(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】画像形成装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B65H 29/62 20060101AFI20240514BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240514BHJP
B41J 25/20 20060101ALI20240514BHJP
B65H 31/00 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
B65H29/62 Z
B41J29/38 601
B41J25/20
B65H31/00 Z
(21)【出願番号】P 2020006140
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2022-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 崇之
【審査官】久慈 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-226031(JP,A)
【文献】特開2019-023673(JP,A)
【文献】特開2017-159600(JP,A)
【文献】特開2019-207382(JP,A)
【文献】特開2002-321864(JP,A)
【文献】特開2010-100424(JP,A)
【文献】特開2003-341915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 29/62
G06V 30/00
B41J 29/38
B41J 25/20
B65H 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の位置に切り欠きを有し、情報が記録された複数の用紙を順次給紙する給紙部と、
給紙された前記用紙から画像を読み取る読取部に順次搬送して読み取られた前記複数の用紙を同一の排出トレイに順次排出する搬送部と、プロセッサとを有し、
前記プロセッサは、前記画像に基づいて前記情報を評価した結果に応じて前記用紙を異なる姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御する
ものであり、
前記評価した結果が第1の結果である場合に、前記用紙を第1の姿勢で前記同一の排出トレイに排出し、前記評価した結果が前記第1の結果と異なる他の結果である場合に、前記用紙を前記第1の姿勢と異なる他の姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御して、前記他の姿勢で排出された前記用紙の一部を前記第1の姿勢で排出された前記用紙の前記切り欠きから露出させる、
画像形成装置。
【請求項2】
前記他の姿勢は、前記第1の姿勢に対して、前記用紙の先後端、前記用紙の表裏、又は前記用紙の先後端と表裏とが反転した姿勢である、
請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記他の結果は、互いに異なる2つ又は3つの他の結果であり、
前記他の姿勢は、前記2つ又は3つの他の結果に対応して互いに異なる2つ又は3つの姿勢である、
請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記他の姿勢で搬送される前記用紙を、前記第1の姿勢で排出された前記用紙とは異なる他の搬送路を搬送して前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御する、
請求項
1から
3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1の姿勢で排出する前記用紙を、第1の搬送路を搬送して排出し、前記他の姿勢で排出する前記用紙を、前記第1の搬送路を搬送し、さらに前記第1の搬送路以外の他の搬送路を搬送して前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御する、
請求項
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記結果を前記用紙に印刷する印刷部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記印刷部で印刷された前記用紙を前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御する、
請求項1から
5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷部は、前記他の姿勢を分類する分類情報を前記用紙の一部に印刷する、
請求項
6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
給紙部から順次給紙された、同一の位置に切り欠きを有し、情報が記録された複数の用紙を、前記用紙から画像を読み取る読取部に順次搬送し、読み取られた前記複数の用紙を同一の排出トレイに順次排出する搬送部を制御するプロセッサに、
前記画像に基づいて前記情報
を評価した結果に応じて前記用紙を異なる姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御させるための
プログラムであって、
前記評価した結果が第1の結果である場合に、前記用紙を第1の姿勢で前記同一の排出トレイに排出し、前記評価した結果が前記第1の結果と異なる他の結果である場合に、前記用紙を前記第1の姿勢と異なる他の姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御して、前記他の姿勢で排出された前記用紙の一部を前記第1の姿勢で排出された前記用紙の前記切り欠きから露出させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル複写機を利用して答案用紙の自動採点をできるようにした画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
特許文献1に記載された画像形成装置は、各答案用紙の画像を読み取る画像読取手段と、画像読取手段によって読み取られた画像情報から解答を認識する解答認識手段と、認識された解答に対する採点処理を行う採点手段と、ユーザの要求に応じた出力順(例えば、高得点順)に採点結果を出力する採点結果出力手段と、採点結果を答案用紙上に画像を形成して採点結果出力紙として出力させる画像出力手段とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
答案用紙を生徒の席順や出席番号順に回収して採点した後に答案用紙を採点結果に応じた順序で排出した場合、積層した状態の答案用紙から自動採点できなかった等の問題のある答案用紙や生徒を特定するのが難しくなる。
【0006】
本発明の課題は、情報が記録された複数の用紙を順次読み込み、複数の用紙のうち読み込んだ順番を崩さずに注目すべき用紙を積層状態でも特定することができる画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]同一の位置に切り欠きを有し、情報が記録された複数の用紙を順次給紙する給紙部と、
給紙された前記用紙から画像を読み取る読取部に順次搬送して読み取られた前記複数の用紙を同一の排出トレイに順次排出する搬送部と、プロセッサとを有し、
前記プロセッサは、前記画像に基づいて前記情報を評価した結果に応じて前記用紙を異なる姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御するものであり、前記評価した結果が第1の結果である場合に、前記用紙を第1の姿勢で前記同一の排出トレイに排出し、前記評価した結果が前記第1の結果と異なる他の結果である場合に、前記用紙を前記第1の姿勢と異なる他の姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御して、前記他の姿勢で排出された前記用紙の一部を前記第1の姿勢で排出された前記用紙の前記切り欠きから露出させる、画像形成装置。
[2]前記他の姿勢は、前記第1の姿勢に対して、前記用紙の先後端、前記用紙の表裏、又は前記用紙の先後端と表裏とが反転した姿勢である、前記[1]に記載の画像形成装置。
[3]前記他の結果は、互いに異なる2つ又は3つの他の結果であり、
前記他の姿勢は、前記2つ又は3つの他の結果に対応して互いに異なる2つ又は3つの姿勢である、前記[1]に記載の画像形成装置。
[4]前記プロセッサは、前記他の姿勢で搬送される前記用紙を、前記第1の姿勢で排出された前記用紙とは異なる他の搬送路を搬送して前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御する、前記[1]から[3]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
[5]前記プロセッサは、前記第1の姿勢で排出する前記用紙を、第1の搬送路を搬送して排出し、前記他の姿勢で排出する前記用紙を、前記第1の搬送路を搬送し、さらに前記第1の搬送路以外の他の搬送路を搬送して前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御する、前記[4]に記載の画像形成装置。
[6]前記結果を前記用紙に印刷する印刷部をさらに備え、
前記プロセッサは、前記印刷部で印刷された前記用紙を前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御する、前記[1]から[5]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
[7]前記印刷部は、前記他の姿勢を分類する分類情報を前記用紙の一部に印刷する、前記[6]に記載の画像形成装置。
[8]給紙部から順次給紙された、同一の位置に切り欠きを有し、情報が記録された複数の用紙を、前記用紙から画像を読み取る読取部に順次搬送し、読み取られた前記複数の用紙を同一の排出トレイに順次排出する搬送部を制御するプロセッサに、
前記画像に基づいて前記情報を評価した結果に応じて前記用紙を異なる姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御させるためのプログラムであって、
前記評価した結果が第1の結果である場合に、前記用紙を第1の姿勢で前記同一の排出トレイに排出し、前記評価した結果が前記第1の結果と異なる他の結果である場合に、前記用紙を前記第1の姿勢と異なる他の姿勢で前記同一の排出トレイに排出するよう前記搬送部を制御して、前記他の姿勢で排出された前記用紙の一部を前記第1の姿勢で排出された前記用紙の前記切り欠きから露出させるためのプログラム。
【発明の効果】
【0008】
請求項1、8に係る発明によれば、情報が記録された複数の用紙を順次読み込み、複数の用紙のうち読み込んだ順番を崩さずに注目すべき用紙を積層状態でも特定することができる。
請求項2に係る発明によれば、斜めに排出された場合と比較して姿勢が大きく変化しているため、注目すべき用紙と他の用紙とを容易に識別することができる。
請求項3に係る発明によれば、姿勢によって評価結果を判断することができる。
請求項4、5に係る発明によれば、他の搬送路を利用して姿勢を変えることができる。
請求項6に係る発明によれば、採点結果を用紙に印刷することができる。
請求項7に係る発明によれば、注目すべき用紙を分類情報で分類することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略の構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、特定の用紙の一例を示し、(a)は、特定の用紙の表面を示す図、(b)は、特定の用紙の裏面を示す図である。
【
図3】
図3は、画像形成装置の内部の概略の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、画像形成装置の制御系の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、サーバの制御系の一例を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、特定の用紙が排出され、積層された状態を示す図である。
【
図8】
図8は、画像形成装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の内部の概略の構成例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施の形態に係る特定の用紙の一例を示し、(a)は、特定の用紙の表面を示す図、(b)は、特定の用紙の裏面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0011】
[実施の形態の要約]
本実施の形態の画像形成装置は、同一の位置に切り欠きを有し、情報が記録された複数の用紙を順次給紙する給紙部と、給紙された用紙から画像を読み取る読取部に順次搬送して読み取られた用紙を排出トレイに順次排出する搬送部と、プロセッサとを有し、プロセッサは、画像に基づいて情報を評価した結果に応じて用紙を異なる姿勢で排出トレイに排出するよう搬送部を制御する。
【0012】
用紙には、例えば、問題と解答が記録された問題用紙、解答が記録された解答用紙や答案用紙、質問と回答が記録された質問回答用紙やアンケート用紙、回答が記録された回答用紙等が含まれる。情報には、例えば、解答、回答等が含まれる。情報は、用紙の片面に記録されてもよく、両面に記録されてもよい。情報は、生徒等の対象者によって記録される。用紙は、対象者に対して1枚でもよいし、複数枚セットでもよい。
【0013】
評価した結果には、例えば、採点可能・不可能、正解・不正解、点数、分類、統計等が含まれる。評価は、画像形成装置自身が行ってもよく、サーバ等の外部装置が行ってもよい。
【0014】
排出トレイに排出されるときの用紙の姿勢には、例えば、次のものがある。
(i)表面下・後端先頭
用紙の表面が下になり、用紙の後端が先頭となって排出される姿勢である。
(ii)表面下・先端先頭
用紙の表面が下になり、用紙の先端が先頭となって排出される姿勢である。
(iii)裏面下・後端先頭
用紙の裏面が下になり、用紙の後端が先頭となって排出される姿勢である。
(iv)裏面下・先端先頭
用紙の裏面が下になり、用紙の先端が先頭となって排出される姿勢である。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略の構成例を示す外観図である。この画像形成装置1は、例えば、スキャン機能、コピー機能、プリント機能、ファクシミリ機能等の複数の機能を有する複合機である。なお、画像形成装置1は、スキャン機能とコピー機能を有する画像形成装置でもよい。
【0016】
また、画像形成装置1は、後述するサーバ33(
図4、
図5参照)と連携して特定の用紙100(
図2参照)を採点し、採点可能・不可能や採点結果等に応じた姿勢で排出する機能を有する。採点は、評価の一例である。採点可能・不可能及び採点結果は、評価した結果の一例である。特定の用紙とは、A4普通紙等の規定の用紙以外の用紙をいう。本実施の形態の特定の用紙100は、例えば、A4サイズの普通紙の一部に切り欠き110を有する用紙である。以下、特定の用紙100は、問題用紙を例に挙げて説明する。また、特定の用紙100に対して解答する対象者は、生徒を例に挙げて説明する。解答は、用紙に記録された情報の一例である。
【0017】
(装置本体の構成)
画像形成装置1は、装置本体2を有する。装置本体2は、上部2aと、上部2aを支持する支持部2bと、上部2aとの間に空間部2cを有して設けられた中間部2dと、中間部2dの下方に設けられた下部2eと、中間部2dの側面に設けられた側面部2fとを有する。
【0018】
上部2aは、原稿が配置される原稿台3と、原稿を原稿台3に自動的に給紙する自動給紙装置4とを有する。自動給紙装置4は、装置本体2の上部2aに開閉可能に設けられ、原稿を給紙する第1の給紙トレイ4aと、原稿が排出される第1の排出トレイ4bとを有する。また、上部2aの正面側には、操作表示部7とスタートボタン7aが設けられている。
【0019】
支持部2bの側面には、特定の用紙100を給紙する第2の給紙トレイ5が設けられている。支持部2bの内部には、第2の給紙トレイ5に積層状態で配置された複数の特定の用紙100を1枚ずつ順次後述する用紙搬送路6(
図3参照)に給紙する後述する給紙部13(
図3参照)が設けられている。なお、第2の給紙トレイ5は、特殊サイズの用紙等の他の用紙を給紙する場合にも用いられる。
【0020】
上部2aと中間部2dとの間の空間部2cには、印刷された用紙P、又は採点された特定の用紙100が排出される第2の排出トレイ20が設けられている。中間部2dの内部には、画像を形成する後述する画像形成部16(
図3参照)が設けられている。下部2eには、用紙を供給する複数の給紙カセット21a、21bが設けられている。第2の排出トレイ20は、排出トレイの一例である。画像形成部16は、印刷部の一例である。
【0021】
側面部2fの内部には、用紙P又は特定の用紙100を反転させる後述する両面印刷パス64(
図3参照)が設けられている。
【0022】
(特定の用紙の構成)
図2は、特定の用紙100の一例を示す図である。
図2(a)は、特定の用紙100の表面100aを示し、
図2(b)は、特定の用紙100の裏面100bを示す。特定の用紙100は、例えば、A4サイズ(210mm×297mm)を有し、特定の用紙100の長手方向に沿って装置本体2内に取り込まれるものとする。
【0023】
特定の用紙100は、一方の側辺100eの先端100cから距離dの位置に切り欠き110を有する。切り欠き110は、上辺111と、側辺112と、下辺113とで構成され、a×bの大きさを有する。なお、切り欠き110は、3辺や5辺以上で構成されてもよく、弧や直線と弧の辺で構成されてもよい。また、側辺100eから離れた円、矩形等の開口でもよい。また、切り欠き110を側辺100eに設けたが、他の辺に設けてもよく、辺の中心に設けてもよい。
【0024】
表面100aの後端100dから距離d、及び側辺100eから距離a/2の位置120に文字「A」121が記録されている。裏面100bの後端100dから距離d、及び側辺100eから距離a/2の位置120に文字「A」121が記録されている。位置120は、用紙の一部の一例である。
【0025】
なお、文字「A」121は、「A」に限られず、「採点不可能」、「不正解」、「要確認」等の文字でもよく、赤色、黄色等の色でもよい。また、不正解の数に応じた評価値を示す記号や色でもよい。これらの文字、色、評価値、記号は、分類情報の一例である。
【0026】
また、特定の用紙100の表面100aには、学年組欄131と、氏名欄132と、複数の問題133と、問題133に対応して複数の解答欄134とが記録されている。この特定の用紙100の場合、例えば、対象者である生徒は学年組欄131に自分が所属する学年と組を記入し、氏名欄132に自分の氏名を記入し、解答欄134に問題133に含まれる複数の番号から正解と思える番号を記入する。問題133としては、例えば、「日本で一番高い山を次の中から選びなさい。1.富士山 2.北岳 3.高尾山 ・・・」が考えられる。
【0027】
なお、特定の用紙100の裏面100bにも複数の問題133及び複数の解答欄134が記録されていてもよい。また、複数の特定の用紙100が1セットになって生徒に出題されてもよい。この場合、1セットのうち最初の特定の用紙100にのみに学年組欄131及び氏名欄132を設け、他の特定の用紙100に学年組欄131及び氏名欄132を設けなくてもよい。
【0028】
図3は、画像形成装置1の内部の概略の構成例を示す図である。なお、
図3では、第1の給紙トレイ4aの図示を省いている。
【0029】
(用紙搬送路の構成)
画像形成装置1は、給紙カセット21a、21b(同図では1つの給紙カセット21aのみを図示する。)から第1の排出トレイ4b及び第2の排出トレイ20に至るように用紙搬送路6が形成されている。
【0030】
用紙搬送路6は、テイクアウェイパス60、レジストレーションパス62、排紙パス63及び両面印刷パス64を有する。両面印刷パス64は、反転経路の一例である。
【0031】
テイクアウェイパス60は、給紙カセット21a、21bから取り込んだ用紙Pをレジストレーションパス62に導く経路である。レジストレーションパス62は、用紙P又は特定の用紙100に対して画像形成を行う経路である。
【0032】
排紙パス63は、画像形成された用紙P又は特定の用紙100を第1の排出トレイ4b又は第2の排出トレイ20に導く経路である。排紙パス63は、第2の排出トレイ20に排出する第1の排紙パス63aと、第1の排出トレイ4bに排出する第2の排紙パス63bと、第2の給紙トレイ5に排出する第3の排紙パス63cとを有する。
【0033】
両面印刷パス64は、第2の給紙トレイ5から給紙された特定の用紙100、又は排紙パス63で折り返した用紙P又は特定の用紙100を再度レジストレーションパス62に導く経路である。レジストレーションパス62、第1の排紙パス63a、両面印刷パス64は、第1の搬送路の一例である。
【0034】
用紙搬送路6には、給紙カセット21a、21bから用紙Pをテイクアウェイパス60に1枚ずつ取り込むピックアップロール11と、ピックアップロール11により取り込まれた用紙Pを搬送する搬送ロール12と、トナー像が一次転写される中間転写ベルト173と、中間転写ベルト173上のトナー像を用紙Pに二次転写する二次転写ロール14と、トナー像を用紙P又は特定の用紙100に定着させる定着器15とが配置されている。
【0035】
画像形成装置1は、用紙搬送路6に沿って用紙P又は特定の用紙100を搬送する用紙搬送機構17を有する。用紙搬送機構17は、ピックアップロール11、搬送ロール12、及び二次転写ロール14を回転駆動するモータと、モータを駆動する駆動回路とを有する。用紙搬送路6及び用紙搬送機構17は、搬送部の一例である。
【0036】
用紙搬送機構17は、第2の給紙トレイ5に配置された複数の特定の用紙100を1枚ずつ給紙ロール13aによって用紙搬送路6に順次給紙する給紙部13と、用紙P又は特定の用紙100を両面印刷パス64に通過させて用紙P又は特定の用紙100を反転させる反転部17aとを有する。
【0037】
反転部17aは、用紙Pがレジストレーションパス62を出るときに用紙P又は特定の用紙100が排紙パス63に進まずに両面印刷パス64に進むようにガイドを切り替える。ガイドは、ばね部材のばね力により用紙P又は特定の用紙100が排紙パス63に進むように案内しており、ソレノイドの動作によって用紙P又は特定の用紙100を両面印刷パス64に進むように案内する。
【0038】
(画像形成部の構成)
画像形成装置1は、装置本体2内の給紙カセット21a、21bの上部に、画像を形成する画像形成部16を配置している。
【0039】
画像形成部16は、駆動ロール170、バックアップロール171、及び従動ロール172に張架された中間転写ベルト173を備える。中間転写ベルト173は、後述する感光体ドラムに接触しながら図中の矢印方向に循環移動する。
【0040】
また、画像形成部16は、中間転写ベルト173上にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、黒(K)各色のトナー像を形成する像形成部160C、160M、160Y、160K(以下、これらを総称するときは「像形成部160」ともいう。)を配置している。
【0041】
各像形成部160は、それぞれCMYK各色のトナー像が形成される感光体ドラム161C、161M、161Y、161K(以下、これらを総称するときは「感光体ドラム161」ともいう。)と、感光体ドラム161の表面を一様に帯電する帯電器と、帯電した感光体ドラム161にCMYK各色の画像データに基づいて変調された露光光を照射することによりCMYK各色の静電潜像を形成する露光器と、静電潜像をトナーで現像することにより、感光体ドラム161の表面にトナー像を形成する現像器163C、163M、163Y、163K(以下、これらを総称するときは「現像器163」ともいう。)とを備える。ここで、感光体ドラム161は、像保持体の一例である。なお、感光体ドラム161は、感光体ベルトでもよい。
【0042】
また、像形成部160は、中間転写ベルト173を挟んで感光体ドラム161C、161M、161Y、161Kの反対側に、一次転写ロール162C、162M、162Y、162K(以下、これらを総称するときは「一次転写ロール162」ともいう。)を設けており、感光体ドラム161と形成するニップ領域において、感光体ドラム161の表面のトナー像を圧接力と静電力により中間転写ベルト173に転写する。
【0043】
図4は、画像形成装置1の制御系の一例を示すブロック図である。画像形成装置1のコントローラ30には、上記の用紙搬送機構17が接続され、さらに操作表示部7、画像読取部8、画像形成部16、通信部9が接続されている。通信部9には、ネットワーク31を介してユーザが操作する端末装置32及び特定の用紙100に対する採点を行うサーバ33が接続されている。
【0044】
操作表示部7は、液晶ディスプレイ等の表示部にタッチパネルが重合配置されたタッチパネルディスプレイを有し、表示画面を表示部に表示するとともに、ユーザからタッチパネルへの操作を受け付ける。なお、操作表示部7は、独立して設けられた入力部及び表示部により構成してもよい。
【0045】
画像読取部8は、原稿又は特定の用紙100を順次読み取って原稿画像又は用紙画像130(
図2参照)を生成するものであり、原稿台3上に設けられた上記の自動給紙装置4と、アレイ状に配列された光電変換素子等により実現されるスキャナ8aとを備える。スキャナ8aは、原稿台3に配置された原稿、自動給紙装置4により給紙された原稿、又は給紙部13により給紙された特定の用紙100から原稿画像又は用紙画像130を光学的に読み取る。画像読取部8は、生成した原稿画像又は用紙画像130をコントローラ30に送信する。用紙画像130は、画像の一例である。スキャナ8aは、読取部の一例である。
【0046】
(コントローラの構成)
コントローラ30は、画像形成装置1の各部を制御する制御部300と、各種の情報を記憶する記憶部310とを備える。
【0047】
制御部300は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ300a、インターフェース等から構成されている。プロセッサ300aは、プログラム311に従って動作することにより受付手段301、通信制御手段302、画像形成制御手段303、用紙搬送機構制御手段304等として機能する。
【0048】
記憶部310は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスク等から構成され、プログラム311等の各種の情報が記憶されている。
【0049】
次に、制御部300の各手段301~304について説明する。
【0050】
受付手段301は、操作表示部7に対する操作に基づいてコピージョブ又は採点ジョブを受け付ける。コピージョブ及び採点ジョブでは、画像読取部8から原稿画像又は用紙画像130を順次受け付ける。また、受付手段301は、端末装置32のプリンタドライバからプリントジョブとともに、PDL(ページ記述言語)データ及び格納先情報を受け付ける。
【0051】
通信制御手段302は、特定の用紙100に対して画像読取部8のスキャナ8aによって読み取られた用紙画像130を順次サーバ33に送信し、サーバ33から採点画像及び採点可否情報を順次受信する。
【0052】
画像形成制御手段303は、サーバ33から送信された採点画像及び採点可否情報に基づいて採点結果を順次印刷するよう画像形成部16を制御する。例えば、正解の場合は、解答欄134に赤色で〇印を印刷し、不正解の場合は、解答欄134に赤色で×印を印刷するよう制御する。
【0053】
用紙搬送機構制御手段304は、ユーザにより指示された後述する印刷モードに応じて用紙搬送機構17を制御する。用紙搬送機構制御手段304は、採点モードにおいて採点不能の特定の用紙100が発生した場合、その次に搬送される特定の用紙100を採点不能の特定の用紙100と干渉しないように両面印刷パス64で待機させる場合がある。
【0054】
画像形成装置1は、例えば、用紙Pの片面に画像を形成する「片面印刷モード」、及び用紙Pの両面に画像を形成する「両面印刷モード」、特定の用紙100に対して採点する「採点モード」等の印刷モードを有する。以下、片面印刷モード及び両面印刷モードの下で実行されるジョブをコピージョブ、採点モードの下で実行されるジョブを採点ジョブという。
【0055】
片面印刷モードの場合、用紙搬送機構制御手段304の制御により、用紙Pはテイクアウェイパス60を搬送され、レジストレーションパス62で表面が印刷され、第2の排出トレイ20に排出される。
【0056】
両面印刷モードの場合、用紙搬送機構制御手段304の制御により、用紙Pはテイクアウェイパス60を搬送され、レジストレーションパス62で表面が印刷され、その後、用紙Pは第2の排紙パス63bで折り返し、両面印刷パス64を通過することで用紙Pが反転し、レジストレーションパス62で裏面が印刷され、第2の排出トレイ20に排出される。なお、片面印刷モード及び両面印刷モードは、選択により第1の排出トレイ4b又は第2の給紙トレイ5に排出することもできる。
【0057】
片面印刷モード及び両面印刷モードでは、CMYKの各色の画像データに基づいて中間転写ベルト173上にCMYKの各色のトナー像が重畳して一次転写されると、そのトナー像は給紙カセット21a、21bから給紙された用紙Pに二次転写される。そして用紙Pに転写されたトナー像は、定着器15によって用紙Pに定着された後、用紙Pが第2の排出トレイ20に排出される。
【0058】
採点モードの場合、特定の用紙100は、用紙搬送機構制御手段304の制御により、第2の排紙パス63bに搬送され、折り返して両面印刷パス64を通過することで特定の用紙100が反転し、レジストレーション62で印刷され、全問が採点可能な特定の用紙(以下、単に「採点可能な特定の用紙」ともいう。)100は、第2の排紙パス63bからそのまま表面下・後端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出される。
【0059】
採点不可能な解答がある特定の用紙(以下、単位「採点不可能な特定の用紙」ともいう。)100は、用紙搬送機構制御手段304の制御により、第2の排紙パス63bで折り返して両面印刷パス64及びレジストレーション62を通過し、裏面下・先端先頭の姿勢で第2の排紙パス63bから第2の排出トレイ20に排出される。
【0060】
採点不可能な特定の用紙100とは、サーバ33で解答を文字認識できなかった問を含む用紙をいう。文字認識できなかったとは、認識率が閾値未満の場合をいい、解答していない場合を含めてもいい。生徒が解答した特定の用紙100が採点可能か否かは、特定の用紙100が複数枚で1セントの場合、1セット単位で全ての解答が採点可能か否かで判断する。採点不可能な特定の用紙100は、注目すべき用紙の一例である。表面下・後端先頭の姿勢は、第1の姿勢の一例である。裏面下・先端先頭の姿勢は、他の姿勢の一例である。採点可能は、第1の結果の一例である。採点不可能は、他の結果の一例である。
【0061】
採点モードでは、採点画像に含まれるCMYKの各色の画像データに基づいて中間転写ベルト173上にCMYKの各色のトナー像が重畳して一次転写されると、そのトナー像は第2の給紙トレイ5から給紙された特定の用紙100に二次転写される。そして特定の用紙100に転写されたトナー像は、定着器15によって特定の用紙100に定着された後、全ての解答が採点可能か否かに応じた上記のルートを経て特定の用紙100が第2の排出トレイ20に排出される。
【0062】
(サーバの構成)
図5は、サーバ33の制御系の一例を示すブロック図である。サーバ33は、端末装置32及び画像形成装置1との間でHTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Security)通信により情報を送受信する。HTTPS通信は、例えばSSL(Secure Sockets Layer)プロトコルを用いて通信内容を秘匿化した暗号化通信を行う。
【0063】
サーバ33は、CPU等のプロセッサ330a、インターフェース等で実現される制御部330と、ROM、RAM、ハードディスク等で実現される記憶部331と、ネットワーク31を介して画像形成装置1及び端末装置32と通信する通信部332とを備える。記憶部331には、プログラム3110、生徒情報3311、問題解答情報3312、フォーマット情報3313等の各種の情報が記憶されている。
【0064】
問題解答情報3312は、特定の用紙100に記録された問題、問題に対する正解等を含む。
【0065】
フォーマット情報3313は、学年組欄131、氏名欄132及び解答欄134の位置情報を含む。
【0066】
図6は、生徒情報3311の一例を示す図である。生徒情報3311は、学年、組、氏名、問題用紙に含まれる問、解答、採点等の複数の項目を有する。学年、組、氏名、解答の項目には、特定の用紙100から読み取られ認識された、生徒の学年、組、氏名、解答が記録される。解答の項目の「エラー」は、認識率が閾値未満であったために文字認識できなかった場合に記録される。採点の項目には、解答が正解の場合は〇、不正解の場合は×が記録され、エラーの場合は-が記録される。
【0067】
制御部330のプロセッサ330aは、記憶部331のプログラム3110を実行することにより文字認識手段3300、採点手段3301等として機能する。
【0068】
文字認識手段3300は、画像形成装置1から特定の用紙100の用紙画像130を受信すると、学年組欄131から学年と組、氏名欄132から氏名、解答欄134から解答を読み取り、辞書を用いて文字を認識し、認識結果を生徒情報3311の対応する項目に記録する。また、文字認識手段3300は、文字認識できなかった解答があると、生徒情報3311の解答の項目にエラーを記録する。なお、年、組、氏名のいずれかが文字認識できなかった場合に、対応する項目にエラーを記録してもよい。
【0069】
採点手段3301は、解答欄134に記入され、文字認識手段3300により認識された解答と問題解答情報3312に記録された正解とを照合し、問題ごとに正解か否かを評価して採点する。採点手段3301は、採点結果を生徒情報3311の採点の項目に記録する。また、採点手段3301は、エラーの有無、採点結果及びフォーマット情報3313に基づいて採点画像及び採点可否情報を生成し、画像形成装置1に送信する。採点画像は、解答欄134に対応する位置に採点結果が赤色で示された〇又は×印を含む画像である。採点可否情報は、採点不可能を示すエラーの有無と、エラーがどの問に対応するかを示す問の情報を含む。
【0070】
(第1の実施の形態の動作)
次に、画像形成装置1の動作の一例を
図7及び
図8を参照して説明する。
図8は、画像形成装置1の動作の一例を示すフローチャートである。以下、採点モードで動作し、採点ジョブを実行する場合について説明する。
【0071】
ユーザは、複数の生徒が問題に対して解答した複数の特定の用紙100を表面100aを上にし、先端100cを搬送方向の前方に向け、切り欠き110の位置が一致するように重ねて第2の給紙トレイ5に配置する。
【0072】
ユーザがスタートボタン7aを操作すると、用紙搬送機構制御手段304は、給紙部13を制御して第2の給紙トレイ5から特定の用紙100を1枚ずつ取り込み、第2の排紙パス63bに搬送させる。画像読取部8のスキャナ8aは、特定の用紙100の表面100aから用紙画像130を順次読み取る(S1)。受付手段301は、読み取られた用紙画像130を受け付ける。
【0073】
通信制御手段302は、受付手段301が受け付けた用紙画像130をサーバ33に順次送信する(S2)。サーバ33の文字認識手段3300は、送信された用紙画像130に対して文字認識処理を行う。すなわち、文字認識手段3300は、学年組欄131から学年と組、氏名欄132から氏名、解答欄134から解答を読み取り、辞書を用いて文字を認識し、認識結果を生徒情報3311の対応する項目に記録する。また、文字認識手段3300は、文字認識できなかった解答があると、生徒情報3311の解答の項目にエラーを記録する。
【0074】
採点手段3301は、解答欄134に記入され、文字認識手段3300により認識された解答と問題解答情報3312に記録された正解とを照合し、問題ごとに正解か否かを評価して採点する。採点手段3301は、採点結果を生徒情報3311の採点の項目に記録する。また、採点手段3301は、エラーの有無、採点結果及びフォーマット情報3313に基づいて採点画像及び採点可否情報を生成し、画像形成装置1に送信する。
【0075】
通信制御手段302は、サーバ33から順次送信された採点画像及び採点可否情報をネットワーク31を介して受信する(S3)。
【0076】
画像形成制御手段303は、採点画像に基づいて特定の用紙100の解答欄134に採点結果を順次印刷するよう画像形成部16を制御する(S4)。画像形成部16は、特定の用紙100の正解した解答欄134に赤色で〇を印刷し、不正解の解答欄134に赤色で×を印刷する。
【0077】
用紙搬送機構制御手段304は、サーバ33から送信された採点可否情報に基づいて、当該生徒が解答した特定の用紙100の全問が採点可能か否かを判断し(S5)、採点可能な場合は(S5:Yes)、特定の用紙100を第1の排紙パス63aを経由して第2の排出トレイ20に排出する(S6)。特定の用紙100は、表面下・後端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出される。当該生徒が解答した特定の用紙100が採点可能か否かは、特定の用紙100が複数枚で1セットの場合、1セット単位で全問採点可能か否かで判断する。
【0078】
用紙搬送機構制御手段304は、採点不可能と判断した場合(S5:No)、特定の用紙100を一旦第1の排紙パス63aに排出した後、折り返して両面印刷パス64、レジストレーションパス62及び第1の排紙パス63aを経由して第2の排出トレイ20に排出する(S7)。特定の用紙100は、裏面下・先端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出される。第2の排出トレイ20には、読み込んだ順番が崩されずに積層された状態で特定の用紙100が排出される。
【0079】
図7は、特定の用紙100が第2の排出トレイ20に排出され、積層された状態を示す図である。同図中、矢印は特定の用紙100の排出方向を示す。ユーザが第2の排出トレイ20に排出された特定の用紙100を第2の排出トレイ20から取り出すと、
図7に示す状態で特定の用紙100の束を見ることができる。この束は、例えば、全問が採点可能な2枚の特定の用紙100Aの間に、採点不可能な解答を有する特定の用紙100Bと挟まれている状態である。
【0080】
図7において、採点可能な特定の用紙100Aは、後端100dが上側に来ており、採点不可能な特定の用紙100Bは、先端100cが上側に来ている。採点可能な特定の用紙100Aの切り欠き110から採点不可能な特定の用紙100Bの表面100aに記録されている文字「A」121が露出して見える。この束を反対側から見ても、採点可能な特定の用紙100Aの切り欠き110から採点不可能な特定の用紙100Bの裏面100bに記録されている文字「A」121が露出して見える。この束から、文字「A」121に基づいて、採点不可能な特定の用紙100Bを読み込んだ順番が崩されずに抜き出すことができる。
【0081】
[第2の実施の形態]
図9は、本発明の第2の実施の形態に係る画像形成装置の内部の概略の構成例を示す図である。
【0082】
第2の実施の形態に係る画像形成装置1は、特定の用紙100の採点結果に応じて4つの姿勢で特定の用紙100を第2の排出トレイ20に排出できるように用紙搬送路6に前後端反転路18を設けたものであり、他は第1の実施の形態と同様に構成されている。以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に説明する。前後端反転路18は、他の搬送路の一例である。
【0083】
前後端反転路18は、第1の排紙パス63aから特定の用紙100を取り込み、特定の用紙100の表裏を変えずに先端と後端とを反転させて再び第1の排紙パス63aに戻すものである。この前後端反転路18は、ループを描きつつ半回転捩じるように搬送路を構成することにより実現することができる。
【0084】
図10は、第2の実施の形態に係る特定の用紙100の一例を示す図である。
図10(a)は、特定の用紙100の表面100aを示し、
図10(b)は、特定の用紙100の裏面100bを示す。特定の用紙100は、
図2に示す特定の用紙100に対して、文字「B」122、文字「C」123を追加したものである。文字[A]121、文字「B」122、文字「C」123は、分類情報の一例である。
【0085】
特定の用紙100の表面100aには、
図10(a)に示すように、後端100dから距離d、及び側辺100fから距離a/2の位置120に文字「B」122が記録され、先端100cから距離d、及び側辺100fから距離a/2の位置に文字「C」123が上下逆様で記録されている。
【0086】
特定の用紙100の裏面100bには、
図10(b)に示すように、後端100dから距離d、及び側辺100fから距離a/2の位置120に文字「B」122が記録され、裏面100bの先端100cから距離d、及び側辺100fから距離a/2の位置に文字「C」123が上下逆様で記録されている。
【0087】
なお、文字「A」121、文字「B」122、文字「C」123は、「A」、「B」、「C」に限られず、「採点不可能」、「不正解」、「要確認」等の文字でもよく、赤色、黄色等の色でもよい。また、不正解の数に応じた評価値を示す記号や色でもよい。これらの文字、色、評価値、記号は、分類情報の一例である。
【0088】
この第2の実施の形態の用紙搬送機構制御手段304は、全問正解した場合、特定の用紙100を表面下・後端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出し、1問のみ不正解の場合、特定の用紙100を裏面下・先端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出し、2問又は3問のみ不正解の場合、特定の用紙100を表面下・先端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出し、4問以上不正解の場合、特定の用紙100を裏面下・後端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出するよう用紙搬送機構17を制御する。表面下・後端先頭の姿勢は、第1の姿勢の一例である。裏面下・先端先頭の姿勢、表面下・先端先頭の姿勢、及び裏面下・後端先頭の姿勢は、他の姿勢の一例である。全問正解は、第1の結果の一例である。1問のみ不正解、2問又は3問のみ不正解、及び4問以上不正解は、他の結果の一例である。
【0089】
具体的には、全問正解の特定の用紙100を排出する場合、用紙搬送機構制御手段304は、第1の実施の形態と同様に、特定の用紙100を第1の排紙パス63aを経由して表面下・後端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出する。
【0090】
1問のみ不正解の特定の用紙100を排出する場合、用紙搬送機構制御手段304は、第1の実施の形態と同様に、特定の用紙100を一旦第1の排紙パス63aに排出した後、折り返して両面印刷パス64、レジストレーションパス62及び第1の排紙パス63aを経由して裏面下・先端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出する。この場合、1問のみ不正解の特定の用紙100の文字「A」121が全問正解の特定の用紙100Aの切り欠き110から露出する。
【0091】
2問又は3問のみ不正解の特定の用紙100を排出する場合、用紙搬送機構制御手段304は、特定の用紙100を一旦第1の排紙パス63aに排出した後、前後端反転路18で特定の用紙100の前後を反転させて第1の排紙パス63aを経由して表面下・先端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出する。この場合、2問又は3問のみ不正解の特定の用紙100の文字「B」122が全問正解の特定の用紙100Aの切り欠き110から露出する。
【0092】
4問以上不正解の特定の用紙100を排出する場合、用紙搬送機構制御手段304は、特定の用紙100を一旦第1の排紙パス63aに排出した後、前後端反転路18で特定の用紙100の前後を反転させて第2の排紙パス63b又は第3の排紙パス63cで折り返して第1の排紙パス63aを経由して裏面下・後端先頭の姿勢で第2の排出トレイ20に排出する。この場合、4問以上不正解の特定の用紙100の文字「C」123が全問正解の特定の用紙100Aの切り欠き110から露出する。積層状態の特定の用紙100から、文字「A」121、文字「B」122、文字「C」123に基づいて、注目すべき特定の用紙100を読み込んだ順番が崩されずに抜き出すことができる。
【0093】
(変形例1)
プロセッサは、他の搬送路として、給紙部から読取部に至るいずれかの搬送路を利用して、第1の姿勢に対して用紙の先後端と表裏とを反転させて他の姿勢として排出トレイに排出するよう搬送部を制御してもよい。
【0094】
(変形例2)
搬送部は、他の搬送路として用紙の先後端のみを反転する反転路を有し、プロセッサは、用紙を反転路に搬送して、第1の姿勢に対して用紙の先後端のみを反転させて排出トレイに排出するよう搬送部を制御してもよい。
【0095】
(変形例3)
プロセッサは、用紙を反転路、及び給紙部から読取部に至るいずれかの搬送路を利用して、第1の姿勢に対して用紙の表裏のみを反転させて他の姿勢として排出トレイに排出するよう搬送部を制御してもよい。
【0096】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施の形態は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々の変形、実施が可能である。例えば、上記各実施の形態では、問題用紙について説明したが、解答用紙、回答用紙等の他の用紙でもよい。
【0097】
また、サーバ33の機能を画像形成装置1に持たせてもよい。例えば、文字認識手段3300、採点手段3301の機能を画像形成装置1が有してもよい。
【0098】
プロセッサの各手段は、それぞれ一部又は全部を再構成可能回路(FPGA:Field Programmable Gate Array)、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)等のハードウエア回路によって構成してもよい。
【0099】
また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態の構成要素の一部を省くことや変更することが可能である。また、本発明の要旨を変更しない範囲内で、上記実施の形態のフローにおいて、ステップの追加、削除、変更、入替え等が可能である。また、上記実施の形態で用いたプログラムをCD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することができる。また、上記実施の形態で用いたプログラムをクラウドサーバ等の外部サーバに格納しておき、ネットワークを介して利用することができる。
【符号の説明】
【0100】
1…画像形成装置、2…装置本体、2a…上部、2b…支持部、2c…空間部、2d…中間部、2e…下部、2f…側面部、3…原稿台、4…自動給紙装置、4a…第1の給紙トレイ、4b…第1の排出トレイ、5…第2の給紙トレイ、6…用紙搬送路、7…操作表示部、7a…スタートボタン、8…画像読取部、9…通信部、13…給紙部、13a…給紙ロール、16…画像形成部、17…用紙搬送機構、17a…反転部、18…前後端反転路、20…第2の排出トレイ、21a、21b…給紙カセット、
30…コントローラ、31…ネットワーク、32…端末装置、33…サーバ、
60…テイクアウェイパス、62…レジストレーションパス、63、63a-63c…排紙パス、64…両面印刷パス、
100…特定の用紙、100A…全問正解の特定の用紙、100B…一部が不正解の特定の用紙、100a…表面、100b…裏面、100c…先端、100d…後端、100e、100f…側辺、110…切り欠き、111…上辺、112…側辺、113…下辺、120…位置、121…文字「A」、122…文字「B」、123…文字「C」、130…用紙画像、131…学年組欄、132…氏名欄、133…問題、134…解答欄、
300…制御部、300a…プロセッサ、301…受付手段、302…通信制御手段、303…画像形成制御手段、304…用紙搬送機構制御手段、
310…記憶部、311…プログラム、
330…制御部、330a…プロセッサ、331…記憶部、332…通信部、
3310…プログラム、3311…生徒情報、3312…問題解答情報、3313…フォーマット情報、3300…文字認識手段、3301…採点手段、
P…用紙