(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】現金のトラッピング不正の検出方法及び検出システム
(51)【国際特許分類】
G07D 11/26 20190101AFI20240513BHJP
G08B 13/196 20060101ALI20240513BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20240513BHJP
G07F 19/00 20060101ALN20240513BHJP
【FI】
G07D11/26
G08B13/196
G08B25/00 510M
G07F19/00
(21)【出願番号】P 2022211157
(22)【出願日】2022-12-28
【審査請求日】2022-12-28
(32)【優先日】2022-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391007161
【氏名又は名称】エヌ・シー・アール・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】NCR CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジョン コステロ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ロバート ブリス
(72)【発明者】
【氏名】カレブ ウェイン マルチネス
(72)【発明者】
【氏名】ジョデシア サンプター
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ジョセフ ハートル
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-010332(JP,A)
【文献】特表2016-530645(JP,A)
【文献】特開2005-165503(JP,A)
【文献】特開2014-093013(JP,A)
【文献】特開2019-106014(JP,A)
【文献】特開2001-169272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/26
G08B 13/196
G08B 25/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金自動預払機(ATM)
に関連付けられ、ATMの
上方位置、ATMの現金払い出しモジュールに隣接
する位置、
または前記現金払い出しモジュール
に設置された
複数の位置に
設置され、前記ATMに関連付けられたカメラによって捕捉された少なくとも一つの画像を取得し、
前記少なくとも一つの画像を分析し、現金トラッピング装置または現金トラッピング
行為の存在
の有無を判定
し、
前記現金トラッピング装置または前記現金トラッピング
行為が検出されたとき、警報または通知を送信する
、各工程を実行する装置による通貨トラッピング検出方法
であって、
前記分析は、前記ATMで現金引き出し取引が開始されたときに、前記現金払い出しモジュールを捕捉した第一の画像を識別し、前記現金払い出しモジュールが、前記現金引き出し取引に関連する現金を払い出すために前記現金払い出しモジュールの現金スロットを開いた後に、前記現金払い出しモジュールの第二の画像を識別して判定する。
【請求項2】
前記画像の取得
は、単一のカメラから単一の画像を取得す
る、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記画像の取得
は、複数のカメラから複数の画像を取得す
る、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記分析
は、前記少なくとも一つの画像を、前記現金払い出しモジュールの
画像として識別し、
前記ATMが使用される前の前記現金払い出しモジュールの
画像と比較して、前記
識別による判定
を確認することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記識別
は、
前記ATMが使用される前の前記現金払い出しモジュールの
画像の描写につい
て訓練された機械学習モジュール(MLM)に前記少なくとも一つの画像を提供し、前記描写が
、前記現金払い出しモジュールの
通常のものであるか
否かを
検証し、前記MLMから信頼値を受信することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第一の画像
の識別
中は、前記ATMに命令を送信して、前記現金スロットの開口部から前記現金を払い出すのを、前記第二の画像が取得される予め定義された秒数だけ遅らせることをさらに含む、請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
前記第一の画像を前記第二の画像と比較し、
予め設定された閾値内で前記第一の画像と前記第二の画像の間に差異がないとき、前記現金トラッピング装置が存在すると判定することをさらに含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記分析
は、
前記少なくとも一つの画像から前記現金払い出しモジュールの視覚的特徴を抽出
し、
当該視覚的特徴を、前記現金払い出しモジュールに対する既知のモデル視覚的特徴と比較し、
前記視覚的特徴が、
予め設定された閾値内で前記モデル視覚的特徴と合致しないとき、前記現金トラッピング装置が存在すると判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記分析
は、
画像フレーム中の複数の画像から前記現金払い出しモジュールに隣接する手の動きを追跡し、
前記手によって行われた予め定義されたしぐさ、前記手によって
行われたしぐさ中における認識されない物体の存在、および前記ATMの他のモジュールまたは他の周辺機器と前記手とのいかなる他の相互作用も伴わず、
予め設定された期間にわたって、前記現金払い出しモジュールに隣接している前記手のうちの一つ以上の第二の存在、のうちの一つ以上に基づいて、前記現金トラッピング
行為が
あったか
否かを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記追跡
は、前記画像フレームのうちの一つ以上から、カードおよび前記カード上の口座番号を捕捉することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記ATMに対する命令の送信
は、前記現金トラッピング
行為が検出された
と判定されたとき、前記警報と共にまたは前記通知と共に、前記カードの前記口座番号、ならびに前記しぐさ
の画像のビデオクリップを送信す
る請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記送信
は、
前記ATMに命令を送信して前記現金払い出しモジュールの動作をシャットダウン
し、
前記ATMに関連付けられた金融機関の金融機関サーバーに前記警報または前記通知を送信
し、
前記現金トラッピング
行為が検出されたとき、法執行機関の法執行サービスに前記警報または前記通知を送信す
る、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
現金払い出しモジュールまたは前記現金払い出しモジュールに隣接する手を補足した画像を監視
し、
現金トラッピング装置が前記現金払い出しモジュール上に設置されているかどうかを前記画像から判定
し、
現金トラッピング
行為が前記現金払い出しモジュールで進行中かどうかを前記画像から判定
し、
前記現金トラッピング装置が設置されているとき、または前記現金トラッピング
行為が検出されたとき、警報を送信する
、
各工程を含む通貨トラッピング検出方法であって、
前記現金払い出しモジュールで進行中であると判定されたとき、前記しぐさを描写する画像からのビデオクリップを保持し、
前記ビデオクリップにおいて前記手のしぐさによって使用されたすべてのカードの前記カード上の口座番号を識別し、
前記口座番号に関連付けられた金融機関に通知して、疑いがある現金トラッピング行為に対する前記口座番号を一時停止する、ことをさらに含む方法。
【請求項14】
前記現金トラッピング装置が設置されているかどうかを前記画像から判定すること
は、前記画像を前記現金払い出しモジュールのモデル画像と比較して、前記画像から前記現金トラッピング装置を検証するか、または現金引き出し取引の直前の前記払い出しモジュールの第一の画像を、前記現金払い出しモジュールの現金スロットが開いていると考えられるがまだ現金が払い出されていない前記現金払い出しモジュールの第二の画像と比較して、前記現金トラッピング装置が前記現金払い出しモジュール上に設置されているかどうかを検証することをさらに含む、請求項
13に記載の方法.
【請求項15】
現金トラッピング
行為が進行中
であるか
否か
の判定
は、前記手のしぐさ、前記手の
行為、前記手の中の物体、および前記手が前記現金払い出しモジュール以外のいずれかの他の構成要素と相互作用するかどうかを追跡して、前記現金トラッピング
行為が前記現金払い出しモジュールで進行中か
否か
に基づいて行われる、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現金自動預払機における現金のトラッピング不正の検出技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現金トラッピングとは、窃盗犯が現金自動預払機(ATM)の現金払い出しモジュール上に不正な装置を置いて、ATMに装置が挿入された状態で放置する行為である。装置は、ユーザーには現金払い出しモジュールの閉じたシャッターであるように見え、通常、ユーザーには検出不能である。装置は、現金払い出しモジュールを覆うように設計されており、ATMの自然な一部分のように見える。
【0003】
正当な顧客が現金を引き出そうとすると、装置の内部が払い出された現金を捕らえて盗み取る。顧客は現金が払い出されなかったと思い、混乱して、銀行に知らせる。その間、顧客によって現金が取り出されなかったと現金払い出しモジュールが考える場合、モジュールは現金を引き戻そうとし、不正な装置のトラッピング機構は、現金を捕らえて所定の位置に保持する。次に、窃盗犯はATMに行き、現金と一緒に不正な装置を取り出し、次の疑わない顧客のために不正な装置を再挿入するか、装置を別のATMに移す可能性がある。
【0004】
ATMでの不正行為は、銀行およびその顧客のために防止、検出、対処するのが困難である。不正行為が起こった場合、銀行が完全な調査を行い、資金を顧客に返金できるまで、消費者の銀行口座に直接影響する。銀行が調査している間、顧客が自分の資金にアクセスするまでに数週間かかることがあり、不正行為の方法によっては、顧客が確実に使用できるようになる前にATMの修理が必要になることがある。多くの顧客は、資金へのアクセスを数週間も待つことができず、資金の不足により、請求書の遅延、小切手の不渡り、または顧客が必要とするものをそれなしで済ませるなど、顧客に他の問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
現在の現金トラッピング検出アプローチは、ATMおよび/または現金払い出しモジュールのハードウェア変更に依存している。これは、ATMおよびそのモジュールに対する様々なソフトウェア変更も余儀なくさせる。新しいハードウェアをATMに追加するには、相当なリソースが必要であり、各ATMは直接修理する必要がある。これは、ほとんどの銀行が避けたいコストのかかるアプローチであるが、現時点では、業界で利用可能な実行可能な低コストかつ非ハードウェアベースの解決策はない。
【発明の概要】
【0006】
様々な実施形態において、現金トラッピング検出のためのシステムおよび方法を提示する。
【0007】
本発明の一態様によれば、現金トラッピング検出のための方法が提供される。現金自動預払機(ATM)に関連付けられ、ATMの上方位置、ATMの現金払い出しモジュールに隣接する位置、または前記現金払い出しモジュールに設置された複数の位置に設置され、前記ATMに関連付けられたカメラによって捕捉された少なくとも一つの画像を取得し、前記少なくとも一つの画像を分析し、現金トラッピング装置または現金トラッピング行為の存在の有無を判定し、前記現金トラッピング装置または前記現金トラッピング行為が検出されたとき、警報または通知を送信する、各工程を実行する装置による通貨トラッピング検出方法であって、前記分析は、前記ATMで現金引き出し取引が開始されたときに、前記現金払い出しモジュールを捕捉した第一の画像を識別し、前記現金払い出しモジュールが、前記現金引き出し取引に関連する現金を払い出すために前記現金払い出しモジュールの現金スロットを開いた後に、前記現金払い出しモジュールの第二の画像を識別して判定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、例示的実施形態による、現金トラッピング検出のためのシステムの図である。
【
図2】
図2は、例示的実施形態による、現金トラッピング検出のための方法の図である。
【
図3】
図3は、例示的実施形態による、現金トラッピング検出のための別の方法の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、例示的実施形態による、現金トラッピング検出のためのシステム100の図である。構成要素が、例示される実施形態の理解に関連する構成要素のみを有して大幅に単純化された形態で概略的に示されていることに留意されたい。
【0010】
さらに、(システム/プラットフォーム100で識別される)様々な構成要素を例示し、構成要素の配置は例示のみを目的として提示する。本明細書中、以下に示す現金トラッピング検出の教示から逸脱することなく、より多くの、またはより少ない構成要素を用いた他の配置が可能であるということも注意すべきである。
【0011】
本明細書および以下で使用される「現金」および「通貨」という用語は、同義的かつ互換的に使用されうる。これは、すべての政府支援紙幣でありうる。
【0012】
本明細書および以下で実証されるように、システム100およびそれに続く方法は、現金払い出しモジュールが事後に改ざんされたとき、現金払い出しモジュールが引き出し取引中に正常に作動していないとき、および/または窃盗犯によって現金トラッピング装置が現金払い出しモジュールに挿入されていて、現金払い出しモジュールが活発に改ざんされているときに、検出するための低コストかつ正確なアプローチを可能にする。一つ以上の異なるカメラを使用して、現金払い出しモジュールの通貨スロット、および/または現金払い出しモジュールに隣接する個人の手の画像を提供する。
【0013】
画像は、リアルタイムで、ATMにインストールされたソフトウェアモジュール、ATMに関連付けられたローカルサーバーにインストールされたソフトウェア、または遠隔サーバー(クラウドなど)上でアクセス可能な遠隔ソフトウェアモジュールのいずれかによって分析され、現金トラッピングがいつATMで行われているかを判定する。現金トラッピングが検出された場合、ATMの現金払い出しを遠隔から無効化することができ、疑わしい現金トラッピングのためにATMに修理が必要であることを示す警報が発せられる。ビデオクリップが、現金トラッピングの疑いがある時間枠に対して捕捉され、警報と共に送信されうる。さらに、現金トラッピングイベント中に疑いがある窃盗犯に関連付けられた識別物体は、分離され、適切な当局に送信されうる。現金トラッピング装置を設置するために現金払い出しモジュールの現金スロットを最初に開くために窃盗犯が使用したすべての口座カードに、窃盗犯の口座がロックダウンされるようにフラグを付けることができる。
【0014】
システム100は、クラウド/サーバー110(任意)、現金自動預払機(ATM)120、ゼロまたはそれ以上の頭上カメラ120、一つ以上のATM一体型または固定カメラ137、およびATM130、ならびに一つ以上の金融機関(FI)サーバー140を含む。
【0015】
クラウド/サーバー110(任意)は、プロセッサ111、および非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体112を備える。媒体112は、現金トラッピング検出マネージャ113に対する実行可能な命令を含む。実行可能な命令は、媒体112からのプロセッサ111によって提供または取得されたとき、プロセッサ111に、113に関して本明細書で論じる動作を実行させる。
【0016】
頭上カメラ120(任意)はATM130上から捕捉された画像フレームをストリーミングする。頭上カメラ120は、ATM130に取り付けられていないまたは固定されていない。頭上カメラ120は、画像フレームの画像をATM130および/またはクラウド/サーバー110上の記憶場所に直接ストリーミングする。
【0017】
ATM一体型または固定カメラ137は、現金払い出しモジュールの現金スロットから外に向けられた現金スロット内から(現金スロットのシャッターに向かって)、または現金スロットに焦点を置いたATM130の一つ以上の外部側面から捕捉された画像フレームをストリーミングする。ATM一体型または固定カメラ137は、画像フレームの画像をATM130および/またはクラウド/サーバー110上の記憶場所に直接ストリーミングする。
【0018】
カメラ120および/または137は、セキュリティ目的のためにATM120の頭上に位置する、および/またはATM120の周辺機器として統合された、既存のカメラ120および/または137であってもよいことに留意されたい。したがって、一部の実施形態では、セキュリティ監視のためにATM120に既に存在するものより他に、追加のまたは新しいカメラは必要とされない。一部の場合、既存のカメラ120および/または137は、以下の実施形態の一部の目的のために、それらの既存の位置からリフォーカスまたは再角度付けされうる。
【0019】
他の実施形態では、追加の新しいカメラ120および/または137が、以下の一部の実施形態の目的のために配備・位置付け(配置・焦点合わせ)がなされる。
【0020】
一部の実施形態では、カメラ120および/または137は、既存のカメラと新しいカメラ120および/または137の組み合わせであってもよい。
【0021】
画像フレームは、現金トラッピング検出マネージャ113および/またはセキュリティエージェント136のいずれかによって、様々な任意または相補的な様式で処理される。すなわち、各画像処理技術(以下の様々な実施形態で説明される)は、排他的に実施される必要はなく、むしろ、実施形態の各々、実施形態の組み合わせ、または実施形態の全ては、個別に、または互いに任意の組み合わせで処理されうる。さらに、画像処理技術を実施するために、画像処理技術は、セキュリティエージェント136によってATM130上で排他的に処理されてもよく、現金トラッピング検出マネージャ113によってクラウド/サーバー110上で排他的に処理されてもよく、またはセキュリティエージェント136および現金トラッピング検出マネージャ113によって互いに協力して処理されてもよい。
【0022】
第一の画像処理技術では、エージェント136および/または検出マネージャ113は、カメラ120および/または137から画像フレームを受信し、現金スロット132を有する現金払い出しモジュールを検証する目的で、深層機械学習アルゴリズム/モデル(MLM)を処理する。モデルは、132の視覚的な外観および特徴を学習する目的で、夜、朝、午後、夕方、晴れた日、1年の各季節または日々、嵐の期間など、1日の様々な時間および気象条件にわたって、132の画像について訓練される。訓練されたエージェント136および/または検出マネージャ113が、X分毎に画像または画像セットを取得し、画像または画像セットをMLMに送るように構成されると、MLMは、現金スロット132を有する捕捉された現金払い出しモデルが検証されるか、または検証されないかに関する信頼値を返す。エージェント136および/または検出マネージャ113は、信頼値を閾値と比較し、信頼値が閾値を満たすか、または閾値を超える場合、それ以上は何も行われず、現金スロット132を有する現金払い出しモジュールが検証され、現金トラッピング装置で汚されていないことを意味する。信頼値が閾値を下回る場合、エージェント136および/または検出マネージャ113は、ATMアプリ135にメッセージを送信し、ATM130の現金払い出し機能をシャットダウンし、通知がATM/セキュリティマネージャ143に送信される。
【0023】
第二の画像処理技術では、ATM130で顧客が現金引き出し操作を要求し、操作が要求された時間に対応する画像が、現金スロット132を有する現金払い出しモジュールのカメラ120および/または137によって撮影されたときに、ATM130によってイベントが提起される。次に、エージェント136および/または検出マネージャ113は、ATMアプリ135にメッセージを送信して、払い出しモジュール132の現金スロットを開くが、設定された時間(X秒)の間、現金払い出しを遅らせ、現金スロット132を有する払い出しモジュールの別の画像が撮影される。この第二の画像は、現金スロットが開いていることを示すはずである。エージェント136および/または検出マネージャ113は、二つの画像(一つは引き出しが要求されたとき、および一つは現金スロットが開いたが、払い出しモジュール132が現金の払い出しを遅らせたとき)を比較する。二つの画像が互いに同一であるか、または実質的に互いに類似している場合、これは、現金スロット132を有する現金払い出しモジュールに現金トラッピング装置が設置されているという証拠であり、現金スロットを有する現金払い出しモジュールに現金払い出しをしないように、かつ現金を適切な通貨カセット(ATM130の他のモジュール133のうちの一つ)に戻すように命令するメッセージがATMアプリ135に送信される。二つの画像が異なる、または予め定義された許容範囲内で異なる場合、エージェント136および/または検出マネージャ113は、ATMアプリ135にメッセージを送信し、現金スロット132を有する現金払い出しモジュールに対して、払い出しモジュール132に現金トラッピング装置は設置されていないので、現金を払い出して通貨引き出し取引を終えるよう命令する。
【0024】
第三の画像処理技術では、エージェント136および/または検出マネージャ113は、コンピュータビジョンアルゴリズムを使用して、現金スロット132を有する現金払い出しモジュールの視覚的特徴(縁、色、輪郭線など)を抽出する。カメラ120および/または137によって捕捉された画像は、視覚的特徴抽出を使用して、設定された期間(例えば、毎時、10分毎など)にわたって比較される。著しい変化が検出された場合、エージェント136および/または検出マネージャ113は、ATM/セキュリティマネージャ143に通知を送信し、ATM130をシャットダウンし、現金スロット132を有する現金払い出しモジュールを点検する。
【0025】
第四の画像処理技術では、カメラ120および137によって撮影された画像は、視覚追跡アルゴリズムを使用して、エージェント136および/または検出マネージャ113によって監視および追跡される。アルゴリズムは、払い出しモジュール132の現金スロットに隣接する手または手袋をした手を認識および追跡するように訓練される。画像内の境界ボックスが、手または手袋の周りに配置される。手または手袋の中の予想外の物体も、画像内の境界ボックスで識別される。カード(バンクカードなど)は、予想外の物体ではない。アルゴリズムはまた、予想外の物体(現金トラッピング装置など)と共に手のしぐさが不正行為の可能性を示すとき、エージェント136および/または検出マネージャ113が様々な自動措置を誘発できるように、手のしぐさを識別するが、自動措置の単なる例としては、ATM130での活動に対応するビデオクリップを捕捉する、検討用のビデオクリップをATM/セキュリティマネージャ143に送信する、検討および処置のためにビデオクリップを法執行機関に送信する、ATMアプリ135にメッセージを送信してATM130上の取引を停止しATM130をシャットダウンする、追跡中に手によって使用された任意のバンクカードの画像を捕捉する(これは、窃盗犯の正当なアカウントの下で現金スロットを開いて、現金トラップを設置するまたは取り除くために使用されうる)、検出されたすべてのカードに光学式文字認識(OCR)を使用して、窃盗犯が使用している正当な銀行口座または盗まれた銀行口座を識別する、および銀行口座と共にメッセージをATM/セキュリティマネージャ143に送信して、完全な検討が完了するまでその口座からのすべての活動を一時停止するなどがある。払い出し機を詰まらせる試み、ATM130で取引が存在しない時に現金スロットから現金を取り出す、現金トラッピング装置の設置など、手のしぐさおよび/または手の中の認識されない物体に基づいて行為を検出することができる。エージェント136および/または検出マネージャ113は、視覚追跡アルゴリズムによってフラグ付けされた手のしぐさおよび行為の識別子を受信して、しぐさおよび行為を採点することができ、設定された閾値スコア値を超える任意のスコアは、現金トラッピングイベントであると推測することができ、上述の自動措置のいずれも、ATMアプリ135およびATM/セキュリティマネージャ143に送信されるメッセージおよび通知を介して処理することができる。
【0026】
第四の画像処理技術の一実施形態では、頭上カメラ120は、上述のようにATM130に存在する人の手を捕捉して追跡し、画像のフレーム追跡が、その人がATM130に決して関与しない(タッチスクリーンまたはキーパッドに触らず、バンクカードを持たない)が、手は、X時間の間、払い出しモジュール132の現金スロットに近接または隣接していることを示す。これは、窃盗犯が現金トラッピング装置を設置しているか、または以前に設置された現金トラッピング装置を取り外すために戻ってきていることを示す可能性がある。こうした状況では、セキュリティエージェント136および/または現金トラッピング検出マネージャ113は、ATM/セキュリティマネージャ143に警報を送信する。
【0027】
繰り返すが、任意の所与のATM130に対して、上述の画像処理技術のうちの一つのみが配置されてもよく、技術の組み合わせを用いてもよく、または全ての技術を用いてもよい。
【0028】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャ113のみが、画像処理技術の一つ、一部の組み合わせ、またはすべてに対して配置される。この実施形態では、一つ以上のカメラ120および/または137によって撮影された画像のみが、ネットワークにアクセス可能な記憶場所からリアルタイムでクラウド/サーバー110にアクセスできる必要がある。システム100が作動し、現金トラッピングを検出し、通知およびメッセージを送信してATM130をシャットダウンするために、既存のATM130に変更を加える必要はない。
【0029】
一実施形態では、セキュリティエージェント136のみが、ATM130の画像処理技術の一つ、一部の組み合わせ、またはすべてに対して配置される。これは遠隔的に実行することができ、ATM 130のソフトウェア交換のみであり、ATM 130上のハードウェア交換を行う必要はない。
【0030】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャ113およびセキュリティエージェント136の両方が配備される。例えば、セキュリティエージェント136は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を処理して、現金トラッピング検出マネージャ113と相互作用し、これは現金トラッピング検出マネージャ113がATM135に命令を中継して、スロット132を有する現金払い出しモジュールをシャットダウンするか、またはATM135を完全にシャットダウンすることを可能にする。別の状況では、現金トラッピング検出マネージャ113は、セキュリティエージェント136が画像処理技術の一つまたはサブセットを処理しているのとは無関係に、画像処理技術の一つまたはサブセットを処理することができ、現金トラッピング検出マネージャ113およびセキュリティエージェント136の両方が、それぞれ独立して現金トラッピングイベントを検出して、払い出しモジュール132をシャットダウンし、ATM/セキュリティマネージャ143に通知することができる。さらに別の状況では、現金トラッピング検出マネージャ113およびセキュリティエージェント136は、それぞれ独立して同じ画像処理技術または同じ画像処理技術のセットを処理し、現金トラッピングイベントが提起されて自動措置がとられるべきかを判定するために、結果を互いに比較する。
【0031】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャ113は、ATM130に関連付けられたローカルサーバー110上で処理される。
【0032】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャ113は、クラウド110上で処理される。
【0033】
一実施形態では、単一のカメラ120または137のみがシステム100と共に配備される。一実施形態では、単一のカメラは頭上カメラ120である。一実施形態では、単一のカメラは、カメラ137に一体化または固定される。
【0034】
一実施形態では、複数のカメラ120または137がシステム100と共に配備される。一実施形態では、複数のカメラのそれぞれが頭上カメラ120である。一実施形態では、一つ以上のカメラのそれぞれが、一体型または固定カメラ137である。一実施形態では、一つ以上のカメラのうちの少なくとも一つは、頭上カメラ120であり、一つ以上のカメラのうちの少なくとも他の一つは、一体型または固定カメラ137である。
【0035】
これで、ATM130の払い出しモジュール132または任意の他のモジュール133に高価なハードウェア修正を展開することなく、ATM130の既存のカメラインフラを使用して、現金トラッピング検出がどのように実行されうるかが理解できる。現金トラッピングはリアルタイムで検出され、停止され、適切なリソースに通知される。一部の場合、窃盗犯の画像および窃盗犯の口座情報を画像から捕捉し、適切な事業体(さらなる調査のために金融機関および法務当局)に中継することができる。
【0036】
ここで
図2~3を参照しながら、これらの実施形態およびその他の実施形態を検討する。
【0037】
図2は、例示的実施形態による、現金トラッピング検出のための方法200の図である。方法200を実施するソフトウェアモジュールを「現金トラッピング検出マネージャ」と呼ぶ。現金トラッピング検出マネージャは実行可能な命令がプログラムされて実装され、メモリおよび/または非一時的なコンピュータ可読(プロセッサ可読)記憶媒体内に常駐し、装置の一つ以上のプロセッサにより実行される。現金トラッピング検出マネージャを実行する装置のプロセッサは、現金トラッピング検出マネージャを処理するために特に構成され、プログラムされている。現金トラッピング検出マネージャは、その処理中に一つ以上のネットワーク接続にアクセスできる。ネットワーク接続は、有線であっても、無線であっても、有線と無線の組み合わせであってもよい。
【0038】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャは、クラウド110上で実行する。一実施形態では、シーンアイテム識別子は、サーバー110上で実行する。
【0039】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャは、ATM130上で実行する。
【0040】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャの一部分は、クラウド/サーバー110上で実行し、現金トラッピング検出マネージャの別の部分は、ATM130上で実行する。
【0041】
一実施形態では、現金トラッピング検出マネージャは、113および136の一方または両方である。
【0042】
210で、現金トラッピング検出マネージャは、ATM130の頭上にあること、現金払い出しモジュール132に隣接していること、および現金払い出しモジュール132上にあることに関連付けられた一つ以上の位置にある少なくとも一つのカメラ120および/または137から、一つ以上の画像を取得する。
【0043】
一実施形態では、211で、現金トラッピング検出マネージャは、単一のカメラ120または137から単一の画像を取得する。
【0044】
一実施形態では、212で、現金トラッピング検出マネージャは、複数のカメラ120および137から複数の画像を取得する。
【0045】
220で、現金トラッピング検出マネージャは、画像を分析して、現金トラッピング装置または現金トラッピング活動が存在する/検出されたかどうかを判定する。
【0046】
一実施形態では、221で、現金トラッピング検出マネージャは、画像を現金払い出しモジュール132の描写として識別し、現金払い出しモジュール132の以前の既知の描写に基づいて描写が正確かどうかを判定する。
【0047】
一実施形態では、以前の既知の描写は、汎用ATMに一体化された汎用払い出しモジュールのものである。
【0048】
一実施形態では、以前の既知の描写は、ATM130に一体化された特定の払い出しモジュール132に関するものである。
【0049】
221の一実施形態では、222で、現金トラッピング検出マネージャは、現金払い出しモジュール132の以前の既知の描写について訓練された、訓練された機械学習モデル(MLM)に画像を提供する。現金トラッピング検出マネージャは、描写が現金払い出しモジュール132の真の表現(変更されていない)として検証されうるかどうかの指標を出力としてMLMから受信する。
【0050】
一実施形態では、223で、現金トラッピング検出マネージャは、現金引き出し取引がATM130で開始されたときに現金払い出しモジュール132を捕捉した第一の画像を識別し、現金払い出しモジュール132が、取引に関連する現金を払い出すために現金払い出しモジュール132の現金スロットを開いたと考えられる後に、現金払い出しモジュール132の第二の画像を識別する。
【0051】
223の一実施形態では、224で、現金トラッピング検出マネージャは、ATM130に命令を送信し(または送信させ)、現金スロットの開口部から現金を払い出すのを、第二の画像が取得される予め定義された秒数だけ遅らせる。
【0052】
224の一実施形態では、225で、現金トラッピング検出マネージャは、第一の画像を第二の画像と比較し、設定された閾値内で第一の画像と第二の画像との間に差異がない場合、現金トラッピング検出マネージャは、現金トラッピング装置が存在すると判定する。
【0053】
一実施形態では、226で、現金トラッピング検出マネージャは、現金払い出しモジュール132の視覚的特徴を画像から抽出し、現金払い出しモジュール132に対して既知のモデル視覚的特徴と比較する。特徴が、設定された閾値内でモデル特徴と合致しない場合、現金トラッピング検出マネージャは、現金トラッピング装置が存在すると判定する。
【0054】
一実施形態では、227で、現金トラッピング検出マネージャは、画像フレーム中の複数の画像から、現金払い出しモジュール132に隣接する手の動きを追跡し、予め定義されたしぐさ、予め定義された行為、一つ以上の手の中にある認識されない物体の存在、およびATM130の他のモジュール、周辺機器、または構成要素と手とのいかなる他の相互作用も伴わない、設定された期間にわたる、現金払い出しモジュール132に隣接する手の第二の存在、のうちの一つ以上に基づいて、現金トラッピング活動が存在するかどうかを判定する。
【0055】
227の一実施形態では、228で、現金トラッピング検出マネージャは、画像フレームからカードおよびカード上の口座番号を捕捉する。
【0056】
230で、現金トラッピング検出マネージャは、220に基づいて現金トラッピング装置が検出されたとき、または現金トラッピング活動が検出されたときに、警報または通知を送信する。
【0057】
228および230の一実施形態では、231で、現金トラッピング検出マネージャは、現金トラッピング活動が存在するとき、警報または通知と共に、口座番号ならびに手のしぐさおよび手の行為のビデオクリップを送信する。
【0058】
一実施形態では、232で、現金トラッピング検出マネージャはATM130に命令を送信して現金払い出しモジュール132の動作を停止し、金融機関に警報または通知を送信し、および/または法執行機関に警報または通知を送信する。
【0059】
図3は、例示的実施形態による、現金トラッピング検出のための別の方法300の図である。方法200を実施するソフトウェアモジュールは、「画像ベースの現金トラッピング検出マネージャ」と呼ばれる。画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは実行可能な命令がプログラムされて実装され、メモリおよび/または非一時的なコンピュータ可読(プロセッサ可読)記憶媒体内に常駐し、装置の一つ以上のプロセッサにより実行される。画像ベースの現金トラッピング検出マネージャを実行する装置のプロセッサは、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャを処理するために特に構成され、プログラムされている。画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、その処理中に一つ以上のネットワーク接続にアクセスできる。ネットワーク接続は、有線であっても、無線であっても、有線と無線の組み合わせであってもよい。
【0060】
一実施形態では、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャを実行する装置は、クラウド110である。一実施形態では、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャを実行する装置は、サーバー110である。
【0061】
一実施形態では、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャを実行する装置は、ATM130である。
【0062】
一実施形態では、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャの一部分は、クラウド/サーバー110上で実行し、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャの別の部分は、ATM130上で実行する。
【0063】
一実施形態では、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、113、136、および/または方法200のうちの一つ、その一部の組み合わせ、またはそのすべてである。
【0064】
画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、
図2の方法200で上述したものとは別の、かついくつかの点で強化された処理の考え方を提供する。
【0065】
310で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、現金払い出しモジュール132または現金払い出しモジュール132に隣接する手の画像を監視する。
【0066】
320で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、現金トラッピング装置が現金払い出しモジュール132上に設置されているかどうかを画像から判定する。
【0067】
一実施形態では、321で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、画像を現金払い出しモジュール132のモデル画像と比較して、画像から現金払い出しモジュール132を検証する。画像ベースの現金トラッピング検出マネージャはまた、現金引き出し取引の直前の現金払い出しモジュール132の第一の画像を、現金スロットが開いていると考えられるがまだ現金が払い出されていない現金払い出しモジュール132の第二の画像と比較して、現金トラッピング装置が現金払い出しモジュール132上に設置されているかどうかを検証してもよい。
【0068】
330で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、現金トラッピング活動が現金払い出しモジュール132で進行中かどうかを画像から判定する。
【0069】
一実施形態では、331で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、手のしぐさ、手の行為、手の中の物体、および手が現金払い出しモジュール132以外の任意の他の構成要素と相互作用するかどうかを追跡し、現金トラッピング活動が進行中かどうかを判定する。
【0070】
340で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、現金トラッピング装置が設置されているとき、または現金トラッピング活動が検出されたときに、警報を送信する。
【0071】
一実施形態では、350で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、現金トラッピング活動が現金払い出しモジュール132で進行中であると330から判定されたとき、手のしぐさおよび行為を示す画像からのビデオクリップを保持する。
【0072】
350の一実施形態では、351で、画像ベースの現金トラッピング検出マネージャは、ビデオクリップから手によって使用されたすべてのカードを識別し、手によって使用されたときのカード上の口座番号を識別し、口座番号に関連付けられた金融機関に通知して、疑いがある現金トラッピング活動に対する口座番号を一時停止する。
【0073】
ソフトウェアが特定の形態(構成要素またはモジュールなど)で説明されている場合、それは単に理解を助けるためであり、それらの機能を実施するソフトウェアがどのように設計されるか、あるいはどのような構造であるかを限定するものではないことが理解される。例えば、モジュールは別個のモジュールとして説明されているが、同種のコードとして、個別の構成要素として実施されてもよく、またこうしたモジュールの全体でなく一部を組み合わせてもよく、その他の任意の都合の良い方法で構造化されたソフトウェア内で機能が実施されてもよい。
【0074】
さらに、ソフトウェアモジュールは、一つのハードウェア上で実行されるものとして説明されているが、ソフトウェアは、複数のプロセッサにまたがる、またはその他の任意の都合の良い方法で分布されてもよい。
【0075】
上述の説明は、例証的なものであって制限的なものではない。当業者には、上述の説明を検討することにより、その他の数多くの実施形態が明らかとなるであろう。したがって、実施形態の範囲は、これらの請求項が権利を持つ均等物の完全な範囲とともに、添付の請求項を参照して、決定されるべきである。
【0076】
実施形態についての上述の説明では、開示を合理化する目的で様々な特徴が単一の実施形態でひとまとめにされている。この開示方法は、請求された実施形態が、各請求項で明示的に詳述されるものよりも多くの特徴を有することを反映するとは解釈されない。むしろ、下記の請求項で反映されるとおり、発明の主題は、単一の開示された実施形態のすべての特徴よりも少ない。したがって、これによって、以下の特許請求の範囲は、実施形態の説明に組み込まれ、各特許請求の範囲は、それ自体を別個の例示的な実施形態として主張する。