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特許7487584放射線画像撮影装置、撮影制御装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-13
(45)【発行日】2024-05-21
(54)【発明の名称】放射線画像撮影装置、撮影制御装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20240101AFI20240514BHJP
   A61B 6/42 20240101ALI20240514BHJP
【FI】
A61B6/00 520Z
A61B6/42 500S
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020112237
(22)【出願日】2020-06-30
(65)【公開番号】P2022011239
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】漆山 翔
(72)【発明者】
【氏名】金森 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】小枝 敬輔
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】三宅 信之
【審査官】亀澤 智博
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-126709(JP,A)
【文献】特開2011-115368(JP,A)
【文献】特開2015-115868(JP,A)
【文献】特開2011-193306(JP,A)
【文献】特開2012-019410(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
G01T 1/00 - 7/12
H04N 5/30 - 5/325
H04N 25/00 -25/79
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子を有し、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段の動作を制御する画像生成制御手段と、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、
を備え、
前記画像生成制御手段は、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで、前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記画像生成手段の動作を制御することを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記本撮影時の曝射線量は、前記総線量算出手段が算出した前記総曝射線量から前記プレ撮影時の曝射線量を差し引いた線量であることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記画像生成制御手段は、前記プレ撮影における電荷蓄積時間を前記本撮影における電荷蓄積時間よりも短くするように前記画像生成手段の動作を制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子を有し、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段の動作を制御する画像生成制御手段と、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
を備え、
前記画像生成手段は、前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより本画像データを生成し、
前記画像生成制御手段は、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔より短くすることで、少なくとも前記本撮影における電荷読み出し時間に対して、前記プレ撮影における電荷読み出し時間を短くするように前記画像生成手段の動作を制御することを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項5】
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより放射線画像撮影装置が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記放射線画像撮影装置が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、
前記前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記放射線画像撮影装置の動作を制御する画像生成制御手段と、
を備えることを特徴とする撮影制御装置。
【請求項6】
画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子を備え、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成する画像生成手段を有する放射線画像撮影装置と、撮影制御装置と、前記放射線画像撮影装置に向けて放射線を照射する放射線照射装置と、を備える放射線画像撮影システムであり、
前記画像生成手段の動作を制御する画像生成制御手段と、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、前記放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、
を備え、
前記画像生成制御手段は、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記画像生成手段の動作を制御することを特徴とする放射線画像撮影システム。
【請求項7】
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより画像生成手段にてプレ画像データを生成するプレ画像生成工程と、
前記プレ画像生成工程において生成された前記プレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出工程と、
前記総線量算出工程において算出された総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力させる線量出力設定工程と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより本画像データを生成する本画像生成工程と、
前記本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成工程と、
を含み、
前記プレ画像生成工程では、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くすることを特徴とする放射線画像撮影方法。
【請求項8】
コンピューターに、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出機能と、
前記総線量算出機能により算出された総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力させる線量出力設定機能と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成機能と、
前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記画像生成手段を動作させる画像生成制御機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置、撮影制御装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
照射された放射線の線量に応じて放射線検出素子で電荷を発生させ、発生した電荷を画像データとして読み出す放射線画像撮影装置が種々開発されている。
こうした放射線画像撮影装置によって画像診断に用いることのできる画像(診断画像)を生成するためには、適切な曝射線量で露光が行われる必要がある。
【0003】
そこで従来、本撮影を行う前に低い曝射線量でプレ撮影を行い、プレ撮影によって得られた画像データから診断画像を得るのに必要な曝射線量を算出する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
このうち、特許文献1には、プレ撮影と本撮影とを行った後、両撮影によって得られた画像を合成して診断画像を生成する技術が開示されている。
しかし、撮影画像にぶれを生じないようにするためには、被写体である患者には本撮影が行われるまで静止していてもらう必要がある。人が長時間静止していることは難しいため、プレ撮影と本撮影とを行う場合には、できるだけプレ撮影の時間を短くすることが望まれる。
【0004】
この点、特許文献2には、プレ撮影によって得られるプレ画像の解像度を低くすることで、本撮影よりもプレ撮影に要する時間を短縮させる技術が開示されている。
特許文献2に記載の技術では、プレ画像を本撮影に必要な線量計算のために用いるのみで、破棄してしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-126709号公報
【文献】特許第4746808号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に記載の手法では、プレ画像を得るために曝射した線量は無駄となり、プレ画像に基づいて算出された、診断画像を得るのに必要な総曝射線量の100%を本撮影において曝射することとなる。
このため、その分患者の被ばく量が多くなってしまうという問題がある。
【0007】
患者の被ばく量を抑えるためには、特許文献1に記載されているように、プレ撮影と本撮影とを行った後、プレ画像も破棄せずに本画像と足し合わせて診断画像を生成することが好ましい。
この場合、本撮影の曝射線量は、総曝射線量からプレ撮影における曝射線量を差し引いたもので足り、本撮影の曝射線量が総曝射線量よりも少なくて済む。
【0008】
しかし、プレ画像と本画像とを合成する場合には、できるだけ両画像の解像度を揃えなければ、画像同士を合成したときに画質に影響が生じてしまい、高画質の診断画像を得ることができないという問題がある。
【0009】
本発明の課題は、プレ画像の解像度をできる限り維持しつつ、プレ撮影の時間をできるだけ短縮することが可能な放射線画像撮影装置、撮影制御装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の放射線画像撮影装置は、
画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子を有し、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段の動作を制御する画像生成制御手段と、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、
を備え、
前記画像生成制御手段は、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで、前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記画像生成手段の動作を制御することを特徴とする。
【0011】
また、請求項に記載の放射線画像撮影装置は、
画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子を有し、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段の動作を制御する画像生成制御手段と、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
を備え、
前記画像生成手段は、前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより本画像データを生成し、
前記画像生成制御手段は、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔より短くすることで、少なくとも前記本撮影における電荷読み出し時間に対して、前記プレ撮影における電荷読み出し時間を短くするように前記画像生成手段の動作を制御することを特徴とする。
【0012】
また、請求項に記載の撮影制御装置は、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより放射線画像撮影装置が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記放射線画像撮影装置が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、
前記前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記放射線画像撮影装置の動作を制御する画像生成制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項に記載の放射線画像撮影システムは、
画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子を備え、前記複数の放射線検出素子がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成する画像生成手段を有する放射線画像撮影装置と、撮影制御装置と、前記放射線画像撮影装置に向けて放射線を照射する放射線照射装置と、を備える放射線画像撮影システムであり、
前記画像生成手段の動作を制御する画像生成制御手段と、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段と、
前記総線量算出手段が算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、前記放射線照射装置に出力することが可能な線量出力設定手段と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成手段と、
を備え、
前記画像生成制御手段は、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記画像生成手段の動作を制御することを特徴とする。
【0014】
また、請求項に記載の放射線画像撮影方法は、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより画像生成手段にてプレ画像データを生成するプレ画像生成工程と、
前記プレ画像生成工程において生成された前記プレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出工程と、
前記総線量算出工程において算出された総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力させる線量出力設定工程と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより本画像データを生成する本画像生成工程と、
前記本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成工程と、
を含み、
前記プレ画像生成工程では、前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くすることを特徴とする。
【0015】
また、請求項に記載のプログラムは、
コンピューターに、
被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより画像生成手段が生成したプレ画像データに基づいて、診断に供するための診断用画像データを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出機能と、
前記総線量算出機能により算出された総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置に出力させる線量出力設定機能と、
前記被写体に対し、前記本撮影時の曝射線量にて前記本撮影を行うことにより前記画像生成手段が生成した本画像データに前記プレ画像データを合成して、前記診断用画像データを生成する画像合成機能と、
前記プレ撮影におけるCDSの読出し間隔を前記本撮影におけるCDSの読出し間隔よりも短くすることで前記プレ撮影における電荷読み出し時間を前記本撮影における電荷読み出し時間よりも短くするように前記画像生成手段を動作させる画像生成制御機能と、
を実現させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プレ画像の解像度をできる限り維持しつつ、プレ撮影の時間をできるだけ短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態における放射線画像撮影システムの全体構成を模式的に示す要部ブロック図である。
図2】放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。
図3】放射線画像撮影システムを構成するコンソールの要部構成を示す要部ブロック図である。
図4】本実施形態における放射線画像撮影方法を示すフローチャートである。
図5】本実施形態における撮影シーケンスを模式的に示す説明図である。
図6】(a)は、プレ撮影と本撮影の時間を模式的に示した説明図であり、(b)は、プレ撮影と本撮影との電荷蓄積時間及び電荷読出し時間の違いを模式的に示した説明図である。
図7】プレ撮影で取得されるプレ画像の元データと本画像データとの合成用のプレ画像データとの関係を模式的に示した図である。
図8】プレ画像データと本画像データとを合成することで診断用画像が生成されることを模式的に示す説明図である。
図9】(a)は、プレ撮影におけるCDS間隔を説明するタイミングチャートであり、(b)は、本撮影におけるCDS間隔を説明するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1から図9(a)、図9(b)を参照して、本発明にかかる放射線画像撮影装置、撮影制御装置、放射線画像撮影システム、放射線画像撮影方法及びプログラムの一実施形態について説明する。
ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0019】
[放射線画像撮影システムの全体構成]
初めに、本実施形態に係る放射線画像撮影システム100の概略構成について説明する。図1は放射線画像撮影システム100の全体構成を模式的に示す要部構成図である。
【0020】
本実施形態の放射線画像撮影システム100は、図1に示すように、放射線画像撮影装置1の他、放射線照射装置5と、コンソール7と、を備えている。
放射線画像撮影装置1とコンソール7とは、各種の通信ネットワークを介した無線方式、又は有線方式にて互いに通信可能となっている。
本実施形態では、放射線画像(以下において「撮影画像」ともいう。)の取得から、この撮影画像に対する補正までを、放射線画像撮影装置1単体で行うことができる場合の例について説明する。
【0021】
なお、放射線画像撮影システム100は、図示しない病院情報システム(Hospital Information System:HIS)や、放射線科情報システム(Radiology Information System:RIS)、画像保存通信システム(Picture Archiving and Communication System:PACS)、画像解析装置等と接続することが可能となっていてもよい。
【0022】
〔放射線照射装置〕
また、放射線照射装置5は、ジェネレーター51、曝射スイッチ52、放射線源53を備えて構成されている。
放射線照射装置5は、コンソール7と各種の通信ネットワークを介した無線方式、又は有線方式にて互いに通信可能に接続されている。
【0023】
ジェネレーター51は、曝射スイッチ52が操作されたことに基づいて、予め設定された放射線曝射条件(管電圧や管電流、照射時間(mAs値)等)に応じた電圧を放射線源53に印加することが可能に構成されている。
放射線源53(管球)は、図示しない回転陽極やフィラメント等を有している。そして、ジェネレーター51から電圧が印加されると、フィラメントが印加された電圧に応じた電子ビームを回転陽極に向けて照射し、回転陽極が電子ビームの強度に応じた線量の放射線X(X線等)を発生させるようになっている。
【0024】
なお、図1では、放射線照射装置5を構成する各部(すなわち、ジェネレーター51、曝射スイッチ52、放射線源53)が別々に分かれたものを例示したが、これらは一体となっていてもよい。
また、図1には、曝射スイッチ52がジェネレーター51に接続されたものを例示したが、曝射スイッチ52は他の装置(例えば図示しない操作卓)に備えられていてもよい。
また、放射線照射装置5は、撮影室内に据え付けられたものであってもよいし、回診車等に組み込むことで移動可能に構成されたもの等、ポータブルタイプであってもよい。
【0025】
〔コンソール〕
コンソール7は、例えばPCや各種の携帯端末、あるいは専用の装置等で構成されており、他のシステム(HISやRIS等)から取得した撮影オーダー情報やユーザーによる操作に基づいて、各種撮影条件や撮影対象部位等を設定することが可能となっている。
コンソール7は、放射線照射装置5や放射線画像撮影装置1と各種の通信ネットワークを介した無線方式、又は有線方式にて互いに通信可能に接続されており、各種撮影条件等を放射線照射装置5や放射線画像撮影装置1に設定したり、放射線画像撮影装置1で生成される画像に所定の画像処理を施したりする。
【0026】
図2は、コンソール7の要部構成を示す要部ブロック図である。
図2に示すように、コンソール7は、制御部71、記憶部72、操作部73、表示部74、通信部75、各部71~75を接続するバス76を備えて構成されている。
【0027】
制御部71は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。制御部71のCPUは、操作部73の操作に応じて、記憶部72に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、コンソール7各部の動作を集中制御する。
【0028】
記憶部72は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成され、制御部71が実行する各種プログラム(後述する放射線画像撮影の制御処理を行うためのプログラムを含む)やプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター等を記憶している。
また、記憶部72は、放射線画像撮影装置1から受信した画像データや制御部71が処理した画像データを、付帯情報と紐づけて記憶することが可能となっている。
【0029】
操作部73は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された指示信号を制御部71に出力する。
また、操作部73は、表示部74の表示画面にタッチパネルを備えてもよく、この場合、タッチパネルを介して入力された指示信号を制御部71に出力する。
【0030】
表示部74は、LCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等のモニターにより構成され、制御部71から入力される表示信号の指示に従って、操作部73からの入力指示やデータ等を表示する。
【0031】
通信部75は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークに接続された各装置との間のデータ送受信を制御する。
【0032】
〔放射線画像撮影装置〕
放射線画像撮影装置1は、例えば図示しない筐体を備えてパネル状に構成され、各種撮影台等に装填されて用いられる。
なお、放射線画像撮影装置1の構成は特に限定されない。例えば放射線画像撮影装置1は撮影台等と一体的に形成されていてもよいし、可搬型に構成され、各種の撮影台に対して着脱可能となっていてもよい。また、撮影台等に装填せずに、単体の状態で、例えば被写体である患者の身体にあてがったり、ベッド上に横臥している患者とベッドとの間に差し込んで撮影に用いるものであってもよい。
【0033】
放射線画像撮影装置1は、画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子7(図2参照)を有し、複数の放射線検出素子7がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成するものである。
放射線画像撮影装置1は、前述の放射線照射装置5から放射線が照射されると、受けた放射線に応じた電荷を複数の放射線検出素子7に発生させ、これらの電荷に基づいて各画素の信号値を読み出すことにより放射線画像(撮影画像)を生成する。
また、放射線画像撮影装置1においては、放射線が照射されない状態でも、放射線検出素子7の熱による熱励起等により各放射線検出素子7内で電荷(暗電荷)が発生する。放射線を照射しない状態で放射線検出素子7内に蓄積される暗電荷を各放射線検出素子7から読み出すことで得られるデータは、後述するオフセット補正に用いられるオフセット分のデータ(以下「オフセット画像」という。)となる。
【0034】
ここで、図3を参照しつつ、本実施形態の放射線画像撮影装置1の具体的な構成について説明する。
放射線画像撮影装置1は、図3に示すように、複数の放射線検出素子7が二次元状(マトリクス状)に配列された検出部を備えている。各放射線検出素子7には、バイアス線9が接続されており、バイアス線9やそれらの結線10を介してバイアス電源14から逆バイアス電圧が印加される。
【0035】
また、各放射線検出素子7には、スイッチ素子としてTFT(Thin Film Transistor)8が接続されており、TFT8は信号線6に接続されている。そして、各放射線検出素子7では、図示しない被写体を介して照射された放射線の線量に応じた電荷が各放射線検出素子7内でそれぞれ発生するようになっている。
【0036】
また、走査駆動手段15では、配線15cを介して電源回路15aから供給されたオン電圧とオフ電圧がゲートドライバー15bで切り替えられて走査線5の各ラインL1~Lxに印加される。そして、各TFT8は、走査線5を介してオフ電圧が印加されるとオフ状態になり、放射線検出素子7と信号線6との導通を遮断して、電荷を放射線検出素子7内に蓄積させる。また、走査線5を介してオン電圧が印加されるとオン状態になり、放射線検出素子7内に蓄積された電荷を信号線6に放出させる。
【0037】
各信号線6は、読み出しIC16内の各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。そして、信号値の読み出し処理の際には、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1~Lxにオン電圧が順次印加される。そして、TFT8がオン状態になると、放射線検出素子7から電荷がTFT8や信号線6を介して読み出し回路17に流れ込み、増幅回路18で、流れ込んだ電荷の量に応じた電圧値が出力される。
【0038】
相関二重サンプリング回路(以下「CDS」とする)19は、増幅回路18から出力された電圧値をアナログ値の信号値として読み出して出力し、出力された信号値はアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の信号値に順次変換されて記憶手段23に順次保存されるようになっている。
なお、熱励起等により各放射線検出素子7内で電荷(暗電荷)が発生した場合にも同様の処理により信号値が読み出される。
【0039】
本実施形態において、複数の放射線検出素子7等を備える検出部と、ゲートドライバー15b等を備える走査駆動手段15と、CDS19等を備える読み出しIC16とで、画像生成手段10が構成されている。画像生成手段10の動作は、画像生成制御手段としての制御手段22によって制御される。
【0040】
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成されている。制御手段22は専用の制御回路で構成されていてもよい。
【0041】
本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、前述のように画像生成手段10の動作を制御する画像生成制御手段として機能する他、総線量算出手段、線量出力設定手段、画像合成手段等として機能する。
本実施形態では、本撮影画像のデータ(これを「本画像データ」ともいう。)Pdを取得するための本撮影を行う前に、プレ撮影画像のデータ(これを「プレ画像データ」ともいう。)Pr(Prex)を得るためのプレ撮影を行うようになっており、総線量算出手段としての制御手段22は、被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより画像生成手段10が生成したプレ画像データPr(Prex)に基づいて、診断に供するための診断用画像データDIを得るのに必要となる総曝射線量を算出する。
【0042】
線量出力設定手段としての制御手段22は、総線量算出手段として算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置5に出力する。
総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量とは、具体的には、総線量算出手段として算出した総曝射線量からプレ撮影時の曝射線量を差し引いた線量である。すなわち、仮に総曝射線量を「10」としたときに、プレ撮影時の曝射線量が「3」であったならば、本撮影時の曝射線量は、総曝射線量「10」からプレ撮影時の曝射線量「3」を差し引いた「7」となる。
【0043】
画像合成手段としての制御手段22は、被写体に対し、本撮影時の曝射線量にて本撮影を行うことにより画像生成手段10が生成した本画像データPdにプレ撮影で得たプレ画像データPr(Prex)を合成して、診断用画像データDIを生成する。
【0044】
また本実施形態では、制御手段22は、画像生成手段10の動作を制御する画像生成制御手段として、本撮影における電荷蓄積時間に対するプレ撮影における電荷蓄積時間、本撮影における電荷読み出し時間に対するプレ撮影における電荷読み出し時間のうち、少なくとも一方を短くするように画像生成手段10を制御する。
なお、以下の実施形態では、電荷蓄積時間及び電荷読み出し時間の両方について、本撮影時よりもプレ撮影時の方が短くなるように制御する場合について説明する。
なお、本実施形態における制御手段22のこれら各機能については後に詳述する。
【0045】
また、制御手段22は、上記のように、バイアス電源14から各放射線検出素子7への逆バイアス電圧の印加を制御したり、走査駆動手段15や読み出し回路17等の動作を制御して、各放射線検出素子7からの信号値の読み出し処理を行わせ、読み出された信号値を後述の記憶手段23に保存する手段としても機能する。
さらに、制御手段22には、リチウムイオンキャパシター等で構成される内蔵電源(バッテリー)24が接続されている。また、制御手段22には、アンテナ29やコネクター27を介して外部と無線方式や有線方式で通信を行うための通信部30が接続されており、記憶手段23に保存された信号値を、通信部30を介して外部に転送する等、放射線画像撮影装置1の各部の制御を行うようになっている。
【0046】
また、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフを制御することができるようになっている。制御手段22には、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態でも内蔵電源24から供給される非常に小さい電力で駆動する図示しないマイコンが含まれており、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態でも放射線画像撮影装置1の電源のオフからオンへの切り替えを制御することができるように構成される。
【0047】
また、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)、NAND型フラッシュメモリー等で構成される記憶手段23が接続されている。
本実施形態の記憶手段23は、プレ撮影によって取得されたプレ画像、本撮影によって取得された本画像を記憶する。また、記憶手段23はプレ撮影において曝射前に取得された画像をプレ画像のオフセット補正に用いるオフセット画像(プレ撮影のオフセット画像)として記憶するとともに、本撮影において曝射終了後に取得された画像を本画像のオフセット補正に用いるオフセット画像(本撮影のオフセット画像)として記憶する。
さらに記憶手段23には、制御手段22によって算出された総曝射線量や、これに基づく本撮影の曝射線量等の情報も記憶される。
なお、記憶手段23に記憶される事項は、ここに例示したものに限定されない。これらのうちの一部が記憶されてもよいし、これら以外の事項が記憶されてもよい。
【0048】
[放射線画像撮影装置の動作]
次に、本実施形態における放射線画像撮影装置1(放射線画像撮影装置1を含む放射線画像撮影システム100)の動作(放射線画像撮影装置1等を用いた放射線画像撮影方法)について説明する。
【0049】
図4は、本実施形態における放射線画像撮影方法の手順を示すフローチャートである。また、図5は、撮影シーケンスを模式的に示す説明図である。
放射線画像撮影システム100において放射線画像撮影装置1を用いて撮影を行う場合には、図4及び図5に示すように、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、撮影前の準備動作として、画像生成手段10の各放射線検出素子7に電荷を蓄積してはTFTゲートを開けて信号値を出す読出し動作を行う(ステップS1)。なお、このとき読み出された信号値はそのまま破棄される。このような電荷の蓄積と読出しを繰り返すことでオフセットが安定する。
【0050】
オフセットが安定すると、ユーザーが曝射スイッチ52を操作することが可能な状態となる。制御手段22は、曝射指示信号を受信したか否か、すなわち、曝射スイッチ52が押されたか否かを判断し(ステップS2)、押されるまでステップS1に戻って処理を繰り返す。
他方、曝射スイッチ52が押された場合(ステップS2;YES)には、そのタイミングで電荷の蓄積・読出し中であった画像をプレ撮影のオフセット画像(暗画像)として取得する(ステップS3)。取得されたオフセット画像は記憶手段23等に記憶される。オフセット画像が取得されると曝射許可信号が送信され、これを受信したか否かが制御手段22によって判断される(ステップS4)。制御手段22は、曝射許可信号を受信するまでこの判断処理を繰り返し、曝射許可信号を受信した場合(ステップS4;YES)には、その瞬間にプレ撮影における曝射があったものとして(ステップS5)、このタイミングで電荷の蓄積・読出し中であった画像をプレ画像データPrとして取得する(ステップS6)。
図5に示すように、ここまでの動作をプレ撮影駆動とする。なお、図5ではオフセット画像を取得した後、次の蓄積・読み出しでプレ撮影画像(プレ画像データPr)を取得しているが、プレ撮影画像(プレ画像データPr)の取得とプレ撮影のオフセット画像の取得との間に1回以上の蓄積・読み出しが行われてもよい。
【0051】
プレ画像データPrが取得されると、制御手段22は、既に取得されているプレ撮影のオフセット画像を用いてオフセット補正を行う(ステップS7)。そして、補正後のプレ画像データPrに基づいて、適切な診断用画像データDIを得るために必要な、曝射線量の総量である総曝射線量を算出する(ステップS8)。
そして、総曝射線量が算出されると、制御手段22は、この総曝射線量からプレ撮影時の曝射線量を差し引き、本撮影時の曝射線量を求め、これを放射線照射装置5に出力する(ステップS9)。
【0052】
図5に示すように、プレ画像データPrを取得するプレ撮影駆動の後、本撮影画像(本画像データPd)を取得するための本撮影駆動に移行するが、ノイズの少ない画像を取得するために、プレ撮影を行った後は、画像生成手段10においてステップS1と同様に短い周期で電荷の蓄積と信号の読出し動作を繰り返すリセット動作が行われる。
上記総曝射線量の算出及びこれに基づく本撮影時の曝射線量算出・設定は、このリセット動作の間に行われる。
そして、画像生成手段10の動作が安定すると、曝射許可信号が送信され、これを受信したか否かが制御手段22によって判断される(ステップS10)。制御手段22は、曝射許可信号を受信するまでこの判断処理を繰り返し、曝射許可信号を受信した場合(ステップS10;YES)には、その瞬間に本撮影における曝射があったものとして(ステップS11)、このタイミングで電荷の蓄積・読出し中であった画像を本撮影画像(本画像データPd)として取得する(ステップS12)。
【0053】
本画像データPdを取得するための本撮影時の曝射が終了すると、画像生成手段10においてステップS1と同様に短い周期で電荷の蓄積と信号の読出し動作を繰り返すリセット動作が行われる(図5参照)。これにより、オフセットが安定する。そして制御手段22は、曝射終了後であってオフセットが安定するのに十分なリセット動作の完了後に、電荷が蓄積され読み出された画像を本撮影のオフセット画像(暗画像)として取得する(ステップS13)。取得されたオフセット画像は記憶手段23等に記憶される。
なお、放射線の曝射終了は、信号値や各種センサー等の出力等から制御手段22が検知してもよい。この場合、具体的な検知手法は各種の手法を採用することができる。また、予め所定の曝射時間を設定しておき、その所定時間が経過したことをもって曝射が終了したものとしてもよい。なお、実際の曝射が所定時間経過前に終了する場合等もあり得るため、曝射終了を積極的に検出した方が、無駄な待ち時間をなくしてすぐに次の処理に移行でき、好ましい。
【0054】
ここで、図6(a)及び図6(b)を参照しつつ、本実施形態におけるプレ撮影と本撮影について説明する。
図6(a)において、t1は、プレ撮影における電荷蓄積時間と電荷読出し時間であり、t2は、本撮影における電荷蓄積時間と電荷読出し時間であり、t3は、リセットに要する時間である。
【0055】
図6(a)に示すように、本実施形態では、プレ撮影における電荷蓄積時間と電荷読出し時間の合計時間t1とリセット時間t3とを合わせた時間Tは、本撮影における電荷蓄積時間と電荷読出し時間t2よりも短くなっている。
被写体となる患者の体動による影響をできる限りなくすためには、被写体となる患者には、プレ撮影の開始時点から本撮影が行われるまで、所定のポジショニングのまま姿勢を維持して静止していることが求められる。この点、人が静止していることのできる限界時間を考慮すると、本撮影が開始されるまでの時間となるTは、2秒以内であることが好ましく、本実施形態では1秒(1000ms)程度としている。
このうち、制御手段22が総曝射線量の算出及びこれに基づく本撮影時の曝射線量算出・設定に要する時間は、0.3秒(300ms)程度であり、この時間をリセット動作にあてるとすれば、プレ撮影における電荷蓄積時間と電荷読出し時間の合計時間t1は0.7秒(700ms)程度となる。
【0056】
また、図6(b)に示すように、プレ撮影にかかるt1は、電荷蓄積時間t1_1と電荷読出し時間t1_2とに分けることができ、同様に、本撮影にかかるt2は、電荷蓄積時間t2_1と電荷読出し時間t2_2とに分けることができる。
本実施形態では、本撮影における電荷蓄積時間t2_1よりもプレ撮影における電荷蓄積時間t1_1を短くし、本撮影における電荷読み出し時間t2_2よりもプレ撮影における電荷読み出し時間t1_2が短くなるように、制御手段22が画像生成手段10の動作を制御するようになっている。
なお、プレ撮影における電荷蓄積時間t1_1、電荷読み出し時間t1_2の両方を本撮影における電荷蓄積時間t1_1、電荷読み出し時間t1_2よりも短くなるようにすることが好ましいが、これらのうちいずれか一方のみを短くする場合も除外しない。
【0057】
このうち、プレ撮影時の電荷蓄積時間t1_1は、プレ画像データを適切な総曝射線量の算出を行うことのできる程度の画像とするために必要な時間や、放射線画像撮影装置1や放射線照射装置5側の性能等を考慮して設定される。
放射線画像撮影装置1や放射線照射装置5側の性能から制約される最低限度の時間は例えば6ms程度であるが、総曝射線量の算出を行うことのできる程度のプレ画像データを得るために、プレ撮影時の電荷蓄積時間t1_1を例えば50ms程度とすることが好ましい。仮にプレ撮影時の電荷蓄積時間t1_1を50msとした場合でも、本撮影時の電荷蓄積時間t2_1は、例えば700ms程度であるため、これよりも十分に短い長さとなる。
【0058】
次に、プレ撮影時の電荷読出し時間t1_2を本撮影時の電荷読出し時間t2_2よりも短くする手法としては各種の手法があり得る。
例えば、プレ撮影においては、電荷の読出し時に縦方向(信号線方向)へ複数のゲート列を同時に開き、その後横方向(ゲート線方向)にソフトウェア上で画素を加算又は平均することでいくつかの画素を1つの画素とみなすピクセルビニング(以下単に「ビニング」という。)の手法をとることが考えられる。例えば4ビニングであれば4つのゲート列を同時に開き、その後横方向の4画素を加算又は平均して1画素とみなす。
すなわち、前述のように、走査線5を介して電源回路15aからオン電圧が印加されるとTFT8がオン状態となり、放射線検出素子7内に蓄積された電荷が信号線6に放出され読み出されるが、これを走査線5の各ラインL1~Lxについて1ラインごとに順次行うのではなく、複数ラインL1~Lxについて同時にオン電圧を印加して、複数ラインL1~Lx分の信号値をまとめて読み出す。これにより、複数画素を1つの画素としてまとめて読み出すことができ、電荷読出し時間t1_2を短縮することができる。
【0059】
1つの画素にまとめる画素数を多くすればそれだけ電荷の読出しに要する時間t1_2を短縮することが可能となるが、多くの画素を1つにまとめるほど、ノイズも加算されてしまう等により画像の解像度が低下する。
本実施形態では、プレ画像データPrを破棄せず、最終的にプレ画像データPrと本画像データPdとを合成して診断用画像データDIを生成する。本画像データPdはできる限り解像度を落さずに処理されるため、プレ画像データPrの解像度が極端に低下すると本画像データPdとうまく合成することができず、合成したとしても全体としての解像度が低下し、結果として高画質な診断用画像データDIを得ることができなくなる。
そこで、1画素にまとめる画素数を、本画像データPdと合成したときに画質に影響を及ぼさない必要最低限度に抑える必要があり、本実施形態では4×4画素を1画素として読み出す4ビニングでプレ画像データPrを構成する。
【0060】
このようなビニング処理を行ったプレ画像データPrを、ビニング処理を行わずに読み出された本画像データPdと合成するためには、プレ画像データPrを本画像データPdと同等のサイズにする必要がある。
図7は、4ビニングで構成されたプレ画像データを縦横4倍して、本画像データPdとサイズを合わせる処理を行う様子を模式的に示す説明図である。
図7では左側に4ビニングで構成されたプレ画像データPrを示し、右側にプレ画像データPrを縦横4倍した伸長処理後のプレ画像データPrexを示している。
図8に示すように、このような伸長処理を施したプレ画像データPrexを本画像データPdと合成することにより、高画質な診断用画像データDIを得ることができる。
【0061】
プレ撮影時の電荷読出し時間t1_2を本撮影時の電荷読出し時間t2_2よりも短くする手法としては、上記のビニング処理の他、CDS19の読出し間隔(これを「CDS間隔」という。)を短くする手法を採用することもできる。
図9(a)は、プレ撮影におけるCDSの駆動の一例を示し、図9(b)は、本撮影におけるCDSの駆動の一例を示したタイミングチャートである。
【0062】
図9(a)に示すように、プレ撮影駆動では、1回目にCDS19がON(図中「CDS1_ON」)となってからOFF(図中「CDS1_OFF」)となり、2回目のCDS19がON(図中「CDS2_ON」)となるまでの間の時間であるCDS間隔がごく短く設定されている。
これに対して、図9(b)に示すように、本撮影駆動では、1回目にCDS19がON(図中「CDS1_ON」)となってからOFF(図中「CDS1_OFF」)となり、2回目のCDS19がON(図中「CDS2_ON」)となるまでのCDS間隔が比較的長く設定されている。
【0063】
このように、画像生成制御手段としての制御手段22が、プレ撮影におけるCDS19の読出し間隔(CDS間隔)を本撮影におけるCDS19の読出し間隔(CDS間隔)よりも短くするように画像生成手段10の動作を制御することによっても、プレ撮影時の電荷読出し時間t1_2を本撮影時の電荷読出し時間t2_2よりも短くすることが可能である。
なお、プレ撮影時の電荷読出し時間t1_2を本撮影時の電荷読出し時間t2_2よりも短くする手法として、プレ撮影時にビニング処理を行うことと、CDS間隔を短くする処理とを両方行ってもよいし、いずれか一方のみを行ってもよい。
ビニング処理を行わず、CDS間隔を短くする処理のみを行った場合には、プレ画像の解像度を落とすことなく、プレ撮影の時間を短縮することができる。
【0064】
図4に戻って、本撮影のオフセット画像が取得されると、制御手段22は、既に取得されている本画像データPdについて本撮影のオフセット画像を用いてオフセット補正を行う(ステップS14)。
そして、補正後のプレ画像データPrexと、補正後の本画像データPdとを合成して診断用画像データDIを生成する(ステップS15)。
【0065】
これにより、本実施形態の放射線画像撮影装置1及びこれを含む放射線画像撮影システム100では、プレ撮影の時間を本撮影よりも短縮して、できる限り被写体である患者の負担を低減しつつ高画質な診断用画像データを得ることができる。
【0066】
[効果]
以上説明したように、本実施形態における放射線画像撮影装置1は、画像の各画素に対応して二次元状に配列され、電荷を発生させる複数の放射線検出素子7を有し、複数の放射線検出素子7がそれぞれ発生させた電荷に基づいて各画素の信号値を読み出して画像を生成する画像生成手段10と、画像生成手段10の動作を制御する画像生成制御手段として機能するとともに、被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより画像生成手段10が生成したプレ画像データPrに基づいて、診断に供するための診断用画像データDIを得るのに必要となる総曝射線量を算出する総線量算出手段として機能し、総線量算出手段として算出した総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を、外部の放射線照射装置5に出力することが可能な線量出力設定手段として機能し、被写体に対し、本撮影時の曝射線量にて本撮影を行うことにより画像生成手段10が生成した本画像データPdにプレ画像データPr(Prex)を合成して、診断用画像データDIを生成する画像合成手段としても機能する制御手段22と、を備え、画像生成制御手段としての制御手段22は、本撮影における電荷蓄積時間t2_1に対するプレ撮影における電荷蓄積時間t1_1、本撮影における電荷読み出し時間t2_2に対するプレ撮影における電荷読み出し時間t1_2のうち、少なくとも一方を短くするように画像生成手段10の動作を制御する。
これにより、被写体である患者が正しいポジショニングの姿勢を維持していなければならない時間をできるだけ短くして患者の負担を低減させルことができる。特に本実施形態のように、プレ撮影における電荷蓄積時間t1_1及び電荷読み出し時間t1_2の両方を本撮影における電荷蓄積時間t2_1及び電荷読み出し時間t2_2よりも短くした場合には、より一層、プレ撮影に係る時間を短縮し、患者の負担を低減させることができる。
また、プレ撮影によって得られたプレ画像データPrを破棄せずに本画像データPdと合成することで診断用画像データDIを生成するために、プレ撮影において曝射された放射線量が無駄にならず、全体として患者が受ける放射線の総被曝量を抑えることが可能となる。そしてこのように患者の身体に与える負担を最小限としつつ、高画質の診断用画像データDIを得ることができる。
【0067】
また本実施形態では、本撮影時の曝射線量は、総線量算出手段としての制御手段22が算出した総曝射線量からプレ撮影時の曝射線量を差し引いた線量とする。
このため、プレ撮影時の曝射線量が無駄にならず、プレ撮影時に曝射され分の放射線量を二重に患者に曝射するのを回避することができ、患者の被ばく線量を抑えることができる。
【0068】
また本実施形態では、画像生成制御手段としての制御手段22は、プレ撮影における電荷蓄積時間t1_1を本撮影における電荷蓄積時間t2_1よりも短くするように画像生成手段10の動作を制御する。
このため、プレ撮影に係る時間を短縮し、患者の負担を低減させることができる。
【0069】
また本実施形態では、画像生成制御手段としての制御手段22は、プレ撮影における電荷読み出し時間t1_2を本撮影における電荷読み出し時間t2_2よりも短くするように画像生成手段10の動作を制御する。
このため、プレ撮影に係る時間を短縮し、患者の負担を低減させることができる。
特に、プレ撮影における電荷蓄積時間t1_1及び電荷読み出し時間t1_2の両方を本撮影における電荷蓄積時間t2_1及び電荷読み出し時間t2_2よりも短くした場合には、より一層、プレ撮影に係る時間を短縮し、患者の負担を低減させることができる。
【0070】
また本実施形態では、画像生成制御手段としての制御手段22は、プレ撮影におけるCDS19の読出し間隔を本撮影におけるCDS19の読出し間隔よりも短くするように画像生成手段10の動作を制御する。
これにより、プレ撮影に係る時間を短縮し、患者の負担を低減させることができる。
また、プレ撮影における電荷読み出し時間t1_2を本撮影における電荷読み出し時間t2_2よりも短くするための手法としてCDS間隔を短くする手法を採用することで、プレ画像データPrの解像度をできるだけ落とさずに処理時間の短縮を図ることができ、プレ画像データPrを本画像データPdと合成して診断用画像データDIを生成した場合に、より高画質な画像を得ることができる。
【0071】
また、画像生成制御手段としての制御手段22は、ビニング処理等の解像度を落とす手法による時間短縮を行わず、プレ撮影におけるCDS19の読出し間隔を本撮影におけるCDS19の読出し間隔より短くすることで、少なくとも本撮影における電荷読み出し時間t2_2に対して、プレ撮影における電荷読み出し時間t1_2を短くするように画像生成手段10の動作を制御してもよい。
このように、プレ撮影における電荷読み出し時間t1_2を本撮影における電荷読み出し時間t2_2よりも短くするための手法として、CDS間隔を短くする手法を採用した場合には、プレ画像データPrの解像度を落とすことなく処理時間の短縮を図ることができ、プレ画像データPrを本画像データPdと合成して診断用画像データDIを生成した場合に、より高画質な画像を得ることができる。
【0072】
[変形例]
なお、以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形が可能であることは言うまでもない。
【0073】
例えば、本実施形態では、放射線画像撮影システム100内の放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線画像撮影装置1の各部の基本動作を制御したり、画像生成手段10の動作を制御する画像生成制御手段として機能する他、総線量算出手段、線量出力設定手段、画像合成手段等として機能する場合を例として説明したが、これらの機能のすべてを放射線画像撮影装置1の制御手段22が実現する場合に限定されない。
例えば、コンソール7の制御部71が撮影制御手段として、総線量算出手段、線量出力設定手段、画像合成手段、放射線画像撮影装置1の動作を制御する画像生成制御手段として機能してもよい。
【0074】
この場合には、被写体に対し、後から行われる本撮影時の曝射よりも低い曝射線量にてプレ撮影を行うことにより放射線画像撮影装置1によってプレ画像データPr(Prex)及びオフセット画像が生成されると、これらのデータがコンソール7に送られ、コンソール7の制御部71においてプレ画像についてのオフセット補正が行われる。そして補正後のプレ画像データPr(Prex)に基づいて、総線量算出手段としての制御部71が診断用画像データDIを得るのに必要となる総曝射線量を算出する。
なお、オフセット補正までは放射線画像撮影装置1の制御手段22が行い、補正後のプレ画像データPrをコンソール7に送ってもよい。
【0075】
制御部71は、総曝射線量が算出されると、線量出力設定手段として、総曝射線量に基づく本撮影時の曝射線量を求めて、これを放射線照射装置5に出力するとともに放射線画像撮影装置1に設定する。
そして、制御部71は、画像合成手段として、被写体に対し、本撮影時の曝射線量にて本撮影を行うことにより放射線画像撮影装置1が生成した本画像データPdにプレ画像データPr(Prex)を合成して、診断用画像データDIを生成する。
また、制御部71は、本撮影における電荷蓄積時間t2_1に対するプレ撮影における電荷蓄積時間t1_1、本撮影における電荷読み出し時間t2_2に対するプレ撮影における電荷読み出し時間t1_2のうち、少なくとも一方を短くするように放射線画像撮影装置1を制御する。
【0076】
なお、放射線画像撮影装置1の制御手段22、コンソール7の制御部71のいずれかが画像生成制御手段、総線量算出手段、線量出力設定手段、画像合成手段等のすべての機能を実現するように構成されている必要はない。
例えば、放射線画像撮影装置1の制御手段22が画像生成制御手段として機能し、コンソール7の制御部71が総線量算出手段、線量出力設定手段、画像合成手段として機能するというように、放射線画像撮影システム100内の複数の装置間で機能が分担されていてもよい。
このように放射線画像撮影装置1の制御手段22とコンソール7の制御部71とが役割を分担して各種処理を行うことにより、放射線画像撮影装置1の制御手段22や記憶手段23等の負荷を軽減して、円滑な撮影を行うことができる。
【0077】
その他、放射線画像撮影装置1、放射線画像撮影システム100を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 放射線画像撮影装置
22 制御手段
23 記憶手段
5 放射線発生装置
7 コンソール
71 制御部
72 記憶部
73 操作部
100 放射線画像撮影システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9