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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】原稿給送装置及び画像読取装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 7/08 20060101AFI20240513BHJP
   B65H 3/06 20060101ALI20240513BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20240513BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20240513BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B65H7/08
B65H3/06 350A
G03G21/00 370
G03G15/00 107
H04N1/00 567J
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023122309
(22)【出願日】2023-07-27
(62)【分割の表示】P 2019166460の分割
【原出願日】2019-09-12
(65)【公開番号】P2023153165
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 宏一
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-101900(JP,A)
【文献】特開2016-088686(JP,A)
【文献】特開2008-250256(JP,A)
【文献】特開2005-263396(JP,A)
【文献】特開2018-158837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
B65H 7/00-7/20
B65H 43/00-43/08
G03G 13/04
G03G 13/045
G03G 13/056
G03G 15/00
G03G 15/04-15/043
G03G 15/047
G03G 15/056
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
G03G 21/20
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿が積載される積載部と、
前記積載部に積載された原稿を給送方向に給送する給送部と、
前記給送部により給送された原稿を1枚ずつに分離する分離部と、
前記給送方向における前記分離部の下流に配置され、前記給送部により給送された原稿を検知する第1センサと、
前記給送方向における前記分離部の下流であって、前記給送方向に直交する原稿の幅方向において前記第1センサとは異なる位置に配置された、前記給送部により給送された原稿を検知する第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が原稿を検知しない場合に、前記給送部による原稿の給送を停止する停止処理を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから前記所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が該原稿を検知した場合に、該原稿の先端が前記第1センサ及び前記第2センサの検知位置を通過した後であって原稿の後端が前記検知位置を通過する前は、前記第1センサ及び前記第2センサの検知結果に基づいた前記停止処理を実行しない
ことを特徴とする原稿給送装置。
【請求項2】
原稿が積載される積載部と、
前記積載部に積載された原稿を給送方向に給送する給送部と、
前記給送部により給送された原稿を1枚ずつに分離する分離部と、
前記給送方向における前記分離部の下流に配置され、前記給送部により給送された原稿を検知する第1センサと、
前記給送方向における前記分離部の下流であって、前記給送方向に直交する原稿の幅方向において前記第1センサとは異なる位置に配置された、前記給送部により給送された原稿を検知する第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が原稿を検知しない場合に、原稿が斜行していると判断する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから前記所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が該原稿を検知した場合に、該原稿の先端が前記第1センサ及び前記第2センサの検知位置を通過した後であって該原稿の後端が前記検知位置を通過する前は、前記第1センサ及び前記第2センサの検知結果に基づいた斜行の検知を実行しない、
ことを特徴とする原稿給送装置。
【請求項3】
原稿が積載される積載部と、
前記積載部に積載された原稿を給送方向に給送する給送部と、
前記給送部により給送された原稿を1枚ずつに分離する分離部と、
前記給送方向における前記分離部の下流に配置され、前記給送部により給送された原稿を検知する第1センサと、
前記給送方向における前記分離部の下流であって、前記給送方向に直交する原稿の幅方向において前記第1センサとは異なる位置に配置された、前記給送部により給送された原稿を検知する第2センサと、
前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が原稿を検知しない場合に、原稿がステープルで綴じられている判断する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから前記所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が該原稿を検知した場合に、該原稿の先端が前記第1センサ及び前記第2センサの検知位置を通過した後であって該原稿の後端が前記検知位置を通過する前は、前記第1センサ及び前記第2センサの検知結果に基づいたステープルの検知を実行しない、
ことを特徴とする原稿給送装置。
【請求項4】
前記制御部は、原稿の先端が前記第1センサ及び前記第2センサの前記検知位置を通過した後であって、該原稿の前記後端が前記第1センサ及び前記第2センサを通過するまでは、前記第1センサ及び前記第2センサの信号を無視する、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の原稿給送装置。
【請求項5】
前記第1センサは、前記給送部によって給送される原稿が通過する搬送路の前記幅方向における中心に対して前記幅方向の一方側に配置され、
前記第2センサは、前記中心に対して前記幅方向の他方側に配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の原稿給送装置。
【請求項6】
稿の前記給送方向における長さを取得する長さ取得部を更に備え、
前記制御部は、前記長さ取得部が取得した原稿の長さに基づいて、原稿の前記後端が前記検知位置を通過したことを判断する、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の原稿給送装置。
【請求項7】
前記長さ取得部は、前記給送方向において、前記給送部よりも下流かつ前記検知位置よりも上流に配置される、
ことを特徴とする請求項に記載の原稿給送装置。
【請求項8】
前記第1センサ及び前記第2センサは、前記幅方向に並んで配置されている、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の原稿給送装置。
【請求項9】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の原稿給送装置と、
前記原稿給送装置によって給送された原稿の画像を読み取る画像読取部と、
を備える、
ことを特徴とする画像読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を給送する原稿給送装置及びこれを備える画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、プリンタ本体の上部に配置され、原稿の画像を読み取る画像読取装置が知られており、画像読取装置は、原稿台に載置された原稿を1枚ずつに分離しつつ給送するADF(Auto Document Feeder)を有している。ADFは、ステープルされた原稿や糊付けされた原稿等の、所謂「綴じ原稿」を分離して給送することができず、原稿を分離するADF内の機構において、原稿が皺になったり破れたりすることがある。また、綴じ原稿がADFにおいて分離されずにそのまま給送されてしまうと、搬送路上でジャムとなる虞がある。
【0003】
従来、給紙方向に直交する幅方向において1直線上に配置される複数のスキュー検出センサを有するシート給送装置が提案されている(特許文献1参照)。このシート給送装置が例えば角が綴じられた綴じ原稿を給送してしまった場合、綴じ原稿の最上位の原稿が回転しながら給送されてしまう。そして、シート給送装置は、給送される綴じ原稿が回転しながら搬送されることを複数のスキュー検出センサによって検知し、原稿の給送を停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-193287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載のシート給送装置は、例えばパンチ孔の空いた原稿を給送する場合、スキュー検出センサ上をパンチ孔が通過する際に、当該スキュー検出センサがONからOFF、またOFFからONする。そして、このスキュー検出センサの検知結果を、シート給送装置が次に給送される原稿の先端の検知と誤認識してしまう虞があった。このとき、原稿が斜行していると誤検知し、意図せず原稿の給送が停止してしまう虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、斜行検知部による誤検知を低減可能な原稿給送装置及び画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、原稿給送装置において、原稿が積載される積載部と、前記積載部に積載された原稿を給送方向に給送する給送部と、前記給送部により給送された原稿を1枚ずつに分離する分離部と、前記給送方向における前記分離部の下流に配置され、前記給送部により給送された原稿を検知する第1センサと、前記給送方向における前記分離部の下流であって、前記給送方向に直交する原稿の幅方向において前記第1センサとは異なる位置に配置された、前記給送部により給送された原稿を検知する第2センサと、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が原稿を検知しない場合に、前記給送部による原稿の給送を停止する停止処理を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから前記所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が該原稿を検知した場合に、該原稿の先端が前記第1センサ及び前記第2センサの検知位置を通過した後であって原稿の後端が前記検知位置を通過する前は、前記第1センサ及び前記第2センサの検知結果に基づいた前記停止処理を実行しない、ことを特徴とする。
また、本発明は、原稿給送装置において、原稿が積載される積載部と、前記積載部に積載された原稿を給送方向に給送する給送部と、前記給送部により給送された原稿を1枚ずつに分離する分離部と、前記給送方向における前記分離部の下流に配置され、前記給送部により給送された原稿を検知する第1センサと、前記給送方向における前記分離部の下流であって、前記給送方向に直交する原稿の幅方向において前記第1センサとは異なる位置に配置された、前記給送部により給送された原稿を検知する第2センサと、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が原稿を検知しない場合に、原稿が斜行していると判断する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから前記所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が該原稿を検知した場合に、該原稿の先端が前記第1センサ及び前記第2センサの検知位置を通過した後であって該原稿の後端が前記検知位置を通過する前は、前記第1センサ及び前記第2センサの検知結果に基づいた斜行の検知を実行しない、ことを特徴とする。
また、本発明は、原稿給送装置において、原稿が積載される積載部と、前記積載部に積載された原稿を給送方向に給送する給送部と、前記給送部により給送された原稿を1枚ずつに分離する分離部と、前記給送方向における前記分離部の下流に配置され、前記給送部により給送された原稿を検知する第1センサと、前記給送方向における前記分離部の下流であって、前記給送方向に直交する原稿の幅方向において前記第1センサとは異なる位置に配置された、前記給送部により給送された原稿を検知する第2センサと、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が原稿を検知しない場合に、原稿がステープルで綴じられている判断する制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1センサ及び前記第2センサの一方が原稿を検知してから前記所定時間が経過するまでに前記第1センサ及び前記第2センサの他方が該原稿を検知した場合に、該原稿の先端が前記第1センサ及び前記第2センサの検知位置を通過した後であって該原稿の後端が前記検知位置を通過する前は、前記第1センサ及び前記第2センサの検知結果に基づいたステープルの検知を実行しない、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、斜行検知部による誤検知を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)はプリンタを示す全体概略図、(b)は画像形成エンジンを示す模式図。
図2】斜行検知センサの配置を示す平面図。
図3】制御系を示すブロック図。
図4】コピー動作を示すフローチャート。
図5】原稿長さ算出プロセスを示すフローチャート。
図6】(a)は給送開始位置に位置する原稿を示す平面図、(b)は計時開始位置に位置する原稿を示す平面図、(c)は計時終了位置に位置する原稿を示す平面図。
図7】斜行検知プロセスを示すフローチャート。
図8】(a)は斜行の有無が判断された時点の原稿の位置を示す平面図、(b)はパンチ孔が斜行検知センサに到達した時点の原稿の位置を示す平面図、(c)は後端が分離後センサを通過した時点の原稿の位置を示す平面図。
図9】(a)は綴じ原稿を示す平面図、(b)は綴じ原稿が給送された様子を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[全体構成]
本実施の形態に係る画像形成装置としてのプリンタ100は、電子写真方式のレーザビームプリンタである。プリンタ100は、図1(a)に示すように、プリンタ本体70と、プリンタ本体70の上部に装着される画像読取装置10と、を備えている。なお、以下において、シートとは、普通紙の他にも、コート紙等の特殊紙、封筒やインデックス紙等の特殊形状からなる記録材、及びオーバーヘッドプロジェクタ用のプラスチックフィルムや布などを含むものとし、原稿もシートの一例である。
【0011】
プリンタ本体70は、その内部に画像形成エンジン60を有している。画像形成エンジン60は、図1(b)に示すように、電子写真方式の画像形成部としての画像形成ユニットPUと、定着装置7と、を備えている。画像形成動作の開始が指令されると、感光体である感光ドラム1が回転し、ドラム表面が帯電装置2によって一様に帯電される。すると、露光装置3が、画像読取装置10又は外部のコンピュータから送信された画像データに基づいてレーザ光を変調して出力し、感光ドラム1の表面を走査して静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置4から供給されるトナーによって可視化(現像)されてトナー像となる。
【0012】
このような画像形成動作に並行して、不図示のカセット又は手差しトレイに積載されたシートを画像形成エンジン60へ向けて給送する給送動作が実行される。給送されたシートは、画像形成ユニットPUによる画像形成動作の進行に合わせて搬送される。そして、感光ドラム1に担持されたトナー像は、転写ローラ5によってシートに転写される。トナー像転写後に感光ドラム1上に残ったトナーは、クリーニング装置6によって回収される。未定着のトナー像が転写されたシートは、定着装置7へと受け渡されて、ローラ対に挟持されて加熱及び加圧される。トナーがシートに対して溶融及び固着して画像が定着したシートは、排出ローラ対等の排出部によって、排出される。
【0013】
[画像読取装置]
次に、画像読取装置10について詳述する。画像読取装置10は、図1(a)に示すように、原稿トレイ21に積載された原稿Dを給送し排出トレイ32に排出する原稿給送装置としてのADF20と、ADF20によって搬送される原稿を読み取る読取ユニット40と、を備えている。ADF20(Auto Document Feeder)は、原稿台ガラス41が開放可能となるように、ヒンジによって読取ユニット40に対して回動可能に支持されている。なお、原稿Dは、白紙でも、片面又は両面に画像が形成されていてもよい。
【0014】
ADF20は、給送部としてのピックアップローラ22と、分離駆動ローラ23及び分離従動ローラ24と、レジストレーションローラ対25と、搬送ローラ対26,30と、プラテンガイドローラ27と、排出ローラ対31と、を有している。また、ADF20は、原稿トレイ21上の原稿Dを検知する原稿有無センサS31と、給送方向において分離駆動ローラ23の下流に配置され原稿Dを検知する分離後センサS32と、原稿Dの斜行を検知する斜行検知センサS1,S2と、を有している。
【0015】
画像読取部としての読取ユニット40は、プラテンガラス28と、ジャンプ台29と、基準白板42と、原稿台ガラス41と、第1ミラー台43と、第2ミラー台44と、レンズ45と、CCDラインセンサ46と、を有している。第1ミラー台43の内部には、ランプ47と、ミラー48と、が配置されており、第2ミラー台44の内部には、ミラー49,50が配置されている。第1ミラー台43及び第2ミラー台44は、不図示のワイヤ及び駆動モータによって図内左右方向である副走査方向に移動可能に構成されている。
【0016】
画像読取装置10は、原稿トレイ21に積載された原稿DをADF20により給送しながら原稿画像を走査する流し読みモードと、原稿台ガラス41に載置された原稿を走査する固定読みモードと、により、原稿Dから画像情報を読み取る。流し読みモードは、積載部としての原稿トレイ21に積載された原稿Dを原稿有無センサS31が検出した場合、又はプリンタ本体70の操作パネル等によってユーザが明示的に指示した場合に選択される。
【0017】
流し読みモードが実行されると、不図示のアームに支持されたピックアップローラ22が下降し、原稿トレイ21上の最上位の原稿Dに当接する。原稿Dは、サイド規制板21a,21bによって幅方向の端部の位置を規制されている状態で原稿トレイ21にセットされている(図2参照)。
【0018】
そして、原稿Dは、ピックアップローラ22によって給送され、分離駆動ローラ23及び分離従動ローラ24によって形成される分離部としての分離ニップNにおいて1枚ずつに分離される。分離駆動ローラ23は、分離従動ローラ24より僅かに摩擦が少ないゴム材等から形成されている。分離従動ローラ24への駆動伝達経路には、トルクリミッタが配置されており、分離従動ローラ24は、給送された原稿が1枚の時には分離駆動ローラ23に連れ回り、給送された原稿が2枚以上の時には回転しない。このため、原稿を1枚ずつ分離することができる。なお、分離従動ローラ24に給送方向とは反対方向の駆動を入力してもよい。
【0019】
分離ニップNを通過した原稿の先端及び後端は、分離後センサS32によって検知され、ピックアップローラ22の昇降タイミングや駆動開始及び駆動停止タイミング、並びにレジストレーションローラ対25の駆動開始及び駆動停止タイミングの基準となる。
【0020】
搬送される原稿Dの先端は、停止状態のレジストレーションローラ対25に突き当たり、原稿Dの斜行が補正される。斜行が補正された原稿Dは、レジストレーションローラ対25によって搬送され、搬送ローラ対26によってプラテンガラス28に向けて搬送される。プラテンガイドローラ27は、プラテンガラス28に対向するように配置されており、プラテンガラス28を通過する原稿Dがプラテンガラス28から浮かないように案内している。
【0021】
そして、原稿Dの表面の画像がプラテンガラス28を介して読取ユニット40によって読み取られる。具体的には、搬送中の原稿Dに対してランプ47の光が照射され、原稿Dからの反射光がミラー48,49,50を介してレンズ45に導かれる。そして、レンズ45を通過した光は、CCDラインセンサ46の受光部に結像され、光電変換されてCPU81に画像情報が送信される。なお、基準白板42は、原稿Dの読取輝度の基準となる。プラテンガラス28を通過した原稿Dは、ジャンプ台29によって搬送ローラ対30に導かれ、排出ローラ対31によって排出トレイ32に排出される。
【0022】
一方、固定読みモードは、原稿台ガラス41に載置された原稿Dを装置が検出した場合又はプリンタ本体70の操作パネル等によってユーザが明示的に指示した場合に選択される。この場合、原稿台ガラス41上の原稿Dは動くことなく、第1ミラー台43及び第2ミラー台44が原稿台ガラス41に沿って移動する。そして、ランプ47が照射する光によって原稿Dを走査する。CCDラインセンサ46の受光素子によって光電変換された画像情報は、CPU81へと転送される。
【0023】
[斜行検知センサ]
図2に示すように、斜行検知センサS1,S2は、原稿Dの斜行を給送方向FDにおけるピックアップローラ22及び分離ニップNの下流に位置する検知位置DPで検知する斜行検知部90を構成している。また、斜行検知センサS1,S2は同一構成であり、例えば、原稿Dに光を照射する発光部と、発光部から照射され原稿Dにおいて反射した光を受光する受光部と、を有するフォトインタラプタから構成されている。そして、複数のセンサとしての斜行検知センサS1,S2は、給送方向FDに直交する幅方向Wにおいて互いに異なる位置に配置され、幅方向Wにおけるそれぞれの位置における原稿の有無に基づいて信号を出力する。
【0024】
より詳細には、第1センサとしての斜行検知センサS1は、原稿が通過する搬送路CPの幅方向Wにおける中心である中心線CLに対して、幅方向Wの一方側に配置されている。第2センサとしての斜行検知センサS2は、中心線CLに対して、幅方向Wの他方側に配置されている。なお、本実施の形態においては、斜行検知センサS1,S2が2個設けられているが、2個以上であればいくつ設けてもよい。分離後センサS32は、給送方向FDにおいて、ピックアップローラ22よりも下流かつ検知位置DPよりも上流に配置されている。
【0025】
[制御ブロック]
図3は、制御部としてのCPU81の制御ブロック図である。CPU81の入力側には、図3に示すように、斜行検知センサS1,S2、原稿有無センサS31及び分離後センサS32が接続されている。CPU81の出力側には、モータ制御部83を介して、ピックアップモータ84及び分離駆動モータ85が接続されている。駆動部としてのピックアップモータ84は、ピックアップローラ22を駆動し、分離駆動モータ85は、分離駆動ローラ23を駆動する。
【0026】
また、CPU81には、操作部506、記憶部507及び原稿長さ算出部508が接続されている。操作部506は、例えば操作パネルを有しており、コピージョブの開始や各種設定を行うことができる。記憶部507には、斜行検知センサS1,S2によって原稿Dの斜行を検知するための閾値Tth[ms]が保存されている。原稿長さ算出部508は、長さ検知部としての分離後センサS32の検知結果から原稿Dの副走査方向(給送方向FD)における長さを算出し、算出した原稿Dの長さをCPU81に入力する。
【0027】
[コピー動作]
次に、画像読取装置10によるコピー動作について図4に示すフローチャートに沿って説明する。なお、本実施の形態において、「綴じ原稿」とは、ステープルや糊付け等によって複数枚の原稿が原稿の厚み方向に繋がった原稿束若しくは該原稿束の内の1枚の原稿を言う。また、「綴じ原稿」は、針綴じや糊付けされた原稿に限らず、針なし綴じや製本された原稿でもよい。
【0028】
まず、CPU81は、図4に示すように、原稿有無センサS31によって原稿トレイ21に原稿が積載されているか判断する(ステップS101)。原稿トレイ21に原稿が積載されていない場合(ステップS101:NO)には、CPU81は次の処理に進まず、原稿トレイ21に原稿が積載されるまで待機する。
【0029】
原稿トレイ21に原稿が積載されていると判断された場合(ステップS101:YES)、CPU81は、コピージョブの開始が指示されたかどうかを判断する(ステップS102)。操作部506からコピージョブの開始が指示されていない場合(ステップS102:NO)には、CPU81は次の処理に進まず、コピージョブの開始が指示されるまで待機する。
【0030】
コピージョブの開始が指示されたと判断された場合(ステップS102:YES)、CPU81は、ピックアップローラ22によって原稿Dを給送させる(ステップS103)。原稿Dが給送されると、CPU81は、給送された原稿がジョブの1枚目か否かを判断する(ステップS104)。給送された原稿がジョブの1枚目の場合(ステップS104:YES)、CPU81は、後述する原稿長さ算出プロセス(ステップS105)及び斜行検知プロセス(ステップS106)を並行して行う。給送された原稿がジョブの2枚目以降の場合(ステップS104:NO)、CPU81は、原稿長さ算出プロセス(ステップS105)を行わずに、斜行検知プロセス(ステップS106)のみを行う。
【0031】
次に、CPU81は、斜行検知プロセス(ステップS106)において原稿Dの斜行を検知したか否かを判断する(ステップS107)。なお、本実施では、ステップS107において斜行が検知されたと判断された場合、例えば綴じ原稿が給送されたと判断する。綴じ原稿が給送されると、綴じ原稿の綴じ部を中心に綴じ原稿が回転する。このため、給送された綴じ原稿の先端部分が斜行してしまう。そこで、原稿Dの斜行が検知された場合(ステップS107:YES)、CPU81は、ピックアップモータ84及び分離駆動モータ85を停止させることで原稿Dの給送を停止させ(ステップS108)、処理を終了する。
【0032】
原稿Dの斜行が検知されない場合(ステップS107:NO)、CPU81は、給送された原稿Dが当該コピージョブ又は原稿トレイ21に積載された最終原稿であるか否かを判断する(ステップS109)。最終原稿であると判断された場合(ステップS109:YES)、ステップS108に進む。最終原稿ではないと判断された場合(ステップS109:NO)、ステップS103に戻り、次の原稿が給送される。
【0033】
なお、本実施の形態におけるステップS106,S107,S108は、斜行検知部90による検知結果に基づいて、ピックアップローラ22による原稿の給送を停止させる停止処理を構成する。
【0034】
[原稿長さ算出プロセス]
次に、原稿長さ算出プロセス(図4のステップS105)について図5に示すフローチャートに沿って説明する。図5に示すように、原稿長さ算出プロセスが開始されると、CPU81は、分離後センサS32がONとなったか否かを判断する(ステップS201)。なお、分離後センサS32は、例えば斜行検知センサS1,S2と同様にフォトインタラプタから構成され、分離後センサS32の検知位置において原稿Dが存在する場合にONとなり、原稿Dが存在しない場合にOFFとなる。
【0035】
なお、以下では、ジョブの1枚目の原稿を原稿D1、ジョブの2枚目の原稿を原稿D2、ジョブの3枚目の原稿を原稿D3として、ジョブの4枚目の原稿を原稿D4として説明する。
【0036】
分離後センサS32がOFFの場合(ステップS201:NO)、CPU81は次の処理に進まず、分離後センサS32がONになるまで待機する。分離後センサS32がONとなった場合(ステップS201:YES)、CPU81は、不図示のタイマによって計時を開始する(ステップS202)。この時、原稿D1は、図6(a)に示す給送開始位置から、図6(b)に示す計時開始位置まで進み、先端が分離後センサS32の検知位置に到達したところである。なお、タイマは、CPU81に内蔵されるものであっても、CPU81の外部に設けられたものでもよい。
【0037】
次に、CPU81は、分離後センサS32がOFFとなったか否かを判断する(ステップS203)。分離後センサS32がONのままの場合(ステップS203:NO)、CPU81は次の処理に進まず、分離後センサS32がOFFになるまで待機する。分離後センサS32がOFFとなった場合(ステップS203:YES)、CPU81は、タイマによる計時を終了する(ステップS204)。この時、原稿D1は、図6(c)に示す計時終了位置まで進み、後端が分離後センサS32の検知位置を通過したところである。
【0038】
そして、CPU81は、ステップS202からステップS204までの間でタイマが計時した時間と、原稿Dの搬送速度と、に基づいて原稿長さLv[mm]を算出する(ステップS205)。例えば、タイマが計時した時間が142[ms]、原稿D1の搬送速度が260[mm/s]の場合、原稿長さLvは260×1.142=296.92[mm]であると算出される。算出された原稿長さLvは、記憶部507(図3参照)に格納される。
【0039】
[斜行検知プロセス]
次に、斜行検知プロセス(図4のステップS106)について図7に示すフローチャートに沿って説明する。なお、以下の説明では、ジョブの1枚目の原稿D1の原稿長さ算出プロセスが既に終了し、原稿長さLv[mm]が既に記憶部507に格納されているものとする。そして、以下では、原稿D2及び原稿D3が給送される際の斜行検知プロセスについて説明する。原稿D3は、例えば綴じ原稿の内の最上位の原稿である。
【0040】
図7に示すように、斜行検知プロセスが開始されると、CPU81は、斜行検知センサS1がONになったか否かを判断する(ステップS301)。斜行検知センサS1がONになったと判断された場合(ステップS301:YES)、CPU81は、斜行検知センサS2がONになったか否かを判断する(ステップS302)。斜行検知センサS2がONになったと判断された場合(ステップS302:YES)、CPU81は、原稿D2の斜行が検知されなかったと判断する(ステップS303)。
【0041】
ここで、綴じ原稿を給送した場合の、綴じ原稿の最上位原稿の挙動について図9(a)(b)を用いて説明する。図9(a)に示すように、原稿D3,D4は、ステープルSTで綴じられた綴じ原稿の一部を構成し、原稿D3は、綴じ原稿の最上位原稿である。原稿D4は、原稿D3に隣接する原稿である。
【0042】
ピックアップローラ22が原稿D3の上面に接触し、ピックアップローラ22による原稿D3の給送が開始されると、図9(b)に示すように、原稿D3はステープルSTを中心に回転しながら給送される。これは、分離駆動ローラ23及び分離従動ローラ24によって原稿D3と原稿D4が分離されつつ、原稿D3のみがピックアップローラ22及び分離駆動ローラ23によって搬送されるためである。
【0043】
このように原稿D3が給送されると、幅方向Wにおいて、原稿D3のステープルST側は搬送されず、原稿D3のステープルSTとは反対側のみが給送方向における下流に進む。よって、斜行検知センサS1はOFFのままであるが、斜行検知センサS2のみがONとなって、原稿D3が斜行していることが検知される。
【0044】
図7のフローチャートの説明に戻ると、ステップS301において斜行検知センサS1がONになっていないと判断された場合(ステップS301:NO)、CPU81は斜行検知センサS2がONになったか否かを判断する(ステップS304)。斜行検知センサS2がONになっていないと判断された場合(ステップS304:NO)、ステップS301に戻る。
【0045】
斜行検知センサS2がONになったと判断された場合(ステップS304:YES)、CPU81は、再び斜行検知センサS1がONになったか否かを判断する(ステップS305)。斜行検知センサS1がONになったと判断された場合(ステップS305:YES)、ステップS303に進む。
【0046】
斜行検知センサS1がONになっていないと判断された場合(ステップS305:NO)、CPU81は、斜行検知センサS2がONになった後、閾値Tth[ms]が経過したか否かを判断する(ステップS306)。閾値Tth[ms]が経過していないと判断された場合(ステップS306:NO)、ステップS305に戻る。そして、閾値Tth[ms]が経過したと判断された場合(ステップS306:YES)、CPU81は、原稿D2の斜行が検知されたと判断する(ステップS308)。
【0047】
同様にして、ステップS302において斜行検知センサS2がONになっていないと判断された場合(ステップS302:NO)、CPU81は、斜行検知センサS1がONになった後、閾値Tth[ms]が経過したか否かを判断する(ステップS307)。そして、閾値Tth[ms]が経過したと判断された場合(ステップS307:YES)、CPU81は、原稿D2の斜行が検知されたと判断する(ステップS308)。
【0048】
閾値Tth[ms]は、記憶部507に保存されている値であり、原稿の搬送速度によって決められる。本実施の形態では、例えば閾値Tth[ms]は30[ms]に設定される。なお、ステップS306とステップS307で閾値を同じ値にしなくてもよく、それぞれ別の閾値を設定してもよい。いずれにせよ、ステップS306,S307では、斜行検知センサS1が出力した信号と斜行検知センサS1が出力した信号の時間差が所定の閾値を超えたか否かを判断する。そして、この時間差が所定の閾値を超えた場合に、原稿の斜行が検知される。
【0049】
ステップS303又はステップS308の処理の後に、CPU81は現在給送されている原稿がジョブの1枚目か否かを判断する(ステップS309)。現在給送されている原稿がジョブの1枚目である場合(ステップS309:YES)、処理を終了する。現在給送されている原稿がジョブの1枚目ではない場合(ステップS309:NO)、CPU81は、現在給送されている原稿の後端が斜行検知センサS1,S2を通過するまで、斜行検知センサS1,S2の出力を無視する(ステップS310)。これにより、斜行検知センサS1,S2の出力が原稿の斜行があると判断される値であったてしても、原稿の斜行がなしと判断される。
【0050】
ここで、ステップS310について図8(a)~(c)を用いながらより詳しく説明する。以下では、原稿D2が孔の空いた原稿である場合を例に説明する。原稿D2の後端部には、孔としての複数のパンチ孔Pdが幅方向Wに沿って空けられている。図8(a)は、原稿D2の斜行の有無がCPU81によって判断された時点の原稿D2の位置を示している。図8(b)は、原稿D2のパンチ孔Pdが斜行検知センサS1,S2を通過する時点の原稿D2の位置を示している。図8(c)は、原稿D2の後端91が斜行検知センサS1,S2を通過した時点の原稿D2の位置を示している。
【0051】
図8(b)に示すように、原稿D2のパンチ孔Pdが斜行検知センサS1,S2を通過する際に、斜行検知センサS1,S2の信号を斜行検知の判断に使用すると、原稿が斜行していると誤検知し、意図せず原稿の給送が停止してしまう虞がある。例えば、パンチ孔Pdによって斜行検知センサS1のみがOFF/ONされ、斜行検知センサS2はONのままだとすると、斜行検知センサS1が出力した信号と斜行検知センサS1が出力した信号の時間差が閾値を超えてしまうことがある。
【0052】
そこで、CPU81は、ステップS310において、図8(a)の時点から図8(c)の時点までの斜行検知センサS1,S2の出力である信号を無視する。具体的には、CPU81は、給送されている原稿D2の斜行検知が終了してから、原稿D2の後端91が斜行検知センサS1,S2を通過するまでの斜行検知センサS1,S2の信号を無視する。
【0053】
この時、原稿D2の後端91が斜行検知センサS1,S2を通過するために必要な原稿D2の搬送量は、原稿長さ算出プロセス(ステップS105)で算出した値と、斜行検知センサS1,S2の位置と、から予想される。ここで、分離後センサS32と斜行検知センサS1,S2との間の給送方向FDにおける距離を距離ds[mm]とする。すると、原稿D2の先端92が分離後センサS32に到達した時から、距離ds+Lv[mm]だけ原稿D2を搬送すると、原稿D2の後端91が斜行検知センサS1,S2を通過すると予想できる。本実施の形態では、例えば距離ds[mm]は20[mm]に設定される。
【0054】
よって、距離ds+Lv=20+296.92=316.92[mm]となり、原稿D2の先端が分離後センサS32に到達した時から、原稿D2を316.92[mm]以上搬送させると、原稿D2の後端が斜行検知センサS1,S2を通過することになる。これにより、先行原稿としての原稿D2のパンチ孔Pdによって、後続原稿としての原稿D3の斜行が誤検知されることが低減され、意図せず原稿の給送が停止してしまうことを防止できる。
【0055】
特に、近年の画像形成装置では、先行原稿と後続原稿との間の距離(いわゆる、紙間)を短くすることで生産性の向上が図られており、先行原稿が斜行検知センサS1,S2を通過している途中で後続原稿の給送が開始されることがある。この場合、先行原稿のパンチ孔によって、斜行検知センサS1,S2の誤検知に起因して後続原稿が斜行していると判断され、後続原稿の給送が意図せず停止してしまうことがある。
【0056】
本実施の形態では、先行原稿の後端が斜行検知センサS1,S2を通過するまで斜行検知センサS1,S2の信号を無視するので、斜行検知センサS1,S2の誤検知が低減し、意図しない原稿の停止を防止することができる。すなわち、先行原稿の先端が斜行検知センサS1,S2の検知位置DPを通過した後であって先行原稿の後端が検知位置DPを通過する前には、斜行検知センサS1,S2の検知結果に拘らず、後続原稿に対する停止処理を実行しない。すなわち、後続原稿の給送が継続される。そして、先行原稿の後端が検知位置DPを通過した後、後続原稿の給送中に、斜行検知センサS1が出力した信号と斜行検知センサS2が出力した信号の時間差が閾値Tthを超えた場合、ピックアップモータ84の駆動を停止させる。これにより、後続原稿に対して停止処理が実行され、後続原稿の給送が中断される。
【0057】
なお、本実施の形態では、ジョブの2枚目の原稿D2の後端が斜行検知センサS1,S2を通過するまで、斜行検知センサS1,S2の信号を無視する例を説明したが、これに限定されない。例えば、ジョブの1枚目の原稿D1に対して原稿長さ算出プロセスを実行しつつ、原稿D1の後端が斜行検知センサS1,S2を通過するまで、斜行検知センサS1,S2の信号を無視してもよい。また、ジョブの3枚目以降の原稿の後端が通過するまで、斜行検知センサS1,S2の信号を無視してもよいのはもちろんである。
【0058】
また、本実施の形態では、パンチ孔Pdを有する原稿D2を用いて説明したが、パンチ孔Pdに限らず、角折れした原稿や一部が破損した原稿等にも本発明を適用できる。
【0059】
また、本実施の形態では、ステップS310において斜行検知センサS1,S2の信号を無視するように制御していたが、これに限定されない。例えば、斜行検知センサS1,S2の信号自体が出力されないように制御してもよく、斜行検知センサS1,S2への電源供給を停止してもよい。
【0060】
また、本実施の形態では、ジョブの1枚目の原稿D1に対して、分離後センサS32によって原稿長さ算出プロセスを実行することで、原稿の長さを検知していたが、これに限定されない。例えば、プリンタ100に設けられた操作部506や、外部のコンピュータ等から原稿の長さ情報を入力してもよい。また、サイド規制板21a,21bが操作されるまでは、従前のジョブにおける原稿の長さ情報を引き続き使用し、原稿長さ算出プロセスを省いてもよい。
【0061】
また、本実施の形態では、分離後センサS32の検知結果を用いて、原稿の後端が斜行検知センサS1,S2を通過するタイミングを予想していたが、これに限定されない。例えば、原稿トレイ21にセットされた原稿の先端位置、斜行検知センサS1,S2の位置及び原稿長さLvから、原稿の後端が斜行検知センサS1,S2を通過することを判断してもよい。
【0062】
また、本実施の形態では、分離後センサS32及び斜行検知センサS1,S2がフォトインタラプタから構成されていたが、フラグ式や感圧式等の他のセンサを適用してもよい。また、プリンタ本体70に設けられたCPU81によって、原稿長さ算出プロセスや斜行検知プロセス等の制御を実行していたが、これに限らず、例えば画像読取装置10に設けられたCPUによって上記制御を実行してもよい。
【0063】
なお、既述のいずれの形態においても、電子写真方式のプリンタを用いて説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ノズルからインク液を吐出させることでシートに画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置にも本発明を適用することが可能である。
【符号の説明】
【0064】
10:画像読取装置/20:原稿給送装置(ADF)/21:積載部(原稿トレイ)/22:給送部(ピックアップローラ)/40:画像読取部(読取ユニット)/81:制御部(CPU)/84:駆動部(ピックアップモータ)/91:後端/CL:中心(中心線)/CP:搬送路/D2:先行原稿(原稿)/D3:後続原稿(原稿)/DP:検知位置/FD:給送方向/N:分離ニップ/Pd:孔(パンチ孔)/S1:第1センサ(斜行検知センサ)/S2:第2センサ(斜行検知センサ)/S32:長さ検知部(分離後センサ)/Tth:閾値/W:幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9