(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法および処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/51 20060101AFI20240514BHJP
G10L 15/22 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
H04M3/51
G10L15/22 460Z
(21)【出願番号】P 2020026742
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 英樹
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-215819(JP,A)
【文献】特開2000-305872(JP,A)
【文献】特開2014-186061(JP,A)
【文献】特開2008-123447(JP,A)
【文献】特開2011-090452(JP,A)
【文献】米国特許第06510414(US,B1)
【文献】中国特許出願公開第110473549(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G10L15/00-17/26
G16Z99/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレーターから、第1記載項目である第1テキスト情報を取得する第1処理部と、
上記第1テキスト情報における第1属性情報と、上記オペレーターと顧客との間の応対に関する履歴情報であり、当該履歴情報における前記第1記載項目と紐づけされた第2属性情報とを照合して、第1照合結果の情報を出力する第2処理部と、
上記第1テキスト情報と、上記オペレーターより取得した音声情報から変換された第2テキスト情報とを照合して、第2照合結果の情報を出力する第3処理部と、
上記第1照合結果の情報と上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第3照合結果の情報を出力する第4処理部と、
を有することを特徴とする処理装置。
【請求項2】
上記第2処理部は、
上記第2テキスト情報における第3属性情報と、上記第2属性情報とを照合して第4照合結果の情報を出力し、
上記第4処理部は、上記第4照合結果の情報と上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第5照合結果の情報を出力することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
処理装置における処理方法であって、
上記処理装置は、
オペレーターから、第1記載項目である第1テキスト情報を取得する第1ステップと、
上記第1テキスト情報における第1属性情報と、上記オペレーターと顧客との間の応対に関する履歴情報であり、当該履歴情報における前記第1記載項目と紐づけされた第2属性情報とを照合して、第1照合結果の情報を出力する第2ステップと、
上記第1テキスト情報と、上記オペレーターより取得した音声情報から変換された第2テキスト情報とを照合して、第2照合結果の情報を出力する第3ステップと、
上記第1照合結果の情報と上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第3照合結果の情報を出力する第4ステップと、
を
実行することを特徴とする処理方法。
【請求項4】
処理装置としてのコンピューターを、
オペレーターから、第1記載項目である第1テキスト情報を取得する第1処理部、
上記第1テキスト情報における第1属性情報と、上記オペレーターと顧客との間の応対に関する履歴情報であり、当該履歴情報における前記第1記載項目と紐づけされた第2属性情報とを照合して、第1照合結果の情報を出力する第2処理部、
上記第1テキスト情報と、上記オペレーターより取得した音声情報から変換された第2テキスト情報とを照合して、第2照合結果の情報を出力する第3処理部、
上記第1照合結果の情報と上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第3照合結果の情報を出力する第4処理部、
として機能させるための処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法および処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コンタクトセンターの業務は、あるオペレーターの稼働に着目した場合、オペレーターがお客様との通話を待っている時間と、お客様と通話を行っている時間と、その通話終了後に応対履歴の入力や各種手続き等を行う後処理の時間とから成っている。コンタクトセンター業務では、通話以外の時間の比率が低いほど効率がよいとされている(例えば、非特許文献1のACW(After Call Work)に関する記載を参照)。
【0003】
従来、オペレーターは、通話が終了すると通話の応対結果を後処理として入力、保存していた。応対結果は、当該コンタクトセンターの業務マニュアルで定められ、応対業務毎に予め決められた様式に従う。その際、応対業務によっては応対結果の入力内容の正確性を保証するため、オペレーターは、入力した当該オペレーター以外の第三者(その他のオペレーターや管理監督者など)と入力内容を読み合わせる(復唱する)ことにより確認し合う方法がある。このような確認がなされた入力内容を所定のデータベースに保存することで後処理が完結していた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】トラムシステム株式会社“ACW/AHT/ATT|コールセンターの生産性を向上させる3つの指標の改善方法|トラムシステム”、[online]、[令和2年1月28日検索]、インターネット〈URL:https://www.tramsystem.jp/voice/voice-2597/〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の確認が必要な後処理の方法では、確認を行うことのできる第三者が他の業務(通話中、その他の確認・承認作業中など)や不在の場合には、第三者が当該後処理に対応できるようになるまで後処理を完結できない。その結果、コンタクトセンター業務の後処理の効率低下があった。
【0006】
上記事情に鑑みて、本発明は、コンタクトセンター業務の後処理の作業効率を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明の処理装置は、オペレーターから、第1記載項目である第1テキスト情報を取得する第1処理部と、上記第1テキスト情報における第1属性情報と、上記オペレーターと顧客との間の応対に関する履歴情報であり、当該履歴情報における前記第1記載項目と紐づけされた第2属性情報とを照合して、第1照合結果の情報を出力する第2処理部と、上記第1テキスト情報と、上記オペレーターより取得した音声情報から変換された第2テキスト情報とを照合して、第2照合結果の情報を出力する第3処理部と、上記第1照合結果の情報と上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第3照合結果の情報を出力する第4処理部と、を有することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の処理方法は、処理装置における処理方法であって、上記処理装置は、オペレーターから、第1記載項目である第1テキスト情報を取得する第1ステップと、上記第1テキスト情報における第1属性情報と、上記オペレーターと顧客との間の応対に関する履歴情報であり、当該履歴情報における前記第1記載項目と紐づけされた第2属性情報とを照合して、第1照合結果の情報を出力する第2ステップと、上記第1テキスト情報と、上記オペレーターより取得した音声情報から変換された第2テキスト情報とを照合して、第2照合結果の情報を出力する第3ステップと、上記第1照合結果の情報と上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第3照合結果の情報を出力する第4ステップと、を実行することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の処理プログラムは、処理装置としてのコンピューターを、オペレーターから、第1記載項目である第1テキスト情報を取得する第1処理部、上記第1テキスト情報における第1属性情報と、上記オペレーターと顧客との間の応対に関する履歴情報であり、当該履歴情報における前記第1記載項目と紐づけされた第2属性情報とを照合して、第1照合結果の情報を出力する第2処理部、上記第1テキスト情報と、上記オペレーターより取得した音声情報から変換された第2テキスト情報とを照合して、第2照合結果の情報を出力する第3処理部、上記第1照合結果の情報と上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第3照合結果の情報を出力する第4処理部、として機能させるための処理プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、コンタクトセンター業務の後処理の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態の管理システムの機能構成図の例である。
【
図2】本実施形態における応対結果入力処理の動作フロー(1/2)の例である。
【
図3】本実施形態における応対結果入力処理の動作フロー(2/2)の例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0013】
<概要>
本発明は、オペレーターが入力した応対結果の入力内容の確認を、当該入力内容と、当該オペレーターが入力内容を読み上げた音声から変換した文字情報とを照合することにより実現する。これにより、当該オペレーター以外の第三者による確認を不要とする。
【0014】
[構成]
図1に示すように、本実施形態の管理システム1は、コンタクトセンター業務に関する処理を行うシステムである。管理システム1は、顧客情報管理部11と様式管理部12と照合承認処理部13とを備える顧客関係管理装置10、音声認識装置20、およびオペレーター端末41を備えている。オペレーター端末41は、少なくとも1つあればよい。顧客関係管理装置10と音声認識装置20とオペレーター端末41は、構内通信網31を介して通信可能に接続している。構内通信網31は、例えば、LAN(Local Area Network)とすることができるが、これに限定されない。
【0015】
なお、顧客関係管理装置10は、特許請求の範囲の「処理装置」の例である。また、顧客情報管理部11は、特許請求の範囲の「第1処理部」および「第4処理部」の例である。また、照合承認処理部13は、特許請求の範囲の「第2処理部」および「第3処理部」の例である。
【0016】
顧客関係管理装置10、音声認識装置20、およびオペレーター端末41は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記億部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピューターとして構成される。このコンピューターは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラムを実行することにより、各種機能が実現される。なお、顧客関係管理装置10に用いられる上記プログラムは、特許請求の範囲の「処理プログラム」の例である。
【0017】
(オペレーター端末41)
オペレーター端末41は、オペレーターにおいて使用される通信装置であり、顧客の問い合わせに応答したり、オペレーターが顧客と応対した結果を示す応対結果を入力したり、顧客応対履歴を表示したりするための装置である。オペレーター端末41は、例えば、音声入出力装置を備えたコンピューター装置とすることができる。オペレーター端末41は、顧客情報管理部11で管理される応対結果を入力および表示する機能と、顧客情報管理部11からの通知を受信して表示する機能と、オペレーターの音声を、構内通信網31を介して照合承認処理部13に送信する機能も有する。
【0018】
応答結果は、オペレーターが後処理の段階で作成される。オペレーター端末41は、所定の入力欄を複数用意した後処理用の帳票画面を表示することができる。入力欄の各々には、応答結果を体系的に管理するための項目が定められている。項目には、例えば、顧客の氏名、電話番号(連絡先)、郵便番号、用件があるが、これらに限定されない。項目には、入力内容を読み合わせる第三者による確認が必要となる項目(第三者確認が必要な項目)が存在する。
【0019】
(音声認識装置20)
音声認識装置20は、オペレーターが発した音声を認識し、オペレーターの発話内容を文字情報に変換する装置である。音声認識の機能は、周知の機能とすることができる。
【0020】
(顧客関係管理装置10の顧客情報管理部11)
顧客情報管理部11は、少なくともコンタクトセンターで応対する顧客に関する情報と、コンタクトセンターでオペレーターが応対した結果、つまり、応対結果をオペレーター端末41からコンタクトセンターで決めた様式に従って入力した情報と、必要に応じて第三者が確認した証跡とを顧客情報として記憶して管理する。第三者は、応対結果を入力した当該オペレーター以外のコンタクトセンター従業者であり、具体的には、当該オペレーター以外のオペレーターや管理監督者(スーパーバイザー)であるが、これらに限定されない。
【0021】
また、顧客情報管理部11は、応対結果において入力必須な項目がすべて入力されているかを判断する機能と、入力必須な項目が充足されていない場合にオペレーター端末41に不足している項目を通知する機能と、第三者確認が必要な情報の確認が未実施の場合にその項目とオペレーターの入力内容を照合承認処理部13に送信する機能とを有している。
【0022】
(顧客関係管理装置10の様式管理部12)
様式管理部12は、顧客情報管理部11で管理する応対結果の様式と、オペレーターが入力する情報のうちいずれが第三者確認を必要とする情報であるかを示す情報と、第三者確認が必要な情報については入力されるべき情報の属性や内容について、それぞれを管理している。
【0023】
属性は、項目ごとに入力される情報に要求される形式をいう。例えば、帳票画面にて、顧客の氏名を入力する項目に関しては、「氏」かつ「名」双方の入力を要求する属性が定められている。また、帳票画面にて、顧客の電話番号を入力する項目に関しては、10桁の数字(固定電話の電話番号)や11桁の数字(携帯電話やIP電話の電話番号)の入力を要求する属性が定められている。なお、属性が割り当てられていない項目が帳票画面のなかに存在していてもよい。
【0024】
(顧客関係管理装置10の照合承認処理部13)
照合承認処理部13は、顧客情報管理部11から第三者確認が未実施の項目と入力内容を受信する機能と、オペレーター端末41から入力された音声を音声認識装置20に送る機能と、音声認識装置20による音声認識の結果得られた文字列を音声認識装置20から受信する機能と、顧客情報管理部11から受信した項目の属性や内容について様式管理部12から取得する機能と、様式管理部12から取得した属性や内容と顧客情報管理部11から受信した入力内容が矛盾していない(属性が要求する形式に従っている)ことを確認(属性確認)する機能と、顧客情報管理部11から受信した入力内容と音声認識装置20から受信した文字列とを照合(文字列照合)する機能と、属性確認で矛盾がなくかつ文字列照合で合致した場合に顧客情報管理部11から第三者確認が未実施であるとして受信した項目を確認済み(第三者確認実施済み)とする機能とを有する。
なお、本実施形態の管理システム1において、コンタクトセンター業務に関する次の構成は、省略して記載される。
省略された構成の一例は、次の3つである。
1つ目の構成は、構内通信網31に接続される装置であり、オペレーターと顧客との間の通話(対話(チャットなどのやり取り))に用いられる機能を有するサーバーである。ここで、サーバーの機能の一例は、オペレーターと顧客との間の接続機能/呼制御機能、自動呼分配(Automatic Call Distributor(ACD))機能、音声自動応答(Interactive Voice Response(IVR))機能などである。
2つ目の構成は、構内通信網31に接続され、公衆網やWAN(Wide Area Network)等に接続されるゲートウェイである。
3つ目の構成は、公衆網やWAN等を介してゲートウェイと接続される装置であり、顧客にて使用される顧客装置である。
【0025】
[処理]
次に、
図2および
図3を参照して、コンタクトセンター業務の後処理で実行される応対結果入力処理について説明する。
図2の処理は、オペレーターが顧客応対を終了(通話終了)したときに開始する。
【0026】
まず、オペレーター端末41は、当該オペレーターからの入力により、応対結果を入力する(F001)。応対結果の入力は、オペレーター端末41が表示する帳票画面において、項目ごとに用意されている入力欄に所定の文字を入力することで実現する。次に、オペレーター端末41は、顧客情報管理部11に応対結果を送信する(F002)。その結果、顧客情報管理部11に応答結果が反映される。なお、応対結果は、特許請求の範囲の「第1テキスト情報」の例である。また、応答結果における項目は、特許請求の範囲の「第1記載項目」の例である。
【0027】
次に、顧客情報管理部11は、必須項目が揃っているか否かの確認が行われる(F003)。つまり、顧客情報管理部11は、帳票画面上の項目のうち必須項目のすべてに所定の文字が入力されているか否かを判定する。なお、顧客情報管理部11は、様式管理部12に問い合わせることで、帳票画面上の項目の各々が必須項目であるか否かを判定することができる。ここで、必須項目とは、当該項目に対する入力が無いことが禁止されている項目である。本実施形態では、第三者確認が必要な項目は必須項目であるとして説明する。なお、第三者確認が必要な項目に該当しない必須項目が存在してもよいが、本実施形態では、第三者確認が必要な項目に該当しない必須項目についてはすべて何らかの入力がなされているとして説明を続ける。ただし、上記の取り決めは、必須項目でないが第三者確認が必要な項目や、必須項目であるが第三者確認が必要でない項目の存在を否認するものではない。
【0028】
なお、本実施形態では、上記F003の処理は、応対結果に用意されている項目全体を対象とする処理であり、一方、すでに説明したF001~F002の処理、および、後記するF004~F018の処理は、応対結果に用意されている項目ごとになされるループ処理であるとして説明を続けるが、このような処理手順は一例であり、本発明の処理手順はこれに限定されない。
【0029】
必須項目が揃っていた場合(F003でYes)、応対結果入力処理は終了する。一方、必須項目に漏れがあれば(内容が入力されていない必須項目が存在する場合)(F003でNo)、顧客情報管理部11は、内容が未入力である対象の項目が、第三者確認を必要とする項目であるか否かを判定する(F004)。なお、顧客情報管理部11は、様式管理部12に問い合わせることで、帳票画面上の項目の各々が第三者確認を必要とする項目であるか否かを判定することができる。
【0030】
第三者確認が必要な項目である場合(F004でYes)、顧客情報管理部11は、その項目と内容に関する情報を照合承認処理部13に送信する(F005)。次に、照合承認処理部13は、顧客情報管理部11から受信した情報に基づいて、当該項目の属性を様式管理部12から収集する(F006)。次に、照合承認処理部13は、第三者確認を必要とする項目であるとして処理を継続するように顧客情報管理部11に指示する(F007:処理継続指示)。
【0031】
一方、内容が未入力である対象の項目が、第三者確認が必要な項目でない場合(F004でNo)、および、内容が未入力である対象の項目が、第三者確認が必要な項目であり、処理継続指示(F007)によって照合承認処理部13から処理が戻った場合、顧客情報管理部11は、オペレーター端末41に入力指示をする(F008)。具体的には、顧客情報管理部11は、文字入力が必要な項目を示す情報とともに当該項目に対して入力を行うようにオペレーター端末41の入力画面の表示を更新することで指示する。オペレーターは入力画面の更新を確認することができ、入力指示(F008)があった項目について所定の内容を入力したとする。また、顧客情報管理部11は、入力された内容を応答結果(F002)として受信することができる。
【0032】
次に、オペレーター端末41は、すでに所定の内容が入力された項目が、第三者確認が必要な項目であるか否かを判定する(F009)。なお、オペレーター端末41は、様式管理部12に問い合わせることで、帳票画面上の項目の各々が第三者確認を必要とする項目であるか否かを判定することができる。第三者確認が必要な項目でない場合(F009でNo)、F001に戻り、オペレーター端末41は、その他の未入力の項目についてオペレーターからの入力により応対結果を入力する。
【0033】
一方、すでに所定の内容が入力された項目が、第三者確認が必要な項目である場合(F009でYes)、オペレーター端末41は、当該項目についてオペレーターに対し読み上げ指示をする(F010)。具体的には、オペレーター端末41は、オペレーターに対し、第三者確認が必要な項目の入力内容を読み上げるように指示する画面表示をする。当該オペレーターは、画面表示された指示に対して、オペレーター端末41に向けて第三者確認が必要な項目の入力内容を読み上げる。オペレーター端末41は、読み上げられた入力内容の音声情報を取得する。
【0034】
次に、オペレーター端末41は、取得した音声情報を、照合承認処理部13を中継して音声認識装置20に送信する(F011)。次に、音声認識装置20は、照合承認処理部13から受信した音声情報を文字化する(F012:音声文字化)。音声認識装置20は、音声情報を文字化した文字情報を照合承認処理部13に送信する(F013)。なお、照合承認処理部13は、オペレーター端末41で読み上げられた項目を知得しているため、当該項目の属性も知得しており、音声情報から文字化した文字情報の属性も知得することができる。
【0035】
次に、照合承認処理部13は、F006にてあらかじめ様式管理部12から収集しておいた属性と、顧客情報管理部11から受信した内容(F002で受信した応答結果として入力された内容)の属性を照合するとともに、さらに、音声認識装置20から受信した(音声情報から文字化した)文字情報と、顧客情報管理部11から受信した内容(F002で受信した応答結果として入力された内容)を照合する(F014:内容、属性照合)。照合承認処理部13は、F014による照合の照合結果を顧客情報管理部11に送信する(F015)。
【0036】
なお、顧客情報管理部11から受信した内容(応答結果の内容)の属性は、特許請求の範囲の「第1属性情報」の例である。また、様式管理部12から収集可能な情報は、特許請求の範囲の「履歴情報」の例である。また、F006にてあらかじめ様式管理部12から収集しておいた属性は、特許請求の範囲の「第2属性情報」の例である。また、音声認識装置20から受信した文字情報は、特許請求の範囲の「第2テキスト情報」の例である。また、F014による照合の照合結果は、特許請求の範囲の「第1照合結果の情報」および「第2照合結果の情報」の例である。
【0037】
顧客情報管理部11は、照合承認処理部13から受信した照合結果が一致するかいなかを判定する(F016)。照合結果の一致とは、属性の一致、および、応答結果の文字情報が示す内容と音声化した文字情報が示す内容との一致の両方をいう。照合結果が一致した場合(F016でYes)、顧客情報管理部11は、属性も内容も一致したと判定された項目を「確認済み」に変更する(F017)。つまり、顧客情報管理部11は、第三者確認が必要であったが第三者確認が未実施であった項目を第三者確認が実施済みの項目とする。
【0038】
次に、顧客情報管理部11は、F016の判定結果をオペレーター端末41に表示させる(F018)。具体的には、オペレーター端末41は、内容、属性照合(F014)が一致したと判定された項目を第三者確認が成功した(実施済み)の項目として更新表示する。また、オペレーター端末41は、内容、属性照合が一致しなかったとして判定された(F016でNo)項目を第三者確認が失敗した項目として更新表示する。その後、顧客情報管理部11は、F003の処理に戻り、オペレーターが入力した応対結果について、必須項目が揃っているか否かの確認を続ける。必須項目が揃っていた場合(F003でYes)、応対結果入力処理は終了する。なお、顧客情報管理部11において照合承認処理部13から受信した照合結果が一致するか否かについて判定された照合結果(F016)、またはオペレーター端末41に表示させる判定結果は、特許請求の範囲の「第3照合結果の情報」の例である。
【0039】
<まとめ>
本実施形態によれば、オペレーターが後処理で作成する応対結果のうち、第三者確認が必要な項目の確認を、当該項目の文字情報と、当該項目を当該オペレーターが読み上げた音声情報から変換した文字情報との照合で実現する。このため、事実上、第三者の介在無しで当該オペレーターのみで第三者確認を実現することができる。よって、第三者の手隙を待つことなく後処理を進めることができ、応対結果の入力内容の正確性を保証しつつ、後処理に要する時間を短縮することができる。
したがって、コンタクトセンター業務の後処理の作業効率を向上させることができる。
【0040】
<その他>
(a):本実施形態では、第三者確認が必要となる項目について、属性の照合(
図2のF014)を、音声情報の文字化(
図2のF013)の後に行うようにした。しかし、例えば、属性の照合は、照合承認処理部13が様式管理部12から属性を収集した(
図2のF006)際に実行してもよい。その際、内容、属性照合(
図3のF014)では、照合承認処理部13が、内容の属性を照合することについて省略し、内容の照合することについてのみ実行すればよい。
【0041】
(b):本実施形態では、音声認識装置20が顧客関係管理装置10と別体である場合について説明した。しかし、例えば、顧客関係管理装置10が、音声認識装置20が備える音声認識機能を備えるようにし、音声認識装置20を不要としてもよい。
【0042】
(c);本実施形態では、照合承認処理部13は、第三者確認が必要となる項目について、応対結果中の文字情報の属性と、様式管理部12による属性との属性照合を行うようにした(
図3のF014)。しかし、例えば、照合承認処理部13は、第三者確認が必要となる項目について、音声情報から変換した文字情報の属性と、様式管理部12による属性との属性照合を行うようにしてもよい。この場合、顧客情報管理部11は、照合承認処理部13から受信した、当該属性照合による照合結果が一致するか否かを判定する(
図3のF016参照)。顧客情報管理部11は、当該判定の判定結果をオペレーター端末41に表示させる(
図3のF018参照)。
【0043】
なお、音声情報から変換した文字情報の属性は、特許請求の範囲の「第3属性情報」の例である。また、音声情報から変換した文字情報の属性と、様式管理部12による属性との属性照合による照合結果は、特許請求の範囲の「第4照合結果の情報」の例である。また、上記属性照合に対し、顧客情報管理部11がオペレーター端末41に表示させる判定結果は、特許請求の範囲の「第5照合結果の情報」の例である。
【0044】
(d):本実施形態では、第三者確認が必要となる項目について、内容の照合および属性の照合の2種類の照合を行うようにした(
図3のF014)。しかし、例えば、第三者確認が必要となる項目について、内容の照合のみ行うようにしてもよい。すなわち、「オペレーターから、第1記載項目である第1テキスト情報を取得する第1処理部と、上記第1テキスト情報と、上記オペレーターより取得した音声情報から変換された第2テキスト情報とを照合して、第2照合結果の情報を出力する第3処理部と、上記第2照合結果の情報とに基づいて、上記オペレーターに通知するための情報である第3照合結果の情報を出力する第4処理部と、を有することを特徴とする処理装置」という発明であってもよい。
【0045】
(e):本実施形態で採り上げた技術を適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0046】
1 管理システム
10 顧客関係管理装置
11 顧客情報管理部
12 様式管理部
13 照合承認処理部
20 音声認識装置
31 構内通信網
41 オペレーター端末