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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】レーザー裁断装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20240514BHJP
   B23K 26/00 20140101ALI20240514BHJP
   B23K 26/16 20060101ALI20240514BHJP
   B23K 26/70 20140101ALI20240514BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240514BHJP
【FI】
B23K26/38 A
B23K26/00 H
B23K26/16
B23K26/70
H01M50/119
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023501540
(86)(22)【出願日】2021-08-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 KR2021010767
(87)【国際公開番号】W WO2022035268
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0101389
(32)【優先日】2020-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ブ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジン スー
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン、ヨン フン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェオン ホ
【審査官】山内 隆平
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-126829(JP,A)
【文献】特開2019-034327(JP,A)
【文献】特開2005-288488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/38
B23K 26/00
B23K 26/16
B23K 26/70
H01M 50/119
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー裁断対象物の裁断領域の一側下部を支持するための下部ジグ;
前記レーザー裁断対象物の裁断領域の一側上部を支持するための上部ジグ;
前記レーザー裁断対象物の前記裁断領域に向かってレーザーを照射するレーザーノズル;及び
前記レーザー裁断対象物の本体部と前記裁断領域との間に配置されるスパッタブロックジグを含
前記下部ジグは、前記レーザー裁断対象物の本体部及び前記スパッタブロックジグの挿入のための下側湾入部を備え、
前記スパッタブロックジグは、内側湾入領域を有し、前記内側湾入領域に前記レーザー裁断対象物の本体部を収容したまま前記下部ジグの前記下側湾入部内部に置かれ、
前記上部ジグは、前記下部ジグを覆い、前記下部ジグとともに前記レーザー裁断対象物の裁断領域の一側上下部を支持して前記レーザー裁断対象物を固定し、
前記スパッタブロックジグの内側湾入領域の周囲を形成するスパッタブロックジグ周囲壁部は、前記レーザー裁断対象物の前記本体部と前記裁断領域との間に配置される、レーザー裁断装置。
【請求項2】
前記スパッタブロックジグ周囲壁部は、レーザー裁断作業の際に、前記裁断領域において、前記レーザー裁断対象物の本体部に向かって飛んでくるスパッタ(金属異物)を中間で防ぐ、請求項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項3】
前記スパッタブロックジグ周囲壁部は、前記裁断領域の下側に位置し、
前記スパッタブロックジグ周囲壁部の上部は、上方に上がるほど幅が減っていく形態に形成される、請求項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項4】
前記下部ジグの前記下側湾入部の周囲を形成する下部ジグ周囲壁部は、前記裁断領域を挟んで前記スパッタブロックジグ周囲壁部と互いに離隔されている、請求項からのいずれか一項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項5】
前記上部ジグの開口部の縁を形成する部分は、断面が直角三角形の形状であり、
前記下部ジグの開口部の縁を形成する部分は、断面が四角形の形状である、請求項からのいずれか一項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項6】
前記レーザー裁断対象物は、L字形の金属バッテリーケースであり、
前記スパッタブロックジグは、L字形の内側湾入領域を有する、請求項からのいずれか一項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項7】
前記裁断領域は、前記L字形の金属バッテリーケースの枠部に形成され、
前記上部ジグ及び前記下部ジグは、前記枠部で前記裁断領域の外側に位置する部分を上下に加圧して把持する、請求項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項8】
前記下部ジグ及び前記上部ジグは、前記レーザー裁断対象物が置かれる位置の周囲に位置する周囲部領域にそれぞれ下部ネジ孔と上部ネジ孔を備え、
前記上部ジグ及び前記下部ジグは、前記レーザー裁断対象物の固定のために前記上部ネジ孔及び前記下部ネジ孔を介してネジ結合される、請求項からのいずれか一項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項9】
前記下部ジグの前記下側湾入部において、前記裁断領域の下側に位置する部分にはスパッタ放出孔が形成される、請求項からのいずれか一項に記載のレーザー裁断装置。
【請求項10】
前記スパッタ放出孔は、前記裁断領域が延長する方向に沿って延長し、複数に形成される、請求項に記載のレーザー裁断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2020年8月12日付韓国特許出願第10-2020-0101389号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、レーザー裁断装置に関し、電池ケースなどの製品をレーザーで裁断する過程で発生するスパッタが製品に飛散して製品が汚染したり、スパッタが電池ケースなどの製品内部に入るようになり製品不良が発生することを防止することができるレーザー裁断装置に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザーを用いた電池ケースなどの製品の裁断は、レーザー光線の出力を応用した製品の切断を意味する。但し、レーザー裁断とは、デザインされた形状に合うようにレーザーで製品を切断するということを意味する。
【0004】
二次電池分野において、既存にパウチ形態に製作されるバッテリーセルを薄い金属パッケージング又は金属ケースに変更しようとする研究が進められており、これにより新規の製造工程が必要な状況である。金属パッケージング、金属ケースなどの製品を切断するためにはプレス金型が用いられたりするが、プレス金型は複雑な形状の製品を加工し難く、製品が薄い場合、製品に損傷を与えるという問題があった。よって、薄い金属パッケージング又は金属ケース製品を裁断するためにレーザー裁断が用いられていた。
【0005】
但し、レーザー裁断の場合も、裁断領域においてレーザーに溶融された製品の金属破片であるスパッタが製品に飛散して製品に汚染を引き起こすため、追加でクリーニング工程が必要な問題があり、酷い場合、スパッタが製品内部に飛散して製品不良が発生するという問題があった。
【0006】
図1を参照すると、レーザーノズルNから放出されたレーザーIがレーザー裁断対象物Dの裁断領域D-2を切断(裁断)する姿が示されている。レーザー裁断対象物Dは、薄い金属の電池ケースであってよい。この場合、レーザー裁断領域D-2で発生した金属異物であるスパッタSがレーザー裁断対象物Dの本体部D-1に飛散して製品の汚染や製品不良が発生することがある。A領域は、スパッタSがレーザー裁断対象物Dの本体部D-1に飛散して製品の汚染が発生する姿を示している。このようなレーザー裁断の問題点を解決するために多くの研究が進められている実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記のような問題を解決するために案出されたものであって、本発明の課題は、電池ケースなどの製品をレーザーで裁断する過程において発生するスパッタが製品に飛散して製品が汚染したり、スパッタが電池ケースなどの製品内部に入るようになり製品不良が発生することを防止することができるレーザー裁断装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によるレーザー裁断装置は、レーザー裁断対象物の裁断領域の一側下部を支持するための下部ジグ、レーザー裁断対象物の裁断領域の一側上部を支持するための上部ジグ、レーザー裁断対象物の裁断領域に向かってレーザーを照射するレーザーノズル、及びレーザー裁断対象物の本体部と裁断領域との間に配置されるスパッタブロックジグを含む。
【0009】
下部ジグは、レーザー裁断対象物の本体部及びスパッタブロックジグの挿入のための下側湾入部を備え、スパッタブロックジグは、内側湾入領域を有し、内側湾入領域にレーザー裁断対象物の本体部を収容したまま下部ジグの下側湾入部内部に置かれ、上部ジグは、下部ジグを覆い、下部ジグとともにレーザー裁断対象物の裁断領域の一側上下部を支持してレーザー裁断対象物を固定し、スパッタブロックジグの内側湾入領域の周囲を形成するスパッタブロックジグ周囲壁部は、レーザー裁断対象物の本体部と裁断領域との間に配置されてよい。
【0010】
スパッタブロックジグ周囲壁部は、レーザー裁断作業の際に、裁断領域において、レーザー裁断対象物の本体部に向かって飛んでくるスパッタ(金属異物)を中間で防ぐことができる。
【0011】
スパッタブロックジグ周囲壁部は、裁断領域の下側に位置し、スパッタブロックジグ周囲壁部の上部は、上方に上がるほど幅が減っていく形態に形成されてよい。
【0012】
下部ジグの下側湾入部の周囲を形成する下部ジグ周囲壁部は、裁断領域を挟んでスパッタブロックジグ周囲壁部と互いに離隔されていてよい。
【0013】
上部ジグの周囲を形成する部分は、断面が直角三角形の形状であり、下部ジグの周囲を形成する部分は、断面が四角形の形状であってよい。
【0014】
レーザー裁断対象物は、L字形の金属バッテリーケースであり、スパッタブロックジグは、L字形の内側湾入領域を有するものであってよい。
【0015】
裁断領域は、L字形の金属バッテリーケースの枠部に形成され、上部ジグ及び下部ジグは、枠部で裁断領域の外側に位置する部分を上下に加圧して把持することができる。
【0016】
下部ジグ及び上部ジグは、レーザー対象物が置かれる位置の周囲に位置する周囲部の領域にそれぞれ下部ネジ孔と上部ネジ孔を備え、上部ジグ及び下部ジグは、レーザー裁断対象物の固定のために上部及び下部ネジ孔を介してネジ結合されてよい。
【0017】
下部ジグの下側湾入部において、裁断領域の下側に位置する部分には、スパッタ放出孔が形成されてよい。
【0018】
スパッタ放出孔は、裁断領域が延長する方向に沿って延長し、複数に形成されてよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるレーザー裁断装置は、レーザー裁断対象物の裁断領域の一側下部を支持するための下部ジグ、レーザー裁断対象物の裁断領域の一側上部を支持するための上部ジグ、レーザー裁断対象物の裁断領域に向かってレーザーを照射するレーザーノズル、及びレーザー裁断対象物の本体部と裁断領域との間に配置されるスパッタブロックジグを含むことにより、電池ケースなどの製品をレーザーで裁断する過程において発生するスパッタが製品に飛散して製品が汚染したり、スパッタが電池ケースなどの製品内部に入るようになり製品不良が発生することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来のレーザー裁断装置によりレーザー裁断をする姿を示す側面図である。
図2】本発明の実施例1によるレーザー裁断装置によりレーザー裁断をする姿を示す側面図である。
図3】本発明の実施例2によるレーザー裁断装置において、下部ジグを示す斜視図である。
図4】本発明の実施例2によるレーザー裁断装置において、スパッタブロックジグを示す斜視図である。
図5】本発明の実施例2によるレーザー裁断装置において、上部ジグを示す斜視図である。
図6】本発明の実施例2によるレーザー裁断装置において、下部ジグの下側湾入部にスパッタブロックジグを挿入した状態を示す斜視図である。
図7図6の図において、上部ジグを下部ジグ上に結合した状態を示す斜視図である。
図8】本発明の実施例2によるレーザー裁断装置を介して裁断しようとするレーザー裁断対象物を示す斜視図である。
図9】本発明の実施例2によるレーザー裁断装置によりレーザー裁断をする姿を示す側断面図である。
図10】本発明の実施例2によるレーザー裁断装置を介して裁断を完了した製品状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、添付の図を参照しつつ、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるよう、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。しかし、本発明は幾多の異なる形態に具現されてよく、以下の実施例により制限されるか限定されるものではない。
【0022】
本発明を明確に説明するため、説明と関係ない部分又は本発明の要旨を不要に濁し得る関連の公知技術に対する詳細な説明は省略し、本明細書で各図の構成要素に参照符号を付加することにおいては、明細書全体に亘って同一又は類似の構成要素に対しては同一又は類似の参照符号を付けるようにする。
【0023】
また、本明細書及び特許請求の範囲で用いられている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適切に定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念として解釈されるべきである。
【0024】
実施例1
図2は、本発明の実施例1によるレーザー裁断装置によりレーザー裁断をする姿を示す側面図である。
【0025】
図2を参照すると、本発明の実施例1によるレーザー裁断装置10は、下部ジグ11、上部ジグ13、レーザーノズル15、及びスパッタブロックジグ17を含むことができる。下部ジグ11と上部ジグ13は、レーザー裁断対象物Dを支持して固定する役割を担うことができる。下部ジグ11と上部ジグ13がなければレーザーIで対象物を裁断する間に対象物が揺れることがあるが、このように対象物が揺れると望むデザインに裁断されないことがある。したがって、下部ジグ11と上部ジグ13は、これを防止するために対象物を固定することができる。
【0026】
下部ジグ11は、レーザー裁断対象物Dの裁断領域D-2の一側下部を支持する役割を担うことができる。上部ジグ13は、レーザー裁断対象物Dの裁断領域D-2の一側上部を支持する役割を担うことができる。
【0027】
レーザーノズル15は、裁断領域D-2の上部に位置してよい。レーザーノズル15は、上部から下部に向かって、すなわち、レーザー裁断対象物Dの裁断領域D-2に向かってレーザーIを照射し、対象物の裁断領域D-2を裁断(切断)することができる。
【0028】
ここで、レーザー裁断対象物Dは、本体部D-1と本体部D-1から延長する裁断領域D-2を含むことができる。裁断領域D-2で切断がなされると、本体部D-1の部分だけが用いられる製品として残ることができる。
【0029】
本発明の実施例1によるレーザー裁断装置10は、レーザー裁断対象物Dの本体部D-1と裁断領域D-2との間に配置されるスパッタブロックジグ17を含むことができる。
【0030】
レーザーIの照射を介して裁断領域D-2で裁断するとき、裁断領域D-2からレーザーIに溶融された製品の金属破片であるスパッタSが製品(本発明における本体部)に飛散して製品に汚染を引き起こすことがあるが、本願発明は、このようにスパッタSが飛散することを防止する構成としてスパッタブロックジグ17を含むものである。
【0031】
スパッタSがレーザー裁断対象物Dに飛散する場合、製品の汚染を引き起こすことがあり、製品内部に飛散する場合は、製品不良が発生することもある。スパッタブロックジグ17は、裁断領域D-2とレーザー裁断対象物Dとの間に位置してスパッタSがレーザー裁断対象物Dに飛散することを防止することができる。スパッタブロックジグ17は、特に、裁断領域D-2とレーザー裁断対象物の本体部D-1との間に位置してスパッタSがレーザー裁断対象物Dの本体部D-1に積もることを防止することができる。このような方式により、本願発明の実施例1によるレーザー裁断装置10は、レーザーIの裁断による製品の汚染や不良を防止することができる。
【0032】
図2を参照すると、本発明の実施例1によるレーザー裁断装置10において、上部ジグ13の周囲を形成する部分は、断面が直角三角形の形状であってよく、下部ジグ11の周囲を形成する部分は、断面が四角形の形状であってよい。
上部ジグ13の周囲を形成する部分の断面が直角三角形の形状を有し、上部ジグの斜辺131がレーザーノズル15の方に向かうようにに置かれてよい。この場合、レーザーノズル15とレーザーIが位置することができる空間が広く確保されるのでレーザー裁断作業が容易にでき、複雑な模様を作るために多様な方向と位置に移動するのに非常に有利であり得る。下部ジグ11の周囲を形成する部分は、断面が四角形の形状の場合、下部ジグ11の上面が偏平な形状を有するようになり、かつ下部ジグ11の下面も偏平な形状を有することができ、それにより、下側で下部ジグ11が安定的に対象物を固定して維持するのに大きく有利であり得る。
【0033】
また、本発明の実施例1によるレーザー裁断装置10において、スパッタブロックジグ17は、裁断領域D-2の下側に位置し、スパッタブロックジグ17の上部は、上方に上がるほど幅が減っていく形態に形成されてよい。この場合、裁断領域D-2の方に行くほどスパッタブロックジグ17の幅が減っていく形態のものなので、裁断領域D-2の方の空間を多く確保するようにできるという有利な点がある。
【0034】
実施例2
図3は、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100において、下部ジグ110を示す斜視図である。図4は、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100において、スパッタブロックジグ170を示す斜視図である。図5は、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100において、上部ジグ130を示す斜視図である。図6は、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100において、下部ジグ110の下側湾入部111にスパッタブロックジグ170を挿入した状態を示す斜視図である。図7は、図6の図において、上部ジグ130を下部ジグ110上に結合した状態を示す斜視図である。図8は、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100を介して裁断しようとするレーザー裁断対象物Dを示す斜視図である。図9は、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100によりレーザーIの裁断をする姿を示す側断面図である。図10は、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100を介して裁断を完了した製品の状態を示す斜視図である。
【0035】
本発明の実施例2においては、レーザー裁断対象物DがL字形の金属電池ケースであってよく、レーザー裁断装置100は、このようなL字形のフリーフォーム(freeform)の形態を裁断するための形態を有することができるいう点で実施例1と差があり得る。
【0036】
実施例1と共通の内容はできる限り省略し、相違点を中心に実施例2に対して説明する。
【0037】
図3を参照すると、下部ジグ110は、金属で形成されてよい。下部ジグ110は、下方に湾入された形状の下側湾入部111を備えてよい。下側湾入部111は、レーザー裁断対象物Dの形態に合うようにするためにL字形に形成されてよい。L字形であるが、一部には円形又は曲線部を有してよい。下側湾入部111の周囲には、下部ジグ110の周囲壁部112が形成されてよい。下側湾入部111の外側にスパッタ放出孔114が形成されてよい。スパッタ放出孔114があることにより、スパッタSの異物が容易に抜け出し除去され得る。下部ジグ110には、上部ジグ130との結合のための下部ネジ孔113が形成されてよい。
【0038】
図4を参照すると、スパッタSブロックジグは、下側湾入部111の形状に対応される形態でL字形に形成されてよい。また、L字形の下部ジグ110の下側湾入部111と類似した姿の形態を有することができる。但し、下部ジグ110の下側湾入部111のサイズより小さいサイズを有することができる。
スパッタブロックジグ170にも、下方に湾入された形状の内側湾入領域171が形成されてよい。レーザー裁断対象物Dは、L字形の金属バッテリーケースであり、スパッタブロックジグ170は、L字形の内側湾入領域171を有することができる。内側湾入領域171の周囲を形成するスパッタブロックジグ周囲壁部172が設けられてよい。
【0039】
図5を参照すると、上部ジグ130は、下部ジグ110の下側湾入部111と対応する領域でL字形の貫通孔Gが形成されてよい。貫通孔の周辺には、下部ジグ110との結合のための上部ネジ孔133が形成されてよい。
【0040】
図6は、スパッタブロックジグ170が下部ジグ110の下側湾入部111内に挿入されて置かれている形状を示している。スパッタブロックジグの周囲壁部172と下部ジグ110の周囲壁部112は、所定の間隔を置いて配置されてよい。この所定の間隔領域にレーザー裁断対象物Dの裁断領域D-2が位置することができる。スパッタブロックジグ170は、下部ジグ110の下側湾入部111の高さより更に高く突出されないように配置されてよい。
【0041】
図7は、図6の状態において、上部ジグ130が下部ジグ110を覆うように置かれている状態である。上部ジグ130に形成されたL字形の貫通孔を介してスパッタブロックジグ170の形状がそのまま全て見せられている。上部ジグ130と下部ジグ110は、上部ネジ孔133と下部ネジ孔113に挿入されるネジを介してネジ結合されてよい。これを介して安定的にレーザー裁断対象物Dを固定することができる。
【0042】
図8は、レーザー裁断対象物Dを示している。レーザー裁断対象物Dは、SUS金属で形成された電池ケースであってよい。レーザー裁断対象物Dは、L字形に形成された本体部D-1と本体部D-1の周囲で延長される枠部D-3を含むことができる。枠部D-3から本体部D-1に近い方の領域が裁断領域D-2となり得る。上部ジグ130と下部ジグ110は、枠部D-3で裁断領域D-2を除き、裁断領域D-2の外側に位置する枠部D-3を把持して対象物が揺れないように固定することができる。
【0043】
図9は、図7のA-A'による断面図を示す図であって、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100によりレーザーIの裁断をする姿を示す図である。但し、図7は、理解を助けるために、レーザー裁断対象物Dがない状態における斜視図を示しており、図9は、レーザー裁断対象物Dが含まれた状態を示している断面図である。
【0044】
レーザーノズル150から出たレーザーIがレーザー裁断対象物Dの裁断領域D-2を照射することにより、レーザーIの裁断(又は切断)がなされている。裁断領域D-2においては、スパッタSが下側方向に飛散しており、このとき、スパッタブロックジグ周囲壁部172が飛散するスパッタSを防いでレーザー裁断対象物Dを保護(特に、本体部保護)する役割を担うことが分かる。スパッタブロックジグ周囲壁部172は、レーザー裁断対象物Dの本体部D-1と裁断領域D-2との間に位置することができる。また、スパッタブロックジグ周囲壁部172は、レーザー裁断対象物Dの本体部D-1と下部ジグ110の周囲壁部112との間に位置することもできる。
【0045】
具体的に、図3から図9を参照すると、本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100において、下部ジグ110は、下側湾入部111を備えることができる。下側湾入部111は、レーザー裁断対象物Dの本体部D-1及びスパッタブロックジグ170の挿入のために下方に湾入された形状に形成されてよい。
【0046】
スパッタブロックジグ170も下方に湾入された形状の内側湾入領域171を有することができる。スパッタブロックジグの内側湾入領域171には、レーザー裁断対象物Dの本体部D-1が収容されてよい。スパッタブロックジグ170は、内側湾入領域171にレーザー裁断対象物Dの本体部D-1を収容したまま下部ジグの下側湾入部111の内部に置かれてよい。
【0047】
上部ジグ130は、下部ジグ110を覆い、下部ジグ110とともにレーザー裁断対象物Dの裁断領域D-2の一側上下部を支持してレーザー裁断対象物Dを固定し、スパッタブロックジグ170の内側湾入領域171の周囲を形成するスパッタブロックジグ周囲壁部172は、レーザー裁断対象物Dの本体部D-1と裁断領域D-2との間に配置されてよい。
【0048】
このような形態を介して、スパッタブロックジグ周囲壁部172は、レーザーI裁断作業の際に、裁断領域D-2において、レーザー裁断対象物Dの本体部D-1に向かって飛んでくるスパッタS(金属異物)を中間で効果的に防ぐことができる。
【0049】
本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100において、スパッタブロックジグ周囲壁部172は、裁断領域D-2の下側に位置し、スパッタブロックジグ周囲壁部172の上部は、上方に上がるほど幅が減っていく形態に形成されてよい。この場合、裁断領域D-2の方に行くほどスパッタブロックジグ周囲壁部172の幅が減っていく形態のものなので、裁断領域D-2の方の空間を多く確保するようにできるという有利な点がある。
【0050】
下部ジグ110の下側湾入部111の周囲を形成する下部ジグ周囲壁部112は、裁断領域D-2を挟んでスパッタブロックジグ周囲壁部172と互いに離隔されるようになり、この離隔された間にスパッタSが抜け出すようになり得る。このように抜け出すスパッタSは、スパッタ放出孔114に抜け出すことができる。すなわち、下部ジグの下側湾入部111において、裁断領域D-2の下側に位置する部分にはスパッタ放出孔114が形成されているので、スパッタSを手軽に除去することができる。スパッタ放出孔114は、裁断領域D-2が延長する方向(すなわち、下側湾入部の周囲に沿う方向)に沿って延長し、複数に形成されてよい。複数に周囲の全領域に亘って形成されると、さらに円滑な除去が可能である。
【0051】
上部ジグ130の周囲を形成する部分の断面が直角三角形の形状を有し、上部ジグの斜辺131がレーザーノズル150の方に向かうように置かれてよい。この場合、レーザーノズル150とレーザーIが位置することができる空間が広く確保されるので、レーザーI裁断作業が容易にでき、複雑な模様を作るために多様な方向と位置に移動するのに非常に有利であり得る。下部ジグ110の周囲を形成する部分は、断面が四角形の形状の場合、下部ジグ110の上面が偏平な形状を有するようになり、また下部ジグ110の下面も偏平な形状を有することができ、それにより下側で下部ジグ110が安定的に対象物を固定し維持するのに大きく有利であり得る。
【0052】
図9を参照すると、レーザー裁断対象物DがL字形の金属バッテリーケースの場合、裁断領域D-2は、L字形の金属バッテリーケースの枠部D-3上に形成され、上部ジグ130及び下部ジグ110は、枠部D-3において裁断領域D-2の外側に位置する部分を上下に加圧して把持することができる。
【0053】
下部ジグ110及び上部ジグ130は、レーザーIの対象物が置かれる位置の周囲に位置する周囲部領域にそれぞれ下部ネジ孔113と上部ネジ孔133を備え、上部ジグ130及び下部ジグ110は、レーザー裁断対象物Dの固定のために上部ネジ孔133及び下部ネジ孔113を介してネジ結合されてよい。
【0054】
本発明の実施例2によるレーザー裁断装置100は、レーザー裁断装置100が実施例1によるレーザー裁断装置100よりさらに多様に具体化された形態で構成され得るという点で意義がある。本発明の実施例2では、レーザー裁断対象物DがL字形の金属電池ケースであってよく、それにより、レーザー裁断装置100の下部ジグ110、上部ジグ130、及びスパッタブロックジグ170がこのようなL字形のフリーフォームの形態を裁断するための形態を有することができる。
【0055】
その結果、本発明は、L字形を含めた多様な形態に対して安定的に支持しつつ、スパッタSを防止してレーザーIの裁断をきれいに行うことができる。
【0056】
以上で本発明は、たとえ限定された実施例と図によって説明されたとしても、本発明はこれによって限定されず、本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者により、本発明の技術思想と下記に記載される特許請求の範囲の均等範囲内で多様な実施が可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 レーザー裁断装置
100 レーザー裁断装置
11 下部ジグ
110 下部ジグ
111 下側湾入部
112 下部ジグ周囲壁部
113 下部ネジ孔
114 スパッタ放出孔
13 上部ジグ
130 上部ジグ
131 上部ジグの斜辺
133 上部ネジ孔
15 レーザーノズル
150 レーザーノズル
17 スパッタブロックジグ
170 スパッタブロックジグ
171 内側湾入領域
172 スパッタブロックジグ周囲壁部
S スパッタ
D レーザー裁断対象物
D-1 本体部
D-2 裁断領域
D-3 枠部
I レーザー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10