IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士機械製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-表示装置 図1
  • 特許-表示装置 図2
  • 特許-表示装置 図3
  • 特許-表示装置 図4
  • 特許-表示装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/08 20060101AFI20240513BHJP
【FI】
H05K13/08 Q
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023138022
(22)【出願日】2023-08-28
(62)【分割の表示】P 2019037585の分割
【原出願日】2019-03-01
(65)【公開番号】P2023153421
(43)【公開日】2023-10-17
【審査請求日】2023-08-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100162237
【弁理士】
【氏名又は名称】深津 泰隆
(74)【代理人】
【識別番号】100191433
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 友希
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 敏也
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-114692(JP,A)
【文献】国際公開第2018/220788(WO,A1)
【文献】特開2006-210729(JP,A)
【文献】特開2015-225905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板における部品の実装状態の外観検査で使用される検査画像を記憶する記憶部と、
所定条件として、実装位置、部品の種類、部品を供給するスロット、部品を実装するノズル、及び部品が実装される位置のいずれか一つを選択指定可能な指定部と、
画像を表示する表示部と、
前記表示部に前記検査画像のうちの前記所定条件と一致する部分を時系列で並べて表示する表示装置。
【請求項2】
前記表示部に、前記検査画像のうちの前記所定条件と一致する部分を時系列でスクロール表示して、時間の経過により変化していく過程を確認可能とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部に、前記検査画像のうちの前記所定条件と一致する部分と合わせて部品の実装時間を表示する請求項1または請求項2に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板における部品の実装状態を外観検査で使用される画像を表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、基板における部品の実装状態を外観検査で管理する実装管理装置に関し、種々の技術が提案されている。例えば、下記特許文献1には、部品実装基板に対する自動外観検査において実装不良と判定された部品について、前記検査に用いられた画像を表示し、この表示により不良判定の適否を判断した作業者の操作を受け付けることにより、各部品の良/不良を最終決定する方法であって、同一の判定基準に基づく自動外観検査により不良と判定された複数の部品を対象に、これらの部品の検査に用いられた画像を、各画像から求められて前記判定基準と比較された特徴量の当該判定基準に対する逸脱度合いの大きさ順に並べた画像リストを作成し、前記画像リストを表示して、その表示画面に対し、不良判定を確定すべき部品群と不良判定を確定すべきでない部品群との境界位置を指定する操作を受け付けて、操作により指定された境界位置に基づき、各部品の良/不良を最終決定することを、特徴とする部品実装検査の検査結果確認方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-103648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の検査結果確認方法によれば、表示された部品リストは、不良の程度の順に並んでいるので、不良判定を確定すべき部品群と不良判定を確定すべきでない部品群との境界位置の指定を容易に行うことができるが、不良が時間の経過とともに変化していく過程を確認することは困難であった。
【0005】
本開示は、上述した点を鑑みてなされたものであり、基板における部品の実装状態の経時変化を外観検査で使用される検査画像で視認することが可能な表示装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、基板における部品の実装状態の外観検査で使用される検査画像を記憶する記憶部と、所定条件として、実装位置、部品の種類、部品を供給するスロット、部品を実装するノズル、及び部品が実装される位置のいずれか一つを選択指定可能な指定部と、画像を表示する表示部と、表示部に検査画像のうちの所定条件と一致する部分を時系列で並べて表示する表示装置を、開示する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、実装管理装置は、基板における部品の実装状態の経時変化を外観検査で使用される検査画像で視認することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】部品実装ラインに設けられた本実施形態の実装管理装置の構成例を表したブロック図である。
図2】同実装管理装置で使用される検査画像例を表した図である。
図3】同実装管理装置の表示例を表した図である。
図4】同実装管理装置の表示例を表した図である。
図5】同実装管理装置の表示例を表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の好適な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。但し、図面では、構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。
【0010】
本実施形態では、例えば、図1に表された部品実装ライン1において、本実施形態の実装管理装置21が設けられている。部品実装ライン1では、複数台の電子部品実装機3及び1台の外観検査装置5等が配置されており、搬送経路7上に搬送される各基板9に対し電子部品が実装される。
【0011】
各電子部品実装機3は、電子部品供給部11、実装ヘッド部13、及び複数の吸着ノズル15等を備えている。電子部品供給部11は、複数のスロットを備え、各スロットに取り付けられたフィーダで電子部品を供給するものである。実装ヘッド部13は、電子部品を吸着ノズル15で吸着して基板9に実装するものである。実装ヘッド部13では、実装される電子部品のサイズや種類に応じて、吸着ノズル15が付け替えられる。実装ヘッド部13には、電子部品の実装の際に使用される実装用カメラ17が固定されている。
【0012】
外観検査装置5は、基板9に実装された各電子部品の実装状態の良否を外観検査用カメラ19等で行うものである。
【0013】
尚、部品実装ライン1には、不図示のはんだ印刷装置及びリフロー装置等が配置されるが、それらの装置は、公知技術で構成されるため、その詳細な説明は省略する。
【0014】
本実施形態の実装管理装置21は、不図示の入出力インターフェースを介して、各電子部品実装機3及び外観検査装置5等と通信回線Lで接続されており、制御部23、記憶部25、表示部27、及び入力部29等を備えている。
【0015】
制御部23は、実装管理装置21の全体制御を司るものであって、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等で構成される。制御部23は、管理部23A及び抽出部23B等の機能部を有
している。管理部23A及び抽出部23Bの制御機能については、後述する。
【0016】
記憶部25は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)等で構成され、電子部品実装機3
及び外観検査装置5から送信されたデータが記憶される。表示部27及び入力部29は、タッチパネルで構成されている。但し、表示部27は、例えば、LCD(Liquid Crystal
Display)等で構成され、入力部29は、例えば、キーボード又はマウス等で構成されてもよい。
【0017】
記憶部25に記憶される、外観検査装置5から送信されたデータには、例えば、図2に表された検査画像31が含まれる。検査画像31は、外観検査装置5において、外観検査用カメラ19で取得され、基板9における電子部品の実装状態の外観検査が行われる際に使用される。尚、検査画像31は、基板9が不図示のリフロー装置でリフロー処理された後で取得されたものであってもよい。
【0018】
検査画像31には、1個の基板9が撮像されている。その基板9には、同じワークサイズの、4個のボードB1,B2,B3,B4が面付けされている。各ボードB1,B2,B3,B4では、同じ実装位置において、同じ種類の電子部品が実装されている。具体的
には、各ボードB1,B2,B3,B4では、3個の実装位置R1,R2,R3が設けられている。各実装位置R1,R2には、電子部品P1が実装されている。これに対して、実装位置R3には、電子部品P1とは異なる種類の電子部品P2が実装されている。
【0019】
検査画像31は、その特定情報Dが関連付けられた状態で、実装管理装置21の記憶部25に記憶される。特定情報Dには、検査画像31(基板9)を特定する情報に加えて、検査画像31が外観検査用カメラ19で取得された時間等が含まれている。このようにして、実装管理装置21の記憶部25には、複数の検査画像31が蓄積される。
【0020】
以下、各ボードB1,B2,B3,B4を区別せず総称する場合は、ボードBと記載する。この点は、各実装位置R1,R2,R3及び各電子部品P1,P2についても、同様である。
【0021】
外観検査装置5で行われる外観検査では、検査画像31において、例えば、基板9の四隅の一つを基準点Oとして、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向(回転方向)が設定され、電子部品Pにおける各方向の位置ずれがパターンマッチング等で算出される。算出された各方向の位置ずれのデータは、そのデータ対象の電子部品Pが実装されている基板9、ボードB、及び実装位置Rを特定するデータと関連付けられた状態で実装管理装置21に送信され、外観検査装置5から送信されたデータとして、実装管理装置21の記憶部25に記憶される。
【0022】
実装管理装置21では、図3乃至図5に表されるようにして、表示部27の表示内容が制御される。その制御は、記憶部25に記憶された複数の検査画像31及びデータに基づいて、管理部23A及び抽出部23Bによって行われる。図3に表されるように、表示部27には、表41及びスクロールバー42が表示される。表41の表示領域は、スクロールバー42で移動される。表41は、複数の行及び複数の列で構成されている。表41には、それを構成する複数の列として、基板番号の欄41A、ボード番号の欄41B、実装位置の欄41C、部品種類の欄41D、X軸方向の欄41E、Y軸方向の欄41F、θ方向の欄41G、スロット番号の欄41H、ノズル番号の欄41I、及び実装時間の欄41Jが設けられている。
【0023】
基板番号の欄41A、ボード番号の欄41B、及び実装位置の欄41Cには、基板9、ボードB、及び実装位置Rを特定するデータが表示される。部品種類の欄41Dには、電子部品Pの種類を特定するデータが表示される。X軸方向の欄41E、Y軸方向の欄41F、及びθ方向の欄41Gには、表41の行で関連付けられた実装位置Rの電子部品Pについて、X軸方向、Y軸方向、及びθ方向の各位置ずれを示すデータが表示されている。それらのデータは、外観検査装置5から送信されたデータであって、実装管理装置21の記憶部25に記憶されたものである。
【0024】
尚、図3乃至図5に表された表41には、ボード番号の欄41B、実装位置の欄41C、及び部品種類の欄41Dにおいて、ボードB、実装位置R、及び電子部品Pの各符号が、上述した特定するデータとして記載されている。
【0025】
スロット番号の欄41H、ノズル番号の欄41I、及び実装時間の欄41Jには、表41の行で関連付けられた実装位置Rの電子部品Pについて、それが供給された電子部品供給部11におけるフィーダのスロット、実装で使用された吸着ノズル15、及び実装された時間を特定するデータが表示される。それらのデータは、各電子部品実装機3から送信されたデータであって、実装管理装置21の記憶部25に記憶されたものである。
【0026】
表41を構成する複数の行のうち、1個の行が入力部29のタップ操作等で指定される
と、図4に表されるように、表示部27には、上述した表41に加えて、リストボックス43が表示される。リストボックス43には、実装位置、部品種類、スロット番号、及びノズル番号の各項目43A,43B,43C,43Dが設けられている。
【0027】
リストボックス43において、実装位置の項目43Aが入力部29のタップ操作等で指定されると、表41において入力部29で指定された行の実装位置の欄41Cに表示されている実装位置Rが特定される。部品種類の項目43Bが入力部29のタップ操作等で指定されると、表41において入力部29で指定された行の部品種類の欄41Dに表示されている電子部品Pの種類が特定される。スロット番号の項目43Cが入力部29のタップ操作等で指定されると、表41において入力部29で指定された行のスロット番号の欄41Hに表示されているスロットが特定される。ノズル番号の項目43Dが入力部29のタップ操作等で指定されると、表41において入力部29で指定された行のノズル番号の欄41Iに表示されているノズルが特定される。
【0028】
このようにして、リストボックス43において、実装位置、部品種類、スロット番号、又はノズル番号のいずれか一つの項目43A,43B,43C,43Dが指定されると、図5に表されるように、表示部27には、上述した表41及びリストボックス43に加えて、複数の抽出画像45が矢印47と共に表示される。
【0029】
複数の抽出画像45は、記憶部25に記憶された複数の検査画像31から一部分が切り出されたものである。例えば、図5に表された複数の抽出画像45は、表41及びリストボックス43に対する入力部29のタップ操作等で実装位置R1が特定された場合に作成されるものであって、記憶部25に記憶された複数の検査画像31から、特定対象の実装位置R1に実装されている電子部品Pを含む部分が切り出されたものである。そのような作成は、抽出部23Bによって行われる。
【0030】
更に、複数の抽出画像45は、それぞれに含まれている電子部品Pの実装時間が、矢印47の向きへ進むにつれて最新となるような時系列で表示される。ここで、入力部29におけるスワップ操作が矢印47の向きで行われると、複数の抽出画像45は、電子部品Pの実装時間が順々と古くなるような時系列でスクロール表示される。これに対して、入力部29におけるスワップ操作が矢印47の向きとは反対の向きで行われると、複数の抽出画像45は、電子部品Pの実装時間が順々と新しくなるような時系列でスクロール表示される。そのような表示は、管理部23Aによって行われる。
【0031】
つまり、表41及びリストボックス43に対する入力部29のタップ操作等で実装位置Rが特定された場合、複数の抽出画像45は、記憶部25に記憶された複数の検査画像31から、特定対象の実装位置Rに実装されている電子部品Pを含む部分が切り出されることによって作成される。また、表41及びリストボックス43に対する入力部29のタップ操作等で電子部品Pの種類が特定された場合、複数の抽出画像45は、記憶部25に記憶された複数の検査画像31から、特定対象の種類と同じ電子部品Pを含む部分が切り出されることによって作成される。
【0032】
また、表41及びリストボックス43に対する入力部29のタップ操作等でスロットが特定された場合、複数の抽出画像45は、記憶部25に記憶された複数の検査画像31から、特定対象のスロットで供給された電子部品Pを含む部分が切り出されることによって作成される。また、表41及びリストボックス43に対する入力部29のタップ操作等で吸着ノズル15が特定された場合、複数の抽出画像45は、記憶部25に記憶された複数の検査画像31から、特定対象の吸着ノズル15で実装された電子部品Pを含む部分が切り出されることによって作成される。
【0033】
このようにして作成された複数の抽出画像45は、上述したようにして、表示部27において、時系列で並べられた状態で表示され、スクロール表示される。
【0034】
尚、表示部27の表41では、表示部27に表示中の各抽出画像45に対応する行が反転表示されてもよい。また、複数の抽出画像45は、それぞれに含まれている電子部品Pの実装時間と共に表示されてもよい。
【0035】
以上詳細に説明した通り、本実施形態の実装管理装置21は、基板9における電子部品Pの実装状態の経時変化を外観検査で使用される検査画像31で視認することが可能である。
【0036】
ちなみに、本実施形態において、電子部品Pは、部品の一例である。電子部品P1,P2の各種類は、部品の種類の一例である。実装位置Rは、部品が実装される位置の一例である。電子部品供給部11におけるフィーダのスロットは、部品を供給するスロットの一例である。吸着ノズル15は、部品を実装するノズルの一例である。表41のスロット番号の欄41H、ノズル番号の欄41I、及び実装時間の欄41Jに表示されるデータは、実装に関する情報の一例である。リストボックス43に設けられた実装位置、部品種類、スロット番号、及びノズル番号の各項目43A,43B,43C,43Dは、所定条件の一例である。
【0037】
尚、本開示は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、検査画像31は、電子部品実装機3の実装用カメラ17で取得されることによって、実装管理装置21及び外観検査装置5に送信されてもよい。
【0038】
また、検査画像31は、抽出画像45に代えて、時系列で表示されてもよい。そのような場合、抽出部23Bや、表41及びリストボックス43に対する入力部29のタップ操作等は不要である。
【0039】
また、実装管理装置21は、電子部品実装機3、外観検査装置5、又は部品実装ライン1を統括する不図示の装置等で兼用されてもよい。
【符号の説明】
【0040】
9 基板
11 電子部品供給部
15 吸着ノズル
21 実装管理装置
23A 管理部
23B 抽出部
25 記憶部
27 表示部
31 検査画像
41 表
41H スロット番号の欄
41I ノズル番号の欄
41J 実装時間の欄
43 リストボックス
43A 実装位置の項目
43B 部品種類の項目
43C スロット番号の項目
43D ノズル番号の項目
45 抽出画像
P 電子部品
R 実装位置
図1
図2
図3
図4
図5