(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20240514BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20240514BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240514BHJP
【FI】
G06Q10/02
E05B49/00 J
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019132299
(22)【出願日】2019-07-17
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100113310
【氏名又は名称】水戸 洋介
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 紀美子
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-091116(JP,A)
【文献】特開平06-028539(JP,A)
【文献】特開2006-144264(JP,A)
【文献】特開2019-114051(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、
前記予約申込者が予約した前記場所の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を、前記予約申込者以外の者
であって当該予約申込者が選択した者に対して付与する権限付与手段と、
前記権限付与手段により前記予約申込者以外の者に前記解錠権限が付与された場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す取り消し手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記権限付与手段は、予め定められた数を上限として、前記予約申込者以外の者に対して前記解錠権限を付与する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記権限付与手段は、前記場所の定員数を上限として、前記予約申込者以外の者に対して前記解錠権限を付与する請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記権限付与手段は、前記場所の解錠の回数に制限がある前記解錠権限を前記予約申込者以外の者に付与する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記権限付与手段は、前記場所の施錠を行える前記解錠権限を前記予約申込者以外の者に付与する請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記予約申込者以外の者に付与された前記解錠権限を取り消す第2の取り消し手段をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2の取り消し手段は、前記予約申込者が行った前記予約が取り消された場合に、前記予約申込者以外の者に付与された前記解錠権限を取り消す請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記取り消し手段は、前記解錠権限が付与された前記予約申込者以外の者の人数が予め定められた人数となった場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項9】
施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、
前記予約申込者が予約した前記場所の解錠が当該場所の予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者以外の者
であって、解錠権限が付与される者として予め設定された者に対して
、当該場所の解錠権限を付与する解錠毎付与手段と、
を備える情報処理システム。
【請求項10】
前記場所の解錠が前記予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者に付与されていた解錠権限が取り消される請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記解錠毎付与手段によって前記解錠権限が付与される者を予め設定する設定手段を更に備える請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項12】
施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、
前記予約申込者が予約した前記場所の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を、前記予約申込者以外の者
であって当該予約申込者が選択した者に対して付与する権限付与手段と、
前記権限付与手段により前記予約申込者以外の者に前記解錠権限が付与された場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す取り消し手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項13】
施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、
前記予約申込者が予約した前記場所の解錠が当該場所の予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者以外の者
であって、解錠権限が付与される者として予め設定された者に対して
、当該場所の解錠権限を付与する解錠毎付与手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項14】
施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け機能と、
前記予約申込者が予約した前記場所の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を、前記予約申込者以外の者
であって当該予約申込者が選択した者に対して付与する権限付与機能と、
前記権限付与機能により前記予約申込者以外の者に前記解錠権限が付与された場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す取り消し機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【請求項15】
施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け機能と、
前記予約申込者が予約した前記場所の解錠が当該場所の予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者以外の者
であって、解錠権限が付与される者として予め設定された者に対して
、当該場所の解錠権限を付与する解錠毎付与機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、取得した発行元情報に基づいて、発行元である管理サーバに解錠権限の発行を要求する発行要求を送信し、解錠権限を受信するとともに、解錠権限に応じた、スマートロックを解錠する解錠指示をスマートロックに送信する処理が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
場所を使用するにあたり、この場所の予約を行えると、使用者の利便性が向上する。
ここで、場所の予約を行う予約申込者以外もこの場所を使用できると、使用者の利便性がさらに向上するが、この場所が施錠される場所であると、予約申込者以外の者は、この場所を使用することが難しくなる。
本発明は、予約申込者が予約する場所を、予約申込者以外の者も使用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、前記予約申込者が予約した前記場所の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を、前記予約申込者以外の者であって当該予約申込者が選択した者に対して付与する権限付与手段と、前記権限付与手段により前記予約申込者以外の者に前記解錠権限が付与された場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す取り消し手段と、を備える情報処理システムである。
請求項2に記載の発明は、前記権限付与手段は、予め定められた数を上限として、前記予約申込者以外の者に対して前記解錠権限を付与する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項3に記載の発明は、前記権限付与手段は、前記場所の定員数を上限として、前記予約申込者以外の者に対して前記解錠権限を付与する請求項2に記載の情報処理システムである。
請求項4に記載の発明は、前記権限付与手段は、前記場所の解錠の回数に制限がある前記解錠権限を前記予約申込者以外の者に付与する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項5に記載の発明は、前記権限付与手段は、前記場所の施錠を行える前記解錠権限を前記予約申込者以外の者に付与する請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項6に記載の発明は、前記予約申込者以外の者に付与された前記解錠権限を取り消す第2の取り消し手段をさらに備える請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項7に記載の発明は、前記第2の取り消し手段は、前記予約申込者が行った前記予約が取り消された場合に、前記予約申込者以外の者に付与された前記解錠権限を取り消す請求項6に記載の情報処理システムである。
請求項8に記載の発明は、前記取り消し手段は、前記解錠権限が付与された前記予約申込者以外の者の人数が予め定められた人数となった場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す請求項1に記載の情報処理システムである。
請求項9に記載の発明は、施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、前記予約申込者が予約した前記場所の解錠が当該場所の予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者以外の者であって、解錠権限が付与される者として予め設定された者に対して、当該場所の解錠権限を付与する解錠毎付与手段と、を備える情報処理システムである。
請求項10に記載の発明は、前記場所の解錠が前記予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者に付与されていた解錠権限が取り消される請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項11に記載の発明は、前記解錠毎付与手段によって前記解錠権限が付与される者を予め設定する設定手段を更に備える請求項9に記載の情報処理システムである。
請求項12に記載の発明は、施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、前記予約申込者が予約した前記場所の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を、前記予約申込者以外の者であって当該予約申込者が選択した者に対して付与する権限付与手段と、前記権限付与手段により前記予約申込者以外の者に前記解錠権限が付与された場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す取り消し手段と、を備える情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け手段と、前記予約申込者が予約した前記場所の解錠が当該場所の予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者以外の者であって、解錠権限が付与される者として予め設定された者に対して、当該場所の解錠権限を付与する解錠毎付与手段と、を備える情報処理装置である。
請求項14に記載の発明は、施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け機能と、前記予約申込者が予約した前記場所の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を、前記予約申込者以外の者であって当該予約申込者が選択した者に対して付与する権限付与機能と、前記権限付与機能により前記予約申込者以外の者に前記解錠権限が付与された場合に、前記予約申込者に付与された解錠権限を取り消す取り消し機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
請求項15に記載の発明は、施錠可能な場所について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける受け付け機能と、前記予約申込者が予約した前記場所の解錠が当該場所の予約時間内になされる度に、当該解錠を行った者以外の者であって、解錠権限が付与される者として予め設定された者に対して、当該場所の解錠権限を付与する解錠毎付与機能と、をコンピュータに実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、予約申込者が予約する場所を、予約申込者以外の者も使用できるようにすることができ、また、予約申込者以外の者に解錠権限が付与された場合に、予約申込者に付与された解錠権限を取り消すことができる。
請求項2の発明によれば、解錠権限が付与される、予約申込者以外の者の数を制限することができる。
請求項3の発明によれば、予約申込者が予約した場所の定員数を超える数の、予約申込者以外の者に対して解錠権限が付与されることを防止できる。
請求項4の発明によれば、予約申込者以外の者による解錠の回数を制限することができる。
請求項5の発明によれば、場所の施錠を行える解錠権限を予約申込者以外の者に付与できる。
請求項6の発明によれば、予約申込者以外の者に付与された解錠権限を取り消すことができる。
請求項7の発明によれば、予約申込者が行った予約が取り消されているにも関わらず、予約申込者以外の者に解錠権限が付与されている状態になることを防止できる。
請求項8の発明によれば、解錠権限が付与された、予約申込者以外の者の人数が予め定められた人数となった場合に、予約申込者に付与された解錠権限を取り消すことができる。
請求項9の発明によれば、場所の解錠が予約時間内になされる度に、この解錠を行った者以外の者に対してこの場所の解錠権限を付与することができる。
請求項10の発明によれば、場所の解錠が予約時間内になされる度に、この解錠を行った者に付与されていた解錠権限を取り消すことができる。
請求項11の発明によれば、解錠権限が付与される者を予め設定することができる。
請求項12の発明によれば、予約申込者が予約する場所を、予約申込者以外の者も使用できるようにすることができ、また、予約申込者以外の者に解錠権限が付与された場合に、予約申込者に付与された解錠権限を取り消すことができる。
請求項13の発明によれば、場所の解錠が予約時間内になされる度に、この解錠を行った者以外の者に対してこの場所の解錠権限を付与することができる。
請求項14の発明によれば、予約申込者が予約する場所を、予約申込者以外の者も使用できるようにすることができ、また、予約申込者以外の者に解錠権限が付与された場合に、予約申込者に付与された解錠権限を取り消すことができる。
請求項15の発明によれば、場所の解錠が予約時間内になされる度に、この解錠を行った者以外の者に対してこの場所の解錠権限を付与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】情報処理システムの全体構成の例を概略的に示す図である。
【
図3】実施の形態で使用する管理サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。
【
図4】ユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図5】空間管理サーバの機能構成の例を説明する図である。
【
図6】予約申込者が空間の予約を行う際に、この予約申込者のユーザ端末に表示される表示画面の一例を示した図である。
【
図7】ユーザ端末に表示される表示画面の他の一例を示した図である。
【
図8】予約申込者が有するユーザ端末に表示される表示画面の他の一例を示した図である。
【
図9】ユーザ端末における他の表示例を示した図である。
【
図10】予約申込者による空間の予約の申し込み時に、この予約申込者のユーザ端末に表示される画面の他の一例を示した図である。
【
図11】情報格納部に格納されている解錠権限リストを示した図である。
【
図13】解錠権限が非申込者に付与される際に実行される処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【
図14】解錠毎付与部によって解錠権限が順に付与される場合の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の全体構成の例を概略的に示す図である。
本実施形態では、利用者により予約されて使用される場所の一例である複数の空間2が設けられている。
空間2は、ブース、宿泊施設等の客室、会社内等の会議室等を含む。これらは、壁や間仕切り等によって周囲から区切られている空間2の一例である。また、本実施形態における空間2は、飲食店や理髪店等でサービスの提供を受けるテーブルや座席等を含む。これらは、周囲に開放された空間2の一例である。
さらに、本実施の形態における空間2には、管理上の名称や番号等が付与されている。なお、空間2の予約は、有料でも無料でもよい。
【0009】
図1に示す情報処理システム1は、クラウドネットワーク3に接続された各種の端末で構成されている。
図1では、クラウドネットワーク3に接続される端末の例として、ユーザが操作するユーザ端末4、空間2を管理する空間管理サーバ5、予約者であるユーザの予定を管理する予定管理サーバ6が示されている。
【0010】
図1の場合、目的別又は機能別に1台のサーバが用意されている。すなわち、空間管理サーバ5、予定管理サーバ6がそれぞれ1台ずつ用意されている。
しかし、1つの目的又は機能に対して、複数台のサーバを用意してもよいし、1台のサーバで複数の目的又は機能を分担してもよい。
【0011】
また、ある空間2を管理する事業者は、単独でも複数でもよい。例えば予約の管理、入退室や室内の利用状況などの管理、ユーザに対する利用料金の請求に関する管理、利用者として登録されている会員の管理のそれぞれを、異なる事業者が分担してもよい。
また、前述したように、予約の対象として管理される空間2は、同種である必要もない。例えば空間2の一部はブースであり、空間2の一部は飲食店等の座席やテーブルでもよい。
また、1つの目的又は機能についての管理を、複数の事業者が協働で提供してもよい。
【0012】
本実施形態では、空間2の扉に電子錠が取り付けられており、空間2の各々は、施錠可能となっている。本実施形態では、空間2の解錠権限を有する者が、この空間2の利用を行えるようになっている。
空間2の解錠にあたっては、解錠を行う者が、自身のユーザ端末4を操作して、解錠の指示をする。この指示は、空間管理サーバ5へ送られ、空間管理サーバ5は、この指示を受信する。そして、空間管理サーバ5は、解錠の指示があった空間2の解錠の指示を行う。これにより、この空間2に設置された電子錠が作動し、空間2の解錠が行われる。
【0013】
なお、本実施形態では、空間管理サーバ5を介して、解錠の指示が、空間2へ送信される場合を一例に説明したが、空間2への解錠の指示は、これに限られない。
例えば、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)などの無線通信を用い、ユーザ端末4から空間2へ、直接、解錠の指示を行って、空間2の解錠を行ってもよい。
【0014】
本実施形態では、ユーザ端末4として、携帯可能なスマートフォンを想定する。もっとも、携帯可能なユーザ端末4は、いわゆるウェアラブル端末でもよいし、ノート型のコンピュータやゲーム端末でもよい。
【0015】
空間管理サーバ5は、空間2に関連する各種の情報を管理する。空間管理サーバ5は、例えば利用者を特定する情報、予約の対象である空間2を特定する情報、予約の開始日時、予約の終了日時等を管理する。
利用者を特定する情報には、例えば利用者の氏名、性別、年齢、アカウント、パスワード、個人に付された管理用の情報が含まれる。また、利用の対象である空間2を特定する情報には、例えば住所又は所在の場所を特定する情報、管理用の名称や番号が含まれる。
【0016】
なお、空間管理サーバ5は、空間2に関連付けられている物品やサービスの予約を管理してもよい。例えば貸し出しや使用の許諾が可能な物品やサービス、消費される又は消耗する物品やサービスを管理してもよい。
また、空間管理サーバ5は、空間2の利用に関連する各種の情報を管理する。空間管理サーバ5は、例えば、空間2の利用状況についての情報、空間2を利用する利用者についての情報を管理する。
さらに、空間管理サーバ5は、空間2の解錠および施錠を行う。また、空間管理サーバ5は、空間2を利用する利用者に対する空間2の解錠権限の付与、および、付与した解錠権限の取り消しを行う。
【0017】
予定管理サーバ6は、予約者であるユーザが予定の管理に使用するアプリケーションやグループウェア等が実行される端末である。もっとも、ユーザ端末4にインストールしたアプリケーションで個人の予定を管理する場合、予定管理サーバ6は不要である。予定管理サーバ6は、例えば管理の対象であるユーザのアカウント、パスワード、予定の件名、予定の場所、開始日時、終了日時などが格納される。
【0018】
<空間2の外観構成>
図2は、ブース型の空間2の例を説明する図である。
図2に示すブース型の空間2は、例えば駅の構内、空港、オフィスビル、飲食店やデパート等の商業施設、銀行、図書館、美術館、博物館、公共機関や施設、連絡通路、公園等、室内外を問わずに配置される。
【0019】
図2に示すブース型の空間2の各々は、天井が取り付けられている閉鎖型のブースである。ただし、閉鎖型とは、密閉の意味ではなく、実用的な防音性能を備えていればよい。このため、通気口や小窓等の開口や隙間が、空間2を構成する躯体の一部分に設けられていてもよい。また、窓は開閉が可能でもよい。
【0020】
図2に示す空間2の躯体は、天井20Aと、床面20Bと、開閉可能な扉22が取り付けられている壁面20Cと、壁面20Cの両側に位置する2つの壁面20D及び20Eと、扉22の対面側に位置する壁面20Fとで構成される。
図2の場合、天井20Aには、換気口23が設けられている。換気口23には、開口面積の調整が可能なルーバ23Aが取り付けられている。
図2のルーバ23Aは、全開状態にある。
【0021】
本実施形態では、換気口23を通じて、躯体の内部と外部とが通じており、躯体の内部の気温は、躯体の外部の気温に概ね等しくなっている。付言すると、本実施形態では、躯体の内部に、暖房装置、冷房装置などの空調機器が設置されておらず、躯体の内部の気温と、躯体の外部の気温とが概ね等しくなっている。
なお、躯体の内部に空調機器を設置し、躯体の内部の温度の調整を行えるようにしてもよい。
【0022】
本実施の形態の場合、扉22は、壁面20Cに沿って移動が可能な引き戸を想定する。
図2の場合、扉22は、一方向にスライドされる片引き扉であるが、2枚以上の部材を行き違わせて開閉する引き違い扉でも、2枚の部材を左右にスライドする引き分け扉でもよい。
【0023】
もっとも、扉22は、引き戸に限らない。例えば扉22は、1枚の部材が弧を描くように移動する片開きの開き戸でもよいし、1つの開口部を2枚の扉部材で仕切る両開きの開き戸でもよい。
また、扉22は、蝶番で連結された2枚1組の扉部材を折り畳むように開く折れ戸でもよい。折れ戸にも、片方にのみ開くタイプと、両方向に開くタイプがある。
また、特殊なタイプとして、収納時に扉22が壁の中に引き込まれる引き込み戸や間仕切り戸であってもよい。
なお、扉22は内開きでも外開きでも構わない。
本実施の形態の場合、扉22には、開閉時にユーザが掴む取手22Aが取り付けられている。
【0024】
また、扉22の中央部分には、秘匿性と防犯性を考慮した加工が施された部材22Bが配置されている。部材22Bは、例えば多数の孔が配列された金属製の板(例えばパンチングメタル)が内側に取り付けられた透明板でもよいし、目隠しとなる部材が隙間を空けて内側に取り付けられた透明板でもよいし、正面からは内部の確認が容易であるが斜め方向からは内部の確認が困難なフィルムが貼り付けられた透明板でもよいし、内部の視認性を低下させる加工が施された透明板でもよい。
【0025】
ここでの透明板には、例えばガラス、アクリル樹脂を用いる。また、秘匿性と防犯性のために貼り付けられるフィルムの透過性に関する特性は、扉22の位置とユーザの作業位置との関係で定まる。扉22の正面奥でユーザが作業を行う場合には、正面からは内部の確認が困難であるが、斜め方向からは内部の確認が容易なフィルムを用いればよい。
【0026】
ここでのフィルムは、透過と白濁を電気的に切り替え可能な液晶フィルムや透過率を電気的に制御可能な偏光フィルムでもよい。
また、視認性を低下させる加工には、例えば光が散乱するように部材の表面に細かい傷を付けることを含む。
なお、当該加工は、部材22Bの一部に施されていてもよい。例えば床面や天井の付近は透明であるが、作業中のモニタを覗き込める範囲は、加工によって視認性が低下される構造でもよい。
【0027】
部材22Bを配置することで、モニタの画面を外部から隠しつつも、ユーザの在不在を外部から確認することが可能になる。
もっとも、秘匿性と防犯性を考慮した加工は、扉22以外の部材にも施されることを妨げない。例えば壁面20D、20E、20Fの少なくとも一部に秘匿性と防犯性を考慮した加工が施されていてもよい。
【0028】
この他、扉22には、扉22の解錠および施錠を可能にする電子錠22Cが取り付けられている。この電子錠22Cは、特に制限されず、公知の物を使用すればよい。
電子錠22Cは、例えば、モータなどの駆動源と、この駆動源により移動する移動部とを備え、この移動部の一部が、躯体側に引っ掛かることで、扉22の開放が制限される。
【0029】
空間2の利用人数は、空間2の容積によっておおよそ決まる。本実施の形態における空間2は、基本的に1人が使用する個室型を想定する。
もっとも、空間2は、多人数を収容可能な大部屋でもよい。大部屋は、単独の部屋として構成されていてもよいが、空間2の壁面20D及び20Eの一方又は両方を取り除いた複数の空間2を連結することで形成してもよい。
なお、個室型とは1人しか利用できない意味ではなく、少人数、例えば2~3人の利用が可能な意味で使用する。
空間2を構成する躯体の形状や構造、提供される設備や性能は任意である。例えば天井20Aを取り除いた構成も可能である。
【0030】
本実施の形態の場合、躯体の内部には、不図示の机と椅子が1つずつ配されている。机の上には、備え付けの備品及び機器、予約された備品及び機器等が配置される。
また、躯体の内部には、躯体の内部の撮影を行うカメラなどにより構成される撮影装置24、躯体の内部の利用者を検出する人感センサ25が設けられている。また、躯体の内部には、空間2の温度を検出する温度センサ26が設けられている。
【0031】
さらに、躯体の外表面には、空間2を利用する利用者の個々の情報を取得するための情報取得装置29が設けられることもある。
この情報取得装置29は、例えば、翳されるIDカードを読み取るリーダにより構成される。また、その他に、情報取得装置29は、利用者の指紋や静脈の配置などを読み取るリーダなどであってもよい。
【0032】
<端末の構成>
図3は、実施の形態で使用する管理サーバのハードウェア構成の一例を説明する図である。本実施の形態における管理サーバは、空間管理サーバ5(
図1参照)、予定管理サーバ6(
図1参照)である。
管理サーバは、装置全体の動作を制御する制御ユニット101と、管理データ等を記憶するハードディスクドライブ102と、LAN(=Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現するネットワークインターフェース103とを有している。
【0033】
制御ユニット101は、CPU(=Central Processing Unit)111と、基本ソフトウェアやBIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)112と、ワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)113とを有している。CPU111はマルチコアでもよい。また、ROM112は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット101は、いわゆるコンピュータである。
【0034】
ハードディスクドライブ102は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。もっとも、不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリや磁気テープでもよい。
この他、管理サーバは、必要に応じ、キーボード、マウス等の入力デバイス、液晶ディスプレイ等の表示デバイスも備える。
制御ユニット101と、ハードディスクドライブ102と、ネットワークインターフェース103は、バス104や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0035】
図4は、ユーザ端末4のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4に示す構成は、ユーザ端末4がスマートフォンの場合を想定する。
ユーザ端末4は、装置全体の動作を制御する制御ユニット201と、各種のデータを記憶するメモリカード202と、無線通信の規格に準拠する各種の通信インターフェース203と、タッチセンサ等の入力デバイス204と、液晶ディスプレイや有機EL(=Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイス205と、GPS(=Global Positioning System)センサ206を有している。
【0036】
制御ユニット201は、CPU211と、ファームウェアやBIOS等が記憶されたROM212と、ワークエリアとして用いられるRAM213とを有している。CPU211はマルチコアでもよい。また、ROM212は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0037】
通信インターフェース203は、例えば移動通信システムとの接続に使用されるインターフェース、無線LANとの接続に使用されるインターフェースである。
GPSセンサ206は、GPS衛生からの電波を受信してユーザ端末4の位置を測定するセンサである。GPSセンサ206から出力される緯度、経度、高度の情報は、ユーザ端末4の現在位置を与える。なお、GPSセンサ206は、屋内用の測位システムに対応してもよい。
【0038】
図5は、空間管理サーバ5(
図1参照)の機能構成の例を説明する図である。なお、
図5では、空間2の解錠および施錠に関する機能構成を示している。
空間管理サーバ5は、予約受け付け部51と、権限付与部52と、解錠制御部53と、機器制御部54と、権限取り消し部55と、解錠毎付与部56と、情報格納部57と、設定部58を備える。
【0039】
予約受け付け部51、権限付与部52、解錠制御部53、機器制御部54、権限取り消し部55、解錠毎付与部56、および、設定部58は、例えば、制御ユニット101(
図3参照)によるプログラムの実行により実現される。また、情報格納部57は、例えば、ハードディスクドライブ102により実現される。
なお、本実施形態では、これらの機能部が、情報処理装置の一例としての空間管理サーバ5に設けられた場合を説明したが、複数台の情報処理装置を用意し、これらの機能部を、この複数台の情報処理装置に分散して設けるようにしてもよい。この場合、この複数台の情報処理装置により情報処理システムが構成され、この情報処理システムにより、これらの機能部が実現される形となる。
【0040】
受け付け手段の一例としての予約受け付け部51は、場所の一例である空間2について予約申込者が行った予約の申し込みを受け付ける。
権限付与手段の一例としての権限付与部52は、予約申込者が予約した空間2の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を、予約申込者以外の者である非申込者に付与する。
解錠制御部53は、空間2の各々への制御信号を出力して、空間2の各々の解錠および施錠を行う。
【0041】
制御手段の一例としての機器制御部54は、空間2の各々に設置された機器に対して制御信号を出力して、空間2の各々に設置された機器の制御を行う。
取り消し手段の一例としての権限取り消し部55は、予約申込者や非申込者に付与された解錠権限の取り消しを行う。
解錠毎付与手段の一例としての解錠毎付与部56は、予約申込者が予約した場所について、この場所の解錠がこの場所の予約時間内になされる度に、この解錠を行った者以外の者に対してこの場所の解錠権限を付与する。
情報格納部57は、空間2の解錠および施錠に関する情報を保持する。
設定手段の一例としての設定部58は、解錠毎付与部56によって解錠権限が付与される者を予め設定する。
【0042】
図6は、予約申込者が空間2の予約を行う際に、この予約申込者のユーザ端末4に表示される表示画面の一例を示した図である。
図6に示すこの表示画面では、地図の表示が行われるとともに、この地図上に、空間2の設置箇所が複数表示されている。
【0043】
本実施形態では、予約申込者は、空間2の予約を行う際、まず、表示されている複数の設置箇所の中から設置箇所を選択する。
なお、このような表示形態に限らず、例えば、リスト形式で、複数の設置箇所を表示し、予約申込者が、リストの中から設置箇所を選択するようにしてもよい。
【0044】
設置箇所が選択されると、
図7(ユーザ端末4に表示される表示画面の他の一例を示した図)に示すように、選択された設置箇所における空室の状況が、時間毎に表示される。
予約申込者は、この表示画面に対する操作を行って、空間2の予約時間を指定したうえで、確定ボタン(不図示)を押圧する。
【0045】
これにより、空間管理サーバ5が予約の確定処理を行う。
具体的には、空間管理サーバ5の予約受け付け部51が、空間2の設置箇所および予約時間についての情報を受け付けたうえで、この設置箇所および予約時間についての情報を情報格納部57に登録し、予約の確定処理を行う。
そして、予約の確定結果が、ユーザ端末4へ送信され予約申込者に通知される。
【0046】
図8は、予約申込者が有するユーザ端末4に表示される表示画面の他の一例を示した図である。
本実施形態では、予約申込者が、自身が予約した空間2の解錠を行う際、例えば、ユーザ端末4に
図8に示す画面が表示される。
本実施形態では、予約申込者に、空間2の解錠を行うための解錠権限が付与され、ユーザ端末4には、
図8に示すように、空間2を解錠するための解錠ボタン41が表示される。
【0047】
空間2の予約時間内に、この解錠ボタン41が予約申込者により選択されると、空間2の解錠が行われる。
付言すると、本実施形態では、空間2の予約時間となると、予約申込者に付与された解錠権限が有効となり、空間2の解錠が可能となり、予約申込者が解錠ボタン41を選択すると、空間2の解錠が行われる。
【0048】
なお、予約申込者には、施錠権限も付与されており、予約時間内に、ユーザ端末4に表示された施錠ボタン42が予約申込者により選択されると、空間2の施錠が行われる。
さらに、本実施形態では、予約時間が終了すると、予約申込者に付与された解錠権限および施錠権限が無効となり、ユーザ端末4に表示された解錠ボタン41や施錠ボタン42が非表示となる。
【0049】
また、本実施形態では、予約申込者以外の者(以下、「非申込者」と称する)に対しても、解錠権限の付与を行えるようになっている。
具体的には、本実施形態では、予約申込者が、自身のユーザ端末4に対して予め定められた操作を行うと、このユーザ端末4には、
図9(ユーザ端末4における他の表示例を示した図)に示すように、例えば、非申込者のリストが表示される。
非申込者に解錠権限を付与する場合、例えば、予約申込者は、ユーザ端末4を操作して、非申込者のこのリストの中から、解錠権限を付与する非申込者を選択する。
【0050】
ここで、本実施形態では、空間2の利用を行う者は、予めユーザ登録を行っており、予約申込者のユーザ端末4に表示される上記の非申込者は、予めユーザ登録を行った者である。付言すると、本実施形態では、予めユーザ登録を行った者が、非申込者の候補となる。
本実施形態では、予約申込者のユーザ端末4には、このユーザ登録を行った非申込者であって、例えば、予約申込者と特定の関係を有する非申込者が候補として表示される。
より具体的には、例えば、予約申込者が属する組織と同じ組織に属する非申込者が候補として表示される。そして、本実施形態では、予約申込者は、この候補の中から、非申込者を選択する。
【0051】
また、その他に、例えば、予約申込者が、予め、複数の非申込者の候補を登録しておき、予約申込者は、非申込者の選択を行う際、登録したこの候補の中から、非申込者を選択してもよい。
また、その他に、予約申込者が非申込者の検索処理を行い、この検索処理により特定された非申込者を、非申込者の候補として表示してもよい。
【0052】
予約申込者により非申込者が選択されると、権限付与部52が、選択されたこの非申込者に対して、空間2の解錠権限を付与する。
付言すると、本実施形態では、予約申込者によるユーザ端末4の操作があり、非申込者の選択が行われると、権限付与部52が、選択されたこの非申込者に対し、予約申込者が予約した空間2の予約時間における解錠を可能にする解錠権限を付与する。
【0053】
付言すると、権限付与部52は、非申込者に対し、空間2の予約時間における解錠は可能であるがこの予約時間以外は解錠を行えない解錠権限を付与する。
ここで、解錠権限を付与された非申込者は、予約申込者と同様、自身が有するユーザ端末4を操作することで、空間2の解錠を行う。
なお、予約申込者と同様、空間2の予約時間が終了すると、この非申込者に付与された解錠権限および施錠権限は、無効となる。
【0054】
ここで、予約申込者による非申込者の選択は、予約申込者による空間2の予約が確定した後に限らず、予約申込者による空間2の予約の申し込み時に併せて行われるようにしてもよい。
図10は、予約申込者による空間2の予約の申し込み時に、この予約申込者のユーザ端末4に表示される画面の他の一例を示した図である。
【0055】
この画面には、上記と同様、予約申込者が選択した設置箇所の空室の状況が、時間毎に表示されている。
さらに、この画面では、符号10Aに示すように、非申込者のリストが表示されている。この場合、予約申込者は、空間2の予約を行う予約時間の指定を行い、さらに、上記と同様、非申込者のリストの中から、解錠権限を付与する非申込者を選択する。
【0056】
図11は、空間管理サーバ5の情報格納部57に格納されている解錠権限リストを示した図である。
本実施形態では、非申込者に対して解錠権限が付与されると、
図11に示すように、解錠権限リストに、この非申込者が追加される。
より具体的には、解錠権限リストには、空間2毎および予約時間毎に、解錠権限が付与された者が登録されるようになっている。
【0057】
この例では、空間2Bの予約時間10:00~11:00における予約申込者は、予約申込者Aであり、この予約申込者Aに解錠権限が付与されている。
さらに、この例では、非申込者B、非申込者Cに解錠権限が付与された場合を例示しており、解錠権限リストには、この非申込者B、非申込者Cが登録されている。
【0058】
空間管理サーバ5の解錠制御部53は、ユーザ端末4から、空間2の解錠の指示を受信すると、この解錠の指示を行った者と、解錠権限リストに登録されている者とを照合し、指示を行った者が、解錠権限リストに登録されている場合、空間2の解錠を行う。
より具体的には、本実施形態では、予約申込者や非申込者が解錠行う際、ユーザ端末4にて、IDやパスワードの入力を受け付け、ユーザ端末4の操作を行う操作者の認証を行って、ユーザ端末4を操作する操作者を特定する。
そして、本実施形態では、この認証が済んだユーザ端末4から、解錠の指示があると、この解錠の指示を行った指示者が、解錠権限リストに登録されているかを判断する。そして、登録されている場合、解錠制御部53が空間2の解錠を行う。
【0059】
ここで、予約申込者が、自身が予約していた空間2を急遽利用できなくなったり、予約申込者と非申込者とが共同で空間2を利用したりする場合が想定される。
この場合に、本実施形態のように、非申込者への解錠権限の付与を行えると、予約申込者以外の者である非申込者も空間2の利用を行える。
これにより、予約申込者の替わりに非申込者が空間2を利用できるようなったり、予約申込者と非申込者とが共同で空間2を利用できるようになったりする。
【0060】
なお、非申込者に対しては、空間2の解錠のみならず施錠も行える解錠権限を付与してもよい。この場合、解錠権限リストには、例えば、登録された非申込者に対応付けて、施錠も可能である旨の情報を登録する。
施錠も行える解錠権限を付与された非申込者は、例えば、自身が有するユーザ端末4を操作することで、空間2の解錠のみならず、施錠も行えるようになる。
より具体的には、施錠は、解錠制御部53により行われるが、解錠制御部53は、非申込者からの施錠の指示があった場合、解錠権限リストを参照し、この非申込者が登録され、且つ、施錠可能である旨の情報がこの非申込者に対応付けられている場合、施錠を行う。
【0061】
また、権限付与部52により解錠権限が付与される非申込者の数に、上限を設けることも好ましい。
この場合、権限付与部52は、予め定められた数の非申込者を上限として、非申込者に対して解錠権限を付与することになる。例えば、権限付与部52は、3人を上限として、非申込者に対して解錠権限を付与する。
【0062】
また、例えば、権限付与部52は、予め定められた数の非申込者を上限として、非申込者に対し解錠権限を付与する場合、例えば、予約申込者が予約した空間2の定員数を上限として、非申込者に対し解錠権限を付与してもよい。
例えば、権限付与部52は、予約申込者が予約した空間2の定員数が3である場合、3人の非申込者を上限として、非申込者に対して解錠権限を付与してもよい。
【0063】
また、例えば、権限付与部52は、予約申込者が予約した空間2の定員数から予約申込者の人数を減じた数を上限数として、非申込者に対し解錠権限を付与してもよい。
例えば、権限付与部52は、予約申込者が予約した空間2の定員数が3であり、予約申込者の人数が1である場合、2人の非申込者を上限として、非申込者に対して解錠権限を付与してもよい。
【0064】
ここで、本実施形態では、情報格納部57に、
図12(上限数テーブルを示した図)に示す上限数テーブルが格納されており、この上限数テーブルには、空間2の各々に対応付けて、空間2の定員数や、解錠権限を付与可能な非申込者の人数についての上限数が登録されている。
権限付与部52は、上限数テーブルを参照することで、非申込者への解錠権限の付与の対象となっている空間2についての、解錠権限の上限数を把握する。
そして、権限付与部52は、例えば、予約申込者からこの上限数を超える数の非申込者への解錠権限の付与の指示があった場合、例えば、この予約申込者に対し、上限数を超えている旨の通知処理を行ったうえで、この上限数までの非申込者に対して、解錠権限を付与する。
【0065】
また、その他に、予約申込者が空間2の予約を行う際に、この空間2についての上限数についての情報を、この予約申込者のユーザ端末4に送信し、予め、この上限数についての情報を予約申込者に通知するようにしてもよい。
また、その他、空間2についての上限数についての情報を、この空間2の予約を行う予約申込者のユーザ端末4に送信し、ユーザ端末4にて、この上限数を超える数の非申込者の選択を行えないようにしてもよい。
【0066】
また、解錠権限を付与する非申込者の上限数を、予約申込者の契約形態に応じて、変更してもよい。言い換えると、上限数テーブルに格納されている、上限数についての情報を、予約申込者の契約形態に応じて、変更してもよい。
例えば、予約申込者の空間2についての契約形態が、第1の契約形態である場合、この空間2についての上限数を1とし、契約形態が、第1の契約形態よりもこの予約申込者への請求料金が大きい第2の契約形態である場合、上限数を、この1よりも大きい数としてもよい。
また、解錠権限を非申込者に付与した場合、予約申込者に対して追加の料金の請求をしたり、非申込者に対して料金の請求をしたりしてもよい。
【0067】
また、非申込者の数とは無関係に、解錠権限の上限数を設定してもよい。
この場合も、上限数テーブルに、例えば、空間2毎の上限数が登録され、権限付与部52は、この上限数までの解錠権限を上限として、非申込者に対して解錠権限を付与する。
この場合、例えば、一人の非申込者に対し、上限数の解錠権限が付与されることもあるし、複数の非申込者の各々に1つの解錠権限が付与され、解錠権限の総数が上限数となる場合もある。
【0068】
また、権限付与部52は、予め定められた条件を満たす非申込者に対して、解錠権限を付与してもよい。
具体的には、権限付与部52は、例えば、予約申込者によって選択された非申込者の中から、非申込者の絞り込みを行い、予め定められた条件を満たす非申込者に対して、解錠権限を付与してもよい。
【0069】
言い換えると、権限付与部52は、例えば、予約申込者によって選択された非申込者の各々の情報に基づき、解錠権限を付与する非申込者を決定し、決定したこの非申込者に対して解錠権限を付与してもよい。
より具体的には、権限付与部52は、例えば、予約申込者によって選択された非申込者の各々の情報として、非申込者の各々の位置情報を取得し、例えば、予約申込者が予約した空間2から予め定められた距離内に位置する非申込者に対して解錠権限を付与してもよい。
【0070】
ここで、例えば、予約申込者が空間2の利用を急遽行えなくなり、他の者に解錠権限を付与する場合を想定する。この場合、予約申込者は、例えば、ユーザ端末4に表示された、複数のこの他の者の中から、解錠権限を付与する非申込者を選択することになる。
この場合に、選択された非申込者の中には、空間2から離れた箇所に位置する非申込者も存在し、空間2を利用できない非申込者が存在しうる。
【0071】
この場合、上記のように、非申込者の各々の位置の情報に基づき、解錠権限を付与する非申込者を決定すると、空間2の近くに位置する非申込者に対し解錠権限が付与されるようになる。
ここで、非申込者の各々の位置の情報は、非申込者の各々が有するユーザ端末4に設けられたGPSセンサ206により得られた情報を、このユーザ端末4から取得することで、この非申込者の各々の位置の情報の取得を行える。
【0072】
なお、上記では、非申込者の各々の位置の情報に基づき、解錠権限を付与する非申込者を決定する場合を説明したが、非申込者の各々の位置情報に限らず、非申込者の各々の他の情報に基づき、解錠権限を付与する非申込者を決定してもよい。
例えば、非申込者の各々の、性別、年齢、空間2の過去の利用実績などの情報に基づき、解錠権限を付与する非申込者を決定してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、空間2を、物の受け渡しに利用することもでき、例えば、配送業者が空間2に物を置くことで、この物を、後にこの空間2に来る予約申込者に対して渡せるようになる。この場合、この配送業者を非申込者とし、この配送業者に解錠権限を付与することで、配送業者は、空間2に物を置けるようになる。
そして、この場合、配送業者に付与される解錠権限が、施錠を行える解錠権限であると、配送業者は、物を空間2に置いた後に、この空間2の施錠を行える。
【0074】
なお、上記では、非申込者が、ユーザ登録が行われた者である旨の説明を行ったが、ユーザ登録が行われていない非申込者に対して、解錠権限や施錠権限を付与することもできる。
例えば、配送業者のように、空間2の解錠や施錠を、一時的に1回のみ行えればよい者も存在する。この場合、ユーザ登録が無くても、空間2の解錠や施錠を行えると、空間2を利用する利用者の利便性が向上する。
【0075】
ユーザ登録を行っていない者に対して、解錠権限や施錠権限を付与する場合には、例えば、予約申込者が、ユーザ端末4を操作して、識別情報の発行を空間管理サーバ5へ依頼する。
そして、空間管理サーバ5が、識別情報を発行するとともに、空間管理サーバ5が、この識別情報を、予約申込者のユーザ端末4へ送信する。なお、この識別情報は、予約申込者が予約した空間2に対応付けられた状態で、情報格納部57に格納される。
【0076】
次いで、予約申込者は、取得した識別情報を、ユーザ登録を行っていない非申込者が有する端末装置に送信する。そして、ユーザ登録を行っていない非申込者が、空間2の解錠や施錠を行う際には、この者が、端末装置を操作して、この識別情報を、空間管理サーバ5へ送信する。
そして、空間管理サーバ5では、送信されてきたこの識別情報と、情報格納部57に格納されている識別情報(空間2に対応付けられている識別情報)とを照合し、識別情報同士が一致する場合、空間2の解錠や施錠を行う。
【0077】
また、その他に、権限付与部52は、解錠の回数に制限がある解錠権限を非申込者に付与してもよい。より具体的には、権限付与部52は、例えば、空間2の解錠を1回のみ行える解錠権限を非申込者に付与してもよい。
上記の配送業者のように、解錠を1回行えればよい非申込者に対して、空間2の解錠を1回のみ行える解錠権限を付与すると、空間2の解錠後にこの配送業者によって再び解錠がなされることが抑制される。
また、その他、権限付与部52は、解錠の回数に制限がある解錠権限として、空間2の解錠を複数回行える解錠権限を非申込者に付与してもよい。
【0078】
解錠の回数に制限がある解錠権限を非申込者に付与する場合は、解錠権限リストに登録された非申込者毎に且つこの非申込者の各々に対応付けて、解錠の回数(回数の上限数)についての情報を予め登録しておく。
なお、この解錠の回数は、例えば、予約申込者によって指定される。予約申込者は、ユーザ端末4を操作することで、解錠の回数を指定する。そして、指定されたこの回数についての情報が、空間管理サーバ5に送信され、非申込者に対応付けて登録される。
【0079】
そして、この場合、本実施形態では、解錠制御部53による解錠が行われる度に、この解錠の指示を行った非申込者の解錠数に対して1を加算する。
そして、この解錠数が、解錠の回数についての上限数に達した場合、以後、解錠制御部53は、この非申込者からの指示に基づく解錠を行わないようにする。
【0080】
図13は、解錠権限が非申込者に付与される際に実行される処理の流れの一例を示したフローチャートである。
この例では、まず、予約申込者が、ユーザ端末4を操作して、空間2の予約を行う(ステップS101)。これにより、予約申込者は、自身が予約した空間2の予約時間における解錠権限を得る。
さらに、この処理例では、非申込者であるユーザBが、空間2を訪問する場合を例示しており、この場合、予約申込者は、ユーザ端末4を操作して、非申込者であるユーザBへの解錠権限の付与を行う(ステップS102)。
【0081】
そして、この処理例では、ユーザBが、空間2に来るとともに、ユーザBは、自身のユーザ端末4を操作して、空間2の解錠を行う(ステップS103)。
その後、本実施形態では、このユーザBの解錠権限を無効にする(ステップS104)。
より具体的には、この処理例では、ユーザBに、1回の解錠のみを行える解錠権限が付与された場合を例示しており、ユーザBが解錠を行うと、ユーザBによる解錠数が上限数に達し、以後、このユーザBは、空間2の解錠を行えないようになる。
【0082】
次に、空間2内に設置された機器の制御について説明する。
各空間2における機器の制御の内容を、この空間2を使用する者に応じて、異ならせてもよい。具体的には、空間2を使用する者が、非申込者および予約申込者の何れであるかに応じて、空間2における機器の制御の内容を異ならせてもよい。
本実施形態では、空間2に設置された機器の制御は機器制御部54により行われるが、機器制御部54は、予約申込者が空間2を使用する際の機器の制御内容と、非申込者が空間2を使用する際の機器の制御内容とを異ならせてもよい。
【0083】
ここで、本実施形態の機器制御部54は、例えば、予約申込者が空間2を使用する際の照明機器の制御内容と、非申込者が空間2を使用する際の照明機器の制御内容とを異ならせる。
より具体的には、機器制御部54は、例えば、予約申込者が空間2を使用する際には照明機器の光量が大きくなるように照明機器を制御し、非申込者が空間2を使用する際には照明機器の光量が小さくなるように照明機器を制御する。
例えば、上記のように、非申込者が配送業者等である場合、単に物を置くだけであるため、空間2の照度を落としておいても影響は少ない。そこで、上記のように、非申込者が空間2を使用する際には照明機器の光量が小さくなるように照明機器を制御してもよい。
【0084】
また、その他に、機器制御部54は、例えば、予約申込者が空間2を使用する際には空間2の温度が予め定められた範囲内の温度となるように空調機器を制御し、非申込者が空間2を使用する際には空調機器がオフとなるように空調機器を制御してもよい。
【0085】
また、非申込者の各々が空間2を使用する際の機器の制御内容は、一律に同じとしてもよいし、非申込者の属性情報などの非申込者についての情報に応じて、非申込者毎に、機器の制御内容を異ならせてもよい。
また、非申込者が空間2を使用する際の機器の制御内容は、予約申込者の指示に基づき決定してもよく、この場合、機器制御部54は、予約申込者の指示に基づき、非申込者が空間2を使用する際の制御内容を決定し、決定したこの制御内容で機器の制御を行う。
【0086】
また、機器制御部54は、非申込者が空間2を使用する場合、空間2に設置された機器の一部又は全部を使用出来なくしてもよい。
より具体的には、機器制御部54は、非申込者が空間2を使用する場合、例えば、空間2に設置された機器への通電を制御して、機器の一部又は全部の使用を出来なくしてもよい。
【0087】
具体的には、機器制御部54は、非申込者が空間2を使用する場合、例えば、空間2に設置されたディスプレイへの通電を行わないようにして、このディスプレイの使用を出来なくしてもよい。
また、機器制御部54は、非申込者が空間2を使用する場合、空間2に設置された全ての機器への通電を行わないようにして、この全ての機器の使用を出来なくしてもよい。
【0088】
なお、一部の機器の使用を出来なくする場合、機器制御部54は、上記と同様、予約申込者の指示に基づき、使用出来なくするこの一部の機器を決定してもよい。
具体的には、機器制御部54は、例えば、予約申込者から、ディスプレイを使用出来なくするとの指示があった場合、このディスプレイへの給電が行われないようにする設定を行い、このディスプレイを使用出来なくする。
【0089】
なお、非申込者および予約申込者の何れであるかに応じて、上記のように制御内容を変える場合は、空間2を使用する者が、非申込者、予約申込者の何れであるかを把握する必要がある。
空間2を使用する者が、非申込者、予約申込者の何れであるかの把握は、例えば、空間2の解錠の指示を行った者についての情報を取得し、この情報から、空間2を使用する者が、非申込者、予約申込者の何れであるかの把握を行える。
【0090】
次に、解錠権限の取り消しについて説明する。
本実施形態では、解錠権限を取り消す権限取り消し部55が設けられている。
権限取り消し部55は、例えば、予約申込者が行った空間2の予約が取り消された場合に、この予約申込者に付与された解錠権限を取り消すとともに、非申込者に付与された解錠権限を取り消す。
【0091】
より具体的には、権限取り消し部55は、例えば、予約申込者が予約した空間2の予約時間よりも前に、この予約申込者がこの予約の取り消しを行った場合に、予約申込者および非申込者の各々に付与された解錠権限を取り消す。
これにより、空間2の予約が取り消されているにも関わらず、予約申込者、非申込者がこの空間2を利用可能となる事態が避けられる。
より具体的には、権限取り消し部55は、解錠権限リストに登録されている者の中から、予約申込者および非申込者についての情報を削除して、予約申込者および非申込者の各々に付与された解錠権限を取り消す。
【0092】
また、その他に、権限取り消し部55は、例えば、予約申込者からの指示があった場合に、非申込者に付与された解錠権限を取り消してもよい。
この場合、権限取り消し部55は、解錠権限の付与が行われた全ての非申込者の解錠権限を取り消してもよいし、予約申込者により選択された非申込者に付与された解錠権限など、一部の非申込者の解錠権限を取り消してもよい。
【0093】
また、権限取り消し部55は、例えば、予約申込者が、予約時間中における空間2の使用を途中で止めた場合に、予約申込者、非申込者の各々に付与された解錠権限を取り消してもよい。
なお、この場合も、権限取り消し部55は、非申込者の各々に付与された解錠権限の取り消しにあたり、全ての非申込者の解錠権限を取り消してもよいし、一部の非申込者の解錠権限を取り消してもよい。
一部の非申込者の解錠権限を取り消す場合は、他の一部の非申込者は、空間2の利用を継続して行えるようになる。
【0094】
次に、予約申込者に付与された解錠権限の取り消しについてさらに説明する。
権限取り消し部55は、権限付与部52により非申込者に対して解錠権限が付与された場合に、予約申込者に付与された解錠権限を取り消してもよい。
なお、この解錠権限の取り消しは、上記と同様、解錠権限リストに登録されている者の中から、予約申込者についての情報を削除して、予約申込者に付与された解錠権限を取り消す。
【0095】
より具体的には、例えば、権限取り消し部55は、非申込者への解錠権限の付与が行われ、解錠権限が付与された非申込者の人数が予め定められた人数となった場合に、予約申込者の解錠権限を取り消してもよい。
より具体的には、権限取り消し部55は、例えば、解錠権限が付与された非申込者の人数が、予約申込者が予約している空間2の定員数となった場合に、予約申込者の解錠権限を取り消してもよい。
より具体的には、例えば、権限取り消し部55は、定員数が3の空間2について、3人の非申込者に対して解錠権限を付与された場合、予約申込者の解錠権限を取り消してもよい。
【0096】
解錠権限が付与された非申込者の人数が多くなると、予約申込者が予約している空間2が実際に使用される際に、この空間2を占める人の数が多くなり、空間2を活用しにくくなるおそれがある。また、非申込者に対して解錠権限の付与が行われたということは、予約申込者は、自身では空間2を利用しないと考えている場合も想定される。
そこで、解錠権限の取り消しについては、非申込者に付与された解錠権限に限らず、予約申込者に付与された解錠権限を取り消してもよい。
【0097】
また、その他に、予約申込者の解錠権限が一旦取り消されたとしても、その後に、解錠権限が取り消された状態にあるこの予約申込者に対し、解錠権限を再び付与してよい。
具体的には、例えば、解錠権限が付与された非申込者による空間2の使用が途中で終了した場合に、解錠権限が取り消された状態にある予約申込者に対して解錠権限を再び付与してもよい。
【0098】
言い換えると、例えば、空間2の定員数と同数の非申込者に対して解錠権限が付与されている状態において、一部又は全部の非申込者が、空間2の使用を途中で終了した場合、解錠権限を有していない予約申込者に対して解錠権限を再び付与してもよい。
【0099】
なお、非申込者が、空間2の使用を途中で終了したか否かは、例えば、空間2に設置された情報取得装置29(
図2参照)からの情報に基づき判断する。
非申込者が空間2の使用を途中で終了し退出する場合に、非申込者が有するIDカード等がこの情報取得装置29(例えば、カードリーダ)に翳される構成の場合、この情報取得装置29からの情報を取得することで、非申込者が、空間2の使用を途中で終了したか否かの判断を行える。
なお、その他に、例えば、ユーザ端末4を介して、空間2の使用が終了した旨の情報を非申込者に入力してもらうようにし、このユーザ端末4からの情報に基づき、空間2の使用が途中で終了したか否かを判断してもよい。
【0100】
また、その他に、例えば、予約申込者により予約された空間2の解錠が予約時間内になされる度に、この解錠を行った者以外の者に対してこの空間2の解錠権限を付与するようにしてもよい。
本実施形態では、解錠毎付与部56が設けられている。
この解錠毎付与部56は、予約申込者により予約された空間2の解錠が予約時間内になされる度に、解錠権限リストに、この解錠を行った者以外の新たな者を登録する。これにより、この解錠を行った者以外の者に対して、この空間2の解錠権限が新たに付与される。
なお、解錠が予約時間内になされたか否かは、例えば、解錠制御部53による解錠が、予約時間内にあった否かで判断する。
【0101】
さらに、この場合、空間2の解錠が予約時間内になされる度に、この解錠を行った者に付与されていた解錠権限を取り消すようにしてもよい。
より具体的には、この場合、権限取り消し部55が、空間2の解錠が予約時間内になされる度に、この解錠を行った者についての情報を解錠権限リストから削除して、この解錠を行った者に付与されていた解錠権限を取り消す。
【0102】
このように、空間2の解錠が予約時間内になされる度に、新たな解錠権限の付与、および、解錠を行った者の解錠権限の取り消しを行う場合、空間2の解錠がなされる度に、空間2の解錠権限が、順次、他の者に移動するようになる。
付言すると、この処理を行う場合、権限付与部52によって解錠権限が付与された非申込者が、上記の予約時間内に空間2の解錠を行うと、実質的に、この解錠権限が、他の者に移動するようになる。
なお、解錠権限の移動先となる者は、非申込者であってもよいし予約申込者であってもよい。
【0103】
さらに、本実施形態では、設定部58が設けられており、本実施形態では、この設定部58が、解錠毎付与部56によって解錠権限が付与される者を予め設定してもよい。
より具体的には、設定部58は、例えば、予約申込者からの情報を受け付け、この情報を基に、解錠毎付与部56によって解錠権限が付与される者を予め設定する。
【0104】
ここで、設定部58は、解錠毎付与部56によって解錠権限が付与される者が単数である場合は、解錠権限が付与される一人の者を設定する。
また、設定部58は、解錠毎付与部56によって解錠権限が付与される者が複数である場合は、この複数の者と、この複数の者の各々に対して解錠権限を付与する際の順番を設定する。
なお、この順番は、予め定められた条件に従って自動で設定してもよいし、予約申込者からの、順番についての指示に基づき、設定してもよい。
【0105】
解錠毎付与部56は、設定部58により設定されたこの設定を参照して、新たな者に解錠権限を付与する。
解錠毎付与部56は、解錠権限が付与される者が複数である場合は、設定部58により設定された順番で、この複数の者の各々に対して、解錠権限を順に付与する。
【0106】
図14は、解錠毎付与部56によって解錠権限が順に付与される場合の処理の流れの一例を示したフローチャートである。
この例では、まず、上記と同様、予約申込者が空間2の予約を行い、予約申込者が空間2についての解錠権限を得る(ステップS201)。
次いで、この処理例では、予約申込者が、非申込者へ解錠権限を付与する(ステップS202)。
【0107】
その後、この処理例では、権限取り消し部55が、予約申込者に付与された解錠権限を取り消す(ステップS203)。
この処理例では、解錠権限が付与された非申込者の数が、上限数である1となった場合に、予約申込者に付与された解錠権限が取り消される設定となっており、予約申込者が、非申込者へ解錠権限を付与すると、予約申込者に付与された解錠権限が取り消される。
付言すると、この処理例では、解錠権限の上限数が1と設定されており、予約申込者が、1人の非申込者に対して解錠権限を付与すると、予約申込者に付与されていた解錠権限が取り消される。
【0108】
次いで、この処理例では、解錠権限が付与された非申込者によって、空間2の解錠が行われる(ステップS204)。
そして、非申込者によって空間2の解錠が行われると、解錠毎付与部56が、予約申込者に解錠権限を付与する(ステップS205)。
言い換えると、この処理例では、解錠権限の次の付与先(移動先)が、予約申込者であると予め設定されており、非申込者によって空間2の解錠が行われると、解錠毎付与部56が、予約申込者に解錠権限を付与し、解錠権限が、予約申込者に戻る。
【0109】
なお、この処理例では、非申込者が解錠すると、予約申込者に解錠権限が移動する場合を説明したが、解錠権限の次の移動先(付与先)として、非申込者が設定されている場合には、この非申込者に解錠権限が移動する。
また、上記では、解錠毎付与部56は、空間2の解錠があった場合に、この解錠を行った者以外の者に対して解錠権限を付与したが、解錠毎付与部56は、空間2の解錠があり且つこの解錠を行った者が空間2から退出した場合に、この解錠を行った者以外の者に対して解錠権限を付与してもよい。
【0110】
ここで、空間2から非申込者や予約申込者が退出したか否かについては、例えば、空間2の利用者が有するIDカード等が情報取得装置29(例えば、カードリーダ)に翳されたか否かで判断できる。
また、その他に、ユーザ端末4を介して、空間2の利用が終了した旨の情報を利用者に入力してもらうようにし、このユーザ端末4からの情報に基づき、空間2から退出したか否かの判断も行える。
【符号の説明】
【0111】
1…情報処理システム、2…空間、5…空間管理サーバ、51…予約受け付け部、52…権限付与部、54…機器制御部、55…権限取り消し部、56…解錠毎付与部、58…設定部