(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】処理装置、処理方法および処理プログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 3/51 20060101AFI20240514BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20240514BHJP
【FI】
H04M3/51
G06Q30/015
(21)【出願番号】P 2020026743
(22)【出願日】2020-02-20
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小坂 浩之
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-176442(JP,A)
【文献】特開2017-046153(JP,A)
【文献】特開2018-028731(JP,A)
【文献】米国特許第06353667(US,B1)
【文献】特開2000-092212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q10/00-10/10
30/00-30/08
50/00-50/20
50/26-99/00
G16Z99/00
H04M1/00
1/24-3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後処理におけるオペレータの動作に関わる第1情報に基づいて、前記オペレータが後処理における動作の状態である第1状態であるか、前記オペレータが前記第1状態以外の状態である第2状態であるかを判定する第1処理部と、
前記オペレータが前記第2状態であるならば、前記オペレータの作業識別情報として設定される後処理を示す第1識別情報について、設定解除を行う第2処理部と、を備え
、
前記第1情報は、後処理に用いる紙媒体を撮影した画像情報である、
ことを特徴とする処理装置。
【請求項2】
処理装置が、
後処理におけるオペレータの動作に関わる第1情報に基づいて、前記オペレータが後処理における動作の状態である第1状態であるか、前記オペレータが前記第1状態以外の状態である第2状態であるかを判定する第1ステップと、
前記オペレータが前記第2状態であるならば、前記オペレータの作業識別情報として設定される後処理を示す第1識別情報について、設定解除を行う第2ステップと、を
実行し、
前記第1情報は、後処理に用いる紙媒体を撮影した画像情報である、
ことを特徴とする処理方法。
【請求項3】
処理装置としてのコンピュータを、
後処理におけるオペレータの動作に関わる第1情報に基づいて、前記オペレータが後処理における動作の状態である第1状態であるか、前記オペレータが前記第1状態以外の状態である第2状態であるかを判定する第1処理部、
前記オペレータが前記第2状態であるならば、前記オペレータの作業識別情報として設定される後処理を示す第1識別情報について、設定解除を行う第2処理部、として機能させるための処理プログラム
であって、
前記第1情報は、後処理に用いる紙媒体を撮影した画像情報である、処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置、処理方法および処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンタクトセンタではお客様との応対後に、事後処理対応のため、ワークタイムにオペレータ状態を変更することがある。ワークタイムとは、顧客とオペレータとの通話(チャットなどのやり取りを含む)が終わった後、オペレータにより顧客との通話に関わる対応履歴の投入や帳票の起票などの顧客との通話を完結させるために必要となる通話終了後に実施される処理のことである。ワークタイムは、他の言い方として後処理ともいう。後処理の詳細については、例えば、非特許文献1に開示されている。従来のコンタクトセンタでは、ワークタイムの解除忘れを防止するために、アプリケーションの機能によって一定時間が経過するとワークタイムを自動解除するように設定し対処している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】Bright Pattern Contact Center Documentation、"コンタクトセンター管理者ガイド"、[online]、[令和2年1月22日検索]、インターネット〈URL:https://help.brightpattern.com/5.2:Contact-center-administrator-guide/GeneralSettings/ja〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の方法では、後処理が長引いた場合に、作業途中にも関わらずワークタイムが解除されてしまうという欠点があった。また、ワークタイムが自動解除される前にオペレータにて使用される装置(一例はPC(パーソナルコンピュータ))の画面にポップアップを表示し、オペレータにて解除有無を再確認する方法もある。しかし、この方法では、一度、オペレータにおいて後処理を中断してポップアップの処理をしなければならない煩わしさがあった。
【0005】
上記事情に鑑みて、本発明は、コンタクトセンタ業務の作業効率を向上させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明の処理装置は、後処理におけるオペレータの動作に関わる第1情報に基づいて、前記オペレータが後処理における動作の状態である第1状態であるか、前記オペレータが前記第1状態以外の状態である第2状態であるかを判定する第1処理部と、前記オペレータが前記第2状態であるならば、前記オペレータの作業識別情報として設定される後処理を示す第1識別情報について、設定解除を行う第2処理部と、を備え、前記第1情報は、後処理に用いる紙媒体を撮影した画像情報である、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の処理方法は、処理装置が、後処理におけるオペレータの動作に関わる第1情報に基づいて、前記オペレータが後処理における動作の状態である第1状態であるか、前記オペレータが前記第1状態以外の状態である第2状態であるかを判定する第1ステップと、前記オペレータが前記第2状態であるならば、前記オペレータの作業識別情報として設定される後処理を示す第1識別情報について、設定解除を行う第2ステップと、を実行し、前記第1情報は、後処理に用いる紙媒体を撮影した画像情報である、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の処理プログラムは、処理装置としてのコンピュータを、後処理におけるオペレータの動作に関わる第1情報に基づいて、前記オペレータが後処理における動作の状態である第1状態であるか、前記オペレータが前記第1状態以外の状態である第2状態であるかを判定する第1処理部、前記オペレータが前記第2状態であるならば、前記オペレータの作業識別情報として設定される後処理を示す第1識別情報について、設定解除を行う第2処理部、として機能させるための処理プログラムであって、前記第1情報は、後処理に用いる紙媒体を撮影した画像情報である、処理プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンタクトセンタ業務の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態の管理システムの機能構成図の例である。
【
図2】第1の実施形態におけるコンタクトセンタ業務の後処理のフローチャートの例である。
【
図3】第2の実施形態の管理システムの機能構成図の例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施するための形態を、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、本実施形態では、本発明と直接的に関連しない構成や周知な構成については、説明を省略する場合がある。なお、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
また、本実施形態では、ワークタイムは、後処理を実行するための期間を意味する語として用いる場合がある。
【0012】
<第1の実施形態>
[構成]
図1に示すように、本実施形態の管理システム1Aは、外部装置00と、オペレータPC10と、サーバ20とを備えている。外部装置00およびオペレータPC10はそれぞれ、1台のサーバ20に対して複数台存在するが、図示の便宜上、1台のみ図示する。なお、オペレータPC10は、特許請求の範囲の「処理装置」の例である。
【0013】
(外部装置00)
外部装置00は、オペレータPC10と接続する装置であり、コンタクトセンタのオペレータが用いる入力装置である。本実施形態では、外部装置00は、マウスやキーボードであり、オペレータがオペレータPC10が表示する画面に所定の情報を入力するための装置である。なお、外部装置00が入力する所定の情報は、特許請求の範囲の「第1情報」の例である。
【0014】
(オペレータPC10)
オペレータPC10は、オペレータが用いるPCである。オペレータPC10は、CPU(Central Processing unit)と、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記億部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラムを実行することにより、各種機能が実現される。なお、上記プログラムは、特許請求の範囲の「処理プログラム」の例である。
【0015】
オペレータPC10は、入出力インタフェース11と、オペレーティングシステム12と、コンタクトセンタアプリケーション13と、データベース14と、データ通信部15とを備えている。
ここで、本実施形態のオペレータPC10では、オペレータと顧客との間の通話に用いられる機能について、省略して記載される。オペレータと顧客との間の通話に用いられる機能の一例は、オペレータPC10にて提供されるチャット機能、電話機能などや、オペレータPC10に併設される電話装置などである。
またここで、オペレータと顧客との間の通話には、チャットなどのやり取り(対話)を含むこととする。
【0016】
入出力インタフェース11は、外部装置00との接続部である。
【0017】
オペレーティングシステム12は、オペレータPC10のオペレーション(操作・運用・運転)を司るシステムソフトウェアである。オペレーティングシステム12は、外部装置00との間の入出力の有無、サーバ20との間の入出力の有無、コンタクトセンタアプリケーション13の動作状態を検知する。
【0018】
コンタクトセンタアプリケーション13は、コンタクトセンタ業務に関する種々の処理を実行する。コンタクトセンタアプリケーション13は、オペレータによる顧客との通話終了後のワークタイムの設定要求をサーバ20に送信することができる。また、コンタクトセンタアプリケーション13は、後処理完了後のワークタイムの解除要求をサーバ20に送信することができる。
【0019】
なお、コンタクトセンタ業務に関する種々の処理を示す情報は、特許請求の範囲の「オペレータの作業識別情報」の例である。また、後処理は、コンタクトセンタ業務に関する種々の処理の1つであり、特許請求の範囲の「第1識別情報」の例である。
【0020】
コンタクトセンタアプリケーション13は、オペレータからの入力や、コンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力(処理)に基づいて、後処理が完了したか否かの判定をすることができる。オペレータからの入力は、外部装置00からの入力であり、例えば、周知の帳票画面へのテキスト入力であるが、これに限定されない。また、コンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力は、オペレータからの入力に応じて実行される入力であり、例えば、通話履歴の入力であるが、これに限定されない。よって、コンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力は、オペレータからの入力に帰着することができる。なお、コンタクトセンタアプリケーション13は、特許請求の範囲の「第1処理部」および「第2処理部」の例である。
【0021】
データベース14は、ワークタイムの解除に用いる設定値を記憶する。
【0022】
データ通信部15は、サーバ20とのデータ通信を行う通信装置である。
【0023】
(サーバ20)
サーバ20は、コンタクトセンタ業務のサービスを提供する。サーバ20は、オペレータPC10に対して、コンタクトセンタ業務に関する種々の命令をすることができる。サーバ20は、CPUと、メモリと、ハードディスクなどの記憶手段(記億部)と、ネットワークインタフェースとを有するコンピュータとして構成される。このコンピュータは、CPUが、メモリ上に読み込んだプログラムを実行することにより、各種機能が実現される。
【0024】
サーバ20は、コンタクトセンタシステム21と、データ通信部22とを備えている。
ここで、本実施形態のサーバ20では、オペレータと顧客との間の通話に用いられる機能について、省略して記載される。オペレータと顧客との間の通話に用いられる機能の一例は、オペレータと顧客との間の接続機能/呼制御機能、自動呼分配(Automatic Call Distributor(ACD))機能、音声自動応答(Interactive Voice Response(IVR))機能、データベースを用いた顧客情報の検索/登録機能、オペレータの稼働状況を収集/分析する収集/分析機能などである。
またここで、オペレータと顧客との間の通話には、チャットなどのやり取り(対話)を含むこととする。
【0025】
コンタクトセンタシステム21は、コンタクトセンタ業務に関する種々の処理を制御する。コンタクトセンタシステム21は、コンタクトセンタアプリケーション13からのワークタイムの設定要求に対し、ワークタイムを設定することができる。コンタクトセンタシステム21は、コンタクトセンタアプリケーション13からのワークタイムの解除要求に対し、ワークタイムを解除することができる。
【0026】
上記のように、ワークタイムの設定および解除は、コンタクトセンタアプリケーション13からの要求に応じコンタクトセンタシステム21が行っているが、コンタクトセンタアプリケーション13が、ワークタイムの設定および解除を行ってもよい。
【0027】
データ通信部22は、オペレータPC10とのデータ通信を行う通信装置である。
【0028】
[処理]
次に、
図2を参照して、オペレータPC10が実行するコンタクトセンタ業務の後処理について説明する。
図2の処理は、オペレータによる顧客との通話終了後に開始する。なお、通話終了の判定は、例えば、オペレータによる受話器のオンフックとしてもよいし、サーバ20による呼制御の終了としてもよい。
ここで、オペレータと顧客との間の通話には、チャットなどのやり取り(対話)を含むこととする。
【0029】
まず、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、サーバ20に対しワークタイムの設定を要求する(ステップS1)。
図2の後処理では、サーバ20が当該要求に対して該当オペレータに対してワークタイムを設定し、設定された旨をオペレータPC10に応答したこととする。ワークタイムが設定されたことにより、対象オペレータに対する顧客からの着信は行われない。
【0030】
次に、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、入力確認処理を実行する(ステップS2)。入力確認処理の一例は、オペレータからの入力として、オペレーティングシステム12に対する外部装置00からの入力があったか否かをコンタクトセンタアプリケーション13が確認する処理である。また、入力確認処理の他の一例は、オペレータからの入力に応じてコンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力があったか否かをコンタクトセンタアプリケーション13が確認する処理である。入力確認処理による確認は、外部装置00からの入力が無いことの確認や、コンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力が無いことの確認も含まれる。また、入力確認処理では、外部装置00からの入力が最後になされたタイミングの確認や、コンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力が最後になされたタイミングの確認も含まれる。なお、本実施形態では、入力内容について、コンタクトセンタアプリケーション13が確認する必要はなく、入力内容を確認しない(但し、入力内容を確認してもよい)。
【0031】
次に、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、入力確認処理(ステップS2)の結果、オペレータからのワークタイムの解除操作があったか否かを判定する(ステップS3)。ワークタイムの解除操作は、後処理に必要な作業(例:帳票作成)を一通り完了したオペレータが新たな着信を受けるために自発的に行う操作である。ワークタイムの解除操作があった場合(ステップS3でYes)、後記するステップS5に進む。
【0032】
一方、ワークタイムの解除操作がなかった場合(ステップS3でNo)、入力無し時間が、データベース14が記憶する設定値(時間を単位とする値)を超えたか否か判定する(ステップS4)。「入力無し時間」は、オペレータからの入力が無くなった時点から現時点までの間にオペレータから何の入力もなされない時間、または、コンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力が無くなった時点から現時点までの間にコンタクトセンタアプリケーション13を用いたオペレータからの入力もなされない時間である。
【0033】
入力無し時間が設定値を超えていない場合(ステップS4でNo)、設定値による時間を経過するまでに何らかの入力があったことを意味し、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、当該入力の入力確認処理を実行する(ステップS2)。なお、入力無し時間が設定値を超えていない場合(ステップS4でNo)におけるオペレータの状態は、特許請求の範囲の「オペレータが後処理における動作の状態である第1状態」の例である。
【0034】
一方、入力無し時間が設定値を超えた場合(ステップS4でYes)、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、サーバ20に対しワークタイムの解除を要求する(ステップS5)。オペレータがワークタイムの解除操作を忘れたため、ワークタイムを強制的に解除する趣旨である。また、ワークタイムの解除操作があった場合(ステップS3でYes)、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、サーバ20に対しワークタイムの解除を要求する(ステップS5)。
図2の後処理では、サーバ20が当該要求に対して該当オペレータに対してワークタイムを解除し、解除された旨をオペレータPC10に応答したこととする。ワークタイムが解除されたことにより対象オペレータが顧客からの着信を受付可能となる。
【0035】
ステップS5の後、
図2の後処理を終了する。なお、入力無し時間が設定値を超えた場合(ステップS4でYes)におけるオペレータの状態、および、ワークタイムの解除操作をしたオペレータの状態(ステップS3でYes)は、特許請求の範囲の「オペレータが前記第1状態以外の状態である第2状態」の例である。
【0036】
第1の実施形態によれば、ワークタイムの解除忘れに起因する作業時間の浪費が削減される。このため、コンタクトセンタ業務の作業効率を向上させることができる。
また、ワークタイムに充てられる時間が作業実態に即した値(時間)になる。このため、周知の統計ツールを用いたときのオペレータ稼働率の分析精度を向上させることができる。なお、統計ツールは、サーバ20が備えてもよいし、オペレータPC10が備えてもよい。
また、ワークタイムが自動解除される前にポップアップを表示し、解除有無を再確認する従来の方法が不要となる。このため、オペレータはポップアップの処理に対応する必要がなくなり、オペレータの負荷を軽減させることができる。
【0037】
<第2の実施形態>
第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点について説明し、共通点については基本的には説明を省略する。第1の実施形態では、後処理としてPCで表示した帳票画面に対するテキスト入力について説明した。しかし、コンタクトセンタによっては、紙媒体の帳票を用いており、PCからのテキスト入力をしないコンタクトセンタが存在する。本実施形態は、紙媒体の帳票を用いた後処理に関して説明する。
【0038】
外部装置00は、カメラ(撮影装置)であり、撮影した画像を入力するための装置である。外部装置00は、例えば、後処理用の帳票(紙媒体)を撮影することができるが、撮影する対象はこれらに限定されない。なお、外部装置00が入力する画像は、特許請求の範囲の「第1情報」の例である。
【0039】
オペレーティングシステム12は、外部装置00であるカメラが撮影した画像を解析することができる。
【0040】
コンタクトセンタアプリケーション13は、外部装置00からの画像の入力を、オペレータからの入力とし、外部装置00からの画像の入力に基づいて、後処理が完了したか否かの判定をすることができる。
【0041】
データベース14は、ワークタイムの解除に用いる設定値を記憶する。また、データベース14は、外部装置00から入力された画像のいずれの画像がワークタイムの解除のために用いられた画像であるかを示す情報を記憶することができる。
【0042】
[処理]
第2の実施形態におけるコンタクトセンタ業務の後処理の手順は、第1の実施形態(
図2)と同じである。後処理においてオペレータは、紙媒体の帳票に所定事項を記入している。外部装置00であるカメラは、帳票を撮影している。例えば、帳票には所定の識別子(例:QRコード(登録商標))が描かれており、外部装置00が当該識別子を撮影できた場合、オペレーティングシステム12は、外部装置00が撮影した画像の解析により、帳票を認識することができる。
なお、以下の説明において、
図2のステップS1及びステップS3については、第1の実施形態と同様のため、省略して記載される。
また、以下の説明において、
図2のステップS2、
図2のステップS4及びステップS5については、第1の実施形態の内容をベースとして、簡潔に記載される。
【0043】
第2の実施形態において、入力確認処理(
図2のステップS2)は、具体的には、オペレータからの入力として、オペレーティングシステム12に対する外部装置00であるカメラが撮影した画像の入力があったか否かをコンタクトセンタアプリケーション13が確認する処理である。なお、本実施形態では、所定の識別子を除く画像内容について、コンタクトセンタアプリケーション13が画像内容を確認する必要はなく、画像内容を確認しない(但し、画像内容を確認してもよい)。
【0044】
第2の実施形態において、「入力無し時間」(
図2のステップS4)は、外部装置00であるカメラが撮影した画像から紙媒体の帳票を認識することができなくなった時間から現時点までの間に帳票を認識できない状態が継続している時間である。
【0045】
入力無し時間が設定値を超えていない場合(
図2のステップS4でNo)、設定値による時間を経過するまでに、外部装置00が紙媒体の帳票を撮影でき、オペレータが帳票を記入中であったことを意味し、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、当該入力の入力確認処理を実行する(
図2のステップS2)。
【0046】
一方、入力無し時間が設定値を超えた場合(
図2のステップS4でYes)、オペレータPC10は、コンタクトセンタアプリケーション13によって、サーバ20に対しワークタイムの解除を要求する(
図2のステップS5)。この場合、オペレータが帳票の記入を完了し、帳票を所定場所に提出し、外部装置00が帳票をもはや認識することができなくなったにもかかわらず、ワークタイムの解除操作を忘れたため、ワークタイムを強制的に解除する趣旨である。
【0047】
第2の実施形態によれば、紙媒体の帳票を用いて後処理をする場合であっても、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0048】
<変形例>
(a):各実施形態において、データベース14が記憶する設定値は、オペレータPC10から設定した値としてもよいし、サーバ20から設定した値としてもよい。
【0049】
(b):データベース14が記憶する設定値は、後処理で所定の入力を終了したオペレータに対して設定される時間となるため、各オペレータに対して一様に同じ値とすることができるが、オペレータごとに異なる値としてもよい。
【0050】
(c):ワークタイムの解除(
図2のステップS5)に対し、オペレータは顧客からの着信を受付可能となるが、オペレータは、オペレータPC10自身から着信の受付可能を確認できるようにしてもよいし、サーバ20を介して着信の受付可能を確認できるようにしてもよい。また、オペレータPC10がワークタイムが強制解除されるタイミングをカウントダウン表示してもよい。オペレータPC10でカウントダウン表示が表示されることによって、オペレータが着信の受付可能な状態に切り替わることに対してオペレータに余裕を与えることができる。
【0051】
(d):第2の実施形態において、外部装置00としてのカメラは、オペレータPC10とは別体であってもよいし、オペレータPC10に搭載されていてもよい。
【0052】
(e):第2の実施形態において、外部装置00としてのカメラは、帳票に記入しているオペレータを撮影し、オペレーティングシステム12の画像解析に基づいて、オペレータの行動を認識してもよい。コンタクトセンタアプリケーション13は、帳票の記入を認識しなくなった時間をカウントして、入力無し時間(
図2のステップS4)を用いたワークタイムの解除の判定を行うようにしてもよい。
【0053】
(f):第2の実施形態において、外部装置00としてのカメラがオペレータを識別し、オペレータがカメラの撮像範囲からフェードアウトしたことを認識して、オペレータPC10(またはサーバ20)は、オペレータの状態を離席状態にするように制御してもよい。
【0054】
(g):各実施形態では、入力無し時間が設定値で示す時間を超えた(
図2のステップS4でYes)という時間経過の条件によって、ワークタイムが解除されるようにした。しかし、例えば、時間経過の条件以外の条件によって、ワークタイムが解除されるようにしてもよい。
【0055】
(h):各実施形態で採り上げた技術を適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1A,1B 管理システム
00 外部装置
10 オペレータPC
11 入出力インタフェース
12 オペレーティングシステム
13 コンタクトセンタアプリケーション
14 データベース
15 データ通信部
20 サーバ
21 コンタクトセンタシステム
22 データ通信部