(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240514BHJP
G06Q 10/02 20120101ALI20240514BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/02
(21)【出願番号】P 2020090880
(22)【出願日】2020-05-25
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤本 英基
(72)【発明者】
【氏名】得地 賢吾
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-025972(JP,A)
【文献】特許第6667977(JP,B1)
【文献】特開2018-190414(JP,A)
【文献】特開2020-035223(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2005956(KR,B1)
【文献】米国特許出願公開第2021/0329447(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサは、
貸し出しスペースの予約情報を取得し、
前記予約情報を用いて、
前記貸し出しスペースの利用の事前または事後に必要な予め定めた作業を利用者に促
し、
かつ前記貸し出しスペースが利用されてから一定時間予約が入っていない場合、次の利用者に対して、前記事後に必要な予め定めた作業として前記貸し出しスペースをきれいにする作業を促す処理を行う情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
複数の予約で連続利用される場合に、連続利用の最後の利用の終了の所定時間前に前記貸し出しスペースをきれいにする作業を促す処理を行う請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記事後に必要な予め定めた作業として次の予約に応じた貸し出しスペースのレイアウト変更を行うスペース作成を促す処理を行う
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
次の利用者の情報を取得して次の利用者が身体に不自由のある障害者の場合、前記次の予約に応じたスペース作成として、前記貸し出しスペースの入口周辺の障害物の移動を促す処理を行う請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記貸し出しスペースの予約を受け付ける処理を更に行い、前記事前として、前記予約の際に、前記予め定めた作業を利用者に促す処理を行う請求項1~4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記貸し出しスペースで利用する予め定めた利用対象の予約を受け付ける処理を更に行う請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記利用対象の予約が不可の場合、前記貸し出しスペースの予約をキャンセルする請求項
6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
予め定めた情報を用いて前記予め定めた作業を評価し、評価結果に応じた利用者還元の処理を更に行う請求項
1~7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記プロセッサは
、貸し出しスペース内を撮影する撮影部によって撮影した画像を前記予め定めた情報として取得して、取得した前記画像を用いて前記予め定めた作業を評価する請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
次の利用者が、前の利用者の作業結果を評価した評価結果を前記予め定めた情報として取得し、取得した前記評価結果に応じた利用者還元の処理を行う請求項
8に記載の情報処理装置。
【請求項11】
請求項1~10の何れか1項に記載の情報処理装置と、
前記貸し出しスペースの予約、及び前記情報処理装置によって促される情報の表示の各々を行う携帯端末装置と、
を含む情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータに、
貸し出しスペースの予約情報を取得し、
前記予約情報を用いて、前記貸し出しスペースの利用の事前または事後に必要な予め定めた作業を利用者に促し、
かつ前記貸し出しスペースが利用されてから一定時間予約が入っていない場合、次の利用者に対して、前記事後に必要な予め定めた作業として前記貸し出しスペースをきれいにする作業を促す処理を実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、会話情報に基づいて、ユーザが清掃行動を行ったか否かを判定して、清掃活動を行ったと判定された場合に、清掃行動に関する所定の対象者に報酬を付与する情報処理装置が提案されている。
【0003】
特許文献2には、ユーザの周辺環境を示す環境情報を取得し、環境情報に基づいて、ユーザに対して清掃の必要性を判定し、判定結果に基づいて、ユーザに対して清掃に関する情報を通知する情報処理装置が提案されている。
【0004】
特許文献3には、ユーザの周辺環境を示す環境情報であって移動可能な作業ロボットにより検出された環境情報を取得し、環境情報に基づいて、室内におけるユーザの清掃状況を推定する情報処理装置が提案されている。
【0005】
特許文献4には、ユーザに対して清掃の必要性があるか否かが判定された判定結果を取得し、判定結果が、ユーザが清掃の必要性があることを示す場合に、室内における所定の位置に清掃に関する情報を出力させる出力制御を行う情報処理装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2019-113896号公報
【文献】特開2019-113897号公報
【文献】特開2019-113900号公報
【文献】特開2019-113901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
スペースを貸し出すサービスでは、スペースを貸し出す際にサービス提供側で準備や清掃などの種々の作業が必要であった。そこで、本発明では、サービス提供側で全ての作業を行う場合に比べて、サービス提供側の作業を減らすことが可能な情報処理装置、情報処理システム、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、貸し出しスペースの予約情報を取得し、前記予約情報を用いて、前記貸し出しスペースの利用の事前または事後に必要な予め定めた作業を利用者に促し、かつ前記貸し出しスペースが利用されてから一定時間予約が入っていない場合、次の利用者に対して、前記事後に必要な予め定めた作業として前記貸し出しスペースをきれいにする作業を促す処理を行う。
【0011】
また、第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、複数の予約で連続使用される場合に、最後の終了の所定時間前にきれいにする作業を促す処理を行う。
【0012】
また、第3態様に係る情報処理装置は、第1態様又は第1態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、事前に必要な予め定めた作業として次の予約に応じたスペース作成を促す処理を行う。
【0013】
また、第4態様に係る情報処理装置は、第3態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、次の利用者の情報を取得して次の利用者が身体に不自由のある障害者の場合、前記次の予約に応じたスペース作成として、前記貸し出しスペースの入口周辺の障害物の移動を促す処理を行う。
【0014】
また、第5態様に係る情報処理装置は、第1態様~第4態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記貸し出しスペースの予約を受け付ける処理を更に行い、前記予約の際に、前記予め定めた作業を利用者に促す処理を行う。
【0015】
また、第6態様に係る情報処理装置は、第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記貸し出しスペースで利用する予め定めた利用対象の予約を受け付ける処理を更に行う。
【0016】
また、第7態様に係る情報処理装置は、第6態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記利用対象の予約が不可の場合、前記貸し出しスペースの予約をキャンセルする。
【0017】
また、第8態様に係る情報処理装置は、第1態様~第7態様の何れか1の態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、予め定めた情報を用いて前記予め定めた作業を評価し、評価結果に応じた利用者還元の処理を更に行う。
【0018】
また、第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、貸し出しスペース内を撮影する撮影部によって撮影した画像を前記予め定めた情報として取得して、取得した前記画像を用いて前記予め定めた作業を評価する。
【0019】
また、第10態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、 前記プロセッサは、次の利用者が、前の利用者の作業結果を評価した評価結果を前記予め定めた情報として取得し、取得した前記評価結果に応じた利用者還元の処理を行う。
【0020】
また、第11態様に係る情報処理システムは、第1態様~第10態様の何れか1の態様に係る情報処理装置と、前記貸し出しスペースの予約、及び前記情報処理装置によって促される情報の表示の各々を行う携帯端末装置と、を含む。
【0021】
また、第12態様に係る情報処理プログラムは、コンピュータに、貸し出しスペースの予約情報を取得し、前記予約情報を用いて、事前または事後に必要な予め定めた作業を利用者に促す処理を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
第1態様によれば、サービス提供側で全ての作業を行う場合に比べて、サービス提供側の作業を減らすことが可能な情報処理装置を提供できる。
【0025】
第2態様によれば、貸し出しスペースが汚れやすい状況の場合に、きれいにする作業を促すことが可能となる。
【0026】
第3態様によれば、サービス提供側で予約に応じたスペース作成を行う場合に比べて、サービス提供側の作業を減らすことが可能となる。
【0027】
第4態様によれば、次の利用者が障害者であった場合に、障害者に優しい環境を作り出すことが可能となる。
【0028】
第5態様によれば、利用者が貸し出しスペースの利用時に予め定めた作業を突然促す場合に比べて、予め定めた作業に対する利用者の理解が得やすくなる。
【0029】
第6態様によれば、貸し出しスペースの予約と、利用対象の予約を別々に行う場合に比べて、予約の作業が容易となる。
【0030】
第7態様によれば、利用対象の予約が不可の場合に、利用者が貸し出しスペースの予約をキャンセルする作業を省略できる。
【0031】
第8態様によれば、利用者に対して、予め定めた作業に対する対価を与えることが可能となる。
【0032】
第9態様によれば、貸し出しスペースの利用状態に応じた対価を与えることが可能となる。
【0033】
第10態様によれば、サービス提供側で予め定めた作業を評価する場合に比べて、サービス提供側の作業を減らすことが可能となる。
【0034】
第11態様によれば、サービス提供側で全ての作業を行う場合に比べて、サービス提供側の作業を減らすことが可能な情報処理システムを提供できる。
【0035】
第12態様によれば、サービス提供側で全ての作業を行う場合に比べて、サービス提供側の作業を減らすことが可能な情報処理プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【
図2】貸し出しスペースの概略構成を示す図である。
【
図3】貸し出しスペースの電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムにおけるクラウドサーバ及び携帯端末装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。
【
図5】本実施形態に係る情報処理システムの携帯端末装置において、予約から貸し出しスペースを解錠するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係る情報処理システムのクラウドサーバにおいて、予約から貸し出しスペースを解錠するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムのクラウドサーバにおいて、貸し出しスペースの利用開始から終了までの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】貸し出しスペースが散らかっているか否かを判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】貸し出しスペース以外の利用対象の予約も行う場合のクラウドサーバが行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【0038】
本実施形態に係る情報処理システム10は、
図1に示すように、情報処理装置としてのクラウドサーバ12と、無線基地局16と、通信装置22を備えている。
【0039】
クラウドサーバ12、無線基地局16、及び通信装置22は、それぞれ通信回線に接続されている。なお、通信装置22は、通信回線18に直接接続せずに、
図1に示すように、無線基地局16を介して通信回線18に接続してもよい。
【0040】
クラウドサーバ12は、貸し出しスペース20に関するサービスを提供する。例えば、貸し出しに関するサービスの一例としては、貸し出しスペース20の予約サービスや、予約された利用者に対して解錠して貸し出しスペース20を貸し出すサービスを提供する。
【0041】
無線基地局16は、スマートフォン等の携帯端末装置14と無線接続し、携帯端末装置14を通信回線18に接続して、通信回線18に接続された機器等の通信を行う。
【0042】
通信装置22は、貸し出しスペース20に設けられており、クラウドサーバ12や通信回線18に接続された装置からの各種信号の授受を行う。
【0043】
ここで、貸し出しスペース20について説明する。
図2は、貸し出しスペース20の概略構成を示す図である。
【0044】
本実施形態では、貸し出しスペース20は、テレワークに必要な環境を提供するものを一例として説明する。具体的には、貸し出しスペース20は、
図2に示すように、机28、椅子32、電源及びUSB(Universal Serial Bus)コンセント30、ディスプレイ24、エアコン34、カメラ26、並びに、通信装置22を備えている。また、この他には、文具やハンガー38をかけるためのフック36等が設けられている。
【0045】
なお、本実施形態では、貸し出しスペース20内を撮影するカメラ26を備える例を説明するが、カメラ26は省略した構成としてもよい。
【0046】
貸し出しスペース20を利用する際には、利用者は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等を用いて最寄りの貸し出しスペース20の場所と予約状況をWEBサイトで確認して予約する。そして、スマートフォン等の携帯端末装置14を用いて貸し出しスペース20を解錠して利用する。
【0047】
次に、貸し出しスペースの電気的構成について説明する。
図3は、貸し出しスペース20の電気的構成を示すブロック図である。
【0048】
貸し出しスペース20は、通信装置22にディスプレイ24、カメラ26、及びドアロック装置40が接続されて構成されている。
【0049】
ディスプレイ24は、利用者に通知するための各種情報を表示する。例えば、クラウドサーバ12から受信した情報等を表示する。
【0050】
カメラ26は、貸し出しスペース20内を撮影し、撮影した撮影画像を通信装置22及び通信回線18を介してクラウドサーバ12に送信する。
【0051】
ドアロック装置40は、貸し出しスペース20のドアに設けられ、ドアロックの施錠及び解錠を行う。ドアロック装置40は、例えば、クラウドサーバ12からドアロックの解錠指示を通信回線18及び通信装置22を介して受信した場合、ドアロックを解錠する。
【0052】
続いて、クラウドサーバ12及び携帯端末装置14の概略構成を説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理システム10におけるクラウドサーバ12及び携帯端末装置14の電気系の要部構成を示すブロック図である。なお、クラウドサーバ12及び携帯端末装置14は、基本的には一般的なコンピュータ構成であるため、クラウドサーバ12を代表して説明する。
【0053】
本実施形態に係るクラウドサーバ12は、
図4に示すように、プロセッサの一例としてのCPU(Central Processing Unit)12A、ROM(Read Only Memory)12B、RAM(Random Access Memory)12C、ストレージ12D、操作部12E、ディスプレイ12F、及び通信回線I/F(インタフェース)部12Gを備えている。CPU12Aは、クラウドサーバ12の全体の動作を司る。ROM12Bは、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶される。RAM12Cは、CPU12Aによる各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられる。ストレージ12Dは、各種のデータやアプリケーション・プログラム等が記憶される。操作部12Eは各種の情報を入力するために用いられる。ディスプレイ12Fは、各種の情報を表示するために用いられる。通信回線I/F部12Gは、通信回線18に接続され、当該通信回線18に接続された他の装置と各種データの送受信を行う。以上のクラウドサーバ12の各部はシステムバス12Hにより電気的に相互に接続されている。なお、ストレージ12Dとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等の他の不揮発性の記憶部が適用される。
【0054】
また、クラウドサーバ12は、管理対象の貸し出しスペース20の設置場所や、予約状況等の各種情報を記憶するデータベース(DB)12Iを備えている。
【0055】
以上の構成により、本実施形態に係るクラウドサーバ12は、CPU12Aにより、ROM12B、RAM12C、及びストレージ12Dに対するアクセス、操作部12Eを介した各種データの取得、ディスプレイ12Fに対する各種情報の表示を各々実行する。また、クラウドサーバ12は、CPU12Aにより、通信回線I/F部12Gを介した通信データの送受信の制御を実行する。
【0056】
なお、携帯端末装置14は、
図4の点線で示す位置検出部14Jを備える以外は基本的にはクラウドサーバ12と同様に、プロセッサの一例としてのCPU14A、ROM14B、及びRAM14C等を含む構成である。
【0057】
位置検出部14Jは、携帯端末装置14の現在の位置を検出する。例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号には、衛星に搭載された原子時計からの時刻のデータや、衛星の軌道の情報等が含まれているので、GPS衛星からの電波を受信し、発信から受信の時刻差に基づいて衛星からの距離を求める。そして、3個以上のGPS衛星からの距離から空間上の一点の位置を測位することにより、携帯端末装置14の位置を検出する。
【0058】
このように構成された本実施形態に係るクラウドサーバ12では、貸し出しスペース20の予約の受付等の処理を行う。また、クラウドサーバ12は、貸し出しスペース20の予約情報を取得し、予約情報を用いて、事前または事後に必要な予め定めた作業を利用者に促す処理を行う。以下では、予め定めた作業の一例として、貸し出しスペース20をきれいにする作業の一例である清掃・整理整頓を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、例えば、備品の準備や、レイアウト変更等の作業を予め定めた作業に適用してもよい。また、以下では、清掃・整理整頓は、単に清掃と称す。また、清掃とは、次の人が使いたい状態にすることを含む。
【0059】
なお、利用者に清掃を促す際には、清掃道具の場所や、清掃方法を含めて通知してもよい。例えば、清掃道具の場所としては、ウェットティッシュや、ほうき、モップ等の配置場所を通知する。また、清掃方法としては、机28や、ディスプレイ、椅子32をウェットティッシュで拭き、床はほうきやモップで掃除することなどを通知する。また、通知方法としは、ディスプレイ24への表示や音声で案内してもよい。或いは、利用者の携帯端末装置14に通知してもよい。
【0060】
続いて、上述のように構成された情報処理システム10において、クラウドサーバ12が提供する具体的なサービスの一例について説明する。
【0061】
クラウドサーバ12は、貸し出しスペース20を予約するサービスを提供する。例えば、クラウドサーバ12は、貸し出しスペース20の予約を行うWEBサイトやアプリケーションを介して、携帯端末装置14から予約の操作を受け付けることで、貸し出しスペース20の予約を行い、利用者からの予約を管理する。例えば、クラウドサーバ12は、携帯端末装置14から利用者情報や、予約場所、予約時間等の予約情報を取得して、予約情報を予約状況として管理する。予約状況には、複数の利用者からの予約情報が含まれ、DB12Iに格納される。
【0062】
ここで、本実施形態では、利用者が貸し出しスペースを予約する際に、クラウドサーバ12は、一定時間利用予約が入っていない場合には、次の予約者に対して、清掃を促す処理を行う。
【0063】
また、利用者が貸し出しスペース20を利用する際には、クラウドサーバ12は、ある利用者の利用予約時間の後、一定時間利用予約が入っていない場合に、その予約利用者に対して、清掃を促す処理を行う。例えば、クラウドサーバ12が、ディスプレイ24に清掃を促すメッセージ等を表示する。
【0064】
また、同一利用者が貸し出しスペース20を連続利用した場合や、貸し出しスペース20が複数の予約で連続使用された場合など、連続利用の最後の終了の予め定めた時間前(例えば、5分前等)に清掃を促す処理を行う。
【0065】
なお、予め定めた時間以上の長時間の利用であっても、整理整頓されていると判断した場合は、換気のみ促すものとし、利用者が同意した場合は、貸し出しスペース20のドアを一定時間(例えば1分等)の開放を促す処理を行ってもよい。例えば、クラウドサーバ12から、「ドアを一定時間、開放してください」等のメッセージを通信装置22に送信してディスプレイ24に表示する。また、ドアの開閉を駆動するモータ等の駆動部を有する場合には、駆動部を制御してドアを一定時間、開放してから閉じる制御を行ってもよい。或いは、貸し出しスペース20に換気設備を備える場合には、クラウドサーバ12からの制御によって、換気設備を一定時間駆動してもよい。
【0066】
また、予め定めた時間以下の短時間の利用であっても、使用後の貸し出しスペース20の整理整頓がなされていないと判断した場合は、清掃を促す処理を行う。
【0067】
室内清掃に協力することを同意した利用者に対して、利用時間をその分短縮して利用料金は割り引く処理等を行ってもよい。なお、同意は、予約時か、終了の予め定めた時間前(例えば、5分前や10分前等)までに携帯端末装置14等にインストールしたアプリケーションから入力してもよい。
【0068】
また、清掃度合いの判定は、カメラ26によって撮影された画像の比較だけでなく、次に貸し出しスペース20を利用する利用者が前の利用者の清掃の度合いをポイント化して判定してもよい。また、判定結果を前回利用者の清掃ポイントとして加算する処理を行ってもよい。清掃ポイントは、ポイントが高い利用者を優先的に予約可能にしてもよいし、利用料金の割引等の優遇を行ってもよい。整理整頓レベルが予め定めたレベルより低い利用者に対しては、当該利用者の携帯端末装置14等に対してメッセージを送る処理を行って、今後の改善を誘導するようにしてもよい。例えば、『次回のご利用の際は、綺麗にスペースをご利用頂きますとクーポン等も発行されますので、ご検討お願いします。』等の前向きのメッセージを送信する。メッセージの通知タイミングとしては、貸し出しスペース20を出るときに設置されているディスプレイ24やスピーカーで画面や音声で通知してもよい。或いは、利用者の携帯端末装置14のアプリケーションに登録されているメールアドレスやチャットのアカウントに、退出後または退出後の一定時間後にメッセージを送信してもよい。
【0069】
なお、清掃を促す処理は、基本的には常に掃除を推奨する旨を通知しても良いが、鬱陶しいと思う利用者も想定されるので、例えば、連続して3時間予約が入った後とか、同一利用者が1時間以上使用したといった、予め定めた時間の連続利用後で、汚れていると想定される場合に掃除の案内をディスプレイ24に表示してもよい。
【0070】
また、同一利用者が貸し出しスペース20を連続利用した場合や、貸し出しスペース20が複数の予約で連続使用された場合など、連続利用の最後の終了の予め定めた時間前(例えば、5分前等)に清掃を促すメッセージをディスプレイ24に表示してもよい。
【0071】
ここで、室内の清掃に協力することを同意した利用者に対して、利用時間をその分短縮して利用料金は割り引くようにしてもよい。なお、清掃の同意は、予約時か、終了の予め定めた時間前(例えば、5分前や10分前等)までに携帯端末装置14等にインストールされたアプリケーションから入力してもよい。
【0072】
なお、清掃の前後のカメラ26の撮影画像から、清掃結果のレベルを判定し、予め定めた閾値以下のレベルの場合は、割引やポイントのレベルを下げるようにしてもよい。
【0073】
続いて、上述のように構成された本実施形態に係る情報処理システム10で行われる具体的な処理の一例について説明する。
【0074】
まず、予約から貸し出しスペース20を解錠するまでにスマートフォン等の携帯端末装置14で行われる具体的な処理の一例について説明する。
図5は、本実施形態に係る情報処理システム10の携帯端末装置14において、予約から貸し出しスペース20を解錠するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0075】
ステップ100では、CPU14Aが、ログイン画面をディスプレイ14Fに表示してステップ102へ移行する。例えば、スマートフォン等の携帯端末装置14から貸し出しスペース20の予約等を行うサイトやアプリケーションにアクセスすることにより、予め定めたログイン画面をディスプレイ14Fに表示する。
【0076】
ステップ102では、CPU14Aが、ログイン処理を行ってステップ104へ移行する。例えば、操作部14Eにより入力された利用者情報をクラウドサーバ12に送信して、利用者情報が登録されているか照合する処理を行い、利用者が登録されている場合に予約等のサービスの利用が可能となる。なお、ログイン等の認証処理は、クラウドサーバ12以外の他のサーバで行う形態としてもよい。
【0077】
ステップ104では、CPU14Aが、ログインされた利用者の予約があるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ106へ移行し、否定された場合にはステップ114へ移行する。なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、ステップ104では、利用者の予約が存在する場合は貸し出しスペース20を解錠する処理を行い、予約が存在しない場合は、予約に関する処理を行うものとして説明する。
【0078】
ステップ106では、CPU14Aが、ログインされた利用者の予約時間であるか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ108へ移行する。なお、予約時間でない場合は、ディスプレイ14Fに予約時間を表示して他の処理を実行するようにしてもよい。
【0079】
ステップ108では、CPU14Aが、貸し出しスペース20のドアロック解除キーをディスプレイ14Fに表示してステップ110へ移行する。
【0080】
ステップ110では、CPU14Aが、表示された解除キーが操作されたか否かを判定する。該判定は、ディスプレイ14Fに表示された解除キーが操作部14Eによって操作されたか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ112へ移行する。
【0081】
ステップ112では、CPU14Aが、ロック解除指示をクラウドサーバ12に送信して一連の処理を終了する。これにより、クラウドサーバ12から貸し出しスペース20に対してロック解除指示が送信され、通信装置22がロック解除指示を受信してドアロック装置40にロック解除指示を通知することで、貸し出しスペース20のドアロックが解除される。
【0082】
一方、ステップ114では、CPU14Aが、貸し出しスペース20の予約状況を取得してステップ116へ移行する。例えば、他の利用者等によって既に予約された日時等の予約状況をクラウドサーバ12のDB12Iから取得する。
【0083】
ステップ116では、CPU14Aが、予め定めた予約画面を表示する処理を行ってステップ118へ移行する。例えば、クラウドサーバ12から予約状況を受信して、ディスプレイ14Fに予約状況を含めて予約するための画面を表示する。なお、予約対象の貸し出しスペース20は、全てのリストの中から利用者が指定してもよいが、位置検出部14Jによって検出された位置周辺の貸し出しスペース20を抽出して、抽出した中から利用者に選択させてもよい。
【0084】
ステップ118では、CPU14Aが、利用者によって予約情報が入力されたか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ120へ移行する。
【0085】
ステップ120では、CPU14Aが、操作部14Eによって入力された予約情報をクラウドサーバ12に送信してステップ122へ移行する。
【0086】
ステップ122では、CPU14Aが、貸し出しスペース20の清掃協力依頼を受信したか否かを判定する。該判定は、後述するクラウドサーバ12の処理により、クラウドサーバ12から清掃協力依頼を受信したか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ124へ移行し、否定された場合にはステップ130へ移行する。
【0087】
ステップ124では、CPU14Aが、ディスプレイ14Fに清掃協力依頼を表示してステップ126へ移行する。
【0088】
ステップ126では、CPU14Aが、清掃に同意したか否かを判定する。該判定は、操作部14Eが操作されて清掃に同意する操作が行われたか否かを判定し、該判定が肯定された場合にはステップ128へ移行し、否定された場合にはステップ130へ移行する。
【0089】
ステップ128では、CPU14Aが、利用時間延長をディスプレイ14Fに表示してステップ130へ移行する。すなわち、清掃によって利用時間が延長されてもよいことを利用者に報知する。
【0090】
ステップ130では、CPU14Aが、予約確定をディスプレイ14Fに表示して一連の処理を終了する。
【0091】
続いて、予約から貸し出しスペース20を解錠するまでにクラウドサーバ12で行われる具体的な処理の一例について説明する。
図6は、本実施形態に係る情報処理システム10のクラウドサーバ12において、予約から貸し出しスペース20を解錠するまでの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0092】
ステップ200では、CPU12Aが、携帯端末装置14からロック解除指示を受信したか否かを判定する。該判定は、上述のステップ112のロック解除指示が送信されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ202へ移行し、否定された場合にはステップ204へ移行する。
【0093】
ステップ202では、CPU12Aが、貸し出しスペース20にロック解除指示を送信して一連の処理を終了する。これにより、通信装置22がロック解除指示を受信してドアロック装置40にロック解除指示を通知することで、貸し出しスペース20のドアロックが解除される。
【0094】
ステップ204では、CPU12Aが、予約状況取得が要求されたか否かを判定する。該判定は、上述のステップ114により携帯端末装置14によって予約状況の取得が行われたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ206へ移行し、否定された場合は一連の処理を終了する。
【0095】
ステップ206では、CPU12Aが、要求元の携帯端末装置14に予約状況を送信してステップ208へ移行する。
【0096】
ステップ208では、CPU12Aが、予約情報を受信したか否かを判定する。該判定は、上述のステップ120により携帯端末装置14で入力されて送信された予約情報を受信したか否かを判定する。該判定が肯定されるまで待機してステップ210へ移行する。
【0097】
ステップ210では、CPU12Aが、終了時刻後、15分以上予約があるか否かを判定する。該判定は、受信した予約情報と、DB12Iに格納された予約状況とを参照して、予約情報による予約終了時刻後に、15分以上の予約があるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ212へ移行し、肯定された場合にはステップ222へ移行する。なお、ステップ210は、一例として15分以上の予約があるか否かを判定するが、15分以上の予約に限定されるものではなく、予め定めた時間以上の予約があるか否かを判定する。
【0098】
ステップ212では、CPU12Aが、利用時間が1時間超えであるか否かを判定する。該判定は、予約情報の予約時間が1時間超えの予約になっているか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ214へ移行し、肯定された場合にはステップ216へ移行する。なお、ステップ212は、一例として利用時間が1時間超えであるか否かを判定するが、1時間超えに限定されるものではなく、利用時間が予め定めた時間超えであるか否かを判定する。
【0099】
ステップ214では、CPU12Aが、スペース利用時間が2時間超えであるか否かを判定する。該判定は、他の予約と合わせて2時間以上の利用となるか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ216へ移行し、否定された場合にはステップ222へ移行する。なお、ステップ214は、一例としてスペース利用時間が2時間超えであるか否かを判定するが、2時間超えに限定されるものではなく、スペース利用時間が予め定めた時超えがあるか否かを判定する。
【0100】
ステップ216では、CPU12Aが、スペース協力依頼を携帯端末装置14に送信してステップ218へ移行する。これにより、上述のステップ122の判定が肯定される。
【0101】
ステップ218では、CPU12Aが、清掃に同意したか否かを判定する。該判定は、上述のステップ126によって利用者により清掃に同意する操作が行われたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ220へ移行し、否定された場合にはステップ222へ移行する。
【0102】
ステップ220では、CPU12Aが、予約の利用時間を延長してステップ222へ移行する。すなわち、清掃に必要な時間分を考慮した予約とする。
【0103】
ステップ222では、CPU12Aが、予約を確定して一連の処理を終了する。すなわち、予約情報をDB12Iに格納された予約状況に追加して格納すると共に、予約の確定を携帯端末装置14に通知することで、携帯端末装置14のディスプレイ14Fに予約確定を表示する。
【0104】
次に、貸し出しスペース20の利用開始から終了までにクラウドサーバ12で行われる具体的な処理の一例について説明する。
図7は、本実施形態に係る情報処理システム10のクラウドサーバ12において、貸し出しスペース20の利用開始から終了までの処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0105】
ステップ300では、CPU12Aが、予め定めた清掃判断要件が成立したか否かを判定する。該判定は、例えば、清掃判断要件として、利用時間が予め定めた時間(例えば、1時間)を超えたか否か、及び貸し出しスペース20が前回清掃から予め定めた時間(例えば、2時間)以上使用されたか否かの少なくとも一方の要件が成立したか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ302へ移行し、肯定された場合にはステップ304へ移行する。
【0106】
ステップ302では、CPU12Aが、貸し出しスペース20が散らかっているか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ304へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了する。なお、該判定は、例えば、
図8に示す貸し出しスペース20が散らかっているか否かを判定する処理によって判定する。
図8は、貸し出しスペース20が散らかっているか否かを判定する処理の流れの一例を示すフローチャートである。ここで、
図8の処理について説明する。
【0107】
ステップ400では、CPU12Aが、使用前後の画像を比較してステップ402へ移行する。すなわち、カメラ26によって撮影した画像を、貸し出しスペース20の使用前後について取得して画像を比較する。
【0108】
ステップ402では、CPU12Aが、使用前後の画像の差異が予め定めた閾値以上であるか否かを判定する。該判定は、使用前後の画像の差分を算出し、算出した差分が予め定めた閾値以上であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ404へ移行し、肯定された場合にはステップ406へ移行する。
【0109】
ステップ404では、CPU12Aが、清掃不要、すなわち散らかっていないと判定して一連の処理を終了する。すなわち、
図7のステップ302の判定が肯定されて
図7の処理も終了する。
【0110】
一方、ステップ406では、CPU12Aが、位置ずれ量を算出してステップ408へ移行する。例えば、使用前後の画像の差分を位置ずれ量として算出する。
【0111】
ステップ408では、CPU12Aが、備品画像の光沢を比較してステップ410へ移行する。例えば、画像中の机28や床などの特定領域の明るさを光沢の代わりに導出し、使用前後の画像の特定領域の明るさの差分を算出する。
【0112】
ステップ410では、CPU12Aが、ステップ406で算出した位置ずれ量、またはステップ408で算出した光沢の比較結果の何れかが予め定めた限界値以上であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ404へ移行し、肯定された場合にはステップ412へ移行する。
【0113】
ステップ412では、CPU12Aが、清掃要、すなわち散らかっていると判定して
図7のステップ304へ移行する。
【0114】
図7の処理に戻って、ステップ304では、CPU12Aが、予約時に清掃協力に同意があるか否かを判定する。該判定は、上述のステップ126の判定が肯定されて清掃に同意が行われているか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ306へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了する。
【0115】
ステップ306では、CPU12Aが、予約時に指定した終了する予め定めた時間(例えば、5分)前に、貸し出しスペース20の清掃協力依頼を送信することにより、清掃協力依頼をディスプレイ24に表示してステップ308へ移行する。
【0116】
ステップ308では、CPU12Aが、利用時間内に清掃が終了するか否かを判定する。該判定は、例えば、ディスプレイ24または利用者の携帯端末装置14に利用時間内に清掃が終了するか否かを通知して回答を取得することによって判定し、該判定が否定された場合にはステップ310へ移行し、肯定された場合にはステップ314へ移行する。
【0117】
ステップ310では、CPU12Aが、利用時間を延長してステップ312へ移行する。例えば、利用時間を延長するために、予約の際には、予め定めた余裕時間を設けて予約を受け付けるようにし、余裕時間内で利用時間を延長する。
【0118】
ステップ312では、CPU12Aが、清掃ポイント加算Bとして、清掃ポイントとして予め定めたBポイントを加算してステップ318へ移行する。
【0119】
一方、ステップ314では、CPU12Aが、利用料割引を行ってステップ316へ移行する。例えば、予め定めた料金を割り引いた精算を行う。
【0120】
ステップ316では、CPU12Aが、清掃ポイント加算Aとして、清掃ポイントとして予め定めたAポイントを加算してステップ318へ移行する。なお、清掃ポイントAは清掃ポイントBより大きい値とする。
【0121】
ステップ318では、CPU12Aが、清掃レベルが十分であるか否かを判定する。該判定は、例えば、ステップ302と同様に、
図8の処理と同様に判定する。該判定が肯定された場合にはステップ320へ移行し、否定された場合には一連の処理を終了する。なお、清掃レベルが十分でなく、判定が否定された場合には、ステップ312またはステップ316で加算した清掃ポイントを減算してもよい。
【0122】
ステップ320では、CPU12Aが、清掃ポイント加算Cとして、清掃ポイントとして予め定めたCポイントを加算して一連の処理を終了する。なお、清掃ポイントCは、清掃ポイントAまたはBと同じ値でもよいし、異なる値でもよい。また、ステップ320において、清掃レベルが十分であったことを評価してディスプレイ24や利用者の携帯端末装置14にメッセージを通知してもよい。例えば、「綺麗に使って頂き、ありがとうとございます。今後もよろしくお願いします。」等のメッセージを通知してもよい。
【0123】
なお、上記実施形態において、クラウドサーバ12が、携帯端末装置14等のアプリケーションに自分の清掃ポイントを表示する処理や、他の利用者からの清掃度合いのフィードバックを表示する処理等を行って、丁寧な清掃を促すようにしてもよい。
【0124】
また、上記実施形態において、クラウドサーバ12が、予約を受け付ける際に、車いすや松葉杖等の使用の有無等の情報も取得して、清掃を促す際に、次の利用者のために、車いすや松葉杖を使い易い配置を案内するようにしてもよい。例えば、次の利用者が体に不自由のある障害者の場合、椅子32などの扉等の入口周辺の障害物を移動するように、清掃と共に促す。或いは、清掃を促す代わりに、障害物を移動するように促してもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、貸し出しスペース20として、一人が利用する貸し出しスペース20の例を説明したが、これに限るものではなく、複数の利用者が利用可能な貸し出しスペースとしてもよい。この場合には、クラウドサーバ12が、予約を受け付ける際に、机28や椅子32の希望レイアウトの情報を取得して、清掃を促す際に、希望レイアウトを通知してスペース作成を促すようにしてもよい。或いは、清掃の代わりにスペース作成を促してもよい。
【0126】
また、上記実施形態において、清掃の際に、ゴミ箱が溢れそうな場合、または溢れている場合は、携帯端末装置14のアプリケーションなどでゴミ呼び出しボタン等を設けて、ゴミ呼び出しボタンを操作することで、予約時間の空いているときに予め契約した清掃員等が来るようにしてもよい。この場合は、例えば、清掃員の携帯端末装置等にゴミ呼び出しボタンが操作された貸し出しスペース20の場所等を通知する。但し、危険物を置かれることを避けるために、ゴミ箱を置かない形態も考えられるため、この場合は、回収用の袋を貸し出しスペース20に用意おき、駅やオフィス、商業施設内のごみ箱に捨てることを促すようにしてもよい。この場合、外部からのゴミを禁止している場所もあるため、ゴミ箱の場所も案内してもよい。
【0127】
或いは、クラウドサーバ12が、カメラ26によって撮影した画像からゴミ箱を認識すると共に、ゴミが溢れそうか否かを画像から判定し、ゴミが溢れそうと判定した場合に、予め契約した清掃員や、駅掃除係に連絡する処理を行うようにしてもよい。
【0128】
また、上記実施形態では、貸し出しスペース20として専用のスペースの例を示したが、これに限るものではない。例えば、普段は、別の用途で使われている場所を特定の時間だけ、臨時の貸し出しスペースとしてもよい。この場合は、クラウドサーバ12は、臨時の貸し出しスペース20にするために必要な機器や道具(例えば、無線ルーターや筆記具等)を元の場所に戻す、または現場のスタッフに渡す等の作業を更に促す処理を行うようにしてもよい。
【0129】
また、上記実施形態において、臭い対策として、 例えば、何種類かのエアスプレーや芳香機器等を用意しておいて、次の人の好みの香りを指定可能とし、指定されたものを清掃時に使うように促す処理を行ってもよい。例えば、利用者の登録情報に好みの香り情報を登録可能として、クラウドサーバ12が、次の利用者の登録された情報を通知する形態としてもよい。或いは、扉や窓を開けて清掃することを促してもよい。或いは、換気設備がある場合は、換気設備の稼働を促すようにしてもよい。或いは、換気設備を予め定めた時間の間、自動で駆動してもよい。或いは、清掃時に、扉を開いたら、開きっぱなしで閉じないようにする構成を追加してもよい。例えば、扉が自然に締まる方向にスライドし、自動的に終端部に来たら施錠する構成の場合、清掃時に、これをキャンセルする構成を設けてもよい。
【0130】
また、上記の実施形態では、クラウドサーバ12が、
図6の処理において、貸し出しスペース20の予約のみを行う例を説明したが、これに限るものではない。例えば、貸し出しスペース20で利用する備品や、治具、工具等の他の利用対象の予約も行うようにしてもよい。具体的には、
図6の処理において、ステップ222の処理の代わりに、
図9に示す処理を行う。
図9は、貸し出しスペース20以外の利用対象の予約も行う場合のクラウドサーバ12が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0131】
すなわち、ステップ500では、CPU12Aが、利用対象の予約が必要であるか否かを判定する。該判定は、例えば、携帯端末装置14から操作する予約画面上に備品や、治具、工具等の利用対象の予約項目を設けておき、当該予約項目が指示されたか否かを判定する。該判定が肯定された場合にはステップ502へ移行し、否定された場合にはステップ508へ移行する。
【0132】
ステップ502では、CPU12Aが、利用対象の予約が不可であるか否かを判定する。該判定は、例えば、指定された予約項目の利用対象の予約状況から予約が不可であるか否かを判定する。該判定が否定された場合にはステップ504へ移行し、肯定された場合にはステップ506へ移行する。なお、利用対象の予約状況は、クラウドサーバ12が管理する形態としてもよいが、クラウドサーバ12以外の他のサーバが管理してもよい。他のサーバで管理する場合には、他のサーバから予約状況を取得して予約が不可であるか否かを判定する。
【0133】
ステップ504では、CPU12Aが、利用対象及び貸し出しスペース20の予約を確定して一連の処理を終了する。すなわち、予約情報をDB12Iに格納された予約状況に追加して格納すると共に、予約の確定を携帯端末装置14に通知することで、携帯端末装置14のディスプレイ14Fに予約確定を表示する。
【0134】
一方、ステップ506では、CPU12Aが、貸し出しスペースのみの予約でもよいか否かを判定する。該判定は、例えば、携帯端末装置14から操作する予約画面上に利用対象の予約項目を設ける際に、利用対象が予約不可の場合に貸し出しスペース20のみを予約するか否かを選択する項目を設け、利用者に選択させることにより判定する。該判定が肯定された場合にはステップ508へ移行し、否定された場合には、予約せずにキャンセルと判断して一連の処理を終了する。
【0135】
ステップ508では、CPU12Aが、貸し出しスペース20の予約を確定して一連の処理を終了する。すなわち、予約情報をDB12Iに格納された予約状況に追加して格納すると共に、予約の確定を携帯端末装置14に通知することで、携帯端末装置14のディスプレイ14Fに予約確定を表示する。
【0136】
このように、クラウドサーバ12が処理を行うことで、貸し出しスペース20の予約時に貸し出しスペース20で利用する備品や、治具、工具等の利用対象の予約が同時に行われる。
【0137】
また、貸し出しスペース20で使用する利用対象が予約できなかった場合、貸し出しスペース20の予約のキャンセルが可能とされている。
【0138】
なお、上記の実施形態において、CPUをプロセッサの一例として説明したが、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス等)を含むものである。
【0139】
また、上記の実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【0140】
また、上記の実施形態に係る情報処理システム10の各部で行われる処理は、ソフトウエアで行われる処理としてもよいし、ハードウエアで行われる処理としてもよいし、双方を組み合わせた処理としてもよい。また、情報処理システム10の各部で行われる処理は、プログラムとして記憶媒体に記憶して流通させるようにしてもよい。
【0141】
また、本発明は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0142】
10 情報処理システム
12 クラウドサーバ
12A CPU
14 携帯端末装置
20 貸し出しスペース