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特許7487457会議支援システム、会議支援装置、および会議支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】会議支援システム、会議支援装置、および会議支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20230101AFI20240514BHJP
【FI】
G06Q10/10
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019166815
(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公開番号】P2021043829
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中山 佳実
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0002798(US,A1)
【文献】特開2011-055160(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0271438(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0336519(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0149501(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
会議の進行を支援するための会議支援システムであって、
会議について事前に登録された情報に基づき会議のテーマの範囲に対応する第1の特徴値を決定する第1の決定手段と、
会議の種類ごとに対応する重みを記憶する記憶部と、
会議中の参加者の発言から語句を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出した語句に対応する第2の特徴値を決定する第2の決定手段と、
前記第2の特徴値が、前記第1の特徴値と進行中の会議の種類に対応する前記重みにより特定される許容範囲に含まれるか否かにより、発言が会議のテーマから逸脱するか否か判断する判断手段と、
を備えた会議支援システム。
【請求項2】
前記第2の決定手段は、前記進行中の会議を開始してから所定の時間が経過する毎に、前記進行中の会議の進行上の所定期間に取得した前記会議中の参加者の発言に基づいて前記第2の特徴値を算出し、
前記判断手段は、前記第2の決定手段において前記第2の特徴値を決定する毎に前記判断を実施する
請求項1に記載の会議支援システム。
【請求項3】
前記第1の決定手段および前記第2の決定手段は、テキスト情報を形態素解析して得た各語句と、前記各語句の中から指定されたテーマとなる語句との距離の平均を、前記第1の特徴値および前記第2の特徴値として決定する
請求項1または2に記載の会議支援システム。
【請求項4】
前記第1の決定手段は、前記テキスト情報のネットワーク分析により、ネットワークにおける中心的な語句を前記テーマとなる語句として抽出する
請求項3に記載の会議支援システム。
【請求項5】
前記第1の決定手段は、前記ネットワーク分析により、前記テーマとの関連度が高い語句の中からサブテーマを抽出し、前記各語句と前サブテーマとなる語句との距離の平均についても、前記第1の特徴値として決定する
請求項4に記載の会議支援システム。
【請求項6】
前記第2の特徴値は、前記テーマに対する、前記抽出した語句の距離を示す
請求項1~5のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項7】
前記抽出手段は、前記会議中に取得された音声をテキスト化したテキスト情報から前記語句を抽出する
請求項1~6のうの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項8】
前記語句は、単語である
請求項1~7のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項9】
前記第1の決定手段は、前記会議に対して事前に登録されたテキスト情報に含まれる語句をノードとして、語句間のつながりを示す第1の共起ネットワークを生成し、前記第1の共起ネットワーク内で中心となる語句と他の語句の間の距離に基づき、前記第1の特徴値を決定する
請求項1~8のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項10】
前記第2の決定手段は、記抽出した語句をノードとして、語句間のつながりを示す第2の共起ネットワークを生成し、前記第2の共起ネットワーク内での語句と前記テーマまでの距離を前記第2の特徴値として決定する
請求項1~9のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項11】
前記テーマとなる語句を指定するための入力部を備えた
請求項1~10のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項12】
前記第2の決定手段は、前記会議のテーマとして、複数のテーマが指定された場合、前記複数のテーマ毎に前記第2の特徴値を決定する
請求項1~11のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項13】
前記第2の決定手段は、前記進行中の会議に対して複数のテーマが指定された場合、前記抽出した語句が何れのテーマに分類されるかを判断し、分類されたテーマ毎に前記第2の特徴値を決定する
請求項12に記載の会議支援システム。
【請求項14】
前記判断手段は、前記進行中の会議について得た前記第2の特徴値が、前記許容範囲を超える場合に、前記進行中の会議の議論が会議のテーマから逸脱していると判断する
請求項1~13のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項15】
さらに、
前記判断手段における判定結果を報知するための報知部を備えた
請求項1~14のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項16】
さらに、
会議中の音声を取得する音声取得部と、
音声情報をテキスト情報に変換するテキスト化部を備えた
請求項1~15のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項17】
前記事前に登録された情報は、前記進行中の会議に関連する過去の会議において取得した情報、および前記進行中の会議に関する資料の少なくとも一方を含む
請求項1~16のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項18】
前記記憶部は、会議の経過時間に対応する重みを保持し、
前記判断手段は、前記第1の特徴値を、前記進行中の会議の種類に対応した重みと、前記進行中の会議の経過時間に対応する重みとによって処理することにより、前記進行中の会議において該当する経過時間に対応する前記許容範囲を算出する
請求項1~17のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項19】
前記記憶部は、前記進行中の会議における特定の参加者の情報を保持し、
前記抽出手段は、前記会議中の参加者のうち前記特定の参加者の発言を除外した発言から、前記語句を抽出する
請求項1~18のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項20】
前記会議の種類は、報告の会議、問題解決の会議、アイデア出しの会議、および意思を決定する会議を含む
請求項1~19のうちの何れか1項に記載の会議支援システム。
【請求項21】
請求項1~20のうちの何れか1項に記載の会議支援システムを備えた
会議支援装置。
【請求項22】
会議の進行を支援するための会議支援プログラムであって、
会議について事前に登録された情報に基づき会議のテーマの範囲に対応する第1の特徴値を決定させ、
会議の種類ごとに対応する重みを記憶させ、
会議中の参加者の発言から語句を抽出させ、
前記抽出した語句に対応する第2の特徴値を決定させ、
前記第2の特徴値が、前記第1の特徴値と進行中の会議の種類に対応する前記重みにより特定される許容範囲に含まれるか否かにより、発言が会議のテーマから逸脱するか否かを判断させるための
会議支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議支援システム、会議支援装置、および会議支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
会議の進行に際しては、事前に設定されたテーマから逸脱した発言によって会議の進行が妨げられる。そこで、会議の円滑な進行を支援するための技術として、例えば下記特許文献1~3に開示の技術がある。このうち特許文献1には、規定された肯定的または否定的なキーワード、キーフレーズの何れかに一致もしくは類似する語句を抽出して分類集計し、その結果に基づいて会議の進行がスムーズか否かを判断する、と記載されている。
【0003】
また特許文献2には、会議知能システムが、会議内容データを構文解析して適切なアジェンダ・トピックを指示し、中断されるべき進行中の議論を検出するために感情分析を実行し、スケジューリング指示を生成する、と記載されている。
【0004】
さらに特許文献3には、会議カテゴリー毎に登録された評価テーブルを参照し、会議開始とされてからの発言人数や発言時間などから算出した会議経過時間当たりの成果から会議の飽和状態を評価してアラートを行う、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-66794号公報
【文献】特開2017-91535号公報
【文献】特開2018-169651号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、事前に設定されたテーマから逸脱した内容であっても、発言者の全員が賛同しながら会議が進行している場合には、テーマからの逸脱を防止することができない。また特許文献2の技術では、例えばアイデア出しの会議の場合のように、話題が多岐にわたる場合には、会議の進行が妨げられるおそれがある。また特許文献3に記載の技術では、実際に会議で何が話されているかは考慮されないため、会議の進行がテーマから逸脱していても、これを防止することができない。
【0007】
そこで本発明は、事前に設定されたテーマからの逸脱を十分に防止することが可能な会議支援システム、会議支援装置、および会議支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的を達成するための本発明は、会議の進行を支援するための会議支援システムであって、会議について事前に登録された情報に基づき会議のテーマの範囲に対応する第1の特徴値を決定する第1の決定手段と、会議の種類ごとに対応する重みを記憶する記憶部と、会議中の参加者の発言から語句を抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した語句に対応する第2の特徴値を決定する第2の決定手段と、前記第2の特徴値が、前記第1の特徴値と進行中の会議の種類に対応する前記重みにより特定される許容範囲に含まれるか否かにより、発言が会議のテーマから逸脱するか否か判断する判断手段とを備えた会議支援システムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、事前に設定されたテーマからの逸脱を十分に防止することが可能な会議支援システム、会議支援装置、および会議支援プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の会議支援システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の会議支援システムを用いた会議の一例を示す図である。
図3】本発明の会議支援システムにおける重みの設定の一例を示す図である。
図4】本発明の会議支援プログラムによって実行される会議支援の前処理の手順を示すフローチャートである。
図5】本発明の会議支援システムによる会議支援の前処理の一例を説明するネットワーク図(その1)である。
図6】本発明の会議支援システムによる会議支援の前処理の一例を説明するネットワーク図(その2)である。
図7】本発明の会議支援プログラムによって実行される会議支援の手順を示すフローチャートである。
図8】本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その1)である。
図9】本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その2)である。
図10】本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その3)である。
図11】本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その4)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の会議支援システム、会議支援装置、および会議支援プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0012】
≪会議支援システム≫
図1は、実施形態に係る会議支援システム1の構成を示すブロック図である。また図2は、本発明の会議支援システムを用いた会議の一例を示す図であって、議長[Pc]を含む複数(5名)の参加者[P]が、テーブル200を囲んで会議を行う場合を示している。このような会議において、一例として、ホワイトボード201とともに会議支援システム1を用いた会議が実施される。ここで用いられる会議支援システム1は、例えばテキストマイニングを用いた自然言語処理や、音声処理によって、会議の進行を支援するためのシステムである。
【0013】
図1に示すように、会議支援システム1は、音声取得部101、入力部102、入出力インターフェース103、および報知部104と、これらの各構成要素に接続された処理部105を備えている。音声取得部101、入力部102、入出力インターフェース103、および報知部104は、処理部105に対して配線を介して接続されていてもよいが、無線通信によって接続されてもよい。以下、これらの構成要素の詳細を説明する。
【0014】
<音声取得部101>
音声取得部101は、会議中の発言を音声として取得するためのマイクロフォンであって、処理部105に接続されている。音声取得部101は、1つであってもよいが、必要に応じた数だけ設けられてよい。必要な数とは、例えば会議に参加する人数分であったり、会議を行う会場の大きさに見合う数である。また、この会議支援システム1が、複数の会場をネットワークでつないだ通話会議に適用される場合であれば、音声取得部101は各会場に配置される。
【0015】
<入力部102>
入力部102は、会議支援のための設定を入力するための機器であって、処理部105に接続されている。このような入力部102は、例えばキーボードであったり、表示装置と一体に設けられたタッチパネルであってもよい。また入力部102は、会議中の発言をテキストデータとして入力するための機器として用いてもよい。この場合、入力部102は、音声取得部101と同様に必要な数だけ設けられてよい。
【0016】
<入出力インターフェース103>
入出力インターフェース103は、会議の事前資料等の受け渡しをするための部分であって、例えば外部の端末装置との接続を図るためのネットワークインターフェースであったり、接続ポートである。
【0017】
<報知部104>
報知部104は、次に説明する処理部105で判定した会議の進行状況を報知するための機器であって、処理部105に接続されている。このような報知部104は、例えば表示装置であったり、スピーカーであってよい。また報知部104は、音声取得部101と同様に必要な数だけ設けられてよい。
【0018】
<処理部105>
処理部105は、音声取得部101および入力部102からの情報に基づいて、会議の進行状況を判定して会議の進行を支援する部分であって、計算機によって構成されている。計算機は、いわゆるコンピューターとして用いられるハードウェアである。計算機は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびHDD(Hard Disk Drive)のような記憶部を備える。また処理部105は、ここでの図示を省略したRTC(Real Time Clock)を備えていていることとする。
【0019】
このような処理部105による会議の進行の支援の手順は、以降に説明する会議支援方法において詳細に説明する。この処理部105において実施する会議の支援方法の手順は、会議支援プログラムとしてROMに保存されたプログラムであるか、または外部装置からRAMや他の記憶部にロードされて保存されたプログラムである。またこのような処理部105は、会議を実施する会場に設けられる必要はなく、ネットワーク上のサーバーであってもよい。
【0020】
以上のような処理部105は、機能要素として、テキスト化部105a、記憶部105b、情報蓄積部105c、第1の決定手段105d、抽出手段105e、第2の決定手段105f、および判断手段105gを備えている。これらの各機能要素は、次のようである。
【0021】
[テキスト化部105a]
テキスト化部105aは、音声取得部101で取得した音声情報や、入出力インターフェース103から入力された音声情報を、テキスト情報に変換する部分である。なお、テキスト化部105aは、必要に応じて設ければよい。例えば、音声取得部101で取得した音声情報をベクトル化し、そのベクトル情報を用いて処理を行う場合には、テキスト化部105aを設けることは必須ではない。
【0022】
[記憶部105b]
記憶部105bは、次に説明する第1の決定手段105d、第2の決定手段105f、および判断手段105gにおいて実施される解析処理に必要な設定条件を保持する部分である。この記憶部105bが保持する設定条件のうちの1つは、会議中において議論がテーマに沿って進行しているか否かを判断するための許容範囲を算出するための重み[W]である。
【0023】
ここで許容範囲は、会議中の議論がテーマから逸れて発散してよい範囲を示し、重み[W]によって特定される範囲である。このような重み[W]は、許容範囲の値を変化させるための変数であって、会議の種類毎に設定される設定条件である。
【0024】
図3は、本発明の会議支援システムにおける重み[W]の一例を示す図である。この図に示すように、「(1)報告」の会議のように資料に従って進行する会議と比較して、「(2)問題解決」の会議や「(3)アイデア出し」の会議では、重み[W]として大きな値が付与され、会議中において議論が発散する場合の許容範囲が広く設定される。
【0025】
また、さらに追加で、会議の経過時間毎に重み[W2]が設定されていてもよい。この場合、会議を経過時間に沿った複数の期間に分割し、分割した各期間に対して重み[W2]を設定する。各期間に対して設定される重み[W2]は、会議の終了時間やそのテーマ[Tm]に与えられた制限時間が近づくほどだんだん小さくし、会議を収束させるように設定する。なお、各期間の長さは一定でなくてもよい。
【0026】
また、重みは、参加者[P]に対して設定してもよい。この場合、例えば会議の参加者[P]のうち、会議の議長[Pc]や、テーマ[Tm]に沿った発言が多い特定の参加者[Ps]については、重みとして大きな値を付与し、会議中において議論が発散する許容範囲を広く設定する。このような特定の参加者[Ps]は、入力部102からの入力によって指定してもよいし、過去の会議においての発言に基づいて抽出されてもよい。
【0027】
なお、参加者[P]に対して重みを設定する場合、この処理部105は、音声取得部101で取得した音声情報を話者毎に識別する話者識別部を備えていることとする。
【0028】
図1および図2に戻り、この記憶部105bが保持する設定条件のうちの別の1つとして、例えば会議の参加者[P]のうち、会議の進行状況の判定から除外する特定の参加者を設定してもよい。特定の参加者とは、例えば会議の議長[Pc]や、テーマ[Tm]に沿った発言が多い特定の参加者[Ps]であることとする。このような特定の参加者[Ps]は、入力部102からの入力によって指定してもよいし、過去の会議においての発言に基づいて抽出されてもよい。
【0029】
なお、このように会議の進行状況を判定から除外する特定の参加者を設定する場合であっても、この処理部105は、音声取得部101で取得した音声情報を話者毎に識別する話者識別部を備えていることとする。
【0030】
[情報蓄積部105c]
情報蓄積部105cは、会議情報を蓄積する。情報蓄積部105cに蓄積される会議情報は、会議の事前情報、および現在進行している会議中の発言情報であって、いずれもテキスト情報、音声情報、およびこれらを解析した情報である。テキスト情報は、テキスト化部105aにおいてテキスト化された情報および、入力部102から入力された情報を含む。
【0031】
このうち会議の事前情報は、会議について事前に登録された情報であって、会議の案内、会議に対する予備知識が記載された参考資料であって、これらは過去に開催された会議に関するものを含む。また会議の事前情報は、過去に開催された会議の議事録、会議中のメモ、会議中の発言情報などである。このうち、過去に開催された会議の会議中の発言情報は、テキスト情報であっても音声情報をベクトル化したベクトル情報であってもよい。これらの事前情報は、テーマ[Tm]毎に関連付けして保存されていることとする。
【0032】
また、現在進行している会議中の発言情報は、会議の開催中に音声取得部101で取得された音声情報をテキスト化部105aにおいてテキスト化した情報、さらに入力部102から入力されたテキスト情報、およびこれらのテキスト情報を解析した情報である。また現在進行している会議中の発言情報は、会議の開催中に音声取得部101で取得された音声情報のベクトル情報、およびベクトル情報を解析した情報であってもよい。このような現在進行している会議中の発言情報は、会議の開催中において会議支援のための情報として処理された後には、会議の事前情報として情報蓄積部105cに追加される。
【0033】
[第1の決定手段105d]
第1の決定手段105dは、会議について事前に登録された情報(会議の事前情報)に基づき、上述した会議のテーマの範囲に対応する第1の特徴値を決定する。第1の特徴値、および第1の決定手段105dにおいて実行される第1の特徴値の決定手順は、以降の会議支援方法において詳細に説明する。
【0034】
[抽出手段105e]
抽出手段105eは、現在進行している会議中の参加者の発言から語句を抽出する。抽出手段105eで抽出する語句は、典型的には単語であってよいが、単語同士が連結された語句や、助詞を含んだ複合語、接頭語や接尾語を有すかまたは語形が変化した派生語であってもよい。
【0035】
[第2の決定手段105f]
第2の決定手段105fは、抽出手段105eにおいて抽出した語句に対応する第2の特徴値を決定する。第2の特徴値、および第2の決定手段105fにおいて実行される第2の特徴値の決定手順は、以降の会議支援方法において詳細に説明する。
【0036】
[判断手段105g]
判断手段105gは、第1の決定手段105dで決定した第1の特徴値と、第2の決定手段105fで決定した第2の特徴値と、記憶部105bに保持された情報とに基づいて会議の進行状況を判断する。この判断手段105gにおいて実行される会議の進行状況の判断の手順は、以降の会議支援方法において詳細に説明する。
【0037】
なお、以上説明した会議支援システム1の各構成要素は、例えば1つの装置に組み込まれて会議支援装置を構成してもよい。このような会議支援装置は、以降に説明する会議支援プログラムをアプリケーションソフトとして保持するパーソナルコンピューターであってもよい。
【0038】
≪会議支援方法≫
次に、以上のような構成の会議支援システム1によって実施される会議支援方法を説明する。ここで説明する会議支援方法は、図1および図3を用いて説明した会議支援システム1の処理部105が、会議支援プログラムを実行することによって実現される。なお、以下においては、会議の事前情報および現在進行している会議中の発言情報は、テキスト情報およびこれに基づく情報であることとして説明を行うが、会議の事前情報および会議中の発言情報は、ベクトル情報であってもよく、テキスト情報とベクトル情報とを含んでもよい。
【0039】
<前処理>
図4は、本発明の会議支援プログラムによって実行される会議支援の前処理の手順を示すフローチャートである。以下、図4のフローチャートに従い、図1図3および必要に応じて他の図を参照しつつ、実施形態に係る会議支援プログラムが実施する会議支援方法における前処理を説明する。
【0040】
この前処理は、次に支援する会議の議長[Pc]または主催者が、例えば入力部102の操作によって、該当する会議に関する前処理の実行を指示する入力を行ったことによって、以下のように開始される。
【0041】
[ステップS001]
ステップS001において、第1の決定手段105dは、会議の事前情報を取得する。この際、第1の決定手段105dは、入力部102からの入力情報に基づいて、情報蓄積部105cに蓄積されている会議の事前情報の中から、次に支援する会議に関するテキスト情報を取得する。
【0042】
[ステップS002]
ステップS002において、第1の決定手段105dは、ステップS001で取得した会議の事前情報から、該当する会議についての特徴的な語句(例えば単語)を抽出する。この場合、第1の決定手段105dは、取得したテキスト情報を形態素解析し、出現頻度に基づいて特徴的な単語を抽出する。
【0043】
[ステップS003]
ステップS003において、第1の決定手段105dは、ステップS001で取得した次に支援する会議に関するテキスト情報の構文解析を行い、ステップS002での形態素解析によって抽出した単語間のつながりを解析する。この際、第1の決定手段105dは、一例として抽出した単語を頂点(ノード)とし、つながりのある単語間を線(エッジ)で結んだネットワーク(第1の共起ネットワーク)を作成する。
【0044】
図5は、本発明の会議支援システムによる会議支援の前処理の一例を説明するネットワーク図(その1)であって、次に支援する会議が「(2)問題解決」の会議である場合のテキスト情報を解析して作成されたネットワーク[N]の一例を示している。また図6は、本発明の会議支援システムによる会議支援の前処理の一例を説明するネットワーク図(その2)であって、次に支援する会議が「(3)アイデア出し」の会議である場合のテキスト情報を解析して作成されたネットワーク[N]の一例を示している。
【0045】
図示したように、各ネットワークは、単語間を結ぶ線(エッジ)の太さによって、単語間のつながりの頻度を表す。また第1の決定手段105dは、テキスト情報から抽出した単語のベクトル化を行い、ネットワーク上において関連する単語を近接して配置する。
【0046】
[ステップS004]
ステップS004において、第1の決定手段105dは、ステップS003で作成したネットワークに基づいて、会議のテーマ[Tm]となる単語を決定する。この場合、第1の決定手段105dは、例えばネットワークの中心にある単語を求める。この中心にある単語は、ネットワーク分析の近接中心性を求める方法で行う。この方法では、各単語からの平均距離が一番小さい単語が中心にある単語として選ばれる。このため、いろいろな単語と直接つながりのある単語や、出現頻度の高い単語が、中心にある単語、すなわちテーマ[Tm]となる単語として選ばれることになる。したがって、複数の単語がテーマ[Tm]となる単語として選ばれる場合もある。
【0047】
なお、テーマ[Tm]となる単語は、会議の開催案内の議題を選択してもよい。一例として、図5に示した例では、「予算」という単語がテーマ[Tm]として決定され、図6に示した例では、「UI(ユーザー インターフェイス:User Interface)」という単語がテーマ[Tm]として決定された場合を示した。
【0048】
テーマ[Tm]となる単語は、ステップS003で作成したネットワークにおいて、所定のエッジ数を有する単語(ノード)を、テーマ[Tm]としてもよい。この場合、エッジ数は、入力部102からの入力によって設定した値とし、選択されたテーマ[Tm]の数が多い場合には、エッジ数を変更する処理を追加してもよい。
【0049】
また第1の決定手段105dは、テーマ[Tm]として選択された単語と直接つながりのある単語のうち、近接中心性の低い単語をサブテーマに選択するように設定されていてもよい。この際、第1の決定手段105dは、テーマとの関連度が高い単語の中からサブテーマを抽出する。
【0050】
[ステップS005]
ステップS005において、第1の決定手段105dは、ステップS004で選択されたテーマ[Tm]毎に、テーマ[Tm]からの距離を特徴値として算出する。ここでは、各テーマ[Tm]においてテーマ[Tm]から各単語までの距離の平均値を求め、この平均値をテーマ[Tm]からの基準距離[V]とする。第1の決定手段105dは、得られた基準距離[V]を、第1の特徴値に決定する。この際、距離および平均値は、ベクトル量として算出され、方向性を有していることとする。
【0051】
また、テーマ[Tm]から各単語までの距離は、単語間の関連度を含んだ値であることとする。ここで単語間の関連度は、例えば単語間のつながりの回数(共起回数)に基づいた値であることとする。そして、単語間の距離は、単純に距離を単語間のつながりの回数に対して比例的に算出してもよいが、これに限定されることはない。単語間の距離は、つながりの回数に対して指数関数的に大きく遠距離にして計算してもよい。またさらに、つながりの回数が少ない単語間の距離はより小さく近距離にして形成してもよい。
【0052】
また第1の決定手段105dは、ステップS004において、会議のテーマ[Tm]と共に、サブテーマも決定した場合、サブテーマについても同様に基準距離を算出し、算出した基準距離を、第1の特徴値に決定する。
【0053】
<会議の進行状況の判断処理>
図7は、本発明の会議支援プログラムによって実行される会議支援の手順を示すフローチャートである。以下、図7のフローチャートに従い、図1図3および必要に応じて他の図を参照しつつ、実施形態に係る会議支援プログラムが実施する会議支援の手順を説明する。
【0054】
この手順は、例えば会議の議長[Pc]が、入力部102の操作によって、以上説明した前処理を実施した会議の開始の設定を入力することによって開始される。ここで入力される開始の設定は、会議の種類と、テーマ[Tm]の設定である。テーマ[Tm]は、第1の決定手段105dによって予め設定されており、予め設定されたテーマ[Tm]を変更する場合に、入力部102の操作によって変更すればよい。なお、テーマ[Tm]は、単数でも複数でもよい。テーマ[Tm]が、変更された場合には、第1の決定手段105dは、先のステップS005を再度実施し、変更されたテーマ[Tm]についての基準距離[V](第1の特徴値)を決定する。
【0055】
また会議の設定としては、以上の他に、会議の経過時間に対して重み[W2]を設定するか否かの指定、参加者に対する重みを設定するか否かの指定、さらには特定の参加者を判定から除外するか否かの指定を入力してもよい。
【0056】
またここでは、会議の設定として、必要に応じて記憶部105bに保持した設定条件(図3参照)の変更の入力も可能とする。
【0057】
以上のように、入力部102の操作によって会議の設定の入力がなされた後、判断手段105gは、次の手順で処理を実施する。
[ステップS101]
ステップS101において、第2の決定手段105fは、n=1の処理を行う。
【0058】
[ステップS102]
ステップS102において、第2の決定手段105fは、情報蓄積部105cに対して、進行中の会議の発言情報の蓄積を開始させる。これにより、情報蓄積部105cは、音声取得部101で取得した音声情報をテキスト化部105aにおいて変換したテキスト情報を、この会議における第n期間(先ずはn=1)の会議中の発言情報として蓄積する。さらに情報蓄積部105cは、入力部102から入力されたテキスト情報も、この会議における第n期間の会議中の発言情報として蓄積してもよい。
【0059】
[ステップS103]
ステップS103において、第2の決定手段105fは、所定時間が経過したか否かの判断を行う。ここでは、例えば設定保持部に保持した第n期間に相当する経過時間の最後に達した場合に、所定時間が経過した(YES)と判断して次のステップS104に進む。
【0060】
[ステップS104]
ステップS104において、第2の決定手段105fは、抽出手段105eに対して、進行中の会議における第n期間の間に情報蓄積部105cに蓄積された会議の発言情報から、特徴的な単語の抽出を実施させる。この場合、抽出手段105eは、テキスト情報を形態素解析し、出現頻度に基づいて特徴的な単語を抽出する。なお、会議の設定において、特定の参加者を判定から除外する指定がなされた場合、抽出手段105eは、指定された特定の参加者の発言情報に基づくテキスト情報を除外した処理を行う。
【0061】
[ステップS105]
ステップS105において、第2の決定手段105fは、第n期間の間に情報蓄積部105cに蓄積されたテキスト情報の構文解析を行い、ステップS104での形態素解析によって抽出した単語間のつながりを解析する。ここでは、先に説明した前処理のステップ003と同様の解析処理を行うことにより、例えば抽出した単語を頂点(ノード)とし、つながりのある単語間を線(エッジ)で結んだネットワーク(第2の共起ネットワーク)を、第n期間のネットワークとして作成する。
【0062】
ここで、図8は、本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その1)であり、また図9は、本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その2)である。これらの図8および図9は、この会議が「(2)問題解決」の会議である場合の、第n期間のテキスト情報を解析して作成されたネットワーク[Nn]の2つの例を示している。
【0063】
また図10は、本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その3)であり、また図11は、本発明の会議支援システムによる会議支援の一例を説明するネットワーク図(その4)である。これらの図10および図11は、この会議が「(3)アイデア出し」の会議である場合の、第n期間のテキスト情報を解析して作成されたネットワーク[Nn]の2つの例を示している。
【0064】
これらの図に示すように、実際の会議の発言情報に関するテキスト情報に基づいて作成されたネットワーク[Nn]は、前処理で得られたネットワーク[N]との異なるものになる。また、これらのネットワーク[Nn]は、会議の経過時間によって異なるものになる。
【0065】
[ステップS106]
ステップS106において、第2の決定手段105fは、ステップS105において作成した第n期間のネットワーク[Nn]に基づいて、第n期間についてのテーマ[Tm]からの距離[Vn]を、第2の特徴値として算出する。このような距離[Vn]の算出は、先に説明した前処理のステップ005の手順と同様に行ない、テーマ[Tm]から各単語までの距離の平均値をテーマ[Tm]からの距離[Vn]とする。
【0066】
なお、会議のテーマ[Tm]と共に、サブテーマも決定している場合であれば、サブテーマについても同様に距離を算出する。また第2の決定手段105fは、ステップS105において作成したネットワーク[Nn]に基づいて、テーマ[Tm]との関連度が高い単語の中からサブテーマを抽出し、その後、抽出したサブテーマについて距離を算出してもよい。
【0067】
また、複数のテーマ[Tm]が選択された場合、第2の決定手段105fは、ステップS105において作成した第n期間のネットワーク[Nn]に基づいて、第n期間のネットワーク[Nn]が、いずれのテーマ[Tm]のものであるかを分類し、分類したテーマ[Tm]からの距離を算出する。
【0068】
[ステップS107]
ステップS107において、判断手段105gは、会議の事前情報の前処理で得た基準距離[V]に対して、記憶部105bに保持された重み[W]の値を掛け合わせる。ここで掛け合わせる重み[W]の値は、記憶部105bに保持された重み[W]のうち、処理の開始時に入力部102の操作によって設定された会議の種類に対応する。すなわち、図3を参照すると、会議の種類が「(2)問題解決」の会議であれば重み[W]=2.0が選択され、「(3)アイデア出し」の会議であれば重み[W]=5.0が選択される。
【0069】
また、入力部102の操作による会議の開始の設定として、会議の経過時間に対して重み[W2]を設定する指定がなされた場合、判断手段105gは、会議の種類に対応する重み[W]に対し、さらに第n期間に設定された重み[W2]を考慮した重み処理を行う。この場合、例えば基準距離[V]に対し、重み[W]と重み[W2]の値を掛け合わせた処理([V]×[W]×[W2])を行う。
【0070】
同様に、入力部102の操作による会議の開始の設定として、各参加者に対して重みを設定する指定がなされた場合、判断手段105gは、会議の種類に対応して重み[W]に対し、さらに各参加者に対する重み付けも考慮した処理を行う。
【0071】
以上については、サブテーマがある場合には、サブテーマについても同様に実施する。
【0072】
[ステップS108]
ステップS108において、判断手段105gは、ステップS107の処理で得た基準距離[V]を重み付け処理した値([V]×[W]または[V]×[W]×[W2])と、ステップS106で算出した第n期間についてのテーマ[Tm]からの距離[Vn](第2の特徴値)とを比較する。そして、第n期間についてのテーマ[Tm]からの距離[Vn]が、重み付け処理した値([V]×[W]または[V]×[W]×[W2])よりも大きい(YES)と判断した場合に、ステップS109に進み、それ以外の場合にはステップS110に進む。
【0073】
なお、以上については、サブテーマがある場合には、サブテーマについても同様に実施し、テーマ[Tm]およびサブテーマのうちの1つでも、距離[Vn]が重み付け処理した値([V]×[W]または[V]×[W]×[W2])よりも大きい(YES)と判断された場合は、ステップS109に進むこととする。
【0074】
[ステップS109]
ステップS109において、判断手段105gは、報知部104に対して、会議での議論がテーマ[Tm]が逸れていることを報知させる。これにより報知部104が表示部であれば、会議での議論がテーマ[Tm]が逸れていることをアラート表示し、報知部104がスピーカーであれば、アラート音を鳴らす。
【0075】
[ステップS110]
ステップS110において、判断手段105gは、会議が終了したか否かの判断を実施する。この際、判断手段105gは、例えば入力部102から会議の終了の入力がなされた場合に会議が終了した(YES)と判断し、それ以外の場合には終了しない(NO)と判断する。終了した(YES)と判断した場合には、処理を終了させる。これに対し、終了しない(NO)と判断した場合には、ステップS111に進む。
【0076】
なお、1つの会議において複数のテーマでの議論がなされる場合、本ステップS110においては、1つのテーマでの議論が終了したか否かの判断を実施する。そして、次のテーマの議論に入る場合には、例えば会議の議長[Pc]が、入力部102の操作によって、次のテーマによる会議の開始の設定を入力する。これにより、ステップS101以降の処理が開始される。
【0077】
[ステップS111]
ステップS111において、判断手段105gは、[n=n+1]として第n期間のインクリメント処理を行い、ステップS103に戻って次の第n期間についての処理を繰り返す。
【0078】
<実施形態の効果>
以上説明した実施形態によれば、進行中の会議の発言情報から抽出した単語(語句)同士の関係性を数値化し、かつ会議の種類によって重み付け処理して得た許容範囲との比較によって会議の進行状況の判定を行っている。これにより、会議の種類毎に会議のテーマからの逸脱の範囲を設定して会議の進行状況を判断することができ、より的確に、事前に設定されたテーマからの逸脱を防止することが可能となる。
【0079】
これにより、例えばアイデア出しの会議であって、テーマからの議論の逸脱がある程度許容される場合には、アラートが報知され難くして会議の進行が中断されることを防止することができる。これに対し報告の会議であって、テーマからの議論の逸脱に対して許容度が低い会議の場合には、アラートが報知され易くしてテーマに沿った議論の進行を促すことができる。
【0080】
なお、以上の実施形態においては、共起ネットワークを使って会議のテキスト情報から会議の進行状態を判断する手順を説明した。しかしながら本発明は、単語同士の関係性を数値化するための解析手法が、共起ネットワークを用いた手法に限定されることはない。さらに、事前の会議情報および進行中の会議の発言情報のうちの音声情報は、テキスト化して処理することに限定されず、ベクトル情報として処理してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 会議支援システム(会議支援装置)
101 音声取得部
102 入力部
103 入出力インターフェース
104 報知部
105 処理部
105a テキスト化部
105b 記憶部
105c 情報蓄積部
105d 第1の決定手段
105e 抽出手段
105f 第2の決定手段
105g 判断手段
200 テーブル
201 ホワイトボード
[Tm]…テーマ
[V]…基準距離(第1の特徴値)
[Vn]…距離(第2の特徴値)
[v]×[W]…許容範囲
[W]…重み(会議の種類)
[W2]…重み(経過時間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11