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特許7487365シート給送装置、画像読取装置及び画像形成装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】シート給送装置、画像読取装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/14 20060101AFI20240513BHJP
   B65H 1/00 20060101ALI20240513BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B65H7/14
B65H1/00 501A
G03G15/00 401
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023028331
(22)【出願日】2023-02-27
(62)【分割の表示】P 2018182434の分割
【原出願日】2018-09-27
(65)【公開番号】P2023058746
(43)【公開日】2023-04-25
【審査請求日】2023-03-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大森 正樹
【審査官】藤村 聖子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-206822(JP,A)
【文献】特開2017-001878(JP,A)
【文献】特開2004-075210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00-7/20
B65H 1/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートが積載されるシート積載部と、
前記シート積載部からシートを給送方向に給送するシート給送手段と、
前記シート給送手段によって給送されるシートを第1検知位置において検知する第1検知手段と、
前記給送方向に直交する幅方向において前記第1検知位置より外側で、かつ、前記給送方向において前記第1検知位置よりも上流の第2検知位置においてシートを検知する第2検知手段と、
給送されるシートの幅が第1の幅である場合は、前記シート給送手段が先行シートの給送を開始した後、前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知状態を判定し、前記第1検知手段及び前記第2検知手段の少なくとも一方がシートを検知している状態からシートを検知していない状態に変化した場合に後続シートの給送を開始し、給送されるシートの幅が前記第1の幅よりも小さい第2の幅である場合は、前記シート給送手段が先行シートの給送を開始した後、前記第2検知手段の検知結果に関わらず、前記第1検知手段がシートを検知している状態からシートを検知していない状態に変化した場合に後続シートの給送を開始するように、前記シート給送手段を制御する制御手段と、を備え
ことを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記シート給送手段は、シートを搬送する搬送部材と、前記搬送部材に当接し、前記搬送部材によって搬送されるシートを分離する分離部材とを含み、
前記第2検知手段は、前記幅方向から見て前記搬送部材及び前記分離部材の少なくとも一方と重なる位置にある、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項3】
前記シート給送手段は、前記給送方向において前記搬送部材より上流に設けられ、前記シート積載部から前記搬送部材へ向けてシートを繰り出す繰り出し部材を含み、
前記第1検知位置は、前記給送方向において前記搬送部材及び前記分離部材のニップ位置より下流に設定され、前記第2検知位置は前記ニップ位置より上流に設定される、
ことを特徴とする請求項に記載のシート給送装置。
【請求項4】
前記シート給送手段は、シートを搬送する搬送部材と、前記搬送部材に当接し、前記搬送部材によって搬送されるシートを分離する分離部材と、前記給送方向において前記搬送部材より上流に設けられ、前記シート積載部から前記搬送部材へ向けてシートを繰り出す繰り出し部材と、を含み、
前記第1検知位置は前記給送方向において前記搬送部材及び前記分離部材のニップ位置より下流に設定され、前記第2検知位置は前記ニップ位置より上流に設定される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシート給送装置。
【請求項5】
前記第1検知位置は、前記幅方向に関して、シート給送装置が給送可能なシートの中で前記幅方向の長さが最も短い最小幅シートが通過する位置に設定され
前記第2検知位置は、前記幅方向に関して、前記最小幅シートが通過しない位置に設定される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート給送装置。
【請求項6】
前記シート給送手段からシートを受け取って搬送するシート搬送手段を備え、
前記シート搬送手段が先行シートを搬送し、かつ、前記シート給送手段が後続シートを搬送している状態において、前記シート搬送手段の搬送速度が前記シート給送手段の搬送速度より大きく設定されている、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシート給送装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート給送装置と、
前記シート給送装置によって給送されるシートから画像情報を読み取る読取手段と、を備えた、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート給送装置と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、を備えた、
ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを給送するシート給送装置並びにシート給送装置を備えた画像読取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像読取装置や画像形成装置に用いられるシート給送装置は、単位時間当たりの給送枚数を増加させて装置全体の生産性向上に寄与することが求められる。例えば、複写機又は複合機等のスキャナ機能を備えた画像形成装置において原稿を給送するための原稿搬送装置の場合、複数枚の原稿から短時間で画像情報の読み取りを行うために、可能な限り短い間隔で原稿を給送することが要求される。
【0003】
特許文献1には、原稿の分離を行う分離ニップより下流に設けられた第1のセンサと、分離ニップより上流に設けられた第2のセンサとを用いて次の原稿の給送タイミングを決定する原稿送り装置が記載されている。この文献によると、2つのセンサのいずれかが原稿を検知している状態から原稿を検知していない状態に変化した場合に、次の原稿の給送が開始可能と判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-202359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シート給送装置に関しては、生産性の向上のみならず、サイズの異なる多様なシートを安定して給送することも求められている。しかしながら、シートを検知するための複数のセンサを設ける場合において、他の部材との干渉を避ける等の種々の理由で幅方向におけるセンサの検知位置が揃わない場合がある。このような場合、特許文献1に記載の原稿送り装置のように複数のセンサの検知結果を組み合わせてシートの給送を制御した場合に、一部のセンサの挙動がシートのサイズによって変化することで給送動作が不安定になる場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、多様なシートを安定して給送すると共に、生産性を向上可能なシート給送装置並びにシート給送装置を備えた画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、シートが積載されるシート積載部と、前記シート積載部からシートを給送方向に給送するシート給送手段と、前記シート給送手段によって給送されるシートを第1検知位置において検知する第1検知手段と、前記給送方向に直交する幅方向において前記第1検知位置より外側で、かつ、前記給送方向において前記第1検知位置よりも上流の第2検知位置においてシートを検知する第2検知手段と、給送されるシートの幅が第1の幅である場合は、前記シート給送手段が先行シートの給送を開始した後、前記第1検知手段及び前記第2検知手段の検知状態を判定し、前記第1検知手段及び前記第2検知手段の少なくとも一方がシートを検知している状態からシートを検知していない状態に変化した場合に後続シートの給送を開始し、給送されるシートの幅が前記第1の幅よりも小さい第2の幅である場合は、前記シート給送手段が先行シートの給送を開始した後、前記第2検知手段の検知結果に関わらず、前記第1検知手段がシートを検知している状態からシートを検知していない状態に変化した場合に後続シートの給送を開始するように、前記シート給送手段を制御する制御手段と、を備え、ことを特徴とするシート給送装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、多様なシートを安定して給送すると共に、生産性の向上に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の実施形態に係る画像形成装置の概略図。
図2】本実施形態に係る画像読取装置の概略図(a)及びその制御構成を示すブロック図(b)。
図3】本実施形態に係る画像読取装置の一部を幅方向から見た図(a)及び上方から見た図(b)。
図4】本実施形態に係る原稿センサの検知結果と原稿の位置との関係を示す模式図(a~f)。
図5】本実施形態に係る原稿給送動作の制御方法を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための好ましい形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は画像読取装置1Sが装置本体2の上部に取り付けられた本実施形態の画像形成装置1を示す概略図である。画像読取装置1Sは、原稿Dから画像情報を読み取って装置本体2の制御基板に転送する。装置本体2は、画像読取装置1Sから受信した画像情報や、ネットワークを介して接続された外部のコンピュータから受信した画像情報に基づいて記録材Sに画像を形成する。原稿D又は記録材Sとして用いられるシートには、普通紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布が含まれる。
【0012】
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。図1に示すように、画像形成装置1の装置本体2には、電子写真方式の画像形成部3が搭載されている。本実施形態の画像形成部3はタンデム型中間転写方式の構成であり、4つの画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kと、中間転写体としての中間転写ベルト23と、を備えている。
【0013】
画像形成ユニット10Yは、電子写真プロセスによってイエローのトナー像を形成する。即ち、感光体である感光ドラム11が回転し、帯電装置12がドラム表面を一様に帯電させる。レーザスキャナ13は、画像情報に基づいて変調されたレーザ光を感光ドラム11に照射し、ドラム表面に静電潜像を書き込む。現像装置14は感光ドラム11に帯電したトナー粒子を供給し、ドラム表面の静電潜像をトナー像に現像する。このトナー像は、一次転写ローラ15によって中間転写ベルト23へと一次転写される。中間転写ベルト23へと転写されずに感光ドラム11に残留した転写残トナー等の付着物は、ドラムクリーナ16によって除去される。以上のプロセスは各画像形成ユニット10Y~10Kにおいて並行して進められ、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックの各色のトナー像が形成される。
【0014】
中間転写ベルト23は、二次転写内ローラ18を含む複数のローラに巻回され、感光ドラム11の回転方向に沿った方向(図中時計回り方向)に回転駆動される。画像形成ユニット10Y~10Kにおいて形成された各色のトナー像は、互いに重なり合うように一次転写され、中間転写ベルト23の上にフルカラーのトナー像が形成される。このトナー像は、中間転写ベルト23の回転により、二次転写内ローラ18とこれに対向する二次転写ローラ19との間に形成される二次転写部に搬送される。
【0015】
画像形成装置1は、記録材Sを給送するシート給送装置としてカセット給送部4及び手差し給送部5を備えている。カセット給送部4は複数のシート収納庫6を有し、給送ユニット7によっていずれかのシート収納庫6から記録材Sを1枚ずつレジストレーションローラ17へ向けて給送する。また、装置本体2の側部に設けられた手差し給送部5は、給送ユニット8によって1枚ずつレジストレーションローラ17へ向けて記録材Sを給送する。給送ユニット7,8は、シート収納庫6又は手差しトレイから記録材Sを送り出す給送ローラ等の給送部材と、給送部材によって搬送される記録材Sに重なる他の記録材Sに摩擦力を付与して重送を防ぐ分離ローラ又は分離パッド等の分離部材とを含む。
【0016】
レジストレーションローラ17は、画像形成部3によるトナー像の形成動作と同期を取って二次転写部に記録材Sを送り込む。二次転写部において中間転写ベルト23からトナー像を二次転写された記録材Sは、定着装置21に搬送される。定着装置21は、記録材Sを挟持して搬送しながらシート上のトナー像に熱及び圧力を付与することで、トナー像を記録材Sに定着させる。両面印刷の場合、定着装置21を通過した記録材Sは反転パス26に案内され、スイッチバック搬送によって第1面と第2面とが反転した状態で再び画像形成部3に給送され、第2面に画像を形成される。片面印刷の場合、及び両面印刷における第2面の画像形成が終了した場合、定着装置21を通過した記録材Sは排出ローラ25によって装置本体2から排出される。
【0017】
以上説明した画像形成部3はシートに画像を形成する画像形成手段の一例であり、直接転写方式の電子写真ユニットや、インクジェット方式又はオフセット印刷方式等の他の画像形成手段を用いてもよい。
【0018】
(画像読取装置)
次に、本実施形態に係る画像読取装置1Sについて説明する。図2(a)に示すように、画像読取装置1Sは、原稿Dを給送する原稿搬送装置(Auto Document Feeder。以下、ADFとする)10と、ADF10によって搬送される原稿から画像情報を読み取る読取部20とを備えている。ADF10は、本実施形態のシート給送装置である。読取部20には、本実施形態の読取手段である読取ユニット30が配置されている。
【0019】
本実施形態の画像読取装置1Sは、読取部20が画像形成装置1の装置本体2に固定されることで、プリンタ機能及びスキャナ機能を備えた画像形成装置1の一部を構成している。ただし、以下で説明する画像読取装置1Sを、画像形成装置とは独立した装置として構成することも可能である。
【0020】
読取部20は、プラテンガラス201と、原稿Dをプラテンガラス201からすくい上げるジャンプ台202と、原稿台ガラス203と、読取ユニット30と、を有している。読取ユニット30は、原稿の画像面に光を照射する照明306と、原稿からの反射散乱光を結像レンズ304に導くミラー301,302,303と、撮像素子としての電荷結合素子305とを備えた箱状のユニットである。また、読取ユニット30は、ベルト伝動機構によって、プラテンガラス201及び原稿台ガラス203の下方で副走査方向(図内左右方向)に移動可能である。
【0021】
ADF10は、原稿トレイ121と、給送ユニット100と、レジストレーションローラ対104と、搬送ローラ対105,106,108と、排出ローラ対109と、排出トレイ122と、を備えている。原稿トレイ121は本実施形態のシート積載部であり、給送ユニット100は本実施形態のシート給送手段である。
【0022】
原稿トレイ121には、画像の読み取りを行う原稿Dがセットされる。給送ユニット100は、原稿トレイ121から原稿Dを送り出す繰り出しローラ101と、繰り出しローラ101から受け取った原稿Dを1枚ずつに分離しながら搬送する分離ローラ対(102,103)とを有する。分離ローラ対は、モータからの駆動力が入力される分離駆動ローラ102と、原稿Dに摩擦力を付与して重送を防ぐと共に、重送が生じていない場合には分離駆動ローラ102に従動回転する分離従動ローラ103とによって構成される。レジストレーションローラ対104は、原稿Dの給送方向において分離ローラ対の下流に配置される。また、レジストレーションローラ対104、搬送ローラ対105,106,108及び排出ローラ対109は、読取ユニット30の読取位置を経由して原稿Dを順に受け渡して搬送するように配置される。排出トレイ122には排出ローラ対109によって排出された原稿Dが積載される。
【0023】
ADF10は、原稿トレイ121上の原稿Dを検知する原稿セットセンサS3と、原稿Dのサイズを検知する原稿サイズセンサS4,S5と、原稿トレイ121上の原稿Dの幅方向位置を揃える一対の規制板123と、を有している。規制板123は、原稿Dの幅方向(給送ユニット100による原稿Dの給送方向に直交する方向)に移動可能である。原稿サイズセンサS4は、規制板123の幅方向の位置を検知することで原稿Dの幅情報を取得する。原稿サイズセンサS5は、原稿トレイ121の給送方向下流端から上流側に所定距離離れた位置において原稿Dを検知するセンサであり、原稿Dの長さ情報を取得する。従って、原稿サイズセンサS4,S5の検知結果を組み合わせることで、原稿Dのサイズを判断することが可能となる。
【0024】
なお、原稿セットセンサS3及び原稿サイズセンサS5としては、原稿Dの存在を検知できる反射型や透過型の光学センサを用いることができる。また、原稿サイズセンサS4としては、例えば規制板123に設けられた遮蔽板によって遮光されるフォトインタラプタを用いることができる。
【0025】
また、ADF10は、給送動作を行う際に原稿Dを検知する第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2を有している。図3(a)に示すように、第1原稿センサS1は給送方向X1においてレジストレーションローラ対104のニップ位置N2より上流で、かつ、分離ローラ対のニップ位置N1より下流の検知位置P1(第1検知位置)で原稿Dを検知する。また、第2原稿センサS2は、分離ローラ対のニップ位置N1より上流で、かつ、原稿セットセンサS3の検知位置P3より下流の検知位置P2(第2検知位置)で原稿Dを検知する。
【0026】
図3(b)に示すように、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2の検知位置P1,P2は、幅方向Wの位置が異なっており、第2原稿センサS2の方が外側に位置している。ただし、「幅方向において外側」とは、ADFによって搬送される原稿Dの幅方向Wの基準位置となる搬送中心線C0から第2原稿センサS2の検知位置P2までの距離が、搬送中心線C0から第1原稿センサS1の検知位置P1までの距離より大きいことを表す。第2原稿センサS2は、幅方向Wから見て分離従動ローラ103又はその保持部材110と少なくとも部分的に重なる位置であって、これらの部材と干渉しない位置にある。また、上述の一対の規制板123(図2(a))は、第2原稿センサS2で検知可能な最小幅よりも内側まで移動可能である。
【0027】
なお、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2は、原稿Dの存在を検知できる反射型や透過型の光学センサを用いることができる。これらの光学センサの場合、検知位置P1,P2は原稿Dの搬送空間へ向けて放射される検知光の光軸位置を指す。また、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2として、搬送空間に向かって突出するフラグ部材が原稿Dに押圧されて揺動したことを検知するフォトインタラプタを用いることもできる。この場合、検知位置P1,P2はフラグ部材と原稿Dとの当接位置を指す。
【0028】
図2(b)は画像読取装置1Sの制御構成を示すブロック図である。画像読取装置1Sの制御部50は、中央処理装置(CPU)51及びメモリ52を有する。CPU51は、メモリ52に格納されたプログラムを読み出して実行し、画像読取装置1Sの動作を制御する。例えばCPU51は、後述のフローチャートに従って、各種センサS1~S5の検知結果に基づいて給送モータM1及びレジストレーションモータM2の駆動状態を制御する指令を発する。ただし、給送モータM1は給送ユニット100の駆動源であり、レジストレーションモータM2はレジストレーションローラ対104の駆動源である。
【0029】
メモリ52は、ランダムアクセスメモリ(RAM)等の一過性の記憶媒体、及び読取専用メモリ(ROM)又はハードディスクドライブ(HDD)等の非一過性の記憶媒体を含む。メモリ52は、プログラム及びデータの保管場所となると共にCPU51がプログラムを実行する際の作業スペースとなる。なお、制御部50は画像読取装置1Sの内部に搭載してもよく、画像形成装置1の装置本体2に搭載してもよい。
【0030】
(画像読取動作)
画像読取装置1Sは、原稿トレイ121に積載された原稿DをADF10により搬送しながら原稿を走査する流し読みモードと、原稿台ガラス203に静置された原稿を走査する固定読みモードとを選択的に実行可能である。流し読みモードは、原稿トレイ121に積載された原稿Dを原稿セットセンサS3が検出している場合に選択される。
【0031】
図2(a)を参照して流し読みモードによる画像読取動作を説明する。画像読取動作が開始されると、繰り出しローラ101が下降し、原稿トレイ121上の最上位の原稿Dに当接して原稿Dを繰り出す。原稿Dは、分離ローラ対(102,103)のニップ部において1枚ずつに分離される。ここで、分離駆動ローラ102にはモータからの駆動力が供給される一方で、分離従動ローラ103は、ADF10の枠体に固定された軸にトルクリミッタを介して連結されている。分離従動ローラ103は、ニップ部に入り込んだ原稿Dが1枚のときは分離駆動ローラ102に連れ回り、2枚以上の原稿Dが入り込んでいる場合は回転せずに摩擦力によって原稿同士を滑らせる。これにより、分離駆動ローラ102に接触している最上位の原稿Dのみが搬送される。
【0032】
なお、分離従動ローラ103は分離部材の一例である。駆動力が入力されない分離従動ローラ103に代えて、原稿Dの給送に逆らう方向(カウンター方向)の駆動力が入力されるリタードローラを用いても良い。また、分離従動ローラ103又はリタードローラに変えて、分離駆動ローラ102に当接する摩擦パッドによって原稿Dの分離を行うようにしてもよい。
【0033】
分離ローラ対のニップ部を通過した原稿Dは、先端(給送方向の下流端)が停止状態のレジストレーションローラ対104に突き当たることで斜行を補正される。その後、レジストレーションローラ対104が回転を開始すると、原稿Dは搬送ローラ対105,106によってプラテンガラス201に向けて搬送される。原稿Dが搬送される過程において、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2が原稿Dの検知結果に基づいて給送ユニット100やレジストレーションローラ対104の動作タイミングが決定される。例えば、第1原稿センサS1が原稿Dの先端を検知したタイミングを基準にレジストレーションローラ対104の駆動開始タイミングが決定される。また、後述するように、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2が原稿Dの後端の通過を検知したタイミングに基づいて、次の原稿Dを給送するための繰り出しローラ101の昇降タイミングや給送ユニット100の駆動開始タイミングが決定される。
【0034】
プラテンガラス201に対向するガイドローラ107は、原稿Dがプラテンガラス201から浮かないように案内する。そして、原稿Dがプラテンガラス201を通過する際に、読取ユニット30によって画像情報が読み取られる。具体的には、搬送中の原稿Dに対して照明306の光が照射され、原稿Dからの反射光がミラー301,302,303を介して結像レンズ304に導かれる。そして、結像レンズ304を通過した光は、電荷結合素子305の受光部に結像され、電荷結合素子305によって電子信号へと光電変換され、画像形成装置1の制御基板へと転送される。プラテンガラス201を通過した原稿Dは、ジャンプ台202によって搬送ローラ対108に導かれ、排出ローラ対109によって排出トレイ122に排出される。
【0035】
なお、固定読みモードは、原稿台ガラス203に原稿Dが載置されていることを読取部20のセンサが検出した場合、又は、画像形成装置1の操作パネルの操作によってユーザが明示的に指示した場合等に選択される。固定読みモードの場合、原稿台ガラス203に原稿Dが静置されている状態で、読取ユニット30が原稿台ガラス203に沿って移動しながら原稿Dを光学的に走査する。そして、電荷結合素子305によって電子信号へと変換された画像情報は、流し読みモードの場合と同じく画像形成装置1の制御基板へと転送される。
【0036】
(原稿の給送タイミング)
次に、流し読みモードにおいて複数枚の原稿を給送する際の給送タイミングについて説明する。一般的に、ADF10が先行原稿とこれに後続する後続原稿とを順に給送する場合、原稿同士の衝突によるダメージを回避するため、後続原稿の給送を開始しても先行原稿に衝突しないタイミングで後続原稿の給送が開始される。
【0037】
ここで、給送方向の位置が異なる原稿センサを複数配置することで、先行原稿と後続原稿の間隔を小さくして画像読取装置1Sの生産性向上を図ることが可能である。本実施形態では、第1原稿センサS1の検知位置P1が分離ローラ対のニップ位置N1より下流に設定され、第2原稿センサS2の検知位置P2が分離ローラ対のニップ位置N1より上流に設定されている(図3(a))。この場合、先行原稿の給送が開始されてから、第1原稿センサS1又は第2原稿センサS2の少なくとも一方が原稿を検知している状態から検知していない状態に変化した際に後続原稿の給送を開始すればよい。
【0038】
第1原稿センサS1又は第2原稿センサS2の少なくとも一方が検知状態から非検知状態に変化した際に後続原稿の給送を開始することで生産性が向上する理由を説明する。まず、第1原稿センサS1のみによって後続原稿の給送タイミングを決定する場合について考える。即ち、先行原稿D1の給送が開始された後、第1原稿センサS1が原稿を検知している状態(図4(a))から原稿を検知していない状態(図4(b)又は(c))に変化した場合に後続原稿D2の給送が開始されるものとする。この場合、後続原稿D2の給送が開始される時点では、分離ローラ対のニップ位置N1から第1原稿センサS1の検知位置P1までの区間に原稿が存在しないため、原稿同士の衝突は回避される。しかしながら、図4(d)又は(e)に示すように先行原稿D1の後端が後続原稿D2の先端より給送方向下流に離れた後も、先行原稿D1の後端が第1原稿センサS1の検知位置P1を通過するまでは後続原稿D2の給送は開始されない。つまり、後続原稿D2の給送を開始したときに先行原稿D1と衝突するか否かに関わらず、常にニップ位置N1から検知位置P1までの区間がマージンとして確保されてしまうため、生産性に改善の余地があることになる。
【0039】
そこで、第1原稿センサS1だけでなく、第2原稿センサS2が検知状態から非検知状態に変化した場合にも後続原稿D2の給送を開始してよいことにすれば、原稿同士の衝突を回避しつつ先行原稿D1と後続原稿D2の間隔を小さくすることが可能である。この場合、図4(d)、(e)に示すように先行原稿D1が第1原稿センサS1の検知位置P1を通過する前であっても、第2原稿センサS2が非検知状態となったことで先行原稿D1と後続原稿D2とが離れていることが分かる。そのため、図4(d)、(e)に示す状態で後続原稿D2の給送を開始しても、先行原稿D1との衝突は回避される。そして、第1原稿センサS1のみによって後続原稿の給送タイミングを決定する場合に比べて、図4(d)、(e)に示す状態で後続原稿D2の給送が開始される分、原稿の給送間隔が小さくなる。
【0040】
なお、第2原稿センサS2のみによって後続原稿D2の給送可否を判断する構成では、給送動作の安定性が損なわれる可能性がある。即ち、第2原稿センサS2の検知位置P2は、分離ローラ対のニップ位置N1より上流に配置されているため、図4(a)に示すように先行原稿D1に引きずられて後続原稿D2が第2原稿センサS2の検知位置P2まで移動する場合がある。この状態では、先行原稿D1が十分に遠ざかっても第2原稿センサS2が非検知状態とならないため、後続原稿D2の給送を開始してもよいか否かの判断を行うことができず、エラー処理が必要となる。
【0041】
ところで、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2の検知位置P1,P2は、図3(b)に示すように幅方向の位置が異なっており、第2原稿センサS2の検知位置P2の方が幅方向の外側に位置している。従って、原稿Dのサイズによっては、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2の検知結果に基づいて給送タイミングを適切に決定することができず、原稿同士の衝突が発生する可能性がある。
【0042】
即ち、図3(b)に示す原稿Dの側端は、幅方向Wにおいて第2原稿センサS2の検知位置P2より内側に位置している。この場合、図4(f)に示すように、第2原稿センサS2は原稿D1,D2の給送方向の位置に関わらず非検知状態となるため、第2原稿センサS2が非検知状態であることに基づいて後続原稿D2の給送を開始すると先行原稿D1に衝突する可能性がある。なお、図3(b)は、ADF10が正常に給送可能なサイズの中で幅方向Wの長さが最も短い原稿Dがセットされた様子を表している。ADF10が正常に給送可能なサイズとは、例えば一対の規制板123を原稿の側端に当接させることができる(つまり規制板123の可動範囲内に原稿の側端が位置する)サイズを指す。
【0043】
(原稿給送動作の制御方法)
そこで、本実施形態では、流し読みモードで複数枚の原稿を給送する場合に、原稿のサイズに基づいて給送動作のモードを変更する。以下、本実施形態における給送動作の制御方法について、図5のフローチャートに沿って説明する。以下、特に断らない限り、制御方法の各工程の処理を実行する主体は制御部50のCPU51(図2(b))である。
【0044】
図5のフローチャートは、例えば、ユーザが画像形成装置1の操作パネルを介してコピー動作の実行を指示した場合に開始される。まず、S101において原稿セットセンサS3の検知信号が確認される。原稿トレイ121に原稿が積載されている場合、即ち原稿セットセンサS3がONである場合(S102:Yes)、流し読みモードの給送動作(S103~S115)が実行される。原稿セットセンサS3がOFFであった場合(S102:No)、固定読みモードが実行されるためADF10は給送動作を行わない。
【0045】
流し読みモードの場合、原稿サイズセンサS4の検知結果に基づいて給送動作のモードが選択される。つまり、原稿の幅が第2原稿センサS2で検知可能な最小幅以上である場合(S103:Yes)、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2を用いて給送タイミングを決定する第1の原稿給送モード(S104~S110)が選択される。原稿の幅が最小幅より小さい場合(S103:No)、第1原稿センサS1のみを用いて給送タイミングを決定する第2の原稿給送モード(S111~S115)が選択される。
【0046】
「第2原稿センサS2で検知可能な最小幅」とは、原稿Dの幅方向Wの中心を搬送中心線C0(図3(b))に合わせた状態で、原稿Dの側端が、第2原稿センサS2の検知位置P2より所定距離だけ幅方向の外側に位置するような原稿の幅を表す。所定距離の大きさは、第2原稿センサS2が原稿サイズのばらつきや原稿のセット位置のばらつきに対して安定して原稿Dを検知できるようにするためのマージンを規定するものであり、ADF10の製品仕様として適宜設定される。所定距離を0mmとしてもよい。最小幅より幅が大きいサイズ(第1サイズ)の例はA5であり、最小幅より幅が小さいサイズ(第2サイズ)の例はハガキである(いずれも短辺長さを幅としている)。
【0047】
1.第1の原稿給送モード
第1の原稿給送モードでは、最上位の原稿Dの給送を開始(S104)した後、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2の検知信号の確認が行われる(S105,S107)。どちらのセンサS1,S2も検知状態(ON)である場合(S106:NoかつS108:No、図4(a)参照)、次の原稿Dを給送可能な状態ではないと判断され、次の原稿Dに対する給送動作は開始されない。この場合、例えば最上位の原稿Dを送り出した後に原稿の上方へと離間した繰り出しローラ101は、下降せずに上方位置に保持される。
【0048】
一方、いずれかのセンサS1,S2が、給送開始後に検知状態(ON)から非検知状態(OFF)に変化した場合(S106:Yes又はS108:Yes、図4(b)~(e)参照)、次の原稿Dを給送可能な状態と判断される。この場合、原稿セットセンサS3によって次の原稿Dがあるか否かの確認が行われ(S109)、次の原稿Dがある場合は(S110:Yes)、次の原稿Dの給送が開始される(S104)。以上のS104~S110の処理は、原稿トレイ121に積載された全ての原稿Dが給送されるまで繰り返し実行される。最後の原稿Dが給送されて、次の原稿Dが無いことが確認されると(S110:No)、処理が終了する。
【0049】
第1の原稿給送モードにおいて、図4(e)に示すように、先行原稿D1の後端が第2原稿センサS2の検知位置P2より下流かつ検知位置P2の近傍にある状態で後続原稿D2の給送が開始されると、原稿同士の間隔が狭い状態となる。ここで、本実施形態では、レジストレーションローラ対104による先行原稿の搬送速度(ローラの周速)が、分離ローラ対による後続原稿の搬送速度(分離駆動ローラ102の周速)より大きな値に設定されている。つまり、シート給送手段の搬送速度に比べて、下流側のシート搬送手段の搬送速度の方が大きく設定されている。このため、図4(e)のように同時に搬送される原稿同士の間隔が一時的に狭まったとしても、搬送速度差によって間隔が広がるため原稿同士の衝突は回避される。
【0050】
なお、変形例として、シート給送手段の搬送速度が下流側のシート搬送手段の搬送速度以上に設定されたり、下流側のシート搬送手段が一時的に停止するように設定されたりする場合がある。この場合、第2原稿センサS2が非検知状態となった直後に後続原稿D2の給送を開始すると原稿同士が衝突する可能性があるため、第2原稿センサS2が非検知状態となってから後続原稿D2の給送を開始するまでに適当な待機時間を設ける。待機時間を設ける方法としては、第1原稿センサS1が非検知状態となるまで待機する方法、又は下流側のシート搬送手段を駆動するモータの回転量を監視して先行原稿D1の搬送が十分進んだことを確認するまで待機する方法が挙げられる。
【0051】
2.第2の原稿給送モード
第2の原稿給送モードでは、最上位の原稿Dの給送を開始(S111)した後、第1原稿センサS1の検知信号の確認が行われる(S112)。第1原稿センサS1が検知状態(ON)である場合(S113:No、図4(a)、(d)~(f)参照)、次の原稿Dを給送可能な状態ではないと判断され、次の原稿Dに対する給送動作は開始されない。このとき、第1の原稿給送モードとは異なり、第2原稿センサS2が非検知状態であったとしても(図4(d)~(f))、次の原稿Dに対する給送動作は開始されない。
【0052】
第1原稿センサS1が、給送開始後に検知状態(ON)から非検知状態(OFF)に変化した場合(S113:Yes、図4(b)、(c)参照)、次の原稿Dを給送可能な状態と判断される。この場合、原稿セットセンサS3によって次の原稿Dがあるか否かの確認が行われ(S114)、次の原稿Dがある場合は(S115:Yes)、次の原稿Dの給送が開始される(S111)。以上のS111~S115の処理は、原稿トレイ121に積載された全ての原稿Dが給送されるまで繰り返し実行される。最後の原稿Dが給送されて、次の原稿Dが無いことが確認されると(S115:No)、処理が終了する。
【0053】
(本実施形態のまとめ)
本実施形態では、第1サイズの原稿を給送する場合に本実施形態の第1モードである第1原稿給送モードが実行され、第1サイズより原稿幅が小さい第2サイズの原稿を給送する場合に本実施形態の第2モードである第2原稿給送モードが実行される。第1サイズの例はハガキであり、第2サイズの例はA5である。
【0054】
第1原稿給送モードでは、給送ユニット100が先行原稿(先行シート)の給送を開始した後、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2の少なくとも一方が検知状態から非検知状態に変化した場合に後続原稿(後続シート)の給送が開始される。これにより、原稿同士の衝突を回避しつつ給送間隔を短くして、画像読取装置1Sの生産性向上に貢献する。一方、第2原稿給送モードでは、給送ユニット100が先行原稿の給送を開始した後、第2原稿センサS2の検知結果に関わらず、第1原稿センサS1が検知状態から非検知状態に変化した場合に後続原稿の給送が開始される。これにより、幅が短い原稿についても、原稿同士の衝突を回避して安定した給送動作を実現することができる。従って、本実施形態によれば、シート幅の異なる多様なシートに対して安定した給送動作を実現しつつ、生産性向上を図ることが可能となる。
【0055】
(変形例)
上述の実施形態では、幅方向におけるシートの長さに関する情報を取得するサイズ取得手段として、原稿位置を規制する規制板123の位置を検知する原稿サイズセンサS4を用いているが、他のサイズ取得手段を用いることも可能である。例えば、画像形成装置1の操作パネル等を介して原稿サイズが明示的に入力された場合、入力された原稿サイズに基づいて第1原稿給送モード又は第2原稿給送モードを実行するようにしてもよい。この場合、原稿サイズの入力を受け付けるためのテンキーやタッチパネル等の入力装置がサイズ取得手段となる。
【0056】
また、上述の実施形態では、第2原稿センサS2の検知位置P2が分離ローラ対のニップ位置N1より給送方向の上流にあるものとして説明したが、検知位置P2をニップ位置N1と同じ又はニップ位置N1より下流に配置してもよい。この場合も、先行原稿の給送開始後に第2原稿センサS2が検知状態から非検知状態に変化するタイミングは、第1原稿センサS1が検知状態から非検知状態に変化するタイミングより早い。従って、第1原稿給送モードにおいて第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2の少なくとも一方が検知状態から非検知状態に変化した場合に後続原稿の給送を開始するようにすれば、原稿同士の衝突を回避しつつ給送間隔を短くすることが可能である。
【0057】
また、画像読取装置1Sは、流し読みモードにおける原稿の給送動作として、第1原稿給送モード及び第2原稿給送モード以外のモードを備えていてもよい。例えば、幅方向の長さが異なる複数種類の原稿を、原稿トレイ121の一方の側壁に当接させて積載した状態で流し読みを行い、読み取られた画像の大きさから原稿サイズを自動的に判別するモード(混載モード)が挙げられる。混載モードにおいて次の原稿の給送を開始するタイミングは、例えば、第1原稿センサS1及び第2原稿センサS2の内、原稿が当接する側の側壁に近いセンサを用いて決定することが可能である。
【0058】
また、上述の実施形態及びその変形例で説明した技術は、カセット給送部4及び手差し給送部5(図1)を含めて、画像読取装置以外のシート給送装置にも適用可能である。
【0059】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0060】
1…画像形成装置/1S…画像読取装置/3…画像形成手段(画像形成部)/4,5,10…シート給送装置(ADF、カセット給送部、手差し給送部)/30…読取手段(読取ユニット)/50…制御手段(制御部)/100…シート給送手段(給送ユニット)/101…繰り出しローラ/102…搬送ローラ(分離駆動ローラ)/103…分離部材(分離従動ローラ)/104…シート搬送手段(レジストレーションローラ対)/121…シート積載部(原稿トレイ)/123…規制板/N1…ニップ位置/P1…第1検知位置/P2…第2検知位置/S1…第1検知手段(第1原稿センサ)/S2…第2検知手段(第2原稿センサ)/S4…サイズ取得手段(原稿サイズセンサ)
図1
図2
図3
図4
図5