(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】ダウンタイムを伴うスイッチングシステム及び方法、対応するコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H02M 1/38 20070101AFI20240513BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20240513BHJP
【FI】
H02M1/38
H02M7/48 E
H02M7/48 M
(21)【出願番号】P 2022543413
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(86)【国際出願番号】 EP2021050814
(87)【国際公開番号】W WO2021144425
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-08-18
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】521442084
【氏名又は名称】ヴァレオ、シーメンス、イーオートモーティブ、フランス
【氏名又は名称原語表記】VALEO SIEMENS EAUTOMOTIVE FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ボリス、ブシェ
(72)【発明者】
【氏名】マチュー、ディアル
(72)【発明者】
【氏名】コリ、アブデルファタ
【審査官】栗栖 正和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0380536(US,A1)
【文献】特開2019-140853(JP,A)
【文献】特開2015-204726(JP,A)
【文献】特開2011-087380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 1/38
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-DC電圧(VHT)を供給するように設計された電圧源(102)に接続することを目的としたスイッチングアーム(110)であって、ハイサイドスイッチ(Q6)及びローサイドスイッチ(Q2)の2つのスイッチを備え、それぞれが電流入力ターミナル(HC、LC)及び電流出力ターミナル(HE、LE)を有し、前記ハイサイドスイッチ(Q6)の前記電流出力ターミナル(HC)及び前記ローサイドスイッチ(Q2)の前記電流入力ターミナル(LC)は、センタータップ(M)にて互いに接続される、スイッチングアーム(110)と、
-前記スイッチングアーム(110)を制御するコントロールシステム(114)であって、前記スイッチングアーム(110)を、前記センタータップ(M)がゼロ電圧を有するように、前記ハイサイドスイッチ(Q6)が開かれ、且つ前記ローサイドスイッチ(Q2)が閉じられる第1構成、及び前記センタータップ(M)が前記DC電圧(VHT)を有するように、前記ハイサイドスイッチ(Q6)が閉じられ、且つ前記ローサイドスイッチ(Q2)が開かれる第2構成の間の、2つの方向で交互にスイッチするように設計されており、それぞれのスイッチング動作で、
・最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令し、及び次に、
・デッドタイム(TM;TM1、TM2)の終了時に、前記最初に開いていたスイッチを閉じることを命令する、
ように設計されたコントロールシステム(114)と、
-1つの前記スイッチ(Q2)の前記ターミナル(LC、LE)の間に存在するスイッチ電圧(LVCE)を測定する測定装置(116)と、を備え、
前記コントロールシステム(114)は、スイッチングアームが前記2つの方向のうちの第1方向にスイッチングする第1スイッチング動作で、
-前記最初に閉じられていたスイッチを開く前記命令に続いて、測定された前記スイッチ電圧(LVCE)を監視し、且つ、
・前記スイッチ電圧(LVCE)が、前記ゼロ電圧と前記DC電圧(VHT)との間の所定の閾値(S;S1、S2)を交差するときを検出すること、及び、
・前記交差の前記検出に基づいて、現在の第1スイッチング動作のための前記デッドタイム(TM;TM1;TM2)を決定すること、によって、
-前記監視されたスイッチ電圧(LVCE)に基づいて、現在の第1スイッチング動作のための前記デッドタイム(TM;TM1;TM2)を決定する、
ようにさらに設計され、
前記コントロールシステム(114)は、前記第1スイッチング動作に続く、前記スイッチングアームが前記2つの方向のうちのもう一方の方向にスイッチングする第2スイッチング動作が、
-前記最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令し、
-過去の前記第1スイッチング動作の前記デッドタイム(TM)に基づいて、現在の第2スイッチング動作のための前記デッドタイム(TM)を決定し、
-現在の第2スイッチング動作のために決定された前記デッドタイム(TM)の終了時に、前記最初に開いていたスイッチを閉じることを命令する、
ようにさらに設計された、
スイッチングシステム。
【請求項2】
前記決定されたデッドタイム(TM;TM1、TM2)は、前記最初に閉じられていたスイッチを開く命令から、前記交差の前記検出まで延長する、請求項1に記載のスイッチングシステム。
【請求項3】
前記コントロールシステム(114)は、前記最初に閉じられていたスイッチを開く前記命令と前記交差の前記検出との間の時間間隔に基づいて、現在のデッドタイムが前記交差の前記検出より後に終了するように、前記第1スイッチング動作のための前記デッドタイムを決定するように設計される、請求項1に記載のスイッチングシステム。
【請求項4】
前記スイッチ電圧(LVCE)は、前記ローサイドスイッチ(Q2)の前記ターミナル(LC、LE)の間に存在する電圧である、請求項1~3のいずれか一項に記載のスイッチングシステム。
【請求項5】
前記第1スイッチング動作は、前記第1構成から前記第2構成へのスイッチング動作である、請求項1~4のいずれか一項に記載のスイッチングシステム。
【請求項6】
前記第2スイッチング動作のための前記デッドタイムは、前記第1スイッチング動作の前記デッドタイムと等しく取られる、請求項1~5のいずれか一項に記載のスイッチングシステム。
【請求項7】
前記第2スイッチング動作のための前記デッドタイムは、前記第1スイッチング動作の前記デッドタイムより大きく取られ、例えば、前記第1スイッチング動作の前記デッドタイムに所定の維持時間を加えたものと等しく取られる、請求項1~5のいずれか一項に記載のスイッチングシステム。
【請求項8】
前記ハイサイドスイッチ(Q6)の前記ターミナル(HC、HE)の間のコンデンサ(C2)、及び前記ローサイドスイッチ(Q2)の前記ターミナル(LC、LE)の間のコンデンサ(C4)をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のスイッチングシステム。
【請求項9】
DC電圧(VHT)を供給するように設計された電圧源(102)に接続することを目的としたスイッチングアーム(110)であって、電流入力ターミナル(HC)及び電流出力ターミナル(CE)を有するハイサイドスイッチ(Q6)、並びに電流入力ターミナル(LC)及び電流出力ターミナル(LE)を備えるローサイドスイッチ(Q2)を備え、前記ハイサイドスイッチ(Q6)の前記電流出力ターミナル(LE)及び前記ローサイドスイッチ(Q2)の前記電流入力ターミナル(LC)は、センタータップ(M)にて互いに接続される、スイッチングアーム(110)をスイッチする方法(200;400)であって、
-前記スイッチングアーム(110)を、前記センタータップ(M)がゼロ電圧を有するように、前記ハイサイドスイッチ(Q6)が開かれ、且つ前記ローサイドスイッチ(Q2)が閉じられる第1構成、及び前記センタータップ(M)が前記DC電圧(VHT)を有するように、前記ハイサイドスイッチ(Q6)が閉じられ、且つ前記ローサイドスイッチ(Q2)が開かれる第2構成の間の、2つの方向で交互にスイッチすることであって、各構成のスイッチング動作が、最初に閉じられていたスイッチを開く命令、及び次に、デッドタイムの終了時に、前記最初に開いていたスイッチを閉じる命令を含む、スイッチすること、を含み、
前記スイッチングアームが前記2つの方向のうちの第1方向にスイッチングする第1スイッチング動作のために、
-前記閉じられていたスイッチ(Q2)を開く(204)前記命令に続いて、1つの前記スイッチ(Q2)の前記ターミナル(LC、LE)の間に存在するスイッチ電圧(LVCE)を監視すること(206)と、
・前記スイッチ電圧(LVCE)が、前記ゼロ電圧と前記DC電圧(VHT)の間の所定の閾値(S;S1、S2)を交差するときを検出すること、及び
・前記交差の前記検出に基づいて、現在の第1スイッチング動作のための前記デッドタイム(TM;TM1;TM2)を決定すること、によって、
-前記監視されたスイッチ電圧(LVCE)に基づいて、現在の第1スイッチング動作のための前記デッドタイムを決定すること(208)と、
をさらに含み、
前記第1スイッチング動作に続く、前記スイッチングアームが前記2つの方向のうちのもう一方の方向にスイッチングする第2スイッチング動作は、
-前記最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令することと、
-過去の前記第1スイッチング動作の前記デッドタイム(TM)に基づいて、現在の第2スイッチング動作のための前記デッドタイム(TM)を決定することと、
-現在の第2スイッチング動作のために決定された前記デッドタイム(TM)の終了時に、前記最初に開いていたスイッチを閉じることを命令することと、
をさらに含むことを特徴とする、方法(200;400)。
【請求項10】
通信ネットワークからダウンロード可能であり、及び/又はコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるとき、前記コンピュータプログラムが
請求項9で請求されたようなスイッチング方法のステップを実行するための命令を含むことを特徴とする、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デッドタイムを伴うスイッチングシステム、デッドタイムを伴うスイッチング方法、及び対応するコンピュータプログラムに関する。
【0002】
従来技術は、
-ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチの2つのスイッチを備えるスイッチングアームであって、それぞれが電流入力ターミナル及び電流出力ターミナルを有し、ハイサイドスイッチの電流出力ターミナル及びローサイドスイッチの電流入力ターミナルは、互いに接続される、スイッチングアームと、
-スイッチングアームを制御するコントロールシステムであって、スイッチングアームを、ハイサイドスイッチが開かれ、且つローサイドスイッチが閉じられる第1構成、及びハイサイドスイッチが閉じられ、且つローサイドスイッチが開かれる第2構成の間で交互にスイッチするように設計されており、それぞれのスイッチング動作で、
・最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令し、及び次に、
・デッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じることを命令する、
ように設計されたコントロールシステムと、
-1つのスイッチのターミナルの間に存在するスイッチ電圧を測定する測定装置と、
を備える、種類のスイッチングシステムを開示する。
【0003】
このようなスイッチングシステムは、例えばDC/DCコンバータ、又はオンボードチャージャ(OBC:on-board charger)、又はモータモードと発電機モードで選択的に動作できる電気機械に接続されたインバータ/整流器にも用いられる。
【0004】
測定装置は、一般的に様々な機能を実装するため、特に測定装置が設けられたスイッチの不飽和状態を検出するために存在する。
【0005】
まず、デッドタイムは、2つのスイッチが同時にオン状態(クロスコンダクション:cross conduction)にならないことを保証するために、開くことを命令されたスイッチが、他のスイッチを閉じることを命令する前に、実際に正しく開かれたことを保証するために役立つ。
【0006】
さらに、各スイッチと並行して、ソフトスイッチング、即ち実質的に無損失のスイッチングを可能とするコンデンサを配置することが知られており、ZVS(ゼロ電圧スイッチング:zero-voltage switching)の略語で示される。これらのコンデンサの完全な充電又は完全な放電は、そのターミナルの間に、ゼロ又はほぼゼロである電圧でスイッチを閉じることを可能とするために必要である。したがって、デッドタイムは、当該コンデンサの完全な充電又は完全な放電を保証することを可能とする。
【0007】
まず、デッドタイムを、固定値に設定することが知られ、これは、例えば、インバータ/整流器/DC-DC又は電気機械の値にかかわらず、そしてスイッチング周波数にかかわらず、ソフトスイッチングの条件を必ず満たす値に対応する。結果として、このように決定されたデッドタイムは、多くの場合、過度に長い。
【0008】
また、研究所で予め決められたデッドタイム値に基づいて、デッドタイムの持続時間を変化させることが知られている。次に、コントロールシステムは、例えばフラッシュメモリに記憶された、バッテリの充電状態及び/又は電気機械の動作点及び/又はスイッチング周波数の関数としてデッドタイムの持続時間を与える所定の表を用いてもよい。表は、一般的に、ごく少数の特に重要な動作点のみの周辺のデータを包含する。この解決策は、センサ、センサからの測定値に基づいて動作点を決定する手段、所定の表を備えるメモリ、及びメモリにアクセスする手段を要求するという欠点がある。これらの要素の全ては、空間を占め、無視できないコストを有する。
【0009】
したがって、上述した問題と制約のうち少なくとも一部を克服することを可能とするスイッチングシステムを提供することが望ましい。
【0010】
したがって、提案されるのは、少なくとも1つのスイッチング動作のそれぞれについて、
-最初に閉じられていたスイッチを開く命令に続いて、測定されたスイッチ電圧を監視し、且つ、
-監視されたスイッチ電圧に基づいて、考慮中のスイッチング動作のためのデッドタイムを決定する、
ようにさらに設計された上述した種類のスイッチングシステムである。
【0011】
本発明の利点により、デッドタイムの決定には追加要素を殆ど必要としない。より詳しくは、コントロールシステムの動作のみが適応される必要がある。現在、コントロールシステムは、一般的にコンピュータプログラムを実行するマイクロコントローラによって実装され、不飽和状態の検出などの他の機能を実装するために、スイッチ電圧の測定値をすでに受領している。したがって、コントローラシステムの適応は、最も簡単な場合、単にそのコンピュータプログラムをアップデートするだけに減らすことができる。
【0012】
必要に応じて、コントロールシステムは、監視されたスイッチ電圧に基づいて考慮中のスイッチング動作のためのデッドタイムを決定するために、
-スイッチ電圧が、所定の閾値を交差するときを検出し、及び、
-交差の検出に基づいて、考慮中のスイッチング動作のためのデッドタイムを決定する、
ように設計される。
【0013】
また、必要に応じて、決定されたデッドタイムは、最初に閉じられていたスイッチを開く命令から交差の検出まで延長する。
【0014】
また、必要に応じて、コントロールシステムは、最初に閉じられていたスイッチを開く命令と交差の検出との間の時間間隔に基づいて、考慮中のスイッチング動作のためのデッドタイムが交差の検出より後に終了するよう決定するように設計される。
【0015】
また、必要に応じて、スイッチ電圧は、ローサイドスイッチのターミナルの間に存在する電圧である。
【0016】
また、必要に応じて、少なくとも1つのスイッチング動作は、第1構成から第2構成へのスイッチング動作を含む。
【0017】
また、必要に応じて、コントロールシステムは、少なくとも1つのスイッチング動作のそれぞれが、
-最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令し、
-過去のスイッチング動作のデッドタイムに基づいて、考慮中のスイッチング動作のためのデッドタイムを決定し、
-決定されたデッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じることを命令するように、
さらに設計される。
【0018】
また、必要に応じて、決定されたデッドタイムは、過去のスイッチング動作のデッドタイムと等しい。
【0019】
また、必要に応じて、決定されたデッドタイムは、過去のスイッチング動作のデッドタイムより大きく、例えば、前のスイッチング動作のデッドタイムに所定の持続時間を加えたものと等しい。
【0020】
また、必要に応じて、少なくとも1つのスイッチング動作は、少なくとも2つの連続するスイッチング動作を含む。
【0021】
また、必要に応じて、スイッチングシステムは、ハイサイドスイッチのターミナルの間のコンデンサ及びローサイドスイッチのターミナルの間のコンデンサをさらに備える。
【0022】
また、提案されるのは、電流入力ターミナル及び電流出力ターミナルを有するハイサイドスイッチ、並びに電流入力ターミナル及び電流出力ターミナルを備えるローサイドスイッチを備え、ハイサイドスイッチの電流出力ターミナル及びローサイドスイッチの電流入力ターミナルは、互いに接続される、スイッチングアームをスイッチする方法であって、
-スイッチングアームを、ハイサイドスイッチが閉じられ、且つローサイドスイッチが開かれる第1構成、及びハイサイドスイッチが開かれ、且つローサイドスイッチが閉じられる第2構成の間の、2つの方向で交互にスイッチすることであって、各構成のスイッチング動作が、最初に閉じられていたスイッチを開く命令、及び次に、デッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じる命令を含む、スイッチすること、
を含み、
-閉じられていたスイッチを開く命令に続いて、1つのスイッチのターミナルの間に存在するスイッチ電圧を監視することと、
-監視されたスイッチ電圧に基づいて、現在の第1スイッチング動作のためのデッドタイムを決定することと、
をさらに含むことを特徴とする、方法である。
【0023】
本発明は、さらに、
-DC電圧を供給するように設計された電圧源に接続することを目的としたスイッチングアームであって、ハイサイドスイッチ及びローサイドスイッチの2つのスイッチを備え、それぞれが電流入力ターミナル及び電流出力ターミナルを有し、ハイサイドスイッチの電流出力ターミナル及びローサイドスイッチの電流入力ターミナルは、センタータップにて互いに接続される、スイッチングアームと、
-スイッチングアームを制御するコントロールシステムであって、スイッチングアームを、センタータップがゼロ電圧を有するように、ハイサイドスイッチが開かれ、且つローサイドスイッチが閉じられる第1構成、及びセンタータップがDC電圧を有するように、ハイサイドスイッチが閉じられ、且つローサイドスイッチが開かれる第2構成の間の、2つの方向で交互にスイッチするように設計されており、それぞれのスイッチング動作で、
・最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令し、及び次に、
・デッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じることを命令する、
ように設計されたコントロールシステムと、
-1つのスイッチのターミナルの間に存在するスイッチ電圧を測定する測定装置と、
を備え、
当該コントロールシステムは、スイッチングアームが2つの方向のうちの第1方向にスイッチングする第1スイッチング動作のために、
-最初に閉じられていたスイッチを開く命令に続いて、測定されたスイッチ電圧を監視し、且つ、
・スイッチ電圧が、ゼロ電圧とDC電圧との間の所定の閾値を交差するときを検出すること、及び、
・交差の検出に基づいて、現在の第1スイッチング動作のためのデッドタイムを決定すること、によって、
-監視されたスイッチ電圧に基づいて、現在の第1スイッチング動作のためのデッドタイムを決定する、
ようにさらに設計され、
当該コントロールシステムは、第1スイッチング動作に続く、スイッチングアームが2つの方向のうちのもう一方の方向にスイッチングする第2スイッチング動作のために、
-最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令し、
-過去の第1スイッチング動作のデッドタイムに基づいて、現在の第2スイッチング動作のためのデッドタイムを決定し、
-現在の第2スイッチング動作のために決定されたデッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じることを命令するように、
さらに設計された、
スイッチングシステムに関する。
【0024】
必要に応じて、決定されたデッドタイムは、最初に閉じられていたスイッチを開く命令から、交差の検出まで延長する。
【0025】
また、必要に応じて、コントロールシステムは、最初に閉じられていたスイッチを開く命令と交差の検出との間の時間間隔に基づいて、現在のデッドタイムが交差の検出より後に終了するように、第1スイッチング動作のためのデッドタイムを決定するように設計される。
【0026】
また、必要に応じて、スイッチ電圧は、ローサイドスイッチのターミナルの間に存在する電圧である。
【0027】
また、必要に応じて、第1スイッチング動作は、第1構成から第2構成へのスイッチング動作である。
【0028】
また、必要に応じて、第2スイッチング動作のためのデッドタイムは、第1スイッチング動作のデッドタイムと等しく取られる。
【0029】
また、必要に応じて、第2スイッチング動作のためのデッドタイムは、第1スイッチング動作のデッドタイムより大きく取られ、例えば、第1スイッチング動作のデッドタイムに所定の時間を加えたものと等しい。
【0030】
また、必要に応じて、スイッチングシステムは、ハイサイドスイッチのターミナルの間のコンデンサ及びローサイドスイッチのターミナルの間のコンデンサをさらに備える。
【0031】
また、提案されるのは、
DC電圧を供給するように設計された電圧源に接続することを目的としたスイッチングアームであって、電流入力ターミナル及び電流出力ターミナルを有するハイサイドスイッチ、並びに電流入力ターミナル及び電流出力ターミナルを備えるローサイドスイッチを備え、ハイサイドスイッチの電流出力ターミナル及びローサイドスイッチの電流入力ターミナルは、センタータップにて互いに接続される、スイッチングアームをスイッチする方法であって、
-スイッチングアームを、センタータップがゼロ電圧を有するように、ハイサイドスイッチが開かれ、且つローサイドスイッチが閉じられる第1構成、及びセンタータップがDC電圧を有するように、ハイサイドスイッチが閉じられ、且つローサイドスイッチが開かれる第2構成の間の、2つの方向で交互にスイッチすることであって、各構成のスイッチング動作が、最初に閉じられていたスイッチを開く命令、及び次に、デッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じる命令を含む、スイッチすること、を含み、
スイッチングアームが2つの方向のうちの第1方向にスイッチングする第1スイッチング動作のために、
-閉じられていたスイッチを開く命令に続いて、1つのスイッチのターミナルの間に存在するスイッチ電圧を監視することと、
・スイッチ電圧が、ゼロ電圧とDC電圧の間の所定の閾値を交差するときを検出すること、及び
・交差の検出に基づいて、現在の第1スイッチング動作のためのデッドタイムを決定すること、によって、
-監視されたスイッチ電圧に基づいて、現在の第1スイッチング動作のためのデッドタイムを決定することと、
をさらに含み、
第1スイッチング動作に続く、スイッチングアームが2つの方向のうちのもう一方の方向にスイッチングする第2スイッチング動作は、
-最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令することと、
-過去の第1スイッチング動作のデッドタイムに基づいて、現在の第2スイッチング動作のためのデッドタイムを決定することと、
-現在の第2スイッチング動作のために決定されたデッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じることを命令することと、
をさらに含むことを特徴とする、方法である。
【0032】
また、提案されるのは、通信ネットワークからダウンロード可能であり、及び/又はコンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムであって、コンピュータプログラムがコンピュータで実行されるとき、コンピュータプログラムが本発明におけるスイッチング方法のステップを実行するための命令を含むことを特徴とする、コンピュータプログラムである。
【0033】
本発明は、添付の図面を参照して、単に例として与えられる以下の説明の補助によってよりよく理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明の一実施形態に係るスイッチングシステムを示す回路図。
【
図2】本発明の一実施形態に係るスイッチング方法のステップを示すブロック図。
【
図3】
図2の方法を実装するときの、
図1のスイッチングシステムの、電気量の時間変化を示すタイミング図。
【
図4】本発明の他の実施形態に係るスイッチング方法のステップを示すブロック図。
【
図5】
図4の方法を実装するときの、
図1のスイッチングシステムの、電気量の時間変化を示すタイミング図。
【0035】
図1を参照して、本発明を実現する電気設備100の一例が説明される。
【0036】
電気設備100は、例えば、電気又は電気と熱のハイブリッド推進力を有する車両等の自動車の一部を形成する。
【0037】
電気設備100は、先ず、U、V、Wの3つの相、例えば固定子相を有する電気機械を備える。電気機械は、例えばモータモード及び発電機モードで選択的に動作するように設計される。
【0038】
電気設備100は、電気設備100の電気アース104を基準に、DC電圧VHTを供給するように設計されたDC電圧源102をさらに備える。電圧源102は、例えばバッテリを備える。電圧VHTは一般的に高く、例えば100Vより大きい。
【0039】
電気機械100は、DC電圧VHT及び相U、V、W上にそれぞれ存在するAC相電圧の間で変換を遂行するように設計された電圧変換器106をさらに備える。
【0040】
この目的のために、電圧変換器106は、電気機械の相U、V、Wそれぞれに専用であり、対応する相U、V、Wを電圧源102(即ち、DC電圧VHT)及び電気アース104(即ち、ゼロ電圧)に交互に接続するように設計された3つのスイッチングアーム108、110、112を備える。電気機械がモータモードで動作するとき、電圧変換器106は、DC電圧VHTを相電圧に変換するようにインバータモードで動作するように設計される。電気機械が発電機モードで動作するとき、電圧変換器106は、例えばDC電圧源102を再充電するために、相電圧をDC電圧VHTに変換するように整流器モードで動作するように設計される。
【0041】
スイッチングアーム108、110、112が同一であるため、スイッチングアーム110のみを詳細に説明する。
【0042】
スイッチングアーム110は、一方では、電流入力ターミナルHC及び電流出力ターミナルHEを有するハイサイドスイッチQ6と、もう一方では、電流入力ターミナルLC及び電流出力ターミナルLEを有するローサイドスイッチQ2とを備える。ハイサイドスイッチ104の電流出力ターミナルHEとローサイドスイッチ106の電流入力ターミナルLCは、センタータップMにて互いに接続され、センタータップM自体は、電気機械の各相の1つ、スイッチングアーム110の相Vに接続される。さらに、ハイサイドスイッチQ6の電流入力ターミナルHCは、DC電圧源102に接続され、ローサイドスイッチQ2の電流出力ターミナルLEは電気アース104に接続される。
【0043】
各スイッチQ6、Q2は、それぞれHGとLGに参照されるコントロールターミナルをさらに有する。各コントロールターミナルHG、LGは、対応するスイッチQ6、Q2を選択的に開閉する命令を受けることを意図されている。スイッチQ6、Q2は、それぞれ開いているとき、又は閉じられているとき、その電流入力ターミナルHC、LCからその電流出力ターミナルHE、LEへ電流が流れることをそれぞれ防止、又は可能とするように設計される。命令は、一般的にコントロールターミナルと電流出力ターミナルの間の電圧の形態であり、この電圧は、ハイサイドスイッチQ6に関してHVGE、ローサイドスイッチに関してLVGEとして示される。
【0044】
スイッチングアーム110は、ハイサイドスイッチのターミナルHC、HEの間のコンデンサC2、及びローサイドスイッチのターミナルLC、LEの間のコンデンサC4をさらに備える。コンデンサC2、C4はソフトスイッチングコンデンサであり、ZVS(ゼロ電圧スイッチングを意味する)の略語で示される。
【0045】
スイッチQ6、Q2は、例えば、MOSFET(金属酸化物半導体電界効果トランジスタ:metal oxide semiconductor field-effect transistorの略語)又はIGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ:insulated-gate bipolar transistorの略語)などの半導体トランジスタである。
【0046】
電圧変換器106は、スイッチングアーム108、110、112を制御するためのコントロールシステム114であって、ハイサイドスイッチが開かれ、且つローサイドスイッチが閉じられる第1構成、及びハイサイドスイッチが閉じられ、且つローサイドスイッチが開かれる第2構成の間で交互にスイッチするように設計されたコントロールシステム114をさらに備える。したがって、第1構成では、スイッチングアーム108、110、112と対応された相U、V、Wは、そこにゼロ電圧を有するように電気アース104に接続され、一方、第2構成では、スイッチングアーム108、110、112と対応された相U、V、Wは、そこにDC電圧VHTを有するようにDC電圧源102に接続される。この目的のために、コントロールシステム114は、それぞれの構成のスイッチング動作で、最初に閉じられていたスイッチを開くことを命令し、及び次に、デッドタイムの終了時に、最初に開いていたスイッチを閉じることを命令する。最初に閉じられていた、又は開いていたスイッチとは、それぞれ、現在のスイッチング動作の開始時に、閉じられていた、又は開いていた状態のスイッチを意味すると理解される。
【0047】
コントロールシステム114の動作は、
図2乃至5を参照して以下でより詳しく説明される。
【0048】
電圧変換器106は、スイッチQ6、Q2のうちの1つの電流入力ターミナルと電流出力ターミナルとの間に存在するスイッチ電圧を測定するための測定装置116をさらに備える。
【0049】
説明された例において、測定されたスイッチ電圧は、ローサイドスイッチQ2の電流入力ターミナルと電流出力ターミナルLC、LEの間に存在する電圧LVCEである。
【0050】
さらに説明された例において、測定装置116は、コントロールシステム114に、電圧LVCEを示す測定された電圧VMを提供するように設計される。より詳しくは、説明された例において、測定された電圧VMは電圧LVCEの波形である。この目的のために、測定装置116は、例えば、電圧LVCEの波形を形成する低周波だけを保持するように、電圧LVCEの高周波をフィルタリングする高周波フィルタリング要素を備える。
【0051】
説明された例において、測定装置116は、先ず、測定された電圧VMを有することを意図される出力点PSを有する。
【0052】
測定装置116は、センタータップMの方向の伝導を可能とする、センタータップM及び出力点PSの間に接続された入力ダイオードをさらに備える。
【0053】
測定装置116は、例えば12Vである第1DC電圧源V4をさらに備える。
【0054】
測定装置116は、DC電圧源V4と出力点PSの間に互いに接続される、コンデンサC1と抵抗R6を並列に備える高周波フィルタリング回路をさらに備える。
【0055】
測定装置116は、例えば12Vである第2DC電圧源V3、及びセンタータップにて互いに接続される抵抗R2と抵抗R5を有する分圧回路をさらに備える。
【0056】
測定装置116は、抵抗R2、R5のセンタータップと出力ターミナルSの間に接続されるダイオードD1をさらに備える。
【0057】
ここで、
図2及び3を参照して、本発明の第1実施形態に係るスイッチング方法200の一例が説明される。
【0058】
方法200の開始時に、ステップ202において、スイッチングアーム110は、ハイサイドスイッチQ6が開かれ、ローサイドスイッチQ2が閉じられる第1構成にある。
【0059】
ステップ204において、コントロールシステム114は、時刻t1にて、最初に閉じられていたスイッチ、即ち、この場合にはローサイドスイッチQ2を開く命令をすることにより、第1構成から第2構成へのスイッチング動作を開始する。
【0060】
ステップ206において、ローサイドスイッチQ2を開く命令に続いて、コントロールシステム114は、測定された電圧VMを監視することにより、ローサイドスイッチQ2のスイッチ電圧LVCEを監視する。
【0061】
ステップ208において、コントロールシステム114は、監視されたスイッチ電圧LVCEに基づいて、現在のスイッチング動作のためのデッドタイムTMを決定する。
【0062】
この目的のために、ステップ210において、コントロールシステム114は、時刻t2にて、スイッチ電圧LVCEが所定の閾値Sを交差することを検出する。波形を有利に用いると、閾値周辺の急速な振動、したがって望ましくない検出を制限することが可能になる。
【0063】
次に、ステップ212において、コントロールシステム114は、交差の検出に基づいてデッドタイムTMを決定する。説明された例において、デッドタイムTMは開く命令(時間t1)から交差の検出(時間t2)まで延長する。
【0064】
したがって、デッドタイムTMは次の式を用いて決定される。
【0065】
[数式1]
TM = t2 - t1
【0066】
代替方法として、デッドタイムTMは、ローサイドスイッチQ2を開く命令(時間t1)と交差の検出(時間t2)の間の時間間隔t2-t1に基づいて、現在のスイッチング動作に用いられるために、このデッドタイムTMが交差t2の検出より後に終了するように決定され得る。
【0067】
例えば、デッドタイムTMは、開く命令(時間t1)から交差の検出(時間t2)に所定の維持時間P1を加えたときまで延長し得る。したがって、デッドタイムTMは次の式を用いて決定される。
【0068】
[数式2]
TM = t2 - t1 + P1
【0069】
ステップ216において、コントロールシステム114は、デッドタイムTMを記録する。
【0070】
ステップ218において、コントロールシステム114は、デッドタイムTMの終了時に、最初に開いていたスイッチ、この場合には、ハイサイドスイッチQ6を閉じることを命令する。
【0071】
したがって、デッドタイムが開く命令(時間t1)から交差の検出(時間t2)まで延長すると、コントロールシステム114は、交差を検出するとき、最初に開いていたスイッチ、即ち、この場合には、ハイサイドスイッチQ6を閉じることを命令する。
【0072】
ステップ218は、ステップ216の前、又は最中に遂行され得る。
【0073】
したがって、第1構成から第2構成へのスイッチング動作は終了し、スイッチングアーム110は、ステップ220において、正しくその第2構成になる、つまりハイサイドスイッチQ6が閉じられ、ローサイドスイッチQ2が開かれる。
【0074】
ステップ222において、コントロールシステム114は、最初に閉じられていたスイッチ、即ち、この場合には、ハイサイドスイッチQ6を開くことを命令することにより、時間t3に新たなスイッチング動作を開始する。
【0075】
ステップ224において、コントロールシステム114は、過去のスイッチング動作のデッドタイムTMに基づいて、現在のスイッチング動作のデッドタイムを決定する。
【0076】
説明された例において、現在のスイッチング動作のデッドタイムは、過去のスイッチング動作のデッドタイムTMと等しい。
【0077】
したがって、デッドタイムTMの終了時に、ステップ226において、コントロールシステム114は、最初に開いていたスイッチ、即ち、この場合には、ローサイドスイッチQ2を閉じることを命令する。
【0078】
代替方法として、決定されたデッドタイムは、過去のスイッチング動作のデッドタイムより大きく取られ、例えば、過去のスイッチング動作のデッドタイムに所定の持続時間P2を加えたものと等しい。この場合には、次の式が用いられてよい。
【0079】
[数式3]
TM(次) = TM(過去) + P2
【0080】
したがって、第2構成から第1構成へのスイッチング動作は終了し、スイッチングアーム110は、ステップ230の終了時に、正しくその第1構成になる、つまりハイサイドスイッチQ6が閉じられ、ローサイドスイッチQ2が開かれる。
【0081】
方法200は、続いてステップ202に戻ることで繰り返されてよい。
【0082】
ここで、
図4及び5を参照して、本発明の第2実施形態におけるスイッチング方法400の一例が説明される。
【0083】
本発明のこの第2実施形態において、連続するスイッチング動作のそれぞれのデッドタイムは、監視されたスイッチ電圧に基づいて決定される一方、本発明の第1実施形態では、第2構成から第1構成へのスイッチング動作のデッドタイムは、過去のスイッチング動作(第1構成から第2構成へのスイッチング動作)のデッドタイムに基づいてそれぞれ決定される。
【0084】
デッドタイムを決定するために閾値交差が用いられると、第2構成から第1構成へのスイッチング動作、及び第1構成から第2構成へのスイッチング動作に、好ましくは、異なる閾値が使われる。これら閾値はそれぞれS1とS2で示され、閾値S1は閾値S2より大きい。
【0085】
より詳しくは、方法400は、第1構成から第2構成へのスイッチング動作に関して、既に説明されたステップ202乃至220を含む。
【0086】
逆のスイッチング動作(第2構成から第1構成へ)のために、方法400は、各ステップ204、206、208、及び218とそれぞれ同一であるが、スイッチの役割が逆であり、閾値S1の代わりに閾値S2が用いられ、それにより、現在のスイッチング動作のために、過去のスイッチング動作のデッドタイムTM1と異なるデッドタイムTM2を与え得る、ステップ204’、206’、208’、及び218’を含む。
【0087】
上述されたように、スイッチングアーム108、110、112の第1構成において、センタータップMは、ゼロ電圧を有するように電気アース104に接続され、したがってこのゼロ電圧を有する一方、第2構成において、センタータップは、DC電圧VHTを有するようにDC電圧源102に接続され、したがってこのDC電圧VHTを有する。
【0088】
さらに、有利には、そして図面に示されたように、所定の閾値S、S1、S2のそれぞれは、ゼロ電圧とDC電圧VHTの間にある。説明された例において、DC電圧VHTが正であることから、これら閾値は正である。さらに、例えば、閾値S及び閾値S1はそれぞれDC電圧VHTの85%から95%の間にある一方、閾値S2は、例えば、DC電圧VHTの5%から15%の間にある。
【0089】
上述したようなスイッチングシステムが、電圧変換器及び/又は電気機械の動作状態に依存せず、スイッチ電圧と所定のデータ(記載された例におけるP1、P2)のみに基づいてデッドタイムを決定することを可能とすることが明らかである。さらに、デッドタイムはスイッチ電圧を測定することにより決定され、したがって、電気機械の動作点にかかわらず実質的に同様の信頼性、及び非常に単純なハードウェア手段、つまり
図1に示されたような非常に単純なコントロールシステム及び測定装置の適応を有する。
【0090】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されないことも留意されたい。実際に、当業者には、開示された教示に照らして、上述の実施形態に対して様々な変更が可能なことが明らかであろう。
【0091】
特に、現在のスイッチング動作のためのデッドタイムは、閾値交差を検出する以外の方法で、監視されたスイッチ電圧に基づいて決定されてよい。例えば、現在のスイッチング動作のデッドタイムは、監視されたスイッチ電圧の傾きに基づいて決定され得る。
【0092】
さらに、測定されたスイッチ電圧は、例えば、センタータップMとDC電圧源102の間のハイサイドスイッチの電圧であってよい。
【0093】
本発明はさらに、特にソフトスイッチングが望ましい場合、DC/DC電圧変換器又はオンボードチャージャなど、スイッチングアームを用いる任意の電気機械に換えてよい。
【0094】
さらに、説明されたステップは、任意の技術的に実行可能な他の順番で遂行され得る。
【0095】
上述された詳細な記載において、使用された用語は、本発明を本明細書に開示された実施形態に限定するものとして解釈されるべきではなく、当業者がその一般知識を適用して開示された教示を実施することにより、当業者の能力の範囲内にある全ての均等物を含むように解釈されるべきである。