(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】リサイクル可能なフレキシブルフィルム及び流動性物質包装用バッグ
(51)【国際特許分類】
B32B 27/32 20060101AFI20240513BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20240513BHJP
B32B 27/28 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B32B27/32 E
B65D65/40 D
B32B27/28 102
(21)【出願番号】P 2022556136
(86)(22)【出願日】2021-03-17
(86)【国際出願番号】 US2021022735
(87)【国際公開番号】W WO2021188652
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-12-15
(32)【優先日】2020-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519342703
【氏名又は名称】リクイ-ボックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100108903
【氏名又は名称】中村 和広
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ファーカス
(72)【発明者】
【氏名】ラミー ショパン
【審査官】増永 淳司
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-330560(JP,A)
【文献】特開昭62-234930(JP,A)
【文献】特表2017-518896(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0217544(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0286321(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 27/32
B65D 65/40
B32B 27/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下からなる5つの層を含む
リサイクル可能な共押出多層ポリマーバリアフィルム:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分と、前記
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム中の少なくとも1つの他の層への前記第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)前記
リサイクル可能な共押出多層ポリマーバリアフィルムの全質量又は全厚さの0.1%~10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)
コポリマーを含むコアバリア層であって、前記EVOH
コポリマーは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【請求項2】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、直鎖状低密度ポリエチレンのポリマー画分と、エチレン/オクテン-1コポリマー、エチレン/ヘキセン-1コポリマー、又はエチレン/ブテン-1コポリマーの第2のコポリマー画分とを含む、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項3】
前記インターポリマーが0.915g/cm
3の密度及び0.80~1.0dg/分のメルトインデックスを有する、請求項
2に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項4】
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.912g/cm
3の密度を有する少なくとも1種のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)を含む、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項5】
前記フィルム全体に対する前記EVOH層の質量又は厚さの百分率が、次の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項6】
前記EVOHコポリマー中のエチレンのモル百分率が、次の数値:38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54及び55から選択される、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項7】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.2~2.0dg/分の範囲内のメルトインデックスを有する、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項8】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、1.15~2.5の範囲内のゼロ剪断粘度比(ZSVR)を有する、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項9】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、2.0~4.0の範囲内の、数平均分子量に対する質量平均分子量の比(Mw/Mn)として表されるの分子量分布を有する、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項10】
以下
からなる7つの層を含む
リサイクル可能な共押出多層ポリマーバリアフィルム:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層であって、前記介在層の全てが、介在層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、前記介在層の全てが0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有し、前記第1及び第2の内側介在層が、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの層への前記第1及び第2の内側介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む、第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層;
(iii)前記第1及び第2の内側介在層に隣接して、前記第1の内側介在層と前記第2の内側介在層の間に位置し、前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の0.1%~10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)
コポリマーを含むコアバリア層であって、前記EVOH
コポリマーは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【請求項11】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1
及び第2の
外側介在層、又は前記
第1又は第2の
内側介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、直鎖状低密度ポリエチレンのポリマー画分と、エチレン/オクテン-1コポリマー、エチレン/ヘキセン-1コポリマー又はエチレン/ブテン-1コポリマーの第2のコポリマー画分とを含む、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項12】
前記インターポリマーが0.915g/cm
3の密度及び0.80~1.0dg/分のメルトインデックスを有する、請求項
11に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項13】
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.912g/cm
3の密度を有する少なくとも1種のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)を含む、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項14】
前記フィルム全体に対する前記EVOH層の質量又は厚さの百分率が、次の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項15】
前記EVOHコポリマー中のエチレンのモル百分率が、次の数値:38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、及び55から選択される、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項16】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1
及び第2の
内側介在層、又は前記
第1及び第2の
外側介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.2~2.0dg/分の範囲内のメルトインデックスを有する、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマーバリアフィルム。
【請求項17】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1
及び第2の
内側介在層、又は前記
第1及び第2の
外側介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、1.15~2.5の範囲内のゼロ剪断粘度比(ZSVR)を有する、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項18】
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1
及び第2の
内側介在層、又は前記
第1及び第2の
外側介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、2.0~4.0の範囲内の、数平均分子量に対する質量平均分子量の比(Mw/Mn)として表される分子量分布を有する、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項19】
前記フィルムの全厚さが1ミル(25.4μm)~5ミル(127μm)である、請求項
1に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項20】
前記フィルムの全厚さが1ミル(25.4μm)~5ミル(127μm)である、請求項
10に記載の
リサイクル可能な共押出多層ポリマー
バリアフィルム。
【請求項21】
リサイクル可能なバリア共押出多層ポリマーフィルムと非バリア共押出多層ポリマーフィルムとを含む流動性物質包装用のバッグであって、前記バリア共押出多層ポリマーフィルムが以下を含む、バッグ:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分と、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への前記第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の0.1%~10%又は前記バリアフィルムと前記非バリアフィルムの合計の質量若しくは厚さの5%以下を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)
コポリマーを含むコアバリア層であって、前記EVOH
コポリマーは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【請求項22】
リサイクル可能なバリア共押出多層ポリマーフィルムと非バリア共押出多層ポリマーフィルムとを含む流動性物質包装用のバッグであって、前記バリア共押出多層ポリマーフィルムが以下を含む、バッグ:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層であって、前記介在層の全てが、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、前記介在層の全てが0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有し、前記第1及び第2の内側介在層が、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの層への前記第1及び第2の内側介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む、第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層;
(iii)前記第1及び第2の内側介在層に隣接して、前記第1の内側介在層と前記第2の内側介在層の間に位置し、前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の0.1%~10%又は前記バリアフィルムと前記非バリアフィルムの合計の質量若しくは厚さの5%以下を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)
コポリマーを含むコアバリア層であって、前記EVOH
コポリマーは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【請求項23】
前記バリアフィルム及び前記非バリアフィルムの各々の厚さが1ミル(25.4μm)~5ミル(127μm)である、請求項
21に記載のバッグ。
【請求項24】
前記バリアフィルム及び前記非バリアフィルムの各々の厚さが1ミル(25.4μm)~5ミル(127μm)である、請求項
22に記載のバッグ。
【請求項25】
前記非バリアフィルムの厚さが前記バリアフィルムよりも厚い、請求項
21に記載のバッグ。
【請求項26】
前記非バリアフィルムの厚さが前記バリアフィルムよりも厚い、請求項
22に記載のバッグ。
【請求項27】
前記非バリアフィルムの厚さが3.8ミル(96.52μm)であり、前記バリアフィルムの厚さが1.8ミル(45.72μm)である、請求項
25に記載のバッグ。
【請求項28】
前記非バリアフィルムの厚さが3.8ミル(96.52μm)であり、前記バリアフィルムの厚さが1.8ミル(45.72μm)である、請求項
25に記載のバッグ。
【請求項29】
前記バリア共押出多層ポリマーフィルム中の前記EVOH層が、以下の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、前記フィルム全体に対する質量又は厚さの百分率を有する、請求項
26に記載のバッグ。
【請求項30】
前記バリア共押出多層ポリマーフィルム中の前記EVOH層が、以下の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、前記フィルム全体に対する質量又は厚さの百分率を有する、請求項
21に記載のバッグ。
【請求項31】
前記バッグが、排出補助装置を組み込まずに前記バッグの容量の95%~99.9%を空にするように構成されている、請求項27に記載のバッグ。
【請求項32】
前記バッグが、排出補助装置を組み込まずに前記バッグの容量の95%~99.9%を空にするように構成されている、請求項28に記載のバッグ。
【請求項33】
少なくとも1つのスクリュー式留め具、リサイクル可能なバリア共押出多層ポリマーフィルム、及び非バリア共押出多層ポリマーフィルムを含む、ポストミックスシロップ包装用のバッグであって、前記バリア共押出多層ポリマーフィルムが以下を含み、前記バッグは、ポストミックスシロップが充填された場合に標準40インチ(101.6cm)落下試験に合格する、ポストミックスシロップ包装用のバッグ:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分と、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への前記第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の0.1%~10%又は前記バリアフィルムと前記非バリアフィルムの合計の質量若しくは厚さの5%以下を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)
コポリマーを含むコアバリア層であって、前記EVOH
コポリマーは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも50%の量の0.894~0.920g/cm
3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィン
インターポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm
3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2020年3月17日に出願された米国特許仮出願第62/990,540号及び2020年7月21日に出願された米国特許仮出願第63/054,309号に関連し、それらの優先権を主張する。これらの開示の各々は、全ての目的のために全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
分野
本開示は、フレキシブルバッグ(例えば、流動性物質を保持、収納、輸送、包装、及び/又は保存するためのフレキシブルバッグ)の製造に使用され得るエチレン/α-オレフィンコポリマー系共押出多層(CEML)フィルムに関連する。これらのCEMLフィルムは、向上した耐屈曲亀裂性及び強靭性を示すことができ、良好なバリア性を持つことができ、その上、リサイクル可能なものでもある、フレキシブルバッグの製造に使用することができ、そのようなフレキシブルバッグを提供することができる。本記載のCEMLフィルム及びこれらのフィルムを含むフレキシブルバッグは、当該技術分野の技術水準では利用されていない材料と組み合わせられることで(例えば、エチレンを高い含有率(%)(例えば32%超)で含むバリアエチレンビニルアルコール(EVOH)コポリマーコア層を含めることで、ここで、バリアコア層は、全フィルム厚又は質量の約5%未満を構成する)これらの性能特性を達成する。
【背景技術】
【0003】
流動性液体製品、例えば食料品及び飲料品の包装に使用されるバッグは、典型的にはバッグ形成装置を使用して作製され、その装置ではフィルムロールを巻き戻してバッグを形成する。バッグにコードを付し、その後、スパウト用の穴を形成するために穴を開ける。スパウトを差し込み、バッグを長辺でシールし、通常は軽く押さえつけて空気を抜く。次に、そのバッグを、その底部と、ラインから引き出された作製中の次のバッグの上部をクロスシールする。これらのクロスシールに隣接してこのバッグにミシン目を入れ、バッグインボックス充填ラインで使用されるようにこのバッグを梱包する。
【0004】
顧客は、特に流動性製品/液体製品を包装する場合に、より薄いフィルムのバッグを要求する。大半の市販のフィルムはこれらの所望の物理的パラメータを満たすことができず、シール強度及び強靭性も不充分になるため、これには課題がある。結果として、バッグの性能が悪くなり、特に、冷蔵品、又は使用時、貯蔵時及び輸送時に冷蔵が必要な製品を入れるバッグに関して性能が悪くなる。現在利用可能なフィルムから作製されている1~6ガロン(約3.79L~約22.71L)程度の大きさのフレキシブルバッグは、特に冷蔵が必要なときに著しく低い性能を示す。これらのバッグは、内容物を除去又は排出しにくくなっている場合もあり、バッグ内に収納されている流動性のある内容物の完全な排出を補助する装置を取り付けることが必要な場合がある。さらに、変動温度環境は、充填バッグの取扱い、輸送及び流通に関するさらなる問題を生じることがある。かかるバッグでは、バッグの主に側部シール及び底部シール並びにスパウトの周りの領域において、裂けやシール破壊の頻度に起因して、漏れは、系統的かつ繰り返し起こる問題である。
【0005】
ポリエチレン/EVAのシーラント層に挟み込まれた二軸延伸ナイロン6コアを含む熱ラミネート又は接着剤ラミネートの外側バリアプライに基づいた飲料バッグが広く利用されている。これらの飲料バッグの内側プライは、典型的には、ポリエチレンを含む。様々な液体を包装するための他のバッグには、高酸素障壁構造を実現する真空蒸着金属コーティングを有する二軸延伸PETを含む熱又は接着剤ラミネートに基づくものがある。けれども、二軸延伸ナイロン6又は金属化PETを含むこれらの種類のフレキシブルバッグは、リサイクルしにくく、それ故にリサイクル可能な材料と同じように望ましいものでも、持続可能なものでも、環境にやさしいものでもない。
【0006】
そのため、当該技術分野には、低温に耐えることができ、且つ、使用時、輸送時及び取扱い時に一般的である温度変化に耐えることができる優れた強靭性及び耐久性を有する包装(バッグ)を可能にする多層フィルムの必要性が存在する。バッグの内容物を排出することができる(すなわち、排出補助器具なしで排出することができる)フレキシブルバッグは、かかるバッグにより実現することができる節約(例えば、材料及び製造費の節約)の点でも好ましい。以下の開示に示されているように、本発明者らは、必要な強靭性及び耐久性を提供することができるフィルム構造体を開発し、当該フィルムを使用して製造されたバッグのシール部分の裂け及び破損を基本的になくした。当該フィルム及び当該フィルムを含むバッグは、良好なバリア性、良好な耐屈曲亀裂性、及び優れた自己排出特性を有し、その上、リサイクル可能なものであり、これによりダウンストリームの持続可能性(downstream sustainability)を改善する。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、概して、良好なバリア性能、強靭性、耐屈曲亀裂性及び耐久性を提供し、その上、リサイクル可能でもある、ある量のバリア材料を含む共押出バリアフィルム、当該共押出フィルムを必要に応じて1層以上の非バリアフィルムとともに含むバッグ、並びに当該共押出バリアフィルム及び/又はバッグを含む包装済み流動性製品を提供する。
【0008】
一態様では、本開示は、少なくとも以下の3つの層を含む共押出多層ポリマーバリアフィルムに関する:
(i)内側シーラント層であって、0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量で含み、0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は厚さの約0.1%~約10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、EVOHは、EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iii)外側シーラント層であって、0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量で含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【0009】
一態様では、本開示は、少なくとも以下の3つ層を含む共押出多層ポリマーバリアフィルムに関する:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は厚さの約0.1%~約5%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、EVOHは、EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iii)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【0010】
別の態様では、本開示は、以下の5つの層を含む共押出多層ポリマーフィルムに関する:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分と、共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚さの約0.1%~約10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、EVOHは、EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【0011】
別の態様では、本開示は、以下の5つの層を含む共押出多層ポリマーフィルムに関する:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分と、共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の約0.1%~約5%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、EVOHは、EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【0012】
別の態様では、本開示は、以下の7つの層を含む共押出多層ポリマーフィルムに関する:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層であって、これら介在層の全てが、第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、これら介在層の全てが約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有し、第1及び第2の内側介在層が、共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの層への第1及び第2の内側介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む、第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層;
(iii)第1及び第2の内側介在層に隣接して、第1の内側介在層と第2の内側介在層の間に位置し、共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の約0.1%~約10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、EVOHは、EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【0013】
別の態様では、本開示は、以下の7つの層を含む共押出多層ポリマーフィルムに関する:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層であって、これら介在層の全てが、第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、これら介在層の全てが約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有し、第1及び第2の内側介在層が、共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの層への第1及び第2の内側介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む、第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層;
(iii)第1及び第2の内側介在層に隣接して、第1の内側介在層と第2の内側介在層の間に位置し、共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の約0.1%~約5%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、EVOHは、EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【0014】
上記の態様のうちのいずれかの態様の実施形態では、共押出多層ポリマーフィルムは、第1の介在層が内側シーラント層とコアバリア層との間に挟まれており、第2の介在層が外側シーラント層とコアバリア層との間に挟まれている構造を備えることができる。
【0015】
上記の態様の幾つかの実施形態では、共押出多層ポリマーバリアフィルムは、コアバリア層へのシーラント層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む内側シーラント層及び/又は外側シーラント層を含んでいてもよい。
【0016】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、内側シーラント層、外側シーラント層、第1の介在層、又は第2の介在層のうちの少なくとも1つの中のエチレン/α-オレフィンインターポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレンのポリマー画分と、エチレン/オクテン-1コポリマー、エチレン/ヘキセン-1コポリマー又はエチレン/ブテン-1コポリマーの第2のコポリマー画分とを含む。
【0017】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、インターポリマーは0.915g/cm3の密度及び0.80~1.0dg/分のメルトインデックスを有する。さらに他の実施形態では、エチレン/α-オレフィンインターポリマーは、0.912g/cm3の密度を有する少なくとも1種のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)を含む。
【0018】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、フィルム全体に対するバリア層EVOH層の厚さの百分率は、以下の数値から選ばれる:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、及び5.0。幾つかの実施形態では、フィルム全体に対するバリア層EVOH層の厚さの百分率は、約2.5%~約5.0%(例えば2.5~5.0%、2.6~5.0%、2.7~5.0%、2.8~5.0%、2.9~5.0%、3.0~5.0%、3.1~5.0%、3.2~5.0%、3.3~5.0%、3.4~5.0%、3.5~5.0%、3.6~5.0%、3.7~5.0%、3.8~5.0%、3.9~5.0%、4.0~5.0%、4.1~5.0%、4.2~5.0%、4.3~5.0%、4.4~5.0%、4.5~5.0%、4.6~5.0%、4.7~5.0%、4.8~5.0%、又は4.9~5.0%)の範囲内であってよく、この厚さの百分率はこれらの列挙した範囲内にある個々の値及び範囲を含む範囲内にあってもよい。
【0019】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、EVOHコポリマー中のエチレンのモル百分率は、約35モル%を超える数値から選択される。さらなる実施形態では、EVOHコポリマー中のエチレンのモル百分率は、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54及び55モル%から選択される。
【0020】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、内側シーラント層、外側シーラント層、第1の介在層、又は第2の介在層のうちの少なくとも1つの中のエチレン/α-オレフィンインターポリマーは、0.2~2.0dg/分の範囲内のメルトインデックスを有する。
【0021】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、内側シーラント層、外側シーラント層、第1の介在層、又は第2の介在層のうちの少なくとも1つの中のエチレン/α-オレフィンインターポリマーは、1.15~2.5の範囲内のゼロ剪断粘度比(ZSVR)を有する。
【0022】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、内側シーラント層、外側シーラント層、第1の介在層、又は第2の介在層のうちの少なくとも1つの中のエチレン/α-オレフィンインターポリマーは、数平均分子量に対する質量平均分子量の比(Mw/Mn)として表される2.0~4.0の分子量分布を有する。
【0023】
介在層を含む上記の態様のうちの幾つかの実施形態では、第1の介在層は、内側シーラント層とコアバリア層との間に挟まれており、第2の介在層は、外側シーラント層とコアバリア層との間に挟まれている。
【0024】
上記の態様のうちのいずれかの態様の幾つかの実施形態では、シーラント層、コア層、及び介在層のうちのいずれか1つ又は2つ以上が、それぞれ1層から最大で45層の材料を含み得る。
【0025】
一態様では、本開示は、リサイクル可能なバリア共押出多層ポリマーフィルムとリサイクル可能な非バリア共押出多層ポリマーフィルムとを含む流動性物質包装用のバッグであって、バリア共押出多層ポリマーフィルムが、以下を含むバッグを提供する:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分と、共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)共押出多層ポリマーフィルムの全質量もしくは全厚又はバリアフィルムと非バリアフィルムの合計の質量もしくは厚さの約0.1%~約5%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、EVOHは、EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm3の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
【0026】
上記の態様の幾つかの実施形態では、バッグは、第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層とを含むことができ、これらの介在層の全てが、第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm3の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、これら介在層の全てが、約0.910~0.924g/cm3の範囲内にある全密度を有し、第1及び第2の内側介在層は、共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への第1及び第2の内側介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含み、コアバリア層は、第1及び第2の内側介在層に隣接してそれらの間に位置する。
【0027】
幾つかの態様では、本開示は、本開示に記載の共押出多層ポリマーバリアフィルムを含む包装済み製品を提供する。
【0028】
幾つかの態様では、本開示は、本開示に記載の流動性物質包装用のバッグを含む包装済み製品を提供する。
【0029】
幾つかの態様では、本開示は、本開示に記載の共押出多層ポリマーバリアフィルムの製造方法を提供する。
【0030】
幾つかの態様では、本開示は、本開示に記載の流動性物質包装用のバッグの製造方法を提供する。
【0031】
幾つかの態様では、本開示は、本開示に記載の共押出多層ポリマーバリアフィルムを含む流動性製品の包装方法を提供する。
【0032】
幾つかの態様では、本開示は、本開示に記載のバッグを含む流動性製品の包装方法を提供する。
【0033】
本開示のさらなる態様及び実施形態は、以下の説明及び例示的な実施例から当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A-1D】
図1A~1Dは、本開示に記載の幾つかの例示的態様及び実施形態にしたがう一連の多層非バリアフィルムの概略図を例示する図である。
図1Aは、3層非バリアフィルムの一例の実施形態を示す。
図1Bは5層非バリアフィルムを示す。
図1Cは7層非バリアフィルムを示す。
図1Dは7層非バリアフィルムを示しており、このフィルムではそれらの7層のうちの4層が、層全体を形成するために個々に積み重ねられた同じ材料の複数の層を含む。
【0035】
【
図2A-2D】
図2A~2Dは、本開示に記載の幾つかの例示的態様及び実施形態にしたがう多層バリアフィルムの一連の概略図を示す。
図2Aは、3層バリアフィルムの例示的実施形態を示し、このフィルムでは内部層がバリア層を含む。
図2Bは、5層バリアフィルムを示し、このフィルムでは内部層がバリア層を含む。
図2Cは、7層バリアフィルムを示し、このフィルムでは内部層がバリア層を含む。
図2Dは、7層バリアフィルムを示し、このフィルムでは、それらの7層のうちの内側バリア層を含む5層が、層全体を形成するために個々に積み重ねられた同じ材料の複数の層を含む。
【0036】
【
図3A-3D】
図3A~3Dは、本開示に記載の幾つかの例示的態様及び実施形態にしたがう多層のバリアフィルム及び非バリアフィルムを含む2プライフィルム構造体の一連の概略図を示す。
図3Aは、
図1A及び2Aにそれぞれ示される3層非バリアフィルム及び3層バリアフィルムを含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、ここで、「外側」プライはバリア層を含み、「内側」プライは非バリア層を含む。
図3A~
図3Dに示されている実施形態の各々において、外側プライと内側プライは、バッグを形成するために縁部(シール部)を除いて、接合されていない。これらのプライとプライとの間の表面領域の大部分でこれらのプライは互いに対して「自由に浮動(free floating)」すると考えてよい。
図3Bは、
図1B及び2Bにそれぞれ示される5層非バリアフィルム及び5層バリアフィルムを含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、このフィルムでは「外側」プライがバリア層を含み、「内側」プライが非バリア層を含む。
図3Cは、
図1B及び2Cにそれぞれ示される5層非バリアフィルム及び7層バリアフィルムを含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、このフィルムでは「外側」プライがバリア層を含み、「内側」プライが非バリア層を含む。
図3Dは、
図1D及び2Dにそれぞれ示される7層非バリアフィルム及び7層バリアフィルムを含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、このフィルムでは「外側」バリアプライの7層(内側バリア層を含む)のうちの5層及び「内側」非バリア層の7層のうちの4層が、層全体を形成するために個々に積み重ねられた同じ材料の複数の層を含む。
【0037】
【
図4A-4B】
図4A~4Bは、未充填状態(
図4A)及び流動性製品を含む状態(
図4B)の本開示の例示的実施形態にしたがうフレキシブルバッグ(22)の概略図を提供する。このバッグは、このバッグの様々な位置にあってよい少なくとも1つのスパウト(50)、及び流動性内容物を含む容量(26)を規定するシールされた外周縁(34、38、54、42)を備える。
【発明を実施するための形態】
【0038】
さらに本開示の詳細な説明を続ける前に、本開示は、特定の材料(ポリマー、コポリマー(copolymers)、インターポリマー(interpolymers)、添加剤等を含む)、構造及び配置(フィルム内の個々の層の数、フィルムのプライの数、フィルムの層及びプライの順序等を含む)、又は処理工程、並びに意図もしくは想定する用途及び使用法に限定されず、したがって、本開示は、本明細書においてなされる説明の範囲内に依然としてあるが、変わり得ることが理解されるべきである。
【0039】
本開示に記載されている百分率は、通常、構成物の全質量に対する質量百分率又は全厚に対する厚さ百分率のどちらかを指し、百分率が記載されている場合には、通常どちらかを指す。構成要素(添加剤を含む又は含まないポリマー又はコポリマー)の密度の違いによって質量百分率と厚さ百分率との間に差が生じることがあるが、それらの2種類の百分率の数値は通常互いに非常に近い。本特許出願において表される全ての比は、別段の表示が無い限り、質量対質量基準である。
【0040】
範囲は、その範囲内のそれぞれ個々の値を列挙記載することを避けるためだけの簡略表現として使用される。その範囲内のあらゆる適切な値が上限値、下限値、又はその範囲の終止点として選択可能である。
【0041】
別途文脈により明確に指示されない限り、単数形の言葉はその複数形を含み、複数形の言葉はその単数形を含む。したがって、参照符である「a」、「an」、「the」は、それらの参照符が修飾するそれぞれの言葉の複数形を内包することが一般的である。例えば、「1つの方法(a method)」の参照は、その複数の「方法」を内包する。同様に、「含む(comprise)」、「含む(comprises)、及び「含む(comprising)」という言葉は、請求項の中の移行句として使用されるにしてもそうでないにしても、限定的に解釈されるよりもむしろ非限定的に解釈されるべきである。同様に、「含む(include)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、及び「又は(or)」という言葉は、文脈によって明確に禁止されているのではない限り、内包的に解釈されるべきである。同様に、「例」という言葉には、特にその後に用語が挙げられて続くときには単なる模範、例示、及び非限定が意図されており、したがってその「例」は閉鎖的又は網羅的であると考えられるべきではない。
【0042】
他に別段の定義がなされていない限り、本開示において使用される全ての技術科学用語、専門用語、及び頭字語は、その用語が使用される関連の技術分野の当業者が一般的に理解する意味を有する。本開示において説明される組成物、方法、製品、又は他の手段もしくは材料と類似又は同等のあらゆる組成物、方法、製品、又は他の手段もしくは材料が本明細書中の様々な態様及び実施形態の実施に使用可能であるが、例示及び明確化だけを目的として特定の組成物、方法、製品、又は他の手段もしくは材料を説明する。
【0043】
本明細書において引用又は参照される全ての特許、特許出願、特許出願公開、技術文献や学術文献、及び他の参照文献は、法の許す限り、参照により全体が援用される。それらの参照文献の記述は、これらの参照文献中で行われた主張を要約することだけを意図したものであり、そのようなあらゆる特許、特許出願、特許出願公開、もしくは参照文献、又はこれらのどの部分も本開示又は特許請求の範囲の関連技術、必須技術、又は先行技術であると認めてはいない。
【0044】
本明細書において使用される場合、「流動性物質」という用語は、気体物質、粉体、又は他の固体物質を包含しないが、重力下では流動性である又はポンプで汲み上げられるあらゆる液体物質を包含する。かかる物質としては、液体(例えばシロップ、ミックス、アルコール、ミルク、水、フルーツジュース、油等)、半固体エマルジョン、及び液体エマルジョン(例えばアイスクリーム、アイスクリームミックス、ソフトマーガリン、ホイップクリーム、ドウ等)が挙げられる。本開示に記載の態様及び実施形態は特に流動性食品及び飲料に使用され、それらの流動性食品及び飲料には外界温度又は低温で包装される場合がある流動性食品及び飲料が含まれる。
【0045】
本明細書において使用される場合、「密度」はASTM D 792によって決定され、「メルトインデックス」はASTM D 1238によって決定される。ポリマーの「融点」は、ASTM方法D3417-83(第88版)に記載されているように示差走査熱量測定法(DSC)を実施したときのピーク融点として測定される。
【0046】
図1A~Dは、本開示の例示的実施形態にしたがう多層非バリアフィルム(100)の概略図を提示する。
図1Aに示されるように、本開示にしたがう共押出非バリアフィルムは複数の層を含むことが典型的であり、それらの複数の層は同じでも異なっていてもよい。どちらも同じ又は異なるポリマー材料又はコポリマー材料であってよいコア層(110)及びシーリング層(120)を共押出することにより非バリアフィルム(100)を形成することができる。幾つかの例示的実施形態では、非バリアフィルムはコア層を含まなくてよい(すなわち、2層を含むだけである)。
図1Bは、コア層(110)、外側シーラント層と内側シーラント層(120)、及び外側介在層と内側介在層(130)を有する5層非バリアフィルム(100)の例示的実施形態を示す。
図1Cは、コア層(110)、外側シーラント層と内側シーラント層(120)、第1の外側介在層と第1の内側介在層(130)、及び第2の外側介在層と第3内側介在層(140)を有する7層非バリアフィルム(100)の本開示にしたがう例示的実施形態を示す。
図1Dは、
図1Cに例示される上記例示的実施形態に類似し、類似のコア層(110)及び第2の外側介在層と第2の内側介在層(140)を含む7層非バリアフィルム(100)を示しているが、外側シーラント層と内側シーラント層(1201)及び第1の外側介在層と第1の内側介在層(1301)が、層全体を形成するために個々に積み重ねられた同じ材料の複数の層を含んでいる例示的実施形態がさらに示されている。
【0047】
図2A~Dは、本開示に記載の幾つかの例示的態様及び実施形態にしたがう多層バリアフィルム(200)の概略図を提示する。
図2A~
図2D中の例示と構造は
図1A~
図1Dにおいて説明されたものと同様であるが、多層バリアフィルム及び多層非バリアフィルムは、本明細書においてさらに詳細に説明するように、同じように構成されている又は対称的である必要はない。さらに、
図2A~
図2D及び
図3A~
図3Dにおいて例示され、本開示にしたがうバリアフィルム(200)は、エチレンビニルアルコール(EVOH)のコアバリア層(210)、(2101)を含む。
図2Aは、同じ材料でも異なる材料でもよい内側シーリング層及び外側シーリング層(220)と、EVOHバリア材料を含むコアバリア層(210)を有する3層バリアフィルム(200)の例示的実施形態を提示し、それらの層を共押出することによりバリアフィルム(200)を形成することができる。かかる実施形態は、好適には、コアバリア層とシーリング層との間に接着剤を含むか、又はシーリング層は、それらの層の間の結合を補助するある量のタイ材(tie material)を含み得る。
【0048】
図2Bは、コア層(210)と、外側シーラント層及び内側シーラント層(220)と、第1の内側介在層及び第1の外側介在層(230)とを有する5層バリアフィルム(200)の例示的実施形態を例示する。外側シーラント層及び内側シーラント層(220)と介在層(230)のいずれも同じポリマーもしくはコポリマーから構成されていてもよく、又は異なるポリマーもしくはコポリマーから構成されていてもよい。そのため、幾つかの例示的実施形態では、外側シーラント層及び内側シーラント層(220)に使用されるポリマー又はコポリマーは異なっていてよく、異なる厚さであってもよい。同様の幾つかの実施形態では、内側介在層及び外側介在層(230)に使用されるポリマー又はコポリマーは異なっていてもよく、異なる厚さであってもよい。その他の幾つかの例示的実施形態では、外側シーラント層及び内側シーラント層(220)と内側介在層及び外側介在層(230)の全てに使用されるポリマー又はコポリマーは同じ材料であってもよく、ほぼ同じ厚さであってもよい。
【0049】
図2Cは、コア層(210)と、外側シーラント層及び内側シーラント層(220)と、第1の外側介在層及び第1の内側介在層(230)と、第2の外側介在層及び第2の内側介在層(240)とを有する7層バリアフィルム(200)の例示的実施形態を例示する。外側シーラント層及び内側シーラント層(220)と、第1の介在層(230)と、第2の介在層(240)のいずれも同じポリマーもしくはコポリマーから構成されていてもよく、又は異なるポリマーもしくはコポリマーから構成されていてもよい。そのため、幾つかの例示的実施形態では、シーラント層(220)のうちのどちらかに使用されるポリマー又はコポリマーは異なっていてもよく、異なる厚さであってもよい。同様の幾つかの実施形態では、第1の介在層(230)及び第2の介在層(240)に使用されるポリマー又はコポリマーは異なっていてもよく、異なる厚さであってもよい。その他の幾つかの例示的実施形態では、外側シーラント層及び内側シーラント層(220)及び第1の介在層(230)と第2の介在層(240)の全てに使用されるポリマー又はコポリマーは同じ材料であってもよく、ほぼ同じ厚さであってもよい。
【0050】
図2Dは、
図2Cで説明した実施形態と類似の一般構造を有する7層バリアフィルム(200)の例示的実施形態を示し、このフィルムでは、7層のうちの、内側コアバリア層(2101)と、外側及び内側シーラント層(2201)と、第1の外側及び内側介在層(2301)とを含む5層が、層全体を形成するために個々に積み重ねられた同じ材料の複数の層を含む。
【0051】
必ずしも実寸通りではないが、
図2A~
図2D又は
図3A~
図3Dのいずれにも例示され、本開示において様々な態様及び実施形態で説明されるように、本開示は、全フィルムの(質量又は厚さに基づく)5%以下を構成するEVOHのコアバリア層を含むフィルムを提供する。
【0052】
図3A~
図3Dは、本開示における様々な態様及び実施形態で説明される多層バリアフィルム及び多層非バリアフィルムを含むことができる2プライフィルム構造体の本開示にしたがう一連の例示的実施形態を示す。
図3Aは、
図1A及び
図2Aにそれぞれ示される3層非バリアフィルム(100)及び3層バリアフィルム(200)を含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、ここで、「外側」プライはバリア層(200)を構成し、「内側」プライは非バリア層(100)を構成する。
図3A~
図3Dに示されている全ての実施形態におけるプライ層は、((310)で表される)縁部においてのみ物理的に接合され、したがって、シールされた縁部(310)以外の位置ではそれらの2つの層の間(300)に空隙又は分離を含むことができる。
図3Bは、
図1B及び
図2Bにそれぞれ示されている5層非バリアフィルム(100)及び5層バリアフィルム(200)を含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、ここで、「外側」プライはバリア層(200)を構成し、「内側」プライは非バリア層(100)を構成する。
図3Cは、
図1C及び
図2Dにそれぞれ示されている5層非バリアフィルム(100)及び7層バリアフィルム(200)を含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、ここで、「外側」プライはバリア層(200)を構成し、「内側」プライは非バリア層(100)を構成する。
図3Dは、
図1D及び
図2Dにそれぞれ示される7層非バリアフィルム(100)及び7層バリアフィルム(200)を含む2プライフィルム構造体の例示的実施形態を示し、ここで、「外側」バリア層(200)の7層のうちの5層及び「内側」非バリア層(100)の7層のうちの4層が、層全体を形成するために個々に積み重ねられた同じ材料の複数の層を含む。本明細書において説明されるように、異なるプライは、本開示の範囲内にあるためには必ずしも同じ数又は同じような数の層又は層構造を持つ必要はない。
【0053】
共押出フィルム
【0054】
一般的な態様において、本開示は、多様な用途に使用される多層構造体及び多プライ構造体を形成するために様々な方法及び組合せで組み合わせることができる、共押出しされた(i)非バリアフィルム及び(ii)共バリアフィルムに関する。
【0055】
非バリアフィルム及びバリアフィルム用の材料及びフィルム構造
【0056】
幾つかの態様では、本開示は、食品及び飲料に関連する製品等を含む液体流動性物質を包装するためのバッグに利用可能な共押出多層(CEML)フィルムを提供する。本態様の例示的実施形態では、本開示は、ブルーストン階段落下試験法によって測定したときに高いバッグ落下高(F50値)を示す本開示において提示されるデータによって例示されるような様々な温度条件(例えば、外界温度条件や冷蔵条件)下での強靭性及びシール強度を含む優れた強靭性及びシール強度を示すが、ゲージ数(厚さ)は小さいCEMLフィルムを提供する。
【0057】
幾つかの実施形態では、本開示は、バリア層をもたらす材料を排除した(すなわち、そのような材料を含まない、そのような材料を含有しない、又はそのような材料から構成されない)非バリアCEML(NB-CEML)フィルムを提供する(例えば、非バリア実施形態はその層のどれにもEVOHを含まない)。幾つかの実施形態では、NB-CEMLは、2018年12月27日に公開された、全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2018/0370201号(「冷却液体包装用のバッグインボックスフィルム」)に記載されているようなインターポリマー及びフィルム構造を備えることができる。したがって、本開示の態様及び実施形態は、(i)本開示に記載されているようなバリア共押出多層フィルムと(ii)本開示や米国特許出願公開第2018/0370201号明細書等に記載されているような非バリア共押出多層フィルムとを含むフレキシブルバッグ又はバッグインボックス包装であって、これらのバリアフィルムと非バリアフィルムがフレキシブルバッグ又はバッグインボックス構造で別々のプライとして接合され、縁部がシールされたフレキシブルバッグ又はバッグインボックス包装を提供する。
【0058】
幾つかの実施形態では、本開示は、EVOHを含むコアバリア層を含むバリアCEML(B-CEML)フィルムを提供する。
【0059】
一般的に、非バリア(NB-CEML)フィルム構造体及びバリア(B-CEML)フィルム構造体に関する実施形態は、バリアフィルム(B-CEML)にEVOHコア層が存在することを例外として、類似又は同一の構成要素、材料、厚さ及び構造を備えることができる。そのため、例示的実施形態では、バリアフィルムと非バリアフィルムの一方又は両方が、対称的でも非対称的でもよい共押出構造を備えることができる。幾つかの実施形態では、これらのフィルム構造体は、外側シーラント層、1層以上の介在層、コア層、1層以上の介在層、及び内側シーラント層を備えることができる。
【0060】
B-CEMLに関する幾つかの実施形態では、フィルムは、1層以上の介在層を他の介在層との間、あるいは、内側シーラント層及び/又は外側シーラント層とコアバリア層との間に含み得る。すなわち、幾つかの実施形態では、B-CEMLは、コアバリア層及びシーラント層との間に第1の、もしくは第1と第2の、又は第1、第2及び第3(等)の内側介在層及び/又は外側介在層を含む。1層より多くの介在層を含む実施形態では、介在層の少なくとも1つの面が別の介在層と境を接する/隣り合うことになる。
【0061】
例示的実施形態では、共押出多層フィルムは1層から約45層又は約50層までの個々のポリマーフィルム層を含み得る。言い換えると、B-CEMLフィルムもしくはNB-CEMLフィルム、又はそれらの両方は、同じポリマーの複数の個々の層から形成され、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49及び50層から選択され得る1層以上のポリマー層を含む場合がある。幾つかの実施形態では、フィルムは、上に示した任意の2つの数によって規定される範囲であって、その範囲の末尾の数を含むその範囲から選択される数の層を含み得る。
【0062】
例えば、5つの層を備えるB-CEMLフィルム及びNB-CEMLフィルムが
図1B及び
図2Bのそれぞれに示されており、接合されて
図3Bの2プライ(外側及び内側プライ)構造体を形成する。上記の例示的実施形態によると、外側シーラント層及び内側シーラント層(220)、(120)は、エチレン/α-オレフィン(EAO)コポリマー(又は「インターポリマー」)から作られたものであることができ、第1の内側介在層及び第1の外側介在層(230)又は第2の外側シーラント層及び第2の内側シーラント層(130)はエチレン/α-オレフィンコポリマーから作られたものであることができ、非バリアコア層(110)はLLDPEから作られたものであることができる。幾つかの実施形態では、LDPE又はLLDPEを含むEAOは、エチレン/オクテン-1コポリマー、エチレン/ヘキサン-1コポリマー、又はエチレン/ブテン-1コポリマーを含むことができる。幾つかの特定のさらに例示的実施形態では、EAOコポリマーは0.8dg/分~1.0dg/分のメルトインデックス及び0.912g/cm
3~0.916g/cm
3の密度を有することができ、又はこれらの物理的パラメータの範囲内にある1種以上の他のコポリマーもしくは複数のコポリマーの組み合わせを含むことができる。幾つかの実施形態では、B-CEML又はNB-CEMLのバリア層又は非バリア層の中の複数の層のうちのいずれも単一のポリマー層又は複数のポリマー層から構成されていてもよい。
【0063】
複数の実施形態では、外側シーラント層及び内側シーラント層はそれぞれNB-CEMLフィルムの厚さの約10~40%を構成し得る。1層以上の介在層を含む幾つかの実施形態では、各介在層はNB-CEMLフィルムの厚さの約5~20%を構成し得る。コア層を含むNB-CEMLフィルムに関する幾つかの実施形態では、コア層はNB-CEMLフィルムの厚さの約30~50%を構成し得る。
【0064】
NB-CEMLフィルムの全厚は、幾つかの実施形態では、フィルム全体で約1ミル(約25.4μm)~約5ミル(約127μm)、もしくは約1.5ミル(約38.1μm)~約4.0ミル(約101.6μm)、又は約1.8ミル(約45.72μm)~約3.8ミル(約96.52μm)である。フレキシブルバッグに関する幾つかの実施形態では、NB-CEMLフィルムの全厚は、フレキシブルバッグに使用され得るNB-CEMLフィルムとB-CEMLフィルムの合計の厚さの50%超を構成する。幾つかの例示的実施形態では、B-CEMLプライ及びNB-CEMLプライを含むフレキシブルバッグのこのNB-CEMLプライの厚さは、バリアプライと非バリアプライの合計の厚さの50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、もしくは約75%であり得、又はそれ以上であり得る。本明細書において開示されるフレキシブルバッグの幾つかの実施形態では、バッグを形成するフィルムの全厚の50%超を構成するNB-CEML層を備えるバッグは、追加の排出装置を必要とせずに流動性内容物の良好な自己排出/自己吐出を提供することができる。
【0065】
米国特許第4503102号、第4521437号、第5206075号、第5364486号、第5508051号、第5721025号、第5879768号、第5942579号、第5972443号、第6117465号、第6256966号、第6406765号、第6416833号及び第6767599号明細書(全て参照により全体が援用される)に記載されているものなどの多数のラミネートフィルムが知られており、様々なポリマー(例えばポリオレフィン)及びポリマーブレンドから形成されてきたが、本開示に記載の態様及び実施形態では、フィルムは、エチレン/α-オレフィン(EAO)コポリマーを含む1層以上のフィルム層を含み得る。したがって、本開示は、内側及び外側シーラント層、介在層、並びに非バリアコア層を形成するために1種以上のEAOコポリマー又はEAOコポリマーブレンドを使用することができるフィルムを提供する。EAOコポリマーは、本開示に記載されるとおりのエチレン/α-オレフィンコポリマーを含まない多層フィルムで形成された従来のバッグと比較して、改善された衝撃耐性及びバッグ落下特性、特に、低温条件下での改善された衝撃耐性及びバッグ落下特性を提供することができる1つ以上の機能特性又は物理的特性に基づいて選択される。
【0066】
エチレン-α-オレフィンコポリマー(EAOコポリマー)
【0067】
本開示は、本開示に記載の様々な態様及び実施形態の範囲内において使用可能であり、例えばエチレン-C4~C10-α-オレフィンインターポリマー(コポリマー)を含み得るEAOコポリマーを提供する。幾つかの実施形態では、エチレン-C4~C10-α-オレフィンインターポリマー(EAOコポリマー)は0.2~2.0dg/分、0.4~1.5dg/分、又は約0.5~1.0dg/分(g/10分)のメルトインデックスを有し、0.890~約0.930g/cm3の密度(例えば、その範囲内の特定の値及びその範囲内のより狭い範囲、例えば0.912g/cm3~0.925g/cm3などの範囲や、0.910g/cm3、0.911g/cm3、0.912g/cm3、0.913g/cm3、0.914g/cm3、0.915g/cm3、0.916g/cm3、0.917g/cm3、0.918g/cm3などを包含する)を有し、単一のポリマー又は2種のポリマーのブレンドであることができ、又は数種の異なる個別のポリマーグレードを含んでもよい。本明細書において使用される場合、「インターポリマー」は、
コポリマー、ターポリマーなどを包含する。
【0068】
幾つかの実施形態では、EAOコポリマーは約1.15~2.5の範囲(例えば、その範囲内の特定の値及びその範囲内のより狭い範囲を包含する)内のゼロ剪断粘度比(ZSVR)を有し得る。幾つかの実施形態では、EAOコポリマーは、2.0~4.0の範囲(例えばその範囲内の特定の値及びその範囲内のより狭い範囲を包含する)内の、数平均分子量に対する質量平均分子量の比(Mw/Mn)として表される分子量分布を有し得る。
【0069】
EAOコポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)やメタロセン誘導LDPE及びLLDPE(mLDPE、mLLDPE)をはじめとする低密度ポリエチレン(LDPE)から選択することができる。幾つかの従来の業界の記述によると、0.915~0.930g/cm3の密度範囲内の直鎖状低密度ポリエチレンはLLDPEと呼ばれることがあり、0.900~0.915g/cm3の密度範囲の直鎖状低密度ポリエチレンは超低密度ポリエチレン(ULDPE)又は極低密度ポリエチレン(VLDPE)と呼ばれることがある。
【0070】
B-CEML及びNB-CEMLの様々な層の形成に使用可能であり、本明細書において開示される性能特性を有する好適なポリマーは市販されており、エクソンモービル・ケミカル(例えばポリエチレン及びパフォーマンスPEポリマー(EXCEED(商標)XP、EXCEED(商標)、ENABLE(商標)、EXXONMOBIL(商標)LDPE、NEXXSTAR(商標)LDPE、EXXONMOBIL(商標)LLDPE、EXXONMOBIL(商標)NTX LLDPE))及びダウ・ケミカル(例えばポリエチレン(AFFINITY(商標)、AGILITY(商標)、ASPUN(商標)、DOW(商標)LDPE、DOWLEX(商標)、ELITE(商標)、INNATE(商標)、XUS59999.38))並びに他の商用供給業者を含む様々な商品名及び商標で販売されている。この特定のポリマーは、本開示に記載されるとおりの特定の性能特性(例えば密度、メルトインデックス、ゼロ剪断粘度、分子量分布等)に基づいて選択され得る。幾つかの特定の実施形態では、フィルムは、Dow INNATE(商標)ブランド、Exxon EXCEED(商標)ブランド、又はExxon EXCEED(商標)XPブランドで販売されている市販の樹脂(例えばDOW INNATE(商標)ST70プレシジョンパッケージング樹脂、DOW INNATE(商標)ST50プレシジョンパッケージング樹脂、DOW INNATE(商標)XUS59910.03、及びDOW INNATE(商標)TH60プレシジョンパッケージング樹脂(ダウ・ケミカル社、ミシガン州ミッドランド、)、EXCEED(商標)XP 6026シリーズ、EXCEED(商標)XP 6056ML、EXCEED(商標)XP 8318ML、EXCEED(商標)XP 8358シリーズ、EXCEED(商標)XP 8656MK、EXCEED(商標)XP 8656ML、EXCEED(商標)XP 8784シリーズ、EXCEED(商標)1012HJ、EXCEED(商標)1012MA、EXCEED(商標)1012MJ、EXCEED(商標)1012MK、EXCEED(商標)1015シリーズ、EXCEED(商標)1018シリーズ、EXCEED(商標)1018MA、EXCEED(商標)1023MJ、EXCEED(商標)1327MA、EXCEED(商標)1518MA、EXCEED(商標)1518MM、及びEXCEED(商標)2012シリーズ(エクソンモービル・ケミカル社、テキサス州ヒューストン)からなる群より選択される少なくとも1種のポリマーを含む。幾つかの実施形態では、フィルムは、参照により本明細書に援用される米国特許第9115275号明細書に開示されているようなエチレン/α-オレフィンコポリマー組成物を含む。以下に開示され、本開示を通して提示される例示的態様及び実施形態にしたがう代表的な実施例の中で結果の改善を説明する。上記の樹脂の幾つかの非限定的な例を下の表1に記載してこれらの非限定的な樹脂の物理的特性の幾つかに関する追加の詳細を提示する。
【表1】
【0071】
フィルムの構造及び組成
バリアフィルムコア層
【0072】
バリア共押出多層(B-CEML)フィルムは、片面において少なくとも1層の第1の介在層に隣接し、反対面において少なくとも1層の第2の介在層に隣接する少なくとも1つのコア層を含む。最低でも、少なくとも1つのコア層は、EVOHを含む全ての層の全厚がB-CEMLの全厚の約5%未満又は約10%未満になるように、又は組み合わされたB-CEMLとNB-CEMLとの約5%未満になるように、EVOHを含む。幾つかの実施形態では、バリアコア層の厚さは、バリア多層フィルムの全厚の約0.1~5%を構成し得る。多層フィルムに介在層が使用されていない場合、コア層はその両面でシーラント層に隣接する。
【0073】
複数の実施形態では、コア層は単一の層を構成するが、代替的実施形態では、コア層は多層構造を構成し、各層が、本開示に記載されるとおりの同一又は類似のEVOHポリマーブレンドを有していてもよい。バリアコア層の厚さは、バリア多層フィルムの全厚の約0.1~10%を構成し得る。幾つかの実施形態では、バリアコア層の厚さは、バリア多層フィルムの全厚の約5%以下を構成し得る。幾つかの追加の実施形態では、バリアコア層の厚さは、組み合わされた非バリア多層フィルムとバリア多層フィルムとの全厚の約0.1~5%を構成し得る(例えば、EVOHは本開示にしたがうフレキシブルバッグの組み合わされたバリアプライと非バリアプライの5.0%以下を構成する)。したがって、幾つかの実施形態では、コアバリア層は、EVOHを含む1層以上のコアバリア層の合計厚さがB-CEMLフィルム及び/又は組み合わされた2プライのNB-CEML及びB-CEMLフィルムの厚さの5%未満となるようにEVOHを含む。したがって、フレキシブルバッグに関する幾つかの実施形態及び特定の実施形態では、B-CEMLんみおいても、又はB-CEMLプライとNB-CEMLプライを含むバッグにおいても、EVOH層の合計厚さは、全フィルム厚に対する百分率(あるいは質量%)として、次の数値:5.0、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3.0、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.4、1.3、1.2、1.1、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2及び0.1のうちの任意の1つよりも小さい。複数の実施形態では、EVOH層の合計厚さは、全B-CEML厚に対する百分率として、上記の数値のうちの任意の2つの数値によって規定される範囲(端点を含む)内の数値未満である。別の実施形態では、EVOH層の合計厚さは、全B-CEML厚又は組み合わされたB-CEML/NB-CEMLの厚さに対する百分率として、上記の数値のうちの任意の2つの数値によって規定される範囲(端点を含む)内の数値未満である(例えば、EVOHはバッグの組み合わされたバリアプライと非バリアプライの5.0%以下を構成する)。
【0074】
複数の実施形態では、EVOHコポリマー中のエチレンのモル%は35%を超える。一実施形態では、EVOHコポリマー中のエチレンのモル%は38%~55%の範囲内である。そのため、複数の実施形態では、EVOHコポリマー中のエチレンのモル%は以下の数値の組から選択される:38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54及び55。
【0075】
一実施形態では、ここで開示されるフィルムのバリアプライは、外側シーラント層と、バリアコア層と、内側シーラント層とを含む共押出多層(CEML)フィルム構造を備える。複数の実施形態では、バリアコア層内に1つの層を含む多層フィルムは、44モル%のエチレンを含有するEVOHを含み、EVOHの最大厚は全多層フィルム厚の5%である。
【0076】
一実施形態では、EVOHの全合計厚さが全構造体厚さの5%以下である場合、EVOHは、対称的もしくは非対称的な構造で単一のコア層であるか、又は多層構造体中の複数の層もしくはミクロ層であることができる。当業者には多重積層(multiple layering)及び多重ミクロ層(multiple micro-layer)技術が利用可能であり、これらの技術は参照により本明細書に援用される(例えば、参照により全体が本明細書に援用される米国特許第5094793号明細書、米国特許出願公開第20100215879号明細書、米国特許出願公開第20140044906号明細書、米国特許出願公開第20180215121号明細書、米国特許出願公開第20170197348号明細書、米国特許出願公開第20140044906号明細書、米国特許出願公開第20120077005号明細書を参照)。
【0077】
複数の実施形態では、EVOH(例えば、EVALCA EVAL(商標)Eグレード)は44モル%のエチレン含量を有する。他の実施形態では、他の低酸素バリア性EVOHグレード、例えばエチレン38モル%及びエチレン48モル%の種類のものを含むことができる。
【0078】
外側シーラント層及び内側シーラント層(OSL、ISL)
【0079】
例示的実施形態では、本開示は、少なくとも1つの外側シーラント層及び少なくとも1つの内側シーラント層を含む多層フィルム(例えばB-CEML及びNB-CEML)を提供する。フィルムの外側シーラント層は、このフィルムの外面と同一視され、外側に向いており(すなわち、このフィルムの内側/製品含有面から最も遠位にある)、一方、内側シーラント層は、この多層フィルムの外層でもあるが、包装の内面(すなわち、製品と接触する)に最も近い。これらの外側シーラント層の厚さと内側シーラント層の厚さは同じであってよいが、幾つかの実施形態では、内側シーラント層及び外側シーラント層は異なる厚さを有し得る。複数の実施形態では外側シーラント層又は内側シーラント層は1層より多いフィルム層、例えば、2層、3層、4層、又はそれより多い(例えば最大で約50層の)フィルム層を含み得る。
【0080】
複数の実施形態では、シーラント層は、本開示全体の説明に従って、約10~100質量%のエチレン/α-オレフィンコポリマー又はそれらの組合せを含むことができ、最大で100質量%までの超低密度ポリエチレン(ULDPE)又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のポリマーを含むことができ、幾つかの実施形態では、シーラント層は、約0.910~0.914g/cm3の範囲内の密度及び約0.7~1.0dg/分のメルトインデックスを有するエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み、その場合に、α-オレフィン鎖は、4個以上の炭素原子(例えばブテン-1)を有するもの、もしくは6個以上の炭素原子(例えばヘキセン-1)を有するもの、又は8個以上の炭素原子(例えばオクテン-1)を有するもの、あるいはそれらの組合せであることがからできる。幾つかの実施形態では、シーラント層は、ある量(例えば約5~50%)の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含んでよく、幾つかの特定の実施形態では、直鎖状低密度ポリエチレンは、約0.915~0.925g/cm3の範囲内の密度及び約0.7~1.0dg/分のメルトインデックスを有するエチレン/ヘキセン-1コポリマー、エチレン/オクテン-1コポリマー、又はそれらの組合せを含む。
【0081】
幾つかの実施形態では、シーラント層を構成するコポリマーは、約75~90質量%の、約0.911~0.913g/cm3の範囲内の密度及び約0.8~0.9dg/分のメルトインデックスを有する超低密度ポリエチレン(ULDPE)と、10~25質量%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とを含むことができ、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、約0.918~0.922g/cm3の範囲内の密度及び約0.8~0.9dg/分のメルトインデックスを有するエチレン/α-オレフィンコポリマー(例えばエチレン/オクテン-1及び/又はエチレン/ヘキサン-1)を含んでいてもよい。幾つかの実施形態では、シーラント層のコポリマーは約0.910~約0.925g/cm3の密度(例えば0.917g/cm3、0.915g/cm3、0.912g/cm3などの密度)及び約0.7~1.0dg/分のメルトインデックス(例えば0.9dg/分、0.8dg/分などのメルトインデックス)を有し得る。複数の実施形態では、密度範囲は、g/cm3を単位とする、0.910、0.911、0.912、0.913、0.914、0.915、0.916及び0.917のうちの任意の2つの数値(端点を含む)によっても規定可能である。
【0082】
幾つかの例示的実施形態では、シーラント層の各々の厚さはCEMLフィルムの全厚の約1%~約25%である。言い換えると、内側及び外側シーラント層の各々はCEMLフィルムの全厚(又は全質量)の1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%及び25%という百分率として表される厚さ(又は質量)を有し得る。
【0083】
幾つかの実施形態では、シーラント層の厚さは、上記の任意の2つの数値によって規定される範囲(端点を含む)内にある。シーラント層の厚さは、上に挙げた百分率と百分率の間の中間の百分率、例えば、約11.1%、11.2%、11.3%、11.4%等(例えば、上に挙げた11%と12%との間)であってもよい。
【0084】
介在層
【0085】
本開示に記載の上記例示的実施形態によると、フィルムは、シーラント層と同一又は類似のポリマー材料を同一又は類似の比で含み、例えば密度とメルトインデックスを上記範囲内で変化させる追加のポリマー成分及び添加剤をさらに含んでもよい1層以上の介在層を含み、ポリマー成分は様々な比を有することができ、フィルム形成を補助するために接着剤及びタイ材が添加されてもよい。
【0086】
本開示に記載の上記例示的態様及び実施形態によると、フィルムは複数の介在層(例えば第2、第3、第4、第5の内側介在層及び外側介在層等)を含み得る。典型的には、コア層又はシーラント層として開示又は説明されていないあらゆる層が「介在層」として特徴づけられ、1層より多くの介在層を含む実施形態では、シーラント層に隣接する介在層は「第1」内側/外側介在層として識別され、後続の介在層はこのフィルムの内側コアに近くなるにつれて第2の内側/外側介在層、第3の内側/外側介在層、第4の内側/外側介在層として識別される。
【0087】
本開示で開示されるバリア共押出多層フィルム又は非バリア共押出多層(NB-CEML)フィルムのどちらかがシーラント層及びコア層に隣接する介在層を含むことができるが、この用語は、B-CEMLフィルム及びNB-CEMLフィルム中のシーラント層とコア層との間又は2層以上のコア層の間に位置するポリマー層又はコポリマー層を指すために本開示に従って使用されるものとする(すなわち、NB-CEML内の幾つかのコア層はEVOHなどのバリア層などを含まない場合がある)。したがって、幾つかの実施形態では、、例えば、多層フィルムが、シーラント層とコア層/コアバリア層との間、及び/又は2層以上のコア層/コアバリア層との間に位置する1層以上の介在層を有し得るように、NB-CEMLもしくはB-CEMLの一方又はそれらの両方が第1の介在層及び/又は第2の介在層を含み得る。シーラント層及びコア層について説明する幾つかの実施形態では、介在層は、第1の介在層(又は第2の介在層、又はそれ以降の介在層)を一緒に形成する複数の個別の層(例えば、最大で約45層又は約50層)を含み得る。
【0088】
したがって、幾つかの実施形態では、介在層は、本開示全体の説明に従ってエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み得る。幾つかの実施形態では、コポリマーは、約0.910~約0.925g/cm3(例えば0.917g/cm3、0.915g/cm3、0.912g/cm3等)の密度(又は組み合わせたときの密度)及び約0.2~2.0dg/分、もしくは約0.5~1.0dg/分、又は約0.7~1.0dg/分(例えば0.9dg/分、0.8dg/分等)のメルトインデックスを有するエチレン/α-オレフィンコポリマー又はそれらの組合せ(α-オレフィンは4炭素鎖長、6炭素鎖長、8炭素鎖長、又はそれ以上に基づく)を含み得る。複数の実施形態では密度範囲は、g/cm3を単位とする、0.910、0.911、0.912、0.913、0.914、0.915、0.916及び0.917のうちの任意の2つの数値(端点を含む)によっても規定可能である。同様に、メルトインデックス範囲は上記の任意の2つのdg/分を単位とする数値によって規定可能であり、そのメルトインデックス範囲はその範囲の末尾の数を含み、幾つかの特定の実施形態では、その範囲は0.5、0.6、0.7、0.8、0.9及び1.0dg/分であり得る。幾つかの実施形態では、各介在層の全厚は全フィルム厚の約1%から全フィルム厚の約40%までの範囲であり得る。
【0089】
幾つかの実施形態では、介在層は、介在層のコアバリアEVOH層への結合及び接着と、必要に応じて、他の介在層及び/又はシーラント層への結合及び接着を容易にする薬剤、例えばタイ材(例えばタイ樹脂又は接着剤)をある量含む。例えば反応性官能基を含む又は含まない極性及び非極性の反復単位からなるポリエチレンコポリマー等を含むあらゆる公知のタイ樹脂及び接着剤が介在層において使用することができる。かかる結合剤、接着剤及びタイ樹脂の剥離強度などのある特定の物理的特性をさらに改善するために変性剤を添加することができる。タイ樹脂の幾つかの非限定的な例としては、例えばエチレン酢酸ビニル(EVA)、エチレンアクリル酸メチル(EMA)、酸変性オレフィンコポリマー(例えばエチレンアクリル酸(EAA)及びエチレンメタクリル酸(EMAA))などの非反応性タイ樹脂と、酸無水物変性ポリエチレン(すなわちエチレングラフト化無水マレイン酸(AMP))などの反応性タイ樹脂が挙げられる。
【0090】
非バリアフィルムコア層
【0091】
非バリア共押出多層(NB-CEML)フィルムは、内側及び外側シーラント層又は介在層に隣接し、概してフィルムの層構造の内側に位置するコア層を含み得る。NB-CEMLが介在層を多層フィルム中に含む実施形態では、コア層はその両面のどちらでも介在層に隣接する。複数の実施形態では、コア層は、0質量%~100質量%、約30~70質量%、又は約30~50質量%の、約0.910~0.920g/cm3の密度及び約0.8~1.2dg/分のメルトインデックスを有するエチレン/オクテン-1コポリマーの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)のポリマー又はポリマーブレンドを含み得る。複数の実施形態では、コア層は、さらに、0~100質量%の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、例えば、約0.918~0.930g/cm3の密度及び約0.8~1.2dg/分のメルトインデックスを有するエチレン/ブテン-1コポリマー又は低密度エチレン/ヘキセン-1コポリマー、あるいは約70~30質量%もしくは50~70質量%の上記コポリマーを含み得る。
【0092】
さらに他の実施形態では、コア層は、35質量%~45質量%の、約0.914~0.918g/cm3の密度及び約0.9~1.1dg/分のメルトインデックスを有するエチレン/オクテン-1コポリマーの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と、55~65質量%の、約0.918~0.920g/cm3の密度及び約0.9~1.1dg/分のメルトインデックスを有するエチレン/ブテン-1コポリマーの直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)とのポリマーブレンドを含む。
【0093】
NB-CEMLコア層は、製品及びその製品が貯蔵、輸送及び使用される条件に応じて、本開示全体の説明に従って最大で100質量%までのエチレン/α-オレフィンコポリマーを含み得る。コポリマーの百分率は、NB-CEMLフィルムに望ましい又は必要な特性に応じて5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%及び90%、並びにそれらの間の任意の量から変化させることができる。複数の実施形態では、コア層は単層であってよいが、各層が上記範囲内で同一又は類似のポリマーブレンドを有する多層構成を備えていてもよい。NB-CEMLコア層の厚さは、多層NB-CEMLフィルムの全厚の約30~50%を構成し得る。
【0094】
用途
複数の実施形態では、本開示は、2つ以上のプライを備え、上記の態様及び実施形態に従って、少なくとも1つのプライがバリアプライ(B-CEMLフィルム)を構成し、少なくとも1つのプライが非バリアプライ(NB-CEMLフィルム)を構成するフレキシブル液体包装バッグを提供する。そのため、バリアプライは、プライの全厚又は組み合わされたBプライ/NBプライの全厚の5%以下の厚さでEVOHを含むB-CEMLフィルム構造体を構成する。かかる実施形態によると、フレキシブルバッグは、ナイロン、ポリエステル、又は真空蒸着金属コーティングもしくはアルミホイル等の金属を除外する(すなわち、それらを含まない、又はそれらから構成されない)。複数の実施形態では、バッグの外側プライは、本開示にしたがうEVOH含有B-CEMLフィルム構造体を含み、バッグの内側プライは、EVOHを含まない非バリアフィルムを含み得る。幾つかのさらなる実施形態では、バッグの非バリア内側プライはバリア外側プライよりも厚く、その比は約1.1:1から約3:1までのこの範囲内の任意の比(例えば3.8ミル(96.52μm):1.8ミル(45.72μm))を含む比である。かかる実施形態では、内側プライの厚さに起因して、フレキシブルバッグ内の内容物の自己排出効率が良好になることがある。
【0095】
一実施形態では、単数又は複数のEVOH含有バリアプライはフレキシブルバッグの単数又は複数の外側プライ(例えば多プライバッグの外側及び中間プライ)を形成することができ、非バリアプライはバッグの内側プライを形成することができる。あるいは、バリアプライはバッグの内側プライとして配置することができる。
【0096】
複数の実施形態では、バッグのサイズは0.5米ガロン(約1.89L)~10米ガロン(約37.85L)の範囲(例えば約1ガロン(約3.8L)、約2ガロン(約7.6L)、約3ガロン(約11.4L)、約4ガロン(約15.1L)、約5ガロン(約18.9L)、又は約6ガロン(約22.7L))であることができる。幾つかの実施形態では、10ガロン(約37.85L)~45ガロン(約170.34L)及び45ガロン(約170.34L)~400ガロン(約1514.16L)のサイズ範囲の大型バッグにサイズを拡大することもできる(すなわち、バッグのサイズは約0.5米ガロン(約1.89L)~約400米ガロン(約1514.16L)までの広い範囲にわたってよい)。幾つかの実施形態では、バッグは複数のプライを含み得る(すなわち、バッグには2層を超えるプライが存在し得る)。かかる実施形態は、例えば、様々な構造配置で2つのバリアプライと1つの非バリアプライとの組み合わせ又は1つバリアプライと2つの非バリアプライとの組み合わせを備え得る。上記の態様及び実施形態によると、かかるバッグ中のEVOH含有バリア層の厚さは1ミル(25.4μm)から10ミル(254μm)までで変えることができ、幾つかの特定の実施形態では、約1.5ミル(38.1μm)、1.6ミル(40.64μm)、1.7ミル(43.18μm)、1.8ミル(45.72μm)、1.9ミル(48.26μm)、2.0ミル(50.8μm)、2.1ミル(53.34μm)、2.2ミル(55.88μm)、2.3ミル(58.42μm)、2.4ミル(60.96μm)、2.5ミル(63.5μm)、2.6ミル(66.04μm)、2.7ミル(68.58μm)、2.8ミル(71.12μm)、2.9ミル(73.66μm)、3.0ミル(76.2μm)、3.1ミル(78.74μm)、3.2ミル(81.28μm)、3.3ミル(83.82μm)、3.4ミル(86.36μm)、3.5ミル(88.9μm)、3.6ミル(91.44μm)、3.7ミル(93.98μm)、3.8ミル(96.52μm)、3.9ミル(99.06μm)、4.0ミル(101.6μm)、4.1ミル(104.14μm)、4.2ミル(106.68μm)、4.3ミル(109.22μm)、4.4ミル(111.76μm)、4.5ミル(114.3μm)、4.6ミル(116.84μm)、4.7ミル(119.38μm)、4.8ミル(121.92μm)、4.9ミル(124.46μm)、又は5.0ミル(127μm)(1ミルは約25μmに等しい)であり得る。複数の実施形態では、非バリアプライの厚さはバリアプライについて上で説明された厚さとほぼ同じ厚さを有し得る(例えば、1.5ミル(38.1μm)~5.0ミル(127μm)の範囲、2.5ミル(63.5μm)~5.0ミル(127μm)の範囲、1.5ミル(38.1μm)~4.0ミル(101.6μm)の範囲、及びこれらの大まかな範囲の内側の同様の範囲の厚さ)。さらに他の実施形態では、非バリアプライの厚さは、上記のようにバリアプライについて上に記載した厚さよりも厚い。
【0097】
幾つかの実施形態では、フレキシブルバッグは濃厚ソフトドリンクシロップを包装するために(例えば飲料バッグに)使用される。幾つかの実施形態では、フレキシブルバッグは食用油を包装するために使用される。幾つかの実施形態では、フレキシブルバッグは液体乳製品を(周囲条件又は冷蔵条件で)包装するために使用される。幾つかの実施形態では、フレキシブルバッグは非食料品、工業用流体、又は化学物質を包装するために使用される。幾つかの実施形態では、フレキシブルバッグは色(白、青、黒等)を呈するように着色層を含む。
【0098】
複数の実施形態では、バッグは、フィルム構造体の全厚又は全質量の5.0%以下、4.5%以下、4.0%以下、3.5%以下、3.0%以下、又は2.5%以下であるような最大の量のEVOHを完成したバッグ構造体中に含む。バリアプライと非バリアプライからなる構造を備える複数の実施形態では、全プライ構造体中のEVOHの合計量(厚さ又は質量の百分率)は、非バリアフィルムプライがEVOHを含まないので減少する。バッグ構造に関する複数の実施形態では、ナイロンは含まれず、PETは含まれず、金属被覆は含まれない。幾つかの実施形態では、バッグは熱接合ラミネート又は接着剤接合ラミネートを含まない。幾つかの実施形態では、バッグは、例えば濃厚飲料シロップ、食用油、並びに工業用液体、例えばせっけん、洗剤などといった、周囲温度での液体を包装するために製造される。本開示に記載されているように、本開示にしたがうフレキシブルバッグは、粘性のある液体、例えば食品(例えば、飲料を調製するためのプレミックスシロップ)などの分配及び分注に使用することができる。バッグは、典型的には、縁部でシールされた薄い柔軟なプラスチック壁を備え、バッグの壁にシールされた分注用スパウト又は留め具を有する。例えば
図4A~
図4Bを参照。
図4A~
図4B中のバッグの概略図は、単に本開示の非限定的な実施形態を例示するものである。本開示に記載されているように、フレキシブルバッグは、あらゆる数の仕様(例えば、様々な位置にある1個より多くの留め具、様々なバッグの形、バッグのいずれか1か所以上の角がデルタ形、ハンガー用の穴、及び当該技術分野において一般的に知られている他の構造物を含む)に合うように設計及び製造することができる。
【0099】
使用の際、分注する予定の流動性物質をフレキシブルバッグに充填し、そのバッグを流通用の比較的に堅牢な容器、例えば段ボール箱に入れることができる(例えば「バッグインボックス」)。典型的には、使用の時点で、フレキシブルバッグ上のスパウト又は留め具を分注タップに接続するように調整するか、又はそのバッグの内容物の分注を制御及び管理するためにサービスラインコネクターをそのバッグに取り付ける。バッグの壁は薄く、非常に柔軟であるため、一般的に使用されるバッグは内容物が取り除かれるとつぶれることがある。現状の技術水準で起こる、本開示の態様及び実施形態にしたがうフレキシブルバッグが対処する問題は、バッグの液体内容物が分注されるとその内容物のかなりの部分がそのバッグに残っているときでもフレキシブルバッグの壁の一部がスパウト近くまで引っ張られることがあることである。バッグ壁がスパウトの内側末端を覆うようになる場合があり、そうしてスパウトを塞ぎ、内容物の流出を止める。バッグ中に残っている液体の壁に対する圧力のために、壁をスパウトから引き離し、閉塞を取り除くことは困難で煩わしいことである。これは、当該技術分野では、典型的には、バッグの折り畳みによる閉塞を防ぐことにより流れを維持するように設計及び作られた1つ以上の排出補助器具を組み込むことによって対処されてきた。
【0100】
幾つかの実施形態では、本開示にしたがうフレキシブルバッグは、バッグ内容物の完全な排出を確実にするのを助けることができる排出用チャネル、チューブ、フォーム、ディップストリップ、又は強化/型押しフィルムなどの当該技術分野において知られている分注補助器具を必要とせずにバッグ内容物の流出を維持することができる。予期せぬことに、本明細書において開示されるバッグの内側プライと外側プライは、強靭性の改善を示しつつ、適切な剛性をバッグの構造に対して与えるように構成されており、バッグの流動性内容物の完全な自己排出を可能にする。すなわち、このバッグから完全に又は実質的に完全にその内容物が排出された場合でも、本開示のフレキシブルバッグ内の流動性内容物が、追加の排出補助器具を必要とせずに、スパウトに達し、スパウトまで流れ、スパウトを流れ出ることが予期せず観察された。
【0101】
したがって、フレキシブルバッグは、未充填状態で比較的に平坦であるように製造可能であるため便利であり、そのため、保管に便利であり、フレキシブルバッグに充填する場所までの輸送に便利である(バッグの形状は排出補助器具の組み込みによってゆがまない)。さらに、本開示の例示的実施形態にしたがうバッグは、バッグの形成後に器具を挿入することを必要としないので、製造上の負担を軽減する。
【0102】
さらに、本開示の例示的実施形態にしたがうバッグは、急速脱着留め具とバルブが取り付けられているサービスラインコネクターと共に使用されるように適切に作られている。かかる急速脱着留め具とバルブは、この留め具又はスパウト内でスライドし、サービスラインコネクターの挿入によって作動するとバッグ中に延び、このコネクターが引き抜かれると留め具の中に引っ込んで内容物の流出を阻止するバルブ要素を使用する場合がある。かかる用途では本開示のバッグは、かかるバルブのスライダーとスパウト又はバッグの外周に取り付けられるであろう排出チャネル又は排出構造体との間のあらゆる起こり得る干渉を回避する。
【0103】
使用の際、本開示の例示的実施形態にしたがうバッグは、排出補助装置を必要とせずに流動性物質/内容物の自己排出を工業上の要求に合致するレベル(すなわち、内容物の95%以上(95%、96%、97%、98%、99%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、又は99.9%)の排出)までにすることができる。排出構造物の組み込みを必要としない状態又は組み込まれた排出構造物の補助がない状態で観察された排出レベルは予期せぬものであり、現在の技術水準と比較して実質的な利点を本開示に記載のフレキシブルバッグに与えるものである。使用時に観察されたこの優れた程度の内容物の排出は、様々なフレキシブルバッグ、バッグインボックス、又は配置方向、例えば、スパウトが下向き配置になっている配置方向並びに横向き配置になっている配置方向等において達成可能である。
【0104】
添加剤
幾つかの実施形態では、フィルムは、例えば、酸化防止剤、安定化剤、粘着防止剤、及びスリップ剤などの当該技術分野において一般的に知られており使用されている標準的な添加剤を含んでもよい。必要に応じて、シーラント層又は介在層のいずれか1層以上がバッグ製造プロセスにおいてフィルムの加工を容易にすることができる1種以上の添加剤、例えばポリマー加工助剤濃縮物及び/又はスリップ剤濃縮物/粘着防止剤濃縮物等を含んでもよい。当該技術分野において一般的に知られており、使用されているこのような添加剤のどれも、使用可能であり、このような添加剤としては、以下の種類の添加剤が挙げられる。
【0105】
スリップ剤
【0106】
当該技術分野において知られているどのスリップ剤もフィルム層に含まれていてもよく、典型的には、個々の層の約200~2000ppm又は0.5~2.5質量%の範囲で含まれてもよい。幾つかの実施形態では、1種以上のスリップ剤を添加することによって実現するであろう何らかの機能をもたらす量で粘着防止剤が添加される場合には、スリップ剤は約200ppm未満で添加することができる(スリップ剤無し、すなわち0ppmでもよい)。スリップ剤の非限定的な例はエルカミド又は他の脂肪酸アミド、例えばオレアミドである。スリップ剤はフィルムの摩擦係数を低下させることができ、様々な表面の上でフィルムが容易にスライドすることを可能にする。
【0107】
粘着防止剤
【0108】
当該技術分野において知られているどのフィルム粘着防止剤もフィルム層に含まれていてもよく、典型的には、シーラント層もしくは介在層の約1000~約5000ppm又は0.5~2.5質量%の範囲で含まれてもよい。しかしながら、幾つかの実施形態では、粘着防止剤の量は、フィルムの特性及び性能特性に対して負の影響を与えずに約10,000ppmまで増加させることができる。例えば、典型的な粘着防止剤、例えば珪藻土、合成シリカ又はタルクをフィルムの内側及び外側シーラント層に添加することができる。粘着防止物質は、フィルムと、バッグ製造プロセス中にフィルムがその上で引っ張られる金属表面との間の摩擦係数を減少させるのを助けることができる。
【0109】
加工助剤
【0110】
当該技術分野において知られているどの加工助剤、例えばフッ素エラストマー系ポリマーの非限定的な例が、フィルムの外側及び内側シーリング層に添加されてもよい。
【0111】
本明細書において開示されるフィルムは、様々な物品の製造に使用可能であり、本明細書において開示されるフィルムとしては、流動性物質を収容するフレキシブルバッグであって、これまでに説明した多層フィルムからできており、筒状の形態で横方向に熱シールされた端部を有するフレキシブルバッグが挙げられる。
【0112】
幾つかの実施形態では、本開示は、本開示に記載の従来のバッグ作製方法を用いて流動性物質が充填されるパウチを製造するための方法を提供する。パウチは、縦型充填シール(「VFFS」)装置を用いて作製可能であり、その装置では、平坦なウェブ状フィルムから、その平坦なフィルムを長手方向でシールして筒状のフィルムを形成し、その後にその筒状フィルムを第1の位置において平坦にし、その平坦になった位置においてその筒状フィルムを横方向に熱シールし、第1の位置の上方で所定の量の流動性物質をその筒状フィルムに充填し、第2の位置において所定の量の流動性物質の上方で筒状フィルムを平坦にし、第2の位置においてその筒状フィルムを横方向に熱シールすることによって各パウチが作製され、改善点には、これまでに説明した多層フィルムから製造された平坦なウェブ状フィルムからパウチを作製することが含まれる。VFFSプロセス及びその変法は、米国特許第5538590号、第9327856号及び第9440757号明細書に記載されており、それらの明細書の全体が参照により本明細書に援用される。
【0113】
上記の様々な態様及び実施形態でメルトインデックスの範囲を記載したが、フィルムグレードのポリマーに典型的なメルトインデックスを有するポリマーが使用可能であることが理解されるべきである。本発明の多層フィルムはラップシールに加えてフィンシールを形成する能力を有する。また、本発明の多層フィルムはラミネートのカールを実質的に低減させる。
【0114】
フィルム製造の1つの方法は、いわゆるブローフィルムプロセスである。フィルムは、製造後に長手方向に適切な幅に切れ目を入れられる。多層フィルムのフィルムの他の製造方法を用いてもよいが、多層フィルムのこの製造方法はブローフィルム共押出プロセスを用いることによる。
【0115】
フレキシブルバッグ及び大型バッグ状プライ
本明細書において説明される場合、本開示は、EVOHのバリア層をポリオレフィンフィルム中に含むバッグを提供し、EVOHのバリア層をポリオレフィンフィルム中に含むことにより、バッグは、充分な耐屈曲亀裂性、充分な強靭性、及び貯蔵寿命が短い流動性物質に対する充分なバリア性を有し、一方で、ナイロンもしくはPET、又は金属被覆版のナイロンもしくはPETを含まないことからリサイクル可能である。特定の実施形態では、本明細書において開示されるフィルムから構成されるフレキシブルパッケージは広範囲のサイズを有することができ、NB-CEMLフィルム及びB-CEMLフィルムを含む小型パウチ(例えば100mL~2,500mL)、小型バッグ(例えば、1米ガロン(約3.79L)~6米ガロン(約22.71L))又は大型バッグ(例えば、50米ガロン(約189.27L)~400米ガロン(約1514.16L))は、例えば、乳製品、ミルクセーキ、菓子類、チリ、コーヒー、野菜ジュース及びフルーツジュース、ソース、並びにピュレをはじめとする液体を包装するために使用される。フィルムの厚さの5%未満又はフィルムの質量の5%未満といった少量のEVOHを含むことが、驚くべきことにベンチマーク基準を超える耐屈曲亀裂性の改善、強靭性の改善、及びバリア性の改善を生じさせることがわかった。このことは、除外されなければフィルム及びかかるフィルムのバッグをリサイクル不能にするであろう、バリア性のための例えばナイロン、PET又はそれらの金属被覆されたバージョンなどの材料の使用をなくすための選択肢も提供する。
【0116】
複数の実施形態では、フレキシブルバッグはライナーを持たないため、単一プライ又は多プライのバッグであり得るが、ライナーを持たないライナー無しのバッグを提供する。複数の実施形態では、本明細書において開示されるB-CEML型フィルムを含む熱ラミネートポリマーフィルム構造体が製造される。
【0117】
B-CEML/NB-CEMLフィルムから製造することができるバッグは、予備作製され、その後、留め具を介して食品がバッグに充填されてもよい。バッグは滅菌処理されることが多く、例えば当該技術分野において知られている標準的な放射線照射条件を用いてバッチプロセスで放射線照射され得る。バッグよりもむしろフィルムを滅菌処理してもよい。滅菌は、フィルム又はバッグの過酸化水素溶液への曝露等、様々な公知の方法で達成可能である。パウチを作製するために使用されるフィルムが、パッケージの形成よりも前に同様に処理されてもよい。
【0118】
バッグの製造
【0119】
一態様では、バッグは、バリアCEMLフィルムを含む本開示に記載されているとおりの1つ以上のフィルムを提供する工程、フィルム構造体に開けられた穴を通してスパウトをフィルム構造体の内側プライ及び外側プライに固定する工程、フィルム構造体の幅にわたって横方向にこれらのプライをまとめてシールして1つのバッグの上部シールとそのバッグの底部シール及び隣接するバッグの上部シールを形成する工程、次にバッグラインの長手方向と平行にこれらのプライをまとめてシールすることをポリマーフィルムの両サイドに適用し、このバッグを完全にシールする前に閉じ込められた空気を除去する工程、及びすぐに又は使用直前にバッグを分離する工程を含む方法によって製造することができる。典型的なバッグ製造プロセスは、参照により本明細書に援用される米国特許第8211533号明細書の中で概ね説明されている。幾つかの実施形態では、流動性物質を充填することができるバッグの製造方法は、平坦なウェブ状フィルムから各バッグが製造される以下の工程を含み得るバッグラインを使用することを含んでもよい。
【0120】
(I)上の2本のロールと下の2本のロールからフィルムを巻き戻す。
【0121】
(II)各バッグにインクジェットコードをラベリングする。
【0122】
(III)各バッグにスパウトの穴を開ける。
【0123】
(IV)バッグにスパウトを差し込む。
【0124】
(V)バッグを軽く押さえつけて閉じ込めらた空気を除去する。
【0125】
(VI)1枚のバッグの底部と次のバッグの上部にクロスシールを形成する。
【0126】
(VII)長いシールを形成する。
【0127】
(VIII)サーボ駆動によりバッグをラインから抜き取る。
【0128】
(IX)隣接するクロスシール間にミシン目を形成する。
【0129】
(X)ベルトコンベヤーによりラインの端までバッグを押し進める。
【0130】
(XI)バッグを箱詰めする。
【0131】
上記の工程はバッグ製造機に典型的な工程である。これらの工程の順序はバッグ製造機に応じて変更可能であることに留意されたい。
【0132】
以下の実施例は、本開示並びに上記の態様及び実施形態をさらに例示し、明確化することに役立つだろう。
【実施例】
【0133】
実施例1:多層フィルムの共押出及びこれらのフィルムを含むバッグ
実施例により、フィルム製造工業において一般的に知られており、使用されているフィルム押出し法を用いて多層フィルムを作製する一連の実験を詳しく説明する。3層、5層、7層、9層、又はさらに多くの層のブローフィルム共押出ラインなどの多層フィルム向けの従来の押出しライン上でフィルムを押出すことができる。フィルム製造工業において知られており、使用されている他のフィルム押出し法を用いて本開示の態様及び実施形態にしたがう樹脂組成物をベースとするフィルムを作製することもできる。
【0134】
多層フィルムを作製するための非限定的な例示的作業条件として表2中の条件を挙げることができる。
【表2】
【0135】
フィルムの厚さは、本開示に記載されているように様々な値をとり得るが、約1.5ミル又は約1.8ミル(すなわち、約38~45μm)~約3.8ミル(すなわち、約96.5μm)であることが適切であり得る。
【0136】
フィルムを使用して試験用のバッグ(例えば5ガロン(約18.93L)のバッグ)を典型的な生産速度(例えば25バッグ/分の速度)で作製した。例えば一般的な技法(例えばMaverickバッグライン等を使用するサーミックシーリング又はインパルスシーリング等)を用いてバッグの周縁を熱シールして2プライバッグを作製する。5ガロン(約18.93L)バッグの大まかな寸法は約18.75インチ(約47.63cm)の外面幅及び約24.75インチ(約62.87cm)の外面長であり得る。このバッグにはスパウトとキャップを含む開口部を形成することができる。
【0137】
記載したように、あるいは当該技術分野において知られているように、典型的な押出し条件を利用してフィルムを形成した。バリアCEMLは、EVOH層をそれらのコア層積層体中に含み、本開示の例示的実施形態を実現するために使用した。
【0138】
ブルーストン階段落下試験(ASTM D 5276 A 2.4.2版)
【0139】
バッグの強度/回復力を評価するためにブルーストン階段落下試験を実施した。典型的には、この試験は、一組(例えば約30枚)のバッグを用いる。第1のバッグの長軸が仮想的な水平線と一致し、このバッグの底面が適切な初期落下高(例えば8フィート(約2.44m))に位置し、縦方向のシールが上を向くようにこのバッグを配置する。この配向でバッグをステンレス鋼のシートの上に落下させ、その後で損傷又は漏れについて視覚及び触覚により試験する。バッグの使用目的に応じて試験間で一定の又は一貫したバッグ温度(例えば約4℃、外界温度、又は約40℃)を維持することによりこの試験を行うことができる。
【0140】
第1のバッグがこの落下試験に耐え、元の状態のままであり、水漏れもない場合には新しいバッグを選び、1フィート(約30.5cm)追加した高さ、例えば9フィート(約2.74m)の高さからそのバッグを落下させる。あるいは、第1のバッグが漏れを生じた場合には新しいバッグを選択し、より低い(例えば7フィート(約2.13m))高さからそのバッグを落下させる。合格と失格の両方が生じている高さ範囲において少なくとも5回の合格と5回の失格が得られるまで落下毎に新しいバッグを使用してこの試験を続ける。次にASTM 1 D 5628の統計学的方法を用いて50%失格高度を算出する。以下に示す落下試験の何回かを以下のように実施した。全質量が約41.6ポンド(19kg)になるまでフレキシブルバッグに充填する。留め具を上向きにバッグを平らに落下させる。バッグ中の水の温度を記録する。試験毎に30枚のバッグを落下させる。F-50値はフィート単位のバッグ落下高の中央値である。ブルーストン落下時の5ガロン(約18.93L)バッグの中の水の温度は華氏60~65°(15~18℃)である。
【0141】
耐屈曲亀裂性
【0142】
ゲルボフレックス試験(Gelbo Flex test)を使用して、本発明のフレキシブルバッグの作製に使用したフィルム及び比較試料、ベンチマーク試料、又は対照試料に使用したフィルムの耐屈曲亀裂性を決定した。この試験を以下で説明する。驚くべきことに耐屈曲亀裂性能の改善が比較実施形態のフィルムと比較して本開示の態様及び実施形態にしたがうフィルムに認められた。これらの比較フィルムは代わりに「対照」又は「参考」フィルム又は実施形態とも呼ばれる。
【0143】
この試験は、屈曲動作から生ずるピンホール破損に対するフレキシブル包装材料及びフレキシブルフィルムの耐性を決定する。しかしながら、この試験は屈曲破損に関する摩耗特性は測定しない。この試験の着色テレピン油部分により、構造体を完全に貫く物理的な穴を特徴とする破損を評価する。
【0144】
ゲルボフレックス試験器をセットアップしてASTM F-392に従って試験する。この装置は、行程の開始位置にあるとき、すなわち、行程が最大の距離であるときに7インチ(180mm)の距離だけ離れて向き合っている3.5インチ(90mm)の直径の静止マンドレルと3.5インチ(8.89cm)の直径の移動マンドレルから基本的に成る。円形のマンドレルの周りにフィルム試料の辺をテープで止め、それによってマンドレルの間に中空の円筒を形成する。移動マンドレルが取り付けられている溝が入ったシャフトにより移動マンドレルの動きを制御する。このシャフトによって440°のねじり運動が生じ、同時にこれらのマンドレルが最後は最小の距離で1インチ(2.54cm)離れて互いに向き合うように移動マンドレルを静止マンドレルに向かって移動させてフィルムを押しつぶす。この機械の動きは往復式であり、前進行程と後退行程によって1サイクルの全体が完了する。この機械は1分間に45サイクルの速度で作動する。
【0145】
この試験器では柔軟な材料の標本を別段の指示がない限り標準的な大気条件(23℃及び50%相対湿度)において屈曲させる。試験するフィルム構造体の耐屈曲亀裂性に応じて屈曲動作のサイクル数を変えることができる。この機械により生み出される屈曲動作はねじり運動から成り、したがって、フィルムを反復してねじり、押しつぶす。フィルムに形成されたピンホールを測定することによって屈曲亀裂破損が判定される。被検フィルム試料(面積300cm2)の1面を着色テレピン油で塗り、この着色テレピン油に穴を通して白色の裏紙又は吸い取り紙に染みを付けさせることによってピンホールを判定する。ピンホール形成は破損を測定するために提示される標準的な基準であるが、ガス透過率などの他の試験もピンホール試験の代わりに又はピンホール試験に加えて用いることができる。報告される結果は4回の繰り返しの平均である。
【0146】
ASTM法において示唆されているサイクル数よりもずっと多い屈曲動作サイクル数、すなわち、通常の2,700回に対して10,800回のサイクル数で共押出フィルムについて出されたゲルボフレックスデータを以下に示す。サイクル数を多くすることにより、生じた事についてより良好な相関が得られるため高サイクル数、すなわち、10,800サイクルを用いてこれらの2種類の試料の間の差を検討した。
【0147】
酸素透過
【0148】
本発明のフレキシブルバッグの作製に使用したフィルムにおける酸素透過の減少をOTR試験により決定した。この試験を以下に説明する。
【0149】
Mocon Oxtran機用のMOCONテンプレートを使用して適切なサイズのフィルム試料をカットマット上で切断した。この切断試料フィルムを次にMocon Oxtranの中に配置し、特定の機会要件に合う位置にクランプで固定した。この機械は、ASTM D3985標準に合わせて設定した。パラメータ設定は業界標準試験に基づく。試験温度を23℃及び60%相対湿度に設定した。グラフがプラトーに達するまでこの試料を試験した。試験時間はグラフの曲線に応じて8時間から70時間まで変化した。cm3/100インチ2/日(cm3/645cm2/日)を単位として全ての結果を得た。
【0150】
NB-CEML内側プライとB-CEML外側プライに由来するバッグ
実施形態1
【0151】
5ガロン(約18.93L)寸法の2プライ構造体を使用する試験のために本開示の態様及び例示的実施形態にしたがうフレキシブルバッグを作製した。これらのフレキシブルバッグの外側プライは、以下の構造を成す:厚さ3.8ミル(96.5ミクロン)の対称的な共押出7層フィルムであって、バリアフィルムの2.5%~5.0%の厚さ(約3.0~4.8ミクロンであり、幾つかの例示的測定では3.3ミクロンであると特定された)のバリアコア層としてEVOH(44モル%エチレン)層を含む。このように、このEVOH層は外側バリアプライの全厚の約3.4%(3.3ミクロンという測定値を用いて3.4%)であり、5%未満である。フレキシブルバッグの内側プライは、以下の構造を成す:コア層にEVOHを含まない厚さ1.5ミル(38μm)の対称的な共押出5層フィルム。表3及び表4は、本開示の態様及び実施形態及び例示的実施形態に準拠して使用され得るプライ構造体の概要を提示する。
【表3】
【表4】
【0152】
参考実施形態
【0153】
2プライ構造を有し、外側バリアプライが以下の構造を有する比較例のフレキシブルバッグを作製した:厚さ3.8ミル(96.5ミクロン)の対称的な共押出7層フィルムであって、バリアフィルムの2.5~5.0%の厚さ(幾つかの測定では約3.0~4.8ミクロン)のバリアコア層としてEVOH(32モル%エチレン)層を含む。このように、このEVOH層は全外側プライ厚の約2.5~5.0%(例えば3.6μm/96μm)である。
【0154】
比較例のフレキシブルバッグの内側プライは、以下の構造を成す:コア層にEVOHを含まない厚さ1.5ミル(38μm)の共押出5層フィルム。
【0155】
4フィート(約1.22m)のF50落下値(中央値)を達成することを目標としたブルーストンバッグ落下試験の結果を以下に示す。
【表5】
【表6】
【0156】
実施形態1のフレキシブルバッグは、驚くべきことに、15℃及び24℃において比較例のフレキシブルバッグよりもブルーストンバッグ落下高について57%及び29%の改善を示している。実際、実施形態1のフレキシブルバッグは、目標の4フィート(約1.22m)の落下高に達している。
【0157】
EVOHを含有する外側(バリア)プライの耐屈曲亀裂性及び剛性を評価するために参考実施形態及び実施形態1の共押出フィルムを比較し、耐屈曲亀裂性及び剛性が表6~表6.1に示され、まとめられている。
【表7】
【表8】
【0158】
本開示にしたがうEVOH共押出フィルムは、より柔軟なフレキシブルフィルムを生じさせるより低い弾性係数に幾らか起因する可能性がある参考実施形態と比較して良好な又は向上したゲルボ耐屈曲亀裂性を有することが上記の結果から示されている。例えば、本明細書において開示されるフィルムは、縦方向では比較例の(参考)共押出フィルムよりも向上した耐屈曲亀裂性(例えば約35%の改善)を示し得る。同様に、横方向では本開示にしたがうフィルムは耐屈曲亀裂性を約22%改善し得る。1%セカント弾性係数に関連するため、本開示にしたがうフィルムの弾性係数は参考実施形態フィルムと比較して縦方向では約12%減少し、横方向では15%減少する。これらの2種のフィルムの主な違いは少量(すなわち薄層)の高エチレン含量EVOHを共押出フィルムのコア層に導入したことから生じているため、これらの結果は予期しなかったものである。EVOHの構造及び含量がフィルムのバリア性の改善に役立つ一方でフィルムから作製されるバッグ又は他の物をリサイクルしやすくしている。また、屈曲及びセカント弾性係数の改善は、物が入ったバッグが箱詰めされ、荷台に載せられ、そして最終消費者の下へ輸送されるときの出荷能力の向上に転化する。
【0159】
実施例2.フレキシブルバッグの性能
以下の実施形態では、外側プライと内側プライの厚さを変更してブルーストンバッグ落下耐性及び酸素バリアとしてのその構造の性能に対する効果を決定した。ASTM D3985プロトコルによりMOCONを用いて酸素バリア特性を試験した。
【0160】
実施形態2
【0161】
実施形態2にしたがうフレキシブルバッグの外側プライは、以下の構造を成す:厚さ3.8ミル(96.5ミクロン)の対称的な共押出7層フィルムであって、コア層の中にバリアフィルムの2.5~5.0%の厚さ(幾つかの測定では約3.0~4.8ミクロン)のEVOH(44モル%エチレン)層を含むもの。このように、このEVOH層は全外側厚の約2.5~5.0%(例えば3.4%(100×(3.3μm/96μm))である。
【0162】
フレキシブルバッグの内側プライは、以下の構造を成す:コア層にEVOHを含まない厚さ1.5ミル(38μm)の共押出構造体。これらの2つのプライの全厚に対する百分率としてEVOH層の厚さを見積もることができる(例えば2.4%(100×(3.3μm/(96μm+38μm))))。
【0163】
実施形態3
【0164】
実施形態3ではフレキシブルバッグの外側プライは、以下の構造を成す:厚さ3.8ミル(96.5ミクロン)の対称的な共押出7層フィルムであって、コア層の中にバリアフィルムの2.5~5.0%の厚さ(幾つかの測定では約3.0~4.8ミクロン)のEVOH(44モル%エチレン)層を含むもの。このように、このEVOH層は全外側厚の約2.5~5.0%(例えば約3.4%(100×(3.3μm/96μm))である。
【0165】
実施形態3の内側プライは、以下の構造を成す:EVOHコアバリア層を含まない厚さ45ミクロンの共押出フィルム構造体。これらの2つのプライの全厚に対する百分率としてEVOH層の厚さを見積もることができる(例えば2.3%(100×(3.3μm/(96μm+45μm))))。
【0166】
実施形態4
【0167】
実施形態4のフレキシブルバッグ中の外側プライは、以下の構造を成す:厚さ70ミクロンの対称的な共押出7層構造であって、コア層の中にバリアフィルムの2.5~5.0%の厚さ(幾つかの測定では約2.0~4.8ミクロン)のEVOH(44モル%エチレン)層を含むもの。このように、このEVOH層は全外側厚の約2.5~5.0%(例えば約3.4%(100×(2.4μm/70μm))である。
【0168】
実施形態4の内側プライは、以下の構造を成す:EVOHコアバリア層を含まない厚さ70ミクロンの共押出フィルム構造体。これらの2つのプライの全厚に対する百分率としてEVOH層の厚さを見積もることができる(例えば1.7%(100×(2.4μm/(70μm+70μm)))。
【0169】
実施形態5
【0170】
実施形態5のフレキシブルバッグ中の外側プライは、以下の構造を成す:厚さ45ミクロンの対称的な共押出7層フィルムであって、コア層の中にバリアフィルムの2.5~5.0%の厚さ(幾つかの測定では約1.5~4.8ミクロン)のEVOH(44モル%エチレン)層を含むもの。このように、このEVOH層は全外側厚の約2.5~5.0%(例えば約3.5%(100×(1.6μm/45μm))である。
【0171】
実施形態5の内側プライは、以下の構造を成す:コア層にEVOHを含まない厚さ96ミクロンの共押出フィルム構造体。これらの2つのプライの全厚に対する百分率としてEVOH層の厚さを見積もることができる(例えば1.1%(100×(1.6μm/(45μm+96μm))))。
【0172】
実施形態6(比較例/参照例)
【0173】
実施形態6のフレキシブルバッグ中の外側プライは、以下の構造を成す:厚さ96ミクロンの対称的な共押出7層フィルムであって、コア層の中にバリアフィルムの2.5~5.0%の厚さ(幾つかの測定では約3.0~4.8ミクロン)のEVOH(32モル%エチレン)層を含むもの。このように、このEVOH層は全外側プライ厚の約2.5~5.0%(例えば約3.4%(100×(3.3μm/96μm))である。
【0174】
フレキシブルバッグの内側プライは、以下の構造を成す:EVOHコアバリア層を含まない厚さ38ミクロンの共押出フィルム構造体。これらの2つのプライの全厚に対する百分率としてEVOH層の厚さを見積もることができる(例えば2.4%(100×(3.3μm/(96μm+38μm))))。
【0175】
実施形態7(比較例/参照例)
【0176】
実施形態7のフレキシブルバッグの外側プライは、以下の構造を成す:厚さ96ミクロンの対称的な共押出7層フィルムであって、コア層の中にバリアフィルムの2.5~5.0%の厚さ(幾つかの測定では約3.0~4.8ミクロン)のEVOH(32モル%エチレン)層を含むもの。このように、このEVOH層は全外側プライ厚の約2.5~5.0%(例えば約3.4%(100×(3.3μm/96μm))である。
【0177】
フレキシブルバッグの内側プライは、以下の構造を成す:EVOHコアバリア層を含まない厚さ45ミクロンの共押出フィルム構造体。これらの2つのプライの全厚に対する百分率としてEVOH層の厚さを見積もることができる(例えば2.3%(100×(3.3μm/(96μm+45μm))))。
【表9】
【0178】
実施形態3、実施形態4、及び実施形態5は、全厚を変えずに外側プライの厚さと内側プライの厚さを変更することにより4.0フィート(約1.22m)以上の所望のF50バッグ落下高が維持されることを示した。内側非バリアプライを45μmから38μmへ減少させること(実施形態2及び実施形態3)により4フィート(約1.22m)より高い落下高が維持された。外側バリアプライの厚さを減らし、内側非バリアプライの厚さを増やすことによっても(留め具を除く)この構造体中の全体的なEVOHの量が2.4%から1.1%に減少する。したがって、リサイクル性を目的としてパッケージに許されるEVOHの最大量に応じて全体的なEVOHの量を調節することができる。
【0179】
比較例となる実施形態6及び実施形態7は4フィート(約1.22m)未満の劣ったバッグ落下高を示した。これらの2つの比較例となる実施形態は、工業用に標準的に使用される高バリアEVOHグレード(32モル%エチレングレード)をコア層の中に含む。これらの実施形態は非バリアフィルムよりも良好な酸素バリア性能を示し得るが、おそらくはこの32モル%エチレングレードの物理的特性、典型的には脆性のためにバッグ落下耐性が悪化する。したがって、酸素バリアの向上は製造コストを増やすだけであり、驚くべきことに本開示によって例示される上記例示的態様及び実施形態のフィルム及びフレキシブルバッグが示す回復力、リサイクル性、及び酸素バリア性が酸素バリアの向上のために実現できなくなる。
【0180】
典型的な飲料バッグ用に工業利用されている典型的な二軸延伸ナイロンラミネートの酸素バリアは約3.6cm3/100インチ2/日(約3.6cm3/645cm2/日)である。この酸素バリアデータは、厚さ0.48ミル(12μm)の二軸延伸ナイロン6コア層を含む厚さ3.8ミル(96μm)の熱ラミネートについて採られたものである。これらの実施例の様々な実施形態についての酸素バリア値の全範囲がベンチマーク二軸延伸ナイロンの値よりも良好であることが示されている。結果として、フレキシブルバッグを作製するために本開示に記載の上記例示的実施形態にしたがうフィルムを使用することでより高いEVOHバリア性(より低いOTR値)を必要とせずに貯蔵寿命を維持することができる。このことによってもコスト低下が実現する。
【0181】
実施例3.二軸延伸ナイロンに対するフィルム及びバッグの比較
以下の構造を有するフィルムから2プライ5ガロン(約18.93L)バッグを製造した:プライにおいて5%の最大厚さを有するEVOHコア(44モル%エチレン)共押出体を含む7つの層を有する外側プライ(1.8ミル(45.72μm)、2.8ミル(約71.12μm)、及び3.8ミル(96.52μm)の厚さ)と、EVOH/バリア層を含まない5つの共押出層を有する内側プライ(3.8ミル(96.52μm)、2.8ミル(71.12μm)、及び1.8ミル(45.72μm)の厚さ)。
【0182】
これらの5ガロン(約18.93L)バッグは、Maverickバッグライン上で作製し、18.75インチ(47.63cm)の外面幅及び24.75インチ(62.87cm)の外面長を有していた。
【0183】
比較のため、外側プライが3.8ミル(96.52μm)の二軸延伸ナイロンラミネートを有し、内側プライが1.8ミル(45.72μm)のLLDPEを有するというプライ構造体を用いて2プライ標準二軸延伸ナイロンバッグを作製した。
【0184】
バッグタイプ毎に10枚のバッグを30インチ(76.2cm)の高さから落下させた落下試験を用いてこれらのバッグを評価した。Liqui-Box 1500充填機上これらのバッグを水で満たし、試験前に一定の温度(外界温度である華氏73°(約22.78℃)、及び低温である華氏40°(約4.44℃))で16時間にわたって保管した。バッグの全質量は約43ポンド(約19.50kg)であった。
【0185】
各バッグを3回にわたって落下させる。1回目の落下では留め具を上向きにバッグを平らに向けて落下させ、2回目の落下ではバッグの底部のクロスシール部を下に向けて落下させ、3回目の落下ではバッグの長手方向のシール部を下に向けて落下させた。
【表10】
【0186】
この落下データは、本開示の例示的実施形態に準拠して作製された異なる厚さのバリアプライ及び非バリアプライを有するバッグが、標準温度範囲(外界温度及び低温)にわたって少なくとも標準二軸延伸ナイロン材料を用いて作製されたバッグと同じくらいの回復力を有することを示している。かかるバッグ材料のこの回復力の改善は、予期せぬものであり、以下の特徴のうちの少なくとも1つ以上を実現する:
【0187】
(a)バリアプライのコア層中のEVOH量を全フィルム厚の最大で5%までに減少させる及び/又は制限すること。これは、コア層中に典型的には5%~12%の量のEVOHを含む大半のEVOH含有フィルム構造と顕著に異なり、より高いダウンストリームの持続可能性とリサイクル性を可能にする。
【0188】
(b)例えば約30モル%を超え、最大で約48モル%(例えば44モル%)のエチレン含量の低酸素バリアグレードのEVOHを含むこと。これは、29モル%又は32モル%のエチレン含量を使用する典型的なEVOHブローフィルム構造と顕著に異なり、酸素バリア性の改善を実現する。
【0189】
(c)外側バリアプライ中のEVOHバリア層の厚さ及び内側非バリアプライの厚さの簡単な調節を可能にし、所望とする場合又は好ましい場合、バッグ中のEVOHの全レベルを減少させて、全バッグ構造体(留め具を除く)中のEVOHの全量を、全プライ構造体の厚さの約2.5%まで及び1.1%もの小さい割合にまで低下させるフィルム構造体。
【0190】
(d)フィルムは、ナイロン、PET、又は金属(例えば真空蒸着コーティング又はアルミ箔)などの材料を用いる他のフィルム及びバッグ構造体と比較して向上した性能及びリサイクル性を提供する。
【0191】
したがって、本明細書において開示される実施形態は、例えば、飲料及び飲料関連添加物(例えばシロップ)、食用油、乳製品等を含む約6か月以下の貯蔵寿命を有する製品の最終的用途(例えば、バッグインボックス)に適した低酸素バリアフィルム及び低酸素バリアバッグを提供する。かかる実施形態では、長期保存用無菌包装又は長期保存用高温充填包装のための高バリアバッグインボックス用のフィルムを使用することが典型的には回避される。
本発明に関連する発明の実施形態の一部を以下に示す。
[実施形態1]
少なくとも以下の3つの層を含む共押出多層ポリマーバリアフィルム:
(i)内側シーラント層であって、0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量で含み、0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は厚さの約0.1%~約10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、前記EVOHは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iii)外側シーラント層であって、0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量で含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
[実施形態2]
前記内側シーラント層及び前記外側シーラント層が、前記コアバリア層への前記シーラント層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む、実施形態1に記載の共押出多層ポリマーバリアフィルム。
[実施形態3]
少なくとも以下の5つの層を含む共押出多層ポリマーバリアフィルム:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分と、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への前記第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚さの約0.1%~約10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、前記EVOHは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
[実施形態4]
前記第1の介在層が、前記内側シーラント層と前記コアバリア層との間に挟まれており、前記第2の介在層が、前記外側シーラント層と前記コアバリア層との間に挟まれている、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態5]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、直鎖状低密度ポリエチレンのポリマー画分と、エチレン/オクテン-1コポリマー、エチレン/ヘキセン-1コポリマー、又はエチレン/ブテン-1コポリマーの第2のコポリマー画分とを含む、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態6]
前記インターポリマーが0.915g/cm
3
の密度及び0.80~1.0dg/分のメルトインデックスを有する、実施形態5に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態7]
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.912g/cm
3
の密度を有する少なくとも1種のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)を含む、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態8]
前記フィルム全体に対する前記EVOH層の質量又は厚さの百分率が、次の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態9]
前記EVOHコポリマー中のエチレンのモル百分率が、次の数値:38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54及び55から選択される、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態10]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.2~2.0dg/分の範囲内のメルトインデックスを有する、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態11]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、1.15~2.5の範囲内のゼロ剪断粘度比(ZSVR)を有する、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態12]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、2.0~4.0の範囲内の、数平均分子量に対する質量平均分子量の比(Mw/Mn)として表されるの分子量分布を有する、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態13]
以下の7つの層を含む共押出多層ポリマーバリアフィルム:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層であって、前記介在層の全てが、第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、前記介在層の全てが約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有し、前記第1及び第2の内側介在層が、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの層への前記第1及び第2の内側介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む、第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層;
(iii)前記第1及び第2の内側介在層に隣接して、前記第1の内側介在層と前記第2の内側介在層の間に位置し、前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の約0.1%~約10%を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、前記EVOHは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
[実施形態14]
前記第1の介在層が、前記内側シーラント層と前記コアバリア層との間に挟まれており、前記第2の介在層が、前記外側シーラント層と前記コアバリア層との間に挟まれている、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態15]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、直鎖状低密度ポリエチレンのポリマー画分と、エチレン/オクテン-1コポリマー、エチレン/ヘキセン-1コポリマー又はエチレン/ブテン-1コポリマーの第2のコポリマー画分とを含む、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態16]
前記インターポリマーが0.915g/cm
3
の密度及び0.80~1.0dg/分のメルトインデックスを有する、実施形態15に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態17]
前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.912g/cm
3
の密度を有する少なくとも1種のメタロセン直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)を含む、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態18]
前記フィルム全体に対する前記EVOH層の質量又は厚さの百分率が、次の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態19]
前記EVOHコポリマー中のエチレンのモル百分率が、次の数値:38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、及び55から選択される、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態20]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、0.2~2.0dg/分の範囲内のメルトインデックスを有する、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態21]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、1.15~2.5の範囲内のゼロ剪断粘度比(ZSVR)を有する、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態22]
前記内側シーラント層、前記外側シーラント層、前記第1の介在層、又は前記第2の介在層のうちの少なくとも1つの中の前記エチレン/α-オレフィンインターポリマーが、2.0~4.0の範囲内の、数平均分子量に対する質量平均分子量の比(Mw/Mn)として表される分子量分布を有する、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態23]
前記少なくとも1つの外側シーラント層、前記少なくとも1つの内側シーラント層、前記コア層、前記少なくとも1つの第1の介在層、及び前記少なくとも1つの第2の介在層が、それぞれ1層から最大で45層までを含む、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態24]
前記少なくとも1つの外側シーラント層、前記少なくとも1つの内側シーラント層、前記コア層、前記少なくとも1つの第1の介在層、及び前記少なくとも1つの第2の介在層が、それぞれ1層から最大で45層までを含む、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態25]
前記フィルムの全厚さが約1ミル(約25.4μm)~約5ミル(約127μm)である、実施形態3に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態26]
前記フィルムの全厚さが約1ミル(約25.4μm)~約5ミル(約127μm)である、実施形態13に記載の共押出多層ポリマーフィルム。
[実施形態27]
リサイクル可能なバリア共押出多層ポリマーフィルムと非バリア共押出多層ポリマーフィルムとを含む流動性物質包装用のバッグであって、前記バリア共押出多層ポリマーフィルムが以下を含む、バッグ:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分と、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への前記第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の約0.1%~約10%又は前記バリアフィルムと前記非バリアフィルムの合計の質量若しくは厚さの約5%以下を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、前記EVOHは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
[実施形態28]
リサイクル可能なバリア共押出多層ポリマーフィルムと非バリア共押出多層ポリマーフィルムとを含む流動性物質包装用のバッグであって、前記バリア共押出多層ポリマーフィルムが以下を含む、バッグ:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層であって、前記介在層の全てが、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、前記介在層の全てが約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有し、前記第1及び第2の内側介在層が、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの層への前記第1及び第2の内側介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂を含む、第1及び第2の外側介在層と第1及び第2の内側介在層;
(iii)前記第1及び第2の内側介在層に隣接して、前記第1の内側介在層と前記第2の内側介在層の間に位置し、前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の約0.1%~約10%又は前記バリアフィルムと前記非バリアフィルムの合計の質量若しくは厚さの約5%以下を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、前記EVOHは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。
[実施形態29]
前記バリアフィルム及び前記非バリアフィルムの各々の厚さが約1ミル(約25.4μm)~約5ミル(約127μm)である、実施形態27に記載のバッグ。
[実施形態30]
前記バリアフィルム及び前記非バリアフィルムの各々の厚さが約1ミル(約25.4μm)~約5ミル(約127μm)である、実施形態28に記載のバッグ。
[実施形態31]
前記非バリアフィルムの厚さが前記バリアフィルムよりも厚い、実施形態27に記載のバッグ。
[実施形態32]
前記非バリアフィルムの厚さが前記バリアフィルムよりも厚い、実施形態28に記載のバッグ。
[実施形態33]
前記非バリアフィルムの厚さが約3.8ミル(約96.52μm)であり、前記バリアフィルムの厚さが約1.8ミル(約45.72μm)である、実施形態31に記載のバッグ。
[実施形態34]
前記非バリアフィルムの厚さが約3.8ミル(約96.52μm)であり、前記バリアフィルムの厚さが約1.8ミル(約45.72μm)である、実施形態32に記載のバッグ。
[実施形態35]
前記バリア共押出多層ポリマーフィルム中の前記EVOH層が、以下の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、前記フィルム全体に対する質量又は厚さの百分率を有する、実施形態27に記載のバッグ。
[実施形態36]
前記バリア共押出多層ポリマーフィルム中の前記EVOH層が、以下の数値:0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9及び5.0から選択される、前記フィルム全体に対する質量又は厚さの百分率を有する、実施形態28に記載のバッグ。
[実施形態37]
前記バッグが、排出補助装置を組み込まずに前記バッグの容量の約95%~約99.9%を空にするように構成されている、実施形態27に記載のバッグ。
[実施形態38]
前記バッグが、排出補助装置を組み込まずに前記バッグの容量の約95%~約99.9%を空にするように構成されている、実施形態28に記載のバッグ。
[実施形態39]
少なくとも1つのスクリュー式留め具、リサイクル可能なバリア共押出多層ポリマーフィルム、及び非バリア共押出多層ポリマーフィルムを含む、ポストミックスシロップ包装用のバッグであって、前記バリア共押出多層ポリマーフィルムが以下を含み、前記バッグは、ポストミックスシロップが充填された場合に標準40インチ(101.6cm)落下試験に合格する、ポストミックスシロップ包装用のバッグ:
(i)内側シーラント層であって、全内側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する内側シーラント層;
(ii)第1及び第2の介在層であって、前記第1の介在層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分と、前記共押出多層ポリマーフィルム中の少なくとも1つの他の層への前記第1及び第2の介在層の接着を改善するのに有効な量の接着剤又はタイ樹脂とを含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する第1及び第2の介在層;
(iii)前記共押出多層ポリマーフィルムの全質量又は全厚の約0.1%~約10%又は前記バリアフィルムと前記非バリアフィルムの合計の質量若しくは厚さの約5%以下を構成する、エチレンビニルアルコール(EVOH)を含むコアバリア層であって、前記EVOHは、前記EVOHコポリマー中に少なくとも38%のエチレンを含む、コアバリア層;及び
(iv)外側シーラント層であって、全外側シーラント層の質量又は厚さの少なくとも約50%の量の0.894~0.920g/cm
3
の範囲内の密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマー画分を含み、約0.910~0.924g/cm
3
の範囲内の全密度を有する外側シーラント層。