(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】粘膜上皮適用組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 47/14 20170101AFI20240514BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20240514BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240514BHJP
A61K 9/52 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/045 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/355 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/592 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/593 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/07 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/122 20060101ALI20240514BHJP
A61K 31/12 20060101ALI20240514BHJP
A61Q 1/00 20060101ALI20240514BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20240514BHJP
A61K 8/86 20060101ALI20240514BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20240514BHJP
A23L 33/155 20160101ALI20240514BHJP
A23L 33/15 20160101ALI20240514BHJP
A23L 33/105 20160101ALI20240514BHJP
【FI】
A61K47/14
A61K47/44
A61K9/48
A61K9/52
A61K31/045
A61K31/355
A61K31/592
A61K31/593
A61K31/07
A61K31/122
A61K31/12
A61Q1/00
A61Q19/00
A61K8/86
A23L33/10
A23L33/155
A23L33/15
A23L33/105
(21)【出願番号】P 2019178899
(22)【出願日】2019-09-30
【審査請求日】2022-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】306019030
【氏名又は名称】ハウスウェルネスフーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100162503
【氏名又は名称】今野 智介
(74)【代理人】
【識別番号】100144794
【氏名又は名称】大木 信人
(72)【発明者】
【氏名】田口 修也
(72)【発明者】
【氏名】朝武 宗明
【審査官】辰己 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-256267(JP,A)
【文献】特開2018-042550(JP,A)
【文献】特開平05-132416(JP,A)
【文献】特開平07-330582(JP,A)
【文献】特開平10-167985(JP,A)
【文献】特開平10-324643(JP,A)
【文献】特開平10-324644(JP,A)
【文献】特開平11-269064(JP,A)
【文献】国際公開第99/010010(WO,A1)
【文献】国際公開第01/015735(WO,A1)
【文献】特開2014-024819(JP,A)
【文献】特許第5308583(JP,B2)
【文献】Pharm Tech Japan,2001年,Vol.17 No.6 ,p.905-910,913-916,919-921
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61k9/00-9/72
A61K47/00-47/69
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油系増粘剤、
液状の油脂、及び、
脂溶性有効成分を含み、実質的に水を含有しない、
ゾル状、ペースト状、又は、クリーム状である粘膜上皮適用組成物
であって、
油系増粘剤がポリグリセリン脂肪酸エステルであり、
液状の油脂を80.0質量%~99.5質量%の範囲より適宜選択される量で含み、
油系増粘剤が液状の油脂をゲル化して、25℃及びせん断速度10(1/s)における粘度が100mPa・s~20000mPa・sであるか、又は25℃でのゲル強度が800N/m
2
~51000N/m
2
である、組成物。
【請求項2】
25℃及びせん断速度10(1/s)における粘度が
750mPa・
sであるか、又は25℃でのゲル強度が
2500N/m
2
である、請求項
1に記載の組成物。
【請求項3】
脂溶性有効成分がメントール、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンD、ショウガオール、又は、サンショオールである、請求項
1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
水分含量が1質量%以下である、請求項1~
3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
粘膜上皮が、眼、耳、鼻、口、呼吸器、消化管、泌尿器、生殖器からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘膜上皮である、請求項1~
4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
経口組成物である、請求項1~
5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
カプセル化又はコーティング化された形態を有する、請求項
6に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油系増粘剤を用いて増粘及び/又はゾル・ゲル化させた油脂中に有効性成分を含む、粘膜上皮に適用するための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ゾル・ゲル状製剤は、有効成分をゾル・ゲル基剤中に溶解又は混和してなる製剤であり、固形製剤と比べて速やかな薬効の発現が得られると共に、液状製剤と比べて長く持続的な効果を得ることができ、その特徴から医薬、飲食品、化粧品等、様々なものに利用されている。
【0003】
従来、様々なゾル・ゲル状製剤が開発され、報告されている。
特許文献1には、有効成分と、油脂又は多糖類とを含有するゲル状組成物(具体的には、ハイドロゲルビーズ(油脂含量40%))にかかる発明が記載されている。この発明によれば、含有する有効成分に対し高い徐放性を有し、また比重の調製により経口投与された場合の胃内滞留性を高めることが可能であることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、脂溶性の有効成分、油、ゲル化剤(寒天、キサンタンガム、ペクチン、カラナギーナン、ローカストビーンガム、ジェランガム等)、界面活性剤及び水を含有することを特徴とする内服用ゲル状組成物にかかる発明が記載されている。この発明によれば、ゲルとすることで、服用後、口腔や食道等に接触し、ゲル中に溶解している有効成分が標的部位で素早く吸収され、速やかに薬効を発現する、そして、油に溶解しているメントールや精油成分が徐々に放出され、その薬効が持続することが記載されている。
【0005】
しかしながら、当該分野においては依然として、速やかな薬効の発現と共に、より長く持続的に効果を発揮することが可能な製剤の開発が切望されていた。
【0006】
特許文献3は、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有することを特徴とする透明性に優れた油脂の増粘又は固化剤にかかる発明について記載されている。そして、本発明を含有した食品は、食感がよく、保型性に優れ、油浮きが少ないことが述べられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2000-256216号公報
【文献】特開2005-047809号公報
【文献】特開2018-042550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、速やかな薬効の発現と共に、より長く持続的に効果を発揮することが可能な製剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、油系増粘剤を用いて油脂を増粘させ、その中に有効性成分を含んでなり、かつ、実質的に水を含有しないゾル・ゲル状製剤が、粘膜上皮に適用された場合に、速やかな薬効の発現を行えるだけでなく、粘膜上皮に付着して長く持続的に効果を発揮できることを見出した。
【0010】
本発明はこれらの知見に基づくものであり、以下の発明を包含する。
[1] 油系増粘剤、油脂、及び、有効成分を含み、実質的に水を含有しない、粘膜上皮適用組成物。
[2] ゾル状、ゲル状、ペースト状、又は、クリーム状である、[1]の組成物。
[3] 25℃及びせん断速度10(1/s)における粘度が100mPa・s~20000mPa・sであるか、又は25℃でのゲル強度が800N/m2~51000N/m2である、[1]又は[2]の組成物。
[4] 油系増粘剤がポリグリセリン脂肪酸エステルである、[1]~[3]のいずれかの組成物。
[5] 有効成分が脂溶性有効成分である、[1]~[4]のいずれかの組成物。
[6] 脂溶性有効成分がメントール、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンD、ショウガオール、又は、サンショオールである、[5]の組成物。
[7] 水分含量が1質量%以下である、[1]~[5]のいずれかの組成物。
[8] 粘膜上皮が、眼、耳、鼻、口、呼吸器、消化管、泌尿器、生殖器からなる群より選ばれた少なくとも1種の粘膜上皮である、[1]~[7]のいずれかの組成物。
[9] 経口組成物である、[1]~[7]のいずれかの組成物。
[10] カプセル化又はコーティング化された形態を有する、[9]の組成物。
【発明の効果】
【0011】
本発明の粘膜上皮適用組成物は、増粘及び/又はゾル・ゲル化された油脂を有効成分と共に含むことから、速やかな薬効の発現が可能であると共に、実質的に水を含有せず油脂含量が高いことから、粘膜上皮に付着し、長く留まることができ、より長く持続的に効果を発揮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、油系増粘剤を含む実施例1の組成物、油系増粘剤及び水系増粘剤のいずれも含まない比較例1の組成物、及び、水系増粘剤を含む比較例2の組成物をそれぞれ摂取した後に口粘膜にて感じられる有効成分による冷涼感を、経時的に評価した結果を示すグラフ図である。
【
図2】
図2は、油系増粘剤を含む実施例2の組成物、油系増粘剤及び水系増粘剤のいずれも含まない比較例3の組成物、及び、水系増粘剤を含む比較例4の組成物を鼻粘膜に適用した後に感じられる有効成分による冷涼感を、経時的に評価した結果を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、油系増粘剤、油脂、及び、有効成分を含み、実質的に水を含有しない、粘膜上皮適用組成物に関するものである。
【0014】
本発明において「粘膜上皮」とは、粘膜を形成している上皮を意味し、上皮とは、体表面の細胞層、又は管腔や体腔に面する細胞層を意味する。「粘膜上皮」としては、眼、耳(中耳腔)、鼻(鼻腔)、口(口腔)、呼吸器(咽頭、気管支、肺等)、消化管(食道、胃、小腸、大腸、直腸、肛門等)、泌尿器(尿管、膀胱、尿道等)、生殖器(子宮、膣、精嚢等)等において粘膜を形成している上皮細胞層が挙げられる。
【0015】
本発明において「粘膜上皮適用」とは、本発明の組成物を粘膜上皮に使用するという用途又は用法を意味する。本発明の組成物を使用すると、粘膜上皮に付着して留まり、含有する有効成分の効果を粘膜上皮にて発現することができる。
【0016】
本発明において「油系増粘剤」とは、液状の油脂に添加して溶解することにより、当該油脂を増粘、固化、及び/又はゾル・ゲル化することが可能な物質を意味する。このような油系増粘剤としては、脂肪酸とポリグリセリンとを構成成分として含む、ポリグリセリン脂肪酸エステルを好適に用いることができる。
【0017】
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸(以下、「構成脂肪酸」と記載する)については、全構成脂肪酸の内、炭素数16~18の直鎖脂肪酸が分子数として45%以上含まれる場合に高いゲル強度を得ることができる。この割合は、全構成脂肪酸のモル数に対する炭素数16~18の直鎖脂肪酸のモル数の割合を示す。
【0018】
構成脂肪酸には、炭素数8~14の直鎖脂肪酸、炭素数18~22の分岐脂肪酸及び炭素数18~22の不飽和脂肪酸のいずれかを含む事が好ましい。
【0019】
構成脂肪酸として、(a)炭素数16~22の直鎖飽和脂肪酸を少なくとも1種以上、(b)炭素数8~14の直鎖飽和脂肪酸、炭素数18~22の分岐脂肪酸及び炭素数18~22の不飽和脂肪酸からなる群より選択される少なくとも1種以上が挙げられる。構成脂肪酸における脂肪酸(a)と脂肪酸(b)の比率をモル比にして、0.91:0.09~0.99:0.01とするとき、低添加量にてゲル強度が高く、長期間油脂の分離を抑えることができる。
【0020】
脂肪酸(a)としては、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。脂肪酸(b)としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、オレイン酸、エルカ酸、イソステアリン酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンについては、水酸基価に基づく平均重合度が10以上のものを用いるのが好ましい。平均重合度が10未満であるポリグリセリンを用いた場合、十分なゲル強度は得られず、長期間油脂の分離を抑えることができない場合がある。より好ましくは、ポリグリセリンの平均重合度は20以上であり、さらに好ましくは30以上、よりさらに好ましくは40以上であり、平均重合度が高い程、ゲル強度が高くなり、低添加量で固化を達成することができる。
【0022】
ポリグリセリンの水酸基価に基づく平均重合度は、従来公知の手法(特開2018-42550号公報)にしたがって、末端基分析法、水酸基価は社団法人日本油化学会編「日本油化学会制定 基準油脂分析試験法(I)1996年度版」に準じて算出することができる。
【0023】
ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は、70%以上であることが好ましい。エステル化率が70%未満である場合、十分なゲル強度は得られず、長期間油脂の分離を抑えることができない場合がある。より好ましくは、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は80%以上であり、さらに好ましくは90%以上であり、エステル化率が高い程、ゲル強度が高くなり、低添加量で固化を達成することができる。
【0024】
エステル化率は、従来公知の手法(特開2018-42550号公報)にしたがって算出することができる。
【0025】
本発明においてポリグリセリン脂肪酸エステルは常法にしたがって製造されたものを用いることができ、より詳細には、上記の各成分を上記条件を満たすような組成で仕込み、水酸化ナトリウム等の触媒を加えて、常圧又は減圧下におけるエステル化反応に付すことにより製造されたものを用いることができる。また、本発明においてポリグリセリン脂肪酸エステルは市販品を利用してもよく、例えば、TAISET AD(太陽化学株式会社)、TAISET50(太陽化学(株))、リョートーポリグリエステルB-100D(三菱化学フーズ(株))等を好適に用いることができる。
【0026】
本発明の粘膜上皮適用組成物には、油系増粘剤を任意の量で含むことができ、その含有量は他の構成成分と共に、本発明の粘膜上皮適用組成物に後述の所望の特性を付与することが可能な量で含めることができる。例えば、本発明の粘膜上皮適用組成物中に油系増粘剤を、0.01質量%~20質量%、好ましくは0.1質量%~10質量%、より好ましくは0.5質量%~5質量%の範囲より適宜選択される量で含めることができる。油系増粘剤が0.01質量%よりも少ないと、油脂のゲル化が十分でない場合があり、また、20質量%よりも多いと、油脂のゲル強度が高くなり過ぎる場合があり、その結果、適用された粘膜上皮への本発明の粘膜上皮適用組成物の付着が十分でなく、長く留まることができない場合や、有効成分が十分に放出されない場合がある。
【0027】
本発明において「油脂」とは、医薬品、飲食品、化粧品の分野において一般的に用いられているものを挙げることができ、例えば、キャノーラ油、オリーブ油、ナタネ油、ココナッツ油、ゴマ油、ダイズ油、トウモロコシ油、茶油、パーム油、綿実油、ヤシ油、米油、アボガド油、アマニ油、アルガン油、アーモンド油、エゴマ油、オレンジラフィー油、カカオ脂、キャロット油、キューカンバー油、牛脂、グレープシード油、小麦胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、シア脂、タートル油、チョウジ油、月見草油、ツバキ油、豚脂、ハトムギ油、パーム核油、ピーナッツ油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、メドウフォーム油、ローズヒップ油、乳脂、ハトムギ油、ホホバ油、ラベンダー油、卵黄油、ラノリン、ローズマリー油等、脂肪酸類(例えば、オレイン酸、パルミチン酸、カプリン酸、カプリル酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ミリスチン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸、ウンデシレン酸、エルカ酸、セバシン酸、パーム核脂肪酸、ヒドロキシステアリン酸、ヤシ油脂肪酸、ラノリン脂肪酸、リノール酸、リノレン酸等)、高級アルコール類(例えば、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルアルコール、ステアリルアルコール、セタノール、キミルアルコール、セトステアリルアルコール、デシルアルコール、バチルアルコール、ヘキシルデカノール、ヘキシルデカノール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、ラウリルアルコール、ラノリンアルコール等)、炭化水素油類(例えば、パラフィン、スクワラン、イソドデカン、セレシン、プリスタン、流動パラフィン、流動イソパラフィンワセリン等)、エステル油類(例えば、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2-ヘキシルデシル、アジピン酸ジヘプチルウンデシル、アボカド油脂肪酸エチル、安息香酸アルキル、イソステアリルグリセリル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸グリセリル、イソステアリン酸コレステリル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸トリデシル、イソパルミチン酸オクチル、イソペラルゴン酸オクチル、エチルヘキサン酸セチル、エルカ酸オクチルドデシル、エチルヘキサン酸セトステアリル、エチレングリコール脂肪酸エステル、エルカ酸オクチルドデシル、オクタン酸アルキル(C14,C16,C18)、オクタン酸イソセチル、オクタン酸セテアリル、オクタン酸ステアリル、オクタン酸セチル、オクタン酸イソステアリル、オレイン酸エチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、オレイン酸フィトステリル、カプリン酸セチル、カプリル酸セチル、コハク酸ジオクチル、コハク酸ポリプロピレングリコールオリゴエステル、酢酸ラノリン、ジイソステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、ステアリン酸ヘキシルデシル、炭酸ジアルキル、デカイソステアリン酸デカグリセリル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、トリオレイン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリオクタノイン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、乳酸ラウリル、乳酸オクチルドデシル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ノナイソステアリン酸デカグリセリル、パルミチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸イソセチル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸イソステアリル、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、リシノレイン酸オクチルドデシル、リノール酸トコフェロール、リシノール酸オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル等)、シリコーン油類(例えば、ジメチコン、トリシロキサン、シクロペンタシロキサン、ジフェニルジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン等)、シリコーン類(例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ステアロキシメチコン/ジメチコン)コポリマー、(ジメチルシロキサン/メチルセチルオキシシロキサン)コポリマー、ステアリルジメチコン、セチルジメチコンシリコン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、アルコキシ変性ポリシロキサン、フェニルトリメチコン、アミノプロピルジメチコン、アルキルメチコン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ポリオキシアルキレンアルキルメチルポリシロキサン・メチルポリシロキサン共重合体等)、ロウ類(例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、ミツロウ、モンタンロウ、ライスワックス、ラノリンワックス等)、精油(例えば、植物の茎、花、蕾、葉、根、果実皮、樹皮、樹脂由来のもの等が挙げられるが、これらに限定はされない)。特に好ましくは、本発明において「油脂」は、食用に供される動植物性油脂(食用油とも呼ばれる場合がある)である。
【0028】
本発明において油脂はいずれか単独で用いてもよいし、異なる油脂を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
本発明の粘膜上皮適用組成物には、油脂を任意の量で含めることができ、その含有量は他の構成成分と共に、本発明の粘膜上皮適用組成物に後述の所望の特性を付与することが可能な量で含めることができる。例えば、本発明の粘膜上皮適用組成物中に油脂を、80.0質量%~99.5質量%、好ましくは85.0質量%~99.0質量%、より好ましくは90.0質量%~98.0質量%の範囲より適宜選択される量で含めることができる。油脂が80.0質量%よりも少ない場合や、99.5質量%よりも多い場合、適用された粘膜上皮への本発明の粘膜上皮適用組成物の付着が十分でなく、長く留まることができない場合や、有効成分が十分に放出されない場合がある。
【0030】
本発明において「有効成分」とは、本発明の粘膜上皮適用組成物によって粘膜上皮に送達され、生理活性等の所定の活性を示す任意の成分を意味する。有効成分は特に限定されるものではないが、脂溶性有効成分が好ましい。「脂溶性有効成分」は、上記油脂に溶解できるものが好ましく、例えば、メントール、ビタミンE、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンD、ショウガオール、及び、サンショオール等が挙げられるが、これらに限定はされない。本発明の粘膜上皮適用組成物には有効成分の一又は複数を含めることができる。
【0031】
本発明の粘膜上皮適用組成物には、有効成分を任意の量で含めることができ、その含有量は、有効成分の種類や活性、粘膜上皮適用組成物の形態や用法、対象の年齢や体重、標的とする症状や状態等の要因に応じて変化し得るが、標的とする症状や状態に対して有効な量、及び/又は、他の構成成分と共に、本発明の粘膜上皮適用組成物に後述の所望の特性を付与することが可能な量にて含めることができる。例えば、本発明の粘膜上皮適用組成物中に有効成分を、0.001質量%~20質量%、好ましくは0.01質量%~10質量%、より好ましくは0.1質量%~5質量%の範囲より適宜選択される量で含めることができる。
【0032】
本発明の粘膜上皮適用組成物は、実質的に水を含有しないことを特徴とする。本発明において「実質的に水を含有しない」とは、本発明の粘膜上皮適用組成物が水を一切含まないということを意味するものではなく、当該組成物の後述の所望の特性を妨げない範囲で水が含まれていてもよい。例えば、本発明の粘膜上皮適用組成物は、1質量%以下の量で水を含有していてもよい。例えば、本発明の粘膜上皮適用組成物は0~1質量%、0~0.9質量%、0~0.8質量%、0~0.7質量%、0~0.6質量%、又は0~0.5質量%程度の量で水を含有していてもよい。これらの水には、本発明の粘膜上皮適用組成物を構成する一又は複数の原材料の調製過程において当該原材料に混入した水に起因するものが含まれる。水が1質量%よりも多く含まれる場合には、適用された粘膜上皮への本発明の粘膜上皮適用組成物の付着が十分でない場合や油脂の分離を抑えることができない場合があり、適用された粘膜上皮に長く留まることができない場合がある。
【0033】
本発明の粘膜上皮適用組成物は、粘膜上皮に適用するのに適した任意の形態とすることができる。好ましくは、本発明の粘膜上皮適用組成物は、ゾル状、ゲル状、ペースト状、又は、クリーム状の形態を有する。特に、本発明の粘膜上皮適用組成物は、25℃及びせん断速度10(1/s)における粘度が100mPa・s~20000mPa・sであることが好ましく、同条件における粘度が200mPa・s~15000mPa・sであることがより好ましく、200mPa・s~5000mPa・sであることがさらに好ましい。
【0034】
前記粘度は、1mm以上の粒子を取り除いたサンプルを回転式粘弾性測定装置(例えば、HAAKE社製RheoStress 6000)を用い、直径35mmパラレルプレート、25℃にて、ずり速度0.1s-1から300s-1までの間を低ずり速度側から測定することにより測定することができる。
【0035】
ならびに/あるいは、本発明の粘膜上皮適用組成物は、25℃でのゲル強度が800N/m2~51000N/m2であることが好ましく、より好ましくは同条件におけるゲル強度が650N/m2~30000N/m2であり、さらに好ましくは、500N/m2~10000N/m2である。本発明の粘膜上皮適用組成物はこのような特性を有することにより、適用された粘膜上皮に付着しやすく、長期間留まることができる。
【0036】
前記ゲル強度は、直径40mm、高さ15mmの容器に試料を充填し、常温(20~25℃)で、レオメーター(YAMADEN社製 RE2-33005B)により、直径20mmの円柱形のプランジャーで圧縮速度10mm/sec、クリアランス5mmで測定することができる。
【0037】
本発明の粘膜上皮適用組成物には、必要に応じて、上記成分に加えてさらに、医薬品、飲食品、化粧品の製造において通常用いられている、賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の添加剤を含めることができ、企図される投与経路、摂取方法、使用方法に適した剤型又は形状を有する医薬品、飲食品、化粧品として製造、提供することができる。
【0038】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、D-マンニトール、D-ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、ブドウ糖、コーンスターチ、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。
【0039】
滑沢剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステル等のシュガーエステル類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリルアルコール、粉末植物油脂等の硬化油、サラシミツロウ等のロウ類、タルク、ケイ酸、ケイ素等が挙げられる。
【0040】
結合剤としては、例えば、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0041】
崩壊剤としては、例えば、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0042】
また、本発明の粘膜上皮適用組成物には、必要に応じてさらに、医薬品、飲食品、化粧品の製造において通常用いられている、生薬(例えばロイヤルゼリー、人参等)、アミノ酸(例えばグルタミン、システイン、ロイシン、アルギニン等)、多価アルコール(例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、糖アルコール等)、天然高分子(例えば、レシチン、澱粉、デキストリン等)、ビタミン(例えばビタミンC、ビタミンB群等)、ミネラル(例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等)、食物繊維(例えばマンナン、ペクチン、ヘミセルロース等)、界面活性剤(例えばグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等)、希釈剤、安定化剤、等張化剤、pH調製剤、緩衝剤、湿潤剤、溶解補助剤、懸濁化剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤、香料、酸化防止剤、甘味料、呈味成分、酸味料等を含めることができ、企図される投与経路、摂取方法、使用方法に適した剤型又は形状を有する医薬品、飲食品、化粧品として製造、提供することができる。
【0043】
本発明の粘膜上皮適用組成物は、錠剤、ガム剤、舌下錠、トローチ剤、ドロップ剤、バッカル錠、付着錠、チュアブル錠、粉剤、散剤、顆粒剤、吸入剤、坐剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、ローション剤、リニメント剤、チック剤、エアゾール剤、スプレー剤、貼付剤等の任意の剤型又は形状とすることができる。好ましくは、本発明の粘膜上皮適用組成物は経口組成物とすることができ、必要に応じてカプセル化(例えば、硬カプセル剤、軟カプセル剤、徐放性カプセル剤、腸溶性カプセル剤等)、又はコーティング化(例えば、糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶錠等)が施されていてもよいし、公知の技術を使用して、徐放性製剤、遅延放出製剤又は即時放出製剤等の放出が制御された剤形としてもよい。
【0044】
本発明の粘膜上皮適用組成物は、哺乳動物(例えばヒト、サル、チンパンジー、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、イヌ、ネコ、マウス、ラット等)、好ましくはヒトに用いることができる。本発明の粘膜上皮適用組成物は、適用された粘膜上皮に長期間留まることができ、長期間にわたって有効成分を付与することができる。
【0045】
本発明の粘膜上皮適用組成物の用量は、有効成分の種類や活性、粘膜上皮適用組成物の形態や用法、対象の年齢や体重、標的とする症状や状態等の要因に応じて変化し得、任意の用量を採用し得る。例えば、本発明の粘膜上皮適用組成物が経口組成物であれば、1日当たり0.00001mg/kg~500mg/kgより選択される量の有効成分を1回又は複数回(例えば、2~5回、好ましくは2~3回)に分けて投与又は摂取することができる。
【0046】
本発明の粘膜上皮適用組成物は、微量かつ短期間で効果を奏することができるが、長期間にわたって用いることができる。例えば、本発明の粘膜上皮適用組成物を、上記用法用量にしたがい、1週間以上、2週間以上、1か月以上、2か月以上、6ヶ月以上、1年以上、又はそれ以上の期間にわたって継続して用いることができる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明を実施例により、更に詳しく説明する。
<1.口粘膜>
1.組成物の調製
下記表1の組成にしたがって、油系増粘剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル(製品名:TAISET AD(太陽化学株式会社)))を含む実施例1の組成物、油系増粘剤及び水系増粘剤をいずれも含まない比較例1の組成物、ならびに、水系増粘剤(キサンタンガム)を含む比較例2の組成物を調製した。表中の各成分の量は質量比にて示される。
【0048】
所定の油脂に、組成にしたがって油系増粘剤又は水系増粘剤を添加し、90℃まで昇温して溶解させた後、甘味料を添加し、攪拌機で20000rpm,4minにて攪拌した。その後、65℃以下に放冷し、脂溶性有効成分(メントール)を添加、攪拌し、溶解させた。得られた組成物を、25℃まで放冷し、以下の実験に用いた。
【0049】
【0050】
2.粘度及びゲル強度の測定
25℃及びせん断速度10(1/s)における粘度を測定したところ、750mPa・sであった。また、25℃でのゲル強度を測定したところ、2500N/m2であった。
【0051】
3.官能実験
実施例1、比較例1、及び比較例2の各組成物について、パネラー5名により、経口摂取した後に、口腔にて感じられる有効成分による冷涼感を、「0:感じない」から、「10:感じる」の10点満点で点数付けを行い、摂取後0分~35分まで経時的に評価した。
【0052】
組成物の摂取に際しては、はじめに水で口腔内をすすいでリセットし、ティースプーンで1gの組成物を量り取り、口腔に含ませた後飲み込んだ。次の組成物を摂取する前に、少なくとも30分間のインターバルを置き、さらに、次の組成物を摂取するときは水で口腔内をすすいでリセットした。
【0053】
3.結果
各組成物について、官能実験の結果を
図1に示す。結果はパネラー5名の点数の平均値を示す。
油系増粘剤を含む実施例1の組成物は、ゲル化剤を含まない比較例1の組成物と比べて、摂取直後より冷涼感が強く感じられた。また、油系増粘剤を含む実施例1の組成物は、油系増粘剤及び水系増粘剤のいずれも含まない比較例1の組成物、及び、水系増粘剤を含む比較例2の組成物と比べて長時間にわたり冷涼感が感じられた。
【0054】
一方、水系増粘剤を含む比較例2の組成物は、摂取直後には、実施例1の組成物よりも冷涼感が強く感じられたが、その効果は極めて短時間であり、摂取からわずか5分後の評価では、実施例1の組成物の効果を下回っており、その後は、ゲル化剤を含まない比較例1の組成物の効果と同程度であった。
【0055】
さらに、油系増粘剤を含む実施例1の組成物は、冷涼感は口腔内、喉、胃に感じられたが、ゲル化剤を含まない比較例1の組成物と水系増粘剤を含む比較例2の組成物は、冷涼感は口腔内に感じられた程度であった。
【0056】
<2.鼻粘膜>
1.組成物の調製
下記表2の組成にしたがって、油系増粘剤(ポリグリセリン脂肪酸エステル(製品名:TAISET AD(太陽化学株式会社)))を含む実施例2の組成物、油系増粘剤及び水系増粘剤をいずれも含まない比較例3の組成物、ならびに、水系増粘剤(キサンタンガム)を含む比較例4の組成物を調製した。表中の各成分の量は質量比にて示される。
【0057】
組成物は、上記<1.口粘膜>に記載の組成物と同様に調製し、得られた組成物を25℃まで放冷した後、以下の実験に用いた。
【0058】
【0059】
2.官能実験
実施例2、比較例3、及び比較例4の各組成物について、パネラー5名により、鼻粘膜に適用した後に感じられる有効成分による冷涼感を、「0:感じない」から、「10:感じる」の10点満点で点数付けを行い、適用後0分~50分まで経時的に評価した。
【0060】
組成物の適用に際しては、0.1gの組成物を綿棒にしみ込ませ、左右の鼻の穴より粘膜部に塗布した。次の組成物を適用する前に、少なくとも1時間のインターバルを置き、鼻内をリセットした。
【0061】
3.結果
各組成物について、官能実験の結果を
図2に示す。結果はパネラー5名の点数の平均値を示す。
【0062】
水系増粘剤を含む比較例4の組成物は、適用直後に刺すような強い冷涼感が感じられ、実施例2の組成物とは異質な強い冷涼感が感じられた。しかし、その効果は極めて短時間であり、適用からわずか5分後の評価では、実施例2の組成物の効果と差はなく、その後は、比較例3の組成物の効果と同程度にまで低下した。
【0063】
一方、油系増粘剤を含む実施例2の組成物は、油系増粘剤及び水系増粘剤のいずれも含まない比較例3の組成物、ならびに水系増粘剤を含む比較例4の組成物と比べて、長時間にわたり緩やかに冷涼感が感じられた。
【0064】
以上の結果より、油脂、及び、有効成分を、油系増粘剤と共に含めることによって粘膜上皮にて、効果をすぐに発現することができ、かつ、増粘剤を含まない場合や、水系増粘剤を含む場合と比べて、長く留まることができ、有効成分によりもたらされる効果を長く維持できることが明らかとなった。