる。
【0042】
治療システム100は、陰圧源105などの、陰圧の発生源又は供給部と、1つ以上の分配構成要素とを含み得る。分配構成要素は、好ましくは着脱可能であり、使い捨て可能、再使用可能、又はリサイクル可能とすることもできる。ドレッシング110などのドレッシング、及び、容器115などの流体容器は、治療システム100の一部の実施例に関連し得る分配構成要素の例である。図1の実施例に示されるように、ドレッシング110は、組織インタフェース120、カバー125、又は一部の実施形態では双方を含み得るか、若しくはそれらから本質的になるものとすることができる。
【0043】
流体導管は、分配構成要素の別の例示的な実施例である。「流体導管」とは、この文脈では、2つの端部間で流体を搬送するように適合されている、1つ以上の管腔又は開放経路を有する、チューブ、パイプ、ホース、導管、若しくは他の構造体を広範に含む。典型的には、チューブは、ある程度の可撓性を有する細長い円筒状の構造体であるが、幾何学的形状及び剛性は多様であり得る。更に、いくつかの流体導管は、他の構成要素に成形されてもよく、そうでなければ他の構成要素と一体的に組み合わされてもよい。分配構成要素はまた、他の構成要素の結合及び分離を円滑にするために、インタフェース又は流体ポートを含むか、又は備えてもよい。一部の実施形態では、例えば、ドレッシングインタフェースは、流体導管をドレッシング110に結合することを容易にしてもよい。
【0044】
治療システム100はまた、コントローラ130などの、レギュレータ又はコントローラも含み得る。更に、治療システム100は、動作パラメータを測定し、動作パラメータを示すフィードバック信号をコントローラ130に提供するためのセンサを含み得る。例えば、図1に示されるように、治療システム100は、コントローラ130に結合されている、第1のセンサ135及び第2のセンサ140を含み得る。
【0045】
治療システム100はまた、点滴溶液の供給源を含んでもよい。例えば、溶液源145は、図1の例示的な実施形態に示されるように、ドレッシング110に流体的に結合されてもよい。溶液源145は、一部の実施形態では、陽圧源150などの陽圧源、陰圧源105などの陰圧源、又はその両方に流体的に結合されてもよい。点滴調整器155などの調整器もまた、組織部位への点滴溶液(例えば、生理食塩水)の適切な投与量を確保するために、溶液源145及びドレッシング110に流体的に結合されてもよい。例えば、点滴調整器155は、陰圧源105によって空気圧で作動して、陰圧間隔中に溶液源から点滴溶液を吸引し、通気間隔中に溶液をドレッシングに注入することができるピストンを含み得る。追加的又は代替的に、コントローラ130は、組織部位への点滴溶液の投与量を制御するために、陰圧源105、陽圧源150、又はその両方に結合されてもよい。一部の実施形態では、図1の例に示されるように、点滴調整器155はまた、ドレッシング110を介して陰圧源105に流体的に結合されてもよい。
【0046】
治療システム100のいくつかの構成要素は、センサ、処理ユニット、アラームインジケータ、メモリ、データベース、ソフトウェア、表示デバイス、又は治療を更に促進するユーザインタフェース、などの他の構成要素内に収容されるか、又はそれらと併せて使用されてもよい。例えば、一部の実施形態では、陰圧源105は、コントローラ130、溶液源145、及び他の構成要素と組み合わせて治療ユニットにすることができる。
【0047】
一般に、療法システム100の構成要素は、直接又は間接的に結合させることができる。例えば、陰圧源105を、容器115に直接結合することができ、容器115を介して、ドレッシング110に間接的に結合することもできる。結合としては、流体結合、機械的結合、熱的結合、電気的結合、若しくは化学的結合(化学結合など)、又は、文脈によっては、結合のいくつかの組み合わせを挙げることができる。例えば、陰圧源105は、コントローラ130に電気的に結合させることができ、組織部位への流体経路を提供するために、1つ以上の分配構成要素に流体結合させることができる。一部の実施形態では、構成要素はまた、物理的近接性によって結合されてもよく、単一構造に一体化されてもよく、又は同じ材料片から形成されてもよい。
【0048】
陰圧源105などの陰圧供給部は、陰圧の空気のリザーバとすることができ、あるいは、例えば、真空ポンプ、吸引ポンプ、多くのヘルスケア施設で利用可能な壁面吸引ポート、又はマイクロポンプなどの、手動若しくは電動のデバイスとすることもできる。「陰圧」とは、一般に、封止治療環境の外部の局所的環境における周囲圧力などの局所的周囲圧力よりも低い圧力を指す。多くの場合、局所的周囲圧力はまた、組織部位が位置している大気圧でもあり得る。あるいは、この圧力は、組織部位における、組織に関連する静水圧よりも低い場合もある。別途指示のない限り、本明細書で記述される圧力の値は、ゲージ圧である。陰圧の増加についての言及は、典型的には、絶対圧力の減少を指すのに対して、陰圧の減少は、典型的には、絶対圧力の増加を指す。陰圧源105によって提供される陰圧の量及び性質は、治療要件に応じて変化し得るが、圧力は一般に、-5mmHg(-667Pa)~-500mmHg(-66.7kPa)の、一般に粗い真空(rough vacuum)とも称される、低真空(low vacuum)である。一般的な治療範囲は、-50mmHg(-6.7kPa)~-300mmHg(-39.9kPa)である。
【0049】
容器115は、組織部位から引き出された滲出液及び他の流体を管理するために使用することが可能な、容器、キャニスタ、パウチ、又は他の貯留構成要素を表している。多くの環境では、流体の収集、貯留、及び廃棄のためには、剛性の容器が好ましいか若しくは必要とされる場合がある。他の環境では、流体は、剛性の容器に貯留されることなく、適切に廃棄される場合もあり、再使用可能な容器により、陰圧療法に関連する廃棄物及びコストを削減することも可能である。
【0050】
コントローラ130などのコントローラは、陰圧源105などの治療システム100の1つ以上の構成要素を動作させるようにプログラムされたマイクロプロセッサ又はコンピュータであってもよい。一部の実施形態では、例えば、コントローラ130はマイクロコントローラであってもよく、これは一般に、プロセッサコアと、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを直接又は間接的に制御するようにプログラムされたメモリとを含む集積回路を含む。動作パラメータとしては、例えば、陰圧源105に適用される電力、陰圧源105によって生成される圧力、又は組織インタフェース120に分配される圧力を挙げることができる。コントローラ130はまた、好ましくは、フィードバック信号などの1つ以上の入力信号を受信するように構成されており、それらの入力信号に基づいて1つ以上の動作パラメータを修正するようにプログラムされている。
【0051】
第1センサ135及び第2センサ140などのセンサは、一般に、当該技術分野において、物理的現象又は特性を検出又は測定するように動作可能な任意の装置として知られており、また、一般に検出又は測定された現象又は特性を示す信号を提供する。例えば、第1のセンサ135及び第2のセンサ140は、治療システム100の1つ以上の動作パラメータを測定するように構成することができる。一部の実施形態では、第1センサ135は、空気圧経路内の圧力を測定し、その測定値を測定された圧力を示す信号に変換するように構成された変換器であってもよい。一部の実施形態では、例えば、第1のセンサ135は、ピエゾ抵抗型歪みゲージとすることができる。第2のセンサ140は、一部の実施形態では、電圧又は電流などの、陰圧源105の動作パラメータを、任意選択的に測定することができる。好ましくは、第1センサ135及び第2センサ140からの信号は、コントローラ130への入力信号として適切であるが、一部の実施形態では、いくつかの信号調整が適切である可能性がある。例えば、信号は、コントローラ130によって処理され得る前に、フィルタリング又は増幅される必要があり得る。典型的には、信号は電気信号であるが、光信号などの他の形態で表されてもよい。
【0052】
組織インタフェース120は、一般に、組織部位に部分的又は完全に接触するように適合させることができる。組織インタフェース120は、多くの形態をとり得るものであり、実施されている処置のタイプ、あるいは組織部位の性質及びサイズなどの、様々な要因に応じて、多くのサイズ、形状、又は厚さを有し得る。例えば、組織インタフェース120のサイズ及び形状は、深くて不規則な形状の組織部位の輪郭に適合し得る。組織インタフェース120の表面のうちのいずれか又は全ては、凹凸のプロファイル、粗いプロファイル、又はギザギザのプロファイルを有し得る。
【0053】
一部の実施形態では、組織インタフェース120は、マニホールドを含み得るか、又はマニホールドから本質的になるものとすることができる。この文脈におけるマニホールドは、圧力下で組織インタフェース120にわたって流体を収集又は分配するための手段を含み得るか、又はそのような手段から本質的になるものとすることができる。例えば、マニホールドは、源から陰圧を受け、複数の開口部を介して組織インタフェース120にわたって陰圧を分配するように適合させることができ、このことは、組織部位にわたって流体を収集して、源に向けて流体を引き込む効果を有し得る。一部の実施形態では、流体経路を逆にすることができ、又は二次流体経路を提供して、点滴溶液の供給源からの流体などの流体を組織部位を横切って送達することを容易にすることができる。
【0054】
一部の例示的実施形態では、マニホールドは、流体の分配又は収集を改善するために相互接続することが可能な、複数の経路を含み得る。一部の例示的実施形態では、マニホールドは、相互接続された流体経路を有する多孔質材料を含み得るか、又はそのような多孔質材料から本質的になるものとすることができる。相互接続された流体経路(例えば、チャネル)を形成するように適合させることが可能な好適な多孔質材料の例としては、網状発泡体などの連続気泡発泡体を含めた、気泡発泡体;多孔質組織集合体;並びに、細孔、縁部、及び/又は壁部を一般に含む、ガーゼ若しくはフェルトマットなどの、他の多孔質材料を挙げることができる。液体、ゲル、及び他の発泡体もまた、開口部及び流体経路を含み得るか、又は含むように硬化させることもできる。一部の実施形態では、マニホールドは、追加的又は代替的に、相互接続された流体経路を形成する突起を備えてもよい。例えば、マニホールドは、相互接続された流体経路を画定する表面突起を設けるように成形することができる。
【0055】
一部の実施形態では、組織インタフェース120は、処方された治療の必要性に応じて変化し得る細孔サイズ及び自由体積を有する網状発泡体を含み得るか、又は本質的に網状発泡体からなり得る。例えば、少なくとも90%の自由容積を有する網状発泡体は、多くの治療用途に関して好適であり得るものであり、400~600ミクロンの範囲の平均細孔サイズ(1インチ当たり40~50個の細孔)を有する発泡体は、一部のタイプの治療に関して特に好適であり得る。組織インタフェース120の引張強度もまた、処方された治療の必要性に応じて変化し得る。例えば、発泡体の引張強度は、局所処置溶液の点滴注入のために増加されてもよい。組織インタフェース120の25%の圧縮荷重たわみは、平方インチ当たり少なくとも0.35ポンドであってもよく、65%の圧縮荷重たわみは、平方インチ当たり少なくとも0.43ポンドであってもよい。一部の実施形態では、組織インタフェース120の引張強度は、平方インチ当たり少なくとも10ポンドであってもよい。組織インタフェース120は、インチ当たり少なくとも2.5ポンドの引裂強度を有し得る。一部の実施形態では、組織インタフェースは、ポリエステル又はポリエーテルなどのポリオール、トルエンジイソシアネートなどのイソシアネート、及びアミン及びスズ化合物などの重合調節剤から構成される発泡体であり得る。一部の例では、組織インタフェース120は、いずれもKinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)から入手可能な、GRANUFOAM(商標)ドレッシング又はV.A.C.VERAFLO(商標)ドレッシングに見られるような網状ポリウレタン発泡体であり得る。
【0056】
組織インタフェース120の厚さもまた、処方された治療の必要性に応じて変化し得る。例えば、組織インタフェースの厚さを減少させて、末梢組織への張力を低減することができる。組織インタフェース120の厚さはまた、組織インタフェース120の適合性に影響を及ぼし得る。一部の実施形態では、約5ミリメートル~10ミリメートルの範囲の厚さが適切であり得る。
【0057】
組織インタフェース120は、疎水性又は親水性のいずれかとすることができる。組織インタフェース120が親水性であり得る実施例では、組織インタフェース120はまた、組織部位に陰圧を分配し続けている間に、組織部位から流体を吸い上げて逃がすこともできる。組織インタフェース120のウィッキング特性は、毛細管流又は他のウィッキングメカニズムによって組織部位から流体を吸引することができる。適切な親水性材料の一例は、Kinetic Concepts,Inc.(San Antonio,Texas)から入手可能なV.A.C.WHITEFOAM(商標)ドレッシングなどのポリビニルアルコール連続気泡発泡体である。他の親水性発泡体としては、ポリエーテルから作製されたものを挙げることができる。親水性特性を呈し得る他の発泡体としては、親水性を付与するように処理又はコーティングされている、疎水性発泡体が挙げられる。
【0058】
一部の実施形態では、組織インタフェース120は、生体吸収性材料から構成されてもよい。好適な生体再吸収性材料としては、限定するものではないが、ポリ乳酸(PLA)とポリグリコール酸(PGA)とのポリマーブレンドを挙げることができる。ポリマーブレンドはまた、限定するものではないが、ポリカーボネート、ポリフマレート、及びカプロラクトン(capralactone)も含み得る。組織インタフェース120は、新たな細胞増殖のためのスキャフォールドとして更に機能し得るか、又はスキャフォールド材料を組織インタフェース120と共に使用して細胞増殖を促進し得る。スキャフォールドとは一般に、細胞増殖のためのテンプレートを提供する3次元多孔質構造体などの、細胞の増殖又は組織の形成を強化若しくは促進するために使用される、物質又は構造体である。スキャフォールド材料の実例としては、リン酸カルシウム、コラーゲン、PLA/PGA、コーラル(coral)ヒドロキシアパタイト、炭酸塩、又は、加工処理された同種移植片材料が挙げられる。
【0059】
一部の実施形態では、カバー125は、細菌に対する障壁、及び物理的外傷からの保護を提供し得る。カバー125はまた、2つの構成要素間、又は、治療環境と局所的外部環境との間などの2つの環境間において、蒸発損失を低減させ、流体封止を提供することが可能な材料から、構築することもできる。カバー125は、例えば、所与の陰圧源に関して、組織部位における陰圧を維持するために適切な封止を提供することが可能な、エラストマーのフィルム若しくは膜を含み得るか、又はそのようなフィルム若しくは膜からなるものとすることができる。カバー125は、いくつかの用途において、高い水蒸気透過率(MVTR)を有し得る。例えば、MVTRは、一部の実施形態では、38℃及び10%の相対湿度(RH)において、ASTM E96/E96M直立カップ法による直立カップ技術を使用して測定した場合、24時間当たり1平方メートル当たり少なくとも250グラム(g/m/24時間)であり得る。一部の実施形態では、最大5,000g/m/24時間のMVTRは、効果的な通気性及び機械的特性を提供し得る。
【0060】
一部の例示的実施形態では、カバー125は、水蒸気に対して透過性であるが液体に対しては不透過性である、ポリウレタンフィルムなどのポリマードレープとすることができる。かかるドレープは、典型的には、25~50ミクロンの範囲の厚さを有する。透過性材料に関しては、透過性は一般に、所望の陰圧を維持することが可能であるように、十分に低くするべきである。カバー125は、例えば、以下の材料のうちの1種以上を含み得る:親水性ポリウレタンなどのポリウレタン(PU)、セルロース誘導体、親水性ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水性アクリル、親水性シリコーンエラストマーなどのシリコーン、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、エチレン酢酸ビニル(EVA)、コポリエステル、及びポリエーテルブロックポリイミド共重合体。そのような材料は、例えば、3M Company(Minneapolis,Minnesota)から市販されているTegaderm(登録商標)ドレープ;Avery Dennison Corporation(Pasadena,California)から市販のポリウレタン(PU)ドレープ;例えばArkema S.A.(Colombes,France)製のポリエーテルブロックポリアミドコポリマー(PEBAX);並びに、Expopack Advanced Coatings(Wrexham,United Kingdom)から市販のInspire2301及びInspire2327ポリウレタンフィルムとして、市販されている。一部の実施形態では、カバー125は、2600g/m/24時間のMVTR(直立カップ技術)及び約30ミクロンの厚さを有する、INSPIRE2301を含み得る。
【0061】
取付デバイスを使用して、カバー125を、無傷の表皮、ガスケット、又は別のカバーなどの取付表面に取り付けることができる。取付デバイスは、多くの形態をとり得る。例えば、取付デバイスは、組織部位の周囲の表皮にカバー125を接合するように構成されている、医学的に許容可能な感圧接着剤とすることができる。一部の実施形態では、例えば、カバー125の一部又は全てを、約25~65グラム毎平方メートル(g.s.m.)のコーティング重量を有し得る、アクリル接着剤などの接着剤でコーティングすることができる。一部の実施形態では、封止を改善して漏れを低減するために、より厚い接着剤、又は接着剤の組み合わせを適用することができる。取付デバイスの他の例示的な実施形態としては、両面テープ、糊、ヒドロコロイド、ヒドロゲル、シリコーンゲル、又はオルガノゲルを挙げることができる。
【0062】
溶液源145はまた、点滴注入療法用の溶液を提供することができる容器、キャニスタ、パウチ、バッグ、又は他の貯蔵構成要素を表すことができる。溶液の組成は、所定の治療に従って変化し得るが、いくつかの処方に好適であり得る溶液の例としては、次亜塩素酸塩系溶液、硝酸銀(0.5%)、イオウ系溶液、ビグアニド類、カチオン性溶液、及び等張溶液を挙げることができる。
【0063】
操作時に、組織部位内に、組織部位の上に、組織部位上に、又は他の方式で組織部位の近位に、組織インタフェース120を配置することができる。例えば、組織部位が創傷である場合には、組織インタフェース120は、部分的若しくは完全に創傷を塞ぐことができ、又は、創傷の上に配置することもできる。カバー125を組織インタフェース120の上に配置して、組織部位の近傍の取付表面に封止することができる。例えば、カバー125は、組織部位の周辺の無傷の表皮に封止することができる。それゆえ、ドレッシング110は、実質的に外部環境から隔離された、組織部位に近位の封止治療環境を提供することができ、陰圧源105は、封止治療環境における圧力を低下させることができる。
【0064】
密閉療法環境内などの、別の構成要素又は位置における圧力を低下させるために陰圧源を使用する流体力学は、数学的に複雑となる恐れがある。しかし、陰圧療法及び点滴注入に適用可能な流体力学の基本原理は、概して、当業者に周知であり、圧力を低減するプロセスは、例えば、陰圧を「送達する」、「分配する」、又は「生成する」ものとして本明細書で例示的に説明され得る。
【0065】
一般に、滲出液及び他の流体は、流体経路に沿って、より低い圧力に向けて流れる。したがって、「下流」という用語は、典型的には、陰圧源に比較的より近い、又は陽圧源からより遠く離れている流体経路内のものを意味する。逆に、「上流」という用語は、陰圧源から比較的より遠く離れているか、又は陽圧源により近いものを意味する。同様に、かかる基準系における流体の「入口」又は「出口」の観点から特定の特徴を説明することが便利であり得る。この向きは、一般に、本明細書におけるさまざまな特徴部及び構成要素を説明する目的で想定される。しかしながら、流体経路はまた、一部の用途では、陰圧源を陽圧源に置き換えることなどによって逆転させることもでき、この説明上の規定は、限定的な規定として解釈されるべきではない。
【0066】
封止治療環境において、組織インタフェース120を介して組織部位にわたって印加される陰圧は、組織部位における巨大歪み及び微小歪みを誘発することができる。陰圧はまた、組織部位から浸出液及び他の流体を除去することもでき、それらを容器115内に収集することができる。
【0067】
一部の実施形態では、コントローラ130は、第1のセンサ135などの1つ以上のセンサから、データを受信して処理することができる。コントローラ130はまた、組織インタフェース120に送達される圧力を管理するために、治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御することもできる。一部の実施形態では、コントローラ130は、所望の目標圧力を受信するための入力を含み得るものであり、組織インタフェース120に印加されることになる目標圧力の設定及び入力に関するデータを処理するように、プログラムされることができる。一部の例示的実施形態では、目標圧力は、組織部位における治療に関して所望される目標陰圧として操作者によって設定され、次いで、コントローラ130に入力として提供される、固定圧力値とすることができる。目標圧力は、組織部位を形成している組織のタイプ、(存在する場合には)負傷又は創傷のタイプ、患者の病状、及び主治医の選好に基づいて、組織部位ごとに変化し得る。所望の目標圧力を選択した後、コントローラ130は、その目標圧力に基づいて、陰圧源105を1つ以上の制御モードで動作させることができ、組織インタフェース120における目標圧力を維持するために、1つ以上のセンサからフィードバックを受信することができる。
【0068】
一部の実施形態では、コントローラ130は、連続圧力モードを有することができ、このモードでは、陰圧源105は、治療期間中又は手動で停止されるまで、一定の目標陰圧を提供するように作動される。追加的又は代替的に、コントローラは間欠圧力モードを有することができる。例えば、コントローラ130は、陰圧源105を作動させて、目標圧力と大気圧との間を循環させることができる。例えば、目標圧力は、指定された期間(例えば、5分)にわたって-135mmHgの値に設定され、続いて指定された期間(例えば、2分)にわたって停止されてもよい。このサイクルは、目標圧力と大気圧との間に矩形波パターンを形成することができる陰圧源105を作動させることによって繰り返すことができる。
【0069】
一部の例示的実施形態では、周囲圧力から目標圧力への陰圧の増大は、瞬間的ではない場合がある。例えば、陰圧源105及びドレッシング110は、初期立ち上がり時間を有し得る。初期立ち上がり時間は、使用されているドレッシング及び治療機器のタイプに応じて変化し得る。例えば、ある治療システムに関する初期立ち上がり時間は、約20~30mmHg/秒の範囲とすることができ、別の治療システムに関しては、約5~10mmHg/秒の範囲とすることができる。治療システム100が間欠モードで動作している場合、繰り返し立ち上がり時間は、初期立ち上がり時間に実質的に等しい値であり得る。
【0070】
いくつかの例示的な動的圧力制御モードでは、目標圧力は、時間と共に変化することができる。例えば、目標圧力は、+25mmHg/分の速度に設定された立ち上がり時間及び-25mmHg/分に設定された立ち下がり時間で、50~135mmHgの陰圧の間で変化する三角波形の形で変化し得る。治療システム100の他の実施形態では、三角波形は、+30mmHg/分の速度に設定された立ち上がり時間及び-30mmHg/分に設定された立ち下がり時間で、25~135mmHgの陰圧の間で変化し得る。
【0071】
一部の実施形態では、コントローラ130は、動的圧力モードにおいて、可変目標圧力を制御又は決定することができ、この可変目標圧力は、所望の陰圧の範囲として、操作者によって規定された入力として設定することが可能な、最大圧力値と最小圧力値との間で変化し得る。可変目標圧力はまた、コントローラ130によって処理され制御されることもでき、コントローラは、三角波形、正弦波形、又は鋸歯状波形などの所定の波形に従って、目標圧力を変化させることができる。一部の実施形態では、波形は、治療に関して所望される所定の陰圧又は時間とともに変化する陰圧として、操作者によって設定することができる。
【0072】
一部の実施形態では、コントローラ130は、組織インタフェース120に供給される点滴溶液に関連するデータなどのデータを受信して処理することができる。そのようなデータは、臨床医によって処方された点滴溶液のタイプ、組織部位に注入される流体又は溶液の体積(「充填体積」)、及び組織部位に陰圧を印加する前に組織部位に溶液を残すために処方された時間(「滞留時間」)を含み得る。充填体積は、例えば10~500mLであってもよく、滞留時間は1秒~30分であってもよい。コントローラ130はまた、治療システム100の1つ以上の構成要素の動作を制御して溶液を注入することができる。例えば、コントローラ130は、溶液源145から組織インタフェース120に分配される流体を管理することができる。一部の実施形態では、陰圧源105から陰圧を印加して組織部位の圧力を低下させ、溶液を組織インタフェース120に吸引することによって、流体を組織部位に注入することができる。一部の実施形態では、陽圧源150から陽圧を印加して溶液を溶液源145から組織インタフェース120に移動させることによって、溶液を組織部位に注入することができる。追加的又は代替的に、溶液源145を、重力が溶液を組織インタフェース120に移動させることを可能にするのに十分な高さまで上昇させることができる。
【0073】
コントローラ130はまた、溶液の連続的な流れ又は溶液の間欠的な流れを提供することによって、点滴注入の流体力学を制御することができる。陰圧を印加して、溶液の連続的な流れ又は間欠的な流れのいずれかを提供することができる。陰圧の印加は、連続的な圧力動作モードを提供して、組織インタフェース120を通る点滴溶液の連続的な流速を達成するように実施されてもよく、又は、動的圧力動作モードを提供して、組織インタフェース120を通る点滴溶液の流速を変化させるように実施されてもよい。あるいは、陰圧の印加は、間欠動作モードを提供して点滴溶液が組織インタフェース120に滞留することを可能にするように実施されてもよい。間欠モードでは、例えば、処置されている組織部位のタイプ及び利用されているドレッシングのタイプに応じて、特定の充填体積及び滞留時間を提供することができる。溶液の注入後又は注入中に、陰圧治療を行うことができる。より多くの溶液を注入することによって別の注入サイクルを開始する前に、コントローラ130を利用して、動作モード及び陰圧治療の期間を選択することができる。
【0074】
図2は、陰圧源105をドレッシング110に接続するように構成されたドレッシングインタフェース200を示す等角図である。ドレッシングインタフェース200は、カバー125を損傷又は破壊することなく、容易に取り外し、交換、及び/又はカバー125上で再配置することができる。図2の例では、ドレッシングインタフェース200は、陰圧ポート210に結合された結合部材205を含む。結合部材205は、開口部215と、第1接着領域220と、第2接着領域225とを含む。ヒンジ線230は、第1接着領域220と第2接着領域225との間に形成されてもよい。第1接着領域220は第1剥離強度を有し、第2接着領域225は第2剥離強度を有し、ここで第2剥離強度は第1剥離強度よりも小さい。ドレッシングインタフェース200は、第2接着領域225に結合されたタブ235を更に含み得る。
【0075】
陰圧ポート210は、フランジ240などのベースと、フランジ240から延びる導管ハウジング245とを含む。導管ハウジング245は、エルボコネクタであり得る。導管ハウジングは、結合部材205の開口部215を通って延びることができる。例えば、可撓性チューブであり得る流体導体250は、一端で導管ハウジング245に流体的に結合されてもよい。
【0076】
図3は、特定の実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、図2のドレッシングインタフェース200の分解図である。陰圧ポート210のフランジ240は、少なくとも1つの直線エッジ及び1つの丸みを帯びたエッジを有し得る。例えば、フランジ240は、円の優弧に対応する丸みを帯びたエッジ300と、円のコード(chord)に対応する直線エッジ305とを有し得る。丸みを帯びたエッジ300及び直線エッジ305は、円の主セグメントに対応する形状を画定する。即ち、フランジ240は、直線部分又は平坦なスポットを有し得る。一部の実施形態では、直線エッジ305は、ヒンジ線230に平行であってもよい。一部の例では、直線エッジ305は、第2接着領域225内に又はそれに向かってある距離だけ、ヒンジ線230からオフセットされてもよい。他の実施形態では、直線エッジ305は、ヒンジ線230と同一直線上にあってもよい。直線エッジ305は、ヒンジ線230からオフセットすることなく、ヒンジ線230に沿って位置してもよい。フランジ240の直線エッジ305は、第2接着領域225が本明細書に記載されるようにカバー125から除去される場合、陰圧ポート210がヒンジ線230の周りでヒンジ動作することを可能にすることができる。一部の実施形態では、陰圧ポート210のフランジ240は、フランジ240の一部がヒンジ線230を横切って延在し、第2接着領域225のヒンジ動作を妨害又は禁止しないように、フランジ240の折り畳み及び折り曲げを可能にするのに十分に柔軟であり得る。
【0077】
フランジ240は、切頭円の形状(truncated circular shape)を有すると説明されているが、一部の実施形態では、フランジ240は、例えば、円、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、八角形、星形、楕円形、多角形、又は直線形状などの任意の適切な形状を有してもよい。フランジ240が少なくとも1つの直線エッジを有する形状(例えば、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、八角形)を有する一部の実施形態では、直線エッジは、直線エッジ305に関して上述したように、ヒンジ線230に平行であってもよく、又は同一直線上にあってもよい。
【0078】
図3を引き続き参照すると、結合部材205は、シェル層310及び接触層315を含み得る。シェル層310は、流体シールを可能にする任意の材料から形成することができる。流体シールは、関連する特定の陰圧源又はシステムが与えられた場合に、所望の部位で陰圧を維持するのに適切なシールである。シェル層310は、例えば、以下の材料のうちの1つ以上を含み得る:親水性ポリウレタン、セルロース誘導体、親水性ポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、親水性アクリル、親水性シリコーンエラストマー、例えば、14400g/m/24時間のMVTR(逆カップ技術)及び約30ミクロンの厚さを有するExpopack Advanced Coatings(Wrexham,United Kingdom)からのINSPIRE2301又は2317材料、コーティングされていない薄いポリマードレープ、天然ゴム、ポリイソプレン、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリブタジエン、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンモノマー、クロロスルホン化ポリエチレン、多硫化ゴム、ポリウレタン(PU)、EVAフィルム、コポリエステル、シリコーン、シリコーンドレープ、3M Tegaderm(登録商標)ドレープ、Avery Dennison Corporation(Pasadena,California)から入手可能なものなどのポリウレタン(PU)ドレープ、例えば、Arkema(France)からのポリエーテルブロックポリアミド共重合体(PEBAX)、Expopack2327、又は他の適切な材料。
【0079】
シェル層310は、蒸気透過性及び液体不透過性であってもよい。一部の実施形態では、シェル層310は、例えば、24時間当たり少なくとも約300g/mの高いMVTRを有する、可撓性で通気性のあるフィルム、膜、又はシートであり得る。他の実施形態では、低蒸気透湿フィルム又は蒸気を透湿しないフィルムを使用してもよい。シェル層310は、約15ミクロン(μm)~約50ミクロン(μm)の間の厚さを有する一連の医学的に適切なフィルムを含み得る。一部の実施形態では、シェル層310は、カバー125と同じ材料で形成されてもよい。一部の実施形態では、シェル層310は、透き通っている、透明、半透明、不透明及び/又は着色されていてもよい。
【0080】
シェル層310は、第1面及び第2面を有し得る。シェル層310の第1面は、接着剤を含み得る。接着剤は、シェル層310の第1面に結合されてもよい。一部の実施形態では、接着剤は、シェル層310の第1面にコーティング又は堆積されてもよい。接着剤は、医学的に許容できる接着剤であってもよい。接着剤はまた、流動性であってもよい。例えば、接着剤は、アクリル接着剤、ゴム接着剤、高粘着性又は粘着性シリコーン接着剤、ポリウレタン、又は他の接着性物質を含み得る。一部の実施形態では、シェル層310の接着剤は、15グラム/m(gsm)~70グラム/m(gsm)のコーティング重量を有するアクリル接着剤などの感圧接着剤であってもよい。一部の実施形態では、接着剤は、約6.4N~約8.8Nの範囲の剥離強度又はステンレス鋼材料からの剥離に対する抵抗を有し得る。一部の実施形態では、接着剤は、約7.8Nの剥離強度又はステンレス鋼材料からの剥離に対する抵抗を有し得る。剥離強度は、ローラを使用して幅1インチ(2.54cm)の接着剤試験紙をステンレス鋼板に適用することによって測定することができる。次に試験紙をそれ自体の上に(180度の角度で)剥がし、試験紙を剥がすのに必要な力を測定する。この試験は、ASTM D3330に基づいて、ステンレス鋼基板上で23℃、相対湿度50%で実施される。一部の実施形態では、シェル層310の接着剤は、紫外線を使用して還元又は非活性化することができる。紫外線をシェル層310に照射することができ、紫外線は、カバー125を損傷又は破壊することなく、接着剤の剥離強度を、カバー125からドレッシングインタフェース200を取り外すことを可能にするのに十分な量だけ低下させることができる。
【0081】
シェル層310は、開口部320を更に含む。一部の実施形態では、開口部320は、シェル層310の中央に配置されてもよい。開口部320は、陰圧ポート210の導管ハウジング245を受け入れるようなサイズ又は寸法にされてもよい。一部の実施形態では、開口部320の形状は、導管ハウジング245がフランジ240に接するところで導管ハウジング245の形状と同一の広がりを有するか、又は一致してもよい。他の実施形態では、シェル層310の開口部320のサイズは、導管ハウジング245がフランジ240に接するところの導管ハウジング245のサイズよりも大きくてもよい。一部の実施形態では、開口部320の形状は、導管ハウジング245がフランジ240に接するところの導管ハウジング245の形状とは異なってもよい。陰圧ポート210のフランジ240の上側は、シェル層310の第1面上の接着剤によってシェル層310の第1面に結合されて、フランジ240の周りに流体シールを形成することができる。一部の実施形態では、シェル層310はまた、ヒンジ線230の第2接着領域225側のシェル層310の周辺に配置されたタブ325を含み得る。
【0082】
一部の実施形態では、接触層315は、第1面及び第2面を有し得る。接触層315の第2面は、シェル層310の第1面に結合されてもよい。接触層315は、接着剤を含み得る。例えば、接触層315は、本明細書に記載されるように、カバー125との流体シールを提供するのに適した、柔らかく、しなやかな材料であり得る。例えば、接触層315は、シリコーンゲル、軟質シリコーン、親水コロイド、ヒドロゲル、ポリウレタンゲル、ポリオレフィンゲル、水素化スチレン系共重合体ゲル、発泡ゲル、接着剤でコーティングされたポリウレタン及びポリオレフィンなどの軟質独立気泡発泡体、ポリウレタン、ポリオレフィン、水素化スチレン系共重合体、又は接着剤でコーティングされたフィルム、膜若しくはシートを含み得る。接触層315は、疎水性又は親水性材料を含んでもよい。一部の実施形態では、接触層315は、透き通っている、透明、半透明、不透明、及び/又は着色されていてもよい。接触層315は、約500ミクロン(μm)~約1000ミクロン(μm)の間の厚さを有し得る。一部の実施形態では、接触層315は、約5ショアOO~約80ショアOOの剛性を有する。一部の実施形態では、接触層315は、約0.37N~約0.44Nの範囲の剥離強度を有する。一部の実施形態では、例えば、接触層315は、約0.5N~約1.0Nの範囲の剥離強度を有する。一部の実施形態では、例えば、接触層315は、約0.4Nの剥離強度を有する。一部の実施形態では、例えば、接触層315は、約0.8Nの剥離強度を有する。一部の実施形態では、例えば、接触層315は、約0.9Nの剥離強度を有する。一部の実施形態では、例えば、接触層315は、約2.8Nの剥離強度を有する。接触層315の剥離強度は、シェル層310の接着剤の剥離強度よりも小さくてもよい。
【0083】
一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:2であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:2.3であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:3.1であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:7.1であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:8であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:9.8であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:11であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:14.5であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:17.3であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:19.5であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:20であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:23.8であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:2~約1:23.8の範囲であり得る。一部の実施形態では、接触層315の剥離強度とシェル層310の接着剤の剥離強度との比は、約1:2~約1:25の範囲であり得る。
【0084】
接触層315は、第2接着領域225に位置する開口部330を更に含み得る。開口部330は、その中に陰圧ポート210のフランジ240を受け入れるようなサイズ又は寸法にされてもよい。一部の実施形態では、開口部330の形状は、陰圧ポート210のフランジ240の形状と同一の広がりを有するか、又は一致してもよい。フランジ240が直線エッジ305を有する切頭円である実施形態では、開口部330はまた、フランジ240の形状に対応する切頭円形状を有し得る。一部の実施形態では、開口部330は、フランジ240の直線エッジ305が結合部材205のヒンジ線230に平行になるように配置され得る。例えば、直線エッジ305は、ヒンジ線230に平行であってもよいが、第2接着領域225内に又はそれに向かってある距離だけヒンジ線230からオフセットされてもよい。他の実施形態では、直線エッジ305は、ヒンジ線230と同一直線上にあってもよい。直線エッジ305は、ヒンジ線230からオフセットすることなく、ヒンジ線230に沿って位置してもよい。一部の実施形態では、陰圧ポート210のフランジ240は厚さを有し、接触層315は、フランジ240の厚さと少なくとも同じ厚さを有する。他の実施形態では、接触層315の厚さは、フランジ240の厚さよりも小さい。したがって、フランジ240は、接触層315よりも厚くてもよい。
【0085】
接触層315は、複数の開口部335を更に含み得る。複数の開口部335は、切断、穿孔、パンチングによって、又は接触層315に開口部、開口、穿孔又は穴を形成するための他の適切な技術によって形成されてもよく、これは、単一又は複数のブレードカッター、レーザー、ウォータージェット、ホットナイフ、コンピュータ数値制御(CNC)カッター、熱線、局所RF又は超音波エネルギー、及び/又は単一又は複数のパンチツールを使用することが含まれるが、これらに限定されない。接触層315の複数の開口部335は、円形、三角形、長方形、正方形、五角形、六角形、八角形、楕円形、長円形、星形、多角形、スリット、複雑な曲線、及び直線形状を含むがこれらに限定されない多くの形状を有してもよく、又は形状のいくつかの組み合わせを有してもよい。
【0086】
接触層315は、ヒンジ線230の第2接着領域225側の接触層315の周辺に配置されたタブ340を更に含み得る。接触層315のタブ340及びシェル層310のタブ325は、共同で結合部材205のタブ235を形成することができる。
【0087】
図4は、組み立てられ、カバー125に結合されたドレッシングインタフェース200の上面図を示す。図4に示されるように、複数の開口部335は、第1の複数の開口部400及び第2の複数の開口部405を含み得る。第1の複数の開口部400の少なくとも1つは、ヒンジ線230の第1面(例えば、第1接着領域220内)に配置され、第2の複数の開口部405の少なくとも1つは、ヒンジ線230の第1面とは反対側の第2面(例えば、第2接着領域225内)に配置される。一部の実施形態では、接触層315における第1の複数の開口部400及び第2の複数の開口部405は、実質的に円形の形状であり得る。第1の複数の開口部400及び第2の複数の開口部405のそれぞれの幅は、第1の複数の開口部400及び第2の複数の開口部405のそれぞれの領域を画定することができる。複数の開口部405が円形である図4の例に示されるように、第1の複数の開口部400のそれぞれの直径D1、更に開口領域は、第2の複数の開口部405のそれぞれの直径D2及び開口領域よりも大きい。例えば、一部の実施形態では、第1の複数の開口部400の直径D1は、約4ミリメートル~約15ミリメートルの範囲であり得る。一部の実施形態では、第1の複数の開口部400の直径D1は、約5ミリメートル~約10ミリメートルの範囲であり得る。一部の実施形態では、第1の複数の開口部400の直径D1は、約10ミリメートルであり得る。例えば、一部の実施形態では、第2の複数の開口部405の直径D2は、約1ミリメートル~約10ミリメートルの範囲であり得る。一部の実施形態では、第2の複数の開口部405の直径D2は、約2ミリメートル~約7ミリメートルの範囲であり得る。一部の実施形態では、第2の複数の開口部405の直径D2は、約5ミリメートルであり得る。
【0088】
第1の複数の開口部400の各開口部は、同じ直径D1を有するものとして示され、第2の複数の開口部405の各開口部は、同じ直径D2を有するものとして示されているが、他の実施形態では、第1の複数の開口部400の開口部は、異なる寸法(つまり開口領域)を有してもよく、第2の複数の開口部405の開口部は、異なる寸法(つまり開口領域)を有してもよいことが理解されよう。例えば、第1の複数の開口部400は、共同で第1接着領域220の全体的な開口領域を形成する2つ以上の開口領域の開口部を有し得る。同様に、第2の複数の開口部405は、共同で第2接着領域225の全体的な開口領域を形成する2つ以上の開口領域の開口部を有し得る。したがって、ゴルフボール上のディンプルの異なる直径と同様に、一部の実施形態では、第1の複数の開口部400の開口部の寸法は様々であってもよく、第2の複数の開口部405の開口部の寸法は様々であってもよい。
【0089】
第1の複数の開口部400は、円形を有するものとして示されている。しかしながら、他の実施形態では、第1の複数の開口部400は、三角形、長方形、正方形、五角形、六角形、八角形、楕円形、長円形、星形、多角形、スリット、複雑な曲線、直線形状を含むがこれらに限定されない多くの形状を有してもよく、又は形状のいくつかの組み合わせを有してもよい。また、第2の複数の開口部405は、円形を有するものとして示されている。しかしながら、他の実施形態では、第2の複数の開口部405は、三角形、長方形、正方形、五角形、六角形、八角形、楕円形、長円形、星形、多角形、スリット、複雑な曲線、直線形状を含むがこれらに限定されない多くの形状を有してもよく、又は形状のいくつかの組み合わせを有してもよい。
【0090】
図5は、いくつかの実施形態に関連し得る追加の詳細を示す、断面線5-5に沿った図4のドレッシングインタフェース200の断面図である。例えば、ドレッシングインタフェース200が組み立てられるとき、陰圧ポート210のフランジ240は、シェル層310の下に配置することができ、導管ハウジング245は、シェル層310の開口部320を通って上方に延びることができる。接触層315の第2面は、シェル層310の第1面上の接着剤によってシェル層310の第1面に結合されてもよい。更に、陰圧ポート210のフランジ240は、接触層315の開口部330内に配置されてもよい。シェル層310の開口部320及び接触層315の開口部330は、共同で結合部材205の開口部215を形成することができる。図5に更に示されるように、次に、陰圧ポート210の導管ハウジング240が、カバー125の開口部500の上に配置され、流体導体250が、開口部500を介して組織インタフェース120と流体的に結合されるように、ドレッシングインタフェース200をカバー125の上部に配置することができる。他の実施形態では、例えば、陰圧ポート210のフランジ240は、シェル層310の上に配置されてもよい。例えば、流体シールを形成するために、フランジ240の下側は、シェル層310の第2側又は上側に接着されてもよい。
【0091】
図6及び図7図5の例における特徴部の詳細図である。図6及び図7では、シェル層310は、ドレッシングインタフェース200を例えばカバー125に固定するために、カバー125に接触するように複数の開口部335を通って延びるか、又は押し付けられてもよい。複数の開口部335は、シェル層310のカバー125への十分な接触を提供して、ドレッシングインタフェース200をカバー125に固定することができる。複数の開口部335は、接触層315の複数の開口部335を通って延びてカバー125に到達するシェル層275の量を制御するようなサイズにされてもよい。したがって、複数の開口部335、シェル層310及び接触層315の構成は、ドレッシングインタフェース200の解放及びカバー125上での再配置を可能にすることができる。シェル層310の少なくとも一部は、接触層315内の複数の開口部335のうちの1つ以上を少なくとも部分的に通って延びるように構成されてもよい。例えば、シェル層310の少なくとも第1部分は、接触層315の第1の複数の開口部400を少なくとも部分的に通って延びることができ(図6を参照)、シェル層310の少なくとも第2部分は、接触層315の第2の複数の開口部405を少なくとも部分的に通って延びることができる(図7を参照)。一部の例では、第1の複数の開口部400の直径D1は、第2の複数の開口部405の直径D2よりも大きく、第2の複数の開口部405の各開口部でカバー125と接触することができるよりも多くのシェル層310が、第1の複数の開口部400の各開口部でカバー125と接触することを可能にする。これにより、2つの異なる接着領域、即ち、第1接着領域220及び第2接着領域225が得られ、ここで、2つの接着領域は、ヒンジ線230の両側にある。第1接着領域220は、第1の複数の開口部400に近接する接触層315の第1部分と、第1の複数の開口部400を通って延びるシェル層310の第1部分とによって形成され得る。第2接着領域225は、第2の複数の開口部405に近接する接触層315の第2部分と、第2の複数の開口部405を通って延びるシェル層310の第2部分とによって形成され得る。シェル層310の剥離強度、第1の複数の開口部400を通って延びてカバー125に接触するシェル層310の量、及びカバー125に接触する接触層315の剥離強度の組み合わせによって、第1領域剥離強度が得られる。同様に、シェル層310の剥離強度、第2の複数の開口部405を通って延びてカバー125に接触するシェル層310の量、及びカバー125に接触する接触層315の剥離強度の組み合わせによって、第2領域剥離強度が得られる。第1領域剥離強度は、第2領域剥離強度よりも高い。したがって、結合部材205は、第1接着領域220に第1領域剥離強度を有し、第2接着領域225に第2領域剥離強度を有し得る。
【0092】
第2接着領域225の第2領域剥離強度は、カバー125を損傷又は破壊することなく、カバー125から第2接着領域225を除去することを可能にするのに十分に低くてもよい。更に、一部の例では、第2接着領域225が除去されたときに、第1接着領域220は、カバー125に取り付けられたままであり得る。第1接着領域220は、ドレッシングインタフェース200をカバー125に保持するためのアンカーとして機能することができる。
【0093】
図8は、図2のドレッシングインタフェース200の正面図である。タブ235を引っ張って、カバー125から第2接着領域225を除去することができる。一部の実施形態では、タブ235を引っ張って、ドレッシングインタフェース200をカバー125から完全に除去することができる。一部の実施形態では、タブ235は非接着性であるため、タブ235を容易に持ち上げて引っ張って、ドレッシングインタフェース200の一部又は全部をカバー125から除去することができる。他の実施形態では、タブ235は、タブ235が衣類、医療機器、他の人又は他の物体に引っ掛かることによって不注意に引き上げられないように、タブ235をカバー125に取り付けたままにするように構成された低剥離力接着剤を含み得る。タブ235を引っ張ると、結合部材205の第2接着領域225がカバー125から除去され、第2接着領域225は、第1接着領域220が依然としてカバー125に接着されたままで、結合部材205の第1接着領域220に対してヒンジ線230の周りでヒンジ動作するか、又はその周りを回転する(曲線Aによって示されるように)。陰圧ポート210はまた、第2接着領域225内に配置されてもよく、また、ヒンジ線230の周りでヒンジ動作するか、又はその周りを回転することができる。第2の複数の開口部405はまた、ヒンジ線230の周りでヒンジ動作するか、又はその周りを回転することができる。陰圧ポート210を第2接着領域225内に配置することにより、陰圧ポート210の下側及び導管ハウジング245の内部を検査及び/又はアクセスして、陰圧ポート210及び/又は導管ハウジング245の内部から滲出液、詰まったもの、及び/又は他の材料を除去し、又は他の方法で洗浄することができる。この洗浄は、カバー125、組織インタフェース120、又は組織部位を損傷又は破壊することなく行うことができる。陰圧ポート210が洗浄されると、第2接着領域225をカバー125に再び取り付けることができ、陰圧療法を再開することができる。
【0094】
ドレッシングインタフェース200の第1領域剥離強度及び第2領域剥離強度を制御するために、接触層315内の第1の複数の開口部400及び第2の複数の開口部405の領域及び数、接触層315の厚さ、シェル層310上の接着剤の厚さ及び量、シェル層310上の接着剤の剥離強度、及び接触層315の剥離強度を含むが、これらに限定されないいくつかの要因を利用することができる。複数の開口部335を通って延びるシェル層310の接着剤の量の増加は、一般に、ドレッシングインタフェース200の剥離強度の増加に対応する。接触層315の厚さの減少は、一般に、複数の開口部335を通って延びるシェル層310の接着剤の量の増加に対応する。したがって、例えば、利用される第1の複数の開口部400及び第2の複数の開口部405の直径及び構成、シェル層310の接着剤の量及び剥離強度、接触層315の厚さ、及び接触層315の剥離強度は、ドレッシングインタフェース200に対して所望の第1領域剥離強度及び第2領域剥離強度を提供するように変化させることができる。
【0095】
図9及び図10は、特定の実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース200の上面図である。ドレッシングインタフェース200の様々な実施形態のヒンジ線230は、直線であると説明及び図示されているが、一部の実施形態では、ヒンジ線230は、非直線(例えば、湾曲、円弧、波状、鋸歯状)であってもよい。他の実施形態では、ヒンジ線230のいかなる部分も陰圧ポート210のフランジ240と交差しない。他の実施形態では、ヒンジ線230は、フランジ240に接していてもよい。図9に示される例示的な実施形態では、ヒンジ線230は、陰圧ポート210に向かって湾曲している。結合部材205は、外周900を含み、ヒンジ線230は、外周900上の第1端点905と、外周900上の第2端点910とを有する。仮想線915は、第1端点905から第2端点910まで引かれてもよく、仮想線915のいかなる部分も、陰圧ポート210のフランジ240と交差しない。したがって、図10に示される例示的な実施形態では、ヒンジ線230が陰圧ポート210から離れて湾曲している場合、第1端点905から第2端点910まで延びる仮想線915がフランジ240と交差しない限り、第2接着領域225は、ヒンジ線230の周りを回転することができ、使用者は、陰圧ポート210の導管ハウジング245の内部に容易にアクセスすることができる。
【0096】
図11は、ドレッシングインタフェース200のいくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、複数の開口部335の例示的な構成の分解図である。図11の例では、ドレッシングインタフェース200は、陰圧ポート210に結合されるように構成された結合部材205を含む。結合部材205は、シェル層310、接触層315、及びタブ235を含み得る。シェル層310は、陰圧ポート210の導管ハウジング245が通って延びるように構成された開口部320を更に含み得る。接触層315は、陰圧ポート210のフランジ240を受け入れるための開口部330と、複数の開口部335とを有する。図11に示されるように、フランジ240は、円形であってもよく、また、図2図5に示されるコード305を含まなくてもよい。一部の実施形態では、フランジ240は、コード305を含み得る。更に、図11に示される接触層315の例は、単一の複数の開口部335のみを含む。一部の実施形態では、例えば、単一の複数の開口部335は、第2の複数の開口部405であり得る。その結果、一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、単一の領域剥離強度を有する単一の接着領域のみを有し得る。第2の複数の開口部405のみを含むことにより、カバー125を損傷又は破壊することなく、ドレッシングインタフェース200全体をカバー125から除去することができる。
【0097】
図12は、図11に示されるドレッシングインタフェース200の正面図であり、カバー125又は組織インタフェース120を損傷又は破壊することなく、線Bに沿ってカバー125からドレッシングインタフェース200を完全に除去することを示す。しかしながら、カバー125を損傷又は破壊することなく、ドレッシングインタフェース200の全体未満をカバー125から除去することもできることが理解されよう。ドレッシングインタフェース200は、線Bに沿って押し下げることによって再び取り付けることができる。
【0098】
図13は、ドレッシングインタフェース200のいくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース200の別の例示的な構成の分解図である。図13の例では、ドレッシングインタフェース200は、陰圧ポート210に結合されるように構成された結合部材205を含む。結合部材205は、シェル層310、接触層315、及びタブ235を含み得る。シェル層310は、陰圧ポート210の導管ハウジング245が延びるように構成された開口部320を更に含み得る。接触層315は、陰圧ポート210のフランジ240を受け入れるための開口部330を含む。図13に示されるように、フランジ240は、円形であってもよく、また、図2図5に示されるコード305を含まなくてもよい。更に、複数の開口部335を有する図2図8及び図11に示される接触層315の例とは異なり、図13に示される接触層315の例は、複数の開口部335を欠いている。一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、単一の領域剥離強度を有する単一の接着領域のみを有してもよく、ここで、単一の領域剥離強度は、接触層315の剥離強度によって定義される。接触層315の剥離強度が低い場合、カバー125を損傷又は破壊することなく、ドレッシングインタフェース200全体をカバー125から除去することができる。一部の実施形態では、例えば、接触層315は、約0.44N~約3.1Nの範囲の剥離強度を有する。一部の実施形態では、接触層315は、約2.8Nの剥離強度を有するシリコーン接着剤を含むか、又は本質的にシリコーン接着剤からなり得る。
【0099】
図14及び図15は、ドレッシングインタフェース200のいくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース200及びカバー125の正面図である。図14及び図15の例では、ドレッシングインタフェース200の結合層205は、延伸剥離接着剤を含み得る。一部の例では、延伸剥離接着剤は、3M Company(Minneapolis,Minnesota)から市販されているCOMMANDブランドの接着剤であってもよい。結合層205のタブ235を線Cに沿って結合層205に実質的に平行な方向に引っ張って、ドレッシングインタフェース200をカバー125から除去することができる。タブ235が線Cに沿って引っ張られると、結合層305の延伸剥離接着剤は引き伸ばされて薄くなり、これにより、線Dによって示されるように、結合層305がカバー125から持ち上げられて離れるまで、延伸剥離接着剤の剥離力が低下する。一部の実施形態では、タブ235が引っ張られると、穿孔が破壊され、ヒンジ線230のタブ235側にある結合層305の部分が除去され、ヒンジ線230の反対側にある結合層305の部分がそのまま保たれ、カバー125に取り付けられたままになるように、結合層305は、ヒンジ線230に沿って穿孔又は切断されてもよい。そのような実施形態では、新しい延伸剥離接着剤部分を提供することができ、ドレッシングインタフェース200をカバー125に再適用することができる。一部の実施形態では、結合層305は、ヒンジ線230に沿って穿孔又は切断されてもよく、また、結合層305の各側が独立して取り外し可能であり得るように、ヒンジ線230の各側にタブ235を含んでもよい。他の実施形態では、接触層315は、シェル層310から独立して除去することができる延伸剥離接着剤を含み得る。接触層315が引き伸ばされて、カバー125及びシェル層310から接触層315が除去された後、新しい接触層315をシェル層310に適用し、ドレッシングインタフェース200を再適用することができる。
【0100】
図16は、ドレッシングインタフェース200のいくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース200の別の例示的な構成の等角図である。図15の例では、ドレッシングインタフェース200は、第1の複数の開口部400の少なくとも一部と位置合わせされたシェル層310内の複数の穿孔1600を含む。時間の経過とともに、第1接着領域220において、ドレッシングインタフェース200とカバー125との結合が増加する可能性があり、したがって、第1接着領域は、除去に対してより高い抵抗を提供することがある。更に、熱を加えることにより、シェル層310の接着剤の結合強度を高めることができる。したがって、穿孔1600は、液体がシェル層310の接着剤と接触するように、複数の穿孔1600を通して液体を吸引することを可能にするように構成されてもよい。次に、液体は、シェル層310の接着剤と相互作用して、シェル層310の接着剤の剥離強度を低下させる。これにより、ドレッシングインタフェース200が、カバー125に長期間にわたって接着されていたとしても、カバー125を損傷又は破壊することなく、第1接着領域220をカバー125から除去することができる。一部の実施形態では、液体は、イソプロピルアルコールなどのアルコールであり得る。例えば、使用者は、容易に入手可能なアルコールワイプを介して少量のイソプロピルアルコールをシェル層310に塗布することができる。次に、イソプロピルアルコールは、複数の穿孔1600を通して吸引され、シェル層310の接着剤を約2~3分間にわたって軟化させ、それによってシェル層310の接着剤の剥離強度を低下させる。次に、ドレッシングインタフェース200をカバー125から除去することができる。除去後、イソプロピルアルコールが蒸発し、シェル層310の接着剤の剥離強度は、元のレベルよりもわずかに低いレベル(約80%)に戻るだけであり、ドレッシングインタフェース200をカバー125に再接着することを可能にする。一部の実施形態では、複数の穿孔1600は、シェル層310の上方からシェル層310の接着剤への液体の流れを可能にするスリット、スロット、開窓、又は他の開口部を含み得る。複数の穿孔1600は、第1接着領域における複数の穿孔1600の位置が組織部位との空気圧又は流体接続から十分に離れているため、組織部位のシール又は完全性に悪影響を及ぼさない。
【0101】
図17及び図18は、ドレッシングインタフェース200及びカバー125の上面図であり、ドレッシングインタフェース200を移動させる能力をより詳細に示す。図17の例に示されるように、ドレッシングインタフェース200は、カバー125上の初期位置にある。ドレッシングインタフェース200を特定の理由で移動させる必要がある場合、ドレッシングインタフェース200を除去して、図18に示されるような第2位置に配置することができる。これは、患者の組織部位からカバー125及び下にある組織インタフェース120を除去することなく達成することができる。カバー125に新しい開口部を切り抜くことができ、ドレッシングインタフェース200を新しい開口部の上にシールして、流体導体250を開口部に流体的に結合することができる。図18に示されるように、カバー125内の開口部500は、パッチ1800によってシールされ得る。パッチ1800は、カバー125と同じ材料であってもよい。ドレッシングインタフェース200がカバー125の第2位置に配置され、開口部500がシールされた状態で、陰圧療法を再開することができる。
【0102】
図19は、いくつかの実施形態に関連し得る更なる詳細を示す、ドレッシングインタフェース200の別の例示的な構成の下部セグメント化等角図である。図19に示されるように、一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、ブリッジ1900を含んでもよく、これは、一般に、薄型構造を有し得る。ブリッジ1900は、陰圧源105をドレッシング110の治療環境に流体的に結合するように構成され得る。図19のブリッジ1900は、実質的に平坦かつ可撓性であり、また、流体導体250と組織インタフェース120との間の流体経路を閉塞又は遮断することなく圧縮可能であり得る。一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、組織インタフェース120と流体連通するように配置されるように適合され得るアプリケータ1905を含み得る。ブリッジ1900は、アプリケータ1905に流体的に結合され、陰圧ポート210まで延びることができる。ブリッジ1900は、実質的に平坦なプロファイルを有してもよく、陰圧ポート210は、ブリッジ1900を、チューブ又は流体導体250などの他の円形流体導体に流体的に結合するように構成され得る。一部の実施形態では、図19のドレッシングインタフェース200は、約15cm~約30cmの範囲の長さを有することができる。一部の実施形態では、ブリッジ1900及びアプリケータ1905は、図示のように単一の装置として形成されてもよい。他の実施形態では、ブリッジ1900及びアプリケータ1905は、互いに結合されて単一の装置を形成する別個の構成要素であってもよい。更に他の実施形態では、ブリッジ1900及びアプリケータ1905は、治療システム100において単一の構成要素として互いに独立して使用され得る別個の構成要素であってもよい。
【0103】
図19に更に示されるように、アプリケータ1905は、組織部位のサイズ及び性質に応じて、組織インタフェース120に治療を適用するのに適した球根状、円形、又は任意の形状であり得る。図19の例におけるブリッジ1900は、一般的に長くて狭い。一部の例示的な実施形態では、ブリッジ1900及びアプリケータ1905は、第1層1915などの最上層、及び第2層1920などのベース層を含み得る。第2層1920は、第1層1915の周辺の周りで第1層1915に結合されて、ドレッシングインタフェース200内に密閉空間を形成することができる。密閉空間は、ブリッジ1900及びアプリケータ1905の両方の第1層1915と第2層1920との間に形成されてもよい。一部の実施形態では、密閉空間は、ブリッジ1900、アプリケータ1905、又はその両方の周辺に沿ってシールされてもよい。第1層1915及び第2層1920は両方とも、ポリマーフィルムから形成されてもよく、又はポリマーフィルムを含んでもよい。第1層1915及び第2層1920は、溶接(RF又は超音波)、ヒートシール、又は、例えばアクリル若しくは硬化接着剤などの接着結合によって、ドレッシングインタフェース200の周辺の周りに結合されて密閉空間を形成することができる。例えば、第1層1915及び第2層1920は、ドレッシングインタフェース200の周辺の周りに互いに溶接されてもよく、溶接の結果としてドレッシングインタフェース200の周辺の周りにフランジ1925を形成することができる。当業者は、第1層1915及び第2層1920を結合して、ドレッシングインタフェース200内に密閉空間を形成するための様々な方法があることを理解するであろう。
【0104】
図19のブリッジ1900は、第1層1915と第2層1920との間に、第1壁1930などの少なくとも1つの障壁又は壁を更に含み得る。一部の実施形態では、第1壁1930は、陰圧ポート210に隣接するブリッジ1900の端部からアプリケータ1905内に延び、ドレッシングインタフェース200内の第1層1915と第2層1920との間に少なくとも2つの密閉空間又は流体経路を形成することができる。一部の例では、ドレッシングインタフェース200は、第1層1915と第2層1920との間に、第2壁1935などの第2障壁を更に含み得る。一部の実施形態では、第2壁1935はまた、陰圧ポート210に隣接するブリッジ1900の端部からアプリケータ1905内に延びることができる。一部の例示的な実施形態では、第1壁1930及び第2壁1935は、第1層1915と第2層1920との間に結合されたポリマーフィルムを含み得る。一部の他の例示的な実施形態では、第1壁1930及び第2壁1935は、溶接(RF又は超音波)、ヒートシール、接着結合、又は前述のいずれかの組み合わせを含み得る。2つの壁、例えば、第1壁1930及び第2壁1935を含むこれらの実施形態では、そのような実施形態は、第1層1915と第2層1920との間の密閉空間内に3つの密閉空間又は流体経路を形成することができる。一部の実施形態では、流体経路のうちの2つを圧力測定専用にすることができる。例えば、図19の例における第1圧力感知経路1940及び第2圧力感知経路1945(破線の矢印によって示されるように)は、フィードバック経路として構成されてもよい。陰圧経路1950(破線の矢印によって示されるように)などの第3流体経路は、陰圧を供給するために利用され得る。
【0105】
一部の例示的な実施形態では、第1圧力感知経路1940、陰圧経路1950、及び第2圧力感知経路1945は、陰圧ポート210によって流体導体250に流体的に結合されてもよい。例えば、陰圧経路1950は、流体導体250に流体的に結合されてもよく、その結果、陰圧経路1950は、組織インタフェース120に陰圧を送達するように機能する。第1圧力感知経路1940及び第2圧力感知経路1945は、流体導体250に流体的に結合されてもよい。他の実施形態では、第1圧力感知経路1940及び第2圧力感知経路1945は両方とも、陰圧ポート210内の単一の空間に流体的に結合されてもよく、この単一の空間も流体導体250に流体的に結合されている。一部の例示的な実施形態では、第1圧力感知経路1940、陰圧経路1950、及び第2圧力感知経路1945の他端は、アプリケータ1905内で終端してもよく、また、組織インタフェース120に関連する陰圧を送達及び感知するために、アプリケータ1905内で互いに流体的に結合されてもよい。
【0106】
アプリケータ1905は、ドレッシングインタフェース200の密閉空間を組織インタフェース120に流体的に結合するように適合された、第2層1920内の開口又は開口部1955を含み得る。開口部1955は、アプリケータ1905の第1層1915及び第2層1920の部分とともに、アプリケータ1905の密閉空間内に凹状空間1960を画定することができ、ここで凹状空間1960は、使用時に組織インタフェース120と流体連通するように適合される。アプリケータ1905の第2層1920によって覆われた凹状空間1960の部分は、覆われた空間と呼ばれてもよい。一部の実施形態では、第1壁1930及び第2壁1935は、第1壁1930及び第2壁1935の端部が開口1955によって露出されるように、凹状空間1960内に部分的にのみ延びることができる。第1圧力感知経路1940及び第2圧力感知経路1945は、凹状空間1960と流体連通することができる。陰圧経路1950はまた、凹状空間1960と流体連通することができ、凹状空間1960を介して組織インタフェース120に陰圧を送達するように適合させることができる。一部の例示的な実施形態(図示せず)では、第1壁1930及び第2壁1935は、開口部1955を超えて延びてもよく、その結果、より少ない第1圧力感知経路1940及び第2圧力感知経路1945が、陰圧経路1950によって組織インタフェース120に送達されている陰圧に曝され、組織部位からの閉鎖及び/又は閉塞を回避する。
【0107】
ドレッシングインタフェース200は、圧力下で流体経路を支持するための手段を更に含み得る。一部の実施形態では、支持手段は、可撓性突起、スタンドオフ、ノード、セル多孔質繊維、多孔質発泡体、又は流体経路に配置された特徴部のいくつかの組み合わせなどの複数の支持特徴を含み得る。例えば、図19のドレッシングインタフェース200は、複数の支持体1965を含む。図19の支持体1965は、一般に、第1層1915から延びる下部と、密閉空間内で凹状空間1960の外側の第2層1920に向かって延びる上部とを有する気泡として特徴付けられ得る。凹状空間1960内で、第1層1915から延びる支持体1965の上部は、組織インタフェース120に向かって延びることができ、使用時に組織インタフェース120と直接接触するように適合されてもよく、又は組織インタフェース120の上方に配置されてもよい。支持体1965などの特徴部は、外力の結果としてドレッシングインタフェース200の密閉空間が崩壊するのを防ぐのに役立つクッションを提供することができる。一部の例示的な実施形態では、支持体1965の上部は、第2層1920と接触してもよく、一部の他の例示的な実施形態では、支持体1965の上部は、第2層1920に結合されてもよい。
【0108】
図19に更に示されるように、一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、アプリケータ1905をドレッシング110に解放可能に結合するための結合部材205を更に含み得る。結合部材205のシェル層310は、シェル層310が接触層315とドレッシングインタフェース200の第2層1920との間に配置されるように、ドレッシングインタフェース200と結合されてもよい。結合部材205は、結合部材205の開口部330が開口部1955と流体連通するように構成された状態で、アプリケータ1905上に配置されてもよい。一部の実施形態では、開口部330は、開口部1955と一致していてもよい。一部の実施形態では、シェル層310の第1面が上記のような接着剤を含むことに加えて、シェル層310の第2面も、接着剤を含むことができ、その結果、シェル層310は、ドレッシングインタフェース200の第2層1920に結合することができる。一部の実施形態では、接着剤をドレッシングインタフェース200の第2層1920に適用して、シェル層310をドレッシングインタフェース200に結合することができる。
【0109】
一部の実施形態では、結合部材205からシェル層310を省略することができ、接着剤をドレッシングインタフェース200の第2層1920上にコーティング又は堆積させることができる。そのような実施形態では、ドレッシングインタフェース200の第2層1920は、シェル層310として機能することができる。接着剤は、医学的に許容できる接着剤であってもよい。接着剤はまた、流動性であってもよい。例えば、接着剤は、アクリル接着剤、ゴム接着剤、高粘着性又は粘着性シリコーン接着剤、ポリウレタン、又は他の接着性物質を含み得る。一部の実施形態では、第2層1920の接着剤は、15グラム/m(gsm)~70グラム/m(gsm)のコーティング重量を有するアクリル接着剤などの感圧接着剤であってもよい。一部の実施形態では、接着剤は、約6.4N~約8.8Nの範囲の剥離強度又はステンレス鋼材料からの剥離に対する抵抗を有し得る。一部の実施形態では、接着剤は、約7.8Nの剥離強度又はステンレス鋼材料からの剥離に対する抵抗を有し得る。一部の実施形態では、第2層1920の接着剤は、紫外線を使用して還元又は非活性化することができる。紫外線をドレッシングインタフェース200に照射することができ、紫外線は、カバー125を損傷又は破壊することなく、接着剤の剥離強度を、カバー125からドレッシングインタフェース200を除去することを可能にするのに十分な量だけ低下させることができる。
【0110】
図20は、図1の治療システム100のいくつかの例示的な実施形態に関連し得る、図19のドレッシングインタフェース200の上部のセグメント化等角図である。図20に示されるように、一部の実施形態では、結合部材205は、陰圧ポート210をブリッジ1900に解放可能に結合するように構成されてもよい。結合部材205は、陰圧ポート210を第1層1915に結合するために使用され得る。一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、アプリケータ1905上の第1結合部材205と、ブリッジ1900上の第2結合部材205とを含む。一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、ブリッジ1900ではなく、アプリケータ1905上の結合部材205を含む。一部の実施形態では、ドレッシングインタフェース200は、アプリケータ1905ではなく、ブリッジ1900上の結合部材205を含む。
【0111】
複数の開口部335は、円形として示されているが、他の実施形態では、複数の開口部335は、第1接着領域220内に部分的に配置され、ヒンジ線230を横切って第2接着領域225内に延びるスロットなどの細長い開口部を含み得る。第1接着領域220内の細長い開口部の部分は、第2接着領域225内の細長い開口部の部分よりも大きな開口領域を有し得る。一部の実施形態では、例えば、細長い開口部は、第1接着領域220内により広い開口部分を有し、第2接着領域225内により狭い開口部分を有し得る。
【0112】
したがって、組織部位を陰圧で処置する方法は、ドレッシングインタフェース200を利用して実施することができる。この方法は、組織インタフェース120を組織部位に適用することと、患者の表皮上にカバー125を適用して組織インタフェース120の上に流体シールを形成することと、ドレッシングインタフェース200をカバー125上の第1位置に結合することと、組織インタフェース120を陰圧源105に流体的に結合することと、陰圧源105から組織インタフェース120に陰圧を印加して治癒及び組織の肉芽形成を促進することとを含み得る。一部の実施形態では、この方法は、ドレッシングインタフェース200の少なくとも一部をカバー125から除去し、次にドレッシングインタフェース200をカバー125に再適用することを更に含み得る。一部の実施形態では、この方法は、ドレッシングインタフェース200の少なくとも一部をカバー125から除去した後、ドレッシングインタフェース200をカバー125に再適用する前に、ドレッシングインタフェース200から閉塞物を洗浄又は除去することを更に含み得る。一部の実施形態では、この方法は、ドレッシングインタフェース200全体をカバー125から除去し、ドレッシングインタフェース200をカバー125に再適用することを更に含み得る。一部の実施形態では、この方法は、ドレッシングインタフェース200をカバー125上の第2位置に再適用することを更に含むことができ、ここで、第2位置は、第1位置とは異なる。一部の実施形態では、この方法は、ドレッシングインタフェース200全体をカバー125から除去した後、ドレッシングインタフェース200をカバー125に再適用する前に、ドレッシングインタフェース200から閉塞物を洗浄又は除去することを更に含み得る。
【0113】
本明細書で説明されるシステム、装置、及び方法は、著しい利点をもたらし得る。例えば、ドレッシングインタフェース200は、カバー125を損傷又は破壊することなく、接続問題を迅速かつ効率的に解決するために、取り外し、交換、又は再配置することができる。ドレッシングインタフェース200を使用して陰圧ポート210をカバー125上に再配置する能力は、トラブルシューティング時間を短縮することができ、また、ドレッシング110の全体的な交換を回避することができる。ドレッシングインタフェース200はまた、陰圧ポート210、組織インタフェース120、及び/又はカバー125の完全な交換を回避することができ、全く新しいドレッシング110のコストを削減する。その結果、ドレッシング110全体の除去による治療中断を減らすことができる。
【0114】
本明細書に記載のシステム、装置、及び方法は、なお更なる重要な利点をもたらし得る。例えば、陰圧ポート210が詰まった場合、ドレッシングインタフェース200を容易に剥がすか持ち上げることができ、陰圧ポート210を洗浄することができる。更に、陰圧ポート210が剥がされている間、外用薬を塗るのがより容易であり得る。洗浄及び/又は薬物の塗布に続いて、カバー125を全く損傷又は破壊することなく、ドレッシングインタフェース200の第2接着領域225をカバー125上に押し戻して、陰圧ポート210をカバーに再びシールし、治療を再開することができる。更に、一部の実施形態では、カバー125を損傷又は破壊することなく、ドレッシングインタフェース200全体を除去し、再配置することができる。最初の配置に続いて、位置重力を使用してより多くの流体を収容し得るドレッシング110上のより適切な位置があるという特定の状況下で、カバー125上の陰圧ポート210の位置を変更することが必要とされ得る。更に、ドレッシングインタフェース200及び陰圧ポート210は、カバー125を損傷又は破壊することなく、いくらかの牽引又は引っ張り力に耐えることができる。ドレッシングインタフェース200はまた、漏れが発生した場合に陰圧ポート210を完全に交換する必要性を回避することができる。即ち、漏れが発生した場合、ドレッシングインタフェース200を剥がすか持ち上げてカバー125上に戻し、陰圧ポート210をカバー125に再びシールすることができる。
【0115】
いくつかの例示的な実施形態において示されているが、当業者であれば、本明細書に記載されたシステム、装置、及び方法は、添付の特許請求の範囲内に入るさまざまな変更及び修正が容易に可能であることを認識するであろう。その上、「又は(or)」などの用語を使用する様々な代替形態の説明は、文脈によって明らかに必要とされない限り、相互排他性を必要とせず、また、定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、文脈によって明らかに必要とされない限り、対象を単一の例に限定しない。構成要素はまた、販売、製造、組み立て、又は使用の目的で、さまざまな構成で組み合わせるか、又は削除することもできる。例えば、一部の構成では、製造又は販売のために、ドレッシング110、容器115、又は双方を削除するか、又は他の構成要素から分離することができる。他の例示的な構成では、コントローラ130はまた、他の構成要素とは独立して製造され、構成され、組み立てられ、又は販売されてもよい。
【0116】
添付の特許請求の範囲は、上述の主題の新規かつ発明的な態様を記載するものであるが、特許請求の範囲はまた、具体的には詳細に列挙されていない追加的主題も包含し得る。例えば、新規かつ発明的な特徴を、当業者には既知であるものから区別するために、必要とされない場合には、特定の特徴、要素、又は態様を、特許請求の範囲から省略することができる。いくつかの実施形態の文脈において説明される特徴、要素、及び態様はまた、添付の特許請求の範囲によって画定される本発明の範囲から逸脱することなく、省略するか、組み合わせるか、又は、同じ目的、均等の目的、若しくは同様の目的を果たす代替的特徴によって置き換えることもできる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20