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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】画像形成装置および画質調整方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B41J2/01 101
B41J2/01 451
B41J2/01 129
B41J2/01 401
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020091305
(22)【出願日】2020-05-26
(65)【公開番号】P2021186987
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 暁
(72)【発明者】
【氏名】西坂 裕介
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-010756(JP,A)
【文献】特開2007-230232(JP,A)
【文献】特開2011-201136(JP,A)
【文献】特開2014-065144(JP,A)
【文献】特開2020-131683(JP,A)
【文献】特開2020-093470(JP,A)
【文献】特開2015-166701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットヘッドから中間転写体に付与されたインクを、増粘させて記録媒体に転写する転写部と、
前記転写されたインクにより形成されるパターンの転写率を検出する転写率検出部と、
前記転写率検出部が検出した、増粘のしやすさが異なる複数のパターンの前記転写率をもとに、前記記録媒体に転写される際の前記インクの粘度に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、
を有する、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、隠蔽率が異なる複数のパターンの転写率をもとに、前記制御パラメーターを制御する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記制御部は、孤立ドットを含んで形成されるパターンの転写率を、より増粘しやすいパターンの転写率とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、ベタ画像であるパターンの転写率を、より増粘しにくいパターンの転写率とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
活性線の照射により前記中間転写体に付与されたインクを増粘させる増粘照射部を有し、
前記制御部は、前記活性線の波長に対するエネルギー吸収率が所定の閾値以上であるパターンの転写率を、より増粘しにくいパターンの転写率とし、前記活性線の波長に対するエネルギー吸収率が所定の閾値未満であるパターンの転写率を、より増粘しにくいパターンの転写率とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記制御部は、形成すべき画像における前記インクの付着量以上の量のインクが付着した前記パターンの転写率を、より増粘しやすいパターンの転写率とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、形成すべき画像における前記インクの付着量以下の量のインクが付着した前記パターンの転写率を、より増粘しやすいパターンの転写率とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、形成すべき画像における前記インクの厚み以上の厚みを有する前記パターンの転写率を、より増粘しにくいパターンの転写率とする、請求項1~7のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記転写率検出部は、前記記録媒体または前記中間転写体の表面における、転写後の前記インクの濃度をもとに、前記転写率を検出する、請求項1~8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、増粘しやすいパターンの転写率が所定の閾値より低く、かつ増粘しにくいパターンの転写率が所定の閾値より高いとき、前記増粘されたインクの粘度がより低くなるように前記制御パラメーターを制御する、請求項1~9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、増粘しやすいパターンの転写率が所定の閾値より高く、かつ増粘しにくいパターンの転写率が所定の閾値より低いとき、前記増粘されたインクの粘度がより高くなるように前記制御パラメーターを制御する、請求項1~10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記転写されたインクの広がりの度合いを検出する広がり検出部を有し、
前記制御部は、前記広がり検出部が検出した、前記インクの広がりの度合いをもとに、前記記録媒体に転写される際の前記インクの粘度に影響を与える制御パラメーターを制御する、
請求項1~11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記広がり検出部は、孤立ドットを含んで形成されるパターンにおける、前記インクの広がりの度合いを検出する、請求項12に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記広がり検出部は、前記増粘のしやすさが異なる複数のパターンのうち、より増粘しにくいパターンに重ねて形成された、孤立ドットを含んで形成されるパターンにおける、前記インクの広がりの度合いを検出する、請求項12または13に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記広がり検出部は、前記転写されたインクのドット径または濃度を測定して、前記インクの広がりの度合いを検出する、請求項12~14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記広がり検出部が検出したインクの広がりの度合いが所定の閾値より大きいとき、前記増粘されたインクの粘度がより高くなるように前記制御パラメーターを制御する、請求項12~15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項17】
前記制御部は、一の印刷ジョブにおいて検出された前記複数のパターンの転写率をもとに、同一の印刷ジョブのその後の実行時、またはその後に行われる他の印刷ジョブの実行時、における前記インクの粘度に影響を与える制御パラメーターを制御する、請求項1~16のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項18】
前記制御部は、画像形成後に前記記録媒体から除去される部位に形成された前記複数のパターンの転写率をもとに、前記制御パラメーターを制御する、請求項1~17のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項19】
活性線の照射により前記中間転写体に付与されたインクを増粘させる増粘照射部を有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記増粘照射部は、複数の照射ユニットを組み合わせて構成され、
前記制御部は、前記照射ユニットごとに、前記制御パラメーターを独立して制御する、請求項19に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記インクにおける溶媒の含有率を低下させることにより前記中間転写体に付与されたインクを増粘させる増粘部を有する、請求項1~18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項22】
インクジェットヘッドから中間転写体に付与されたインクを、増粘させて転写部で記録媒体に転写する画像形成装置における画質調整方法であって、
前記転写されたインクにより形成されるパターンの転写率を検出し、
増粘のしやすさが異なる複数のパターンの前記転写率をもとに、前記記録媒体に転写される際の前記インクの粘度に影響を与える制御パラメーターを制御する、
画質調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および画質調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット法は、簡便かつ安価に画像を作製できるため、各種印刷、マーキング、細線形成、カラーフィルター等の特殊印刷を含む様々な印刷分野に応用されている。特に、インクジェット法は、版を用いずデジタル印刷が可能であるため、多様な画像を少量ずつ形成するような用途に特に好適である。
【0003】
インクジェット法による画像形成装置において、中間転写体の表面に中間画像を形成し、その後、上記中間画像を記録媒体に転写する、画像形成装置が知られている。このような中間転写方式の画像形成装置には、形成される画像の画質を向上させるため、中間転写体から記録媒体へのインクの転写率をより高めることが望まれる。
【0004】
たとえば、特許文献1には、転写後に中間転写体に残ったインクを検出し、当該検出結果に基づいて、インクの転写性を向上させるための転写性向上液の付与量を決定する、画像形成装置が記載されている。特許文献1によれば、記録媒体への接着力が高い転写性向上液が水系インクもろとも記録媒体に接着することにより、記録媒体へのインクの転写率を高めることができる。この際に、インクの転写率が低い部分のみ、転写性向上液の付与量を多くすることで、必要な量だけの転写性向上液を付与することができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-122503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方法では、転写性向上液を用いて水系インクの転写性を高めている。しかし、この方法では、水系インクの転写性を向上させることはできるが、活性線硬化型インクなどの他のインクの転写性を向上させることはできない。
【0007】
また、本発明者らの知見によると、特許文献1に記載の方法では、転写率に応じて転写性向上液の付与量を小さい領域ごとに調整する必要がある。しかし、中間転写体の全面に付与される転写性向上液の付与量を小領域ごとに変化させるのは、非常に困難である。
【0008】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、多種多様なインクの転写性を、より簡便な方法で向上させることができる画像形成装置および画質調整方法を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、インクジェットヘッドから中間転写体に付与されたインクを、増粘させて記録媒体に転写する転写部と、前記転写されたインクにより形成されるパターンの転写率を検出する転写率検出部と、前記転写率検出部が検出した、増粘のしやすさが異なる複数のパターンの前記転写率をもとに、前記記録媒体に転写される際の前記インクの粘度に影響を与える制御パラメーターを制御する制御部と、を有する、画像形成装置により、解決される。
【0010】
また、上記課題は、インクジェットヘッドから中間転写体に付与されたインクを、増粘させて転写部で記録媒体に転写する画像形成装置における画質調整方法であって、前記転写されたインクにより形成されるパターンの転写率を検出し、増粘のしやすさが異なる複数のパターンの前記転写率をもとに、前記記録媒体に転写される際の前記インクの粘度に影響を与える制御パラメーターを制御する、画質調整方法によって解決される。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、多種多様なインクの転写性を向上させることができる画像形成装置および画質調整方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る画像形成装置における画像形成制御を実行するときの動作例の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、転写前に照射されたUV光のエネルギー量と、転写ニップ通過後のパターンの転写率との関係を示すグラフである。
図5図5Aは、UV光のエネルギー量の決定を通常の印刷ジョブの実行時に行うときの、連帳紙に各パターンを配置する位置の例を示す概念図であり、図5Bは、UV光のエネルギー量の決定を通常の印刷ジョブの実行時に行うときの、カット紙に各パターンを配置する位置の例を示す概念図である。
図6図6は、転写効率測定モードにおいて制御部が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、第2の実施形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す模式図である。
図8図8に、転写前に照射されたUV光のエネルギー量と、転写ニップ通過後のパターンにおけるインクのドットの広がりの度合いとの関係を示すグラフである。
図9図9Aは、複数のモジュールを組み合わせてなる照射部から照射するUV光のエネルギー量の決定を通常の印刷ジョブの実行時に行うときの、連帳紙に各パターンを配置する位置の例を示す概念図であり、図9Bは、複数のモジュールを組み合わせてなる照射部から照射するUV光のエネルギー量の決定を通常の印刷ジョブの実行時に行うときの、カット紙に各パターンを配置する位置の例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下の形態に限定されるものではない。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す模式図である。また、図2は、画像形成装置1の主要な機能構成を示すブロック図である
【0015】
画像形成装置1は、活性線の照射により増粘および硬化する、活性線硬化型のインクを用いて画像形成を行う画像形成装置である。
【0016】
画像形成装置1は、インクジェットヘッド102(図2を参照)が搭載されたヘッドユニット10と、像担持体または中間転写体としての転写ベルト20と、転写ベルト20を回転可能に張架する従動ローラー21,22および駆動ローラーとしての転写ローラー23と、記録媒体Mを搬送する搬送ドラム24と、装置全体の制御を行う制御部40(図2を参照)と、を備える。
【0017】
また、画像形成装置1は、転写ベルト20に吐出されたインクの粘度を調整する第1UV照射部25(増粘照射部)と、記録媒体Mに転写されたインクを硬化させる第2UV照射部26と、転写ベルト20をクリーニングするクリーニング部27と、濃度測定センサー30と、転写ローラー23および搬送ドラム24等の各部を駆動する搬送駆動部51(図2を参照)と、を備える。上記のうち、第1UV照射部25は、本発明の「粘度調整部」に対応する。また、濃度測定センサー30および制御部40は、本発明の「転写率検出部」に対応する。
【0018】
なお、図示しないが、画像形成装置1は、記録媒体Mを積載して搬送ドラム24に給送する給送部、画像が転写された記録媒体Mを搬送ドラム24の搬送方向下流側に排出する排出部、装置の状態を表示する表示部、等を備える。これらは公知の構成であるため、図示および説明を省略する。また、記録媒体Mとしては、普通紙や塗工紙といった紙のほか、布帛またはシート状の樹脂等、表面に着弾したインクを定着させることが可能な種々の媒体を用いることができる。
【0019】
転写ベルト20は、上方に配置された従動ローラー21,22および下方に配置された転写ローラー23に架け渡されており、搬送駆動部51の転写モーター(図示せず)の駆動力が転写ローラー23に伝達されることにより、図1中の時計方向に回転する。一具体例として、転写ベルト20は、ポリイミド(PI)の基材上に、シリコンゴムの弾性層と、アルミニウム(Al)が蒸着された反射層と、ポリプロピレン(PP)の表層と、が積層された無端ベルトが用いられる。また、転写ローラー23の一具体例としては、直径100mmで、表層のゴム厚が10mmのゴムローラーが用いられる。
【0020】
画像形成装置1では、転写ベルト20は、制御部40の制御信号に基づいて上記の転写モーターが駆動され転写ローラー23が図1中の時計方向に回転することによって、時計方向に回転される(図中の各矢印参照)。一具体例では、制御部40の制御の下、転写ベルト20が600mm/秒の速さ(印画速度)で回転するように、転写ローラー23の回転速度が制御される。
【0021】
搬送ドラム24は、円柱面状の外周曲面(搬送面)上に記録媒体Mを保持した状態で図1の図面に垂直な方向(以下、「直交方向」と称する)に延びた回転軸の回りで回転することで、記録媒体Mを搬送面に沿った搬送方向に搬送する。具体的には、搬送ドラム24は、搬送ドラムモーター(図示せず)を備え、制御部40の制御によりかかるモーターが駆動されることにより、図1中の反時計方向に回転する。一具体例では、搬送ドラム24は、大型(例えば印刷機用3倍胴)の金属製ドラムが用いられる。
【0022】
一具体例では、上述した転写ベルト20および搬送ドラム24は、800mmの幅すなわち軸方向の長さを有する。
【0023】
転写ローラー23は、搬送ドラム24の上部に対向して配置され、転写ベルト20を介して搬送ドラム24を加圧する。また、転写ベルト20を挟んで、搬送ドラム24が転写ローラー23に圧接されることにより、転写ベルト20から記録媒体Mへインク像を転写する転写ニップNP(転写部)が形成される。
【0024】
一具体例では、転写ニップNPにおける加重ないし圧接力(以下、「転写圧」という)の初期値は、80Nに設定されている。また、転写圧は、制御部40の制御により、転写ローラー23が図1中の上下方向に僅かに移動することによって、変更可能となっている。
【0025】
ヘッドユニット10は、転写ベルト20に対向するインク吐出面に設けられたノズル開口部から転写ベルト20に対してインクを吐出して画像を転写ベルト20に担持させる。搬送ドラム24は、転写ベルト20に担持された画像が転写ニップNPで記録媒体Mの所定の位置に転写されるように、記録媒体Mを搬送する。
【0026】
本実施の形態における画像形成装置1では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクにそれぞれ対応する4つのヘッドユニット10が転写ベルト20の回転方向上流側からY,M,C,Kの色の順に所定の間隔で並ぶように配列されている。
【0027】
各ヘッドユニット10は、インクジェットヘッド102(図2を参照)を備える。インクジェットヘッド102には、インクを貯留する圧力室と、圧力室の壁面に設けられた圧電素子と、ノズルとを各々有する複数の記録素子が設けられている。この記録素子は、圧電素子を変形動作させる駆動信号が入力されると、圧電素子の変形により圧力室が変形して圧力室内の圧力が変化し、圧力室に連通するノズルからインクを吐出する。
【0028】
インクジェットヘッド102に含まれるノズルの直交方向についての配置範囲は、搬送ドラム24により搬送される記録媒体Mのうち画像が記録される領域の直交方向の幅をカバーしている。ヘッドユニット10は、画像の記録時には搬送ドラム24の回転軸に対して位置が固定されて用いられる。すなわち、画像形成装置1は、シングルパス形式のインクジェット記録装置である。
【0029】
本実施の形態では、インクジェットヘッド102から転写ベルト20に吐出されるインクは、転写ベルト20に供給されるエネルギー量(この例では第1UV照射部25から出力される紫外線(UV:ultra violet)のエネルギー量)に応じて粘度が変化するインクである。具体的には、第1UV照射部25から照射される紫外線のエネルギー量が多いほど、インクの粘度が高くなる。すなわち、この画像形成装置1の画像形成部は、UV硬化型インクジェット方式を採用している。
【0030】
第1UV照射部25は、転写ニップNPよりも上流側、または転写ニップNPの通過時における転写ベルト20に紫外線(以下「UV光」という。)を照射するように配置されており、制御部40の制御の下、転写ベルト20に付着したインクを、転写ベルト20を透過したUV光によりプレ硬化させる役割を担う。一具体例では、第1UV照射部25は、波長395nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が2mW/cmとされる。
【0031】
第2UV照射部26は、転写ニップNPの下流側に搬送される記録媒体MにUV光を照射するように配置されており、制御部40の制御の下、第1UV照射部25によりプレ硬化され転写ニップNPにより転写されたインクを本硬化させる。一具体例では、第2UV照射部26は、波長395nmのUV光を出力するUV光源を備え、通常の印刷ジョブにおける照射強度のデフォルト値が5mW/cmとされる。
【0032】
クリーニング部27は、従動ローラー21と転写ローラー23との間の転写ベルト20の表面に対向配置され、かかる転写ベルト20の表面を清掃するドライウェブを備える。クリーニング部27のドライウェブは、転写ベルト20に対して離接可能に構成されており、制御部40の制御により転写ベルト20に対して当接することにより、転写ベルト20の表面の残インク等を除去する。
【0033】
濃度測定センサー30は、転写ニップNPを通過した記録媒体Mにおける転写後のインク像の濃度を測定し、該測定した濃度の値を制御部40に出力する。濃度測定センサー30の一例として、記録媒体Mに光を照射して、反射した光(反射光強度)をレッド、グリーン、ブルーのフィルタを通して測定するフィルタタイプ濃度計を使用することができる。濃度測定センサー30の他の例として、記録媒体Mに光を照射して、反射した光の波長を1から10nm位毎に小刻みに分け、各波長の反射光の強度を測定する分光タイプ濃度計を使用することができる。
【0034】
次に、主として図2を参照して、画像形成装置1における他の主要な機能構成を説明する。画像形成装置1は、ヘッドユニット10が有するヘッド駆動部101およびインクジェットヘッド102と、制御部40と、搬送駆動部51と、入出力インターフェース52とを備える。
【0035】
ヘッド駆動部101は、制御部40の制御に基づいてインクジェットヘッド102の記録素子に対して適切なタイミングで画像データに応じて圧電素子を変形動作させる駆動信号を出力することにより、インクジェットヘッド102のノズルから画像データの画素値に応じた量のインクを吐出させる。
【0036】
制御部40は、CPU41(Central Processing Unit)、RAM42(Random Access Memory)、ROM43(Read Only Memory)および記憶部44を有する。
【0037】
CPU41は、ROM43に記憶された各種制御用のプログラムや設定データを読み出してRAM42に記憶させ、当該プログラムを実行して各種の演算処理を行う。また、CPU41は、画像形成装置1の各構成部の動作を統括制御する。
【0038】
RAM42は、CPU41に作業用のメモリー空間を提供し、一時データを記憶する。なお、RAM42は、不揮発性メモリーを含んでいてもよい。
【0039】
ROM43は、CPU41により実行される各種制御用のプログラムや設定データ等を格納する。なお、ROM43に代えて、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)やフラッシュメモリー等の書き換え可能な不揮発性メモリーが用いられてもよい。
【0040】
記憶部44には、入出力インターフェース52を介して外部装置5から入力された印刷ジョブ(印刷枚数などの種々のユーザー設定情報を含む画像形成指示)および当該印刷ジョブに係る画像データが記憶される。記憶部44としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)が用いられ、また、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などが併用されてもよい。
【0041】
搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて搬送ドラム24の搬送ドラムモーターに駆動信号を供給して搬送ドラム24を所定の速度およびタイミングで回転させる。また、搬送駆動部51は、制御部40から供給される制御信号に基づいて転写ローラー23のモーターに駆動信号を供給して、転写ベルト20を所定の速度およびタイミングで回転させる。
【0042】
入出力インターフェース52は、外部装置5と制御部40との間のデータの送受信を媒介する。入出力インターフェース52は、例えば各種シリアルインターフェース、各種パラレルインターフェースのいずれか、または、これらの組み合わせで構成される。
【0043】
外部装置5は、例えばパーソナルコンピューターであり、入出力インターフェース52を介して印刷ジョブおよび画像データ等を制御部40に供給する。
【0044】
次に、図3のフローチャートを参照して、通常の印刷ジョブの実行時において制御部40が実行する処理(画質調整方法)を説明する。当該画質調整方法は、たとえば、記憶部44に格納されたプログラム、または入出力インターフェース52を介して外部から入力されたプログラムの指令に基づいて、制御部40が実行する。
【0045】
印刷ジョブおよび画像データ等を受信した後の工程S10において、制御部40は、搬送ドラム24および転写ローラー23を駆動して記録媒体Mの搬送を開始するように、搬送駆動部51を制御する。
【0046】
工程S20において、制御部40は、受信された画像データおよびユーザー設定情報に基づいて、当該印画(画像形成)で使用する色のヘッドユニット10のインクジェットヘッド102から、転写ベルト20(中間転写体)上にインクを吐出するようにヘッド駆動部101を制御する。かかる動作により、入力画像データに基づく画像(インク像)が転写ベルト20上に付着ないし形成(担持)される。
【0047】
工程S30において、制御部40は、転写ベルト20上のインク像が第1UV照射部25の位置に来るタイミングで第1UV照射部25の出力(UVエネルギー量)を所定の強度に制御することにより、インク像のプレ硬化工程を実施する。
【0048】
工程S40において、制御部40は、所定のタイミングで記録媒体Mを転写ニップNPに搬送するように搬送駆動部51を制御して、転写ベルト20上でプレ硬化されたインク像を記録媒体Mに転写させる。このとき、予め設定された転写圧でインク像が押圧される(転写ニップNPで挟持される)ことにより、転写ベルト20上でプレ硬化したインク像は、プレ硬化後のインク濃度および当該転写圧等に応じて全体的に広がるように記録媒体Mに転写される。
【0049】
工程S50において、制御部40は、インク像が転写された記録媒体Mが第2UV照射部26の位置に来るタイミングで第2UV照射部26の出力を制御することにより、インク像の本硬化工程を実施する。この後、記録媒体Mは、図示しない排出部に排出される。
【0050】
工程S60において、制御部40は、クリーニング部27に駆動信号を出力することにより、転写ベルト20上の残インク等をクリーニングする処理を実行する。
【0051】
工程S70において、制御部40は、印刷ジョブが終了したか否かを判定する。ここで、制御部40は、未だ印刷ジョブが終了していないと判定した場合(工程S70、NO)、工程S10に戻り、上述した工程S10~工程S70の処理を繰り返し実行する。一方、制御部40は、印刷ジョブが終了したと判定した場合(工程S70、YES)、一連の処理を終了する。
【0052】
このように、本実施形態における画像形成装置1は、活性線硬化型のインクを中間転写体の表面に付与してインク像を形成し、その後、記録媒体Mの表面に当該インク像を転写している。インクの滲みが生じにくい中間転写体にインク像を形成してから記録媒体Mに転写することで、より少量のインクでも十分に平滑に広げることができる。このようにして平滑に広げたインクを記録媒体Mに転写することで、インクの節約を図りつつ、より隠蔽率の高い画像をムラなく形成することができる。
【0053】
また、本実施形態における画像形成装置1は、活性線硬化型のインクを中間転写体の表面に付与し、粘度調整部(この例では第1UV照射部25)により中間転写体の表面で増粘させて、記録媒体Mの表面に転写している。中間転写体でインクを増粘させてから転写することで、記録媒体へのインクの転写率をより高めることができる。
【0054】
一方で、本発明者らの新たな知見によると、中間転写体で増粘されたインクの粘度が低いときには記録媒体へのインクの転写率は低くなるが、上記増粘されたインクの粘度が高すぎても、記録媒体へのインクの転写率は低くなる。つまり、増粘されたインクの粘度が低すぎる場合(すなわちインク増粘の程度が足りていない場合)には、インクの内部凝集力が弱くなり、転写ニップNPで転写される際にインクドットが破断する場合があり、この結果、転写率が低下する。逆に、増粘されたインクの粘度が高すぎる場合(インクが過度に増粘された場合)には、記録媒体Mとインクとの濡れ性(密着性)が低下するために、やはり転写率が低下する。
【0055】
そして、本発明者らのさらなる新たな知見によると、照射されたUV光のエネルギー量が同じであっても、形成される画像のパターンによって、インクの増粘の度合いは異なる。
【0056】
したがって、転写ニップNPでの記録媒体Mへの転写率を向上させるためには、主として、第1UV照射部25から照射するUV光のエネルギー量を制御することにより、転写ニップNPで転写される際のインク像の粘度を適切にすることが重要である。特に、画像形成装置1における種々の誤差(例えば第1UV照射部25のUV光源の劣化や、転写ニップNPに到達するときのインクの温度の変化など)の発生や、記録媒体Mのインク吸液性の差などを考慮すると、第1UV照射部25から照射するUV光のエネルギー量を適切に制御して、転写時におけるインク粘度(増粘状態)を適正化することが非常に重要である。なお、転写ニップNPにおけるインク像の転写率の善し悪しやインク粘度の適正範囲等は、転写ニップNPで転写されたインク像の濃度を計測することにより、特定可能である。
【0057】
かかる知見に鑑みて、本実施の形態では、図1に示すように、転写ニップNPで転写されたインクにより形成されたパターンの濃度を計測する濃度測定センサー30を設ける。そして、制御部40は、増粘のしやすさが異なる複数のパターンについて測定された、かかる濃度測定センサー30の測定値(すなわちパターンの濃度)から、それぞれのパターンの転写ニップNPでの転写率を推定(検出)する。さらに、制御部40は、かかる検出結果に応じて、その後に転写されるパターンの濃度ひいては転写率が所定の基準を満たす(すなわち閾値を超える)ように、次に印字される記録媒体M(第2の記録媒体)に転写されるインクの粘度を調整する制御を行う。
【0058】
本実施の形態では、制御部40は、転写ベルト20に吐出(担持)され転写ニップNPで押圧された(すなわち記録媒体M上に広げられた)後のインクにより形成されるパターンの転写率を、濃度測定センサー30の検知結果に基づいて推定(検出)する。図1に示す例では、濃度測定センサー30により検知される対象は、転写ニップNPによって押圧されて画像が転写された記録媒体M(第1の記録媒体)上のパターンの濃度である。そして、制御部40は、検出されたパターンの濃度と、画像データにおける同一のパターンの濃度との比率を計算して、当該パターンの転写率を推定(検出)する。
【0059】
そして、本実施の形態では、制御部40は、濃度測定センサー30による検知結果(インクの濃度)に応じて、次に印字される記録媒体M(第2の記録媒体)に転写されるインクの転写率が閾値を超えるように、次に印字される記録媒体M(第2の記録媒体)に転写されるインクの粘度を調整する制御を行う。すなわち、制御部40は、次に印字される記録媒体M(第2の記録媒体)に転写されるインクの転写率が所定の基準を満たすように、記録媒体Mに転写される際のインクの広がり方に影響を与える制御パラメーターとして、第1UV照射部25の出力(UV光のエネルギー量)を制御する。
【0060】
図4に、第1UV照射部25によって転写前に照射されたUV光のエネルギー量と、濃度測定センサー30および制御部40により推定(検出)された転写ニップNP通過後のパターンの転写率との関係をグラフ化して示す。図4の特性グラフにおいて、横軸は第1UV照射部25から転写ベルト20上のインクに照射されたUV光のエネルギー量であり、縦軸は、濃度測定センサー30および制御部40により推定(検出)された転写ニップNP通過後の記録媒体M(用紙)上のパターンの転写率である。また、二点鎖線は、濃度測定センサー30および制御部40により推定(検出)されたパターンの転写率において、転写率が基準値を満たすか否かの境界値ないし閾値としての転写率の値を示す。なお、図4における実線は、より増粘しにくいパターンであるベタパターンの転写率を示し、点線は、より増粘しやすいパターンであるハーフトーンパターンの転写率を示す。
【0061】
図4に示すように、第1UV照射部25から照射されるUV光のエネルギー量を調整することにより、ベタパターンおよびハーフトーンパターンのいずれの転写率も基準値を満たす(閾値を超える)ようにできることがわかる。また、ベタパターンおよびハーフトーンパターンの両方の転写率が基準値を満たすような第1UV照射部25からのUV光のエネルギー量(適正範囲)は、ある程度の幅ないし余裕があることが分かる。
【0062】
したがって、本実施の形態では、濃度測定センサー30および制御部40により推定(検出)されるパターンの転写率が、ベタパターンおよびハーフトーンパターンのいずれも高くなるように、第1UV照射部25から照射されるUV光のエネルギー量を調整する。これにより、様々なパターンを組み合わせてなる画像においても、各パターンについて転写率を高くして、画像品質の向上やユーザーの目的等に応じた画像品質を実現することができる。
【0063】
上記転写率を高めるための第1UV照射部25から照射されるUV光のエネルギー量の決定は、通常の印刷ジョブの実行時と異なるタイミングにおいて行ってもよいが、通常の印刷ジョブの実行時に行うことが、生産性の向上の観点から好ましい。
【0064】
図5Aおよび図5Bは、上記UV光のエネルギー量の決定を通常の印刷ジョブの実行時に行うときの、記録媒体Mに各パターンを配置する位置の例を示す概念図である。図5Aは、連帳紙に各パターンを配置するときの例であり、図5Bは、カット紙に各パターンを配置するときの例である。
【0065】
図5Aおよび図5Bに示すように、より増粘しやすいパターンである隠蔽率が50%のハーフトーンパターンP1、およびより増粘しにくいパターンである隠蔽率が100%のベタパターンP2は、いずれも、記録媒体Mうち、形成すべき画像Iとは異なる領域であり、画像形成後、商品化に際して記録媒体Mおよび画像Iから切り離されて除去される部位に配置される。具体的には、ハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2は、いずれも、トンボ(見当合わせマーク)、裁ち代、およびラベルカス上げされる箇所などの外部に配置される。
【0066】
ハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2のサイズは、10mm×10mm以上であることが望ましいがこれに限定されない。本実施の形態では、ハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2は、いずれも15mm×15mmである。
【0067】
ハーフトーンパターンPIは、孤立ドットが合一せずに集合して形成されるパターンであるため、それぞれのドットにUV光が全方向から入射する。また、ハーフトーンパターンP1は、より硬化しやすいシアンまたはマゼンタのインクにより形成されている。そのため、ハーフトーンパターンP1は、第1UV照射部25からのUV光を受けたときに、より増粘しやすい。なお、ハーフトーンパターンP1の隠蔽率は、75%以下であればよいが、各ドットを十分に孤立させ、一方で濃度測定センサー30によるパターンの濃度測定の効率を高めるため、本実施形態では50%としている。
【0068】
ベタパターンP2は、ドットが合一してなるパターンであるため、インクにUV光は上面側からしか入射しない。また、ベタパターンP2は、より硬化しにくいブラックまたはイエローのインクにより形成されている。そのため、ハーフトーンパターンP1は、第1UV照射部25からのUV光を受けたときに、より増粘しやすい。
【0069】
ハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2は、記録媒体Mのうち、画像Iに対して同じ側(図5A参照)に配置されていてもよいし、異なる側(図5B参照)に配置されていてもよい。また、ハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2は、1つの画像Iごとに1組ずつ配置されていてもよいし複数の画像Iに対して1組配置されていてもよし、あるいは一つの画像Iに対してはハーフトーンパターンP1のみを配置し、別の画像Iに対してはベタパターンP2のみを配置してもよい。
【0070】
本実施形態では、制御部40は、図3で上述した通常の印刷ジョブの実行時に、随時、以下に説明する「転写効率測定モード」の処理を実行し、この処理において第1UV照射部25の出力(UV光量)の設定を変更した場合、変更後の設定値を同一の印刷ジョブのその後実行時、あるいはその後の印刷ジョブの実行時に適用して実行する。
【0071】
図6は、転写効率測定モードにおいて制御部40が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0072】
転写効率測定モードにおける工程S110において、制御部40は、図5で上述したハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2のデータをRAM42等から読み出して、かかるハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2を構成するように、各々のヘッドユニット10(インクジェットヘッド102)から転写ベルト20上に印字(インクを吐出)し、搬送ドラム24で記録媒体Pを搬送するように制御する。
【0073】
工程S120において、制御部40は、転写ベルト20上の各パターンが第1UV照射部25の位置に来るタイミングで第1UV照射部25からUVを照射する。これにより、各パターンのを構成するインクを増粘させる。同時に、制御部40は、記録媒体Pを転写ニップNPに搬送して各パターンを転写させる。記録媒体Pに転写された各パターンは、濃度測定センサー30の検知領域を通り、第2UV照射部26による本硬化の処理が行われる(工程S50参照)。
【0074】
工程S130において、制御部40は、濃度測定センサー30による検知信号に基づいて、記録媒体Pに転写された後のハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2のインク濃度をそれぞれ検出する。そして、制御部40は、画像データに含まれるハーフトーンパターンP1の濃度に対する、濃度測定センサー30が検知したハーフトーンパターンP1のインク濃度の割合を算出して、当該割合をハーフトーンパターンP1の転写率ηhとする。また、制御部40は、画像データに含まれるベタパターンP2の濃度に対する、濃度測定センサー30が検知したベタパターンP2のインク濃度の割合を算出して、当該割合をベタパターンP2の転写率ηbとする。
【0075】
次に、工程S140において、制御部40は、算出されたハーフトーンパターンP1の転写率ηhが所定の閾値以上であるか否かを判断する。本実施の形態では、ハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2の転写率の閾値は80%であり、制御部40は、転写率ηhが0.8(80%)以上であるかを判断する。
【0076】
次に、工程S150a、S150bにおいて、制御部40は、算出されたベタパターンの転写率ηbが所定の閾値以上であるか否かを判断する。本実施の形態では、ハーフトーンパターンP1およびベタパターンP2の転写率の閾値は80%であり、制御部40は、転写率ηbが0.8(80%)以上であるかを判断する。
【0077】
そして、転写率ηhおよび転写率ηbがいずれも0.8以上であるとき、工程S160aにおいて、制御部40は、第1UV照射部25から照射したUVのエネルギー量(光量)は適正であると判断する(図4における領域A)。そして、制御部40は、次回以降の画像形成においても、第1UV照射部25から照射するUVのエネルギー量(光量)を維持させる。また、制御部40は、当該画像データおよびUVのエネルギー量(光量)を、適正な画像形成の条件として記憶部44に記憶させる。
【0078】
一方で、転写率ηhが0.8以上であるが転写率ηbは0.8未満であるとき、工程S160bにおいて、制御部40は、第1UV照射部25から照射したUVのエネルギー量(光量)は不足していると判断する(図4における領域B)。そして、制御部40は、次回以降の画像形成において、第1UV照射部25から照射するUVのエネルギー量(光量)を増加させる。また、制御部40は、当該画像データおよびUVのエネルギー量(光量)を、増粘が不足する画像形成の条件として記憶部44に記憶させる。
【0079】
一方で、転写率ηhが0.8未満であって転写率ηbが0.8以上であるとき、工程S160cにおいて、制御部40は、第1UV照射部25から照射したUVのエネルギー量(光量)は過剰であると判断する(図4における領域C)。そして、制御部40は、次回以降の画像形成において、第1UV照射部25から照射するUVのエネルギー量(光量)を減少させる。また、制御部40は、当該画像データおよびUVのエネルギー量(光量)を、増粘が過剰な画像形成の条件として記憶部44に記憶させる。
【0080】
また、転写率ηhおよび転写率ηbがいずれも0.8未満であるとき、工程S160dにおいて、制御部40は、当該画像形成の条件は、もはや正常な画像形成ができない条件であるとして、エラー判定する。そして、制御部40は、装置の寿命または異常があるものとみなし、その旨および印刷ジョブでの印字される画質の悪化が想定されるため、サービスマン等によるメンテナンス作業を行うようにユーザーに促す表示を行う。
【0081】
表1は、ηhおよびηbが0.8以上であるか否かの組み合わせごとに、図4におけるいずれの領域に当てはまるかと、次回以降の画像形成においてUV光のエネルギー量をどのように変化させるかをまとめた表である。
【0082】
【表1】
【0083】
上述のような処理を行う本実施の形態によれば、転写率に影響を及ぼす種々の要因や誤差がある場合であっても、転写性向上液等を使用せずに転写率を高めるすることができる。したがって、本実施の形態の画像形成装置1によれば、低コストにて転写率を高めることができる。また、形成する画像はインクの付着量、濃度および隠蔽率などが異なる複数の小領域の組み合わせであることが通常であるが、本実施の形態によれば、上記複数の小領域のうちより多くの小領域において、転写率を高めることができる。
【0084】
また、上述した構成例では、濃度測定センサー30は、転写ニップNPを通過してインク像が転写された記録媒体P上のインク濃度を測定し、該測定結果から転写率を制御部40で推定ないし特定する構成としたが、濃度測定センサー30の配置はこれに限定されない。たとえば、濃度測定センサー30は、転写ニップNPの下流側における転写ベルト20の残インク濃度を測定し、該測定結果から転写率を制御部40で推定ないし特定する構成としてもよい。
【0085】
[第2の実施形態]
図7は、第2の実施形態に係る画像形成装置2の全体構成を概略的に示す模式図である。
【0086】
画像形成装置2は、転写ニップNPを通過した記録媒体Pにおける転写後のインク像を撮影し、かかる撮影データを制御部40に出力する画像センサー35を有する。たとえば、画像センサー35は、CMOS(Complementary MOS)センサーである。その他の構成は第1の実施形態に係る画像形成装置1と同様とし得るので、重複する説明は省略する。
【0087】
本発明者らの新たな知見によると、第1の実施形態により定められたUV光のエネルギー量が適正となる範囲においても、エネルギー量が低いときは、インクの濡れ性が高く転写率は高いものの、インクが転写圧によってつぶれてしまい、インクの広がりの度合(ドットの拡大率)が大きくなる場合がある。
【0088】
したがって、第1UV照射部25から照射するUV光のエネルギーをさらに適切に調整することにより、転写した後のインクの広がりの度合いをさらに調整し、形成される画像の画質をさらに高め、より高精細な画像を形成することが可能となる。
【0089】
そこで、本実施の形態では、制御部40は、転写ベルト20に吐出(担持)され転写ニップNPで押圧された(すなわち記録媒体M上に広げられた)後のインクにより形成されるパターンにおけるインクの広がりの度合いを画像センサー35の検知結果に基づいて推定(検出)する。図7に示す例では、画像センサー35により撮影される対象は、転写ニップNPによって押圧されて画像が転写された記録媒体M(第1の記録媒体)上のパターン(第2UV照射部26で本硬化が行われる前のパターン)である。そして、制御部40は、検出されたパターンについて検知されたインクのドット径と、画像データにおける同一のパターンについてのインクのドット径との比率を計算して、当該パターンにおけるインクの広がりの度合いを推定(検出)する。
【0090】
そして、本実施の形態では、制御部40は、濃度測定センサー30による検知結果(インクのドット径)に応じて、次に印字される記録媒体M(第2の記録媒体)に転写されるインクのドット径が閾値を超えないように、次に印字される記録媒体M(第2の記録媒体)に転写されるインクの粘度を調整する制御を行う。すなわち、制御部40は、次に印字される記録媒体M(第2の記録媒体)に転写されるインクの転写率が所定の基準を満たすように、記録媒体Mに転写される際のインクの広がり方に影響を与える制御パラメーターとして、第1UV照射部25の出力(UV光のエネルギー量)を制御する。
【0091】
なお、画像センサー35によりインクの広がりの度合いを検知するパターンは、孤立ドットを含んでなるパターンであればよく、たとえば実施形態1におけるより増粘しにくいパターン(ハーフトーンパターンP1)でもよいし、他のハーフトーンパターンを別途形成してもよい。本実施の形態でインクの広がりの度合いを検知するパターンは、実施形態1におけるハーフトーンパターンP1とは別に形成した、ブラックまたはイエローによるハーフドットパターンであることが好ましい。なお、実施形態1におけるベタパターンP2(より増粘しにくいパターン)に重ねて、本実施形態においてインクに広がりの度合いを検知するためのパターンを形成してもよい。インクに広がりの度合いを検知するためのパターンの隠蔽率は、75%以下であればよいが、各ドットを十分に孤立させ、一方で画像センサー35によるパターンのドット径測定の効率を高めるため、本実施形態では50%としている。
【0092】
図8に、第1UV照射部25によって転写前に照射されたUV光のエネルギー量と、画像センサー35および制御部40により推定(検出)された転写ニップNP通過後のパターンにおけるインクのドットの広がりの度合いとの関係をグラフ化して示す。図8の特性グラフにおいて、横軸は第1UV照射部25から転写ベルト20上のインクに照射されたUV光のエネルギー量であり、縦軸は、画像センサー35および制御部40により推定(検出)された転写ニップNP通過後の記録媒体M(用紙)上のパターンにおけるドット径の広がりの度合いである。また、一転二鎖線は、画像センサー35および制御部40により推定(検出)されたドットの広がりの度合いにおいて、転写率が基準値以下である否かの境界値ないし閾値としてのドットの広がりの値を示す。
【0093】
本実施の形態において、制御部40は、複数のパターンの転写率による画像形成の条件の判断(第1の実施形態、図5における工程S150aおよび工程S150b)を行い、さらに、画像センサー35および制御部40により推定(検出)されたドットの広がりの度合いを考慮して、次回以降の画像形成におけるUV光のエネルギー量を決定する。具体的には、本実施の形態において、制御部40は、画像データにおけるインクのドット径に対する、濃度測定センサー30が検知したインクのドット径の比率が120%(1.2)未満であるとき、インクの広がりの度合いは良好であると判断する。一方で、制御部40は、上記ドット径の比率が120%(1.2)以上であるとき、インクの広がりの度合いは不良であると判断し、第1UV照射部25の出力(UV光のエネルギー量)を増加させようとする。
【0094】
ただし、実施形態1で説明した、転写率に基づく判定において、UV光のエネルギー量を減少させるべきだと制御部40が判断するとき(図4における領域C、表1における状態3)、インクの広がりの度合いが不良であるとして第1UV照射部25の出力(UV光のエネルギー量)を増加させると、増粘しにくい画像の転写率がより低下してしまう。このようなときは、制御部40は、装置の寿命または異常があるものとみなし、その旨および印刷ジョブでの印字される画質の悪化が想定されるため、サービスマン等によるメンテナンス作業を行うようにユーザーに促す表示を行う。
【0095】
表2は、表1に示したηhおよびηbが0.8以上であるか否かのそれぞれの組み合わせについて、ドット径の比率に基づいて判定を加えたときに、次回以降の画像形成においてUV光のエネルギー量をどのように変化させるかをまとめた表である。
【0096】
【表2】
【0097】
表2に示すように、実施形態1における判定でUV光のエネルギー量をそのまま維持すべきと判定されたときでも、転写されたインクの広がりの度合いが大きいとき(ドット径比が1.2より大きいとき)は、制御部40は、次回以降の画像形成において、第1UV照射部25から照射するUVのエネルギー量(光量)を増加させる(状態1-2)。
【0098】
また、実施形態1における判定でUV光のエネルギー量をそのまま減少させるべきと判定されたときに、転写されたインクの広がりの度合いが大きいとき(ドット径比が1.2より大きいとき)は、第1UV照射部25から照射するUVのエネルギー量(光量)を増加させると転写率が低下してしまうので、制御部40は、エラー判定を行う(交代3-2)。
【0099】
上述のような処理を行う本実施の形態によれば、転写率を高め、かつインクのドットの過剰な広がりも抑制するすることができる。したがって、本実施の形態の画像形成装置2によれば、転写率を高めつつ、より高精細な画像を形成することができる。
【0100】
なお、上述した構成例では、シアンまたはマゼンタによる隠蔽率が50%であるハーフトーンパターンをより増粘しやすいパターンとし、ブラックまたはイエローによる隠蔽率が100%のベタパターンをより増粘しにくいパターンとしたが、複数のパターンの組み合わせはこれらに限定されない。たとえば、第1UV照射部25が照射するUV光の波長(本実施の形態では395nm)に対するエネルギー吸収率が50%以上であるパターンをより増粘しやすいパターンとし、上記UV光の波長に対するエネルギー吸収率が50%未満であるパターンをより増粘しにくいパターンとしてもよい。
【0101】
また、上述した構成例では、ブラックまたはイエローによるハーフドットパターンによりインクの広がりの度合いを検知するとしたが、当該パターンの色調はこれらに限定されない。このとき、画像を形成するときに使用するインクに含まれる色材が有する吸収波長帯域と一致する、または違い領域に吸収波長帯域を有する色材を含むインクにより当該パターンを形成することが好ましい。
【0102】
また、上述した構成例では、インクの広がりの度合を転写後のドット径から検知していたが、インクの広がりの度合いの検知方法はこれに限定されない。たとえば、転写後のインクの濃度を検出して、記録媒体Mに転写したインクの濃度がより高いときは、インクの広がりがより小さく、記録媒体に転写したインクの濃度がより低いときは、インクの広がりがより多い、と判断してもよい。
【0103】
[第3の実施形態]
第1の実施形態および第2の実施形態において、より増粘しやすいパターン、より増粘しにくいパターン、およびインクの広がりの度合いを検知するためのパターンをどのようなパターンとするかは、様々な方法で決定することができる。
【0104】
(画像データに基づいてのパターン決定方法)
画像データのうち、硬化しやすい色のインクからなる領域のうち最も濃度が低い領域のデータをもとに、当該領域よりも増粘しやすくなるように、より増粘しやすいパターンを形成してもよい。同様に、画像データのうち、硬化しにくい色のインクを含んで形成される領域のうち最も濃度が高くなる領域のデータをもとに、当該領域よりも増粘しにくくなるように、より増粘しにくいパターンを形成してもよい。
【0105】
たとえば、画像データのうち、シアンまたはマゼンタによる領域のうち最も濃度が低い領域に対し、さらに隠蔽率を10%低下させた画像を、より増粘しやすいパターンとすることができる。なお、画像データのうち、シアンによる隠蔽率10%のハーフトーンパターンが上記最も濃度の低い領域であるときのように、10%低下させると0%以下になってしまうときは、1%のハーフトーンパターンを形成すればよい。
【0106】
同様に、画像データのうち、イエローまたはブラックによる領域のうち最も濃度が高い領域に対し、さらにインク量を10質量%増加させた画像を、より増粘しにくいパターンとすることができる。具体的には、画像データのうち、イエローのベタ画像にブラックのライン画像が重ねられた領域を、上記最も濃度が高くなる領域であるとき、当該領域に対し、さらにイエローインクの付着量を10質量%増やした画像を、より増粘しにくいパターンとしてもよい。
【0107】
あるいは、画像データのうち、硬化しやすい色であるシアンまたはマゼンタによる領域の厚みに対し、当該領域へのインクの付着量以下の量のインクが付着してなるパターンを、より増粘しやすいパターンとしてもよい。同様に、画像データのうち、硬化しにくい色であるイエローまたはブラックによる領域の厚みに対し、当該領域へのインクの付着量以上の量のインク(たとえば当該領域のインクの厚みに対して150%以上の厚みとなる量のインク)が付着してなるパターンを、より増粘しにくいパターンとしてもよい。このとき、第1UV照射部25が照射するUV光が最初に入社する側(本実施の形態では転写ベルト20側)の、当該領域のインクの厚みに対して150%以上の厚みとなる領域は、上述したベタパターンなどの、より増粘しにくいパターンの特徴を有することが好ましい。
【0108】
また、上記付着量を増やしたイエローのベタ画像にブラックのライン画像を重ねたパターンにおいて、転写ローラー23に接触する上層であるブラックインクの領域を、インクの広がりの度合いを検知するためのパターン(たとえば隠蔽率が50%のハーフトーンパターン)としてもよい。これにより、転写率の検知とインクの広がりの度合いの検知とを、同一のパターンにより行うことができる。
【0109】
(固定値によるパターン決定方法)
あるいは、増粘しやすいパターン、増粘しにくいパターン、およびインクの広がりの度合いを検知するためのパターンを、画像データによらず固定されたパターンとしてもよい。
【0110】
このとき、第1UV照射部25が照射するUV光の波長(本実施の形態では395nm)に対するエネルギー吸収率が所定の閾値以上(たとえば50%以上)であるパターンをより増粘しやすいパターンとし、上記UV光の波長に対するエネルギー吸収率が所定の閾値未満(たとえば50%未満)であるパターンをより増粘しにくいパターンとしてもよい。
【0111】
または、硬化しやすい色であるシアンまたはマゼンタによる隠蔽率が所定の値(たとえば50%)のハーフトーンパターンをより増粘しやすいパターンとし、硬化しにくい色であるイエローまたはブラックによる隠蔽率が所定の値(たとえば150%)のベタパターンをより増粘しにくいパターンとしておよい。
【0112】
なお、このときも、より増粘しにくいパターンにインクの広がりの度合いを検知するためのパターンを重ねて配置してもよい。たとえば、より増粘しにくいパターンである、イエローによる隠蔽率が100%のベタパターンに対し、転写ローラー23に接触する上層に、インクの広がりの度合いを検知するためのパターンである、ブラックによる隠蔽率が50%のハーフトーンパターンを形成してもよい。
【0113】
[第4の実施形態]
図9Aおよび図9Bは、第1UV照射部25が複数の照射ユニットを組み合わせてなる画像形成装置における、記録媒体Mに各パターンを配置する位置の例を示す概念図である。図9Aは、3つの照射ユニットを組み合わせてなる第1UV照射部25によりインクを増粘するときの、連帳紙に各パターンを配置するときの例であり、図9Bは、4つの照射ユニットを組み合わせてなる第1UV照射部25によりインクを増粘するときの、カット紙に各パターンを配置するときの例である。
【0114】
本実施形態においては、制御部40は、図9Aおよび図9Bにしめすように、記録媒体Mのうち、それぞれの照射ユニットに対応する位置に、増粘しやすいパターン、増粘しにくいパターン、およびインクの広がりの度合いを検知するためのパターンを形成すればよい。このときも、それぞれのパターンはいずれも、記録媒体Mうち、形成すべき画像Iとは異なる領域であり、商品化に際して記録媒体Mおよび画像Iから切り離される位置に配置されることが望ましい。
【0115】
上述のようにパターンを形成する本実施の形態によれば、第1UV照射部25が複数の照射ユニットを組み合わせてなるときも、それぞれの照射ユニットにおけるUV光のエネルギー量を独立して最適化することができる。
【0116】
[その他の実施形態]
なお、上記各実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、上記実施形態によって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならない。本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0117】
たとえば、上記各実施形態では、インクジェット法で中間転写体にインクを付与する画像形成装置について説明をしたが、インクの付与方法はインクジェット法に限られず、ロールコータ-やバーコーターなどを用いる他の方法であってもよい。
【0118】
また、第1UV照射部および第2UV照射部は、UV光以外の他の活性線(たとえば電子線)の照射によってインクを増粘してもよい。
【0119】
あるいは、転写ベルト20への加熱量を変えることによって粘度が変わる性質のインクを用いてもよい。
【0120】
たとえば、常温でゲル状であり加熱されることによりゾル状となるインクの場合、加熱するに従って粘度が低くなる。この場合、画像形成装置は、第1UV照射部の代わりには、ヒーターやハロゲンランプなどの加熱源を備える構成とすればよい。
【0121】
一方、溶媒として水を含むインクを使用する場合、加熱するに従って水が蒸発して粘度が高くなる。この場合、画像形成装置は、第1UV照射部および第2UV照射部の代わりに、上記の加熱源や、当該インク中の水を蒸発させるための気流(風)を発生するエアナイフなどの、送風温度を調節することでインク像の転写特性を制御できるものを備える構成とすればよい。また、インク中の水を含む溶剤を除去する等できるものであれば、上記の構成に限らない。たとえば、多孔質体をインク像に接触させて水を含む溶剤を吸収する部材や、水を含む溶剤を絞りとるスキージブレード・ローラーなどを、インクにおける溶媒の含有率を低下させてインクを増粘させる。増粘除去部として用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本発明は、中間転写体を用いてインクによる画像を形成する画像形成装置として好適である。
【符号の説明】
【0123】
1 画像形成装置
5 外部装置
10 ヘッドユニット
20 転写ベルト
21,22 従動ローラー
23 転写ローラー
24 搬送ドラム
25 第1UV照射部(粘度調整部)
26 第2UV照射部
27 クリーニング部
30 濃度測定センサー
35 画像センサー
40 制御部
41 CPU
42 RAM
43 ROM
44 記憶部
51 搬送駆動部
52 入出力インターフェース
101 ヘッド駆動部
102 インクジェットヘッド
I 画像
NP 転写ニップ
M 記録媒体
P1 ハーフトーンパターン
P2 ベタパターン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9