(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】指針および時計
(51)【国際特許分類】
G04B 19/04 20060101AFI20240514BHJP
G01D 13/22 20060101ALI20240514BHJP
G01D 11/08 20060101ALI20240514BHJP
【FI】
G04B19/04 D
G01D13/22 101
G01D11/08
(21)【出願番号】P 2020028215
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2023-02-09
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 1. 平成31年2月27日~平成31年2月28日、 「2019 Spring & Summer CASIO時計新製品展示会」において公開 2. 平成31年2月28日、出願人「カシオ計算機株式会社」のホームページに掲載 掲載アドレス https://g-shock.jp/products/basic/ga-2000/ https://world.g-shock.com/asia-mea/en/products/new/?release=201903 3. 平成31年3月20日、出願人「カシオ計算機株式会社」のホームページに掲載 掲載アドレス https://www.casio-watches.com/basel/ja/ https://www.casio-watches.com/basel/ja/product/g-shock/ga-2000.html 4. 平成31年3月20日、 「YouTube」に動画としてアップロード アップロード先アドレス https://www.youtube.com/watch?time_continue=13&v=L8MpgmFHzww&feature=emb_logo 5. 平成31年3月21日~平成31年3月26日、BASELWORLD(バーゼル・ワールド)2019において公開 6. 令和1年8月7日、出願人「カシオ計算機株式会社」のホームページに掲載 掲載アドレス https://g-shock.jp/products/basic/ga-2100/ https://world.g-shock.com/asia-mea/en/products/new/?release=201908 7. 令和1年8月8日、世界各地の納品先の販売店に卸売 8. 令和1年9月11日、 「YouTube」に動画としてアップロード アップロード先アドレス https://www.youtube.com/watch?v=GynbQsDi-bk&feature=emb_logo
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096699
【氏名又は名称】鹿嶋 英實
(74)【代理人】
【識別番号】100171882
【氏名又は名称】北庄 麗絵子
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 雄太
(72)【発明者】
【氏名】有田 幸喜
(72)【発明者】
【氏名】辻 彩子
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-102816(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 1/00 - 99/00
G04C 1/00 - 99/00
G01D 11/00 - 13/28
G12B 11/00 - 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目盛を指す長手部と、
指針軸に取り付けられる取付部と、
前記取付部に対して前記長手部と反対側に延びる短手部と、
前記短手部の視認される面と反対側の面に配置され、且つ前記短手部の外周縁から所定間隔をもって配置された錘部と、
を備え、
前記錘部は、面取り加工がされた
、前記反対側の面から突出
した部分を有する、
ことを特徴とする指針。
【請求項2】
目盛を指す長手部と、
指針軸に取り付けられる取付部と、
前記取付部に対して前記長手部と反対側に延びる短手部と、
前記短手部の視認される面と反対側の面に配置され、且つ前記短手部の外周縁から所定間隔をもって配置された錘部と、
を備え、
前記錘部における前記取付部と反対側の端部の厚みが、前記取付部側の端部の厚みよりも薄く形成されている、
ことを特徴とする指針。
【請求項3】
目盛を指す長手部と、
指針軸に取り付けられる取付部と、
前記取付部に対して前記長手部と反対側に延びる短手部と、
前記短手部の視認される面と反対側の面に配置され、且つ前記短手部の外周縁から所定間隔をもって配置された錘部と、を備える指針において、
第1の指針が第2の指針の上方に同一軸上で重なる場合で、前記第1の指針の前記錘部の厚み方向の長さをY軸に示し、前記第1の指針の前記同一軸上の回転中心からの前記短手部の延伸方向における前記錘部の長さをX軸に示し、前記第1の指針と前記第2の指針との上下方向の間隔をKとし、前記第2の指針の前記同一軸上の回転中心からの前記短手部の長さをLとした場合、前記第1の指針の前記錘部は、その厚みと長さとが
Y=(-K/L)・X+K
の式と前記Y軸と前記X軸とで囲われる領域内に設定されていることを特徴とする指針。
【請求項4】
請求項3に記載の指針において、
前記第1の指針の前記短手部に設けられた前記錘部と前記第2の指針の上面との間における実際の隙間をS1とし、理論上の最小限の隙間をS2とし、前記第1の指針と前記第2の指針との部品精度および組立精度を含む公差をRとした場合、前記実際の隙間S1は、
S2-R≦S1≦S2+R
の関係に設定されていることを特徴とする指針。
【請求項5】
請求項1に記載の指針において、
前記錘部は、略直方体形状であって、当該略直方体形状の辺又は頂点に前記面取り部を有している、
ことを特徴とする指針。
【請求項6】
請求項1または請求項5に記載の指針において、
前記面取り部は円弧状に形成されている、
ことを特徴とする指針。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかに記載の指針において、
前記短手部には前記指針の錘部が取り付けられる面よりも凹んだ装着部が設けられており、当該装着部に前記錘部が取り付けられる、
ことを特徴とする指針。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれかに記載の指針において、
前記錘部の比重は前記短手部および前記長手部の比重よりも大きい、
ことを特徴とする指針。
【請求項9】
請求項1~請求項8のいずれかに記載された指針を備えている、
ことを特徴とする時計。
【請求項10】
請求項9に記載の時計において、
前記指針の上方に配置されて前記指針が視認可能なカバーガラスと、
前記指針を運針可能に収容して前記カバーガラスが取り付けられるケースと、
を備え、
前記ケースは、斜め側面視において前記錘部が視認し難い高さに形成されている、
ことを特徴とする時計。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、腕時計やメータなどの計測機器に用いられる指針およびそれを備えた時計に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、腕時計の指針においては、特許文献1に記載されているように、時刻の目盛を指す長手部と、指針軸に取り付けられる取付部と、この取付部に対して長手部と反対側に延びる短手部と、を備え、この短手部に錘部を設けて短手部のモーメントのアンバランスを軽減するようにしたものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような腕時計の指針では、錘部を短手部の裏面に設けることにより、腕時計の上方から錘部が見えないようしているが、腕時計を側面側から見た際に、錘部の周縁部が見えてしまうため、外観的に好ましくないという問題がある。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、錘部を備えていても、外観性を向上させることができる指針およびそれを備えた時計を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、目盛を指す長手部と、指針軸に取り付けられる取付部と、前記取付部に対して前記長手部と反対側に延びる短手部と、前記短手部の視認される面と反対側の面に配置され、且つ前記短手部の外周縁から所定間隔をもって配置された錘部と、を備え、前記錘部は、面取り加工がされた、前記反対側の面から突出した部分を有することを特徴とする指針である。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、錘部を備えていても、外観性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】この発明を腕時計に適用した一実施形態を示した拡大正面図である。
【
図2】
図1に示された腕時計のA-A矢視における要部を示した拡大断面図である。
【
図3】
図2に示された指針を示し、(a)は時針の拡大裏面図、(b)は分針の拡大裏面図、(c)は秒針の拡大裏面図である。
【
図4】
図2に示された指針と指針軸とを示した要部の拡大断面図である。
【
図5】
図4に示された時針の短手部の長さに対する分針の第2錘部の厚みの関係を示した原理図である。
【
図6】
図2に示された分針の第2錘部の変形例を示し、(a)は第2錘部の厚みに関する第1変形例を示した要部の拡大断面図、(b)は第2錘部における端部の形状に関する第2変形例を示した要部の拡大裏面図である。
【
図7】
図3(b)に示された分針の第2錘部における周縁の形状に関する第3変形例を示した拡大斜視図である。
【
図8】
図3(b)に示された分針の端部に第2錘部を取り付ける変形例を示し、(a)はその第4変形例を示した要部の拡大断面図、(b)はその第5変形例を示した要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図5を参照して、この発明を腕時計に適用した一実施形態について説明する。
この腕時計は、
図1に示すように、腕時計ケース1を備えている。この腕時計ケース1の12時側と6時側とには、時計バンド(図示せず)が取り付けられるバンド取付部2がそれぞれ設けられている。
【0010】
また、この腕時計ケース1の3時側には、
図1に示すように、竜頭などのスイッチ装置3が設けられており、腕時計ケース1の2時側、4時側、8時側、10時側には、押釦スイッチ4がそれぞれ設けられている。この場合、腕時計ケース1は、
図2に示すように、本体ケース1aと外装ケース1bとを備え、本体ケース1aの上部および外周にこれらを覆って外装ケース1bが設けられた構造になっている。
【0011】
また、この腕時計ケース1の上部開口部、つまり本体ケース1aの上部開口部には、
図1および
図2に示すように、カバーガラスである時計ガラス5がパッキン5aを介して取り付けられている。この場合、時計ガラス5の外周部は、本体ケース1aの上部に設けられた外装ケース1bの内周部によって覆われている。
【0012】
この腕時計ケース1の内部には、
図2に示すように、時計モジュール6が収容されている。この時計モジュール6は、図示しないが、時刻を指示表示するための後述する時計ムーブメント、時刻や日付などの情報を電気光学的に表示するする表示部、これらを電気的に駆動して制御する回路基板など、時計機能に必要な各種の部品を備えている。
【0013】
この場合、時計ムーブメントは、
図2に示すように、上側に文字板7が配置され、この文字板7の貫通孔7aを通して指針軸8が文字板7の上方に突出し、この突出した指針軸8の上端部に指針9が取り付けられ、この指針9が文字板7の上方を運針して、文字板7の外周側の上部に設けられた見切り部材7bの時刻目盛である時字(図示せず)を指示することにより、時刻を指示表示するように構成されている。
【0014】
指針軸8は、
図2に示すように、筒車である時針軸8aと、2番車の筒軸である分針軸8bと、4番車の軸である秒針軸8cと、を備え、これらが同一軸上に配置されている。すなわち、分針軸8bは、筒状の時針軸8a内に同一軸上で回転可能に配置されて、分針軸8bの上端部が時針軸8aの上方に突出している。秒針軸8cは、筒状の分針軸8b内に同一軸上で回転可能に配置されて、秒針軸8cの上端部が分針軸8bの上方に突出している。
【0015】
指針9は、
図2に示すように、時針軸8aの上端部に取り付けられる時針10と、分針軸8bの上端部に取り付けられる分針11と、秒針軸8cの上端部に取り付けられる秒針12と、を備えている。これら時針10、分針11、秒針12それぞれは、炭素繊維、合成樹脂、黄銅などの素材によって形成され、文字板7の上方をそれぞれ運針するように構成されている。
【0016】
これら時針10、分針11、秒針12それぞれは、
図2に示すように、上下方向に所定間隔をもって配置されている。すなわち、時針10は、文字板7の上方に所定間隔をもって配置され、文字板の上方を運針して見切り部材7bの時字を指示する。分針11は、時針10の上方に所定間隔をもって配置され、時針10の上方で運針して見切り部材7bの時字を指示する。秒針12は、分針11の上方に所定間隔をもって配置され、分針11の上方で運針して見切り部材7bの時字を指示する。
【0017】
また、これら時針10、分針11、秒針12それぞれは、
図2および
図3に示すように、見切り部材7bに設けられた時刻目盛である時字を指す長手部10a、11a、12aと、指針軸8に取り付けられる取付部10b、11b、12bと、これら取付部10b、11b、12bに対して長手部10a、11a、12aと反対側に延びる短手部10c、11c、12cと、を備えている。
【0018】
この場合、時針10、分針11、秒針12のうち、分針11と秒針12とは、
図2および
図3に示すように、指針9の回転中心である取付部11b、12bの中心から長手部11a、12aの延伸方向の長さが、文字板7の半径よりも少し短い長さで長く形成されている。これら分針11と秒針12とは、長手部11a、12aの延伸方向と直交する方向の長さ(幅)が異なり、例えば分針11の長手部11aの幅が秒針12の長手部12aの幅よりも大きく形成されている。
【0019】
時針10は、
図2および
図3に示すように、指針9の回転中心である取付部10bの中心から長手部10aの延伸方向の長さが、分針11の長手部11aにおける延伸方向の長さよりも短く、例えば分針11の長手部11aの2/3程度の長さで形成されている。この時針10は、長手部10aの延伸方向と直交する方向の長さ(幅)が、分針11の長手部11aの幅とほぼ同じか、それよりも少し大きく形成されている。
【0020】
また、時針10、分針11、秒針12のうち、時針10と分針11とは、
図2および
図3に示すように、取付部10b、11bに時針軸8aと分針軸8bとの各上端部が嵌着する嵌着孔10e、11eがそれぞれ設けられている。秒針12は、取付部12bが長手部10aの延伸方向と直交する方向の長さ(幅)よりも大きい円形状に形成され、その中心部にハカマと称する針取付片12eが取り付けられ、この針取付片12eが秒針軸8cの上端部に取り付けられるように構成されている。
【0021】
また、時針10、分針11、秒針12それぞれは、
図2および
図3に示すように、短手部10c、11c、12cの延伸方向と直交する方向の長さ(幅)が、長手部10a、11a、12aの延伸方向と直交する方向の長さ(幅)よりも少し大きく形成されている。これら時針10、分針11、秒針12それぞれは、短手部10c、11c、12cの視認される表面である上面と反対側の裏面である下面に第1~第3錘部10d、11d、12dが両面粘着テープなどの接着材13によって貼り付けられている。
【0022】
この場合、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、
図2および
図3に示すように、短手部10c、11c、12cの下面に、その各外周縁から所定間隔Wをもって配置されている。すなわち、これら第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、短手部10c、11c、12cの下面に、その各外周縁から所定間隔Wだけ離れて配置されることにより、短手部10c、11c、12cの下面よりも、第1~第3錘部10d、11d、12dが小さく形成されている。
【0023】
この場合、時針10、分針11、秒針12それぞれは、
図2および
図3に示すように、指針9の回転中心である取付部10b、11b、12bの中心から短手部10c、11c、12cの延伸方向の長さがほぼ同じ長さに形成されている。すなわち、時針10、分針11、秒針12それぞれは、本来、短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスを考慮して、短手部10c、11c、12cの延伸方向の長さが長手部10a、11a、12aの延伸方向の長さに対応して長く形成されていることが普通である。
【0024】
しかしながら、この実施形態では、
図2および
図3に示すように、時針10、分針11、秒針12それぞれの短手部10c、11c、12cの下面に設けられた第1~第3錘部10d、11d、12dの重量によって、短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスが軽減されることにより、短手部10c、11c、12cの延伸方向の長さが、短手部10c、11c、12cの全てにおいてほぼ同じ長さで短く形成されている。
【0025】
この場合、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、
図2および
図3に示すように、各比重が時針10、分針11、秒針12の各長手部10a、11a、12aおよび各短手部10c、11c、12cの比重よりも大きい素材によって、厚みが薄く形成されている。すなわち、これら第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、例えば金、タングステン、タングステン合金、ニッケルなどの金属によって形成されている。このため、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、厚みが薄く形成されている。
【0026】
また、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、
図2および
図3に示すように、ほぼ四角形の平板状に形成され、その各四隅に円弧状の面取り部10f、11f、12fが設けられている。このため、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、指針9が指針軸8に対して少し傾いて取り付けられた状態で指針9が運針されても、指針9に対する第1~第3錘部10d、11d、12dの干渉が防げるようになっている。
【0027】
この場合、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、
図2および
図3に示すように、必ずしも四隅に円弧状の面取り部10f、11f、12fを設ける必要はなく、少なくとも指針9の回転中心である取付部10b、11b、12bの中心から短手部10c、11c、12cの延伸方向に延びた端部の両側に位置する隅部のみに円弧状の面取り部10f、11f、12fを設けた構造であっても良い。
【0028】
また、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、
図2に示すように、指針9の上下方向の間隔、および指針9の各長手部10a、11a、12aの形状の大きさなどに応じて、それぞれ厚みが異なっている。すなわち、時針10の第1錘部10dは、時針10と文字板7との間隔が時針10、分針11、秒針12の各間隔よりも広く、長手部10aの形状が大きいため、分針11の第2錘部11dおよび秒針12の第3錘部12dの各厚みよりも厚く形成されている。
【0029】
分針11の第2錘部11dは、
図2に示すように、分針11と時針10との間隔が最も狭いため、時針10の第1錘部10dおよび秒針12の第3錘部12dの各厚みよりも薄く形成されている。この場合、分針11は、短手部11cの形状が大きいため、第2錘部11dの厚みが第1、第3錘部10d、12dよりも薄くても、後述する第2錘部11dの厚みが最適に設定されていることにより、短手部11cのモーメントのアンバランスが軽減されている。
【0030】
秒針12の第3錘部12dは、
図2に示すように、秒針12と分針11との間隔が分針11と時針10との間隔よりも少し広いため、分針11の第2錘部11dの厚みよりも厚く、且つ時針10の第1錘部10dの厚みよりも薄く形成されている。この場合、秒針12は、長手部12aの延伸方向の長さが長くて、短手部12cの形状が小さいため、第2錘部12dの厚みを厚くして、短手部12cのモーメントのアンバランスが軽減されている。
【0031】
また、第1~第3錘部10d、11d、12dのうち、厚みの最も薄い分針11の第2錘部11dは、
図4および
図5に示すように、分針11が時針10の上方に同一軸上で重なることにより、分針11の第2錘部11dの厚み方向の長さをY軸上に示し、分針11の同一軸上の回転中心からの短手部11cの延伸方向における第2錘部11dの長さをX軸上に示した場合、以下の条件によって第2錘部11dの厚みが設定されている。
【0032】
すなわち、分針11の第2錘部11dは、
図5に示すように、分針11と時針10との上下方向の間隔をKとし、時針10の同一軸上の回転中心からの短手部10cの長さをLとした場合、第2錘部11dの厚みと長さとが
Y=(-K/L)・X+K ・・・・・(式1)
の関係で、この式1とY軸とX軸とで囲われる領域内に設定されている。
【0033】
時針10や分針11といった針は時針軸8aと分針軸8bに嵌着等されることによって固定されることになるが、これら時針軸8aと分針軸8bといった部品自体の大きさのばらつきや組み立て公差等が要因となって、時針10や分針11等といった時計を構成する針部品は互いに完璧な水平関係を保つように組み立てることは困難である。
【0034】
つまり、時針10と分針11が時針軸8aと分針軸8bと嵌着される嵌着孔10e、11eの位置においては、時針10と分針11との間の間隔は最も広くなり、そこから針の先端に向かうにつれて当該間隔が狭まっていく構造となる可能性を考慮にいれて設計する必要がある。
【0035】
したがって最薄設計を考えた場合には、組み立てばらつきや設計公差を考慮にいれて、時針10の長手側及び短手側の先端と分針11の長手側及び短手側先端とが接触しないで且つできるだけ針同士が接近する位置になるように間隔Kを設定する。つまり、
図5では、理論的最薄構造の場合には時針10の同一軸上の回転中心からの短手部10cの先端で分針11と接触し、針の回転中心位置においては、時針10と分針11との間の間隔が最も大きくなるとして算出を行っている。
【0036】
この場合、分針11の短手部11cに設けられた第2錘部11dとこれに対応する時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間をS1とし、理論上の最小限の隙間をS2とし、分針11と時針10とにおける部品精度および組立精度などの公差をRとした場合、分針11の第2錘部11dと時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1は、
S2-R≦S1≦S2+R ・・・・・(式2)
の関係に設定されている。この式2の条件を満たすことにより、第2錘部11dの厚みを最大限に厚くして分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを軽減し、且つ腕時計全体の薄型化が可能になる。
【0037】
すなわち、分針11の第2錘部11dと時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1が、
S1>S2+R
である場合には、
図5において例えば点P2の位置になる。このため、腕時計全体の薄型化が可能になるが、第2錘部11dの重量が軽くなるので、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスが軽減され難くなる。
【0038】
また、分針11の第2錘部11dと時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1が、
S1<S2-R
である場合には、
図5において例えば点P3の位置になる。このため、第2錘部11dの厚みが厚くなり、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスが軽減されるが、腕時計全体の薄型化が図れない。
【0039】
また、分針11の第2錘部11dは、
図5に示すように、この第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1がY=S1の場合、このY=S1の直線式とY=(-K/L)・X+Kの直線の式1とが交差する箇所が点P1となる。この場合には、第2錘部11dの厚みを最大限に厚くして分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを軽減し、且つ腕時計全体の薄型化が可能になる。
【0040】
このため、分針11の第2錘部11dは、
図5に示すように、この第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1がY=S1の場合、このY=S1の直線式とY=(-K/L)・X+Kの式1とY軸とで囲われる領域内において、分針11の短手部11cの外周縁から第2錘部11dまでの間隔Wを考慮して差し引いた領域E(
図5に斜線で示す領域)内に、第2錘部11dの厚みと長さとが設定されていることが望ましい。
【0041】
これにより、分針11の第2錘部11dは、
図5に示すように、斜線で示された領域E内において、Y軸の値が第2錘部11dの厚みTとなり、X軸の値が分針11の第2錘部11dの長さとなる。このため、分針11の第2錘部11dは、より一層、第2錘部11dの長さが最適に設定されると共に、第2錘部11dの厚みTを最大限に厚くして、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを軽減し、且つ腕時計全体の薄型化が可能になる。
【0042】
この場合、時針10の第1錘部10dと秒針12の第3錘部12dとは、
図2に示すように、分針11の第2錘部11dと同様に厚みと長さとが設定されていることが望ましい。これにより、時針10の第1錘部10dは、時針10と文字板7との間隔が広いため、分針11の第2錘部11dの厚みよりも厚く形成されている。また、秒針12の第3錘部12dは、秒針12と分針11との間隔が分針11と時針10との間隔よりも少し広いため、時針10の第1錘部10dの厚みよりも薄く、且つ分針11の第2錘部11dの厚みよりも厚く形成されている。
【0043】
ところで、腕時計ケース1は、
図2に示すように、外周端の高さつまり外装ケース1bの上端部の高さが時計ガラス5の上面よりも高く形成され、腕時計ケース1の斜め側面視において第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くなるように形成されている。すなわち、この腕時計ケース1は、指針9の短手部10c、11c、12cにおける上面の縁部に対する第1視線入射角θ1よりも、指針9の短手部10c、11c、12cの下面に設けられた第1~第3錘部10d、11d、12dの上面における縁部に対する第2視線入射角θ2が、大きい角度(θ2>θ1)になっている。
【0044】
この場合、第1視線入射角θ1は、
図2に示すように、指針9の短手部10c、11c、12cの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さをH1とし、指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対応する内周部までの距離をFとした場合、θ1≒tan(H1/F)である。
【0045】
また、第2視線入射角θ2は、
図2に示すように、第1~第3錘部10d、11d、12dの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さをH2とし、指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対応する内周部までの距離をFとした場合、θ2≒tan(H2/F)である。
【0046】
また、第1~第3錘部10d、11d、12dの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さH2は、指針9の短手部10c、11c、12cの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さH1と短手部10c、11c、12cの厚みtとの和(H2=H1+t)である。このため、第2視線入射角θ2は、第1視線入射角θ1よりも大きい角度(θ2>θ1)であることにより、
tan(H2/F)=tan{(H1+t)/F}>tan(H1/F)
となる。
【0047】
これにより、第2視線入射角θ2は、最上部に位置する秒針12の短手部12cにおける上面の縁部よりも、腕時計ケース1内の下側に位置するほど、腕時計ケース1の斜め側面視における第2視線入射角θ2が第1視線入射角θ1よりも大きくなる。このため、この腕時計ケース1では、第1視線入射角θ1における斜め側面視において、第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くなる。
【0048】
なお、腕時計ケース1の高さを高くして、腕時計ケース1の上端部から指針9までの距離を長くすればするほど第1視線入射角θ1と第2視線入射角θ2との絶対値を大きくすることができて、第1~第3錘部10d、11d、12dを見えにくくすることができる。即ち、指針9の錘が見えてしまう視線入射角よりも視線入射角が大きくなるように、腕時計ケース1の高さを高くするように設計するのが好適である。
【0049】
この場合、第1~第3錘部10d、11d、12dは、
図3に示すように、指針9の短手部10c、11c、12cの外周縁から所定間隔Wだけ離れていることにより、第1~第3錘部10d、11d、12dの厚みTが多少厚くなっても、腕時計ケース1の斜め側面視において見え難くなっている。
【0050】
次に、この腕時計の作用について説明する。
この腕時計は、通常、時計ムーブメントの指針軸8によって指針9である時針10、分針11、秒針12が文字板7の上方を運針して、時針10、分針11、秒針12の長手部10a、11a、12aがそれぞれ見切り部材7bの時刻目盛である時字を指示することにより、使用者が時計ガラス5を通して時刻を視認することができる。
【0051】
このときには、時針10、分針11、秒針12の各短手部10c、11c、12cの下面に第1~第3錘部10d、11d、12dが設けられていることにより、短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスが軽減されて、時針10、分針11、秒針12が良好に運針する。
【0052】
すなわち、時針10、分針11、秒針12それぞれは、炭素繊維、合成樹脂、黄銅などの素材によって形成され、第1~第3錘部10d、11d、12dは、時針10、分針11、秒針12よりも比重の重い素材、例えば金、タングステン、タングステン合金、ニッケルなどの金属によって形成されている。このため、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれは、厚みを薄く形成して、短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスが軽減されている。
【0053】
この場合、第1~第3錘部10d、11d、12dは、時針10、分針11、秒針12の各短手部10c、11c、12cの下面に、短手部10c、11c、12cの外周縁から所定間隔Wだけ離れて設けられていることにより、腕時計ケース1の斜め側面視において第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くなる。これにより、腕時計全体の外観性やデザイン性が向上する。
【0054】
また、この腕時計ケース1は、指針9の短手部10c、11c、12cにおける上面の縁部に対する第1視線入射角θ1よりも、指針9の短手部10c、11c、12cの下面に設けられた第1~第3錘部10d、11d、12dの上面の縁部に対する第2視線入射角θ2が、大きい角度(θ2>θ1)であるから、腕時計ケース1の第1視線入射角θ1における斜め側面視において、第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くなる。
【0055】
すなわち、第1視線入射角θ1は、指針9の短手部10c、11c、12cの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さをH1とし、指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対応する内周部までの距離をFとした場合、θ1≒tan(H1/F)である。また、第2視線入射角θ2は、指針9の短手部10c、11c、12cの下面に位置する第1~第3錘部10d、11d、12dの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さをH2とし、指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対応する内周部までの距離をFとした場合、θ2≒tan(H2/F)である。
【0056】
この場合、指針9の短手部10c、11c、12cの下面に位置する第1~第3錘部10d、11d、12dの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さH2は、指針9の短手部10c、11c、12cの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さH1と指針9の短手部10c、11c、12cの厚みtつまり指針9の厚みtとを足した長さ(H2=H1+t)である。
【0057】
このため、第2視線入射角θ2は、第1視線入射角θ1よりも、大きい角度(θ2>θ1)であることにより、
tan(H2/F)=tan{(H1+t)/F}>tan(H1/F)
となる。
【0058】
これにより、第2視線入射角θ2は、最上部に位置する秒針12の短手部12cにおける上面の縁部よりも、腕時計ケース1内の下側に位置するほど、腕時計ケース1の斜め側面視における第2視線入射角θ2が第1視線入射角θ1よりも大きくなるため、腕時計ケース1の第1視線入射角θ1における斜め側面視において、第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くなる。
【0059】
この場合、第1~第3錘部10d、11d、12dは、
図3に示すように、指針9の短手部10c、11c、12cの外周縁から所定間隔Wだけ離れていることにより、第1~第3錘部10d、11d、12dの厚みTが多少厚くなっても、腕時計ケース1の斜め側面視において見え難くなり、これにより腕時計全体の外観性やデザイン性が向上する。
【0060】
また、指針9が運針する際には、指針9の短手部10c、11c、12cの下面に設けられた第1~第3錘部10d、11d、12dの重量によって、短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスが軽減されると共に、指針9の運針時に指針9に対して第1~第3錘部10d、11d、12dが干渉することがなく、指針9が円滑に運針する。
【0061】
この場合、第1~第3錘部10d、11d、12dのうち、指針9の上下方向の間隔Kが最も狭い分針11の第2錘部11dは、分針11が時針10の上方に同一軸上で重なることにより、分針11の第2錘部11dの厚み方向の長さをY軸とし、分針11の同一軸上の回転中心からの短手部11cの延伸方向における第2錘部11dの長さをX軸とした場合、以下の条件によって第2錘部11dの厚みおよび長さが設定されている。
【0062】
すなわち、分針11の第2錘部11dは、分針11と時針10との上下方向の間隔をKとし、時針10の同一軸上の回転中心からの短手部10cの長さをLとした場合、第2錘部11dの厚みと長さとが
Y=(-K/L)・X+K ・・・・・(式1)
の関係で、この直線の式1とY軸とX軸とで囲われる領域内に設定されている。この条件を満足することにより、第2錘部11dの厚みおよび短手部11cの延伸方向の第2錘部11dの長さが設定され、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスが軽減される。
【0063】
この場合、分針11の短手部11cに設けられた第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間をS1とし、理論上の最小限の隙間をS2とし、分針11と時針10とにおける部品精度および組立精度などの公差をRとした場合、分針11の第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1は、
S2-R≦S1≦S2+R ・・・・・(式2)
の関係に設定されている。
【0064】
この式2の条件を満足することにより、第2錘部11dの厚みを最大限に厚くして、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを軽減し、第1~第3錘部10d、11d、12dに対する指針9の干渉を防いで、分針11の運針を円滑化させると共に、指針9全体の高さを最小限に抑えて、腕時計全体の薄型化が可能になる。
【0065】
この場合、分針11の第2錘部11dは、この第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1がY=S1の場合、このY=S1の直線式とY=(-K/L)・X+Kの直線の式1とY軸とで囲われる領域内において、分針11の短手部11cの外周縁から第2錘部11dまでの間隔Wを考慮して差し引いた領域E(
図5に斜線で示す領域)内に、第2錘部11dの厚みと長さとが設定されている。
【0066】
このため、分針11の第2錘部11dは、その厚みと長さとが
図5に斜線で示された領域E内に設定されていることにより、この領域E内においてY軸の値が第2錘部11dの厚みTとなり、X軸の値が分針11の第2錘部11dの長さとなる。これにより、分針11の第2錘部11dは、厚みTを最大限に厚くして分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを軽減し、指針9に対する第1~第3錘部10d、11d、12dの干渉を防いで、指針9全体の高さを最小限に抑えて、腕時計全体の薄型化が可能になる。
【0067】
また、第1~第3錘部10d、11d、12dは、ほぼ四角形の平板状に形成され、各四隅に円弧状の面取り部10f、11f、12fが設けられていることにより、指針9が指針軸8に対して少し傾いて取り付けられた状態で指針9が運針しても、第1~第3錘部10d、11d、12dの四隅に設けられた円弧状の面取り部10f、11f、12fによっても、指針9に対する第1~第3錘部10d、11d、12dの干渉を防いで、指針9が円滑に運針する。
【0068】
このように、この腕時計の指針9によれば、時刻の目盛を指す長手部10a、11a、12aと、指針軸8に取り付けられる取付部10b、11b、12bと、これら取付部10b、11b、12bに対して長手部10a、11a、12aと反対側に延びる短手部10c、11c、12cと、これら短手部10c、11c、12cの下面に配置され、且つ短手部10c、11c、12cの外周縁から所定間隔Wをもって配置された第1~第3錘部10d、11d、12dと、を備えていることにより、第1~第3錘部10d、11d、12dを備えていても、外観性やデザイン性を向上させることができる。
【0069】
すなわち、この腕時計の指針9では、第1~第3錘部10d、11d、12dによって短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスを軽減させて、指針9を良好に運針させることができるほか、第1~第3錘部10d、11d、12dが、指針9の各短手部10c、11c、12cの下面に、その外周縁から所定間隔Wだけ離れて設けられているので、腕時計ケース1の斜め側面視において第1~第3錘部10d、11d、12dを見え難くすることができ、これにより腕時計全体の外観性やデザイン性を向上させることができる。
【0070】
この場合、この腕時計の指針9では、第1~第3錘部10d、11d、12dの比重が短手部10c、11c、12cおよび長手部10a、11a、12aの比重よりも大きいことにより、第1~第3錘部10d、11d、12dの厚みを薄く形成して、腕時計ケース1の斜め側面視において第1~第3錘部10d、11d、12dを見え難くすることができると共に、第1~第3錘部10d、11d、12dの厚みを薄く形成しても、短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスを確実に且つ良好に軽減することができる。
【0071】
すなわち、この腕時計の指針9では、指針9が炭素繊維、合成樹脂、黄銅などの素材によって形成され、第1~第3錘部10d、11d、12dが指針9よりも比重の重い素材、例えば金、タングステン、タングステン合金、ニッケルなどの金属によって形成されていることにより、第1~第3錘部10d、11d、12dそれぞれの厚みを薄く形成することができると共に、厚みを薄く形成しても、短手部10c、11c、12cのモーメントのアンバランスを確実に且つ良好に軽減することができる。
【0072】
また、この腕時計の指針9では、第1の指針である分針11が第2の指針である時針10の上方に同一軸上で重なる場合で、分針11の第2錘部11dの厚み方向の長さをY軸とし、分針11の回転中心からの短手部11cの延伸方向における第2錘部11dの長さをX軸とし、分針11と時針10との間隔をKとし、時針10の回転中心からの短手部10cの長さをLとした場合、分針11の第2錘部11dの厚みと長さとが
Y=(-K/L)・X+K
の関係で、この直線式とY軸とX軸とで囲われた領域内に設定されていることにより、第2錘部11dの厚みおよび長さを良好に設定することができる。
【0073】
すなわち、この腕時計の指針9では、第2錘部11dの厚みおよび長さが、Y=(-K/L)・X+K の直線式とY軸とX軸とで囲われた領域内に設定されていることにより、第2錘部11dの厚みを薄く形成して、腕時計ケース1の斜め側面視において第2錘部11dを見え難くすることができる。また、第2錘部11dの厚みを薄く形成しても、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを良好に軽減することができ、これにより指針9を良好に運針させることができる。
【0074】
また、この腕時計の指針9では、第1の指針である分針11が第2の指針である時針10の上方に同一軸上で重なる場合で、分針11の短手部11cに設けられた第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間をS1とし、理論上の最小限の隙間をS2とし、分針11と時針10との部品精度および組立精度などの公差をRとした場合、実際の隙間S1が、
S2-R≦S1≦S2+R
の関係に設定されていることにより、第2錘部11dと時針10との間における実際の隙間S1を最適に設定することができる。
【0075】
すなわち、この腕時計の指針9では、S2-R≦S1≦S2+R の条件を満たしていることにより、指針軸8に対して指針9が少し傾いて取り付けられていても、また指針9の部品精度および組立精度などにバラツキがあっても、指針9が運針する際に、時針10に対する第2錘部11dの干渉を確実に且つ良好に防ぐことができる。
【0076】
このため、この腕時計の指針9では、指針9を円滑に且つ良好に運針させることができると共に、第2錘部11dの厚みを最大限に厚くして、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを軽減し、分針11の運針を円滑化させると共に、指針9全体の高さを最小限に抑えて、腕時計全体の薄型化を図ることができる。
【0077】
すなわち、この腕時計の指針9では、分針11の第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1が、S1>S2+Rであると、腕時計全体の薄型化が可能になっても、第2錘部11dの重量が軽くなるため、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスが軽減され難くなる。
【0078】
また、この腕時計の指針9では、分針11の第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1が、S1<S2-Rであると、第2錘部11dの厚みが厚くなり、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスが軽減されるが、腕時計全体の薄型化が図れない。
【0079】
このため、この腕時計の指針9では、分針11の第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1が、S2-R≦S1≦S2+Rであることにより、指針軸8に対して指針9が少し傾いて取り付けられていても、また指針9の部品精度および組立精度などにバラツキがあっても、指針9が運針する際に、時針10に対する第2錘部11dの干渉を確実に且つ良好に防ぐことができる。
【0080】
これにより、この腕時計の指針9では、指針9を円滑に且つ良好に運針させることができると共に、第2錘部11dの厚みを最大限に厚くして、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを良好に軽減することができ、また分針11の運針を円滑化させることができると共に、指針9全体の高さを最小限に抑えて、腕時計全体の薄型化を図ることができる。
【0081】
この場合、この腕時計の指針9では、分針11の第2錘部11dの下面と時針10の短手部10cの上面との間における実際の隙間S1がY=S1の場合、このY=S1の直線式とY=(-K/L)・X+Kの直線式とY軸とで囲われる領域内において、分針11の短手部11cの外周縁から第2錘部11dまでの間隔Wを考慮して差し引いた領域E(
図5に斜線で示す領域)内に第2錘部11dの厚みと長さとが設定されていることにより、第2錘部11dの厚みTと第2錘部11dの長さとを最適に設定することができる。
【0082】
すなわち、この腕時計の指針9では、Y=S1の直線式とY=(-K/L)・X+Kの直線式とY軸とで囲われる領域内において、分針11の短手部11cの外周縁から第2錘部11dまでの間隔Wを考慮して差し引いた領域E(
図5に斜線で示す領域)内に、分針11の第2錘部11dの厚みと長さとが設定されていることにより、第2錘部11dの厚みTを最大限に厚くして、第2錘部11dの長さとを最大限に長くすることができる。
【0083】
このため、この腕時計の指針9では、分針11の短手部11cにおけるモーメントのアンバランスを良好に軽減することができると共に、指針軸8に対して指針9が少し傾いて取り付けられていても、また指針9の部品精度および組立精度などにバラツキがあっても、指針9が運針する際に、時針10に対する第2錘部11dの干渉を確実に防ぐことができ、これにより分針11の運針を円滑化させることができると共に、指針9全体の高さを最小限に抑えて、腕時計全体の薄型化を図ることができる。
【0084】
また、この腕時計によれば、指針9の上方に配置されて指針9が視認可能なカバーガラスである時計ガラス5と、指針9を運針可能に収容して時計ガラス5が取り付けられる腕時計ケース1と、を備え、腕時計ケース1は、側面視において第1~第3錘部10d、11d、12dが視認し難い高さに形成されていることにより、腕時計ケース1の外部から第1~第3錘部10d、11d、12dが見えないようにすることができ、これによっても腕時計全体の外観性やデザイン性を向上させることができる。
【0085】
この場合、この腕時計では、指針9の短手部10c、11c、12cにおける上面の高さと指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対する内周部までの距離とによって決定される第1視線入射角θ1よりも、指針9の短手部10c、11c、12cの下面に位置する第1~第3錘部10d、11d、12dの上面の高さと指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対する内周部までの距離とによって決定される第2視線入射角θ2が、大きい角度(θ2>θ1)であることにより、腕時計ケース1の外部から第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くすることができる。
【0086】
すなわち、第1視線入射角θ1は、短手部10c、11c、12cの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さをH1とし、指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対する内周部までの距離をFとした場合、θ1≒tan(H1/F)である。また、第2視線入射角θ2は、短手部10c、11c、12cの下面に位置する第1~第3錘部10d、11d、12dの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さをH2とし、指針9の回転中心から腕時計ケース1の上端部に対する内周部までの距離をFとした場合、θ2≒tan(H2/F)である。
【0087】
この場合、指針9の第1~第3錘部10d、11d、12dの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さH2は、指針9の短手部10c、11c、12cの上面から腕時計ケース1の上端部までの高さH1と指針9の厚みtとの和(H2=H1+t)である。このため、第2視線入射角θ2は、
tan(H2/F)=tan{(H1+t)/F}>tan(H1/F)
となり、第1視線入射角θ1よりも、大きい角度(θ2>θ1)になる。
【0088】
これにより、この腕時計の指針9では、第2視線入射角θ2が第1視線入射角θ1よりも大きい角度(θ2>θ1)であるため、腕時計ケース1を第1視線入射角θ1と同じ角度の斜め側面視のときに、指針9の上面側が見えても、指針9の側面における下部側が見え難くなり、これにより第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くなる。すなわち、この指針9では、第2視線入射角θ2が第1視線入射角θ1よりも大きくなればなるほど、第1~第3錘部10d、11d、12dが見え難くなる。
【0089】
この場合、この腕時計では、第1~第3錘部10d、11d、12dが、指針9の短手部10c、11c、12cの外周縁から所定間隔Wだけ離れていることにより、第1~第3錘部10d、11d、12dの厚みTが多少厚くなっても、腕時計ケース1の外部から第1~第3錘部10d、11d、12dをほとんど視認できないようにすることができる。
【0090】
なお、上述した実施形態では、第1~第3錘部10d、11d、12dがほぼ四角形の平板状に形成されている場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば
図6(a)に示す第1変形例のように、錘部15に傾斜部15aを形成しても良い。すなわち、この第1変形例における錘部15の傾斜部15aは、指針16の短手部16aの延伸方向に沿った端部側の厚みが、取付部16b側の端部の厚みよりも薄くなるように傾斜して形成されている。
【0091】
このように構成された第1変形例の指針16では、複数の指針16が同一軸上で回転する際に、指針16が指針軸8に対して少し傾いて取り付けられても、また複数の指針16の部品精度および組立精度などにバラツキあっても、錘部15の傾斜部15aによって指針16に対する錘部15の干渉を良好に防ぐことができる。これにより、複数の指針16を円滑に且つ良好に運針させることができると共に、指針16の短手部16aの延伸方向に沿った端部側の厚みが薄いので、腕時計ケース1の斜め側面視において錘部15を見え難くすることができる。
【0092】
この場合、この第1変形例では、指針16の錘部15における取付部16bと反対側の端部側が取付部16b側の端部よりも、錘部15の厚みが薄くなる錘部15の傾斜部15aの傾斜角をθとした場合、傾斜角θが、
図5に示されたY=(-K/L)・X+Kの式1の傾きと同じ傾き、つまりθ=(K/L)であることが望ましい。
【0093】
このように傾斜部15aが傾斜して形成された第1変形例では、錘部15の傾斜部15aを最適な傾斜角θで傾斜させることができるので、指針16に対する錘部15の干渉を、より一層、確実に且つ良好に防ぐことができると共に、腕時計ケース1の斜め側面視において錘部15を見え難くすることができる。
【0094】
なお、この第1変形例では、錘部15を、指針16の短手部16aの延伸方向に沿った端部側の厚みが、取付部16b側の端部の厚みよりも薄くなるように傾斜させて形成したが、この発明は、これに限らず、例えば、指針16の短手部16aの延伸方向に沿った端部側の厚みが、取付部16b側の端部の厚みよりも薄くなるように、錘部15を階段状に形成しても良い。このように形成しても、第1変形例と同様の作用効果がある。
【0095】
また、上述した実施形態および第1変形例では、第1~第3錘部10d、11d、12dがほぼ四角形の平板状に形成されている場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば
図6(b)に示す第2変形例のように、錘部18を形成しても良い。すなわち、この第2変形例の錘部18は、指針19の取付部19aと反対側の端部18aが、平面視において取付部19aの回転中心を中心とする半径rの円弧状に形成されている。
【0096】
このように形成された第2変形例の指針19によれば、複数の指針19が同一軸上で回転する際に、指針19が指針軸8に対して少し傾いて取り付けられても、また複数の指針19の部品精度および組立精度などにバラツキあっても、指針19に対する錘部15の干渉を防ぎ易くなるので、指針19を円滑に且つ良好に運針させることができる。
【0097】
また、この第2変形例の錘部18は、
図6(b)に示すように、指針19の取付部19a側の端部18bが、取付部19aの中心に対応する箇所まで延長されて設けられている。このように錘部18が形成された第2変形例では、錘部18の長さを長くして錘部18全体の重量を重くすることができるので、錘部18の厚みを薄く形成することができると共に、厚みを薄く形成しても、指針19の短手部19bのモーメントのアンバランスを良好に軽減することができる。
【0098】
また、上述した実施形態および第1、第2変形例では、第1~第3錘部10d、11d、12dがほぼ四角形の平板状に形成されている場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば
図7に示す第3変形例のように、錘部20の外周部に面取り部20aを設けた構造であっても良い。
【0099】
この場合、面取り部20aは、
図7に示すように、錘部20の外周部に円弧面に形成されているが、必ずしも円弧面である必要はなく、傾斜面に形成されていても良い。このような第3変形例によれば、錘部20の面取り部20aによって腕時計ケース1の斜め側面視において錘部20を、より一層、見え難くすることができる。
【0100】
さらに、上述した実施形態および第1~第3変形例では、指針9の短手部10c、11c、12cの下面に第1~第3錘部10d、11d、12dを接着剤で貼り付けた場合について述べたが、この発明は、これに限らず、例えば
図8(a)に示された第4変形例、または
図8(b)に示された第5変形例のように、指針27、28に装着部を設け、この装着部に錘部25、26を取り付けるように構成しても良い。
【0101】
すなわち、第4変形例の指針27は、
図8(a)に示すように、短手部27aの下面に装着凹部27bを設け、この装着凹部27bに錘部25を嵌め込んで固定した構造になっている。このような第4変形例の指針27によれば、錘部25の厚みを厚くしても、装着凹部27bの深さだけ、指針27の下側に突出する長さを短くすることができるので、腕時計ケース1の斜め側面視において錘部25を見え難くすることができるほか、錘部25の厚みを厚くすることができるので、指針27の短手部27aのモーメントのアンバランスを軽減し易くすることができる。
【0102】
また、第5変形例の指針28は、
図8(b)に示すように、短手部28aにその上下に貫通する装着孔28bを設け、この装着孔28bに錘部26を嵌め込んで固定した構造になっている。このような第5変形例の指針28によれば、第4実施形態と同様、錘部26の厚みを厚くしても、装着孔28bの深さだけ、指針28の下側に突出する長さを短くすることができる。
【0103】
このため、この第5変形例の指針28では、腕時計ケース1の側面視において錘部26を見え難くすることができると共に、錘部26の厚みを厚くすることができるので、指針27の短手部27aのモーメントのアンバランスを軽減し易くすることができるほか、装着孔28bに嵌め込まれた錘部26が上方から見えるので、デザイン的なアクセントとなり、デザイン性を向上させることができる。
【0104】
なお、第4の変形例や第5の変形例のように指針に凹部や貫通する装着孔を形成する場合において、針のアンバランスモーメントを小さくするためには、指針に凹部や貫通孔を形成するために掘った分の指針材料分の重量よりも重たい重量の錘を装着するのがよい。その際に錘の比重を指針の比重よりも大きくして、指針に錘を装着する際に指針の錘装着される面と錘の外側面とが面一となるように錘を搭載する又は、錘の外側面が指針の錘装着される面よりも指針の内部側にまで配置されるように錘を搭載するようにしてもよい。
【0105】
そうすれば、より針同士が干渉する可能性をより低減することができる。また、上記のように、指針に錘を装着する際に指針の錘装着される面と錘の外側面とが面一となるように錘を搭載すれば、さらにデザイン的にも好適である。
【0106】
また、第4の変形例や第5の変形例のように指針に凹部や貫通する装着孔を形成して、そこに錘を配置するような構成にすれば、指針に凹部や装着孔を形成しない場合にくらべて針の凹部や貫通孔に嵌る分だけ錘の体積を確保できるので、指針の錘が搭載されている面から錘が突出する部分を少なくすることができる。
【0107】
また、第4の変形例や第5の変形例のように指針に凹部や貫通する装着孔を形成して、そこに錘を配置するような構成にすれば、指針に凹部や装着孔を形成しない場合にくらべて錘を指針の周縁部まで搭載しなくても、針の凹部や貫通孔に嵌る分だけ錘の体積を確保できて、針のアンバランスモーメントを小さくするのに足る重量の錘を搭載ことができる。つまり、より錘を外から見えにくくすることができる。
【0108】
なおまた、上述した実施形態およびその第1~第5変形例では、指針式の腕時計に適用した場合について述べたが、この発明は必ずしも腕時計である必要はなく、例えばトラベルウオッチ、目覚まし時計、置き時計、掛け時計などの各種の指針式の時計に適用することができる。また、この発明は、必ずしも時計である必要はなく、例えばメータや計器類などの計測機器にも適用することができる。
【0109】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0110】
(付記)
請求項1に記載の発明は、目盛を指す長手部と、指針軸に取り付けられる取付部と、前記取付部に対して前記長手部と反対側に延びる短手部と、前記短手部の視認される面と反対側の面に配置され、且つ前記短手部の外周縁から所定間隔をもって配置された錘部と、を備えていることを特徴とする指針である。
【0111】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の指針において、前記錘部における前記取付部と反対側の端部の厚みが、前記取付部側の端部の厚みよりも薄く形成されている、ことを特徴とする指針である。
【0112】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の指針において、前記短手部には前記指針の錘部が取り付けられる面よりも凹んだ装着部が設けられており、当該装着部に前記錘部が取り付けられる、ことを特徴とする指針である。
【0113】
請求項4に記載の発明は、請求項1~請求項3のいずれかに記載の指針において、前記錘部の比重は前記短手部および前記長手部の比重よりも大きい、とを特徴とする指針である。
【0114】
請求項5に記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載の指針において、第1の指針が第2の指針の上方に同一軸上で重なる場合で、前記第1の指針の前記錘部の厚み方向の長さをY軸に示し、前記第1の指針の前記同一軸上の回転中心からの前記短手部の延伸方向における前記錘部の長さをX軸に示し、前記第1の指針と前記第2の指針との上下方向の間隔をKとし、前記第2の指針の前記同一軸上の回転中心からの前記短手部の長さをLとした場合、前記第1の指針の前記錘部は、その厚みと長さとが
Y=(-K/L)・X+K
の式と前記Y軸と前記X軸とで囲われる領域内に設定されていることを特徴とする指針である。
【0115】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の指針において、前記第1の指針の前記短手部に設けられた前記錘部と前記第2の指針の上面との間における実際の隙間をS1とし、理論上の最小限の隙間をS2とし、前記第1の指針と前記第2の指針との部品精度および組立精度などの公差をRとした場合、前記実際の隙間S1は、
S2-R≦S1≦S2+R
の関係に設定されていることを特徴とする指針である。
【0116】
請求項7に記載の発明は、請求項1~請求項6のいずれかに記載された指針を備えている、ことを特徴とする時計である。
【0117】
請求項6に記載の発明は、請求項7に記載の時計において、前記指針の上方に配置されて前記指針が視認可能なカバーガラスと、前記指針を運針可能に収容して前記カバーガラスが取り付けられるケースと、を備え、前記ケースは、斜め側面視において前記錘部が視認し難い高さに形成されている、ことを特徴とする時計である。
【符号の説明】
【0118】
1 腕時計ケース
5 時計ガラス
6 時計モジュール
7 文字板
8 指針軸
9、16、19、27、28 指針
10 時針
11 分針
12 秒針
10a、11a、12a 長手部
10b、11b、12b、16b、19a 取付部
10c、11c、12c、16a、19b、27a、28a 短手部
10d、11d、12d 第1~第3錘部
15、18、20、25、26 錘部
27b 装着凹部
28b 装着孔