(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】電気加熱エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20240513BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240513BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/20
(21)【出願番号】P 2022559689
(86)(22)【出願日】2021-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2021083744
(87)【国際公開番号】W WO2021208714
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】202020562071.1
(32)【優先日】2020-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519403945
【氏名又は名称】深▲せん▼麦時科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】廖▲イェン▼程
(72)【発明者】
【氏名】張幸福
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第110574968(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第03610741(EP,A1)
【文献】中国実用新案第207836767(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生基質を加熱するための電気加熱エアロゾル発生装置であって、
電源アセンブリと、
前記電源アセンブリに接続されかつ前記電源アセンブリに近い一端に吸気通路が配置されており、上部蓋と収容部材とを含むアトマイザーであって、前記上部蓋は前記収容部材を収容可能であり、前記収容部材内には前記エアロゾル発生基質を収容するための収容キャビティが配置されており、前記吸気通路は、前記上部蓋と前記収容部材に貫通し、前記収容キャビティ内の前記エアロゾル発生基質に外気を供給するように構成されるアトマイザーと、を含
み、
前記アトマイザーは、分離カバーを更に含み、
前記上部蓋は前記分離カバーを更に収容し、
前記分離カバーは前記収容キャビティを取り囲むように配置され、
前記吸気通路は前記分離カバーに更に貫通しており、
前記収容部材は、互いに接続された外部スリーブと内部管とを含み、
前記内部管は前記外部スリーブ内に収容され、
前記収容キャビティは前記内部管内に設けられ、
前記分離カバー内には設置孔が設けられており、前記内部管と前記設置孔とがはまり合っており、
前記外部スリーブと前記内部管との間の空間は、前記分離カバーを収容するために用いられ、
前記アトマイザーは、前記電源アセンブリに電気的に接続され、前記エアロゾル発生基質内に挿入して配置される発熱部品を更に含み、
前記内部管は、互いに接続された側筒と底板とを含み、
前記側筒は底板と共に、前記収容キャビティを取り囲んでおり、
前記底板上には前記収容キャビティと連通する挿通孔が設けられており、
前記発熱部品は、一部が前記収容キャビティ内に収容されるように前記挿通孔内に挿通して配置されており、
前記分離カバーと前記内部管との間にはバッファ通路が形成されており、
前記バッファ通路は、前記吸気通路及び前記挿通孔と同時に連通し、
前記吸気通路に入った外気は、前記バッファ通路と前記挿通孔とを順次通って前記エアロゾル発生基質内に入り、
前記底板は、前記側筒に取り囲まれたキャビティ内に位置し、
前記底板は、前記キャビティを分割してバッファキャビティと収容キャビティとを形成し、
前記側筒上には前記吸気通路の一部を形成する第1吸気孔が設けられており、
前記分離カバーは前記側筒に当接して前記バッファキャビティを封止して前記バッファ通路を形成し、
前記第1吸気孔内の外気は、前記バッファ通路に入る、電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記底板の前記エアロゾル発生基質を支持するための表面は凹んで溝を形成し、
前記溝は、前記挿通孔と連通している、請求項
1に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記底板は、前記側筒の端部に接続されて、前記側筒に取り囲まれたキャビティ全体が前記収容キャビティを形成し、
前記内部管は、前記収容キャビティ内に位置する突起を更に含み、
前記エアロゾル発生基質は、前記突起に当接して前記収容キャビティの一部を封止してバッファ通路を形成可能であり、
前記側筒上には前記吸気通路の一部を形成する第1吸気孔が設けられており、
前記バッファ通路は、前記第1吸気孔及び前記挿通孔と同時に連通しており、
前記第1吸気孔に入った外気は、前記バッファ通路を直接通って前記エアロゾル発生基質内に入る、請求項
1に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記突起は、前記底板上に配置され、前記底板の表面から突出する、請求項
3に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記アトマイザーは、密封部材を更に含み、
前記分離カバー上には前記設置孔と連通する貫通孔が配置されており、
前記密封部材は前記貫通孔内に充填されて前記設置孔を密封し、
前記発熱部品は前記密封部材中に挿通して配置されている、請求項
1に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記側筒には第1吸気孔が設けられており、
前記外部スリーブ上には第2吸気孔が設けられており、
前記分離カバーには前記設置孔に連通する第3吸気孔が設けられており、
前記上部蓋には外部に連通する第4吸気孔が設けられており、
前記第1吸気孔、前記第2吸気孔、前記第3吸気孔及び前記第4吸気孔は共に、前記吸気通路を形成する、請求項
1に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記分離カバーの少なくとも一部は、前記収容部材内に収容されている、請求項
1に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記設置孔の底壁は、前記内部管の前記側筒に当接されている、請求項
1に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記アトマイザーは前記設置孔の下方に位置する固定座を更に含み、
前記発熱部品は前記固定座上に挿入して配置され、前記電源アセンブリに電気的に接続されている、請求項
1に記載の電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項10】
エアロゾル発生基質を加熱するための電気加熱エアロゾル発生装置であって、電源アセンブリと、
前記電源アセンブリに接続されかつ前記電源アセンブリに近い一端に吸気通路が配置されており、上部蓋と収容部材とを含むアトマイザーであって、前記上部蓋は前記収容部材を収容可能であり、前記収容部材内には前記エアロゾル発生基質を収容するための収容キャビティが配置されており、前記吸気通路は、前記上部蓋と前記収容部材に貫通し、前記収容キャビティ内の前記エアロゾル発生基質に外気を供給するように構成されるアトマイザーと、を含み、
前記アトマイザーは、分離カバーを更に含み、
前記上部蓋は前記分離カバーを更に収容し、
前記分離カバーは前記収容キャビティを取り囲むように配置され、
前記吸気通路は前記分離カバーに更に貫通しており、
前記収容部材は、互いに接続された外部スリーブと内部管とを含み、
前記内部管は前記外部スリーブ内に収容され、
前記収容キャビティは前記内部管内に設けられ、
前記分離カバー内には設置孔が設けられており、前記内部管と前記設置孔とがはまり合っており、
前記外部スリーブと前記内部管との間の空間は、前記分離カバーを収容するために用いられ、
前記アトマイザーは、前記電源アセンブリに電気的に接続され、前記エアロゾル発生基質内に挿入して配置される発熱部品を更に含み、
前記内部管は、互いに接続された側筒と底板とを含み、
前記側筒は底板と共に、前記収容キャビティを取り囲んでおり、
前記底板上には前記収容キャビティと連通する挿通孔が設けられており、
前記発熱部品は、一部が前記収容キャビティ内に収容されるように前記挿通孔内に挿通して配置されており、
前記アトマイザーは、密封部材を更に含み、
前記分離カバー上には前記設置孔と連通する貫通孔が配置されており、前記密封部材は前記貫通孔内に充填されて前記設置孔を密封し、
前記発熱部品は前記密封部材中に挿通して配置されている、電気加熱エアロゾル発生装置。
【請求項11】
エアロゾル発生基質を加熱するための電気加熱エアロゾル発生装置であって、電源アセンブリと、
前記電源アセンブリに接続されかつ前記電源アセンブリに近い一端に吸気通路が配置されており、上部蓋と収容部材とを含むアトマイザーであって、前記上部蓋は前記収容部材を収容可能であり、前記収容部材内には前記エアロゾル発生基質を収容するための収容キャビティが配置されており、前記吸気通路は、前記上部蓋と前記収容部材に貫通し、前記収容キャビティ内の前記エアロゾル発生基質に外気を供給するように構成されるアトマイザーと、を含み、
前記アトマイザーは、分離カバーを更に含み、
前記上部蓋は前記分離カバーを更に収容し、
前記分離カバーは前記収容キャビティを取り囲むように配置され、
前記吸気通路は前記分離カバーに更に貫通しており、
前記収容部材は、互いに接続された外部スリーブと内部管とを含み、
前記内部管は前記外部スリーブ内に収容され、
前記収容キャビティは前記内部管内に設けられ、
前記分離カバー内には設置孔が設けられており、前記内部管と前記設置孔とがはまり合っており、
前記外部スリーブと前記内部管との間の空間は、前記分離カバーを収容するために用いられ、
前記アトマイザーは、前記電源アセンブリに電気的に接続され、前記エアロゾル発生基質内に挿入して配置される発熱部品を更に含み、
前記内部管は、互いに接続された側筒と底板とを含み、
前記側筒は底板と共に、前記収容キャビティを取り囲んでおり、
前記底板上には前記収容キャビティと連通する挿通孔が設けられており、
前記発熱部品は、一部が前記収容キャビティ内に収容されるように前記挿通孔内に挿通して配置されており、
前記設置孔の底壁は、前記内部管の前記側筒に当接されている、電気加熱エアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生技術の分野に関し、特に、電気加熱エアロゾル発生装置に関する。
【0002】
本出願は、2020年4月16日に中国特許庁に提出された、出願番号が2020205620711、発明の名称が「電気加熱エアロゾル発生装置」である中国特許出願の優先権を主張し、その内容全体を参照により本出願に組み込む。
【背景技術】
【0003】
電気加熱エアロゾル発生装置は、タバコなどの固体状エアロゾル発生基質を、非燃焼方式で加熱することで、使用者が吸入できる煙霧を生成することができる。電気加熱エアロゾル発生装置は、通常、電源アセンブリと加熱部品と収容部材とを含み、エアロゾル発生基質は収容部材内に収容され、電源アセンブリによって加熱部品に電力を供給し、加熱部品によって電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、エアロゾル発生基質が熱を吸収し霧化されて煙霧を形成する。
【0004】
一般的に、従来の電気加熱エアロゾル発生装置では、電源アセンブリ内に吸気通路が設けられ、外気は、当該吸気通路を通って収容部材内に入り、煙霧を運んで使用者に吸収される。しかしながら、吸気通路の経路がより長いため、閉塞しやすく、電気加熱エアロゾル発生装置の構造の設計も非常に複雑になってしまう。
【発明の概要】
【0005】
本発明の様々な実施例によると、電気加熱エアロゾル発生装置を提供する。
【0006】
エアロゾル発生基質を霧化するための電気加熱エアロゾル発生装置であって、電源アセンブリと、前記電源アセンブリに接続されかつ前記電源アセンブリに近い一端に吸気通路が配置されており、上部蓋と収容部材とを含むアトマイザーであって、前記上部蓋は前記収容部材を収容可能であり、前記収容部材内には前記エアロゾル発生基質を収容するための収容キャビティが配置されており、前記吸気通路は、前記上部蓋と前記収容部材に貫通し、前記収容キャビティ内のエアロゾル発生基質に外気を供給するように構成される前記アトマイザーと、を含む電気加熱エアロゾル発生装置である。
【0007】
一実施例において、前記アトマイザーは、分離カバーを更に含み、前記上部蓋は前記分離カバーを更に収容し、前記分離カバーは前記容カバーキャビティを取り囲むように配置され、前記吸気通路は前記分離カバーに更に貫通している。
【0008】
一実施例において、前記収容部材は、互いに接続された外部スリーブと内部管とを含み、前記内部管は前記外部スリーブ内に収容され、前記収容キャビティは前記内部管内に設けられ、前記分離カバー内には設置孔が設けられており、前記内部管と前記設置孔とがはまり合っており、前記外部スリーブと前記内部管との間の空間は、前記分離カバーを収容するために用いられる。
【0009】
一実施例において、前記アトマイザーは、前記電源アセンブリに電気的に接続され、前記エアロゾル発生基質内に挿入して配置される発熱部品を更に含み、前記内部管は、互いに接続された側筒と底板とを含み、前記側筒は底板と共に、前記収容キャビティを取り囲んでおり、前記底板上には前記収容キャビティに連通する挿通孔が設けられており、前記発熱部品は、一部が前記収容キャビティ内に収容されるように前記挿通孔内に挿通して配置されている。
【0010】
一実施例において、前記分離カバーと前記内部管との間にはバッファ通路が形成されており、前記バッファ通路は、前記吸気通路及び前記挿通孔に同時に連通し、前記吸気通路に入った外気は、前記バッファ通路と挿通孔とを順次通ってエアロゾル発生基質内に入る。
【0011】
一実施例において、前記底板は、前記側筒に取り囲まれたキャビティ内に位置し、前記底板は、前記キャビティを分割してバッファキャビティと収容キャビティとを形成し、前記側筒上には前記吸気通路の一部を形成する第1吸気孔が設けられており、前記分離カバーは前記側筒に当接して前記バッファキャビティを封止して前記バッファ通路を形成し、前記第1吸気孔内の外気は、前記バッファ通路に入る。
【0012】
一実施例において、前記底板の前記エアロゾル発生基質を支持するための表面は凹んで溝を形成し、前記溝は、前記挿通孔と連通している。
【0013】
一実施例において、前記底板は、前記側筒の端部に接続されて、前記側筒に取り囲まれたキャビティ全体が前記収容キャビティを形成し、前記内部管は、前記収容キャビティ内に位置する突起を更に含み、前記エアロゾル発生基質は、前記突起に当接して前記収容キャビティの一部を封止してバッファ通路を形成可能であり、前記側筒上には前記吸気通路の一部を形成する第1吸気孔が設けられており、前記バッファ通路は、前記第1吸気孔及び前記挿通孔と同時に連通しており、前記第1吸気孔に入った外気は、前記バッファ通路を直接通って前記エアロゾル発生基質内に入る。
【0014】
一実施例において、前記突起は、前記底板上に配置され、前記底板の表面から突出する。
【0015】
一実施例において、前記アトマイザーは、密封部材を更に含み、前記分離カバー上には前記設置孔と連通する貫通孔が配置されており、前記密封部材は前記貫通孔内に充填されて前記設置孔を密封し、前記発熱部品は前記密封部材中に挿通して配置されている。
【0016】
一実施例において、前記側筒には第1吸気孔が設けられており、前記外部スリーブ上には第2吸気孔が設けられており、前記分離カバーには前記設置孔に連通する第3吸気孔が設けられており、前記上部蓋には外部に連通する第4吸気孔が設けられており、前記第1吸気孔、前記第2吸気孔、前記第3吸気孔及び前記第4吸気孔は共に、前記吸気通路を形成する。
【0017】
一実施例において、前記分離カバーの少なくとも一部は、前記収容部材内に収容される。
【0018】
一実施例において、前記設置孔の底壁は、前記内部管の前記側筒に当接される。
【0019】
一実施例において、前記アトマイザーは、前記設置孔の下方に位置する固定座を更に含み、前記発熱部品は前記固定座上に挿入して配置され、前記電源アセンブリに電気的に接続される。
【0020】
本発明の電気加熱エアロゾル発生装置では、吸気通路が電源アセンブリに近接して配置されることにより、外気が吸気通路を通って収容キャビティ内のエアロゾル発生基質に到着する流路がより短くなり、吸気通路の閉塞の可能性が減少され、電気加熱エアロゾル発生装置全体の構造設計もより簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図面に示される本発明の好ましい実施例のより具体的な説明によって、本発明の上記及び他の目的、特徴、及び利点がより明らかになる。図面全体において、同じ符号は同じ部分を指し、図面は意図的に一定の縮尺で描かれておらず、本願の主旨を示すことに重点が置かれている。
【0022】
【
図1】第1実施例によって提供される電気加熱エアロゾル発生装置の斜視模式図である。
【
図2】
図1に示された電気加熱エアロゾル発生装置にタバコがつけている時の断面模式図である。
【
図3】
図1に示された電気加熱エアロゾル発生装置にタバコがつけていない時の断面模式図である。
【
図4】
図1に示された電気加熱エアロゾル発生装置の分解断面模式図である。
【
図5】
図1に示された電気加熱エアロゾル発生装置の分解模式図である。
【
図6】
図1に示された電気加熱エアロゾル発生装置の別の角度から見た分解模式図である。
【
図7】第2実施例によって提供される電気加熱エアロゾル発生装置の分解断面模式図である。
【
図8】
図7に示された電気加熱エアロゾル発生装置にタバコがつけている時の断面模式図である。
【
図9】
図7に示された電気加熱エアロゾル発生装置にタバコがつけていない時の断面模式図である。
【
図10】
図7に示された電気加熱エアロゾル発生装置の分解模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の理解を容易にするために、関連する図面を参照して本発明をより完全に説明する。図面に本発明の好ましい実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されない。逆に、これらの実施形態を提供する目的は、本発明の開示内容の理解をより徹底的かつ包括的にすることである。
【0024】
なお、一方の部品は他方の部品に「固定されている」と呼ばれる場合、他方の部品に直接位置するか、又は介在する部品が存在してもよい。一方の部品は他方の部品に「接続されている」と見なされる場合、他方の部品に直接接続されているか、又は介在する部品が存在してもよい。本明細書で使用される用語「内」、「外」、「左」、「右」、及び類似の表現は、説明のみを目的としており、唯一の実施形態を表すものではない。
【0025】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において、本発明の明細書で使用される用語は、ただ具体的な実施形態を説明することのみを目的としており、本発明を限定することを意図していない。本明細書で使用される「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連するリスト項目の任意及びすべての組み合わせを含む。
【0026】
図1及び
図2を参照すると、本発明によって提供される電気加熱エアロゾル発生装置10は、エアロゾル発生基質を霧化するために使用され、エアロゾル発生基質は、当該電気加熱エアロゾル発生装置10と組み合わせて使用されるタバコ20であってもよく、当該タバコ20は、日常的に吸うシガレットと基本的に同じ構造である。当該電気加熱エアロゾル発生装置10は、電源アセンブリ12とアトマイザー11とを含み、電源アセンブリ12は、アトマイザー11に電力を供給し、アトマイザー11は、電気エネルギーを熱エネルギーに変換し、エアロゾル発生基質は、熱を吸収し霧化されて煙霧を形成する。
【実施例】
【0027】
第1実施例
図3、
図4、及び
図5を同時に参照すると、アトマイザー11は、上部蓋100と、収容部材200と、分離カバー300と、密封部材400と、発熱部品510とを含む。上部蓋100は、分離カバー300と収容部材200とを収容することができ、上部蓋100は、断熱性能に優れた材料で製造することができる。上部蓋100は、大体筒形の構造を有し、上部蓋100の断面は、大体レーストラックの形状を有する。上部蓋100は、一面が開口された開口キャビティ120を取り囲んでおり、上部蓋100には、更に、開口キャビティ120に連通する開口130が設置され、タバコ20は、当該開口130内に挿通可能に配置される。上部蓋100と収容部材200は、一体に形成されてもよく、すなわち、1つの部品に形成されてもよい。つまり、上部蓋100の上壁の内面から下方に延びて収容部材200を形成する。
【0028】
収容部材200は、外部スリーブ210と内部管220とを含み、外部スリーブ210と内部管220とは互いに接続されており、収容部材200は、断熱性能に優れた材料で製造することができる。外部スリーブ210は、上部蓋100と形状が大体同じである筒形の構造であり、外部スリーブ210は、上部蓋100の開口キャビティ120内に収容されており、内部管220は、外部スリーブ210内に収容されている。内部管220は、側筒221と底板222とを含む。側筒221は、円柱形のキャビティを取り囲んでおり、底板222は、側筒221の端部に近接して設けられ、底板222は側筒221の内壁に接続されて側筒221のキャビティ内に位置する。底板222は、側筒221に取り囲まれたキャビティを上部と下部のような2つの部分に分割して、キャビティの上部が収容キャビティ223に形成され、キャビティの下部がバッファキャビティ224に形成され、当該収容キャビティ223はタバコ20を収容するために使用される。
【0029】
タバコ20が当該収容キャビティ223内に位置する場合、タバコ20の端部は底板222の上面に当接し、当該底板222の上面には、更に、挿通孔222cと溝222bとが設置されてもよい。当該挿通孔222cは、貫通孔であり、底板222の上面及び下面全体を貫通しているため、当該挿通孔222cによってバッファキャビティ224と収容キャビティ223とが同時に連通する。溝222bは、上面の一部がバッファキャビティ224に向かって下方に一定の深さだけ凹んで形成され、当該溝222bは、底板222の下面を貫通していない。それと同時に、溝222bは、挿通孔222cまで延びており、溝222bは当該挿通孔222cと連通する。溝222bの数は、複数であってもよく、複数の溝222bは、挿通孔222cに対して対称的に分布していてもよい。タバコ20が底板222の上面に当接される場合、挿通孔222c内に入った外気は当該溝222b内にも入り込むことができルため、外気は、挿通孔222cを通ってタバコ20内に入るだけでなく、更に当該溝222bを通ってタバコ20内に入ることもでき、タバコ20と外気との接触面積を増加させる。
【0030】
分離カバー300の形状は、上部蓋100の開口キャビティ120の形状に適合し、外部スリーブ210と内部管220との間の空間は、収容空間を形成する。設置時、分離カバー300の一部は、基本的に収容空間全体を充填することができ、すなわち、分離カバー300の一部が当該収容空間内に収容される。分離カバー300内には、設置孔310が設置され、設置孔310は、垂直方向に延びており、設置孔310の形状は、内部管220の形状に適合し、すなわち設置孔310は円形孔であってもよい。設置時、収容部材200の内部管220は、当該設置孔310内に挿入して配置され、内部管220と当該設置孔310とは、隙間ばめの関係を形成することができる。明らかに、分離カバー300全体は、内部管220を取り囲むように配置され、収容キャビティ223を取り囲むように配置される。それと同時に、設置孔310の底壁は、内部管220の側筒221に当接されて、バッファキャビティ224の下部の開口に対して蓋として機能し、当該バッファキャビティ224を密封してバッファ通路224aを形成する。明らかに、バッファ通路224aと挿通孔222cとは、互いに連通している。分離カバー300は、断熱性能に優れた材料で製造することができる。
【0031】
分離カバー300には貫通孔320が更に設置され、当該貫通孔320は、垂直方向に延びており、設置孔310と互いに連通している。密封部材400は、当該貫通孔320内に充填されて、密封部材400と貫通孔320とがしまりばめの関係を形成する。密封部材400は、柔軟なシリコーン材料であってもよい。密封部材400と当該貫通孔320とがはまり合うと、密封部材400が設置孔310に対して良好な密封の役割を果たして、設置孔310内のガスが貫通孔320から漏れるのを防止することができる。
【0032】
発熱部品510は、大体シート状の構造を有し、垂直に配置される。発熱部品510の下部は、当該密封部材400内に挿通して配置されており、発熱部品510の上部は、バッファキャビティ224及び底板222の挿通孔222cを順次通過して収容キャビティ223内に収容され、発熱部品510の先端は、鋭状を呈している。発熱部品510は、基体と発熱フィルムとを含み、発熱フィルムは、基体上にスクリーン印刷又はメッキされており、すなわち、基体は、発熱フィルムを担持するキャリアとして使用することができる。発熱フィルムは、抵抗が低く、熱伝導性能に優れた金属材料で製造することができる。発熱フィルムは、電源アセンブリ12に電気的に接続され、電源アセンブリ12が発熱フィルムに電力を供給すると、発熱フィルムは電気エネルギーを熱エネルギーに変換する。タバコ20は、発熱フィルムの熱エネルギーを吸収し霧化されて煙霧を形成できる。
【0033】
図4、
図5、及び
図6を同時に参照すると、アトマイザー11は、固定座520を更に含んでもよく、当該固定座520は、設置孔310の下方に位置する。発熱部品510の基体は、当該固定座520に挿入して配置されており、導電性電極を介して電源アセンブリ12に接続され、電源アセンブリ12が導電性電極を介して発熱部品510に電気的に接続されるようにすることができる。密封部材400は、分離カバー300の貫通孔320のみに充填されてもよい。もちろん、密封部材400の設置安定性及び設置孔310に対する密封性能を向上させるために、密封部材400の下部を固定座520に直接固定して、密封部材400の貫通孔320内での緩みを防止し、密封部材400と貫通孔320とのしまりばめを常に維持することを保証できる。
【0034】
側筒221には、水平方向に延びる第1吸気孔221aが更に設けられており、第1吸気孔221aは、側筒221の電源アセンブリ12に近い一端に位置し、第1吸気孔221aは、貫通孔であり、側筒221全体を径方向に貫通することによって、当該第1吸気孔221aは当該バッファ通路224aに連通する。密封部材400の密封によって、バッファ通路224a内のガスは貫通孔320から漏れることができない。外部スリーブ210の電源アセンブリ12に近い一端には第2吸気孔211が設けられており、第2吸気孔211は水平に配置される。分離カバー300上には、第3吸気孔330が設けられており、第3吸気孔330は、分離カバー300の電源アセンブリ12に近い一端に配置され、当該第3吸気孔330は、設置孔310に連通し、水平に配置される。上部蓋100には、第4吸気孔110が設けられており、第4吸気孔110は、上部蓋100の電源アセンブリ12に近い一端に配置され、当該第4吸気孔110は、外部と開口キャビティ120とを連通し、第4吸気孔110も同様に水平に配置される。第1吸気孔221a、第2吸気孔211、第3吸気孔330、及び第4吸気孔110は、いずれも電源アセンブリ12に近接して水平に配置されているため、第1吸気孔221a、第2吸気孔211、第3吸気孔330、及び第4吸気孔110は共に、1つの吸気通路101を形成し、当該吸気通路101は電源アセンブリ12に近接して水平に配置されて、外気がアトマイザー11の電源アセンブリ12に近い一端からアトマイザー11の内部に入るようにする。明らかに、当該吸気通路101は、外部とバッファ通路224aとを連通する。
【0035】
タバコ20を使用して吸入する場合、タバコ20を上部蓋100の開口130から内部管220の収容キャビティ223内に下方に挿入することができる。発熱部品510の先端の鋭い部分によって、発熱部品510がタバコ20の内部に挿入される。タバコ20の下端と底板222の上面とが当接すると、タバコ20は内部管220に対して下方に移動し続けることができず、タバコ20の一部がアトマイザー11全体から露出する。このとき、底板222は、タバコ20に対して支持及び位置限定の役割を果たし、使用者は、当該アトマイザー11からに露出した部分に接触して喫煙することができる。喫煙中、発熱部品510は、発熱して適切な温度を形成し、発熱部品510がタバコ20内に挿入して配置されているため、タバコ20は、発熱部品510の熱を迅速に吸収し、熱損失をできるだけ削減できる。当該熱による温度によってタバコ20が燃えなく、燃えたタバコ20によってより多い有害物質を生成するのを防止することができる。しかし、発熱部品510によって生成された温度によって、タバコ20は効果的に霧化されて煙霧を形成できる。
【0036】
使用者が吸入すると、外気は、吸気通路101及びバッファ通路224aを順次通って挿通孔222cに入り、挿通孔222cに入った一部のガスが中間部分からタバコ20の内部に入り、挿通孔222cに入った他の一部のガスが溝222b内に流れ込み、更に縁部からタバコ20の内部に入り、タバコ20の内部に入ったガスは煙霧を運んで使用者に吸収される。
【0037】
分離カバー300を配置し、当該分離カバー300の一部が外部スリーブ210と内部管220との間の空間内に収容され、分離カバー300が収容キャビティ223の外に位置して内部管220を取り囲むように配置されるため、発熱部品510が熱を発生すると、収容キャビティ223内の熱は、必ず、内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210を順次通って上部蓋100まで伝達され、上部蓋100から外部に伝達されなければならない。内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210はより多い熱を吸収したため、上部蓋100に伝達された熱がより少なく、上部蓋100の外部と直接接触する外表面で発生した温度がより低くなるように保証し、使用者の熱すぎる上部蓋100に触れたときの不快感を防止できる。それと同時に、上部蓋100を介して外部に直接伝達される熱が大幅に減少され、一部の熱が内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210内に蓄えられ、すなわち、内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210が一定の保温の役割を果たして、収容キャビティ223内に一定の温度が存在するようにする。再び吸入するとき、タバコ20が収容キャビティ223内の余熱を吸収して迅速に霧化され、エネルギーの利用率を向上させる。更に、吸気通路101は電源アセンブリ12に近接して配置され、外気が吸気通路101、バッファ通路224a、及び挿通孔222cを通ってタバコ20に到達する流路がより短くなり、吸気通路101、バッファ通路224a、及び挿通孔222cが閉塞される可能性が減少され、電気加熱エアロゾル発生装置10全体の構造設計もより簡単になる。
【0038】
第2実施例
図7、
図8、及び
図9を同時に参照すると、第2実施例と第1実施例との主な相違点は、内部管220の構造及びバッファ通路224aの位置であり、他の同じところは第1実施例の関連する説明を参考することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0039】
図8、
図9、及び
図10を参照すると、具体的には、内部管220は、側筒221と、底板222と、突起230と、を含む。底板222は、側筒221の下端に接続され、側筒221によって囲まれたキャビティの下端の開口に対して封止する役割を形成し、側筒221に囲まれたキャビティ全体は収容キャビティ223を形成する。底板222上には、挿通孔222cが設けられ、当該挿通孔222cは、貫通孔であり、底板222の上面と下面との両方に貫通し、発熱部品510は当該挿通孔222cを通過して収容キャビティ223内に位置する。突起230は、底板222の上面に接続され、収容キャビティ223内に位置し、突起230は、底板222から一定の長さだけ突出する。もちろん、突起230は、底板222に接続されず、側筒221に直接接続されてもよい。タバコ20を上部蓋100の開口130から内部管220の収容キャビティ223内に下方に挿入する場合、タバコ20の下端が突起230の表面に当接すると、タバコ20は内部管220に対して下方に移動し続けることができず、タバコ20の一部がアトマイザー11全体から露出する。このとき、突起230はタバコ20に対して支持及び位置限定の役割を果たしている。また、タバコ20は、収容キャビティ223のタバコ20と底板222との間の部分に対して封止する役割を果たすため、当該部分によってバッファ通路224aが形成される。明らかに、当該バッファ通路224aは挿通孔222cに連通している。内部管220が分離カバー300の設置孔310に挿入して配置されている場合、底板222の下面と設置孔310の底壁とが互いに密着しているため、第1実施例において設置孔310の底壁と底板222の下面との間に位置するバッファ通路224a(第1収容キャビティ223の外に位置する)が除去される。また、突起230を配置することによって、第2実施例におけるバッファ通路224aが収容キャビティ223内に位置するようにする。
【0040】
内部管220の側筒221上には、第1吸気孔221aが設けられており、第1吸気孔221aは、円形孔であり、水平方向に延びることができる。当該第1吸気孔221aは、バッファ通路224aと互いに連通している。使用者が吸入すると、第1吸気孔221a内に入った外気は、第1実施例のように挿通孔222cを介してタバコ20の内部に入る代わりに、バッファ通路224aを順次通ってタバコ20の内部に入る。外気が第1吸気孔221aを通ってバッファ通路224aに入った後、バッファ通路224a内の外気はタバコ20の端面とほぼ完全の接触関係を形成し、外気とタバコ20との間により大きい接触面積を形成し、十分なの外気がタバコ20の内部に入って煙霧を運ぶことに有利である。外気が挿通孔222cを通ってタバコ20の内部に入ることがないので、挿通孔222cは、第1実施例のようなガス伝導機能を持たなく、発熱部品510が挿通して配置する役割だけを果たしている。
【0041】
第2吸気孔211、第3吸気孔330、及び第4吸気孔110の位置は、第1実施例と同じであり、すなわち、第1吸気孔221a、第2吸気孔211、第3吸気孔330、及び第4吸気孔110は、同様に吸気通路101を形成する。使用者が吸入すると、外気は吸気通路101及びバッファ通路224aを順次通ってタバコ20の内部に入って煙霧を運ぶ。
【0042】
同様に、分離カバー300を配置し、当該分離カバー300の一部が外部スリーブ210と内部管220との間の空間内に収容されるため、発熱部品510が熱を発生すると、収容キャビティ223内の熱は、必ず、内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210を順次通って上部蓋100まで伝達され、上部蓋100から外部に伝達されなければならない。内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210はより多い熱を吸収したため、上部蓋100に伝達された熱がより少なく、上部蓋100の外部と直接接触する外表面で発生した温度がより低くなるように保証し、使用者の熱すぎる上部蓋100に触れたときの不快感を防止できる。それと同時に、上部蓋100を介して外部に直接伝達される熱が大幅に減少され、一部の熱が内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210内に蓄えられ、すなわち、内部管220、分離カバー300、及び外部スリーブ210が一定の保温の役割を果たして、収容キャビティ223内に一定の温度が存在するようにする。再び吸入するとき、タバコ20が収容キャビティ223内の余熱を吸収して迅速に霧化され、エネルギーの利用率を向上させる。更に、吸気通路101は電源アセンブリ12に近接して配置され、外気が吸気通路101及びバッファ通路224aを介してタバコ20に直接到着する流路がより短くなり、吸気通路101及びバッファ通路224aが閉塞される可能性が減少し、電気加熱エアロゾル発生装置10全体の構造設計もより簡単になる。
【0043】
上述の実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするために、上記実施例中の各技術的特徴のすべての可能な組み合わせを説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせの間に矛盾がない限り、これらはいずれも本明細書に記載されている範囲と見なされるべきである。
【0044】
上述の実施例は、本発明のいくつかの実施形態を表すだけであり、その説明はより具体的かつ詳細であるが、その説明を発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。なお、当業者であれば、本発明の構想から逸脱することなく、いくつかの修正や改良を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。