(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】振り出し容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/04 20060101AFI20240514BHJP
【FI】
B65D83/04 H
(21)【出願番号】P 2020102982
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100169063
【氏名又は名称】鈴木 洋平
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 剛史
(72)【発明者】
【氏名】浦川 直也
(72)【発明者】
【氏名】川▲崎▼ 実
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-521284(JP,A)
【文献】特開2014-144613(JP,A)
【文献】特開2012-136282(JP,A)
【文献】実開平01-063616(JP,U)
【文献】実開昭61-083511(JP,U)
【文献】特開2005-053554(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0194128(US,A1)
【文献】仏国特許出願公開第02365998(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/00-83/04
B65D 1/28
B65D 5/72
B65D 43/16
A61J 1/03-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙を基材とし、少なくとも内面に接着層を有する積層シートから形成され、
それぞれ周縁に縁部を有する容器本体と、中蓋部と、上蓋部と、からなり、
容器本体の縁部一端に中蓋部に連結する第一連結部と、該中蓋部との連結部と干渉しない容器本体の他端部で上蓋部に連結する第二連結部と、を有し、
前記第一連結部と第二連結部とに、回動可能なヒンジ部を有し、
該ヒンジ部を軸に回動して、容器本体縁部に中蓋部縁部が当接して周縁を接着し、該上蓋部で、中蓋部外面を覆い被すことを可能とし、
中蓋部は、内容物取り出し用の開口孔を有することを特徴とする振り出し容器。
【請求項2】
前記上蓋部は、第二連結部に対向する位置の縁部にタンパーエビデンス用タブを有し、容器本体は、前記上蓋部当接時に重ね可能な位置に
タンパーエビデンス用タブを有し、
該上蓋部と容器本体のタンパーエビデンス用タブ同士は、接着し、該タンパーエビデンス用タブの根元に、切り裂き可能な脆弱線を設けたことを特徴とする請求項1に記載の振り出し容器。
【請求項3】
タンパーエビデンス用タブには吊り下げ用の孔を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の振り出し容器。
【請求項4】
容器本体と、中蓋部と、上蓋部とが、縁部内周から60度未満の傾斜角度で成形したことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の振り出し容器。
【請求項5】
前記上蓋部のうち前記第二連結部に対応する位置の縁部には、掛止用切り込み部を有する掛止タブが設けられている、請求項1~4のいずれかに記載の振り出し容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙を基材とし、粒体、錠体等を収納し、軽量で廃棄し易い振り出し用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
粒体、錠体等を収納し、容易に内容物を振り出して取り出しやすい容器は、射出成形やブロー成形によって製造され、肉厚で強度のある容器が用いられて来た。
容器が肉厚であれば、強度は高いが、石油資源がより多く使用され、人間・社会・地球環境の持続可能な発展であるサステナビリティに悪い、負の要素が高いという問題があった。
【0003】
例えば、特許文献1には、
平面形状が円形の平坦な容器に、平面形状が円形の平坦な蓋体を回動可能として嵌め込み、前記容器の底板と前記蓋体の天板の間に多数個の錠剤の収容空間を形成した錠剤用容器において、
前記容器の周壁の近辺に案内壁を形成して複数個の錠剤が入り込む領域を、前記容器の底板に設けたものとすると共に、前記領域における容器の底板に複数の取出し孔を形成し、さらにこれら取出し孔を下方から閉鎖したり開放したりする開閉体を取り付けたものとし、
前記蓋体の周壁の近辺にこの蓋体の回動操作によって、前記容器の案内壁に重なるようにした案内壁を形成したことを特徴とする錠剤用容器を提案している。
【0004】
このような容器は、射出成形金型を起こし、射出成形で製造するので、初期費用が多大に掛かり、かつ、薄くとも0.6~1.5mm程の肉厚になり、プラスチックの使用重量が多く、サステナビリティに悪い容器になってしまうなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、初期費用があまり掛からず、生産性が高くて安価で、かつ、プラスチックの使用重量が少ない振り出し容器を得ることが本発明の課題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、紙を基材とし、少なくとも内面に接着層を有する積層シートから形成され、それぞれ周縁に縁部を有する容器本体と、中蓋部と、上蓋部と、からなり、
容器本体の縁部一端に中蓋部に連結する第一連結部と、該中蓋部との連結部と干渉しない容器本体の他端部で上蓋部に連結する第二連結部と、を有し、
前記第一連結部と第二連結部とに、回動可能なヒンジ部を有し、
該ヒンジ部を軸に回動して、容器本体縁部に中蓋部縁部が当接して周縁を接着し、該上蓋部で、中蓋部外面を覆い被すことを可能とし、
中蓋部は、内容物取り出し用の開口孔を有することを特徴とする振り出し容器である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の振り出し容器は、紙を基材とし、少なくとも内面にシーラント層を有する積層
シートを使用し、安価なプレス金型等で生産できるので、初期費用が低く、かつ、生産性が高く、かつ、紙を使用しているので、人間・社会・地球環境の持続可能な発展であるサステナビリティが高い容器となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第一実施形態例における振り出し容器の展開図と、その縦断面図、および、それを組み立てる工程を示す図である。
【
図2】本発明の第一実施形態例で、その振り出し容器を組み立てた状態を示す平面図と、その
タンパーエビデンス用タブを切り取って開封し、上蓋を開け、開口した状態を示す平面図、およびその縦断面図である。
【
図3】本発明の振り出し容器を形成する積層シートの実施形態例で、その構成例を示す図である。
【
図4】本発明の振り出し容器の第二実施形態例を示す展開図と、それを組み立てた容器の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の振り出し容器について、詳細に説明する。
図1-1は、本発明の第一実施形態例における振り出し容器の展開図である。
本発明の振り出し容器1は、紙を基材とし、少なくとも内面に接着層を有する積層シートから形成されている。
接着層としては、糊、ホットメルト接着剤、シーラント樹脂層などが考えられる。特に接着層に熱可塑性樹脂のシーラント樹脂層を使用すると、成形が容易で、安定して製造できるので好ましい。
【0011】
展開図の中央は、容器本体2で、周縁に縁部5を有し、縁部5から中央に行くに従って下方に傾斜する斜面となって凹部を形成し、その凹部は内容物を収納する下収納部21となっている。
【0012】
容器本体2の左側は中蓋部3で、容器本体2と同じように、周縁に縁部5を有し、縁部5から中央に行くに従って下方に傾斜する斜面となって凹部を形成し、その凹部は内容物を収納する上収納部31となっている。上収納部31には、内容物を振り出し可能な開口孔32を有している。
【0013】
容器本体2の右側は上蓋部4で、容器本体2と同じように、周縁に縁部5を有し、縁部5から中央に行くに従って下方に傾斜する斜面となって凹部を形成し、その凹部は組み上げた時に中蓋部3を覆って、開口孔32を塞ぎ、容器から内容物がこぼれたり、異物が混入したりするなどを防止できるようになっている。
【0014】
上記容器本体2と中蓋部3とは、それぞれの縁部5一端が、第一連結部51によって連結している。第一連結部51は、縁部5の一端を伸ばした形状に形成し、かつ、連結部中央を回動可能に加工したヒンジ部53を有している。
回動可能なヒンジ部53は、部分拡大図で示すように押圧して薄肉化したり、半抜きとしたり、ミシン目形状に刃を入れたりするなどして、ヒンジ部53を軸に回動し易くした部分である。
同じように、容器本体2と上蓋部4とは、それぞれの縁部5一端が、第二連結部52によって連結している。第二連結部52も、縁部5の一端を伸ばした形状に形成し、かつ、連結部中央を回動可能に加工したヒンジ部53を有している。
容器本体2に設けられた上記第一連結部51の一端は、第二連結部52の他端とは、干渉しない位置に設ける。
図1では180度向きが異なった実施形態例である。
【0015】
さらに、第一実施形態例では、容器本体2と上蓋部4それぞれに、タンパーエビデンス用タブ54を設けた。タンパーエビデンス用タブ54は、容器本体2と上蓋部4のタブを接着することで、容器本体2と上蓋部4が接着していれば、容器の未開封である事を担保することができる。
タンパーエビデンス用タブ54は、設けなくても良いが、上蓋が未開封であれば、安心して内容物を食すことが確認できるよう、又、不用意に開いてしまわないように、設けておくと良い。
タンパーエビデンス用タブ54を設ける時には、容器本体2と上蓋部4とが、第二連結部52のヒンジ部53を軸に回動した時に、上記容器本体2と上蓋部4との二つのタンパーエビデンス用タブ54が、互いに重なり合う位置に設けておく。そして、内容物を充填して密封する時には、これら二つのタンパーエビデンス用タブ54同士の先端側を融着しておく。
さらに、タンパーエビデンス用タブ54は、展示可能とする吊るし孔541を中央に有し、かつ、上記融着部より容器側の縁部5との境界近傍根元に脆弱線542を有している。
【0016】
図1-1に示すように、上蓋部4の第二連結部52に対向する位置の縁部へ、掛止用切り込み部61を有する掛止タブ6を設けることが好ましい。
掛止用切り込み部61は、舌状に切り込まれた形状を有し、第二連結部52が折り曲げられたヒンジ部53の折り曲げ端部に、その舌状先端で掛止可能とした掛止部となる。
【0017】
図1-2は、振り出し容器を組み立てる前の展開した状態における第一実施形態例の縦断面図である。
本発明の振り出し容器は、紙を基材とした容器であるが、使用する紙は、縦方向、横方向にも伸びやすい紙を使用した積層シートによって製造する。
【0018】
図3-1に本発明の振り出し容器に用いる積層シート10の構成例を断面図で示した。基材層11とする紙を外側にし、最内層をシーラント層12としている。
さらに、シーラント層12の外側にバリア層13を設け、バリア層13と基材層11とを接着する接着剤あるいは接着層14で積層している。
プレスで加圧された時に破損しないように、基材層11に使用する紙は坪量が100g/m
2~300g/m
2の紙を使用する。100g/m
2未満の紙では、成形時に破れが生じ易く、シワも発生し易い。また、300g/m
2以上の紙では、熱が内部まで伝わりにくいので、量産しにくい問題が生じる。
さらに、坪量と共に、成形時に破れないように、紙の流れ方向、幅方向、共に10パーセント程度の伸びを有する紙が良い。
【0019】
内容物が触れる最内層の接着層12は、容器本体2と中蓋部3とを向かい合わせて、それらの縁部5同士を融着する為に設けられている。また、内容物と直接接するので、内容物を保護し易い素材が好ましい。そこで、接着層12としては、糊、ホットメルト接着剤なども使用できるが、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン・アクリレート共重合体などの融着性のある熱可塑性樹脂も使用できる。また、生分解性プラスチックを用いても良い。
【0020】
さらに、内容物を長期に保存できるように、バリア層13を基材層11とバリア層12との間に設けても良い。バリア層13としては、エチレン酢酸ビニル共重合体鹸化物層やポリエチレンテレフタレート樹脂層、ポリアミド樹脂層などが使用できる。これらのバリア層をポリエチレンフィルムでサンドイッチした層であっても良い。
バリア層を設ける場合には、基材層11との間に溶融ポリエチレンをエクストラミネーション機で製膜しながら貼り合わすことが好ましい。
【0021】
本発明の振り出し容器1の成形は、プレス成形で製造できる。しかし、プレス成形以外、圧空成形や真空圧空成形、熱板圧空成形であっても製造することができる。
このような、本発明の振り出し容器1の成形では、成形用の金型を使用し、積層シート10を金型に沿って変形させて、
図1-2に示すような断面形状を作る。
縁部5と凹部中央は、ほぼ水平であるが、基材の紙の坪量を的確な範囲で選定していても、断面の形状によって大きな変形を掛けると積層シートが破損してしまう恐れがある。
そこで、積層シートを破損しないように成形するには、さらに、容器本体2と、中蓋部3と、上蓋部4とが、縁部5の内周から60度未満の傾斜角度に設定した形状で、金型を作成し、成形する。
上記傾斜角度は、60度未満であれば成形可能であるが、基材の紙の強度を安定して保つには、50度未満が好ましい。さらに、好ましくは、特定の紙質にこだわらずに、高速で生産するには、40度未満が好ましい。
すなわち、縁部5内側端部から傾斜する角度を60度以上にした場合には、基材の紙が切れる恐れがある。
傾斜部分の傾斜角度は最大で60度未満の一定の傾斜であってもかまわないが、最大で60度未満であれば、傾斜角度を変化させて、球状のような斜面であってもかまわない。
【0022】
また、バリア層が均一に伸ばされて、きれいな層になるようにするには、金型を融点よりも低いが、ガラス転移点よりも充分に高い温度に昇温して成形することが好ましい。一般的には、120℃前後に金型温度を昇温してプレス成形すると良い。
各容器部分の断面形状は、中央の容器本体2の形状と、左の中蓋部3の形状とは、深さ方向で異なる形状であっても良い。ただ、右の上蓋部4の形状は、左の中蓋部3を一部、あるいは全体を覆うことになるので、中蓋部3よりも一回り大きな(深い)形状とする必要がある。
ブランクホルダー付きの金型を使用し、容器となる周囲を押さえた状態で、収納部になる部分にコアが挿入して、積層シートを伸ばすことによって、深絞りのような形状に成形されることが好ましい。
【0023】
図1-3は、容器本体2と中蓋部3とを合わせて融着し、内容物を収納する収納部を形成する工程を示す図である。
左の中蓋部3を第一連結部51のヒンジ部53を軸に180度回動させ、折り畳む。この工程で、中蓋部3の縁部5を、容器本体2の縁部5に当接させ、これらの縁部5同士を融着させる。
融着するには、通常のヒートシールバーを当てても良いし、超音波融着機のホーンを当てても良い。円形の縁部が一部繋がらないが、インパルスヒーターであってもかまわない。
【0024】
図1-4は、中蓋部3を容器本体2に融着した状態の容器に、上蓋部4を被せる工程で、第二連結部52のヒンジ部53を軸に回動させ、中蓋部3の上に、上蓋部4が覆い被す。
この時、第二連結部52に対向する位置の縁部にある掛止タブ6が、第一連結部51に近接する。ここで、掛止用切り込み部61に沿って掛止タブ6の舌状部62を下方に押し曲げて、上記第二連結部に掛止させ、上蓋部4が中蓋部3を覆った状態で保持可能とすることができる。
さらに、この図では記載されないが、
図2-1に示すように、上蓋部4の
タンパーエビデンス用タブ54が、容器本体2の
タンパーエビデンス用タブ54に重なる。内容物を充填後、それら重ねた
タンパーエビデンス用タブ54同士を熱接着、あるいは超音波融着して、このタブが残っていれば未開封である証明になり、
タンパーエビデンス機能が得られる。
なお、この時、上蓋部4は、中蓋部3の上に、覆い被さるが、開口孔32などの一部を覆っただけの上蓋部4であってもかまわないし、図のように全面を覆ったものでもかまわない。
【0025】
図2-1は、本発明の第一実施形態例における振り出し容器1で、内容物を梱包した状態を示す平面図である。
平面図に描かれている面は、上蓋部4が覆い被さっている。
ここで、左中央では、掛止タブ6の舌状部62が、中蓋部3と容器本体2とを繋ぐ第一連結部51が180度折り曲げられたヒンジ部53に掛止している。
さらに、左斜め上方には、上蓋部4と容器本体2の二つの
タンパーエビデンス用タブ54が重なって融着されている。
タンパーエビデンス用タブ54には吊るし孔541があって、商品を販売する時に、吊るして展示可能としている。
又、
タンパーエビデンス用タブ54の根元には、ミシン目や半抜きなどからなる脆弱線542が施されてあって、強く引けば、該脆弱線542部分で引き裂かれ、融着した
タンパーエビデンス用タブ54を振り出し容器1から、切り離す事ができるようになっている。
【0026】
図2-2は、本発明の第一実施形態例における振り出し容器1を開封して、内容物を取り出す工程を示す図で、図イはその平面図、図ロはその縦断面図である。
振り出し容器1を開封するには、まず、
タンパーエビデンス用タブ54を、脆弱線542を利用し、容器から強く引き裂いて、融着した
タンパーエビデンス用タブ54を振り出し容器1から引き離す。
すると、上蓋部4が掛止しているのは、変形しやすい掛止タブ6の舌状部62だけなので、掛止タブ6を上方に引き上げると、容易に上蓋部4は中蓋部3から離れ、中蓋部3が全面に現れる。
中蓋部3には、開口孔32があり、振り出し容器1を傾けると、内容物7を開口孔32から、容易に振り出すことができる。
【0027】
図4は、本発明の第二実施形態例における振り出し容器1で、
図4-1は、その展開図である。
第二実施形態例における振り出し容器1は、第一実施形態例に対し、第一連結部51の位置がずれ、容器本体2、上蓋部4に対して、直線状に中蓋部3が配置されていない。
【0028】
図4-2は、本発明の第二実施形態例における振り出し容器1を組み立てた状態を示す平面図である。
容器本体2、上蓋部4に対して、直線状に中蓋部3が配置されていなかったので、掛止タブ6の舌状部62は、第一連結部51に掛止していない。しかし、容器本体2の縁部5に掛止しているので、やや掛止する長さが少ないが、掛止可能となっている。
【0029】
本発明の振り出し容器は、以上のようなもので、容器は積層シートプレス金型内に挿入し、プレスし、それを取り出した後、容器本体の縁部と中蓋部の縁部とを融着させるだけでも製造できるので、高速で製造できると共に、軽く、安価で、大量に製造可能である。また、廃棄する時も、基材が紙である事から、容易に償却可能である。
その上、基材が紙なので、容器全体が柔らかく、内容物が輸送時など、振動でつぶれたり、カチカチ音がしたりすることがなく、内容物にとって優しい包装容器になっている。
さらに、タンパーエビデンス用タブがあるので、開封した場合に、容易にその確認ができるなど、安全上の配慮も高く、本発明のメリットは大きい。
【符号の説明】
【0030】
1・・・・・・・・振り出し容器
10・・・・・・・積層シート
11・・・・・・・基材層
12・・・・・・・接着層
13・・・・・・・バリア層
14・・・・・・・接着層
2・・・・・・・・容器本体
21・・・・・・・下収納部
3・・・・・・・・中蓋部
31・・・・・・・上収納部
32・・・・・・・開口孔
4・・・・・・・・上蓋部
5・・・・・・・・縁部
51・・・・・・・第一連結部
52・・・・・・・第二連結部
53・・・・・・・ヒンジ部
54・・・・・・・タンパーエビデンス用タブ
541・・・・・・吊るし孔
542・・・・・・脆弱線
6・・・・・・・・掛止タブ
61・・・・・・・吊るし孔
62・・・・・・・舌状部
7・・・・・・・・内容物