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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】物体検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 15/12 20060101AFI20240514BHJP
   G01S 13/12 20060101ALI20240514BHJP
   G01S 13/18 20060101ALI20240514BHJP
   G01S 15/18 20060101ALI20240514BHJP
   G01S 17/18 20200101ALI20240514BHJP
   G01S 13/931 20200101ALN20240514BHJP
   G01S 15/931 20200101ALN20240514BHJP
   G01S 17/931 20200101ALN20240514BHJP
【FI】
G01S15/12
G01S13/12
G01S13/18
G01S15/18
G01S17/18
G01S13/931
G01S15/931
G01S17/931
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020069571
(22)【出願日】2020-04-08
(65)【公開番号】P2021165695
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅江 一平
(72)【発明者】
【氏名】佐々 浩一
【審査官】山下 雅人
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-113417(JP,A)
【文献】特開2012-112922(JP,A)
【文献】特開昭62-070779(JP,A)
【文献】特開平11-083999(JP,A)
【文献】特開平3-248076(JP,A)
【文献】特開2014-174007(JP,A)
【文献】特開2015-172503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00-G01S 7/64
G01S 13/00-G01S 17/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信波を送信する送信部と、
前記送信波が物体に反射して戻ってきた受信波を、前記送信波が送信されてから所定の測定時間が経過するまで受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記受信波に基づく距離情報に基づき前記物体を検出する検出部と、
前記物体の検出後における前記測定時間を、前記物体の非検出後における前記測定時間より短くする受信制御部と、を備え
前記受信制御部は、前記物体の検出後に、前記測定時間を最も近くに存在する前記物体までの距離より所定距離遠い位置に対応する時間に設定する、
物体検出装置。
【請求項2】
前記送信波が送信されてから次の前記送信波が送信されるまでの送信間隔を設定するものであって、前記物体の検出後における前記送信間隔を、前記物体の非検出後における前記送信間隔より短くする送信制御部、
を更に備え、
前記送信部は、前記送信間隔に基づき前記送信波を送信する、
請求項1に記載の物体検出装置。
【請求項3】
前記受信部により受信された前記受信波に対応する信号に対して所定の移動平均時間に基づくCFAR処理を行うものであって、検出された前記物体の距離が遠いほど前記移動平均時間を短くするCFAR処理部、
を更に備える、
請求項1または2に記載の物体検出装置。
【請求項4】
送信波を送信する送信部と、
前記送信波が物体に反射して戻ってきた受信波を受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記受信波に基づく距離情報に基づき前記物体を検出する検出部と、
前記受信部により受信された前記受信波に対応する信号に対して所定の移動平均時間に基づくCFAR処理を行うものであって、検出された前記物体の距離が遠いほど前記移動平均時間を短くするCFAR処理部と、
を備える物体検出装置。
【請求項5】
前記送信波が送信されてからの所定の測定時間を設定するものであって、前記物体の検出後における前記測定時間を、前記物体の非検出後における前記測定時間より短くする受信制御部、
を更に備え、
前記受信部は、前記送信波が送信されてから前記測定時間が経過するまで前記受信波を受信する、
請求項に記載の物体検出装置。
【請求項6】
前記受信制御部は、前記測定時間を最も近くに存在する前記物体までの距離より所定距離遠い位置に対応する時間に設定する、
請求項5に記載の物体検出装置。
【請求項7】
前記送信波が送信されてから次の前記送信波が送信されるまでの時間である送信間隔を設定するものであって、前記物体の検出後における前記送信間隔を、前記物体の非検出後における前記送信間隔より短くする送信制御部、
を更に備え、
前記送信部は、前記送信間隔に基づき前記送信波を送信する、
請求項5又は6に記載の物体検出装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物体検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物体までの距離等を検出する装置において、TOF(Time Of Flight)法が利用されている。TOF法とは、超音波等の送信波が送信されたタイミングと、送信波が物体に反射して戻ってきた反射波としての受信波が受信されたタイミングとの差に基づき、物体までの距離を算出する技術である。
【0003】
TOF法を利用して物体を検出する装置において、バーストパルス信号に同期する正弦波信号を用いて受信信号を直交復調する技術が開示されている(特許文献1)。また、受信信号から移動平均値を差し引くことによりクラッタの影響を抑制するCFAR(Constant False Alarm Rate)処理に関する技術が開示されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-249770号公報
【文献】特開2006-292597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
TOF法においては、検出結果(TOF、距離等)を取得してから次の検出結果を取得するまでの検出周期が短いほど、単位時間当たりに取得できる検出結果の数(サンプル数)が多くなるため、検出精度を向上させることができる。しかしながら、従来技術においては、送信波を送信してから受信波を受信するまで測定時間や、受信波に対する処理に要する処理時間の最適化が不十分であるため、検出周期が不要に長くなる場合がある。
【0006】
そこで、本開示の課題の一つは、検出周期を最適化することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例としての物体検出装置は、送信波を送信する送信部と、送信波が物体に反射して戻ってきた受信波を、送信波が送信されてから所定の測定時間が経過するまで受信する受信部と、受信部により受信された受信波に基づく距離情報に基づき物体を検出する検出部と、物体の検出後における測定時間を、物体の非検出後における測定時間より短くする受信制御部と、を備えるものである。
【0008】
上記構成によれば、物体が検出された場合に測定時間が短縮され、検出周期が最適化される。例えば、障害物を検出するためのシステム等においては、最も近くに存在する物体を検出できれば足りる場合があり、検出された物体より遠い領域にまで検出範囲を広げる必要性が低い場合が多い。このような場合、上記構成のように、検出された物体より遠い領域を検出するための測定時間を削減して検出周期を早めることにより、検出された物体より近い領域の検出精度を向上させることが可能となる。
【0009】
また、上記一例としての物体検出装置において、受信制御部は、測定時間を最も近くに存在する物体までの距離より所定距離遠い位置に対応する時間に設定するものであってもよい。
【0010】
上記構成によれば、検出対象となる領域を、検出された物体の周辺領域より近い領域に絞り込むことが可能となる。
【0011】
また、上記一例としての物体検出装置は、送信波が送信されてから次の送信波が送信されるまでの送信間隔を設定するものであって、物体の検出後における送信間隔を、物体の非検出後における送信間隔より短くする送信制御部を更に備え、送信部は、送信間隔に基づき送信波を送信するものであってもよい。
【0012】
上記のように、物体が検出された場合に測定時間だけでなく送信間隔も同様に短縮することにより、効率的に検出周期を最適化することが可能となる。
【0013】
また、上記一例としての物体検出装置は、受信部により受信された受信波に対応する信号に対して所定の移動平均時間に対応する複数の信号の値の平均値を用いたCFAR処理を行うものであって、検出された物体の距離が遠いほど移動平均時間を短くするCFAR処理部を更に備えてもよい。
【0014】
上記構成によれば、検出された物体の距離が比較的遠い場合には移動平均時間が短縮され、CFAR処理に要する処理時間が短縮される。物体の距離が比較的遠い領域については、CFAR処理によるクラッタ除去効果がそれほど高いレベルで必要とされない場合が多い。そのため、上記構成のように、検出された物体の距離が遠いほど移動平均時間を短くすることにより、検出周期を最適化することが可能となる。
【0015】
また、本開示の他例としての物体検出装置は、送信波を送信する送信部と、送信波が物体に反射して戻ってきた受信波を受信する受信部と、受信部により受信された受信波に基づく距離情報に基づき前記物体を検出する検出部と、受信部により受信された受信波に対応する信号に対して所定の移動平均時間に対応する複数の信号の値の平均値を用いたCFAR処理を行うものであって、物体の検出後における移動平均時間を、物体の非検出後における移動平均時間より短くするCFAR処理部とを備えるものである。
【0016】
上記構成によれば、検出された物体の距離が比較的遠い場合には移動平均時間が短縮され、CFAR処理に要する処理時間が短縮される。物体の距離が比較的遠い領域については、CFAR処理によるクラッタ除去効果がそれほど高いレベルで必要とされない場合が多い。そのため、上記構成のように、検出された物体の距離が遠いほど移動平均時間を短くすることにより、検出周期を最適化することが可能となる。
【0017】
また、上記他例としての物体検出装置は、送信波が送信されてからの所定の測定時間を設定するものであって、物体の検出後における測定時間を、物体の非検出後における測定時間より短くする受信制御部を更に備え、受信部は、送信波が送信されてから測定時間が経過するまで受信波を受信するものであってもよい。
【0018】
上記構成によれば、物体が検出された場合に測定時間が短縮され、検出周期が最適化される。例えば、障害物を検出するためのシステム等においては、最も近くに存在する物体を検出できれば足りる場合があり、検出された物体より遠い領域にまで検出範囲を広げる必要性が低い場合が多い。このような場合、上記構成のように、検出された物体より遠い領域を検出するための測定時間を削減して検出周期を早めることにより、検出された物体より近い領域の検出精度を向上させることが可能となる。
【0019】
また、上記他例としての物体検出装置において、受信制御部は、測定時間を、最も近くに存在する物体までの距離より所定距離遠い位置に対応する時間に設定するものであってもよい。
【0020】
上記構成によれば、検出対象となる領域を、検出された物体の周辺領域より近い領域に絞り込むことが可能となる。
【0021】
また、上記他例としての物体検出装置は、送信波が送信されてから次の送信波が送信されるまでの時間である送信間隔を設定するものであって、物体の検出後における送信間隔を、物体の非検出後における送信間隔より短くする送信制御部を更に備え、送信部は、送信間隔に基づき送信波を送信するものであってもよい。
【0022】
上記のように、物体が検出された場合に測定時間だけでなく送信間隔も同様に短縮することにより、効率的に検出周期を最適化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、第1実施形態に係る物体検出システムを備えた車両の外観の一例を示す上面図である。
図2図2は、第1実施形態に係るECU及び物体検出装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、TOF法の概要を説明するための図である。
図4図4は、第1実施形態に係る物体検出装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図5図5は、第1実施形態に係る受信制御部による測定時間の制御の一例を示す図である。
図6図6は、第1実施形態に係る物体検出装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第2実施形態に係る物体検出装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
図8図8は、第2実施形態に係るCFAR処理の一例を模式的に説明するための図である。
図9図9は、第2実施形態に係るCFAR処理において差分信号の元となる信号の一例を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係るCFAR処理の結果として得られる差分信号の一例を示す図である。
図11図11は、第2実施形態に係る物体検出装置における処理の一例を示すフローチャートである。
図12図12は、第3実施形態に係る物体検出装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0025】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る物体検出システムを備えた車両1の外観の一例を示す上面図である。以下に例示する物体検出システムは、音波(超音波)等の送受信を行い、当該送受信の時間差(TOF)等の情報に基づき、車両1の周囲に存在する物体(他車両、路上障害物、人、動物等)に関する情報(物体までの距離、物体の存否等)を検出するシステムである。
【0026】
図1に示されるように、物体検出システムは、一対の前輪3Fと一対の後輪3Rとを含んだ四輪の車両1の内部に搭載されたECU(電子制御装置)100と、車両1の外装に搭載された物体検出装置201~204と、を備えている。
【0027】
図1に示される例では、物体検出装置201~204が、車両1の外装としての車体2の後端部(例えばリヤバンパ等)において、互いに異なる位置に設置されている。
【0028】
なお、本実施形態において、物体検出装置201~204が有するハードウェア構成及び機能は、それぞれ同一である。従って、以下では、簡単化のため、物体検出装置201~204を総称して物体検出装置200と記載することがある。
【0029】
また、本実施形態において、物体検出装置200の設置位置は、図1に示される例に限定されるものではない。物体検出装置200は、車体2の前端部(例えばフロントバンパ等)に設置されてもよいし、車体2の側面部に設置されてもよいし、後端部、前端部及び側面部のうち2つ以上に設置されてもよい。また、物体検出装置200の個数も、図1に示される例に限定されるものではない。
【0030】
図2は、第1実施形態に係るECU100及び物体検出装置200のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0031】
図2に示されるように、ECU100は、通常のコンピュータと同様のハードウェア構成を備えている。より具体的に、ECU100は、入出力装置110と、記憶装置120と、プロセッサ130と、を備えている。
【0032】
入出力装置110は、ECU100と外部(図1に示される例では物体検出装置200)との間における情報の送受信を実現するためのインターフェースである。
【0033】
記憶装置120は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶装置、及び/又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の補助記憶装置を含んでいる。
【0034】
プロセッサ130は、ECU100において実行される各種の処理を司る。プロセッサ130は、例えばCPU(Central Processing Unit)等演算装置を含んでいる。プロセッサ130は、記憶装置120に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、例えば自動運転、警報出力等の各種の機能を実現する。
【0035】
物体検出装置200は、送受信部210と、制御部220と、を備えている。
【0036】
送受信部210は、圧電素子等の振動子211を有しており、当該振動子211により、超音波の送受信を実現する。
【0037】
より具体的に、送受信部210は、振動子211の振動に応じて発生する超音波を送信波として送信し、当該送信波として送信された超音波が外部に存在する物体で反射されて戻ってくることでもたらされる振動子211の振動を受信波として受信する。図2に示される例では、送受信部210からの超音波を反射する物体として、路面RS上に設置された障害物Oが例示されている。
【0038】
なお、図2に示される例では、送信波の送信と受信波の受信との両方が単一の振動子211を有した単一の送受信部210により実現される構成が例示されているが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、送信波の送信用の第1振動子と受信波の受信用の第2振動子とが別々に設けられた構成のような、送信側の構成と受信側の構成とが分離された構成であってもよい。
【0039】
制御部220は、通常のコンピュータと同様のハードウェア構成を備えている。より具体的に、制御部220は、入出力装置221と、記憶装置222と、プロセッサ223と、を備えている。
【0040】
入出力装置221は、制御部220と外部(図2に示される例ではECU100及び送受信部210)との間における情報の送受信を実現するためのインターフェースである。
【0041】
記憶装置222は、ROM、RAM等の主記憶装置、及び/又は、HDD、SSD等の補助記憶装置を含んでいる。
【0042】
プロセッサ223は、制御部220において実行される各種の処理を司る。プロセッサ223は、例えばCPU等の演算装置を含んでいる。プロセッサ223は、記憶装置333に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、各種の機能を実現する。
【0043】
本実施形態に係る物体検出装置200は、いわゆるTOF法と呼ばれる技術により、物体(例えば障害物O等)までの距離を検出する。以下に詳述するように、TOF法とは、送信波が送信された(より具体的には送信され始めた)タイミングと、受信波が受信された(より具体的には受信され始めた)タイミングとの差に基づき、物体までの距離を算出する技術である。
【0044】
図3は、TOF法の概要を説明するための図である。より具体的に、図3は、本実施形態に係る物体検出装置200が送受信する超音波の信号レベル(例えば振幅)の時間変化をグラフ形式で例示的且つ模式的に示した図である。図3に示されるグラフにおいて、横軸は、時間に対応し、縦軸は、物体検出装置200が送受信部210(振動子211)を介して送受信する信号の信号レベルに対応する。
【0045】
図3に示されるグラフにおいて、実線L11は、物体検出装置200が送受信する信号の信号レベル、つまり振動子211の振動の度合の時間変化を表す包絡線の一例を表している。この実線L11からは、振動子211がタイミングt0から時間Taだけ駆動されて振動することで、タイミングt1で送信波の送信が完了し、その後タイミングt2に至るまでの時間Tbの間は、慣性による振動子211の振動が減衰しながら継続する、ということが読み取れる。従って、図3に示されるグラフにおいては、時間Tbが、いわゆる残響時間に対応する。
【0046】
実線L11は、送信波の送信が開始したタイミングt0から時間Tpだけ経過したタイミングt4で、振動子211の振動の度合が、一点鎖線L21で表される所定の閾値を超える(又は以上になる)ピークを迎える。この閾値は、振動子211の振動が、検出対象の物体(例えば図2に示される障害物O)により反射されて戻ってきた送信波としての受信波の受信によってもたらされたものか、又は、検出対象外の物体(例えば図2に示される路面RS)により反射されて戻ってきた送信波としての受信波の受信によってもたらされたものか、を識別するために予め設定された値である。
【0047】
なお、図3には、一点鎖線L21で表させる閾値が時間経過によらず変化しない一定値として設定された例が示されているが、当該閾値は、時間経過とともに変化する値として設定されてもよい。
【0048】
ここで、一点鎖線L21で表される閾値を超えた(又は以上の)ピークを有する振動は、検出対象の物体により反射されて戻ってきた送信波としての受信波の受信によってもたらされたものだとみなすことができる。一方、閾値以下の(又は未満の)ピークを有する振動は、検出対象外の物体により反射されて戻ってきた送信波としての受信波の受信によってもたらされたものだとみなすことができる。
【0049】
従って、実線L11からは、タイミングt4における振動子211の振動が、検出対象の物体により反射されて戻ってきた送信波としての受信波の受信によってもたらされたものである、ということが読み取れる。
【0050】
なお、実線L11においては、タイミングt4以降で、振動子211の振動が減衰している。従って、タイミングt4は、検出対象の物体により反射されて戻ってきた送信波としての受信波の受信が完了したタイミング、換言すればタイミングt1で最後に送信された送信波が受信波として戻ってくるタイミング、に対応する。
【0051】
また、実線L11においては、タイミングt4におけるピークの開始点としてのタイミングt3は、検出対象の物体により反射されて戻ってきた送信波としての受信波の受信が開始したタイミング、換言すればタイミングt0で最初に送信された送信波が受信波として戻ってくるタイミング、に対応する。従って、実線L11においては、タイミングt3とタイミングt4との間の時間ΔTが、送信波の送信時間としての時間Taと等しくなる。
【0052】
上記を踏まえて、TOF法により検出対象の物体までの距離を求めるためには、送信波が送信され始めたタイミングt0と受信波が受信され始めたタイミングt3との間の時間Tfを求めることが必要となる。この時間Tfは、タイミングt0と受信波の信号レベルが閾値を超えたピークを迎えるタイミングt4との差分としての時間Tpから、送信波の送信時間としての時間Taに等しい時間ΔTを差し引くことで求めることができる。
【0053】
送信波が送信され始めたタイミングt0は、物体検出装置200が動作を開始したタイミングとして容易に特定することができ、送信波の送信時間としての時間Taは、設定等によって予め決められている。従って、TOF法により検出対象の物体までの距離を求めるためには、結局のところ、受信波の信号レベルが閾値を超えたピークを迎えるタイミングt4を特定することが重要となる。そして、当該タイミングt4を特定するためには、検出対象の物体により反射されて戻ってきた送信波としての受信波を精度良く検出することが重要となる。
【0054】
図4は、第1実施形態に係る物体検出装置200の機能構成の一例を示すブロック図である。なお、図4に示される例では、送信側の構成と受信側の構成とが分離されているが、このような図示の態様は、あくまで説明の便宜のためのものである。本実施形態では、上述したように、送信波の送信と受信波の受信との両方が単一の振動子211を有した単一の送受信部210により実現される。ただし、上述したように、送信側の構成と受信側の構成とが分離された構成も適用可能である。
【0055】
図4に示されるように、物体検出装置200は、送信側の構成として、送信部301と、送信制御部302と、を有している。また、物体検出装置200は、受信側の構成として、受信部311と、前処理部312と、閾値処理部313と、検出部314と、受信制御部315と、を有している。
【0056】
なお、本実施形態において、図4に示される構成の少なくとも一部は、専用のハードウェア(アナログ回路)によって実現され、残りの部分は、ハードウェアとソフトウェアとの協働の結果、より具体的には、物体検出装置200のプロセッサ223が記憶装置222からプログラムを読み出して実行した結果として実現され得る。また、本実施形態において、図4に示される各構成は、物体検出装置200自身の制御部220による制御のもとで動作してもよいし、外部のECU100による制御のもとで動作してもよい。
【0057】
まず、送信側の構成について説明する。
【0058】
送信部301は、上述した振動子211を所定の送信間隔で振動させることにより外部へ向けて送信波を送信する。送信間隔とは、送信波が送信されてから次に送信波が送信されるまでの時間間隔である。送信部301は、例えば、搬送波を生成する回路、搬送波に付与すべき識別情報に対応するパルス信号を生成する回路、パルス信号に応じて搬送波を変調する乗算器、乗算器から出力された送信信号を増幅する増幅器等を利用して構成され得る。
【0059】
送信制御部302は、後述する検出部314による検出結果(物体までの距離、物体の存否等)に基づき送信間隔を制御する。具体的には、送信制御部302は、物体の検出後における送信間隔を、物体の非検出後における送信間隔より短く設定する。送信部301は、送信制御部302により制御(設定)された送信間隔に基づき送信波を送信する。
【0060】
次に、受信側の構成について説明する。
【0061】
受信部311は、送信部301から送信された送信波が物体に反射して戻ってきた受信波を、送信波が送信されてから所定の測定時間が経過するまで受信する。測定時間とは、送信波の送信後、当該送信波の反射波としての受信波を受信するために設定された待機時間である。
【0062】
前処理部312は、送信波と受信部311により受信された受信波との類似度を示す包絡線を生成する前処理を行う。前処理には、例えば、受信波に対応する受信信号を増幅する増幅処理、増幅された受信信号に含まれるノイズを低減するフィルタ処理、送信信号と受信信号との類似度を示す相関値を取得する相関処理、相関値に基づく相関値信号の時間変化を示す波形の包絡線を生成する包絡線処理等が含まれてもよい。
【0063】
閾値処理部313は、前処理部312により生成された包絡線の値と閾値との比較結果に基づき、送信波と受信波とが所定以上のレベルで類似するか否かを判定する閾値処理を行う。
【0064】
検出部314は、受信部により受信された受信波に基づくTOF(距離情報)に基づき物体を検出する。本実施形態に係る検出部314は、閾値処理部313による処理結果に基づき、送信波と受信波との類似度が所定以上のレベルとなるタイミング、すなわち受信波の信号レベルが閾値を超えたピークを迎えるタイミング(例えば図2中のタイミングt4)を特定し、TOF法により物体までの距離(物体の存否を含む)を検出する。
【0065】
受信制御部315は、検出部314による検出結果に基づき上記測定時間を制御する。具体的には、受信制御部315は、物体の検出後における測定時間を、物体の非検出後における測定時間より短く設定する。受信部311は、受信制御部315により設定された測定時間に基づき受信波を受信する。
【0066】
図5は、第1実施形態に係る受信制御部315による測定時間の制御の一例を示す図である。図5に示すグラフにおいて、横軸は時間に対応し、縦軸は受信信号の信号レベルに対応する。図5において、基準測定時間T1と、短縮後の測定時間T2と、物体に対応するピークPと、ピークPに対応するTOFと、が示されている。
【0067】
本実施形態に係る受信制御部315は、ある検出周期において検出部314により物体に対応するピークPが検出された場合に、次の検出周期における測定時間を、ピークPに対応するTOFに基づき短縮する。図5に示す例では、測定時間は、基準測定時間T1から、最も近くに存在する物体(ピークP)に対応するTOFより所定時間長い測定時間T2に短縮されている。また、このような測定時間の短縮に伴い、送信制御部302は、送信間隔を短縮する。
【0068】
車両1に搭載される物体検出システム等においては、最も近い物体を検出できれば足りる場合があり、当該物体より遠い領域にまで検出範囲を広げる必要性が低い場合が多い。そこで、上記のように、物体の検出後には当該物体の位置に基づき測定時間を短縮することにより、検出周期の無駄を削減することができる。また、検出された物体より近い領域に対する検出周期を早めることができ、当該領域における検出精度を向上させることができる。
【0069】
なお、上記所定時間(TOFと測定時間T2との差)は、使用環境、振動子211の性能等に応じて適宜設定されるべき値であるが、例えば、1m未満の距離に対応する時間であることが好ましい。
【0070】
図6は、第1実施形態に係る物体検出装置200における処理の一例を示すフローチャートである。検出部314が物体(物体に対応するTOF)を検出すると(S101:Yes)、送信制御部302は当該物体に対応するTOFに基づき送信間隔を短縮し、受信制御部315は当該TOFに基づき測定時間を短縮する(S102)。一方、物体が検出されない場合(S102:No)、送信制御部302は送信間隔を基準値に設定し、受信制御部315は測定時間を基準値(T1)に設定する(S103)。
【0071】
送信部301は、ステップS102において設定された、短縮された送信間隔、又はステップS103において設定された基準値としての送信間隔に基づき送信波を出力する(S104)。受信部311は、ステップS102において設定された、短縮された測定時間(T2)、又はステップS103において設定された基準値としての測定時間(T1)に基づき受信波を受信する(S105)。
【0072】
その後、前処理部312は、上記のように設定された測定時間(T1又はT2)分に相当する受信信号に対して前処理を実行し(S106)、閾値処理部313は、前処理部312による前処理後の受信信号に対して閾値処理を実行する(S107)。検出部314は、閾値処理部313による閾値処理の結果に基づき物体を検知する(S101)。
【0073】
上記実施形態によれば、物体を検出するための検出周期の最適化が可能となり、物体を検出する必要性が高い領域(例えば、検出された物体より近い領域)における検出精度を向上させることが可能となる。
【0074】
以下に他の実施形態について図面を参照して説明するが、第1実施形態と同一又は同様の作用効果を奏する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0075】
(第2実施形態)
図7は、第2実施形態に係る物体検出装置200´の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る物体検出装置200´は、物体の検出結果に基づきCFAR処理を最適化する手段を有する点で第1実施形態と相違している。本実施形態に係る物体検出装置200´は、図4に示す第1実施形態に係る物体検出装置200の構成に加え、受信側の構成として、CFAR処理部321を有している。
【0076】
CFAR処理部321は、前処理部312により生成された包絡線に対してCFAR処理を施すことで、差分信号を生成する。CFAR処理とは、概略として、包絡線に含まれるクラッタを低減するために、包絡線の値(信号レベル)と、当該包絡線の値の平均値との差分を示す差分信号を生成する処理である。CFAR処理部426は、CFAR処理を実行することで、受信波に対応する包絡線の値をサンプリングし、ある検出タイミングで受信された受信波に対応する1サンプル分の値と、検出タイミングの前後に存在する所定の時間長である第1移動平均時間及び第2移動平均時間のうち少なくとも一方において受信された受信波に対応する複数サンプル分の値の平均値との差分に基づく差分信号を生成する。
【0077】
なお、CFAR処理としては、CA-CFAR(Cell Averaging Constant False Alarm Rate)処理、GO-CFAR(Greatest Of Constant False Alarm Rate)処理、SO-CFAR(Smallest Of Constant False Alarm Rate)処理等、性質の異なる複数の処理が考えられる。CA-CFAR処理とは、ある検出タイミングで受信された受信波に対応する1サンプル分の値と、第1移動平均時間及び第2移動平均時間の両方において受信された受信波に対応する複数サンプル分の値の平均値との差分に基づいて差分信号を生成する処理である。GO-CFAR処理とは、ある検出タイミングで受信された受信波に対応する1サンプル分の値と、第1移動平均時間において受信された受信波に対応する複数サンプル分の値の平均値及び第2移動平均時間において受信された受信波に対応する複数サンプル分の値の平均値のうちいずれか大きい方の平均値との差分に基づいて差分信号を生成する処理である。SO-CFAR処理とは、ある検出タイミングで受信された受信波に対応する1サンプル分の値と、第1移動平均時間において受信された受信波に対応する複数サンプル分の値の平均値及び第2移動平均時間において受信された受信波に対応する複数サンプル分の値の平均値のうちいずれか小さい方の平均値との差分に基づいて差分信号を静止絵する処理である。
【0078】
本実施形態に係るCFAR処理部321は、検出部314による検出結果に基づき、CFAR処理における移動平均時間を設定する。具体的には、CFAR処理部321は、検出された物体の距離(TOF)が遠いほど移動平均時間を短くする。このような移動平均時間の設定を実現するための具体的方法は特に限定されるべきものではないが、例えば、物体に対応するTOF(距離)が閾値より大きい場合における移動平均時間を、当該TOFが閾値以下である場合における移動平均時間より短くするようにしてもよい。このような処理により、物体が比較的遠距離に存在する場合、又は検出可能範囲内に物体が存在しない場合には、CFAR処理に要する処理時間を短縮することができる。移動平均時間が短縮されると、サンプル数が減少し、クラッタを除去する効果が低下するが、物体が比較的遠距離に存在する場合、又は検出可能範囲内に物体が存在しない場合には、クラッタを除去する効果がそれほど高いレベルで必要とされない場合が多い。そこで、上記のように物体の距離が遠いほど移動平均時間を短くすることにより、CFAR処理に要する処理時間の無駄を削減することができる。
【0079】
本実施形態に係る閾値処理部313は、CFAR処理部321により生成された差分信号の値と閾値とを比較し、比較結果に基づいて、送信波と受信波との識別情報が所定以上のレベルで類似するか否かを判定する。
【0080】
検出部314は、第1実施形態と同様に、閾値処理部313による処理結果に基づき、送信波と受信波との類似度が所定以上のレベルとなるタイミング、すなわち受信波の信号レベルが閾値を超えたピークを迎えるタイミング(例えば図2中のタイミングt4)を特定し、TOF法により物体までの距離(物体の存否を含む)を検出する。
【0081】
図8は、第2実施形態に係るCFAR処理の一例を模式的に説明するための図である。図8に例示するCFAR処理においては、先ず、受信信号(前処理部312により生成された包絡線に対応する信号)が所定の時間間隔でサンプリングされる。CFAR処理部321の演算器511は、検出タイミングt50の前に存在する第1移動平均時間t51に受信された受信波に対応するNサンプル分の値の総和を算出する。また、CFAR処理部321の演算器512は、検出タイミングt50の後に存在する第2移動平均時間t52に受信された受信波に対応するNサンプル分の値の総和を算出する。CFAR処理部321の演算器520は、演算器511,512の演算結果を合算する。CFAR処理部321の演算器530は、演算器520の演算結果を、第1移動平均時間t51におけるサンプル数Nと第2移動平均時間t52におけるサンプル数Nとの和である2Nで除算し、第1移動平均時間t51及び第2移動平均時間t52の両方における平均値を算出する。そして、CFAR処理部321の演算器540は、検出タイミングt50に対応する値から演算器530の演算結果としての平均値を減算し、差分信号を生成する。
【0082】
図9は、第2実施形態に係るCFAR処理において差分信号の元となる信号の一例を示す図である。
【0083】
図9に示す例において、実線L700は、包絡線の値、具体的には図8に示す例において検出タイミングt50毎に演算器540の+側に入力される信号の値(信号レベル)の時間変化を示している。一点鎖線L701は、CFAR処理において算出された平均値、具体的には図8に示す例において演算器540の-側に入力される信号の値の時間変化を示している。
【0084】
CFAR処理が実行されると、各時間において実線L700で示される信号の値から一点鎖線L701で示される信号の値を差し引くことで、各時間における差分信号が取得される。なお、本実施形態では、差分信号の値がマイナスの値にならず、常にゼロ以上の値になるように処理される。従って、例えば実線L700で示される信号の値よりも一点鎖線L701で示される値の方が大きい区間における差分信号の値は、マイナスの値として算出されることなく、ゼロとして算出される。なお、言うまでもないが、実線L700で示される信号の値が一点鎖線L701で示される値以下である区間においては、差分信号の値は、ゼロ以上の値として算出される。
【0085】
図10は、第2実施形態に係るCFAR処理の結果として得られる差分信号の一例を示す図である。
【0086】
図10に示す例において、実線L801は、差分信号の値の時間変化の例を示している。この実線L801に示されるように、差分信号の値は、ある時間t80において閾値L811を超えるピークP801を迎え、当該時間t80の前後の期間T81,T82において、閾値L811よりも小さい値域で変動する。
【0087】
時間t80は、CFAR処理によりクラッタが低減された結果として抽出される、検出対象の物体により反射された受信波の信号レベルがピークを迎えるタイミング(図3に示されるタイミングt4)に対応する。期間T81及び期間T82は、CFAR処理により低減された、路面等の反射に起因して発生するクラッタが検出されている期間に対応する。
【0088】
上記のような処理により、クラッタに対応する期間T81,T82を検出することなく、検出対象の物体に対応するピークP801を迎える時間t80(TOF)を正確に検出することが可能となる。
【0089】
図11は、第2実施形態に係る物体検出装置200´における処理の一例を示すフローチャートである。図11に例示するフローチャートは、CFAR処理部321による処理の特徴を説明するためのものであり、送信制御部302及び受信制御部315に関連する処理(送信間隔及び測定時間の設定等)については省略されている(送信制御部302及び受信制御部315に関連する処理については図6におけるステップS102~S106を参照)。
【0090】
検出部314が物体(物体に対応するTOF)を検出すると(S201:Yes)、CFAR処理部321は、物体までの距離(TOF)が閾値以上か否かを判定する(S202)。物体までの距離が閾値以上である場合(S202:Yes)、CFAR処理部321は、第1移動平均時間t51及び第2移動平均時間t52を基準値より短縮するように設定する(S203)。一方、物体までの距離が閾値以上でない(閾値より小さい)場合(S202:No)、CFAR処理部321は、第1移動平均時間t51及び第2移動平均時間t52を基準値に設定する(S204)。
【0091】
CFAR処理部321は、ステップS203において設定された、短縮された第1移動平均時間t51及び第2移動平均時間t52、又はステップS204において設定された、基準値としての第1移動平均時間t51及び第2移動平均時間t52に基づきCFAR処理を実行する(S205)。その後、閾値処理部313は、CFAR処理部321によるCFAR処理後により生成された差分信号に対して閾値処理を実行する(S206)。検出部314は、閾値処理部313による閾値処理の結果に基づき物体を検知する(S201)。
【0092】
上記実施形態によれば、物体の距離に応じてCFAR処理における移動平均時間を最適化することが可能となる。このようなCFAR処理を、第1実施形態において説明した送信制御部302及び受信制御部315による送信間隔及び測定時間の最適化と合わせて行うことにより、物体を検出するための検出周期をより最適化することが可能となる。
【0093】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態に係る物体検出装置200´´の機能構成の一例を示すブロック図である。本実施形態に係る物体検出装置200´´は、送信制御部302及び受信制御部315を有していない点で図7に示す第2実施形態に係る物体検出装置200´と相違している。すなわち、本実施形態に係る物体検出装置200´´は、送信制御部302及び受信制御部315による送信間隔及び測定時間の最適化を行わず、CFAR処理部321による移動平均時間の最適化を行うものである。このような構成であっても、CFAR処理に要する処理時間の無駄を削減することができるので、物体を検出するための検出周期を最適化する効果を得ることができる。
【0094】
以上、本開示の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 車両
2 車体
3F 前輪
3R 後輪
100 ECU
110 入出力装置
120 記憶装置
130 プロセッサ
200,200´,200´´,201~204 物体検出装置
210 送受信部
211 振動子
220 制御部
221 入出力装置
222 記憶装置
223 プロセッサ
301 送信部
302 送信制御部
311 受信部
312 前処理部
313 閾値処理部
314 検出部
315 受信制御部
321 CFAR処理部
511,512,520,530,540 演算器
O 障害物
RS 路面
t50 検出タイミング
t51 第1移動平均時間
t52 第2移動平均時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12