(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-10
(45)【発行日】2024-05-20
(54)【発明の名称】車両用操舵制御方法、装置、記憶媒体、プロセッサ及び電子装置
(51)【国際特許分類】
B60W 30/02 20120101AFI20240513BHJP
B62D 6/00 20060101ALI20240513BHJP
【FI】
B60W30/02
B62D6/00
(21)【出願番号】P 2023223428
(22)【出願日】2023-12-28
【審査請求日】2023-12-28
(31)【優先権主張番号】202310778555.8
(32)【優先日】2023-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524005280
【氏名又は名称】チャイナ エフエーダブリュー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】China FAW Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 1, New Hongqi Street, Automotive Economic & Technological Zone, Changchun City, Jilin, 130011, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ダーピン
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ,ウェイウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ジェンチエン
(72)【発明者】
【氏名】タン,ミン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,リーリアン
(72)【発明者】
【氏名】ティエン,リンリン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ルン
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-282168(JP,A)
【文献】特開2006-347197(JP,A)
【文献】特開2006-151071(JP,A)
【文献】特開2018-076030(JP,A)
【文献】特開2004-025996(JP,A)
【文献】特開2022-052260(JP,A)
【文献】特開2009-274521(JP,A)
【文献】特開2009-035103(JP,A)
【文献】特開2019-142469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/02
B62D 6/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用操舵制御方法であって、
車両操舵入力情報を取得するステップであって、前記車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれるステップと、
車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、前記車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得るステップであって、前記車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と前記複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、前記後輪偏向角関数は、後輪偏向角と前記複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用されるステップと、
前記車両操舵入力情報と前記後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得るステップと、
前記ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、前記内側後輪制動力目標値を用いて前記対象車両を車両操舵のために制御するステップと、を含
み、
前記車両操舵入力情報と前記後輪偏向角関数を用いて前記ヨーモーメント目標値を得るステップは、
目標操舵応答速度と第1ゲイン係数とを取得するステップと、
前記車両操舵入力情報、前記後輪偏向角関数、前記目標操舵応答速度及び前記第1ゲイン係数を用いて前記ヨーモーメント目標値を得るステップと、を含むことを特徴とする車両用操舵制御方法。
【請求項2】
前記車両操舵入力情報には、前記車両重心横滑り角、前車軸等価横滑り剛性、後車軸等価横滑り剛性、重心から後車軸までの距離、重心から前車軸までの距離、車両ヨー角、車両の縦方向速度、車両全体の質量、前輪偏向角及び前記後輪偏向角が含まれる、
請求項1に記載の車両用操舵制御方法。
【請求項3】
前記ヨーモーメント目標値に基づいて前記内側後輪制動力目標値を決定するステップは、
重心から内側後輪コアまでの縦方向距離及び横方向距離を取得するステップと、
前記縦方向距離、前記横方向距離及び前記ヨーモーメント目標値に基づいて前記内側後輪制動力目標値を決定するステップと、を含む、
請求項1に記載の車両用操舵制御方法。
【請求項4】
前記内側後輪制動力目標値を用いて前記対象車両を車両操舵のために制御するステップは、
前記内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、前記後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定するステップと、
前記目標勾配に応じて、前記内側後輪制動力目標値を前記対象車両の操舵中に低減するように制御するステップと、を含む、
請求項1に記載の車両用操舵制御方法。
【請求項5】
前記対象車両が車両操舵を完了したことに応答して、前記内側後輪制動力目標値をゼロに低減するように制御するステップをさらに含む、
請求項
4に記載の車両用操舵制御方法。
【請求項6】
車両用操舵制御装置であって、
車両操舵入力情報を取得するために使用され、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれる取得モジュールと、
車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、前記車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得るために使用され、前記車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と前記複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、前記後輪偏向角関数は、後輪偏向角と前記複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される第1決定モジュールと、
前記車両操舵入力情報と前記後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得るために使用される処理モジュールと、
前記ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、前記内側後輪制動力目標値を用いて前記対象車両を車両操舵のために制御するために使用される第2決定モジュールと、を含
み、
前記車両用操舵制御装置は、
目標操舵応答速度と第1ゲイン係数とを取得するために使用され、
前記車両操舵入力情報、前記後輪偏向角関数、前記目標操舵応答速度及び前記第1ゲイン係数を用いて前記ヨーモーメント目標値を得るために使用される、
車両用操舵制御装置。
【請求項7】
動作すると前記請求項1から
5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御方法を実行するように設定されるコンピュータプログラムを記憶する、
不揮発性記憶媒体。
【請求項8】
実行されると前記請求項1から
5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御方法を実行するように設定されるプログラムを動作させるために使用される、
プロセッサ。
【請求項9】
メモリとプロセッサとを含む電子装置であって、前記メモリには、コンピュータプログラムが記憶されており、前記プロセッサは、前記コンピュータプログラムを動作させて前記請求項1から
5のいずれか1項に記載の車両用操舵制御方法を実行するように設けられる、
電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両技術分野に関し、具体的には、車両用操舵制御方法、装置、記憶媒体、プロセッサ及び電子装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ホイールベースの長い車両の操作性が低く、例えば、ホイールベースが2900mmを超える乗用車では、ホイールベースの長い車両の車両全体質量が大きく、慣性モーメントも大きいため、操作性に固有の欠点があり、車両が容易に重くて柔軟性に欠け、特に車両の操舵応答の遅れ、及び車両のヨーゲイン(即ち操舵感度)の不十分に反映される。
【0003】
上記の問題に対して、現在まで効果的な解決策が提案されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、関連技術における車両の操舵感度が低いという技術的問題を少なくとも解決するために、車両用操舵制御方法、装置、記憶媒体、プロセッサ及び電子装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例による車両用操舵制御方法は、車両操舵入力情報を取得するステップであって、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれるステップと、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得るステップであって、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用されるステップと、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得るステップと、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御するステップと、を含む。
【0006】
選択可能に、車両操舵入力情報には、車両重心横滑り角、前車軸等価横滑り剛性、後車軸等価横滑り剛性、重心から後車軸までの距離、重心から前車軸までの距離、車両ヨー角、車両の縦方向速度、車両全体の質量、前輪偏向角及び後輪偏向角角が含まれる。
【0007】
選択可能に、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得るステップは、目標操舵応答速度と第1ゲイン係数を取得するステップと、車両操舵入力情報、後輪偏向角関数、目標操舵応答速度及び第1ゲイン係数を用いてヨーモーメント目標値を得るステップを含む。
【0008】
選択可能に、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定するステップは、重心から内側後輪コアまでの縦方向距離及び横方向距離を取得するステップと、縦方向距離、横方向距離及びヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定するステップと、を含む。
【0009】
選択可能に、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御するステップは、内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定するステップと、目標勾配に応じて、内側後輪制動力目標値を対象車両の操舵中に低減するように制御するステップと、を含む。
【0010】
選択可能に、車両操舵制御方法は、対象車両が車両操舵を完了したことに応答して、内側後輪制動力目標値をゼロに低減するように制御するステップをさらに含む。
【0011】
本発明の一実施例による車両用操舵制御装置は、車両操舵入力情報を取得するために使用され、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれる取得モジュールと、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得るために使用され、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される第1決定モジュールと、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得るために使用される処理モジュールと、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御するために使用される第2決定モジュールと、を含む。
【0012】
選択可能に、処理モジュールは、さらに目標操舵応答速度と第1ゲイン係数を取得し、車両操舵入力情報、後輪偏向角関数、目標操舵応答速度及び第1ゲイン係数を用いてヨーモーメント目標値を得るために使用される。
【0013】
選択可能に、第2決定モジュールは、さらに重心から内側後輪コアまでの縦方向距離及び横方向距離を取得し、縦方向距離、横方向距離及びヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定するために使用される。
【0014】
選択可能に、第2決定モジュールは、さらに内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定し、目標勾配に応じて、内側後輪制動力目標値を対象車両の操舵中に低減するように制御するために使用される。
【0015】
選択可能に、第2決定モジュールは、さらに対象車両が車両操舵を完了したことに応答して、内側後輪制動力目標値をゼロに低減するように制御するために使用される。
【0016】
本発明の一実施例による不揮発性記憶媒体は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムが実行されると上記のいずれか1項に記載の車両用操舵制御方法を実行するように設定される。
【0017】
本発明の一実施例によるプロセッサは、プログラムを動作させるために使用され、プログラムが実行されると上記のいずれか1項に記載の車両用操舵制御方法を実行するように設定される。
【0018】
本発明の一実施例による電子装置は、メモリとプロセッサとを含み、メモリには、コンピュータプログラムが記憶されており、プロセッサは、コンピュータプログラムを動作させて上記のいずれか1項に記載の車両用操舵制御方法を実行するように設けられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の実施例では、車両操舵入力情報を取得し、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得て、次に車両操舵入力情報及び後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得て、最後にヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御することにより、車両の急速な操舵を制御するという目的を達成し、それによって車両の操舵感度を向上させるという技術的効果を奏し、さらに関連技術における車両の操舵感度が低いという技術的問題を解決する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
ここで説明される図面は、本発明に対するさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を構成するものであり、本発明の例示的な実施例及びその説明は、本発明を解釈するためのものであり、本発明を不当に限定するものではない。添付の図面は次の通りである:
【
図1】本発明の一実施例による車両用操舵制御方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の一実施例による車両用操舵制御装置の構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者が本発明の解決策をより良く理解するために、以下に本発明の実施例の図面を組み合わせながら、本発明の実施例における技術的解決策を明確に、完全に説明し、明らかに、説明される実施例が本発明の実施例の一部だけであり、全ての実施例ではない。本発明の実施例に基づき、当業者が創造的な労力をすることなく得る他の実施例は、全て本発明の保護範囲に属するべきである。
【0022】
説明すべきものとして、本発明の明細書と特許請求の範囲及び上記図面中の用語「第1」、「第2」などは、類似するオブジェクトを区別するためのものであり、特定の順序又は前後順序を説明するために使用される必要がない。
【0023】
このように使用されるデータは、ここで説明する本発明の実施例がここで図示又は記載されるもの以外の順序で実施され得るように、適切な場合で交換可能であると理解すべきである。また、用語「含む」と「有する」及びそれらの任意の変形は、非排他的な包括を覆うことを意図しており、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は機器は、明確に示されたステップ又はユニットに限定される必要がなく、明確に示されないもの又はこれらのプロセス、方法、製品又は機器に固有の他のステップ又はユニットを含むことができる。
【0024】
本発明の実施例によれば、車両用操舵制御方法の実施例が提供され、図面のフローチャートに示すステップは、例えばコンピュータ実行可能命令のセットを実行できるコンピュータシステムなどで実行されてもよく、かつ、フローチャートに論理的な順序が示されるが、いくつかの状況で、示されるステップは、ここで説明される順序とは異なる順序で実行されてもよい。
【0025】
この方法の実施例は、車両内のメモリ及びプロセッサを含む電子装置又は同様の演算装置で実行されてもよい。
【0026】
車両上で動作する電子装置を例に挙げると、車両の電子装置は、1つ又は複数のプロセッサ(プロセッサは、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、グラフィックプロセッサ(GPU:Graphics Processing Unit)、デジタル信号処理(DSP:Digital Signal Processing)チップ、マイクロプロセッサ(MCU:Micro Controller Unit)、プログラマブルロジックデバイス(FPGA:Field Programmable Gate Array)、ニューラルネットワークプロセッサ(NPU:Neural-network Processor Unit)、テンソルプロセッサ(TPU:Tensor Processing Unit)、人工知能(AI:Artificial Intelligence)型プロセッサなどの処理装置を含むが、これらに限定されない)と、データを記憶するメモリとを含むことができる。
【0027】
選択可能に、上記車両の電子装置は、通信機能のための伝送機器、入出力機器及び表示機器をさらに含むことができる。当業者は、上記構造の説明が単なる例示であり、上記車両の電子装置の構造を限定するものではないことを理解することができる。
例えば、車両の電子装置は、上記構造の説明よりも多く又は少ない構成要素を含んでもよく、又は上記構造の説明とは異なる構成を有してもよい。
【0028】
メモリは、コンピュータプログラム、例えば本発明の実施例における車両用操舵制御方法に対応するコンピュータプログラムなどのアプリケーションコンソフトウェアのソフトウェアプログラム及びモジュールを記憶するために使用されてもよく、プロセッサは、メモリに記憶されたコンピュータプログラムを動作させることにより、様々な機能アプリケーション及びデータ処理を実行し、即ち上記の車両用操舵制御方法を実現する。メモリは、高速ランダムアクセスメモリを含むことができ、不揮発性メモリ、例えば1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、フラッシュ装置又は他の不揮発性固体メモリデバイスをさらに含むこともできる。いくつかの実施例では、メモリは、プロセッサに対して遠隔に設けられたメモリをさらに含むことができ、これらの遠隔メモリは、ネットワークを介して移動端末に接続されてもよい。
【0029】
上記ネットワークの実施例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動通信ネットワーク及びそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。
【0030】
伝送装置は、1つのネットワークを介してデータを受信又は送信するために使用される。
上述したネットワークの具体的な実施例は、移動端末の通信プロバイダーによって提供される無線ネットワークを含むことができる。1つの実施例では、伝送装置は、基地局を介して他のネットワーク機器に接続してインターネットと通信することができるネットワークアダプタ(Network Interface Controller、NICと略称)を含む。1つの実施例では、伝送装置は、インターネットと無線で通信するための無線周波数(RF:Radio Frequency)であってもよい。
【0031】
表示機器は、例えば、タッチスクリーン液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)及びタッチディスプレイ(「タッチスクリーン」又は「タッチディスプレイスクリーン」とも呼ばれる)であってもよい。
【0032】
この液晶ディスプレイにより、ユーザは、移動端末のユーザインターフェースとのインタラクションを行うことができる。
いくつかの実施例では、上記移動端末には、グラフィカルユーザインターフェース(GUI:Graphical User Interface)があり、ユーザは、タッチ感知面での指の接触及び/又はジェスチャを通じてGUIとヒューマンコンピュータインタラクションを行うことができ、ここでのヒューマンコンピュータインタラクション機能には、Webページの作成、描画、ワードプロセッシング、電子文書の作成、ゲーム、ビデオ会議、インスタントメッセージング、電子メールの送受信、通話インターフェース、デジタルビデオの再生、デジタル音楽の再生及び/又はWebブラウジングなどが含まれ、上記ヒューマンコンピュータインタラクション機能を実行するための実行可能命令は、1つ又は複数のプロセッサで実行可能なコンピュータプログラム製品又は読み取り可能な記憶媒体に構成/格納される。
【0033】
図1は本発明の一実施例による車両用操舵制御方法のフローチャートである。
図1に示すように、この方法は、次のステップを含む:
ステップS12において、車両操舵入力情報を取得し、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれる。
【0034】
上記ステップS12で、車両操舵入力情報を取得することができる。
【0035】
具体的には、上記車両操舵入力情報は、対象車両に対応する複数の操舵パラメータを含む。
【0036】
選択可能に、車両操舵入力情報には、車両重心横滑り角β、前車軸等価横滑り剛性Csf、後車軸等価横滑り剛性Csr、重心から後車軸までの距離lr、重心から前車軸までの距離lf、車両ヨー角Ψ、車両の縦方向速度v、車両全体の質量m、前輪偏向角δf及び後輪偏向角δrが含まれてもよい。
【0037】
具体的には、車両重心横滑り角は、車両の長手方向軸に対する車両の重心の偏向角を指す。車両の走行過程で、車両の重心は、通常、車両の長手方向軸の中心に位置する。しかしながら、車両が旋回又は横方向に加速する場合、慣性により、車両の重心が横方向に偏向する。通常、車両重心横滑り角が大きいほど、旋回時の車両の傾斜角が大きくなり、車両のロール角は、車両の安定性と操作性に影響を与える。
【0038】
前車軸等価横滑り剛性は、横方向の移動中の車両のアンチローリング能力を指し、車両の旋回時又は横方向の加速時の前車軸の剛性特性を説明する指標として使用されてもよい。高い前車軸等価横滑り剛性により、車両の操作性及び安定性を向上させることができ、操舵がより正確かつ敏感になる。
【0039】
後車軸等価横滑り剛性は、横方向の移動中の車両のアンチローリング能力を指す。車両の走行過程で、車両が旋回又は横方向に加速すると、横力の作用が発生し、車両にロール角が発生する。後車軸等価横滑り剛性は、横力に対する後車軸の応答能力、即ち横力の作用下で後車軸によって発生されるロール角と横力との比例関係を表すために使用される。
【0040】
車両ヨー角は、車両が旋回又は横方向に移動するときの車体のロール角を指す。車両が横方向に移動すると、慣性により、車体が傾斜したり揺れたりしてヨー角と呼ばれる角度が生じる。ヨー角の大きさは、車両の設計、サスペンションシステム、車体構造、操舵システムなどを含む多くの要因によって決まる。大きいヨー角は、車両が旋回又は横方向に移動するときの車体の傾斜の度合いが大きいことを意味する。ヨー角は、車両の操作性及び安定性に一定の影響を及ぼし、大きなヨー角は、車両の安定性に影響を及ぼし、操作性能を下げ、かつ横滑り及び制御不能のリスクを増やす可能性がある。
【0041】
ステップS14において、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得て、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される。
【0042】
上記ステップS14で、車両操舵入力情報を取得した後、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得る。
【0043】
具体的には、上記車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される。
【0044】
上記車両重心横滑り角関数は、式(1)のように示されてもよい:
ここで、
は、βの微分を表し、
は、Ψの微分を表す。
【0045】
式(1)のβとその導関数を0とすると、後輪偏向角関数は、式(2)のように得られる:
【0046】
ステップS16において、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得る。
【0047】
上記ステップS16で、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得ることができる。
【0048】
タイヤのスラック特性の影響により、δfとδrによって生成される
に遅れがあるため、タイヤの縦力が横力よりもはるかに速く確立されるという特徴を利用し、
を確立するために直接ヨーモーメントを用いることを考えることができる。
【0049】
ステップS18において、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御する。
【0050】
上記ステップS18で、ヨーモーメント目標値を得た後、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御することができる。
【0051】
具体的には、ヨーモーメント目標値を操舵のための内側後輪に割り当てることができ、左に旋回する場合、内側後輪は、左側後輪となり、その逆の場合は、右側後輪となり、さらに内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御することができる。
【0052】
上記ステップS12からステップS18に基づき、車両操舵入力情報を取得し、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得て、次に車両操舵入力情報及び後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得て、最後にヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御することにより、車両の急速な操舵を制御するという目的を達成し、それによって車両の操舵感度を向上させるという技術的効果を奏し、さらに関連技術における車両の操舵感度が低いという技術的問題を解決する。
【0053】
選択可能に、ステップS16で、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得ることは、次のステップを含む:
ステップS161において、目標操舵応答速度と第1ゲイン係数を取得する。
【0054】
上記ステップS16で、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得る場合、まず、
と第1ゲイン係数kを取得することができる。
【0055】
ステップS162において、車両操舵入力情報、後輪偏向角関数、目標操舵応答速度及び第1ゲイン係数を用いてヨーモーメント目標値を得る。
【0056】
上記ステップS162で、目標操舵応答速度と第1ゲイン係数を取得した後、車両操舵入力情報、後輪偏向角関数、目標操舵応答速度及び第1ゲイン係数を用いてヨーモーメント目標値を得ることができる。
【0057】
具体的には、上記目標操舵応答速度は、目標操舵に対する後輪操舵アクチュエータの応答速度であってもよく、さらに式(3)に従ってヨーモーメント目標値を得ることができる。
ここで、Mzはヨーモーメント目標値であり、
は目標操舵に対する後輪操舵アクチュエータの応答速度であり、kはゲイン係数である。
【0058】
上記ステップS161からステップS162に基づき、目標操舵応答速度と第1ゲイン係数を取得し、さらに車両操舵入力情報、後輪偏向角関数、目標操舵応答速度及び第1ゲイン係数を用いてヨーモーメント目標値を得ることができ、これにより、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定する。
【0059】
選択可能に、上記ステップS18で、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定することは、次のステップを含む:
【0060】
ステップS181において、重心から内側後輪コアまでの縦方向距離及び横方向距離を取得する。
【0061】
上記ステップS181で、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定する場合、まず重心から内側後輪コアまでの縦方向距離x及び横方向距離yを取得することができる。
【0062】
ステップS182において、縦方向距離、横方向距離及びヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定する。
【0063】
上記ステップS182で、重心から内側後輪コアまでの縦方向距離及び横方向距離を取得した後、縦方向距離、横方向距離及びヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値Fbを決定することができる。
【0064】
具体的には、式(4)に従って内側後輪制動力目標値を決定することができる:
ここで、Fbは内側後輪制動力目標値であり、Mzはヨーモーメント目標値であり、xは重心から内側後輪コアまでの縦方向距離であり、yは重心から内側後輪コアまでの横方向距である。
【0065】
上記ステップS181からS182に基づき、重心から内側後輪コアまでの縦方向距離及び横方向距離を取得し、さらに縦方向距離、横方向距離及びヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定することができ、これにより、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御し、それによって車両の操舵感度を向上させることができる。
【0066】
選択可能に、上記ステップS18で、内側後輪制動力目標値用いて対象車両を車両操舵のために制御することは、次のステップを含む:
【0067】
ステップS183において、内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定する。
【0068】
上記ステップS183で、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御する場合、まず内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定することができる。
【0069】
具体的には、上記第2ゲイン係数がpであり、目標勾配がqであり、目標勾配は、内側後輪制動力目標値を目標車両の操舵中に低減するように制御するために使用されてもよい。
【0070】
式(5)に従って目標勾配qを決定することができる:
ここで、qが目標勾配であり、pが第2ゲイン係数であり、Fbが後輪内側制動力目標値であり、δrが後輪偏向角であり、
が目標操舵に対する後輪操舵アクチュエータの応答速度である。
【0071】
ステップS184において、目標勾配に応じて内側後輪制動力目標値を対象車両の操舵中に低減するように制御する。
【0072】
上記ステップS184で、内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定した後、目標勾配に応じて、内側後輪制動力目標値を対象車両の操舵中に低減するように制御することができる。
【0073】
具体的には、δrを設定する過程で、内側後輪制動力目標値Fbを勾配qで徐々に取り除くことができる。
【0074】
上記ステップS183からステップS184に基づき、内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定し、さらに目標勾配に応じて、内側後輪制動力目標値を対象車両の操舵中に低減するように制御することにより、後輪偏向角を設定する過程で、このリムの制動力を徐々に取り除くことができ、後輪操舵システムがリムブレーキの代わりに、車両全体の後輪操舵角を与えることで現在の車両全体のヨー状態を維持し、それによって車両の操舵感度を向上させる。
【0075】
選択可能に、車両用操舵制御方法は、次のステップをさらに含む:
ステップS19において、対象車両が車両操舵を完了したことに応答して、内側後輪制動力目標値をゼロに低減するように制御する。
【0076】
上記ステップS19で、対象車両が車両操舵を完了した後、内側後輪制動力目標値をゼロに低減するように制御する。
【0077】
具体的には、車両が操舵を完了すると、内側後輪制動力の全てを取り除くことができる。
【0078】
上記ステップS19に基づき、対象車両が車両操舵を完了したことに応答して、内側後輪制動力目標値をゼロに低減するように制御することにより、車両が操舵を完了する過程で、内側後輪制動力の全てを取り除くことができ、後輪操舵システムがリムブレーキの代わりに、車両全体の後輪操舵角を与えることで現在の車両全体のヨー状態を維持し、それによって車両の操舵感度を向上させる。
【0079】
上記車両操舵方法では、運転者が操舵入力を加えた後、操舵のための内側車輪のリムブレーキシステムが片輪制動力を加えてヨーモーメントを発生させ、タイヤの縦力が横力よりもはるかに速く確立されるという特徴を利用し、ヨー角加速度を向上させ、それによって車両全体のヨー応答速度が向上する。同時に、後輪操舵システムに連動して、車両全体のヨー角速度の確立中にこのリム制動力が徐々に取り除かれ、後輪操舵システムは、後輪操舵システムがリムブレーキの代わりに、車両全体の後輪操舵角を与えることで現在の車両全体のヨー状態を維持し、それによって車両の操舵感度が向上する。
【0080】
以上の実施形態の説明を通じて、当業者は、上記実施例による方法がソフトウェアと必要な共通ハードウェアプラットフォームを組み合わせることにより実現されてもよく、当然、ハードウェアで実現されてもよく、多くの場合、前者がより良い実施形態であることを明確に理解することができる。このような理解に基づき、本発明の技術的解決策は、実質的又は従来技術に貢献を与える部分がソフトウェア製品の形態で表現されてもよく、このコンピュータソフトウェア製品は、1つの端末装置(携帯電話、パーソナルコンピュータ、サーバー、又はネットワーク機器などであってもよい)に本発明の各実施例に記載の方法を実行させるためのいくつかの命令を含む記憶媒体(ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスクなど)に記憶される。
【0081】
本実施例では、車両操舵装置も提供され、この装置は、上記実施例及び好ましい実施形態を実現するために使用され、説明されたものについては、説明を省略する。以下で使用されるように、「モジュール」という用語は、所定の機能を備えたソフトウェア及び/又はハードウェアの組み合わせを実現することができる。以下の実施例で説明される装置は、好ましくはソフトウェアで実現されるが、ハードウェア、又はソフトウェアとハードウェアの組み合わせの実現も可能であり、考えられる。
【0082】
図2は本発明の一実施例による車両用操舵制御装置の構造ブロック図である。
図2に示すように、この装置は、車両操舵入力情報を取得するために使用され、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれる取得モジュール201と、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得るために使用され、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される第1決定モジュール202と、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得るために使用される処理モジュール203と、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御するために使用される第2決定モジュール204と、を含む。
【0083】
選択可能に、処理モジュール203は、さらに目標操舵応答速度と第1ゲイン係数を取得し、車両操舵入力情報、後輪偏向角関数、目標操舵応答速度及び第1ゲイン係数を用いてヨーモーメント目標値を得るために使用される。
【0084】
選択可能に、第2決定モジュール204は、さらに重心から内側後輪コアまでの縦方向距離及び横方向距離を取得し、縦方向距離、横方向距離及びヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定するために使用される。
【0085】
選択可能に、第2決定モジュール204は、さらに内側後輪制動力目標値、第2ゲイン係数、後輪偏向角と目標操舵応答速度に基づいて目標勾配を決定し、目標勾配に応じて、内側後輪制動力目標値を対象車両の操舵中に低減するように制御するために使用される。
【0086】
選択可能に、第2決定モジュール204は、さらに対象車両が車両操舵を完了したことに応答して、内側後輪制動力目標値をゼロに低減するように制御するために使用される。
【0087】
なお、上記の各モジュールは、ソフトウェア又はハードウェアで実現されてもよく、後者の場合、次の方式で実現されてもよいが、これに限定されず:上記モジュールは、いずれも同じプロセッサに位置し、又は、上記の各モジュールは、任意の組み合わせの形態で異なるプロセッサにそれぞれ位置する。
【0088】
本発明の実施例によれば、コンピュータプログラムが記憶されており、このコンピュータプログラムが実行されると上記のいずれか1項に記載の方法の実施例におけるステップを実行するように設定される記憶媒体も提供される。
【0089】
選択可能に、本実施例では、上記記憶媒体は、以下のステップを実行するためのコンピュータプログラムを記憶するように設けられてもよい:
ステップS1において、車両操舵入力情報を取得し、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれる。
【0090】
ステップS2において、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得て、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される。
【0091】
ステップS3において、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得る。
【0092】
ステップS4において、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御する。
【0093】
選択可能に、本実施例では、上記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROMと略称)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAMと略称)、モバイルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスク等のコンピュータプログラムを記憶できる様々な媒体を含むことができるが、これらに限定されない。
【0094】
本発明の一実施例によれば、上記のいずれか1項に記載の車両用操舵制御方法を実行するように設定されるプログラムを実行するために使用されるプロセッサも提供される。
【0095】
選択可能に、本実施例では、上記プロセッサは、コンピュータプログラムによって次のステップを実行するように設けられてもよい:
ステップS1において、車両操舵入力情報を取得し、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれる。
【0096】
ステップS2において、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得て、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される。
【0097】
ステップS3において、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得る。
ステップS4において、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御する。
【0098】
本発明の実施例は、メモリとプロセッサとを含み、プロセッサにコンピュータプログラムが記憶され、プロセッサがコンピュータプログラムを動作させて上記のいずれか1項の方法の実施例におけるステップを実行するように設けられる電子装置をさらに提供する。
【0099】
選択可能に、上記電子装置は、伝送機器と入出力機器とをさらに含むことができ、この伝送機器は、上記プロセッサに接続され、この入出力機器は、上記プロセッサに接続される。
【0100】
選択可能に、本実施例では、上記プロセッサは、コンピュータプログラムによって次のステップを実行するように設けられてもよい:
ステップS1において、車両操舵入力情報を取得し、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれる。
【0101】
ステップS2において、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得て、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用される。
【0102】
ステップS3において、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得る。
【0103】
ステップS4において、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御する。
【0104】
選択可能に、本実施例における具体的な例について上記の実施例及び選択可能な実施形態で説明される例を参照することができ、本実施例では説明を省略する。
【0105】
上記本発明の実施例の番号は、説明のためのものだけであり、実施例の優劣を表すものではない。
【0106】
本発明の実施例では、各実施例の説明について異なる強調を持っているため、ある実施例に詳述されていない部分に対して、他の実施例の関連説明を参照することができる。
【0107】
本出願で提供されるいくつかの実施例では、開示される技術内容は、他の方式で実現されてもよいことが理解できる。ここで、上記の装置の実施例は、例示的なものだけであり、例えば前記ユニットの区分は、論理機能的区分であってもよく、実際に実現するときに他の区分方式もあり得て、例えば複数のユニット又はコンポーネントは、組み合わせてもよく、又は別のシステムに統合されてもよく、又はいくつかの特徴は、無視されてもよく、又は実行されなくてもよい。
【0108】
また、示され又は議論される相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェース、ユニット又はモジュールを介する間接的結合又は通信接続であってもよく、電気的又は他の形態であってもよい。
【0109】
分離部材として説明される前記ユニットは、物理的に分離するものであってもよく又は物理的に分離するものでなくてもよく、ユニットとして表示される部材は、物理的ユニットであってもよく又は物理的ユニットでなくてもよく、即ち1つの箇所に位置してもよく、又は複数のユニットに分布してもよい。実際のニーズに応じてそのうちの一部又は全てのユニットを選択して本実施例の案の目的を達成することができる。
【0110】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理ユニットに統合されてもよく、個々のユニットは、単独で物理的に存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットは、1つのユニットに統合されてもよい。上記の統合されたユニットは、ハードウェアの形態で実現されてもよいし、ソフトウェア機能ブロックの形態で実現されてもよい。
【0111】
前記統合されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形態で実現されかつ独立した製品として販売又は使用されるとき、1つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されてもよい。このような理解に基づき、本発明の技術的解決策は、本質的に又は従来技術に寄与する部分又はこの技術的解決策の全て又は一部がソフトウェア製品の形態で実現されてもよく、このコンピュータソフトウェア製品は、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバー又はネットワークデバイス等であってもよい)に本発明の様々な実施例に記載される方法の全て又は一部のステップを実行させるためのいくつかの命令を含む記憶媒体に記憶される。前記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、読み取り専用メモリ(ROM:Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory)、モバイルハードディスク、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶できる様々な媒体を含む。
【0112】
上記は、本発明の好ましい実施形態に過ぎず、指摘すべきものとして、当業者であれば、本発明の原理を逸脱することなく、いくつかの改良及び修正を行うことができ、これらの改良及び修正も本発明の保護範囲と見なされるべきである。
【要約】 (修正有)
【課題】車両の操舵感度を向上できる車両用操舵制御方法、装置、記憶媒体、プロセッサ及び電子装置を開示する。
【解決手段】この方法は、車両操舵入力情報を取得するステップであって、車両操舵入力情報には、対象車両に対応する複数の操舵パラメータが含まれるステップと、車両2自由度モデルに基づいて車両重心横滑り角関数を決定し、車両重心横滑り角関数に基づいて後輪偏向角関数を得るステップであって、車両重心横滑り角関数は、車両重心横滑り角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用され、後輪偏向角関数は、後輪偏向角と複数の操舵パラメータとの関係を表すために使用されるステップと、車両操舵入力情報と後輪偏向角関数を用いてヨーモーメント目標値を得るステップと、ヨーモーメント目標値に基づいて内側後輪制動力目標値を決定し、内側後輪制動力目標値を用いて対象車両を車両操舵のために制御するステップとを含む。
【選択図】
図1